フェイスブックのデスクトップ版新デザインが正式発表、ダークモードがやっと使える

何カ月もテストをしていたFacebook(フェイスブック)の新デザインがついに正式に発表された。2019年の開発者会議F8で発表されたミニマリスト的なデスクトップデザインは、段階的に展開されてきた。2020年3月に同社は、その新バージョンを試してみるオプションを追加。ユーザーは元に戻って、なぜそうしたかをフィードバックすることができた。そして今週、新デザインは正式に決まった。手作業でアップデートするオプションも利用できる。

ユーザーが多く、人気のウェブサイトは変更が難しい。最高の新デザインでも、ユーザーはそれに適応するために脳の配線変えが必要だ。単純化もここでは重要となる。これまでさまざまなコンテンツのために新たな機能を次々と加えてきたフェイスブックのようなプラットフォームにとっては特に大きく要求される。初期のリリースで触ってみた経験からいうと、フェイスブックはこの「フレッシュでよりシンプルな」デザインのために空白のキャンバスを残すことを恐れていない。動画、ゲーム、グループなどのコンテンツが優先されている。

新デザインはモバイルアプリに倣って、ロードタイムの短縮とナビゲーションのしやすさを実現している。これまた、ユーザーは慣れる必要があるだろう。「Facebook.comが16年前にローンチしてから今日まで、私たちは成長しました。私たちは数多くの新機能を搭載し、それらを新しいデバイスとオペレーティングシステムに向けて最適化し、何百もの言語に拡張してきました。最近の私たちはモバイルのフェイスブック体験にフォーカスし、私たちのデスクトップサイトが後れていることに気づきました。そして、みんなが追いつくことをみんなが必要としています」とフェイブックはいう。

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多くの人にとって最大のニュースは、待望のダークモードがデスクトップ版にやってきたことだろう。ついにフェイスブックは、Twitterなど多くのアプリケーションの仲間入りをした。ダークモードの利点はあなたもよくご存知だろう。目に優しいし、動画が観やすい。動画は、最近の同社で最もプライオリティが高いものだ。

さらに新しいのは、グループやページや、そして当然ながら広告を、前よりも手早く作れることだ。新バージョンにはそれぞれのプレビューもあるので、画面上の姿を公開する前に確認できる。

同社は現在も、ユーザーからのフィードバックを積極的に求めている。「設定」から不満を伝えることができる。フェイスブックはこれからもユーザーに喜んでもらうために、果てしない取り組みの中で、デザインの微調整を続けていく予定だ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

大量の「いいね!」とコメントでインスタを欺く「ポッド」との戦い

ニューヨーク大学(NYU)の研究チームは、Instagramのアルゴリズムを操って露出を高めるために「いいね!」やコメントを組織的に交換するInstagramユーザーグループ(中にはメンバーが数千人になるものもある)を何百個も特定した。さらに同チームは、その研究の一環として、Instagramの投稿にこの手法が使われているかどうかを判断する機械学習モデルのトレーニングも行った。

「ポッド」と呼ばれるこの手法によるアクティビティは、厳密には本物のエンゲージメントとはいえないが、かといって偽のエンゲージメントとも断定できないため、検知や対抗措置の実施が難しい。また、以前は危険度が比較的低いと考えられていたが(偽アカウントやボット使用の問題と比べれば今でも確かに低い)、現在はその規模も影響力も拡大している。

インターネットで検索するとポッドは簡単に見つかる。誰でも参加可能なポッドもある。ポッドの結成場所として最も広く利用されているのはTelegramである。おおむね安全で、チャンネル加入人数に制限がないためだ。ポッド参加メンバーがInstagramに投稿してそのリンクをポッドで共有すると、同じポッドに参加する他のメンバーが「いいね!」やコメントを付ける。すると、その投稿がInstagramの「おすすめ」選定アルゴリズムによって拡散される可能性がはるかに高くなり、オーガニックなエンゲージメントが促進される、という仕組みだ。

互酬性のサービス化

グループのメンバーがお互いの投稿に「いいね!」を付け合う行為は、互酬性の乱用と呼ばれる。ソーシャルネットワークの運用会社もその存在を十分認識しており、この手のアクティビティを削除したことがある。しかし、NYUのTandon School of Engieeringの研究チームによると、この手法が研究されたり詳細に定義されたりしたことはないという。

今回の研究論文の主執筆者であるRachel Greenstadt(レイチェル・グリーンシュタット)氏は、「Instagramはこれまで、他者へのログイン情報提供などの自動化による脅威やボット被害に重点を置いていたのだと思う。我々がポッドを研究したのは、ポッド問題の深刻さが増しており、他の問題に比べて対抗措置を講じるのが難しいためだ」と説明している。

規模が小さければそれほど大きな問題にはならないように感じられるが、同チームの研究ではポッドによって操作された投稿が約200万件、ポッドに参加しているユーザーが10万人以上見つかった。さらに、これは公開されているデータを使って閲覧できる英語表示の投稿のみを調査した結果である。この研究論文はThe World Wide Web Conferenceの発表論文集に掲載された(ここから閲覧可能だ)。

重要なのは、このような互酬的な「いいね!」の付け合いには、形だけのエンゲージメントを増やす以上の効果があるという点である。ポッドに参加している投稿には多数の「いいね!」やコメントが付いたが、これは作為的なエンゲージメントだった。しかしその結果、Instagramのアルゴリズムがだまされてそのような投稿を優先表示するようになり、ポッドに参加していない投稿のエンゲージメントでさえも大幅に増加したのだ。

コメントを求められたInstagramは当初、このような行為は「Instagramのポリシーに違反しており、阻止するために数多くの措置を講じている」と回答し、今回の研究はNYUの研究チームとInstagramの共同研究ではないと述べた。

しかし実際のところ、NYUの研究チームは今回の研究プロジェクトの初期段階からInstagramの不正防止担当チームと接触していた。さらにこの研究結果を見る限り、Instagramがどのような措置を講じているにしろ、少なくともポッド問題に関しては思うような効果が出ていないことは明らかだ。筆者はInstagramの担当者に対してこの点を指摘した。何らかの回答があったら、この記事に追記する予定だ。

ポッド使用は「グレーゾーン」

とはいえ、ポッド禁止に向けてすぐに行動を起こせばよい、というわけでもない。ポッドによるアクティビティは多くの点で、友達同士あるいは興味が似ているユーザー同士がお互いの投稿にリアクションを返すという、Instagramが本来の使い方として意図しているアクティビティと同じだからだ。さらに、ポッド使用が不正行為であると簡単に決めつけられるわけでもない。

グリーンシュタット氏は次のように述べている。「ポッド使用はグレーゾーンで、判断が難しい。Instagramユーザーもそう考えていると思う。どこまでが許容範囲なのか。例えば記事を書いてソーシャルメディアに投稿し、そのリンクを友だちに送ると、その友だちが投稿に『いいね!』を付けてくれる。友だちが記事を書いて投稿したら、今度は自分が同じことをする。これはポッド行為になるのか。お互いに『いいね!』を付けることが問題であるとは必ずしもいえない。コンテンツの拡散・非拡散を判断する上でそのようなアクションをアルゴリズムがどう処理するべきか、ということが問題だ」。

そのような行為を何千人ものユーザーを使って組織的に行い、(一部のポッドグループで行われているように)ポッド参加メンバーに課金まですれば、明らかに不正行為になる。しかし、この線引きは簡単ではない。

それよりも肝心なのは、何をもってポッド行為とするかを定義しなければ線引きすらできない、という点である。今回の研究では、ポッド投稿と通常投稿の「いいね!」とコメントのパターンに見られる違いを精査することにより、ポッド行為の定義が行われた。

「ポッド投稿と通常投稿では、言葉の選択とタイミングのパターンに特徴の違いが見られる」と共同執筆者のJanith Weerasinghe(ジャニス・ウィーラシンゲ)氏は説明している。

容易に想像できることがだが、あまり興味のない投稿にコメントするよう強制されたユーザーは、内容に踏み込んだコメントはせず、「いい写真」とか「すごい」といった一般的な言葉でコメントする傾向がある。ヴィーラシンゲ氏によると、そのようなコメントを禁止しているポッドグループもあるにはあるが、多くはないとのことである。

ポッド投稿で使用される言葉の一覧を見ると、予想通り、フォロワーが多い投稿のコメント欄でよく目にする言葉ばかりだ。とはいえ、このことはInstagramのコメント欄では何といっても全般的に表現の幅が限られることを証明しているのかもしれない。

ポッドで多用される言葉

しかし、何千件ものポッド投稿と通常投稿を統計的に分析した結果、ポッド投稿では「一般的な表現を使った支持」コメントの割合が圧倒的に高く、しばしば予測可能なパターンで出現していることがわかった。

さらに、この分析データを基に機械学習モデルのトレーニングを行い、初見の投稿の中から最高90%の高精度でポッド投稿を特定することに成功した。この方法を使えば次々とポッドを発見できるかもしれないが、それらは氷山の一角にすぎないことを忘れてはならない。

グリーンシュタット氏は「今回の研究期間に、アクセスと発見が容易なポッドをかなりの数、特定できた。しかし今回、ポッド全体の大半を占め、小規模ながら高い利益を生み出してしているポッドを特定することができなかった。そのようなポッドには、ソーシャルメディアにおいて既にある程度の露出実績があるユーザー、つまりインフルエンサーでないと参加できないためだ。我々はインフルエンサーではないため、そのようなポッドに実際に参加して調査することはできなかった」と説明している。

ポッドと、ポッドによって操作された投稿の数はここ2年間で着実に増加している。2017年3月には7000件のポッド投稿が発見されたが、1年後には5万5000件近くまで急増した。2019年3月には10万件を超え、その数は今回の研究データの収集が終わる時点でも増え続けていた。現在、ポッドによる投稿は1日あたり4000回を超えているといっても過言ではなく、それぞれの投稿が、作為的にもオーガニックにも膨大な数のエンゲージメントを獲得している。現在、1つのポッドの参加メンバー数は平均900人で、中には1万人を超える参加メンバーを抱えるポッドもある。

「数人の研究者が、公開されているAPIとGoogleを使ってこのような発見をできたのであれば、なぜInstagramは今まで気づかなかったのか」と思う読者もいるかもしれない。

先ほども触れたが、Instagramは単にポッドを大きな脅威として認識していなかったために、それを阻止するポリシーやツールの開発を進めてこなかっただけなのかもしれない。「偽の『いいね!』、フォロー、コメントを生成するサードパーティ製のアプリやサービス」の使用を禁止するというInstagramのルールがこのようなポッドには適用されないことはほぼ確実だ。なぜならポッド行為は多くの点で、ユーザー間のまったく正当なやり取りと同じだからだ(ただし、Instagramはポッドがルール違反であると明言している)。また、偽アカウントやボットの方がはるかに大きい脅威であることも確かである。

さらに、ポッドが国家による意図的な虚偽情報拡散やその他の政治的な目的で利用される可能性もあることにはあるが、今回の研究中にその種のアクティビティは(それを具体的に探すことはしなかったが)発見されなかった。そのため、現在のところポッドの危険度は依然として比較的低いといえる。

とはいえ、ポッド行為の定義と検知に役立つデータをInstagramが持っていることは明らかであり、そのデータに基づいてポリシーやアルゴリズムを変更することも可能なはずだ。NYUの研究者たちは喜んで協力するだろう。

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Category:ネットサービス

Tags:Instagram 機械学習 SNS

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(翻訳:Dragonfly)

新型コロナウイルスに関するデマを暴くWhatsApp用チャットボット

WhatsApp(ワッツアップ)に何文字か書き込むだけで、新型コロナウイルス関連のデマを暴くことができるようになった。

ジャーナリズムを支援する非営利団体Poynter Institute(ポインター・インスティテュート)が、Facebook(フェイスブック)傘下のサービスであるWhatsAppで新しいチャットボットを公開した。これを使えば、世界中の人たちが、例えばこの感染症は中国・武漢の研究所から発せられたといったパンデミックに関する4000件を超えるデマの正体を暴けるようになる(武漢発祥の話は各方面で好まれている説だが、その主張を裏付ける証拠はまだ一般公開されていないため、今のところは虚偽とされる。念のためにいっておくが、ファクトチェック機関の言葉を引用したこのチャットボットは、そう示している)。

このチャットボットは、70以上の国々の100を超える独立系ファクトチェック機関が提供する情報に立脚している。Poyinter Instituteはそれを新型コロナウイルス(COVID-19)に関連するデマの暴露情報に関する最大のデータベースだといっている。このサービスは英語でのみ提供されているが、現在、ヒンディー語、スペイン語、ポルトガル語への対応に取り組んでいるところだとWhatsAppはいう。

チャットボットは次の方法でテストできる。連絡先に「+1 (727) 2912606」を登録して、「hi」と送信する。または、チャットボットの電話番号を連絡先に登録したくない場合は、http://poy.nu/ifcnbotをクリックする。

チャットボットに「hi」と送信し、「1」を送ると、チャットボットから新しいメッセージが届き、気になるキーワードまたは短い文章を入力するよう求められる。そして「origin(出所)」 や「garlic」(新型コロナウイルスにニンニクが効くという話は本当かを確かめたいとき)、その他の思いつく言葉を書いて送る(言葉を送ってから2、3秒待つと答えが返ってくるので、次の言葉を送るまで少し待とう)。

チャットボットはユーザーの国を特定し(モバイル機器の国番号を参照する)、その国に最も近いファクトチェック機関が審査した結果が示される。同時に、新型コロナウイルスに対処するための一般的なヒントも与えてくれる。

利用規約には、無料で24時間使えるとある。また、質問や調査機関やプログラムのパートナーからの回答とその他の対話を匿名化して集計し、共有する旨も書かれている。しかし「個人情報は絶対に共有しません」とのことだ。

IFCN(国際ファクトチェッキングネットワーク)のBaybars Orsek(バイバース・オーセック)氏は、声明の中で「毎月、友だちや家族とつながっていたい数十億人のユーザーがWhatsAppを頼りにしています。現在のような困難な時期には、すべてのプラットフォームで偽情報を広めて人々を惑わそうとする悪い人間が現れるため、ファクトチェック機関の仕事はこれまで以上に重要になります」と述べている。

この新しいチャットボットは、20億人以上のユーザーを擁するWhatsAppが、そのプラットフォーム上で偽情報が蔓延するのを防ごうと努力した最新の結果だ。この数カ月間、WhatsAppはWHOと協力して情報サービスを立ち上げたが、利用者は1日に100万人以上に達している。フェイスブックが所有するこのサービスはまた、各国の連邦政府や州政府とともに、感染症に関する信頼できる情報の提供も手伝っている。

WhatsAppは先日、メッセージの転送に新たな制限を加え、そのプラットフォーム上での転送量を大幅に削減し、さらに3月にはPoyinter InstituteのIFCNに100万ドル(約1億700万円)を寄付した。

画像クレジット:Jaap Arriens/NurPhoto / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:金井哲夫)

Facebookが新型コロナのコミュニティヘルプハブにギフトカード、求人、寄付ツールを追加

Facebook(フェイスブック)は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの中でより良いサービスを地域社会に提供するために、コミュニティヘルプハブを拡大する。ハブは既に食料品や物資、地域のリソースに関する情報を求める人や、ボランティアや手を貸してくれる人々によって利用されている。そして今回、フェイスブックは人々が地元の企業、血液バンク、非営利団体などをサポートできるように、ハブにさらに多くの機能を追加する。

フェイスブックはGivingTuesday(ギビングチューズデー)の取り組みの一環として、これらの新機能を米国時間5月5日に公開する。

通常、ギビングチュースデーの慈善寄付イベントは、ブラックフライデーとサイバーマンデーの終了後、アメリカの感謝祭後の火曜日に開催される。しかし、世界的なパンデミックによって引き起こされた前例のないニーズに対応するため、 「Giving Tuesday Now(ギビングチューズデーナウ)」 と呼ばれる緊急の寄付日が発表された。

この新しいイベントは明日、5月5日に開催されるが、既にフェイスブックだけでなくPayPal(ペイパル)、America’s Food Fund、Ford(フォード)、Bill & Melinda Gates Foundation、CDC Foundation、LinkedIn、United Way、GoFundMeなどを含む、多くのパートナーや支援者が参加している。

5月5日からフェイスブックのユーザーはFacebook.com/covidsupportのコミュニティヘルプハブにアクセスして、地元企業へのギフトカードを購入したり、地元の非営利団体や募金活動の寄付にサインアップしたり、地元の血液バンクでドナーになるために申し込んだり、あるいは地元での就職の機会を見つけられるようになる。

いくつかのケースでは、フェイスブックはこれらの機能を開始するために必要な技術を構築しており、ローンチするために必要なパートナーシップを形成していた。例えば、同社は2017年に血液バンクとフェイスブックユーザーをつなぐ取り組みを開始し、2019年6月にはアメリカへの献血機能を拡大した。

フェイスブックはまた、独自の資金調達プラットフォームも提供しており、2020年4月には企業が同プラットフォームを介して顧客にギフトカードを提供できるようにするツールに取り組んでいることを発表した。また同社は2018年から求人ポータルにも取り組んでいる。

そして5月5日には、これらの取り組みがコミュニティヘルプハブに集約され、可視性が向上する。

新機能により地元企業や非営利団体を支援しているのは、フェイスブックのプラットフォームだけではない。

近所ソーシャルネットワークのNextdoorも最近、企業が募金活動やギフトカードを宣伝できるツールをローンチした。Yelpは、企業がバーチャルサービスを宣伝する方法を追加したばかりだ。Instagram(インスタグラム)は企業向けにさまざまなツールを提供しており、フェイスブックのギフトカードやスタンプを利用して、食品を注文することなどができる。

刷新されたコミュニティヘルプのセクションは、米国時間5月5日に公開される。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

FacebookがGoogleフォトへの書き出しツールを米国とカナダで提供開始、日本でも利用可能

米国時間4月30日、Facebook(フェイスブック)は米国とカナダのユーザーを対象に、フェイスブックの写真とビデオをGoogleフォトに書き出すツールを公開した。このデータ転送ツールは2019年12月にアイルランドで初めて公開され、その後、他の国へとサービスを広げてきた(日本でも利用できる)。

この機能を使うには、「設定」の「あなたのFacebook情報」で「写真または動画のコピーを転送」を選択する。すると本人確認のためにパスワードを求められる。その次の画面で「転送先を選択」ドロップダウンメニューから「Googleフォト」を選択する。この後、転送前にGoogleアカウントの認証を求められる。

このツールは、フェイスブックが「Data Transfer Project(データ転送プロジェクト)」に参加したことから生まれた。このプロジェクトは、テック大手のApple(アップル)、Google(グーグル)、Microsoft(マイクロソフト)、Twitterそしてフェイスブックが連携して、オンラインサービス間でのデータ転送の方法を共通化しようとするものだ。

もちろん、これらのテック大手企業が規制の恐れを回避するためでもある。このようなツールは、ユーザーを人質に取っているわけではないと証明する手段になるからだ。満足していないユーザーは自分のデータを引き上げてサービスの利用を止めることができるんですよ、と。

フェイスブックのプライバシーおよび公共政策担当責任者のSteve Satterfield(スティーブ・サターフィールド)氏は米国時間4月30日のロイターのインタビューで、このツールはェイスブックユーザーへのサービスというよりも、政策立案者や規制当局への対策の意味合いが強いと事実上認めた。

サターフィールド氏はロイターに対し「独占禁止や不当競争の規制を加速させるような懸念への対処は、実に重要だ」と述べた。

9月22日にはデータのポータビリティに関する連邦取引委員会の公聴会が予定されており、それに先行してこのサービスが開始されたのも好都合だ。フェイスブックは要請があればこの公聴会に出席すると述べたとロイターは伝えている。

2019年にこのツールを初めて公開したとき、フェイスブックは「近い将来」にGoogleフォト以外にもサービスを拡張する予定であると発表していた。

フェイスブックからデータを取り出す方法は、この転送ツールだけではない。2010年から「個人データをダウンロード」機能も提供している。しかしデータを入手したところで、それ以上はできることは特にない。Myspace、FriendFeed、Friendsterといった古いソーシャルネットワークがなくなり、Google+も失敗してからは、フェイスブックには大きな規模のライバルはいない。

写真転送ツールは米国とカナダのほか、ヨーロッパやラテンアメリカなどの市場でも提供されている。

画像クレジット:Adam Berry / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

広告需要急減の中、Q1決算後のFacebook株価は10%以上アップ

新型コロナウイルスのパンデミックはFacebookの広告事業の成長を大幅に鈍化させている。しかし4月29日に発表されたFacebookの第1四半期決算を見た資家は十分満足しているようだ。

同社はアナリストの予想を上回る177.4億ドル(1.89兆円)の収入を得た。1株当たりでは1.71ドルという予想にはわずかに届かなかった。

同時にFacebookは月間アクティブユーザーがアナリストの予想、25.5億人を上回る26億人に達したと発表した。これらの結果に株価は時間外取引で10%上昇した。

四半期決算の発表後、時間外取引でFacebook株は10%以上アップした。第1四半期の広告収入は前年同期比17%の伸びを示した。しかしFacebookはパンデミックの影響が出る第2四半期の決算に予防線を張るために今回の決算を利用したようだ。デジタル広告はパンデミック危機の打撃をまともに受けて過去数週間で大幅な減少傾向にある。Facebookはリリースで「広告の需要の大幅な減少が見られた。またこれに関連して「2020年第1四半期末の3週間に当社の広告の入札価格が低下した」としている。

また2020年第2四半期のガイダンスは発表しないと述べた。 4月の最初の3週間の広告収入は前年同期比で伸び率ゼロだったといいう。 Facebook広告ビジネスは巨大になっても成長を続けており、 Q4 2019年第4四半期は対前年比で25%の伸びだった。

パンデミックに襲われた企業が広告をカットすることによっって崖から転落するような広告収入の減少がおきるというドゥームズデーシナリオを恐れていた投資家にとっては成長率がゼロになっただけというのは望外の喜びだったようだ。

出典:Facebook IR

Facebookの収入の大部分は174.4億ドル(1.86兆円)という巨大な広告収入から来ている。しかし「その他」の収入にはPortal from FacebookやOculusなどのハードウェア事業が含まれ、前年比80%も急増して2.97億ドル(317億円)に達している(取材継続中)。

画像:Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

3月に30億人以上が利用、ロックダウンが人々をFacebookに駆り立てている

世界的な自宅待機命令のおかげで、記録的な数のユーザーがFacebook(フェイスブック)に押し寄せている。CEOのMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏は電話会見で、大規模な自宅隔離期間中にFacebookの利用が著しく増加したことを示す最新データを公表した。

3月に、30億人以上のユーザーがFacebookにログオンしたことをザッカーバーグ氏は明かした。これにはメインアプリのほか、Instagram、Messenger、WhatsAppが含まれている。この数値は世界のインターネットユーザー総数の約3分の2にあたる。これは同プラットフォームの新記録であり、Q1の月間平均アクティブユーザー数は26億人だった。

同社のさまざまなコミュニケーションツールが過去数週間に大きく利用数を伸ばしたことが、同氏の公開した詳細データからわかった。音声およびビデオ通話は2倍に増え、FacebookとInstagramのライブビデオの視聴回数も2倍になり、この数週間のグループビデオ通話の利用時間は1000%増だった。

屋内退避勧告が終われば利用数は落ち着くだろうとFacebookは予測しているが、ザッカーバーグ氏はロックダウン中にFacebookが実現できそうなチャンスがあると言う。「世界が急激に変化するとき、人々に新たなニーズが生まれる、それはもっと作るべきものがあることを意味している」と話した。

Facebookは米国時間4月29日に第1四半期決算を報告し、売上は177.4億ドル(約1兆9000億円)だった。同社は一部のサービスで利用が急増したことを報告したほか、四半期の終わりに広告需要が「著しく減少」したことも明らかにし、4月の数週間の成長は前年と変わらなかったと話した。

関連記事:Facebook stock spikes despite ‘significant reduction’ in demand for ads

画像クレジット:Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookがベトナムでの反政府コンテンツの制限に同意、数か月間の抑圧に屈す

ベトナムの国営通信社によると、Facebookはベトナムで一部の反政府コンテンツをブロックし、ユーザーがアクセスできないようにすることに合意した。同社のベトナムでのサービスは数か月間妨害されていた。

ロイター通信は、Facebook内部の情報提供者の談として、ベトナム政府が今年初め、政府を批判する投稿など、違法とみなされるさまざまなコンテンツを制限することをFacebookに要請していたと報道。ベトナム政府はその支配下にある現地のインターネットプロバイダーを利用してFacebookのトラフィックを使用不能なレベルまで遅延させることで、このソーシャルネットワークを妨害していた。

当時、このサービスの遅延は海底ケーブルのメンテナンスによるものであると説明されていた。影響がFacebook(および付随するMessengerとInstagram)に限られていたため、多くの人はこの説明を信じなかった。

通常、Facebookはこれまで対話の窓口をいつも開けておく姿勢を取ってきた。ただし今回の状況は通常とは言い難かった。今回は何百万人ものユーザーがサービスにアクセスできず、その結果同社は広告の機会を失っていたのだ。

この遅延は2月中旬から4月上旬まで7週間にもわたり、最終的にFacebookは政府の要求を受け入れた。

ロイター通信の情報提供者によると、「より多くのコンテンツを制限することを確約したとたん、通信事業者はサーバーをオンラインに復帰させた」という。

Facebookでは次の声明を発表し、具体的な事実には触れないものの、ロイターの報告の概ねを認めた。

当社は、ベトナム政府から同国で違法とみなされるコンテンツへのアクセス制限を指示されてきた。我々は表現の自由は基本的な人権であると信じ、世界中でこの重要な権利を保護し、守るために真摯に取り組んでいる。しかし、日常生活の中で当社を利用しているベトナムの何百万人もの人々に今まで通り当社サービスにアクセスいただけるよう、今回の決定に至った。

Facebookが、サービスの制限データ譲渡の両方の指示を政府から受けることはこれが初めてではない。同社はこのような要請を精査し、異議申し立てをすることもあるが、現地法を遵守するのがFacebookのポリシーだ。それが政府の検閲慣行の受け入れを意味する場合(ほとんどの場合がそうだが)でもだ。

同社による言い訳はいつもの事ながら(今回も含め)、このような抑圧されている国の人々には、サービスがまったくないよりも、不完全であってもFacebookのコミュニケーションツールを提供するほうがよいというものだった。

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(翻訳:Dragonfly)

学生が仮想1対1で専門家の助言を受けられるようにするBonsaiが約1.6億円を調達

このところ世界は、ますますリモートコラボレーションの技術に依存するようになってきている。投資家や起業家は、こうした行動の変化が仕事と教育の将来にどのように影響するかについて、より強い興味を持ち始めている。

画像クレジット:Paul Taylor / Getty Images

Bonsaiは、学生や駆け出しの専門家をその分野の専門家のメンターと仮想的に組み合わせる新しいオンラインプラットフォームだ。新規の資金を得て創立された。このスタートアップの創立者兼CEOであるPatrick Sullivan(パトリック・サリバン)氏は、これまでに知的財産管理の新興企業を2つ創立し1つはGoogle(グーグル)にもう1つはFacebook(フェイスブック)に売却した経歴を持つ。

「私は求職活動の根本的な問題は求人にあるのではないと見ています。求人は民主化されており、誰でもアクセス可能となっています。ただし、適切な情報や適切なガイダンスを備えたネットワークにアクセスできなければ、その入口を突破することができません」とサリバン氏はTechCrunchに語った。「特にGoogleのような会社に就職しようとする場合、ある種の科学的なアプローチが必要です」。

Bonsaiのプラットフォームは、基本的に1対1を指向している。サリバン氏は、マスタークラス風の1対多の教育システムにしようとはしていない。とはいえ、大学における講演者や教師との講義外での個人的な会話にはメリットがあると考えている。

Bonsaiは今のところ、ゆっくりと拡張していくことを目指している。このプラットフォームに参加している学生と駆け出しの専門家が、Bonsai側で適切なリソースのネットワークに確実に出会えるようにするためだ。Bonsaiチームは、これまでに100を超えるバーチャル会議を開催してきた。サリバン氏によれば、同社のサービスを委託アフィリエイトとして広めてくれるような、いくつかの大学と話し合っているという。

価格設定についてサリバン氏は、コンサルティングにかかる費用は平均で50ドル(約5300円)で、Bosaiの取り分は、その4分の1になると明かしている。

専門的な助言を提供する人たちのネットワークは、サリバン氏の個人的なつながりにかなり大きく依存している。同氏によると、今回のパンデミック危機が始まって以来、無償奉仕活動をしたいという問い合わせが殺到しているという。サービスにとって、お金を払う余裕がある人向けの有料サービスと、そうでない人向けの無料サービスのバランスをとることは重要だ。

「私たちは、他と同じ機会を得られないスラム街の子供たちに料金を請求したくはありません。しかし、裕福な環境にいる人は、そうした機会のために間違いなく喜んでお金を払ってくれるのです」とサリバンはいう。

Bonsaiのチームは米国時間4月28日に、グーグルとフェイスブック、コロンビア大学の首脳陣を含むエンジェル投資家のネットワークから、150万ドル(約1億6000万円)のプレシード資金を確保したと発表した。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Instagramがライブ配信で非営利団体への寄付集めができる新機能をローンチ

新型コロナウイルス(CODID-19)のパンデミックの渦中である米国時間4月28日に、Instagramはライブ配信を使ってユーザーが非営利団体のために寄付ができる新機能の提供を開始した。Instagramには既にストーリーズに「寄付スタンプ」を追加できる機能があるが、この新しいLive Donations(ライブ寄付)では、誰もがライブ配信で資金調達ができるようになる。個人でも、複数の人たちとバーチャルテレソンのような形にしても、寄付を募ることが可能だ。

この新機能は、TikTokが動画投稿でもライブ配信でも使える寄付機能をローンチしたその翌日に登場した。

しかし、開始時にわずかな慈善活動しか対象としていなかったTikTokと異なり、Live Donationsは、100万を超える非営利団体への寄付活動を開始できるとFacebook(フェイスブック)は話している。

さらに寄付金は全額は直接、非営利団体に渡されるということだ。一部の資金調達プラットフォームでは手数料は当たり前になっているが、Instagramは一切取らない。

ライブ配信でこの寄付機能を使うには、Instagramのフィード画面左上のカメラアイコンをタップするか、フィードを右にスワイプする。そして画面下の「ライブ」をタップし、「Fundraiser(資金集め)」を選択して援助したい非営利団体を選択する。

配信が始まると、その資金集めをどれだけの人が支援しているか、どれだけの金額が集まったかがリアルタイムで示される。「View(表示)」をタップすれば、寄付してくれた人と寄付金額を個別に知ることができる。これを見てその人に配信中に感謝を叫んだり、「Wave」をリアルタイムで送ったりできる。

資金を集めた人、資金集めを行っている人に寄付した人、ストーリーズで寄付スタンプを使った人は、ブラジルのコミュニティ・イラストレーター@leonatsumeが制作した「I donated!(寄付したよ)」スタンプが使えるようになる。このスタンプは、自分のストーリーズに貼り付けて、慈善活動の宣伝に利用することも可能だ。自分の投稿は、フォローしていて同じく寄付をした人と共通のストーリーズに統合され、ストーリーズバーの先頭に表示される。

今週は、Sergio Ramos(セルヒオ・ラモス)氏、Sofia Carson(ソフィア・カーソン)氏、@muslimgirl、@montoyatwinz、Tori Kelly(トリー・ケリー)氏、@tank.sinatra、Lisa Rinna(リサ・リナ)氏といった数多くの著名人やクリエイターが、この新しいLive Donations機能を利用した。

Instagramは、パンデミックになってライブ配信の数が急激に増したと話している。

例えば2020年3月には、Instagramのライブ配信の利用件数は70パーセント増加し、会話、ダンスパーティー、ラップバトルなどが展開された。そして多くの利用者が、公式公開以前、既にLive Donationsを通じて非営利団体への寄付を行っていたとInstagramでは話している。

ソーシャルプラットフォームは、パンデミックの間も人々を結びつけくれる1つの手段だ。以前は苦戦していたInstagramのIGTVプラットフォームですら、利用者数が驚くほど増加した。アプリ利用情報の調査会社Apptopia(アプトピカ)の報告によると、IGTVの1日あたりの利用者数は、2020年3月中旬から4月中旬にかけての前月比で48パーセントも伸びたという。

Instagramの親会社であるフェイスブックも、利用者のライブ配信への関心の高まりを利用しようと、このところ、いくつもの新機能を発表している。例えば先週、フェイスブックはライブ動画で資金集めをする機能を導入した。フェイスブックが非営利団体の資金集めを支援するところであれば、どこでもこの機能が使える。また同社は「Live With」を復活させ、ライブ配信にゲストを招待できるようにした。ここでも寄付を募ることもできる。

さらにフェイスブックはMessenger RoomsというZoomのHousepartyに似た体験ができるサービスやFacebook Gamingのゲームストリーミングアプリ、PortalシリーズのデバイスからFacebookページやグループなどにライブ配信できる機能の提供も始めている。

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(翻訳:金井哲夫)

インドJioMartが商品をWhatsAppで注文するシステムをテスト中

インドで最も価値評価の高い企業が運営するeコマースベンチャーであるJioMart(ジオマート)は、WhatsApp(ワッツアップ)上で「注文システム」をテストしている。Facebook(フェイスブック)とインド通信大手のReliance Jio Platforms(リアイアンス・ジオ・プラットフォームズ)のコラボレーションの初の試みだ。

ムンバイ郊外のNavi Mumbai(ナビムンバイ)、Thane(ターネー)、Kalyan(カリヤーン)の3地域のユーザーは、食料品の買い物にJioMartのWhatsAppビジネスアカウントを使用できるようになった。

+91-8850008000に「Hi」とテキスト送信すると注文を開始できる。ブラウザでミニストアが開き、練り歯磨き、スナック菓子、紅茶、コーヒー、米、食用油などの食料品が選べる。

注文が確定するとJioMartが自動的に近隣店舗を指定し、WhatsAppで請求書を送る。今のところ電子決済はできない。

1200以上の店舗がパイロットプログラムに参加している。JioMartの広報担当者はコメントを避けた。

インド最大の小売チェーンであるReliance Retail(リライアンスリテール)と、3億8500万人以上の加入者を持つインド最大の通信ネットワークであるReliance Jio Platform(リライアンスジオプラットフォーム)との合弁会社であるJioMartは、「スタッフの衛生と安全」「公正な価格」「24時間体制の物流倉庫」「店舗への毎日の配送」をうたっている。

このテストにより、WhatsAppのインドにおける圧倒的なリーチをReliance Jio Platformsがどのように活用したいかがわかる。Facebook傘下のWhatsAppはインドで4億人以上のユーザーを抱える

Facebookは先週、Reliance Jio Platformsに57億ドル(約6100億円)を出資し、9.9%の持ち分を取得したと発表した。Reliance Jio PlatformsはReliance Retailと同様、インドで最も価値評価の高い企業であるReliance Industriesの子会社だ。

Facebookのインド事業を担当する副社長のAjit Mohan(アジト・モーハン)氏はTechCrunchのインタビューに対し、両社の協力方法は模索中だが、両社のコラボレーションによりユーザーがWhatsAppで近くの店舗を見つけたり、店舗のオペレーターと話したり、あるいは注文できるようになるかもしれないと語った。

「ショップをブラウズして、ショップのオーナーと話すことができる。最終的には、こうした取り組みの結果としてWhatsAppで注文できるようにしたい。ただし、支払いにWhatsAppを使用することをユーザーに義務付けることはないかもしれない」とモーハン氏は説明した。

WhatsAppはインドで2年前に決済サービスのテストを始めた。WhatsAppは、インドで「Pay」を全国に展開するための政府承認をまだ取り付けていない。今年初めのインドのメディアの報道によると、WhatsAppはインドにおけるPayのリーチを複数のフェーズに分けて拡大し始めたとのことだ。モーハン氏は先週、インドのWhatsAppユーザーのうち100万人のみがモバイル決済サービスへのアクセスを有すると語った。

画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

サンフランシスコ地域の外出禁止命令は5月末まで延長

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによりサンフランシスコ周辺の7郡に出されていた外出禁止命令は5月末まで延長されることとなった。ベイエリア7郡の命令は住民700万人と数千の企業に影響を与える。

アラメダ、コントラコスタ、マリン、サンフランシスコ、サンマテオ、サンタクララの各郡(カウンティ)およびバークレー市の公衆衛生責任者は、共同声明で今週末に新しい外出禁止命令を出すことを発表した。新命令では「少数の低リスク活動」に関する規制が緩和される。

現在の外出禁止命令は5月3日で失効するため、以降の自治体の対策は新しい命令とともに今週後半に発表される。7郡はシリコンバレーの全域を含むためApple、Facebook、Google、Salesforce、Twitter、Tesla、Uberの本社を含め、多数のスタートアップ企業、テクノロジー企業が集積している。

共同声明は「我々の地域には700万人が住んでいる。地域の人々の努力と犠牲のおかげで、新型コロナウイルス感染の拡大を遅らせ、地元の医療体制の崩壊を防ぐ上で大きな成果を挙げてきた。これは多数の人命を救っている。しかしながら、現段階では、この達成を失わないよう集団的努力を継続することが極めて重要となっている」と述べている。

公衆衛生責任者は2020年4月27日に「新たな入院患者数は横ばいとなったが、コミュニティを安全に再開するためにはさらに多くの作業が必要だ。規制の解除が早すぎると感染者は再度大幅に増加するリスクがある」と警告した。

また当局は新型コロナウイルス対策とその進捗状況を追跡するための広範なツールをリリースする計画を発表している。これらは州の他の地域で利用されているツールに準じたものだという。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

豪政府「グーグルとフェイスブックはメディア企業にコンテンツ使用料を支払うべき」

オーストラリア政府は、Google(グーグル)やFacebook(フェイスブック)などのテクノロジー大手企業に対し、地元メディアのコンテンツを利用した際に使用料を支払うことを義務付ける規範を導入する方針を発表した。Reuter(ロイター)によってすでに報じられている通り、同政府は以前にもこの2社に対して国内のニュース発行者と広告収入を分け合うようにと要請したことがある。

オーストラリア財務相のJosh Frydenberg(ジョシュ・フライデンバーグ)氏はAustralian Fridayに寄稿した記事の中で、次のように述べている。「消費者を保護し、透明性を高め、当事者間の力の不均衡を是正するという目的で、2020年11月までにデジタルプラットフォーム各社とメディア企業間の関係を管理統制する自主規範を導入するいう当初のプランは進展が見られず失敗に終わった」。

この記事の中でフライデンバーグ氏はさらに「自主規範によって解決しようとしていたコンテンツ使用料に関する根本的な課題について有意義な進展が見られなかった。さらにオーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)によると『話が前進する気配さえなかった』」と書いている。

今回の義務規範の立案はACCCが担当する。フライデンバーグ氏によると「価値交換と収益の分配、検索結果のランキングアルゴリズムの透明性、ユーザーデータへのアクセス、ニュース記事の掲載方法、コンプライアンス違反の罰則や制裁に関する条項が盛り込まれる」ことになるという。

「7月末までに規範の草案を公開して意見を求め、その後すぐに法制化する予定だ。検索エンジンとソーシャルメディアの最大手である2社が、自社サイトにトラフィックを誘導するために使ったニュースコンテンツの元記事に対して使用料を支払うのは当然のことだ」と同氏はいう。

テクノロジー大手が他社の記事を再利用している(および間接的に収益を得ている)ことに対する、支払い請求を巡る論争は今回が初めてではない。そうした企業は自社のプラットフォームや集約サービスでニュース記事の抜粋を表示しているのだ。ただ今回は、新型コロナウイルスの影響で広告主の予算が世界的に大幅に削減され、メディア各社の収益減も危機的な状況となっているため、メディア発行者から政策立案者への要請もさらに強くなったと思われる。

2020年4月初め、フランスの競争監視機関はグーグルに対し、コンテンツの再利用に対する支払いについて地元メディア各社と誠実な交渉に応じるよう命じた。

この動きは、EU全体の著作権法改訂を受けて2019年に制定された国内法令に続くものだ。同改訂は、ニュース記事の抜粋表示に対抗した権利の拡張を目的としている。しかしグーグルはフランスのニュース発行者にコンテンツ再利用料を支払うことはせず、その代わりに、フランス国内のGoogle検索結果とGoogle Newsで同法令により保護対象となっているコンテンツの掲載を停止した。

フランスの競争監視機関は「このような一方的な動きは、市場での支配的な地位を乱用したものである」と考えており、調査を継続する一方で、グーグルを強制的に交渉の席に着かせる仮命令を下すという措置を取った。

フライデンバーグ氏の記事では、このフランスの動きだけでなく、2014年のスペインでの一件にも言及されている。スペインでも、ニュース集約サービスで再利用されたニュースの抜粋に対する使用料をグーグルに支払わせることを目的とする法律が制定された。このときグーグルは単純にスペインからGoogle Newsサービスを撤退させた。現在でもスペインではGoogle Newsサービスは停止したままである。

スペインでグーグルのニュースサービスにアクセスすると表示されるメッセージ。

「デジタルプラットフォームとニュースメディア各社間の関係を統制する強制力のある規範を実際に施行することが難しく複雑である点については十分理解しており幻想など抱いていない。ただ、この問題については正面から取り組む必要がある」とフライデンバーグ氏は指摘する。「我々の目的は、従来型のメディア企業を熾烈な競争やテクノロジー革命がもたらす挑戦から保護することではない。我々が目指すのは、市場支配力が乱用されない公平な競争環境を作り上げ、メディア企業が公平に勝負でき、ニュースコンテンツのオリジナル制作者としての適正な対価を受け取れる環境を整えることだ」と同氏は語る。

オーストラリア政府の今回の動きについてグーグルにコメントを求めたところ、次のような返信があった。

当社はニュース業界と協調的パートナーとしての関係を長年に渡って築き上げてきた。広告やサブスクリプションサービスで彼らの成長を手助けし、価値のあるトラフィックを誘導して読者の獲得にも貢献してきた。2月以降、当社はオーストラリアのニュース発行者25社以上と、自主規範に基づく記事の取得について協議を重ね、ACCCによって設定されたスケジュールとプロセスに従って対話を進めてきた。当社は、メディア業界、ACCC、およびオーストラリア政府と行動規範の策定に向けて建設的な取り組みを進めており、本日同政府によって設定された改正プロセスに従って今後も同様の取り組みを継続していく。

グーグルは「ニュース発行者のサイトにトラフィックを誘導し、広告やサブスクリプション転換によって収益を上げられるようにすることで多大な価値を提供している」という主張を依然として崩しておらず、2018年だけで、オーストラリア国内ユーザーによるオーストラリアのニュース発行者サイトのクリック数は20億回を超えたと指摘している。

またグーグルは「ニュース発行者は、グーグルの検索結果に自社のコンテンツを表示するかどうかを選択できる」とも指摘している。ただ、フランスの競争監視機関が「グーグルがニュースの使用料を支払うつもりはないと明言していることで一部のニュース発行者が不利益を被る可能性がある」という見方を示していることは注目に値する。

グーグル検索エンジンの市場支配力と、フェイスブックが人々のデジタルアテンション時間(デジタル機器に表示されるコンテンツに注目している時間)の大半を握っているという事実が、こうした介入の主要な要因となっていることは確かだ。

この点について、フライデンバーグ氏の記事ではモバイル機器上でのオンライン検索の98%以上でグーグルが利用されており、約1700万人のオーストラリア人(オーストラリアの人口は約2500万人)が1日30分以上フェイスブックを見ている、というオーストラリア公正取引委員会による報告が引用されている。

さらに「オーストラリアの広告主によるオンライン広告出稿先の内訳は、グーグルが47%、フェイスブックが24%、その他が29%となっている」と話し、オーストラリアのオンライン広告市場は年間約90億ドル(約9853億円)で、2005年と比較して8倍以上も拡大していると指摘する。

今回オーストラリア政府がニュースコンテンツの再利用に関して強制力ある規範を策定した件についてフェイスブックにコメントを求めたところ、同社のオーストラリア・ニュージーランドのマネージング・ディレクターを務めるWill Easton(ウィル・イーストン)氏より次のような返信があった。

この度のオーストラリア政府の発表は遺憾に思う。同政府と合意した期限を守るために当社が尽力してきたことを考えるとなおさらだ。新型コロナウイルスにより、ニュース発行者を含め国内のすべてのビジネスと業界が打撃を被っている。だからこそ、広告収入が低下しているこの時期に、ニュース企業を支えるためのグローバルな投資計画を新たに発表した。ニュースコンテンツの配信における大きなイノベーションと、より高い透明性が、持続可能な新しいエコシステムの構築には不可欠だ。当社は、オーストラリアのニュース発行者をサポートするために、コンテンツの手配、パートナーシップ、業界の育成という形で数百万ドルを投資してきた。今回の規範が、当社のサービスを毎日利用している数百万のオーストラリア国民と中小企業の利益を保護するものになることを願っている。

今後、競争環境の平等化を目的とする法的な改正により、グーグルとフェイスブックに対してメディア企業への使用料支払いを求める国が増えて無視できない数に達すれば、この2社はニュースコンテンツの再利用料金を何らかの形で支払わざるを得なくなるだろう。しかし、2社にはニュース発行者に対する広告料金の値上げという対抗手段がまだ残されている

グーグルとフェイスブックは、巨大な広告ネットワークを支配しながらオンラインコンテンツおよび広告の配信、発見、収益化を行うことと、アルゴリズムによってコンテンツ階層を構築し効果的に広告を表示するという2つの事業を同時に行っている。そのため、一部の国々で新たに独占禁止法違反の疑いで調査の対象となっている。

英国の競争・市場庁(CMA)は2019年7月に、グーグルとフェイスブックの広告プラットフォームの市場調査を開始し、同年12月の中間報告で懸念を表明した。その結果、両社の巨大プラットフォームの分割、私利的な設定の制限、さらにはデータ共有やデータ機能の相互運用化の強制による他社との平等な競争環境の実現まで、競合企業との競争促進を目指すさまざまな試みに関する協議が始まった。

CMAは調査開始後の初期所見で、オンラインプラットフォームとデジタル広告市場での競争に重大な障害が存在することが疑われる「正当な根拠」が存在すると述べた。それでも規制当局はこれまでのところ政府に提言する程度で留まっており、オンラインプラットフォーム各社の行動を統制する「総合的な規制の枠組み」の策定に参加はしているが、自ら直接介入する動きは見せていない。

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(翻訳:Dragonfly)

Facebookのソーシャルビデオチャット機能Roomsの実力をチェック

FacebookはこれまでもZoomのギャラリービューやHousepartyのビデオチャットをサポートしてきたが、このほど独自のビデオ・ミーティングとしてRoomsをスタートさせた。これはあらかじめ日時を設定しないインスタントなつながりの時代にふさわしいビデオサービスとなる。

Facebookの発表によれば、Roomsはモバイル、デスクトップの双方をサポートし、まず英語圏でスタート。Roomsがカバーする地域ではニュースフィードの上部に新たにRoomsのセクションが追加された。またFacebookは選定した親しい友達にRoomsが開始されたことを通知する。特定の友達を招待したり、「リンクを知っている全員」がRoomsに参加できるリンク作って共有することもできる。

現時点では8人まで参加可能だが、数週間以内に50人までに拡大される予定なので、ビジネスでも大がかりなリモート飲み会などの場合でも有力なZoomの代替手段になるだろう。ユーザーはすぐにInstagram、WhatsApp、またPortalデバイスからRoomsを作成して検索可能にできる。またさらに重要な点としてFacebookのアカウントなしでブラウザから参加できるようになる。こうなればFacebookとして初めての全てのプラットフォームで相互運用可能なサービスとなる。

FacebookのMessengerの責任者であるStan Chudnovsky(スタン・チュドノフスキー)氏はTechCrunchのインタビューに対して「人々はもっと一緒の時間を過ごしたい思っている。」と述べた。1対1ないしグループでのビデオ通話はすでに提供され人気を集めている。しかし、「パンデミックの突発ですべてが変わった。我々は以前から人々がいつでも好きなときにビデオで会話できるようにするための計画をいろいろ持っていた。しかし新型コロナウイルスのために計画を加速しなければならなくなった」 のだという。Roomsには今のところ広告その他の直接的な収益化の計画はない。しかしこのプロダクトの提供はFacebook人々の生活の中心に置き続けるために役立つだろう。

ニュースフィードのトップの非常に目立つ位置にRoomsのタブを設置したことでもFacebookがこのプロダクトを非常に真剣に考えていることがわかる。Roomsをスタンドアロンアプリにすれば島流しにあったようなもので見つけにくくなったに違いない。アルゴリズムで表示が選択されるニュースフィードに組み込めば即時性が損なわれただろう。Facebookはそうした方法をとらず、モバイルアプリの場合、ニュースフィード記事をスタート画面からほぼ完全に押し出す結果となってもRoomsとストーリーに大きな表示面積を与えた。これを見てもFacebookが即時性と一時性の高い共有を重視しているのが明らかだ。

Facebookはビデオに全力を傾注

Facebookは歴史的に1対1ないし1対多のコミュニケーションを本質としていたため、多対多の分野では力不足だった。Roomsのリリースはこの点を補うためにデザインされており、同様の目的で既存プロダクトへのビデオ機能の追加もすでに多数行われている。WhatsAppでは現在1日あたりの音声およびビデオ通話の利用者は7億人、 FacebookとInstagram Liveのビデオのユーザーは8億人となっている。Facebookはすでに1人が多数のフィードを見る分野のリーダーであり、1人が多数に向けてライブストリーミングする分野でも急上昇中だ。しかしチュドノフスキー氏は「しかしこの分野へはさらに大きな努力が必要だった」と言う。

ビデオ関連のアップデートの概要とその意味は次のとおりだ。

  • カスタマイズできる照明付きのバーチャル背景:Facebookは近々ビデオ通話にバーチャル背景を導入し、ユーザーの背後に写るごたごたを隠すことができるようにする。これには360°バーチャル背景が含まれ、ユーザーが移動するにつれて背景と照明が変化する。

  • WhatsAppではグループ通話の現在の4人までから8人までに拡大する。人数の多い家族や友人グループがまとめてビデオで会話できるようになる。この分野ではWhatsAppはZoomにとって非常に手強いライバルになるだろう。

  • Facebook Liveでゲストが表示できる。長時間自分に興味を引きつけておくためには努力がいる。随時ゲストをスクリーンに呼び出せる機能は話し手側のプレッシャーを低くし、ビューワー側にも面白い。
  • ライブ動画に寄付ボタンを付加。新型コロナウイルスによる危機に際して、ミュージシャンやパフォーマー、各種の活動家などの人々が資金を調達することがこのボタンによって容易になる。
  • オーディオのみによるライブ。 Facebook Liveでツアーを配信するミュージシャンが増えるにつれ、データ量を節約するためにオーディオだけが欲しいということがある。これなら外出中でも長時間聴いていることができる。特に携帯ネットワークの接続速度が遅い場合に便利だ。
  • ウェブ版Instagramでライブをサポート。デスクトップからライブ動画を見たりコメントしたりできるので、長時間のストリーミングであっても別のタスクを実行できる。

  • IGTVでライブできる。長時間のライブ配信がInstagramのIGTVアプリに保存できるようになったので配信終了と同時に消えてしまう心配がなくなった。
  • Portal from Facebookでライブ。ユーザーはPageやグループへのライブをポータブルなPortalデバイスからも実行できるようになったので動きまわるライブ配信ができる。

  • Facebook Datingでビデオチャット 。気の乗らない相手とデートするのではなく、Facebook Datingでマッチされた相手とビデオチャットしてはどうか? 本当にピッタリの相手が見つかるかもしれない。

Facebook Roomsの使い方

Facebookは この分野を一挙に制圧するブリッツスケーリングを狙って、グループのすべてアプリでRoomsを実行、検索できるようにしている。Roomsはニュースフィード、、グループ、イベント、Messengerから実行できるだけでなく、すぐにInstagram Directのビデオチャット、WhatsApp、Portalデバイスからも利用できるようになる。開始時間設定、説明、ユーザー招待を3とおりの方法で実行できる。

家族の会話などの場合は招待オンリーでRoomsを実行できる。あるいは友達全員に公開することも可能だ。友達というのはニュースフィード、MessengerのRoomsタブの通知に表示されたり検索できたりする相手だ(将来はほかのFacebookアプリからも検索可能なる)。Facebookが開始されていることを見逃さないよう親しい友達に通知することがある。ユーザーはRoomsのURLをどこにでも表示することができる。この場合は事実上Roomsを公開で実行することになる。

Facebookは公開ライブビデオに対する部外者の乱入、いわゆる「Zoom爆撃」がひどい災厄を引き起こすことを認識しており、Roomsのセキュリティには十分留意している。 ホストはURL経由でRoomsに参加できないようロックすることができる。Roomsから誰かを締め出すと自動的にロックがかかり、ホストがロックを解除するまでその状態が続く。悪人が何らかの方法でRoomsのURLを見つけた場合でも繰り返し邪魔しに来ることはできない。

当然ながら、 チュドノフスキー氏はZoomとHousepartyの影響を小さいものにしようと努め、「この種の自発性の高いビデオアプリが他にも多数あることは嬉しい。しかしそうしたアプリの一部がこのプロダクトに取り入れられたというこはないと思う」と述べた。また現在シリコンバレーの話題をさらっているボイスチャットアプリのClubhouseの非独占的なビデオ版と考えられることもRoomsにとっては都合がいい。

コピーはするがコピーされない巨人

Facebookは遅くとも2017年以降、密かにRoomsの開発に取り組んできた。重点はどのようにすればグループチャットの開始を友達が発見しやすくできるかだった。2017年にFacebookはBonfireというグループビデオチャットをテストしている。これはスタンドアロンのアプリだった。実はRoomsという匿名フォーラム用のアプリも2014年にテストしている。

新しいRoomsの優れているところはFacebookの最大の強み3つを総合したところにある。これによりRoomsにはライバルアプリからのコピーが含まれるものの、Facebook以外のプレイヤーがRoomsをコピーすることは非常に難しいものとなっている。

  • 普遍性:Facebookのメッセージングはモバイル、デスクトップ双方をサポートし膨大なユーザーがあある。このためは新たなアプリをインストールすることなく誰でも即座に使い始めることができる。
  • 意欲と革新性:ストーリーの場合と同様、Facebookはモバイル画面の上部の目立つ位置にRoomsを設置するという大きな賭けに出た。この強い意欲は、自然発生的かつ即時的なソーシャルビデオという新しいコミュニケーション・チャンネルの普及のカギを握ることなるだろう。しかもRoomsはFacebookグループの25億人のユーザーがすぐに利用できる。
  • ソーシャルグラフの蓄積:Roomを楽しく役立つものにするためにFacebookは膨大なソーシャルグラフを役立てることができる。Facebookはグループのアプリ全体の巨大なユーザーの全体から特定のRoomに誰がいちばん関心を抱きそうか推測し、きわめて効率的にメンバーを集めることができる。ソーシャルグラフに基づいてメンバーの関連度をランク付けできるのでユーザーの電話帳の全員にスパム的な通知を送る必要がない。

この3つの特徴をすべて備えたライバルは存在しない。Zoomにはソーシャルグラフの蓄積がない。Housepartyは急上昇中ではあるものの普遍的存在というには遠い。他のメッセージやチャットアプリも適切なメンバーを集めるために必要な検索能力に欠ける。

Facebookはモバイルでの深いつながりはメッセージの分野にあることをよく認識している。 1対1のスレッドや非同期のグループチャットはすでに提供されていた。あとはこの方向をさらに一歩進めるだけでよかった。Roomsの画期的な点は、他のリモート会議アプリのように主催者が日時を設定して予約したり、メンバーに通知して参加を要請したりするのではなく、友達がRoomsしているのを自然に見つけて参加するという能動的な努力を必要としないサービスにした点にある。Roomsはものに憑かれたようにひたすらフィードをスクロールするというソーシャルでない行動をせずにFacebookの使用頻度と使用時間を大幅にアップすることができるはずだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Facebook、ターゲット広告の分類から「疑似科学」を削除

「COVID-19関連の間違った情報を何十万件も拡散するのに手を貸した」と批判されてマーク・ザッカーバーグ氏はFacebookからそうした記事を削除し始めた。しかしその後も広告ターゲッティングの分類の中に「疑似科学(pseudoscience)」が残されていた。世界的なパンデミックの中、ニセ科学を一掃するために全力を上げることを公に約束したソーシャルネットワークとしては奇妙な行動だった。

広告主はFacebookの広告マネージャを使って7800万人もの 「疑似科学に関心があると述べた」相手に広告を掲出することができた。The Markup は調査の結果 Facebookがこのカテゴリをターゲティング広告購入のために使っている発見した。これに対してFacebookは「疑似科学」タグの使用は取りやめたと述べた。

TechCrunchの取材に対して、Facebookはタグを取り下げたことを確認した。プロダクト・マネジメント担当ディレクターのRob Leathern(ロブ・レザン)氏は「このカテゴリは以前のアップデートで削除されていなければならなかったが、今回は実際に削除した」と述べた。新型コロナウイルスによるパンデミックはニセ科学を売り込むには絶好の時期だということは言うまでもないが、最近、陰謀論や危険な民間療法の温床が巨大化するにつれ問題があらわになってきた。

先週ザッカーバーグ氏自身が挙げたように、人気のあるバカげた主張には「漂白剤を飲むと新型ウイルスに効く」とか「他人との距離を開けるソーシャルディスタンシングは無意味だ」といったものがある。広告収入が得られるという自明の要素を別とすれば、Facebookが名指しで批判されるまでこのカテゴリーを放置しておいた理由は明らかでない。

他の広告ネットワークやソーシャルメディアも誤情報、ニセ情報の拡散を抑制するために苦闘している。 Twitterは最近、COVID-19ガイダンスの注意リストに5G関連の陰謀論を追加した。われわれも報じたようにGoogleは身元確認義務を広告主全員に拡大すると発表している。
画像:Justin Sullivan / Getty Images
新型コロナウイルス 関連アップデート

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滑川海彦@Facebook

FacebookがインドのReliance Jio Platformsに約6100億円出資

Facebook(フェイスブック)は10年以上にわたり、インドで圧倒的なリーチを謳歌してきた。だが、急速に成長する中国のByteDance(バイトダンス)が世界第2位となったばかりのインターネット市場で手ごわい競争相手として浮上してきたところで、米国のソーシャルメディアの巨人は次の10年に向けた賭け馬を見つけた。

世界最大のソーシャルメディア企業であるFacebookは4月22日、インドのReliance Jio Platforms(リアイアンス・ジオ・プラットフォームズ、Jio)に57億ドル(約6100億円)を出資し、9.99%の持ち分を取得すると発表した。Jioは、インド国内で最も価値評価の高いReliance Industries(リアイアンス・インダストリーズ)の子会社となって3年半が経つ。3億7千万人以上の加入者を抱えるインド最大の通信事業者だ。

Jioのバリュエーションはプレマネーで659億5000万ドル(約7兆円)。この出資でFacebookはインドの通信ネットワークにおける最大の少数株主となる。

Facebookはこの投資が「インドへのコミットメント」を示すものであり、Jioと協力して「成長するデジタル経済において人々と企業がより効果的に事業を運営するための新しい方法」を生み出すことに焦点を当てるとしている。これは、テクノロジー企業による世界最大の少数株主投資であり、インドのテクノロジー業界に対する最大の海外直接投資でもある。

Facebookの最高収益責任者であるDavid Fischer(デイビッド・フィッシャー)氏およびFacebook Indiaの副社長兼マネージングディレクターであるAjit Mohan(アジト・モーハン)氏によると、コラボレーションの可能性として、JioとReliance Retail(インド最大の小売チェーン)のeコマースのジョイントベンチャーであるJioMartとWhatsAppの組み合わせが考えられるようだ。WhatsAppにとってインドは世界最大の市場で、4億人を超えるユーザーを抱える。Facebookのウェブサイトによると、Facebookのインドにおけるユーザー数は約3億5000万人に達する。「シームレスなモバイル体験によって人々がビジネスとつながり、さまざまなモノを選び究極的には購入することが可能になる」と2人は語った。

Jioは2016年下半期に開業し、6カ月間にわたり大量の4Gデータと無料の音声通話を提供することで、地域の通信市場を一変させた。通信会社間で始まった価格戦争で、ローカルネットワークプロバイダーのVodafone(ボーダフォン)とAirtel(エアテル)はデータプランとモバイル料金の改定を強いられた。両社は国内で最大の通信事業者となったJioに対抗すべく奮闘している。

JioのユーザーへのアプローチがFacebookの関心事かもしれない。Facebookはインドで無料のインターネットを提供するFree Basicsを拡大しようとしたが失敗した(同社はその後、Express Wi-Fiをインドで展開したが、その規模と潜在性はまだ比較的小さい)。

Jioの事業には音楽ストリーミングサービスJioSaavnを含む一連のサービス、スマートフォン、ブロードバンド、オンデマンドライブテレビJioTV、決済サービスJioPayがある。

写真:Dhiraj Singh/Bloomberg via Getty Images

Facebookの共同創業者兼最高経営責任者であるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)氏はブログ投稿で次のように述べた。「当社は金融投資を行った。ただそれ以上に、インド全土の人々に商取引の機会を開くいくつかの主要なプロジェクトに協力することを約束した」。

ここ最近の数四半期、Facebookは地域のスタートアップに関心を持ち始めている。昨年、同社はソーシャルコマースMeesho(ミーショー)に投資した。 今年の初めには、edtechスタートアップのUnacademy(アナカデミー)に小切手を切った。Facebookは2つのスタートアップにそれぞれ約1500万ドル(約16億円)を投資した。

モーハン氏は昨年のTechCrunchのインタビューで「当社はもっと多くの投資機会を求めており、インド市場向けのソリューションを構築するスタートアップと提携する用意がある」と語った。「当社が今行っている仕事を超える可能性があると思える分野ならどこでも、さらなる投資機会を探求したい」と彼は述べた。とはいえ、数十億ドル規模の投資はサプライズだ。

だがFacebookにとって、この取引にはもう1つの特典がある。Mukesh Ambani(ムケシュ・アンバニ)氏だ。インドで最も裕福なこの人物は、インドのNarendra Modi(ナレンドラ・モディ)首相と親密な関係にあり、同氏の会社は一貫して与党政府の政策提案を支持している。近年Facebookはモディ政権の下、インドでこれまで以上に精査されてきた。

アンバニ氏は声明で「2016年にRelianceがJioを立ち上げたとき、我々は『インドのデジタル・サルボダヤ(理想郷)』の夢に駆り立てられた。インドの包摂的なデジタル化は、すべてのインド人の生活の質を向上させ、世界をリードするデジタル社会としてインドを前進させる。従い、我々Relianceの全員がFacebookを歓迎している。Facebookは、すべてのインド人の利益のためにインドのデジタルエコシステムを成長させ変革し続ける、そのための長期的なパートナーだ」。

「JioとFacebookのシナジーがあれば、モディ首相の『デジタルインド』ミッションを実現できる。このミッションは2つの野心的な目標『生活のしやすさ』『ビジネスのしやすさ』をゴールとしている。すべてのインド人のすべてのカテゴリーにおけるミッションだ。例外はない。私はコロナ後のインドの経済の回復と最短期間での復活に自信を持っている。パートナーシップがこの変革に重要な貢献をするのは間違いない」とアンバニ氏は付け加えた。

10年以上の間、インド市場はFacebookとGoogle(グーグル)の2社が独占していた。Jioは消費者向けサービスを構築しているが、米大手企業のいずれかと直接競合するサービスはほとんどない。だが近年、ByteDance(バイトダンス)のTikTok(ティクトク)が、他社がリーチに苦戦しているユーザーを獲得している。TikTokはインドで2億5000万人を超えるユーザーを集めており(昨年時)、今年さらに1億人が加わる見込みだ。

Convergence CatalystのアナリストであるJayanth Kolla(ジャナンス・コラ)氏によると、TikTokはFacebookの見えないところで米国の企業ができなかったことをユーザーにもたらした。Facebookは予想通り、Lasso(ラッソ)という同様のサービスを構築しようとした。現在特定の市場でのみテストされているが、インドは含まれていない。

画像クレジット:Sanjit Das / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Cookie同意がいまだにコンプライアンス基準を十分満たしていないことが判明

アイルランドのデータ保護委員会(Data Protection Commission、DPC)により、オンライントラッキング業界がEUのプライバシーに関連する法律を未だに遵守できていないことが明らかになった。これらの法律は、少なくとも理論上は、同意なく行われるデジタル監視から市民を守るためのものだ。

画像クレジット:Tekke / Flickr under a CC BY-ND 2.0 license.

DPCは昨年、40の人気ウェブサイトを対象に広範囲にわたる調査を行った。調査対象分野には、メディアおよび出版、小売、レストランおよびフードオーダーサービス、保険、スポーツおよびレジャー、そして公共セクターが含まれる。昨日この調査に関する報告書が発表されたが、それによると、Cookie(クッキー)およびトラッキングコンプライアンスについて、ほとんどのウェブサイトで、軽微なものから深刻なものまで多数の違反が見られることが明らかになった。

20のウェブサイトは、規制当局により「イエロー」と格付けされた。イエローはコンプライアンスに対し十分な対応とアプローチを取ってはいるが、深刻な問題が1つ以上指摘されたことを示す格付けだ。12のウェブサイトは「レッド」と格付けされた。これは、コンプライアンスに対する対処が極めて不十分、Cookieバナーに関する数多くの悪習、同意を得ずに設定される複数のCookie、不適切なCookieポリシーやプライバシーポリシー、eプライバシー法の目的への理解が不明確であることを意味する。さらに3つのウェブサイトは「イエローとレッドの中間」との評価を受けた。

38社のデータ管理者のうち「ブルー」(懸念はあっても、それが簡単に修正可能であり、概ねコンプライアンスの基準を満たしている)の評価を得たのはたったの2社に過ぎなかった。そして1社は「ブルーとイエローの中間」だった。

EU法は、データ管理者がユーザーをトラッキングする法的根拠としてユーザーからの同意に依存する場合、その同意は具体的で、十分な説明があり、ユーザー自らの意思で選択されるものでなければならないと定めている。昨年の追加判決により、オンライントラッキングに関するガイドラインがさらに詳細に定められ同意を示すチェックボックスに事前にチェックが入っている場合は無効であることなどが明示された。

しかし、DPCは依然として実質上の選択肢のないCookieバナーが存在することを確認した。 Cookie通知はあるものの、ユーザーが深い理解のないまま「了解」をクリックするだけのダミーバナーなどがその例だ(ユーザーからの「了解」というよりむしろ管理者側の「データはいただき」に近い)。

実際、DPCが報告書によると、データ管理者の約3分の2が、Cookieバナーの文言による「暗黙の」同意に依存している(例えば、「このサイトの閲覧を続行することにより、Cookieの使用に同意したものとみなされます」などの文言)。これは必要な法的基準を満すものではない。

報告書には、「一部のウェブサイトは、DPCがかつて発行した現在は効力のない古いガイドラインを利用しているようである。古いガイドラインではそのような通知が示されている場合は、『暗黙の』同意は獲得できるとしていた」とある。さらに、DPCのウェブサイトに掲載されている現行のガイドラインは「暗黙の同意には何も言及していない。そこで焦点が当てられているのは管理者の義務というよりは、むしろCookieに対する同意をユーザーが自らの意思でする必要があるという点についてである」と書かれている。

他に明らかになったのは、1社を除く全てのウェブサイトがランディングページにCookieを設置していることである。法的観点から、「多く」はユーザーによるCookieへの同意を不要にする法的根拠はない。DPCではこのようなウェブサイトには関連規制における同意免除は適用されないと判断しているからだ。

またDPCは、トラッカーの使用に関し「厳密に必要とされる」というコンセプトが広い範囲で悪用されていることを突き止めた。同報告書では「多くの管理者は自らのウェブサイトに設置されたCookieを『必要』あるいは『不可欠』な機能として分類しているが、そのCookieの当該機能はeプライバシー規制/eプライバシー指令に定められた2つの同意免除基準のどちらも満たしていないようである。これらには、ユーザーからチャットボット機能を開始したいというリクエストがある前にチャットボットセッションを設けるのに使用されるCookieが含まれていた。そのウェブサイトのチャットボット機能が全く作動しないものもあった」としている。

報告書には「一部の管理者が『不可欠』の基準を誤解している、あるいは不可欠の定義を、規制5(5)に提示されている定義よりもかなり広範なものとしてとらえているのは明白である」と書かれている。

報告書で強調されたもう1つの問題は、今回調査の対象となったウェブサイトの一部では、サードパーティベンダーが販売するいわゆる「同意管理プラットフォーム」(CMP)が使用されているにもかかわらず、ユーザーが同意の選択を変更または撤回するためのツールが欠落していることである。

これは、今年初めに行われたCPMの独立調査と一致している。そこには、違法行為の蔓延が指摘され、「不正なやり口と暗黙の同意が至る所に見られる…」と記されている。

DPCは「一部のウェブサイトには、不適切に設計された、あるいは意図的に偽装された可能性のあるCookieバナーおよび同意管理ツールも見られた」と報告に記し、インターフェースを「紛らわしく、誤解を招くものにする」ようにQuantcastのCPMを実装した例を詳細に説明している(ラベルのないトグルや、機能を果たさない「すべてを却下」するボタンなど)。

事前にチェックの入った同意を示すチェックボックスやスライダーの使用は珍しくなく、38社のうち10社の管理者が使用していた。DPCによると、そのようにして得られた「同意」は有効ではないという。

「管理者のほとんどのケースで、同意は“ひとまとめ”にされている。つまり、ユーザーは各Cookieが用いられている目的に対し個別に同意ができない」とDPCは記している。「Planet49社に下された判決で明確になったように、これは認められていない。Cookie1つ1つに対する同意は必要ないが、各目的に対する同意は必要である。同意を必要とする1つ以上の目的を持つCookieには、目的毎に同意を得なければならない」

またDPCは、Facebookピクセルといったトラッキングテクノロジーが組み込まれたウェブサイトも発見した。しかし、その運営者は調査に対しこれらを記載せず、かわりにHTTPブラウザCookieのみを記載した。これは、一部の管理者が自らのウェブサイトにトラッカーが組み込まれていることを認識すらしていないことだとDPCは見ており、

「一部の管理者においては、ウェブサイトに搭載されているトラッキング要素について認識しているかどうかすら明らかでない。小規模のウェブサイトで管理や開発を第三者に外注している場合は特に」と述べている。

報告書によると、「不適切な慣行、とりわけ、eプライバシー規制とその目的に対する不十分な理解」の観点からみると、今回の対象を絞った調査で最も問題があることが判明したのはレストランとフードオーダーセクターであった。(得られた情報が多くのセクタ―の中のごく限られたサンプルをベースにしているのは明白ではあるが)

ほぼ全面的に法への遵守がなされていないことが判明したものの、ヨーロッパの大手テクノロジー企業の殆どに対する主要規制機関でもあるDPCは、さらに細かいガイダンスを発行することでこれに対処している。

これには、事前にチェックが入った同意を示すチェックボックスを削除すること、Cookieバナーをユーザーの同意を「誘導」するように設計してはならないこと、また、却下オプションも同様に目立つようにしなければならないこと、また不可欠でないCookieをランディングページに設置してはならない、など具体的な項目が含まれる。ユーザーが同意を取り消す方法を常に用意し、また同意の取り消しを、同意をするのと同じように簡単に行えるようにすべきであることも定めている。

このような内容は以前から明確ではあったが、少なくとも2018年5月にGDPRが適用されて以来、さらに明確になっている。DPCは問題のウェブサイト運営者に体制を整えるためにさらに6ヶ月の猶予期間を与え、その後EUのeプライバシー指令と一般データ保護規則を実際に施行する見込みである。

「管理者がユーザーインターフェースや処理を自主的に変更しない場合、DPCにはプライバシー規制とGDPRの両方より与えられた強制執行力があり、必要に応じて、管理者の法律の遵守を促進するために最も適切な強制措置を吟味する」とDPCは警告している。

この報告書はヨーロッパのオンライントラッキング業界の最新動向をまとめたものである。

英国の個人情報保護監督機関(Information Commission’s Office: ICO )は何ヶ月にもわたり、ブログに厳しい内容を投稿をしている。同監督機関の昨夏の報告書によると、プログラマティック広告業界によるインターネットユーザーの違法なプロファイリングが蔓延していることが判明し、やはりこの業界に改革のため6ヶ月間が与えられた。

ただし、ICOは、アドテック業界の合法なブラックホールにはなんら措置を講じていない。今年初めにプライバシーの専門家の一人が述べたように、「英国での記録史上最大のデータ漏えいを終わらせるための実質的な措置」がなく、批判が集まっている。

英国が違法なアドテック業界の取り締まりに手をこまねいている「悲惨」な現状を、プライバシーの専門家らが批判

英国のデータ保護規制当局は、業界全般に見られる行動ターゲティング広告に関連する法律違反の取り締まりに再度失敗し、これをプライバシーの専門家から非難されている。ただし昨夏には、アドテック業界に違法行為が蔓延しているとの警告があった。

情報コミッショナー事務局(ICO)は、一部のオンラインのプログラマティック広告に含まれるリアルタイムビディング(RTB)システムがユーザーの機密情報を違法な形で処理している疑いがあることを以前にも認めていた。しかし、ICOは、法律への違反が疑われる企業に強制措置を講ずる代わりに、本日穏やかな文言を連ねたブログを投稿した ― その中で、ICOはこの問題は(さらなる)業界主導の「改革」によって修正可能な「組織的問題」だと述べた。

しかし、データ保護の専門家は、そもそもそうした業界の自主規制こそが、今日のアドテック業界に違法行為が蔓延した原因なのだと批判している。

一方アイルランドのDPCは、GDPRに関する苦情を数多く受けてはいるものの、FacebookやGoogleなどのテクノロジー大手のデータマイニングビジネス慣行に対する、複数の国際調査に着手する決断を下していない。これには人々のデータを処理するための法的根拠に関する調査も含む。

この汎EU規制が施行されてからの2年を振り返る審査が2020年5月に行われる。この審査が厳格な最終期限をもたらす可能性がある。

[原文へ]

(翻訳: Dragonfly)

Facebook PageとInstagramが人気投稿の発信国をユーザーに明示へ、フェイク記事対策のため

FacebookとInstagramに「誰が投稿したのか」を確認することを容易にする機能が導入される。Facebookは「Facebook PageおよびInstagramに投稿される記事で読者の数が多数に上るものについては投稿者の所在地(国)を表示する」と発表した 。この機能はエンドユーザーが投稿アカウントの信頼性、正統性について理解を深め、システム全般の透明度を高めるためのもとだという。当面は米国で実施される。

Facebookは、米国以外の地域に所在するアカウントによるFacebook PageとInstagram投稿で米国内の大勢のユーザーが読む場合、アカウントの位置情報を表示する。

同社は「大勢」が具体的にはどのくらいの数なのか、またこれにより影響を受けるアカウントの数はどれほどかについては明言を避けた。

これは米国の政治や選挙に対して外国勢力が影響を及ぼそうとすることに対抗する措置の最新の試みだ。ロシアが支援するハッカーが大統領選挙に影響を及ぼそうとしたFacebookへの投稿は1億2600万人の米国人に読まれたことが明らかになっている。

このためFacebookでは、Page投稿に対していくつかのプロセスを追加し、政治的広告の透明性の確保を図った。

例えば2018年8月には、多数の米国人がフォローするFacebook Pageについて、フェイクアカウントや不法に利用したアカウントを使ってFacebook Pageを運営することを困難にするための対策が取られた。このこの措置でFacebook Pageには「このページの管理者」というセクションが追加され、米国向けのそうしたPageの管理者は2018年12月までに身元と所在地を確認することが求められた。

【略】

Facebookに公開された投稿には「この記事の投稿者は」に国名が続き、Instagramの場合は「投稿者の(所在国)は」と表示される。

ユーザーは、Facebook PageまたはInstagramアカウントに関してポップアップでさらに詳しい説明を得ることができる。ポップアップでは「このコンテンツを投稿した個人ないしアカウントは大多数のフォロワーが居住するのと別の国にいる。一部の投稿者は読者に実際の所在地でない国からの投稿と誤解させようとするため(FacebookまたはInstagramgは)これを防ぐために所在地を明記している」と説明される。

従来、投稿者の所在地の情報はFacebook Pageやプロフィールの奥のレベルに埋め込まれ、見落とされがちだった。それに比べるとこれは大きな前進だ。またこの情報はアカウントについて回るため、投稿が共有されるとき誤解を招く情報のバイラルな拡散を減らす効果が期待できる。

【略】

しかし最近の捜査によれば、ロシアのハッカーたちはフェイクニュースやプロパガンダ記事の制作をアフリカ諸国にアウトソーシングしているという。戦いはこれで終わりというわけにはいかない。

Facebookはこの所在地情報の公開をまず米国で実施すると述べている。同時に世界の多くの地域にFacebook PageとInstagramプロフィールの透明化をもたらす方法を検討しているという。新機能はすでにアメリカのFacebookユーザーに公開されており、Instagramでも順次公開される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

フェイスブックのMessenger Kidsが70カ国以上で新たにローンチ、新機能も追加

Facebook(フェイスブック)はMessenger Kidsを新たに70カ国以上でリリースし、またさまざまな市場で順次展開する新機能を発表した。新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックの影響で世界中の学校が閉鎖されている中、今回の新機能では、親の監視下で子供が連絡先を追加できるようになっている。

この新機能はSupervised Friendingと呼ばれ、米国時間4月22日に他国に先駆けて米国でローンチされる。この機能が実装される前は、子供たちはMessenger Kidsのコンタクトの追加を親に承認してもらう必要があった。しかしSupervised Friendingでは、自分の子供が連絡先を承認、拒否、追加、削除できるオプションを親が有効にできる。親はMessengerによって通知され、ダッシュボードを通じて子供による連絡先の承認を上書きできる。

2番目の新機能は、親が教師など他の大人を子供をグループチャットに参加させるかどうかを許可できるというものだ。現在のところ米国、カナダ、ラテンアメリカで利用可能な3番目の新機能は、子供の連絡先の友達とその親、Messenger Kidsを持っている親のフェイスブックフレンドの子供、親がアプリをダウンロードするために招待した人の子供を含む、ユーザーのサークルに表示できる。

Facebookによるとこれらの新機能は、児童発達、メディア、オンラインの安全性の専門家で構成されるアドバイザリーグループであるYouth Advisorsの協力のもとで開発されたという。また同社は2月に、子供が誰とチャットしているのか、何を共有しているのかを簡単に確認できるアクティビティログなど、親がMessenger Kids上での子供の行動をコントロールするための新しいツールや機能を導入している。その一方で、TechCrunchのSarah Perez(サラ・ペレス)記者が指摘しているように、Facebookのプライバシーポリシーには個人データを収集可能な余地が十分に存在するのも事実だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

フェイスブックが新型コロナアンケートシステムを米国で公開、全世界にも拡大予定

新型コロナウイルス(COVID-19)感染の兆候をモニタするアプリはこれまでも無数に開発されてきたが、今回発表されたFacebookのプロジェクトは影響範囲の広さが桁違いだ。

2020年4月初め、Facebookはカーネギーメロン大学(CMU)のDelphi疫学研究センター(Delphi Epidemiological Research Center)と新型コロナウイルス感染症のモニターに関して提携した。今回、Facebookはこのプロジェクトを全世界に拡大するという。同じく4月上旬から同社は米国のユーザーの一部に対し、新型コロナウイルス感染の自覚症状の有無をCMUの方法により自己チェックしてレポートするよう要請し始めている。これは流行が今後どこに拡大するか政府や医療当局が予測できるようにするプロジェクトだ。

Facebookのプロジェクトの拡大についてはメリーランド大学の研究者が協力する一方、CMUのDelphiチームはすべての研究者がデータを利用できるAPIを開発している。

Facebookは収集した調査データを独自の症候追跡マップに表示する。これにより郡(カウンティ)あるいは担当医療区域ごとに新型コロナウイルス感染症の症状を持つ住民が人口に占める割合を一覧することができる。マップには、新型コロナウイルスとは異なるインフルエンザに対する感染症候も表示される。多くの場所でまだ十分な報告が得られず、能力はまだ限られているが、この調査はウイルス感染拡大のトレンドを示すことで流行を予測可能とすることを目指している。

Delphi COVID-19対策チームの共同責任者、Ryan Tibshirani(ライアン・ティブシラニ)氏「我々が算出したリアルタイムの推定は、新型コロナウイルス流行に関する入手可能な最も確実なデータと高い相関があった。これにより、流行が拡大する可能性が高い地域を数週間前に予測して医療関係者に提供できるようになると確信している」と声明で述べている。

CMU Delphiの調査にオプトインしたFacebookメンバーは咳、発熱、息切れ、または嗅覚の喪失が発生しているかどうかを回答する。これら新型コロナウイルス感染の初期症状であり、治療が必要な重症化の前に現れる可能性が高いため医療関係者にとって重要だ。

CMUが月曜に発表した最初のレポートによれば、 Facebookで収集された新型コロナウイルス感染に関するデータは公衆衛生機関からの確認ずみデータと高い相関があったという。研究チームはCOVIDcastと呼ばれるツールを発表した。これは、新型コロナウイルス関連データを地域別に集約する。 Googleもこの調査に協力を始めているので今週後半にはCOVIDcastはFacebookとGoogle双方のアンケートの結果を統合できる。現在までにFacebookで毎週100万件、Googleのインセンティブ付きアンケートアプリ、GoogleアンケートモニターとAdMobアプリを通じて毎週60万件の近くの回答が得られている。

Washington Postの意見コラムでFacebookのファウンダーであるMark Zuckerberg(マーク・ザッカーバーグ)はこう書いている。

「全米で郡ごとに正確なデータを取得することは難しい事業だ。そうした厳密なデータを全世界から取得するとなると困難さははるかに大きくなる。しかしFacebookは膨大な人たちに対してアンケートを行う上で極めてユニークな立場にある」。

プライバシーやセキュリティー上の問題で長らく批判されてきたソーシャルメディアは、新型コロナウイルスとの戦いを機に自らの重要性を再認識させようと努力している。ことにネガティブな報道に苦しめられてきたFacebookは医療専門家からの新型コロナウイルス情報をプラットフォームに掲載するなどいち早く対応を開始した。しかしFacebookや他のソーシャルネットワークは、新型コロナウイルスの場合でもデマ火事場泥棒陰謀論に悩まされ続けており、こうしたノイズを運営者が一掃するのは簡単ではないようだ。

【略】

画像クレジット:Angela Weiss / AFP / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook