NYのマウント・サイナイ病院は新型コロナ患者の体調管理にGoogle Nestカメラを導入

現在進行中の世界的な新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックは、リモートケアに関する多くの活動を活発にした。中でもGoogle(グーグル)のNestデバイスを利用した、米国ニューヨークにあるMount Sinai(マウント・サイナイ)病院の新しいプロジェクトは、オンプレミスのケアでさえもリモートテクノロジーにより安全にできることを示している。同病院の臨床医は、双方向のコミュニケーションに加えて、ビデオベースの患者の症状やバイタルサインの追跡を実施するために病室でNestのカメラを使い始めている。

Nestのカメラを使用することで、看護師や医師などの医療従事者は新型コロナウイルスへの感染の確率を抑えながら、一元的な監視とケアを提供し、人と人との交流を最小限の接触のみに限定できる。新型コロナウイルスに感染した人と接触する回数が増えるほど、免疫系がそれに対応できなくなり自分自身が感染する可能性が高くなることで、最前線で働く医療従事者に大きなウイルス感染のリスクが生じるため、これは重要なことだ。

さらに、個人用保護具(PPE)の温存という別の重要な観点からも病院を助けることになる。リモート監視により、スタッフはマスクや手袋を使用する回数を大幅に減らすことができ、以前の方法と比べて在庫がすぐになくならないようにできる。

グーグルはNestのカメラを、マウント・サイナイ病院にある100以上の病室に設置し、さらには最大1万台のデバイスとカスタム設計のモニタリングコンソールを全米の病院に提供する計画だ。

生命を守るためには直接的なケアが必要だが、リモート医療技術がパンデミックの最悪な影響を緩和する役割を担っていることは明らかだ。これはおそらく危機が続く中で、この種の技術が負荷にさらされる医療インフラを支えるために展開されるケースの、ほんの始まりにすぎないだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

テスラがアラメダ郡を提訴、カリフォルニア州工場の再開迫る

Tesla(テスラ)は米国時間5月9日の土曜日、カリフォルニア州フリーモントの工場再開を妨げている命令を無効にするため、アラメダ郡を相手取って訴訟を起こした。

アラメダ郡に対する差し止め命令と救済宣言を求めるこの訴訟はCNBCが最初に報じた。訴訟はカリフォルニア州北部地区のアメリカ連邦地方裁判所に提出された。

テスラでCEOを務めるElon Musk(イーロン・マスク)氏は9日、アラメダ郡を提訴するとツイートし、直ちに同郡にある本社と今後の事業をテキサス州かネバダ州に移すと脅した。

テスラはアラメダ郡の自宅待機命令を無視して、再開計画の一環として米国時間5月8日に工場労働者の約30%を復帰させる計画だった。マスク氏は5月7日にのGavin Newsom(ギャビン・ニューソム)カリフォルニア州知事が発表した、製造業者の操業再開を可能にする新しいガイダンスに基づいた再開を計画していた。マスク氏はこのガイダンスを高く評価し、その後に知事の修正命令に基づいて再開する計画を従業員にメールで送信していた。しかしニューソム知事のガイダンスには、地方自治体がより厳しい規則を維持する可能性があるとの警告が含まれていた。そしてアラメダ郡は先週、ベイエリアの他のいくつかの郡や市とともに自宅待機命令を5月末まで延長した。命令はいくつかの制限が緩和されるように改訂されたが、製造業における待機命令は解除されなかった。

訴状によると、テスラの業務再開の阻止は、アラメダ郡自身のガイドラインに違反しているという。

「アラメダ郡は、バッテリーや電気自動車を製造する事業を行ってもいいと明示的に認識し、公表している。しかし不可解なことに、第3命令と郡当局者は同時にテスラが閉鎖され続けるべきだと主張しており、それによってテスラがフリーモント工場や郡内の他の場所で製造活動を再開できるかどうかについてのアラメダ郡の立場の曖昧さや混乱、不合理さをさらに悪化させている」。

「第3の命令」という文言は、アラメダ郡が発行した修正された操業停止命令に言及したものだ。

5月8日にアラメダ郡の保健局は、テスラが再開するための「グリーンライト」は与えられていないと述べ、もし同社が再開した場合は、命令を遵守していないことになるだろうと述べた。

訴状の全文は以下のとおりだ。

Tesla v Alameda County Comp… by TechCrunch on Scribd

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Facebookも巨額出資するJio、新型コロナ症状チェッカーの結果を漏洩

新型コロナウイルスの流行が始まって以来、政府や企業はユーザーがCOVID-19の症状を特定するのに役立つアプリやウェブサイトの開発に取り組んでいる。

Reliance(リライアンス)の子会社でインド最大のセルネットワークであるJio(ジオ)は、コロナウイルスのさらなる拡散を防ぐためにインド政府が実行した全国的なロックダウンの直前に、コロナウイルス自己診断プログラムを3月下旬にローンチした。この症状チェッカーを使用すると、スマートフォンやJioのウェブサイトから症状をチェックして詩自分が新型コロナに感染していないかどうかを確認できる。

しかし、セキュリティの欠落により症状チェッカーのコアデータベースの1つがパスワードなしでインターネット上に公開された事実をTechCrunchが発見した。

Jioの新型コロナ症状チェッカー

Jioによる新型コロナウイルス感染症の症状チェッカー。データベースの1つがユーザーの回答を公開してしまった

セキュリティ研究者のAnurag Sen(アヌラグ・セン)氏は、データベースが最初に露出された直後の5月1日にそのデータベースを発見し、Jioに通知するようTechCrunchに報告した。JioはTechCrunchが連絡をとった後すぐにシステムをオフラインにしたが、他の誰かがデータベースにアクセスしたか否かは不明である。

「弊社は直ちに行動を起こしました」とJioの広報担当者Tushar Pania(トゥーシャー・パニア)氏は話す。「ロギングサーバーは、ウェブサイトのパフォーマンスを監視するためのものであり、COVID-19の症状があるかどうかを確認するためにセルフチェックを行う人々の限定的な目的のためのものでした」。

データベースには、4月17日からデータベースがオフラインになるまでの間の数百万件のログと記録が含まれている。サーバーにはウェブサイトのエラーやその他のシステムメッセージの実行ログが含まれていたが、ユーザーが生成した膨大な数のセルフテストデータも取り込まれていた。各セルフテストはデータベースに記録され、「自分」か親戚か、年齢、性別など、テストを受けたユーザーの記録が含まれていた。

このデータには、ユーザーのブラウザーバージョンやOSに関する断片的情報である個人のユーザーエージェントも含まれていた。ユーザーエージェントは通常ウェブサイトを正常にロードするために使用されるが、ユーザーのオンラインアクティビティの追跡にも使用できるものだ。

ユーザーは登録してプロファイルを作成することにより症状を長期にわたって更新できる仕組みだが、データベースには登録されたこれらのユーザーの個人の記録も含まれている。これらの記録には、ユーザーが抱えている症状、接触した人、健康状態など、症状チェッカーによって尋ねられた各質問に対する回答が含まれている。

一部の記録にはユーザーの正確な位置情報も含まれるが、この情報が記録されるのはユーザーが症状チェッカーにブラウザーまたはスマートフォンの位置データへのアクセスを許可した場合に限定される。

以下に編集を加えたものを掲載する。

露出したデータベースの編集版

露出したデータベースの編集版

我々が入手したデータのサンプル1つから、インド全国の何千人ものユーザーの正確な地理位置情報が見つかった。TechCrunchはデータベースにある緯度と経度の記録を使用して、人々の家を識別することさえできた。

ほとんどの位置データはムンバイやプネーなどインドの主要都市に集中しているものの、TechCrunchはイギリスと北米のユーザーも見つけている。

インドの電気通信大手にとって今回の露出はこの上なく危機的なタイミングだ。先日FacebookはJioのプラットフォームの10%近くの持ち分を取得するために57億ドル(約6100億円)を出資しており、Reliance子会社である同社は約660億ドル(約7兆円)と評価されているのだ。

Jioは我々からのその後の補足質問には答えず、また、症状追跡システムを使用したユーザーにセキュリティの欠落について告知するか否かについても回答することはなかった。

