パンデミックで浮き彫りになるリモートラーニングビジネスのチャンスと課題

バーチャル科学実験室を提供するエデュテック企業であるLabsterは、米国時間4月14日、カリフォルニア州のコミュニティカレッジネットワークと提携して、そのソフトウェアを210万人の学生が利用できるようにすることを発表した。

California Community Colleges は、国内で最大の高等教育システムであるといわれている。Labsterとの提携は生物学、化学、物理学、および一般科学に向けの130種類のバーチャルシミュレーションを115の学校に提供するというものだ。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が学校の閉鎖を余儀なくしているために、多くのエデュテック企業たちは、自社のソフトウェアを無料で提供したり、無料トライアル期間を延長したりすることで対応をしてきた。4月14日に発表されたLabsterの提携の中で、新しくて注目に値するのは、現在の情勢がビジネス上の取引にどのようにつながるかを示す、いくつかの最初の兆候を示している点だ。

コペンハーゲンを拠点とするLabsterは、バーチャルSTEM実験室を教育機関に販売している。Crunchbaseのデータによれば、Labsterはこれまでにベンチャーキャピタルから、知られている限り3470万ドル(約37億3000万円)を調達している。Labsterの顧客にはカリフォルニア州立大学、ハーバード大学、グウィネットテクニカルカレッジ、MIT、トリニティカレッジ、そしてスタンフォード大学などが名を連ねている。

実験装置は大変高価であり、予算の制約により各学校は最新のテクノロジーを導入するのに苦労している。従ってこれまでLabsterの提案してきた価値は、より安価な代替案であるということだった(学生がバーチャル実験室で試薬をこぼしても、掃除の手間が省けるが)。

だが、新型コロナウイルスによるパンデミックの拡大を制限するために、世界中の学校が閉鎖を余儀なくされている中で、その訴求ポイントは少々変化した。現在それは科学実験室に代わる唯一実行可能な手段として、自分自身を売り込んでいるのだ。

多くのエデュテック企業にとって、リモート学習の急増は大規模な実験となった。学校がその運営を完全にデジタル化するために奮闘する中で、エデュテック企業たちは、しばしば自社の製品とテクノロジーを無料で提供している。

例えば先週、セルフサービスの学習プラットフォームであるCodecademy、Duolingo、Quizlet、Skillshare、そしてBrainlyは、生徒と教師のためにLearn From Home Club(在宅学習クラブ)を立ち上げた。それに先立ち、Wizeは同社の試験コンテンツと宿題サービスを無料で利用できるようにしている。また、ZoomはK-12スクール(高校以下の学校)にビデオ会議ソフトウェアを無料で提供したが、その結果は功罪の入り交じるものとなった

Labster自身は、全国の学校に500万ドル(約5億3700万円)分のLabsterクレジットを無償で提供した。こうしたリストは枚挙にいとまがない。

Labsterの今回の新しい取引は、今ならエデュテック企業が大きな費用をかけることなく、新しい顧客を確保できることを示している。

LabsterのCEOで共同創業者であるMichael Bodekaer(マイケル・ボデカー)氏は、この取り引きの価格についての詳細は明かさなかった。彼はLabsterが各々の学校と協力して、それぞれが教師のトレーニングとウェブセミナーのサポートにどれだけ投資できるか、または投資したいかの理解に努めたことを明かした。彼はまた、Labsterがこの取り引きから利益を得ていることは認めている。

「私たちはパートナーをサポートするための準備をしっかり整えたいと思いますが、同時に営利組織としてのLabsterが自分たちに給与を支払えることも確実にしたいのです」とボデカー氏は語る。「しかし、繰り返しになりますが、私たちのコストをカバーできる程度までの大幅な割引を提供します」。

他の多くのエデュテック企業と同様に、Labsterにとっての長期戦略は今回のような短期的な措置が長期的な関係へと発展していくように、学校に彼らのプラットフォームを気に入ってもらうことだ。

「会社として維持できる限り、これらの割引を維持するつもりです」と彼は語る。「当初は8月まで割引を行うつもりでしたが、現在は年末まで延長する予定です。状況によっては、さらに延長する可能性があります」。

価格設定はさておき、Labsterそして実際のところリモートラーニングに焦点を合わせたいかなるエデュテック企業にとっても、本当の実現上の困難はデジタル格差(digital divide)だ。ビデオ会議用のコンピューターや、演習用のインターネット接続さえも利用できない学生もいるのだ。

新型コロナウイルスのパンデミックは、リモート学習に必要なテクノロジーへのアクセスが、アメリカ全土でどれだけ不足しているのかを浮き彫りにした。カリフォルニア州では、Googleは支援を必要としている学生たちに、無料のChromebookと10万箇所のWi-Fiアクセスポイントへの無料アクセス権を提供した。

ボデカー氏によれば、Labsterは現在、モバイルデバイス上でのソフトウェアの提供に取り組んでおり、またGoogleと協力して、自社の製品がChromebooksなどのローエンドコンピューターで動作することを確認している最中だ。

「私たちは、ハードウェアにとらわれず、学生がすでに持っているシステムやプラットフォームをサポートしたいと考えているのです」と彼は言う。「持っているハードウェアが障壁にならないようにしたいのです」。

今回の提携によって、210万人の学生がLabsterのテクノロジーにアクセスできるようにはなったものの、その集団の中でコンピューターにアクセスできない可能性がある学生の割合については直接把握されていない。エデュテックにとっての試練そしておそらくその成功は、ハードウェアとソフトウェアの、どちらにも偏らない真のハイブリッドに依存したものになるだろう。

画像クレジット:doyata / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:sako)

グーグルがPixelスマホとChromebook用の独自チップを準備中か

報道によると、Google(グーグル)はApple(アップル)の例に倣ってハードウェア分野を強化するために、将来のスマートフォンに搭載するカスタム設計チップを開発しているという。Axiosの記事によると、グーグルは自社製プロセッサを将来のPixelデバイスに搭載する準備を進めており、その中にはスマートフォンだけでなく、最終的にはChromebookも含まれている。

グーグルによる独自製品への注力は、成功と失敗が入り交じったものだったが、いくつかのPixelスマートフォンは、カメラソフトウェアや写真処理において高い評価を獲得している。しかし、同スマートフォンがこれまでは一般的なQualcomm(クアルコム)製プロセッサを採用してきたのに対し、アップルは長い間iPhone向けに独自のカスタムプロセッサ(Aシリーズ)を設計し続けてきた。AシリーズプロセッサはOSやアプリケーションに合わせてカスタマイズされパフォーマンスを発揮するいう意味で、アップルに優位性をもたらしている。

記事によると、グーグルの独自チップはコードネーム「Whitechapel」と呼ばれており、Samsung(サムスン)と共同開発され、同社の5ナノメートルプロセスが使用されている。内部には8コアのARMベースのプロセッサを内蔵するだけでなく、機械学習とGoogleアシスタントのための専用チップリソースが確保されている。

グーグルはすでにこのプロセッサの最初の動作可能なプロトタイプを受け取っているが、実際にPixelスマートフォンに搭載されるのは少なくとも1年後になるとされており、これはサードパーティ製プロセッサを搭載するPixelが、少なくとももう1世代登場する可能性が高いことを示唆している。レポートによると、チップは最終的にChromebookにも搭載されるが、それにはさらに時間がかかるという。

Aシリーズプロセッサの性能がIntel(インテル)の同等製品をスケールアップし凌駕していることから、アップルがいずれMac製品でも独自のARMベースプロセッサに移行するのではないかとの噂は、何年も前から流れていた。ARMベースのChromebookはすでに存在しているので、もしチップが期待に応えることができれば、グーグル側の移行は容易となるだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

一時停止していたChromeとChrome OSのリリースが再開

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックを受けて、Google(グーグル)は「作業スケジュールの調整のため」に、ChromeとChrome OSのリリースを一時停止すると発表したのはわずか1週間前のことだった。しかし米国時間3月26日の本日、同社は両ソフトウェアのリリースを再開すると発表した。

ブラウザが矢継ぎ早にリリースされる時代において、新しいリリーススケジュールの正確な詳細は、実際にはそれほど重要ではない。

ほとんどのChromeユーザーは、自分が実際にどのバージョンを使っているのかわからないだろう。しかし、ここで最も注目すべき変更点はバージョン82がキャンセルされたことだ。バージョン80は安定版としてリリースされており、バージョン81はベータ版の段階だ。そして4月7日頃にはバージョン81が安定版となり、その後にバージョン83が数週間前倒しされ5月中旬にリリースされ、バージョン82はなかったことになる。Chromeの詳細なリリーススケジュールはここで確認できる。

結局重要なニュースは、ChromeとChrome OSのリリースが非常に短い更新の休止から復帰したことだ。先週のグーグルの発表では、セキュリティアップデートを除いてより長い休止期間をが設けられるように見えたので、少し驚きだ。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

ChromeとChrome OSのリリースも一時休止

Googleは米国時間3月18日、「予定されていたChromeとChrome OSのリリースを「スケジュールの調製のために」休止する」と発表した。

ただしセキュリティアップデートは、現在の安定リリースバージョンであるバージョン80にマージされる。「セキュリティに関するいかなるアップデートも継続的に最優先し、Chrome 80に含まれることになる」とチームは本日の短い発表で言っている。

しかし機能の新たなアップデートは、お預けのようだ。Chromeのバージョン81は目下ベータだが、当分そのままだろう。現在の状況ではいろんなものが先行き不透明だが、Googleが通常のアップデートをいつ再開するつもりか、それも不明だ。

今週初めにGoogleは、新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックでオフィスの人員が減っており、Androidアプリのレビューに時間がかかることを明らかにしていた。YouTubeも同じで、スタッフを保護するためにコンテンツのモデレーションにAIのアルゴリズムを多く使うと発表している。しかしそのために誤検知が多くなり、利用規約に違反していないビデオでも取り去られるだろう。

今やGoogleなどのテクノロジー企業では在宅勤務が増えているから、人手不足に伴うこのような発表が今後も増えるだろう。今後の見通しが得られるのは、数週間先以降ではないか。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

クラウド上でAndroidアプリを動かすCanonicalのAnbox Cloud

Linuxの人気ディストリビューションUbuntuのCanonicalが、米国時間1月21日、クラウドサービスAnbox Cloudの立ち上げを発表した。企業はこのクラウドプラットホーム上でAndroidを動かすことができる。

Androidは、Anbox Cloudの上でゲストオペレーティングシステムになり、コンテナ化されたアプリケーションを動かす。これにより独自のエンタープライズアプリケーションやゲームサイトなど、さまざまなユースケースが期待されている。

Canonicalのクラウドサービスは、GoogleがChrome OSの上でAndroidアプリを動かせるようにしていることと似ているが、実装はまったく異なり、コンテナマネージャーLXDをベースとし、コンテナのプロビジョニングやデプロイの自動化などのためにJujuMAASといったCanonicalのプロジェクトを多数利用している。同社は発表声明で 「LXDのコンテナは軽量なので、仮想マシン上のAndroidエミュレーションと比べて、少なくとの2倍のコンテナ密度が得られる。ただし実際には、ストリーミングのクオリティーやワークロードの複雑さによって異なる」と述べている。

なお、Anbox自体はCanonicalとUbuntuの幅広いエコシステムから生まれたオープンソースプロジェクトだ。Anboxは2017年にCanonicalのエンジニアであるSimon Fels(サイモン・フェルズ)氏が立ち上げ、完全なAndroidシステムをコンテナで動かす。これによりユーザーは、Androidのアプリケーションを、どんなLinuxベースのプラットホーム上でも動かすことができる。

しかし、その意味は何だろうか? Canonicalの主張によると、Anbox Cloudを利用することで企業はモバイルのワークロードをクラウドへオフロード可能になり、それらのアプリケーションを社員のモバイルデバイスへストリームできる。またCanonicalによれば、5Gの普及により多様なユースケースが生まれるが、それに貢献するのは大きな帯域よりもむしろレイテンシーの低さだという。

Canonicalのプロダクト担当ディレクターStephan Fabel(ステファン・ファベル)氏は 「5Gのネットワークとエッジコンピューティングの普及により、多くのユーザーが、自分の好きなプラットホーム上で、超リッチなAndroidアプリケーションをオンデマンドで利用できるようになる。企業は高性能で高密度のコンピューティングをどんなリモートデバイスにも提供できるようになり、しかもその際の電力消費といった経費はきわめて低い」と発表で述べている。

Canonicalはエンタープライズ以外に、ゲーミングおよびゲームのストリーミングにも重要なユースケースを展望している。スマートフォンはますます強力になりつつあるが、それでも結局のところ、クラウド上のサーバーには敵わない。そこにCanonicalは目をつけている。

Canonicalが挙げるもう1つの重要なユースケースが、アプリのテストだ。デベロッパーはこのプラットホームを利用して、何千台ものAndroidデバイス上でアプリを並列させてテストできる。ただしAndroidのエコシステムは分裂が激しいため、重要なテストはエミュレーションでなく実機上で、となるかもしれない。

Anbox Cloudをパブリッククラウドで動かすことはできるが、CanonicalはエッジコンピューティングのスペシャリストをPacketとパートナーにして、それをエッジ上やオンプレミスでホストする。このプロジェクトのハードウェアパートナーは、AmpereとIntelとなっている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Pixelbook GoはChromebookの存在意義を拡張する

Chromebookが、K-8(幼稚園から中2まで)カテゴリを完全に支配すると予想した人は、ほとんどいなかった。もちろん後から考えれば、なぜChromebookがそんなに成功したのか、容易に分かるような気もする。価格も安く、大規模なソフトウェアの展開や利用制限も容易なので、教室で使うにはぴったりだっというわけだ。2018年だけで1500万台のChromebookが売れたが、その主な推進役となったのは、やはり学校だった。

しかしChromebookのメーカーは、このカテゴリーの製品の将来性を、教室の外に見出そうとしている。Google(グーグル)は、Microsoft(マイクロソフト)がサポートする激安PCとの競争の激化に直面している。また、すでにこのシステムを導入した学校には、まだ更新の時期が来ていない。そのためもあり、メーカーの多くが、学校外の一般的な用途をターゲットにするにつれて、Chromebookの平均価格の上昇が予想されているのも当然だろう。

一方、教室の外でChromebookを販売するのも、楽な仕事ではない。今や2019年なのだから、手頃な価格で処理能力も高いPCはいくらでもある。それも、オリジナルのPixelbookを異質な存在にした理由の1つだ。999ドル(約11万円)という価格は、そのデバイスを高級ラップトップのカテゴリに分類するものだった。そしてChrome OSが、過去数年間で大幅に進化してきたのは確かだとしても、その製品が、いったい誰をターゲットにしたものなのか、ずっと明確になっていなかった。

まったく同じことが、Pixel Slateにも言える。どちらも、十分に優れたハードウェアであり、高級ラップトップのカテゴリにもChrome OSが通用する領域があることを主張できるものだった。Googleは、実際に製品が多く売れることを期待していたのかどうか、疑問にさえ思えてくる。それよりも、Pixelシリーズを生み出すことになった一種のリファレンスデザインを確立することに固執していたのではないか。

Googleの最近のハードウェアイベントは、Chromebookに関する国民投票のようなものだったのかもしれない。オリジナルのPixelbookは、まだ現行製品だが、発売から2年が経過しても、一度もアップデートされていない。それを言い出せば、問題の多いPixel Budsにさえ、後継機が発表されても、なお執行猶予が与えられ、生き延びている。一方、Pixelbookには、Goが登場した。

この新モデルは、少なくともオリジナルのPixelbookの後継機ではない。今年はじめに大幅な値引きを実施していたことからも分かるように、GoogleはオリジナルのPixelbookの在庫を売り切ろうとしている。むしろGoの登場は、Googleが最初の2回では、ちょっと上を狙いすぎたことを、暗に認めているようなものだろう。

Goの649ドル(約7万1000円)からという価格は、人がこのカテゴリーに期待するものと、だいたい一致している。私が以前の記事で、前任機と比較してGoは「低予算」で買える製品だと表現したことについて、反感を買ったことは認める。確かに、低価格と言えるかどうかの基準は、Chromebookと、その他のカテゴリとでは大きく異なるだろう。Googleとしては、そうした概念を無視したいところだろうが、常に価格が、購入を決定する際の重要な要素となっているのは確かだ。

Chromebookでは、製品の価格が200ドル(約2万2000円)を下回ることも珍しくないので、Pixelbook Goは、それでもハイエンドに近い領域のものとなる。そして、あれこれオプションを選択していくと、価格は、そこからどんどん跳ね上がる。実際、現在のGoogleのサイトでは、最高のオプションを指定すると、1399ドル(約15万2000円)にもなる。これは、ほとんどのユーザーにとって、高級ラップトップの領域に踏み込むものだろう。これは、正直なところ、Googleのスマホの戦略とは、まったく合致していない。スマホでは、Samsung(サムスン)やApple(アップル)のようなフラグシップ専門のメーカーに対して、相変わらず低い価格で差別化を図っている。

それはともかくとして、価格だけを比べても、Pixelbook Goは、オリジナルのPixelbookよりも訴求力のある製品だ。しかし、このカテゴリーで何をすべきか確信している会社に、何らかのメッセージを送るようなデバイスではない。Acer(エイサー)のような企業が、教室の外に活路を見出そうとしている中、せいぜいGoは、そうした中間クラスのデバイスにも未来があるという、Googleの自信を誇示するものに過ぎない。

Googleがどこで手を抜いたかは、一目瞭然だ。この製品には、オリジナルが醸し出していたようなプレミアム感が欠如している。オリジナルのPixelbookについても、言いたいことはいろいろある、という人がいるだろう。しかし、それは見栄えのするデバイスだった。しかしGoは、少なくともぱっと見には、他社のChromebookとそれほど違うようには感じられない。高級感のあるガラスとアルミニウムは姿を消し、代わりにつや消しのマグネシウム合金が使われている。仕上げは、かなりプラスチックっぽく見える。

本体の色としては、Googleが独自に名付けた2色が用意されている。「Just Black」と「Not Pink」だ。Googleはレビュー用に前者の色を送ってきた。言ってみれば、ただの黒だ。正直なところ、蓋の角の部分にある白い小さな「G」というロゴによって、多少は救われている感がある。サーモンのような「Not Pink」なら、もうちょっとポップな感じだろう。Googleも、昔のiBookを見習って、もっと多くの色を取り揃えるべきだったのではないかと思う。

このマシンは、たしかにポータブルだ。重量は、フルHDモデルで2.3ポンド(約1kg)、4KウルトラHDモデルで2.4ポンド(約1.1kg)となっていて、オリジナルより少し軽い。その反面、厚さは13.4mmで、オリジナルの10.3mmよりだいぶ厚くなった。数日間、バックパックに入れて持ち歩いてみたが、普段入れている15インチのMacBook Proよりは、背中もずっと楽だった。立体的なストライプのような底面の感触もいい。片手で楽に持ち運ぶことができる。

見た目の問題はさておき、低価格を実現するために、他にも削らなければならなかった部分がある。中でも、もっとも大きなものは、360度ヒンジがなくなったこと。これはかなりコストがかかるものであることが明らかになった。オリジナルのPixelbookの価格を押し上げていた、大きな要因の1つでもある。私自身の用途では、正直なところ、これは大きな損失ではない。オリジナルのPixelbookをテストした際にも、標準的なラップトップとしての使い方以外は、ほとんど出番はなかった。

ただし、クリエイティブなアプリのためにChromebookを購入しようと考えている人は、ペン入力機能の省略と合わせて、この360度ヒンジがなくなったことで不自由を感じるかもしれない。もう少し目立たない省略は、パームレストの前端から後端までカバーしていたトラックパッドが、ベゼルのある普通のトラックパッドになったこと。これにも、製造コストがかかっていたようだ。キーボードは、私から見れば改善されている。宣伝通り、確かに静かだ。キータッチは、かなり柔らかめ。特にMacBook Proなどと比べると、遥かにソフトに感じられる。ストロークも、ラップトップとしては深めで良好だ。

画面サイズは、オリジナルのPixelbookよりも大きくなり、ちょうど1インチ増えて13.3インチとなった。ただし、デフォルトの解像度は、1920×1080(166ppi)となっていて、オリジナルの2400×1600(235ppi)よりも荒くなっている。とはいえ、1399ドル(約15万2000円)出せば、3840×2160(331ppi)の4Kディスプレイのモデルが入手できる。繰り返しになるが、それだけの価格のマシンが、いったい誰を対象としたものなのかは謎だ。

Goも、相変わらず2つのUSB-Cポートを装備する。これは、オリジナルのPixelbookでも批判の的となった部分だったが、Googleはこれについては主張を改めていない。おそらく私は、このマシンの主なターゲット層からは外れるのだろうが、ポートは4つくらいあってもいいと思っている。特に、仕事用に外部モニターや、その他の周辺機器をつないで使いたいと考えているような人にとっては、そうだろう。

プロセッサは、第7世代から第8世代のIntel Coreにアップグレードされた。オリジナルから2年が経過しているのだから当然だろう。ただし、ベースレベルのシステムが採用するのは、i5ではなくm3だ。オプションで、i5、またはi7が選べる。他のすべてのものと同様、アップグレードが用意されている。RAMについても同様。8GBまたは16GBのどちらかを選ぶ。ストレージは、ベースレベルでは、オリジナルの128GBから64GBに縮小されている。最大は256GBだ。クラウドストレージを多用している人にとっては、ストレージ容量の数字はあまり意味がないかもしれない。

Chrome OSには、まだ制約が多い。レビューするたびに、それを前提としなくても済む日が来るのを楽しみにしているが、残念ながら、まだそうなってはいない。教育用としては困ることもないのだろうが、WindowsやmacOSから乗り換えるのは、多くの人にとって茨の道だ。Google Playが利用可能となったことで、使えるアプリはかなり増えた。しかし、スマホ用の画面サイズに限定されずに動くアプリは、まだわずかしかない。

しかも、Chromebook用が存在しないアプリもある。私は、今度の中国への旅に、これを持っていこうかと検討してきた。セキュリティ機能と、12時間持続するバッテリー寿命は、その旅に申し分ない。しかし、Audacityの代わりになるアプリが見つからない。私はいつも飛行機の中で、ポッドキャストを編集しているのだ。これについては、もしお勧めがあれば、読者に提案していただきたいと考えている。

オリジナルのPixelbookがそうだったように、このGoも、自らの存在意義を探求しているデバイスのように思われる。価格が300ドル下がったのは、正しい方向への第1歩だが、Googleははるかに安いサードパーティの製品と競合することになる。私自身、教室の外でChromebookを使うことを推奨する理由を思いつくのに苦労している。手頃な価格のWindowsマシンが、ごろごろしているからだ。おそらく、出張用のセカンドマシンには適しているかもしれない。ただ、そうだとしても、Chromebook特有のユースケースを必要とする人が、どれくらいいるのだろう。

明らかにGoは、教室の外にChromebookの活路を見つけようとしているメーカーを、Googleがリードしようという試みだ。ハードウェア的には魅力的な部分もあるが、Chrome OSが本当に必要としている革命や啓示をもたらすものではなさそうだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

GoogleのClassroomがデザインを一新、先生のための便利機能も

Googleが、教師と児童生徒のための学習管理システムClassroomを立ち上げたのは、もう何年も前だ。9月の新学年を控えた今日(米国時間8/7)Googleは、Classroomのデザインを一新し、ルックスをリフレッシュするとともに、教師のための新しい機能をいくつか導入した。

たとえば、新しくなった成績ツールは、Google DocsのファイルだけでなくOfficeやPDF、ビデオなどさまざまなファイルタイプを扱える。また、児童生徒は同じ間違いを繰り返すことが多いので、先生は“コメントバンク(銀行)”というものを作っておいて、よく使うフィードバックをすぐに送れるようにできる。Googleによると、これによって、(機械的な対応に時間と手間を取られないので)、児童生徒へのよく考えた対応ができるようになる。

先生のための新しいトレーニング教材サイトができたので、Classroomを使うための教材の発見選択にあまり時間を取られなくなる。

また、新たにできた“Classwork”というページでは、先生が宿題を、グループ、モジュール、ユニットといった単位でまとめることができる。これにより前のクラスでやったことを、新しい担当クラスで容易に再利用や部分的変更ができる。また通知などの音に邪魔されたくないクラスでは、それらをoffにできる。

Googleによると、今度からClassroomは、小テストを作るGoogle Form使えるようになり、児童生徒を小テストに集中させるためのロックドモードも使える。またデバイスを管理するためのChrome OSのアドミン機能の一部も、利用できる。

誰にとっても良いニュースとしては: Docsのマージンとインデントの扱いが改良され、MLA準拠の文書を作りやすくなった。MLAか…、アメリカの学校の先生は、たいへんだね。インデントの改良は、秋から発効する。

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

GoogleのFuchsia OSは製品としてのオペレーティングシステムを目指していない?

GoogleのProject Fuchsiaは、今でもときどきテクノロジー関連記事で取り上げられる。Googleが新しいオープンソースのカーネルとオペレーティングシステムを開発するのはこれが初めてだから、人びとの関心は消えない。でもそれはきわめてオープンに開発されているから、秘密のようなものはほどんどなく、誰でもちょっと勉強すればPixelbookの上で動かせる。プロジェクトのドキュメンテーションも、たくさんある。

Bloombergの最近の報道によると、約100名のエンジニアがGoogleでFuchsiaを担当している。しかしこのプロジェクトは、GoogleのCEO Sundar Pichaiも正式に承認しているが、まだその位置づけがはっきりしない。Androidを置換する、という説もあるが、それはないだろう。それは、Chrome OSとAndroidをマッシュアップして一本化したオペレーティングシステム、でもないと思う。

むしろ、たぶんそれは、いくつかの新しいアイデアを試してみるための実験的なシステムだろう。将来、正式なプロダクトになるのかもしれないが、そのためにはもっと大きなチームと投資が必要なはずだ。あるいは、Google Homeなどのハードウェアに載るのかもしれない。そうなるとそれは、Googleが100%完全にコントロールできる組み込みOSになる。

Googleのような企業が次世代オペレーティングシステムに取り組んでいても不思議ではないし、重要なのはFuchsiaがAndroidやChromeOSと違ってLinuxのカーネルをベースにしていないことだ。FuchsiaのカーネルはZirconと呼ばれ、Googleのほかのオペレーティングシステムを動かしているモノリシックなLinuxカーネルと違ってマイクロカーネル方式だ。そして、新しいカーネルの構築は大仕事だ(それはGoogle自身の組み込みカーネル“littlekernel”(LK)プロジェクトをベースにしているらしいが)。

Microsoftも数年前から、マイクロカーネル方式の実験的なオペレーティングシステムプロジェクトSingularityに取り組んでいたが、それは結局立ち消えになったようだ。

でもこれらのプロジェクトの目的は、必ずしも最終製品を作って市場に出すことではない。それは、何らかの技術の可能性を探る実証的実験であったりする。そこで得られた結果が、既存のプロジェクトに役立つこともある。そこから、新しいパテントがいくつか得られることもある。それは、シニアエンジニアが好むタイプの仕事だ…Bloombergの記事はそれをほのめかしている。Bloombergが取材した某氏は、それは“シニアエンジニアのつなぎ留めプロジェクトだ”、と言っている。新しいオペレーティングシステムを本当に作るのなら、100名では少なすぎる。でもその100名は今、AppleやMicrosoftの仕事ではなく、Googleの仕事をしている。それは、Googleにとって良いことだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleは企業の現場労働者たちにも気軽なコンピューターとしてChromebookを使わせたい

Googleの社内には“Grab and Go”〔仮訳: 手に取ったらすぐ使え〕プログラムというものがあって、社員たちは上図のようなセルフサービスのコーナーへ行ってChromebookを勝手に借りて使ってよい。ITの面倒な承認プロセスは要らない。そしてこれからは、ほかの会社でもそれができるのだ。

Chromebookは教育に自分の世界を見つけたが、しかし最近では大企業が、主にブラウザーだけを使う集中管理型デバイスとして、これに目をつけ始めた。つまり学校も企業も、同じようなデバイスを求めていたのだ。

Google社内では、これまで3万名あまりの社員がのべ10万台あまりの貸し出しを利用した。

Googleは他社にも同じことをしてもらいたいが(そして多くのChromebookを使って欲しいが)、現状ではまだ一定のプレビュー事業なので、Googleはまだ、上図のラックのようなものは売っていない。Googleによると、やってみたい企業にはそのためのシステムのオープンソースのコードを提供し、セットアップとデプロイのやり方も教えるそうだ。また、どこかとパートナーしてハードウェアも制作〜提供し、あるいは‘Grab and Go’をサービスシステムとしてセットアップさせるつもりだ。

社内に置かれた‘Grab and Go’のコーナーというかステーションを使いたい社員は、単純にラップトップを一台手に取り、記帳し、使い始めればよい。使い終わったら、返却する。とっても簡単だ。

Google自身がChromebook用のラックを作って売るという、すごい話ではないが、企業にChromebookを売ろう、というプロジェクトではある。とくにねらっているのは、短時間気楽にデバイスが使えればそれでいい、というタイプの現場労働者だ。シフト労働者やリモート労働者も、そんなChromebook族に含まれる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

これからはchrootツールを使わなくてもChrome OSの上で正規にLinuxを動かせる

かなり前からデベロッパーたちは、Croutonなどのツールを使ってChrome OSマシンをLinuxベースのデベロッパーマシンとして使っていた。それはちょっと面倒なやり方だが、とりあえず使えた。でも今度からは、それがもっと簡単になる。Chrome OSマシンの上でLinuxアプリケーションを動かしたい人は、Settingsメニューにあるスイッチを切り替えだけでそれができるようになる。それは、今後Googleが、Chrome OSにLinuxの現在の安定バージョンの載ったDebian Stretchが動く、仮想マシンを同梱するからだ。

それは、シェルを使えるだけでなく、グラフィクスも完全にサポートされる。だからたとえば、Visual Studio CodeのMicrosoftによるLinuxバージョンを、Chrome OSマシンで動かせる。あるいはAndroid StudioでAndroidアプリを作り、そのラップトップ上でテストできる。Chrome OSのAndroidアプリのサポートは、昨年実現したから。

Linux on Chrome OSの最初のプレビューはすでにGoogleのPixelbookで試せるが、そのほかのデバイスのサポートは“もうすぐ”ということだ。

GoogleのChrome OS担当プロマネ・ディレクターKan Liuによると、デベロッパーがCroutonを使っていることはもちろん知っていたが、でもそうすると、Googleが提供しているセキュリティ機能がいっさい及ばなくなってしまう。最近ではChrome OSマシンもかなり強力になっているので、そのままLinuxを使いたいという要望も増えている、という。

グラフィクスに関しては、Waylandディスプレイサーバーを使用している。ウィンドウのルックスは、Androidや、Chrome OS上のWebアプリケーションと同じだ。

一般ユーザーにはLinuxの内蔵サポートから得られる利益はあまりないと思われるが、デベロッパーにとってはこれでChrome OSマシンがより魅力的になる。Pixelbookのようなハイエンドマシンでは、とくにそうだろう。Liuは、自分たちのチームが相当な労力を費やしてその仮想マシンを最適化した、と強調している。だから、Linuxアプリケーションを動かすことに伴うオーバヘッドは小さい、と見てよいだろう。あまり強力でないマシンでも、コードエディターを不満なく使えるのではないか。

そのうち誰かがWineエミュレータを持ち込んで、Chrome OS機の上でWindowsアプリケーションを動かし始めるのも、時間の問題だろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

AppleのiPad教育イベントの前日Googleが学校向けChrome OSタブレットを発表

Chrome OSは、Googleがいろんなものを教育市場に仕掛けるための、理想的な足場になった。安くて簡素なChromebookは、インターネットをフルに利用することによってコンピューターの複雑さや難しさを軽減している。ただしこれまでは、タッチ画面のデバイスという、いまどき大きなピースが欠けていた。

そこで今日(米国時間3/26)Googleは、Chrome OSを載せた初めての教育用タブレットを発表した。その最初の製品が、Acer Chromebook Tab 10だ。これから子どもたちが手にすることになる、と思われるこのタブレットは、サイズが9.7インチの2048×1536で、お値段はAppleのエントリーレベルのiPadと同じ329ドルだ。

Chrome OSデバイスだからChrome教育ライセンスのある学校のITシステムに容易に統合できる。児童生徒たちは気軽に持ち歩きでき、スタイラスや指タッチでノートを書ける。AppleのiPadが填(う)めるべきだったかもしれない間隙を、これが填しまうかもしれない。

発表が行われた今日(米国時間3/26)は、Appleの教育イベントが明日行われる、という日だ。そのイベントでは、児童生徒のためのコンピューティングプラットホームとしてiPadの利点が訴求されるとともに、新製品や新しい機能の発表も行われる、という説もある。

タブレットは簡単に手に持てるので、教育におけるAR体験にも最適だ。世界遺産的な名所旧跡を訪れるVRツールGoogle Expeditionsが近くAR化されるから、児童生徒たちは画面にオーバレイされる解説などを見ながら、Great Barrier ReefやColosseum、International Space Station(国際宇宙ステーション)などを訪問できる。

The Acer Chromebook Tab 10は今春、教育者向けに発売される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

最新Chrome、自動再生音声のシャットアウトをテスト中

音声付きビデオを自動再生するようなウェブサイトは、もうすぐ過去の遺物となるかもしれない。すくなくとも、閲覧者がそうしたサイトに悩まされることは少なくなっていきそうだ。

Googleが、特定サイトにおける音声再生を簡単かつ永久に遮断するオプションを準備しようとしているようなのだ。

ブラウザで再生される音声に悩む人はこれまでも多かった。複数タブを開いているときに、音を鳴らしているページをすぐに見つけ出すため、タブにインジケーターを表示する機能を加えたりもしてきた。さらにはより簡単に音声を再生しているタブを特定する拡張機能なども開発された。そしてGoogleの開発者であるFrançois Beaufortによれば、このたび、最新のテスト版である「Canary」にて、新しいミュート機能を導入テスト中なのだ。

使い方は極めて簡単でかつ効果的だ。アドレスバーの左側で通信の安全性を示しているところをクリックして表示されるオプションから、サウンドのミュートを選択する。オプションは、設定を自分で変更するまで有効で、変更しない限りは永久に音声再生がミュートされるようになる。

この機能を実装しようとしているのはいまのところChromeだけだが、おそらくは他のブラウザも追随してくるものと思われる。

この機能がさまざまなブラウザで実装されることになれば、勝手に音声付きビデオを再生するサイトは減っていくものと思われる。利用者の気持ちを損ねてしまっては、永久にサイトからの音声がシャットアウトされてしまうことになるからだ。すなわち、インターネット上の鬱陶しい存在がひとつ姿を消すことになるわけだ。これはネット利用者の勝利と言って良いのではないだろうか。

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(翻訳:Maeda, H

VMwareとGoogleがパートナーしてChrome OSの管理をWorkspace Oneに導入…アプリケーション環境の完全統一化を目指す

GoogleのChromebookラップトップの良いところは、驚くほどメンテナンス不要であることだ。ブラウザーがOSなので、アプリケーションはクラウドで動く。すべてのアップデートが、自動的に行われる。超簡単だ。

でも、企業などの、いろんなデバイスやOSを使っている環境では、それほど単純でもない。そこでVMwareは今日(米国時間5/9)Googleとのパートナーシップを発表し、Chromebookのアイデンティティとアクセスとポリシー設定のコントロールをメニューに加えることになった。

でも、それはGoogleの仕事では? 確かにそうだが、問題は、大きな企業ではChromebookだけを使ってるわけではない。WindowsもOSXもiOSも、そしてAndroidもあり、というマルチデバイスの環境では、Chrome OSだけでなく複数のOSを横断するポリシー管理が必要になる。VMwareのSVP Sumit Dhawanは、この点を強調する。

しかしそのように複数のデバイスやOSを使っている環境でも、VMwareのWorkspace Oneを使えば、すべてのオペレーティングシステムを横断するアクセスコントロールとポリシー設定、そしてアイデンティティ管理が単一の管理環境からできるようになる。“どの環境もそれぞれ独自の運用形式と管理形式を持っているから、顧客が異種混成的な環境を抱えているときには全体の管理がとても複雑になる。アイデンティティ管理もアクセス制御も、そのままでは一筋縄で行かなくなるのだ”、とDhawanは語る。

ITは複数のシステムを管理しなければならないし、エンドユーザーは複数のシステムやデバイスを行き来しなければならない。“弊社はそんなユーザーに、Workspace Oneで統一的なユーザー体験とIT管理体験を提供している。新たなユーザーデバイスの登録、旧型機の引退、ITとのコミュニケーション、パスワードのリセット、等々の業務を、デバイスの違いを超えて統一的に行えるようになる”、と彼は語る。

このような統合化作業は、デバイス横断的な管理だけにとどまらず、アプリケーションへのアクセスも、Web、クラウド、仮想化アプリケーションといった多様化への対応が必要になる。デバイスが多様であるだけでなく、アプリケーションの提供〜利用形式も多様化する。

VMwareに顧客から寄せられる要望は、Chromebookの単純でメンテフリー、アップデート完全自動化の環境を、そのほかのデバイスや環境にも実現して欲しい、というものだ。“極論としては、顧客は、自分が管理しセキュリティを確保しなければならない環境はChromebookだけでたくさんだ、ほかのいろいろなデバイスや環境のことはいちいち気にしたくない、ということなんだ”。

最近のIDCの調査によると、Chromebooksは企業にも浸透しつつある。2018年にはFortune 500社の25%が、IT部門公認のデバイスとしてChromebookを採用する。VMwareは、顧客企業のそんな要望に応えなければならない。

GoogleのAndroidとChrome担当プロダクトマネージャーRajen Shethによると、VMwareとのパートナーシップは始まったばかりであり、今後はもっと拡大していく。

“今後のChromebookは、クラウドだけでなく仮想化環境にも対応していく。VMwareと協働して、Androidと仮想化の両方に対してChrome OSのアプリケーションを最適化してきた。今は、もっと深い統合化に取り組んでいる。その工程も、始まったばかりだ”、とShethは語る。

Shethによると、両社の究極の目標は、Chrome、Android、仮想化など、いろんな環境のいろんなアプリケーションをChromebook上に持ち込み、上述のメンテナンスフリーなどの単純容易な特徴を共通的に実現していくことだ。そんな全アプリケーション横断的な統一化を、Workspace Oneが可能にする。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、ChromeOSバグ探し懸賞の最高賞金を10万ドルに倍増

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2015年にセキュリティー賞金稼ぎに200万ドルを支払ったGoogleは今日(米国時間3/14)、重大なセキュリティー欠陥を発見した場合の報酬を倍増し、最大報奨金額を5万ドルから10万ドルに引き上げた。

Googleは、Chormeのセキュリティーに極めて真剣に取り組んでおり、Chomebook、Chromeブラウザー、およびChrome OSの脆弱性を見つけたハッカーを対象に、バグ探し報奨金を2010年から設定している。

昨年Googleは200万ドル以上のセキュリティー報奨金をハッカーに支払った。

昨年Googleは200万ドル以上のセキュリティー報奨金をハッカーに支払った。

Chromeオペレーティングシステムは、Mac OSやWindowsのようには成功していないが、学校でニッチを見つけた。その段階的な成長と低価格、およびターゲットユーザーが、このOSに独自のポジションを与えた。
ChromebookノートPCを最低150ドルから提供することで、プラットフォームは新興国や初回コンピュータ購入者にとって理想的な低価格の選択肢になった。その結果Chromebookは、伝統的に必ずしもセキュリティーに気を配らない人たちの人気を獲得することとなり、ChromeOSのセキュリティーを適切なものにすることは、いっそう重要になった ― 中でも報奨プログラムは鍵となる部分だ。

報奨プログラムで引き上げられた最高賞金の対象は、「ゲストモードでのChromebookの恒久的侵害」。言い換えると、ゲストモードでハックされたChromebookが、リブート後もハック状態であり続けることだ。

Googleは、金額が5万ドルだった時に、この賞金を支払ったことはないが、対象を説明する文言から、Googleがこの種の障害を優先的に防ごうとしていることが見てとれる。会社はゼロデイ攻撃を未然に防ぎたいのだ。Googleは最も悪質な浸害に対して賞金を10万ドルに上げることでハッカーたちを引きつけ、悪の手に脆弱性を利用されることなく、Chromeチームが問題を解決できることを間違いなく願っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

プロダクトを隔離/孤立させないGoogleの社風がChrome OSとAndroidの合体を支える

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Googleが(主に)ラップトップに導入した‘クラウド’オペレーティングシステムChrome OSと、スマートフォンやタブレットのOS Androidが一つになるかも、とWall Street Journalが報じている。この“一体化”は、早ければ来年、…来年のI/Oカンファレンスあたりで…実現するらしい。

ぼくはこれまでの数年間個人的に、いろんな情報筋から話を聞いているが、この二つのプロジェクトの“合体”については、まだ想像の域を出ない、という声が大勢だった。しかし、昨年Androidの協同ファウンダAndy RubinがGoogleを去ってから、急にこの話題が賑やかになってきた。

今分かっているのは、どちらのオペレーティングシステムも‘消される’ことはない、ということだ。

状況はこうだ。モバイルが世界を支配している。そしてGoogleのCEO Sundar PichaiはそれまでChromeとChrome OSとGoogle Appsを統括していたが、2013年にAndroidも担当することになった。この前のAlphabetの決算報告で彼は、モバイル重視を宣言している。オペレーティングシステムとして比較すると、Androidの方がChrome OSよりも、いろんな点で優れている。しかしChrome OSを影で動かしている人形遣いChromeブラウザは、今やインターネット上の強力な勢力に育っている。

Chrome OSにはネイティブアプリケーションというものがないので、デベロッパは新しいOSなのに興奮しないし、消費者の心が可能性への期待で膨らむこともない。言い換えるとChrome OSはまったく退屈である。あまりにも退屈だから、学校に好かれている。Google Appsを導入したい大企業が職場への採用を検討している(これまた、退屈なシステムだから)。ぼくがいつも感じていたのは、こんな単純なものはAndroidの中の一つの“モード”でいいじゃないか、ということ。インターネットに接続して退屈な仕事をするだけなら、そのモードでAndroidを使えばよい。いずれにせよ、そのエコシステムは健在だ。

Sundar_Pichai_(cropped)

Pichaiが先日「モバイル」を連呼したことも、その兆しだったかもしれないが、もっと露骨なのはPixel Cの発表だ。それはいわば、Android上のラップトップ+タブレットだった。

トップがCEOになったため、その直下の愛(まな)弟子ならぬ愛部下Hiroshi Lockheimer SVPが、AndroidとChrome OSとChromecastを継承し担当することになった。Fast Companyがこんな記事を載せている:

AndroidとChrome OSは、次の、あるいは次の次のリリースではどうなるのか。また、数年後にはどうなるのか。ぼく〔記者〕は、具体的な答は得られないことを最初から覚悟して尋ねた。しかしLockheimerはきわめて具体的に、オペレーティングシステムの開発はそれが使用する部位や、それが動くデバイスとは無関係に行われうるものではない、と述べた。これら二つのオペレーティングシステムを担当する技術者たちを統轄するために彼は、それらが動くチップからそれらの商品化に至るまで、あらゆる具体的なことを考えなければならないのだ。

彼(Lockheimer)が例として挙げたのは、AndroidフォーンでChrome OSラップトップをアンロックできる、という事実だ。ものすごく具体的なレベルでは、AndroidとChrome OSはすでに、一つと見なすしかない。

Googleの中ではすでに、AとCのあいだで、知識と経験の共有が生じている。

われわれ外部者に分かっていることはまだ多くないが、少なくとも言えるのは、今Googleがどちらの獣にもフードを与えている、ということ。今後の最終結果が合体であるにせよ、ないにせよ、その意思決定は、両者を育てる努力から得られた知識と経験がベースになる。彼らの世界では、エラーの経験すら、明日の栄養になる。プロダクトとコードに関しては、同社は入れ子人形(マトリョーシカ)だ。新しいものは必ず、前のものに依存している。

この問題についても、「AかCか」ではなく、「AもCもすべて」と考えた方がよい。Google(とその母艦Alphabet)は、いつもそうだけど。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

9月1日はChromeがFlash広告の再生を停止した日

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インターネット上で50%以上の人が利用するブラウザであるChromeが、本日(9月1日)より正式にFlash広告の動作を停止させることとなった。標準的メディアプレイヤーとしての地位を失ったFlashは、ついに歴史的遺物となる道を歩み始めた。Googleによる発表時の言葉を引いておこう。

6月にChrome上にてFlashによる広告の動作を停止させる旨をアナウンスしていました。これは利用者のパフォーマンスを改善することを狙ったものです。2015年9月1日より、Flash広告は初期状態で再生されなくなります。

Googleは警告を発し、そしてFlash広告をHTML5に自動変換するツールなども提供してきた。今回の変更により、たいていのウェブページでのFlash広告は動作しなくなる。Flashを利用した広告が「静物」化するわけだ。広告制作者が作ったFlashコンテンツは利用者に届かなくなる。

なお、AmazonでもFlash広告を制限する方向に進みつつあり、Flashビデオを再生する広告はほぼなくなっている状況だ。そうは言ってもこれまでの蓄積もあり、Flashコンテンツはあちこちで目にする。しかし(ようやく)Flash広告は作られなくなり、そして消え去っていくこととなりそうだ。

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(翻訳:Maeda, H

ウェブ版Skypeベータ、全世界で公開―これでChromebookやLinuxでもIMが使える

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Skypeはウェブ版のベータを今月初めにアメリカとイギリスで公開したのに続いて、全世界に一般公開した。Skype for Webはインスタント・メッセージについてはChromebookとLinuxもサポートする。ただし音声とビデオはプラグインのインストールが必要なためこれらのプラットフォームではサポートされない。

ウェブ版の世界公開にともなって、サポートされる言語も下記のとおり一挙に拡大された。

アラビア語、 ブルガリア語、 チェコ語、 デンマーク語、 フィンランド語、 ドイツ語、 ギリシャ語、 スペイン語、 エストニア語、 フィンランド語、 フランス語、 ヘブライ語、 ヒンディー語、 ハンガリア語、 インドネシア語、 イタリア語、 日本語、 韓国語、 ノルウェイ語、 オランダ語、 ポーランド語、 ポルトガル語(ブラジル)、ポルトガル語(ポルトガル)、 ルーマニア語、 ロシア語、 スウェーデン語、 トルコ語、 ウクライナ語、 簡体中国語、 繁体中国語

Skype for Webベータを利用するにはweb.skype.comまたはSkype.comを開いてログインすればよい。短時間使ってみて印象では、きちんと作動するようだ。IMがサポートされるになったのでChromebookの利用価値がかなりアップしたことになる。また自分のパソコンが手元になくてもネットカフェなどで利用できるわけで、身軽に動きたいがネットのコミュニケーションは欠かせないというユーザーには朗報だろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

HisenseとHaierが149ドルのChromebookを発売、Asusからも珍種が

数週間前にはGoogleがChromebookの最高級機Chromebook Pixelのニューバージョンを発表して話題になった。今日(米国時間3/31)はChrome OSのエコシステムから、それとは真逆の2機種が生まれた: Haier Chromebook 11(Amazonで買える)と、Hisense Chromebook(Walmartで買える)だ。どちらも11.6インチ画面のChromebookで小売価格は149ドル、これまででもっとも買いやすいお値段のChromebookだ。

さらに、今日のGoogleの発表ではAsusが249ドルのChromebook/タブレットコンバーチブル機と、完全なChrome OSコンピュータを小さなHDMIスティックに収納したChromebitと呼ばれる製品を出すらしい。後者はIntelのCompute Stick.に似ているが、両製品とも発売日は未定だ。

Asusからはさらに、11.6インチで169ドルのChromebook、C201が出る。こちらはRockchipのクワッドコアプロセッサを搭載し、メモリ2GBと4GBのバージョンがあり、5月にAmazonから発売される。

最初に挙げたHaierとHisenseのChromebookもRockchip3288 SoC(system on a chip)を使用している。えっ!と思われた方もおられるだろうけど、Rockchipはまだそれほど知られている名前ではない。でもこの企業は、ある日突然夜逃げをするような連中ではない。2001年に創業された同社は、中国のファブレス半導体メーカーのトップ集団に属し、最近はIntelとの契約により、Atomのコアを使った製品を作ることになった。ただし3288 SoCはARMのチップで、32ビットクワッドコアのCortex 17が設計のベースだ。

Hisense Chromebook (1)

多くのユースケースにとって、3288は十分な閲覧スピードを提供するだろう。まだ実物を経験していないが、すでに多くのベンチマークでIntelの最新のAtomチップの一部を抜いている。

HisenseとHaierのChromebookは、基本的に同じだ: 2GBのRAMと16GBのeMMCフラッシュストレージ。どちらもUSBポートは2つ、SDカードリーダーにHDMI出力、720pのWebカメラ、WiFiとBluetoothあり。両機ともGoogleの音声コマンド”OK Google”が常時有効で、キーボードはGoogleがちょっといじったChromeキーボードだ。

Haierは149ドルバージョンのほかに、やや大型で電池交換可能なChromebookを出す予定だ(電池寿命10時間)。今の充電オンリーの機種では、Haierが10時間、Hisenseは8時間半を約束している。

低価格機は低価格機であるためにディスプレイをけちる。Rockchipの内蔵GPUは4K対応だそうだが、今回の両機のディスプレイは4Kにほど遠い。

重さはHaierのChromebookが2.54ポンド(11インチのMacBook Airとほぼ同じ)、Hisenseは3.3ポンド(こちらはChromebook Pixelとまったく同じ)。

両社は共に、安いけど頑丈だ、と主張している。たとえばHisenseには金属製のパームレストがあるから、もっと高価なオールプラスチック製のChromebookよりも良い感じだ。今回、体験レビューはまだ書けないけど。

これらのデバイスのローンチによって、Chrome OSのエコシステムはWindowsの世界と横並びになる。一部の報道によるとMicrosoftは、OEMたちがWindows 10のラップトップを149ドルで売りだすことを望んでいるらしい。

 

Asus Chromebook Flip

AsusのChromebook FlipとChromebit

Asus Chromebitは小売価格が99ドル以下になる。これもRockchipデバイスで、RAMは2GB、eMMCフラッシュストレージは16GBだ。つまりChromebookと同じ。だから、Chromebookをキャンディバー(棒飴)サイズのスティックに収めたものだ。Chromestickと呼ばないのが不思議だね。

HDMIスティックだから、外回りの社員に使わせたい企業や、屋内(〜店内)ディスプレイ用に使いたい企業が主なターゲットだ。GoogleもChromebox用にその手を考えている。格好のおもちゃとして飛びつくハッカーも、たくさんいるだろうな。

なお、今回は説明を書ききれなかったが、コンバーチブル機Chromebook Flipは上の写真だ。

Asus Chromebit

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google、Pixelに新モデル投入―パワーユーザー、デベロッパーに最高のChromebook

GoogleのChromebook Pixelはデビュー以来ずっとChrome OSに何ができるのかをGoogleがデモするためのフラグシップマシンだった。今回発表された新モデルもその伝統を受け継いでいる。

外観はほとんど変わらず、デザインの一新を期待した向きに残念だが、新Pixelは旧モデル同様、金で買える最高のChromebookだ。最安モデルが999ドルで、お買い得といっていいだろう。Googleは旧版の長所はそのままにさまざまな改良を加えている。特にバッテリー駆動時間は大きな改良点だ。 以下詳しく紹介したい。

まず基本スペックから見ていこう。新Pixelは2モデルからなる。999ドルのCore i5(2.2 GHz Broadwell-U)モデルには8GBのメモリー(旧版は4GB)と32GBのSSDが搭載される。1299ドルのCore i7 LS(2.4 GHz Broadwell-U)モデルには16GBのメモリー、64GBのSSDが搭載される。両モデルともIntelのHD Graphics 5500 GPUを装備し、重量は3.3ポンド(1.5kg)だ。LSというのはludicrous speed(馬鹿げたスピード)の頭文字だそうで、Googleもやり過ぎを自認しているハイパワーモデルだ。しかしChromebookのアプリを開発するデベロッパーにとっては最適のマシンだろう。

今回の新モデルはWi-Fiのみで、LTEモデルは発表されなかった。私の取材に対してGoogleの広報担当者は「ほとんどのユーザーがスマートフォンからテザリングして利用していることがわかったので、LTEに資源を割くことはしなかった」と答えた。

両モデルとも当面、アメリカのGoogleオンライン・ハードウェア・ストア のみで販売される。新Pixelが外国で購入できるようになる時期についてはまだ発表がない。ただしイギリスでは来月発売が開始されるという情報をわれわれはつかんでいる。

地味なアルミの筐体、ディスプレイの裏にLEDで光る細いライトバーがあるところを含め、新モデルの外観は旧モデルとほとんど同一だ。

ディスプレイを開いても依然として違いはわずかだ。キーボードは多少タッチが改良された。2560 x 1700の(美しいが反射が強い)12.95インチ・タッチスクリーンは239 ppi、430万ピクセルという高精細度だ。

ただしPixelの内部は完全に一新されている。 第5世代のi5 CPUはGoogleのOctaneベンチマークで旧モデルの21,711ポイントに対し、24,392ポイントを叩き出す。

もっともウェブサイトをブラウズするなど日常の利用ではプロセッサーの差はあまり意識されないかもしれない。しかし旧モデルはすぐに熱くなりファンがうるさく回り始めた。新モデルでは今のところファンは回らず、熱くもならない。

バッテリー駆動時間、USB Type-C充電

新Pixelのバッテリー駆動時間は大きく改善された。旧モデルはおよそ5時間で死亡したのに対し、新モデルは約12時間もつ。私の1週間のテストでも10時間は確実に作動した。つまり仕事でまる1日使った後、さらに家で1時間くらい寝そべってウェブを見ることができるわけだ。

バッテリー駆動時間の改良でGoogleが取った戦略は興味深い。新しいスクリーンは「コンテンツ対応バックライト」を装備する。さらに、最近普及が進み始めたパネル・セルフ・リフレッシュテクノロジーを用いており、静止画が表示されている間GPUを停止させることによってかなりの省電力を実現する。キーボードのバックライトも入力が30秒以上ないと自動的に減光する。

仕事でまる1日使った後、さらに家で1時間くらい寝そべってウェブを見ることができる

また新Pixelには高速充電モードが用意されている。これは15分間の充電で2時間の駆動時間が得られる。充電を忘れてきたことに外出先で気づいたときなど役立つ機能だ(もちろん電源が手に入ればだが)。フル充電には1時間半ほどかかる。

新Pixelでいちばんおもしろいのは充電の方法 だ。裏表兼用のUSB Type-Cポートが左右両サイドに一つずつ設けられており、 Chromebookで、というかノートパソコン全体でも新MacbookMacBookに次いで、次世代USBを採用 する最初のモデルとなっている。

GoogleのBowersは私の取材に対して 「ここでわれわれが目指している重要なイノベーションはユニバーサル充電の実現だ。毎日外出のたびに1ダースもの異なる充電アダプターを持ち歩くのは煩わしい」と答えた。Pixel担当のプロダクト・マネージャー、Adam Rodriguezも「ほとんどのスマートフォンは(Appleを別にして)標準的なmicro-USBポートからの充電が可能だ。そろそろノートパソコンにも標準化が実現してよい時期だ。USB Type-Cは100Wまでの電力を供給できる。これならハイエンドのノートの充電にも十分だ。このシステムは非常によく考えられているので、スマートフォンに小電力を供給するのにも使える」と指摘した。

Googleは細部にもこだわる.

Type-Cポートはもちろん充電だけでなく、周辺機器とのデータ交換の役割も果たす。アダプターを通じてディスプレイその他の周辺機器と接続することができる。Google自身もType-CとUSB、HDMI、 標準ディスプレイ・ポートとの接続など、いくつかのアダプターを用意している。またいかにもGoogleらしく、Chromebookのハードウェアを接続するアダプターの仕様を公開し、オープンソース化している。Google製アダプターは、 Type-C/USB Aが12.99ドル、HDMI、DisplayPortアダプターが39.99ドルだ。

タッチスクリーン

最初のモデル以来、Pixelはタッチスクリーンを装備している。新モデルでも大きな変化はないが、Googleによれば色彩が前より鮮やかになったという。

私はPixelの旧モデルを使っていてタッチスクリーンが弱点だと感じることが多かった。なるほど作動はするが、アプリがタッチに最適化されているとはいえず、あまり魅力を感じなかった。GoogleがAndroidアプリ多数をChrome OSにポーティングし始めたので、新モデルのユーザー体験は改善されそうだ。

Chrome OSはフル機能のOSらしくなってきた

スクリーンで依然として気に入らないのは反射がひどいことだ。見やすくするためにスクリーンを明るくしなければならないことがたびたびあった(そうするとバッテリーのもちが悪くなる)。Pixelは室内向けのマシンで、天気のよい屋外で使うのは難しい。

一方、Googleが3:2のアスペクト比を守っている点は良い。 ノートパソコンでは16:9や16:10が標準的だが、私は高精細度スクリーンはワイドな方が好きだ。標準的なアスペクト比を好むユーザーの場合、1600 x 1062が快適な解像度だろ。最大の2560 x 1700に上げると私の目にはやや小さすぎる。

ライトバー

蓋(ディスプレイの裏)に設けられたライトバーはPixelで一番目立つデザイン要素だが、新モデルではこれに多少の実用的な機能が加わった。蓋を閉じた状態でライトバーをタップするとバッテリーの充電量が表示される。小さな点だが、最近のGoogleが細部にもこだわる一例だ。また、蓋を開いてパソコンを使いはじめるとライトバーはLEDで光るようになった。

やはり最高のChromebook

もしChrome OSのいろいろな制限が不満なら、PixelでUbuntuを走らせることができる。しかしGoogleの最近のアップデートでChrome OSはフル機能のOSらしくなってきた。つまりオフラインでもある程度機能するようになった。もちろんハードディスクのスペースは限られているが、このマシンのメインのターゲットであろパワーユーザーやデベロッパーにはプロセッサーが強力になり、バッテリーのもちがよくなったメリットが大きいだろう。この種のハードウェアを必要とするユーザーにとって、きわめて高品質でお買い得でもあるモデルとなったといえる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Acerが高価なChromeboxを発売、ストレージはSSDでRAM 8GB、4kのモニタをサポート

Chrome OSがデスクトップ機に載ると、ユーザに提供できるオプションはそれほどない。しかしAcerが今日リリースしたやつは、ちょっとしたモンスターだ。その薄くて小さなボックスには、そのほかのChromeboxの倍近いお値段の強力なマシンが入っていて、その性能を聞いたら誰もChrome OS機だとは思わないだろう。

このCXI Chromeboxと呼ばれるかわいいマシンにAcerは、第四世代のデュアルコアCPUと言われるIntel Core i3 4030Uを投入している。ローカルストレージは16GBのSSDで、RAMは最大8GB、4Kのモニタを駆動できる。

お値段はRAM 4GBのが350ドル、8GBなら400ドルだ。HPやAsusのChromeboxの倍近いが、まあこの仕様なら、これぐらい行くだろう。

GoogleのChrome OSは、いろんな業界にお友だちができつつある。昨年末のIDCの調査では、このオペレーティングシステムを搭載したラップトップ、いわゆるChromebookが、2014年の全機種中で売上トップだった。Microsoftは最近、Chrome OSの成長に対抗するため、OEM向けのWindowsの価格を下げ、またこれを受けてHPなどの企業は低価格機を発売した。でもこのAcerの新機種が示しているのは、ChromebookとChromeboxがますます好調であること、そして、Microsoftはもっと正しい答を見つける必要があることだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa