カスタマーエクスペリエンス管理のMedalliaが音声テキスト変換のVociを買収

現在の市場ではM&Aのペースはすっかり落ちているが、タイミングと金額が合えば、M&Aのための資金はまだある。米国時間4月22日、Medalliaが音声のテキスト変換スタートアップのVoci Technologiesを5900万ドル(約63億3000万円)の現金で買収すると発表した。Medalliaは、オンラインのレビューやソーシャルメディアなどのソースを調査し、企業の良い面と悪い面、改善すべき箇所を提案する、カスタマーエクスペリエンスのプラットフォームだ。

MedalliaはVociのAIテクノロジーを統合して、音声のやりとり、例えばコールセンターにかかってきた通話などを、同社のプラットフォームで分析するデータとして利用する計画だ。ソーシャルメディアやメッセージングが多く活用され、そして今は人々がオンラインへと大幅にシフトしているが、そのような状況でも音声は依然として企業と顧客とのやりとりの大きな部分を担っている。そのため、Medalliaにとって音声への取り組みは重要だ。

Medalliaの社長兼CEOのLeslie Stretch(レスリー・ストレッチ)氏は声明で「Vociでライブと録音の通話を100%文字に起こせば、迅速に分析して顧客満足度を判断でき、Medallia Experience Cloud(同社のSaaSプラットフォーム)にとって有力な材料になる。同時に、Vociで毎回の通話が終わった瞬間に分析し、コールセンター運営のあらゆる側面を確実に最適化できる。バーチャルやリモートでコンタクトセンターを運営しようとする際には特に重要だ」と述べた。

現在、市場には音声をテキストに変換する製品は多数あるが、Vociの特徴は感情、性別、意見、声による生体認証など、内容以外の多くの詳細を認識できるということだ。データを詳しく分析する際に、個人を識別する情報を取り除いてプライバシーを確実に保護することもできる。

Vociはカーネギーメロン大学からスピンアウトしてスタートし、Grotech Ventures、Harbert Growth Parnters、そして同大学などの投資家から合計で約1800万ドル(約19億3000万円)を調達した。3人の創業者はいずれも同大学で博士号を取得している。最終評価額はシリーズBの調達中だった2018年3月の2800万ドル(約30億円)で、今回の買収額は最終評価額の2倍をやや上回る。

Vociはこれまで急成長してきたようだ。同社はおよそ20億分間の音声を処理し、1月にはその勢いを示す数字として、直前の四半期にコンタクトセンターの業務が増加したことに伴い契約が63%増えたと発表していた。

コンタクトセンターだけでなく、金融、ヘルスケア、保険などの分野でもアウトソーシングを請け負っているとのことだが、取引先の社名は明らかにされていない。このところ新型コロナウイルスの影響で移動が制限され、人が実際に接触する機会が減っているため、リモートでサービスを提供する製品を手がける企業や組織はどこもそうだが、Vociでも需要が高まっている。

VociのCEOのMike Coney(マイク・コニー)氏は声明で「エクスペリエンス管理のリーディングカンパニーであるMedalliaの戦力となれることを当社全体で喜んでいる。Vociのパワフルな音声テキスト変換機能がMedallia Experience Cloudに組み込まれるのはすばらしいことだ。コンタクトセンターのあらゆる事柄がビデオやアンケートなどの重要なフィードバックと統合されれば、業界を大きく変える」と述べた。

Vociがここ数カ月で資金を調達しようとしていたのか、あるいはMedalliaから積極的にアプローチしたのかは明らかになっていない。しかし一般論としていうと、M&Aはテック業界で重要性を増している。現在、スタートアップの資金調達は難しくなってきた。有望な企業とテクノロジーが完全に倒れてしまうことを避けるためのひとつの方法として、最後の神頼み的なM&Aが増えるかどうかは大きな問題だ。

Sequoiaなどから資金を調達した後、2019年7月に上場したMedalliaは、市場の多くの企業と同様にここ数週間で株価が下落している。現在の時価総額はおよそ28億ドル(約3003億円)で、公開前の最終評価額と比べて4億ドル(約429億円)の成長に止まっている。

Medalliaによれば、買収は2020年5月に完了する予定だ。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Nvidiaが高速コンピューティングのためのデータストレージと管理プラットホーム開発のSwiftStackを買収

Nvidiaは米国時間3月5日、SwiftStackを買収したことを発表した。同社はソフトウェアを中心にデータを保存し管理するプラットホームで、パブリッククラウドとオンプレミス、そしてエッジへのデプロイをサポートしている。

その最新のバージョンはAIとハイパフォーマンスコンピューティングおよびGPUなどによる) 高速コンピューティングのワークロードをサポートしており、Nvidiaの関心はもっぱらそこにあると思われる。

SwiftStackの共同創業者でCPOのJoe Arnold(ジョー・アーノルド)氏は、本日の発表声明で「SwiftStackのチームはAIコンピューティングの構築に傾注してきた。Nvidiaの有能な人びとと共に仕事をすることは、そんな我々にとって最高に素晴らしいことだ。同社の世界最高の高速コンピューティングのソリューションに貢献できる日が、待ち遠しい」と述べている。

買収の価額は公表されていないが、SwiftStackはこれまでシリーズAとBのラウンドで約2360万ドル(約25億円)を調達している。それらのラウンドをリードしたのはMayfield FundとOpenView Venture Partners、ほかにStorm VenturesとUMC Capitalが参加した。

2011年設立のSwiftStackは、ごく初期のOpenStack企業でもある。その大規模なオープンソースプロジェクトは、企業のデータセンターにAWSのようなプラットホーム管理能力を与えた。SwiftStackはOpenStackの中でもとくにオブジェクトストレージSwiftの最大のコントリビューターで、そのさまざまな関連サービスを提供した。しかし近年ではOpenStackの人気の衰えと共に、その関係も薄れていた。

現在のSwiftStackは、PayPalやRogers、データセンターのプロバイダーDC Blox、Snapfish、TechCrunchの親会社Verizonなどが主な顧客だ。Nvidiaも顧客である。

SwiftStackによると、今後もSwiftやProxyFS、1space、およびControllerのような既存のオープンソースツールのメンテナンスは継続する。

アーノルド氏は「SwiftStackの技術はすでにNvidiaのGPUによるAIインフラストラクチャの重要な部分であり、買収によってさらにその関係が強まるだろう」と説明した。

関連記事:OpenStackのストレージプラットホームSwiftによるオブジェクトストレージサービスSwiftStack1600万ドルを調達

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

大量のトランザクションをブロックチェーンで一元管理するClearが約14億円を調達

Clearは野心的なアーリーステージのスタートアップだ。同社は、通信企業間の決済など大量のトランザクションを処理するためのブロックチェーンを構築しようとしている。米国時間2月5日、シリーズAで1300万ドル(約14億円)を調達した。

このラウンドはEight Roadsがリードし、Telefónica Innovation VenturesとDeutsche TelekomのTelekom Innovation Pool、HKT、そしてSingtel Innov8が参加した。

今回のラウンドに参加した投資家が通信企業であることは偶然ではない。Clearのブロックチェーンによるトランザクションネットワークの初期のユースケースは、世界中の通信企業間の決済の移転だ。今それは、手作業のエラーになりがちなやり方で行われている。

Clearの共同創業者であるGal Hochberg(ガル・ホッホバーグ)氏によると、同社のミッションはこれまでのビジネスの各種契約をデジタルに置き換えること。これは、デジタル台帳の用語ではスマートコントラクトと呼ばれている。

同氏は「Clearが実現するのは、ビジネスパートナと信頼できる状態を作ることだ。なぜなら彼ら全員が、料金もユーザーの利用状況も同じもの、同じ情報を見るからだ。Clearを導入すれば、彼らはどんな問題でもリアルタイムで見つけられる。商用の情報でもサービスのデリバリーでも、それらの問題をClearのプラットホームの中で実際に解決できる」と語る。

複数の国境にまたがる大量のトランザクションをブロックチェーンで処理すると、そのスマートコントラクトは規約の自動的な執行者となり、月末まで待たされてエラーが見つかり解決プロセスを開始するといった非効率さがなくなる。問題の発見と解決がリアルタイムで行われるからだ。決済までの時間が短縮され、対立の解決もスピードアップする。

同氏は「ブロックチェーンを使えば、そういう対話的な操作を監査可能で、暗号化により安全、そして当事者たちが同期して全員同じ情報を見ている状態で進められる」と説明する。

繰り返すと、同社は世界中の通信企業の膨大な量のトランザクションを支えている。その国境横断性は良いテストケースだ。しかしホッホバーグ氏によると、それはスタート地点にすぎないという。まだ完全に完成した姿ではないが、何億件もの課金を伴うイベントを処理できることは実証された。

今回の資金により同社は、今年の前半にはキャリアクラスのプロダクションを完成させたい。また、これだけ資金があれば、通信以外の分野にも進出できるだろう。

関連記事:Kadena fulfills hybrid blockchain vision with launch of public chain(パブリックチェーンでハイブリッドブロックチェーンを目指すKadena。未訳)

画像クレジット: Clear

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

HPEがクラウドネイティブのセキュリティを追究するScytaleを買収

HPEが、クラウドネイティブのセキュリティサービスScytaleを買収した。そのサービスは、オープンソースのセキュリティプロトコルSecure Production Identity Framework for Everyone(SPIFFE)をベースにしている。両社は買収の価額を公表していない。

Scytaleは、複数のアプリケーションにまたがってアイデンティティ、すなわち認証とアクセスを管理する。最近では人間が介入しなくても勝手に複数のアプリケーション間で行われるトランザクションが多くなっているので、このようなサービスはますます重要だ。特に重要なのが、情報が他のアプリケーションと共有されてもいいと、当のアプリケーションが認知・許可していることだ。

これはHPEにとっても、今後広げたい分野だ。HPEのフェローでクラウドレスコンピューティングのゼネラルマネージャーであるDave Husak(デイブ・フサック)氏が、買収を発表するブログ記事に「HPEが次の章に進み、弊社独自のエッジツークラウドのPaaSをお届けしていくためには、セキュリティが一貫して重要な役割を担い続ける。ハイブリッドでマルチクラウドな環境で操業している企業ならどこでも、データとアプリケーションのアイデンティティをリアルタイムで動的に識別し認証する、完全に安全でゼロトラストなシステムが必要だ」と書いている。

彼は、HPEがSPIFFEとSPIRE(SPIFFE Runtime Environment)プロジェクトの支持者であり続けることも、書き忘れていない。どちらも、Cloud Native Computing Foundationの傘下にあるシステムだ。

Scytaleの共同創業者Sunil James(サニル・ジェームス)氏も別のブログ記事で「この買収はScytaleのルーツがオープンソースであることをHPEが尊敬していることが鍵だ」と語る。同氏によると「ScytaleのDNAはセキュリティと分散システムとオープンソースだ。HPEにおいてもScytaleはSPIFFEのサポートを継続する。弊社の絶えず成長している、発言力の強いコミュニティが、われわれをリードするだろう。今後も、この透明でベンダーニュートラルなプロジェクトのメンテナンスにしっかりと取り組んでいきたい。そのことは、動的でオープンで安全なエッジツークラウドのプラットホームを提供していくHPEにとっても、同じく重要だ」とのこと。

PitchBookのデータによると、Scytaleは2017年に創業し、これまでに800万ドル(約8億7000万円)を調達している。その中では、昨年3月のBessemerがリードしたシリーズAの500万ドルが大きい。なお、この買収は米国時間2月3日に完了した。

関連記事:Scytale grabs $5M Series A for application-to-application identity management(複数のアプリケーションにまたがってIDを管理できるScytale、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

アップルがエッジAIのXnor.aiを約220億円で買収か

2017年に、非営利団体のAllen Institute for AI(Ai2)からスピンオフしたXnor.aiが、約2億ドル(約220億円)でApple(アップル)に買収された。同社に近い筋が、今朝のGeekWireの記事を確証した。

アップルは、このような非公表の買収に関するかねてからの常套句でその記事を確認した。「アップルはときどき、小さなテクノロジー企業を買収しており、一般的にその目的や計画は明かしていない」。念のため、コメントを求めてみたが無駄だった。

Xnor.aiは、機械学習のアルゴリズムを高度に効率的にするプロセスの開発から始まった。 高度に効率的とは、そこらのもっとも低性能なハードウェアでも動くという意味だ。例えば、ごくわずかな電力しか使わないセキュリティカメラの組み込み電子回路などだ。そんなハードウェアでもXnorのアルゴリズムを使えば、オブジェクトの認識のような通常は強力なプロセッサーやクラウドへの接続を必要とするタスクをやってのける。

関連記事:エッジコンピューティングを再定義するXnorのクラッカーサイズの太陽電池式AIハードウェア

CEOのAli Farhadi氏と彼の創業チームはAi2で同社を作り、同団体がインキュベーター事業を公式に立ち上げる直前に独立した。そして2017年の前半には270万ドル、2018年には1200万ドルを、いずれもシアトルのMadrona Venture Groupがリードするラウンドで調達し、その後もアメリカ籍の企業として着実に成長した。

