Facebook、新しいデベロッパーツールを発表。アカウントキット、プッシュ、引用シェア等

facebook-account-kit

今日のF8カンファレンスの主役はチャットボットかもしれないが、Facebookは様々な開発ツールを公開して、デベロッパーがアプリを開発し、成長させ、そして収益化する手助けをしようとしている。Facebookは、開発プラットフォームのPasreを閉鎖する予定だが、新たなウィジェットやボタン、API等を追加している。

アカウントキットは、アプリ用の新しいプラグインで、ユーザーはFacebookアカウントだけでなく、電話番号またはメールアドレスを使ってサインアップできる。これは、ダウンロード後にサインアップするコンバージョン率が高くなることを意味している。インドの音楽サービス、Saavnは、アカウントキットで電話番号によるサインアップを追加してから、アカウントサインアップが33%増加したという。

DSC05608

ユーザーはFacebookでリンクを投稿する時、テキストを引用するのが大好きだ。Facebookがウェブやモバイルサイト向きに作った新しいプラグインを使うと、引用部分が強調された特別なタイプのニュースフィード記事を作ることができる。デベロッパーは、自動的に引用したり、テキストを選択するとポップアップするボタンを置いて、ユーザーがコピー&ペーストしなくて済むようにできる。

Account Kit_phone number login_2デベロッパーはカスマイズ可能なプッシュ通知とアプリ内通知を使って、キャンペーンをプッシュしてユーザーをアプリに引き込んだり、既にアプリ内にいるユーザーを新たなコンテンツやオプションに誘導することができる。

Facebookは、デベロッパー向けドキュメントを新たに16ヵ国語に翻訳して、翻訳の手間を省いて開発に時間を費やせるようにした。

またFacebookのAnalytics for Appsが強化され、デベロッパーはプライバシーに配慮した匿名の方法でユーザー情報を得られるようになった。年齢、性別、国、言語だけでなく、いいね!や関心事、教育レベル、職位等も収集できる。

さらにデベロッパーは、既に自社アプリを使っているユーザーからこれらの情報を収集して、同様の層をターゲットにしたFacebook広告を買えるようになった。例えば、ソフトウェアエンジニアに特に人気のあるアプリがあれば、Analytics for Appsを使ってそのことを知り、同様の人たちをターゲットにした広告を打ってユーザーを獲得することができる。

全体的に見て、これらのツールはデベロッパーをFacebookエコシステムに引き寄せ、それを強化してFacebookアカウントの価値を高めるよう説得すると共に、Facebook広告を買う気にさせようとするものだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、高度なボットを作るための「ボットエンジン」を公開

dsc05719

今や、Messengerはボットがすべて。Facebookは予想通り、F8カンファレンスでSend/Receive APIを公開した。これを使えば、Messengerで何かを探したり企業とやりとりするボットを作れる。しかし、機械学習を使ってもっと複雑なシナリオを作りたいときはどうするか?ボットエンジンがある。Facebookの強力なボット用フレームワークだ。

ボットエンジンは、Wit.aiの技術をベースにしている。昨年FacebookはWit.aiを買収し、後にWit.aiのプラットフォームを使ってM for Messengerを作った。

しかしFacebookは、ボットエンジンでは別の戦略を採用した。もしこのフレームワークがデベロッパーに受け入れられれば、Messengerユーザーは様々な種類の小さな専門化したボットを使えるようになる。

「Send/Receive APIは十分以上」と、Facebookのメッセージング製品担当VP、David Marcusは言った。「しかし、もっと複雑なボットを作りたいなら、ボットエンジンを使える」。

ボットエンジンは機械学習を利用している。会話のサンプルを渡すと、同じ質問の様々なバリエーションを扱うことができる。

デベロッパーは時間と共にボットを改善することが可能になり、その可能性は非常に大きい。例えば、ユーザーは映画ボットと対話して、上映時間や評価等について気軽に質問すればいい。コマンドを入力するというより、人間と話すイメージだ。

ボットエンジンは今日から利用できる。この新しいフレームワークを解析してどれほど強力かを知るのが楽しみだ。すでにMicrosoftの相当品よりは強力そうだ。しかしこれで、メッセージングアプリの上に高度なボットを作るスタートアップたちによる、新しい分野が開拓されることは間違いない。

DSC05722

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

F8カンファレンス:FacebookがMessengerのチャットボットのプラットフォームを発表

2016-04-13-chatbots

FacebookはF8 2016デベロッパー・カンファレンスでMessengerを利用した企業のチャットボットのプラットフォームをリリースした。これにより、見込み顧客の質問へのの回答、カスタマー・サポート、eコマースの手続き説明など、あらゆる対話的なリアルタイム・コミュニケーションが可能になった。Facebookではデベロッパー・ネットワークとビジネス・エコシステムの巨大さにものをいわせて、MessengerをすべてのSMSを合わせたより大きな存在にしていく計画だ。

一方、KikLineTelegramなどライバルのチャット・サービスはすでに独自のボット・プラットフォームを展開している。

今回のF8カンファレンスでのFacebookの発表はTechCrunchが2月に掲載したFacebook、メッセンジャーをプラットフォームにするためチャットSDKを準備というスクープを裏付けることになった。われわれは先週、F8でFacebookはチャットボットとライブチャットAPIを発表する予定.だという記事でフォローしている。 [アップデート:このプラットフォームの正式名称は“bots on Messenger”となった。われわれが報じた“agents on Messenger”は発表以前の部内のコードネームだった]

DSC05478

F8でFacebookはチャットボットの新機能にいち早くアクセスできる提携デベロッパーの長いリストを発表した。 たとえばMessengerで受け取り者の名前を入れたメッセージを1-800 Flowersに送るとその相手に自動的に花束がプレゼントされる。CNNはユーザーが要求した関心あるテーマについてMessengerで毎日記事の要約を送ってくれる。ユーザーは必要ない記事を大量に送りつけられて迷惑せずにすむ。

マーク・ザッカーバーグは、「人工知能と自然言語処理〔の発達〕と人力の補助により、ユーザーはMessengerボットに友達に話しかけるのと同じように話かけることができる」と説明した。.

Messengerボットの仕組

MessengerプラットフォームのSend/Receive APIを調べるとボットは単純な文字列だけをやり取りするのでないことがわかる。ボットは 画像、リンク、行動を起こすボタンを含むstructured messages〔構造化メッセージ〕を処理できる。ユーザーはボットとの会話を通してレストランを予約したり、eコマースでの購入履歴を調べたり、必要とあれば追加注文をしたりできる。カルーセル式に横移動するカタログをスワイプして目を通し、気に入った商品があればウェブ・ページに飛んで購入を完了するといった使い方が可能になる。

ただし注意すべきなのはボット・プラットフォームが現在支払機能をサポートしていない点だ。Messengerにクレジットカード情報を登録しているユーザーであってもボットを通じて支払を行うことはできない。

Messenger commerceMessenger support

新しいMessenger画面のトップに常に表示される検索バーはボットを探すのに便利だ。すでにSMSで顧客とコンタクトを取っている企業の場合、電話番号照合ツールで簡単にユーザーのMessengerアカウントにアクセス可能だ。これはTwilioとの提携によって可能となった。ユーザーに会話の主導権を保証するためにボットとの会話では画面トップに「ブロック」ボタンが常に表示される。このボタンを押せばボットを即座に黙らせることができる。

デベロッパーは単独でボットを開発することもできるが、Facebookのボット開発パートナーとなることもできる。またFacebookは自然言語処理のWit.aiを買収して得たテクノロジーを用いた独自のBot Engineによるインターフェイスを用意している。 これはFacebookが教室向けに提供しているシステムと同じもので、Bot Engineを用いたサンプル会話が配信される。またこのシステムは会話の進め方を独自に学習する機能がある。

Mfacebook

人海戦術は時代遅れ

チャットボットは突然テクノロジー界の最大のテーマとなった。ボットはそれぞれのユーザー別にカスタマイズされたリアルタム双方向コミュニケーションを容易にスタートさせることができる。現在のコールセンターや営業部隊と同じような機能を果たすが、はるかにスケールしやすく、コストも低い。

Facebook CNN Chatbot

ごく控えめな予測でもチャットボットが 1-800〔無料通話〕を置き換えることになるのは間違いない。人間が配置されたコールセンターには一定の営業時間があり、繋がるのを待つ時間があり、延々と転送を繰り返される。また担当者が調べ物をする保留時間や人間と会話する精神的ストレスなどもある。こうしたことはチャットボットには無縁だ。

Messengerその他のプラットフォームのボットが広く採用されることになると、セールスやサポートに関する企業活動が一変する可能性がある。ユーザーが自分からカタログの詳細をチェックしなくても、購入にあたってポイントとなる基準を伝えれば、ボットが即座に関連する情報を教えてくれる。ニュースサイトの場合も、大量の無関係な記事をより分けたりせず、興味ある記事だけがタイムリーに手元に届くことになるだろう。ボットは関連する情報やリンクも教えてくれる。

現在FacebookはWhatsAppを買収した状態のままなのシンプルなメッセージ・サービスにとどめている。しかしMessengerにおけるeコマースなどビジネス利用、チャットプラットフォームの導入などが成功すれば、FacebookはこれらをWhatsAppに導入しようと考えるかもしれない。

チャットボット・プラットフォームはもちろんビジネスの一環だ。Facebookは企業が「スポンサー・メッセージ」、つまり広告を送信することに課金す計画だ(このメッセージはMessengerでユーザーが自発的に企業にコンタクトを取ったときに限り送信が許可される)。また広告主は「クリックしてMessengerのボットに飛ぶ」タイプの広告をニュースフィードに掲載することができる。とどちらのタイプの広告もボットが大きな役割を果たし、効率化とコストの削減に寄与するだろう。

チャットボットに力を入れ始めたのはもちろんFacebookだけではない。しかし9億人というMessengerの膨大なユーザー数を考えれば、広告プラットフォームとしてのメリットは言うまでない。デベロッパー・エコシステムが順調に成長すれば、ビジネスにとってMessenngerはもっとも魅力的なボット利用プラットフォームとなるだろう。企業は見込み顧客数が最大となりそうな場所に引き寄せられる。現在Facebookより巨大なソーシャル・ネットワークは存在しない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookのチャット機能MessengerがDropboxのファイル共有をサポート、ビデオのChat Heads表示も

facebook-messenger-dropbox-screenshots

みなさまに、良いお知らせ。Facebook Messengerに新しい機能が二つ!

最初のは、今やどのメッセージングアプリもそうなりつつあるが、メール的な機能だ。誰かと会話しながら、そこへ、あなたのDropboxのファイルをポップアップできるのだ。

会話中に、”More”ボタンを押す…あのおとろしいBitmojiを入れるときみたいに。するとDropboxが表示されるから、ふつうにファイルやディレクトリ(a.k.a.フォルダ)をセレクトする。

写真やビデオならそのままチャットに表示され、そのほかはDropboxアプリへのリンクみたいになったり、あるいはデスクトップからシェアするときのようにWeb上の共有URLが表示される。つまりFacebookがあなたの秘密のPowerPointsやPDFなどをホストするのではなくて、リンクを提供するだけだ。

これでチャットにおけるDropboxの利用と共有がものすごく簡単になり、いろんなユースケースが広がるだろう。Facebookには2012年からGroupのファイル共有機能はある。本誌のライターJosh ConstineはDropboxについて、“もっと積極的な成長策を”、と言い続けてきたが、今回やっとD社も、彼の言葉に少し反応したようだ。

chat heads messenger

お次は: ビデオチャットにこれからは、全画面ではなく“Chat Head”インタフェイスをずっと使うことができる。この円形の浮遊するビデオチャットインタフェイスは、Androidの場合、Facebookのチャットだけでなく、ほかのアプリを使ってるときでも出る。iOSでは、残念ながら、Messengerだけだけど。

この二つの新機能は数日後に可利用になる。アップデートに注意しよう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、性別による賃金格差はないと発表

3_sparkle_600

全世界で32%の女性従業員をもつFacebookには、性別による賃金格差がないようだ。Facebookの人事責任者、Lori Golerによる。

米国では、男性が1ドル稼ぐのに対して、女性は約0.76ドルしか得ていないと、2016年のGlassdoorの調査は報告している。IT業界の性別格差は米国平均(5.4%)に近く、業界では中程度に位置している。とはいえ、コンピュータプログラマー(28.3%)、CADデザイナー(21.5%)、ビデオゲームアーティスト(15.8%)等、格差の著しい技術職種もある。しかし、どうやらFacebookには、これらのデータがあてはまらないようだ。

われわれは確かな賃金平等を実現するため、給与形態を定期的に見直しており、これを何年も前から行っている」とGolerはFacebookブログに書いた。「同等の仕事をしている男女の給与を比較する、入念な統計的分析を実施している。Facebookでは、男も女も同じ収入を得ていると報告できることを誇りに思う」。

Facebookには、性別賃金格差はないかもしれないが、依然として性別による採用格差をはじめ、労働に関する様々な性差別がある。Facebookは米国で、白人55%、アジア系36%、ラテン系4%、黒人2%であることが、最新の多様性レポートに書かれている。

「もちろん、まだやるべきことは常にある」とGolerは書く。「しかし私たちは、賃金平等のリーダーであることを誇りに感じ、これに言及する必要すらなくなる時が来ることを待ち望んでいる」。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、Messengerのビジネス利用をプロモーション―ページに短縮URLとスキャン可能コード導入

Extensive series with shoppers and growers in a plant or flower nursery.  Multi-ethnic group includes Caucasians and Asian Americans.

Facebookは今日(米国時間4/7)、企業は運用するページ内から簡単にMessengerが利用できるようになると正式に発表した。

ビジネス向けのこの機能については昨日からユーザーの報告が相次いでいた。Facebookは企業がプラットフォームとしてさらに効果的に利用できるよう、専用のツールもリリースしている。これらのアップデートの一環としてFacebookページは企業ページ名がさらに多くのメンバーの目に触れるようにすると同時に、顧客が企業とチャットする手段を新たに2種類提供した。ひとつはMessengerリンクで、これは本質的には短縮URLだ。もうひとつはMessenger内に表示されスキャンできるコードだ。

Facebookの個人メンバー同様、Facebookページもfacebook.com/JaspersMarketのようなカスタムURLを持つことができる。こうしたいわゆ「バニティーURL」を設定しているビジネスの場合、ユーザー名は自動的にスラッシュの後が用いられる。つまり@JaspersMarketとなる。

設定されたユーザー名は企業のFacebookページのトップ、タイトルの直下に@マーク付で大きく表示される。短縮URLをまだ作っていないページの場合は、新しくユーザー名を作る必要がある。また以前あまり注意を払わず短縮URLを作ってしまったページは覚えやすい適切なURLに変更する必要があるだろう。

  1. 12057255_993514144051606_782868524_n.jpg

  2. 12601312_191053397944919_477478883_n.jpg

近く実施されるこのアップデートはFacebookが顧客とビジネスを緊密に結びつけるプラットフォームとなるという戦略的なビジョンを実現する一環とみられるが、そうであれページの運営者にとってはユーザー名の選択は非常に重要なものとなる。ビジネスの内容を効果的に表示するユーザー名の登録を巡って、ドメイン名の登録で見られたような先陣争いが起きるかもしれない。

Facebookによれば新機能は「向こう数週間のうちに利用可能になる」という。これと同時にMessenger Linksと呼ばれる短縮URLとCodesと呼ばれるスキャン可能なコードも提供される。

12481743_220453861675538_1119022713_n

Messenger Linksは上記のように、ユーザーが簡単に記憶可能な短縮URLで、これがページのユーザー名を兼ねる。設定にはFacebook独自のURL短縮メカニズムが用いられる。フォーマットは“m.me/username”だ。ユーザーが短縮URLをクリックすると即座にMessengerで企業とチャットを始めることが可能になる。.TechCrunchが今年に入ってFacebookが新機能を開発中だというニュースを報じた。

Messenger Codesも目的はユーザーと企業のチャットの開始だが、方法が異なっている。Messengerに表示されるのはスマートフォンのカメラでスキャン可能なQRコードに似たコードだ。コードをスキャンして新たな友達をネットワークに加えるという手法は最初にSnapchatが採用し、非常にポピュラーになった。Facebookもこの手法を採用しようとしている。

ただし、今回Facebook Codesが提供されるのは企業ユーザーだ。コードも本質はURLなので、Facebookは「広告や自社ウェブサイトなどオンラインのあらゆる方面で利用可能」だとしている。Messenger Codeの画像はPageの受信トレイを通じてダウンロードできる。

12919916_10156878445055195_3119686625306675850_n

ただし、スキャン可能なコードも短縮URLもビジネス利以外に広い応用範囲がある。Facebookは「Messengerの新機能は、将来は一般ユーザーにもアクセス可能になる」とあまり目立たない形で予告している。これは論理的にいって当然考えられる次の段階だ。手間をかけてこの機能を開発した以上、利用を企業ユースに限るのは理屈に合わない。ビジネス・ユーザーにページに注目させるというのが当面の主要なテーマだというにすぎないだろう。

FacebookのMessengerプロダクトの責任者、David Marcusのブログによれば、「企業同様に一般ユーザーもLinks(短縮UR)とCodes(スキャン可能コード)を持つことになる」としている。

Marcusはまた「Messengerの月間アクティブ・ユーザーは9億人であり、企業とユーザーの間でやり取りされるメッセージの数は毎月10億に上る」としている。

12481745_967252169991442_452072590_n

Facebookはブログの最後に「企業は近く“Messenger Greetings”をカスタマイズできるようになる」と書いている。この「Messengernのあいさつ」というのは企業がユーザーとチャットするとき、本文メッセージの前に挿入される企業の短い自己紹介文だ。企業はテキスト中に顧客に知らせておきたい重要情報も含めることができるようになる。

Facebookがビジネス・ユーザー向けにカスタマイズ機能を提供するのはこれが初めてではない。われわれも昨年報じたとおり、Facebookはi「保存済みの返信」という機能をリリースしている〔ページの管理者はテンプレートを自由に編集し、保存、利用できる〕。【略】

FacebookによるMessenger機能の強化は、ソーシャル化にあたって多くのユーザーがスマートフォン上で長い時間を過ごし、リアルタイムのチャットアプリを利用する傾向が強まっているトレンドに対応したものだろう。しkし企業の多くはまだMessengerあまり使っておらず、従来どおりページの利用に力をいれている。しかし新しいツールが「向こう数週間」のうちに公開されれば、企業ユーザーはFacebookのモバイル・メッセージ・アプリの利用に真剣に取り組む必要があることに気づくはずだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookがリアルタイム・モバイルビデオのハブになる―大規模アップデートでYouTubeに攻勢

2016-04-07-facebook-video-hub

今日(米国時間4/5)、Facebookはモバイル・アプリ内からライブ・ビデオを録画、検索、視聴できる専用タブ、Facebook Liveを発表した。FacebookのYouTubeなどに対する全面的攻勢が始まった。

このLiveタブは以前Messengerへのリンクとなっていたアイコンを置き換え、文字通りFacebookのセンターステージを占領している。ビデオはカテゴリーに分類され、Facebook上でワンタップでビデオを共有、視聴することができる。もはやニュースフィードに散らばったビデオのリンクと格闘する必要はない。

Screen Shot 2016-04-06 at 5.29.13 AM

Facebookがライブビデオに賭ける熱意を表すビデオハブ機能はiOS版とAndroid版が用意されており、ここ数週間で世界のユーザーに公開される〔日本版:今朝はまだ日本では公開されていない〕。来るべきアップデートにはビデオハブ以外にもライブビデオ機能を中心とした改良が数多く含まれている。

  • 自サイトでなくFacebookのライブビデオ機能を利用してビデオ放映を行うメディアなどのサイト運営者に対する報酬の支払い 
  • 特定のテーマを共有する家族やグループが利用するFacebookグループでのライブビデオの利用
  • イベント・ページでメンバーを招待し、あるいは報告する際にQ&Aやライブビデオを含めることができる。結婚式に参加できなかった招待者がパーティーの模様をビデオで視聴可能
  • ライブ視聴の際のリアルタイムでコメント書き込み
  • ビデオをアップロードする際、検索されやすくするために内容に応じたタグづけ
  • Facebookの6種類の「いいね!」、「ひどいね!」絵文字が動画に表示される(Periscopeのハート印の表示に似ている)
  • カラー調整フィルターが5種類用意され、ライティング不要で見やすい動画に
  • 動画視聴に友達を口コミで招待
  • 世界で動画をライブ放映しているユーザーのマップ(現在はウェブ版のみ)。
  • Snapchat式の動画への手書き書き込み(発表のみで未実装)
  • ライブビデオの反応の表示。現在ビデオを見ているユニーク・ユーザー数が表示される。さらにビデオ放映の終了後、どの時点で何人が観ていたかを示すグラフが表示可能。

この大掛かりなアップグレードでFacebookはライブビデオの機能に関してTwitter傘下のPeriscopeを一気に追い抜いた。特にライブでビデオを視聴しながらコメントができる機能はベータテストで書き込みを10倍に増やす効果があったとFacebookでは述べている。

ライブビデオ機能は思いつきでFacebookに追加されたというわけではない。Facebookのビデオ機能の責任者、Fidji Simoによれば「このソーシャルネットワークの本質的な機能に根ざし、それらを拡張、強化するもの」だという。【略】

カメラさえあれば「アクション!」だ

Facebookがセレブや著名人を対象としたライブビデオのテストを始めたのは昨年夏にさかのぼる。昨年12月には一般ユーザーもFacebookのタイムラインでライブビデオを視聴できるようになっていた。しかし今回のアップデートで、テレビ局やセレブ、スターだけでなく、誰もがビデオをライブで公開できるようになった。24時間後に削除されるPeriscopeビデオと異なり、Facebook
Liveのビデオは恒久的に保存され、いつでも再生可能だ。

だが先行するPeriscopeは昨年3月に公開されて以來、リアルタイムビデオ共有の代名詞となっている。3月末の時点で公開されたビデオの総数は2億本となり、先月1ヶ月だけで1億本のビデオが共有されている。Facebookが挑戦する相手は巨大で機能も優れており、現時点で市場の支配者であるることは間違いない。