関連記事:Facebookがインド最大の通信事業者Jioに約6100億円を出資

Category:セキュリティ

Tags:Jio 新型コロナウイルス Facebook インド

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(翻訳:Dragonfly)
“新型コロナウイルス

Facebookも巨額出資するJio、新型コロナ症状チェッカーの結果を漏洩

新型コロナウイルスの流行が始まって以来、政府や企業はユーザーがCOVID-19の症状を特定するのに役立つアプリやウェブサイトの開発に取り組んでいる。

Reliance(リライアンス)の子会社でインド最大のセルネットワークであるJio(ジオ)は、コロナウイルスのさらなる拡散を防ぐためにインド政府が実行した全国的なロックダウンの直前に、コロナウイルス自己診断プログラムを3月下旬にローンチした。この症状チェッカーを使用すると、スマートフォンやJioのウェブサイトから症状をチェックして詩自分が新型コロナに感染していないかどうかを確認できる。

しかし、セキュリティの欠落により症状チェッカーのコアデータベースの1つがパスワードなしでインターネット上に公開された事実をTechCrunchが発見した。

Jioの新型コロナ症状チェッカー

Jioによる新型コロナウイルス感染症の症状チェッカー。データベースの1つがユーザーの回答を公開してしまった

セキュリティ研究者のAnurag Sen(アヌラグ・セン)氏は、データベースが最初に露出された直後の5月1日にそのデータベースを発見し、Jioに通知するようTechCrunchに報告した。JioはTechCrunchが連絡をとった後すぐにシステムをオフラインにしたが、他の誰かがデータベースにアクセスしたか否かは不明である。

「弊社は直ちに行動を起こしました」とJioの広報担当者Tushar Pania(トゥーシャー・パニア)氏は話す。「ロギングサーバーは、ウェブサイトのパフォーマンスを監視するためのものであり、COVID-19の症状があるかどうかを確認するためにセルフチェックを行う人々の限定的な目的のためのものでした」。

データベースには、4月17日からデータベースがオフラインになるまでの間の数百万件のログと記録が含まれている。サーバーにはウェブサイトのエラーやその他のシステムメッセージの実行ログが含まれていたが、ユーザーが生成した膨大な数のセルフテストデータも取り込まれていた。各セルフテストはデータベースに記録され、「自分」か親戚か、年齢、性別など、テストを受けたユーザーの記録が含まれていた。

このデータには、ユーザーのブラウザーバージョンやOSに関する断片的情報である個人のユーザーエージェントも含まれていた。ユーザーエージェントは通常ウェブサイトを正常にロードするために使用されるが、ユーザーのオンラインアクティビティの追跡にも使用できるものだ。

ユーザーは登録してプロファイルを作成することにより症状を長期にわたって更新できる仕組みだが、データベースには登録されたこれらのユーザーの個人の記録も含まれている。これらの記録には、ユーザーが抱えている症状、接触した人、健康状態など、症状チェッカーによって尋ねられた各質問に対する回答が含まれている。

一部の記録にはユーザーの正確な位置情報も含まれるが、この情報が記録されるのはユーザーが症状チェッカーにブラウザーまたはスマートフォンの位置データへのアクセスを許可した場合に限定される。

以下に編集を加えたものを掲載する。

露出したデータベースの編集版

露出したデータベースの編集版

我々が入手したデータのサンプル1つから、インド全国の何千人ものユーザーの正確な地理位置情報が見つかった。TechCrunchはデータベースにある緯度と経度の記録を使用して、人々の家を識別することさえできた。

ほとんどの位置データはムンバイやプネーなどインドの主要都市に集中しているものの、TechCrunchはイギリスと北米のユーザーも見つけている。

インドの電気通信大手にとって今回の露出はこの上なく危機的なタイミングだ。先日FacebookはJioのプラットフォームの10%近くの持ち分を取得するために57億ドル(約6100億円)を出資しており、Reliance子会社である同社は約660億ドル(約7兆円)と評価されているのだ。

Jioは我々からのその後の補足質問には答えず、また、症状追跡システムを使用したユーザーにセキュリティの欠落について告知するか否かについても回答することはなかった。

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Category:セキュリティ

Tags:Jio 新型コロナウイルス Facebook インド

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(翻訳:Dragonfly)
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テスラ工場の再稼働阻止を受け「本社と将来の事業基盤をカリフォルニアからテキサスかネバダに移す」とマスク氏

Tesla(テスラ)のCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏は米国時間5月9日、米国カリフォルニア州アラメダ郡に対して訴訟を起こすと語り、同社の本社および将来の事業拠点をテキサス州またはネバダ州に直ちに移転すると息巻いて、フリーモント工場の再稼働を巡る衛生当局との闘いを激化させた。

テスラは再稼働計画の一環として、アラメダ郡の外出禁止命令に反し、5月8日に工場労働者の約30%を呼び戻す計画だった(アップデート:テスラはその後アラメダ郡を訴訟し、郡の命令を無効とし同社の操業再開を認めるよう主張した)。

アラメダ郡公衆衛生機関と保健所はこの訴えに対して声明を発表し、同機関は「現地フリーモントのテスラチームと直接密な連絡を取り合っている」と語った。彼らはこれを「テスラの工場で働く何千人もの社員の健康と安全を守るための協力的で誠実な取組みである」としている。

同機関は、当局の指導や助言をテスラは迅速に受け入れており、合意に達することを期待している、と語った。カリフォル州のギャビン・ニューサム知事は5月7日に、メーカーの稼働再開を認める新たな指針を発表した。マスク氏はこの決定を歓迎し、後に社員宛てのメールで、州当局の変更された指針に従って再稼働する計画を伝えた。しかし州知事の指針には、各地方自治体がより強い規則を施行できるという警告が盛り込まれていた。先月末アラメダ郡を始めとする湾岸のいくつかの郡や市は、外出禁止命令を5月末まで延長した。その後命令は改訂され一部の制限が緩和された。しかし、製造業に関する命令は取り下げられなかった。

5月7日アラメダ郡保健所は、テスラの再稼働に「ゴーサイン」は出していない、強行すれば命令違反になると語った。マスク氏はツイートで、テスラは直ちにアラメダ郡を訴えると語り、その後のツイートで株主に対して郡を訴えるよう呼びかけた。

「選挙で選ばれていない無知なアラメダ郡「暫定保健衛生官」の行動は、州知事にも、大統領にも、憲法で守られた我々の自由にも、そして当たり前の常識にも反している!」と彼はツイートした。さらに同氏は別のツイートで、テスラは本社と将来の事業基盤をテキサスまたはネバダに直ちに移転すと語った。

「フリーモントでの製造が少しでも残るかどうかは、今後テスラがどう扱われるかによる。同社はカリフォルニア州最後の自動車メーカーだ」とマスク氏は書いた。

フリーモント市のリリー・メイ市長は9日、マスク氏のツイートの後、外出禁止命令の下でテスラのような主要製造会社が操業再開する方策がなかった場合に、地域経済が受ける打撃の可能性を懸念していると語った。

「多くの必要不可欠な事業者が、厳格な安全基準とソーシャルディスタンスを守ることで無事操業できることを証明している」とメイ市長は声明で語った。「私は製造業についても同じことができると信じている、我々の雇用基盤にとってきわめて重要な企業であればなおさらだ」。

メイ市長はアラメダ郡に対し、地元企業と協力して地域経済再開のための適切なガイドラインを制定するよう促した。「過去10年間実施してきたように当市はテスラが自動車製造の操業を再開すれば直ちに支援する準備できており、我々フリーモントのコミュニティーを安全に保つ思慮深く公正な取組みを約束する」と語った。

パロアルト市のエイドリアン・ファイン市長もテスラへの支援をツイートで表明した。「最先端企業が地元に拠点をもち、人々を雇い、税金を払い、気象危機の解決に協力していることことを心から喜んでいる」とファイン市長は個人アカウントからツイートした。

テスラはネバダ州ではすでに操業しているがテキサス州には拠点を持っていない。ただし、マスク氏の所有するSpaceXはテキサスに事業所がある。テスラの巨大バッテリー工場であるGigafactory 1(ギガファクトリー1)はネバダ州スパークスにある。テスラは全電動トラックのCybertruck(サイバートラック)とTesla Model Yクロスオーバー車(都市型のSUV)を生産する新たな米国ギガファクトリーの建設場所を探している。テキサスが第1候補だと憶測する向きもある。