情報筋によると、2億ドルという買収価額はあくまでも概算だが、仮に最終額がその半分だったとしてもMadronaとそのほかの投資家にとっては大きなリターンだ。

同社は、Appleのシアトルのオフィスへ引っ越すようだ。GeekWireが悪天候下で撮ったXnor.aiのオフィスの写真からは、引っ越しがすでに始まっていることが伺われる。Ai2は、Farhadi氏が同団体にもはやいないことを確認し、しかしワシントン大学の教授職にはとどまる、と言った。

Appleのこれまでのエッジコンピューティングへの取り組み方を見れば、この買収は完璧に理にかなっている。機械学習のワークフローをさまざまな状況で実行できるために、専用のチップまで作ったAppleは明らかに、顔認識や自然言語処理、拡張現実などのタスクを、iPhoneなどのデバイスの上でクラウドに依存せずにやらせるつもりだ。それはプライバシーよりも、パフォーマンスが目的だ。

特に同社のカメラのソフトウェアは、撮像と画像処理の両方で機械学習のアルゴリズムを広範囲に利用している。その計算集約的なタスクは、Xnorの効率化技術によってかなり軽くなるだろう。結局のところ、写真の未来はコードにあるのだから。そして短時間かつ省電力で多くのコードを実行できれば、さらにもっと高度なことができる。

関連記事:コードが写真の未来を創る

また、アップルはHomePodでスマートホームの分野にも踏み込んでおり、応用範囲が非常に広いXnorの技術の未来をアップルのような巨大企業に関して正しく予測するのは本当に難しい。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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Googleによるノーコード開発のAppSheet買収で、プログラマー不在でもアプリ開発が容易に

Googleが米国時間1月14日、創業8年のノーコードでモバイルアプリケーションを開発できるプラットホームAppSheetの買収を発表した。PitchBookのデータによると、同社は6000万ドル(約66億円)の評価額で1700万ドル(約19億円)を調達している。両社とも、買収額は公表していない。

Googleは、AppSheetの買収で、企業がコードを1行も書かない簡単なモバイルアプリ開発環境を提供できるようになる。それはデータをスプレッドシートやデータベース、フォームなどから抽出し、それらのフィールドや列の名前をアプリ構築のベースにする。

統合されるGoogle CloudにはすでにGoogle SheetsやGoogle Formsがあるが、AppSheetはAWS DynamoDBやSalesforce、Office 365、Boxといった他のツールでも使うことができる。Googleによると、買収完了後もこれらのプラットホームへのサポートは続ける。

Google Cloudの副社長Amit Zavery(アミット・ザベリー)氏が、ブログで書いているように、この買収によりデベロッパーや開発チームがない企業でもモバイルアプリを作れるようになる。「この買収でエンタープライズは大量の一般社員に力をつけ、プロのプログラマーがいなくてもアプリケーションを容易に開発したり、拡張できるようになる」とザベリー氏は言う。

Googleに買収されたスタートアップの創業者がよく言うように、AppSheetの共同創業者でCEOのPraveen Seshadri(プラヴィーン・セシャドリ)氏も、単独の企業ではできなかった市場拡大がGoogleの下でできるようになる、と発言している。

セシャドリ氏は「G SuiteやAndroidなど、Googleのすばらしい財産を利用できることで得られる可能性はとても大きい。それによりAppSheetの機能性とスケール、パフォーマンスを向上できるだろう。今後はAppSheetの長所とGoogleの専門的能力を組み合わせて、金融サービスやリテール、メディア、エンターテインメントなどの業種も顧客にしていきたい」と記している。

Googleとしては、ノーコードを同社の開発哲学の延長として、ワークフローオートメーションや、アプリケーションインテグレーション、API管理などと並ぶ重要なサービスに位置づけていくようだ。

AppSheetのようなノーコードツールが、高度な開発環境に置き換わるわけではないが、これまでモバイルアプリの開発能力がない企業に、ちゃんとした力を提供していくことは確実だ。

画像クレジット: Akio Kon/Bloomberg via Getty Images/Getty Images

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スイスのデータ管理企業Veeamを投資会社のInsight Partnersが約5500億円で買収

2019年、Insight Partnersはクラウドデータを管理する企業であるVeeamに5億ドル(約550億円)を投資した。同社はVeeamをすごく気に入ったらしく、米国時間1月9日にこのスイスの企業を50億ドル(約5500億円)で買収したことを発表した。

Veeamは、顧客を支援してクラウドデータのバックアップや障害復旧を実現する。本社はスイスのバールにあり、昨年は売上が10億ドル(約1090億円)だったという。顧客は世界中に36万5000社あり、その中にはFortune 500社の81%が含まれる。

Constellation Researchの創業者で主席アナリストのRay Wang(レイ・ワン)氏によると、データ管理は企業のますます重要なツールであり、それはデータがオンプレミスでもクラウドでも同じだ。ワン氏は「データ管理の分野は整合が進んでおり、この買収は賢明だ。ハイブリッドクラウドの管理への投資がこのところ増えており、特ににエンタープライズが重視しているのがデータ管理なのだ」と語る。

この買収で生じた大きな変化もある。Veeamのオペレーション担当執行副社長だったWilliam H. Largent(ウィリアム・H・ラージェント)氏がCEOに昇格。製品戦略担当の副社長だったDanny Allan(ダニー・アラン)氏がCTOに昇格する。さらに、本社を米国に移す。米国にはすでにVeeamの社員が1200名いるが、今年はさらに増えるだろう。

新たにCEOになったラージェント氏によると、Veeamは確かに市場では成功しており、現状で買収価額も高いが、今後も単独で行くよりはInsightの傘に入ったほうが伸びしろが大きい。同氏は「今でもVeeamは、Fortune 500社の81%をサポートするなどデータ管理の分野で傑出しているが、Insight Partnersは事業戦略部のInsight Onsiteが強力で、今後はVeeamのソリューションもよりグローバルに採用されていくだろう」と語る。

Insight OnsiteはInsight Partnersの戦略部門として、そのポートフォリオ企業をより大きな成功に導く役割を担っている。主力事業は、企業の営業やマーケティング、そして製品開発部門の育成強化だ。

Veeamには、Amazon Web ServicesとMicrosoft Azure用のバックアップおよびリカバリーツールがある。また、Cisco、IBM、Dell、EMC、HPEなどの大手エンタープライズベンダーとのパートナーシップも多い。

Crunchbaseのデータによると、2006年設立の同社は、今回の買収前の評価額が10億ドル(約1090億円)あまりだ。買収の完了は本年の第1四半期と予想されている。

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Google社内にも診療所があるプライマリーケア医療のOne Medicalが上場を申請

サンフランシスコでテクノロジーを活用したコンシエルジュサービスによりプライマリーケアを提供するOne Medicalは米国時間1月3日、証券取引委員会(Securities and Exchange Commission、SEC)にIPOを申請した。

内科医のTom Lee(トム・リー)氏が2007年に創業した同社は、現在評価額が10億ドルあまりに達している。リー氏は2017年に同社を去り、元UnitedHealthグループの役員Amir Rubin(アミー・ルービン)氏に後を託した。

同社の診療所は米国の9つの主要都市に全部で72カ所あり、2020年には3カ所の新設を予定している。これまで5億ドルを超えるベンチャー資金を調達しており、主な投資家は同社の株の4分の1以上を保有するCarlyle Groupのほか、AlphabetのGVやJ.P. Morganなどが名を連ねる。

Googleは社内にOne Medicalの診療所があり、SECへの提出文書によると同社売上の約10%を占める。IPO申請文書にはさらに、同社が1Life Healthcare 、ティッカー名「ONEM」として正式に法人化され、1億ドルの調達を計画していることが言及されている。

おそらくこの資金は、同社のテクノロジーの改良と市場の拡大に充てられると考えられる。One Medicalに詳細を問い合わせたところ、この声明を読むよう指示された。

そしてその声明によると、One MedicalはNasdaq Global Select Marketにティッカーシンボル「ONEM」で上場を申請している。より詳しい情報が得られ次第、この記事をアップデートする予定だ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

開発者と企業を繋ぐHackerRankがコンピューターサイエンス学習ツールのMimirを買収

企業の人事に代わって求職しているデベロッパーのプログラミング能力を面接試験したり、面接の練習ができる人気サービスHackerRank(ハッカーランク)が米国時間12月17日、コンピューターサイエンス学習のコースツールを提供しているMimir(ミーミル)の買収を発表した。これはHackerRankにとって初めての買収となるが、現在、カリフォルニア大学ロサンゼルス校やパデュー大学、オレゴン州立大学、ミシガン州立大学などの大学、そしてGoogleのような企業がMimirを利用している。

HackerRankによると、Mimirのクラスルームプロダクトは当面サポートを継続する。2020年の第二四半期には、両社を組み合わせた最初のプロダクトがリリースがされる予定だ。

HackerRankの共同創業者でCEOのVivek Ravisankar(ヴィベック・ラビサンカル)氏は、「HackerRankは教授や学生や顧客と密接に協力して、学生デベロッパーによるスキルの習得と改良、評価を助け、コース学習からキャリア形成の過程まで支援している。今回の買収によって、学生たちは正規の大学教育と実際的なスキル評価の両方を取得できることで、成功のための強力なキャリアを築くことができるだろう」と述べている。

両社とも買収の財務的詳細を明かさないが、インディアナ州に本拠を置くMimirはこれまで総額250万ドル(約2億7000万円)を調達し、買収時には3名の役員を含めて8人の社員がいた。

両社が強調するのは、どちらもさまざまなバックグラウンドを持つデベロッパーが、学歴の有無などを問わず平等に職を競えるプラットホームであることだ。HackerRankの主張では、同社の既存サービスとMimirのクラスルームツールを組み合わせれば、コンピューターサイエンスのクラスルームと、市場で最も総合的なデベロッパー評価プラットホームの両方を提供できるため、学生たちは現実的なプログラミングに向けて順部することが可能で、大学側は学生の進歩をより正確に評価できるようになる。これにより、HackerRankは明らかに従来の学術世界へのリーチを伸ばし、また求人顧客企業のためのタレントプールも拡大できる。特にラビサンカル氏が念を押すのは、両社の合併によって学生たちがアカデミックな学習と市場での学習の両方を組み合わせられることだ。氏は「これで学生たちは、未来の職場が求めるスキルを確実に身にみつけられる」と述べている。

Mimirは必ずしも、大規模なオンラインコースのためのツールではなく、むしろ教師と学生によるプログラミングのプロジェクトと宿題の管理を助けることを主眼としている。そのため完全にオンライン化されているIDE(統合開発環境)があるし、Jupyter Notebookをサポートしている。また、小テストや宿題を作る伝統的な教師用ツールもある。内蔵のIDEはPython、Java、Cなど40の言語をサポート し、また盗用を見つけるツールもある。

現在、Mimirのコース学習を使っているユーザーは15000人から20000人だが、HackerRankの登録デベロッパー数700万人に比べると相当少ない。ただしHackerRankの方は、非アクティブなユーザーも多いだろう。それに対してMimirのユーザーは、遅かれ早かれ雇用市場に現れてくる。

Mimirの共同創業者でCEOのPrahasith Veluvolu(プラハシット・ヴェルヴォル)氏は「Mimirはコンピューターサイエンス教育の秘密兵器と呼ばれており、デベロッパー教育に大きな違いをもたらしていく。HackerRankとの協業は、我々のミッションにおける自然な進化だ。顧客がプログラムをスケールできるようになると同時に、学生たちは他に類のないクラスルーム体験により、未来のキャリアに向けての準備ができる」と述べている。

関連記事: HackerRank raises $30M to match developers with jobs…HackerRankはデベロッパーと職をマッチさせる(未訳)

関連記事: HackerRank Launches A New Social Platform For Coders Based Around Puzzles And Real-World Problems…HackerRankがプログラマーのためのソーシャルプラットホームを立ち上げ(未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

未来のERPを志向するWorkdayが調達プラットホームのScout RFPを買収

企業の財務と人事管理をクラウドサービス(SaaS)で助けるWorkdayは米国時間11月4日、オンラインの調達プラットホームであるScout RFPを5億4000万ドル(約587億円)で買収する合意に達したと発表した。PitchBookのデータによると、同社はこれまでに6000万ドル(約65億円)あまりを、調達前の評価額1億8450万ドル(約200億円)で調達している。

この買収以前にWorkdayには既存の調達ソリューションとしてWorkday ProcurementとWorkday Inventoryがあるが、Workdayのプロダクト最高責任者(CPO)であるPetros Dermetzis(ペトロス・デルメツィス)氏はブログで「Scoutは同社に顧客のためのより完全なソリューションを与える」と表明している。

彼によると「サプライヤーと戦略的優位性の重要性が増している中で、Scout RFPの買収によりこのクラス最良の戦略的ソースによる総合的な調達サービス(Source-to-Payソリューション)を提供できる。これにより企業の調達部門の戦略的重要性を上げ、調達機能の変化を促進する」とのこと。

Constellation Researchの創業者で主席アナリストのRay Wang(レイ・ワン)氏によると、Workdayはクラウド上のエンドツーエンドのバックオフィスプレーヤーを目指してきたが、「大きな欠落の1つが調達だった」という。

ワン氏によると、Workdayはしばらくその欠落を埋めるための投資をしてきた。それどころか、2018年以来Workday VentureはScout RFPの投資家であり、同社は公式にWorkdayのパートナーだった。

「Workdayの投資対象の多くは、未来のクラウドERPという同社の大きなビジョンの欠落を補う企業だ。今日的なERPの定義には、財務、人事管理、プロジェクト、調達、サプライチェーン、そして資産管理が含まれる」とワン氏。

Scout RFPの創業者は本日の発表に関するブログ記事で「両社は良好な協力関係にあり、今回の買収はたいへん有意義だ」と述べている。そのブログ記事には「Workdayのチームとの密接な協働を通じて、両社の信念や企業価値の類似性を悟った。両社はユーザー体験をプロダクトのフォーカスの中心に置き、顧客の満足と社員のエンゲージメント、および事業への全体的なインパクトを重視している。両社の協働が容易であったことは意外ではなく、また、営業やマーケティングにおけるパートナーシップでも迅速な成功を見てきた。企業文化という観点から見ても、明らかに成功だ」と書かれている。つまり、これまでの両社の関係がすでに密接で良好だったということだ。

Scout RFPは現在、155か国に240社の顧客がいて強健な企業である。同社によると、現在のユーザー総数は30万人に達する。同社の160名の社員は買収の完了と共にWorkdayに移る。規制当局の審査が終わるのは、1月の終わりごろだろう。

関連記事: Scout RFP raises $15.5 million to help companies manage purchases(企業の購買管理を助けるScout FRPが1550万ドルを調達、未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Microsoft 365への移行促進のためマイクロソフトがMoverを買収

Microsoft(マイクロソフト)は米国時間10月21日に、カナダのMoverを買収したことを発表した。買収金額は公表されていない。Microsoft 365への移行をできるかぎり容易するる目的でMoverを手に入れたようだ。

Microsoft 365は、Office 365やMicrosoft Teams、セキュリティツール、ワークフローなどを収めたバンドルソフトだ。その考え方は、前菜からデザートまでフルコースの生産性パッケージを顧客にクラウドから提供することだ。Moverは、別のサービスのファイルをMicrosoft 365に容易に持ち込めるようにする。

Office担当のコーポレートバイスプレジデントであるJeff Tepper(ジェフ・テッペ)氏が、買収を発表するMicrosoftの公式ブログで「顧客にできるだけ迅速かつ円滑にマイクロソフトのクラウドへ移行していただくことが目的だ」と言っている。彼は「MoverはBoxやDropbox、Egnyte、Google Driveなど10あまりのクラウドサービスプロバイダーからOneDriveやSharePointへの移行をサポートし、 OfficeやMicrosoft TeamsなどMicrosoft 365のすべてのアプリケーションとサービスの上でのシームレスなコラボレーションを可能にしている」と語る。

テッペ氏によると、Moverには優れたマイグレーションツールがすでにあるだけでなく、同社チームの専門的技術力もマイクロソフトが活用できるようになるという。

Real Story Groupの創業者で主席アナリストのTony Byrne(トニー・バーン)氏によると、異なるシステム間のファイルの移行は、どんなやり方にせよ極めて困難なこともある。ファイル転送のメカニズムもその困難の一部だ。「オンプレミスのシステムや競合するクラウドサプライヤーから365への移行は『移行』という単純な言葉では言い表せない。むしろそれは再構築であり、UXもアドミンのかたちも各種のサービスもオペレーションの構造も、すべてをマイクロソフトのクラウドに合わせて変えなければならない」とバーン氏は説明する。

Moverはカナダのエドモントンにあり、創業は2012年で、Crunchbaseのデータによるとこれまで100万ドルを調達している。顧客には、AutoDesk、Symantec、BuzzFeedなどの著名企業もいる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AtlassianがJira自動化ツール開発のCode Barrelを買収

Atlassian(アトラシアン)は米国時間10月18日、Automation for Jiraを作っているCode Barrel(コード・バレル)を買収したことを発表した。このローコードツールはJiraのさまざまな部分をすっきりと自動化してくれるので、Jira Softwareのアドオンとしても、またAtlassianのマーケットプレースのJira Service Deskでも人気製品のひとつだ。両社は買収金額を公表していない。

【編集部注】Jiraとは。ソフトウェア開発を効率化するためのサービス。スクラムボード、カンバンボード、ロードマップ、アジャイルレポートなどの機能を備えるプロジェクト管理ツールだ。

シドニーに拠を置くCode Barrelは、AtlassianでJiraを作った最初の技術者のうちの2人、Nick Menere(ニック・メネール)氏とAndreas Knecht(アンドレアス・ネヒト)氏が創業した。今回の買収で2人は4年ぶりにAtlassianへ戻ることになる。

ほんのひと握りのデベロッパーたちがJiraを手がけていた2005年にチームに加わったメネール氏は「私とアンドレアスにとっては里帰りみたいなものだ。Atlassianで我々はソフトウェアとプロダクトの開発方法を学んだんだ。だから帰るところと言ったらそこしかない」とコメントしている。

Automation for Jiraはその名のとおり、Atlassianの課題(Issue)の中の何度も出てくるタスクを容易に自動化でき、プロジェクトの追跡サービスも提供する。Atlassianのプロダクト担当副社長であるNoah Wasmer(ノア・ワスマー)氏は「顧客のデベロッパーたちは日に日に、決まりきった日常的な仕事に縛られる時間が多くなっている。彼らはJiraをバックボーンとして多くのシステムと対話し、同じワークを繰り返し、しかもそれをさまざまなシステムに対して手作業でやっている。つまり、明日の世界を変えるようなクリエイティブな仕事とは言えない作業に、とてつもない時間を消費している」と語る。

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そんな重複的な作業を減らすには、言うまでもなく自動化が必要だ。AtlassianのマーケットプレースでCode Barrelのソリューションを見つけた6000社あまりの企業と、もともと同社と関わりの深い創業者たちという2つの側面から見てもAutomation for Jiraの買収は絶対に得策だ。

ワスマー氏が強調するのは、それが一種のノーコードツールなのでプログラマーでない人でもJiraを使ってスクリプトを作れることだ。Automation for Jiraを使えばタイムベースのルールをセットアップできるし、Jiraの中のトリガーでそれらを実行できる。しかも、SMSやSlack、Microsoft Teamsなどを使ってサードパーティ製品と統合できる。

当分の間Automation for Jiraは、Atlassian Marketplaceに残って売られ続ける。料金も前と変わらず、ユーザー10人までは1人月額5ドル、100人までが2.5ドル、もっと多ければもっと安くなる。Atlassianはこのツールの機能の一部をJiraに統合していくが、それに関しては今のところ何も発表がない。

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VMwareが機械学習計算をGPUなどで加速するBitfusionを買収

VMwareは米国時間7月18日、TechCrunchのピッチコンテスト「Startup Battlefield」に参加したことがあるBitfusion(ビットフュージョン)を買収したことを発表した。Bitfusionは、企業がGPUやFPGZ、ASICなどを使って行う複雑な計算負荷の高速化を助けるスタートアップ。4年前には、そのフォーカスはAIや機械学習よりもむしろハイパフォーマンスコンピューティングのほかの分野だったが、当然ながら近年ではAIやMLへの関心が増加したことで同社の方向性も変わった。

VMwareは、ベンダーやハードウェアを特定しないBitfusionの技術を利用して、同様の能力を顧客に提供していく。具体的には同社は、Bitfusionを同社のvSphereサーバー仮想化プラットフォームに統合する。

VMwareのCloud Platform Business部門の上級副社長でゼネラルマネージャーであるKrish Prasad(クリッシュ・プラサド)氏は「Bitfusionの買収が完了したら、ハードウェアアクセラレーターを仮想化することによってAIやMLのワークロードを支援していくVMwareの戦略がより強健になる。マルチベンダーのハードウェアアクセラレーターと、それらを軸とするエコシステムは、現代的なアプリケーションを動かしていくための基幹的部位だ。これらのアクセラレーターは場所や環境を問わず利用でき、オンプレミスでもクラウド上でもどちらでも使える」とコメントしている。

プラサド氏によると、GPUのようなハードウェアアクセラレーターを最大限有効利用するために多くの企業はそれらをベアメタルでデプロイしている。しかしVMwareの見解では、そういう使い方は(仮想化に比べて)低い利用率と効率を招きがちだ。「むしろハードウェアアクセラレーターは仮想化にきわめて適しており、リソースの共有を増してコストを下げる」と主張している。

両社とも、買収の価額を公表していない。Bitfusionは2017年に500万ドルを調達し、また2018年にはSamsung Ventures小から小額の戦略的投資を取得した。

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Appleがトーキング・バービー人形の音声テクノロジー企業PullStringを買収

Appleはこのほど、SiriやHomePodなど同社の一連の音声製品のお仲間に、お話をするおもちゃ(トーキングトイ)を加えるためのタレントを獲得した。というのも、AxiosのDan PrimackとIna FriedによるとAppleは、PullString、またの名ToyTalkを買収したのだ。同社は、音声体験の設計ツール、それらの体験を実現するための人工知能、そしてMattelとのパートナーシップにより、トーキング・バービー(talking Barbie)や、きかんしゃトーマスの玩具なども作っている。2011年にPixarの役員たちが創業したPullStringは、これまでに4400万ドルを調達している。

AppleのSiriは、Amazon AlexaやGoogle Assistantに比べると伸び悩んでいるが、それは音声認識やユーティリティのせいだけではなく、デベロッパーのエコシステムも原因だ。GoogleとAmazonには、さまざまな音声アプリメーカーが作ったスキルを配布流通するプラットホームがある。その中には、お話やクイズ、ゲームなど子ども向けのものも少なくない。AppleがSiriやHomePodでコネクテッドリビングルームの主役に躍り出たいのなら、そこで時間を過ごす子どもたちと仲良くしなければならない。PullStringを買収したことによってAppleは、音声で動かす子どものための玩具に向けてスタートを切り、また音声デベロッパーのためのツールも揃えて行けるだろう。

PullStringは2015年に“子どもをスパイするデバイス”と非難されたが、Hello Barbie製品が内蔵しているセキュリティ機能を詳しく説明することによって反論した。そして、これまでに一度も、ハックされて子どもの声やそのほかの機密情報を盗まれたことはない、と述べた。しかし今では、プライバシーの規準が変わってしまって、いつでも耳をそばだてているEchoやGoogle Homeのような製品を、多くの人が平気で買っている。

2016年にPullStringに社名変更した同社は、会話をビジュアルにマッピングするデベロッパーツールに力を入れるようになり、また最終製品をGoogleやAmazonのプラットホームにも提供した。SiriKitの複雑性と機能の少なさに対してPullStringのConverseプラットホームなら、多くのデベロッパーにとって、Appleデバイスのための音声製品を作る道が拓けるだろう。

買収後もPullStringやToyTalkのオリジナル製品がそのまま入手できるのか、目下両社に問い合わせ中だ。

PullString/ToyTalkにこれまで投資した投資家は、Khosla Ventures、CRV、Greylock、First Round、True Venturesなどだ。PitchBookによると、最後の資金調達となった2016年のシリーズDでは、同社の評価額が1億6000万ドルだった。近年、音声テクノロジーの分野は爆発的に伸びているが、まだまだ音声体験のデベロッパーは、具体的な製品がないとお金を稼ぐのが難しい。しかも多くの企業は、PullStringが提供しているようなツールで、一体何を作ればよいのか迷っている。そこで同社はAppleと一緒の方が未来は明るいと判断し、いちばん多く普及しているのに、多くの人びとにいちばん嫌われている音声アシスタントの、テコ入れをしていくことになったのだ。

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モニタリングとアナリティクスのDatadogがAIによるWebアプリケーションテストのMadumbo を買収

モニタリングとアナリティクスの人気プラットホームDatadogが今日(米国時間2/12)、AIを利用してアプリケーションのテスティングを行なうMadumboを買収したことを発表した。

DatadogのCEO Olivier Pomelは次のように述べている: “MadumboのチームがDatadogに加わることは、とても喜ばしい。彼らが作った高度なAIプラットホームは、Webアプリケーションの異状を素早く見つけることができる。彼らの中核的技術がわれわれのプラットホームを強化し、われわれの顧客に、さらに多くのデジタル体験のモニタリングを可能にするものと信ずる”。

パリで生まれたMadumboは、Station Fで孵化し、2017年にローンチした。同社を利用するとユーザーは自分のWebアプリケーションを、コードをいっさい書かずにテストできる。デベロッパーはMadumboのテストレコーダーを使って、サイトと対話しながらテストでき。メールやパスワード、データなどのテストもオンザフライで行える。Madumboのシステムはユーザーのサイトをウォッチし、その後加えられた変更も、確実にチェックする。このボットはJavaScriptのエラーや警告もウォッチし、その利用をデプロイスクリプトの中へ統合できる。

そのチームはDatadogのパリのオフィスに参加し、新製品の開発も行なう。その発表は、今年後半だそうだ。Madumboのプラットホームは、今後の数か月内で撤去される。

MadumboのCEO Gabriel-James Safarは次のように述べている: “Datadogに加わってMadumboのAIによるテスト技術を同社のプラットホームへ持ち込むことは、すばらしい機会だ。われわれは長年、Datadogとそのリーダーシップを賞賛してきた。Datadogのそのほかのプロダクトと密接に統合することにより、われわれの既存の技術のスコープを拡張できることを、心から期待している”。

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MicrosoftがPostgreSQLデータベースを加速するCitus Dataを買収、顧客をAzure化か

Microsoftが今日(米国時間1/24)、Citus Data買収したことを発表した。Citus Dataは、PostgreSQLデータベースのスピードとスケーラビリティの向上をサービスとして提供している。同社のPostgreSQLエクステンションはオープンソースのプロダクトで、PostgreSQLデータベースを分散データベースに変換する。NoSQLやドキュメントストアが騒がれている今日でも、リレーショナルデータベース、とくにPostgreSQLは今だに成長市場であり、その理由の一部は、Citusのような企業が、その限界を克服するツールを提供しているからだ。

当然ながらMicrosoftのねらいは、Citus Dataのチームとの協働により“Azureの重要なエンタープライズ機能のPostgreSQLへのデリバリを加速し、重要なPostgreSQLワークロードが確実にAzure上で動くようにする”ことだ〔PostgreSQLユーザーのAzure化〕。Citusの協同ファウンダーたちも、彼らの声明文で同じようなことを言っている: “Microsoftの一員としてわれわれはこれからもPostgreSQLをベースとする素晴らしいデータベースの構築に力を入れ、ユーザーに画期的なスケーラビリティとパフォーマンスおよび彼らが必要とする障害時自己回復力を提供していく。われわれは、この分野におけるイノベーションの推進を継続する”。

PostgreSQLは言うまでもなくオープンソースのツールで、そしてMicrosoftも今やオープンソースの主要なコントリビューターであることは周知の事実だから当然かもしれないが、同社はPostgreSQLのコミュニティとの協働も強調している。Microsoftのスポークスパーソンの言い方では、“この買収は弊社のオープンソースへのコミットメントの証(あかし)であり、Azure PostgreSQLのパフォーマンスとスケーラビリティの向上が目的である”、となる。

Citusの現在の顧客は、リアルタイムアナリティクスのChartbeatや、メールのセキュリティサービスAgari、そしてPushOwlなどだ。名前は挙げないが、Fortune 100社企業も多いという。同社はクラウドからのDBaaS(database as a service)とオンプレミスのエンタープライズバージョンの両方を提供している。そして無料のオープンソースエディションもある。今後も当分それは変らないが、Microsoftは徐々に、CitusがホストしているサービスをAzureへ移行させていくのではないか。

買収の価額は公表されていない。2010年に創業したCitus DataはY Combinatorのインキュベータ事業を卒業し、これまでKhosla Ventures、SV Angel、Data Collectiveなどから1300万ドルを調達している。

関連記事: CitusDBがPostgreSQL用の列取り出しツールをオープンソースで提供開始, 複雑なクェリの効率をアップ

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SQLツールの古参IderaがTravis CIを買収して継続的インテグレーションをメニューに加える

オープンソースの継続的インテグレーションサービスTravis CIは、ベルリン生まれだが世界的にも人気が高い。その同社がこのほど、オンプレミスとクラウドアプリケーション向けにさまざまなSQLデータベース管理ツールを提供しているIdera買収された。この買収は、Circle CIなどそのほかのCIサービスがTravis CIにマーケットシェアを奪われつつあったまさにこの時期に行われた。

プライベートエクイティ企業TA AssociatesがオーナーであるIderaによると、Travisは同社の試験ツール事業を補完し、現在の顧客の利益にもなる。IderaのTesting Tools部門に現在あるのは、TestRail、Ranorex、Kiuwanなどのツールだ。IderaでTravis CIを担当することになるゼネラルマネージャーのSuhail Malhotraは、こう語っている: “Travis CIから得られる事業価値はすばらしい。もっと多くの顧客が、もっと良い結果を迅速に得られるよう、努力していきたい”。

Ideraは明らかに、DevOpsビジネスへとレパートリーを広げていきたいのだと思われる。継続的インテグレーションは言うまでもなく、そのための重要なビルディングブロックだ。それでもなおIderaは…多少は知られているとしても…今日の最先端の技術で知られている企業ではないだけに、やや違和感はある。しかしTravis CIは70万のユーザーをIderaに持参し、その中にはIBMやZendeskもいる。買収の価額は不明だが、これは確かに、CIのエコシステムにおける大きな商談だ。

Travis CIのファウンダーKonstantin Haaseは今日の発表声明で次のように述べている: “Ideraのチームと共に成長の次のステップに進めることは喜ばしい。弊社の顧客とパートナーがIderaの豊富なポートフォリオを利用できることになり、そのソフトウェアビジネスを次のレベルへとスケールアップできるだろう。弊社の目標はできるかぎり多くのユーザーをTravis CIに惹きつけるとともに、そのオープンソースのルーツとコミュニティにとどまることだ”。

これはかなり定型的な声明文だが、今後果たしてIderaは、Travis CIを同社の稼ぎ頭のひとつへと、育てていけるだろうか。お手並みを拝見したい。

Haaseのブログによると、Travis CIのユーザーにとっては何も変らない。“新しいパートナーからのサポートにより、弊社のコアプロダクトの拡張と改良のための投資ができ、Travis CIは世界最良の継続的インテグレーションと開発のソリューションになるだろう”、と彼は書いている。そしてまたTravis CIはオープンソースの世界にとどまり続ける: “それがわれわれの本質であり、成功の源泉だったのだから”。

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Magic LeapがメッシュコンピューティングのComputesを買収、そのココロは?

Magic Leapが、分散メッシュコンピューティングのComputesの買収を発表した。契約の条件は公表されていない。

Magic Leapのブログ記事より:

Chris MatthieuとJade Meskillは最初から、次世代のコンピューティングをもたらす原理に基づいてComputes, Inc.を創業した。Magic Leapはこのビジョンを実現するための完璧な拠点だ、とわれわれは信じている。

なぜMagic Leapは、この企業を手にしたいのか? そう、言うまでもなく、現実の世界の上に“デジタルの層”を築くことは、単純に計算集約的という言葉で片付けられるゴールではない。メッシュコンピューティングは、複数のシステムの集まりがリソースを、それをもっとも必要とするデバイスに割り当てていくという、魅力的な未来を提供する。

同社のWebサイトにある説明は、あまり分かりやすいとは言えないが、ここでは同社のホワイトペーパーから引用してみよう:

Latticeプロトコルにより、有資格のコンピューターの群が自己をメッシュコンピューターへと編成する。メッシュの数はメンバーの数で決まり、その能力はコンピューター群のパワーで決まる。Latticeはワークを、そのタスクの要求に基づいて、メッシュのベストメンバーにインテリジェントに割り当てる。。

これは、ARヘッドセットのシステムにとって興味深いシステムだ。そこでは究極的に、それらの多くが平均的なスタンバイモードに居て、そのコンピューティングパワーを他のシステムに使わせるだろう。おそらくいちばんあり得るのは、強力なPCのグループがヘッドセットたちを駆動する、という構図だ。もっと地味な側面としては、スタートアップのシステムがバックエンドサービスの階層をドリルダウンしていく、というタスクも考えられる。

彼らがやってることに関心がある人や、その、控えめに言っても分かりにくい説明に関心を持たれた方は、このビデオで、ComputesのCEOのお話を聴くべきだ。ただしそれもまた、Dharma Initiativeのビデオに似ているけどね。

 

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VMwareがマルチクラウド管理のCloudHealth Technologiesを買収

VMwareは今週ラスベガスで、顧客のためのカンファレンスVMworldを開催しており、その席で同社は、ボストンのCloudHealth Technologiesを買収したことを発表した。買収の条件は公表されていないが、ロイターの報道では買収価額は5億ドルとされている。

CloudHealthはVMwareに、重要なマルチクラウド管理プラットホームを提供する。そのツールはAWS, Microsoft Azure, Google Cloud Platformなどをサポートし、ユーザーは、クラウドのコストや利用、セキュリティ、パフォーマンスなどを一つのインタフェイスから管理できる。

クラウド市場はAWSが大きくリードしているが、それは広大で急成長中の市場であり、多くの企業が複数のプラットホームを使い分けている。それぞれの目的にもっとも合ったクラウドサービスを使いたいからだ。

このマルチクラウドのアプローチには単一のプロバイダーに縛られないという利点はあるが、一方、その管理がたいへんになる。そこでCloudHealthはマルチクラウドのユーザーに、単一のツールでそれらの環境を管理する方法を提供する。

CloudHealthのマルチクラウド管理。写真提供: CloudHealth Technologies

VMwareでプロダクト管理とクラウドサービスを統括しているCOOのRaghu Raghuramによると、CloudHealthはマルチクラウドのオペレーションに伴うジレンマを解決する。彼曰く、“CloudHealth Technologiesが加わったことによって、複数のクラウドにまたがるコストとリソースや、アプリケーションのセキュリティとパフォーマンスを一元管理し、問題に迅速に対応できるようになった”。

つい先月、CloudHealthがサポートするクラウドプラットホームにGoogle Cloud Platformが加わった。CTOのJoe Kinsellaは、GCPのサポートを加えたことについて、こう述べている: “GCPでは、2015年にDiane Greeneが来て以来、いろんな企画が動き出し、エンタープライズへの適性が強化されている。その結果、われわれの顧客の間にも、急激に関心が高まっている”。

これによりCloudHealthの顧客も、大手プラットホーム三社のクラウドを安心して併用できるようになる。そして、かねてから顧客のハイブリッド環境や、マルチクラウド環境の管理を目指してきたVMwareにとっても、CloudHealthがいわば“買い時”になってきた。

これまで同社は、パブリッククラウドだけでなくプライベートクラウドやデータセンターも含めたすべての環境の一元管理を目指していた。それに対しVMwareもまた、さまざまなVMを使っている企業の、ハイブリッド環境の支援を、近年は志向してきた。

CloudHealthは、マルチクラウド管理のソリューションだけでなく、Yelp, Dow Jones, Zendesk, Pinterestなど、3000社の顧客をVMwareに連れてくる。

CloudHealthは2012年に創業され、これまで8700万ドルを調達している。最近では2017年6月のシリーズDで、Kleiner Perkins率いるラウンドにより4600万ドルを調達した。それよりも前のリード投資家は、Sapphire Ventures, Scale Venture Partners, そして.406 Venturesだ。

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GoogleがAndroidのグラフィクスドライバーをテストするGraphicsFuzzを買収

Googleが、Androidのグラフィクスドライバーのセキュリティと信頼性をテストするフレームワークを作っているGraphicsFuzzを買収した。この、XDA Developersが最初に気づいたニュースは、GoogleがAndroid 9 Pieのリリースを発表した、その同じ日にやってきた。

Googleはこのニュースを確認したが、詳細の発表はない。また買収の価額なども公表されていない。

GraphicsFuzzのチームは、協同ファウンダーのAlastair Donaldson, Hugues Evrard, およびPaul Thomsonから成り、今後Androidのグラフィクスチームに参加して、そのドライバーテスト技術をAndroidのエコシステムの全域に提供していく。

チームは今日(米国時間8/6)の発表で次のように説明している: “GraphicsFuzzは、ファジングテストメタモルフィックテストを併用する方法を開拓し、グラフィクスドライバーのテストを高度に自動化することによって、信頼性やセキュリティを損なうバグを、それらがエンドユーザーに影響を及ぼす前に早期に発見する”。同社はその仕事をロンドンのインペリアル・カレッジのコンピューティング学部で開始し、イギリスのEngineering and Physical Sciences Research Council(工学物理科学研究会議)とEUのTETRACOMプロジェクトから資金を得ている。

派手な買収案件ではないが、重要性は高い。Androidの分裂したエコシステムでは、グラフィクスドライバーは重要な部位のひとつであり、その不具合はスマートフォンやタブレットなどのユーザビリティーに直接響く。また不具合のあるドライバーは、セキュリティの弱点にもなりえる。GraphicsFuzzが使用しているファジングテストは、大量のランダムデータをプログラムに投じる手法で、グラフィクス以外のさまざまなソフトウェア開発でも、最近はますます多く利用されている。

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