ユーザ企業の顧客の質問にオンラインで自動的に答えるMindTouchが$12Mを調達

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製品に関する顧客の疑問に答えるクラウドサービスMindTouchは、企業の既存のドキュメンテーションや、教育訓練のための教材、カスタマサービスの文書などから答を探す。長年自己資金のみでやってきた同社が、初めての外部資金導入1200万ドルを発表した。

そのラウンドをリードしたのはPeakSpan Capitalで、SK VenturesとSAP SEが参加した。

ファウンダでCEOのAaron Fulkersonによると、実は同社がオープンソースのプロダクトとしてローンチしたのは、2005年だ。2010年にギアを切り替えて、商用のクラウドプロダクトになった。

同社は企業の既存のドキュメンテーションやそのほかの素材を集めてその内容を整理し、顧客がアクセスして利用できるようにしている。そのためには、オリジナルのコンテンツを小さな単位に分割し、それぞれのメタデータを取り出し、ユーザがそれらを検索できるようにする。そしてさらに機械学習を結びつけ、素材を貫く論理的な学習パスを編成する。それによってユーザは、必要な情報を容易に検索して見つけられるようになり、カスタマサービスに電話する必要がなくなる。

“顧客が抱える状況に合ったコンテンツを即座に提供できるし、単純なキーワード主義というよりセマンティック的に豊富な情報だから、顧客が求めている情報がより具体的に企業にも分かる”、とFulkersonは語る。

このサービスは、それを利用する企業にとってさまざまな価値がある。まず、企業のWebサイトへの自然なトラフィックが増える。製品を検索した消費者ユーザが、それを実際に買う可能性が大きい。納得いく答が得られるから、顧客満足度が上がる。答を自分で見つけたユーザは、それだけでいい気分になるのだ。

しかもMindTouchを使っている企業は、人びとがそれらの情報素材をどのように利用しているかに関する、細かい統計的データを得られるので、それは販売や営業の部門で非常に役に立つ。顧客の関心が分かれば、セールスを前進させられる。顧客が関心を持っている情報のタイプも分かるから、企業の製品や、このQ&Aサービス自身の、今後の新しい機能を作るための参考にもなる。

Fulkersonによると、とくにマーケティング努力もしなかったけど、現在のユーザ企業はおよそ400社、中にはRemington、Docker、Zenefits、Whirlpoolなど有名企業もいる。

今回初めて外部資金を導入したのは、スケールアップのためだ。Fulkersonによれば、そろそろ競合他社も現れそうだから、それに負けないだけの企業体力をつけておきたいのだ。

具体的には、1200万ドルは営業とマーケティング部門の整備、そしてプロダクトを改良していくためのR&D部門を置くことに充てられる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

eコマースのためのメールマーケティング自動化ツールBluecoreがシリーズBで$21Mを調達

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eコマースのためにデータに基づくマーケティングサービスを提供するBluecoreが今日(米国時間12/2)、シリーズBで2100万ドルを調達したことを発表した。ラウンドをリードしたのはGeorgian Partners、これに既存の投資家FirstMark CapitalやFelicis Venturesなどが参加した。

eコマースのサイトは、適切なタイミングで適切な消費者にメールによる案内を送って、より高いコンバージョンレートを確保したい、と考える。Bluecoreは、データに基づいてメールの送り先や送る時期の決定を自動化する。

データといっても、これまでのマーケターたちは、たとえばショッピングカートに入れたけれども結局買わなかったものに基づいてリコメンデーションを決めたりしてきた。Bluecoreを利用するとマーケターは、特定の品物を見たユーザに、それの値下げや新規入荷の情報を自動的にメールできる。

マーケターがBluecoreを利用するにあたってやることは、Webサイトのコードに一行追加して、さらに、どんなメールをどんなとき誰に送る、という“レシピ”を指定するだけだ。そのあとのことはいっさい、Bluecoreが自動的にやる。マーケターはシステムの稼働時にでも、バックエンドに対し変更を指示できる。

Bluecoreは創業からまだ2年足らずだが、すでに150あまりのWebサイト上の180のeコマースブランドに利用されている。

同社は今回の資金で機能をより豊富にし、チームを増員したい、と考えている。同社がこれまでに調達した資金の総額は、2820万ドルに達する。

BluecoreのWebサイトは、ここだ

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Googleが17の国でのAndroidアプリとアプリ内購入の推奨最低価格を大幅に値下げ…薄利多売による市場活性化をねらう

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Googleが途上国各国におけるAndroidアプリとアプリ内購入の最低価格を引き下げた。これはこの夏、インドで試行した結果に基づく措置だ。

値下げはブラジル、ベトナム、ロシア、インドネシア、トルコなど17か国に適用される。これはあくまでも採否自由のオプションだが、Googleは値下げがコンテンツの売上増を喚起し、デベロッパの収益も上げる、と考えている。

Googleの声明文に曰く、“どの市場も独自の課題と機会を抱えている。とりわけ購入行動は市場によって大きく異なる。そこで、デベロッパにさらなる柔軟性(自由性)を提供するために、Google Playの価格政策を各地の消費者により適したものに調整し、コンテンツのアクセス性をより高めたい”、のだそうだ。

以下が、値下げの適用国と新旧の価格の一覧だ: 〔参考・世界各国の現行通貨

  • Brazil(ブラジル): R$ 0.99 (元R$2.00)
  • Chile(チリ): CLP $200.00 (元CLP $500.00)
  • Colombia(コロンビア): COP$ 800.00 (元COP$ 2000.00)
  • Hungary(ハンガリー): Ft 125.00 (元Ft 225.00)
  • Indonesia(インドネシア): Rp 3,000.00 (元Rp 12,000.00)
  • Malaysia(マレーシア): RM 1.00 (元RM 3.50)
  • Mexico(メキシコ): MXN$ 5.00 (元MXN$ 9.90)
  • Peru(ペルー): S/. 0.99 (元S/. 3.00)
  • Philippines(フィリピン): ₱15.00 (元₱43.00)
  • Poland(ポーランド): zł1.79 (元zł2.99)
  • Russia(ロシア): руб 15.00 (元руб 30.00)
  • Saudi Arabia(サウジアラビア):﷼ 0.99 (元4.00﷼)
  • South Africa(南アフリカ): R3.99 (元R10.00)
  • Thailand(タイ): ฿10.00 (元฿32.00)
  • Turkey(トルコ): ₺0.59 (元₺2.00)
  • Ukraine(ウクライナ): ₴5.00 (元₴8.00)
  • Vietnam(ベトナム): ₫6,000 (元₫21,000.00)

約1年前にGoogleは、中国のデベロッパが彼らのAndroidアプリを国際市場で売れるようにした。国際市場とはその道の専門用語で‘中国を除く’という意味だから、Google Playのストアは中国では開店できない。一部解禁するかも、という推測もあるが、今日のこのニュースからは、Googleが途上国市場におけるアプリの売上増大にぴったり焦点を当てていることが分かる。これらの市場では、Androidデバイスが、なんといってもスマートフォンの圧倒的多数派なのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

珍しいことにAppleがiPhoneとApple Watchの抱き合わせ販売でディスカウント(一部のストアのみ)

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Appleはときどき学生割引やクリスマス商戦の特売はやるけど、一般的に安売りはしない企業だ。

だから、珍しい。今Appleは実験的に、iPhone 6sや6s PlusとApple Watchの抱き合わせ販売で、50ドルの値引きをやっている。

これはMacRumorsの特ダネだが、要点はこうだ:

  • これをやっているストアはカリフォルニア州の一部(Burlingame, Chestnut Street, Corte Madera, Hillsdale, SF, Stonestown)とマサチューセッツ州の一部(Boylston Street, Burlington, Cambridge Side, Chestnut Hill)のみ。オンライン(ネット販売)はなし。気になる人は、お近くのApple Storeに電話してみよう。
  • 値引きが適用されるのはiPhoneとApple Watchを同時に買う場合のみ。ただしiPhoneを買ったばかりの人(14日以内)は、返品してまた買う、という手はある。
  • ハイエンドのApple Watch(EditionとHermès)は対象外。

売出期間は10月30日から11月15日まで。

なぜこれをするのか? たぶん新規顧客を取り込むための誘い水だろう。

スマートフォンを売るだけでも、売上利益とその後のアプリやiCloudの売上などを期待できるが、こんな特売企画でウォッチも同時に買ってもらえたら、単なるお金の利益だけでなく、おそらく終生のAppleファンというでっかいメリットが得られる…という皮算用。

Apple Watchを使い慣れたら、その状態のままで今後、携帯だけをAndroidスマホに乗り換えることは、ちょっと想像しづらい。Android Wear+Androidスマホのセットに乗り換える動機は見当たらないから、終生のAppleファンにならざるをえない。しかもApple Watchを着けた腕は誰の目にもよく見えるから、歩く広告塔だ。

それが50ドルなら、安いね。

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地域農家農業と地域消費者をコミュニティで結びつけるFarmigo、好調なフードテック企業として創業6年、シリーズBで$16Mを調達

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地域農家の市場をディスラプトしようとする、創業6年目のFarmigoが、シリーズBで1600万ドルを調達した。

ファウンダでCEOのBenzi Ronenによると、同社は農家のためのソフトウェアデベロッパとしてスタートしたが、消費者が新鮮な農産物を入手できるマーケットプレースと、そのための地域の“食べ物コミュニティ”の育成に関心が移行した。地域の学校や企業も、そのコミュニティの核になりえる。Farmingoは2011年の本誌TechCrunch主催スタートアップコンペDisruptで、プロダクトの一つをローンチしている。

Ronenによると、このコミュニティスタイルのマーケットプレースは、従来の農家の市場に比べて生産者と消費者の両方にとって便利である。従来の市場構造では、地域の農作物を農家の近隣地域の人たちが買えないことが多い。遠くまで毎週買い物に行くのは、時間的にたいへんである。また、よくある、地域農業そのものをコミュニティがサポートする事業では、各週の限られた生産物を、消費者がむりやり買わされるパターンになることが多い。それに比べるとFarmingo方式は選択の幅が大きい、とRonenは主張する。

フードテックのスタートアップでは、InstacartやBlue Apronのように大きな成功例もあるが、でもRonenによると、農家と食卓を結びつける事業は歩みが遅い。たとえばGood EggsGrubMarketはともに、最近サンフランシスコの外での操業を中止した。彼らは、ビジネスモデルを再考するつもりだ。

問題は、農家から食卓へを謳う企業が、“サプライチェーンの全体を再発明しようとしていること–しかもそれはデジタルでなく物理的な作業だから、とても難しい”、とRonenは言う。〔しかも商品が長中期在庫不可能な生鮮食品で、供給量の限られたローカルブランド。〕

Farmigoのビジネスモデルがうまくいっているのは、食べ物コミュニティがイコール、流通システムでもあるからだ。これまでのように、スタートアップの企業自身が個々の顧客へ農産物の配送配達をしない。またFarmingoではテクノロジの力でその過程をより効率的にしている。

“うちは要するにエンドツーエンドのERPシステムであり、サプライチェーンのすべての要素をチェックしている”、とRonenは語る。“在庫(品物、量)も正確に分かるし、どんな注文があり、そのどれどれがパックされたかも分かる。ドライバーはソフトウェアを使ってそれらのデータを知り、どこで何を集荷すべきかを知る。過去6年のうちの仕事らしい仕事といえば、このソフトウェアを作ることだった”。

Farmigoの現在のサービス供用地域は、ニューヨーク(市)とニュージャージー州とカリフォルニア州北部だ。10月14日にはシアトル-タコマ地区が加わる。Ronen自身は2年前に、サンフランシスコからニューヨークへ引っ越した。同社のシステムから地域農産物を買っている世帯は15000あまりで、毎月2000ずつ増えている。

今回のラウンドは、Joe Lonsdale、Brian Koo、Jim Kimらによる投資企業Formation 8がリードし、これまでの投資家であるBenchmarkとSherbrooke Capitalが参加した。これでFarmigoの資金調達総額は、2600万ドルになった

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google Primerアプリで隙間時間にマーケティングが学べる

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一年ほど前、GoogleはGoogle Primerという新しいモバイルアプリをローンチした。これはスタートアップ向けにGoogleの最新の検索エンジン、メディア露出、コンテンツ・マーケティングの内容に慣れ親しんでもらうためのアプリだ。しかし当時、アプリはまだ検証段階でGoogleはこのプロジェクトに関するコメントを発表しなかった。本日、Google Primerは新しいデザインで公式にローンチし、レッスンの内容にも新たにモバイルサイトデザイン、プログラマティック・バイイング、検索連動型広告などが追加された。

Googleは毎週、新しいレッスンを追加すると発表している。

また、iOS版は昨年の10月にデビューしたが、現在Android版も利用可能だ。

Google Primerの目標は小規模なビジネスを運営している人から大手企業で働くマーケッターまで、仕事に必要な最新のツールの使い方やスキルを習得を助けるためだとGoogleは説明する。

ユーザーが簡単に学ぶことができるよう、アプリのレッスンは短くまとめてあり、オフラインでも利用可能だ。ちょっとした隙間時間、例えばコーヒーを買うのに並んでいる時や、飛行機での移動中、電車での通勤時など、どこでも学ぶことができる。

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Google Primerのユーザーはプロフィールに進捗を保存したり、前に保存したコンテンツを見たり、アプリを役立てることのできる友人に共有したりすることができる。

アプリのオリジナルのバージョンには入門レベルのコンテンツが多かったが、今回アップデートしたGoogle Primerには、基本的な内容のものから上級のものまで幅広く揃っている。レッスンには「難解な専門用語はありません」とGoogleは伝えている。新しくマーケティングを学ぶ人にとって登場するコンセプトを理解しやすくするためだ。

Googleは業界の専門家と共同でアプリのコンテンツを開発した。Primerのユーザーに分かりやすい言葉を選び、レッスンと連動するインタラクションを構築するために手を組んだという。

刷新したバージョンには、ユーザーにパーソナライズした「次のステップ」を提供する。つまり、各レッスンの終わりに短い課題があり、ユーザーにカスタマイズした次に進むためのヒントを提供する。この模擬課題には、例えば、カスタマーにセール期間を知らせる、新製品の発表を行う、誕生日のお祝いメッセージを送信するといったものがある。

Primerの目標は、Googleのプロダクトやサービスに新規カスタマーを増やすことであるのは明白だ。そのようなGoogleの思惑があるにしても、Googleの一連のツールを活用したいと考えている人にとっては、学習を助けてくれるものとなるだろう。

Google PrimerはiTunesGoogle Playから無料でダウンロードできる。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

【研究報告】ブロガーに高価な贈り物をしても好意的なレビューは書いてもらえない

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昔々あるスタートアップがガソリンの缶にコーヒー豆をいっぱい詰めたやつを送ってきた。そのコーヒー豆はプラスチック容器の悪臭がしみついていて使えなかった。缶はかなり小さかったが使う機会もなく最後にはリサイクルに出した。結局のところPR会社がスタートアップに1万ドルを請求して、ぼくやそのほかのブロガー約200名にゴミを送ったのだ。その売り込みは記憶には残ったが、コーヒー豆を送ってきたやつの名前は言いたくないし、そのスタートアップについて記事を書いたこともない。

このことの教訓は、贈り物でブロガーの心を動かすことはできない、ということだ。ペンシルベニア州立大学の広報宣伝の准教授Marcia DiStasoも、そのことを証明している。彼女は約200名のブロガーとビデオのレビュワーについて研究し、その際、彼らにレビュー行為に関する基本的な質問をした。

企業からレビューに対する報酬をもらったブロガーはそのことを公表すべし、というFCCの規則が出たあと、DiStasoはブロガーたちに、レビューを期待する企業のPR部門から贈り物や現金をもらったらどうするか、と尋ねた。そして彼女が知ったのは、ブロガーが贈り物をもらってポジティブなレビューを書くことはほとんどないことと、PRとブロガーのそのような関係はむしろブロガーをより‘批判的’にすることだった。彼女が質問をしたブロガーの多くがテク系で、そこは贈り物が氾濫している業界だ。ぼくが会ったことのある、あるいは一緒に仕事をしたことのあるブロガー全員が、女性一人も含めて、すべての贈り物を返品していた。イベント会場で出されるフードや飲み物に、手を付けない者もいる。

“もちろん、iPhoneなど最新の製品そのものなら、ブロガーは喜んで受け取るだろうし、それらについて書くでしょう”、とDiStasoは言う。“テクノロジの分野では、それがふつうよね”。

しかし彼女がアンケートしたブロガーたちは異口同音に、“良くない製品についてポジティブなレビューを書いたらライターとしての信用を失うし、ブログの視聴率も下がる”、と語った。そして倫理的なPR企業は得意先企業に、“そんなやり方を勧めない”、と。

ぼくはブログを15年書いているし、レビューもしょっちゅう書いている。うちの地下室には返品を待つ製品の箱が山のようにあり、これから先もこんな箱が送られてくるのか、と考えるとぞっとする。だからぼくは、DiStasoに賛成する。ガラクタが無料でもらえるからブロガーになった人は、ブロガーとして成功しない。企業に対して公平で、PR会社に対して率直に物を言えて、冷静沈着なレビューを書ける人は、長続きするし、楽しいブロガー生活を送れる。そしてスタートアップのための家訓は、ガソリン缶にいっぱいのコーヒー豆のような無駄な物にお金を使わないことだ。ゴミを送るな。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

広島県尾道市・猫の視界のストリートビューマップ、Google Street Viewのスタッフが制作

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ドローンのおかげで、まわりの世界を鳥瞰するのは簡単になったが、それはものごとを見るための視野として、正しくないのかもしれない。日本の広島県が観光宣伝のために作った猫のストリートビューマップを見ると、街(まち)のありふれた視界が、とても新鮮に見える(下図)。しかもそれは、我らが愛すべき、お猫様の視界だ。

このマップの対象地域は尾道市のメインの商店街で、そこは人によく慣れたストリートキャット多いことで知られ、観光客の人気にもなり、奥の細道ならぬ猫の細道と名付けられた路地があったり、前足で幸運を招く招き猫の博物館があったりする。

この、猫のストリートビューマップは今のところ日本語だけだが、ミャーオタグと呼ばれるタグをクリックすると、さまざまな観光スポットを教えてくれる。

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この猫のストリートビュー(Cat Street View)は、単なる観光マーケティングの仕掛けであることを超えて、テクノロジの進歩でついに、われわれを翻弄してやまないお猫様たちの視界を、人間も見られるようになった、という感動を与える。Webカメラやカラー(襟)カメラ、それにGoProのようなアクションカメラのおかげで猫達は、彼らの愛すべきキャトマ(catma…ドグマ(dogma)の反対、猫独自の世界)を平和裡に広げることができる。

このマップはまた、ドローン市場の急速な拡大に対する、警報でもある。ドローン企業は2015年に1億7200万ドルの資金を調達したと言われ、それは過去3年の合計よりも多いが、でも広島の猫のストリートビューは、ベンチャーキャピタリストたちに、世界を上空から鳥の目で見るだけでなく、目と耳を大地に接近して見ることも重要だ、と警告する。そう、地上20センチぐらいの高さからね。

広島県がWall Street Journalで語っているところによると、このマップはGoogleのStreet Viewを作った人たちが作り、それと同じ機材を使用した。次のバージョンでは、猫達が、トイレにふさわしい植木鉢や、ベッドとして使える段ボール箱がたくさんある倉庫、とってもおいしそうな食べ残しのあるセレブ猫のお宅などを、見つけられるとよいね。

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コミュニケーション・サービス多様化の中でメールは今でもピンピン元気、という調査結果

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静かな場所でメールをチェックしたいかな? どうやら、多くの人にとって、静かな場所とはトイレ*なのだ。Adobeの最新の調査によると、アメリカ人の42%がトイレでメールチェックをしている。〔*: bathroom, 浴室兼用トイレ〕

Adobeはメールによるマーケティングをサービスとして提供しているから、ときどき、人びとのメールビヘイビアを調べる必要があるのだ。

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Adobeの調査結果は、それほど意外でもない。回答者の91%が職場でメールをチェックし、また87%は仕事のメールを家でチェックしている。70%は、テレビを見ながらメールも見ている。ベッドでメールをチェックする人は回答者の約半分、そして困ったことに、18%は運転中にメールを見ている。18歳〜34歳の層では、運転中にメールをチェックする人が27%もいる。

この調査でおそらくいちばん意外なのが、マーケターたちの最大のターゲットであるmillennialsの人たちが、ほかの人たちと変わらず、メールを愛用していることだ。彼らはモバイルでメールをチェックすることが多いが、メールをチェックする頻度はほかの年齢層よりも多いのだ。メッセージングアプリやSNS、Instagramなど、そのほかのコミュニケーションツールがとても豊富な時代なのに、メールは劣化していない。

また、メール中毒を自覚している人も多くて、回答者の10人中4人は、“自己流のメール・デトックス”を試している、と答えた。そのデトックスの効果は定かでないが、87%は、メールをチェックしない日が平均して月に5日はある、と答えている。

企業ではSlackやConvo、Yammerなどがよく使われるようになっているが、それでもメールの利用は減っていない。むしろ回答者の約半分が、今後二年間でメールの扱い量は増える、と答えている。

この結果を見て、毎日メールマーケティングに邁進しているマーケターたちは大喜びだろう。ただし、調査を発注したのがメールマーケティングの常習犯(Adobe)だけど。回答者の1/3が、企業からのメールの頻度は減ってほしいと言っているから、嫌われない程度にやれば、メールは依然として貴重なマーケティングチャネルなのだ。‘メールは死んだ’という説は、無根拠な都市伝説ないし‘願望’にすぎなかったのである。

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【保存版】海外Webマーケティング最前線!押さえておくべき国内外メディア8選

変化の激しいWebマーケティングの領域では、最先端の潮流を見極めることが重要です。特にBtoBの領域ではマーケティングオートメーションツールの舶来やモバイル対応の浸透など、様々な注視すべきトピックがあります。そこで今回は […]

不動産市場全体をリアルタイムビッグデータとして表現し操作したいVTSが$21Mを調達

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不動産売買のVTS(元View The Space)が、OpenView Venture Partners率いるシリーズBのラウンドにより2100万ドルの資金を調達した。これに参加した既存の投資家Trinity Partnersは、VTSの評価額をほぼ1億ドルとしている。今回の資金の用途は、不動産取引におけるデータの活用の拡大、だ。

OpenViewのAdam Marcusはこう言う、“不動産は市場がきわめて大きいし、資産分類の中でも世界最大だ。それなのに不動産を管理している人びとの仕事のやり方は原始的だ。いまだに、何もかもExcelだし、情報は紙でやりとりされている”。

不動産売買に関わる人たち(ブローカー、物件のオーナー、投融資者など)がVTSを利用すると、彼らは任意のデバイスからいつでもリアルタイムでコラボレーションでき、自分たちのポートフォリオを管理できる。今出ている物件とそれらの見込み客たちが、このプラットホームの上で出会い、各ユーザ(アクセス者)に提供されるダッシュボード上に、関連物件とその所有者、そしてそれらの市場動向などが、総覧される。〔余計な訳注: 日本の不動産サイトのかったるさ、徒労感、ありゃーヒドイわ!! 〕

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不動産売買の市場規模は12兆ドルと言われる。その意思決定がデータドリブンになれば、費用効率の向上も膨大な額になるだろう。

たとえばニューヨークのビルのオーナーが、ブローカーたちから、新しいスペースを探しているテクノロジ企業が前年より2割以上増えている、という最新情報を入手したとしよう。オーナーは一部の壁を壊し、会議室をたくさん作り、スタートアップたちの入居にふさわしいビルにするだろう。そして、お客にテク企業が多いブローカーにこのビルを持ち込む。ビルの改造に投じた費用が、大きく生きることになるだろう。

VTSの協同ファウンダRyan MasielloとNick Romitoは、9年間、ニューヨークでブローカーをやっていた。だから彼らは、不動産取引の痛いところも痒いところも、すべてよく知っている。

VTSがそのプラットホーム上で扱っているオフィススペースの総量は、約15億平方フィートだ。ご参考までに、ニューヨーク、マンハッタンの全オフィススペース(2013年)が5億2000万平方フィートだ(これはもちろん物件として出回っている量の総量ではない)。今では同サービスを、BlackstoneやJLLのような大手ブローカーや大家(おおや)たちも利用している。

今回の資金は海外進出にも投じられ、年内にロンドンとシドニーにオフィスを開く。

Romitoは語る、“今の不動産業界のエコシステムの、一員だとも、一員になりたいとも、思ったことはない。われわれ自身が新しいエコシステムになって、すべての不動産売買がその上で行われるようにしたい。それにはあと2年か、あるいは5年はかかると思うけど、でも我が社の今の成長スピードは、予想の10倍はいってるね”。

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Webサイト作成のWixがプロのWebデザイナー(そして小企業の経営者)を育てる教育事業WixEdを開始

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DIYでWebサイトを作れるサービスWixが、今度は、ユーザに本職のWebデザイナーになってもらうための教育訓練サービスを始めることになった。

今日(米国時間7/10)同社が立ち上げたWixEdは、無料のオンライン教育事業で、これまでWixを使うこと==既製のテンプレートを使うことだったユーザに、自分でWebサイトデザインビジネスを立ち上げるまでに必要な知識と技能の一から十までを教える。

コースは三部分から成り、(1)Wix WebmasterクラスではWixが提供するツールを使って行うWebデザインを教える。(2)(3)そしてビジネスクラスとマーケティングクラスでは、小さなネットビジネスを経営するために必要な、あらゆる知識を教える。それには、SEO入門、eコマース、会計経理、そして写真術まで含まれる。

Wixのインストラクタ集団がいつでも質問に答え、宿題の結果を評価する。宿題には、本物のネットビジネスのためのWebサイトの構築、もある。

WixでWixEd事業を担当するYuval Finkelsteinによると、“Webサイトの作り方を学ぶだけではなくて、小企業のオンラインプレゼンスを完全に統括できる人物を育てる”、という。“オンラインのマーケティングは2年前ぐらいから強力になっているが、それを今では小企業も利用できる。必要なのは、それを使いこなせるプロになることだ”。

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WixはWixEdを3年がかりで秘かに作ってきたが、1か月かけて行った小規模なベータでは、ユーザの80%が少なくとも2本のビデオを見ており、またすべてのビデオの30%が、最後まで視られたことがわかった。

ビデオ教材は、著作権の法律なら専門の弁護士、Google AnalyticsならGoogleの社員というように、それぞれその道の専門家を起用した。

Finkelsteinの見通しでは、全コースの終了に要する時間は平均で2〜3週間だが、ベータ期間中には全コースを週末の3日で終了した強者(つわもの)もいた。

Webデザインや小企業の経営について学べるコースは、オンライン教育の先輩格CourseraやUdemyなどにもある。そんな中でトップのユーザ評価を得たいと欲張っているWixは、WixEdの差別化要因として人間インストラクタによるサポートを導入し、また教材コンテンツも細心のキュレーションにより、効率的な学習過程の構成を心がけた。

“理論は、実用知識を理解するための必要最小限にとどめた”、とFinkelsteinは語る。“Webサイトを作って運営するために、Webの歴史や初期のSEOテクニックについて知る必要はないからね”。

合衆国には小企業のオーナーが数百万もいるが、WixEdを卒業した者のクライアントベースとしてとくにFinkelsteinが想定しているのは、6800万もいるWixのユーザの一部だ。彼らの中には、本物のビジネスのためのWebサイトを作ることになったら、自作よりも有資格のWixプロフェッショナルを起用する人が多いだろう、と彼は構想している。

Finkelsteinによると、Wixは、この事業の今後の急速な拡大にあらかじめ備えており、また、今後も永久に無料だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

おこづかいアプリに中華ブースト、アプリストアのランキングはどこまで信頼できるのか

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「App Storeにランキングがある以上、事業者はその上位を目指す。そしてそのためにはアプリの面白さも大事だが、広告にだってお金をかける。これはi-modeの時代から何も変わっていない」——あるネット広告代理店関係者はそう語る。リワード広告によるブーストみたいなものは「昔からよくある話」なのだと。

アプリストアにあるランキングは、ダウンロード数をはじめとした指標に基づいて作成されている。そのランキングの上位に入るのは、面白くて話題になっているアプリばかりとは限らない。アプリ開発者が広告で露出を増やし、ダウンロードを促したアプリだったりもするわけだ。もちろん広告で知ったアプリが面白くて話題になるというのもよくある話だ。

だがそんな広告手法の中でも、リワード広告を使った「ブースト」と呼ばれる行為について、その是非が問われている。アプリを開発するスタートアップや広告を提供する代理店ならもちろんのこと、アプリストアを利用するユーザーもその実態は知っておいたほうがいいだろう。なぜなら人気だと思ってダウンロードしたアプリは、極端に言えばランキングを「買って」いるかも知れないからだ。そんなアプリストアを取り巻く環境について紹介していこう。

アプリランキングに影響を及ぼす「ブースト」

まずはリワード、ブーストといった言葉について説明する。リワード広告とはユーザーが広告を通じてサービスの会員になったり商品を購入したりすると、その広告収入の一部が還元される広告のこと。この広告の仕組み自体は何も新しいモノではない。「会員になれば○○ポイント」なんて案件が並ぶポイントサイトなどは、読者のみんなもこれまでに見たことがあるのではないだろうか。

そしてブーストというのは、このリワード広告の仕組みを使って、アプリストアのランキングを意図的に急上昇させる行為のを指す。一番多いケースは「おこづかいアプリ」や「懸賞アプリ」(ここからはおこづかいアプリで統一する)と呼ばれるアプリを使って、短時間に特定アプリのダウンロード数を増やすことでアプリのランキングを操作するわけだが、これがアプリストアのランキングに与える影響は決して小さいモノではない。

僕は2013年に、「App Storeランキング騒動の実態–「懸賞アプリ」に対する業界の懸念」という記事で当時のブーストの状況について伝えた。それから2年ほどたった今、過激化するブーストの実態について指摘する報道エントリーが増えている。これらの影響もあってか、昨日今日というタイミングでもアプリストア上からおこづかいアプリが削除されている状態だ。

「おこづかいアプリ」によるブーストはいまだ健在

おこづかいアプリを使ったブーストの方法を詳しく説明すると次の通りだ。ユーザーがおこづかいアプリ上で紹介されるアプリをダウンロードしたり、そのアプリについてアプリストア上でレビューをしたりすると、その引き替えとしてポイントを得られる。ユーザーはこのポイントを貯めることで、Amazonギフト券などを得ることができる。

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おこづかいアプリに並ぶリワード広告

そんなおこづかいアプリ上で「ダウンロードすると○○ポイント提供」なんて紹介されているアプリの枠、それこそがリワード広告なのだ。広告主が広告代理店の提供するリワード広告ネットワークに出稿すると、そのネットワークを利用するおこづかいアプリにその広告が掲載されるのだ。

ポイントを得たいユーザーは当然おこづかいアプリの広告を経由してアプリをダウンロードするので、そのタイミングでダウンロードが集中し、結果としてそのアプリのランキングが上昇することになる。

おこづかいアプリへの広告掲載時間は、実は夕方17〜19時前後に集中している。その理由は何なのか? App Storeでは3時間ごとにランキングが更新されているが、その中でも最もダウンロードが活発になる“ゴールデンタイム”が19時以降だからだ。

Appleはランキングのロジックを公開していないし、ロジック自体も日々変化していると聞くが、「直近数時間で大幅にダウンロード数が増加することがランキング上昇に繋がる」というのはアプリ業界関係者の一致した意見。これを見越して17時にブーストが始まるのだ。

ランキング操作を意図するアプリは「規約違反」

ではこのブースト、つまるところ何が問題なのだろうか。

ユーザー目線で言えばまず、アプリストアのランキングが信用できないものになるということだろう。当たり前だが、アプリストアのランキングは本来「人気のアプリ」が並ぶべき場所だ。そこにCPI(Cost Per Install:1インストールごとの課金)100円程度のいわば“実弾”広告を使ったアプリが入るのだ。ランキングの信頼感は低下しかねないし、極論を言えばアプリビジネスの市場自体にも影響があるという声も聞こえる。

また、ダウンロード数を水増しできるのが問題だと指摘する人もいる。最近ではどんなアプリでも、ダウンロード数よりもアクティブユーザー数が重視される風潮がある。実際取材でもMAUやDAUといった数字を聞くことが多い。だが一方でテレビCMを見れば、「何百万ダウンロード突破」なんてうたっているアプリはまだまだ多い。アクティブユーザーなんかよりもダウンロード数は何より分かりやすい数字だ。ブーストでは、このダウンロード数も急激に増やすことができてしまう。

関係者へのヒアリングや僕が実際におこづかいアプリを見て調査したところ、ゲームアプリを除いては、SNSの「Twitter」、ニュースアプリの「Gunosy」、月額定額制の音楽アプリ「AWA」、ECの「Amazon」などなど、TechCrunchの読者になじみの深いアプリもブーストを行っている、もしくは過去にブーストを行っていたことが分かる。ここで名前を挙げたサービスはあくまで直近に確認できたものの一部で、全体の数は正直把握しきれない。テレビCMなどで「何百万ダウンロード突破」なんてうたっているアプリも少なくないのだ。

また、プラットフォーマーの規約を見れば、そもそもブースト事態が違反行為ではないのかという話もある。Appleの開発者向けの規約には次のような項目がある(もちろんGoogle Playにも同様の規約がある)。

2.25 Apps that display Apps other than your own for purchase or promotion in a manner similar to or confusing with the App Store will be rejected
(App Storeと類似、もしくは紛らわしい表示をして、他のアプリの購入やプロモーションするアプリをリジェクトする)

3.10 Developers who attempt to manipulate or cheat the user reviews or chart ranking in the App Store with fake or paid reviews, or any other inappropriate methods will be removed from the iOS Developer Program
(偽物のレビューや金銭を支払って書いたレビュー、その他不適切な方法でApp Storeのユーザーレビューやランキングを不正に操作しようと試みる開発者はデベロッパープログラムから削除する)

ブーストが「ランキングを操作しようと意図しているもの」だと考えれば、それは明確な規約違反だ。ただし、リワード広告に関わる代理店やお小遣いアプリ開発の関係者としては、「あくまでダウンロード支援の施策であり、ランキングが変動するのはその結果でしかない」という説明をすることが少なくない。言い分としては分かるのだけれど、実際におこづかいアプリがストアから消えつつある今、はたしてその言葉をそのまま受けられるかというと、正直難しい。

Apple Japanは回答せず、一方で米Appleは「不正」と認識

ではアプリストアを提供するプラットフォーマーはブーストの実情をどう考えているのか? 実は先週Apple Japanの広報部に電話で問い合わせたところ、「メールで質問を送るように」と指示されたため、メールで質問を送付している。しかし1週間近く経っても回答がないままだ。僕が確認した限りでは、別の媒体の記者なども同様の状況らしい。

回答のないApple Japanに対して「プラットフォーマーとしておごりがあるのではないか」と考えるべきか、はたまた「米国本社との関係上、日本法人では回答できない歯がゆい状況にあるのではないか」と考えるべきかはさておき、僕はちょっと面白いメールを入手することになった。以下にあるのは、あるアプリ開発者が、米Appleのアプリレビューチームに対して、「あるアプリがブーストを行ってランキングを不正に操作している疑いがある」と指摘した際の回答メールだ。

apple

概要を訳すと次のとおり。

We take ratings fraud very seriously and investigate each claim. Someone from this team will investigate and follow up as needed. Because we can only share communications about an app with its developer, you will not receive updates about this matter.
(レーティングの不正を非常に深刻にとらえており、調査を行う。ただし我々は開発者とのみアプリに関するコミュニケーションをしているので、今後あなたには更新情報をお知らせしない)

あくまで個別のアプリに対する説明ではあるが、アップルでもブーストについて状況を理解しており、不正だととらえているのだというわけだ。実際これまでもアップルは「広告を閲覧することでアイテムをもらえる」なんて広告も規約で禁止するなどしてきた。プラットフォーマーとその上でサービスを展開する事業者の狙いは異なる。自分たちの管理下で健全にサービスを運営したいプラットフォーマーと、その裏をかいて少しでも自分たちの価値を高めたい事業者たち。その行動は結局いたちごっこになってしまう。

アプリ開発者「ブーストは“危ないモノ”ではない」

これまではユーザーやプラットフォーマーの視点での話をしてきた。では実際にブーストを行うアプリ開発者やリワード広告を取り扱う代理店、お小遣いアプリの開発者はどう考えているのだろうか。

リワード広告を買う側である、あるアプリの開発者はこう語る。「サイバーエージェントやアドウェイズといった上場企業が広告商品として推奨、販売してくる以上は“危ないモノ”ではないと思っている」「結局のところその善悪を判断するのはプラットフォーマー。彼らの横暴さも知っている」「広告を売っている代理店の思いはいろいろあるのだろうが、買っている我々はあくまで提案された商品を買っているだけ。その存在を問うこともない」——結局のところ、ブーストはマーケティングのツールの1つだし、当たり前のように提案される商品だ。そこまで問題視することはなかったという。

前述の開発者が語るとおりで、リワード広告のネットワークを提供しているのはサイバーエージェント傘下のCAリワードやアドウェイズ、VOYAGE GROUP傘下のZucks、ユナイテッドなど上場企業(の子会社含む)も多い。リワード広告によるブーストが完全に禁止となると、その影響範囲は決して小さくないのは分かる。そんな背景もあってか、あるアプリ会社の代表は「リワード広告自体は数えきれないほど多くのアプリが使っている。これをとやかく言うことは、拡大するアプリ産業にマイナスの影響を与えかねない」と語っていた。

リワード広告のネットワークを展開する広告代理店などに話を聞くと、前述のとおり「規約的にはグレーだが、問題はない」という回答が大半だった。冒頭の代理店関係者の発言にもある話なのだが、i-mode全盛期の時代にだってランキングを操作するような広告手法は存在していたと聞く。当時、公式サイト(キャリア、つまりここではNTTドコモが認めたサイトのこと。i-mode公式メニューからアクセスできる)のランキングはMAUをベースにしていたため、勝手サイト(キャリア非公認のサイト。ブラウザで直接URLを叩いてアクセスする必要があった)に公式サイトの隠しタグを仕込み、MAUを水増ししていたなんてこともあったそうだ。

代理店サイドの回答とは異なり、お小遣いアプリ開発者は、前述の規約によってアプリがリジェクトされたり、開発者プログラムからアカウントが削除されたりする可能性があることは認識していたようだ。自社のアカウントでお小遣いアプリを提供している会社などは誠実なほうで、事実上休眠している法人や開発者個人の名義で開発者登録をし、実質的な運営者を隠しているケースも少なくない。ひどい話では、アップル側から再三の警告があったにもかかわらずにそれを無視し、「稼げるうちに稼げ」という姿勢で小遣いアプリを提供して、最後にはアカウントを削除された事業者もいたという。

「中華ブースト」で制裁を受けたスタートアップ

ところで代理店の話を聞いていく中で「中華ブースト」という聞き慣れない言葉を聞くことになった。これは今まで語られてきたブーストとは全く異なるものだ。一体どういうモノなのか。

これまで紹介してきたブーストは、実際にユーザー1人1人が端末にアプリをダウンロードすることで、短時間でアプリの大量ダウンロードを促すというものだった。一方の中華ブーストというのは、中国で日本のApple IDを割り振ったiPhoneを複数台用意し、機械的にアプリの大量ダウンロードを行うのだという。そんなものが本当にあるのだろうか。

ある代理店関係者が「過去の話」として語った仕組みはこうだ。数年前の中国では、複数台のiPhoneをPCと接続し、機械的にIPアドレスを変更して、当該アプリを何度もダウンロードするという手法があったのだそう。こういったことを行う事業者はネットワーク化され、アプリストアのランキングを大きく動かすことができたという。「中国では『CPI○○円』というような売り方でなく、『1週間ランキング1位キープで○○円』といった大胆な価格設定が行われていた。つまりそれを実現できるような(ブーストの)仕組みがあった」(関係者)のだそうだ。

だがさすがにこれはAppleの知るところとなり、対策がなされた。しかし手を変え品を変え、安価なリソースと機械的な仕組みを組み合わせたブースト手法が編み出されているという。

この中華ブーストの仕組みを日本に持ち込んで販売する広告代理店が存在する。実はこのブースト、金額面でも安価に効果があると一部では話題なのだそう。通常国内でゲームアプリなどをブーストする場合、CPIは80〜100円程度が一般的。だがこの代理店の提供する中華ブーストは、CPI50円程度と通常の約半額で実施できるのだという(これとは別に国内でもCPI十数円の非ゲーム専門ブーストがあるようだ。ここでは割愛する)。

だがこの代理店の仕組みが、機械的なものであれば「規約上グレー」なんてレベルの話ではない。僕は複数人から名前の挙がったその代理店に問い合わせたが、金額については「実際に国内の一般的な価格の半額程度」と回答を得たものの、その手法については聞くことができなかった。

しかしこの中華ブースト、プラットフォーマーからすればたまったもんじゃないし、危険な手法だ。実際、数カ月前にさかのぼるが、このサービスを利用したスタートアップにある事件が起きている。

前述の代理店経由でブーストを行っていたあるスタートアップのアプリが、ある日突然App Storeのランキングから除外されたのだ。アプリ名を直接検索すればそのアプリは出てくるのに、ランキングには一切表示されないのである。アプリ解析サービスに「App Annie」でもそのランキングを探ってみたが、数カ月の間、ランキングの数字自体がつかない状態になっていた。

その原因は何か? この事件を知っていた関係者は一様に「中華ブーストだ」と答える。その手法に気付いたアップルが制裁を行っていたのだと。そのスタートアップの“中の人”も「プラットフォーマーとの関係を考えて利用をやめた。(ブーストは)もう懲りている」として利用を認めた。代理店側はその因果関係については明言せず、「プラットフォームの上でのビジネスなので、(ブーストには)ある程度のリスクはある」とだけ語った。同社への今も問い合わせは、今も増えているのだそうだ。

「規約上グレー」な手法がアプリビジネスの価値を生み続けるのか

取材を通して分かったのは、アプリ開発者や代理店からすれば、規約を唐突に変更するプラットフォーマーだって褒められたモノではないということだ。こんな状況にコメント1つ出さないAppleの対応にも疑問が残る。だがそういったプラットフォーマーの行動の裏には、正攻法から中華ブーストのような危険な手法までを駆使して、ランキングの上位を取ろうとするプレーヤーの活動があるのも事実。プラットフォームでビジネスをする以上、守らなくてはならないルールはある。でもそういった両者の関係について、それこそ普段ランキングを見て、アプリをダウンロードしている読者にも知って欲しいと思っっている。

ただブーストを肯定する人たちにはちょっと考えて欲しい。「規約上グレーだ」なんて言っていたが、今プラットフォーマーが規制を強めている商品を売り続けることが本当にアプリビジネスの価値を生み続けるのだろうか?

今回話を聞いた代理店関係者のうち数人は、「本音を言えば、リワードによるブーストはそう長く続くビジネスではない」といったことを語っていた。ある人物は「PCとアプリを連動させるターゲティング広告を企画している代理店もいる。リワード広告の『次』をすでに探している会社も少なくない」なんて具体的な話もしていた。アプリ広告のビジネスにはまだまだ先があるんじゃないだろうか。

リワードにブースト、これが今日明日ですべてなくなるなんて思わないが、そろそろ別の方向に目を向けたほうがいい時期が来ているんじゃないだろうか。App Storeで「このアプリはなんでこんなに急に上位表示されるのか?」なんてランキングを疑ってかかるのはそろそろやめにしたい。

photo by
Blake Patterson

ビールの冷蔵ショーケースのロックにGoogleの音声認識APIを仕込む…あるフレーズを言わないと開かない

 

一部の読者は、ぼくがカナダ出身であることを知っているだろう。その、多くの読者の北の方にある国が意識に上(のぼ)るのは、誰かがラッパーのDrakeやアイドルJustin Bieberの名前を挙げたときだけだろう。その我が国の建国記念日は7月1日、すなわち来週となっておりまして、いくつかのブランドが商機と狙っている。‘カナダビール’のメーカーMolsonもその一つで、でもその手口は、Googleのソフトウェアの力を借りたテクっぽいしろものだ。

その主役はGoogleの音声認識(Speech Recognition)APIで、ほかの通訳サービスでもよいと思うが、なにしろそのAPIは、冷蔵庫に最大で40種類の言語を認識させることができる。その究極の目標は、Molsonの長年のキャッチフレーズである”I am Canadian”を聴き取ることだ。

今回冷蔵庫が認識するのは、40か国語ではなくて6か国語だが、そのフレーズを聴き取った冷蔵庫はロックを外し、お客はMolson Canadianの缶を取り出せるようになる。その、言葉を聴き取る冷蔵庫を作ったのはデジタルスタジオThinkingBoxで、来週(==来月)トロントで行われるPan Amのゲームで初お目見えするらしい。

もちろんこれは、すみからすみまで、マーケティングのためのトリックだが、しかし良くできている。ぼくでさえ、ビデオを見ていて愛国心に駆られてしまった。ただし、Molson Canadianは今でもひどい味のビールだけどね。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

SEOにもリスティングにも頼らない第三の無料マーケティングチャネル

BtoB企業のWebマーケティング施策において、見込み顧客へのアプローチは、サービスサイトやブログなど、自社で運営するオウンドメディアが中心となっています。しかし、アクセス数の少ないWebサイトの場合、SEOや広告などに […]

グロースハック支援ツール提供のシロク、今度はディープリンクサービスを開始

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URL経由で、ウェブやアプリのトップ画面ではなく、特定のページやコンテンツに直接アクセスできる「ディープリンク」。最近ではスマートフォンでブラウザからアプリ、アプリから別のアプリに遷移することも多いが、その遷移の際にアプリのトップ画面が表示されるのではなく、直接目的のコンテンツが表示されたというような経験はないだろうか? あれもディープリンクによるものだ。通常のリンクよりダイレクトにユーザーの求めるコンテンツを提供することができるため、アプリの価値向上に有効だ。

以前TechCrunchでも紹介したフクロウラボの「Circuit」のようなプロダクトも登場し、国産アプリでも徐々に導入が進みつつあるディープリンクだが、サイバーエージェントの連結子会社であるシロクもその領域に参入した。同社は6月23日、「国内で最も多機能なディープリンクサービス」をうたう新サービス、「Growth Link」の提供を開始した。

Growth Linkは、ウェブサイトやアプリ上でのディープリンクを手軽に設定できるツールだ。通常ディープリンクに対応するには、OSをはじめとしたさまざまな環境に合わせた設定が必要になるが、Growth Linkでは、アプリにSDKを組み込み、リンク先の設定をするだけでだけ対応可能だという。

シロクではグロースハック系のツールを「Growthbeat」という1つのSDKにまとめて展開しており、これまでに同SDKで利用できるGrowth Push(プッシュ通知配信ASP)、Growth Message(アプリ内ポップアップツール)、Growth Analytics(解析ツール)の3つのツールを提供しているが、Growth Linkはその4つ目のツールとなる。

競合製品と比較してユニークだとうたう機能は、アプリインストール前のユーザーに対する施策だ。通常、ユーザーが当該アプリを未インストールの状態でそのアプリに遷移するディープリンクにアクセスした場合、アプリストアに誘導することしかできない(ダウンロード後にアプリを起動するとトップ画面が表示される)。だがGrowth Linkではアプリストア経由後もディープリンクを保持するため、アプリストアをアプリをインストールして初回起動した際に、意図したディープリンク先を表示できるという。これによって、アプリ未インストールユーザーの継続率を向上することができるという(詳細は割愛するが、ブラウザのcookieを利用してこれを実現しているそうだ)。

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またA/Bテストにも対応しており、1つのURLから複数のアプリ内リンクを作成し、ユーザーをランダムに飛ばすことが出来る。その後のユーザーアクションを記録することでどのリンクが最も有効か計測可能だ。

さらに、同社の他ツールと連携させることで更に踏み込んだ訴求が可能と訴える。例えばGrowth Linkで作成したディープリンクを活用して、グルメサイトからのユーザー、旅行サイトからのユーザーといったようにユーザーをセグメント化。そしてGrowth Pushのセグメント機能を使い、セグメントごとに異なる内容のプッシュ通知を配信する、といった応用が考えられる。

Growthbeatは現在6500アプリに導入されているが、シロク代表取締役の飯塚勇太氏は2015年中に1万アプリへの導入を目指すとしている。今後はGrowthbeatのプラットフォーム展開も視野に入れており、自社で機能追加するだけでなく、サードパーティが開発した機能をGrowthbeatに取り込む事も検討している。

大企業の地域マーケティングを助けるLocal IDが$1.9Mを調達…地域密着がますます重要に

alex_nocifera

マーケティングのスタートアップLocal IDが、190万ドルのシードラウンドを発表している。

同社の創業は昨年だが、CEOのAlex Nociferaによると、ねらいは、大企業がその広大な市場の各所で、地域的なマーケティングを展開できるようにすることだ。彼によると、大手チェーンストアですら、重要なのはローカルだ、という。彼曰く: “大手チェーンはローカルが好き”。

たとえば、Nocifera(上図)は最近Peet’s Coffeeに、何百ものコミュニティのための“コミュニティコーヒーショップになれ”、と提案した。その場合、重要かつ難しいのが、各コミュニティに合ったキャンペーン企画を作ることだ。Nociferaが挙げるもうひとつの例は、数千の支店のあるWalmartを、数千のローカルがある、と考えることだ。そして“それぞれの地域市場の特性やニーズに合った効果的なマーケティング”を展開するのだ。

彼がローカルマーケティングを手がけるのは、これが初めてではない。Local IDの前には、Nociferaはローカルの会員制スタートアップCircle Street(Valassisが買収)や、店内テレビサービスRipple Networks(TargetCastが買収)を創業した。

彼によると、企業はローカルマーケティングを各地区のマーケティングマネージャに任せている。彼らは通常、Googleの検索とスプレッドシートに頼って自分の仕事を管理している。Local IDはそんな彼らにもっと良いツールを与え、また本社のボスたちには、ローカル市場の現状について啓蒙する。地区のマネージャが転勤などでいなくなっても、大量の知識と実践履歴がシステムに残るようにする。すると新任は、ゼロからスタートせずにすむ。

そのシステムを構成する情報は、各店のプロフィール、活動履歴、マーケティングに関わっている社員たちのプロフィール、ローカルマーケティングの適期のリスト(地域のお祭りなど)、そしてタスク管理システムだ。たとえば、地区のマネージャはLocal IDのシステムを見て、近く地域のスポーツ大会があることを知る。そして、それに合わせたキャンペーンを作り、その成果を記録する。

Local IDは今後もっと機能を増やして、“そのブランドが把握すべきすべてのローカル情報”を網羅したい、とNociferaは語る。

今回のラウンドを仕切ったのはCrosscut Ventures、これにTechnicolor、TenOneTen、Baroda Ventures、Double M Partners、Tallwave、Wavemaker PartnersそしてQueens Bridge Venture Partnersらが加わった。この投資には、公的な届け出文書もある。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ランサーズとアイレップが提携、クラウドソーシングを使ったコンテンツマーケ支援事業

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クラウドソーシングサービスを展開するランサーズとマーケティングエージェンシーのアイレップは6月8日、コンテンツマーケティング領域での業務提携を締結した。2社は共同でコンテンツマーケティング支援サービス「ONE CUSHION(ワンクッション)」を提供する。

ONE CUSHIONは、ランサーズに登録するライターに対して試験を実施して、人材を選抜。試験に合格したライターに限定してクライアントワークを発注することで、クライアントは品質の高いコンテンツをもとにしたコンテンツマーケティングを実現できるというもの。ライターのアサインやディレクションをランサーズが、クライアントとのコミュニケーションや最終的な校正等をアイレップが担当する。

このONE CUSHION、もともとランサーズ、アイレップがそれぞれ今まで提供してきたサービスの強みを組み合わせたモノだという。

企業がオウンドメディアを立ち上げるなどして、コンテンツ(記事など)をフックに、消費者や顧客との関係性を築くことを指すコンテンツマーケティング。ランサーズ上にはこれまでもコンテンツマーケティングに向けた記事作成——1記事数十円〜数百円という、価格重視で品質を問わないモノかから、特定分野に特化したライターでないと書けないような比較的高単価のものまで——の依頼は数多くあったし、例えば「金融」といったテーマに特化した記事作成に特化したメディアにライターのリソースを提供するといった法人向けのビジネスも行ってきているのだそうだ。

またこれまでSEMや広告運用などを通じて企業のマーケティング支援をしてきたアイレップでは、2年ほど前から編集プロダクション(編プロ)などライターを束ねる企業と組み、コンテンツマーケティング事業を進めてきた。

アイレップが事業を進める中で課題を感じていたのは、コンテンツの品質。例えば著名な編集プロダクションと組んでも、その品質は実際に記事を書くライター個人の能力によって左右されるため、「ライターのアサイン状況次第では満足できない結果になっていた。ライターの高度な標準化が必要になった」(アイレップ取締役の下山哲平氏)という。その解決策として、同社では社内で編集・校正の機能を持つようになったのだという。

だが最終的な品質のチェックを社内でするのであれば、編集機能のある組織と組むよりも、クラウドソーシングようにライターが集まるプラットフォームと組む方が安価なわけだ。そんなことから複数の事業者と話し合いを進め、今回のランサーズとの提携に至ったのだそう。「(クライアントから来た)案件をそのままプラットフォームに投げるのではなく、間に入ってクライアント、ライターの両方とコミュニケーションをとるディレクターが必要。そこに投資をし、注力しているのがランサーズだった」(下山氏)。

 

マーケティングデータを一気通貫で分析、「B→Dash」運営のフロムスクラッチが3億円調達

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「収益に一番直結するチャネルがわからない」「複数のツールを使うと手間とコストがかかる」「情報量が多すぎて見づらい」――。

企業のウェブ担当者にありがちな悩みである。コンバージョン数やCPAを追いかけても、本当に収益につながっているか不明。わからないので様々なツールを試してみても、見るべき指標が重複する。重複を解消しようと自分で各レポートを組み合わせるのも大変……というわけだ。

企業のマーケティングプロセス全体のデータを統合し、一気通貫で分析するSaaS型マーケティングプラットフォーム「B→Dash」は、こうしたウェブ担当者の悩みを解決しようとしている。ウェブ集客から顧客管理までと、マーケティングの入口から出口までを一元管理できる。

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例えば、認知や流入、回遊といった「集客プロセス」は、Google AnalyticsやSiteCatalystで分析できる。しかし、メール配信やコンテンツ、ソーシャルメディアの管理といった「集客後のプロセス」となると、HubspotやMarketo(マルケト)、オラクルのEloqua(エロクア)といったツールが必要になってくる。

最近ではDMPやマーケティングオートメーションが話題だが、これらはGoogle AnalyticsやSiteCatalystのようなアクセス解析ツールとの接続が前提。バラバラのサービスを導入したせいでデータ間の断絶が起き、運用工数やコストだけが増えてしまうケースもあると、B→Dashを運営するフロムスクラッチは指摘する。

これに対してB→Dashは、他のサービスとの連携ではなく、集客から顧客管理までの機能をオールインワンで実装。同社はこれを「プライベートマーケティングプラットフォーム」という独自の名称をつけている。料金はプラットフォーム開発費用が100万円〜、月額課金が50万円〜。昨年11月に販売開始し、デジタルマーケティングに注力するB2C企業を中心に50社が導入している。

15日には、Draper Nexus Venture Partnersと伊藤忠テクノロジーベンチャーズなど4社を割当先として、総額約3億円の資金調達を実施したことを発表。B→Dashの新規機能開発や組織体制の強化を図る。

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マーケティングの課題解決を目的とした第一回『ベンダーマーケッター カンファレンス』開催レポート

2015年4月21日、デジタルマーケティング業界の課題を共有し解決することを目的にDigital Marketing Associationが発足。その活動の1つとして開催された『ベンダーマーケッター カンファレンス』が […]