一歳を迎えたGoogleのTPUチップがアップグレード、機械学習/ディープラーニングのすそ野をさらに広げる

Googleが今日(米国時間5/17)のGoogle I/Oカンファレンスで、同社特製の機械学習チップTensor Processing Unit(TPU)の次世代バージョンを発表した。この、機械学習のタスクを高速化する専用チップは、従来のCPUやGPUよりも速いとされているが、昨年の同カンファレンスで発表されて以来、今回が初めてのアップグレードになる。

まず、スピードのアップだ。Googleによると、第二世代のTPUは1基が180TFLOPSの性能を有する。まだベンチマークは見ていないが、スピード以外でも進歩している。第一世代のTPUは既存のモデルを使って推論するだけだが、第二世代はモデルの訓練もできる。モデルの訓練は機械学習のワークフローの中でもとくに重要だが、その全過程をこの強力なチップがやってしまうのだ。

機械学習のモデルとは、たとえば写真に写っているものが木か車か猫かを正しく同定する能力のことだ。機械学習の推論とは、モデルを使って行う確率つきのオブジェクト同定処理だ。たとえば、“この写真に写っているのは85%の確率で木であってブロッコリの茎ではない”、などと推論する。

Googleの今日の声明文によると、同社の大規模な翻訳用のモデルを訓練するのに、市販の最良のGPU 32基を使用してまる一日、その1/8の台数の“TPUポッド”〔64TPUs, 11.5PFLOPS〕では午後の数時間で完了した、という。

GoogleのTenso Flowチップセット。写真提供: Google

このような比較はいつも、よく調べないと正しい意味が分からないが、とにかくGoogleは、GPUより速いと言っている。今日の機械学習の演算では多くの場合、もっとも強力なチップとしてGPUが使われているのだ。

さらにGoogleは、このチップの能力を同社のクラウドプラットホームからSaaSのサービスとして提供している。誰もが気軽に、この世界に入れるように。また、IntelのSkylakeとかNvidiaのVoltaなど、ほかのチップで作ったモデルを、TPUのクラウドへ移植して使うこともできる。

またコストをあまりかけられない試行や研究用には、無料のクラウドサービスTensorFlow Research Cloudがある。そこでは、研究者たちが、クラウド上の1000 TPUのクラスターを利用できる。



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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleのグローバル分散データベースCloud Spannerが一般供用を開始、MicrosoftのCosmos DBに対抗か

Googleのグローバルな分散リレーショナル・データベースCloud Spannerが、4か月という比較的短いベータを終えて、今日(米国時間5/16)から一般供用される。

このサービスの立ち上げ時のGoogleの位置づけは、既存の関係データベースが手狭になってきた企業のための代替製品、だった。GoogleのDeepti Srivastavaは、こう言っていた: “トランザクションデータベース(transactional database, 日常のトランザクション用のデータベース)のスケールで悩むようになったら、シャーディング(sharded database)かNoSQLにソリューションを求めようとするだろう。しかしこの二つのどっちかを選ぶとなると、今度はトレードオフに悩む。そんなときは、Spannerが最適解だ。それはユーザーが使い慣れているシステムでもある〔リレーショナル・データベース〕。われわれは、ユーザーがトレードオフでなるべく悩まないようにしたい”。

今回一般供用になって、Googleが約束する可用性は99.999%、そして強力な整合性(コンシステンシー)だ。今日のGoogleのブログ記事では、こう述べられている: “ソフトウェアとハードウェアを組み合わせたソリューションとして、Googleのグローバルなネットワーク全域にわたるアトミックなクロックとGPS受信機能を提供する。Cloud Spannerはさらに、完全に管理されたクラウドデータベースなので、精度と信頼性と性能も高い”。

Cloud Spannerの今回の一般供用は、MicrosoftがCosmos DBサービスを発表してから一週間足らずで行われたことになる。Cosmos DBはグローバル+分散という点でCloud Spannerに似ているが、整合性のモデルが多様だ。後者は99.999%のアップタイムだけだが、Microsoftはスループットやレイテンシーと共にコンシステンシーを保証している〔サポートするデータモデルもリレーションだけではない〕。

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データベースの健康長寿を守るCockroach LabsがシリーズBで$27Mを調達、複製の粒度をさらに細かく

“自分を複製することによって生き延びるデータベース”…Cockroach LabsのCEO Spencer Kimballは、同社の覚えやすい社名とその価値命題の関係をこう説明する*。エンタープライズ・サービスは混みあった市場だが、Cockroachはテクノロジー世界の高名なVCたちに愛されてきた。今日(米国時間5/10)は2700万ドルのシリーズB資金を、Redpointがリードし、Benchmark, GV, Index Ventures, そしてFirstMarkが参加したラウンドで調達した。〔*: cockroach, ゴキブリ, グローバルな熱核戦争に生き残る唯一の高等生物がゴキブリだ、と言われる〕。

同社のプロダクトCockroachDBは、最適化によってデータベースのダウンタイムを極小にするオープンソースのサービスだ。あなたがどこかのWebサイトを訪れるたびに、あるいは銀行口座をチェックするたびに、大好きなSNSにログインするたびに、あなたが必要とする情報をそれらのサイトのデータベースが提供する。

CockroachDBは文字通りあの昆虫のように自分自身を複製してそこら中に拡散するから、単一の無防備な標的になることがない。ゴキブリは、全生物が滅びる最後の世界大戦にも生き残る。同社はこの機能のことを、マルチアクティブ・アベイラビリティ(multi-active availability, 多重活性可用性)と呼ぶ。あなたの会社の製品やサービスが、どれだけ広範囲に採用されていても、致命的エラーを抑止することはつねに最優先事項だ。

新たな資金の導入に加えてCockroachは今日(米国時間5/10)、そのプロダクトのバージョン1.0を公式に発表した。Kimballによると、ベータ期間、あるいはそれよりも前から、スタートアップたちを中心とする熱心な顧客たちは、まだ正式なデプロイには適さないとされる段階のサービスを実装してきた。それは一見怖い話だが、この三年間同社がやってこれたのも、熱心なコミュニティのおかげだ。

“5か月後に1.1、その後は6か月ペースでアップデートしていく”、とKimballは語る。

最初GitHub上の(==オープンソースの)プロジェクトだったCockroachだが、今後は有料のエンタープライズユーザーを収益源にしていく予定だ。その有料バージョンには、エンタープライズのサポートのほかに、分散バックアップと分散リストアの機能が含まれる。大量のデータを管理し重要な業務を抱えるユーザーには、必須の機能だ。

