Apple Musicに‘トップチャート’プレイリストが加わる

Apple Musicにグローバル、そして各国のトップ100を集めたプレイリストのシリーズが新たに加わった。プレイリストなので、ユーザーは自分の国のトップチャートあるいはグローバルのトップ100曲をいつでもストリームしたり、あるいはオフラインで聴けるようライブラリーに加えることができる。

この機能は、変更のプレビューをAppleにもらったRolling Stoneが最初に報じた。

グローバルと、Apple Musicが展開されている各マーケットのトップ100のチャート、計116チャートがまずは展開される。ほとんどの国でこうした新トップ100プレイリストチャートにアクセスできるが、利用可能かどうかは異なるだろう。

トップチャートプレイリストで面白いのはApple Musicのストリームに基づいて太平洋時間午前零時にアップデートされることだ。これによりプレイリストが常にフレッシュな状態となる。

Rolling Stoneのレポートによると、これらのチャートのリリースはストリーミング数の重要性が増しているためなのだという。レーベルやスカウトと同様、アーティストや彼らのマネジャーは、新たな才能を発掘するためにストリーミングチャートを参考にする傾向にあるとのことだ。そうした状況をAppleも受け入れているが、有料のストリーミングをより重視している。

これに関しては、北米においてはApple Musicが独占状態のため、その数字を追跡することは重要な意味を持つ。

Apple Musicは今や世界中に5000万人もの有料購読者を抱え、最近の収支報告に関するCEOのTim Cookのコメントによると、北米マーケットにおいてはSpotifyをしのいでいる。

「我々はこの四半期で北米でリーダーシップを取り、日本や、長年展開してきたいくつかのマーケットでもリードする立場にある」とCookは7月に述べている。

世界規模でみると、Spotifyが有料購読者8300万人でトップをいく。

しかしながら、新たなトップチャートがApple Musicアプリ内でただ面白みのないセクションになっているのではないことは指摘に値するだろうーダイナミックなプレイリストなのだ。

ゆえに、今日登場した新トップチャートプレイリストが、これまでのトップ200曲チャートに取って代わるということではない。

主要なストリーミングサービスの間では、プレイリストは主戦場だ。Spotifyは特にプレイリストのパーソナリゼーションに力を入れていて、メーンのDiscover Weeklyに加え、Release Radar、Daily Mixes(そしてYour Daily Car Mixの新バージョン)、Your Summer Rewind、Time Capsuleなどがある。

一方のApple MusicはFavorites playlistに加え、New Music Mix、Chill Mixを提供していて、iOS 12ではFriends Mixも展開する。

トップチャートのプレイリストは今日から利用できる。参考として、プレイリストのいくつかを以下に挙げておく。

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(翻訳:Mizoguchi)

Wi-Fiがある米国の世帯の5%がストリーミングTVを利用:昨年から58%増

comScoreの新たな調査によると、インターネットを介してケーブルTVのような番組を提供するストリーミングTVを視聴している米国の世帯数は、1年間で58%も増えた。しかしながら、ストリーミングTVの割合は全体からすればまだ小さく、4月時点でWi-Fiを利用している世帯の5%(490万世帯)を占めているにすぎない。

そうしたデータを示しつつ、comScoreは“pure-play”と呼ぶvMVPDs (virtual multichannel video programming distributors)に注目している。vMVPDs は、Sling TVのようなライブTVサービスを表す一つの業界用語だ。同軸ケーブルのようなアクセサリを使わなくてもインターネットを介していくつものテレビ番組ストリーミングができ、オリジナル番組やユーザーのビデオといったコンテンツは扱わない。

vMVPDs のラインナップとしては、Sling TVやDirecTV Now、Playstation Vue、fuboTV、Philo、YouTube TVそしてHulu with Live TVなどがある。comScoreが“pure-play vMVPDs”と呼ぶところのサービスもHulu LiveやYouTube TVを除けばほぼ同じリストになる。それらは、有線でなく、オリジナル番組のようなデジタルコンテンツだけを扱う。

今回の調査で、こうした “pure-play”のライブTVサービスを受け入れる家庭が急激に増え、その一方で多くの人が従来の有料TVサービスを利用しなくなっていることが明らかになった。

例えば、2018年4月のストリーミング番組・映画の鑑賞に費やされた時間の10%は “pure-play”のストリーミンサービスを介している。これは昨年の数字に比べると53%もアップしている。

そうしたライブTVサービスを1つでも利用している家庭では、OTTストリーミング視聴の半分はライブTVサービスを活用している。

また興味深いことに、他の新たなテクノロジーとは異なり、ライブTVサービスは若い世代にだけ受け入れられているわけではない。

2017年4月、ライブTVサービスを利用している米国の世帯において、一家の長が35歳以下だったのは29%だった。しかし今年4月、この数字は8ポイント下がって21%となっている。つまり、一家の長が35歳以上の世帯の利用が増えていることを意味している。

他にも、すでにOTT機器を使ったストリーミングを利用している世帯がさらにライブTVサービスを利用しようとしていることも今回の調査で明らかになった。

2018年4月、OTT機器を使ったストリーミングを利用している世帯は平均128時間のOTTコンテンツをストリーミングしていた。これはそうでない世帯の平均の54時間を大きく上回っている。半分はストリーミングライブTVの利用で、残りの半分はNetflixやAmazon Prime Videoといったオンデマンドのような他のサービスの利用によるものだ。

そうしたライブTVサービスは今後も増え続けるとcomScoreはみていて、Hulu LiveやYouTube TVといった新手のサービスのユーザー数は今年それぞれ100万人を超えると予測している。

これにより、全vMVPDsのユーザーは、衛星TVを利用している世帯の3分の1近くに相当する700万人超となるとみられている。

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(翻訳:Mizoguchi)

Twitchがコミュニティを閉鎖する予定

Twitchのコミュニティにさよならを言おう。ゲームストリーミングサービスのTwitchは、まだサイトに導入して日の浅いこの機能を間もなく停止する。その引き換えに導入されるのがタグシステムだ。この変更によって、ユーザーは、視聴したい種類のストリーム(配信)を見つけやすくするために、ディレクトリやブラウズページ内のタグによってストリームをフィルタリングすることができるようになる。

Twitchによれば、コミュニティの閉鎖とタグの追加は、9月中旬に予定されている。

Twitchがユーザーのユニークな関心をより良く満たそうと、コミュニティを立ち上げたのは昨年のことだ。たとえば、レトロなゲームといったゲームタイプや、スピードランニングなどのアクティビティタイプによって、独自のコミュニティを作ることができた。またFortnite Battle Royale、PUBG、そしてLegends of Legendsなどのタイトルを中心としたコミュニティや、音楽、絵画、料理、コスプレといったクリエイティブな活動に焦点を当てたコミュニティもある。

しかし、Twitch自身が成長し、ストリーマー(配信者)やコミュニティの数が増えるにつれて、このシステムは段々と役に立たないものと化していた。Twitchは、今では異なるコミュニティ間、あるいはコミュニティとゲーム間に、多くの重複が生まれていると述べている。