複数の情報筋が、テスラはテネシー州ナッシュビル当局と、CybertruckとModel Yクロスオーバー車を生産する工場建設について協議しているとTechCrunchに伝えた。

「CybertruckとGigafactoryの場所を探している。米国中央部になるだろう」とマスク氏は3月にツイートした。同氏はその工場が東海岸市場向けのModel Yクロスオーバー車の生産に用いられるだろうと付け加えた。Model Yの最初のモデルはフリーモント工場で現在製造されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新型コロナ禍でのテクノロジー各社四半期決算まとめ

Equityにようこそ。これはTechCrunchの記者が株式市場やスタートアップの資金調達をテーマに話合うポッドキャストだ。今回は公開企業の四半期決算のトレンドを扱った。スタートアップに対するベンチャーキャピタルの投資についてはこちらを見ていただきたい。

残念ながら新型コロナウイルス(COVID-19)の流行が続き、各社とも影響を受けている。全体として市況は大きく下げ、1%でもアップしていれば十分な成長とみなされる。ともあれこのポッドキャストを続けることができたのは幸いだ。参加してくれたDanny Crighton(ダニー・クライトン)、Natasha Macaranhas(ナターシャ・マカラニャス)、それにポッドキャストのプロデューサーのChris Gates(クリス・ゲイツ)に感謝する。

  • SaaSとエンタープライズは好調:TechCrunchではMicrosoft(マイクロソフト)の決算についてこちらの記事で報じたが、収入が15%アップという四半期決算の発表を受けて株価は大きく上げた。その他ZendeskやServiceNowについても検討した。トレンドとしては大企業向けSaaSの第1四半期は好調だった。しかし各社とも将来動向については慎重だ。影響の出方はばらつきが大きいだろう。
  • サブスクリプションも伸びたSpotifyの第1四半期も好調で、月間アクティブユーザーはなんと31%も伸びている。 Netflixhは第1四半期でアナリストの予測を大幅に上回る加入者数の伸びを示した。Danny CrightonによればSpotifyの純利益の報告はかなり奇妙なものだった。しかしNetflixは「(グレイウハウンドの競争の囮となる)檻から飛び出したウサギなみの猛スピードで規模を拡大した」という。 皆がどれほどポッドキャストを聞くようになるかかは別として、新型コロナウイルスの脅威が続く間は家にこもっていなければならない以上、サブスクリプションサービスが伸びることは間違いない。
  • 広告はまだら模様:広告ビジネスが大打撃を受けたことは周知だが、テクノロジー系の広告ビジネスはそこそこ持ちこたえている。Facebook(フェイスブック)はいつものとおりアナリストの予測を蹴散らし、株価を10%以上アップさせた。四半期決算で投資家に「4月は3月よりさらに好成績」だと言っている。ただしQ2では新型コロナウイルスのパンデミックの影響が出るかもしれない。Snapも急成長を続けており、収入は5割アップしたが、株価はわずかにダウンした。株価がアップしなかった原因はなかなか黒字化が達成できないためだろう。 売上の伸びに比べて、コスト構造にはかなり問題がある。大手SNSの中ではTwitter(ツイッター)はバスに乗り遅れて苦闘中だ。月間アクティブユーザーは1億6600万アカウントと新記録を達成したものの財務では再び赤字に転落した。同社は3月に続いて4月も新型コロナウイルスの影響を受けるとしている。Alphabet(アルファベット)はGoogle(グーグル)の好調により、パンデミックをものともせず収入をアップさせた。1株あたり利益がアナリスト予想に届かなったことを嫌ってわずかに売られたが、株価はその後戻している。

なにかと話題を提供しているTeslaだが、CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は「株価など知ったことか」と言っていたこともあり、今回は取り上げなかった。Apple(アップル)についてもちょっと触れただで中身のある話はしていない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

コロナ禍で落ち込むテック業界求人マーケットの現状と今後の行方

このほど発表されたAirbnbUberの大量解雇が業界の注目を集めたが、次々と舞い込む解雇のニュースに接し、当然のことながら疑問が浮かび上がる。解雇された人材はどうなるのか。需給バランスの変化が給与にどう影響を及ぼすのか。このマーケットで安泰の人はいるのか。

こうした疑問は現在多くの人が抱いているものであり、TechCrunchはテック業界を専門とするリクルーティング企業に現在どういう状況なのか、予想される3〜6カ月後の姿について話を聞いた。驚くことではないが、彼らは求人は激減していて給与削減も多く見られると話したが、一方でこの荒れ狂った時代に希望の光も見えるという。

最初に悪いニュースから。目下、ニュースの大半が悪いものだ。

販売とマーケティングの職、特に消費者向けのスタートアップが最も大きな影響を受けている。すぐには元に戻らず、おそらく2020年内の回復は難しい。全国展開している人材採用会社Betts Recruitingの創業者であるCarolyn Betts(キャロリン・ベッツ)氏は「新型コロナウイルス(COVID-19)の感染が拡大し始めて外出禁止例が出たとき、我々のビジネスの80%が凍結となった。そしてそこからさらに減少した」と話す。

販売やマーケティング、人事の職を専門とするベッツ氏のリクルーティング会社は、自らも従業員の解雇を余儀なくされた。仕事が少なくなり、従業員の30%を解雇し、残る従業員の給料も20%カットした。ただ、PPPローン(新型コロナで影響を受けている事業者が従業員の雇用を維持するためのプログラム)によりその後、給与を10%上げることができたとベッツ氏は話す。

一方で、ベッツ氏は一晩で状況が様変わりしたことに気づいた。給与の増加や契約金が当たり前になっていた売り手市場から、求職者が状況を受け入れるしかない買い手市場に変わっていた。「マーケットはかなりの人材であふれていて、バックアップ候補者のためのバックアップ候補者がいる状態だ」。職を探している人に対しベッツ氏は、状況が変わったこと、多くを求めると採用側が「次の候補者をあたろう」となるかもしれないリスクを負うことを理解した方がいいとアドバイスする。「誰もが予算内で雇用しようとしていて、ほとんどのケースで例外は作らないだろう」。

幹部の採用

予想されることではあるが「幹部職の採用も現在ではほとんんど凍結状態だ」とベンチャー企業Norwest Venture Partnersでリクルーティング担当副社長を務めるTeri McFadden(テリ・マクファデン)氏は指摘する。同社は12年にわたって顧客企業が重要なポジションを埋めるのを手伝ってきた。

米国が新型コロナ危機に陥る前「ポートフォリオの顧客企業にはおおよそ160の幹部職の空きがあった。明らかにNorwest のチームが対応できる以上の数字だった」と同氏は話す。その数字はいま、半分以下に落ち込んでいる。「一部は完全にキャンセルされた。また、今後の数四半期がどうなるかを見極めようと人材採用を一時的に見合わせている企業もある」と説明する。

一方で「他の職よりも大きな影響を受けている職もある」とのこと。マーケティング部門がその1つだという。また新型コロナにより幹部の給料も影響を受けて下がっているとも指摘する。ここ数週間、我々は企業が相次いで幹部の給料を減らす発表を見聞している。「多くの場合、最高幹部職の人は給与20%減を受け入れ、その次のマネジメント職の人は10%カット、そして『特定の給与水準以下の人』はカットなしだ」とマクファデン氏は話す。しかし企業によってこれは異なる。

「現状ではエンジニアですら例外ではない」とシリコンバレーのリクルーティング会社Riviera Partnersで長期にわたってパートナーを務めるSam Wholley(サム・ウォーリー)氏は話す。同社はエンジニアリングやプロダクト・デザインの責任者を専門とする。新たに出されている求人の給与は2カ月前とほぼ同じだが、ウォーリー氏、マクファデン氏ともにエンジニアリングマーケットは今後数カ月で軟調になり、給与は10〜20%下がると予想する。またウォーリー氏は。、新型コロナウイルスでコスト削減に走る前からエンジニアの給与はこうした傾向にあったと指摘する。

需要と供給

これは需給の問題だ。この10年超で初めてエンジニアリング人材の供給が需要を上回りそうだ。少なくとも給料を支払える能力としてはそうだ。実際、アーリーステージに資金調達している若いスタートアップが、大企業に奪われてきたエンジニアを取り戻すことができるかどうか尋ねたところ、ウォーリー氏は「残念ながらそうは思えない。当面そうはならないだろう」と話す。そして彼は、「常に新たな企業が興されるが、適切な人材を探すのに1年以上かかることもある」と続ける。これはまた、エンジニアリング職の応募者が、異なる産業や別の国に目を向けることも意味する。

しかし、最初に書いたように悪いニュースばかりではない。テック部門の多くは他の部門よりも持ち堪えているため、採用の動きはまだある。

ベッツ氏によると「成績の悪い人をマーケットに入ってきたばかりの優秀な人材に変える」などして企業がチームのレベルアップを図っているという。これは、特にセキュリティやコラボソフトウェアを政府に売り込んでいる産業、そしてヘルスケア産業で顕著とのことだ。

ベッツ氏はまた「人々が公共部門に再参入しているテキサスのような場所に立地する顧客企業は活動を再開し、どういう人材を雇用・再雇用したいのか戦略を練り始めた」と指摘する。

「多くの人が成長計画に関して支援を受けた」と話す。「しかしまだ5月だ。物事が(ノーマルな状態に)戻るとき、(マネジメントチームは)失った時間を取り戻すべく勢いよく動き出すことが予想される。もちろん誰もヘマをしたくない。誰もが『さあ、行くぞ』と言うときに採用を始めると、有利なスタートを逃していることになる」。

マクファデン氏とウォーリー氏も同じ意見だ。ウォーリー氏は「採用の引きは続いている」とし、マクファデン氏はNorwestが2つの部門の企業が「長期的にうまくやる」と見ていると明かした。プロダクト開発にフォーカスしている若いスタートアップと、現在かなりの需要に直面している企業だ。需要のあるプロダクトを展開している企業には、リモートチームのためのソフトウェアツールを扱う企業や、直接消費者に染髪剤を販売する企業などがある。

雇用を広げる可能性のある企業の数はまだ少ないが「大方の企業は新型コロナ後の暮らしがどのようなものになるか考え始めていると思う」とマクファデン氏は話す。

同氏はまた「すべてが破滅で真っ暗闇というわけではない」と楽観的な見方も示した。

画像クレジット: Anthony Lanzilote/Bloomberg

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(翻訳:Mizoguchi

テスラは延長された在宅命令を無視して工場を再開させる計画だった

米国時間5月8日の金曜日にアラメダ郡保健担当官のErica Pan(エリカ・パン)博士は、Tesla(テスラ)はカリフォルニア州フリーモントの工場を再開するための許可をまだ与えられていないと、ビデオストリーミングで開催されたタウンホールミーティングで語った。

郡の延長された在宅命令に抗してテスラは、金曜日には工場を再開する計画を立てていた。

テスラはTechCrunchが確認できた5月7日の木曜日に従業員宛に送られた内部メールの中で、アラメダ郡にあるフリーモント工場の「限られた操業」を再開する計画であると記していた。テスラの決定は、アラメダ郡の在宅命令と直接対立するものだ。

パン博士によればアラメダ州の保健当局と郡当局はテスラと協力して、再開のための安全計画を見直しているという。「私たちは彼らに待つようにお願いしている」と彼女は付け加えた。

テスラはコメントのリクエストに応じていない。

従業員には、CEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏からのメールと、会社の人事部長であるValerie Workman(バレリー・ワークマン)氏からのメールの2通が届いていて、どちらも工場が早ければ金曜日に再開することを示していた。再開の決定は、製造業は操業を再開できると木曜日に語ったカリフォルニア州知事のGavin Newsom(ガビン・ニューサム)氏による新しいガイドラインに基いたものだった。ただしニューサム知事のガイダンスには、地方自治体はより制限的なルールを維持できるという警告も含まれていた。

アラメダ郡は、他のいくつかのベイエリアの郡や市とともに、2020年5月末まで続く改訂版在宅命令を発令した。これらの改訂された命令は、いくつかの制限を緩和している。ただし、製造業への命令は解除されなかった。

以下は、あるテスラの従業員からTechCrunchに送信された電子メールのスクリーンショットだ。

テスラの内部メール(5月7日)

画像クレジット:Kirsten Korosec

2020年5月8日より、フリーモント工場で限定的な作業を再開します。
具体的な開始日と時間の詳細については、上司または人事部からEメールまたは電話で連絡があります。また、ネバダ州とニューヨーク州にある当社のギガファクトリーも、それぞれの州の認可を受けて限定的な操業を開始しました。同様にセールス、サービス、配送、エネルギー事業も州ごとに徐々に再開しています。

パン博士ならびにベイエリア周辺のその他の郡の保健当局は、制限を緩めることによる影響がないことを確信できるまで、テスラのような企業が待ってくれることを希望している。また企業がベストプラクティスに従っていることを確認するために、ビジネスの再開を計画するための適切な時間をとれていることを確認したいと考えている。

「私たちは郡内の各施設に、地域の健康秩序が守られていることを伝え、最初の制限解除を行った後に何が起こるかを確認するために、もう1週間ほど待つことを本当に求めているところです」とパン博士は語った。

アラメダ郡保健局は、テスラに対して「経済とコミュニティのさまざまなセクターの安全な再開を段階的に進めるために、成り立たなければならいすべての条件」を通知したことをTechCrunchに伝えている。

郡の命令に記載されている制限基準を満たしていないビジネスは、再開することができない。

「テスラはこれらの基準を満たしていないため、再開するべきではないことを通知されています」と郡保健局の広報担当者はメールで述べている。「私たちは、テスラの再開計画に関する積極的な取り組みを歓迎しています。再開の基準に適合すれば、彼らは従業員とコミュニティ全体を保護する方法とともに再開することができます」。

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画像クレジット: Mason Trinca for The Washington Post / Getty Images<

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(翻訳:sako)

新型コロナ禍の中でカリフォルニアは大統領選挙に向け住民の安全のために郵便投票を採用

米国時間5月8日、米国カリフォルニア州知事のGavin Newsom(ギャビン・ニューサム)氏は、11月の大統領選挙に向けて登録済有権者全員に郵便投票用紙(未訳記事)を発行すると発表した。ニューサム氏はこの決定を、他のカリフォルニア州機関と調整の上、行政命令として下した。

この命令は、すべての郡の選挙担当者に、有権者へ郵便投票用紙を提供することを要求するものだが、同時に障碍者、住所をもたないホームレス、英語以外の言語での投票資料を必要とする人たちのために対面式投票所の設置も設定することも求めている。

カリフォルニアは、郵便投票州になりました。
登録されている有権者の皆さまに、11月の選挙のための郵便投票用紙が送られます。
安全な対面投票オプションも提供します。
投票権は私たちの民主主義の基盤です。その権利を行使するために健康を危険にさらすことを強いられてはなりません。

命令によれば、対面投票を可能な限り安全にするために、知事は州務長官およびカリフォルニア州議会と調整を行う。カリフォルニア州では、州務長官が選挙の最高責任者であり、投票設備、セキュリティ、そしてアクセシビリティの監督を行っている。

Alex Padilla(アレックス・パディラ)州務長官はこの決定について「全登録有権者に投票用紙を郵送することで、カリフォルニア州は新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックに対応する国内で最初の州になります」と語った。「私たちは今年11月の選挙で、アクセスしやすく、安全で、安心な選挙を提供するという義務を果たします。登録されているすべての有権者に、郵便で投票用紙を送ることは賢明な方針ですし、この新型コロナウイルスパンデミック期間で行うこととしては絶対に正しい行動です」。

11月の選挙が迫る中、パンデミックの真っ最中の総選挙が突き付ける独自の課題に、各州は迅速に対応しようとしている。この先投票システムを再考できない州に起き得る混乱を、既に行われた予備選挙戦が予め示したからだ。特にウィスコンシン州では、長い列と混雑した投票所が報じられた。他の多くの州が予備選挙を遅らせて(未訳記事)時間を稼ぐ中、ウィスコンシン州は健康専門家からの警告と有権者からの懸念にもかかわらず、当初の日程で対面投票を進めたのだ。

一部の政治家(特にトランプ大統領はその筆頭)たちは郵便投票を党派的な問題だと片付けようとしているが、現実には、赤い州(共和党支持が多い週)と青い州(民主党支持が多い州)どちらの選挙担当者も、11月には投票用紙を住民に郵便で送ることを検討している。

オレゴン州、ワシントン州、コロラド州、ユタ州、ハワイ州では、すでに郵便投票を主要な投票手段として安全に利用しており、これらの州(ならびに不在者投票を認めている他の州)での投票者の不正行為は、統計的に無視できる程度のものである。

関連記事:Vote-by-mail should be having its moment.Will it?(郵便投票が、いままさに脚光を浴びるのか?、未訳記事)

画像クレジット: Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:sako)

新型コロナは世界をどう変えるか? Parliaでならそれがわかる

Is Greta Thunberg a hypocrite?(グレタ・トゥーンベリは偽善者か?)」とググると、何千もの結果が得られる。それは、インターネットの上では「Q&A」というモデルがほとんど壊れていることの証明だ。かつてはYahoo AnswersやQuoraが、Web 2.0の「Read/Write Web(リード/ライトウェブ)」の若き希望の星ともてはやされたが、今は大量の検索結果のカオスがあるだけだ。率直にいって、Q&Aを革新しようと試みた人は多かった(「Mahalo」を覚えている人はいるかな?)けど、成果は乏しく、多くがゾンビサイトになってしまった。

でもよく見ると、何かに気づくだろう。Parliaというサイトが、「グレタ・トゥーンベリは偽善者か」の検索で3位に登場する。しかしParliaは、2019年10月にステルスでローンチしたばかりだ。ではなぜ、検索で上位にヒットするのか?

このQ&A分野の新人は最近、Bloomberg BetaやTiny VCなどからのシードラウンドを完了した。資金の額は公表されていない。

創業者で元ジャーナリストのTuri Munthe(トゥリ・ムンテ)氏によると、Parliaは「オピニオンの百科事典」を目指している。

ムンテ氏は「Parliaは一種のWiki(参加型共同編集サイト)であり、ニュースや現在行われている議論に対するすべての視点を整理し紹介する。神は存在するか? や、メッシは本当にロナルドよりも優れているのか? といった永遠の疑問も扱う。サイトの構築の仕方とその目標は、今日の社会の分極化や暴言、情報の引きこもり蛸壺化を解決することだ」と語っている。

Q&Aサイトの多くは、X対Yという対立項が登場して理性的な議論を進めるが、Parlia(議会、討議場)はすべての意見を整理しながら載せる。地球平面説も排除しない。規範的であるよりも記述的(ありのまま)を目指し、QuoraよりもWikiに近い。前者は、自分をエキスパートとして売り込もうとする人が多い。

Parliaのサイトはすでに活気がある。今の時代にとても合ってるような気がする。

現在、上位の話題は「How to stay healthy during quarantine at home?(家に隔離されていて健康を維持する方法)」や「What are the effects of spending long periods in coronavirus isolation?(新型コロナウイルスで長期間孤立したときの影響)」、「Will the coronavirus crisis bring society together?(コロナウイルスの危機は社会をまとめるだろうか?)」などだ。ユーザーは議論を静観したり、関心を示さなかったり反論したりとさまざまだ。

「2016年に、政治的コンセンサスの時代は終わったと気づいた。英国のEU離脱をめぐって大量の言葉が氾濫したが、離脱に賛成し反対する理由は、どちらもせいぜい片手で数えられるぐらいしかない」とムンテ氏はいう。

Brexitのような国を分かつような大きな問題でも、それをめぐってごく少数の有限の数の議論しかないため、あらゆることについてそうだろうと彼は考えた。だから例えば銃規制や避妊の是非、新型コロナウイルスへの対応、AIの脅威などなどの問題でも、すべての議論をマップに落とせるはずだ。

しかし、何のためにそんなことをするのだろうか? もちろんそれ自体が良いことだし、人びとが自分以外の人びとの考えを理解し、世界中の意見の分布や構成も理解するだろう。

ビジネスモデルには事欠かない。広告を載せられるしスポンサーもつく、会員制や寄付もありうる。また、データそのものが売れる。やり方が正しければ、文字通り意見や考え方の世界地図が得られるだろう。

ムンテ氏は、ユーザーはすべてGoogle検索からやってくると考えている。そしてParliaの「メディアとしてチャンスの総量は月間ページビュー換算で1億にはなる」という。

共同創業者のJ. Paul Neeley(ジェイ・ ポール・ニーリー)氏は英王立美術院の元教授で、ユニリーバのサービスデザイナーや英国内閣府も経験している。ムンテ氏自身は、メディアのエコシステムにおけるシステム的な問題をしばらく研究していた。最初はレバノンで小さな雑誌を創業し、2003年にはイラク戦争を報道、その後ネット上の写真代理店であるDemotixを創業してエグジット、次いでメディアにフォーカスするVC North Base Mediaを立ち上げた。

商業化すると、偏向が生じる恐れもある。しかしムンテ氏は「政党とは絶対に仕事をしないし、独自の倫理顧問委員会を設ける。しかし多様な意見のマップを知ることは、マーケティングリサーチや、さまざまな研究機関の役に立つだろう」という。

というわけで、Parliaのサイトでは「How coronavirus will change the world(新型コロナウイルスで世界がどう変わるか)」ということもわかるのだ。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

WeChatがライブストリーミング買い物フェスを6月開催、中国・広州市と組んで地方経済を押し上げる

中国はいま、ライブストリーミングへの新たに関心を示している。新型コロナウイルス(COVID-19)が国中で猛威をふるい、多くの建物が扉を閉ざし、事業者は物を販売するためにオンラインに向かった。そして多くの人がライブストリーミングを受け入れた。現在、我々のモバイルスクリーンの大半を支配しているショートビデオが先行したモデルだ。客の多くがオフラインショッピングを避ける傾向が強まりつつあり、Alibaba(アリババ)やJD.com(JDドットコム)、Pinduoduo(ピンデュオ)のようなeコマースの巨人たちはライブストリーミングに力を入れている。ライブストリーミングを使って顧客は販売事業者とやり取りをし、リアルタイムに注文する。

異端プレーヤーのWeChat(ウィーチャット)もこの動きに加わっている。月間アクティブユーザーが11億6000人のメッセージサービスである大手WeChatは今週、6月のライブストリームショッピングフェスティバル開催で広州市と提携したと発表した。このニュースの前には、習近平主席が経済におけるライブストリーミングeコマースが、特に地方の農産品の販売を促進するうえで重要な役割を果たすとの認識を示していた。

ライブストリーミングeコマースを通じて地方経済を押し上げるために、地方行政がイニシアチブをとるのは中国では初めてのことだ。この取り組みが交易や輸出の中心地である広州市で行われることは驚きではないだろう。グローバルのパンデミックにより中国の輸出は減少していて、当局は国内需要を刺激せざるを得なくなっている。

WeChatのメッセージ以外のほとんどの機能と同様、ライブストリーミングはミニプログラム(またはライトアプリ)インフラ上に構築されている。WeChatによると、この機能には数万もの小売業者が登録されていて、試験期間の間は無料で利用できる。グローサリーや観光、ファッションの小売事業者はこのサービスの恩恵を最も享受できる。例えば、NASDAQに上場している旅行ポータルのCtrip(シートリップ)は、航空会社や旅行アトラクションが大幅割引で商品を売り出しているため、WeChatでのライブ促進で1億元(約15億円)を売り上げた。中国のライフスタイルブランドであるHeilan Home(ヘイランホーム)はライブセッションでの視聴者300万人超を記録した。

「ここ数カ月、オンラインショッピングの需要は新型コロナパンデミックで急増している。ライブストリームを通じた販売は今や事業や生産の再開、消費者の需要刺激の鍵を握っている」とTencent(テンセント)広州のゼネラルマネジャーを務めるGerald Hu(ジェラルド・フー)氏は発表文で述べた。

WeChatがライブストリーミングに乗り出したのは最近だ。この部門が近年盛り上がっていたにもかかわらず、WeChatがライブストリームを同社のオール・イン・ワンプラットフォームに正式に導入したのは2020年2月のこととなる。これは創業者Allen Zhang(アレン・チャン)氏の製品に対するミニマリストで完璧主義的なアプローチのためかもしれない。

結局のところ、WeChatの根幹は知り合い同士間のコミュニケーション促進にある。買い物やゲームといった他の機能は社交生活の延長であり、会話を邪魔するものではなく補足するものだ。人々は友達がWeChatメッセージを通じてシェアしたスナックを購入するかもしれない。あるいはWeChat上のアプリ内ゲームへの参加を呼びかける友達からの招待状を受け取るかもしれない。しかしどれだけの人が30分間もビデオに費やし、その間に重要なメッセージを逃すリスクを負ってもいいと思うだろうか。

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(翻訳:Mizoguchi

グーグル子会社スマートシティ開発のSidewalk Labsがトロント事業から撤退

Sidewalk Labs(サイドウォーク・ラボ)はトロントのプロジェクトから撤退する。同社が米国時間5月7日、短い声明文で発表した。

「2年半にわたり、キーサイド地区開発の実現に情熱を注いできた。実際、我々はウォーターフロントにスタッフ30人を擁するオフィスを置くなど、時間や人材、リソースをトロントに投資してきた」とSidewalk Labsの最高責任者であるDan Doctoroff(ダン・ドクトロフ)氏はブログに書いた。「しかし前例のない経済不透明性が世界やトロントの不動産マーケットを覆っていて、真に包括的で持続可能なコミュニティを構築するためにWaterfront Torontoとともにこれまで練り上げてきた計画の根幹部分を損なうことなく12エーカー(約4万8500平方m)のプロジェクトを財政的に存立させることが極めて困難になった」。

Sidewalk Toronto(サイドウォーク・トロント)には多くの新テクノロジーをテストする場としての役割があった。未来の都市をいかに構築(または再構築)するか、その中心にデータ収集を据えたやり方で都市インフラを作り直すためのものだ。初めからプロジェクトは全監視システム問題の壁にぶつかった。この問題は、Sidewalk Labsが親会社のGoogleとデータを共有するという事実によりいっそう大きなものになった。

トロントのプロジェクトを棚上げするという決断はSidewalkにとってかなりの逆風となる。しかし新型コロナウイルス(COVID-19)による世界経済の後退を考えた時に予想されるべきことではあった。

「このプロジェクトの継続は止めたが、現在の衛生的な危機で将来のために都市を再設計することの重要性を認識した」とドクトロフ氏は声明文に書いている。「我々が過去2年半築いてきたアイデアは都市が抱える大きな問題、特にアフォーダビリティと持続可能性における取り組みに大きく貢献すると確信している。これは必要不可欠な社会的努力であり、Sidewalk Labsはそこに貢献するために取り組みを続ける」。

Sidewalk Labsはこれまで援助してきた、あるいはスピンアウトした内部イニシアチブのサポートを続けるとドクトロフ氏は述べている。ここには、次世代都市プラニングツールのReplica、 Sidewalk Infrastructure Partners、インフラ投資ファンド、都市コミュニティでのヘルスケアサービスを再設計する試みCityblockなどが含まれる。

Sidewalkはまた、これまで支援してきたロボティック家具のOri Systems、リサイクル企業のAMP Robotics、電気のモニター、管理ツールであるVoltServerのサポートも続ける。

Sidewalkはこれまでに、高層ビル向けの新たな建設材料や都市開発のためのデザインツール面で画期的な成果を出してきた。

「キーサイド地区のプロジェクトは我々にとって重要なものだった。今回の決断は難しかった。このプロジェクトに関わった多くのトロントの人々、そしてコミュニティグループや市民リーダー、地元の住人から受けたサポートに感謝している」とドクトロフ氏は書いた。「Sidewalk Labsはトロントの多様性、成長、チャンスに惹かれ、その思いはステップを経るごとに確たるものになった。トロントは、テクノロジーにおけるイノベーションで世界の中心となっている都市の1つであり、今回の決断はその事実を打ち消すものではない」。

画像クレジット:Sidewalk Labs

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(翻訳:Mizoguchi

Waymoが米国フェニックスでの配車事業を来週にも再開へ

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で3月末に事業を一時停止していたWaymoは、5月11日にアリゾナ州で配車ビジネスを再開すると発表した。

Waymoはサンフランシスコやデトロイト、ロサンゼルスなどの他の都市で事業を再開する前に「当社のチーム、パートナー、地元住民および州当局」との話し合いの結果、フェニックス地域で配車事業を再開することを決定したと述べている。

アリゾナ州での自宅待機命令は5月15日までだが、学識経験者は同州がまだ新型コロナウイルス拡大のピークに達していないとの懸念を示しており、州政府に協力していた一部の関係者は最近、予測やモデル化作業を「一時停止」するよう求められたと、ワシントン・ポスト紙に語っている。

同社の発表によると、これは「安全に事業を再開するための段階的なアプローチ」の第1段階であり、テスト車両から始まり、最終的には自動運転車による配車サービスであるWaymo Oneまでの提供を再開するという。

Waymoは地方自治体や州政府、米疾病予防管理センター(CDC)による安全ガイダンスに従っていると述べた。同社が実施した安全対策には、1人で車両を運転している場合を除き、車両内や施設ではフェイスマスクを着用することを従業員に義務付けることや、AutoNationとの提携により1日に数回車内を清掃することなどが含まれる。

またWaymoによると、最大キャパシティを制限したり、作業エリアにソーシャルディスタンスのガイドラインを取り入れたり、チームのための安全性と衛生トレーニングを作成したり、産業医療従事者と協力して施設に入る前に人々をスクリーニングしたりするとしている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

シャオミやサムスンが新型コロナで停止していたインドでのスマホ生産を再開へ

Xiaomi(シャオミ)、Vivo(ビボ)、Samsung(サムスン)、Oppo(オッポ)、その他のスマホメーカーは、インド州政府からデバイス製造・組み立ての部分的再開が許可された。世界第2位のスマホ市場であるインドのデバイス製造プラントは2020年3月下旬から停止していて、国のロックダウンはまだ続いている。

スマホメーカーは、製造オペレーションを再開させる許可を得たと話したが、労働者数を制限しての操業など、いくつかの規制はまだ残っている(連邦政府は5月初めにスマホ生産再開を許可したが、規制を緩和できるだけ地域の状況が安全かどうかは最終的に州政府が判断する)。

連邦政府は5月初めに、スマホ生産再開を許可する数日前にロックダウンを2週間延長した。しかし、3月下旬に全土に厳重な外出禁止令を出してから停止していた経済活動を復活させるため、一部の規制を緩和している。

今週初め、連邦政府はeコマース企業や配車サービス会社に、グリーンゾーンとオレンジゾーンでの営業再開を許可した。これらのゾーンは新型コロナウイルス(COVID-19)感染が深刻でない地域で、全733地方のうち82%がグリーン、そしてオレンジとなっている。

Snapdragon 865で作動するスマホ Mi 10を含むさまざまなデバイスをインドで展開しているXiaomiは、需要に応えるための在庫は最大3週間分しかない、と5月初めに述べていた。

Xiaomiの副社長Manu Kumar Jain(マヌ・クマール・ジャイン)氏は5月8日、スマホメーカーとしてインドで2年にわたってトップシェアを占めている同社が、アーンドラ・プラデーシュ州にある契約企業Foxconn(フォクスコン)の施設で操業を再開すると述べた。

この件に詳しい情報筋は、Apple(アップル)の委託企業Wistron(ウィストロン)はバンガロールで操業を一部再開したとTechCrunchに語った。

インドで第2位のスマホメーカーであるVivoは、生産能力の30%で再開すると話した。同社の広報担当は「従業員3000人程度で生産を再開するだろう」と述べた。

Vivoと同様、Oppoもグレーター・ノイダにある施設で生産を再開し、従業員3000人がローテーションで作業すると話した。2018年に世界最大のスマホ工場をインドに開設したSamsungもその施設での操業を再開することを明らかにした。

「5月7日に工場は一部再開し、今後段階的に稼働率を上げていく。従業員の安全と健康が最優先事項であり、政府のガイドラインに沿った工場内の衛生とソーシャルディスタンシング(物理的距離の維持)を確認した」とSamsungの広報担当は話した。

新型コロナはいくつかの事業にかなり深刻な影響を及ぼしている。調査会社Counterpointによると、4月のインドでのスマホ販売はゼロだった。Counterpointはまた、インドのスマホ出荷台数は今年10%減を予想している。参考までに2019年のスマホ出荷は8.9%増、2018年は10%増だった。

上位スマホメーカーはすべて、インド政府の税優遇を受けるために自社プラントを設けるか、パートナー企業に委託してインドでスマホを生産している。

画像クレジット: Karen Dias / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

ふるさと納税を利用した「ふるさと神戸ダブル応援基金」が誕生、寄付金の2倍がコロナ禍で苦しむ事業者支援に

神戸市は5月8日、「ふるさと神戸ダブル応援基金」の創設を発表した。ふるさと納税制度を利用し、新型コロナウイルスの影響で業績が落ち込んでいる事業者を個人と神戸市が共同支援する取り組みだ。ふるさとチョイスのプラットフォームを利用し、寄付(ふるさと納税)を募る。

一般的なふるさと納税は、住民登録している自治体以外に寄付というかたちで納税することで、当該自治体から返礼品を受け取れるうえ、実際の住民税が減額されるというメリットがある。一方のふるさと神戸ダブル応援基金によるふるさと納税では、寄付金額と同額を神戸市が一般財源から支出して、事業者を支援するための基金とする。つまり個人や企業が10万円をふるさと納税すると、その倍の20万円が基金として蓄積されるわけだ。

蓄積された基金については、上図の8項目から使い道を指定できる。返礼品の受け取りも可能で、神戸市の全返礼品約170点の中から選べる。加えて神戸市は本日より、新型コロナウイルスの影響で売上が減少した事業者を対象に新規返礼品の公募も開始する。なお市外企業の場合、税の軽減効果が最大約9割となる、企業版ふるさと納税を使ってふるさと神戸ダブル応援基金へ参加することも可能だ。

神戸市では、神戸市立医療センター中央市民病院や介護施設などでクラスター感染が発生し、一時深刻な状態に陥っていたが、新型コロナウイルスの感染者数は4月25日から減少傾向が続いており、5月以降の感染者についてはすべて感染経路を追えているという。

また、4月26日に医療関係者の支援のために創設された「こうべ医療者応援ファンド」については、5月8日12時現在で1億9739万5528円が集まっていることも明らかになった。5月12日には、その使い道を決める第1回ファンド分配委員会を開催し、医療機関への分配が始まる予定だ。

新型コロナウイルス 関連アップデート

ヤフーとふるさとチョイスが新型コロナの給付金を寄付できるプラットフォームを共同設立

ヤフーとふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンク公益財団法人パブリックリソース財団、コロナ給付金寄付実行委員会は5月8日、政府が「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」として、住民基本台帳に記録がある外国人を含む全国民を対象に一律で給付される10万円を個人や企業の支援のために寄付できるプラットフォームの設立を発表した。

具体的には、医療、福祉・教育・子ども、文化・芸術・スポーツ、経営困難に追い込まれた中小企業などのテーマを選んで100円からの寄付が可能になる。寄付サイトは、ヤフーとトラストバンクがそれぞれ開設し、パブリックリソース財団の協力の下で運営される。ヤフーのサイトではTポイントでの寄付も可能だ。

プロジェクトの概要は以下のとおり。

対象テーマは以下のとおり。

  1. 医療分野: 新型コロナウイルス感染症患者の治療に取り組む医療機関に対するマスク・ガウンなどの防御用品、人工呼吸器などの医療器具、治療に取り組む人件費など
  2. 福祉・教育・子ども分野: 介護施設、障害者施設、学校、保育所、学童保育、学習支援団体、DV防止団体、生活困窮者支援団体などに対するコロナウイルス感染症予防対策、または、感染症の予防策の影響により困難に直面する人を助ける事業、または、将来の事業再開に向けて進める準備活動など
  3. 文化・芸術・スポーツ分野: 感染症拡大防止のために中止・閉鎖に追い込まれた芸術、文化、スポーツ活動の担い手、施設、事業者(ライブハウスや演芸場、スポーツジムを含む)に対するオンラインでのパフォーマンスの実施などの現在の代替的活動の支援、将来の事業再開に向けて進める準備活動など
  4. 経営困難に追い込まれた中小企業分野: 感染症拡大防止のために営業自粛・休業に追い込まれた、飲食店、宿泊施設などの中小企業に対する当該中小企業における、女性、若者、障がい者の雇用継続、将来の事業再開に向けて進める雇用継続の準備活動など。

ちなみに、Zホールディングスやヤフーが属するソフトバンクグループ傘下でSBプレイヤーズの子会社であるさとふるも、ふるさと納税サイトを運営しているが、今回の寄付プラットフォームの設立ではグループの垣根を越えて、ふるさとチョイス(トラストバンク)と連携する。発起人は以下のとおりだ。

  • 佐藤大吾氏(発起人代表、NPO法人ドットジェイピー理事長)
  • 岸本幸子氏(公益財団法人パブリックリソース財団代表理事・専務理事)
  • 川邊 健太郎(Zホールディングス代表取締役社長CEO、ヤフー代表取締役社長CEO)
  • 西田修一氏(ヤフー執行役員)
  • 須永珠代氏(トラストバンク会長兼創業者)
  • 乙武洋匡氏(作家)
  • 小室淑恵氏(ワーク・ライフバランス代表取締役)
  • 為末大氏(一般社団法人アスリートソサエティ代表理事)
  • 古田敦也氏(スポーツコメンテーター、元東京ヤクルトスワローズ監督)

ウォーレン氏やサンダース氏を含む9人の上院議員が労働者の解雇でAmazonに公開書簡

マサチューセッツ州選出の民主党員Elizabeth Warren(エリザベス・ウォーレン)氏をリーダーとする9人の上院議員グループが今週、Amazon(アマゾン)のCEO Jeff Bezos氏宛に公開書簡を送り、最近の社員解雇に関する詳しい情報を求めている。その声明は、COVID-19と気候変動に関する同社のポリシーを強硬に批判した4名の従業員の解雇に言及している。

Bernie Sanders(バーニー・サンダース)氏とCory Booker氏、Kamala Harris氏、Sherrod Brown氏、Kirsten Gillibrand氏、Ed Markey氏、Richard Blumenthal氏、およびTammy Baldwin氏らが署名しているその書簡は、次のように述べている:

これら4名のワーカーが、彼らの解雇に先駆けて、Amazonの倉庫における労働者の健康と安全を護るために活動してきたことは、公開されている彼らの履歴において明らかであり、しかし他方には、「内規」への違反に関するAmazonの曖昧な公開声明があるのみである。これらの状況に鑑みわれわれは、その内規なるものが何であるかを正しく知るための、さらなる情報を求めるものである。

書簡は9つの質問を呈示し、BezosとAmazonに5月20日までの回答を求めている。上院議員たちが具体的に指摘しているのは、Christian SmallsとBashir Mohamed、Maren Costa、およびEmily Cunninghamの解雇であり、全員が同社のCOVID-19対応を公然と批判していた、としている。4名の内何名かは、彼らの解雇が内部告発と直接に結びついていると信ずる、と公けに声明しているが、Amazonはそれを断固否定している。

関連記事: アマゾンが従業員2人を追加解雇、パンデミック発生時の労働条件を批判

当時TechCrunch宛ての声明で同社は、「社員の労働条件を批判する権利を、弊社はすべての社員に認めている。しかしそれは、いかなる内規に違反してもよいとする無条件の免罪性を意味するものではない。これらの社員は、内規への違反を繰り返したために解雇した」、と言っている。

5月1日には副社長のTim Bray氏が公然と同社を去り、Amazonはまた一人社員を失うことになった。そしてその日には、国中のワーカーが労働条件をめぐってメーデーのストに参加した。

関連記事: AWSの上級役員で技術者のティム・ブレイ氏が従業員解雇に抗議してAmazonを辞職

Bray氏はこう書いている: 「Amazonの副社長として残ることは、自分が忌み嫌う行為を黙認することになる。だから辞めた。被害者は抽象的な実体ではなく本物の人間だ。名前もある。Courtney Bowden(コートニー・ボーデン)、Gerald Bryson(ジェラルド・ブライソン)、Maren Costa(マレン・コスタ)、Emily Cunningham(エミリー・カニンガム)、Bashir Mohammed(バシル・モハメッド)、Chris Smalls(クリス・スモールズ)だ。全員が非白人または女性またはその両方なのは、確実に偶然だ。そう思いたいね」。

上院議員たちの書簡は、同社における不平等に関するBray氏の懸念を反映するかのように、次のように問うている: 「Amazonでは、技術系労働者と倉庫労働者と役員が規律と解雇に関する同一のポリシーを有しているか?」。

上院議員たちがAmazonに圧力をかけようとしたのは、これが初めてではない。Sanders氏は同社の最低賃金(時給)を15ドルに上げる要求と活動のリーダー格になり、Warren氏は2020年の大統領選出馬にあたって、同社を(GoogleやFacebookなどと共に)分割すべきと主張した。

関連記事: Workers prepare to strike May 1, amid strained pandemic working conditions…パンデミックの労働条件悪化の中で労働者はメーデー参加を準備(未訳)

一方Amazonはこのところ、同社のコロナウイルスへの対応をめぐる論調にとても敏感になっている。Bezos氏の例年の株主宛書簡と同社の決算報告の両方で、それは大きく扱われている。今週初めには、倉庫労働者がまた一人、ウイルス検査で陽性になったあとで死亡した。また4月半ばには、Amazonの少なくとも74の倉庫で一部の労働者が陽性だった。

本誌は、書簡に関するコメントをAmazonに求めている。

画像クレジット: Erin Clark for The Boston Globe/Getty Images

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Uberがドライバーの本人認証用セルフィー技術をマスク着用チェックに活用

Uberは2016年に、詐欺防止のためにドライバーのセルフィーを撮るシステムを導入した。このシステムは本来、ドライバーがマスクを着けていることの確認にも使われるのだった。

Uberが今週初めに発表した内容をCEOのDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏が米国時間5月7日に繰り返した。米国など数カ国で、ドライバーと乗客の両方にマスクの着用を義務付ける計画だ。感染拡大防止の努力によって、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックで揺らいでいるライドシェア事業を回復させることを狙う。

関連記事:Uberがドライバーと乗客のマスク着用を義務化へ

コスロシャヒ氏は米国時間5月5日の決算報告のとき「ロジスティクスとテクノロジーを組み合わせて、ドライバーが正しく保護されていることを乗客が確認できるようにしたい」と述べた。「ドライバーには大量の防護服とマスク、消毒液などを支給して、Uberの車はいつ乗っても安心と乗客に思っていただける状態にしたい」と同氏は続ける。

ShiptやUber、Lyft、Instacartなどで働く一部のギグワーカーは、「マスクや手袋、その他の防護装備が足りない」と不平を表明していた。これらの物資のサプライチェーンは、病院や保健衛生施設、オフィスに社員を復帰させたい企業など顧客網が多様で、品物の入手をめぐる競争も熾烈だ。

テクノロジーの面では、コスロシャヒ氏は同社の既存のプロダクトに活用に期待している。「テクノロジーの面では、例えばUberのセルフィー技術は、登録したドライバーと運転手が同一人物であることを確認するために使っている。その技術をドライバーがマスクを着用していることを確認するために使えるだろう」と語る。

ドライバーにマスクの着用を義務付け、その義務遵守をセルフィーシステムで確認することをいつ開始するのか、それはまだ明らかでない。このドライバーのセルフィーシステムはReal-Time ID Checkと呼ばれ、料金を受け取る前にセルフィー(自撮り写真)をシェアすることをドライバーにときおり要求する。ドライバーがUberに登録したときの写真とセルフィーが一致しなければ、アカウントを一時的に停止する。この技術の目的は、乗客と本物のドライバーを保護することだ。

画像クレジット: David Paul Morris/Bloomberg/Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Uberに続きLyftも乗客とドライバーのマスク着用義務化

米国時間5月6日、Lyftはドライバーと乗客に走行中マスクの着用を義務付ける新たな健康への取組みを発表した。Lyftはドライバーに消毒用品とマスクを供給することを明らかにした。

乗客とドライバーは必ず顔面を覆わなくてはならず、新型コロナウイルス(COVID-19)あるいは何らかの症状を示す場合は運転も乗車もしてはならない。ドライバーは自分の車と手を清潔に保ち、窓はできる限り開けておくことに同意しなければならない。また乗客は前部座席に乗らないことにも同意しなければならない。

乗客にもドライバーにも、乗車あるいは運転の前にLyftの新しい個人健康要件に従うことを確認するプロンプトが表示される。もし乗客やドライバーがこの指示に繰り返し違反すると、アカウント停止の対象になる。

「Lyftコミュニティーの一員であるためには共同責任が伴うと私たちは考えています」とLyftのグローバルオペレーション担当VPのAngie Westbrock(アンジー・ウェストブロック)氏が本日の電話会見で語った。「マスクを着用することで、相手を気遣っていることを示すことができる。これは、乗客とドライバー両方のためであり、こんな時期に心の平安を与えるものだ」。

Lyftはこれまでに250万ドル(2億6500万円)を費やして、何千本もの手指消毒薬とマスクを購入してドライバーに配布している。これらの用品をドライバー確実に入手できるように、いつどこで受け取れるかを正確に通知するとLyftは言っている。これまでにLyftは再利用可能なマスクを1枚ずつドライバーに配布済みで、ドライバーと乗客を仕切るパーティションの導入も検討していると言っている。同様に、Uberも今週始めに乗客とドライバーのマスク着用義務化の計画を発表している。

Lyftによる乗客の安全を守るこの取組みのわずか前、同社は世界的健康危機のために従業員982名を解雇し、288名を一時帰休させた。その一方で、LyftとUberはカリフォルニア州のXavier Becerra(ザビエル・ベセラ)検事総長から、ドライバーの就業区分相違の疑いで新たな訴訟を起こされている。この訴訟は、UberとLyftが労働者から、最低賃金、超過勤務手当、有給病気休暇、身体障害保険、失業保険などの権利を奪っていると主張している。サンフランシスコ最高裁判所に提出されたこの訴訟は、違反1件(あるいはドライバー1名)につき罰金2500ドル(26万5700円)をカリフォルニア州不正競争法に基づいて要求しており、高齢者および身体障害者に対する違反にはさらに2500ドルを要求している。

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画像クレジット:Javier Zayas Photography / Getty Images
新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

アップルが新型コロナ検査検体回収キットを開発する企業に約10億円提供

Apple(アップル)は同社の高度製造支援基金であるAdvanced Manufacturing FundからCOPAN Diagnostics(コパン・ダイアグノスティック)に1000万ドル(約10億円)を提供した。同社は、米国の病院向けに新型コロナウイルス(COVID-19 )診断のための検体回収キットを製造している。今回の資金は、米国拠点の製造業の開発と成長をサポートするためにアップルが設けた基金から拠出される。これは注目に値する。というのも、同基金はこれまでアップルのサプライチェーンに直接つながっている企業の支援に使われてきたからだ。

今回の支援ではアップルは、COPAN Diagnosticsの設備や材料の確保も手伝っている。例えば、新たな高度設備のデザインをアップルがサポートした。支援金は、COPANがキットの供給をもっと増やせるよう、南カリフォルニアにある生産施設を拡大するのにも使われる。アップルによると、同施設の現在のランレートは週7000キットほどだが、7月までに週100万キット超に増やす。こうした取り組みにより米国内で新たに50人ほどを雇用することにもなるとアップルは述べている。

COPANは診断業界ではパイオニアで、2003年にはフロックドスワブ(DNAサンプル採取に特化して設計された綿棒)を開発した。現在は、世界で広く使われているウイルスを含む臨床検体の輸送媒体を生産している。アップルからの投資は、COPANの専門を生かしつつ主に生産拡大に使われる。米国における広範な新型コロナウイルス診断のボトルネックになるのを防ぐべく急増する診断キット需要に対応しようと、アップルが達成し得る驚異的な生産量に近づけられるような生産体制にする。

アップルはグローバルの新型コロナ危機との戦いに多くのリソースを向けている。ここには寄付、保護具の提供、症状チェックアプリとGoogle(グーグル)との提携のもとに今後リリースされる濃厚接触の通知ソフトウェアのためのソフトウェア開発リソースが含まれる。今回の高度製造支援基金からの資金提供は、Appleがさまざまな方法でパンデミックに取り組めるということを示す新たな例となる。

画像クレジット: Apple

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(翻訳:Mizoguchi