中国の複合テクノロジー企業Baiduは、Cockroachの初期からの顧客のひとつだ。同社はこれまでCockroachのテスト役を買って出て、一日に20億のINSERTを処理し、それと並行して、悪夢のようなシナリオの数々をシミュレートしてシステムの自己回復力をテストしてきた。

Kimballが語る、年内に実現したい課題は、営業チャネルの拡大などのありきたりのものではなく、彼が地理的分割(geo-partitioning)と呼ぶ機能の実装だ。それは、カラムのレベルでの複製を地理的に細かい粒度で行う、という、複製のコントロールの細分化だ。

Cockroachが自分をGoogleのCloudSpannerから差別化する大きな要因が、オープンソースだ。地理的分割も、大きな差別化要因になるだろう。複製の細粒度化によってレイテンシーが減るだけでなく、データの独立性(他に侵されないこと)もよりしっかりと守られる。

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クラウドのセキュリティを個々のユーザーの構成のレベルで監視し助言するRedLockがサービスの一般供用を開始

クラウドインフラストラクチャの大手ベンダーたちは、自分たちのプラットホームのセキュリティについてはある程度知っているが、ユーザーを構成(コンフィギュレーション)のエラーから守ることはできない。そこで、今日(米国時間5/9)ステルスを脱したRedLockの出番だ。同社は、データを露呈する危険性のあるユーザーエラーの、警告や修復を行う。

もちろん、インフラの安全はクラウドベンダーの主要な責任のひとつだが、データの保護は顧客にも責任がある。クラウドの各インスタンスの構成の仕方も、データの安全性を左右する。いろんなユーザーが毎日ローンチするクラウドインスタンスの総数は膨大だから、発生する問題も多い。RedLockは、データを危険にさらす不正な構成から企業を守るクラウドサービスだ。

たとえば、会社のデベロッパーの一人がEC2のインスタンスにMongoDBのデータベースを載せて立ち上げた。そして顧客のPIIが載っているそのデータベースを、インターネットの上で開いたまま放置した。RedLockのファウンダーでCEOのVarun Badhwarによると、そんなとき同社は、データがインターネット上で露呈していることを警告し、顧客企業をその後の惨事から守る。

“Amazonは何年も前から、共同責任を言ってきた。彼らが作った図表には、物理的インフラの保護にまつわる同社自身の責任が明記されているが、その上のコンテンツやアプリケーション、それにファイヤーウォールの設定については、顧客にセキュリティ上の責任がある、としている”、とBadhwarは説明する。

Badhwarは、2005年にSalesforceのSaaS、force.comのセキュリティ構築を手がけて以来、今日までずっとクラウドセキュリティの仕事をしてきた。後日彼は、CipherCloudのローンチにも参加した。

彼の最新の企業(RedLock)は、一連のクラウドセキュリティサービスを提供し、同社がサポートしている主なクラウドベンダー上の、ユーザーのアクティビティの高レベルなビューの提供や、ポリシーのモニタリングおよび強制の自動化、異状検出、リスク管理などを行っている。また、事故後の犯罪捜査も行う。

RedLockのサービスはAPIのレベルでユーザーが使っているインフラストラクチャサービスに統合されるので、エージェントやプロキシは使わない。今サポートしているのはAWSとGoogle Cloudだが、年内にAzureのサポートも加わり、クラウドインフラストラクチャのビッグスリーがサポートされる。

写真提供: RedLock

このようなサービス(ユーザーの構成のチェック)はクラウドサービスのベンダーが提供してもよさそうなものだが、しかしBadhwarによると、そうなると個々のベンダーのクラウドに依存したソリューションになりがちだ。RedLockは、複数のクラウドにまたがるセキュリティを提供する。

同社はシリーズAで850万ドルを調達したことを発表した。シードラウンドの350万ドルと合わせて、同社の調達総額は1200万ドルになる。両ラウンドの投資家は、Sierra Ventures, Storm Ventures, (昨日ステルスを脱した)Dell Technologies Capital, およびその他だ。

RedLockのサービスは今日から一般公開される。料金は定額会費制で、同社システムがモニタするワークロードの大きさで異なる。

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VMwareとGoogleがパートナーしてChrome OSの管理をWorkspace Oneに導入…アプリケーション環境の完全統一化を目指す

GoogleのChromebookラップトップの良いところは、驚くほどメンテナンス不要であることだ。ブラウザーがOSなので、アプリケーションはクラウドで動く。すべてのアップデートが、自動的に行われる。超簡単だ。

でも、企業などの、いろんなデバイスやOSを使っている環境では、それほど単純でもない。そこでVMwareは今日(米国時間5/9)Googleとのパートナーシップを発表し、Chromebookのアイデンティティとアクセスとポリシー設定のコントロールをメニューに加えることになった。

でも、それはGoogleの仕事では? 確かにそうだが、問題は、大きな企業ではChromebookだけを使ってるわけではない。WindowsもOSXもiOSも、そしてAndroidもあり、というマルチデバイスの環境では、Chrome OSだけでなく複数のOSを横断するポリシー管理が必要になる。VMwareのSVP Sumit Dhawanは、この点を強調する。

しかしそのように複数のデバイスやOSを使っている環境でも、VMwareのWorkspace Oneを使えば、すべてのオペレーティングシステムを横断するアクセスコントロールとポリシー設定、そしてアイデンティティ管理が単一の管理環境からできるようになる。“どの環境もそれぞれ独自の運用形式と管理形式を持っているから、顧客が異種混成的な環境を抱えているときには全体の管理がとても複雑になる。アイデンティティ管理もアクセス制御も、そのままでは一筋縄で行かなくなるのだ”、とDhawanは語る。

ITは複数のシステムを管理しなければならないし、エンドユーザーは複数のシステムやデバイスを行き来しなければならない。“弊社はそんなユーザーに、Workspace Oneで統一的なユーザー体験とIT管理体験を提供している。新たなユーザーデバイスの登録、旧型機の引退、ITとのコミュニケーション、パスワードのリセット、等々の業務を、デバイスの違いを超えて統一的に行えるようになる”、と彼は語る。

このような統合化作業は、デバイス横断的な管理だけにとどまらず、アプリケーションへのアクセスも、Web、クラウド、仮想化アプリケーションといった多様化への対応が必要になる。デバイスが多様であるだけでなく、アプリケーションの提供〜利用形式も多様化する。

VMwareに顧客から寄せられる要望は、Chromebookの単純でメンテフリー、アップデート完全自動化の環境を、そのほかのデバイスや環境にも実現して欲しい、というものだ。“極論としては、顧客は、自分が管理しセキュリティを確保しなければならない環境はChromebookだけでたくさんだ、ほかのいろいろなデバイスや環境のことはいちいち気にしたくない、ということなんだ”。