Live Map

Facebook Liveのマップ機能は世界中、誰がどこでライブ配信をしているかを示す

こうした状況hがFacebookがライブビデオ機能をニュースフィードのもっとも目立つ場所に表示した理由だろう。 FacebookのSimoは私の取材に対して「なんであれ先行者に優位性がもたらされるのは確実だ」と述べている。

Facebookページの場合と同様、こうしたプロモーションの努力が結果を出し、ビデオ機能の利用者の数がライブビデオの代名詞となるまでに増えることを期待している。とSimoは「昨夏以來、われわれがメディアやセレブにライブビデオの放映に協力を求めてきたのもライブビデオというコンセプトに慣れ、仕組みを知ってもらいたかったからだ」と述べた。

特にライブビデオが視聴統計の収集と表示に力を入れているのもビデオ放映者がFacebookを利用する理由になるかもしれない。またテレビ局など、プロのエンジニアが放映するビデオのためにAPIも用意されている。これはすでにNew York Timesが放映に利用したことをSimoが認めた。

livemetricsbannerfinal-1

さらにSimoによれば Facebookは一部のパブリッシャーに対し、自サイトでなくFacebookでライブビデオを放映するインセンティブとなるべく、ビデオ放映のコストに相当する額がFacebookから支払われるという。【略】

New video destination Android

こうした初期のプロモーションの努力は大いに理にかなっている。オンラインにおけるビデオ広告はマーケティングにおけるもっとともホットな分野であり、ブランドはテレビCMに匹敵する巨額の資金を投じる用意がある。多くのユーザーがFacebookでライブビデオを公開し、さらに多数のユーザーが視聴するようにれば、ライブビデオのユーザーベースは大きく拡大する。ブランドはビデオ間に広告を挿入し、あるいはビデオの末尾に「その他のお勧め」としてプロモーションを行うことができるだろう。

もちろんネットにおけるエンターテイメントはきわめて競争が激しい。Facebookはベストの品質でなければならない。しかしそうであればビデオハブは多くのユーザーやクリエーターを惹きつけることができ、YouTube、Periscope、Snapchat等々に対して優位性を獲得することも可能になるだろう。

FacebookのF8デベロッパー・カンファレンスに行く予定の読者は月曜夜にサンフランシスコで開催されるTechCrunchのプレF8ミートアップにもぜひ参加を。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookの視覚障害者用画像説明ツールがまずiOSでローンチ、独自のオブジェクト認識技術を使用

image_accessibility_team

Facebookが、視覚障害者に同サイト上の画像が“わかる”ためのツールAutomatic Alternative Text(ALTテキスト自動生成)をローンチした。画面上に何が表示されているのか知りたい人のためにATTは、オブジェクト認識技術を使って、Facebook上の写真の説明文を生成する。このツールは、Facebookのアクセシビリティチーム(上図)が数か月かけて作った

Facebookの初めての視覚障害者の技術者であるMatt Kingが、昨年10月に次のように語った:

“ニューズフィードのどれぐらいにビジュアルがあるだろうか。たぶん、ほとんどのニュースにあるだろう。コメントも、写真に関するものが多いし、ニュースをポストする人も写真について何か言ってることが多い。でもそんなテキストからは、その写真に何が写ってるのか分からないね。ぼくみたいな者にとっては、そこで何が行われているのか、何について話しているのか、それを知りたいんだけどね”。

ATTの前には、その写真を共有している人の名前は聞けた。Facebookに写真を投稿した人の、写真に関する説明文も聞けた。しかしATTなら、“画像には戸外で三人の人が写っていて微笑(ほほえ)んでいる”、といったテキストを聞ける。

  1. image_product_shot1.png

  2. image_product_shot2.png

  3. image_product_shot3.png

このFacebookのATTを駆動しているオブジェクト認識技術は、パラメータの数が何百万もあるニューラルネットワークを、何百万ものオブジェクトで訓練したものを使っている。ニューラルネットワークは、機械学習の基本形式の一つだ。画像認識の場合、ニューラルネットワークはパターン認識システムだ、と考えればよい。

ATTが使っているFacebookの技術は、画像と言葉をいくつかのカテゴリーに分類しながら認識する:

・交通(自動車、ボート、オートバイ、などなど)
・自然(アウトドア、山、波、太陽、草、などなど)
・スポーツ(テニス、水泳、スタジアム、などなど)
・食品(アイスクリーム、寿司、デザート、などなど)

また、物の外見を説明する語として、(赤ちゃん、眼鏡、微笑んでいる、宝石、セルフィー、などなど)も使用する。

AATが今対応しているのはiOSの画面のみ、言語は英語のみだ。視覚障害者のFacebook利用は、iOSデバイス上がいちばん多い。ただしもちろん、今後はほかのプラットホームや言語にも対応していく。ATTが実際に使われている様子を、下のビデオでご覧いただこう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

北朝鮮がTwitter, Facebook, YouTubeへのアクセスをブロック

north-korea-flag

エイプリルフールのジョークではなかったニュースによると、北朝鮮が今週から、同国内におけるTwitter, Facebook, YouTubeなどのWebサイトへのアクセスをブロックしている。

北朝鮮の首都平壌に支局のあるAP通信の報道では、政府はYouTube, Facebook, Twitter, Voice of America, およびいくつかの韓国のWebサイト、ポルノやギャンブルのサイトを、“一定の期間”ブロックするインターネットサイトのリストに載せている。さらに加えられている、とされる発表では、これらのサイトに“不正な”方法でアクセスしようとしたり、“反共和国的なデータ”を配布する者は処罰される。それがどういう刑かは、明らかでない。

北朝鮮はどう見ても、インターネットアクセスが一般的に普及しているところではない。同国は携帯電話のユーザーが200万人いるとされるが、インターネットアクセスは政府職員やその他の高い地位の者に限定されている。今度のブロック措置によって、この国の情報アクセスはさらに制限されることになる。

北朝鮮の唯一のモバイル事業者Koryolinkは2013年に、訪問者にモバイルによるインターネットアクセスを認めたが、– 一部に閉鎖のような現象があり、Instagramもときおり不調だった– にもかかわらず、それによって世界でもっとも孤立的な国からの画像や情報が、より幅広いオーディエンスにもたらされた。

そのときは、北朝鮮が一般国民にもインターネットアクセスを認める方向に動く、と期待されたが、これらのWebサイトをブロックしたことは、その期待に反している。北朝鮮からのすばらしい画像を共有しているアカウントの多いInstagramは、今のところはアクセス可能だ。

本誌TechCrunchは今、Twitter, FacebookおよびGoogleに、確認とコメントを求めている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、パキスタン自爆テロの安否確認通知を他地域のユーザーに送ったことを謝罪

shutterstock_140953558

Facebookは、日曜日(米国時間3/27)にパキスタンのラホーレで起きた自爆テロの安否確認通知を、誤って米国、英国を含む他の地域の人々に送ってしまったことを謝罪した。SMSで通知を受けたユーザーは恐れをなし、混乱した。なぜならテキストには「あなたは爆発の影響を受けましたか?」と書かれているだけで、どこで起きたかが書かれていなかったからだ。

Facebookは、Facebookの災害対応ページの投稿で、通知は誤って送られたものであることを伝えた。「この種のバグは我々の意図に反するものだ。直ちに問題を解決したことを報告し、誤って通知を受け取った方々にお詫び申し上げる」

Facebookは、災害に遭った地域のユーザーが自分は無事であることを発信する場として2014年10月に、安否確認サービスを開始した。これは、自分が安全であることを、すばやくFacebook友達に伝えられる便利な機能だ。

しかし、自動化システムである安否確認は、時として無神経とも思われる間違いを犯すことがある。大惨事の後では特にそうだ。例えば2015年11月のパリ同時多発テロの後に開設した安否確認ページが、その前日にベイルートで43人が死んだ自爆テロの時には開設しなかったことを、Facebook CEO Mark Zuckerbergが謝罪した

原文へ

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

FacebookのTimehopクローン、「過去のこの日」はすでにユーザー6000万人

2016-03-26-onthisday

Facebookのノスタルジー機能が発表されてからちょうど1年経つ。Facebookは「過去のこの日」の誕生1周年を記念して、いくつかの数字を発表した。

過去のこの日」Timehopを大胆にコピーしたサービスだが、スタートアップの良いアイディアを大きいプラットフォームが横取りするのがいかに成功への近道であるかを実証してもいる。毎日6000万人がFacebookの「過去のこの日(On This Day)」を訪問しており、1億5500万人が通知を購読している。このサービスは過去のその日の写真、近況、その他Facebookへの投稿を再現する。

ちなみにTimehopは2011年に開始されており、2014年の終わりには1200万の登録ユーザーを集めた。1日あたりアクティブ・ユーザー(DAU)は600万人だ。

TimeHop vs On This Day

上のスクリーンショットを見ればわかるとおり、右側の「過去のこの日」は先行サービスであるTimehopにあまりにも似すぎている。

「過去のこの日」がリリースされたとき、TimehopのCEO、Jonathan Wegenerは脅威になるという見方を抑えようと懸命だった。Wegenerは私の取材に対し「〔Facebookの新サービスは〕Timeopが価値のあることをしているのだという印象を強めた。われわれの投資家の一人は『Facebookが真似しないようだったそのサービスはそもそもやる価値がないのだろう』と言ったがうまい表現だ」と語った。TimehopはShasta Ventures から2014年7月にシリーズBのラウンドで1000万ドルを調達した他、総額1410万ドルのベンチャー投資を受けている

Timehopは現在もTwitterその他のソーシャルメディアから多くの訪問者を集めているが、「過去のこの日」がカバーするユーザーが増えるにつれて、Facebookのユーザーからの利用は下降するだろう。Facebookは15億9000万人という途方もないユーザーベースにものを言わせてニュースフィードでプロモーションに努めた結果、スタート以來わずか1年で「過去のこの日」の利用者を5倍に増やした。

Facebookは私の取材に対して「この1年間プロダクトの改良を重ねた結果、われわれはユーザーがどんなコンテンツを見たいか理解を深めることができた。ユーザーを悲しませるような内容は表示されないようになっている。『過去のこの日』に何が表示されるかを決めるのに人工知能を幅広く利用している。ユーザーの過去の行動や人口動態的属性を考慮したパーソナライズが行われており、ユーザーがすでにブロックしている相手や、元カノ、元カレなどすでにロマンチックな間柄ではない相手に関するコンテンツはFacebook側で予め除去している」と説明した。

On This Day Web

Facebookはオンライン上に登場してからすでに12年たつ。Faceboookの持つわれわれの歴史は驚くほど詳細だ。Timehopその他のサービスはユーザーの過去のオンライン履歴を収集することにかけては優秀でも、Facebookはわれわれを一人ひとりよく知っており、そこに違いが生まれてくる。たとえば手当たり次第に過去の写真を表示するのではなく、昔から仲が良かった友達とのツーショットを表示するという具合だ。

Timehopは生き延びている。しかし今回公開された統計数字はデベロッパーに対する深刻な警告だろう。プロダクトを開発する際に、体重400キロのゴリラのようなプラットフォームに近寄り過ぎることは賢明ではない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

アルゴリズム式フィードは、われわれに競争を強いる

Russell Crowe with sword in a scene from the film 'Gladiator', 2000. (Photo by Universal/Getty Images)

その写真、きれい?そのツイート、面白い?もしそうでなければ、InstagramとTwitterがアルゴリズムでフィードを並べ替えるようになった今、見てもらえないかもしれない。これは、マーケターには大きな問題となってふりかかり、われわれのソーシャルメディア生活をストレスの多いものにするかもしれない。

アプリを一貫して興味深いものにするために、特にノンストップでのチェックをしない人たちのために、InstagramとTwitterは、Facebookのニュースフィード風ランキングシステムに切り替える。

これまで、もしあなたがインスタかツイートする価値があると思ったものを投稿すれば、フォロワーはアプリを開きさえいれば見ることができた。自分の投稿が表示に値するかどうかを心配する必要はなかった。フォロワーは、保証された聴衆だった。選り分けられることのないフィードに、多くの記事を送りすぎて友達をスパム被害にあわせないことを注意するだけでよかった。

これからは、最高の写真か、一番気の利いた風刺だけを投稿しなくてはならない。さもなければ、記事は闇に沈み、人々が見るに値するとアルゴリズムが考えた記事の下に埋もれてしまうだろう。

同じことはFacebookニュースフィードの中のFacebookページですでに起きている。ページのオーナーは、たとえ自分のページを購読しているファンであっても、その多くにリーチすることができない。それは、読む時間の限られるニュースフィードのスペースに競合するコンテンツが多すぎるからだ。企業は、参照トラフィックの減少を恐れている。再びリーチする唯一の方法は、Facebookに料金を払って自社記事の可視性を高めることだ。

twitter-iphone-photo

似たような因果はInstagramとTwitterにも迫ってきている。もはやフォローだけでは十分ではない。質の高いコンテンツを投稿し、人々から次々といいね!をもらって、すべてのコンテンツを見てもらうようにする必要がある。

タダ乗りの時代は終った。もはや企業は、こうしたプラットフォームを無制限マーケティングチャネルとして使うことはできない。強引な売り込みは、真の楽しみに取って代わられて影を潜める。コンテンツ記事と直接的なマーケティングの混成よりも、個々のInstagramやツイートを魅力で飾らなければ、埋もれてしまう。

instagram-reorder

一方で、平均的ユーザーはそうそう多くの写真や140文字の思いを発信することができない。もはや彼らは、自分の冒険のリアルタイム物語を投稿しても、全部を見てもらえるとは限らない。

もしあなたが、Instagramは既に人々の生活の成功物語のハイライト集だと思っていたなら、もっとぜい肉を削ぐ必要があるだろう。そしてTwitterの未読まとめ機能(While You Were Away)は、ツイートが最新であることを読まれるための鍵ではなくすことによって、できるだけ多くツイートするというユーザーの切迫行動パターンを変えるかもしれない。

今回の変更が両サービスを取っつきやすくすることは間違いないし、定着率も高まるだろう。頻繁にチェックしなくても、最後に見た後のベストコンテンツを見逃がさずに済む。これによって、ユーザーはハマりやすくなる。これは入会、退会、メンバー数成長に問題を抱えるTwitterにとって、特に重要だ。

アルゴリズムによるフィードは悪くないし、今Facebookとさほど変わらない ― あらゆるコンテンツが視聴者の目を奪い合う、権威ではなくスキルと戦略で勝ちとる場だ。

そして最終的にこの変更は、Snapchatをこれまで以上にユニークに感じさせることになるだろう。好きなだけ投稿して、何が友達の注目に値するかを決めるコンピュータはそこにいない。そして、投稿の嵐を浴びせかけて他人の記事を埋もれさせる心配はいらない。すべての投稿が1本のリストに連なり、友達はフィードに強制的にプッシュされるのではなく、自発的にプルして読むことができる。