これは、部分的にはコミュニティのオープンな性質に起因するものだ。似通った名前のコミュニティが沢山あり、ひと目でお互いがどう違うのかを示す良い手段は存在していない。

「もともとコミュニティは、視聴者のみなさんが、見るべきものを決める手助けをするための、情報提供ソリューションの1つでした。しかし視聴者のみなさんが、興味のあるディレクトリの中をブラウズしても、そうした情報を見つけることはできなかったのです」と同社は発表の中で述べている。

また、コミュニティはメンバーたちをストリームの視聴へと向かわせていないことも判明した。実際Twitchの視聴者の中で、コミュニティの機能を通してストリームの視聴へとやってきた者の割合は3%以下だったのだ。これは、発見機能としてのコミュニティがほぼ失敗に終わっていることを示している。

Twitchは、タグの実装によって発見機能が改善されることを期待している。

同社は、9月中旬にサイトにタグ機能を追加すると発表しており、Twitchのディレクトリページ、ホームページ、検索、チャンネルページを含むあらゆる場所で、ストリームを特定するためにタグが用いられる。メインのDirectoryページと、Browseページでも、タグによるフィルタリングを行うことができ、また一部のタグは自動生成される。

Twitchによれば、ゲームジャンルのようなタグと、自動検出できるゲーム内機能といったタグは自動的に追加されると述べている。しかしタグの大部分はストリーマー自身によって選択されるものだ。念のために強調しておくが、これは勝手に作って良いタグではなく、あくまでも選択されるものなのだ。

とはいえストリーマーたちが、新しいタグを提案することはできるようになる。

これらのタグは、ビデオのサムネイル、ストリームのタイトル、ストリーミングされるゲームやカテゴリの横に表示される。

この変更は、大量の情報にアクセスするために使用されるポータル的インターフェイスの限界を証明するものだ。すなわち好きなものを探すために特定のセクションをブラウズし、その結果をスクロールしていくことは、多大な時間を使いすぎるのだ。長期的にはそれほど役に立たない。この場合、タグ付け機能を使用することで、ユーザーは情報をフィルタリングして、膨大なTwitchストリームの中から好きなものを見付けることができるようになる。

そうは言うものの、すべてのTwitchユーザーがこの変更を歓迎しているというわけではない。しかし、変更を喜ぶものもいれば、用心深くながらタグに楽観的なものもいる。

Twitchによれば、タグ付けはまずWeb上で開始され、モバイル上にその機能を展開する前に、足りないタグに関するフィードバックの聞き取りを行う。

9月中旬となっている開始日は変更される可能性はあるが、現在のところはそこが目標だ。

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(翻訳:sako)

Discoveryも独自にストリーミングサービスを始めるかも?

Discovery Communicationsは、3月にScripps Networks Interactiveを146億ドルで買収したことに続いて、独自の消費者直販サービスの立ち上げを考え始めているようだ。AdWeekのレポート(有償)によれば、DiscoveryのCEOであるDavid Zaslavが、業界のとあるイベントで、月額5ドルから8ドルでDIscoveryネットワークの番組を提供するサービスを検討していると発表したそうだ。

このサービスが米国限定であるかどうかは決定しておらず、また立ち上げ時期に対するいかなるヒントもCEOからは提供されていない。

とはいえ、Zaslavはストリーミング業界の他の新参者たちに勇気付けられたと語っている。その新参者の中には例えば、安価なスキニーバンドル(番組数を減らしてコストを下げるといった意味)であるPhiloや、AT&Tが立ち上げたばかりのWatchTVなどが含まれている。

Discoveryのチャンネルは現在、30のネットワーク提供するWatchTVを含む、多くのオンラインTV配信サービス内で利用可能だ。

Scrippsの買収後、同社は25歳から54歳の女性向けケーブルネットワークの上位5社のうちの4社を運営することになった。ZaslavはまたID、HGTV、Food Network、そしてTLCについても言及した。さらに何曜日の夜であってもアメリカの女性視聴者の22%から25%は同社の系列の番組を見ていると述べた。そうしたかなりの数の視聴者たちと、”Shark Week”のような人気番組に対する需要を加味すれば、顧客達を独立したサービスへと誘導することは可能かもしれない。

しかし、最近のストリーミング世界の競争の高まりを考えると、どれほど多くの消費者たちがDiscovery単体のサービスに料金を払ってくれるのかは不明だ。

大手3社(Netflix、Hulu、Amazon)以外でも、消費者たちはさまざまなオプションが与えられている。HBO、Showtime、Starz、Cinemaxなどのプレミアムケーブルネットワークから、CBS All Accessのようなチャンネル独自のアプリ、そしてfuboTVのようなストリーミングスポーツサービスに至るまで選択肢は多様だ。

それに加えて、Sling TV、Hulu with Live TV、YouTube TV、PlayStation Vue、AT&T’s DirecTV Now、Watch TV、そしてPhiloといった沢山のライブストリーミングTVが存在する。

DIscoveryは、消費者自身がアラカルトサービスを選択できるAmazonプライムビデオチャンネルで、ある程度成功することが可能だった。

現在Amazonのチャンネルは、消費者直接ビデオ購読の55%を占めていると言われており、さらに成長を続けている。だが評論家たちの意見によれば、たとえScrippsを手に入れたとしても、DisneyがFoxを買収しさらにNetflixストリーミングを2019年に買収しようとしたり、またAT&TがTime Warnerを買収したりといった、業界の統合の流れを考慮すると、Discoveryがラインナップをより魅力的で競争力の高いものにするためには、さらに他の企業を買収する必要がある。

沢山の選択肢があり、NetflixやDiscoveryの従来のケーブルTV番組に、リアリティショーや、家庭DIY、動物ドキュメンタリー、そして料理ショーなどの、高品質で受賞歴もある番組が登場する状況では、独立したサービスに人びとを引きつける力は弱いだろう。

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(翻訳:sako)

会員数の増加が滞って株価急落のNetflix、コンテンツへの過剰投資が裏目か

四半期ごとにウォール街は、Netflix(ネット配信)とComcast(ケーブル配信)のどっちの価値が大きいか決めてきたが、今四半期のNetflixは、彼らが期待するほどには会員数を大きく伸ばせなかった。会員数の伸びは株価の伸びに直結するから、その停滞は彼らにとって良いニュースではない。

会員数は絶対数では相変わらず大きく増加しているのだが、今度の第二四半期はウォール街の予想を下回った。その結果同社の時価総額は100億ドル以上、削り取られた。しかもまさにその同じ時期に同社は買い物に大忙しで、なお一層の会員増を目指してオリジナルコンテンツの拡充にも力を入れていた。その中にはGLOW, Jessica Jones, 3%, さらに劇場上映の映画すらあった。しかしそれだけの買い物努力を会員増に結びつけるためには、何かが足りなかった。

下図は、会員増の推移だ(単位: 100万人):

ご覧のとおり、同社の目論見に反して今年は(今後の予想も含めて)下降気味だ。そして株価は、下図のように推移している:

CEOや役員たちは、株主たちに長期的な価値をもたらすための投資だ、とかなんとか言いがちだが、しかしNetflixは昨年一貫して突進を続け、時価総額を倍増し、さきほど名を挙げたケーブル企業を抜き去った。このメディア消費の帝国は向こう10年はびくともしない、とまで言われた。でも当のライバルのComcastはメニューにNetflixを載せようとしているから、話は少々ややこしい。

集客力の強大なオリジナルコンテンツを目指すNetflixは今後ますます、人材への投資も拡大しなければならない。その代価の一部は同社の株であるはずだが、それが上図のような急落ではたいへん困る。株がだめなら大量の借金という手もあるけど、しかし貸し手が安心するためには、未来の株価の上向き安定が必要だ。急落のチャートでは、安心して貸せない。

そのほかの数字はすべて順調なのに、会員数だけは、予想した増加が得られなかったのだ。そこが、問題。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

W杯中継でYouTube TVが40分ダウン――クロアチア・イングランド戦アディショナルタイムに復活

クロアチアがイングランドに1点返した。スコアは 1-1になった。しかしGoogleのネットテレビ、YouTube TVの契約者はそこを見られなかっただろう。YouTube TVはあろうことか、ワールドカップ中継中に40分にわたってダウンしたからだ。

アップデート: YouTube TVはイングランド・クロアチア戦のアディショナルタイム中に復活した。

月額40ドルを払っているYouTube契約者は怒りくるっている。YouTube TVと契約する大きな理由はライブでスポーツ中継が見られるからだ。NetflixやHBOではサッカーの試合は見られない。

YouTubeはすぐにTwitterで謝罪し、全力で復旧作業に取り組んでいると述べたが、ダウンは一瞬では終わらなかった。 下にエンベッドしたOwen Williamsのツイートのとおり、サッカーのワールドカップの試合のライブ・ストリーミングをGoogleができないなら他のサービスができるとは思えない。

大イベントのライブ・ストリーミングはまだその時期が来ていないのだろうか。

〔日本版〕クロアチア対イングランド戦はアディショナルタイムにマリオ・マンジュキッチがゴール、FIFAによれば2対1でクロアチアの勝利。決勝戦はフランス対クロアチア、3位決定戦はベルギー対イングランドと報じられている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

中国で加速するオリジナル番組制作――Baidu、Alibaba、Tencentが続々参入

【編集部注】筆者のHugh Harsonoは元金融アナリストで、現在はアメリカ陸軍に所属している。

近年オリジナルコンテンツ市場が賑わいを見せており、その主役は制作スタジオをはじめとする従来の主要コンテンツプロバイダーから、インターネット時代のスタートアップへと移行しつつある。彼らはオリジナルコンテンツを制作することで、事業ポートフォリオの拡大や限定コンテンツの配信を通じた有料会員数の増加を狙っているようだ。

アメリカでは、同市場の覇権を握るAmazonやNetflix、Huluが『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』『高い城の男』『侍女の物語』など評論家も絶賛するシリーズを投入しており、他の大手テック企業も彼らに必死で追いつこうとしている。たとえばAppleはスティーブン・スピルバーグ監督と契約を結び、『世にも不思議なアメージング・ストーリー』のリニューアル版の制作を予定しているほか、Facebookはオリジナルコンテンツの制作に最大10億ドルを投入Googleは将来的にTVシリーズの1エピソードあたりの制作費を最大300万ドルまで引き上げると発表しており、Disneyも独自のストリーミングサービス向けにオリジナルコンテンツを制作しようとしている。

同様に中国のオリジナルコンテンツ市場も、ネット大手のBaidu、Alibaba、Tencentが支配権を握っている。欧米諸国に住む人は、これらの企業名や彼らが制作しているテレビシリーズにあまり馴染みがないかもしれないが、徐々に中国産のコンテンツも世界に向けて配信されはじめていることを考えると、この状況は近いうちに変わってくるだろう。

中国とアジア諸国の違い

世界はもとよりアジアの他の国々と比べても、中国には数々のユニークな点がある。たとえばモバイルデバイス上でのメディア消費量の増加や、テレビの視聴ボリュームの増大、爆発的な成長を遂げつつある映画・テレビ業界の存在などがその一例だ。

eMarketerによれば、近いうちに中国の成人は1日あたり約3時間をモバイルデバイス上で過ごすようになるとされている。これは1日あたりのメディア消費時間の41.6%にあたり、さらに彼らはもう40%にあたる時間をテレビの視聴に費やしているのだ。このモバイル中心の生活スタイルが今後数年のうちに視聴時間が急増するであろうとされているデジタル動画と組み合わさることで、人口と同じように動画の消費量も増えていくだろう。

さらに中国のテレビ業界もここ数年で前例がないほどの成長を遂げた。実際のところ、国内の映画業界とテレビ業界を合わせると350億ドル以上の規模に達すると言われるなか、テレビ関連の売上がその88%を占めているのだ。中国ではIP放送の利用者も増えており、2017年には利用者数が1億人を突破。オリジナルコンテンツ市場の盛り上がりをさらに後押ししている。ほかにも、昨年12月には国内のスタジオが集結しChinese TV Drama Export Allianceという団体が立ち上げられ、グローバル市場でのプレゼンス向上やNetflixなどのストリーミング企業に対する中国語コンテンツの売り込みに今後力を入れていくようだ。

中国オリジナルコンテンツ界の巨人

ネット系コングロマリットのBaiduは中国のオリジナルコンテンツ市場を支える一社。特に同社の傘下でストリーミングサービスを運営するiQiyiはひときわ存在感を放っている。国内のストリーミングサービスとしては最大級のiQiyiは、アメリカでのIPOを通して22.5億ドル以上を調達しており、その月間ユーザー数は4億2100万人、デイリーユーザー数は1億2600万人を超える。そして規模やリーチを背景に、同社のオリジナルコンテンツは国内で大きな人気を呼んでいる。

同社が制作したリアリティ番組『Rap of China』『Street Dance of China』『Hot Blood Dance Crew』は、中国政府によるヒップホップカルチャーやタトゥーに関するメディア規制をものともせず、何百万人もの視聴者を熱狂させた。なかでも『Rap of China』は、最近アメリカのヒップホップトリオMigosとパートナーシップを締結しており、今後欧米の人々の目に触れる機会もでてくるだろう。

リアリティ番組以外のオリジナルコンテンツも負けてはいない。推理ドラマの『Burning Ice』や『Tientsin Mystic』はセカンドシーズンの制作が決まったと同時に、今年Netflixを通じてアメリカでも放送されることになった。ほかにも『The Lost Tomb』『Evil Minds』『Unforgiven』などの人気シリーズはいずれも何百万人以上もの視聴者を抱えている(注:『The Lost Tomb』と『Evil Minds』は政府の検閲によりiQiyiのウェブサイトから削除された)。

特に中国では、オリジナルコンテンツ市場の成長に伴い、仮想現実(VR)や人工知能(AI)など関連分野にも大きな影響が出てくるだろう。

Baiduと並んでこの市場で活躍するのが、ストリーミングサービスYoukuを展開するAlibabaだ。Youkuはタブレットやルータ、テレビボックスなどYoukuブランドのハードウェアを含む強固な流通ネットワークを通して、5億人以上のユニークユーザーにコンテンツを届けている。Youkuのサービスはすでに消費者の生活の一部となっていることから、彼らのオリジナルコンテンツも国中の視聴者にリーチできるのだ。

人気シリーズ『Day and Night』に関連し、Youkuは2017年終わりにNetflixと契約を結び、同番組は中国語のテレビシリーズとしては初めて世界中に配信されることとなった。ほかにも有名なコンテンツとしては、歴史ドラマの『The Advisors Alliance』『Oh My General』、人気コミックが原作のファンタジードラマ『Rakshasa Street』などがある。Youkuは短いビデオクリップとオリジナルコンテンツのどちらでも人気作品を生み出していることから、中国のオリジナルテレビコンテンツの制作においてはマーケットリーダー的な存在だと言える。

そして最後がネット界の巨人Tencentだ。WeChatの成功で知られる同社だが、Tencent Videoの平均デイリーアクティブユーザー数は1億3700万人以上と言われており、Tencentのオリジナルコンテンツも市場での重要度が増してきている。

Tencent Videoの人気シリーズとしては、1日で2億回もの再生数を叩き出し、これまでに何十億回も再生されたアクションアドベンチャードラマ『Candle in the Tomb』や、同名の人気小説がベースの歴史ロマンス『Rule the World』がある上、同社は『The Tomorrow Children』のようなバラエティ番組の制作も手がけている。さらに直近では、小説『The Tibet Code』や『Mystery of the Antiques』、日本ではおなじみのマンガ『テニスの王子様』を原作としたテレビシリーズの制作が予定されている。Tencentは今後もオリジナルコンテンツへの投資を拡大していこうとしており、向こう数年で同社のポートフォリオはさらに拡大していくだろう。

中国にはこれまでに名前が挙がったiQiyi、Youku、Tencent Video以外のプレイヤーももちろん存在する。たとえば人気コンテンツプロバイダーのSohu TVもオリジナルコンテンツ市場に参入し、人気ドラマ『Indelible Designation』や推理シリーズの『Medical Examiner Dr. Qin』の制作に携わっているほか、『Saturday Night Live』風の番組の制作も予定されている。

人気動画プラットフォームのMango TVも、コメディ番組の『Fashion Rivers』やドラマ『Gold Matchmaker』、インタラクティブな『Big Brother』風の番組『Perfect Holiday』などさまざまな番組を制作している。SohuやMango、そして彼らが提供するコンテンツからも、中国のデジタル化を推進する上で、オリジナルテレビ番組がどのくらい大きな役割を担っているかがわかる。

一方、その他のアジア諸国では……

規模では差がありつつも、オリジナルコンテンツ市場が盛り上がっているのは中国だけではない。アジアの他の国々もインターネットを普及させるにあたり、モバイルファーストなアプローチをとってきたため、モバイルデバイス上でテレビを視聴する人の数は増え続けている。

タイではLINEが運営するLINE TVがモバイルテレビ市場を席巻しており、自社のストリーミングプラットフォーム向けにオリジナルコンテンツの制作も計画している。さらにLINE TVはすでに現地のテレビ番組制作会社とパートナーシップを結んでおり、もともとの出発点であるYouTubeのようなサービスから、Netflix、Huluのようなサービスへと変化つつある。

インドネシアでは、ライドシェアのGo-Jekがオリジナルコンテンツ市場への参入を画策している。先日、同社は制作会社Go-Studioの立ち上げを発表。Go-StudioはサブスクリプションサービスGo-Play向けのコンテンツを制作していくとのこと。さらにGo-JekはVICE Mediaともパートナーシップを締結し、2019年を目標にオリジナル映画『When We Dance』(監督:Joko Anwar)の制作を予定している。

オリジナルコンテンツ市場がスタートアップに与える影響

特に中国では、オリジナルコンテンツ市場の成長に伴い、仮想現実(VR)や人工知能(AI)など関連分野にも大きな影響が出てくるだろう。Baidu、Alibaba、TencentはいずれもVRやAI分野へ積極的に投資しており、今後ハードとソフトが上手く絡み合ったテレビ番組が一般家庭でも楽しめるようになってもおかしくない。たとえば、VRヘッドセットを使ってテレビ番組内のキャラクターの視点で物語を楽しめるようになったり、ユーザーの視聴傾向をもとにAIがオススメのハロウィーンのコスチュームを提案してくれたりといったこともありえるだろう。

このような未来を実現するにあたり、オリジナルコンテンツ市場の成長はその第一歩と言え、国内の巨大企業のリーチや影響力、そして成長を続けるテレビ業界は今後さらに重要な役割を担うことになるだろう。

まとめ

オリジナルのテレビ番組制作には計り知れないほどの可能性がある。というのも、オリジナルコンテンツ市場自体の成長もさることながら、先述の通りアジアではモバイルデバイス上でテレビ番組を楽しむ人の数は急増しつつあるのだ。その結果、中国のトップ企業も単に同市場に目を向けるだけでなく、自らオリジナルコンテンツの制作に乗り出し、視聴者獲得のために高品質なシリーズをリリースするまでになった。

オンライン限定シリーズや視聴者の数はかなりのスピードで増加し、今では年に何百という数の番組が公開され、何十億回も再生されている。中国のコンテンツが海外でも同じように評価されるかどうかはまだわからないが、今のところ中国のオリジナルコンテンツ市場が減速する様子はなく、中国企業にとってはグローバル市場への飛躍もありえる有力な収益源として今後も注目されることだろう。

Image Credits: Kevin Thrash / Getty Images

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(翻訳:Atsushi Yukutake

YouTubeの音楽ストリーミングサービスの供用国が12増えたが日本はまだ

YouTubeの音楽ストリーミングサービスの市場が新たに12か国増え、また有料音楽ビデオサービスは、17の市場で提供されることになった。

YouTubeのCEO Susan Wojcickiは、2月に、市場拡張の最終目標は100か国 、と大風呂敷を広げた。

YouTubeの最初の市場は、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、韓国だった。今日(米国時間6/18)新たに加わったのは、オーストリア、カナダ、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ノルウェー、ロシア、スペイン、スウェーデン、そしてイギリスだ。

YouTubeがその有料会員制サービスの体系を改定したのは5月で、これによりYouTube Musicという有料または機能に制限のある無料サービスがGoogle Play Musicをリプレースし、また音楽ビデオストリーミングYouTube Premium(前YouTube Red)が発表された。

YouTubeの新しいアプリ(Android)(iOS)Webプレーヤーも加わり、サービスの構造改革が行われた。新しい機能として、動的カスタムリコメンデーションや多様な検索オプション(歌詞や一般的な説明で検索できる)、そしてさまざまなジャンルやムードやアクティビティ(活動)に対応する“数千の”プレイリストが用意された。

YouTube Musicは、ビデオなし、オーディオのみだが、アメリカの月額会費が$9.99(ファミリープランは$14.99)で、SpotifyやApple Musicとの競合を意識している。一方YouTube Premiumはビデオサービスで、リプレースされたYouTube Redより2ドル高い$11.99、ファミリープランなら$17.99だ。最初の3か月はプロモーション期間とされ、無料だ。

YouTube Premiumは広告なし、であるだけでなく、バックグラウンド機能やダウンロード機能がある。会員はYouTube Originalsの番組やムービーにもアクセスできる。

アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、…これらの国々でYouTube RedやGoogle Play Music…ファミリープランを含む…の会員だった人は、自動的に現状料金でYouTube Premiumにアクセスできるようになる。

そのほかの国で Google Play Musicの会員だった人は、その国が対象市場になり次第、現状料金で自動的にYouTube Music Premiumにアクセスできるようになる。音楽やプレイリストへのアクセスは、Google Play Musicのときと何も変わらない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Pandoraの有料プランにファミリープランが登場、プレイリストの個人化なども遅まきながら導入

Pandoraが、その有料サービスのファミリーバージョンを立ち上げた。月額14ドル99セントで6名までが、有料版にアクセスできる(個人では9ドル99セントだった)。この新しい会費制は、とくに発表や宣伝もなく静かに始まったが、今朝(米国時間5/28)、Android Policeが見つけた

これによりPandoraは、少なくとも料金的にはSpotify PremiumやApple Musicと肩を並べる。6名まで月額14ドル99セント、というファミリープランがあるところも、同じだ。PandoraのPremium Familyは、年額では164ドル98セントになる。

Pandoraのファミリー有料会員制には、通常の有料機能のほかに、家族一人々々の音楽の好みに基づく、個人化されたプレイリストOur Soundtrackがある。Pandoraの個人化プレイリストは、先週、展開されたが、それは、Spotifyの人気機能を真似するべく、今年初めに発表されたものだ。

有料制の機能には、オンデマンドの聴取やプレイリストの作成、ダウンロードしてオフラインで聴く、スキップやリプレイは無制限、良い音質、広告なし、などもある。

画像クレジット: Pandora

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Vevoが自己アプリを廃止してほぼ全面的にYouTubeの利用へ移行

YouTubeはかねてから、Vevoの音楽配信サービスにとって重要な存在だったが、今日のブログ記事(米国時間5/24)でVevoは、YouTubeに集中する計画を発表した。それによりVevoは、“最大のオーディエンスにフォーカスして成長の機会を追求できる”、ということだ。YouTubeへの一本化に伴い、一部の不必要と思われるVevoの要素は取り去られる。

なくなるのはVevoのiOS, Android, およびWindowsアプリと、同社サイトの消費者向けの部分だ。“もっとも効率的な目標達成のために、これまでの独自の要素と運用プラットホームを廃止する”、とVevoは書いている。

このサービスのコンテンツをVevo独自のプレーヤーなどで試聴していた人は、プレイリストなどをYouTubeへインポートするツールを使うことになる。もちろん、Universal/Sony/Warner Musicが保有するサービス(Spotify)は今まさにそれをやっており、同時にまたYouTubeも、独自の音楽サービスを立ち上げてSpotifyなどと競合しようとしている。

そのため、すべての卵をYouTubeで孵(かえ)そうとするVevoの思い切った計画も、足かせを食らうかもしれない。YouTube以外に利用するプラットホームを同社はまだ明らかにしていないが、でもVariety誌によると、一部のスマートテレビへのアプリ提供は続けるらしい。

AmazonがEchoのビデオプラットホームとして計画しているYouTubeコンペティターも、そのリストに入るのかもしれない。でも当面は、Vevoは広告とオリジナルコンテンツに専念しつつ、Googleのビデオサービス(YouTube)への依存を重くしていくのだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

YouTubeが有料会員制のRedサービスを改築して単独の音楽ストリーミングを提供Google Play Musicはそっちへ吸収

メッセージングに関するGoogleのフォーカスもそうだが、ストリーミングと音楽を独立のプロダクトにしたいというYouTubeの取り組みにも、混乱と出鱈目がもっぱら感じられる。今回同社は、それを単純化し一本化すべく、音楽と動画を分離し、前者に関して新たなサービスを立ち上げた

そのYouTube Musicは名前が示すとおり、5月22日にローンチされる音楽ストリーミングサービスだ。それはApple MusicやSpotifyとまともに競合することを目指し、業界の標準的なやり方として、最初は無料の試用期間、その後は月額$9.99の会員制になる。

広告が入る無料バージョンもあるが、それにはBGM化や曲のダウンロード、音楽発見機能などの、有料版にある機能がない。なお、気になっていた人もいると思われるが、これまでのGoogle Play MusicサービスはYouTube Musicにリプレースされる。

YouTube Musicは元々、有料制のビデオストリーミングサービスYouTube Redの一部だった。しかし今回の分離により、月額$11.99出してYouTube Redの会員になる人は、両方のサービスを利用できる。そしてこれからは、音楽とビデオの両方をカバーするという意味で、YouTube RedはYouTube Premiumへと改名される。

ますます混乱してきたようだが、要するにYouTubeは、顧客に音楽オンリーの有料会員制サービスを提供し、あと2ドルでビデオも楽しめますという人参をぶら下げたのだ。もっと意地悪な見方をすれば、YouTube Redが2ドル値上げされたのだ。お好きな方の解釈を、お取りいただきたい。

でもこの分割はとても合理的だ。SpotifyやApple Musicのような優れた音楽ストリーミングサービスがあるのに今でもYouTube上で無料で音楽を楽しんでいる人は多い。とくに途上国では、公共交通機関の中や、いろんなところに、たくさんのYouTubeリスナーがいる。それは、Spotifyなどが食い込めない市場だ。

しかしYouTubeのこの新しいサービスは当初、先進国市場(“第一世界”)だけを対象とする。それらは最初、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、そして韓国。次の段階でオーストリア、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ノルウェー、ロシア、スペイン、スウェーデン、イギリスへ展開される。

画像クレジット: Patrick T. Fallon/Bloomberg, Getty Imagesより

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Netflixは支出の85%をオリジナル作品の製作に投ずる、既存の超大作映画などは儲からない

まだ疑っている方がおられるかもしれないが、今のNetflixは確かに、オリジナルコンテンツに軸足を置いている。コンテンツ担当最高役員(Chief Content Officer1) Ted Sarandosの推計では、今後の同社の支出の85%が、新しい番組やムービーの制作に向けられる。

今日(米国時間5/14)、MoffettNathansonのMedia & Communications Summit 2018におけるSarandosの所見を載せたVariety誌の記事によると、今後の年内のオリジナルの制作予定は470本あり、今年全体では1000本近くになる。

同社がオリジナルを重視するのは、当然かもしれない。なにしろ最近では、訪れたユーザーが最初のページで目にするのは既存大手の大ヒット映画/番組等ではなく、同社の新作オリジナルだ。またAppleAmazonHuluなども、オリジナル作品への支出を増やしている。

ただし、支出ではなく収入はどうか。それはまだ他社からライセンスしたコンテンツが断然強くて、最近の調査では アメリカにおける視聴数の80%がライセンスされたコンテンツだ。

全体的な状況としてはどうなっているのか、というと、これまでNetflixにライセンスを売ってきた大手映画会社等は今では、自分のコンテンツを自分でストリーミング提供したり、ライセンス料を上げたりする傾向にある。そのことが、ストリーミング各社のオリジナルコンテンツへの傾斜の背景にある。

またSarandosによると、ムービーはNetflixにおける全視聴件数の1/3を占めるが、しかしいわゆる大作映画に巨額のライセンス料を払うことはもはや、ストリーミングサービスにとって割に合わない。超有名超大作は、すでに映画館で見たという人が多いからだ。

“前から言っているように、今では、10億ドルあったらそれを生産物契約(output deal)に投じるより、オリジナルの制作に投じた方が良い”、と彼は述べる。

Sarandosはさらに、Queer Eyeのような、台本のない、社会的メッセージ性のあるリアリティ番組や、Shonda RhimesRyan Murphyのような有能な番組プロデューサーの起用に今後の商機を見ている。

オリジナル作品に対するNetflixの今年の予算は70〜80億ドルだった。そして今日は、(ぼくも大好きだったLost in Spaceリメイクの第二シーズンと、Shape of WaterのGuillermo del Toroand監督による連続ホラー10 After Midnightの製作が発表された。

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Spotifyの新モバイル・アプリは無料版を強化――数週間で世界に展開

今日(米国時間4/24)、ニューヨークのグラマシーパークシアターで開催されたプレスイベントで、Spotifyの最高R&D責任者、 Gustav Söderströmは無料版音楽ストリーミングアプリの全く新しいバージョンを発表した。

Spotifyでは機械学習アルゴリズムの開発に多大の投資をしてきたおかげで、これまでの無料版でもリアルタイムでユーザーの好みを判断して曲を薦めることができるた。しかしシャッフルでしか同じ曲を聞けないなど再生形式に制限があった。

新バージョンでは各ユーザー向けにカスタマイズされた15チャンネルのどれかに含まれる曲であれば回数制限なしに何度でも繰り返し再生することができるようになった。15のチャンネルにはデイリーミックス、ディスカバーウィークリー、リリースレーダー、トゥデイズトップヒットなどがある。

Spotifyのユーザーは合計750トラック(再生時間にして40時間以上の楽曲)をオンデマンドで聴くことができるようになった。

無料バージョンのSpotifyアプリでもユーザーが作成したプレイリストに基づいて曲を推薦する。 ここに含まれる楽曲だけでなくプレイリストの名前も参考にするという。同社ではこれをプレイリストのアシストと呼んできるが、簡単にいえばユーザーがプレイリストに追加するために楽曲を検索するつど、Spotifyはユーザーの好みに合いそうな似たような曲を推薦してくれる。

また新アプリでは省データモード(同社ではデータ・セーバーと呼んでいる)が用意され、データ消費を最大75%節約できる。 これまでSpotifyの無料バージョンではオフライン再生ができなかった。つまり無料で音楽を聞きたければ常にインターネットに接続している必要があり、通信量を節約するならWiFiを使うしかなかった。

新しい省データ・モードでは3G回線を使って楽曲をダウンロードし、データをデバイスにキャッシュする。そのためユーザーは携帯網を利用しても以前ほどの通信量を必要としない。また3G回線を利用する以外に、データ通信量や電力消費を抑えるようストリーミングサービスとそのアプリが改良された。

ただし無料版に広告が流れるのは従来と変わらない。これは単に広告収入を得るためだけでなく、ユーザーに無料版を利用していることを意識させ、有料のプレミアム版にアップグレードさせるためでもある。

2014年にSpotifyは広告が流れる無料版のモバイル・アプリをリリースした。ユーザーはこのアプリで曲を再生し、プレイリストをシャッフルすることができた。この無料版のおかげでSpotifyは急激な成長を遂げた。現在Spotifyの無料版には9000万のユーザーがいる。無料版にこれほどユーザーがいれば、そこから有料版を契約するユーザーも大勢出てくる。実際、有料版ユーザーは7000万人以上だ。

Spotifyの世界のクリエーター・サービス事業の責任者、Troy Carterは「デート中にSpotifyで音楽を流しているとしよう。突然CMが流れるのはうれしくないはずだ」と言う。

同社では2014年以降、モバイル、ことに有料版のモバイルアプリに力を入れてきた。

Spotifyには3つの重要な柱がある。普遍性、個人化、フリーミアムだ。 「Spotifyのビジネスは90年代までのラジオ局のようなものだと考えている」とSöderströmは述べた。ラジオは楽曲の合間にCMを流し、リスナーはラジオで聞いた曲が気に入るとレコード店に行ってレコードを買った。

Spotifyの無料版はまさにこのラジオ局に相当する。Apple Musicのように3800万人がすべて有料版ユーザーであるような堅実なビジネスとなることが目標であれば、Spotifyはまず無料版で多数のリスナーを獲得し、その中からできるだけ大勢を有料版に転換させていく必要がある。

〔日本版〕Spotifyのプレスリリースによれば、新アプリはiOS版とAndroid版が用意され、数週間かけて世界に順次公開されるという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

2017年の音楽の売上の43%、ストリーミングが再び音楽産業を成長路線に戻した

音楽産業に関する新しい報告書によると、ストリーミングサービスとその会費収入が音楽ビジネスを救った。2017年までの3年連続で業界の売上が伸びたのも、デジタルミュージックの消費のおかげだ。録音音楽の2017年のグローバルの売上は174億ドルで、2016年は160億ドルだったから8%の増だ。これには増加率39%で売上74億ドル(上記174億ドルの43%)のストリーミングの貢献が大きい。

ダウンロードや物理的アルバムなど古い形は7億8300万ドル減ったが、上記の成長ぶりはこれを補ってあまりある。

アメリカだけに限れば、昨年のデジタルの売上は15%増の65億ドルで、前年の56億5000万ドルから増加した。この売上の大半がストリーミングの会費収入で、2016年の25億ドルから2017年の40億ドルへ63%増加した。〔端数を含めると63%、という意味だろう。〕

アメリカは今や、ストリーミングの最大の市場であり、全世界の録音音楽の売上の40%を占める。アメリカの音楽サービスはイノベーションと多様化が進んでいるので、この報告書は2025年の有料会員数が今の4910万の倍近い9010万人になる、と予測している。

この報告書は、メディアとテクノロジーの分析企業MIDiA Researchと、デジタルメディアの業界団体DiMAの共作だ。

デジタル音楽はその売上額のほかに、音楽消費の形を変えたことの貢献度も大きい。

たとえばストリーミングサービスは利用が簡単なので、海賊行為は2013年に比べて50%以上減少した。また多くの人が、音楽の新しいジャンルやアーチストたちを、積極的に発見するようになった、と同報告書は言っている。挙げられている顕著な例は、Chance the Rapperが初めてストリーミングだけでグラミー賞を取り、YouTube上の音楽のトップテンの内6つがスペイン語であることだ。“Despacito”のようなヒット曲は、97日で視聴回数10億に達した。

ストリーミングによって生まれたもうひとつの大きな変化は、プレイリストの強大化だ。アンケートによれば、今や消費者の54%が、アルバムではなくプレイリストで音楽を聴いている。

2016年に比べて14億ドル売上が伸びたことによって、2017年のグローバルの総売上174億ドルは、2008年の177億ドルに接近した。過去10年間に見られた減少傾向が止まり、業界は再び成長モードに入ったようだ。

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Netflixがモバイル上で30秒のプレビュービデオを開始、まずiOSから

NetflixはSnapchatや、Instagramのストーリーなどに倣って、モバイルのビューワー(視聴者)のために30秒のプレビュービデオの提供を開始した。

そのプレビューはInstagram Storiesととてもよく似ていて、複数のサムネイルが循環するし、コンテンツは仮想ビデオで再生される。つまり、スマートフォンを手に持ったままでよい。それに加えて、スライドショウ的にスワイプやタップで次のビデオへスキップでき、いちいちメインのスクリーンに戻る必要がない。おもしろいと思ったプレビューは、ボタン一つでリストに保存でき、あとで見られる。

この機能はNetflixのiOSアプリで今日から使えるが、Androidにやってくるのは“もうすぐ”だそうだ。

これは、待望の機能である。NetflixはプレビューをWeb上同社のTVアプリで開始し、今回の機能でやっと、スマートフォンからコンテンツを見つけて見ることができるようになった。

同社のブログ記事はこう説明している: “何年もテストした結果、プレビューがあれば試視聴も少なくなり、新しいコンテンツを早く見つけられることが分かった。今回モバイルのプレビューをローンチしたことにより、スマートフォンでビデオの試し見がもっと楽しくモバイルに合った形でできるようになった”。

Netflixは最近好調で、会員増により時価総額は1500億ドルに接近している。

2018年の第一四半期に新たに増えた会員は741万人である。そのうち約200万がアメリカで、次の四半期にはさらに620万の新会員が加わる、と同社は予想している。そうなれば、同社の総顧客数は1億1900万に近づき、2年前から行っている国際展開の効果が出てきた、と言えそうだ。

同社のストリーミングサービスは売上も継続的に伸びていて、Q1の売上36億ドルは前年同期比で約43%の増加だ。

画像クレジット: Netflix(画像は修正加工された)

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Spotify、上場初日は時価総額265億ドルで引ける――高値からは10%ダウン

今日(米国時間4/33)、音楽ストリーミングの有力企業、Spotifyは直接上場(direct listing)を実施した。Spotifyが株式公開にあたってこの方法を取ることは以前から予告されていた。

上場初日の取引では、株価は165.90ドルを付けた後、149.01ドルで引けた。つまり公開時点の株価から10%のダウンということになる。今日の株式市場は軟調だったが、終値による時価総額は265億ドルとなり、数ヶ月前の資金調達ラウンドでの会社評価額を上回った。

上場当初の「参考価格」は132ドルで、これによる時価総額は235億ドルだった。証券会社を介さず新規に株式を発行しない直接上場であるため、伝統的な上場のような売出価格は設けられていない。

Sotifyは首尾よく目標とする時価総額を達成して上場は成功したわけだが、ウォールストリートの一部では「そもそも新株を発行せず、資金調達を行わないなら、なぜ上場する必要があったのか?」といぶかる声が聞かれる。

直接上場を選んだ理由はSpotifyが金融機関に手数料を払いたくないからだという噂は以前から流れているが、根拠がない。実はSpotifyは上場までずっとMorgan Stanley、Goldman Sachs、Allen & Coをリード投資家としている。

Spotifyが投資銀行を関与させなかったなどということはない。ただし直接上場方式を取ることで、従来方式による上場で通例である株式のロックアップの解除期日という厄介な問題を避けることができたのは事実だ。既存投資家や社員は通例、上場後6ヶ月間は持ち株を売ることができない。市場はこの期日に大量の売りが出ることを予期するためロックアップ終了が近づくと株価に対する引き下げ圧力となる。

では直接上場は今後の上場の前例となるだろうか?

Goodwater Capitalのファウンダー、マネージング・ディレクターのChi-Hua Chienは「ダイレクト・リスティングによる上場は興味深い。投資銀行が新株を一括して引き受ける上場の場合、業績と無関係な差益狙いの値動きや株式を売却できないロックアップ期間などが生じる。直接上場ではこうした問題が起きないので、今後の上場の前例になる可能性がある」と述べた。ChienはベンチャーキャピタルのKleiner Perkinsに在籍していた当時、Spotifyに投資を決めている。Chienはまた「株価はできるかぎり会社の実績を評価したものとなるべきだ。その意味で株式公開を考えている企業にとってSpotifyの上場方式は参考になるだろう」と述べた。

今回の上場では、単に方式が異なっただけでなく、お祭り騒ぎが一切なかったことも注目される。恒例の取引開始のベルを鳴らすセレモニーもなかったし、歓声を上げるSpotify社員の姿もなかった。

ところで上場されたニューヨーク証券取引所の表には上場を祝ってSpotifyのロゴの横断幕とスイス国旗が掲げられた―Spotifyはスウェーデン企業なのだが。

画像:BRYAN R. SMITH/AFP / Getty Images

〔日本版〕原文ではChi-Hua Chenと表記しているが、LinkedInの本人ページの表記、Chi-Hua Chienを採用した。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

YouTubeではデスクトップのWebカメラから直接、ライブのストリーミングができる(エンコーダー不要)

YouTubeが今日(米国時間3/20)、セットアップの面倒なエンコーダーを通さずにWebカメラから直接、ライブのストリーミングを開始できる機能を立ち上げた。YouTubeのヘッダーにある“Go Live”ボタンを押すと、ストリーミングが始まる。あるいはyoutube.com/webcamを訪ねてもよい。ユーザーによる構成の指定などは、何も要らない。

今この機能が使えるのはChromeブラウザーのみだが、いずれ他のブラウザーでも使えるようになる。

これまでは、デスクトップやカメラやマイクロフォンなどからのライブストリーミングをするためには、それらが捉えた映像や音声をエンコーダーのソフトウェアを通して、YouTubeに送る必要があった。

今度の新しい機能により、とくにデスクトップからのライブストリーミングが超簡単になる。ということは、YouTubeでライブストリーミングをするユーザーが、とっても増えるだろう。

YouTubeはこれまで、この機能を一部のクリエイターたちを相手にテストしてきた。たとえばRawBeautyKristiは、美容のチュートリアルにこれを使ってみて、こう言っている: “めんどくさいエンコーダーが要らないから、こっちの方がずっと楽ね。これならもっとたくさん、ライブストリーミングができるわ”。

Curtiss King TVはファンのアップデートにこれを使い、そしてKens Kreationsはプロダクトレビューにこれを試用した。

今日はOakland RaidersにクォーターバックDerek Carrが、この機能のニュースを自分のYouTubeチャネルで発表した。

ライブストリーミングの市場は、ゲーム実況のTwitchやTwitterのPeriscope、FacebookのFacebook Liveなどなど、参加選手が多くなり、過熱している。とくにFacebookは、今週Patreonのクローンを会員制で立ち上げ、さらにそのほかのクリエイターたちの収入機会を用意するなどにより、クリエイターのコミュニティをねらおうとしている。

しかしYouTubeは、今回のWebカメラ直接ストリーミング機能は、クリエイターのための今後のさまざまな、そして使いやすい、ライブ機能の一環にすぎない、と言っている。

YouTubeはAsus, LG, Motorola, Nokia, Samsungなどのデバイスメーカーに働きかけて、彼らのカメラアプリに直接、ライブストリーミング機能を持たせようとしている。その機能はYouTubeの新しいディープリンクYouTube Mobile Liveを使用し、年内にそのほかのデバイスにも実装される予定だ。

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Amazonの新規Prime会員のうち500万はビデオのオリジナルプログラムを見たい人だった

Amazonのオリジナルコンテンツへの取り組みは、少なくともPrimeの新会員を大きく増やしたことで、十分報われている。Primeは今や誰が見ても、このコマース巨人のメインの価値だ。Reutersが入手した文書によると、Primeビデオの、19の番組から成るトップのオリジナルプログラムは、2014年の終わりから昨年の初めまでの間のPrimeサービスの新規会員のなんと1/4を集めている。

その文書によると、Primeビデオのアメリカのオーディエンスは、オリジナルとライセンスコンテンツの両方を含めて、およそ2600万に達する。そして、そのプログラムを見たいがために入会したPrime会員はおよそ500万、そのうち115万はAmazonのThe Man in the High Castleシリーズが目当てだった。その製作費7200万ドルを新規会員獲得コストと考えると、Amazonの内部文書によると、年会費99ドルの新規会員の獲得に一人あたり63ドルのコストを要している。Amazonがオリジナルプログラムの編成に力を入れるのも、当然である。

でも、Primeの新規会員の登録動機がPrimeビデオの番組だった、とどうして言えるのか? 同社は、彼らの会員になってから最初のストリーミングが何であるかを調べ、また以下はぼくの想像だが、最初のとは言ってもその番組を見るためにあまり日にちや時間が経ったやつは、除外しているだろう。

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バラク・オバマの次の手はNetflixに連続番組を持つことのようだ

アメリカの前大統領には、退任後に民間からのオファーが洪水のように押し寄せるものだ。最近までホワイトハウスのテナントだったBarack Obamaはしかし、ユニークな道を選ぼうとしている。報道によると、Netflixに自分の番組を持つ件で合意間近だ、という。

そのThe New York Timesの記事は、Obamaがこのグローバルなストリーミングサービス(Netflix)のために連続番組を製作する交渉がかなり進んでいる、と書いている。

今のところ、上記の情報しかないのだが、同紙によると、そのコンテンツにはMichelle夫人も出演し、二人にNetflixから出演料が出るらしい。番組はNetflix独占となり、その会員数1億1800万のストリーミングプラットホームでしか見られない。

さらにその記事によると、Obamaのねらいは、Trump政権などの政敵に対抗するためではなく、視聴者に啓示を与えるような話題に光を当てることだ。

この話がまとまればNetflixにとって偉業であるだけでなく、Obamaのすでにかなり強大なオンラインのプレゼンスをさらに拡大することになる。前大統領はTwitterのフォロワー数が1億100万、Facebookのページにはlike(いいね!)が5500万ある。

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音楽ストリーミングのSpotifyが上場目論見書提出――10億ドル規模、NY証券取引所へのDPOとなるもよう

有力な音楽ストリーミング・サービスのSpotifyが上場を準備していることが明らかとなった。

証券取引委員会に提出された書類によれば、Spotifyは10億ドル規模の上場を計画している。ただしわれわれがつかんだところでは同社は証券会社による引受を経ずに直接株式を公開する(DPO)という。10億ドルというのは暫定的な数字で、今後変更される可能性があるが、Spotifyの場合、新たな株式の発行と売り出しは予定されていない。公開されるのはあくまで既存投資家の株式となるようだ。

同社はニューヨーク証券取引所に上場を予定しており、ティッカー・シンボルはSPOTとなる。

提出された目論見書によれば、Spotifyの昨年の収入(売上)は40.9億ユーロ、2016年は29.5億ユーロ、 2015年は19.4億ユーロだった。純損失額は昨年が1.35億ユーロ、2016年が5.39億ユーロ、2015年が2.25億ユーロとなっている。

株主構成では共同ファウンダー、CEOのDaniel Ekが23.8%、共同ファウンダーのMartin Lorentzonが12.4%を所有している。

Spotifyによれば、現在61カ国で運営されており、月間アクティブ・ユーザーは1億5900万人、有料のプレミアム・サービス契約者は7100万人だという。

目論見書でSpotifyは下記のようないくつかの点に関してビジネス・リスクがあること認め、注意を喚起している。

同社はサービスの差別化と著作権者の権利保護について説明する中で、 「Apple、Amazon、Googleなど一部の競合他社は自身の音楽サービスをバンドルしたデバイスを開発し、また開発を継続している」と述べている。Spotify自身は現在スマートフォンやスマートアシスタントを内蔵したスマートスピーカーなどのデバイスを開発、販売していない。こうしたデバイスを大規模に売り出しているライバルは音楽サービスの利用者を増やす上で非常に有利な立場にある。こうした点からすると、Spotifyが将来スマートスピーカーやスマートヘッドホンの開発に向かうことはあり得る。

また同社は楽曲に関して知的所有権を有するレコード・レーベルに対して弱い立場にあると懸念する声もあった。つまり定期的な契約更改の際に、レーベル側はSpotifyが有利すぎると感じれば著作権料率を引き上げることができる。楽曲配信に関しては公的機関であるCopyright Royalty Board〔著作権ロイヤリティ委員会〕やASCAP、BMIといった著作権管理団体も各種の権利を有しており、Spotifyにとってコスト増の要因となり得る。楽曲使用に必要となる知的所有権はごく少数のレーベルや団体が独占している傾向にある。Spotifyが2017年にストリーミングした楽曲の87%についてUniversal Music Group、Sony Music Entertainment、Warner Music Group、Merlin Networkの4団体が権利を握っていた。こうした楽曲の権利者は料率を引き上げることによってSpotifyのビジネスを破綻させることも可能だ。

Spotifyの運営コストはこうしたコンテンツに対するロイヤリティ支払だけでなく、 ライバルに対抗するための研究開発や新機能の追加などによっても増大の傾向にある。ライセンス契約は複雑であり、契約に定められた最低支払額に達しないなどの場合は訴訟を招く可能性がある。こうした訴訟のコストも考慮しなければならないだろう。Spotifyはすでに多数の訴訟を抱えている。またGoogle等のライバルは巨大な特許権ポートフォリオを持っており、これをテコにしてSpotifyに対して知的所有権の侵害を主張してくる可能性もある。

取材継続中。

〔日本版〕DPO(Direct Public Offering )はニューヨーク証券取引所が定めた新しい上場方法で新株の売り出しを行わず、これに伴う証券会社の引受もバイパスするという。

画像:Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+