最近のIDCの調査によると、Chromebooksは企業にも浸透しつつある。2018年にはFortune 500社の25%が、IT部門公認のデバイスとしてChromebookを採用する。VMwareは、顧客企業のそんな要望に応えなければならない。

GoogleのAndroidとChrome担当プロダクトマネージャーRajen Shethによると、VMwareとのパートナーシップは始まったばかりであり、今後はもっと拡大していく。

“今後のChromebookは、クラウドだけでなく仮想化環境にも対応していく。VMwareと協働して、Androidと仮想化の両方に対してChrome OSのアプリケーションを最適化してきた。今は、もっと深い統合化に取り組んでいる。その工程も、始まったばかりだ”、とShethは語る。

Shethによると、両社の究極の目標は、Chrome、Android、仮想化など、いろんな環境のいろんなアプリケーションをChromebook上に持ち込み、上述のメンテナンスフリーなどの単純容易な特徴を共通的に実現していくことだ。そんな全アプリケーション横断的な統一化を、Workspace Oneが可能にする。

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DellのVC部門Dell Technologies Capitalは市場に独自の視点で臨み27のエグジットを経験

エグジットを27も抱えたVCがステルスであることは、めったにない。それどころか、今日のVCの多くは、そんなにたくさんのエグジットを経験していない。しかし、今日(米国時間5/8)までステルスだったDell Ventures(正式名: Dell Technologies Capital)は、各年1億ドルという着実なペースで投資を続けてきた。同グループは、マーケットが何を買いたがっているのかを、よく知っている。これまで同社では、70あまりの投資案件のうち、その37%近くがエグジットした。もちろん、その結果はさまざまだが。

今日まで、Dellの投資のうち、エンタープライズ方面で話題になり名前が知れたのは、ごくわずかだ。中でもいちばん目立ったのは、NutanixとJoyentだろう。前者はクラウドコンピューティング企業で、昨年40億ドルでIPOしたが、最近は出血気味で、その価値はほぼ半減した(ロックアップ期間が終わった途端)。Joyentはクラウドサービス企業で、1億3100万ドルを調達したが、その後1億7000万ドルでSamsung Electronicsへ売られた。

とはいえ、Dellのエグジットだけで計13億ドルに達している。同グループはそのスタートアップのポートフォリオに、企業のVC部門が従来から持つ利点を、うまく持ち込んでいる。それらは、データへのアクセス、戦略的営業チャネル、そしてエンジニアリングとリサーチ方面のさまざまなコネだ。

さらにDell Technologies Capitalは、マーケットに対して中立的(偏らない)である点でも他のVCとは差別化される。とくにクラウドが支配するエンタープライズでは、マーケットリーダーであるGoogleやMicrosoftからお金を取るやり方は、自分の活動を制限することに近い。

Dell Technologies CapitalのトップScott Darlingは、ほかの企業のVC部門と同社が重要な点で違うのは、そのフラットな構造だ、と言う。DarlingはCEOのMichael Dellとたえず連絡を取り合うし、投資についても率直に差し向かいで議論する。

なぜ今日、ステルスを脱けるのか、と問うと、Darlingは、現在の規模では、身を隠すための費用や活動がたいへんすぎるし、その意味も価値もない、と答えた。同社の現在のポートフォリオの中では、とくに大きく賭けているのがMongoDBとRichRelevanceであり、今後の大きなリターンで報われ、同グループにスポットライトが当たり続けることを期待している。

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あなたの英文の文法チェックをしてくれるGrammarlyが初めての投資ラウンドで$110Mの巨額を調達

文法が苦手な人は少なくない。ちなみに、“a lot”は二語だし、 “Your”と“you’re”は同じ語ではない。

知る人ぞ知るGrammarlyは、ソーシャルメディアやメールで好印象を与えたいと願っている学生やライターや一般人のための、フリーミアムの文法チェッカーだ。同社は今、General CatalystやIVP, そしてSpark Capitalから1億1000万ドルを調達して、事業の底入れ強化を目指している。

8歳の同社にとって、これが初めての資金調達だ。Grammarlyはすでに利益を上げているから、投資家たちも気前が良い。

IVPのゼネラルパートナーJules Maltzは語る、“サンフランシスコの平均的なスタートアップよりも成長がはやい。同社は今後ますます、重要な企業になるだろう”。

Grammarlyのアクティブユーザー数は一日あたり690万だ。その多くが、無料で利用している。同社の収益源は、センテンスの構造や語彙までチェックしてくれる月額11ドル99セントの有料会員の会費だ。

ネット上の文法チェッカーはいろいろあるが、検索で簡単に見つかるそれらに比べればGrammarlyはずっと優秀だ、と同社は自負している。ネットにつながった状態で文書の校正をリアルタイムでやってくれる、Chromeエクステンションもある。

CEOのBrad Hooverは曰く、“うちは人工知能を使ってユーザーの文章の文意や文型をチェックしている”。今度の資金は、社員の増員とアルゴリズムの改良に充てる予定だ。

HooverはGeneral Catalystにいた人物だが、Grammarlyを知って以来、このウクライナ発のスタートアップの将来性に着目していた。

Spark CapitalのゼネラルパートナーJeremy Philipsは、投資の動機を、“良いプロダクトだし、人びとのコミュニケーションを良くするというミッションも気に入った”、と語る。

(私はこの記事を公開する前にGrammarlyでチェックしてみた。誤字を一つ見つけてくれた。)

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AmazonがM4インスタンスと一部のリザーブドインスタンスの料金を値下げ、ますます分かりづらい料金体系に

Amazonのクラウドコンピューティング部門AWSが今日(米国時間5/3)、再び、一部のリザーブドインスタンス(予約インスタンス)とM4汎用インスタンスの料金を下げた。それらリザーブドインスタンスの料金は最大で17%下がり、3年予約のコンバーティブルリザーブドインスタンスは21%下がる。

AWSの料金体系は完全に透明だが、現時点では、分かりやすいとはとうてい言えない。

たとえば今回のアップデートでは、同社は単純に料金を下げるだけでなく、3年の標準リザーブドインスタンスに関しては、前払いなしという新しいオプションを導入する。これまでの唯一のオプションは1年予約だが、これからは3年予約でC4, M4, R4, P2, X1, およびT2のインスタンスが大幅値下げになる。ちなみに、これらのインスタンス名の意味をご存知の方は、きっとAWSで働いている方に違いない。

前払いなしの1年と3年のリザーブドインスタンスでは、最大17%の値下げになる。さらにややこしいことに、頭金制や契約時全額前払いのインスタンスでは、値下げ率が異なる。ただし値下げ率は、インスタンスを使うリージョンによって違う。17%の値下げは、シンガポールで使うLinuxインスタンスに適用される。そのほかのリージョンでは、11から16%のあいだだ。

コンバーティブルリザーブドインスタンス(契約期間中にインスタンスの種類を変えられるリザーブドインスタンス)では、最大21%という大きな値下げ幅になる(これもシンガポール・リージョン)。しかしそのほかは、インスタンスタイプによって5から19%の値下げ幅だ。

これらに加えて、AWSのもっとも現代的な汎用マシンであるM4インスタンスは、一律に7%値下げされる。

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Red Hatがコンテナ化アプリケーションを開発するためのクラウドIDE、OpenShift.ioを立ち上げ

Red Hatが今日(米国時間5/2)、OpenShift.ioを立ち上げた。それは同社としては初めての、本格的なクラウドベースのデベロッパーツールだ。その名が示すように、OpenShift.ioは、Kubernetesをベースとする同社のコンテナ管理プラットホームOpenShiftを使用し、クラウドネイティブでコンテナを利用するアプリケーションの構築に必要なツールを提供する。それらは、チームコラボレーションのためのサービス、アジャイルプランニングのツール、デベロッパーのワークスペース管理、コーディングとテストのためのIDE、モニタリング、そしてもちろん、継続的インテグレーションとデリバリのサービスだ。

方向性はやや違うが、これはいわば、MicrosoftのVisual Studio Team ServicesのRed Hatバージョンだ。しかしRed Hatがここでやっているのは、fabric8, Jenkins, Eclipse Che, それにもちろんOpenShiftといった既存のオープンソースプロジェクトをひとつのサービスにまとめて、主にコンテナベースのアプリケーションにフォーカスした体験を提供することだ。

OpenShift.ioは中でもとくに、チームのコラボレーションを重視し、そのためのさまざまな開発方法論や哲学をサポート、そしてソースコントロールシステムを提供している。またプロジェクトマネージャーやビジネスアナリストなど、チーム内のノンプログラマーがプロジェクトの状態を追えるためのツールも、充実している。

Red Hatでプロダクトとテクノロジーを統轄するPaul Cormier社長が、今日のブログ記事で述べている: “Red Hatは、クラウドネイティブと従来型の両方のアプリケーション開発に取り組むための、オープンで自由度が高く安全なツールを、標準的ツールをベースとする全体的に斉合性のあるプラットホームとして提供している。今日私たちはご覧のように、Red HatのコンテナプラットホームOpenShiftを利用してコンテナ化されたアプリケーションを構築するための、クラウドベースのフレームワークを立ち上げる。それは、今日の類似製品の中でもっとも総合的な、エンタープライズ向けKubernetesプラットホームだ”。

Red Hatは今日、OpenShift.ioのほかに、Red Hatおよび同社のISVパートナーたちのすべてのコンテナ関連製品の、セキュリティや安定性などを調べて評価できるContainer Health Indexを発表した。またもうひとつ今日ローンチしたRed Hat OpenShift Application Runtimesは、マイクロサービスのための、構築済みのコンテナ化ランタイムの基盤群だ。これらのランタイムには、Node.js, Eclipse Vert.x, WildFly Swarmなどのサポートが含まれる。

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Cisco大変身、ハードウェア屋からクラウドベースのサブスクリプションモデルへ、今度はSD-WANのViptelaを買収

Ciscoはこのところかなり貪欲で、2015年以来19社を買収している。今日同社は、クラウドベースのSD-WANベンダーViptelaを6億1000万ドルで買収した。

Viptelaは2012年に創業され、これまでに1億800万ドルを調達している。いちばん最近では、昨年5月の7500万ドルだ。6億1000万ドルの売値は、投資家にとっておいしいリターンだろう。

カリフォルニア州サンノゼに本社を置く同社は、VCからの資金に支えられてSD-WANのソリューションを作っている。SD-WANはsoftware-defined wide area network(ソフトウェア定義広域ネットワーク)、の意味だ。そのソフトウェアベースのネットワークにより、企業は地理的に離れた複数の事業所を互いに接続できる。

Viptelaはその工程を単純化し、これまでとても複雑だったデプロイと管理を容易にする。Cisco Enterprise Networking GroupのPM担当SVP Scott Harrellが、声明文の中でこう述べている: “Viptelaの技術はクラウド-ファーストで、単純で容易なデプロイとともに、豊富で多様な能力とスケールを提供する。今日の顧客は、まさにこの両者を求めている”。

これは確かに、Ciscoにとっては理にかなった買い物だ。ここ数年同社は、猛烈な勢いでクラウド企業を買い漁っている。思い出せば同社は、今年の初めには37億ドルという大金でAppDynamicsを買収したが、それは純粋なクラウド企業ではなかった。しかし昨年14億ドル買ったJasper Technologiesは、クラウドベースのIoTプラットホームだ。

従来型のネットワーキングビジネスの大手老舗である同社は、現代的なソフトウェア定義ソリューションをクラウドに求め、市場の変化に自分を合わせようとしている。近年のCiscoは、“作るか買うか”を比較した場合圧倒的に買う方に傾いているが、それも悪くはない。なにしろ同社の手元には700億ドルあまりのキャッシュがある。6億1000万ドルは、ポケットの小銭のようなものだ。

また最近の買収には、ハードウェアベンダーからサービス指向へ、という舵取りの変化も見られる。Ciscoと言えば伝統的にネットワークハードウェアの企業だが、今徐々に、企業顧客から毎年サービスの料金収入が得られるサブスクリプションモデル〔≒会費収入型ビジネスモデル〕へ、軸足を移しつつある。

Ciscoはオンプレミスとクラウド両方のSD-WANプロダクトを提供するが、Ciscoの対企業事業開発担当VP Rob Salvagnoはブログの記事で、この買収は同社に、これまで内製で提供してきたものに代わる現代的なビジネスをもたらし、サブスクリプションの売上という魅力的な収益源を与える、と述べている。“CiscoとViptelaが力を合わせることにより、あらゆるサイズとスケールの顧客ニーズに対応するSD-WANのベストソリューションを作り出せる。しかもまた、ソフトウェアベースのビジネスモデルという繰り返し性*のあるビジネスモデルへの、Ciscoの遷移を促進する”、とSalvagnoは書いている。〔*: recurring, 再現性がある、ハードウェアのように売ったら終わりではない〕

同社の2月の決算報告では、売上は116億ドルだが、今では上記の‘遷移’すなわちサブスクリプションの売上がその1/4近くを占める。そのときの報告でCEOのChuck Robbinsは、“ソフトウェアとサブスクリプションによる繰り返し性のある売上は51%増加し、40億ドルに達した”、と述べている。

このところ縮小傾向にあるハードウェアの売上を、新たなサービスの買収で埋め合わせようとする同社の動きは、今も続いている。Viptelaの買収も、その一環だ。クラウドベースのサブスクリプションビジネスへの遷移の努力は、今後もしばらくは続くだろう。

この買収の完了は今年の後半になると思われるが、その後ViptelaのチームはCiscoのNetworking and Security Business部門の一部であるEnterprise Routingのチームに加わる。

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OpenStackの古参Mirantisが顧客の要望に逆らえずKubernetesをクラウドサービスの核に加える

OpenStackのエコシステムにその初期からいるMirantisが今日、これまでのメインプロダクトMirantis OpenStackのサポートを2019年5月に終了し、OpenStackとコンテナプラットホームKubernetesを組み合わせたクラウドサービスMirantis Cloud Platformをその後継プロダクトにする、と発表した。この新しいサービスでは、Kubernetesだけ、というサービス形態もありえる。

もちろんMirantisがOpenStackから一抜けるわけではないが、コンテナプラットホームとしてのKubernetesの人気と関心がMirantisの顧客のあいだでも最近はますます高まっているので、同社もそれに合わせざるをえない。今日発表された新しいプラットホームでは、OpenStackと共存してKubernetesの複数のクラスターをデプロイできるし、両者別々や、Kubernetesのみ、というデプロイも可能だ。顧客の中にはこのように、OpenStack抜きでソフトウェアのデプロイ方式を現代化したい、という要望もある。

新しいプラットホームは、その配布方法も変わっている。同社は顧客のMirantis Cloud Platformのデプロイを少なくとも6か月、彼らに代わって運用するが、その後は運用を顧客のOpsチームに委(ゆだ)ねる。同社は今日の発表声明で、こう言っている: “このデリバリモデルによって、ソフトウェアだけでなく、顧客のチームと工程もDevOpsのベストプラクティスに確実に従うようになる”。アップデートもこれからは、一定期間間隔で、迅速かつ楽に行われるようになる。従来の同社のOpenStackソリューションでは、アップデートもそれほど楽ではなかった。

Mirantisの協同ファウンダーでCMOのBoris Renskiは、自分の意見を言うとき、いわゆる歯に衣着せぬタイプだが、OpenStack vs. Kubernetesという議論に関しては、“人気と価値は違う”、と言う。“ハイスクールで人気者だった子が、大人になってフェラーリに乗ってるとはかぎらない。今のOpenStackは人気者ではないし、人気者はKubernetesだ。そして顧客は、人気者になびく場合が多いのだ”。

彼によると、Mirantisの顧客にもOpenStackを避けてKubernetesだけで行く、という企業が増えている。CanonicalのDustin Kirklandも、今月の初めに同じことを言っていた。Renskiは曰く、“OpenStackが人気トップだったころは、顧客は自分のデータセンターでOpenStack以外の何もかも脇に置くようになった。そして失敗した。重要なのは、その仕事に合った正しいツールを使うことだ。今、コンテナならKubernetesが良い。VMなら、OpenStackだ。たぶん明日になればAWSがLambdaをオープンソースにして、今度はKubernetesとコンテナが脇へ追いやられるだろう”。

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MicrosoftがKubernetesデプロイ技術とツールのベテランDeisを買収、Azureのコンテナプラットホームを強化

Microsoftが今日(米国時間4/10)、Googleが産み育てたコンテナオーケストレーションサービスKubernetesの上でアプリケーションを構築し管理するための、さまざまなツールを作っているDeis買収したことを発表した。買収の価額は公表されていない。

なおDeisは2015年にEngine Yardに買収されており、したがってMicrosoftは実際には、Engine YardからDeisを買収したのである。

Microsoft Azureのコンテナサービスは、Mesos、Docker Swarmなどさまざまなコンテナオーケストレーションフレームワークをサポートしていたが、Kubernetesが急速にデファクトスタンダードになり、Microsoftも最近はKubernetesへの投資を増やしていた。コンテナがアプリケーションの構築とデプロイの方法を根本的に変えつつある現状では、Microsoftとしてもそのトレンドの最先端に付き添って行かざるをえない。

“最近では、コンテナ化したワークロードをAzure上でデプロイする顧客や、またそのことへの関心が爆発的に増えている。われわれとしても、Azureをコンテナのためのベストの場所にしていきたい”、とMicrosoftのクラウド/エンタープライズ担当SVP Scott Guthrieが今日の発表声明で書いている。“そのための活動の一環として、今回Deisの買収合意を発表できることは、とても喜ばしい。同社は、コンテナ革命の主役的な企業の一つなのだ”。

この買収の目的は明らかに技術の獲得だが、Kubernetesのベテラン技術者という希少財を路上で素手で見つけることはきわめて困難だから、今回MicrosoftはKubernetesに詳しい人材を一挙に大量に取得したことになる。

Deisの中核製品は、Kubernetesのデプロイを管理するための三つのオープンソースツールだ:まず、デベロッパーとオペレーションチームがコンテナ化アプリケーションを容易にデプロイし管理できるためのプラットホームWorkflow、そしてKubernetesのパッケージマネージャーHelm、そしてアプリケーション間通信をサポートするKubernetesネイティブのサービスブローカーStewardだ。そのほかの類似企業と同様に、同社のビジネスモデルも、これらのアプリケーションの有料サポートと教育だ。

Microsoft傘下になってからもチームはこれらのツールの開発とサポートを継続するが、現在のユーザーの中にはMozillaやCloudMine、SocialRadarなどもいる。MicrosoftのGuthrieによると、“Deisのチームは、オープンソース技術の深い経験をもたらし、Microsoftのの顧客の選択肢をさらに充実し、デベロッパーの生産性の向上に寄与していくことだろう”、という。

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UbuntuのCanonicalがスマートフォンから撤退、デスクトップはUnityからGNOMEに戻る

人気の高いLinuxディストリビューションUbuntuを作っているCanonicalは、スマートフォンやタブレットでモバイルの世界に進出したい、という願いを持っていた。今やUbuntuで動くスマートフォンを買うのは(少なくともアメリカでは)容易ではないが、しかしここ数年、さまざまな機種が出たり消えたりを繰り返した。そしてCanonicalのファウンダーMark Shuttleworthの今日(米国時間4/5)の発表によれば、同社はスマートフォン事業への投資を終了する。

