Amazonが本社のあるシアトルで初めてピックアップロケーションを‘開店’、物理店展開多様化

Amazonがやることは何でもシアトルが最初だろう、と思いがちだが、でもどうやら、このオンラインリテーラーの本社所在都市にはまだ、顧客が自分宛の荷物をそこまで取りに行くピックアップロケーションがなかったようだ。

ロケーションはAmazonの小さな荷受センターで、お客はそこに荷物を取りに来たり、返品に来たりする。しかしそれだけではなく、当日限定の品物がいろいろあって、買い物もできる。シアトルのロケーションは14333 Aurora Ave. Nにあって、市の北部地区にサービスする。

アメリカ北西部の最初のロケーションは、シアトルの南に隣接するポートランドの“Amazon@DowntownPortland”で、昨年の9月にオープンした。ただしシアトルにはAmazonFreshの生鮮ピックアップロケーションが二つと、未来のレジ無しコンビニAmazon Goがあり、今後も未来的実験的な施設はシアトルに置かれるのかもしれない。

Amazonのピックアップロケーションは単独店でスタッフもいるから、多くの都市のコンビニなどにすでにあるAmazon Lockersとは違う。またこれらのピックアップロケーションは、Prime会員に同日〜翌日配達を提供し、人間のスタッフがおり、返品用には荷造り資材をくれる。Amazonのピックアップロケーションもコンビニ等のLockersも、どちらもPrime会員でなくても利用できるが、ピックアップロケーションではPrime会員が、事前のオーダーなしで一定の買い物ができる。

昨年Amazonは、学生を対象に“Instant Pickup”という擬似店舗を小規模に展開した。これは、コンビニ+Amazonの荷受センター+スマホ充電が主な機能で、飲み物や多少のアメニティも売っている。今それは、カ州バークリー、ロサンゼルス、アトランタ、オハイオ州コロンバス、メリーランドなどの大学キャンパスにある(計5店)。

そして今回のシアトルのような、学生ではなく一般向けの、スタッフの数も多いピックアップロケーションは、Amazonによると、今全米に30以上ある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

iOS上のAmazon Alexaアプリで音声コントロールが可能に

もう2年以上前にも思えるが、AmazonがAlexaのAndroidアプリに音声によるコントロールを持ち込んだのは実はやっと今年の初めだ。これによってサードパーティのモバイルデバイスにも、Amazonが進出していけるか、と思われた。そしてそのときは、同じ機能性を“もうすぐ”iPhoneにも導入する、と発表された。そして、そのもうすぐが今日(米国時間6/26)になった。

iOS上にAmazonのスマートアシスタントをダウンロードした者は今日から、そのアプリに訊いたり頼んだりできるようになる。もちろんそれはネイティブアプリではない(Appleは自分のスマートアシスタントをとても愛しているのだ)。そこで対話は、ボタンをタップしないと始まらない。

そしてそれ以降は、Alexaに質問をしたり、音楽を聴いたり、スキルにアクセスしたり、スマートデバイスをコントロールしたりなど、Alexaの‘芸’を楽しめる。天気予報やスポーツ、カレンダーなどの問い合わせに対しては、ビジュアルな表示も出る。このアップデートは“数日後から”、無料でダウンロードでき、利用できる。

スマートアシスタントの競争でAmazonには不利な一面がある。ビッグスリーの中でAmazonだけは、独自の、そしてメジャーな、モバイルOSを持っていない。MotorolaやHuaweiなどAndroidのハードウェア開発者とパートナーして、なんとか入り込んでいるが、でもGoogleとAppleは彼ら独自のスマートアシスタントのエコシステムを育てる気だ。

今後モバイル市場で何か大きな策を打ち出さないかぎり、Amazonにとってはアプリをできるだけ多くのiOSとAndroidハンドセットに載せていくことが、モバイル進出の最良の手だ。音声コントロールが加わったことによって、モバイル上のAlexaは突然、Echoデバイスをセットアップするだけのアプリではなくなったのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Ammazon、Prime Wardrobeをアメリカで正式スタート――自宅でゆっくり試着できる

Amazonが「試着してから買えます」というアパレル通販サービスを発表したのは昨年夏だったPrime Wardrobeは招待オンリーのベータテストを終え、今日(米国時間6/20)、アメリカのすべてのプライム会員向けに正式スタートを切った。 このサービスはこれまでも段階的に対象を拡げていたので多くのプライム会員はすでにメンバーになっていたかもしれない。

Prime WardrobeはStitch Fix、Trunkなどの個人別にカスタマイズされたアパレル通販が人気を得ているトレンドに対するAmazonの回答だ。こうしたサービスではユーザーごとにシステムが個人別に選んだワードローブを詰めた箱が定期的に送られてくる。顧客は推薦されたアパレルを自宅で試着してみて気に入れば手元に残し、それ以外は送り返せばよい。

ただしPrime WardrobeはStitch Fixのようなキュレーション・サービスではなく、もっとDIY的だ。つまりスタイリストではなく、ユーザー自身が箱に詰めるアイテムを選ぶ。1回に注文できるのは最低3点、最高8点となっている。試着期間は1週間で、その期間内なら必要ないアイテムは無料で送り返せる。

ライバル同様、Prime Wardrobeも女性だけではなく、男性、子供、ベビーもの対象だ。

このサービスはアパレル通販が抱えてきた最大の問題の解決を狙っている。つまり試着だ。

衣類というのはたとえ同じ号数でもデザイナーごとにサイズや形状が異なる。アイテムのサイズや着心地、自分に似合うかどうかなどは試着してみる以外知る方法がないことが多い。試着してみると短すぎたり、長すぎたり、どこかがつれたりする。生地の風合い、ドレープの形状、縫製の出来、等々気になる点は無数にある。

その点、自宅の姿見の前でじっくり試着できていらないアイテムは簡単に送り返せるというのは、こうした障害を取り除くのに絶好だ。

ただAmazonのアパレルのオンラインの品揃えのすべてがPrime Wardrobeの対象ではないのでご注意。ユーザーはPrime Wardrobeのセクションにあるアイテムのみ注文できる。

取り扱うブランドはAmazonのオリジナル以外、Lilly Pulitzer、Tommy Hilfiger、Adidas、Guess、Levi’s、Calvin Klein、Nine West、Fossil、Lacoste、Hugo Boss、Stride Rite、Disney、Puma、Crazy 8、Gymborree、New Balance、Stuart Weitzman、Rebecca Taylor、J Brand、A|X Armani Exchangeなどのビッグネームが揃っている。【略】

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Amazon、ホテル向けAlexaシステムの提供開始

Alexaがホテルの客室にやってくる。Amazonは今朝、Alexa for Hospitalityと呼ぶ新プログラムを発表した。ホテルチェーンやバケーションレンタルなどあらゆるタイプの宿泊施設向けに音声アシスタントを提供するというものだ。このシステムは、チェックアウト時刻やプールのオープン時間といった宿泊施設の主な情報が含まれるようにカスタマイズできる。また、宿泊客は部屋の清掃やルームサービスなどをリクエストをすることも可能だ。もちろん、空調を調整したりブラインドを開けたりといった“スマート”ホテル客室機能を操作できるように設定することもできる。

この新プラットフォーム展開にあたり、AmazonはMarriottと提携する。この提携は、かなりの規模の投入となるだけでなく、MarriottがこれまでSiriとAlexaの両方のデバイスをテストしてきたという点を鑑みても大きな意味を持つ。

Amazonによると、Marriottインターナショナルはグループ傘下のMarriott Hoteles、Westin Hotels & Resorts、St. Regis Hotels & Resorts、Aloft Hotels、Autograph Collection Hotelsの中からセレクトした施設で今夏このAlexa新サービスを導入する。

また、このシステムは招待制ながら他のホテル運営者へも今日からオープンとなった。

Alexa for Hospitalityは、そのホテル向けにカスタマイズされたEchoを客室に設置して提供される。現在利用できるデバイスはAmazon Echo Dot、Echo、Echo Plusだ。

Echoを介して宿泊客は、フィットネスセンターの場所や、プールのオープン時間、その他一般的なことを尋ねることができる。加えて、ルームサービスやフロントデスクへの問い合わせ、清掃、スパといったことについてもAlexaに聞くことが可能だ。

Amazonいわく、このシステムはホテルですでに採用されているDigValet、Intelity、Nuvola、Volaraといったテックと協働する。これにより、宿泊客は「Alexa、ワインを注文して」「Alexa、スパの予約を入れて」と話しかけることができ、こうした依頼はサービス運営や、POSシステム、リクエストシステムに反映される。

Amazonの宣伝ビデオで、宿泊客がEchoを使ってホテルの部屋から自宅の子供に電話をかけているように、Alexaは電話としても部分的に利用できる。

ホテルがしようと思えば、照明やブラインド、サーモスタット、そしてテレビまでコントロールできる“スマートホーム”などの機能もカスタマイズできる。

中でも、World Cinema、GuestTekといった客室用エンターテイメントプロバイダーとも連携し、テレビを音声で操作できるようになるのも大きい。また、Crestronや、HoneywellのInncomなどを使った接続機器のコントロールもできるようになる、としている。

加えて、ホテルのブランドに合うようなミュージックステーションが流れるように設定されているiHeartRadioやTunelnを使って音楽やラジオを流すこともできる(近隣の部屋への迷惑とならないよう、ホテル側で音量調整が可能だ)。

ワークアウトや、空港での待ち時間、瞑想、ホワイトノイズなど、ホテルが独自に提携するサードパーティのアプリーMarriottはTEDと提携ーも使えるようになる。TEDが提供されるMarriottのホテルでは、客は心温まるようなTEDトークを、あるいはクリエイティビティに富むものを、またはリーダーシップについてのものをというふうにAlexaにお願いできる。

しかし、Alexa for Hospitalityは部屋に置くEchoだけを指しているわけではない。ホテル側が各種情報をアップデートしたり何か新しい機能を持たせたり、設定調整したり、使用状況を追跡したりできるダッシュボードを介してEchoを設定できる一連のツールを指す。

Amazonによると、デバイスは数分で設定できるように設計されていて、もしオフラインになったら管理者にすぐに通知がいくようになっている。

またホテル管理側が、分析やレポートを通して宿泊客がどれくらい使用したかを測定することもできるようになっている。

サービス開始時は利用できないが、このプラットフォームでは将来、宿泊客が滞在中、一時的に自分のAmazonアカウントに接続し、客室内のEchoを個人仕様にすることができるようになる。

これは、おそらくこのプラットフォームで一番注目すべき機能だろう。

ホテルというのは、これまでどこもやっていなかったようなゲストサービスを提供するためのテクノロジーを取り入れることで客にアピールできる。たとえば、客が楽しむためのホテル情報を搭載したAndroidタブレット。あるいは、そばにスマホを置いて暗い中で眠れるように抜くこともあるファンシーなクロックラジオなどだ。

ホテルの部屋で使うAlexaを、“あなたの”Alexaに変えることで、宿泊客はAmazon MusicやSpotify、Pandoraなどに入っている好みの音楽、またAudibleのオーディオブックを聴くことができる、とAmazonは話す。

普段からAlexaを利用している人はこのAmazonのバーチャルアシスタントの利便性を知っていて、正直なところ、これによりホテル側は宿泊客の増加を期待できる。Alexaユーザーなら、旅行時にAlexaがないということを忘れてAlexa、と話しかけたことがあるだろう。

しかし今後はホテルにAlexaがいる。

Amazonによると、現在バケーションレンタルのRedAwning、Thompson Hotels、Joie de Vivre、Destination Hotels、AlilaといったTwo Roads Hospitalityのブティックライフスタイル施設でもこの新プラットフォームをテストする方向で作業を進めているという。

このシステム導入費用が果たしていくらなのか、デバイス購入で大量注文割引などはあるのか、Amazonはふせている。

「Marriottは客へのサービスの一環としてイノベーションに取り組み続けてきた。Alexa for Hospitalityを初めて導入する施設であることに興奮している」とMarriottインターナショナルの顧客満足担当副社長Jennifer Hsiehはサービス開始のプレスリリースでこう述べている。

「私たちの顧客の多くが、自宅で音声テクノロジーを使用していて、その利便性を旅先でも提供したい。Alexa for Hospitalityを利用できる初の施設はCharlotte Marriott City CenterとMarriott Irvine Spectrumになる。宿泊客からのフィードバックや使用状況をみて、私たちのホテルでAlexaを通じてどういった機能やサービスが展開できるのかを検討することになる」ともコメントしている。

MarriottはAlexa for Hospitalityを今夏、全米10の施設で導入するとしている。ここには、同社が新サービスを真っ先に導入するノースカロライナのCharlotte Marriott City Center、カリフォルニアのMarriott Irvine Spectrumも含まれる。その他の8施設はWestin Hotels & Resorts、St. Regis Hotels & Resorts、Aloft Hotels、Autograph Collection Hotelsブランドとなる。

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(翻訳:Mizoguchi)

Amazon、宅配ロッカーの “Hub” を全米展開

AmazonのHubが登場してから約1年がすぎた。同社はアパート居住者用の配達ロッカーを静かに導入し、その後さまざまな問題点を解決してきたに違いない。今日(米国時間6/19)午前、Amazonは同サービスを正式発表し、全米展開を開始した。

サービス自体はAmazonが一部地域でこれまで実施してきたものとさほど変わらない。ロッカーは建物内に置かれ、利用者はキーパッド経由でアクセスする。アイデアは、管理人から荷物が届けられるのを待ったり、直接配達を受け取るために時間を合わせたりする手間を省くことだ。

毎度のように不在票を受け取っては、郵便局の長い行列に並んでいるアパート住民の一人として、私はこのアイデアを支持したい。そして正直なところ、私は玄関(や車)への出入りをAmazon(あるいはほかの誰か)に託すやり方をあまり気に入っていない。イレギュラーな形状の荷物をどう扱うかはまた別の問題だ。

今回のニュースで特に興味深いのは、これがAmazon専用ではないことだ。同社によると、Hubは「どの送り手からの配達」にも使えるという。では同様のサービスを提供するほかのサービスではなくAmazonを使う理由は何か? 当然価格だ。Amazonはライバルを出し抜くことにかけていつもぬかりはない。Hubも例外ではないはずだ。しかもシステムの24時間サポートも提供している。

同社は、すでに50万世帯が新サービスを利用可能で、毎月「数千単位」で増やしていくと言っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Amazon、開発者向けAIカメラ “DeepLens” を249ドルで販売開始

昨年11月のre:Inventカンファレンスで、Amazon AWSはDeepLensを発表した。これは開発者向けに作られたもので、視覚に特化した機会学習モデルの開発とプロトタイピングに利用される。同社は数ヶ月前にDeepLensの予約を開始し、今デベロッパーに向けて出荷が始まった。

今日の発売に先駆け、私はシアトルのワークショップでDeepLensのシニアプロダクトマネージャー、Jyothi Nookula、および AmazonのAI担当VP、Swami Sivasubramaniaとともにハードウェアとソフトウェアサービスを体験する機会を得た。

DeepLensは実質的にはUbuntu-/Intel Atomベースのカメラ付き小型コンピューターで、単体でビジュアル機械学習を実行できる能力をもっている。DeepLensは総合性能は約106 GFLPSだ。

ハードウェアは一般的な入出力ポート(Micro HDMI、USB 2.0、オーディオ出力など)を備え、カメラが裏庭でクマを見つけたら警告を送るおもちゃアプリから、工場のベルトコンベアーを監視する産業アプリまでさまざまなアプリのプロトタイプを作ることができる。4 Mピクセルのカメラは何か注目を浴びるものではないがほとんどの用途に十分適している。当然ながらDeepLensは他のAWSサービスと深く統合されている。AWSのIoTサービスであるGreengrassはDeepLensにモデルを配信する際に利用し、Amazonの機械学習モデル構築用最新ツールであるSageMakerとも連携する。

こうした連携は、非常に簡単にカメラを使い始められるのにも役立っている。あらかじめ用意されているモデルを使えば、10分足らずでDeepLensを設定しモデルを組み込んで利用できる。プロジェクトテンプレートの中には、20種類の物体を識別する別体検出モデルや、カメラ画像をゴッホ風に変換するスタイル変換モデルや顔認識モデル、猫と犬を区別するモデル、約30種類の動作(ギターを弾く、など)を認識できるモデルなどがある。DeepLensチームは、頭部の姿勢を追跡するモデルも開発中だ。そうそう、ホットドッグ検出モードもある。

それだけではない。開発チームはワークショップの中で、機械学習の経験がまったくないデベロッパーでも既存のテンプレートを簡単に拡張できることを強調していた。ひとつには、DeepLensプロジェクトが2つの部分からなっているためだろう。モデルおよびモデルの出力に基づいてモデルのインスタンスをアクションを実行するLambda機能だ。AWSは、ベースにあるインフラストラクチャーを管理することなくモデルを簡単に作るためのツールとしてSageMakerを提供している。

DeepLensのハードウェアは実質的に小さなコンピューターなので、それ自身でさまざまな開発が可能だが、おそらくもっと強力なマシンで開発してからAWSコンソールを使ってDeepLensに転送する方がいいだろう。それでもDeepLensを低性能デスクトップマシンとして使いたいという人のために、Ubuntu 16.04がプレインストールされている。

機械学習のフレームワークに慣れているデベロッパーなら、DeepLensを使うとCaffe、TensorFlow、MxNetなどほぼすべての人気ツールから簡単にモデルをインポートできる。またAWSチームはMXNetモデルをDeepLensデバイスでより効率よく動作するための最適化ツールも作ったことも報告しておく。

ではなぜAWSはDeepLensを開発したのだろうか? 「DeepLensカメラを作った理由は、われわれが自身に問いかけたある単純な疑問にあった:機械学習もデベロッパー全員の手に届けるにはどうすればよいか?」とSivasubramanianは言う。「ブレーンストーミングを重ねた結果、最も有望な発見は、デベロッパーは実際にデバイスに手を触れて開発するのが大好きだというアイデアだった」。しかしなぜAWSはパートナーと協力するのではなく独自にハードウェアを作ったのか?「われわれには具体的な顧客体験のアイデアがあり、すべての体験が本当に簡単であることを確かめたかったからだ」と彼は言った。「このハードウェアを買って、Amazonからこのツールをダウンロードして、などと言っていると環境が揃うの2~3日かかってしまう。それでは、ディープラーニングを学んで何か楽しいものを作ろうとワクワクしている人にとっては長すぎる」

そういうわけで、、これから機械学習を使ったプロジェクトを始めたい人は、DeepLensをAmazonから購入できる。249ドルは安くはないが、すでにAWSを使っていて——しかもすでにLambdaも使っていれば——おそらく簡単に機械学習アプリケーションを作り始めることができるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Microsoftが社内チーム+パートナー数社で独自のレジ無し小売店技術を開発中か

今朝(米国時間6/14)のReuters(ロイター通信)の記事によると、Amazonの話題を喚(よ)んだ物理店におけるレジ不要(cashierless)技術に、Microsoftが挑戦するようだ。その記事によると、Microsoftはお客がショッピングカートに入れた物を調べる技術を開発中だが、その技術的詳細や他社製品との違いについては触れていない。

でもそれは、Amazonなどの既存のシステムと似たものになるのではないか。たぶん。

AmazonのコンビニエンスストアAmazon Goは、商品棚に取り付けたセンサーやカメラ、そしてAIの複雑なネットワークを使って、お客が自分のバッグに入れた物を追跡する。またStandard Cognition, AiFi, AVA Retailなどの類似システムは、それぞれ独自の機械視覚技術によりレジ代替システムを作っている。AVAを含む6社は、MicrosoftのパートナーとしてMicrosoftのクラウド上で、それぞれ独自の店頭技術を作っている。

Microsoftの社内にも10〜15名のチームがBusiness AIグループの一員として小売店技術を研究開発している。上述の記事によると、その中にはAmazon Goからスカウトしたコンピュータービジョンのスペシャリストもいるそうだ。そのチームは、ショッピングカートにカメラを付けたり、スマートフォンを使うさまざまな決済方法をすでにテストしたそうだ。

これらの開発努力の焦点は、技術それ自体だけでなく、資金力のない零細小売店でも採用できる安価な技術を目指さなくてはならない。

Microsoftはすでにリテイラーに対するマーケティング活動を開始しており、彼らにサンプル的な技術を見せている。WalmartもMicrosoftの見込み客に含まれているようだ。ただし店舗側はReutersの記事に対しコメントを提供していない。

この分野でMicrosoftがAmazonに勝つ気なら、新しい独自のレジ無し店でますます既存小売店をいためつけようとしているAmazonに、彼らが対抗できるための技術を提供すべきだろう。そう、金持ちの巨大テクノロジー企業Amazon vs. 貧乏小売店の味方Microsoft、という構図だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AmazonのAlexa Blueprintsで作った自作スキルを家族や友人と共有できる

【抄訳】
この春Amazonは、コードを書けない人でもAlexaのスキルを作れるサービス“Alexa Blueprints”を導入した。今日(米国時間6/13)からはそのスキルを、テキストメッセージやメール、WhatsAppのようなメッセージングアプリ、FacebookやTwitterやPinterestのようなソーシャルメディアでほかの人と共有できるようになる。

友だちや家族が使うスキルは、Amazonが提供しているテンプレートをご自分のコンテンツで満たすだけで作れる。コード(プログラム)を書く必要はない。Amazonは、共有機能はたとえば勉強グループ(や研究グループ)がフラッシュカード的なスキルを作ったり、誕生日を家族で共有するために利用できる、と言っている。後者の場合は、スキルが誕生日プレゼントになるかもしれない。

Blueprintsは今のところ、家でAlexaと遊ぶための楽しい方法だ。たとえば、“いちばんすてきなお母さんは誰のお母さん?”という質問に答えさせたり(もちろん、私の、だ)、家族の好きなジョーク集を作ったり、雑学クイズを作ったりできる。

でも、スキルを自作するユーザーはそんなに多くない。それは、Alexaのユーザーにとって必須ではなく、ちょっとした遊びだから。

スキルを作るのは、簡単だ。Amazonがテンプレートを提供していて、そこにはすでに見本が書かれているが、それを自分のニーズに応じて書き換えればよい。

そして、自分が作ったスキルのリストを見るとき、“Access”のところのステータスを”just me”(自分だけ)から”shared”(共有)に変えれば、そのスキルは共有される。共有をやめたいときは、”revoke”(取り消し)を指定する。

共有によってそのスキルのリンクが作られるから、そのリンクをメールなどで送れる。もらった人がリンクをクリックすると、Alexa Blueprintsのサイトへ行って自分のためにそのスキルを有効にできる。

Blueprintsのスキルは個人利用が前提だから、それをAlexa Skill Storeで一般公開することはできない。でもBlueprintsのサイトでAlexaオーナーのコミュニティを作れるし、また、ほかの人たちのコラボレーションを誘ってもよい。

たとえば、ある特定のテレビ番組の大ファンたちが集まって、その番組の超難度の雑学クイズをコラボで作ると楽しいだろう。近親者や親戚なども含めた大家族の中で、あなたが唯一のテクノロジー通なら、そんなみんなのためのスキル集を作って共有してもよい。

Alexa Blueprintsのサイトは、ここだ 。〔いろんな作例が載っている。〕

【後略】

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Kindle Unlimited史上最大の悪用ユーザーが追放された

Kindle UnlimitedのベストセラーやSF/ロマンス/アドベンチャー作品から何階層も離れたこのKindle Direct Publishingマーケットの最暗部には、詐欺師が毎日数百ドルを稼ぐために作られたまったくのゴミ作品が存在している。自らをChance Carterと呼ぶ一人のユーザーは、KDPシステム最大の悪用ユーザーであり、中身のまったくない本を繰り返しアップロードしては1冊あたり15ドル以上を懐に入れている。

Digital Readerによると、Carterは他の本をもとに長編書籍を作っている。数百ページにわたる最初にページに、最終ページに行けば無料プレゼントがもらえる旨書かれている。KDPは著者に対してダウンロードおよび読まれたページ数に応じて支払い、読むスピードは調べておらず、到達した最大ページ番号だけしか見ていない。このためChanceの「読者」たちは1回読むと直ちに約20ドルを彼だか彼女だかに送っていた。

このキセル本詐欺は、Kindle Unlimitedにアップロードする本の中に山ほどの余分なページを詰め込み、読者をだまして本の最終ページまでジャンプさせるしくみだ。

Kindleプラットフォームの欠陥、中でも読者が読んでいる場所はわかっても実際何ページ読んだかはわからないという点をついて、詐欺師はユーザーを最後のページにジャンプさせることで本を「読んだ」ことにさせて支払いを受けることができる。

実際この手のKDP詐欺は極めて異例だ。Amazonは詐欺師がKDP「プール」——KDP作家たちに配られるべき数百万ドルの口座——から現金を引き出すのを防ぐ取り組みを続けてきたが、本件はあまりにも長期に渡りかつ巧妙だったため、これらの本をストアから削除するのに時間がかかったのも驚きではない。ちなみに、この最終ページジャンプ詐欺は新しいKindleでは使えないが、アップデートしていないKindleでは今も通用するため、未だに詐欺師を儲けさせている。

Carterは、本を最後までめくればティファニーのジュエリーを無料プレゼントすると言っていた。もちろんこれはKDPの規約違反である。

Carterとその本は追放されたが、同じような詐欺師は今でもいる。これ自身は犯罪ではないが、Kindle電子書籍を汚染し、市場にゴミコンテンツをもたらすものだ。ほとんどの人はこの人を小ばかにしたトリックにかかることはないだろうが、ひっかかる人もいるので、読者にとっては危険であり詐欺師にとっては朗報だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

AmazonのFire TV CubeはEchoを内蔵したセットトップボックスだ

Amazonが今日(米国時間6/7)、そのますます混雑してきたリビングルーム向け製品群にまた一つ加えた。消費者は混乱すると思うが、今度のCubeはFire TVとEchoのギャップを橋渡しすることがその差別化要因だ。これまでのセットトップ製品にもAlexaのコントロールはあったが、今度のCubeはスマートスピーカーEchoの機能を完全に実装している。

というより、Cubeは大きな立方形のEcho Dotみたいだ。たしかにルックス的には平凡だが、上部の4つのEchoボタンや、Alexaが聴いていることを示すブルーのライトなど、おなじみの要素が揃っている。

この、正式名Fire TV Cubeは、GoogleがI/Oカンファレンスで発表したJBL Link Barを見倣っている。それはChromecastを内蔵して、不使用時にはGoogle Homeそのものだが、Amazonの場合はスピーカーはEchoのような機能のためだけにある。ホームシアター的なものは、完全にユーザーにおまかせだ。

そのためお値段は120ドルとお手頃だ。これには、IR延長ケーブルとEthernetアダプターが含まれる。しかもあと二日間の予約購入者には90ドルになる。200ドル出すと、Amazon Cloud Camとのセットになる。いよいよ、家中、Amazonのハードウェアだらけだ。

セットアップもかなり簡単だ。これをテレビに接続すると、機種を判定する(ユーザーが手入力してもよい)。最初に、テレビの音について質問するから、それに答えてオーディオをセットアップする。それから、ケーブルのプロバイダーやzipコードを指定し、使用を開始する。ケーブルや衛星テレビの事業者は、その90%に対応している。

もちろん、今ではAlexaによるテレビのコントロールもできるし、8つの遠方界マイクがついているので、ほかのEchoデバイスとコミュニケーションできる。

Fire TV Cubeは6月21日発売だ。

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Motivのフィットネスリングは行方不明のiPhoneを見つけてくれる

Motivのフィットネスリング(指輪)を試してみて、意外にも感動した。実はぼくは、リングなんかに興味ない方だが、でもハードウェアスタートアップがフィットネスバンドを超えたものを作ろうとしている姿勢に好感を持てる。しかも彼らは、信じられないほど有能な製品を作ってしまったのだ。またその小さなウェアラブルに次々と新しい機能を加えている律儀な態度も良いね。

4月には、このリングはAlexaの機能を獲得し、Androidをサポートした。今週はAmazonのスマートアシスタント向けの機能をやや増やし、また、紛失したスマートフォンを見つける能力を持たせた。この最後の機能は、これまででいちばん、人びとの関心を惹きそうではないか。なくしたiPhoneがBluetoothの圏内にあれば、リングを数回振ると音や振動で居場所を知らせてくれる。

Alexaの機能としては、もっと詳しいフィットネス情報を教えてくれる。活動をした時間(分数)や、消費カロリー、睡眠時間、ウォーキングの歩数などだ。またCirclesのように、同じリングをつけている友だちとフィットネスの実践情報を共有できる。

どれも、それほどすごい機能ではないけど、小さなハードウェアに対してイノベーションを継続維持していく姿勢には、感心してしまう。

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AWSのBIツールQuickSightがセッション課金制を導入して気軽な利用を促進

Amazon AWS上のビジネスインテリジェンスツールQuickSightは2015年にローンチしたが、しかし競争の激しいBI市場にこのサービスが与えたインパクトを量るのは難しい。でも同社にこのプロジェクトをギブアップする気配はなく、今日はQuickSightのダッシュボードのセッションあたりの課金という、新しい料金プランを導入した。それは明らかに、TableauやMicrosoftのPower BIが大きなマインドシェアを握っている市場に、食い込む努力の一環だ。

この新しい料金プランでも、ダッシュボードの作成と発行に関しては一人あたり月額18ドルのままだ。しかしダッシュボードの内容を読んで利用する者は、1セッションあたり30セントを払い、最大月額が一人あたり5ドルになる。1セッションの定義は、ログインしてから最初の30分のことだ。

それまでのQuickSightの料金プランは、一人あたり月額9ドルのスタンダードプランと、Active Directoryと保存時の暗号化がサポートされる24ドルのエンタープライズプランの二種類だった。

月額9ドルのプランは今後も残り、ダッシュボードを作る人と利用する人が同一人物であることの多い小企業にはこれで十分だろう。今回の新しい料金プランは、既存のエンタープライズプランと併存せず、それを置換する。

QuickSightはすでに、Tableauなどに比べるとかなり低料金だったが、しかしその機能の揃いぐあいについては、評価が低かった。今度のセッションあたりの料金制は、安売りをさらに強調するだけだ。

AWSでQuickSightを担当するVP Dorothy Nichollsは、今日のコメントでこう述べている:

“Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)が提供するスケーラビリティの優れたオブジェクトストレージや、従来のソリューションの1/10の費用で利用できるデータウェアハウジングサービスAmazon Redshift、そしてAmazon Athenaが提供するサーバーレスのアナリティクスにより、AWSは、かつてなかったほどのペースで、顧客がデータを保存し利用する場所になりつつある。そしてそれにより、知識労働者たちのほぼ全員が、それらのデータと、そこから得られるインサイトへの、容易なアクセスを求めるようになっている。それは、ほとんどの企業における近年の大きな変化だ。企業が全社にわたってそのような要求を満たすことは、かつては費用的に不可能だったが、Amazon QuickSightのこのたびのセッション課金制により、情報とアナリティクスへのアクセスが、新しい時代を迎えようとしている”。

QuickSightの現在のユーザーの中には、NFL, Siemens, Volvo, AutoTraderなどがいる。

画像クレジット: TechCrunch

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オーストラリアの人たちは7月からAmazonのアメリカのサイトで買い物できなくなる

7月からは、オーストラリアの人はAmazonのアメリカのサイトで買い物ができなくなる。今日(米国時間5/30)の同社の発表によると、オーストラリアからの買い物客は自国のサイトAmazon.com.auへリダイレクトされ、同社の国際的なサイトであるAmazon.comはオーストラリアの住所に発送をしない。この変更は7月1日に施行される新しい税制への対応で、それによると年商75000AUD(オーストラリアドル)以上の企業から消費者が少額品目を輸入すると、それに対し10%のGoods and Services Tax(商品およびサービス税, GST)がかかる。

“Amazon税”と呼ばれるこの新しい施策は、Amazonなどの大きな海外eコマース企業が、すでにすべての販売品目でGSTを払っているオーストラリアの小売企業に与える、影響への懸念により導入された。これまでは、海外小売企業から買った品目が1000ドル以上だった場合に限りGSTが適用されていたが、それに対し地元企業は、それではAmazonやeBayなど海外の競合他社にとって不公平に有利だ、と主張していた。

Amazonのオーストラリアサイトは昨年12月に開設され、今では6000万品目を扱っているという。それはAmazonのアメリカサイトの推定5億品目の足元にも及ばない。その埋め合わせとしてオーストラリアの顧客は、Amazon.comが新たに設けたGlobal Storeで400万品目にアクセスできていた。

本誌TechCrunchに宛てたメールでAmazonのスポークスパーソンは次のように述べている:

“7月1日に施行されるオーストラリアのGST法の改正により、オーストラリアの顧客のための国際的ショッピングオプションが変わる。

これによって顧客にご不便が生ずるとしたらそれは残念だが、われわれは複数の国際的サイトのあるグローバル企業として、その税制への有効な対応策を検討せざるをえない。そしてその検討に基づき、われわれはオーストラリアの顧客を弊社の国際的サイトからamazon.com.auへリダイレクトし、今日からそこで、従来Amazon USのGlobal Storeで売られていた製品をお買い上げいただくことになる。これによってわれわれは、われわれの顧客に、国際的な特選製品へのアクセスを提供し続けることができ、そしてまた、Amazonのサイトで売られ海外から発送される製品に対してはGSTが課税されるという、新しい税制へのコンプライアンスを維持できる。”

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AWSのグラフデータベースNeptuneが一般公開、既存の主要なグラフAPIもサポート

AWSが昨年のre:Inventカンファレンスで紹介したグラフデータベースNeptuneが、今日(米国時間5/30)から一般公開された。それはあのとき発表された数十ものプロジェクトのひとつだから、思い出せない人がいても不思議ではない。

NeptuneはTinkerPop GremlinSPARQLのグラフAPIをサポートしているので、いろいろなアプリケーションと互換性がある。AWSによるとこのサービスはエラーから30秒以内に復旧し、99.99%の可利用性を約束する。

AWSでデータベースとアナリティクスと機械学習を担当しているVP Raju Gulabaniは次のように語る: “世界がますます接続された世界になるに伴い、互いに接続された大きなデータセットをナビゲートするアプリケーションが顧客にとってますます重要になる。そういう時期に、スタンダードなAPIを使って何十億もの関係性を数ミリ秒でクェリできる高性能なグラフデータベースサービスを提供できることは、たいへん喜ばしい。これにより多くのデベロッパーが、高度に接続されたデータセットを扱うアプリケーションを容易に作って動かせるようになるだろう”。

Neptuneに好適なアプリケーションといえば、ソーシャルネットワーク、リコメンデーションエンジン、不正行為検出ツール、エンタープライズのインフラストラクチャの複雑なトポロジーを表現しなければならないネットワーキングアプリケーションなどだ。

Neptuneにはすでに、有名企業のユーザーがいる。それらは、Samsung, AstraZeneca, Intuit, Siemens, Person, Thomson Reuters, そしてAmazon自身のAlexaチームなどだ。AlexaのディレクターDavid Hardcastleが、Neptuneの発表声明の中でこう述べている: “Amazon Neptuneは、Alexaの数千万の顧客のためにAlexaの知識グラフを継続的に拡張していくための欠かせないツールキットだ。今日はその正式スタートの日だが、これからもAWSのチームと協力してさらに良いユーザー体験を顧客に提供していきたい”。

今このサービスは、AWSのU.S. East(N. Virginia), U.S. East(Ohio), U.S. West(Oregon), EU(Ireland)の各リージョンで利用できる。そのほかのリージョンでも、今後随時提供されていく予定だ。

・関連記事: Amazon、re:inventカンファレンスでグラフDB、Neptune発表

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Amazonの顔認識ソフトウェアを人権団体がプライバシー侵害で懸念、AMZNは歯牙にもかけず

Amazonは、Rekognitionを隠していたわけではない。2016年の晩(おそ)くに、この巨大ソフトウェア企業は、その顔検出ソフトウェアをAWSの比較的穏やかな記事で紹介し、その技術をすでに、オレゴン州ワシントン郡の保安官事務所が被疑者同定のために採用している、と発表した。

しかし今週、ACLU北部カリフォルニア州支部が、この技術に厳しい光を当て、このサービスが“市民の自由と権利に関する深刻な懸念をもたらす”、とする文書〔複数形〕を入手した、と発表した。

その問題の文書は、ワシントン郡が持つ30万の顔写真データベースと、郡の行政官などがそれらの顔を調べるためのモバイルアプリの存在を、とくに指摘している。また、Amazonはそのサービスの顧客を、ボディーカメラのメーカーなど郡以外にも拡大したい、と請願したとも言っている。

その北部カリフォルニアACLUのブログ記事(上記)を書いた同団体の弁護士Matt Cagleは、別の記事でこう述べている: “誰もが、政府に監視されずに通りを歩けるべきである。Rekognitionのような技術には、監視社会を自動化しこの自由を侵す危険性がある。とくに今日の政治的風土においてすでに不法に標的とされているようなコミュニティ〔複数形〕に、脅威をもたらす。このような強力な監視システムがいったん作られて展開されれば、その弊害を取り除くことはきわめて困難である”。

The Washington Post紙が、このACLUの記事に関して郡の広報担当Jeff Talbotに取材した。その担当官は同紙に対して、その技術は今あるシステムに限定されている、と語った。曰く、“われわれの目標は、防犯に関してわれわれがやっていることを公開して人びとにそれを正しく知ってもらうことだ。そのためにあえて言うならば、それは監視社会でも無差別監視でもない”。

Amazonは、その技術は本質的に人に対して侵襲的ではないか、という本誌の質問をはぐらかした。本誌宛ての社名入り声明で、こう述べている: “技術としてのAmazon Rekogniには現実世界で役に立つアプリケーションがたくさんある。そしてこのようなAIサービスの効用は、今後ますます多くの企業がAmazon Rekognitionのような先進的な技術を使い始めるに伴って、増加する一方である。一部の人びとが技術を悪用するからといって新しい技術を非合法化していたら、今日の私たちの生活の質は今よりずっと悪かったであろう。コンピューターが不法な目的に使われる可能性があるから、お客にコンピューターを買えないようにしたら、どうなっただろうか。AWSのどのサービスもそうであるように、Amazon Rekognitionに関しても私たちは、遵法性と責任ある使い方を顧客に要請している”。

画像クレジット: REMY GABALDA/コントリビューター

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Amazon Alexaがさらに賢くなって会議の日程を調整してくれる

スマートアシスタントがどんどん賢くなっていろいろな機能が追加されている。しかし人間のアシスタントだったら難なくこなせるような仕事をデジタル化するのはかなり難しい場合がある。

そういう中でAmazon Alexaとカレンダーとの連携がさらに便利になった。Alexaに導入されたのは日程を調整するために他の人と共有しているカレンダーを操作する機能だ。

従来から会議などの日程調整のために他の人とカレンダーを共有することが可能だった。新機能ではAlexaは両者に好都合な時間帯を音声コマンドで見つけてくれる。「Alexa、[名前]とミーティングの時間をスケジュールして」(Alexa, schedule a meeting with [name])と呼びかけるだけでよい。スマートアシスタントがユーザー自身と相手のカレンダーを調べて両者ともに空いている時間帯を2つ見つけてくれる。

基本的な制限として、アポの時間が変更になってもAlexaからキャンセルして新しいスケジュールを設定することはできない。ただし既存のアポの日時を動かすことはできる。これは当初からAlexaに実装されていてもいい機能だったと思うが、遅れても来ないよりましだ。これらの機能は当面アメリカのユーザー向けで今日から利用できる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Amazonがセラーのビジネスの合理化/自動化を助けるアプリ専門のアプリストアを立ち上げ

Amazonが新しいタイプのアプリストアを立ち上げ、とくにそこには、セラーの在庫管理や受注管理などを助けるツールが並ぶことになった。その新しいアプリストアはMarketplace Appstoreと呼ばれ、AmazonとAmazonの審査を通ったサードパーティデベロッパーがAmazon MarketplaceのAPI、Amazon Marketplace Web Service(Amazon MWS)を使って作ったアプリを揃えている。CNETの報道によると、このMarketplace Appstoreは今日(米国時間5/21)、セラー向けにローンチされた。

現在Amazon上のセラーは約200万社いて、そのうち100万あまりがアメリカの中小企業だ。Amazon MWSは、セラーが自分の在庫と受注とロジスティクスに関するデータをAmazonと共有して、さまざまなタスクを自動化するための総合的なWebサービスAPIだ。セラーが自分のアカウントや他のセラーのためのアプリを作ることもできる。

AmazonはCNETに次のように語っている: “たくさんのデベロッパーがうちが提供しているツールを補うようなアプリケーションを作って、それらを弊社(Amazon)のサービスに統合している。今回Marketplace Appstoreを作ったのは、そういうアプリケーションを見つけやすくし、彼らのビジネスのオペレーションを合理化し、結果的に今よりも良い顧客体験を作りだすためだ”。

Marketplace Appstoreへのデベロッパーの参加や利用は無料だが、当面はAmazonに申込書を提出して、審査に通らなければならない。

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これからはラップトップを買うとAlexaがプレインストールされている

それはまさしく、時間の問題だった。自社のスマートアシスタントをありとあらゆるハードウェアに載せるというAmazonの妄執は今や、AcerのSpin 3と5に始まるWindows 10ラップトップも飲み込もうとしている。Alexaをサポートする両機種は、すでに店頭に並んでいる。

Acerはこのアシスタントを、全面的に導入するつもりのようだ。Alexaは同社のほかの機種にも載るらしく、数週間後にはゲーム用ラップトップNitro 5 Spinとそのオールインワンたちにやってくる。既存の機種に対しては、今週後半以降に始まるソフトウェアのアップデートが、Alexa導入の機会となる。

Alexa担当VP Steve Rabichinはプレスリリースで、Acerと協働できて嬉しい、と言っている。もちろんだろう。PCは、AmazonにとってもAlexaの次の攻略対象だったはずだ。PCはどの家庭にもあるし、Amazonにとってスマートホーム進出の足がかりになる。そしてモバイルは、サードパーティとのパートナーシップにより、じわりじわりと行くのだろう。

しかしPC上ではもちろん、MicrosoftのCortanともろに激突する。M社は、Windows 10国におけるCortanaの強力な地位を奪われたくない。AppleはSiriをMacOSに持ち込んだし、GoogleはPixelbookなどの上で支配権を強めようとしている。

しかしAlexa on Windows 10の基本機能は、Echoスピーカーとあまり変わらず、天気予報やスマートホームのコントロールが主になるもようだ。でもAlexaがPC上で本当に地歩を固めるためには、PCならではのユニークな機能を必要とするだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

トランプ大統領、郵政公社にアマゾン配送料の倍増を要求

ワシントンポスト紙の新たな報道によると、トランプ大統領は郵政公社(USPS)のトップMegan Brennanに、アマゾンや他の企業の商品の配送料を上げるよう、個人的に圧力を加えた。

ネタ元は匿名だが、これまでのところ郵政公社の総裁はトランプ大統領の圧力に抵抗しているという。もし値上げが実施されると、オンライン小売やその他の企業にとって何十億ドルもの負担増になる。

ご存知の通り、いつからかアマゾンはトランプ大統領の攻撃の的となっている。3月下旬、大統領は自身のツイッターに「郵政公社に“何十億ドル”も負担させているのは“詐欺”だ」「もし郵便局が配送料を上げれば、アマゾンの送料負担は26億ドルに増える。この郵政詐欺をやめさせなければならない。アマゾンは本当のコストを(税金も)今すぐ払え!」と書き込んだ。

Brennanは、アマゾンのような企業との契約は郵政事業にとっていいものではない、という考えに反対の姿勢をとっているとされる。トランプ大統領とのミーティングで、アマゾンとの契約のメリットについて証拠を示し、また複数年にわたる契約を反故にするのは簡単ではないことも指摘している。

トランプのアマゾン攻撃は明らかに個人的な要素を含んでいる。何回にもわたって、少なくとも3月下旬に大統領がアマゾンとそのオーナーであるジェフ・ベゾスをツイッターで攻撃したことについての要約はこちらにうまくまとめられている。大統領のアマゾン批判は実際には2015年ごろに始まっている。ベゾスはワシントンポスト紙のオーナーでもあり、トランプは同紙の報道を事あるごとに“フェイクニュース”と声を大にして批判している。

郵政公社がアマゾンとの契約の料金体系について具体的に明らかにしていないのも、この問題を不透明なものにしている。公表していないのは、競合他社に“不当なアドバンテージ”を与える恐れがあるからだ。しかしながら、郵政事業が2017年に27億円の損失を出したという事実はあるものの、郵政公社はアマゾンとの契約で収益をあげているとも主張している。

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(翻訳:Mizoguchi)

AWSの仮想マシンサービスEC2にローカルなNVMeストレージが付随するインスタンスが登場

AWSの仮想サーバーEC2は、そのオプションが日に日に増えている。今日(米国時間5/18)加わった新しい仮想マシンは、ローカルなNVMeストレージによって、標準的なSSDよりも相当速いスループットを提供する。

このC5dと呼ばれる新しいインスタンスは、このサービスがすでに提供している、コンピュート(処理能力)優先で最適化されているC5インスタンス群の仲間に加わる。AWSはC5について、ハイパフォーマンスコンピューティングのワークロードやリアルタイムのアナリティクス、マルチプレーヤーゲーム、ビデオエンコーディングなどのユースケースに適する、としているが、今回高速ストレージのオプションが加わったことによって、さらなるパフォーマンスの向上が望めるだろう。

そのローカルストレージは仮想マシンに付随するので、インスタンスが停止したらそれも終了する。だから長期的なストレージではなくて、一時的なファイルの保存に向いている。

C5とC5dのインスタンスは共に、同じプラットホーム、3.0GHz Intel Xeon Platinum 8000プロセッサーを共有する。

この新しいインスタンスは今、アメリカとカナダのリージョンで利用できる。料金は通常のC5インスタンスよりやや高くて、オレゴン州のリージョンではもっともベーシックなRAM 4GBのマシンで1時間$0.096からだ。通常のC5マシンは、1時間$0.085からだ。

なお、FPGAを使用できるF1インスタンスも、NVMeストレージを提供している。それらは非常に高度な専用マシンで、C5のような一般的なデベロッパー向けではない。

AWSは今日のNVMeインスタンスの発表と並行してEC2のベアメタルインスタンスの一般公開についても言及した。これらの仮想マシンはその下の物理マシンへのダイレクトアクセスを提供し、仮想マシンだけでは要求を満たせないアプリケーションに理想的な運用環境を提供する〔関連記事〕。またコンテナのクラスターの安全な稼働にも適している。これらベアメタルインスタンスも、NVMeストレージをサポートしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa