誰でも簡単に音声アプリが作れるVoiceflowが約4億円を調達

音声アプリの市場がオープンになった。AmazonのAlexaだけでも、今年の初めの時点で8万種類のスキルが登場している。それでも、米国内のスマートスピーカーの普及率がクリティカルマスに達した今、成長が鈍化する兆候はほとんど見られない。この流れに乗って、AlexaとGoogleアシスタント用音声アプリの開発を楽にするスタートアップVoiceflowは300万ドル(約3億3550万円)のシードラウンド投資を獲得した。

このラウンドは、True Venturesが主導し、Product Huntの創設者Ryan Hoover氏、Eventbriteの創設者Kevin Hartz氏、InVisionの創設者Clark Valberg氏などが参加している。同社は、プレシードですでに50万ドル(約3355万円)を調達している。

音声アプリ開発のためのこの協働プラットフォームのアイデアは、音声アプリを開発していた体験から直接得られたものだと、VoiceflowのCEOで共同創設者のBraden Ream氏は説明している。

Ream氏の他、Tyler Han氏、Michael Hood氏、Andrew Lawrence氏からなるこのチームは、まずAlexa用に、子ども向けのインタラクティブなお話アプリ『Storyflow』を開発していた。

ところが、この自分で冒険の筋書きを選ぶゲームアプリのための話のライブラリーを構築しようとしたところ、ユーザーベースに対応できる十分な速度でプロセスを拡大できないことが判明した。つまり、すべての枝道を含むストーリーボードを作るのに時間がかかりすぎるのだ。

「ある時点で、ドラッグ・アンド・ドロップで作るというアイデアが浮かびました」とReam氏は話す。「フローチャートとスクリプトと実際のコードが書けたら有り難い。さらにそのすべてをワンステップで行えたらと、私は考えました。そうして、今ではVoiceflowとして知られているものの初期の形が、試行錯誤によって作られていったのです。それは部内用のツールでした」とのこと。「なにせ私たちはナードなもので、そのプラットフォームをもっといいものにしたいと、論理演算や変数を追加し、モジュラー化していきました」

Storyflowのもともとの計画は、誰でも物語が簡単に作れるようになる「声のYouTube」を作ることだった。

しかし、彼らが開発したものをStoryflowを愛するユーザーたちが知ると、それを使って、インタラクティブストーリーだけでなく、その他の音声アプリも自分で作りたいという要望が彼らから湧き上がった。

「そのとき、私たちは閃きました」とReam氏は振り返る。「これは音声アプリ開発の中心的なプラットフォームになれる。子ども向けのインタラクティブ・ストーリーだけのものではないと。方向転換はじつに簡単でした」と彼は言う。「私たちがやったのは、名前をStoryflowからVoiceflowに変えるだけでした」

このプラットフォームが正式に公開されたのは12月だが、すでに7500件あまりの利用者が、このツールで開発した音声アプリを250本ほど発表している。

Voiceflowは、コーディングの知識がない人でも使えるよう、技術的なものを感じさせないデザインになっている。たとえば、基本のブロックのタイプは「speak」(話す)と「choice」(選ぶ)という2つだけだ。画面上でブロックをドラッグ&ドロップでつなぎ合わせれば、アプリの流れが出来上がる。技術に詳しいユーザーなら、高度な開発画面に切り替えれば論理演算や変数を使うこともできる。それでも、完全に視覚化されている。

企業ユーザー向けに、Voiceflowの中にAPIブロックも用意されているため、その企業の独自のAPIを組み込んだ音声アプリの開発も可能だ。

さらに、この製品の面白いところはもうひとつある。協働機能だ。Voiceflowには無料の個人向けモデルと、チームによる音声アプリの開発に重点を置いた商用モデルがある。月額29ドルで利用でき、たとえば言語学者や音声ユーザーインターフェイスのデザイナーと開発者など、多くのスタッフを抱えて音声を使った仕事をしている職場に、みんながひとつのボードで作業でき、プロジェクトが共有でき、アセットのやりとりが簡単に行える環境が提供される。

Voiceflowは、今回のシード投資を使って技術者を増やし、プラットフォームの開発を続ける予定だ。より優れた、より人間的な音声アプリを、このプラットフォームで利用者に開発してもらうことが、彼らの長期的な目標だ。

「当面の問題は、Googleから資料や最良の利用方法が提示されていて、Alexaの側にも同様に用意されているのに、明確な業界標準がないことです。しかも、手に取れる具体的な実例がひとつもありません。または、それを開発に応用する簡単な手段がないのです」とReam氏は説明する。「もし私たちが、新たに1万人の音声ユーザーインターフェイスのデザイナーを生み出すことができれば、彼らをトレーニングしたり、簡単にアクセスできて、みんなで協働できるプラットフォームを提供することができます。会話の質が飛躍的に向上するはずです」。

その観点に立って、Voiceflowでは、Voiceflow Universityというプログラムを立ち上げた。現在はそこでチュートリアル動画を公開しているが、将来は標準化したトレーニングコースを提供する予定だ。

動画の他にVoiceflowには、Facebookを通じたユーザーコミュニティのネットワークがある。そこでは、2500名以上の開発者、言語学者、教育者、デザイナー、起業家などが、音声アプリのデザインや開発方法について活発に論議を交わしている。

こうしたVoiceflowとユーザーベースとの相互関係は、True VenturesのTony Conradに対して重要なセールスポイントとなった。

「ミーティング(ピッチ)に出席した後、私は少しばかり探ってみました。そして大変に感銘を受けたのは、開発者コミュニティの関わりの深さでした。他では見られないことです。このプラットフォームの最大にして唯一の差別化要素は、Bradenのチームと、コミュニティとのエンゲージメントの強さです」とConradは言う。「初期のWordPressを思い起こしました」。

Voiceflowは、最近までもうひとつの視覚化デザインツールInvocableと連携していたが、Voiceflowのプラットフォームへのユーザーの統合を助ける目的で、Invocableはサービスをシャットダウンした。

ここには教訓が含まれているようだ。Invocabeは、ユーザーに別れを告げたブログ記事で、人々はスマートスピーカーを、いつまでも音楽やニュースやリマインダーや単純なコマンドを中心に使い続けていると指摘している。また、自然言語処理と自然言語理解は、高品質な音声アプリを支えるまでには進歩していないとも書いている。その日はいずれやって来るに違いない。だがそれまでの間、一般消費者に広く受容される時期に先んじて、音声アプリ開発市場を支える最適なプラットフォームで勝負に出ようとすれば、そのタイミングを見極める必要がある。

トロントに拠点を置くVoiceflowは、現在12人のチームで運営されている。彼らは拡大を目指している。

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(翻訳:金井哲夫)

AmazonがAlexaのスキルを作れるデベロッパーの資格証明制度を立ち上げ、企業ニーズに応える

Amazon EchoなどのAlexaデバイスを作っているデベロッパーに、自分の能力を証明する新しい資格証明制度として、AWS Certified Alexa Skill Builder – Specialtyというものが立ち上げられた。Amazonによると、同社がAlexaデベロッパーのための資格証明を提供するのは、これが初めてである。

資格証明はテクノロジー業界ではよくあり、AmazonのAWSもすでに教育訓練事業とともに独自の資格証明を提供して、企業がAWSの知識とクラウドの専門的技能を持った技術者を確実に雇用できるようにしている。

今回のAlexa技術の資格証明はAWSの資格認証事業の一環となり、その人がAlexaの音声アプリ開発のすべての側面を正しく理解していることを確認する。

検証されるのはアプリケーションの開発や試験の仕方、スキルの検査とトラブルシューティング、Alexa Developer Consoleの使い方、Alexaのスキルのオペレーションとライフサイクルの管理など、実践的な要素が多い。また、声の価値や、音声のユーザー体験のあるべきフロー、など、今多くのAlexaデベロッパーが悩んでいるような高レベルのコンセプトの知識も試される。

試験のガイドがあるので、これを見ると、スキル習得のために勉強すべきチュートリアルや技術的ドキュメンテーションなどがわかる。またオンラインのトレーニングコースもある。

準備万端でこれから試験を受けようというデベロッパーは、AWS Trainingのアカウントを取得して、試験のスケジュールを決める。

Amazonが主張する目標は、今日市場に存在する1億以上のAlexa対応デバイスの顧客の心をつかむような、魅力的な音声アプリ体験を作る機会を、もっと多くのデベロッパーに提供することだ。

つまりAmazonが求めるのは、デベロッパーがAlexaのスキル開発をちょっと浅く体験するだけでなく、そのベストプラクティスも身につけて、顧客に対し強い訴求力を持つアプリケーションを作ってもらうことだ。

この資格証明事業はスマートスピーカーがここ米国でクリティカル・マスに達したそのほぼ同じタイミングで展開される。でもサードパーティのスキルはまだ、大ヒットに乏しくスマホのアプリストアほどの人気を獲得していない。それはBloombergが最近報じたとおりだ。

音楽やタイマー、スマートホームのコントロールなどはスマートスピーカーのヒットと言えるかもしれないが、でもそれらは、ネイティブの(最初からある)ファンクションだ。消費者の採用が今後伸びないなら、今80万以上あるサードパーティのAlexaスキルの将来性も危うい。

しかしそれでも、企業は今でもこのプラットホームに強い関心を持っている。なんといっても、Alexaの大きなインストールベースは魅力だ。今でも毎日、1日に1つは、どこかの企業がスキルを発表している。今日のそれは、赤十字だった。

AWSで資格証明と教育訓練事業を担当しているディレクターKevin Kelly氏が、声明の中でこう言っている。「音声アプリ(Alexa用語では“スキル”)を作れる有能なプロフェッショナルは、最近ますます多くの企業から求められている。この新たな資格証明はAlexaにフォーカスした唯一の認証制度として、そういうプロフェッショナルなスキルを検定できる」。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Amazonが有力ボイスアプリの開発者に報酬を支払うプログラムをフランス、イタリア、スペインに拡大

Amazonは、有益で品質の高いボイスアプリを作成したAlexaの開発者に直接、現金で報酬を支払うプログラムを、ヨーロッパの新しいマーケット(フランスイタリアスペイン)に拡大している。Alexa Developer Rewardsプログラムはゲームのスキルを作成した開発者に対して2017年に米国でスタートし、その後、対象とするスキルのカテゴリーを広げてきた。また、ヨーロッパの有力マーケットであるドイツと英国、さらに日本とインドもすでに対象となっていた。

Alexa Developer Rewardsプログラムが、フランス、イタリア、スペインで開始されたことで、教育・レファレンス、フード・ドリンク、ゲーム・トリビア、子ども向け、ヘルス・フィットネス、ライフスタイル、音楽・オーディオ、仕事効率化といったカテゴリーの優れたスキルに報酬が支払われることになった。

このプログラム自体はAmazonがボイスアプリのエコシステムを作ろうとしている大きな戦略の一部で、開発者が自分のボイスアプリから継続的に収入を得られる時期がまだ到来していないことから実施されている。

Amazonは開発者に対し、スキル内購入ワンタイム購入物理的な商品の販売といったマネタイズの手段を提供しているが、Amazonからの直接的な支援なしにこれらの手段だけで開発者がボイスアプリから確実な収入を得ることは難しい。そして開発資金となる収入が得られなければ、開発者はAlexaスキルの開発をあきらめて、よそへ行ってしまうかもしれない。

これまでのところ、開発者のエコシステムに対して直接投資するというAmazonの方針はうまく機能している。

現在、AmazonのAlexaスキルのストアには、どの競合他社よりも多くの他社製ボイスアプリが登録されている。クリスマスシーズンにAlexa対応デバイスが大量に売れ、ボイスアプリの数は2月の時点で8万に上った。その成長ぶりはすさまじく、米国で利用できるAlexaスキルの数はこの1年で2倍以上になった

これまでに人気のAlexaスキルの多くは、広く使われているモバイルアプリを声で操作できるようにしたものだ。代表的なものとしては、音楽アプリ、話し言葉、瞑想アプリ、クイズ、ゲーム、ワークアウトアプリなどのオーディオベースのアプリがある。

しかしAlexaが成長し続けていくためには、米国以外でスマートスピーカー人気が高まりつつある重要なマーケット向けにローカライズされたボイスアプリを提供することが重要だ。その点ではGoogleに利があるかもしれない。Googleアシスタントは高度な言語機能を備えていて、英語以外の多くの言語に対応しているだけでなく、多言語対応通訳サポートなどの機能もある。

Amazonは、2017年にAlexa Developer Rewardsプログラムを開始して以来、20カ国以上の開発者に対して「多額の」報酬を支払ったとしている。開発者は報酬を受け取るために登録をする必要はなく、アプリが条件を満たせばAmazonから開発者宛にメールが届くことになっている。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Alexaの新機能Song IDは次の曲のタイトルを案内する

Amazonは今日、ユーザーが好きな曲についてより知ることができるようにするための「Song ID」というAlexaを使った新機能を導入する。この機能をオンにすると、スマートスピーカーを使ってラジオやプレイリスト、Amazon Musicでリリースされた曲を聴いている時、曲がかかる前にAlexaがその曲のタイトルとアーティスト名を教えてくれる。

Echoデバイス向けのこのオプション機能は、Alexaに「Song IDをオンにして」「Song IDをオフにして」と言うことでいつでも音声でコントロールできる。

モバイルやデスクトップアプリで音楽を聴いているときは、アーティストの名前や曲のタイトルをストリーミングアプリでさっとチェックするのは簡単だ。しかしスマートスピーカー越しにストリーミングの音楽を聴いているときはそうもいかない。デバイスはどこか離れたところに置かれ、すぐにアクセスできない。そして従来のラジオと異なり、Amazon Echoから流れる音楽には、次に何が流れるかDJの言葉はない。

新機能は、パーソナリティには程遠いにしてもAlexaをDJにするのが目的だ。ただし今は曲のタイトルとアーティスト名を言うだけで、その音楽についての他の情報やコメントをはさむということはしない(しかしながら、そうした機能をAmazonが加えるというのは、将来におけるSong IDの興味深い拡張になる。そうなった場合、曲について掘り下げた情報を提供するSpotifyのGenius を活用した“Behind the Lyrics”機能によく似たAlexaベースのサービスとなる)。

Amazonによると、Song ID機能は音楽に関してユーザーからAlexaに寄せられたリクエストを参考にして構築された。

毎日多くのユーザーが流れている曲についてアシスタントに「Alexa、これ何ていう曲?」「Alexa、この曲誰が歌ってる?」などと何十万回も尋ねてきたのだ。

Amazonはまた、Amazon Musicの2019年チェックすべきアーティストプレイリストや、注目を集めつつあるアーティストを特集したWeekly Oneプログラムのような、あなたがタイトルやアーティスト名を知らない新しい曲をチェックするときにSong IDは役に立つかもしれない、と述べている。

Song IDは米国のAmazon Musicで今日からEchoデバイスで使える。

原文へ、翻訳:Mizoguchi)

Amazonが家庭用メッシュルーターのEeroを買収してEcho製品拡販のベースに

Amazonが、同社のスマートホーム製品系列を大きく拡大しようとしている。同社は今日、ベイエリアの家庭用メッシュルーターのスタートアップEeroを買収する意図を発表した。それは、Alexaをコネクテッドホームの主要機能に育てようとしている同社にとって、相性ぴったりの製品だ。

創業5年目を迎えるEeroにとっても有意義だ。同社は家庭用メッシュルーターの分野に早くから参入し、高名な投資家たちからの支援も受けたが、苦戦していた。昨年は同社のワークフォースのほぼ1/5、30名の社員をレイオフした

Amazonはなんと言ってもお金持ちだし、昨年はAlexaをHuaweiやNetgearのルーターに接続するデモをしていたから、このカテゴリーに目をつけていたのだ。そしてそれも合理的な判断だ。家庭内ネットワークの圏域を拡大するメッシュルーターがあれば、Echo Dotsなどのデバイスを、家のどの部屋にも置ける設計にできるだろう。

Amazonは近年、RingやBlinkなど、いくつかの著名なホームオートメーションスタートアップを拾い上げて、家庭内のAlexaを軸とする独自のスマートホームエコシステムを育てようとしている。多くの場合Amazonはスタートアップのブランドをそのまま維持するから、それはEeroにとって嬉しい徴候だ。ただしRingに関しては、そうならなかったけど。

AmazonのSVP Dave Limpがプレスリリースで述べている: “Eeroのチームにはとても感銘を受けている。彼らは、コネクテッドデバイスをつなげばすぐにそれが使えるようなWi-Fiのソリューションを、非常に早い時期に発明した。私たちもそのビジョンを共有して、スマートホームの体験をより容易にし、顧客のためのイノベーションにこれからも引き続きコミットしていきたい”。

買収はまだ、お役所の承認を待つ段階で、価額等の詳細は公表されていない。

関連記事(未訳)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

アメリカのスマートスピーカーの採用台数は6600万、Amazonが大差でリード

スマートスピーカーにとって、良いホリデーシーズンだった。Amazonによると、Echo Dotは同社の全商品の中で最高の売上を記録した。そのことは、音声で命令するスピーカーの市場全体が大きく成長したことを意味するのだろう。今日(米国時間2/5)は、調査会社CIRPが、それらのスピーカーのアメリカにおける導入台数が2018年9月四半期の5300万台から2018年12月には6600万台に増加した、と報告した。そしてそれは、1年前の2017年12月にはわずか3700万台だった。

しかしその調査報告書によると、ホリデーシーズンの売上が、スマートスピーカーのメーカー各社のマーケットシェアを変えることはなかった。

報告書によると、AmazonのEchoデバイスが依然としてアメリカの市場を支配し、据え付け台数ベースで70%のシェアを握っている。次いでGoogle Homeが24%、Apple HomePodが6%だ。

CIRPのパートナーで協同ファウンダーのJosh Lowitzが、声明の中でこう述べている: “ホリデーの買い物客によって、スマートスピーカー市場は再度離陸した。しかし相対的なマーケットシェアは旧状を維持し、ここ数四半期にかけてAmazon EchoとGoogle Home、そしてApple HomePodが一定のシェアを維持している。AmazonとGoogleは共に、ベーシックからハイエンドまでの豊富な機種を揃えているが、Amazonの方が機種は多様である。言うまでもなくAppleは、高価格製品HomePodのみであり、Echo DotやHome miniのようなエントリーレベルの製品を出さないかぎり、大きなシェアを獲得することはないだろう”。

さらに興味深いのは、スマートスピーカーの購入者の一部が、自宅にすでに1台持っていることだ。CIRPによると、スマートスピーカーの所有者の35%が、2018年12月の時点で複数のデバイスを持っている。それは2017年12月の18%からの大きな増加だ(下図)。

この数字は、デバイスメーカーの今後の戦略にとって重要だ。つまり、最初の1台を売ることができたら、消費者が同じベンダーから再度買うこともありえるからだ。

Amazonはここでも初期的有利性を獲得し、Google Homeのユーザーに比べてより多くの消費者の複数台購入に成功している。1年前には、デバイスを複数持つユーザーの比率はEchoのユーザーがGoogle Homeユーザーのほぼ倍だった。しかしその後Googleは健闘し、2018年末ではEchoユーザーもGoogle Homeユーザーもどちらも、そのほぼ1/3が複数のデバイスを持っている。

しかし、市場調査会社の調査報告の数字は、各社横並びでほぼ同じ、ということはありえない。標本も、調査手法も、各社それぞれに異なる。

たとえばこの秋のStrategy Analyticsの調査報告では、アメリカにおけるAmazon Echoのマーケットシェアが63%、Googleが17%、Apple HomePodが4%だった。

またeMarketerの2019年予測は、Amazon Echoがアメリカ市場の63.3%を獲得し、Google Homeは31%、HomePodやSonosなど‘その他’が12%、としている。

とはいえ、すべての報告書に大書共通する所見は、Amazonの大差でのアメリカ市場の支配だ。差は縮まっているのかもしれないが、なくなる兆しはない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Amazonのスーパーボウル広告が、Alexaを起動しない仕組み

アニメーションのサウスパークは、おなじみのウェイクワードを使ってEchoやGoogle Homeデバイスを起動させ、世間を騒がせたことで有名だ。しかしAmazon自身は、「音響指紋」という手法を使って、似たような状況でAlexaが反応しないようにすることができる。

スーパーボウルに向けての準備の中で、同社はなぜ有名人が沢山登場するこの広告が、Alexaを起動しないのかについての、(比較的)わかりやすい仕組みを説明した。その広告のために、同社は音響指紋を追加している。

Echoの容量には制限があるので、アシスタントがウェイクの前にクロスチェックができるように、追加の音響指紋はクラウド上にも保存されている。システムは大抵の場合うまく機能するが、例えば騒々しい環境ではうまく動作できない場合もある(まあスーパーボウルのパーティーは大概騒がしいものだが)。その場合は、判定のためにはより長いクリップが必要になる。

だがAmazon自身が広告を制作していない場合には、(サウスパークのファンが証言してくれるように)事態はもっと複雑になる。その場合には、システムは様々なユーザーからの音声をクロスチェックしているのだ。

「もし少なくとも2人以上の顧客から届いたリクエストの音響指紋が互いに一致した場合には、私たちはそれをメディアイベントとして扱います」と同社は説明する。「また、私たちは入力された音声を、そうしてリアルタイムに判定された音響指紋のキャッシュ(マッチしたと判定された音響指紋の平均値)とも比較します。このキャッシュのおかげで、Alexaは疑わしいウェイクワードを、次からは同時発生でなくても無視し続けることができるのです」。

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(翻訳:sako)

Echo Wall Clockの販売が接続性の問題で一時中止に

Amazon昨年末にEcho Wall Clockを発売したが、それから1ヵ月も経たないうちに予定が狂っている。The Vergeによれば、多くの顧客が接続性の問題を報告したために、Amazonは30ドルのAlexa搭載スマートクロックの販売を一時停止した。

時計はまだAmazonのリストに載っているが、米国時間火曜日の時点で、それは「現在利用購入できません」となっている。

「私たちは、何人かのお客さまが接続性の問題を抱えていることを認識しています。私たちはこの問題に取り組み、Echo Wall Clockを数週間のうちに再び出荷可能にできるように鋭意努力しています」とAmazonは声明の中でThe Vergeに対して述べている。

この時計は既存のAlexaユーザー向けの製品で、タイマー、カウントダウンまたはアラームを設定することが可能だ。また時計は自動的にサマータイムの調整が行われる。それは、機能やデザインのどの角度から見ても、極めてベーシックなものだが、Amazonの拡大する家電製品推しへの興味深い追加商品だ。こうした動きには、ホームスピーカーやShowのスクリーンなどや、Alexa電子レンジあまり感心できない)や、歌う魚(まあこれはどうでも…)なども含まれている。

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(翻訳:sako)

Alexaのニュースを読み上げる声が、プロの「ニュースキャスター」並に?

Amazonは既に、Alexaに ささやく能力を与えているが、今回はまた別の会話スタイルをアシスタントに与えるようだ。新しくAlexaに与えられるのは「ニュースキャスター」ボイスである。本日(米国時間1月16日)以降、米国内のユーザーがAlexaに向かって”What’s the latest?”(最新ニュースは?)と尋ねると、Alexaはプロのニュースキャスターがニュースを読む際に使う声に近いものを使って反応するようになる。

Amazonの説明によれば、この新しい声は、より真に迫ったニュース配信を行うために、どの単語が強調されるべきかを知っているという。

この新しい声を実現するために、AmazonはニューラルTTS(NTTS:TTSとは「テキスト読み上げ」技術のこと)で最近得られた開発成果を利用している。このテクノロジーはより自然な響きの声を提供し、Alexaの会話スタイルを、要求されたコンテキストに基づいて変えることを可能にする。ニュースキャスターの声に関して言えば、文章の中の適切な単語を強調する、より良いイントネーションを、NTTSが生成するのだとAmazonは説明する。

さらに、Amazonの科学者たちは、音声信号を生成するためにディープラーニングを適用する、直接波形モデリング(direct waveform modeling)と呼ばれるアプローチを採用した。

同社は11月には、この技術の詳細を説明していた。当時の説明では、わずか数時間のトレーニングデータで、同社の最新のTTSシステムが、ニュースキャスタースタイルを使えるように訓練できたと述べられている。また研究者たちは、この開発によって、Alexaや他のサービスが、将来的には他の状況に対して異なる会話スタイルを取り込める可能性が開かれた、と語っている。

AmazonのTTS研究チームのシニアマネージャーであるAndrew Breenは、声明の中で「顧客の要求するコンテキストに基づいて、会話スタイルを変える能力をAlexaに与えることによって、これまでには思いもよらなかった素晴らしい体験を提供できる可能性が生まれました」と述べている。「この新しい方法を使って、皆さまがAlexaからニュースやウィキペディアの情報に耳を傾けるようになることに、興奮しています」。

以下に、以前のテクノロジを用いたオーディオサンプルと、新しいニュースキャスターの声を使ったサンプルを示した。

同社はまた、Alexaがウィキペディアの情報を読み上げる際に、どのようにニューラル音声を利用できるかも示している。

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(翻訳:sako)

Amazon、Fire TV StickのAlexaリモコンをアップグレード

AmazonがFire TV Stickをアップグレードする。本日(米国時間1/15)同社は、Fire TV Stickに、昨秋発売された新バージョンのAlexa Voiceリモコンを付けて販売すると発表した。このリモコンはBluetoothと多方向赤外線の両方に対応し、Fire TV以外のデバイスも制御できる。なおリモコンがアップグレードされてもFire TV Stickの価格は39.99ドルに据え置かれる。

この新型Alexaリモコンは昨年10月に49.99ドルのFire TV Stick 4Kとともにやってきた。テレビ、サウンドバーその他のAV機器の制御だけでなく、入力切替やケーブルTV装置のチャンネル変更などもできる。古いAmazon Fire TVのためにリモコン単体で購入する場合の価格は昨日まで29.99ドルだった。しかし本日、Amazonは価格を50%引きにした。

音声リモコンにはボタンを押してAlexaに話しかける機能もあり、番組や映画を探したりスマートホーム機器の制御、ニュース、天気予報、音楽ストリーミングなども利用できる。

この次世代リモコンの採用によって、Fire TV Stickはテレビ以外のAV機器を制御できるリモコンが付属する40ドル以下で唯一のストリーミングメディアプレーヤーになったとAmazonは言っている。これはFire TV Stickにとって、Rokuのハイエンド音声リモコンがテレビとRokuのワイヤレススピーカーの電源およびボリューム制御中心であることに対するセールスポイントにもなる。

今年のCESでAmazonは、Fire TVプラットフォームがアクティブユーザー3000万人を突破し、Rokuの2700万人をわずかに上回ったことを発表した。中心製品であるFire TV Stickに高度なリモコンを投入することで、Amzaonは2018年のブラックフライデーとホリデーショッピングシーズンのデバイス大幅値下げで奪ったリードを確固たるものにしようとしている。

改定されたFire TV Stickは、Amazonがスタートしたばかりの無料ストリーミングサービスIMDb Freediveを内蔵する最初のデバイスでもある。CESで発表された同サービスは広告付きの無料映画・TV番組を提供する——ライバルのThe Roku Channelへの挑戦だ。その他のFire TVデバイスにはソフトウェアアップデート経由で配信される。

新しいAlexa音声リモコン付きのFire TV Stickは39.99ドル(英国では £39.99 )で今日から予約受付が始まる。Echo Dotとのセット価格は69.98ドル。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

CES:LEDダウンライトにAlexaとJBLスピーカー内蔵――スマートホームのハブになる

一見するとなんでもない天井の照明だが、スマートホームを実現してくれる優れものだ。天井取付型のJuno AI ダウンライトはLEDランプの他にAmazon AlexaとJBLスピーカーを内蔵している。

Amazon Echoにテープルの一等地を占領させたりず、デバイスを視界の外に出してスマートホームを実現しようというアイディアだ。 このダウンライトは普段は目立たずに天井で待機しているが、呼びかけられると各種のデバイスの操作、音楽の再生などEchoができることをなんでもこなしてくれる。

Smart Home at CES 2019 - TechCrunch

Acuity Brands Lightingの副社長、住宅設備事業担当ジェネラル・マネージャーのJeff Spencerはプレスリリースで「いくつかのテクノロジーを統合することで、どんな家も多額の費用をかけず、簡単にスマートホームにできる。Juno AIは天井取付型なので目立たず、音声コマンドで各種コントロールが実行されるだけでなく内蔵のJBLスピーカーで優れたサウンド体験もできるようになった」と述べている。

こうしたデバイスはAmazonとGoogleがスマートアシスタントの機能とサードパーティーとの連携を強化するにつれて続々と登場するだろう。今年のCESを見るかぎり、AmazonもGoogleも単に自社のデバイスを売るよりもハードウェア・メーカーにテクノロジーをライセンスすることに力を入れているようだ。

CES 2019 coverage - TechCrunch

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滑川海彦@Facebook Google+

Lenovo、80ドルのGoogle Assitant対応アラームクロックを今春発売へ

AmazonのEcho Spot——枕元に置くフルカラーディスプレイ付き音声入力対応アシスタント——のアイデアは好きだが、AlexaよりもGoogle Assistantの方がいい、という人にとって選択肢は限られていた。

スマートフォンをドックに挿すことはできるが、同じとは言えない。Google Home Hubは、限られた場所に置くナイトスタンドとしてはちょっと大きすぎる。

Smart Home at CES 2019 - TechCrunch

そこに目をつけたLenovoがSmart Clockを作った——80ドルのGoogle Assistant内蔵ベッドサイド用デバイスだ。

前面の480×800タッチスクリーンには、時計のほか天気などの情報を表示できる。Googleカレンダーと同期させれば、ふだんの目覚まし時計の時刻を変更する必要があるとき事前に知らせてくれる。

音楽を聞くための小さなスピーカーを内蔵し、背面には他のデバイスを充電するためのUSBポートがある。全体はソフトなグレイの布地で覆われていて、どんなGoogle Homeデバイスともマッチするだけでなく、80ドルのデバイスとは思えないおしゃれな外観だ。

もちろんGoogle Assistantを中心に据えているので、音声制御オートメーションからテレビのリモコン操作までGoogle Homeでできることはなんでもこなす。

Echo Spotと異なり、Lenovoのクロックには内蔵カメラがない——ベッドルームで使うことを考えると、おそらく懸命な判断だ。

今春出荷予定だとGoogleは言っている。

CES 2019 coverage - TechCrunch

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Lenovoの新型タブレットはAlexaスマートディスプレイとの二役をこなす

Lenovoは優れたスマートアシスタントが何かを知っている。同社はGoogleと組んで最初のサードパーティー製スマートディスプレイを作った会社で、このたびAlexaタブレットも作った。

同社が発表したデバイスは、Smart Tab M10およびP10の2モデル。いずれも10.1インチタブレットで、Amazon Fire以外でスマートアシスタントを搭載した初めてのタブレットだ。商品にはLenovo製の新しいSmart Dockが同梱され、タブレットを置くと「Showモード」になり、充電中はEcho Showとの二役を務める。このドック/スタンドは3 Wスピーカーを搭載し、内蔵スピーカーがAlexaコマンドに聞き耳を立てる。

Lenovoは同製品を一種のトラベル用Echo Showと位置づけていて、この分野では興味深い試みだ。ドックは小さいとは言えないが、全体構成としては、スマートスピーカーをバッグに押し込むよりも間違いなく運びやすい。

こういう製品にどれほどの需要があるか私には定かでないが、旅先でスマートスピーカー離脱症状を経験するTechCrunchスタッフが少なくとも一人いるので、おそらく存在価値はあるのだろう。

タブレット本体に関して、2つのモデルの主な違いはデザインにある。P10の方がスリムで洗練されたデザインで軽量だ。RAM(4 GB)とストレージ(最大64 GB)容量も大きく、7000 mAhの大型バッテリーを搭載している。価格は300ドルでM10より100ドル高い。

両機種とも今月発売予定。

CES 2019 coverage - TechCrunch

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SonyのノイズキャンセリングヘッドホンがAlexaを導入、声で音楽再生をコントロール

ノイズキャンセリングヘッドホンにスマートアシスタントがないことを想像してみよう。それは、2017年へのタイムスリップだろうか? でもありがたいことにSonyは、今日(米国時間1/7)のCESのプレスカンファレンスで、ついに人気製品WH-1000XM3にAlexaなかったことを解決した。

このヘッドホンは今年の第一四半期のどこかで、ファームウェアを改造してAmazonのスマートアシスタントを載せる。ボタンをタップするとAlexaに命令でき、音楽再生のあれこれを指示できる。スマートホームデバイスのコントロールなど、ふつうのAlexaの仕事もできる。

ファームウェアのアップデートはWH-1000XM3と並行して旧モデルWH-1000XM2と、インイヤモデルのWH-1000Xでも行われる。長年わが国の最大の悪夢であった、まだAlexaがあらゆるデバイスにはないという病弊が、快癒に一歩近づいた。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

これまでに売れたAlexaデバイスが1億台を突破した、まだ製品のないAlexa Autoにもすでに100万人が殺到

金曜日(米国時間1/4)にAmazonが行った発表によると、同社のEchoシリーズをはじめとする、音声アシスタントサービスAlexaのユーザー端末デバイスは、これまでの累計で1億台以上売れた。

それは、Amazonのデバイス担当SVP Dave LimpがThe Vergeのインタビューで挙げた数字で、音声アシスタントを多様なハードウェアデバイスに実装して売っていく同社のペースが、非常に速かったことを物語っている。ただしLimpの話の中には、それら端末実装機の何割がAmazon自身のEchoデバイスで、サードパーティ製のAlexaデバイスが残り何割か、という情報はない。〔参考記事

関連記事: The long list of new Alexa devices Amazon announced at its hardware event…Amazon自身のAlexaデバイス(未訳)

同社のビジョンは、回路基板のあるものなら何でもそこにAlexaを入れられる、というものだ。そのことを証明するかのように9月の同社のハードウェアイベントでは、Echoの各種新製品のほかに時計や電子レンジなども含む10種類以上のAlexa対応デバイスが発表された。Limpによると、今市販されているAlexaデバイスは150種類以上あり、その多くは2018年に発売されたものだ。

1億という数字は、まだ成熟の余地が十分にあるプラットホームとしては確かにすごいが、しかしAndroidとiOSという二つの大陸で勢いのある、Google AssistantやApple Siriという強敵にやられないためには、それぐらいアグレッシブでなければならなかった。その強い姿勢のおかげでAmazon Alexaは、スマートホームに関してはGoogleをしのいでいる。それでも後者のGoogle Homeデバイス、とりわけGoogle Home Miniは、かなり健闘しているが。

関連記事: 本年Q2、もっとも売れたスマートスピーカーはGoogle Home Mini

Amazonの低価格AlexaデバイスEcho Dotも、同様に大きな関心を集めている。このデバイスは9月に新しいデザインになり、スピーカーの音量が大きくなった。同社は、発売前のハードウェアでも成功を収めつつある: 車載用AlexaデバイスであるAlexa Autoは、その招待制販売にすでに100万名以上が登録した。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

アメリカでスマートスピーカーは2018年に臨界質量に達した(世帯普及率41%)

今年は、Alexaにとって良いクリスマスだった。そのアプリはApp Storeで連日トップだったし、Alexaを動かすサービスが新しいユーザーの殺到で一時的にクラッシュしたほどだ。でもAlexaにとっては、Google Homeなどそのほかのスマートスピーカーデバイスと共に、ホリデーシーズンだけでなく今年全体が良い年だった。アメリカのスマートスピーカーの世帯普及率は2018年に41%に達し、2017年の21.5%に比べて倍近い増加だ。

RBC Capital Marketsのアナリストたちが12月にリリースした一連のレポートによると、アメリカにおける世帯普及率の倍近い増加は主にAlexaとGoogle Homeデバイスによるものであり、AppleのHomePodの貢献は小さい。

アナリストたちによると、スマートスピーカー全体の普及率41%のうちその約3/4、31%はAlexa対応デバイスが占める。ただし1世帯複数保有もあるので、Google Homeデバイス等=(41-31)=10%とはならない…後述。

彼らの予測では、2021年のAlexa関連の売上は180ないし190億ドルで、Amazonの全売上の5%近くに達する。‘Alexa関連’というのは、デバイスの売上だけでなく、音声によるショッピングやそのほかのプラットホームの売上も含む。今アメリカでは、各家庭等にインストールされているAlexaデバイスは1億台を突破しており、レポートはそのことを指して、Alexaは‘臨界質量’に達した、と言っている。

RBCはAlexaの開発におけるAmazonの進歩にも触れている。取り上げられているのは、夜間の侵入者検出や、煙(初期火災)の検知機能、インターネットがダウンしたときのローカルな音声コントロール、位置対応のリマインダー、高度なルーチン、メールの統合、拡張通話機能などだ。

Alexaのサードパーティアプリのエコシステムも2018年に前年比150%成長し、スキルの総数は6万を超えた。それは5月には4万、2017Q3には25000、2年前にはわずか5000だった。

Google Homeも2018年には勢いをつけ、Googleデバイスの保有率は2017年の8%から23%に増えた。1世帯の保有デバイス台数は1.7台となり、これによりアメリカにおけるGoogle Homeのインストールベースは約4300万台、アメリカ以外が約900万台となる。

しかし今後数年間の売上ではGoogle HomeはAlexaの後塵を拝することになり、Google Home関連の売上は今年が34億ドル、2021年が82億ドル、とされている。

でもPixelやNest、Chromecastなどを含めたGoogleのハードウェア全体の売上は、2018年が88億ドル、2021年が196億ドルと予想されている。

AppleのHomePodがRBCの調査対象になったのは今年が初めてだが、同社の推計によるとアメリカのスマートスピーカー市場でそのシェアは小さく、Amazonの66%、Googleの29%に対してHomePodは5%とされている。

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クリスマスにAlexaがクラッシュ、サーバーの過負荷か

Amazonの今朝(米国時間12/26)の発表によると、Alexaデバイス、中でもEchoとEcho Dotは、ホリデーシーズンのベストセラーだった。しかしクリスマスの日に生まれて初めて自分たちのデバイスをセットアップする新しいユーザーの急増は、Alexaが対応できる範囲を超えていたようだ。クリスマスに何千もの新しいAlexaデバイスのオーナーたちが全員同時に、自分のEchoをAmazonのサーバーに接続しようとしたとき、そのサービスは短時間クラッシュした。

The Guardianが最初に報じたAlexaのサービス停止は、GMTで午前10時ごろ起こり、音楽やスマートホームのコントロールなど、いつもやらせる仕事ができない、という苦情が既存のEchoオーナーたちから殺到した。

インターネットにも、家の中のWi-Fiにも問題ないのに、デバイスをセットアップできない、それはきっとサーバーのダウンだ、という苦情も多かった。

AmazonはGMT 1:43PMに、ヨーロッパでは原因を特定できた、とツイートした

“2時間あまりヨーロッパのEchoデバイスの一部の、接続が不安定でした。”

AmazonのTwitterアカウントがこうツイートしたころには、サービス停止は直っていたから、それは2時間ぐらい続いたようだ。

Amazonのスポークスパーソンも本誌TechCrunchに対して、サービス停止を認めた。

“昨朝短時間、Alexaの一部の顧客に間欠的に迷惑をおかけする問題が起き、サービスとの対話ができなくなりました。現在Alexaのサービスは正常に機能しております。”

サービス停止の原因やその対策について、Amazonは黙っている。しかし原因はたぶん、サービスへのリクエストの急増だろう。クリスマスにはApple App StoreでもGoogle Play Storeでも、Alexaアプリがトップだった。だから大量の、初めてEchoを使うオーナーが、セットアップのためにサーバーに殺到したことがトラブルの原因だろう。

WebサイトDown Detectorも、ヨーロッパで起きたAlexaのトラブルに気づき、ピーク時には2183件の報告が来た、と言っている。報告は2時間後には収まってきた。

Alexaのサービス停止はこれが初めてではないし、今年初めてでもない。このサービスは、サーバーの問題や過負荷によって、ときどき無応答になる。たとえば3月には、Alexaのモバイルアプリが動いているのに音声がダウンした

そして9月には、ヨーロッパ全域でAlexaがダウンした。アイルランドにおけるAWSのダウンが原因らしい。その前月にはアメリカでもサービス停止が起こり、EchoなどAlexaデバイスは、どんなリクエストにも“sorry, something went wrong.”(すみません。問題が起きました。)と答えた。

ヨーロッパはAlexaの成長市場なので、今年は6月にイタリアとスペインに導入した。今ではほかに、イギリス、オーストラリア、インド、ニュージーランド、ドイツ、日本、アイルランドにも対応している。

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AlexaがWolfram Alphaの知識エンジンにアクセスして質問に答える

知識ベースは、Amazon AlexaがGoogle Assistantに比べて後れている分野だった。検索エンジンなどを抱えるGoogleの知識の膨大な量に、太刀打ちできるところはあまりない。でも、手始めにWolfram Alphaなんか、いいかもしれない。このアンサーエンジンは多様な分野のデータや質問への答を作成編纂して提供するが、主な分野は数学と科学だ。

今週からアメリカのAlexaユーザーは、Wolfram Alphaの情報にアクセスできるが、完全な展開には数週間から数か月かかるらしい。以下は、AlexaからWolfram Alphaに訊(き)ける質問の例だ:

Alexa, what is the billionth prime number?(10億番目の素数は何か?)
Alexa, how high do swans fly?(白鳥はどれだけ高く飛べるか?)
Alexa, what is x to the power of three plus x plus five where x is equal to seven?(xが7ならx3+x+5はいくつか?)
Alexa, how fast is the wind blowing right now?(今現在の風速は?)
Alexa, how many sheets of paper will fit in a binder?(バインダーに何枚の紙が入るか?)
Alexa, how long until the moon rises?(あと何時間で月が出るか?)

Wolframは多様なソースから情報を取り出す。自分自身のWolfram Mathematicaのほかに、Crunchbaseなどサードパーティのソースもある。またAlexaも、iMDB, AccuWeather, Yelpなどさまざまなサイトからの情報で自分の知識ベースを作っている。たぶん彼女にとっていちばん重要なのは、Wikipediaだろう。

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Amazon、Alexaの難しい質問への答えをクラウドソーシングで募集

Echoスピーカーを持っている人なら、Alexaに難しい質問をして、困惑した応答をさせようとする「Alexaいじめ」の経験があるに違いない。おそらく、AIを困らせるのがさほど難しないことがわかっただろう。つまるところAmazonはGoogleのように大がかりな知識グラフを持っているわけではない。

簡単な解決方法のひとつは、Wikipediaのように、ユーザーの知識を引き出し知識ベースを充実させることだ。Amazonはそのドアを開いた。ユーザーにAlexaの難しい質問への答えを投稿してもらう招待制プログラムを開始した。

Amazonは以前から Alexa Answersを社内でテストしており、先月だけで10万件以上の応答が集まった。今回このプログラムを、メールで招待した少人数のグループにも公開する。参加を依頼された人は、専用ウェブサイトでAlexaのさまざまな話題に関する質問に答えることができる。

たとえば、Amazonは次のような(あきらかに奇妙な)提示している。「バーバラ・ブッシュはどこに埋められているか?」「指輪物語の音楽を作ったのは誰?」「コルクは何からできているか?」「コウモリは冬どこにいるのか?」など。個人的には全部同じ変人が続けて聞いた質問だと思っている。

応答が追加されるとAlexaはそれを利用できるようになり、「Amazonユーザーから」と注記される。これでデジタルアシスタントへのプレッシャーが少し軽減されるはずだ。ただし、間違った方向に進む可能性もある

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Alexaで慈善団体に寄付できるようになった

2018年のサイバーマンデーに史上最大の売上を記録したAmazonは、Alexaオーナーが「ギビングチューズデイ」に簡単に参加できるようにした。これは感謝祭セールの買い物熱冷めやらぬ中の国際的慈善寄付の日だ。今日からAlexaオーナーは、”Alexa, donate to ‘Toys for Tots'” というだけで子供たちにおもちゃを贈れる

このコマンドを言うと、Alexaはさまざまな年齢の子供たち向けの手頃価格なプレゼントを提示する。

慈善団体が用意したリストには、ミッキーとミニーのぬいぐるみやナーフのフットボール、ボードゲームのモノポリーなどいろいろなおもちゃが集められている、とAmazonは言っている。

ユーザーが注文を確認すると、AmazonはToys for Totsに直接商品を発送する。通常の注文と同じく、配送の追跡も可能でAlexaに “where’s my stuff?” と声をかけるか、Alexa Shopping Notificationsに登録すればよい

Amazonは2018年12月31日まで、最大10万ドルのマッチングドネーションも行っている。

これはまさしく、いちばん簡単なお返しの方法で、これまでになかったものだ。

Amazonは、Alexaプラットフォームを寄付に使うのはこれが初めてであり、成功すれば将来も同様の取り組みを行うつもりだと言っている。

「Alexaはこのホリデーシーズンに報いるいちばん簡単な方法として、顧客がToys for Totsに60秒以内に商品を寄付できるようにした」とAlexaショッピング担当VP Chuck Mooreが声明で言った。「みなさんの惜しみない愛情のおかげで明るい時期を迎えることができた。Alexa Shoppingの発展とともに、Amazonは顧客が自分のためだけでなく、広いコミュニティーのニーズにも答えられるよう、さまざまショッピングニーズを満たしていきたい」

Amazonは、Toys for Totsとの連携以外にも、自分の選んだ慈善団体への寄付金にも対応している。Alexaオーナーは “Alexa, I want to make a donation” と言えば手続きが始まる。

ちなみにAmazon.comは小売業として、Charity Listsという非営利団体向けの新機能を今年公開した。これはユーザーがAmazonで買い物をするたびにAmazonが慈善団体に寄付するAmazonSmileプログラムの一環で、非営利団体は自分たちが必要としている項目のリストを作ることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook