Google Playにゲームやアプリのお得情報を表示する「Offers」タブが追加

Googleは、Google Playでユーザーがゲームやアプリのさまざまな売買取引を見つけやすくするために「Offers」タブを導入する、と米国時間01/27にGoogleが発表した。旅行やショッピング、メディア、フィットネス、エンターテインメントなどに関する売買取引がこのタブにまとめられている。タブの提供は数週間後に米国とインドとインドネシア、その他の国は2022年の後半になる。

タブには「あなたのお好きなアプリの提供」というコーナーがあり、ユーザーは自分に合った特典を見つけられる。提供方法も数種類あり、ユーザーはそこから見つける。例えば売りたいゲームや、マジックオーブやトークンなどゲーム内のアイテムの、制限時間内の提供などもある。また、ごほうびの表示では、アプリに無料のデリバリーや無料の乗車などがあると、それらがごほうびになる。その他の取引科目としては、貸借や売買によるムービーや本の提供がある。また、新しいアプリの30日無料試用や、その他のアイテムの無料提供もある。

Google PlayのプロダクトマネージャーDavid Winer(デビッド・ウィナー)氏は、ブログで「2012年からGoogle Playは、あなたのお好きなアプリやゲームやデジタルコンテンツを見つけて楽しむためのワンストップショップでした。今週立ち上げる『Offers』は、Google Play Storeアプリの新しいタブです」と述べている。

OffersタブはGoogle Playアプリの下の方のナビゲーションバーにある。現在のところ、どんな特典があるかな?と探すのに便利な場所だ。Googleによると、人気上位アプリやゲームの開発者とパートナーして、新しい特典を頻繁に追加していきたいそうだ。

画像クレジット:Google

原文へ

(文:Aisha Malik、翻訳:Hiroshi Iwatani)

グーグルの今回のイースターエッグは言葉遊び「Wordle(ワードル)」

わかってるよ、Wordle(ワードル)に飽きたんだろ。Twitterで「wordle」という単語をミュートすればいいし、Wordleスポイルボットを作ってTwitterから追放された人のようにならないようにね(実際は、人に迷惑をかけるようなボットを作るのはTwitterガイドライン違反だからだが)。

さて、私たちだけになったところで(みんなこの記事を閉じてしまった)、Wordleについて話をしよう。米国時間1月24日のパズルは特に難しかったが、Googleの検索で「wordle」と入力すると奇妙な「powerlanguage.co.uk」のウェブサイトが見つかり、楽しいイースターエッグに気づくだろう。右上のGoogleアイコンはwordleのようだ。アニメーションでは、誰かが「column」や「goalie」といった単語を推測してから「Google」にたどり着く様子も再現されている。かわいいですね(また別のニュースとして、GoogleはワシントンD.C.と3つの州からユーザーのプライバシー問題で訴えられているが)。

今、気がついたんだけど「wordle」で検索するとGoogleのカスタムDoodleが表示される。楽しい。

Googleのイースターエッグの文化的意義が証明するように、Wordleは現在でもとても人気で、Twitterのフィード上だけでなく、様々な場面で利用されている。TechCrunchが2週間前にこのゲームの制作者であるJosh Wardle(ジョシュ・ウォードル)氏に話を聞いたとき、彼は毎日200万人がこのゲームをプレイしていると述べていた。もしあなたが頑固者ではなく、まだWordleが楽しいと思っているなら(そう、嫌ならプレイしなければいい)、ゲームの突然の人気、ベンチャーキャピタルからの関心、そしてなぜ彼がゲームを収益化したくないのかについてのウォードル氏へのインタビューをチェックしてみて欲しい。

以下はウォードル氏のインタビューから抜粋。

オンラインで作ったものを無料で提供する、なんて高尚な話ではありません。ただ、このゲームは最初からそういうものだし、このやり方の方が今後も続けやすいのです。やっと本物だと思えるものを作ることができたと、と実感していますが、みんなは「収益化しますか?お金にする気かい?なぜ○○しないの?」と聞いてきます。

言えることは、パートナーとこれで遊ぶととても楽しいということだけです。こういうものはハマってしまいがちですが、楽しかったし、これが終わった将来も楽しいでしょう、ということだけです。毎日仕事が終わって、そこにWordleがあれば彼女とまたプレイできる。それだけで最高にハッピーですね」。

原文へ

(文:Amanda Silberling、翻訳:Hiroshi Iwatani)

グーグルが脱クッキー技術「FLoC」を廃止、代わる新機能「Topics」を公表

(訳註:英語で「flock」は羊など動物の群れ=刈り上げられ毛がなくなった「FLoC」)

Google(グーグル)のプロジェクトであるFLoC(Federated Learning of Cohorts)は、インタレストベース広告のため利用されていたサードパーティークッキーの代わりに、ユーザーを同じような興味を持つ人々のグループに分類するというもので、物議を醸した。Googleは米国時間1月25日、それに代わる新しい提案を発表した。「Topics」である。

これは、ユーザーがウェブ上を移動する際に、ブラウザがユーザーの関心事について学習するというものだ。現時点では過去3週間分の閲覧履歴データが保存され、トピック数は300に限定されているが、順次拡大していく予定だという。Googleは、これらのトピックには、性別や人種などのセンシティブなカテゴリーは含まれないとしている。

Googleはユーザーの関心事を把握するために、ユーザーが訪れたサイトをこれら300のトピックのいずれかに基づいて分類する。これまで分類されていなかったサイトについては、ブラウザに搭載された軽量の機械学習(ML)アルゴリズムが、ドメイン名に基づいてトピックを推定する。

画像クレジット:Google

広告目的でTopics APIをサポートしているサイトにアクセスすると、ユーザーが興味を持っている3つのトピックがブラウザによって共有される。これらのトピックは、過去3週間のそれぞれの週につき1つずつ、各週の上位5つのトピックからランダムに選択される。そして、サイトはこの情報を広告パートナーと共有し、どの広告を表示するかを決めることができる。理想的には、どの広告を表示するか決定するためのよりプライベートな方法となるが、Googleは、現在の標準的な方法よりもはるかに優れたコントロールと透明性をユーザーに提供することになると述べている。ユーザーは、自分のリストにあるトピックを確認したり、削除したりすることができ、Topics API全体をオフにすることもできる。

GoogleのPrivacy Sandboxプロジェクト代表であるBen Galbraith(ベン・ガルブレイス)氏は、25日の発表に先立って行われたプレスブリーフィングでこう述べた。「Topicsの設計は、以前のFLoCトライアルから得た知見に基づいて行われました。その結果、コミュニティから多くのすばらしいフィードバックが寄せられたことはご存じの通りです。私が強調したいのは、提案を共有し、トライアルを行い、フィードバックを集め、設計を繰り返していくという一連のプロセスは、我々がサンドボックスに求めていたオープンな開発プロセスそのものであり、このプロセスが意図したとおりに機能していることを示しているということです」。

画像クレジット:Google

ガルブレイス氏は、Googleはこの新しい提案に対するフィードバックを集めるために多くの関係者と話をしてきたが、今日がエコシステムと協力するプロセスの始まりであると述べている。他のブラウザベンダーがTopics APIの追加に興味を持つかどうかは、今後の課題だ。他社はみなすぐにFLoCに冷ややかな対応を示したので、Topics APIを採用したいと思うかどうかはやや疑問だが、エコシステムがどのように反応するかは興味深いところだ。

また、広告主にとっては、Topicsは特定のユーザーにどの広告を表示するかを決定するための潜在的なシグナルの1つに過ぎないということも言及するに値する。例えば、ユーザーが現在読んでいる記事に関するデータや、ユーザーに関するその他のコンテクストデータなどで補強することができるが、ある意味、単なるもう1つのシグナルとなる。

Topics APIのトライアルは今期末に開始される予定だが、それに向けてGoogleは25日、提案の詳細を少し掘り下げた技術的な解説も公開した。

画像クレジット:Images by Christina Kilgour / Getty Images

原文へ

(文:Frederic Lardinois、翻訳:Aya Nakazato)

グーグルの「欺瞞的」なユーザー位置情報追跡をめぐりワシントンD.C.などが提訴

米国時間1月24日、ワシントンD.C.、テキサス州、ワシントン州、インディアナ州は、ビッグテックに対する最新の訴訟を発表した。この訴訟は、ユーザーがその種のトラッキングが無効になっていると信じていた場合でも、Google(グーグル)は位置情報を収集してユーザーを欺いたと主張している。

ワシントンD.C.の検事総長Karl Racine(カール・ラシーン)氏は「Googleは、アカウントやデバイスの設定を変更することで、顧客が自分のプライバシーを保護し、同社がアクセスできる個人データをコントロールできると、消費者に誤って信じ込ませました」と述べている。「実際にはGoogleの説明に反して、同社は組織的に顧客を監視し、顧客データから利益を得続けています」。

ラシーン氏は、Googleのプライバシー慣行を、消費者のプライバシーを損なう「大胆な虚偽表示」と表現した。同氏の検事局は2018年、ユーザーが位置情報を保存しないと明示されたプライバシーオプションを選択している場合でも、iOSおよびAndroidの多くのGoogleアプリが位置情報を記録していることが判明したとAP通信が報じたのを受けて、Googleがユーザーの位置情報をどのように扱っているかを調査し始めた。AP通信は、プリンストン大学のコンピュータサイエンス研究者と連携して、その調査結果を検証した。

「この件に関するGoogleのサポートページには、次のように書かれている。『ロケーション履歴はいつでもオフにできます。ロケーション履歴をオフにすると、あなたが行った場所は自動的に保存されません』」とAPは報じた。「しかし、それは事実ではない。ロケーション履歴を停止した状態でも、一部のGoogleアプリでは、タイムスタンプ付きの位置情報が許可なく自動的に保存されている」。

この訴訟では、Googleが、ユーザーがオプトアウトすることが不可能な位置情報追跡システムを構築したこと、Androidのアプリ内およびデバイスレベルでのプライバシー設定によるデータの保護方法についてユーザーに誤解を与えたことを主張している。また、Googleは、ユーザーの利益に反する選択をさせるために、欺瞞的なダークパターンデザインを用いたとしている。

このような行為は、消費者を保護する州法に違反している可能性がある。ワシントンD.C.では、消費者保護手続法(Consumer Protection Procedures Act、CPPA)により「広範囲にわたる欺瞞的で非良心的なビジネス慣行」が禁止されており、検事総長が執行している。

ラシーン氏のD.C.検事局は、Googleに対する差止命令を求めるとともに、プライバシーに関して消費者を欺いて収集したユーザーデータから得た利益の支払いを同社に求めている。

関連記事:グーグル、広告ビジネスをめぐるテキサス州の反トラスト法訴訟で棄却を要請

画像クレジット:Alex Tai/SOPA Images/LightRocket / Getty Images

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Aya Nakazato)

グーグル、広告ビジネスをめぐるテキサス州の反トラスト法訴訟で棄却を要請

米国時間1月21日、Google(グーグル)はテキサス州が主導する反トラスト訴訟中の訴因の大半を却下するよう連邦裁判所に求める申し立てを行った。同社は訴状の中で、テキサス州の訴訟は「信用できない」し、州は同社の広告ビジネスが独占禁止法に違反していることを証明できなかった、と主張している。

Googleの経済政策担当ディレクターであるAdam Cohen(アダム・コーエン)氏は、ブログの中で「Paxton(パクストン)州司法長官の主張は、光よりも熱に満ちており、この事件を裁判にかける法的基準を満たすとは思えない。訴状は、私たちのビジネス、製品、および動機を不当に表現したものであり、私たちは、妥当な反トラスト法上の主張を提示しなかったことを理由に、これを却下する方針です」と述べている。

テキサス州のKen Paxton(ケン・パクストン)司法長官は、Googleがオンライン広告の独占を違法に維持したと主張する訴えを2020年末に発表した。テキサス州は11月に初めて提訴したものの当時は編集されていた訴状を先週、新たに更新し、裁判官から訴状の詳細を公開するよう命じられる前だった。

アラスカ、アーカンサス、フロリダ、アイダホ、インディアナ、ルイジアナ、ミシシッピ、ミズーリ、モンタナ、ネバダ、ノースダコタ、サウスカロライナ、サウスダコタ、ユタ、ケンタッキー、そしてプエルトリコがこの訴訟に加わり、Googleの責任を問う訴訟に加わっている。。

関連記事:複数州にまたがる最新グーグル反トラスト訴訟は広告ビジネスが標的

Googleは、パクストン氏は「明確な事実がたくさんあるのに、それらを看過または誤解」しており、その中には同社がオンライン広告の支配を維持するために、Facebookとの取引で、新たに登場してきた「ヘッダー入札」と呼ばれる広告購入プロセスを封殺したという主張している。

The New York Timesの記事によると、2018年にFacebookはその関係を発表したが、Googleが自分の競合他社に「他のパートナーには提供しなかった、オークションで成功するための特別な情報とスピードの利点を与えた(そこには『勝率』の保証も含まれていた)」ことは公表しなかった。

自らも反トラスト法で苦境に立たされているMetaも同様に、同社にInstagramとWhatsAppを売却させる可能性がある反トラスト法訴訟の却下を裁判所に求めたが、裁判官は2022年1月初め、FTCの再提訴を許可するとの判決を下した。

関連記事:グーグルがGoogle Playの課金をめぐり大規模な反トラスト訴訟に直面

画像クレジット:lex Tai/SOPA Images/LightRocket/Getty Images

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)

テック大企業をターゲットにした米国初の独禁法案が現実味を帯びてきた

テック企業が自社の製品やサービスを優遇することを防ぐ米上院の大型の法案が、議会における重要なハードルを通過し、法制定に一歩近づいた。

上院司法委員会は米国時間1月20日「American Innovation and Choice Online Act(米国のオンラインでのイノベーションと選択のための法案)」を採決し、注目を集める反トラスト法案を上院本会議での採決へと前進させた。この法案は、5人の共和党議員が上院民主党議員に加わって法案を推進し、16対6で委員会を通過した。

同法案は、テックプラットフォームが「自社の製品やサービスを優遇したり、ライバル企業に不利益を与えたり、プラットフォーム上の競争に重大な損害を与えるような形でプラットフォームを利用する企業を差別したり」することを禁止する。また、支配的なプラットフォームが他のサービスとの相互運用性を妨げたり、プラットフォーム上の他社のデータを活用して競合することも禁じられる。

こうした目的を達成するため「American Innovation and Choice Online Act」は、反トラスト法執行機関に「強力で柔軟な手段」を与え「民事罰、広範な差止命令、緊急暫定措置、役員報酬の没収の可能性」などを認めている。

上院司法委員会競争政策・反トラスト・消費者権利小委員会の委員長Amy Klobuchar(エイミー・クロブシャー)上院議員(民主・ミネソタ州選出)は、この法案を「インターネットの夜明け以来」上院議場に向かう初のテック大企業競争法案だと称賛している。この法案は、1月20日には進行を妨げなかったものの、最終的な文言に影響を与える可能性がある、いくつかの修正で変更が見られるかもしれない。

混み合い、ほとんど失速している立法議題に盛り込むために上り坂をのろのろと進んでいる一方で、法案の勢いは顕著で、これを受けてGoogle(グーグル)とApple(アップル)は今週初めにコメントで意見を述べている。

「毎日、何百万人もの米国人が新しい情報を見つけて、物事を成し遂げるためにGoogle検索、Maps、Gmailのようなオンラインサービスを使用しています」と Alphabet(アルファベット)のグローバル問題担当社長兼最高法務責任者Kent Walker(ケント・ウォーカー)氏はブログ投稿に書いた。「……下院と上院で議論されている法案は、そうしたサービス、他の人気オンラインサービスを壊す可能性があり、その結果、今ほどに有用かつ安全なものでなくなり、そして米国の競争力を損ないます」。

Appleはまた、上院司法委員長Dick Durbin(ディック・ダービン)氏、共和党の有力委員Chuck Grassley(チャック・グラスリー)氏、反トラスト小委員会委員長クロブチャー氏と小委員会の有力メンバーMike Lee(マイク・リー)氏に手紙を書き、介入を模索した。

「ソーシャルメディアに関する複数の論争、長い間無視されてきた子どもへのリスクに関する内部告発、重要なインフラを妨害するランサムウェア攻撃を目撃した激動の年を経て、議会が米国人の個人デバイスのプライバシーとセキュリティの保護をはるかに困難にする措置を取るとしたら、それは皮肉です」とAppleの政府問題担当シニアディレクターのTim Powderly(ティム・パウダリー)氏は書いている。「残念ながら、これらの法案はそうなりそうなものです」。

2社は、別の法案「Open App Markets Act(オープンアプリ市場法)」とともに、この法案が消費者セキュリティに害を及ぼすと主張した。オープンアプリ市場法案は、OSを管理する企業にサードパーティーのアプリやアプリストアを認めさせ、開発者が消費者に対して、同じソフトをより安い価格で入手できる場所を教えることを認めるというものだ。

関連記事:モバイルアプリのアプリストア支配の打破で上院が新法案

1月17日の週に、Yelp(イェルプ)、DuckDuckGo(ダックダックゴー)、Sonos(ソノス)、Spotify(スポティファイ)、Proton(プロトン)、Match Group(マッチグループ)、スタートアップアクセラレーターのY Combinator(Yコンビネーター)を含むテック企業グループと、ベンチャーキャピタル企業のInitialized Capital(イニシャライズド・キャピタル)が、反自社優遇法案への賛成を表明した。

「米国や世界各国の政府の調査から、支配的なテック企業が、競争、消費者、イノベーションを阻害するゲートキーパーの地位を獲得して市場に定着させるために、多くの反競争的な自己優遇戦術を使用していることが明らかになっています」と、各社は記している。「The American Innovation and Choice Online Actは…デジタル市場の競争を回復し、消費者が望むサービスを選択できるよう、障壁を取り除くために自社優遇をターゲットにしています」。

テック産業の規制は、議会で超党派の協力を促す珍しい問題であり、そうした法案の進捗がまだ這うようなものだとしても、テック産業がそのビジネスに対する新しい規制を予想すべきものだ。

この法案は、上院議員のエイミー・クロブシャー氏(民主・ミネソタ州選出)とチャック・グラスリー氏 (共和・アイオワ州選出)が提出し、Dick Durbin氏 (ディック・ダービン、民主・イリノイ州選出)、Lindsey Graham氏(リンゼイ・グラハム、共和・サウスカロライナ州選出)、Richard Blumenthal氏(リチャード・ブルーメンソール、民主・コネチカット州選出)、John Kennedy氏(ジョン・ケネディ、共和・ ルイジアナ州選出)、Cory Booker氏(コリー・ブッカー、民主・ニュージャージー州選出)、Cynthia Lummis氏(シンシア・ルミス、共和・ワイオミング州選出)、Mark Warner氏(マーク・ウォーナー、民主・バージニア州選出)、Mazie Hirono氏(メイジー・ヒロノ、民主・ハワイ州選出)、Josh Hawley氏(ジョシュ・ホーリー、共和・ミズーリ州選出)、Sheldon Whitehouse氏(シェルダン・ホワイトハウス、民主・ロードアイランド州選出)およびSteve Daines氏(スティーブ・デインズ、共和・モンタナ州選出)が共同スポンサーになっている。

下院版の法案は、下院反トラスト小委員会の委員長David N. Cicilline氏(デイビッド・シシリー二、民主・ロードアイランド州選出)と有力委員のKen Buck氏(ケン・バック、共和・コロラド州選出)が主導し、すでに委員会を通過して投票の準備が整っている。

画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

原文へ

(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Nariko Mizoguchi

グーグル、2024年に新ARヘッドセットを計画か

正直なところ、Googleが独自ARヘッドセットを開発していないほうが驚きだ。The Vergeの記事によると、Googleは2024年の出荷を目標に拡張現実(AR)へ進出するためのハードウェアを計画しているという。これはMetaとAppleに対抗するためだ(後者はこの分野へ進出するとかなり長い間、噂されている)。

今回の記事では、内部ソースと求人情報の組み合わせが引用されているが、それはオンボードの処理能力の一部をリモートサーバーにアウトソースするであろうカスタムチップ(最新のPixelのような)上で新しいオペレーティングシステムを実行しているデバイスを指しているようだ。これは同社のリモートゲーム開発プロジェクト「Google Stadia」とも一致するもので、これまで好意的に受け止められてきた。5G回線に依存するか、接続されたスマホを利用することになると思われる。クラウドゲーミングの取り組みと同様に、屋外での装着を想定して設計された製品では、遅延が問題になる可能性がある。

GoogleのARとVRへの取り組みは、複雑な様相を呈している。同社は2015年、一般販売開始から1年も経たないうちにGlassの販売を終了している。価格と限られた機能の両方が、半世紀以上も早すぎたかもしれない製品の大きな失敗理由だったと指摘されていた。

同社はその後、MicrosoftのXR製品であるHoloLensにより近いかたちで「Google Glass Enterprise Edition」を通じ、この技術を異なるモデルにシフトしている。現在、ARはまだ主流とはなっていないが、Microsoftは、米陸軍と12万台のヘッドセットに関して結んだ220億ドル(約2兆5040億円)の大規模なパートナーシップのおかげで、このカテゴリでいくつかの成功を収めている。

Project IrisはGoogleの開発部門の奥深くに存在しているようだ。Sundar Pichai(サンダー・ピチャイ)CEOは驚くほど口を閉ざしており、将来のARに関する議論では冷淡な態度さえみせている。「しばらくの間、我々は長期的なためにコンピューティングを通して考えることに深く集中してきました。アンビエントコンピューティングについて話してきましたが、携帯電話を超えて、他のフォームファクターが成功するのは時間の問題でしょう。そして、ARはその未来のエキサイティングな部分です」と、最近の決算説明会で述べている。

はっきりしているのは、Googleは波が押し寄せるのを察知し、その一端を担おうとしていることだ。いくつかのつまずきはあるものの、同社は魅力的な製品、つまり拡張現実を高額な大企業向けだけでなく、一般消費者向けでもある製品を提供できる立場にある。

TechCrunchは、この件に関してGoogleにコメントを求めている。

画像クレジット:Justin Sullivan / Getty Images

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

AndroidのゲームをWindows上で楽しめる「Google Play Games for PC」がベータテスト開始、香港・韓国・台湾で

米国時間1月19日、Googlは同社が新たに発表したGoogle Play Games for PCプロダクトの非公開ベータテストを香港、韓国、台湾の3つの海外市場で開始する。PCアプリケーションGoogle Play Gamesは2021年12月のThe Game Awardsイベントで発表され、Google Playのゲームを、これまでのモバイルとタブレットとChromeOSに加えて、Windows PCでプレイできる。対応するPCはラップトップとデスクトップの両方で、Androidスマートフォンなど別のデバイス上で途中でやめたゲームをコンピューター上で再開することもできる。

同社は前に、そのPCアプリにアクセスできる最初の市場を発表しており、その時期は2022年の初めと予想されていた。しかし正確な日付は未発表だった。

ベータにアクセスできたテスターは、人気のモバイルゲーム「モバイルレジェンド:バンバン」や「サマナーズウォー」「State of Survival:The Joker Collaboration」「Three Kingdoms Tactic」などの人気モバイルゲームをトライできる。これらはすでに、1カ月のプレイヤー数が数億に達している。ベータテスターがアクセスできるのは、Googleによると約25のゲームだ。

そのPCアプリは、ユーザーがカタログを閲覧でき、ゲームをダウンロードして大型画面でプレイできる。しかも、マウスやキーボード入力の便利さは失われていない。一方、Googleの発表によると、ユーザーのゲームプレイがどこまで進んだかは複数のデバイス間で同期され、PCでプレイしても前からのプレイポイントは継続される。

 

このPCアプリのローンチの前には、Microsoft(マイクロソフト)によるWindows 11のAndroidアプリ対応があった。それはAmazon(アマゾン)との提携でAmazon独自のAmazonアプリストアを使うやり方で、クロスプラットフォームなゲームプレイの需要と要望の過熱に応える措置だった。しかし今回のGoogle Play Games for PCアプリケーションはMicrosoftとのパートナーシップはゼロで、あくまでもGoogle独自のアプリケーションであり、Google内で開発され配布される。またゲームストリーミングサービスでもない。プレイヤー自身がゲームを自分のコンピューターにダウンロードしてプレイするものだ。

関連記事:マイクロソフトがWindows 11ベータ版でAndroidアプリのテストを開始

ベータ版の公開にともない、GoogleはAndroidの開発者向けに、既存のゲームをWindows PCと互換性を持つように最適化するための詳細を公開するとしており、これによりPCアプリが提供する拡張アクセスを利用できるようになる。Googleは2021年12月、Windowsアプリの登場により、Google Playゲームは、プラットフォームを問わず、25億人の月間アクティブユーザーを抱えるゲームエコシステムに到達することができると発表していた。

Googleはベータ版への参加に関して、開発者向けウェブサイトを開設しベータ版の継続にともなうアップデートを受け取るためのオプトインができるようにしている。

画像クレジット:Google

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ニューヨークでジオフェンス令状とキーワード検索令状を禁止する法案の支持が高まる

ニューヨークで、州の法執行機関が論争の的になっている令状を使って、テクノロジー企業から住民の個人的なユーザーデータを入手することを禁止する法案が、最初に提出されてから2年後、再びチャンスを得ることになった。

この「Reverse Location Search Prohibition Act(逆位置検索禁止法案)」は2021年、ニューヨーク州議会と上院に民主党議員のグループによって再提出された。2年前に通過しなかったこの法案は、先日まず委員会に付託された。これは議場での投票が検討される前の最初の大きなハードルとなる。

この法案が可決されれば、米国の州法としては初めて、ジオフェンス令状やキーワード検索令状を禁ずることになる。これらの令状は、特定の時点に犯罪現場の近くにいたユーザーの位置情報データや、特定のキーワードを検索したユーザーの情報を、法執行機関がGoogle(グーグル)などのテクノロジー企業に提出するよう求めることができるというものだ。

ジオフェンス令状は「逆位置」令状とも呼ばれるもので、法執行機関が容疑者の特定に役立てるために、ユーザーの携帯電話やアプリから何十億もの位置情報を収集・保存しているGoogleに対し、犯罪が起きた際に一定の地理的範囲内にいた携帯電話の記録を引き渡すように、裁判官に令状を求めることができる。

ジオフェンス令状は、Google特有の問題である。法執行機関は、Googleの位置情報データベースが利用できることを知っており、Googleはそのデータベースを広告事業の推進に利用し、2021年は1500億ドル(約17兆円)近い収益を上げている。

Googleの検索についても同様だ。法執行機関は裁判官に令状を請求し、特定の時間帯に特定のキーワードを検索した個人の情報を、Googleに提供するよう求めることができる。あまり知られていないが、キーワード検索令状は広く使われており、Googleに限らず、Microsoft(マイクロソフト)やYahoo(ヤフー)からも、この種の法的手続きを用いてユーザーデータが収集されている

このような令状の使用は、電子フロンティア財団のようなインターネット人権団体から「漁猟」と呼ばれており、同財団はアメリカ自由人権協会(ACLU)とともにニューヨークの法案を支持している。この種の令状は、犯罪とは無関係の近くにいる無実の人々のデータも必ず収集するため、憲法違反と人権侵害であるとの批判がある。

TechCrunchは2021年、ミネアポリス警察がジオフェンス令状を使って、2020年に起きた警察官によるGeorge Floyd(ジョージ・フロイド)氏の殺害事件をきっかけに暴力行為に及んだとされる抗議者を特定したと報じた。その際、NBC News(NBCニュース)やThe Guardian(ガーディアン紙)の報道では、まったく無実の人々が、犯罪現場に近かったというだけで、暗黙のうちに犯罪の嫌疑をかけられていたことを明らかにした。

関連記事:ミネアポリス警察がGoogleにジョージ・フロイド氏抗議行動者特定のため個人データを要求

Googleが公表しているデータによると、ジオフェンス令状は、同社が受け取る米国内の法的要求の約4分の1を占めているという。位置情報や検索語を現実の容疑者に結びつける情報源として、Googleが法執行機関の間で広く知られるようになってから、同社は2020年に1万1500件以上のジオフェンス令状を処理したが、この慣行がまだ比較的初期の段階にあった2018年には1000件に満たなかった。

ニューヨーク州は、ジオフェンス令状全体の約2~3%を占めており、その数は数百件にのぼる。

関連記事:米国政府がグーグルに要求した令状の4分の1がジオフェンスに関するもの

ブルックリン中心部を代表するニューヨーク州の上院議員で、上院の法案を後援したZellnor Myrie(ゼルナー・マイリー)氏は、TechCrunchに次のように語っている。「私が代表を務めるブルックリンのような密集した都市コミュニティでは、単に犯罪現場の近くに住んでいたり歩いていたりするだけの何百人、何千人もの無実の人々が、個人の位置情報を引き渡すジオフェンス令状に巻き込まれる可能性があります。また、キーワード検索令状では、特定の言葉、名前、場所を検索したユーザーが特定されます。私たちの法案は、このような令状を禁止し、ニューヨーカーのプライバシーを守るものです」。

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Zack Whittaker、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

米ホワイトハウスがオープンソースソフトウェアセキュリティサミット開催、GoogleがOSS保護に官民の協力を呼びかけ

米ホワイトハウスがオープンソースソフトウェアセキュリティサミット開催、GoogleがOSS保護に官民の協力を呼びかけ

Google

Googleは1月13日(現地時間)、オープンソースソフトウェアを保護するために官民の協力が必要だと訴えました。これは、2021年12月から大きな話題となっているオープンソースライブラリのLog4jに見つかった脆弱性の問題を受け、Linux FoundationApacheソフトウェア財団(ASF)も参加する形で米ホワイトハウスが開催した、オープンソースソフトウェアセキュリティサミットで発表したもの。

この中でGoogleは、重要なインフラや国家安全保障のシステムで採用されているオープンソースソフトウェアは、そのセキュリティを維持する作業のほとんどをボランティアが行っていると指摘。オープンソースソフトウェアはコードが広く公開されており、その透明性と多くの目が監視しているために、一般的に安全だという前提で使われています。しかし、いくつかのプロジェクトには多くの目が向けられているものの、それ以外のプロジェクトにはまったく目を向けられていないとしています。

実際、SteamやiCloud、Amazon、Twitter、Mincraftなどでも利用されているロギングライブラリのLog4jの場合、Github上のメンテナはわずかに3人だったとも伝えられています。

「私たちの生活におけるデジタルインフラの重要性を考えると、そろそろ物理的なインフラと同じように考えてもいいのではないでしょうか。オープンソースソフトウェアは、オンライン世界の多くの部分をつなぐ組織であり、道路や橋と同じように注目し、資金を提供する必要があります」と、業界と政府が協力して、重要なオープンソースプロジェクトを支援すべきだと呼びかけます。

なお、オープンソースのセキュリティの優先順位を管理し、脆弱性の修正を支援するOpen Source Security Foundation(OpenSSF)がすでにありますが、Googleはこうした組織をサポートするために1億ドル(約114億円)を支出しているとのことです。

(Source:GoogleEngadget日本版より転載)

PUBGの開発元が著作権侵害を主張、ライバルのゲーム会社とアップルやグーグルを提訴

人気バトルロイヤルゲーム「PlayerUnknown’s Battlegrounds(プレイヤー・アンノウンズ・バトルグランド)」の開発元であり、2021年の世界的なモバイルゲーム売上ランキングで第6位となった「PUBG Mobile(PUBGモバイル)」のメーカーであるKrafton(クラフトン)は、ライバルゲームメーカーであるGarena Online(ガレナ・オンライン)の「Free Fire(フリーファイア)」が著作権を侵害しているとして、アプリストアとGarenaを提訴している。

この訴訟では、Garenaのゲームが、オープニングからゲームの構造や遊び方、武器や防具、独自のオブジェクトの組み合わせと選択、ロケーション、全体的な配色や素材、テクスチャーなど、自社のゲームの数多くの側面をコピーしていると、Kraftonは主張している。

また、Google(グーグル)傘下のYouTube(ユーチューブ)も、侵害された素材の動画をホストしているとして、訴訟にその名を挙げている。

Garenaはこの訴訟に対して声明を発表し「Kraftonの主張は根拠のないものです」と、同社の広報担当者は述べた。

訴状によると、Garenaは、2017年にKraftonのBattlegroundsが発売された直後に、このゲームの要素をコピーした疑いのあるゲームの販売をシンガポールで開始したとされている。Apple(アップル)とGoogleは、アプリストアでこのゲームのモバイル版の販売を開始していた。このゲームは当初「Free Fire:Battlegrounds(フリーファイア:バトルグランド)」と呼ばれていたが、現在は「Free Fire」と呼ばれている。シンガポールでの訴訟は両社の間で和解に至ったものの、KraftonはGarenaとライセンス契約を結んだわけではないと、訴状には記されている。

その後、2021年9月28日にGarenaは「Free Fire MAX(フリーファイア・マックス)」という新タイトルをリリースした。これはAppleやGoogleのアプリストアで配信されている別のモバイルゲームだが、Free Fireと同じユーザー体験を提供することを目的としており、Battlegroundsの数多くの要素も侵害していると、Kraftonは主張している。同社は、この侵害したゲームが世界的な売上から「数億ドル」の利益を得たと指摘。AppleとGoogleも、このゲームをアプリストアを通じて配信することによって、手数料という形で利益を得ている。

その一方で、Kraftonは「Free Fire」および「Free Fire MAX」のゲームプレイの動画を配信しているYouTubeも、訴訟の対象として名前を挙げている。これらの動画は何億回も視聴されており、動画によっては1本で100万回以上も再生されている。また、YouTubeは、Battlegroundsの権利を侵害してドラマ化した長編実写映画も公開していると、訴状では述べられている。

Kraftonは、AppleとGoogleが問題を解決しようとしないため、裁判所に頼ることにしたという。同社によると、2021年12月21日にゲームの配信を停止するよう、両社のアプリストアに求めたが、拒否されたとのこと。また、YouTubeも侵害している動画を削除しようとなかった。

今回の訴訟は、Kraftonの後続タイトルである「PUBG:New State(PUBG:ニューステート)」が11月にリリースされた直後のことであり、このタイトルには多くの新要素が含まれている。この問題が解決されなければ、同社は最新作も「コピー」されることを懸念しているのだろう。

人気アプリやゲームのクローンは、アプリストアではよく見られる問題であり、サブスクリプション市場の成長により、その行為はますます増えている。実際、例えばAppleは今週、人気オンラインゲーム「Wordle(ワードル)」のクローンを、App Storeから一掃しなければならなかったばかりだ。Appleはクローンアプリで利益を失った別の開発者からの訴訟にも直面している。Wordleと同様、数年前に人気を博した「Threes(スリーズ)」や「Flappy Bird(フラッピーバード)」などのゲームもクローンの被害に遭っている。しかし多くの場合、これらのゲームはよりシンプルで、コピーしやすく、人気が落ちるのも早かった。しかし、PUBG Mobileのようなゲームの場合、コピーされることによる経済的な影響は、はるかに大きな規模となる。

アプリ情報分析会社であるSensor Tower(センサータワー)のデータによると、PUBG Mobileは2020年に27億ドル(約3070億円)を売上げ、2021年には29億ドル(約3300億円)に伸びている。ちなみに、Garena Free Fireの2021年の売上は約12億ドル(約1365億円)だった。

この訴訟は、2022年1月10日にカリフォルニア州中央地区の米国地方裁判所に提出された。Kraftonは、この問題を解決するために陪審員裁判を要求している。Kraftonが勝つためには、単に類似した「バトルロイヤル」スタイルのゲームを提出するだけでなく、Garenaが法的に侵害していることを裁判所に証明しなければならない。

Kraftonは、最近ではチーター(不正行為プレイヤー)に対する訴訟で勝訴するなど、しばしば自社のゲーム帝国を守るための行動を起こしている。Kraftonの子会社であるPUBG Corporation(PUBGコーポレーション)も、同じくPUBGのクローンをめぐってNetEase(ネットイーズ)を著作権侵害で訴え、和解に至ったことがあるが、2018年には「Fortnite(フォートナイト)」をめぐりEpic Gamesに対して同様の訴訟を起こしたものの、後にこれを取り下げている

なお、今回の訴訟に関してKraftonはコメントの要請に応じていない。

画像クレジット:PUBG MOBILE

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

グーグルのSonosへの敗訴で大手テック企業による知的財産権侵害問題が改めて明らかに

米国際貿易委員会(US International Trade Commission)は米国時間1月6日に、Googleがワイヤレススピーカーの技術でSonosが特許を持つイノベーションを侵害したと判決した。それは、知的財産権をめぐる複雑な抗争への、わかりにくい判決と思われるかもしれないが、それは米国のイノベーション経済と経済の国際的競争力を脅かしている問題を、改めて確認している。

その問題とは、知的財産権の盗用だ。

数年前にGoogleのような大手テクノロジー企業は、小さな企業の知財を買ったりライセンスするよりも、それらを盗んだ方が利益が大きいと判断した。GoogleやApple、Samsungなどはみな大金持ちなであり、法務の費用や、万一窃取と認められた場合の賠償金など気にしない。一例としてGoogleは、1420億ドル(約16兆1514億円)のキャッシュを有している。これは、多くの企業の1年の利益をはるかに上回っている。

大手テック企業は、こうして欲しいものを手に入れる。そして次は焦土作戦で、苦情を訴えたIP所有者を打ち負かす。訴訟を何年も長引かせて、正義を求める知的財産所有者に巨額の訴訟費用を課す。知的財産所有者の多くは、訴訟すらできない。それが自分を滅ぼすと知っており、自己の正当な権利を守ろうとする行為、すなわち長引き費用がかさむ訴訟が、自己を破壊すると承知している。

端的にいうと、大手テックは知的財産を盗むことから利益を得る。長年の訴訟で法務費用や賠償などが増えたとしても、それらは得られる利益に比べると微々たる額だ。

しかし、やり返す企業も少しはいるために、この途方もない権利侵害行為の存在が確認されている。GoogleがSonosを侵害した1件は、その明瞭な例の1つだ。

Sonosは、米国におけるサクセスストーリーの典型的な例だ。そしてGoogleによる、その技術に対する海賊行為は悲劇だ。Sonosはワイヤレススピーカーの画期的なイノベーションで特許を取り、2005年に革新的なスタートアップを創業した。Googleとは2013年にライセンス契約を結んだが、Googleはそのとき、同社の音楽サービスGoogle Play MusicをSonosのスピーカーに統合することで合意した。

しかしGoogleは単にこの契約を、Sonosの技術へのアクセスを得るために利用した。すぐに同社はSonosの技術を使って自社のデバイスを作るようになり、それらのスピーカーやオーディオ装置は、市場にあるSonosのスピーカーなどと直接競合するものだった。

Googleは、Sonosの開発費用を負担していない。検索エンジンの事業で大きな利益を得ているのだから、自社の新しい製品やサービスを下支えすることもできただろう。まさにそのとおり、GoogleはSonosの価格を下押しした。それは、特許海賊の常套手段である商業行為だ。

Sonosは最初、Sonosから略取した技術のライセンス料を求めてGoogleと協議した。Googleはその協議を何年も長引かせ、その間にGoogleの利益は膨らみ、Sonosはますます多くのお金を失った。7年後にSonosは、法廷で自己の権利を護る以外の選択肢はない、とい状態に追い詰められた。Sonosは、2020年にGoogleを訴えた。

Sonosは、国際貿易委員会にもGoogleを訴えた。この特別法廷は通常の裁判所よりも迅速に、侵害的な輸入を禁ずることができる。ただし、損害賠償はない。

2021年夏にITCの判事は、Googleが確かにSonosの5つのパテントを侵害したと判決した。先に同委員会は、この決定を再確認した。Googleは今でもSonosの主張を「根拠がない」とし、控訴を続けるつもりだ。

これは大手テック企業が、他人に特許のある技術を不法に利用する顕著な例にすぎない。あまりにも多いから、今では「略奪的侵害(predatory infringement)」と呼ばれている。法学者や政策立案者は「効率的侵害」(efficient infringement)と、皮肉な名前で呼んでいる。わかりやすくいえば、これは「海賊行為(piracy)」だ。

しかし大手テック企業は米国の特許システムに対する攻撃を続けており、海賊行為をさらに支持することを求めている。Googleなどの企業は長年、議会に対するロビー活動に数百万ドル(数億円)を投じて、規制当局に特許を弱体化し、排除させようとしている。つまり特許というシステムを、イノベーターに反するものに改装するつもりだ。たとえば彼らはパテント・トロールという怪物を作り出して、侵害で彼らを訴えようとする特許保有者を中傷している。あたかも、問題は彼ら自身の窃取行為ではなく、彼らと戦おうとする被害者たちのあつかましさだ、と言わんばかりに。

米国のイノベーション経済の中心的な推進者は特許に依存するイノベーターやクリエイターたちだから、ワシントンは彼らを護るために活動する必要がある。議会は、超党派のSTRONGER Patents Act法案を再提議し、成立させるべきだ。この法律は特許のシステムに均衡を回復し、ビッグテックがロビー活動で作り出した、略奪的侵害の戦術的実践の鍵となっている法規や制度をリフォームするだろう。

SonosのGoogleに対する法的勝利は、長年、政策立案者や法律家たちがいってきたことを確認している。すなわち、ビッグテックによる略奪的侵害は21世紀の海賊行為であり、Sonosは多くの被害者の1つにすぎない。ワシントンはこの海賊行為を終わらせる努力をすべきであるし、それができる。

編集部注:本稿の執筆者Adam Mossoff(アダム・モソフ)はGeorge Mason大学の特許法の専門家。STRONGER特許法について議会で証言しており、Hudson Instituteのシニアフェローでもある。

画像クレジット:erhui1979/Getty Images

原文へ

(文:Adam Mossoff、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ニュースアグリゲーションにおける立場乱用疑いでインドがグーグルを調査へ

インドの独占禁止監視当局は、検索大手Google(グーグル)がニュースアグリゲーションにおける支配的な立場を「乱用」して、メディアに不当な条件を課していると主張する報道機関からの苦情を受け、Googleに対する調査を命じた。

インド競争委員会は現地時間1月7日、Googleが特定のオンラインサービスを支配している、と述べた。最初の見解は、Googleが現地の独占禁止法に違反しているというもので、フランスとオーストラリアの新しい規則を指摘した。同社は両国で「両者間の交渉力の不均衡とその結果としてのGoogleによる不当な条件の押しつけ」を解決するために、コンテンツの有料ライセンスについて報道機関と「公正・誠実な交渉」に入ることを求められている

「情報提供者の申し立ては、Googleが運営するこの垂直統合型エコシステムの中で見た場合、報道機関はGoogleが課す条件を受け入れるしかないというものです。Googleは、さまざまな報道機関とニュース読者との間のゲートウェイとして機能しているように見えます。報道機関にとってもう1つの選択肢は、Googleが生み出すトラフィックを見送ることであり、それは彼らの収益にとって不利となります」とインド競争委員会は21ページに及ぶ命令書の中で述べている。

この調査は、インド最大のメディア企業数社のデジタル部門で構成されるデジタルニュース出版社協会からの苦情を受けてのものだ。同協会によると、同協会の会員は、トラフィックの半分以上をオンライン検索エンジンから得ている。この部門はGoogleが明らかに支配しており、市場をリードする立場を利用して同社は出版社にいくつかの不利な条件を強要することができた、と同協会は主張している。

広範な苦情の中で協会は、ニュースアイテムのスニペットを表示するGoogleが報道機関へのビジターの数を制限して広告収入に影響を与え「その間、同社はその結果ページで広告収入を稼ぎ続け」つつ「検索クエリのボリュームから生じる検索アルゴリズムを強化している」と指摘している。

「また、報道機関Informant(インフォーマント)のメンバーとOPs(Googleとその子会社)の間で締結された広告収入分配に関する契約の条件は、OPsによって一方的かつ恣意的に決められており、Informantのメンバーは何の交渉力もなく、条件をそのまま受け入れる以外に選択肢がないとの主張があります」と当局は述べた。

「AMPシステムの唯一の代替案は、報道機関がGoogleを購読することであり、これは報道機関に不利益を与え、Googleを利することになります」と当局は述べている。同協会は、GoogleがAMPフォーマットの使用を強要しており、それが報道機関の収入に影響を及ぼしていると非難している。

Googleの広報担当者は、コメントの要請に応じなかった。

「よく機能する民主主義では、ニュースメディアが果たす重要な役割を損なうことはできません。すべての利害関係者の間で収益の公正な配分を決定する競争プロセスに害を及ぼさないよう、デジタルゲートキーパー企業がその支配的地位を乱用しないようにする必要があります」と、当局は付け加えた。

1月7日の調査は、インドの競争監視当局がここ数週間で命じた一連の調査の中で最新のものだ。インド競争委員会は2021年末に、Apple(アップル)のApp Storeの運営方法について調査を命じ、Appleに狙いを定めた最新の国になった。

画像クレジット:Sanjeev Verma / Hindustan Times / Getty Images

原文へ

(文:Manish Singh、翻訳:Nariko Mizoguchi

米規制当局、グーグルがSonosのスピーカー特許を侵害と判決

米国際貿易委員会(US International Trade Commission、ITC)は、Googleがスピーカーと製造法に関する特許を侵害したとするSonosの訴え同意した。最初の決定は8月に出されていたが、今回判決が終結し、Googleは、Sonosの知的財産を侵害していると認められる製品を輸入できなくなる。Googleはその製品を中国で製造しているため、60日後に輸入禁止が適用されると、それらを米国へ送ることができなくなる。

Sonosは2020年に5つの特許に関してGoogleを訴え、その中にはワイヤレススピーカーをお互いに同期する技術もある。The New York Timesによると、侵害に該当する製品にはGoogleのHomeスマートスピーカー、Pixelとコンピューター、そしてChromecastデバイスが含まれる。輸入禁止となったGoogleの広報担当者は、この判決でデバイスの輸入と販売が中断することはないと述べている。

「私たちは本日の判決には同意しないが、ITCが弊社修正設計を承認したことには感謝する。私たちはさらなる見直しを求め、パートナーシップと知的財産に関するSonosの根拠のない主張に対して私たち自身を護っていく」と広報担当者はProtocolに語る。委員会は、最終判決でその新しい設計を否定しなかったため、Googleはそれらを実装することができる。

Nestのチームは最近、スピーカーグループの部分的変更を発表し、それを「最近の法的決定によるもの」と述べている。最も顕著な変更は、今後ユーザーは、グループ内のすべてのスピーカーのボリュームを一度に調節できなくなることだ。各スピーカーを、個々に調節しなければならない。

Sonosの法務担当最高責任者(CLO)であるEddie Lazarus(エディ・ラザロ)氏は声明の中で次のように述べている。「Googleは製品の機能を劣化または排除することで、ITCに科せられた輸入禁止を回避することもできるが、それでもなおかつGoogleはSonosの数十ダースもの特許を侵害している」。すなわち、Sonosにロイヤリティを払わないかぎり特許権侵害になるのだ。

以下は、その声明の全文となる。

ITCが本件で争点となっているSonosの5件の特許を明確に検証し、Googleが5件すべてを侵害していることを明確に裁定したことに感謝している。これは、特許訴訟では極めて稀な全面的勝利であり、Sonosの広範な特許ポートフォリオの強さとGoogleのコピー拒否の空虚さを浮き彫りにしている。これらのSonosの特許は、家庭用オーディオシステムを制御するためのセットアップ、複数のスピーカーの同期、異なるスピーカーの独立した音量制御、スピーカーのステレオペアリングなど、非常に人気の高い家庭用オーディオ機能に関するSonosの画期的な発明をカバーしています。

ITCが課した輸入禁止を回避する方法で、Googleは製品の機能を低下させたり削除したりできる可能性がある。しかし、Googleはこの輸入禁止措置を回避するために消費者の体験を犠牲にするかもしれないが、同社の製品は依然としてSonosの特許数十件を侵害し、同社の不正行為は続くだろうし、Sonosに対する損害賠償は今後も発生し続けるだろう。あるいは、他の企業がすでに行っているように、Googleは不正流用した技術に対して公正な使用料を支払うこともできる。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者のMariella Moon(マリエラ・ムーン)氏は、Engadgetのアソシエイトエディター。

画像クレジット:

原文へ

(文:Mariella Moon、翻訳:Hiroshi Iwatani)

CES 2022でスマートホームデバイスの接続規格「Matter」に注目が集まっている理由

現在、ラスベガスで開催中の2022年CESテクノロジーショーで各社が新しいスマートホーム機器を発表する中、スマートホームデバイスは他のシステムとシームレスに統合され、安全で信頼できるものであるべきだという共通の信念に基づいて作られたオープンソース接続規格「Matter(マター)」が大きな話題になっている。

Deloitte(デロイト)によると、スマートホームデバイスを導入している家庭の割合は66%に上り、デバイス好きな人はおそらくきっとこの数字の中に含まれていることだろう。また、1つの会社やブランドにこだわらず、少なくとも6つの異なる会社からデバイスを購入されていることだろう。そのため、2022年スマートホームデバイスを発売する企業にとって、Matterのサポートはとても助かるものだ。

このプロトコルは、Apple(アップル)、Amazon(アマゾン)、Google(グーグル)といった大手テック企業やスマートホームデバイスメーカーによって開発されているだけでなく、断片化したスマートホームシステムに関する問題を最終的に解決し、すべてのデバイスを1つの場所から簡単にセットアップしてルーティングできるようにするために設計されている。

Matterは、ローカル・コントローラー・デバイスを介した、すべてのデバイスの通信を可能にするインフラ、パイプライン、言語となる。そのインターネットプロトコルは、デバイス認証のためのIPベースのネットワーク技術の特定のセットを定義し、メーカーがApple SiriやAmazon Alexa、Google Assistantと互換性のあるデバイスを製造できるようにしてくれる。Matterの最初のプロトコルは、Wi-FiとThreadのネットワーク層で動作し、コミッショニングにはBluetooth Low Energyを利用する予定だ。

最初のMatter認定デバイスのテストを組織しているConnectivity Standards Alliance(通信規格標準化団体、旧Zigbee Alliance)は、2022年のCESでブースや会議室、バーチャル会議においてMatterを展示または紹介している企業を20社以上特定した。その中には、NXP、Qualcomm(クアルコム)、Samsung(サムスン)SmartThings、Telink(テリンク)、Texas Instruments(テキサス・インスツルメンツ)、Universal Electronics(ユニバーサル・エレクトロニクス)が含まれている。

5月にGoogleは、MatterをAndroidとNestに導入すると発表し、米国時間1月5日、数カ月後にAndroidの「Fast Pair」機能を使って、新しいMatter対応スマートホーム機器を数クリックでホームネットワーク、Google Homeや他のアプリにすばやく接続できるようになると発表した。

関連記事:グーグルがFast Pair機能をヘッドフォン以外にも拡大、デバイスと生活で使うさまざまな機器をつなぐプラットフォームに

そして1月5日未明、Amazonは、その「フラストレーションフリーのセットアップ」ドキュメントが現在デバイスメーカーに公開され、インターネット接続がダウンしてもそれらをコントロールできるように、そのデバイスをMatterデバイスの第二管理者として追加するなど、セットアップ体験とAlexa機能の両方について多くの企業と協働していると述べている。

また、同社はシリコンベンダーと協力して、フラストレーションフリーのセットアップをサポートする「Matter System-on-a-Chip」となるものを開発中だという。これらはすべて、ほとんどのEchoデバイスがMatterをサポートし、第4世代のEchoとeeroデバイスがMatter Threadボーダルーターになるという2021年の発表に続くものだ。

その他、Matterに対応する新しいデバイスやサービスを発表した企業を紹介する。

  • Comcast(コムキャスト)は、スマートライト、スマートプラグ、スマートロックなどのIoTおよびホームオートメーションデバイスの中央コネクタとして機能するZigbeeおよびMatter互換の「未来のスマートホームのためのIoT」機能を備えた新しい「xFi Advanced Gateway Router」を発表しながらそれに言及した。
  • コネクテッドホーム製品を製造するEve Systems(イヴ・システムズ)は「Eve MotionBlinds」を制作し、同製品を「Threadに対応した市場初のコネクテッドブラインドとシェードモーター」だとアピールした。
  • ホームセキュリティブランドのArlo Technologies(アーロ・テクノロジーズ)は、セキュリティハブと統合キーパッドに対応した8種類の機能を持つセンサーセット「Arlo Security System」を、よりDIY的なセキュリティ監視ソリューションを求める小規模企業や消費者向けに発表した。また、スマートホームの分野で幅広い互換性を確保する姿勢を固めるため、Matterへのコミットメントも表明した。
  • エッジコンピューティング企業のVeea(ヴィーア)は、Matter、Thread、Wi-Fi 6のサポートを含む「Smart-home-as-a-Service」を発表した。これには「STAX」と呼ばれる家庭用Veea SmartHubメッシュ・ルーターが含まれる。
  • Belkin(ベルキン)がCESで発表した家庭向けのMatter対応製品の中には、AppleのHomeKitと連携する新しい「Wemo」スマートビデオドアベルや、Thread上でMatterと連携するスマートライトスイッチ、スマートディマーがある。
  • Mui Lab(ムイ・ラボ)は、スマートデバイスを「より落ち着いたもの」に変えるMatter対応の「muiPlatform」をデビューさせた。これにはAmazonのAlexaをより視覚的なインターフェースに変えるボードが含まれる。

Connectivity Standards Alliance(CSA)のマーケティング担当副社長であるMichelle Mindala-Freeman(ミシェル・ミンダラ=フリーマン)氏は、米国時間1月4日に発表されたSchlage(シュレージ)の新しいスマートWi-Fiデッドボルトに注目している。

彼女は、2022年はMatterにとって大きな年になるだろうと述べている。CSAとMatterの両方に関わっている企業は数百社あり、50社がすでに134の製品を持ち込んでいると、同氏ははTechCrunchに語っている。

CSAは、2022年の半ばまでに認証、仕様、テストツール、SDKをリリースする予定だ。これにより、企業は新しいハードウェアやイノベーションをより早く市場に投入することができるようになり、より幅広い消費者にリーチすることが可能になる。

ミンダラ=フリーマン氏は「根本的なレベルでは、CSAの仕事は、断片化をなくし、企業が成長し、消費者にとって価値の高い方法でそれを実現するのを支援することです。Matterのような標準規格は、それを実現するものであり、すべての船を上昇させる潮流であると信じています」。と述べている。

画像クレジット:Schlage / Schlage Encode Plus Smart WiFi Deadbolt

原文へ

(文:Christine Hall、翻訳:Akihito Mizukoshi)

Google HomeとYouTubeがVolvo Carsと統合

米国時間1月5日にCESで、Googleは、Androidデバイスをネットに接続し続けるためのさまざまな方法を披露した。そこには自動車も含まれており、多くの車両がEVになり、自動車メーカーがソフトウェアの開発者へと進化していくにつれて、自動車がコネクテッドデバイスになっていくであろうことが予想される。

その1つの例が、Volvo Carsだ。同日、VolvoとGoogleは数カ月後にGoogle Homeのエコシステムを直接統合すると発表した。この統合で自動車オーナーは、オンオフや温度調整、バッテリーの寿命といった自分のクルマの情報取得などを、Googleアシスタント対応のホームデバイスやモバイルデバイスに音声のコマンドでさせることができるようになる。また、Volvo車とGoogleアカウントをペアリングすると、車内でGoogleと直接会話することができるようになる。

Googleによるとこの機能は、当初米国とスウェーデン、ノルウェー、ドイツ、イタリア、フランス、スペインなどのヨーロッパ市場で利用できるようになるが、近いうちに他の市場にも対応していくとのこと。

またVolvoによると、今後のVolvo車はGoogleが内蔵されるため、YouTubeをダウンロードするプラットフォームにもなり、車内でビデオのストリーミングを楽しめるようになる。YouTubeはQualcommのSnapdragon Cockpitプラットフォームから利用でき、Volvoの発表によると、次期の電動SUVに搭載される。Googleとのパートナーシップは、デジタルサービスを増やし、ドライバーにより多くのエンターテインメントを提供していくという大きなプランの一環だという。そのために同社が導入を準備しているRide Pilotは、同社の新しい「監督不在」の自動運転機能であり、最初はハイウェイを走る同社の次期SUVを完全に自動運転化する。その際ドライバーは、ハンドルから完全に手を離して、他のことをしていてもいい。

関連記事:クアルコムが自動車分野へのさらなる注力を表明、ボルボ、ホンダ、ルノーなど新規顧客を発表

「顧客が充電時や子どもが学校から出てくるのを待つ間にビデオを見られることは、生活を幸福で楽しくするという私たちの約束の一環です。YouTubeなどのメジャーなストリーミングサービスを近く見られるようになれば、顧客は充電の時間を面倒と思わずに、むしろ楽しめるようになり、EVのオーナーであることが、やや気楽なものになるでしょう」とVolvo CarsのチーフプロダクトオフィサーであるHenrik Green(ヘンリック・グリーン)氏は声明で述べている。。

Volvoだけで満足していないGoogleは12月に、クルマのデジタルキーを発表した。それによりユーザーはGoogle PixelとSamsung Galaxyスマートフォンの一部機種で、2020、2021、2022年式のBMW車 / 互換車のロックとアンロックおよび始動ができる。今回のGoogleの発表では、ユーザーは年内に超広帯域無線のデジタルカーキーを使って、スマートフォンをポケットから取り出さなくてもクルマをアンロックすることができ、キーを他の人と共有することもできる。この機能が使えるのは、ヨーロッパ、アジア、北米、アフリカの一部、そしてロシアとニュージーランドとオーストラリアとなっている。

画像クレジット:Volvo Cars

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hiroshi Iwatani)

グーグル、Androidスマホと(一部の)Windows PCの連携を大幅強化

GoogleはIntel、Acer、HPなどと協力して、高速ペアリングによるスマートフォンとWindows PCの接続、Nearby ShareによるAndroidデバイスとWindows PC間のファイル共有、Bluetoothアクセサリーのセットアップ、2つのコンピュータエコシステム間でのテキストメッセージの同期を実現する。

これらの新機能は、2022年後半に一部のWindows PCに搭載される予定で、Googleが「あなたのデバイスがより良く連携するために、より役立つ方法に投資する」という努力の一部だ。

画像クレジット:Google

ここ数年、GoogleとMicrosoftはともに、Android端末とWindows PCの距離を縮めるためにさまざまな取り組みを行っていた。MicrosoftがSurface Phone向けに独自に開発したAndroid Microsoft Launcherもその1つだが、より重要なのは、PCから通話やテキストメッセージを送信できるMicrosoftのMy Phone on Windowsや、Windows 11でAndroidアプリを実行できるWindows用Androidサブシステム(ただし、これはGoogle ではなくAmazonとの協業だが)などのアプリだ。

本日、同社が発表した新機能は、GoogleはMicrosoftをパートナーの1社としても好ましく思っていないようで、一部メーカーの新しいPCにプリインストールされたソフトウェアとして話しをしており、Windows 10や11の新機能についての話ではなかった。

画像クレジット:Getty Images

原文へ

(文:Frederic Lardinois、翻訳:Katsuyuki Yasui)

グーグルがサイバーセキュリティSiemplifyを買収、Google CloudのChronicleの一部に

サイバーセキュリティ侵害の件数は高水準で推移しているため、法人ITにおける信用とビジネスの拡大を真剣に考える企業は、この問題に取り組むために投資を続ける必要がある。そのため、Google(グーグル)は、クラウドベースおよび法人向けセキュリティの事業を強化することで、新年をスタートさせようとしている。同社は米国時間1月4日、イスラエルに拠点を置くサイバーセキュリティのスタートアップSiemplify(シンプリファイ)を買収したことを明らかにした。Siemplifyは、企業向けのエンド・ツー・エンドのセキュリティ・サービス、一般にセキュリティ・オーケストレーション、自動化、対応(SOAR)サービスと呼ばれるものに特化している。

この買収は、イスラエルのメディアですでに報道され噂されていたが、今回、GoogleそしてSiemplifyのCEOで共同創業者のAmos Stern(アモス・スターン)氏がともに買収を認め、SiemplifyがGoogle Cloud Platformに、具体的にはそのChronicle業務に統合されることを明らかにした。

GoogleとSiemplifyは、買収価格についてのTechCrunchの質問には答えなかったが、この取引に近い情報筋は5億ドル(約580億円)だと明らかにした(この数字は、先の報道でも言及されている)。

Chronicleはもともと、Googleの古いムーンショット取り組みであるGoogle「X」とともに、法人向けセキュリティ企業として設立された。検索大手であるGoogleが、クラウド市場2強のMicrosoft(マイクロソフト)のAzureとAmazon(アマゾン)のAWSを猛追しようと、クラウドサービス事業を中心に機能やサービスを拡充して法人売上高の拡大を図る一環として、Chronicleは2019年にGoogle Cloud経由でGoogle本体に移行した

関連記事:エンタープライズセキュリティサービスのChronicleがGoogle Cloudに統合へ

Siemplifyは2019年5月に最後のラウンドを実施し、合計5800万ドル(約67億円)を調達した。投資家にはGeorgian、83North、Jump Capital、G20 Venturesの他、多数の個人も含まれていた。Siemplifyは現在、本社をニューヨークに置いているが、同社はイスラエルで創業し、現在も同国に研究開発部門を持っている。そのため、今回の買収はGoogleにとって初の米国外でのサイバー企業買収ということになる。

Googleの買収は、サイバーセキュリティの世界において重要な時期に行われた。全体像として、サイバーセキュリティ侵害が衰える兆しがないのは、悪意のあるハッカーがこれまで以上に巧妙な手口で仕掛け、そして組織や消費者がインフラや日常の活動をますますオンラインやクラウドに移行させているためにターゲットがますます魅力的なものになっていることに起因している。

Chronicleは、サイバーセキュリティの遠隔測定用プラットフォームとして構築された。具体的には、あらゆるデバイスやネットワーク上のデータの動きを追跡し、侵害を検知・阻止するためのてがかりを得る方法となる。SOARプラットフォームは、この活動の顧客インターフェース要素であり、セキュリティ運用の専門家が活動を管理・監視し、(自動または手動の)修復プロセスを開始し、将来同じことが起こらないようにするためにすべてを記録するのに使用される。Googleがより多くの顧客を獲得するためにサービスや自動化を追加していく中で、SOARの機能を増やすことは同社にとって論理的な次のステップだ。

「Siemplifyプラットフォームは、セキュリティチームがリスク管理を強化し、脅威に対処するためのコスト削減を可能にする直感的なワークベンチです。Siemplifyは、セキュリティオペレーションセンターのアナリストがエンド・ツー・エンドで業務を管理し、サイバー脅威に迅速かつ正確に対応し、アナリストとの対話を重ねることでより賢くなることを可能にします。この技術はまた、ケースロードの削減、アナリストの生産性の向上、ワークフロー全体の可視性の向上により、SOCのパフォーマンスを改善します」とGoogle Cloud SecurityのGMであるSunil Potti(スニル・ポッティ)氏は買収を発表したブログの中で書いている。「Siemplifyの機能をChronicleに統合するのは、企業のセキュリティ運用の近代化と自動化を支援できるようにするためです」。

画像クレジット:Beata Zawrzel/NurPhoto / Getty Images

原文へ

(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi

グーグルがCES出展を取り止め、オミクロン株への懸念で

Lenovoのビッグニュースから始まり、Waymo、Intelと続いた。GoogleはCESへのリアル出展から完全に撤退するようだ。同社の広報担当者はTechCrunchに対して次のように語っている。

慎重に検討した結果、我々はCES 2022の会場で存在感を示すことを控えることにしました。オミクロン株を注意深く観察してきましたが、私たちのチームの健康と安全を考えると、これが最良の選択であると判断しました。私たちは、CTAとパートナーの両方との密接な協力を継続し、バーチャルな機会を特定しサポートし続け、最新のGoogleのイノベーションをみなさんと共有できることを楽しみにしています。

Alphabetの子会社Waymoの先のニュースから判断すると、Googleがバーチャルに進出したのは驚くことではない。それでも、ソフトウェアの巨人は近年、家庭用製品のNestシリーズやPixelスマホを通じてハードウェアにますます力を入れており、その存在感は増している。ここ数年、Googleの複雑な屋外展示は、ラスベガス・コンベンション・センターの駐車場での目玉となっていた。

関連記事:レノボがCESのリアル参加を見送り、 オミクロン懸念で計画変更するハードウェア大手1号に

昨日の時点で、CESの運営団体であるCTAは、2022年1月初旬のイベント開催の決定に揺るぎはないが、ビッグネームの損失は積み重なり続けている。オミクロン株への懸念からラスベガスから撤退する企業のリストにはT-Mobile、AT&T、Meta、Twitter、Amazon、TikTok、Pinterest、そしてTechCrunchなど多くのメディアも含まれている。

私たちは、この最新のニュース(長い連休に向かう荒れた前兆)を踏まえて、CTAに連絡をとった。CTAの最後のコメントではキャンセルは42件で、展示フロアの約7%を占めている。その後も大手と新興企業の両方が出展を検討しているため、現在、変わってきていることは間違いないだろう。

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

Sidewalk Labsのスマートシティプロジェクトがグーグルに復帰

Alphabetのスマートシティプロジェクトが終了し、Googleが引き継ぐことになった。Sidewalk LabsのCEOであるDan Doctoroff(ダニエル・ドクトロフ)氏は、健康上の理由で退任することを記した書簡で発表した。広報担当者は、Sidewalk LabsのプロダクトはGoogleに組み込まれることを確認したが、AlphabetはCanopy Buildingsを別会社としてスピンアウトさせる予定だという。

「2022年からSidewalkのPebble、Mesa、DelveおよびAffordable ElectrificationのプロダクトはGoogleに加わり、Googleの都市持続可能性プロダクトの中核になります。これらのプロダクトは、Sidewalk Labsの都市プロダクト担当社長Prem Ramaswami(プレム・ラマスワミ)氏と最高技術責任者のCraig Nevill-Manning(クレイグ・ネヴィル-マニング)氏が引き続き担当します。2人はGoogle出身であり、チームは彼らのビジョンの実行を継続し、顧客に奉仕します」とドクトロフ氏は述べている。

Pebbleは縁石や駐車場の管理を目的とした車両センサーシステム、DelveはAIの力を借りて不動産開発を強化することを軸としている。Mesa sensorsは省エネを目的としたセンサー、Affordable Electrificationは家庭のエネルギー管理を目的としたセンサーだ。一方、Canopy Buildingsは「木材や木造建築の自動化された大量工場生産」を目指している。

ドクトロフ氏は6年前にGoogle内でSidewalk Labsを立ち上げ、その後Alphabetの傘下で独立企業になった。2017年10月、Sidewalk Labsはトロントのウォーターフロントにスマートな地域を建設する計画を発表した。Quaysideは、特に配達ロボットや騒音、交通、汚染といったものを管理するためのセンサーを多数導入していたはずだ。

しかし、Sidewalk Labsは2020年5月にプロジェクトを中断した。ドクターフは当時、新型コロナウイルス(COVID-19)による「前例のない経済的な不安」と、その他の妥協しなければならないことから、キーサイドのビジョンはもはや実行不可能であるとされていた。同社は、北米の開発プロジェクトに関するアドバイスも行っていた。

Sidewalk Labsからは、恵まれない地域のヘルスケアの改革を目指すCityblock Health、交通計画の見直しを目指したデータ収集プロジェクトで物議を醸したReplica「テクノロジーを駆使した新しい形のインフラを開拓した」とドクトロフ氏が語るSidewalk Infrastructure Partnersなどの企業がスピンアウトしている。

ドクトロフ氏は、医師からALS(ルー・ゲーリック病)である可能性が高いと判断され、身を引くことになったという。家族と過ごす時間を増やし、この病気と闘うことに専念するとのこと。2010年、ドクトロフ氏は、ALSと診断された父と叔父の死後、ALS研究のための新しい共同アプローチを構築することに焦点を当てた組織を立ち上げている。

編集部注:本記事の初出はEngadget。執筆者Kris HoltはEngadgetの寄稿ライター。

画像クレジット:Sidewalk Labs

原文へ

(文:Kris Holt、翻訳:Hiroshi Iwatani)