他のソーシャルネットワークが、ユーザーに最高であることを求める中、Snapchatは、自分自身でいることだけを求めている。

原文へ
 
(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ブランドのためのInstagramは終わった

shutterstock_171444791

【日本版編集部注:Steve Feinerは、東南アジアのオンライン生花配達サービス、A Better Floristのファウンダー・CEO。】

先週Instagramはニュースフィードのアルゴリズムを変更した。投稿は時間順には表示されず、「ユーザーの興味のあるコンテンツ、投稿者との関係、および記事の適時性に基づいて」並び替えられるようになった。

これがどういう意味かといえば、何をいつ見せるかは、Instagramが選ぶ ー 事実上Facebookのニュースフィードと同じになった。

この変更は、ユーザーのフィードを最適化する方法とされているが、実際には広告コンテンツを制御する力をInstagramに与えている。「平均して、ユーザーはInstragramフィードで約70%の記事を見逃している」とInstagramの共同ファウンダー・CEO、Kevin Systromは言う。「重要なのは、ユーザーが見る30%をできる限り最良の30%にすることだ」。確かにそれは真実だが、間違えてはいけない、Instagramはこれを収益化のために行おうとしている。

Facebookが気にする理由

Instagramの親会社であるFacebookは先日、Q4の売り上げ58億ドルを発表し、前年比51%の成長だった。Facebookの伸び率は40%以上が続いているが、この成長率を維持することは並大抵ではない。

Facebookの過去の成長率を当てはめると、次の四半期には20億ドル、1年後の四半期には30億ドルを上乗せする必要がある。

最近の決算会見でFacebookのCFOは、「Facebookの中核機能が売り上げを押し上げている」と語った。この成長は、ユーザー当たり平均売り上げの上昇によるものであり、ユーザー数の成長ではない。この成長を、Facebook本体で維持していけるのだろうか?

Facebookは来年の現四半期に、累積30億ドル以上成長する必要がある。ユーザー数の成長率を、過去の実績である13%とすると、ユーザー当たり平均売り上げは33%伸びなくてはならない。Facebookが2012年Q1以来、すでに、途上国で4倍、米国・カナダで5倍以上成長していることを踏まえると、Facebookにそれは可能だろうか?果たしてFacebookは、ユーザー当たり平均売り上げを、これも飽和状態になるまでにどこまで伸ばすことができるのだろうか?

そこで、Instargramのような新しい分野での収益化が重要になってくる。eMarketerによると、Instagramの売り上げは2015年に6億ドルに達し、2016年には149%成長すると予測されている。これがユーザー数の伸びによるものでないことは明らかだ。149%のユーザー成長は、来年だけで6億人の新規ユーザーに相当する。

ブランドへの影響

ここにInstagramが関わってくる。過去数年間、何千というブランドがInstagramに参入した。そこが最も消費者を引きつけるソーシャルメディアと気づいたためだ。Instagramが収益化を始めると何が起こるか?最も摩擦の少ない道はFacebookと同じ道をたどり、オーガニックなリーチを制限することだ ー これは以前Facebookで見てきたストーリーだ

では、Instagramの素晴らしいコンテンツを作ることに多大な投資をしてきたブランドはどうなるのか?主要ブランドは、かつて無料だったメディアに金を払う予算を持っているが、ブログショップなどの小さな店舗はそう恵まれてはいない。

もしあなたのビジネスが、チャンネルとしてのInstagramに強く依存しているのなら、顧客獲得には完璧に編集した写真だけではなく、べらぼうな値札がついてくることを覚悟したほうがいい。

原文へ
 
(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Instagramが表示アルゴリズムを一新―最新の投稿ではなくもっとも関心を引きそうな投稿がトップに

2016-03-16-instagram-locket1

平均的なInstagramユーザーはフィードに表示される写真の70%を見ていないという。たとえ大量に「いいね!」が付き、友達の間で繰り返し共有されているような評判の写真であっても見過ごしている可能性が高い。

そこで今日(米国時間3/15)、Instagramは写真が表示されるアルゴリズムを一新することを発表した。 これまでは厳密に時間の逆順(最新のものがトップ)で表示されてきた。Instagramによれば今後は「ユーザーがコンテンツに興味を示す可能性が高い順序」となる。写真の表示順序には投稿したユーザーとの関係や投稿のタイミングも考慮されるということだ。

新しいInstagramのテストは、少なくとも当初は、かなりゆっくりしたペースで行われる。「すべての投稿は従来どおりユーザーが閲覧可能だ。ただし別の色でマークされる」という。しかし将来は質が低い写真はフィードから完全にフィルターされて姿を消すことになるだろう。

つまりこういうことになりそうだ。友達が投稿した写真に「いいね!」をたびたび押していた場合、夜寝ている間に友達が投稿した写真がたくさんの「いいね!」を集めていたとする。ユーザーが朝Instagramを開くと、投稿が数時間前であっても、その写真がまっさきに目に入る。これは基本的にFacebookの投稿が表示されるアルゴリズムであり、最近Twitteもこの方式を有効と認めてニュースフィードの表示に採用している。

関連性の高さで表示が最適化されるとなれば、神経症的にすべての写真をチェックしていなくても、人気の写真を見逃す心配はなくなる。また関心のない写真の洪水に見舞われる心配も少なくなるので、今までよりも多くのアカウントをフォローすることができる。特に外国の友人の場合、寝ている間に投稿されることが多く、時刻がずれるために見逃す可能性が高かった。

ただし、こうした最適化により、Instagramのリアルタイム性は薄れることになる。最新の投稿が常にトップに表示されることがなくなるため、ニュース性にとっては不利となる。投稿者側から見れば、アルゴリズムに選んでもらえるような質の高い写真でないとどこか消えてしまいかねないという心配が生じる。Facebookページの表示の順序の変更と同様、企業やブランドにとってはマーケティングのチャンネルとしての有効性が低下するかもしれない。

写真がフィルターされるようになれば、ユーザーにとって退屈な写真な写真ばかり並ぶ事態が避けられ、サービスの利用率はアップするだろう。Instagramはすでにわれわれの生活に深く根ざしたサービスになっているので表示アルゴリズムが変更されたからといって利用を止めるユーザーはほとんどいないはずだ。同時にInstagramとTwitterが共に新しいアルゴリズムの採用に動いたことを見るにつけ、ソーシャルメディアで投稿を多くの人に見てもらうための競争はこれまで以上に激化していくものと思われる。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google、オープンコンピュートプロジェクトに参加

google_data_center_2

Googleは今日(米国時間3/9)、オープンコンピュートプロジェクト (OCP)に参加したことを発表した。OCPはFacebookを始めとする複数の企業が5年前に設立したプロジェクトで、オープンソースハードウェアを通じてIT基盤開発を推進することを目的としている。例えばFacebookは、同社のサーバーやデータセンターのハードウェアの作り方をオープンソース化する。

過去数年間、Googleも自社のデータセンターの作りについて一部の情報を公開してきたが、 今回さらにFacebookらと共に、OCPオープンラックプロジェクトに参加する。このプロジェクトの目的は、48V電源をデータセンターのラックに供給することだ。Googleは、48Vのラック電源に2010年から取り組んでおり、その過程で前世代の12Vシステムより30%エネルギー効率が良くなったと言っている。

「業界がこれらの同じ問題の解決に取り組み、機械学習用GPUのような高負荷を扱うようになってきた今、OCPで協力して新たな設計を標準化することが理にかなっている」とGoogleの技術プログラムマネージャー、John Zipfelが今日の発表に書いている。「われわれはこれが次世代電源アーキテクチャーを採用する人全員に役立ち、Googleと同じ節電と費用削減を実現するものと信じている」。

Googleはこれを、OCPへの取り組みの第一歩にすぎないと言う。Google広報担当者は本誌に、Googleは今後も「管理ソフトウェアやハイパースケールコンピューティング向けストレージディスクドライブ等の新しい分野のOCPプロジェクト」についても探究を続ける予定だと話した。Googleは先月発表したように、データセンターのディスクドライブ環境の改善には特に関心が高い。

ちなみに、今日OCP関連の行動を起こした会社はGoogleだけではない。Microsoftは2014年からプロジェクトに参加しており、本日同社も、Arista、Broadcom、DellおよびMellanoxと共に、様々なネットワークコンポーネントをプロジェクトに提供することを発表した

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

新興国向けアプリのFacebook Lite、月間アクティブユーザー1億人を突破

fblite100m

Facebook Liteは、Facebookの機能を絞ったAndroid向けサービスで、このほど月間アクティブユーザーが1億人を超え、同社で最も成長の速いモバイルアプリとなった。

このアプリは新興国の低価格スマートフォンと低速インターネット接続を利用するユーザー向けに作られたもので、昨年6月に公開して以来9ヵ月でユーザー1億人の節目を迎えた ― これはFacebookのメインモバイルアプリ等よりも速いペースだ。Facebookによると、同アプリはブラジル、インド、インドネシア、メキシコ、およびフィリピンで特に人気が高く150ヵ国で使われている。

アプリのサイズはわずか1MBで、すぐにダウンロードてきて使用メモリーも少ない。このため機能はかなり基本的なものだが、Facebookはビデオ、写真の複数アップロード、ピンチによるズーム、絵文字等の新機能を加えて見映えをよくしている。

本誌はFacebookに、iOSや他のプラットフォーム向けに同様のアプリを提供する計画があるかを尋ねたが、回答はなかった。Facebook Liteではユーザーが「広告をある程度」見ると同社は言っている。現時点でFacebook Liteユーザーは、同ソーシャルネットワークの15.9億アクティブユーザーの小さな部分を占めているにすぎないが、急速な成長が続けば、アプリの広告戦略を見直す必要があるかもしれない。

ソーシャルネットワークアプリを1MBに縮めるのは容易な作業ではなく、Facebookは、どうやってその偉業を成し遂げたかをブログで公開し、新興国市場で運用する企業のために情報提供している。

数ある米国企業の中でも、Facebookは新興国市場に最も順応している会社の一つだ。
Facebookは世界中に社員を駐在させ、新興国市場には定期的にスタッフを派遣して現地の状況を把握している。昨年同社は「2G火曜日」 を実施し、米国拠点の社員が自ら接続の遅い環境を体験した。

Facebookは、Free Basicsサービスも運用している。従来Internet.orgと呼ばれていたもので、「次の10億人」をつなぐために一部のウェブサービスを無料で提供している。このサービスは、ユーザーが見ることのできるサービスをFacebookが任意に選択していることから異論もあり、ネット中立性の原則に反するとしてインドではブロックされている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、Android版Messengerアプリをマテリアルデザインに変更

facebook-messenger-android

今年に入って複数記事が、Facebook MessengerのAndroid端末用アプリの改訂について書いていたが、Facebookは今日、新しいマテリアルデザインスタイルのMessengerを全世界のAndroidユーザーに同時公開した。アップデートされたアプリは明るいブルーのナビゲーションバーがトップに置かれ、チャット、グループ、設定、その他のボタンがある。一方画面下端にあった新規チャット、検索、通話のためのボタンに代わって、新たなフローティングアクションボタンが画面右下に置かれている。

このボタンを押すと、検索、連絡先の追加、通話、メッセージ作成等のよく使う機能が利用できる。

マテリアルデザインは、Googleが2014年に初めて導入したデザイン言語だ。その思想は、派手な色と洗練されたモーショングラフィックやアニメーション、空白の意識的な利用等のガイドラインを通じて、Androidアプリに共通のルック&フィールを与えようとするものだ。

もっとも、Android版Messengerの改訂自体はさほど劇的ではなく、エンドユーザーにとって新たな機能や使い方が提供されるものではない。稀にしか使わないMessengerユーザーなら気付かないくらいの微妙な変更を加えたビジュアル改訂だ。

このアップデートを最初に発表したのはFacebookのMessenger責任者、David Marcusだった。

なぜこれほど時間を要したかについて彼は:「世界で何億人もの人々が使う重要アプリのデザイン変更は、どんなものであれ頭が痛くなるほど大変なので、この進化を全員に確実に届けられるよう慎重を期した」と答えた。

Screen Shot 2016-03-07 at 12.07.51 PM

Marcusは、自らの投稿へのコメントで、このアップデートは今日これから全ユーザーがダウンロード可能であることを正式に確認した。

Facebookは今日のニュースに先立ってテスト版を配信していたため、一部のAndroidユーザーはすでにアップデートを受け取っている。1月から2月のリーク記事はデザイン変更が行われていることを指摘していたが、いつユーザーがアップデートを受けられるかは不明だった。

下の画像は現行バージョンのMessengerで、下端にブルーのバーが、上端のナビゲーションには白の背景が見えている。

messenger-old-android

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook Messengerに音楽機能―Spotifyの曲をその場で共有できるようになった

2016-03-04-messenger-spotify

Uberとの提携で公共交通のハブの地位を獲得したFacebook Messengerだが、今度はアプリ内からSpotifyの音楽を共有できるようなった。

iOSとAndroidでMessengerのその他のオプション(…)アイコンを開いて音楽をタップすると、Spotifyの「共有を検索」オプションが表示される。楽曲、アーティスト、プレイリストのいずれかを選択するとユーザーはMessengerに戻される。メッセージに音楽のアートワークを画像として含めるかどうか選択できる。受信した相手が画像をクリックするとSpotifyにジャンプして音楽を聞くことができる。

Messenger Spotify Search

8億人のMessengerユーザーの音楽体験を改善するためにFacebookではプレイリストも作った。自分が何を聞いているか知りたいユーザーはこれを利用できる。

Messenger Spotify playlist sharing

Spotifyにはすでにメンバー同士で簡単に音楽を共有するオプションがある。このオプションではメール、SMS、WhatsApp、Facebook Messengerが送信手段として利用できた。しかし今回のアップデートでMessengerを利用しているユーザーがその場で音楽を共有できるようになった。友達に新しいお気に入りのアーティストを説明したり、コンサートの様子を伝えたりしているときに簡単にSpotifyに移動し、共有したらすぐにMessengerに戻れるのは便利だ。

これまでSpotifyのアカウントを持つMessengerユーザーは楽曲の共有にスクリーンショットやタイプ入力された楽曲名などを使ってきた。これは作業が面倒なだけでなく、受け取った側でもそのままではどんな音楽なのか聞くことができないという問題があった。Messenger内部に音楽機能が加わったことでこうした難点が一層されたといえる。

FacebookとしてはMessenger内から音楽が共有できるようなったことでユーザーをより一層このプラットフォームにロックインする効果が期待できる。これは長期的には売上にもう好影響を与えるだろう。またSpotify側でも、Messengerが口コミを増幅する役割を果たしてくれることはApple Musicとの競争を有利にすると同時にまだ利用していないユーザーにストリーミング・サービスの便利さを訴える効果がありそうだ。

〔日本版〕訳者の環境ではMessengerの〔…〕オプションにまだ音楽共有は表示されていない。これまでの例からするとMessengerアプリの次のアップデート時に新機能が導入されるのだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

企業向けFacebook at Wok、世界への拡大を控えてTelenorの社員3万6000人をユーザーに加える

2016-03-04-facebookatwork

Facebookのエンタープライズ版、Facebook at Workのユーザー企業はセキュリティーを強化した独自の社内ソーシャル・ネットワークを構築することができる。まだ非公開ベータ版の実験中だが、待機リストに載っている利用申し込み企業は6万社にも上るという。カスタム・アプリ開発のプラットフォーム機能を追加したうえで今年末までに世界に公開される予定だ。

昨日(米国時間3/2)、Facebookは最新の大口顧客を発表した。世界13ヵ国で活動しカバーし、ユーザー数2億300万というノルウェーを本拠とするキャリヤ、Telenorの3万6000人の全社員が3月2日からFacebook at Workを利用し始める。

TelenorグループのCEO、Sigve Brekkeはわれわれの取材に対し、「Telenarはこのプロダクト最初期からのパートナーであり、Facebookと密接な協力の一環として大規模なテストに参加してきた。われわれは〔At Workの導入で〕社員が働く環境をまったく新しくしたいと考えている」と語った。一新されるのは、社員に対して送るCEOのメッセージの発表の仕方ばかりではないく、これまで各部門ごとに閉じられていたコミュニケーションを全社的に風通しよくすることも含まれる。

またBrekkeは「多くの社員がすでにメンバーとして日常利用しており、十分に慣れ親しんでいるという点からもFacebookはわれわれにとってもっとも自然な選択だった」と語った。Telenorの社員はデスクトップでも(また通信キャリヤという業務を考えればその方がいっそうありそうだが)モバイル・デバイスからも自由にFacebook at Workにアクセスできる。

Telenorはバングラデシュ、インド、パキスタン、ミャンマーなどの途上国のキャリヤも所有している他、 Telenorが大株主である総合通信グループのVimplecomを通じて他の14ヵ国でも活動している。先週MWCで発表されたInfraの開発に重要な役割を果たすなどFaceookとは長年にわって提携してきた。

Facebook at Workはこれまでも定期的に新規ユーザーの加入を報じてきたが、いくつかの理由でTelenorの参加の意義は非常に大きい。

Telenorはまず第一に世界的な有力キャリヤであり、Facebook at Workの国際展開の責任者、Julien Codorniouによれば、これまでAt Workに参加した中で最大の企業だ。実はスコットランドの銀行、社員10万人を有するRoyal Bank of ScotlandもAt Workに加入を発表しているが、全社員向けに運用が開始されるのは年末になる。同銀行は現在3万人の社員について独自の社内ネットワークへの参加のための作業を行っている。

企業向けAt Workの規模拡大がビジネスの将来にとって重要なのはもちろんだが、キャリヤをメンバーに加えることの利点の一つは〔キャリヤ側で十分なテクノロジーを持っているため〕Facebook自身がエンジニアを増員しなくてすむことだ。Codorniouによれば、At Workビジネスの拡大にあたってエンジニアの数がFacebook側で最大のボトルネックとなっているという。この点に関連してFacebookは先月Boxで長年副社長を務めたMonica Adractasを北米セールス部門のトップに引きぬいている。【略】

Quip、Box等と協力して新プラットフォームを開発

Codorniouによれば、At Workは年末までベータ版から実用版にグレードアップされ、その後多数の新機能が追加される予定だという。At
Workは現在無料だが、将来は企業に利用料金を課する機能も追加されるらしい。有料化を正当化するためにも新機能のリリースは重要だろう。

Facebook at Workは本体の機能をできるかぎり忠実に企業内利用に適合させようとしている。重要な例が今年リリースされたWork Chatアプリで、これはMessengerのAt Work版といってよい。また「いいね!」ボタンの内容の拡大も先週の世界への公開と同時にAt Workでサポートされた。

Codorniouによれば、将来、企業は追加料金を支払うことによって他の社内システムとAt Workの統合運用が可能になるという。この場合、料金の計算は利用人員、利用月単位となるという。

またFacebookはQuip(クラウド・ベースのワープロ。Facebookの元CTOが創立。世界のFBネットワークを利用)や、Dropbox、Box,とも協力が進んでいる。またFacebookはMicrosoftのOffice 365もなんらかの形で取り入れたいと考えているということだ。Codorniouが示唆したようなMicrosoftとの提携が実現すればFacebookにきわめて大きなインパクトをもたらすことになりそうだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookのプライベート写真共有アプリ、Momentsのアップデートはビデオをサポート

2016-03-01-facebook-moments

今日(米国時間2/29)、Facebookは、Momentsがビデオ共有をサポートすると発表した。これは従来の写真同期の後継としてスタートさせたアプリで、ソーシャルネットワーク上でプライベートな写真共有を行う。ビデオ共有機能はiOS版、Android版のMomentsのアップデートして公開される。Facebookによればここ数週間のうちにMomentsのスライドショーでもビデオが表示できるようになるとのことだ。

アップデートの発表を機に、FacebookではMomentsアプリの人気ぶりを示す数字をいくつか公開した。

Facebookによれば2015年6月の発表以來、4億枚の写真がMomentsで共有されており、先月だけで1億枚に上ったという。

この数字は、アプリの人気度を示す一つの指標だが、Facebookの強力なプロモーションのおかげも大きいだろう。Facebookはニュースフィード中でMomentsの利用を促す手を打っている。これはニュースフィードではなるべく自然な選択による記事を表示したいFacebookとしてはかなり異例なことだ。 これは同時にMomentsの人気が自発的な盛り上がりではないかもしれないことを推測させる(実はFacebookは作られたアプリが人気が出なかったときにCreative Labsなど開発を担当した部署を閉鎖している)。

MomentsVideo

しかしMomentsとなると話は別で、ニュースフィードでもプッシュされている他に、Facebook Messengerとも連動している。友達が写真を共有するとユーザーに通知が届く仕組みだ。FacebookではMomentsに非常に大きな期待をかけている。写真同期機能を廃止してユーザーにMomentsの利用を促してきたのもそのためだろう。 前回、FacebooはユーザーにMessengerを強く勧めた。その結果、このアプリはいまやApp Storeのトップ10(トップ5やトップは取れない日が多いが)の常連だ。

FacebookはMomentsでもMessenger同様App Storeのトップ・チャート入りの再現を狙っている。現在Momentsは競争が極めて激しい「写真とビデオ」部門の12だ(全ジャンルでは81位)。またGoogle Playの写真部門では2位となっている。

まだMomentsを使い込んでいない読者のために説明しておくと、このアプリはシンプルな操作で写真共有ができるようになることを狙っている。誰が写っているか、どこで、いつ撮影されたかをアルゴリズムで自動的に判定し、どのグループのユーザーと共有するのが適切か候補を挙げてくれる。またFacebookの友達が新たにMomentsを使い始めると、そのメンバーに送るべき写真が推薦される機能もある。

ただし、今まではMomentsではビデオを共有することはできなかった。Facebookによれば、ユーザーは写真と同じようにビデオも簡単に共有できるようになり、さらに近々スライドショーでもビデオがサポートされるようになる。つまり特に知識がなくてもMomentsを使えば多数の写真に音楽をつけた短いミュージック・ビデオを誰でも簡単に作り、Facebookその他で公開できるわけだ。

iOS版、Android版ともアップデートをインストールすればビデオが利用可能だ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+