Appleは近々音楽ストリーミングに参入する―しかしSpotifyなどライバルにもチャンスはある

Appleが大規模な音楽ストリーミング事業を準備中であるのは間違いない。TechCrunchのJosh Constine記者も書いていたように、Appleはテイラー・スウィフトの所属するレコードレーベルBig Machineを買収することさえ検討しているようだ。Dr. DreとBeatsを傘下に収めたAppleがストリーミング・ビジネスに参入すればまさにモンスター級の存在となるだろう。それではSpotifyのような既存のプレイヤーは道端に掃き捨てられてしまうのだろうか?

AppleやFacebook、Googleなどの巨人が新しいテクノロジー分野に興味を示すと、既存の小規模な事業者は逃げるしかない―でなければ踏み潰されてしまう、というのがこれまでの常識だった。

今回もライバルはAppleの動きを慎重に見定める必要があることは確かだ。しかしAppleのストリーミング・サービスの市場制覇がすでに保証されているわけではない。Appleのやることだからといってすべてスラムダンクとなりはしない。

私自身、iPhone、iPad、MacBook Airを所有しているが、だからといって自動的にAppleのストリーミング・サービスに乗り換えようとは思わない。私はこの2年ほど毎日potifyを使っている。昨年は月額10ドルでCMなし、聞き放題のサービスを契約した。聞きたい曲がすべて入っているわけではないが、十分多数の楽曲が聞ける。

Appleがはるかに満足度の高いサービスを提供してくれるのでなければわざわざ乗り換える気にはならない。もしAppleがサービスのプラットフォームにiTunesのソフトウェアを使うのであれば、それは大きな足かせになるだろう。iTunesはAppleの音楽サービスのアキレスの踵ともいうべき弱点だ。私自身は避けられるものなら避けたい。

iTunesストアはまた別の話で、すでに私のクレジットカード情報を保管している。しかしiTunesはわれわれが音楽ファイルをいちいち買っていた時代に構築されたプラットフォームだ。Appleはまずこのプラットフォームを「定額制の聞き放題のストリーミング」に改めることを迫られている。Beatsを32億ドルで買収してからかなりの時間が経つが、この投資から最大の利益を上げるためには音楽ストリーミング・ビジネスへの参入を避けるわけにはいかないだろる。.

シェア獲得の筋道

Appleは一度の大胆なキャンペーンに賭けず、何度かにわけたキャンペーンでシェアを獲得しようとするだろう。傘下のBeats、そしてスーパースターのDr. Dreと音楽界の伝説的プロデューサー、ジミー・アイオヴィンの影響力を最大限に活かすだろう。

同時にAppleは膨大なキャッシュにものを言わせて、ミュージシャンに有利な契約を提示し、料金も低く抑えるかもしれない。Beatsのヘッドフォンをストリーミング・サービスと巧みに組み合わせることも考えられる。

当初から成功できなくても、Appleには無尽蔵の資金があるから、サービスを拡充、運営していくことには何の問題もないはずだ。

Pingという大失敗

ただし、Appleが触れるものは常に黄金に変わるというわけではない。数年前にAppleが音楽ソーシャルネットワーク事業を立ち上げたことを読者は記憶しているだろうか? 覚えていないとしてもやむを得ない。そのPingはごく短命で印象に残らない存在だった。Pingは2010年にスティーブ・ジョブズ自身の華々しいプレゼンと共に立ち上げられた

当時TechCrunchの記者だったM.G. Seiglerはこう書いている。

「(Pingは)FacebookとTwitterとiTunesを合わせたような存在だ。ただし、Facebookでもないし、Twitterでもない。Pingは音楽に特化したソーシャルネットワークだ」とジョブズは説明する。その規模は驚くべきものだ。すでに23ヵ国に1億6000万人のユーザーがいる―iPhoneとiPod touchのiTunesストアの一部としてすでにアプリはインストールずみだ。

だがほとんどのユーザーはPingを無視した。2012年9月にPingは死んだ

Appleの膨大なリソースをもってしてもPingは大失敗に終わった。もちろんAppleはこの失敗から多くの教訓を得ただろうし、ストリーミング・ビジネスの参入の際にそうした教訓が役立つことだろう。

Spotifyその他には依然として優位性がある

根本的な問題は、Appleがいかに努力しようと、それはAppleのサービスだという点にある。Spotify等はクロスプラットフォームのサービスだという点に重要な優位性がある。世界のスマートフォンの80%はAndroidなのだ。

Spotifyはレッドツェッペリンやメタリカなどの有力な独占コンテンツを持つ他に、エージェントを介さず直接契約するミュージシャンを最近、多数ひきつけるようになっている。当然ながらこうしたフリー・ミュージシャンは多数のサービスが競争することを望んでいる。

Spotifyは小規模なストリーミング・サービスを買収することで体質強化を図るだろうと私は予想している。Appleという巨人の参入は市場の集中化を進めることになるだろう。

もうひとつ重要なのは、音楽ストリーミング市場は巨大であり、複数のプレイヤーが存在する余地が十分あるという点だ。Appleが独自のストリーミング・サービスを開始したからといって、その分だけライバルのビジネスが奪われるというものではない。モバイル・サービスの市場全体と同様、ストリーミング・サービスも向こう数年にわたって急成長を続けるはずだ。それに忘れてはならないが、複数のサービスと契約する消費者も決して少なくないだろう。

Appleの参入に関連してひとつだけ確実なのは、プレイヤー間の競争が激しくなるということだ。これは消費者にとって大きな利益となる。消費者はコンテンツ、価格、プラットフォームなどさまざまな要素を考慮して好みのサービスを選ぶことができるようになる。

Appleはストリーミング・サービス参入にあたって、Beatsなど有力なリソースを傘下に持っているが、 Pingの失敗が教えるとおり、腕力だけでは成功できない。ユーザーから選ばれるためにはAppleも他のライバル同様、努力を積み重ねていく必要がある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


世界(日本を除く)でiPhoneがAndroidからシェアを奪う―米では販売台数1位を奪回

世界的広告代理店WPPの市場調査事業部であるKantar Worldpanel ComTechから世界のスマートフォン市場の2014年第4四半期の調査結果が発表された。Appleは大画面のiPhone 6、6 Plusの大成功によって新たな記録を樹立した。最重要市場のアメリカで3年ぶりに販売台数の首位を奪回した。

Kantorのレポートによれば、アメリカでiPhoneは各種Androidの合計を上回る台数を販売した。iPhoneが販売台数で1位になったのは2012年の第4四半期以来だ。ただしその差はごくわずかで、あるいは誤差の範囲内かもしれない。iOSが47.7%であるのに対してAndroidは47.6%だった。

もっと重要なのはこれが季節的変動に過ぎないのか、長く続くトレンドを現しているのかという点だ。KantarはAppleの製品ラインアップがAndroidに対して優位に立ったとみて、今後もAppleに有利な展開が続くと予想している。.

一方、MicrosoftのWindows Phoneシリーズは依然として無視しうる程度のシェアから抜け出すことができずにいる。ドイツ、イギリス、フランス、イタリー、スペインの ヨーロッパのトップ5市場はNokiaの販売網とユーザーという遺産のおかげ有望視されていたが、Windows Phoneは対前年同期比で1%ポイント下落し、9%のシェアにとどまった。.

最近までNokiaのSymbianデバイスが中国スマートフォン市場でトップであり、それ以前は世界でトップだった。そのSymbianの直系の後継者たるWindows Phoneがこの現状というのは驚くべき転落ぶりと言わねばならない。

2大陣営が確立した後の3位以下には過酷な運命が待っている。BlackBerryはKantarの統計から消えてしまった。

しかしトップシェアのAndroidは今期、世界的にダウンした。ヨーロッパのトップ5市場でAndroidはアメリカと同じく、3.8ポイントもシェアを落としている。特にイギリスではiPhoneが13.1%ポイントもアップし、Androidが7.5%ダウンした。イギリスのスマートフォン市場ではiPhone 6が20%を占めて首位に立っている(Galaxy S5は2位だが、シェアは8%と大きく引き離された)。

とはいえ、EU全体でAndroidは66%のシェアを握って依然トップだ(キャリヤとそれ以外の流通経路での販売の合計)。

もうひとつの重要市場、中国でもiOSがシェア動向では一人勝ちとなった(Appleは四半期決算報告でも160億ドルの売上など中国で好調であることを力説した)。ただし小米(Xiaomi)などローカル・メーカーンの躍進でAndroidは77%とシェアの低下は1.6%ポイントにとどまり、iOSは21.5%だった。

Kantarによれば、スマートフォンの普及率はアメリカで59%、EUで67%に達しているのに対して、ブラジルでは35%、メキシコでは37%にとどまっている。これらの市場で最初にスマートフォンを買うユーザーを誰が押さえるかがこうした市場の将来を占う上で重要になる。

Kantorの主任研究員、Carolina Milanesiによればアメリカ、EUにおけるAppleのブランドロイアルティーの平均は「きわめて有望な87%」だという。

なおAndroidの中ではSamsungが依然として売上台数の首位を確保している。Galaxy S5はiPhoneに次いで2を占めた。

〔日本版〕Kantorが調査した市場では、イタリーと日本以外のすべての市場でAndroidのシェアがダウンしている。またイタリーを含む日本以外のすべての市場でiOSのシェアがアップしている。これに対してAndroidのシェアがアップし、iOSのシェアがダウンした市場は日本だけだが、同時にiOSのシェアが依然として38%と極めて低いのも日本市場のみの特徴だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Appleのアプリストアでは83%110万あまりのアプリが”ゾンビ(生ける屍)”化している

アプリの世界は依然として活況を呈していて、iOSのApp Storeも成長が鈍化せず、今では142万本あまりのアプリがひしめき合っている。アプリの分析をやっているadjustの、最新の報告書がそう言っているが、この報告書でおもしろいのは、消費者にとって実質的に見えなくなってしまったアプリについて数字を挙げていることだ。adjustはそれらを、“ゾンビアプリ”(zombie apps)とやさしく(?)呼んでいる。今では、App Storeのアプリの83%がゾンビで、昨年1月の74%からさらに増加している。

この場合のゾンビでないアプリの定義は、3日のうち2日(全期間の2/3)はApp Storeのトップ300に登場していたアプリだ。そういうアプリはユーザがアプリのカテゴリーで検索すると自然に発見される。今現在、世界155か国のストアが、300のアプリを23のジャンルに分けて表示している。また、“ゲーム”というジャンルには、さら18のサブジャンルがある。無料と有料に分けたリストもあるので、一つのアプリが複数のリストに載ってる可能性もある。

しかしゾンビ状態のアプリは、アプリのタイプを具体的に指定したり、アプリの名前を正しく指定しないかぎり、見つからない。

報告書によると、App Storeのゾンビアプリは2014年1月の65万7778から12月の113万6501へとほぼ倍増した。同じ期間にアプリの総数は、88万9231から137万2371へと、54.3%増加している。

アプリの数が100万に達したのは、3月だった。ゾンビが100万に達したのは9月だ。

競争の厳しいジャンルと、それほどでもないジャンルがある。たとえば“ビジネス”は、今や世界的に成功しているいくつかのアプリが支配し、新人はなかなか食い込めない。それならむしろ、競争の緩い“生産性(Productivity)”とか“金融”に移った方が、よいかもしれない。

“ナビゲーション”や“スポーツ”は、地域性があるため、ゾンビ率は低い。彼らは比較的少数のローカルなアプリと競争している。

また、アプリの多いジャンルほどゾンビ率も高い、という傾向がある。たとえば、App Storeで最小のジャンルである“天気予報”は、半数のアプリがトップリストに入っている。

一方、アプリの数が25万を超えるようなジャンルは、ゾンビ率が高い。“ゲーム”がその好例で、ゾンビ率は80%だ。サブジャンルでリスト入りするアプリも、その22.9%は親ジャンルの“ゲーム”にまったく登場しない。ゲームのマーケターは、サブジャンルを重視すべきだろう。

ゾンビ率は、国によっても違う。ドイツと中国のApp Storeはそれぞれ80.6%、81.3%とゾンビ率が高く、一方日本とロシアは77.6%、73.2%と低い。アプリの競争相手が少ない国はゾンビ率も低いが、その国の言語にローカライズされたアプリはランクが上がり、ゾンビを脱することもある。

今では、かつてのSEO(検索エンジン最適化, Search Engine Optimization)と並んで、ASO(アプリストア最適化, App Store Optimization)という言葉もある。 どちらも、リスト上のランクを上げるためのテクニックだ。自分のアプリのランクを上げたいデベロッパは、勉強してみてはいかがだろうか。

Appleでは一つのアプリに対して三つのジャンルを指定できるが、そのとき、なるべく競争の激しくないジャンルを選ぶと、ゾンビ化の可能性も低くなる。

adjustの報告書は“アプリストアは死んだ”というどぎつい言い方をしているが、アプリストアのリストがゾンビだらけでも、今の消費者はリスト以外のアプリの見つけ方を知っている。特集やコレクションの方が参考になる場合が多いし、アプリを検索してもよい。Apple自身も、昨年の春に関連検索のヒントをユーザに提供するなど、アプリ発見方法の改良に努めている。

しかしアプリの発見方法では、今やFacebookなどの方がAppleよりも進んでいる。とくにFacebookの場合、モバイルオンリーの月間アクティブユーザ数が5億2600万いて、同社の広告収入36億ドルの69%がモバイル広告だ。その中でとくに多いのが、アプリのインストールを誘う広告で、ユーザをいろんなアプリストアへダウンロードのために連れて行く。それらのターゲット広告はFacebookにとってドル箱であるだけでなく、個人化されているからユーザにとっても役に立つことが多い。

adjustの報告書はここで入手できる。そこには国際的なアプリマーケットの動向など、アプリ産業全体のトレンドも書かれている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


iPhone 6は大量のAndroidユーザを奪った、この広大な草刈り場がAppleの今後の伸びしろになる

Appleの最新のiPhoneの顧客は、古いiPhoneからのアップグレードだけではなくて、むしろその大多数はそのほかのプラットホームからの移行だ。AppleのCEO Tim CookはWall Street Journalのインタビューで、最近iPhoneを買っている消費者の相当大きなパーセンテージが、iPhone以外のデバイスから来ている、そしてその多くがAndroidからの移行だ、と述べた。これはたぶんAppleにとって、前四半期にiPhoneが7450万台売れたという新記録よりも良いニュースだ。なぜならこの数字(Androidからの移行)は、まだまだこれからも伸びる余地が大きいからだ。

前四半期にAppleが達成した巨大な数字を見て、一種の天井観を述べるアナリストも少なくないが、でも重要なのは売上の数字よりもむしろ、それがどんな形で達成されたのか、だ。AppleのCEO Tim Cookは、最初の一台目のスマートフォンを持っている/いた大量の初心者的ユーザを重要な機会ととらえ、中国本土のような市場での同社の成功はそのことを実証している、と述べている。

未開拓のスマートフォン市場のサイズは、世界経済の動向にも左右されるし、とくにハイエンド機の市場は景気の影響を受けやすい。それに対して、今Android機を持っているスマートフォンユーザの数は、具体的に把握できる。それは巨大な市場であり、ここ数年、着実に成長してきた。

iPhoneが今置かれている状況は、Macがたどってきた過程と似ている。Macも初期には成功し、その後競合製品に市場を奪われ、それから再び盛り返した。ただしiPhoneはMacのように、途中、綱渡り状態になったことはなく、むしろ市場で一貫して維持してきた実力が、競合機種からの大量移行を招き寄せた。iPhoneがAndroidユーザに対して発揮した強い説得力を、MacがPCユーザに対して持つならば、それは巨大な売上に結びつくと思うが。

Androidデバイスが今後、その機能や魅力においてiPhoneを上回るものになる、とは考えられない。対してAppleは、iPhoneの大型画面機を出すことによって、多くの人たちがどっとiOSのハードウェアに流れる要素を作り出した。そしてSamsungが舵を失った船のようになってる今は、Appleにとって、向かうところ敵なし、という楽ちんな状態になってしまった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ティム・クック曰く、Apple Watchは4月に発売


Apple Watchは4月から一般販売が開始される、とApple CEO Tim Cookは語った。Cookは今日の2015年Q1収支報告会見で、この目標とする発売予定時期を明かした。昨年9月にApple Watchが初めて発表されたとき、発売時期は「2015年初め」と説明されていた。

Apple Watchの発売日は、発表以来あらゆる噂の対象となり、最近では3月という報道もあった。Cookが実際の発売日を多少でも明らかにしたことは、通常は未発売製品の確実な発売日を決めないAppleらしからぬ行動だが、何ヵ月も前にこのハードウェアの予告発表をしたこと自体、既に標準的手順から外れていた。

しかし、Apple Watchのより具体的なスケジュールを決めることによって、噂された3月にこのウェアラブルが登場しなくても誰も驚かないことが約束される。さらにデベロッパーがソフトウェアの適切なリリース時期を決めるのにも役立つ。Watchのプラットフォームをターゲットにしたいデベロッパーは、今のところバーチャルシミュレーションだけが頼りで、デッドラインも設定されていなかったが、4月という出荷時期が発表されたことで明確な目標が出来た。

AppleがApple Watchを事前発表した決断の裏には、デベロッパーをプラットフォームに引き入れたいという事情もあったので、今回の発表はその点でも有効だ。製品発表にまつわる通常に秘密性もこのケースには必要ない。昨年の事前発表によって既にWatchへの期待は広く抱かれている。

「私は毎日使っているが、とても気に入っていて、これなしでは生きられない」とCookは会見で語り、同製品に対する彼自身の興奮を表した。さらに彼は、Appleはもっと早く出荷したかったのではないかというアナリストの質問に答えて、4月という時期はAppleが定義した「2014年初め」の範囲内であることを強調した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Apple、2015年Q1の売上746億ドルは全企業の四半期売上史上最高


先ほどAppleは会計2015年第1四半期の収支を発表し、売上746億ドル、純利益は180億ドル、1株当たり3.06ドルだった。これは企業の四半期売上として史上最高であり、Gazprom、Royal Dutch Shell、およびExxonMobilを上回った。前年同期と比較すると、売上は29.5%増、EPS(7対1分割調整後)は47.8%増だった。

Fortuneのアナリストらの合意は、売上687.1億ドル、EPS 2.68ドルで、売上、EPS共にそれぞれ19.3%、29.3%の伸びを予想していた ― これは常軌を逸した成長予測である。具体的に、アナリストらはiPhoneの販売が同社の業績を推進すると予想していた。しかし、こうした予測も、今日のクレイジーな四半期売上には遠く及ばなかった。

iPhoneはこの四半期の明白な勝者である。Tim Cookは収支会見で、本四半期は、新規iPhoneユーザーが史上最大数を記録し、AndroidからiPhoneへの乗り換え率も最高だったと語った。

Apple自身による、前四半期報告時のガイダンスは、売上635~665億ドル、総利益率37.5~38.5%と予想していた。Appleの見通しは過去1年半にわたって実に正確で、予測の上限は実際の報告に極めて近かった。しかし今回のAppleの予測は控え目にすぎ、自身による見通しを大幅に上回った。

「この驚くべき四半期を顧客に感謝している。Apple製品への需要は史上最高に達した」とApple CEO Tim Cookはリリース文に書いた。「売上は昨年から30%増の746億ドルとなった。この結果を出したわれわれのチームの努力には敬服するばかりだ。」

ハードウェア

今期AppleはiPhoneを745万台、iPadを214万台、Macを550万台売った。1年前と比べると、iPhoneが46%増え、iPadが17.7%減少した。詳細はこちらを参照されたい:iPhoneの売上、およびMacの売上

海外売上

多くのアナリストは、Appleが初めて中国のiPhone売上が米国を抜いたことを発表すると予想していた。AppleはiPhoneの地域別販売業績を発表していないが、海外売上はAppleの全売上の65%を占めており、中国での売上は161億ドルに達する。中国売上の詳細はこちら

株式市場とガイダンス

発表から数分後、時間外市場では114.48ドルで取り引きされており、これは今日の終値より4.89%高である。

Apple自身による2015年Q2のガイダンスは、売上520~550億ドル、利益率は38.5~39.5%。2014年Q2の売上は456億ドルだった。Apple Watchが同社の次期売上を引き上げることは期待しないように。ついさっきTim Cookが発売は4月になると発表したばかりだ。

画像提供:Bryce Durbin

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Apple、iOS 8.1.3をリリース―アップデート時の空きメモリ必要量が大幅減、検索のバグ修正

ApplegがiOS 8.1.3をリリースした。このアップデートでは、いくつかのバグ修正に加えてiOSのアップデート時にデバイスに必要とされる空き容量が軽減された(このアップデート自体はわずか247MB)。iOS 8のローンチ後、多くのユーザーがデバイスに空き容量が足りないためアップデートを見送っていた。

バグフィックスとしてはSpotlightの検索の不具合が修正された。

またメッセージとFacetimeを利用する際、一部のユーザーがApple IDのパスワードを入力できない問題とiPadでの3本指、4本指のジェスチャーの不具合が解決された。

われわれはiPhone 6 Plusにこのアップデートを適用してみたが、特に問題は発見されなかった。おそらく安全だろうと思われる。

〔日本版〕トップの画像中のテキストを翻訳しておく。

  • アップデートv時に必要とされる空き容量の減少
  • メッセージとFacetimeを利用する際、一部のユーザーがApple IDのパスワードを入力できない問題の修正
  • Spotlightでアプリの検索結果が正常に表示されない問題の修正
  • iPadでマルチタスク・ジェスチャーが正常に作動しない問題の修正
  • 〔アメリカの〕標準学力テストに対応するコンフィグレーション・オプションの新設

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Apple Watchのアクティブ使用時間が数時間でも十分な理由


Appleの来たるべきウェアラブル製品は未だに多くの疑問を呼び起こしているが、バッテリー寿命はその中でも最大の関心事だ。9to5Macの最新情報によると、Appleはこのスマートウォッチが、ゲーム等のプロセッサーを多用するアプリを2.5時間、標準的アプリを3.5時間、バックグラウンドのフィットネストラッキングを4時間、それぞれ連続使用できることを目標にしているらしい。殆どの時間表示がオフであるような平均的利用についてのAppleの目標値は19時間だが、初期ハードウェアはまだこの期待に答えていないと、同誌の情報源は言っている。

記事はさらに、Apple Watchチームの当初の期待はもっと高く、それが発売時期が昨年末から今年にずれ込んだ理由の一つだろうとも指摘している。記事にある数字は一見、Appleウォッチャーの間で少々懸念を引き起こしそうに思える。アプリの連続使用3.5時間というのは、例えばiPhoneと比べてもかなりひどい数字だ。

しかし、たとえAppleがこれらの数字をある程度達成できなかったとしても、Apple Watchの商品としての成功に影を落とすことはないと考えられる理由がいくつかある。まず、このデバイスは現実的には、たまに使われるガジェットであり、それはデベロッパーに課した初期の制約からも見てとれる。Appleはデベロッパーに対して、WatchプラットフォームをiPhoneの情報を伝達するための経路であると位置づけ、迅速なアクションのためのデバイスであり、継続的な利用には向いていないことを示している。

Appleにとって、既存製品の能力も有利に働いている ― Android Wear端末のバッテリー寿命は大体同じくらいで、少し良いものも悪いものもある。重要なのは、利用時間は短かく毎日充電するものであることを、消費者が事前に納得していることだ。バッテリー寿命は、Appleが今後の製品世代で同等あるいはそれ以上に保たなければならない指標だが、スタート時点では、現在ウェアラブルに対して消費者が期待する水準を目安にできる ― 他の面の体験が秀でていれば。

これは、次に指摘するAppleの優位性へとつながる。初代iPhoneは「通話、ビデオ、およびブラウジング」をわずか5時間しか約束しなかった。それは競合する当時のスマートフォンBlackBerry等の長いバッテリー寿命と比べて貧弱なものだった。Apple Watchは、記事を見る限り、そこまでひどくはなく、はるかに短時間の利用が想定されているため電源への負担も少ない。

実際、初代iPhoneはバッテリーに関してライバルにかなり遅れをとっていたが、その体験は、毎日携帯を充電するなどという面倒なことをする人はいない、と言っていた否定論者たちを黙らせるに十分だった。もちろん、もっと長いバッテリー時間への期待はあるが、現実にはPebble以外に存在せず、そのPebbleも、Apple Watchがデビューした暁には、ユーザー体験において、かつてのBlackBerryとよく似た立場におかれるだろう。

様々な現行デバイスに対してバッテリーへの不満は多いが、特定のデバイスタイプ、あるいは特定のハードウェアの売れ行きに致命的影響を与えた例は見当たらない。Appleは今回賭けに出ることができるだろう ― それ以外すべての面で、新しいレベルの洗練と機能を提供する限り。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


2014年の米国テック業界M&Aまとめ、今年の注目は自動車とヘルスケア

編集部注:この原稿はScrum Venturesの宮田拓弥氏による寄稿である。宮田氏は日本と米国でソフトウェア、モバイルなどのスタートアップを複数起業。2009年ミクシィのアライアンス担当役員に就任し、その後mixi America CEOを務める。2013年にScrum Venturesを設立。サンフランシスコをベースに、シリコンバレーのスタートアップへの投資、アジア市場への参入支援を行っている。また、最近サンフランシスコでコラボレーションオフィス、 ZenSquareを開設した。連絡先はこちら(Facebook / Twitter )。

2014年の米国テック業界では、日本円にして2兆円を超えるFacebookのWhatsApp買収を筆頭に、Nest(32億ドル / Google)、Beats Music(30億ドル / Apple)、Oculus VR(20億ドル / Facebook)など、1000億円を超える大型買収が相次ぎました。

詳細な統計データが出てくるのはもう少し先だと思いますが、引き続き盛んであった2014年の米国テック系M&Aを振り返り、その傾向の考察と、2015年に向けての展望を考えてみたいと思います。

まずは時系列で振り返る

筆者が運営するScrum Venturesでは、投資活動の一環として、米国におけるスタートアップの資金調達、M&A、IPOの情報を毎日収集し、分析しています。下記はその中からピックアップした2014年の注目すべきM&A案件のリストです。

新しい「プラットフォーム」の獲得

上半期で注目すべきは、Facebookによる「WhatApp」(関連記事)と「Oculus」(関連記事)の2つの大型買収です。

WhatsAppは、LINEと同じメッセンジャーの会社で、当時4.5億人のユーザを抱えていました。LINEとは異なり、ユーザーに年間1ドル課金をしているため、2000万ドル程度の売上があると言われていましたが、それでも、190億ドルというのは破格の買収額です。

一方のOculusは、Virtual Reality(VR)用のプラットフォームを開発する会社です。Mark Zuckerbergよりも若い22歳のCEOが立ち上げたばかりのスタートアップに20億ドルの値段がついたことは大きなニュースとなりました。

この2つのM&Aに共通するのは、Facebook自身が巨大なプラットフォームでありながら、今後成長が予想される「新しいプラットフォーム」を獲得しにいったということです。

メッセンジャーに関しては、その成長は明らかで、買収時に4.5億人だったWhatsAppのユーザー数はわずか1年弱で7億人まで成長しており、本体のSNSを凌駕する勢いです。

一方で、VRに関しては、まだ正式な製品リリース前ですが、買収時のポストでZuckerberg自身がコメントしているように、次のプラットフォームとしてかなり期待しているようです。モバイルに関しては、どこまでFacebookが成長してもAppleとGoogleのOSの制約から逃れられない立場であるため、ハードそしてOS全てを自由にデザインできる自分たちのプラットフォームを手にしたいと考えているのでしょう。今後の「VRプラットフォーム」の行く末には注目したいです。

買収で加速するGoogleのIoT戦略

もう一つ、上半期での注目はGoogleによるスマートホームデバイス「NEST」の買収です。AppleでiPodやiPhoneを手がけたメンバーが立ち上げたNESTは、2011年に発売した「スマートサーモスタット」が大ヒット。その素晴らしいUXが話題となりました。

Googleは、このNESTを自社のIoT戦略の核と位置づけています。先日オフィスを訪問して来ましたが、社員数は急拡大しており、現在800人(!)にまで膨れ上がっているということでした。NESTはこの買収直後に “Works with NEST“ というパートナープログラムを発表しており、様々なスマート家電がNESTと連携して動くアライアンスを進めています。

NESTを核としてM&Aも進めており、6月には家庭用監視カメラメーカーであるDropcamを買収しています。Android社の買収によってスマホプラットフォームとしての座を築いたのと同様に、IoTの分野でこの買収がどのような成果を上げるのか注目をしたいです。

止まらない「動画」の拡大:広告、ゲーム、 MCN

また、年間を通してみられた大きなトレンドは「動画」です。

Facebookによる動画広告プラットフォームLiveRailの買収、Amazonによるゲーム動画プラットフォームTwitchの買収、Disneyによる大手MCN(複数のYouTubeチャンネルと提携し、効果的なチャンネル運営や視聴者獲得のためのサービスを提供する組織)、Maker Studioの買収など例を挙げればきりがないほど、動画系のM&Aは花盛りでした。

これまで動画というと、長くYouTube一強時代が続いていましたが、インターネットの高速化、スマホの普及などにより、作成、共有、視聴、広告などバリューチェーン内のあらゆる分野でのイノベーションが期待される分野です。

コンサバ企業のM&A:Eコマース企業を買った老舗百貨店

もう一つ、ユニークなM&Aの事例をご紹介します。TrunkClubという男性向けEコマースのサービスを、全米最大の百貨店 Nordstromが3.5億ドルで買収しました。TrunkClubは、2009年創業の「スタイリストが選んでくれた洋服が自宅に届き、その中で欲しいものだけ購入し、残りは返す」という「キュレーション型富山の置き薬」と言えるサービスで、ビジネスは結構順調だったようです。日本ではまだあまり目にしない「巨大市場の老舗企業による新興企業の買収」ですが、ネットビジネスのさらなる拡大に伴い、ある種の防衛策として今後ますます増えるカテゴリーのM&Aだと考えています。

2015年のM&Aを占う

最後に、2015年の米国のM&Aの動向を予想してみたいと思います。2014年同様、2015年も引き続き活発なトレンドは変わらないと思います。小さなAcqui-hire(人材獲得型M&A)から大きな戦略的M&Aまで、様々なM&Aが起きて行くものと思われます。その中で筆者が、注目しているカテゴリーは「ヘルスケア」と「自動車」の2つです。

「ヘルスケア」は、現在米国で最もVC投資が集まっているカテゴリーの1つで、2013年は総額200億ドルの投資額だったものが、2014年は2Qまでの上半期だけで230億ドルと、ほぼ1年間で倍増しています。8000万人を超えるデータを持つ電子カルテスタートアップ、Practice Fusionなど今年IPOが予想されている企業も多く大きな動きがありそうです。中でも、ウェアラブルデバイスの普及等により今後急激に拡大する「ヘルスケアデータ」を取り巻くM&Aに注目しています。遺伝子解析サービスの23andMeがPfizerなど製薬会社12社とデータ提供のパートナーシップを結ぶなど、カジュアルなダイエットのようなものからシリアスな医療、研究開発の分野に至るまで目が離せません。

「自動車」は、今月開催されたCESでも注目のカテゴリーでありましたが、スタートアップ関連の動きも非常に面白いです。独BMWは、CVCであるBMW iVenturesを通して、運転データ解析のZenDriveやテレマティクス関連のChargeMasterなどに積極的に投資をしています。一大ロジスティクスインフラになりつつあるUBERや自動運転領域で最先端を行くGoogleが、コネクテッドカー、自動運転などの本格商用化に向けて、どのようなM&Aをしかけてくるのかに注目したいです。


ハードウェア薄型化に見るAppleの戦略


新モデルを出すたびにボディーをスリム化するのは、今やAppleの常套手段だ。おかげでマーケティング部門は、より薄くパワフルになった新機種を、新しいスクリーンと共に自慢できる。

もし、次世代MacBook Airに関するが本当なら、Appleはデバイスの厚みを半分にしつつ、画面を11インチから12インチに拡大しようとしている。殆どはベゼルを減らすことによるので全体の大きさは殆ど変わらない。

わずかな隙間に多くを詰め込むためには犠牲も必要だ。厚さ(薄さ)6.9mmのiPhone 6と7.1mmのiPhone 6 Plusは、ベンドゲート[曲れ折がり疑惑]の洗礼を受けた。

そこまで薄くない方がズボンの尻ポケットに入れて何時間か座っても大丈夫だったと思うが、Appleの作ったiPhoneはそうではなかった。

もっともBendgateなど薄型化による最大の苦情に比べれば何でもない。バッテリー寿命だ。物理的制約からバッテリー容量は限られる。これは毎年膨らませることが許されない。

Appleはハードウェアとソフトウェアをやりくりして常に同じ ― 時にはわずかなに改善された ― バッテリー寿命を提供しているが、注目を引くような改善はない。派手に見出しを飾るのは、新しいチップセットやディスプレイの改善、あるいは上に書いた薄いフォームファクターに限られている。

理由のひとつは、バッテリー技術の進歩が他のテクノロジーと比べて緩やかなことだ。しかし、Appleのiデバイス内部に対する外的デザインからの要求によるものでもある。スリムになり続けるガジェットが諦めなてはならないものは、バッテリー寿命の著しい改善だ。

ヘビーユーザーは予備のバッテリーや充電器を持ち歩かなければならない。このため、最も薄く最も魅力あるはずのデバイスが、壁につながれていたりバッテリーパックを引きつれたりしているのは何とも皮肉だ。

かつて、ホームコンピューターがデスクの大部分を占め、「ポータブル」がハンドルのついた重量物を持ち歩くことを意味していた頃を知っている人は、Appleが必死にスリム化しなければならない気持ちを理解できるだろう。

しかし、サイズはもはや問題にならない段階まで来ている。今やスマホやノートパソコンは、ファッションにこだわるガジェットオーナーにとってさえ十分に薄い。それでもAppleは薄くし続ける。

こうした一貫性によって、スリム化が明快な戦略となっている。しかし、Appleのよくできた薄さの背後にある論理は何なのだろう。

ライバルを蹴落とす

最薄のデバイスを作る、あるいは少なくともその方針を示し続けて薄さを支持することによって、ハードウェアデザインに関してAppleのライバルたちにできることは殆ど残されていない。Appleはハード、ソフト両面で最も得意とする技術を駆使し、ライバルは同じことを強要され、あるいは失敗する。

薄さの追究に失敗したライバルのガジェットは,iデバイスとのサイズと重さの戦いにおいては必然的に不利となる。

その一方でAppleはバーを上げ続け、iクローンの先を行く高級感を維持しなければならない。

スリム化は差別化

今やスマートフォンもタブレットも、ノートパソコンでさえもハードウェアによる差別化は終った。コンピューティングデバイスは、殆どがスクリーン、あるいはスクリーン+キーボードだ。決められたレシピの中に差別化できる物理的材料を探すことは困難だ。

今や残された差別化はスリム化だけだ。

カラーも可能性の一つでありAppleも時折そこで戦うこともあるが、大体はフラグシップ以外(iPodやiPhone 5c)のデバイスやアクセサリーだ。
真のハイエンド機は概してカラー化されず、ミニマリストなモノクロームとメタリックに焦点を合わせている。このためAppleがデザインで目立つためには、毎年デバイスを薄くする必要がある。

より厳重な制御

薄いデバイスのもう一つの特質は、ユーザーの選択肢を自然に減らしていることにある ― 物理的入口の数は少なくなっていく。それは塀に囲まれた庭への誘いである。物理的ポートやスロットは最小限に抑えらている。ストレージのユーザー拡張もできない。バッテリーは交換不能だ。

これらすべてが、ユーザーのiOSエコシステムに対してできることを制限し、彼らの行動をより予測可能、制御可能にしている。その結果Appleは、よりアクセスしやすい環境を作り、選択の幅を狭めることによって、シンプルで誰にでも使いやすいインターフェースを提供することができる。

ユーザーが自分でストレージを拡張したり、バッテリーを交換したりできなければ、Appleはユーザーがクラウドストレージを買ったり、新しいiデバイスにアップグレードするよう誘導しやすくなる。すべては、ユーザーをクパチーノ支配下のパイプに送り込むためだ。

こうした制約は、エコシステムへの囲い込み促進にもなる。ユーザーはiOSエコシステムとApple iCloudへの投資が増えれば増えるほど、同社のハードウェアを手離せなくなり、蓄積されたデジタルコンテンツと共に、他のプラットフォームへの移行を難しくする。

つまり、スリムに、小さくなったデバイスは、Appleのビジネスに継続力を与えるエコシステム囲い込みのビジュアル表現なのである。

限られた寿命

より薄いハードウェアを作ることは、iデバイス内で最も消滅しやすいテクノロジーであるバッテリーを、ケースの中に密封することも意味している。ユーザーによるアクセスが不可能になったことで、モバイルデバイスの寿命は、バッテリーの寿命と(文字通り)表裏一体になった。

さらには、バッテリー容量の制約が、バッテリー疲弊を早めるようユーザーの充電パターンを導いているとさえ言える。スマホユーザーは毎晩充電する人が殆どだが、バッテリーの寿命は有限であり、昼間長時間使えば完全に放電することもあるだろう。これはリチウムイオン電池を長持ちさせるうえで必ずしも最良の扱い方ではない…

ともあれ重要なのは、ユーザーがデバイスをアップグレードするとAppleが儲かり、高級な材料から作られた高価なデバイスを販売することが同社のビジネスでありながら、最も多い買い換え理由 ― もちろんApple製モバイル端末に関して ― はバッテリーの寿命にあることだ。こうしてハードウェアの薄さは、Appleの反復する売上を生み、制御するのに役立っている。

次は、Apple Watch

では最後はどうなるのか。Appleはいくらてもiデバイスを薄くし続けられるのか?もちろん原子レベルでは何らかの限界はあるが、そこへ行くまでにはまだ数ミリあるそうだ。ただし、今の製品サイクルが続けば、残された年数は少ない。

その一方でAppleは、新しいウェアラブル端末、Apple Watchの発売を(噂では)3月に控えている。これはAppleにとって新たな領域であり、このスマートウォッチは、戦略上同社の中核コンピューティング機器を補助する位置付けにある。

Apple Watchは、親機たるiOSデバイスのスリムさを維持しつつ、新たな機能とデザインの広がりを付加する補助的デバイスである。

これは既存のiOSユーザーの財布から、さらに金を引き出すという意味でも補助的である。もちろんiOS囲い込みの新たなインセンティブでもある。そして、ウェアラブルが消費者家電としてパッとしない今、Appleはこの壁を打ち破ろうとしている ― 歴史的にそうしてきたように。

Appleには、自社ビジネスとの共食いを辞さない歴史もある ― 例えばiPhoneを作ってiPodの機能を吸収した。最近では、小さなiPadとのオーバーラップが多いにもかかわらず、ファブレットサイズのiPhoneを作った。Apple Watchがこの機能オーバーラップ・スペクトラムのどの辺に位置するかはまだわからない。

いずれにせよAppleのハードウェアビジネスにとっては結構なことだ。Apple WatchはBluetooth経由でiPhoneとつながることによって機能する。Appleにとって最大の関心時は、Apple WatchがiPhoneユーザーにもう一つの買い物をさせるだけの利用価値を提供できるかどうかだ。

Apple Watchの効用の一つは、かばんやポケットの中を探ることなく通知をチェックできることだ。ウォッチに目をくれる必要すらないかもしれない(触覚フィードバックで曲り角を教える等)。そうすればiPhoneをチェックする回数は減るかもしれない。

AppleのBluetooth制御方法にもよるが、Apple Watchは実質的にiPhoneのウェアラブル予備バッテリーとして機能するかもしれない ― 主要モバイル端末の仕事を補助ウェアラブルに十分移行できれば。

もしそうなれば、Appleの2015年の隠し玉は、より薄くなったにもかかわらず一見バッテリー寿命が延びたように見えるiPhoneなのかもしれない ― 同時にそのユーザー基盤からさらに稼ぎながら。

もしAppleにそれができれば、大したトリックだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Apple Watchはカスタマイズの宝庫。専用アプリの画像が大量リーク

来たるべきApple Watch専用アプリに関する新たなリーク情報によると、今年新ウェアラブルが発売される暁にはいくつか未発表の機能が期待できそうだ。9to5Macに掲載されたアプリ設定画面のスクリーンショットを見ると、ウォッチがアクティビティー、アクセサビリティー、メッセージ、モーション、フィットネスなどをどう扱うかをユーザーが微調整できるようになってる他、ウォッチにどんな情報が通知されるかを細かくカスタマイズできるオプションもある。

山ほどある画像を探ってみると、ユーザーは時計の文字盤に1~4文字のイニシャルを表示したり、ワールドクロックの「コンプリケーション」で使われる都市設定をカスタマイズしたりできることがわかる。コンプリケーションとは、様々な時計機能の説明全般に使われる言葉で、機械式腕時計の製造において、ゼンマイ駆動力メーター、ワールドタイム、クロノグラフ等の基本的な計時〈以外〉の機能を指す用語を借用したものだ。

コンプリケーションの一つには文字盤に追加できる株価モニターもあり、iPhoneで追跡している銘柄の現在価格、変化のパーセンテージ、時価総額などが常時ライブ更新される。

メッセージは、iPhoneの設定を引きつぐことも別途設定することも可能で、例えば相手に既読通知を送ることができる。返信は音声録音あるいは音声認識したテキストを選べる。


パスコードロックを有効にするとApple Payが使用できるようになるが、、ウォッチを腕に付けた上でパスコードを入力しなければならないので、iPhoneのTouch ID(指紋認証)を使う時と同じレベルのセキュリティーが確保できる。一旦Apple Watchを腕から外すと、再度装着してコードを入力するまでApple Payは無効になる。同様に、ユーザーがApple Watchをアンロックするには、接続されたiPhoneをアンロックするだけでよいが、それはウォッチが腕に着けられている時に限られるので、これも不正なアクセスを防ぐのに役立つ。

コンパニオンアプリには、活動リマインダー機能もあり、持ち主が50分間連続で立っていると通知が送られる(一日を通じて継続的に立っていると健康が促進されると、多くの医療専門家が言っている)。ユーザーが目標を設定して、4、6、8時間毎に活動状況の通知を受け取ることもできる。心拍数と歩数を組み合わせてカロリー消費をモニターする機能もある。

9to5Macの全スクリーンショットを見れば、Apple Watchのコンパニオンアプリの詳細がさらにわかるが、設定項目の多くは既にiPhoneやiPadで見たものとよく似ている。重要なのは、AppleはユーザーがApple Watchで見るものを、iPhoneとは独立に、フルコントロールできることを重要視する一方で、手間をかけたくないユーザーのために、設定をiPhoneから簡単にインポートする手段も用意していることだ。

Apple WatchにおけるAppleの戦略は、ハードウェアに関してユーザーによる大幅なカスタマイズを可能にすることに賭けているようなので、これは同じ戦略のソフトウェア版と考えられる。ただし、Apple Watchの情報はまだ確定にはほど遠いので、ソフトウェアに関する今後のAppleの正式発表を待たなくてはならない。3月と噂される発売時期に向けて本誌の追加情報に注目されたい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


EFFのアクションアプリはAndroidのみ、Appleのデベロッパ合意事項を”ひどすぎる”と批判

【抄訳】

デジタル世界の人権擁護非営利団体EFFが今朝(米国時間1/8)、人びとが同団体の“アクションセンター”*に、より気軽にアクセスできるためのモバイルアプリをリリースした。しかしこのアプリはAndroidバージョンのみで、iOSバージョンは提供されない。その理由をEFFは、AppleのDeveloper Agreement(デベロッパ合意事項)には問題があり、その“とてつもなくひどい”条項は、“デベロッパとユーザの双方にとってよろしくない”からだ、と説明している。〔*: EFF Action Center, 一般人がEFFの活動(アクション)に(ツイートなどいろんな手段で)参加するための窓口。〕

同団体はデジタル世界のプライバシーや言論の自由、ネットワーク上の監視行為などの問題に対して強硬な姿勢を見せることで知られており、もっぱらフリーでオープンなソフトウェアとテクノロジを支持している。したがって同団体が、デベロッパがアプリケーションをiTunes App Storeに提出する際の制約条項に反発するのも当然だ。

Appleは私企業として当然ながら、自分のストアを自分の方針で管理する。しかし同社がモバイルアプリのエコシステムに対する投資を保護するためにとっている措置の中には、EFFを激怒させるものがある。たとえば、AppleのSDKを使って作ったアプリをほかのアプリストアで流通させてはならない、というルールもその一つだ。一方、そのほかのルール、たとえばAppleはユーザのデバイス上のアプリをいつでも“殺せる”、などの項目は、ユーザをセキュリティの脅威から守るためだ、とされている。

しかしEFFが問題にしているのも、この”キル・スイッチ“(kill switch, 殺しのスイッチ)だ。この殺人ならぬ殺アプリ行為は、たとえばユーザがApp Storeから自機にダウンロードしたアプリにマルウェアが含まれていることが後から分かった、というような場合にはむしろ、ユーザ保護のための行為として正当化されうる。Appleがそのほかの目的で恣意的にアプリをユーザのデバイスから取り去ることはない。

Steve Jobsはこの殺しのスイッチについて、こう言っている: “このスイッチを押す機会が一度もないことを願っているが、そういうスイッチをまったく設けないことは、むしろ無責任だ”。

さらにEFFは、デベロッパ合意事項の中の禁止事項…SDKやiOSをリバースエンジニアリング(分解・解読)してはならない、Apple製品をジェイルブレークしてはならない…にも懸念を表明している。またアプリのバグフィックスやセキュリティアップデートにAppleの承認が必要、という条項も、“Appleはデベロッパやユーザのセキュリティを私物化している”としてEFFは批判している。

“Appleの承認が迅速でなかった場合には、ユーザは長期にわたってアプリの旧バージョンを使うことになり、そのセキュリティが危殆に瀕する”、とEFFは書いている。ユーザの安全性を確保するためには、セキュリティパッチなどはAppleのレビュー過程を経ずに即座に当てられる方式が必要、とEFFは主張している。現状ではデベロッパはAppleにレビューをリクエストできるが、Appleはそのリクエストを承認しなくてもよい。またそのレビュー過程は、遅くはないが、早くもない

EFFはまた、アプリにDRMを含める、という要件も、デベロッパ合意事項のネガティブな側面として指摘している。EFFは、DRM反対運動の先頭に立っている団体の一つだ。

EFFはこのアプリのネイティブiOSバージョンも、またWeb上で*一般的に使えるHTML5バージョンも作っていない。iOSバージョンを作って提出して承認を得るためには、これらの‘悪法’に従うことになるので、EFFとしては作らないのが当然だ。CordovaとIonicを使ってクロスプラットホームなアプリを作ったのだが、それに無承認でAppleのSDKを統合することはできない。〔*: EFFアクションセンターのWebインタフェイスはact.eff.org。〕

むしろ同団体は、Androidアプリをローンチしたことを、AppleのApp Storeの規約を改定せよという陳情運動の支持拡大の一環としたいようだ。

この陳情運動は、その趣旨を次のように述べている: “デベロッパはiPhoneアプリを作るために自己の権利を放棄すべきではない。アプリの作者は良好な契約条項を要求すべきであり、自己のiPhoneを愛する顧客は彼らを支援すべきである”。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


次世代MacBook Airは12インチ、エッジ・ツー・エッジ・キーボード、USB-Cコネクタ装備か

しばらく前からApple MacBook Airの12インチ新モデルが登場するという噂が流れているが、Apple情報に関して一貫して正確なサイト9to5MacのMark Gurmanが非常に具体的な情報を伝えている。それによれば、12インチMacBook Airのリリース時期は、ごく近々か、おそくても2015年半ば以前で、厚さや入出力ポートなどを含め、全体にぎりぎりまで削ぎ落とされた新しいデザインだという。

12モデルは現行11インチモデルの半分の厚さで、端のもっとも薄い部分からもっとも厚い部分へのテーパーは現行モデルに比べてずっとゆるやかだという。画面が大きくなったにもかかわらず占有面積は11インチモデルとほぼ同様。これはエッジ・ツー・エッジデザインのキーボードを採用したおかげだ。また画面周囲のベゼルも現行モデルに比べて細くなっている。

Appleは大胆にも、この新モデルではほとんどすべての入出力ポートを廃止した。残されたのは3.5mmオーディオジャックとUSB-Cコネクター1基だけだ。USB-CはLightningと同様、リバーシブルで裏表なしに挿し込める。また高精細度ビデオの入出力と電力供給ができる。したがって新しいMacBook Airは単一ポートにもかかわらず、これまでよりも多様な機器の接続が可能になる。

もし上記のような記事内容が正しければ(実際、TechCrunchが確認できた限りでは、現時点の開発状態を正確に伝えていると考えてよいようだ)、Appleは、ユーザーがもっとも重視するのが携帯性とミニマルなデザインだと考え、それに賭けているようだ。現在ではI/Oポートはワイヤレス接続で十分に代替できる。もちろん実機をテストするまではっきりした評価はできないが、USB-Cコネクタの能力が評判どおりなら私も入出力ポート数の少ないことには問題を感じない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Apple、いよいよアメリカでSIMフリーのiPhone 6、6 Plusを販売開始

9to5Macの信頼できるライター、Mark Gurmanによれば、Appleは完全にSIMフリーのiPhone 6と6 Plusを今日(米国時間1/6)からアメリカで発売するという。SIMフリー版iPhoneは他のいくつかの国で昨年秋から販売を開始しているが、アメリカでは今回が初めてとなる。

現在でもT-Mobile版のiPhone 6、6 Plusには特別な契約が付随せず、事実上SIMフリーだが、AppleはこれまでアメリカではApple Storeなどの公式チャンネルからSIMフリー版を販売していなかった。

Gurmanによると、価格はストレージ容量によってiPhone 6は649ドルから849ドル、iPhone 6 Plusは749ドルから949ドルとなる。ストレージは16GB、 64GB、128GBの3モデルが用意される。

アンロック版の販売はこれまでも新モデルの発売から数カ月後に行われてきたので、今回も順当なスケジュールといえるだろう。

〔日本版〕日本では昨年12月にSIMフリー版の販売が突然中止された。SIMフリー版はAppleストアのカタログに現在も掲載されているものの、選択すると注文できませんと表示される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Apple、様々な表面への手書きを読み取るスタイラスの特許を取得


今日(米国時間12/30)、USPTO(米国特許標局)に登録されたAppleの特許には(via AppleInsider)、新しいタイプのスタイラスに関する詳細が記載されている。このスタイラスはユーザーが様々な表面に書く手書き入力をキャプチャーすることが可能で、ペン先を交換することによって紙やホワイトボードに加えiPadのタッチスクリーン上に書くこともできる。

このスタイラスは加速度計等のモーションセンサーを利用して移動を追跡し、紙に押しつけられたり、ケースから取り出されたことを検出して起動するため、電力消費を抑えられる。データ送信はリアルタイム、あるいはバッテリーを温存するために一定期間ごとに行うこともでき(一部のフィットネストラッカーと同様の方式)。

特許資料によると、このスタイラスはペンがテーブル、壁あるいは何もない空中に対して使用された時にも、内蔵3Dモーションセンサーのおかげで手書き入力を正確に記録することが可能だ。入力結果をリアルタイムに複数の画面へ反映されることができるため、教室や、少人数のリアルタイム会議のメモなどへの応用が考えられる。

資料には、ペン先を変えて様々な材質の表面に書くために方法が詳しく書かれており、ノートにインクで書いたり、鉛筆書きをしたり、ホワイトボードにマーカーで書いたりできる。静電容量チップを使えば従来のスタイラス同様、iPadやiPhone等の端末でも使用できる。

Appleのスタイルス特許はこれが初めてではない ― 最初の特許は2010年1月に出願されている。本特許に含まれるテクノロジーの中には、実現がやや難しいものもあり、まさにこのタイプの製品を作っているLivescribeという会社でさえ、効果的な利用のために専用メモ帳を必要としている。しかしAppleがこの分野に資源を投入することの意義は大きく、特に噂される12インチiPadにはスタイラス似合いそうだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


AppleがApple TVからiOSデバイスへの逆AirPlayストリーミングの特許を取得

今日(米国時間12/23)、Appleは米国特許商標局から新しい特許を承認された(AppleInsider)。これは一種の逆AirPlayで、コンテンツをApple TVから各種のiOSデバイスにストリーミングするものだ。

特許概要によれば、「コンテンツを固定デバイスとポータブル・デバイスの双方に同期してストリーミングするシステム」で、これにより、Apple TVが受け取ったインターネット上のコンテンツを、iOSデバイスで同時に表示することが可能となる。またApple TVのユーザー・インタフェースをiOSデバイスに表示することもできる。最近Apple TVのインタフェースが大幅にアップデートされたのはiPhoneなどのiOSデバイスで表示されることを考えた対策だったようだ。

Appleの特許は、パーティーなどでApple TVまたはそれに類する据置型のメイン・デバイスを中心にして多人数が同一のコンテンツを視聴する場合を例にこのシステムのユースケースを説明している。ここで一人のユーザーがその場を離れた場合、メインのストリーミングを停止してそのユーザーが帰ってくるのを待つのではなく、そのユーザーのモバイル・デバイスに同期ストリーミングして、他の場所で続きが見られるようにできるという。

Apple TVがストリーミングするコンテンツをiOSデバイスで表示する場合、パスワードの入力などは特に必要なく、ゲストとして参加できる。

この特許はApple TVに便利な機能を追加するものであることは間違いないが、実装に当たってはコンテンツ所有者から承認を得る必要があるだろう。単一のユーザーによる視聴を前提としているのに、限定的とはいえ、他のユーザーのデバイスでも視聴できるというのは著作権や広告の面で問題が生じる。

Appleはもちろん知財上の問題は認識しているだろう。Apple TVからiOSデバイスの逆ストリーミングはあるいはより広範囲に影響を及ぼす次世代ストリーミング・システムへの準備の一環なのかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


労働者の苛酷な状況などをあばくBBCの調査報道番組にAppleが応答

Appleは最近、BBCのPanoramaという番組で、調査報道の対象になった。その番組は、記者たちが見つけたことの一部として、Appleがパートナーに関して明言している規範にAppleの供給業者(サプライヤー)たちが違反しているさまざまな事例を、提示した。BBCが報道した違反には上海郊外のPegatronの工場における問題や、インドネシアの錫鉱山の操業などサプライチェーンの最末端の問題も含まれていた。

BBCの報道は、Pegatronの社員寮の過密状態や、強制残業、未成年労働者、休日のない週、などの問題を詳細に報じている。インドネシアの鉱山では、鉱業として組織化されていない操業形態による錫鉱石の収集を描いている。彼ら未組織労働者たちが拾い集めた鉱石は一人々々ばらばらに精錬業者に売られ、サプライチェーンの上の方の部品メーカーに提供される原料が作られる。

これらの報道に対してAppleは公式の声明を発表し、その中で、供給業者の施設における条件改善に同社がこれまで努めてきたことを詳述し、今後もその取り組みを継続する、と述べた。Appleは、同社の対供給業者ポリシーを完全に遵守している、とは主張していない。むしろ同社はそのWebサイトを定期的に更新して、コンプライアンスの現状を報告している。そのサイトでは同社が供給業者のところで見つけた問題を同社自身の報告で詳述し、それらを解決するために同社がとっている対策を略述している。

The Telegraphが入手した長い社内メールは、本誌TechCrunchが別の情報筋から本物と確認したが、それにはBBCの結論に対するさらに詳しい応答がある。書いたのはAppleのオペレーション担当SVPのJeff Williamsで、自分もAppleのCEOのTim Cookも、あのイギリスの放送番組が行った告発に深い怒りを感じた、と言っている。

Williamsの書簡は、同社の製品に不法なソースからの錫が使われていることを、Appleが否定したことはない、と指摘している。そしてむしろ、同社がそれを認めたことは、以前の記録に残っている、と。これに関するAppleの考え方は、供給業者がインドネシアから買うことを許容し続けることによって、今後の労働条件の改善をプッシュできるが、その、鉱山の体をなしていないような鉱山を完全に閉山したら、そこが抱えている問題に対して何もできない。最終ユーザがAppleとは知らない部品メーカーは、また別の不法ソースから原料を入手し続けるだろう。

Pegatronの工場の労働条件についてWilliamsの書簡は、指摘されている問題はApple自身が行っているものではなく、むしろ、供給業者の設備施設の状況に対して行っている改善や監査の取り組みの一環だ、と言っている。彼は、週の最大労働時間を60時間とする、給与のピンはねをする労働者斡旋企業を解体する、などのポジティブな成果を強調している。

BBCが隠しカメラまで使った今回の報道は、たしかにアジアの供給業者の工場における労働条件を明るみにさらすことに成功している。問題は依然として深刻だが、しかしこれらの地獄のような映像の一部は、最近行われた改善を反映している。ただし欧米の一般人の目から見ると、それは改善とは見えないのだ。

たとえば作業現場で居眠りをしているシーンは、The Daily Mailが最近報じたように、仮眠をとってもよい、という最近導入された労働者福祉の一環なのだ。これまでは、長時間労働の挙句自分のデスクに向かったまま寝てしまうという同じ光景が、厳しく罰せられるだけだった。

結局のところ、そういう、ちまちまとした“改善”がいくつかあっても、これらの施設の労働者たちは、欧米の工場労働者に比べればはるかに酷い状態のままだ。しかしAppleがCookの下(もと)で最近行っている透明化努力は、継続的な改善に向けての本気の取り組みを示しているようでもある。CookがCEOになる前までのAppleでは、供給業者に問題があることの認識や、その名前すら、公式に発表されることはなかった。とはいえ、まだやるべきことは山のように残っているのだが。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Appleの‘The Song’コマーシャルのメイキングビデオは新旧技術の等置を謳う

 

Appleの年の瀬コマーシャル“The Song”には、多くの人が感動したようだ。まあそういうCMを作るのが一年のこの時期の慣例だけど、でもあれが語っている製品に関するお話は、Appleの今の製品系列の多くに通ずるクリエイティブな労作だ。同社が今日発表したあのコマーシャルの‘メイキング’ビデオは、Appleの最先端技術と、非常に初期の、骨董品のような録音機を結びつけることによって、あの感動の作品が作られたことを物語っている。

コマーシャルの主人公が見つけた“ヴィンテージ”ふうの録音は、実は現在のレコーディングアーチスト(プロの歌手)が吹き込んだものだが、全体は美術さんと音響さんの努力によって、いかにも40年代ふうに見えるし聞こえる。今の証明写真ブースのような録音ブースが観光地の遊歩道などに置いてあって、そこへぶらりと入った旅行者が自分の声を90秒録音してレコードを作る。そうやって録音された若き日のおばあちゃんの歌声を、CM中の若い女性がMacの上でリミックスする。

Appleがこのメイキングビデオで指摘したいのは、当時の録音ブースが与えた社会的インパクトと、Appleの技術との相似だ。人びとが、録音された自分の声を初めて聴く。そしてGarage Bandでは、スタジオの技術者ではないアマチュアが、自分の曲を録音して世界と共有できる。CMの最初で40年代の録音ブースが登場したときは、頭の中が???になった方も多いと思うが、それでもなおAppleとしては、この見事な比較により、高度な技術の民主化/大衆化という同社の特技を、今年のクリスマス商戦でも売り込みたいのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


ルーブル急落の流れを受け、Appleはロシアでのオンライン販売を停止

Appleが、ロシアにおけるオンライン販売を停止した。ロシアの通貨であるルーブルが非常に不安定な状況となっているためだ。Bloombergに掲載されたコメント(日本版)によると価格設定を見直すためにオフラインとしているとのことだ。サイトの停止で迷惑をかけるとして、消費者にはお詫びの言葉も記載されている。

Appleはこれまでのところ、ルーブルの下落に対してはiPhoneの価格を上げるといった対応を行なってきた。しかし為替相場が1日で約2割も下落する中、根本的な対応に乗り出したというわけだ。エコノミストによればロシアの現状は「経済危機」とも言える状況であり、Appleの今回の判断も当然のものとして受け取る人が多いようだ。

状況が変化したり、あるいはAppleからの新しい発表があった場合には、改めてお知らせしたいと思っている。

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(翻訳:Maeda, H


安倍首相、Appleが大規模R&D拠点を日本にオープン予定であると言及

Appleが、新たに大規模な研究開発拠点を日本に設けることになたようだ。日本の首相である安倍晋三のが地元メディアに向けて語ったものだ。それを報じるロイターの記事によると、日曜日に選挙を控えていることもあり、詳細については後日改めて明らかにすると述べているとのことだ。

それもあって、現時点では詳細についてはほとんど何もわかっていない。研究開発拠点の規模などについて、安倍首相は全く触れていない。ただ、カリフォルニアの研究開発拠点にも比肩する、アジア最大の研究開発拠点となるとのみ述べている。

ちなみにAppleは先月、イギリスのケンブリッジにも新たな研究開発施設を開設すると発表している。このケンブリッジの拠点ではまず20名程度を採用することになっているようだ。但し、Appleはこのケンブリッジの施設についてもコメントしていない。それと同様に日本の施設についても、TechCrunchからの問い合わせに対して何の説明も得られていない状況だ。

なお、上海市当局からの情報によれば、2013年の夏より、上海市でもAppleの研究開発施設が稼働しているのだとのこと。クパチーノ以外で最初に稼働した研究開発施設はイスラエルに拠点をおくものだった。自らのホームグラウンド以外からの情報を吸い上げ、またエキスパートやスペシャリストを獲得するための機能も果たしている。さらに決算面からいっても、オペレーションコストの削減や、税金対策などで役に立っているという側面もある。そうして生み出された利益が、新製品開発に役立つという意味もあるわけだ。

Update:Appleから以下のステートメントを入手することができた。

横浜に新たな開発センターを設け、日本での活動範囲を広げることとなりました。多くの人を現地で採用することにもなるでしょう。8つの既存Apple Storeに加え、さらにApple社員の活動の場が広がっていくわけです。Appleは以前から日本では積極的な活動を展開してきています。多くの方の支援もあって30年間にわたってビジネスを展開できたことを感謝するとともに、さらなる飛躍を目指しているところです。

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(翻訳:Maeda, H