さらに、Ubuntuに関しては、18.04のリリースからGNOMEデスクトップに戻り、独自に開発していたUnity8デスクトップ環境を捨てる。

そしてCanonical自身は今後、クラウドとIoTに注力する。ただし、“数百万もの人びとが依存しているUbuntuデスクトップへの情熱と投資と責任感は今後も継続することを強調しておきたい”、とShuttleworthは書いている。“弊社は世界でもっとも使いやすいオープンソースデスクトップの生産を継続し、既存のLTS〔長期サポートバージョン〕のメンテナンスも怠らず、多くの商業的パートナーと協力してそのデスクトップを配布し、それに依存している企業顧客をサポートし、そしてそれらの上でイノベーションを志向する何百万ものIoTとクラウドのデベロッパーたちを喜ばせたい”。

今やパブリックとプライベートのクラウドの大半がLinuxの上で動いており、またその多くがUbuntuを使っている(もちろんRed Hatなどとの競合もある)。最近行われるクラウド関連のカンファレンスに、何らかの形でのCanonicalのプレゼンスがない、ということは一度もなかったと思う。同社はLinuxのディストリビューションがいちばん有名だが、UbuntuやOpenStackやコンテナを(多くの場合Kubernetesを伴って)自社のデータセンターで使う大企業顧客向けにサポートすることからも、収益を得ている。同社は数字を発表していないが、売上の大きな部分が、このようなエンタープライズ・サポートであり、しかもそれは急速に成長し利益も大きい分野だろう。

IoTの世界では、Ubuntu Coreと同社のSnapsコンセプト(サンドボックス化したアプリケーションをどのLinuxディストリビューションでもインストールし動かせる)が、徐々にユーザーを増やしている。たとえば先日のMWCでは、Shuttleworthが私を連れて、Canonicalのブースと、Snapsを使っているサードパーティ全社のブースを訪問した。このようなSnapsの人気には、Shuttleworth自身がかなり興奮していたようだ。

“究極の選択は、企業の成長に寄与している分野に投資することだ”、とShuttleworthは書いている。“それらは、デスクトップとサーバーとVMを提供するUbuntuそれ自身、弊社のクラウドインフラストラクチャ製品(OpenStackとKubernetes)、クラウドオペレーションの能力(MAAS, LXD, Juju, BootStack)、そしてSnapsとUbuntu CoreによるIoT路線だ”。

Unity8については、公平に言っても、多くのUbuntuユーザーがその消滅を悲しいとは思わないだろう。それを好きなユーザーも一部にはいるけど、なんといってもGnomeはLinuxのデスクトップ環境として長年、もっとも人気が高い(しかもこのところ、どんどん進化している)。分派行動で実装が多様化〜分裂していることもないから、デベロッパーにとっても使いやすいはずだ。

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Cloud Foundryがクラウドネイティブのスキルを涵養するためデベロッパー資格認定事業を開始

Cloud Foundryは大規模なオープンソースプロジェクトで、企業はこれを利用して自社専用のPaaSをホストし、自分のデータセンターやパブリッククラウドでクラウドアプリケーションを動かす。同社は今日(米国時間3/29)、そのためのデベロッパーを育成するため、“Cloud Foundry Certified Developer(Cloud Foundry認定デベロッパー)”事業のローンチを発表した。

Cloud Foundry Foundationはこれを、“世界最大のクラウドネイティブデベロッパーの資格認定事業”、と呼ぶ。その成否を今から云々することはもちろんできないが、すでにDell EMC, IBM, SAP and Pivotal(Cloud Foundryのインキュベーター)などが支援している。同社はLinux Foundationとパートナーして、そのeラーニングインフラストラクチャから資格認定事業を提供していく。〔*: クラウドネイティブ, 既存の何かをクラウド化するのでなく、最初からクラウド上で動くものとして開発すること。〕

目に見える資格認定があれば、デベロッパーはオープンソースのクラウドに関する自分のスキルを他に示すことができる。この事業は、現在Cloud Foundryをサポートしている大手のパブリッククラウドプラットホームすべてを対象とする。それらは、Huawei, IBM, Pivotal, SAP, Swisscomなどだ。

約4時間で終わる300ドルの試験は、Cloud Foundryの基礎、クラウドネイティブなアプリケーションのセキュリティ、アプリケーション管理とコンテナの管理などをカバーし、また、JavaやNode.js、Rubyなどで書かれたシンプルなアプリケーションの書き換えも試験に含まれる。範囲がきわめて広いと思われるが、でもこれだけの分野で有能なデベロッパーなら、仕事を見つけるのも早いだろう。

Cloud FoundryのCTO Chip Childersが今日の発表声明で言っている: “企業はクラウドネイティブなアプリケーションを構築し管理できるデベロッパーを必要としており、そしてデベロッパーは仕事が必要だ。弊社はそこにある大きなギャップに着目し、デベロッパーとエンタープライズの両者が必要とするものを提供することを、弊社の機会と認識している”。

この事業の立ち上げは、必ずしも意外ではない。Childersはすでに昨年の11月に、これを今準備中、と語っていた。

この資格認定事業は今はベータで、一般供用は6月13日からになる(その日はCloud FoundryのSummit Silicon Valleyカンファレンスの初日で、そこでデベロッパーは個人でこの試験を受けられる)。

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Cloud Native Computing Foundationが抱えるプロジェクトと会員を大幅増、最新コンテナ技術の教育/人材育成にも注力

人気続伸中のコンテナオーケストレーションサービスKubernetesや関連のオープンソースプロジェクトを管理提供するCloud Native Computing Foundation(CNCF)が、例年のデベロッパーカンファレンスを今日(米国時間3/29)から開催し、それを機に、DockerとCreOSのプロジェクト(containerdとrkt)を仲間に加えたことを発表した。

Dockerのcontainerdは同社のコンテナランタイムで、Dockerのコンテナ管理およびオーケストレーションサービスの中核的部分だが、Dockerとしては標準的なコンテナライフサイクル管理の機能を、コンテナの実行を担当するDocker Engineから切り離したかったため、ランタイムを別立てにした。しかし多くの企業ユーザーは、Dockerを使うことを通じて同時にcontainerdも使っている。DockerのPatrick Chanezonは今日からベルリンで始まったカンファレンスのキーノートで、同社がcontainerdをCNCFに寄贈することに決めたのは、その正しい世話役として中立的な機関を探していたからだ、と語った。

一方CoreOSのrkt(‘ロケット’と発音する)は、Linuxのクラスターのための同社のコンテナエンジンだ。containerdと違ってデーモンではなく単一の実行プログラムであり、Kubernetesなど、ほかのコンテナプロジェクトとの統合がねらいだ。CoreOSは最初、rktをDocker Engineの競合製品としてローンチし、同社独自のコンテナ形式を前提していた。でも今では、スタンダードに準拠したコンテナエンジンになっている。

CNCFのディレクターDan Kohnは、こう言う: “Kubernetesなどのコンテナオーケストレーションにとっては、rktのような信頼性の高い、コミュニティベースのコンテナランタイムの方が便利だ。うちのような単一の機関の下にrktのようなコンテナランタイムと、コンテナクラスターの管理システムKubernetesの両方があると、業界に堅実なエンドユーザーソリューションを提供できる。それは巨大な便益だ”。

CNCFの新しい会員も発表された。Linux Foundationが管理しているすべてのプロジェクトと同様に、CNCFの場合も会費が資金源だ。まず、Dellが大型のプラチナ会員になり、年間37万ドルを提供する。そのほか、Cisco, CoreOS, Docker, Google, Huawei, IBM, Intel, Red Hatなどもプラチナ会員だ。SUSEは年会費12万ドルのゴールド会員、HarmonyCloud, QAware, Solinea, TenxCloudはシルバー会員だ(会費は社員数により7000から50000ドル)。

Dell EMCのテクノロジー担当VP Josh Bernsteinが、今日の入会ご挨拶でこう述べた: “今日の環境では、オープンソースがアジリティの鍵だ。環境が、ソフトウェアが求める迅速な変化と進化を支えなければならないからだ。CNCFに参加することにより弊社は、変化の促進にさらに深くコミットでき、エンタープライズITの戦略の核として、ソフトウェアをオープンでアクセス性と利用性の良いものにしていける”。

なお、CNCFは今後、Kubernetes Certified Administrator Exam(Kubernetes認定管理者試験)のカリキュラムを、オープンソースのライセンスで無料提供する。このところオープンソースの世界は、いろんな認定事業がトレンドになっている。OpenStackやCloud Foundryのようなオープンソースプロジェクトも、CNCFと同様の人材枯渇を解消するために、認定事業を検討している(Cloud Foundryの認定事業については別記事あり)。それらは、企業の既存社員の教育〜レベルアップだけが目的ではなく、明確なカリキュラムに基づいた事業により、新しい人材のプールを作ることもねらいだ。

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CoreOSのKubernetesデプロイサービスTectonicがAzureとOpenStackをサポート

CoreOSはたぶん今でも、Linuxのディストリビューションとしていちばんよく知られていると思うが、でも今やそれは、同社の多様なサービスへの、敷居の低い入り口にすぎない。今同社のビジネスの核になっているのは、KubernetesをベースとするコンテナデプロイサービスTectonicだ。これまでTectonicは、KubernetesをベアメタルとAWSにインストールし管理していたが、今日から(米国時間3/23)は、AzureとOpenStackをサポートする。この二つのプラットホームのサポートは、現在、プレビューである。

具体的には、近くオープンソースのCoreOS Tectonic Installerというものが提供されるので、ユーザーはそれを使ってKubernetesのクラスターをAzureやOpenStackの上にセットアップする。ここにGoogleのCloud Platformが欠けていることが目立つが、それも今後十分な需要があればきっとサポートされるだろう。

以前と同様、Tectonicは10ノードまでのデプロイは無料だ。同社のサービスを利用してどうやってKubernetesのクラスターをセットアップするのか、同社は初心者のための実地演習チュートリアルを数種提供している。

CoreOSのもうひとつのメインサービスQuayは、エンタープライズ向けのコンテナレジストリだが、Kubernetesベースのアプリケーションをサポートするために拡張されたQuayもある。そのレジストリには、複数のコンテナイメージのほかに、アプリケーションの構成ファイルなども収まる。

“新しいレジストリプラグインを使うと、Helmが直接Quayと対話して、アプリケーションの定義を取り出し、それを使って必要なイメージに構成を適用し、アプリケーションを成功裡にデプロイする”、と同社は今日の発表声明で述べている。“これらはすべて、App Registryと呼ばれるコミュニティのAPI仕様で行われるので、Kubernetesのエコシステムはより高度なツールとより信頼性の高いデプロイパイプラインを開発できる”、という。

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IBMがクラウド上のブロックチェーンサービス、SaaSとしてのブロックチェーンプラットホームを立ち上げ

IBMが今日(米国時間3/20)、クラウド上の汎用ブロックチェーンプラットホーム、いわば“Blockchain as a Service”を、The Linux FoundationのオープンソースプロジェクトHyperledger Fabricバージョン1.0をベースに構築し、公開した。

IBMのBlockchainは一般公開されるクラウドサービスで、ユーザーはこれを利用して安全なブロックチェーンネットワークを構築できる。同社がその計画を発表したのは昨年だったが、このほど最初の実用実装の供用にこぎつけた。

ブロックチェーンは2008年ごろに、デジタル通貨Bitcoinの取引記録方法としてその名が知られ始めた。ブロックチェーンは本質的に、透明で改ざん不能なデジタル台帳だ。Bitcoinの取引を安全かつ透明に記録できることが示しているように、そのほかのタイプのデータもプライベートなブロックチェーンに安全に保存したり取り出したりできる。

民間企業や政府機関は、ブロックチェーンを使って信頼性の高いネットワークを構成できる。それによりメンバーは自由に情報を共有でき、それはメンバーだけが見ることができ、いったん入力された情報は書き換えられない。

IBMでブロックチェーンを担当しているVP Jerry Cuomoによると、顧客は同社のこのクラウドサービスを利用して、ブロックチェーンのネットワークを作成、展開、そして管理できる。これは、いろんな種類のクラウドサービスを顧客に提供していきたいとするIBMの基本戦略の、一環だ。

ブロックチェーンそのものはオープンソースのHyperledger Fabricプロジェクトがベースで、IBMもこのプロジェクトに参加しているが、これに独自のセキュリティサービスを加えることによって、エンタープライズの顧客でも安心して利用できるようにしている。また複雑な技術をシンプルなクラウドサービスでくるんでいるので、企業が自前でブロックチェーンを実装するよりもずっと楽である。

Cuomoはこう語る: “かなり前から、わが社を中心とするテクノロジー企業のグループが、企業のためにブロックチェーンとその関連技術(管理など)の一式を、サービスとして提供することを検討していた”。

そして2015年の終わりにHyperledger Fabricプロジェクトが登場して、それが可能になった。このプロジェクトには、State Street Bank, Accenture, Fujitsu, Intel などもメンバーとして参加している。

Hyperledger Fabricを利用すると、顧客側には安全なネットワークを構築するという外見があるだけで、ネットワークのセットアップやメンバーの招待、認証情報の暗号化などはすべて楽屋裏で行われる。またIBMのクラウドでは、IBM独自のセキュリティも盛り込まれるから、なお一層安全になる、と同社は考えている。

IBMのブロックチェーンサービスが絶対不可侵とまではCuomoも言わないが、独自の安全対策は施している、という。たとえば、その台帳はそのほかの一般的なクラウドコンピューティング環境からは隔離され、特製のセキュリティコンテナに台帳を収めることによって、無資格アクセスを防止している。また、セキュリティ耐性の強い、専用のハードウェアを使用している。たとえばそのハードウェアは、ハックを検出すると直ちに自分で自分をシャットダウンする。

同じくIBM独自のセキュリティ対策として、ネットワーク内で起きるあらゆるアクティビティを仔細に監査できるようにしている。アドミニストレーターは、異変時に監査記録をすぐに見ることができる。

IBMはこのブロックチェーンサービス本体に加えて、顧客のアイデンティティと属性を安全にシェアするブロックチェーンの実装SecureKey Technologiesを発表した。同社はこれまで、ブロックチェーンの応用技術として消費者のアイデンティティネットワークを、カナダの銀行でテストしてきたが、これはその派生システムでもある。

それがIBMの主張どおりなら、デジタル世界におけるアイデンティティのメンテナンスと共有が、大幅に単純化されると同時に、安全にもなるだろう。そして、毎回不必要な情報を入力することはなくなり、また共有化を途中で拒否することも、容易にできるようになるはずだ。

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GoogleのCompute Engineの最大仮想マシンが64コアRAM 417GBとなる…AWSの優位動かず

GoogleのCompute Engineが提供する仮想マシン‘一台’の最大コア数が32から64へ倍増した。このハイパワーマシンは今ベータだが、Googleの標準構成とユーザー指定のマシンタイプ(コア数とメモリ)で利用できる。

64コアを指定した場合は、最大メモリサイズがRAM 416GBになる。単一仮想マシンのメモリとしてはこちらも倍増になり、ハイエンドのインメモリデータベースのようなメモリ集約的なアプリケーションを十分に動かせるだろう。

料金は1時間3.7888ドルだが、長期ユーザーの値引きはもちろん適用される。

“ここが終点ではない”、とGoogleのUrs Hoelzleが今日のCloud Nextのキーノートで述べた。“今年後半にはコア数がさらに増え、メモリサイズはTB級になるだろう”、と彼は言った。

なお、AWSのEC2はすでに、コア数128、最大メモリ2095.944GB(2TB+)のマシンを提供している。これらの特注規格を選んだ場合は、料金は1時間13.388ドルになる。Microsoft Azureの仮想マシンは、現在の最大が32コアだ。

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GoogleのCloud Platformが常時無料プランと無料トライアルの両方を拡大してクラウド新人たちがAWSへ傾くのを防ぐ

Googleが今日(米国時間3/9)ひそかに、常時無料プランと、同社のCloud Platformのトライアル(試用)プログラムの改良バージョンをローンチした。

常時無料プランは今や小さなアプリケーションをGoogleのクラウドで動かすに十分なパワーを持ち、拡張された無料トライアルプログラムとは別に提供される(このへんがちょっとややこしいが)。拡張された無料トライアルの方は、ユーザーに12か月300ドルのクレジットを与えるが、拡張される前は300ドルを60日以内に使うことになっていた。

一方無料プランの方は、Googleの広告の中にはなく、小さなインスタンス(f1-microインスタンス)をCompute Engine, Cloud Pub/Sub, Google Cloud Storage, およびCloud Functionsで使える。合計で常時無料プランに含まれるサービスは15となる。

中でもいちばん重要なアップデートは、Compute Engineのインスタンスと、無料のCloud Storage 5GBだろう。両者は、多くのクラウドアプリケーションの中核だから。この常時無料プランの詳細仕様はここにある

ただしこの無料プランが提供されるのは、us-east1, us-west1, us-central1の3リージョンのみだ。

これはもちろん、GoogleのAWS対抗策の強化だ。AWSの12か月トライアル以外の常時無料プランには仮想マシンが含まれない(仮想マシンは12か月のみ)。でもAWSも近いうちに、無料版に関してGoogleと横並びするだろう。

無料使用の拡大は、多くの人にGoogleのプラットホームに慣れ親しんでもらうためだが、とりわけデベロッパーは、自分のホビープロジェクトを動かしていたプラットホームを仕事用・会社用にも使いがち(あるいは推薦しがち)だ。また新人のデベロッパーは、クラウド初体験としてAWSを選びがちだ。Googleのこれまでの60日300ドルのクレジットは、彼らに十分な初体験期間を与えなかっただろう。

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クラウドで出遅れたRackspaceがクラウドにやる気を見せてきたGoogleのCloud Platformに管理サービスを提供

AWSを筆頭とする三強に押されてこのところ管理サービスに転身しつつあるRackspaceが今日(米国時間3/8)、その管理サービスのポートフォリオにGoogle Cloud Platformを加える、と発表した。これまで同社がサービスを提供してきたのは、Amazon Web Services, Microsoft Azure, およびOpenStackのクラウドを使おうとするクライアントたちだ。これからはGoogleとRackspaceの協働により、管理を伴うクラウドサービスが提供される。その立ち上げは今年後半とされているが、具体的な日程は不明だ。

この二社共同提供物のクライアントには、クラウドの構成、実装、データのマイグレーション、その後のオペレーションのサポートなど、通常の管理サービスが提供される。こうやってパブリッククラウドの(その利用の)管理をRackSpaceのようなサービスに頼むと、ユーザー企業にとっては、自社でクラウド管理専任スタッフを雇うよりも、往々にして安上がりなのだ。

RackSpaceがこれまでGoogle Cloud Platform(GCP)をサポートしなかった理由は、それを求めるクライアントが少ないから、とされていた。しかし最近のGoogleはクラウドに本気で注力してきているから、状況は変わってきた。Rackspaceが挙げている 451 Researchの調査報告によると、最近の1年間でGCPのユーザーは倍増している。

RackSpaceでGCPサービスを担当するゼネラルマネージャーPatrick Leeが、今日の発表声明でこう述べている: “GCPはこのところ、日増しに勢いを増しており、ワークロードをこのプラットホームへ移行する企業も増えている。そして彼らは、その新しい旅路を支える専門的技術とサポートパートナーを求めている。そのGoogle Cloudに弊社のFanatical Supportを提供することにより、顧客企業のビジネスニーズの進化を支えることができる”。

たしかにGoogleのクラウド事業はこのところ、前向きの評価に変わりつつあるが、サポート、とくにエンタープライズ級のサポートに関してはまだ高評価とは言えない。これまでの煮え切らない数年間でAWSやAzureに許してしまったリードを挽回するためにGoogleは、これからは顧客にRackspaceの管理サービスを紹介することができる。

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