Googleでグローバルファイルシステムを担当した男が現代的な補助的ストレージの正しいあり方に目覚めてCohesityを起業

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元Google、さらに最近まではNutanixのCTOだったMohit Aronが始めたCohesityは、セカンダリストレージに対する企業の考え方を変えたい、と願っている。セカンダリストレージ(secondary storage, メインでない補助的サブ的ストレージ)とは、アナリティクス(データ分析)のような脇役的なアプリケーションのためのストレージで、いわば企業の本体的サービスを縁の下から支える役割を持つ。

開発に数年を費やした同社は、今日(米国時間6/17)ステルスを脱した。併せて同社は、これまですでに7000万ドルの資金を調達していることを、発表した。その内訳は、シリーズAの1500万ドルがSequoiaのリードで2013年、シリーズBの5500万ドルがARTIS VenturesとQualcomm Venturesのリードで今年の5月だ。後者にはAccel Partners、Battery Ventures、Google Ventures、Trinity Venturesらが参加した。

Cohesityのコンセプトによれば、企業は開発やアナリティクスのワークフローがいろいろあっても、複数のベンダやソリューションを使うべきではない。分断化によってかんじんの分析がかえって困難になり、したがっていろんなサービスに保存されているすべてのデータから真の価値を取り出すこともできない。そういう賢くない企業が抱えるストレージのことをAronは、“無能なリポジトリ(dumb repository)”と呼ぶ。

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Aronの主張では、セカンダリストレージを扱う新しいソリューションは、単一の機能に特化する傾向がある。“最近登場したソリューションはどれも、バックアップならバックアップだけ、重複排除(dedupe)なら重複排除だけ、というように純化している”、とAronは述べる。“うちも、これまでの雑多なセカンダリストレージのワークフローを単一の、無限にスケーラブルな、ストレージプラットホームに収束して、混乱したデータに秩序をもたらしたい”。

Google時代のAronは同社のグローバルファイルシステムを担当し、彼とGoogleやVMware、Netflixなどからリクルートしたスタッフが、大規模なファイルストレージサービスの構築から学んだことを、このスタートアップに生かしている。

同社のプラットホームは今、構築に10万ドルを要したアプライアンスの上で、大量の計算処理とストレージ容量を支えている(96TBのハードディスクによる4ノードサーバと6TBのフラッシュストレージ)。企業顧客に対するCohesityの“売り”は、最初彼らに売るバックアップソリューションが、同社のスマートな重複排除(smart dedupe)アルゴリズムによってデータの保護を単純化していることだ。それにまた、Cohesityのストレージでは、企業のDevOpsチームがライブデータに一箇所で容易にアクセスでき、しかも、すぐそこにあるアナリティクスサービスを使ってすべてのデータのマイニングができる。

Aronは、Cohesityはほかのどんな競合ソリューションよりも大幅に安くてしかも管理しやすい、と主張している。

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Dropboxのユーザでない人でもDropboxにファイルをアップロードできるファイルリクエスト機能

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Dropboxが今日(米国時間6/17)から提供する新しい機能を使うと、Dropboxのアカウントのない人でもDropboxのユーザとファイルを共有できる。この機能は”File Requests(ファイルのリクエスト)”と呼ばれ、誰かにDropboxの自分のアカウントへ、自分が指定したフォルダへ、ファイルのアップロードを頼める。そのユーザインタフェイスはとてもシンプルで、ほしいファイルを指定し、アップロード先のリンクを特定の、あるいはいろんな人に配布する。Dropboxが相手にリクエストのメールを送る、という方式も選べる。

同社によると、これはユーザからの要望がいちばん多かった機能のひとつだ。従来のようにメールの添付ファイルでファイルをシェアしてもよいが、これはメールの多い人には面倒だ。またネット上のファイル共有サービスを利用するといっても、誰もが同じサービスを使ってるわけではない。

DropboxのFile Requests機能は、ファイルを必要とする人に主導権があるという意味で、メールによるファイル共有に代わるものだ。同社は、複数社からの入札文書を集める、クライアント(複数)にファイルを求める、家族の誰かが旅先で撮った写真を見せてもらう、など、いろんな用例を挙げている。

DropboxのプロマネChenLi Wangによると、“これまでは社内的に使ってテストしてきた。社内でいちばんおもしろかった用例は、ドキュメントのプレビューだ。プレビューをするチームがFile Requestsを募ったのだが、それはとても複雑なPowerPointのデッキだったから、チームの側から個別に候補作品にアクセスするのは至難だったのだ”。

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メールでは禁じられていることもある、ビデオのような巨大なファイル(数ギガバイト)でも、DropboxのFile Requestsなら送れる。

ファイルのアップロードを頼むとき相手に、そのファイルを入れるDropbox上のフォルダを指定できる。そのフォルダのリンクをDropboxがくれるから、それをみんなに配れるし、あるいはDropboxに、リンクをメールで送らせることもできる。

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Dropboxのユーザがほかの人にファイルのシェアをお願いするだけでなく、これによって、これまでDropboxのことを知らなかった人が、Dropboxのユーザになることもありえる。

そしてもちろん、すでにDropboxのユーザである人にファイルをリクエストしてもよい。そんな場合でも、ファイルアクセスが一点に集中しているFile Requests機能の方が、あちこちの共有ファイルを集めて回るより楽だ。

この機能はDropbox BasicとProの両方で使える。Businessのユーザへの供用開始は、数週間後だ。

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CanonicalがCephやOpenStack Swiftと組んでソフトウェア定義ストレージAdvantage Storageをローンチ

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Canonicalは今でもLinuxのディストリビューションUbuntuで有名だが、しかし最近の同社は、OpenStackを中心とする企業向け有料サービスで稼ごうとしている。カナダのバンクーバーで行われたOpenStack Summitで、CanonicalのファウンダMark Shuttleworthが、同社の最新のプロダクトUbuntu Advantage Storageを披露した。

Canonicalはこのサービスを、”ソフトウェア定義のストレージサポートサービス”と呼ぶ。企業が自分用のストレージサービスをコモディティハードウェアのクラスタ上にデプロイし、そのサポートサービスをCanonicalが提供する(デフォルトではLevel 1)。そのために同社は、ソフトウェア定義ストレージに関する既存のサービスCephやストレージモジュールOpenStack Swift、NexentaEdge、それにSwiftのベースであるSwiftStackなどとパートナーする。

Advantage Storageが既存の企業向けストレージサービスと異なるのは、ストレージの物理的容量ではなく、企業が実際に使っている容量に基づいて課金されることだ。レプリカやリダンダンシーやバックアップに関しては、課金されない。Shuttleworthは今日(米国時間5/18)のOpenStack Summitで、“オンプレミスのOpenStackの料金をパブリッククラウド並にしたい”、と語った。

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Canonicalのファウンダ(趣味は宇宙飛行)Mark Shuttleworth。

CanonicalにはOpenStackクラウドの設営サービスBootStackがあり、今回のストレージサービスの料金は、ユーザ企業がすでに独自にクラウドをデプロイしているか、それとも新規にCanonicalに発注するかで、異なる。

また売上は、このサービスの基盤となっているCephやSwiftなどと分有する。

“弊社は世界最大のオープンストレージクラスタのサポートを提供しており、そしてこれからは、その提供物を顧客の実際の使用に基づいて課金することにより、新規顧客が利用を開始しやすいようにする”、とShuttleworthは述べる。“管理と統合を完全に自動化することによって、小さなクラスタの場合ですら、最初の日から第一級のユーザ体験をご提供できる”、という。

ついでにShuttleworthは、Canonicalのハイパーバイザ製品LXDについて簡単に触れた。彼はこのプロダクトを“lightervisor”(軽量ハイパーバイザ)と呼び、同社による最近のベンチマークではLinuxのKVMのハーパーバイザよりも大幅に高性能だった、という。具体的には、新しいインスタンスのローンチがKVMよりも94%速く(約2倍)、レイテンシは57%少なかった。

彼はまた、LXDをDockerのようなコンテナ技術と比較する報道が多いが、両者は完全に併用可能である、と述べた。LXDは仮想マシン技術であり、Dockerのようなプロセスコンテナではないからだ。

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Dropboxがオンラインのノート取りサービスComposer(元‘HackPad’)をテスト中

Dropboxは1年前に買収したHackPadを、Dropboxのサービスとして復活させるようだ。Y Combinatorから孵化したHackPadは、会議やイベント、教室などで気軽にノートを取れるツールとして人気があった。とくにシンプルなデザインと使いやすさ、それにリアルタイムな性質が気に入られていた。明らかにHackPadだ、と思われるDropboxの新しいサービスは、Composerという名前だ。

あるユーザがたまたま見つけたこのプロジェクトは、まずProduct Huntに載った。ここは、新しいプロダクトに関するニュースや人気投票のサイトだ。今日(米国時間4/3)はSeatGeekのプロダクト担当Adam Waxmanが、ここにComposerのリンクをポストしたが、すぐに、アクセスできないというコメントが殺到した。

このアプリケーションはDropbox.comのドメインでホストされているが、現状はDropboxの社内でテスト中のプロジェクトだ。一般ユーザがアクセスすると、認証には成功し、Composerがそのユーザのファイルやフォルダにアクセスできるようになるが(下図)、

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そこから先へ行かない。下図のようなエラーメッセージが出るだけだ。

下図の、青い文字のEmail usは、feedback@dropbox.comへのmailtoになっている。

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しかし前にHackPadを使ったことのあるPocketのMaggie BignellがProduct Huntで、Composerにログインできたと言っている。

彼女によるとそのサイトは、シンプルですっきりしたノート取り体験を提供する。Web上のEvernoteのように、コラボレーションもできる。ノートとともに、タスクやDropboxのファイル、テーブルなども加えられる。彼女は実際に使ってみて、そのことを確認した(ツイートに画像あり)。

全体として、以前のHackPadにそっくりだが、もちろんDropboxに統合されている。Evernoteほど機能山盛りではないが、でも最近のEvernoteは、“Context”のような、いわゆる“スマートな”機能を見るかぎり、ちょいとやりすぎではないか。Dropboxをメインのクラウドストレージとして使っているユーザにとっては、Composerは嬉しい機能だろう。ちょっとしたノートを、まずワープロで作成して、それをローカルに保存して、そのファイルをDropboxへアップロードする、という大げさな手間が、不要になるのだ。

このところDropboxは、オンラインのコラボレーションを志向しているから、HackPadだけでなく、この前買収した、職場におけるチャットをサービスするZulipなんかも、そのために利用するのだろう。

DropboxはComposerプロジェクトに関するPHのポストやツイートなどについてはコメントしなかったが、もうすぐ情報を提供する、と言った。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

F8:FacebookのAquilla大型太陽光ドローンはインターネット接続を万人に提供する

今日(米国時間3/26)はFacebookのデベロッパー・カンファレンス、F8 2015の2日目だが、今朝のキーノートでCTOのMike Schroepferkが何十億人もの人々に新たにインターネット接続を届けようとする同社の試みのカギとなるハードウェアを明かした。

Aquila〔ラテン語でワシの意味〕というコードネームで呼ばれる巨大ドローンは翼幅がボーイング767ほどもある。しかし極めて軽量の素材を用いるので、重量は自動車1台分程度だという。

今日のF8ではこの他にもオープンソースの開発ツール、React Nativeやビデオやテキストのコンテキストを理解する新しい人工知能のデモも行われた。

Aquilaが信じられないほど軽いのは、太陽光を動力源に連続して3ヶ月も滞空しなければならないからだ。大型ドローンを6万から9万フィート〔18kmから27km〕の高空に長時間飛ばすだけでも難しい課題だが、Facebookの目的はこのドローンを利用して地上の人々にインターネット接続を提供しようというところにある。

Aquila is the first complete concept we’ve seen come out of Facebook’Facebookがイギリスのドローン・スタートアップAscentaを主として人材獲得のために買収したのは約1年前になるが、その成果がまとまった形で公表されたのは今回が最初だ。〔Googleも同じ頃インターネット接続提供のためにドローン・スタートアップ、Titan Aerospaceを買収している。〕Aquilaはこの夏にも試験飛行が予定されているが、実用化開始までにはさらに数年かかるもようだ。

画像: Harvest Zhang/Facebook

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Amazon、クラウド・ストレージで強烈攻勢―月1ドルで写真を無制限に保存、5ドルなら全種類無制限

去年、Amazonはプライム会員向けにCloud Drive容量無制限、無料の写真ストレージを提供した。今日(米国時間3/26)、Amazonは有料の容量無制限のストレージ・サービスを発表した。Unlimited Cloud Storageと呼ばれる新サービスはプライム会員以外のユーザーも対象となり、写真以外のファイルのアップロードもサポートされる。これには2種類のプランが用意され、写真のみを対象とするプランは年額11.99ドル、unlimited everythingというビデオやPDFファイルなどあらゆるメディアファイルがサポートされるプランが年額59.99ドルとなる。

また最初の3ヶ月間。無料トライアルができる。

Amazonのこの動きはDropbox、Google、Microsoftその他クラウド・ストレージ分野のライバルに対して真っ向から勝負を挑むものだ。「容量無制限」のサービス自体はこれが初めてではないが、広く一般ユーザーを対象としたものとしてはこれが最初の試みだろう。たとえばDropboxの容量無制限プランはDropbox for Businessの中にある。同様にGoogleの場合も容量無制限サービスは教育機関向けエンタープライズ向けDrive for Workの一部となっている。今回のAmazonのサービスにいちばん近いのはMicrosoftだが、それでも無制限の容量が提供されるのはOffice 365の契約者だ。

この新サービスの狙いは、明らかに一般ユーザーだ。今や一般消費者がもつデジタル・コンテンツはさまざまなデバイスとプラットフォームをまたいで、大量かつ無秩序にちらばり(おっと、私もそうだ!)、伝統的な方法による管理が限界に近づいている。.

Amazonのクラウド・ドライブのディレクター、Josh Petersenは、「多くの人々は誕生パーティー、バケーション、旅行その他ありとあらゆる無数の記憶すべき瞬間を多様なデバイスの上に保存している。そのすべてをバックアップするには何ギガバイトあればいいのかもわからないという状態だ。われわれが今日発表した2種類の新しいプランを使えば、消費者はもうストレージについて心配する必要がなくなる。写真、ビデオ、映画、音楽、その他あらゆるデジタル・コンテンツを安全、確実、かつ手頃な料金で一箇所でまとめて保存、管理できるようになる」とコメントした。

現在AmazonのCloud Driveのユーザー数がどれほどなのか、正確なところは不明だが、Amazon Musicなど既存サービスのユーザーを転換させるというより、まだクラウド・ストレージをまったく利用していない一般消費者から大量の新たなユーザーを獲得することを目的としているようだ。

ただしすでに写真について無料で容量無制限のストレージを提供されている既存のプライム会員やFireデバイスのユーザーも追加料金を払えばUnlimited Everything プランを利用できる。またCloud Driveの他の他のプランのユーザーも今日から新サービスに乗り換えができる。

Amazonによる新サービスの紹介は以下のとおり。

無制限写真プラン(Unlimited Photos Plan) 最初の3ヶ月は無料試用期間。その後は年額11.99ドル(すなわち月1ドル以下)。契約者は枚数制限なしに写真をCloud Driveに保存できる。ユーザーは撮影した写真をデバイスからアップロードすることも、既存の写真フォルダーをアップロードすることもできる。このプランにはビデオや文書の保管のために5GBの容量が追加提供される。

無制限全種類プラン(Unlimited Everything Plan) 最初の3ヶ月は無料試用期間。その後は年額59.99ドル(すなわち月5ドル以下)。写真、ビデオ、文書、映画、音楽のファイルを本数無制限でCloud Driveに保存できる。

〔日本版〕Amazonの日本版クラウド・ドライブのトップページには新プランについてまだ記載がない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


無理のないエラスティックな分散ストレージプラットホームHedvigがステルスを脱して$12Mを調達

新しいストレージプラットホームのローンチが、それが分散型という珍しいタイプのものであっても、人の胸をときめかせることはないと思うが、今日ステルスを脱して新たな資金調達を発表したHedvigには、ちょっと気にしてみたくなるすごい血統がある。HedvigのファウンダAvinash Lakshmanは、FacebookでCassandraを発明し、Amazonでは他と共同でNoSQLデータベースDynamoを発明した人物なのだ。スケーラブルな分散ストレージの作り方を知っている人といえば、それはたぶんLakshmanのことだ。

同社の今日の発表によれば、シリーズAで1250万ドルを調達し、ラウンドを仕切ったのはAtlantic Bridge Capital、これにTrue VenturesとRedpoint Venturesが参加した。この資金は同社の初のプロダクトの市場展開と、技術営業両面における陣容拡大に投じられる。

Hedvigの核となる考え方は、これまでのストレージでは、今日の企業が日々作り出しているデータの膨大な累積量とその増加になめらかに対応できない、というものだ。対してHedvigの分散プラットホームでは、ストレージの拡張が必要に応じて簡単にできるし、ストレージのアーキテクチャを頻繁に組み直す必要もない。

Lakshmanはこう書いている: “Hedvigは、企業が最初からすべてを分かっていると想定して、多くの時間と労力と予算を押し付け、やがて時の経過とともにそれが陳腐化する、というやり方を採らない。むしろ、まず既存のストレージ資産に無理なく適応し、その後、必要に応じて未来のストレージの購入もできる、という方式を提案する。そのストレージは、プロプライエタリなものでも、コモディティでも、どちらでもよい”。

Hedvigの主張によると同社のストレージソリューションは、ハードウェアとコンピューティング環境を特定せず、レガシーシステムでも仮想化システムでもクラウド環境でもどこでも利用できる。ユーザには“AWS的にシンプルな”利用インタフェイスを提供する(AWSのインタフェイスがシンプルだと言うAWSユーザはほとんどいないと思うが)。ストレージのプロビジョニングはアドミン自身が簡単にやれて、また社内社外のユーザにセルフサービス型のアクセスを提供できる。小さな展開からペタバイト級へのスケーリングも容易であり、データはその企業の方針によりオンプレミスでもパブリック/プライベートなクラウドでも、どこにあってもよい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa


企業のストレージを変えた四大特許

[筆者: Satyam Vaghani]

編集者注記: Satyam VaghaniはPernixDataの協同ファウンダでCTO、同社はシリコンバレーに拠を置くエンタプライズ(企業向け)ストレージのスタートアップだ。

スポーツファンはFinal Four(準決勝に残った4チーム/4人)に興奮する。それは大学フットボールの4チームによるプレイオフのこともあれば、ウィンブルドンのセミファイナルの選手たちなど、そしていちばん有名なのはNCAAバスケットボールのMarch Madnessで勝ち上がったチームだ。今年のトーナメントはもう始まっているから、ここでは、世界でいちばんインパクトが大きかったストレージ関連の特許4つを、Final FourあるいはFab Fourとして取り上げてみよう。

その競争は実に激しい。大学バスケットボールのMarch Madnessは68校で始まるが、コンピュータ技術の分野は、合衆国特許庁がこの50年間に認めた特許の数だけでも1100万件あまりある。ITストレージ関連がいくつあるか、よく知らないけど、少なく見積もっても数千は下るまい。

その中から4つを選ぶ基準は、きわめてシンプルだ。その特許が本当に偉大で革新的なイノベーションであること、発明した企業に大成功をもたらしたこと、そして、セクシーであること。ストレージの世界での“セクシー”のことだけど、もちろん。

では始めよう。今あなたの前にはトーナメント表があり、そして私は、ストレージゲームの実況を担当するスポーツキャスターだ。では、エンタプライズストレージの世界を変えた4つの特許を、順不同で取り上げよう。

1. 重複排除…2005年にData Domainが取得した特許6,928,526

Data Domainは21世紀の初めに、ある明確な使命を抱(いだ)いて創業された企業だ。それは、バックアップストレージの市場を、コスト効率の良いディスク方式でディスラプトし、テープを置換することだった。

当時は、予備的ストレージやバックアップストレージといえば、もっぱらテープだった。テープは容量が多くて、しかも安上がりだった。毎日アクセスする必要のないバックアップデータを高価なディスクストレージに保存するのは、意味のないことだった。

ここから、クラウドベースのバックアップなど新しい技術が生まれ育った。

そして2005年の8月22日に、Data Domainが、“Efficient Data StorageSystem”(効率的なデータストレージシステム)と題する特許を取得した、と発表した。Ben ZhuとHugo Pattersonと同社のチーフサイエンティストKai Liが発明したこの技術は、平凡なタイトルであるにも関わらず、重複除外(deduplication)と呼ばれる革命的なイノベーションだった。

重複除外はデータの冗長部分を素早く見つけて削除するので、複数の小さなファイルのバックアップコピーを作るとき、無駄が生じない。たとえば一つのファイルを5つのディレクトリに計5回コピーしようとしているとき、Data Domainが発明した方法は重複を見つけて1回だけそのファイルを保存する。

この技術で、ディスクストレージのコストがテープと肩を並べるまでになった。ここから、クラウドベースのバックアップなど新しい技術が生まれ育った。クラウドでテープを使うことはなく、どうしてもネットワークからディスクを読み書きする形になるからだ。Data Domainの特許は、データバックアップのあり方を変えた。

2009年に、EMCがData Domainを20億ドルあまりで買収した。

2. WAFLでリード/ライトを効率化…2001年にNetAppが取得した特許6,289,356

NetAppは、ディスクの問題を解決した。ディスクでは、シーケンシャルなリード/ライトはきわめて速いが、ランダムなリード/ライトがとても遅い。しかし、シーケンシャルなリード/ライトをもっぱら使うアプリケーションは、世の中にほとんどない。

NetAppのDavid HitzとMichael MalcolmとJames LauとByron Rakitzisは、データやメタデータをディスク上の決まった位置に保存しなくてもよい方法を見つけた。彼らはその方法を、Write Anywhere File Layout(WAFL)(どこにライトしてもよいファイルレイアウト)と呼んだ。こうして、シーケンシャルvs.ランダムの問題は解決した。〔参考記事(1)(2)

シーケンシャルなリード/ライトをもっぱら使うアプリケーションは、世の中にほとんどない。

WAFLの重要な特長は、ファイルシステムのリードオンリーのコピーであるスナップショットを素早く作る能力だ。これによってユーザはうっかり削除されたファイルを回復できるし、データを喪失した場合でも仕事を続行できる。WAFLは、エンタプライズ級のストレージシステムの重要な機能として、スナップショット作成をプロダクト化した。今ではフラッシュメモリの配列がWAFLを恐竜の仲間へと貶(おとし)めようとしているが、それはストレージの進化において非常に重要な技術であり、NetAppはこれで有名になった。またWAFLが起こしたディスラプトは、過去の方式にしがみつくことの危険性を示している好例だ。

3. 仮想ホットスペアつき分散FS…2006年にIsilon Systemsが獲得した特許7,146,524

特許にはまるで文章のような長い名前が多いが、これもまさにそうだ: “Systems and methods for providing a distributed file system incorporating a virtual hot spare“(仮想ホットスペアを持つ分散ファイルシステムを提供するためのシステムと方法)。この名前が指しているのは、単一の論理的ファイルシステムのようにアクセスできる複数のスマートストレージユニットにファイルデータを保存する、革新的な技術だ。

当時の同社のプレスリリースはこう言っている: “この中核的なデータ保護機能…Isilon IQstorageクラスタの空きスペースにデータを動的に再生産する技術は、無用で余分なストレージユニットやサーバやスペアのディスクドライブの必要性を排除し、顧客のストレージ環境のコストと複雑性を大幅に削減する”

良いプロダクトは時間と使用経験に基づくデータによって、偉大なプロダクトになりえる。

この特許はSujal PatelとPaul Mikesell、Darren Schack、およびAaron Passeyの発明で、これに基づいてIsilonは、実用性のある分散ストレージシステムを作って発売した。それは当時のこの種の商用製品の中でおそらく、もっとも成功した製品だった。

分散システムのソフトウェアは、部位の数が多くて、独特の性格があるため、とても作りにくい。Isilonの連中は特定のハードウェアを前提としてファイルシステムを書いたので、 面倒な部分を省き、工程を単純化できた。それは、エンジニアリングの良きレッスンでもあった。良いエンジニアリングは、とりあえず今の需要を満たすもっとも実用的なプロダクトを作ることであり、必ずしも今から10年後のもっともパーフェクトなプロダクトを作ることではない。良いエンジニアリングは、反復的な工程でもある。良いプロダクトは時間と使用経験に基づくデータによって、偉大なプロダクトになりえるのだ。

EMCは2010年にIsilonを22億5000万ドルで買収し、今でもHadoopやそのほかの需要に応じて中核的技術のアップデートを継続している。

4. 仮想マシンのストレージ…VMwareが2014年に獲得した特許8,650,359

言うまでもなくVMwareは、物理的なコンピュータを複数の仮想コンピュータに仕立てる技術のパイオニアで、x86のアーキテクチャを仮想化した初の企業だ。ちなみにVMwareのScott DevineとEdouard BugnionとMendel Rosenblumが特許第6,397,242号 – “Virtualization system including a virtual machine monitor for a Computer with segmented Architecture”(セグメント方式のアーキテクチャによるコンピュータのための仮想マシンモニタを含む仮想化システム)を出願したのは1998年の10月26日で、公示されたのが2002年の5月28日だ。〔Computer with segmented Architecture, x86のこと。〕

しかしVMwareは、ストレージの能力を高度化するための技術でも、特許をいくつか取っている。(情報開示: 私は当時VMwareのストレージグループのCTOとしてこれらの特許のいくつかに関わった。)

新しいやり方の登場により、ストレージのインテリジェンスをサーバに置いてVMの分析項目を増し、リソースの管理を効率化するニーズが興ってくる。

たとえば特許第8,266,099号は、VAAIを記述している。これにより仮想化プラットホームが、仮想マシンのストレージ操作をストレージシステムへメタレベルで送れるようになり、ストレージシステムがVMの操作を、サーバ不要で内部的にかつ効率的に行える。特許第7,849,098号は、これによりVMFSが世界で唯一の、サーバ間ネットワーク通信を要しないクラスタ化ファイルシステムとなるための発明だ。共有ストレージをプラグインするだけで、即使えるのである。

しかし本節のタイトルになっている特許第8,650,359号は、“Computer system accessing object storage system”(オブジェクトストレージシステムにアクセスするコンピュータシステム)と題され、ストレージの未来にとってもっとも重要な意味を持つ、と私は考えている。私とVMwareの数名の同僚(Ilia Sokolinski、Tejasvi Aswathanarayana、Sujay Godbole)が作ったこの特許は、VMの上で保存したり操作したりするストレージシステムを、ファーストクラスの(通常の、本物の)オブジェクトにする。

これによりたとえばSCSIやNFSのストレージシステムがVMを認知するストレージシステムになり、そのためこの特許は、今では市場に導入されている仮想ボリューム(Virtual Volumes, VVOLs)の基盤となる。個々の仮想マシンに物理マシンと同じように独自のストレージ(仮想ストレージ)がある、という形とそのための要件をVVOLはほぼ完全に満たし、ストレージを仮想化の時代へと持ち込んだのだ。

今日のストレージの世界には、たくさんのことが起きており、これらの特許の‘地位’はもしかして揺らぐかもしれない。非結合ストレージのような新しいやり方の登場により、ストレージのインテリジェンスをサーバに置いてVMの分析項目を増し、リソースの管理を効率化するニーズが興ってくる。そういうニーズに未来がどう対応していくのか、もう今から興味津々だ。

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DropboxのCEO Drew HoustonがSnowdenの批判に反論

NSAを内部告発したEdward Snowdenが、プライバシーを守りたいなら”Dropboxを利用するな“、と二度も忠告したことが、議論を呼んでいる。今日(米国時間11/4)はDropboxのCEO Drew Houstonが、その非難に応えた。彼は、もっと強力な暗号化の方式はあるけれども、どの方式を使うかは、使いやすさや利便性とセキュリティとのトレードオフだ、と述べ、“ユーザには選択肢を提供している”、と語った。

Houstonのこの発言は、今日アイルランドのダブリンで行われたWeb Summitのステージで述べられた。それはイギリスのGCHQの長官が、テロとソーシャルメディアと政府によるデータへのアクセスについてのエッセイを掲載した日でもある。

Houstonは、政府機関がソーシャルネットワークやそのほかの大手テクノロジ企業からデータを取り出すことの正否について、直接的には何も語らなかった。また、プライバシーが不可侵の権利であるか否かという、倫理的な問題にも触れなかった。むしろ彼は、ユーザ体験に焦点を絞った。

“ゼロ知識暗号化(zero knowledge encryption)を提供しているサイトの動機は十分に理解できるが、それには欠点もある”、と彼は言う。Dropboxが暗号化の方式を今以上に強化したら、検索やサードパーティアプリへのアクセス、モバイルデバイスからのデータへのシームレスなアクセスなどが、とてもやりにくくなるだろう、というのだ。ただしDropboxでも、ユーザがそれを選択することはできる。“うちは、そのためのサードパーティツールを提供しているが、もちろんそれを使えば検索やインデクシング、プレビューの表示などが困難になる。でもトレードオフというシーソーの上では、人びとは自分が選んだどの位置にでも立つことができる”。

彼はDropboxの企業イメージの問題にも、それとなく触れた: “人から石を投げられて、嬉しい人はいない。でも、FacebookやZuckも、これまでさんざん叩かれている。良いことはいっぱいしているはずなのに、急に、不正なことをしている企業にされてしまう。でも企業や人間が、人びとがいろいろ言うほどすごく良いことはないし、また、そんなにひどく悪いこともない”。

ステージ上のインタビューでHoustonは、2009年に協同ファウンダのArash Ferdowsiと一緒にiCloudがまだない頃のAppleを訪れたときの思い出を語った。そのとき彼らは、Steve Jobsからの(巷間9桁の)買収オファーを断わった。そしてCEOの彼は、その後、買収ではなくパートナーシップという企業進化の路線を選んだのだ。

今日Dropboxは、Microsoftとの、Houston曰く“深い統合”を発表した。これで二社のユーザは両方へシームレスに行ったり来たりできる。これはGoogle対抗策でもあるようだが、実際まさに今日Googleも、新たなクラウド事業を発表した。

Houstonは、両社の協働の意義について、“今Dropboxのユーザは12億人いるが、彼らがやってることで一番多いのがOffice文書の保存やバックアップだ”、と述べた。彼は今回のパートナーシップを“うちにとっては異例”と言うが、すでに自前のクラウドプラットホームを持っているMicrosoftにとっては、もっと異例だろう…Dropboxほど、繁盛していないとはいえ。“Microsoftがこのような統合をしたことは、過去に一度もないと思う”、とHoustonは言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


OpenStackのストレージプラットホームSwiftによるオブジェクトストレージサービスSwiftStackが$16Mを調達

オープンソースのOpenStackプラットホームの採用がこのところ増加するに伴って、このプラットホームを軸とするエコシステムも成長している。たとえばストレージの分野では、OpenStackのオブジェクトストレージプラットホームSwiftをベースとするオブジェクトストレージサービスを、SwiftStackが提供している。

今日(米国時間10/27)SwiftStackは、B2B専門のVC OpenView Venture Partnersが率いるラウンドにより、シリーズBで1600万ドルを調達した、と発表した。このラウンドには同社のこれまでの投資家Mayfield FundとStorm VenturesとUMC Capitalも参加した。昨年のシリーズAによる610万ドルおよびその前のシード資金を合わせると、同社の総資金額は2360万ドルになる。同社によると、マーケティングや営業のスタッフがほとんどいないにも関わらず、同社の売上は過去1年で4倍に増加した。

OpenStackのSwiftプロジェクトに最大の貢献をしているのが、SwiftStackだ。同社は今回の資金を“企業向けのストレージサービスのスケールアップを手頃なお値段で簡単に提供できるために”使いたい、と言っている。またマーケティングや顧客のエンゲージメント事業にも力を入れたい、と。

Swiftを使うと既存のストレージの再利用ができるし、それだけでなく、安価なコモディティハードウェアを使った社内ストレージシステムとクラウド(パブリックとプライベート)ストレージ併用してデータを保存できる。そのためにSwiftおよびSwiftStackのControllerは、巨大なストレージクラスタの運用を支えるプロビジョニングとレプリケーションとフェイルオーバーとモニタリングなどなどのタスクを、総合的に面倒見る。

SwiftStackもオープンソースなので、顧客に付加的サービスや、Swiftをより使いやすくするためのプロダクトを容易に提供できる。その例が、SwiftStack Management ServiceSwiftStack Controllerだ。SwiftStackは、HPやDisney、Time Warner Cableなども利用している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Bitcasaが容量無制限プランを取り下げ、収益化のためB2Bに進出

【抄訳】

ことわざにもある。タダ飯というものはない(there’s no such thing as a free lunch, タダほど高いものはない)。

容量無制限のストレージを低価格で提供して話題になったBitcasaが、このオプションを廃止する。理由は、ユーザ数が少なすぎて費用を賄えないこと。今の、わずかばかりの無制限ユーザの一部を同社は、サービス規約の濫用者、と呼んでいる。

BitcasaはTechCrunch Disrupt Battlefieldのファイナリストだった。2011年に始まったこのサービスは、月額10ドルで容量無制限のクラウドストレージを提供した。それからわずか3年で、その無制限プランはなくなった。

Bitcasaのブログに、新しい料金体系が説明されている。また、アップロード/ダウンロードのパフォーマンスを良くするなど、ストレージのインフラそのもののオーバーホールも行うそうだ。その記事から引用しよう:

Bitcasaには今後、容量無制限のストレージプランがありません。廃止の主な理由は需要が少ないからですが、弊社のサービス規約がたえず濫用されていることも理由の一つです。すべてのアカウントのうち、1TB以上を使われている方はわずかに0.5%、10TB以上の方は0.1%です。容量無制限という理想を維持すべく努力しましたが、低需要と、濫用が疑われる方々の増加により、無制限プランをビジネスとして維持することは不可能になりました。大容量のニーズに対応するために、これまでのProプランの上限を5TBから10TBに増加します。

今後Bitcasaで大容量のストレージを使いたい人には、年額99ドルで容量1TBのプレミアムプランと、容量10TBで年額999ドルのプロプランがある。無制限プランのままだと、データは11月16日に全消去される。

これからのBitcasaは、上記のように、ストレージインフラのパフォーマンスを改良するとともに、同社の目玉である”ゼロ知識暗号化“(zero knowledge encryption, クライアントサイド暗号化)は継続される。また、BitcasaのAPI集とも呼ぶべきデベロッパサービスCloudFSのローンチを契機に、(従来の消費者向けサービスを維持しつつ)ビジネスモデルのB2B化も推進される。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、容量無制限のDrive for Educationの提供を開始

Google Apps for Educationを採用している学校の生徒は、Google Driveに好きなだけファイルを保存できるようになるようだ。

6月にGoogleはDrive for Workスタートしている。月額10ドルで、容量が無制限になるなど、仕事でも便利に使えるようになるというものだ。ここで提供されている無限容量サービスをGoogle Apps for Educationでも提供を開始するのだそうだ。サービス名をDrive for Educationという。

ファイルひとつの最大サイズは5TBとなっている。普通はそれほどに大きなファイルを扱うことなどまずあり得ないだろう。

他のGoogle Apps for Educationサービスと同様、Drive for Educationも教育関連機関で非営利目的ならば無料にて利用することができる(広告表示などもない)。Googleのスポークスパーソン曰く、Drive for EducationはGoogle Apps for Educationの利用者メニューに表示されるようになるはずだとのこと。徐々に適用対象を増やしているので、メニューに現れなくてもしばらく待っていて欲しいとのことだ。すべての利用者のメニューに現れるまでには数週間程度を見込んでいるとのこと。

またGoogleは、年内にもコンプライアンス目的でのメールないしチャットのアーカイブなどを行うことのできるGoogle Apps Vaultについても、教育関連機関利用者に無料での提供を開始したいとしている。さらには会計監査用のサービスについても教育機関に提供していくプランがあるようだが、こちらについては今のところタイムスケジュールなどは明らかになっていない。

これまで、Google Apps for Educationの利用者は、ディスク容量として「わずか」30GBが提供されているに過ぎなかった。それでも一般的な利用者にとっては十分な容量だったはずだ。しかしディスク容量の無料化は着実に進みつつある。Googleは無償でディスクスペースを提供することで(学生の側もきっと大規模ディスクスペースの有効な使い方を見出してくるに違いない)、Googleエコシステムの利用者を増やしていこうと考えてもいるわけだ。Google Drive for Educationの利用者からも、一定の割合て月額10ドルのDrive for Workを使いたいと考える人が出てくるであろうという見込みもあるのだろう。

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(翻訳:Maeda, H


iOS 8レビュー:洗練されてユーザー体験は大きく進化―制限緩和はデベロッパーのチャンス

AppleからiOS 8が公開された。 昨年のiOS 7へのアップデートほど劇的ではないが、それでも大幅な改良であり、追加された新機能も多い。新しいiPhone 6でiOS 8を利用するとその真価がよく理解できる。Appleが制限のいくつかを緩和したことはサードパーティーのアプリ・デベロッパーにとって大きなチャンスを開くものだ。iOS 8でもたらされた自由化と新機能は今後iOSエコシステム全体に大きな変革をもたらす可能性がある。以下、カテゴリーごとに紹介していこう。

メッセージ

iOS 8のAppleメッセージ・アプリは他の人気のあるメッセージ・サービスによく似たものになっている。いちいち新しいメッセージアプリをインストールし、登録しなくても今流行の機能がデフォールトで使えるのだから便利だ。

新しいAppleメッセージでは、タップとスワイプで画像、音声、動画が送れる。私が一番気に入った機能は、グループを選択して「ミュート」し、一時的に非表示にできることだ。これはAppleがグループ・メッセージ機能を導入したときから必要だと強く思っていた。私の家族はAppleメッセージの大の愛用者で、仕事中には少々邪魔になるのだ。

また特定のスレッドに自分の位置情報を付加するのも簡単になった。友達や家族の間で居場所を教えあうのがずっと簡単になった。単独アプリのFind My Friendsを使うより便利だ。

写真

写真で特筆すべきなのは検索機能の充実だ。iOS 8では写真やビデオを日時、場所、アルバム名で検索できる。また高度なコンテキスト検索機能が利用できるようになり、たとえば「ある場所で撮ったすべての写真」を検索して表示できる。編集能力も強化され、露光、明るさ、ハイライト/シャドウ別調整などをマニュアルで操作できるようになった。今や写真編集能力はApertureのような単独アプリなみの水準となった。

しかも機能が豊富になっても、複雑なオプションで初心者を迷わせるようなことはない。デフォールトでは高度な編集機能は隠され、自動補正のオン/オフのボタンだけが表示される。自動補正の傾きの補正機能はアマチュアの写真の多くを救ってくれるだろう。

ひとつだけ私を面食らわせたのは、iCloudでの共有はすべてのデバイスの写真を統合してしまうので、どの写真がローカルにあるのかクラウドにあるのかを判別することができないことだ。もちろんこれによってユーザー体験がシンプルになっているわけだが、 iPadとiPhoneで別々のライブラリを管理できないのはちょっと不便な場合もある。

QuickType

Appleのモバイル用ソフトウェア・キーボードはこれまでiPhone登場の当初からほとんど変わっていなかった。今回初めて予測変換機能を取り入れるなど大幅な改良が図られた。予測変換はあまりに便利で、いままでこれなしにどうやっていたのだろうと思うほどだ。メッセージなどの入力の場合、過去の履歴を参照して相手ごとに最適な予測候補を表示するようになっている。本当のところこの機能はもっと早く実装して欲しかった。

サードパーティー・キーボード

ソフトウェア・キーボード関連ではもうひとつ、Appleがサードパーティーにシステム全般で利用できる独自のキーボードの開発を許した点も見逃せない。残念ながらAppleはその手順を「設定」の奥に隠しているため、サードパーティーのソフトキーボードをインストールするのはあまり簡単ではない。もっともAppleはこれによって知識のない初心者がうっかり新しいキーボードをインストールしてまごつくことを防ごうとしているのかもしれない。

いずれにせよ、この機能は大歓迎だ。〔これにともなってジャストシステムはiOS版ATOKのリリースを予告している。〕

ヘルスケア

Appleのヘルスケア・アプリはiPhone自体のモーションセンサー(5sのM7、6/6 PlusのM8)」から取得されるデータも含め、さまざまなデバイスからアップロードされる健康とフィットネス関連のデータを集中管理するハブとなる。またそれらのデータをアプリを通じて特定の相手と共有することもできる。

今のところ私自身はヘルス関連のデータを記録するデバイスをたくさん使っているわけではないが、 それでもサードパーティーのヘルス関連アプリをインストールしたり、データの種類ごとにあれこれアプリを移動したりする必要をなくしてくれた。Apple Watchが登場すれば、ヘルスケア関連のデータは飛躍的に拡充されるだろう。

デベロッパーは収集されたデータを一般ユーザーにわかりやすく表示するアプリを開発するチャンスだ。

ファミリー共有

iOS 8では6人までの家族が単一のiTunesアカウントを共有できるようになった。メインのユーザーはApple IDを使って家族をファミリー共有機能に登録できる。すると登録された家族メンバーは他のメンバーが購入、ダウンロードしたiTunesの音楽やiBookの本、App Storeのコンテンツを自由に利用できる。子供のために特別のApple IDを作ることもでき、両親のクレジットカードが使える。ただし子どもたちの購入には親の承認が必要になる。

またファミリー共有では家族のメンバー全員が写真、カレンダーなどを共有、同期して利用できる。ファミリーといっても別にDNAで親子関係を鑑定するわけではないから、親しい友だちとファミリー共有のグループを作ることも可能だ。その他、ファミリー・メンバーの間で位置を共有したり、「iPhoneを探す」で協力して位置がわからなくなったデバイスを探したりできる。

iCloud Drive

iCloudも強化され、iOS 8のiCloud DriveはDropboxやGoogleドライブに近づいてきた。ドキュメント、ファイルをクラウドに保管するだけでなく、デバイス間での同期も自動的に実行される。つまりあるデバイスで編集した結果が即時に他のデバイスにも反映されるようになった。また同じファイルを目的によって異なるアプリで開くこともできる。

連携

新しい「連携」機能によってデバイス間での作業の連携がより緊密になった。メールを書き、メッセージを読み、ウェブをブラウズするというような作業はiOSデバイスとMacの間でシームレスに実行できる。ただしMac側でこの機能が完全に実現するためにはYosemiteの登場を待つ必要がある(おそらく来月一般公開となるもよう)。しかしHandoffはiOS 8デバイス同士の連携を実現しているので、iPhone 6で書きかけた文書をiOS 8にアップデートしたiPad Airで開いて作業を続けるといったことはすでに可能だ。

Instant HotspotはiPhoneが自動的にホットスポットとなってiPadとMacにWi-Fiを提供する。iPad、Mac側ではWiFiが届かなくなるといちいち接続操作を行わなくてもiPhoneのホットスポットに切り替わる。

Spotlight

Spotlightを利用すると多様な情報源を横断的に検索して答えが得られる。Wikipediaからの結果がすぐに得られるのは特に便利だ。その他App Storeの関連あるコンテンツ、最新ニュース、周辺の位置情報なども検索される。

一見ささいな追加に思えるかもしれないが、iOS 8の有用な新機能のひとつだ。これでiPhoneがモバイル検索ポータルとして大幅に価値を増した。Spotlightはホーム画面の上部からプルダウンするだけで使える。いちいち検索やApp Storeなどのアプリを開く必要がなくなった。

通知と拡張

iOSデバイスの通知センターは必要な情報を見落とさずにすむ便利な機能だが、iOS 8では、メール、カレンダー始めサードパーティー・アプリからの通知に対してもいちいちアプリを開かずに通知センターから直接返信ができるようになった。私の場合、これはたいへんな時間の節約をもたらしている。ロック画面をスワイプしてアプリを開くとInstagram/Twitter/Facebookという魔のバミューダ・トライアングルにはまりんで、とんでもなく時間を無駄しがちだが、通知センターからの返信機能のおかげで、その回数が大幅に減った。

拡張機能はサードパーティーのデベロッパーが、たとえば、ロック画面で下にスワイプするだけでフィリップスのスマート照明を操作するショートカットを作るなど、さまざまな可能性を開くものだ。

音声認識

音声認識はiOS 8で大きく改良された。ユーザーの頭の中を読み取っているのではないかと思うほど正確に音声を認識してテキスト化してくれる。

さらなる成長への期待

iOS 8にはこれ以外にも無数のアップデートが含まれている。上でも述べたとおり、AppleはiOS 8でソフトウェア・キーボードを始めいくつかの重要な領域で制限を緩和した。またApple Payがアメリカでリリースされた。これらはデベロッパーにとっては大きなチャンスであり、今後エコシステムの多方面に影響が出てくるだろう。また来月のYosemiteの公開で「連携」がMacから利用できるようになることも重要だ。

現在iOS 8のアップロードは始まったばかりで、サーバーへの負荷などのため、やや待ち時間がかかっているようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


今やPCのストレージは最初からクラウドが主体、HPのChromebook 14とHP Streamにその傾向を見る

今朝(米国時間8/18)発表されたのは、Windows 8.1を載せたHPの新型ラップトップHP Streamのスペック一覧で、予価は199ドルとなっている。MicrosoftがChromebookの対抗機種と位置づけている製品で、後者は今、低価格機種のシェアを少しずつ食っている。

MicrosoftはWindows搭載機に価格競争力を持たせるため、小型でしかも低価格のマシン向けにWindowsの価格を下げた。HP Streamも、それに当てはまる。

StreamとHPの14インチChromebookの詳しい比較記事を、Paul Thurrottが書いている

ぼくが今日言いたいのは、GoogleとMicrosoftは低価格のPCを使ってクラウドストレージのシェア競争をしている、ということだ。 Chromebook 14では、100ギガバイトのGoogle Cloud Storageを2年間使える。Windows 8.1を載せたStreamには、Microsoft OneDriveの100ギガバイトがつく。

どちらも100ギガバイトのストレージの正規の使用料は月間1.99ドルだから、2年では約50ドルだ。しかし両社とも、自分たちのプラットホームを載せたコンピュータをより魅力的にするためのコストを、価格に反映させない気だ。

その状況はまた、クラウドストレージの料金が急速にゼロに近づきつつあることを、裏書している。100ギガバイトのストレージを無料で提供することには、それを餌として得られるであろう、いろいろな、小さな収益や売上への期待がある。広告収入とか。

Streamの最小仕様ではストレージが32ギガバイトと小さいが、ほかにクラウドストレージの100ギガバイトがあるのだから、それほど貧しくはない。製品上のストレージを小さくすれば、マシンの原価は下がる。

いずれも、消費者にとってはメリットだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


クラウドストレージの利用状況が詳細に分かるUnclouded(重複ファイルも見つけてくれる)

【抄訳】

PCが世界の王様だったころには、ディスク利用分析ソフトというものがいろいろあって、ユーザはそれらのご指導に従って要らないファイルを削除したり、日常あまり使わないファイルを別のメディアに移したりして、スペースのやりくりをしていた。ところが今は、ローカルなハードディスクではなく、クラウドサービスがストレージの中心になっているので、スペースの無駄遣いはそのままお金の無駄遣いにつながる。だからクラウドストレージの利用分析ソフト、あるいはサービスがほしい。

そこで今日(米国時間8/6)ローンチしたUncloudedは、これまでよくわからなかったかもしれないクラウドストレージの利用状況をユーザに教え、ストレージの大掃除を手伝ってくれる。

そもそもこんな分析サービスはクラウドストレージがデフォルトで提供していてもよさそうなものだが、ユーザの無駄遣いも貴重な収益源だから、利用状況についてはおおむね黙っている。

クラウドストレージの料金はどんどん安くなっているが、利用プランを一段アップしたり、複数の有料ストレージサービスを使うようになると、けっこうユーザのふところにも響くようになる。とくにビデオなどのメディア系はファイルサイズが大きいから、大きな容量もすぐに填まってしまう。

Uncloudedを使うと、クラウドドライブの現在の使用量だけでなく、ファイルをサイズが大きい順にソートしたり、カテゴリーや日付別に分類したり、重複を見つけたりできる。しかもこのアプリは、オフラインでも使える。

Uncloudedを作ったリスボンのChristian GöllnerAndroidデベロッパで、かなり前からDropboxを使っているが、今では20万近いファイルが混乱した状態で置かれている。

“どのファイルやフォルダが大きなスペースを占拠しているか、知りたかった。また、それぞれのファイルタイプ(写真、音楽など)も知りたかった。ファイルの作成や変更の日付、消してもよい重複ファイル、なども知りたかった。そんなアプリがどこにもなかったから、自分で作った”、とGöllnerは言う。

今サポートしているクラウドストレージはGoogle DriveDropboxだけだが、それは両者が、Uncloudedの機能に必要なAPIを提供しているからだ。

このアプリは、分析結果をリードオンリーで利用するなら無料だが、ファイルの移動、削除、リネームなどのアクションをアプリ上でやりたければ、1ドル99セントの有料バージョンがある。

なお、Göllner自身が現状はAndroidデベロッパなので、iOSバージョンが近々に提供される予定はない。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoft Office 365の小企業向けプランを改定、ますます安売り指向に

Microsoftが今日(米国時間7/9)、Office 365の小企業向けのさまざまな新しいプランを発表した。既存のプランはそれらのどれかに置き換わるものと思われる。

まず、小企業向けのいちばん高価なプランが、一人月額15ドルから12.50ドルに値下げされ、社員数の上限は場合によっては今の25から300になる。Office 365のクラウドプロダクトの一人月額5ドルのオプションはそのまま残るが、そこにはOfficeのデスクトップバージョンは含まれない。

クラウド上の生産性アプリケーション(OAソフト)はこのところ競争が激しくなっているので、Microsoftとしてもよりカスタマーフレンドリにならざるをえない。Microsoftは人びとを、長年のソフトウェア購入のサイクルから引き離し、小企業を手頃な料金で、SaaSとしてのOfficeのユーザにしていきたいのだ。

同じようなことを、Google、Apple、Dropbox、それにBoxがねらっている。この、単純にファイルをエディットしたり、保存したりというサービスに、1兆ドルを超える規模の市場がある。各社は、Office 365がこけることを、期待している。

以下は新しいプランに関するMicrosoftの説明だ:

Office 365 Business – すべてのOfficeアプリケーション – Outlook, Word, Excel, PowerPoint, OneNote, そしてPublisher。1TBのクラウドストレージOneDrive for Businessで文書にアクセス、編集、そして文書をWindows PC, Mac, iPad, Windowsタブレット/スマートフォン上で共有できる。

Office 365 Business Essentials – 企業の日常稼働のための中核的クラウドサービス – 企業向けに最適化されたメールとカレンダー、Office Online、オンラインミーティング、IM、ビデオ会議、クラウドストレージとファイル共有、その他。

Office 365 Business Premium – Office 365 BusinessとBusiness Essentialsの両方のプランのすべて。

これら新しいオプションは10月1日より適用される。

Microsoftは最近クラウドストレージの容量を増やし、Office 365のアカウントでは1テラバイト、そのほかのOffice有料アカウントでも容量が増した。

Office 365はMicrosoftのAmazon Primeになりつつある: 年会費を払うと、あれやこれやといろんなサービスが得られる。Amazonと同じく、雑多なサービスの寄せ集めでも平気だ。いっそ、Office 365をPrimeと改名したらどうだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Dropboxが企業ユーザを安心させるためにフォルダのパーミッション設定を社員一人々々の粒度に

Dropboxの今回の新しいやり方は、あえて平凡だ。今の同社の再優先事項は、セキュリティやファイルアクセスのパーミッションに関して企業ユーザを安心させ、消費者向けのおもちゃじゃないぞ、と思ってもらうことだ。そこで今日同社は、リードオンリーの共有フォルダ(見るだけ)というものを導入し、WordやPowerPointなどなどのファイルに対し、それらを見てもよい人たちと、編集もできる人たちの区別ができるようにした。企業ユーザを安心させるためには、こんな細かいことをきちんとやる必要があるのだ。

フォルダのリードオンリー設定は、Dropbox For BusinessアカウントのアドミンがWebとモバイルの両方で、個人別にできる(下図)。この機能の、Businessの全ユーザへの展開は近日中に行われる。

確実に儲かる企業ユーザ市場でBoxなどと互角に戦うためには、こういう小さな改良を積み重ねることが欠かせない。

Dropboxの、“友だちを招待して容量を増やそう”の人気とヴァイラルな広がりは、大企業の社員にも浸透してしまったが、それが今では同社の(企業ユーザ獲得を目指すときの)足を引っ張っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google I/O:ビジネス向けクラウド・ストレージ、Drive For Workは月額10ドルで容量無制限

今朝(米国時間6/25)開会したI/Oデベロッパー・カンファンレンスで、Googleはドライブをメジャー・アップデートしたのに加えて、Drive for Workを発表した。これはビジネス向けのクラウドストレージと生産性ツールのスイートで、セキュリティも大幅に強化されている。また特筆すべき特長は、保存容量が無制限であることだ。

しかしGoogleの動向を注意深く追っていたものにとってはショックではない。Googleは今年に入ってドライブの料金を大幅に引き下げた。この際、ドライブのプロダクト・マネジメントの責任者、Scott Johnstonは私の取材に答えて「企業のIT部門は今後ストレージ容量の心配をする必要がなくなる」と語った。

ユーザー1人当たり月額10ドルというDrive for Workの登場で、IT部門はストレージ容量だけでなく料金の心配もする必要がなくなったといえるだろう。またアップロード可能なファイルサイズの最大限を5TBに引き上げたことでもGoogleが「容量無制限」に真剣に取り組んでいることが分かる。正気の人間なら5TBのファイルをGoogleドライブにアップロードしようとは(当面)考えないだろうが、やろうと思えば出来るというのは心強い。

ユーザー1人月額5ドルの既存のGoogle Apps for Businessアカウントも存続される。

容量無制限というのがやはりいちばん人目を引くが、Drive for Workにはそれ以外にもビジネス・ユースに不可欠な多くの機能が用意されている。たとえばGoogle Apps Vaultは法の定めや会計業務のため、改ざんがないことを証明できるかたちでメールその他のデータを保管する機能だ。

またDrive for Workの管理者にはどのユーザーがいつ、どのファイルにアクセスしたかを確認できる監査機能が提供される。またGoogle はAudit APIを公開したので、企業は独自の監査ダッシュボードを作成できる。

Googleによれば、Drive for Workは大企業に対し、SSAE 16/ISAE 3402 Type II、SOC 2-audit、ISO 27001、Safe Harbor Privacy Principlesなどのコンプライアンスと監査のレベルを提供できるという。まだ医療分野のHIPAAのような業種別のセキュリティー要求もサポートする。

アクセス・コントロールは企業ごとの必要に応じてきめ細かく設定できる。たとえば一部のユーザーをファイル同期の対象から除外するようなことも可能だ。

Johnstonは「Drive for Workは、大企業向けのVaultのような機能を含め、スモールビジネスから中小企業まであらゆる企業のニーズに応えられるサービスとなっている。企業が成長した場合に必要になるような機能もそろっているので安心だ」と強調した。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


クラウドストレージは空気のように遍在して無料になる

今日(米国時間6/23)は、クラウドストレージの分野でおもしろいことが二つ起きた: MicrosoftはOneDriveを値下げし、無料の容量を増やした。そしてBoxはそのエディティングツールBox Notesをモバイル化した

どちらも、クラウドストレージの最近の市場動向にぴったりフィットしている: それらは、1ギガバイトあたりのストレージの消費者単価ないし顧客単価がゼロに接近していることと、ストレージ企業がストレージという商品基盤の上で生産性ソフト(OAソフト)を多様化しようとしていることだ。

このことに今注目しておく価値があると思うのは、それがストレージサービスがこれから向かっていく方向性を示していると思われるからだ。

クラウドストレージの限界消費者価格は急速に低下し、そのギガバイト単価はますます安くなっている。やがてクラウドストレージは、そこらじゅう至るところにあるもの(ユビキタス)になり、そして無料になる。プラットホーム企業の競合が激しくなるに伴い、無料で容量無制限のクラウドストレージは、オンラインサービスのデフォルトの基盤のようなものになる。

そして彼らはストレージに課金するのではなく、消費者がその上にあるデータで何をするか、に対して課金する。クラウドストレージがますます儲からない商材になっていくとき、では何をすべきか? 新たな付加価値商材の導入、これしかない。そこでBox Notesがモバイルになる。

今から2年後には、容量無制限で無料のクラウドストレージに選択肢がたくさんできる。つまり、数テラバイトの無料ストレージが複数のベンダから提供される。消費者向けの無料のストレージはせいぜい数ギガバイト、というこれまでの常識が、メールサービスの受信容量数メガバイトという過去の常識と同じく、愚かしいものになる。

2004年の、CNETの記事より:

Hotmailは現在、2MBの無料のメール用ストレージを提供している。Yahoo Mailは4MBだ。Gmailは1GBのストレージを提供して、彼らを一挙にみすぼらしくしてしまう。

…という次第だ。

画像: FLICKR/KLEARCHOS KAPOUTSIS; CC BY 2.0のライセンスによる(画像はトリミングした)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Microsoftは無料クラウドストレージの容量を倍増して15GBに、Officeユーザは1TB

無料で容量無制限のクラウドストレージがトレンドになりつつあるが、このバスに乗り遅れたくないMicrosoftは今朝(米国時間6/23)、OneDriveサービスの無料アカウントの容量を15ギガバイトにアップした。その前が7ギガバイトだから、倍以上だ。

併せて同社は、すべてのOffice 365ユーザのストレージの大きさを1テラバイトにした。OfficeでなくOneDriveで容量を増やしたい人は、100ギガバイトが月額1.99ドル、200ギガが3.99ドルだ(後者は、これまで月額11.49ドル)。

もっとわかりやすく言うと、Microsoftは無料で提供するストレージの容量を大幅に増加、そしてOfficeの会員ユーザは、これまでの契約容量とは無関係に全員、実質的にほぼ無制限のクラウドストレージを(それ自体は無料で)使えるのだ。

単独ユーザのためのOffice 365 Personalは月額料金が6.99ドルだが、ストレージは1テラバイト使える。複数ユーザで使える’Home’アカウントは月額9.99ドルだが、最大5人までのユーザが、一人につき1テラバイトを使える。というわけで有料アカウントのストレージ単価(GBあたり)は、ものすごく安くなった。

といっても、誰も驚かないだろうが、おもしろことはおもしろい。いわゆる今のプラットホーム戦争においては、ストレージは重要な戦略兵器だ。前にも書いたことがあるが、ファイルは自分が保存されている場所で編集されることを好む。だからクラウドファイルを制するものはエディティングツールも制する。Microsoftの唯一最大のエディティングツールがOfficeだから、そのためにもクラウドストレージが重要だ。

Dropbox、Box、iCloud Drive、Amazon Drive、Google Driveなどなども、今やMicrosoftの競合相手だ。彼らからユーザを奪うためには、無料アカウントと有料アカウントの両方で、思い切った大盤振る舞いが必要である。

しかし無料の15ギガバイトは十分ではない。Boxは今年の初めに50ギガを提供した。だからMicrosoftの容量拡大は、今後も断続的に続くのだろう。そして、大容量のストレージが無料ならユーザは相対的にOfficeの会費を安く感じる、15ギガバイトはそこへ導くための一時的なつなぎとめ策、という賭け方なのかもしれない。

でも、Google Trendのチャート(下図)によれば、消費者のマインドシェアにおいてMicrosoftは、ライバルたちの後塵を拝しているのだ。

だからこそなおさら、同社はアグレッシブにならざるをえない。マインド(心)のシェアだけでなく、クラウドストレージのシェアを伸ばすためにも。

しかし、今日の動きは同社にとってとりあえず有益だとは思うが、Microsoftほどのお金持ちなら、もっともっと破天荒な策がありうるのではないか。

画像: FLICKR/NICOLAS RAYMOND; CC BY 2.0のライセンスによる(画像はトリミングした)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))