Facebook、広告ターゲティングにサードパーティーデータを利用不可に

驚きの方針変更だ。Facebook は広告主が関連性の高いユーザーをターゲットするために使っていた主要な情報源の一つを手放す。同社はFacebookが大手データ提供業者と結んでいる提携関係のうち、2013年にスタートしたパートナー・カテゴリーと呼ばれる機能を終了すると発表した。

サードパーティーのデータは、Facebookがユーザー基盤を広告主にとって意味のあるセグメントへと分類するために利用されている。データ連携がスタートした際にTechCrunchが次のように説明していた

オンラインならびにオフライン購入データの大手提供元であるDatalog、Epsilon、Acxiom、BlueKai各社との新たな提携によって、Facebookは広告主に対して、RPGゲーマーや炭酸飲料好きなどといったきめ細かいターゲティング機能を提供できるようになった。

FacebookはTechCrunchに対してこの変更は恒久的で一時的な措置ではないことを正式に認めた。Facebookはユーザーから集めた膨大なデータを活用するために、ユーザー自身から得たデータ(いいね!をつけたFacebookページ等)と広告主から得た情報(ポイントプログラムの登録状態等)に、サードパーティー提供者のデータを組み合わせている。

Facebookは、最初の2つのカテゴリーのデータ整合性には満足しているようだが、サードパーティー各社が集めたデータに手を出すことについては決心がついていない。今回の決定は最近同社に起きているサードパーティーデータの不正利用に関わるプライバシー問題に端を発している。

Facebookのプロダクト・マーテケティング・ディレクター、Graham Muddが声明文でこの決定について詳しく書いている。

広告主のみなさんにはパートナーカテゴリーを廃止することをお知らせしたい。これはサードパーティーデータ提供者がFacebookで直接ターゲティングする機能を提供するサービスだ。これは業界では一般的な慣行だが、この変更がFacebookユーザープライバシー改善に役立つと信じている。

FacebookはExperianやAcxiomなどの会社とは広告効果の測定や指標データの提供などで関係を続けていくが、今後の関係の見直しも行っていくことを明らかにした。Facebookはユーザーのプライバシー保護を強化する観点から、共有サーバー環境でデータ共有する方向に進む可能性がある。Muddが指摘しているように、パートナー・カテゴリーは数カ月のうちに廃止される。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google、仮想通貨の広告を全面禁止へ

Facebookが広告ポリシーを改訂して仮想通貨の広告を全面禁止してから一月あまり、Googleもあとに続くことを発表した。2017年に「悪質広告」32億件を削除したことを報告して間もなく、検索の巨人は広告ポリシーページを改訂し、以下の項目の禁止を明確に表明した。

  • バイナリーオプションおよび類似製品
  • 仮想通貨関連コンテンツ(ICO、仮想通貨交換所、仮想通貨ウォレット、および仮想通貨取引のアドバイスを含みこれらに限定されない)

同社は、この決定に至ったのは、明らかに投機的と認められる分野に対して十分な注意を払うためであると指摘している

「われわれは仮想通貨の未来を予言する水晶玉を持っていない」とGoogleの広告担当幹部、Scott Spencerが昨日報じられたインタビューでCNBCに語った。「しかし消費者への危害はすでに発生しており、その可能性を含め、われわれが細心の注意を払うべき段階に来ている」

こうした警告の一方、新たな規則は6月まで適用されない。それでも、すでに影響は及んでいるようだ。この発表直後、Bitcoin価格は9000ドルを下回った。1月にFacebookが同様の発表したあとも、この最もよく知られた仮想通貨は12%下落した。

一部の野心的企業は意図的なミススペリングによってFacebookの広告ポリスの目を逃れようとしているという報道もあるが、Googleはその問題にも取り組んでいるとBloombergに伝えた

新しいポリシーが発効するこの夏には対応も完了すると思われる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

パブリッシャーの広告の売上管理を助けるPlacements.ioがシード資金$3.8Mを調達

Placements.ioによると、同社はオンラインのパブリッシャーが広告料金を期日までに払ってもらえるようにするサービスだ。

ファウンダーのEdwin Fuは曰く、彼はSalesforceにいたとき、“世界最大のメディア企業数社”と仕事をして、“大きな問題に気づいた”。それは彼らの、広告の売上の回収や請求の管理が円滑に行われていないことだった。

彼によるとその問題は、オンライン広告の処理が近年ますます複雑化し、複数の異なるシステム間でデータの共有もできず、パブリッシャーがセールスのオーダーを実行するまでに手作業で43ものステップをこなし、それらに72時間もかかっていた。

そしてそこには、Fuが“需要サイド(つまり広告主)のためのツールを作る企業への異様に大きい投資”、と呼ぶ現象がこれまであり、彼の主張では、“今ではむしろ供給サイド〔広告スペースの供給すなわちパブリッシャー〕を助けることによって、均衡を達成する必要がある”。

Placements.ioは、パブリッシャーが広告の在庫や(広告主からの)オーダー、決済、請求などのすべての事務を、複数のセールスチャネルにまたがって管理できるシステムを提供する。またそのシステムは、DFP, AppNexus Ad Server, Freewheel Salesforce.com, Netsuite, MediaMathなどさまざまなアドテックシステムと統合している。

Placements.ioの創業は2014年で、今ではオーストラリアのNineMSNやZillow/Trulia, eBay, Cox Media Groupなどの顧客がいる。

その同社が今日、Revel Partnersのリードにより、380万ドルのシード資金を獲得したことを発表した。そのラウンドには、Vulcan CapitalとAlpine Meridianも参加した。Fuによるとその資金は主に営業とマーケティングの拡大、そして製品および顧客サポートへの投資に充てられる。彼は、Googleが来年同社のDoubleClick Sales Managerを閉鎖することを、ビッグチャンスと見なしている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AmazonのAlexaには、いずれ広告が入るかもしれない

それは時間の問題だった

CNBCによると、AmazonはAlexaを通じてEchoに広告を載せる計画についてブランド、広告主各社と検討している。AmazonはProcter & Gamble、およびCloroxとこうした可能性について交渉していると記事は伝えている。

驚いた、とは言い難い。

広告が新聞、ラジオ、テレビ、インターネット、さらには私たちのメールやアプリの中まで入ってきたのと同じように、音声対応AIの次なるフロンティアへも広告主が追いかけてくるのは自然の成り行きだ

Alexaに広告を載せる方法としてすぐ思いつくものが2つある。

ひとつは、ユーザーがAlexaを使ってショッピングをする際のプレースメントをブランドが購入する方法だ。たとえば、ユーザーがAlexaにペーパータオルを買うように依頼したとき、P&Gは料金を払って最初にBountyを推奨させることができる。もちろんこうした広告は、Amazonがすでに各個人の購入履歴を知っていることから、驚くほど賢く作ることができる。

もう一つの方法は、Alexa Skillsを利用した広告だ。たとえば、ユーザーに映画の上映時間を知らせるスキルが、Fandangoでチケットを買うように勧める。

音声による有料検索広告は、Googleがやっているようなウェブの有料検索広告よりずっと効果的になりうる。ウェブでは多くの人たちが検索結果広告に鈍感になっていて、一直線に本来の検索結果へとスクロール通過してしまう。音声プラットフォームでは、最初に提示された結果を「スクロール通過」するのはずっと困難だ。加えて、Amazonが有償検索結果をどう見せるかによっては、真の検索結果と有償検索結果を区別するのも難しいかもしれない。

本誌はAmazonとP&G、Clorox各社に連絡をとっているがまだ返答はない。しかしAmazonはCNBCの質問に答えて、「Alexaに広告を導入する計画はない」と言っている。今は単なる噂にすぎないが、もしAlexaプラットフォームに広告が入ってきたとしても、ショッキングからはほど遠い。

(アップデート:Amazonの広報担当者はコメントの要求に対してCNBC向けと同じ回答をよこした。「Alexaに広告を導入する計画はない」。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

企業のPR事業の分析プラットホームTrendKiteが新たに$11Mを調達、アーンドメディアの価値を強調

企業のPR業務を助けるTrendKiteが、新たに1100万ドルの資金を調達して、2017年を終えようとしている。

テキサス州オースチンに本社を置く同社によると、現在同社は毎日420万件の記事を分析して、企業や広告/マーケティング代理店が行っているPR努力の効果を測定している。たとえば、その会社名が登場する記事が何人の人の目にとまっているか、ブランド認知度のアップにいちばん貢献した記事はどれか、などなど。

TrendKiteの売上は前年比100%増以上の増加率で成長している。顧客には、Mondeléz International, Nike, Deltaなどが名を連ねる。同社によると、今回の資金は主に新たな製品開発に向けられる。同社の目標は、“CMOやCRM、およびマーケティング自動化ソフトウェアにとって必須のPRソフトウェアになること”だ。

しかし昨今のマーケティングの世界では、広告や自己メディアに比べて“アーンドメディア(earned media)”(得られたメディア==他のメディアに載ること)の効果がもてはやされるけれど、現アメリカ大統領による執拗なメディア攻撃や、各人が自分の殻や偏見の中に閉じこもる傾向の中では、その説も怪しくなっている。

こんな逆風の中でTrendKiteはどうやって生き延びていくのか。CEOのErik Huddlestonによると、上の二つの問題は、主に政治の領域に限られている。彼は曰く、“日頃から人気と信頼のあるライターや個人などによる、よく考えぬかれたレビューの方が、バナー広告やマーケティング的コピーよりもずっと強力だ”。

でも、偏見やいわれなき攻撃が、政治の世界以外にも広がったら、どうするのか?

Huddlestonの見解は: “もしそうなれば、TrendKiteのようなプラットホームの、より正しい記事やジャーナリストを見つけ出す能力が、ますます重要になる。メディアの世界は、何らかの偏向によって汚染されればされるほど、ターゲットにフォーカスした正しい清流の価値が目立ってくるんだ。これからのマーケティングは、そんなメディアを見つけ出し、味方につけていく努力がブランドイメージの向上のためにも重要だ。それは、企業のマーケティング部には手に負えない仕事だろう”。

今回のラウンドでTrendKiteの総調達額は4600万ドルあまりになる。ラウンドをリードした投資家Harmony Partnersは、ほかにもChartbeat, mParticle, Postmatesなどをそのポートフォリオに擁している。

Harmony Partnersのファウンダーで常勤役員パートナーのMark Lotkeは、声明文でこう述べている: “TrendKiteの高成長と優れた能力、そしてアーンドメディアが購買の意思決定者にとってますます重要になっている現在の市場機会を見れば、それ〔rendKiteへの投資〕はHarmony Venture Partnersにとって自明の選択である”。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Yextが2017第三四半期の決算報告を発表、売上は前年比で39%アップ

企業やブランドに関して検索や音声アシスタントなどが吐き出す情報を、その企業の最寄りのお店の位置情報などで拡充するサービスYext)が、木曜日(米国時間11/30)の市場終了後に本年第三四半期の決算報告を発表した。

ニューヨークに拠を構える同社は、今期の売上4430万ドルを計上した。これは、前年同期比で39%の成長である。アナリストたちの予想は、4385万ドルだった。

調整後の損失は1株あたり12セントとなり、ウォール街が予想した調整後13セントより良好だった。

CEOのHoward Lermanはこう語った: “事業の勢いは持続している。われわれは、ニューヨークを代表するような大きなソフトウェア企業を育てたい”。

Yextは、McDonald’sやMarriottなどの企業を顧客にし、彼らのお店がGoogleの検索で表示されるようにする。最近はWeChatとパートナーして、中国でも同様の位置サービスを提供している。

Lermanによると、たとえばファストフードのArby’s〔日本からは完全撤退〕の場合は、Yextのサービスによりタクシーやナビへの走行方向指示リクエストが1100万件生成されている。Yextは、“同社に大量のうずまきフライを作らせているのさ”、とLermanは述べる。

食べ物がいちばんうまくいっている業種なので、今後はメニューでも結果が出るようにしたい、という。つまり、単に「ピザ」とメニュー指示を検索入力するだけで、ご近所のピザ屋さんが見つかるのだ。

また今後は、位置情報だけでなくEventbriteなどとのパートナーシップにより、イベント情報(イベントガイド)も得られるようにしたい。

同社が今作っている“知識アシスタント”機能は、顧客が店の場所の写真を撮ると、それがそのお店の情報に加わり、今後は表示される、というものだ。

Lermanは曰く、“どのブランドや企業も自分のWebサイトを持つのがインテリジェントな未来だが、それだけでなく、自分の知識グラフも持たなければならない”。それがなければ、お客さんに有意な情報を提供することもできない。

Yextは4月に、一株11ドルで上場された。木曜日(米国時間11/30)の引けは、14ドル31セントだった。決算報告後の時間外では、3%上げで取り引きされた。

〔訳注: Yext日本法人。〕

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebook、広告ターゲティングで有色人種を除外する機能を一時停止へ

Facebookは、広告主がターゲティングの対象から「多文化的つながり」に関心のあるグループを除外できる運用方法とポリシーに関して非難の的になっている。このほど、非営利報道機関、ProPublicaの捜査と連邦議会黒人幹部会(CBC)からの圧力を受け、Facebookは同社の広告ポリシーを精査することを約束した。COO Sheryl Sandbergが、CBC議長のCedric Richmondに宛てたレターに書いた。

広告主にターゲティングツールを差別的に利用させない方法が見つかるまで、同社は多文化交流グループを除外するオプションを一時的に無効にする。SandbergのCBC宛レターによると、多文化交流グループは「Facebookでの行動からみて、アフリカ系アメリカ人、ラテン系アメリカ人、あるいはアジア系アメリカ人コミュニティーに関連する広告に興味をもつ可能性が示唆される人たちから成っている」。

多文化マーケティングは広告業界では一般的だとSandbergは書いている。「この種のマーケティングには数多くの正当な利用場面がある」と彼女は言っているが、広告主がFacebookを使って、住宅、雇用、融資などの分野で差別することも懸念されている。

「オンライン広告主が住宅などの広告ターゲティングで「人種的つながり」を選択することを許しているFacebookは、差別的な住宅慣行に加担している」と CBCのメンバーらが昨年語った

Facebookは、LGBTQコミュニティーや障害者など、その他の「慎重に扱うべき分類」についても、広告主が除外ターゲティングにどう利用しているかを調査すると言っている

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookの“広告透明性機能”は来月発効、政治広告出稿者の説明責任を重視

ロシアが昨年の大統領選に影響を及ぼすべく、Facebookの広告を使った、という懸念に応えて同社は、広告の透明性を増進して、広告の出元を誰が見ても分かるようにする、と発表した。

今日(米国時間10/27)同社はその計画の具体的な詳細を明らかにし、その新しい透明性機能は来月から動き出す、と述べた。それ以後はFacebook Pageに“View Ads”(広告を見る)というボタンが登場し、それをクリックすると今Page上にあるすべての広告が一覧される(下図)。

Facebookによると、近くそのテストをカナダで開始する。アメリカの場合は、国の選挙に関する広告のアーカイブも含まれ、それは向こう4年ごとに更新される。また広告費の累計と平均、各広告が受け取ったインプレッション数、広告のターゲットの層特性、などの情報も開示される。

さらに、政治広告は出稿者の身元確認、住所、選挙関連であることの明記、などを必要とする。またそれらの広告には、“paid by”(誰が広告費を出しているか)のリンクがあって、その詳細情報を見れる。また機械学習のツールを使って、身元を明かしていない政治広告の出稿者を見つける。

これらの機能が、多くのFacebookユーザーの利益になるだろうか? それはないと思うが、でも広告担当のVP Rob Goldmanはこう言っている: “透明性はみんなを助ける。とくに政治の監視グループや記者などの役に立つ。広告主たちに説明責任を持たせることによって、どこの誰が何のためにこんな主張を(広告で)しているのか、分かるようになる”。

この同じ時期に議会は、ネット広告に対する規制を超党派で法制化しようとしている。そして少し前にはTwitterが、これと同じような透明性対策を発表した。

Facebook View Ads

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Facebook、「ユダヤ人嫌い」問題を受け、ターゲット広告の人力監視を約束

Facebookは、ユーザープロファイルの興味分野や勤務先情報を広告ターゲティングに利用することが、攻撃的行為を生む可能性を予知できなかった。 Facebook COO Sheryl Sandbergは現在の状況を詫び、今後Facebookは広告ターゲティングをすべて、手動でチェックすると発表した。

Facebookは、先週ProPublicaが「ユダヤ人嫌い」や「ユダヤ人を焼く方法」などのキーワードでターゲットしたFacebook広告を出せることを指摘した後、広告ターゲティングにユーザー生成情報を利用することを全面的に禁止した。Sandbergによると、Facebookは「看護師」や「歯科」などユーザー生成によるターゲティングオプション上位5000件を精査した。新しいキーワードはすべて人間による厳格なレビューを経てから登録される。

Facebookは、侮辱的な広告ターゲティングを禁止するためのルールを明確にするとともに、人間の管理者によるチェックを強化する。さらにFacebookは、広告サービスの悪用に関して、ユーザーインターフェースや技術的問題と同じ方法で通報できるしくみを検討している。

「これまでFacebook上でのヘイト行為を禁止する厳格なポリシーを長年運用してきた。私たちのコミュニティーは、このポリシーも入念な注意と配慮をもってFacebookに適用させる権利がある」

Facebookは広告主が「ユダヤ人嫌い」をキーワードにターゲットすることを許している。画像出典:ProPublica

このスキャンダルは、Facebookが自社の広告システムが悪用される可能性を「予期していなかった」ことをSandbergが認めたこととあわせて、最近Facebookで起きている多くの問題が認識の甘さに起因することを象徴している。2016年の米国大統領選挙でロシアスパイが政治的広告を買ったことを始め、Messengerの位置情報機能がユーザーのいた場所を突き止めることに悪用されたり、ユーザー滞留を優先するあまりニュースフィードにクリックを誘う偽ニュースを流していることまで、一連の問題は、Facebookの理想主義的なリーダーシップが、最悪のシナリオ予測することよりも、善意の利用場面の推進に長けていることを証明している。

Facebookのもつパブリッシングや広告、コミュニケーションの規模と力を踏まえると、この会社は人間の本性の邪悪な側面を予見することを学ぶべきだ。おそらくそれは、熟練の懐疑論者を雇い、悪用を発見する正義のハッカーとして活用することを意味しているのだろう。

Sandbergの投稿全文は以下で読める。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、クリックした広告の履歴を見る “Recent Ad Activity” を追加

自分はFacebook広告に影響されない、と思っているかもしれないが、ときどき誘惑されることもあるはずだ。しかし、広告は必ずしも永久にどあるわけではないので、もう一度見てみようと思っても見つけるのは難しいことがある。Facebookはその答えとして、クリックした広告をまた見たいときのために、Recent Ad Activity[最近見た広告]という機能を作った。

Matt Navarraがこのスクリーンショットをシェアしたあと、TechCrunchが問い合わせたところ、Facebookはこの新機能を米国で一般公開したことを認め、ほかのどこの国でテストするか検討中だと語った。米国のユーザーは、モバイルアプリとデスクトップサイトのサイドバーから利用できる。

Recent Ad Activityには、過去3か月ほどの間に、ユーザーがクリック、コメントまたはシェアした広告があらわれる。意図的に保存した広告を見るためのタブもある。

残念ながら、3カ月ということは、2016年の米国大統領選挙でドナルド・トランプに有利な方向に進めるために、ロシアのスパイが購入した政治広告を掘り出すことはできない。

Facebookは、対象となる広告コンテンツの公表を再三拒否し、その広告とターゲット情報は広告主に属するビジネス上の秘密だと語った。しかし捜査令状があれば、Facebookは広告コンテンツやターゲット、購入者などの情報を、特別検察官のRobert Mullerにロシア選挙介入捜査の一環として引き渡したことがある、The Wall Street JournalおよびCNNが伝えている。

新機能は、覚えてもらう方法を求めている広告主にとっては朗報だろう。Recent At Activityによって、企業は古い広告をクリックした人たちに新たな購入やアクションを促すチャンスを得られる。

結果的にFacebookは、購入を促進した手柄を自分のものにできる。6週間前に見た広告を思い出せないとき、Googleで探すことがよくあるが、その場合の手柄はGoogleのものになる。Recent Ad Activityは、そんなユーザーをFacebookに呼び戻し、もう一度その広告をクリックさせることで、広告主にもっと宣伝費を使わせる口実を手に入れることができる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AppleがSafariの新しい広告追跡防止機能(クッキーに対する制限など)を擁護

Appleには、Webの訪問者たちがオンラインの広告主たちに追跡されるのを制限する新しいやり方を、今さら引っ込める気はない。

Safariのその新しい機能はIntelligent Tracking Preventionと呼ばれ、最初は、6月に行われたAppleのカンファレンス、Worldwide Developers Conference(WWDC)で発表された。それは、広告主がユーザーを追跡する(調べる)のを防ぐための、複数の方法を組み合わせていて、たとえば広告のターゲット変えにクッキーを利用することを24時間だけに制限し、それ以降30日間そのクッキーを発行したサイトをユーザーが再訪しなかったら、クッキーを完全に削除する。

今週の初めに広告業界の6つの業界団体(Interactive Advertising BureauやAmerican Association of Advertising Industriesなど)が、Appleのこのやり方を“透明性を欠き恣意的”と批判する公開書簡を発表した。

“Appleの一方的で強引なやり方は消費者の選択権を奪い、広告に支えられているオンラインコンテンツやサービスとそれらを愛する消費者にとって有害である”、と彼らは書いている。

そしてAppleの答は? どうやら同社はこのまま前進を続け、消費者のプライバシーのための正しいやり方だと自分を擁護するようだ。以下が、同社の声明だ:

Appleは、人間にはプライバシーの権利があると信ずる。Safariはデフォルトでサードパーティのクッキーをブロックする初めてのブラウザーであり、 Intelligent Tracking Preventionはユーザーのプライバシーを保護するさらに進んだ方法である。

広告の追跡技術がこれほどまでに蔓延しているからには、広告追跡企業が人びとのWeb閲覧履歴を記録して保有していることもありえる。その情報は無許可で集めたものであり、広告のターゲット変えに利用されている。それによって広告が、インターネット全域で人びとを追尾しているのだ。新たなIntelligent Tracking Prevention機能は、このクロスサイト追跡に使われているクッキーなどのデータを検出して排除し、個人の閲覧をプライベートに保つ。この機能は広告をブロックせず、また人びとが実際にクリックして訪れるサイトの正当な追跡を妨害しない。サイトの機能と対話するために設計されているクッキーや、Webのパブリッシャー自身が置いた広告は、正常に表示される。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google親会社のAlphabet、持株会社「XXVI」を設立して2015年の企業再編成を完了

かつてGoogleとして知られた会社 ―― 2015年に「会社の集合体」をAlphabetに再ブランドし、主要な広告収益事業を親会社が100%保有する企業ユニットに移行した ―― がこの事業再編成プロセスをようやく完了すべく、新たな持株会社、XXVI Holdings Inc.を設立した。

BloombergがFCC提出資料を発見し、金曜日(米国時間9/1)に報じた。

同社は声明でこの事実を正式に認め、2015年にAlphabet設立の際に発表した変更を実施するために、組織変更を行った。Google Inc.をGoogle LLCに変更し、Alphabet配下の新たな中間持ち持株会社 としてXXVI Holdings Inc.を設立する」と本誌に語った。

この新持株会社 ―― 命名は典型的なGoogle流で、アルファベットの文字数に由来する (ローマ字表記)―― の設立によってAlphabetは、Googleを今も法的にはGoogleの子会社である、2016年にスピンアウトさせた独立運営部門(たとえば、Uberと法廷闘争中のWaymo)や、 2014年にGoogleが買収したAI部門、DeepMindなどの部門からようやく切り離すことができる。

新持株会社はAlphabet傘下各社の株を保有する。Bloombergによると、これで今も法的にはGoogle傘下にある、いわゆる「その他」の子会社らをAlphabetに移すことが可能になる。その結果、どの会社もGoogleと同じ法的基盤に置かれる。

さらにGoogleは、corporation(株式会社)からLLC(有限責任会社)に形態を切り替えることで、各ビジネスユニットが親会社Alphabetの下で法的に別の事業単位であるという新体制の実態を反映した。

FCC提出資料には、「企業再編成の結果、AlphabetとGoogleはこれまで以上に効率よく、経済的、かつ透明性の高い運用が可能になり、各社は収益活動に専念できる」と書いてある。

Alphabetは再編成によって同社自身とGoogleの運営に関する透明性が高まると主張しているが、Googleの運営については必ずしもそうとは言えない。Bloombergが指摘するように、新体制は、Alphabetの収益源であり今や株主が単一(Alphabet)となり財務状況を公開する義務のなくなったGoogleにベールをかけることになる。従来、Googleは公開企業として財務状況を投資家に開示することが求められていた。

Alphabetの広報担当者は、この再編は法的形式のためと説明しており、最終的に株主によるコントロールや運営、従業員の管理に影響はないと言っている。

Alphabetの再編成は数年前から準備されており、法務部門が著しく複雑な状況(税法上の問題など)に対処する時間が必要だったことを踏まえると、このタイミングが最近の出来事に関係があるとは考えにくい。しかし、このところGoogleに規制の圧力がかかっていることは注目に値する。6月に欧州連合競争法の違反が発覚し、Googleは27億ドルの罰金を支払った。

欧州委員会は反トラスト捜査案件がまだ2件進行中であり、Google事業のほかの部分に関わる訴状を確認していることを示唆している。

最近Alphabet傘下の部門に影響を与えた行政審判は、同社のAIユニット、DeepMindが対象だった。7月に ―― 法的にはまだGoogleの子会社だった時期 ―― 英国のデータ保護監視当局(NHS)は、DeepMindがロンドン国民保険サービスと結んだデータ共有契約が、患者160万人分の医療記録を本人の合意なく共有するものだとして、英国プライバシー法違反と裁定した。

DeepMindがNHSと結んだ当初のデータ共有契約は、患者の個人を特定可能な医療記録の利用を可能にするもので、頑強な法的保護がなされていないことを問題視されていたが、繊細なデータが渡される部門の親会社が、広告の巨人Googleであるという事実から、批判の声が高まっていた。DeepMindがGoogleの広告ビジネスから法的に分離されることで、DeepMindが計画している同様のデータ共有契約 ―― 社内の健康部門経由 ―― に関する懸念が和らぐ可能性はある。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

広告効果の測定やターゲティングの正しさを位置データから評価するPlacecastのLocation Verification

モバイルマーケティングのPlacecastのCEO Alistair Goodmanによると、これからは、広告効果の計測や検証では、位置データが鍵になる、という。

Goodmanが例として挙げるFactualとMobile Marketing Associationの研究では、マーケターたちの40%が位置データの品質を気にしている。彼によると、位置データを集めて利用する過程にはさまざまな“限界点”があるが、しかし最終的には、既存のデータセットは信頼性が完全ではなく、広告のターゲティングの不適正の原因となり、損失が生じている。

これを変えようとしているのが、PlacecastのLocation Verificationプロダクトだ。Goodmanの説明ではそれは、“データの精度を評価するための業界初の真理集合”だ。実際にこのプロダクトの初期のテストでは、Placecast以外の広告のインプレッションの25%は正しくターゲティングされていないことが見つかった。

Goodmanによると重要な違いは、Placecastがモバイルのキャリアからのデータに頼っていることだ。それは、Sprint傘下のPinsight Mediaなどだ。(本誌TechCrunch isはSprintと競合しているVerizonがオーナーだ。)

なぜ、そのデータの方が信頼性が高いのか? Goodman曰く、それらのデータは“アドッテックのために作られていない”。むしろそれは、キャリアにとっても重要なデータであり、たとえばあるセルタワーから別のタワーへ通話が渡されるときに、通話が落ちないことをそれらのデータで確認する。

Location VerificationはPlacecast内部の別の事業部が管理し、独立性と客観性を維持する、とGoodmanは語る。プライバシーに関しては、データはすべて“集積され匿名化され、またキャリア自身のプライバシーポリシーの監督下にある”、ということだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Web全域に拡散する製品や商品の画像を企業が追跡できマーケティング貢献度も分かるShareIQのサービス

製品や商品の画像がInstagramやPinterest、Tumblrなどなどの上で今やたくさん共有されている。そこでShareIQは、そんな状況を理解し利用しようと企業やお店に呼びかける。

ShareIQのファウンダーでCEOのBrian Killenは、マーケティング企業Acxiomの企画部長だったが、ある日、某小売企業のマーケティング担当役員にこう言われた: “Pinterestや世界中のWebサイトの至るところでうちの商品の写真を見るが、その商品や製品の情報はどこにもない。消費者はその品物を、どこでどうやって見つければいいんだ?”、彼のその質問に答えるべく、KillenはShareIQを立ち上げた。

マーケティングツールとしてのソーシャル・フォト・シェアリングはCuralateOlapicもやっているが、Killenの言うShareIQのユニークさは、商品/製品の画像のWeb上の拡散状況と、それらの画像の売上への貢献具合が分かることだ。

ShareIQ dashboard

ShareIQのアナリティクス機能により、そのブランドの人気コンテンツや、そのコンテンツが獲得したオーディエンス数などが分かる。また“シェアツリー”と呼ぶ視覚化により、コンテンツの拡散に貢献しているユーザーやパブリッシャーたちが分かる。そして、競合他社や競合ブランドとの比較もできる。

製品/商品の画像を見たりシェアした人を“カスタムオーディエンス”に仕立てると、その人が今後クールな製品の写真を見たとき、それをどこで買えるかという広告ないしリンクも表示される。

KillenによるとShareIQのキモは、それが、画像と関連データを保存する新しい方法であることだ。企業ユーザーは、大規模に、高い精度と速度で、そしてとても低い費用で、ShareIQのサーバーを利用できる。その結果、毎日Web上に登場する新しいコンテンツに企業が遅れないための、インフラストラクチャになる。

これまで同社が処理した画像は、約7500億点だ。

ShareIQが公式にローンチしたのは今週だが、顧客の中にはすでに、Tommy Hilfigerがいる。ベルリン発のShareIQは、ニューヨークに初めてのアメリカ事務所を開く。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

多様な広告キャンペーンとそのパフォーマンスを一元管理できるAdHawkがベータを脱して一般供用へ

1年あまりのベータテストを終えたAdHawkが、ついに一般公開され、すべてのアドバタイザーズが利用できるようになった。

同社のサービスを利用して企業は、FacebookやGoogle上の広告キャンペーンを管理できる。協同ファウンダーのTodd Saunders(AdHawkのCEO)とDan Pratt(同社のCOO)は、二人ともGoogleのAdWordsのチームにいたので、広告の世界をよく知っている。

AdHawkは、さまざまな広告キャンペーンのデータを一つのダッシュボード上に表示してくれる。Saundersによると、その際重要なのは、“高度なテクノロジー”を“分かりやすい分析ダッシュボード”から利用できることだ。AdHawkはデータを時系列で分析し、パフォーマンス改善のためのリコメンデーションをする。

AdHawkのわずか20名のチームが、どこまで‘高度なテクノロジー’なのか。Saundersによると同社は、小売業や製造業など、対象業種を絞っている。大手のコンペティターたちが“古い”とか、“退屈”と言って無視しがちな業種だ。

“とくに力を入れたのは、各業種固有のデータやキーワードを重視したことだ”、とSaundersは語る。そこでAdHawkの顧客は、ほとんどがeコマースをやっているが、しかしたとえば、“保険代理店の方がうちに来たら、残念ですがお役に立てません、と言うだろう”。

AdHawk dashboard

最近の経験では、AdHawkは集団訴訟でも役に立つそうだ。非常に多くの人たちに賠償金の支払いについて通知するとき、従来はメールや新聞広告に頼ってきたが、AdHawkの一部の顧客たちによると、正しくターゲティングされたオンライン広告が、いちばん効率的かつ効果的だそうだ。

今日(米国時間7/3)やっとベータを終えたAdHawkだが、Saundersによると、ユーザー登録待ちの企業がすでに7000社以上いるそうだ。

Techstars Boulderを卒業した同社は、ユーザーの月間の広告費支出の額に応じた会費が収益源だ。いちばん多いのは、月額の広告費が5000から75000ドル程度の企業、つまり広告のパフォーマンス分析を自力でやるのが難しい中小企業だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、新しい広告測定基準を導入。今後も追加していくことを約束

Facebookは、同サービスの広告 やFacebookページを利用している企業のために、新たな測定基準を導入すると発表した。

昨年Facebookは、一部の測定値を誤って報告していたことを認めた ―― 個々の間違いはさほど問題になるものではなかったが、全体として広告主に対する透明性を確保する努力が必要であるという印象を与えた(メディア評価委員会の監査を受けるきっかけにもなった)。

同じように、今日Facebookが発表する新たな測定基準も、一つ一つは大きな違いを生むものではないが、今後に向けた大きな取り組みの一環であると同社は言っている。

「各企業からはFacebookの実績について透明性を高め理解を深められるようにしてほしいという要望が寄せられている」とFacebookがブログに書いている。「測定値に関する取り組みの一環として、ほぼ毎月新しい指標を公開して、様々なデータを企業が一か所で見られるようにしていくことを約束する」。

新たな測定基準の中でも特に興味深いのが「ランディングページビュー」で、広告をクリックした後、実際に企業のモバイルランディングページに到達したユーザーが何人いたかを広告主に知らせる。

Facebookによると、この測定値は「よりよいモバイルウェブ体験に向けた最適化の重要性を企業が認識する」ために役立つという。これはFacebookにとって何度も繰り返されているテーマであり、これまでもInstant Articles(ニュース提供者向け)やCanvas(広告主向け)といった方式を使って、コンテンツをFacebook内部に取り込むことによって、ウェブレスポンスの悪化を回避しようとしてきた。

ほかの新しい指標には、広告をクリックしたユーザーが、以前その広告主のウェブサイトやアプリを利用したことがあるかどうかを報告するものがある。

そしてFacebookページにも新しい測定基準が追加された ―― フォロワーの増減、ページの情報を(ページ自体をクリックせずに)プレビューで見た人数、誰かのおすすめの中にFacebookページが入っていた回数などだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleは広告の個人化のためにGmailの受信トレイをスキャンすることをやめる

Googleからオドロキの発表だ。同社は今年後半に、Gmailの無料ユーザーの受信トレイを広告の個人化のためにスキャンすることをやめる。

G Suiteを有料会員として使っている企業ユーザーに対しては前からやっていないが、無料ユーザーの場合は、彼らに見せる広告のターゲティングのために、受信トレイを定常的にスキャンしていた。その情報と、ユーザーに関して知っているほかのことを組み合わせて、その人の‘広告プロフィール’を作っていた。

Google Cloud担当SVP Diane Greeneによると、この決定は広告の個人化をGoogleのほかのプロダクトと横並びにするため、言い換えるとGmailを特殊扱いしないために下(くだ)された。

Gmailに広告が出ることは止(や)まらないが、Googleはユーザーについてすでに多くのことを知っているから、Gmailからそれ以上の情報は要らない、とも言える。広告のパフォーマンスにとって役に立たない、有害である、という状況もあるのかもしれない。

Googleがあらゆることを善意でやっている、と信ずるならば、このような広告政策の変更の理由は、ユーザーに関する情報はもうこれ以上要らない、ということに尽きるだろう。受信トレイのスキャンがGmailの成長の足を引っ張っている、という兆候はない。今ではユーザー数が12億にも達しているのだ。

今日の声明でGreeneは、そんなことに言及していない。公式の説明としてはあくまでも、G SuiteのGmailと消費者向けGmailの規格を揃えるためだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleのChrome組み込み広告ブロッカーは、品質保証フィルターに近くなりそうだ

GoogleのChromeブラウザーに広告フィルターを組み込む計画はまだ続いているとWall Street Journalが伝えているが、その実体は品質保証フィルターのようだ。現在Chromeに実装されているポップアップを抑制したり、デバイスに害を与える恐れのあるコンテンツの警告を与えたりする機能と似ている。

記事によるとGoogleはパブリッシャー・パートナーとも接触し、新たな品質フィルターの影響について明確なガイドラインを提供する予定だ。いずれは現在サイトにある広告で新しいブロッカーに遮断される広告をパブリッシャーが識別できるツールを提供する。広告ブロッカーの提供は来年を予定しており、ブロッカーの一般公開前にパブリッシャーが有害広告を排除するために半年以上の猶予を与えようという趣旨だ。

計画は変更する可能性もあるとWSJは伝えているが、現時点でGoogleがフィルターでブロックする予定なのは、Coalition for Better Adsという業界団体(Googleも会員になっている)が定める分類による。同団体は3月に不快な広告のリストを発表した。Googleのツールは、一定レベルを超える有害な広告コンテンツを掲載するサイトでは、全広告をブロックすることも基準に記されている。

一方、検索の巨人は “Funding Choices” という新しいツールを提供する。これはパブリッシャーがサイトの訪問者にメッセージを表示して、サードパーティーの広告ブロッカーを無効にするか、使用するのであれば料金を払って広告をなくすかを選択できるようにするものだ。

Googleは4月にこの機能を開発中であると報じられた。自社ブラウザーに広告ブロッカーを組み込む動機付けの少なくとも一部は、広告ブロック技術を自らの手の内に持ちたいという願望に違いない。現在多くの広告ブロッカーがサードパーティーから提供されており、中にはGoogleから料金を徴収し、見返りにGoogle自身の広告コンテンツをホワイトリストに入れるところもある。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ネット広告の効果としての物理店来店者数予測にGoogleはディープラーニングを利用

Googleは、今日行われたMarketing Nextカンファレンスで、来店計測ツールのアップデートを発表した。Googleは2014年以来、ユーザー名を取り去った位置データと状況的データを利用して、ネット広告に刺激されて物理店に来る人の数を推計してきた。今回同社は、そのツールを機械学習で強化して、考慮する要素を増やし、推計の精度を上げた。

オムニチャネルマーケティングは、今大流行のバズワードだ〔IBMにはOmni-channelという製品まである〕。これは、目立ちすぎて目ざわりな言葉であるだけでなく、マーケターにとっての重要な問題も示唆している。物理的な小売店という古い世界と、オンラインショッピングという新しい世界、この二つの世界のデータをうまく組み合わせて、今後の経営意思決定のために利用したいのだが、具体的にはどうやるのか? それがまさに、オムニチャネル(omnichannel, 全方向的な)マーケティングの課題なのだ。

Googleはこれまで、Wi-Fiの信号や位置データ、地図、計測データなどを利用して来店数を巧みに推計してきたが、でも過密都市や中高層のモールなどでは顧客の動きを掴みかねていた。そういうところのロングテールは、従来の推計テクニックになじまないのだ。

この不確実性を解決するために、Googleはディープラーニングに着目した。大量かつ多様な訓練データをディープラーニングに注ぎ込めば、もっと多様なユースケースを扱えるようになり、データの精度は上がるのではないか。

AdWrodsのプロマネVP Jerry Dsichlerはこう言う: “今は、コアの部分で機械学習を利用している。機械学習がなければ、来店数を計算できなかっただろう”。

Googleによると、わずか3年で、計算した来店者数は50億に達した。この数をもっと大きくしたい同社は、同様のキャンペーンにYouTubeやTrueViewを含めようとしている。今、ますますビデオ広告の効果が大きいから、その動きも当然だ。

YouTubeの利用を告知するにあたってGoogleはマーケターたちに、店舗売上の管理機能をデバイスとキャンペーンの両方に含める、と発表した。店頭データをAdWordsに統合すると、コンバージョンからの来客がさらに目立つようになるだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

購入決定の要因(アトリビューション)を多様なキャンペーン構成要素から–機械学習で–分析するGoogle Attribution

GoogleのMarketing Nextカンファレンスで、同社はGoogle Attributionの新たなベータを発表した。これは、さまざまなマーケティング戦略の、顧客の購入決定成果(パフォーマンス)の違いと、その寄与要因(アトリビューション)を知るための無料のツールだ。

Googleは、デバイスやマーケティングチャネルの違いを超えて、Attributionがマーケティングキャンペーンを評価するためのホームになってほしい、と期待している。そのために、戦略と広告費とフィードバックという三つの要素を結ぶ緊密なループを作り、マーケターたちにより魅力的なツールを提供したい、と同社は考えている。最近のマーケターの多くが、ラストクリックモデル(last-click models, 買う直前==最後にどこを何をクリックしたか?)という単純な分析では満足しなくなっているのだ。

アトリビューションの特効薬は、マーケティングの世界では古くからある。Adobeのような大企業だけでなく、BrightFunnel、Bizibleなどのスタートアップもかなり前から、マーケターたちが古いラストクリック・パラダイムを打破できるためのツールを開発している。

最近までは、企業と顧客との最後の接点、ラストタッチポイントを、購入決定の要因とする説が、マーケターたちのあいだで有力だった。マーケターは、この欠陥のある説に基づいて、マーケティングキャンペーンを定量的に評価していたが、でもそれは、顧客の現場の実態というよりむしろ、ヒューリスティックな推論過程だ。

しかしマーケティングの分析に機械学習を利用するようになってからは、一見互いに関連性/共通性のなさそうなさまざまなマーケティング努力の、購入決定への相対的寄与貢献をモデル化できるようになった。それは、評価の方法として従来よりずっと、提供される情報量が多い。現場の実態というものは、ビデオ広告やバナー広告、メール、そのほかのいろいろな素材や情報が共鳴し合って、顧客をコンバージョン(購入決定)へ導くのだ。すべてをソーシャルメディア上の最後の広告のせいにするのは、おかど違いである。

Googleの分析測定担当シニアディレクターBabak Pahlavanはこう説明する: “クリックがあればクリックを数えるけど、どれだけの数のコンバージョンがそのソーシャルチャネルから来ているか〔==それがどれだけのアトリビューションか〕、そっちの方が重要だ。われわれはその測度を提供する”。

[Google Attributionの仕事: 各種データの総合化→パフォーマンスの分析(異なるアトリビューションモデルの比較)→アクション(分析結果による戦略最適化)]

Google Attributionはマーケターに、彼らの努力の明確な像を提供して、より正確な費用利益分析ができるようにする。ぼく自身はまだGoogle Attributionを使ったことがないので、パフォーマンスの向上を類似ツールと比較することはできないが、Googleの優位性はパフォーマンス云々よりもむしろ、多様なアトリビューションの相乗的な効果比較にあるようだ。

Googleが強調しているのは、このツールの使いやすさと、さまざまなアトリビューション要素の統合化、そして無料であることだ。大企業向けに有料バージョンを出す計画もあるが、Google製品のスケーラビリティはそこでも強いだろう。

Googleがアトリビューションの分析評価に本腰を入れ始めたのは2014年、同社が、マーケティングの効果を測定するAdometryを買収してからだ。AdometryはただちにAttribution 360に変身して、GoogleのAnalytics 360スイートの一部になった。それから2年、ツールの再構築と単純化に努力していた、とPahlavanは語る。

Google Attributionはまだベータだが、しかし同社によると、近い将来、さらに深い展開を行うから広告主たちはお楽しみに、ということだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))