エンジニア採用支援「Qiita Jobs」が登録求職者数1万人を突破

Qiita Jobs

エンジニア採用支援サービス「Qiita Jobs」が登録求職者数1万人を突破したことを、Incrementsが8月4日に発表した。

Qiita Jobsは、日本最大級のエンジニア向けコミュニティ「Qiita」から誕生したもの。Qiitaで活動するエンジニアと採用を検討している企業をマッチングするもので、エンジニアはQiitaで公開した記事や読んでいる記事の傾向などからアピールでき、企業側はそれらの情報からチャットで声をかけるという流れ。

Qiitaでの活動がエンジニアのキャリアアップにつながる世界」をコンセプトとして、サービスリニューアルから順調に求職者数が伸び、1年で累計求職者数1万人突破となった。同社はコミュニティの強みを活かした「エンジニア白書2021」を公開したり、採用担当者向けの無料セミナーを多数開催するなどして、このジャンルでの存在感を高めている。

 

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カテゴリー:HRテック
タグ:Qiita, Increments, HR

ウォンテッドリー、従業員が様々なサービスを割引価格で使える「Wantedly Perk」のベータ版を公開

ビジネスSNS「Wantedly」を運営するウォンテッドリーは3月17日、Wantedly導入企業向けの新サービスとして、従業員が様々なサービスを割引価格で利用できる「Wantedly Perk」のベータ版をローンチした。

ウォンテッドリーでは同サービスを皮切りに、企業内での従業員の定着や活躍をサポートすることを目的とした「エンゲージメント事業」を開始する。

Wantedly有料プラン活用中の企業は無料で利用可能

Wantedly PerkはWantedlyの有料プラン活用中の企業を対象にしたエンゲージメント領域の新事業だ。導入企業に所属する従業員およびその家族(LGBTや事実婚などのパートナーも含む)は、家事代行やオンライン英会話などのサービスをディスカウント価格で利用できる。

本日時点では下記の7サービスが対象。サービスを掲載するパートナーに関しては今後も拡充する計画だという。

Wantedlyを有料で使っている企業であればWantedly Perkのベータ版は人数制限なく無料で使えるため、追加コストなしで従業員を応援する仕組みを導入できる(2021年8月頃の提供開始を予定している正式版では従業員のアカウント数が一定人数を超える際に有料化も検討しているとのこと)。

またWantedly Perk上に自社サービスを掲載するパートナーにとっては、ユーザーとの新たな接点になりうる。ユーザーへのディスカウントは必要なものの無料でサービスを掲載でき、紹介文を通じて自分たちの思いなどをアピールすることも可能。220万人のWantedlyユーザーのうち約8割を占める20〜30代の働くミレニアル世代を中心に、若い層に対して自分たちのプロダクトを訴求したい企業には有力なチャネルになるかもしれない。

従業員に対する福利厚生サービスとしてはベネフィット・ステーションやリロクラブなどが存在するが、ウォンテッドリー代表取締役CEOの仲暁子氏によると福利厚生サービスというよりは「従業員の自己実現支援サービス」としてWantedly Perkを位置付けているそうだ。

掲載するサービスの数を重視するのではなく「挑戦を可能にする学習や装備」をテーマに該当するものを厳選。その上でテックカンパニーとしてユーザビリティの高さにもこだわったという。

「ゴールとしては『挑戦を可能にすることで成長実感を得られる』社会人をふやすのが狙いです。故に、挑戦を可能にするための学習、生産性向上、ウェルネスといった領域のサービスを厳選してキュレーションしており、今後もそこを中心に強化していきたいと考えています」(仲氏)

従業員の定着や活躍を支援する「エンゲージメント事業」本格化へ

ここ数年のHR市場の変化としては「エントリーから採用」という範囲に限定して捉えられていた採用領域が、リファラル採用の浸透やSNS・社員口コミサイトの普及、人手不足の影響などもあって「入社後の従業員の定着や活躍」まで拡張している。

それに伴い国内でも社員のエンゲージメントやモチベーションを可視化したり、従業員の満足度を向上させたりするためのプロダクトが増えてきた。

ウォンテッドリーとしてはこれまで「Wantedly Visit」を通じて企業の認知度獲得からエントリー、そして採用に至るまでのフェーズをカバーしてきたが、市場の変化なども踏まえてエンゲージメント領域に進出することは以前から検討していたそう。今回のプロダクトもCEOの仲氏とCTOの川崎禎紀氏が中心で企画し、そこにCDOの青山直樹氏らも加わる形で開発を進めてきたというように、同社にとってもエンゲージメント事業が重要なプロジェクトであることがわかる。

「これまで『シゴトでココロオドルひとをふやす』というビジョンに沿って3.4万社を超える企業の皆さんの支援をしてきましたが、採用はゴールではなく、ジョインしたメンバーが長期に渡って活躍し、『シゴトでココロオドル』のがゴールです。その領域でサービスを出したいと常々考えてきましたが、エンゲージメント領域の認知が広がって来た今が良いタイミングだと考えました」(仲氏)

ウォンテッドリーは「シゴトでココロオドル」状態を「没頭することにより成果を出し、成果によって継続的に成長を実感できる状態」として捉え、“没頭”のためには自立、共感、挑戦の3要素が必要だとしている。既存サービスであるWantedly Visitは共感を軸に人と企業の出会いを創出するものであり、今回のWantedly Perkは従業員の挑戦を後押しすることを目的としたものだ。

今後同社では既存事業に加えてWantedly Perkを含むエンゲージメント事業を推進していくことで、「はたらくすべての人のインフラ」を目指すという。

人事ソフトのRipplingとGustoが広告看板をめぐり「どちらもどっち」な言葉のバトル

企業向け人事サービスを提供するZenefits(ゼネフィッツ)が問題を起こし、CEOのParker Conrad(パーカー・コンラッド)氏が追放されたときのことを憶えておいでだろうか。そのコンラッド氏が、Rippling(リップリング)という従業員の新人研修スタートアップを立ち上げたが、「Gustoを超えた? なら今すぐ変わろう」という別の人事サービス企業Gusto(ガスト)との比較広告を出している。

問題は、Gustoがこの広告を取り下ろすよう、Ripplingと広告看板の管理会社Clear Channel Outdoor(クリア・チャンネル・アウトドア)に停止命令を出したことだ。通常、比較広告は内容が正しい限り法的に許されるため、これは異例だ。Gustoは人事、福利厚生、給与計算のソフトウェアを販売している。Ripplingも同様のソフトウェアを販売しているが、それにIT管理を加えて従業員識別プラットフォームと統合している。

Ripplingが私に伝えたところによれば、同社に乗り換える顧客がその最大の理由に挙げているのが、企業の成長にGustoが追いつかなくなったことだという。Gustoの顧客事例には、61人以上の顧客は記されていない。Enlyftの調査では、同社の顧客は社員数10人から50人の企業が中心となっている。「2019年、Gustoのプラットフォームを去ったとき、我々がGustoにとって最大の顧客でした。彼らの製品は我々の事業規模には適していないと、正直に事実を話してくれました。昨年の秋にRipplingに乗り換えて、大変に満足しています」と、Compass Coffeeの共同創設者Michael Haft(マイケル・ハフト)氏は語っている。

それらの話を総合すると、広告におけるRipplingの主張は妥当に思える。しかし、停止命令では「Gustoの顧客には従業員数が100名を超える企業が複数あり、特定規模の事業がそのプラットフォームの許容度を超えるとは言っていない」と述べられている。

TechCrunchに提供された社員向けの電子メールに、RipplingのCMO、Matt Epstein(マット・エプスタイン)氏は「法的要求は真摯に受け止めますが、失笑を禁じ得ません。Gustoはそのウェブサイト全体で、スモールビジネスにフォーカスすると言っているのです」と書いていた。

そこで、Gustoを法廷に引っ張り出したり、Clear Channel Outdoorに広告看板を取り下げるようつげる代わりに、コンラッド氏とRipplingは小洒落た手に出た。停止命令にシェークスピア張りの弱強五歩格の韻文で返答したのだ。

Our billboard struck a nerve, it seems. And so you phoned your legal teams,
(我らが広告が気に触り、あなたは弁護士に電話した)
who started shouting, “Cease!” “Desist!” and other threats too long to list.
(彼らは叫んだ。停止だ! 差し止めだ! その他おびただしい脅しの言葉を)

Your brand is known for being chill. So this just seems like overkill.
(あなたのブランドは穏やかさが定評。なればこれは少しやりすぎ)
But since you think we’ve been unfair, we’d really like to clear the air.
(だが我らを不当とお考えのようなので、誤解を解きたく存じます)

Ripplingの顧問弁護士Vanessa Wo(バネッサ・ウー)氏は書簡をしたため、「Gustoが規模の拡大を目指していたとき、私たちはあなたがたが既製品に頼るのを見ていました。あなたがたのソフトウェアは力不足だった。そこでWorkdayに助けを求めざるを得なかった」と、Gustoの人事ツールでは100人を超える従業員には対応できず、大きな業務用ソフトウェア企業に頼ることになったことを示唆した。この書簡は、Gustoに停止命令を取り下げ、意味のある競争をしようと暗に提案して締めくくっている。

So Gusto, do not fear our sign. Our mission and our goals align.
(さすればGustoよ、我らが広告に恐れることなかれ。我らが使命と目標は同じ)
Let’s keep this conflict dignified—and let the customers decide.
(不毛な争いは止めて、消費者の選択に任せよう)

RipplingのCMOマット・エプスタイン氏は「あちら側の人たちは競争を不快なものと考えているようですが、企業が切磋琢磨すれば消費者が得をするのです。この愉快な詩が、言い争いを土に戻し、市場に競争が起きることを期待しています」と私に話している。

Gustoの停止命令に返したRipplingの韻文Josh Constine提供。

Ripplingは、この顛末はすべてが滑稽な笑い種だと思っているかもしれないが、これは少々時代錯誤の受け狙いに見える。エミネムの「8マイル」での気迫に満ちたライムとはほど遠い。本当に消費者の選択に任せたいのなら、停止命令を受け入れて次に進むか、広告を一切取りやめる方法もあったはずだ。広告看板は他にもまだ4つあり、それらは競争相手を非難する内容にはなっていない。とはいえ、その広告看板を下ろさせようとするGustoも狭量だ。それに、大規模なチームに対応する準備ができていないことを隠している。

我々は、先週末と17日、停止命令を取り下げる気はないか、Ripplingによるバスの広告も停止させるのか、本当に内部でWorkdayを使っているのかについてGustoにコメントを求めた。

Gustoの広報担当Paul Loeffler(ポール・ローフラー)氏は、「これはブランドを維持するための通常の業務」だと語った。そしてGustoについては「中心はスモールビジネスですが、そこに特化しているわけではありません」と話した。そして「Gusto自身が大企業に成長するに従い、私たちの多くの顧客とは別のニーズが生まれ、Workdayに移行したのです」と認めた。

最後に彼は「私たちは、より多くの企業が新しいソリューションを生み出し、企業による従業員のケアと支援がより簡単になることをとてもうれしく思っています」と明言した。そのひとつを訴えたにも関わらずだ。もしGusto自身がGustoを超えて成長したのなら、広告が顧客に訴えている内容も、まったく事実だと言える。

Gustoは5億1600万ドル(約566億円)を調達している。Ripplingの調達額の10倍だ。ならば、Ripplingよりも多くの広告費を使えるし、どんなに顧客企業の従業員が増えても対応できる人事ツールを開発できるのではないかと思われるだろう。GustoもRipplingもYコンビネーターの出身で、クレイナー・パーキンスがメインの投資企業になっている(利益相反か?)。そのため、彼らにはまだ矛を収めるチャンスがある。

少なくともこの2つの企業は、先週末の間、人事業界を楽しませてくれた。

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(翻訳:金井哲夫)

SmartHRにiPad専用アプリが登場、ガラケーのみの従業員でも勤務先で入力可能に

クラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供するSmartHRは10月24日、飲食・小売業などの店舗向けに、従業員の入社手続きに必要な情報を収集できるiPad専用アプリを公開した。

SmartHRは、企業が行う社会保険・労働保険の手続きを自動化することを目指す、クラウド型の人事労務ソフトウェアだ。総務省が提供するAPIと連携し、役所への申請をウェブ上からできるようにする。労務手続きや労務管理を簡易化し、経営者や人事担当者の業務改善、本来注力すべき採用や制度作りに取り組めるようにするのがプロダクトの狙いだ。

SmartHRは、今日、資金調達の発表があった「One Tap BUY」と同じく、2015年11月に開催されたTechCrunch Tokyo 2015のスタートアップバトルに出場し、最優秀賞を獲得している。

その追加機能となるiPadアプリ「店舗管理者向けスマートHR」は、入社手続きに必要な情報を従業員自身が、店舗内などで共有されているiPadを使って入力することができる、というもの。

従来は人事労務担当者が入社する人へ、SmartHRから招待メールを送信し、従業員はPCやスマートフォンからログインして情報を入力する必要があった。

しかし、SmartHRの利用企業が1万7000社を超える規模になり、さまざまな業態のユーザー企業へも利用が広がっている。中でもアルバイトやパートスタッフの比率が多く、入退社が頻繁な飲食・小売業でも利用が拡大。そうした状況下で、PCやスマートフォンを持っていない人が入社した場合、従業員自身がSmartHRに情報を入力ができず、書類での煩雑な作業が残ってしまうという課題があった。

この課題を解消すべく開発されたのが、今回発表された店舗管理者向けスマートHRだ。

同アプリはSmartHRの既存利用企業は追加費用なしで使える(iPad端末の準備は必要)。

SmartHRでは、9月に開催したイベント「SmartHR Next 2018」で、外部サービスとの連携強化や拡張機能ストア公開など、プラットフォーム化構想を打ち出している。その際に「ガラケーしか持たない従業員が多い企業でもSmartHRが利用できるようなiPadアプリ」の提供についても触れられていた。

同社では「今後も多様なニーズに応えながら、必要なときに必要なアプリケーションををインストールして使えるSmartHRのプラットフォーム化を進める」としている。さらに同社代表取締役の宮田昇始氏のブログによれば、プラットフォーム化構想とは別に、新規事業をつくる予定もあるようだ。

人材採用のOpen API構想を掲げるHERPが「Find Job!」「SCOUTER」とAPI連携開始へ

AI採用プラットフォーム「HERP」は、複数の求人媒体からの応募を自動で登録・通知し、まとめて管理できる採用管理システム「HERP ATS」を軸とした、採用担当者向けのSaaSだ。

サービスを開発するHERPは人材採用業界版のOpen API構想、「Open Recruiting API構想」を掲げる。企業の採用業務に関連するあらゆる情報をオープン化する、というこの構想については以前の記事でも詳しく紹介したが、HERPが目指すのは、エージェントや媒体に偏りがちな求職者の情報、企業の情報のオープン化による、採用業務の合理化だ。

7月23日、同社は構想の第1弾として、ミクシィ・リクルートメントが提供するIT・Web業界の転職・求人サイト「Find Job!」とSCOUTERが提供するソーシャルヘッドハンティングサービス「SCOUTER」とのAPI連携を開始すると発表した。Find Job!やSCOUTERを利用する企業向けにデータをオープン化し、まずは応募者情報の自動連携をHERP ATS上で8月からスタートする予定だ。

HERP代表取締役CEOの庄田一郎氏は、今回の連携について「両社とも(顧客である)採用担当者の利便性向上に対して思いを持っている点が、大きなポイント」と述べ、「HERPとの連携を通じて、媒体自体の利便性も向上すると考えてもらっている」と話す。

庄田氏は「今後さらに他社との連携も考えている」として「網羅性をできる限り担保していきたい」と構想実現に向けての意欲を強調した。

Leena AIが、会社の規程に関わる質問に答えてくれるチャットボットを開発

例えばあなたが大企業で仕事をしていて、現在どれだけの休暇​​を残しているのかを知りたくなったり、新しく生まれた赤ん坊をあなたの医療保険に追加したくなったりしたとしよう。通常ならHR(人事総務)部門にメールを送ったり電話をしたりして回答を待つか、場合によっては必要な回答を得るために、複数のシステムを横断して問い合わせを行う必要があるかもしれない。

Y Combinator Summer 2018クラスのメンバーであるLeena AIは、そうした従業員の質問に即座に答えられるようなHRボットを開発して、その問題を解決したいと考えている。

このボットはSlackやFacebookのWorkplaceに統合することができて、構築時には会社規程集の情報を基に訓練を行い、OracleやSAPなどの様々なバックエンドシステムから情報を引き出すことができる。

Leena AI共同創業者であるAdit Jainによれば、同社はChatterronというスタートアップが起源だという。この会社は創業者たちが2015年にインドの大学を卒業したときに始めたものだ。その会社の製品は、人びとが自分のチャットボットを作ることを助けるものだった。Jainによれば、彼らはマーケットリサーチを進める過程で、HRの世界に強いニーズがあることを発見したのだという。その特化した要求に応えるために、彼らは昨年Leena AIを開始したのだ。

Jainは、Chatteronでの経験を通して、ボットを構築するときには、単一のテーマに集中する方が良いことを学んだのだと言う。それは基礎となる機械学習モデルが、使用されるほど性能が改善するからだ。「ボットを作ってからも、本当に価値が備わったり、本当に正確なものになったり、そして本当に役立つものになるまでには、沢山の時間と努力が必要とされます。そしてそうしたことは同じテーマを深めることでしか実現できません」とJainは説明した。

写真:Leena AI

さらに、創業者たちがHRのニーズをよく知るようになるにつれて、その質問の80%は休暇、病気、経費報告といった似通ったトピックをカバーしていることがわかった。また似たようなバックエンドシステムを使用している企業も多いため、今やSAP、Oracle、そしてNetSuiteなどの、一般的なアプリケーション向けの統合機能を標準で提供できる。

もちろん、人びとは似たような質問をするかもしれないが、各社は独自の用語を使っているかも知れないし、変わった質問の仕方をする人もいるかもしれない。Jainは、そこが自然言語処理(NLP)が活躍する場所だと言う。システムは、可能な問い合わせに対する、より大きなデータベースを構築して、こうしたバリエーションを徐々に学習することができる。

同社は2017年に立ち上がったばかりだが、既に10を超える有料顧客を抱えている。彼らはその数を、この先60日間で倍増させたいと思っている。JainはY Combinatorの一員であることが、その点で助けになると信じている。パートナーたちは、チームがピッチを洗練することを手助けし、このツールを利用できる企業を紹介する手助けをしている。

彼らの最終的な目標はユビキタス(ubiquitous:どこにでも存在する)なものとなり、複数のレガシーシステムの間を繋いで、従業員たちからの全ての質問に、シームレスに答えられるようになることだ。もしそれを達成できれば、成功は間違いない。

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(翻訳:sako)

画像:zonadearte / Getty Images

甲板員が素晴らしいウェイターになることを知る ―― なぜそれが重要なのか

【編集部注】著者のTX Zhuoは、フィンテック、エンタープライズソフトウェア、マーケットプレイスに焦点を当てるFika Venturesのマネージングパートナーである。

HR技術におけるブレークスルーは、雇用主に対して、プロセスを強化し、最高の人材を引き付けるための改革ツールを与えるだけでなく、ジェンダー間の均等報酬や、ブラインド採用(blind hiring:人間の属性を見ずスキルだけで採用を行うこと)などの長年に渡る労働問題をも解決しつつある。また同時に、従業員に対しては、現在の職務をはるかに越えた職務シナリオのために必要な事前スキルセットを獲得し、自動タグ付けを行う新しい手段が提供される。現在および将来の従業員のニーズを、雇用主が提供できるものと照合するチャンスが与えられる。

1月には、Gartnerが、2018年における世界のIT支出の成長を、HR技術が促進すると予測している 。さて、この数ヶ月間というもの、状況をよりよく理解しようと努力していたため、私はこの先の展開に関してよく見通せる位置に立っていると考えている。私はHR分野の10人のリーダーに対してインタビューを行った、例えばそれはJan Fiegel(SideWalk Labs)、Parker Barille(元LinkedIn Product VP)、そしてCindy Cordon(Policy Genius)といった人びとだ。私が聞いた話を以下にお話しよう。

まずは基本的な点から

HR技術は巨大なスペースである

もちろん、そうなるだろう。とはいえ現在はそれほど大きなものではない。世界のHR技術産業は4000億ドルと見積もられているが、投資は経済の変化に敏感である。HR技術分野での投資案件数は2012年以来着実に増加している。以下のチャートに示すように2012年から2016年にかけては175%の成長である。しかし投資額のピークは2015年の26億ドルである。2016年には402件の案件が、約22億ドルの資金提供を受け、2017年におけるHR技術会社への投資金額は11億ドルに留まった

出典:CB Insights

より詳細に見ていくならば、現在HRに費やされている費用は、会社内の他のほとんどの機能に比べると小さいものである。例えば、世界のHRソフトウェア市場は、年平均成長率(CAGR)2.4%で成長し、2022年には92億ドルに達すると予測されているが、GartnerはCRMソフトウェアは2017年までに全世界で365億ドルに達すると予測している。

しかし、社会的圧力、データと効率に対する業界ニーズ、そして最高の人材を獲得するための競争の中で、HR技術に対するベンチャーのチャンスは徐々に増加するだろう。

福利厚生プラットフォームが次に必要とされる大物である

新しい従業員の世代が、福利厚生プラットフォームのエキサイティングなユースケースを推進している。企業は従業員たちに向けて創造的な特典を生み出している。例えば先進的なヘルスケアプランに「加えて」Robin CareLUCYのようなプラットフォームを提供するというものだ。こうしたプラットフォームは従業員とその家族向けのサービスで、その掲げるモットーは「共に育つ家族を愛することを助け、愛するキャリアを成長させることを助ける」というものである。

しかし、このようなプラットフォームは、景気後退による打撃を受けると、即座に切り捨てられる可能性がある。雇用者側には、これを単にミレニアム世代のためのエキゾチックな特典としてではなく、「必要不可欠な」従業員のニーズとしてこれを受け入れるために、マインドセットと判断基準の変革が求められている。とはいえ、私はこうしたプラットフォームに対しては楽観的であり、その成功を目にしたいと思っている。

HR福利厚生プラットフォームが景気後退の後には厄介になってしまうと結論付ける前に、やるべきことは残されている。BloombergのBNAのレポートによれば、人事部門の予算は、大不況以前には毎年4〜7%増えていたものの、2009年にはわずか2%で、やっと年4%程度の成長率に回復したところだ。付加価値の高いプラットフォームが新しい基準になることを後押しするためには、持続的な市場の成長が大切である。

変らず求められているもの

企業は依然として、より良い候補者評価ツールを求めている

LinkedInは、中堅から熟練者レベルの採用にのみ有効である。これに対して新卒者や若年ホワイトカラー労働者の場合、経験を売りにすることは難しいため、従来のようなレジュメを書かずに済ませることは難しい。こうしたことから、PortfoliumStrive Talentのような企業は、スキルを披露するための創造的な方法を提案し、伝統的な体験ベースのレジュメを否定しようとしている。HireVueは、文字通り候補者の顔を読み取って、誠実さとその受け応えの質を評価できる、ビデオベースのシステムを提供している。

VR(およびAR)によるHRは、没入感のある経験と効率性を兼ね備えており、今年この領域には既に大きな投資が行われている。採用応募者を評価するためのVR技術を開発したイスラエルのスタートアップActiViewは、Teddy Sagi Groupの主導するシリーズAラウンドで、650万ドルを調達した。AI採用技術を提供するAllyOは、1400万ドルの資金調達を行った

企業は使うべきソフトウェアを知りたい

HR技術の会社の数が増えるにつれて(このSilicon & SalsaによるHR技術の一覧表を見て欲しい)、企業たちは選択肢の過多に苦しんでいる。Salesforce AppExchangeのような、企業が最先端のソリューションを見つけるためのプラットフォームが、HR技術市場には欠けている。TechnologyAdviceはとりあえず良い試みだが、そのUIはフレンドリーでも直感的でもない。

クラス最高のアプリをただ選択するだけでなく、候補者の属性や将来の離職に関する予測精度を上げるために、複数のプラットフォーム間でのデータの同期が必要とされている。HR技術の分野をターゲットとしている企業は、プラットフォーム間でビッグデータ分析を可能にさせる、包括的なデータ記録システムが必要である。

HRスタッフは新しい従業員を募集するために時間を使い過ぎている

平均すると、米国ではインタビュープロセスにかかる日数は24日間に及ぶ。既存の従業員が候補者と調整しインタビューするのに費やす時間を短縮するためには自動化が鍵となる。そしてこの時間の掛かるタスクに対処することを狙うプラットフォームが存在している。

人材募集の分野は込み合っているが、特徴や利点を比較する実験は十分行われている。LearnUpのような企業は、企業が個々のインタビューをスケジュールし、準備をするのを手助けするだけでなく、プラットフォーム上にスキル向上のためのレッスンやジョブコーチングのためのリソースも加えている。これをさらに進めると、madeBOSのような企業登場する、この会社は小売業ならびにその関連業界における初級レベルの労働者たちに対して、自発的能力開発を提供することで、労働市場での流動性を高め、貴重なHRスタッフの時間を節約している。

ブルーカラー労働者の仕事にスキルマッチングをすることで、高いパフォーマンスが得られる

レストランがウェイター/ウェイトレス人材を募集するときには、多くの場合他のレストランで働いた経験のある人材を探す。小売業でも同様である。ファイナンスの世界では、過去の成績や経験が、将来の成績につながるものではないということに注意を払っている。そして時間給の従業員を雇う際に、過去の経歴に頼ることほど間違いを犯しやすいものはないのである。なぜなら肝心なスキルというものは、手早さ、良い対人スキル、(注文に対する)記憶力などだからである。

スキルセットのマッチングだけに目を向ければ、甲板員(船の掃除などの雑用をする係)も素晴らしいウェイターになるのだ。ロサンゼルスに拠点を置くTalyticaは、時間給人材管理の世界で、この重要な区別を理論的に行うことによって、認知能力、人格、強いキャリアへの関心、そして特定の仕事に対するスキルなどを評価する能力を誇っている。

ワークライフバランスへの見果てぬ夢を達成するために必要な、全てのサポートを従業員が手にしているような、素晴らしい世界を想像して欲しい。あるいは、候補者たちが、背景、性別または民族に対する偏見ではなく、スキルによって選別される世界を想像して欲しい。これらは、HR技術が全体的に提供することのできる利点のうちの2つに過ぎないが、なぜ甲板員が素晴らしいウェイターになる可能性があるのかを明らかにしてくれる。この業界を探究してみると、HR技術プラットフォームが、求人側と求職側から疑うこと無く必要とされているものを生み出す、確かな手段であることは明らかである。どの企業が魅力的な解を提示し、今シーズンのビジョナリー投資の対象を、業界の「新常識」にすることができるかは、まだ予断を許さない。

あなたはHR技術を新しく取り入れた起業家だろうか?もしそうなら是非私に連絡して色々教えて欲しい。

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(翻訳:sako)

過去の採用応募者データベースから新しい職種の適材を見つけるHire by Google

企業のリクルーターや採用担当者を助けるサービスHire by Google今日、これまでの採用応募者の中から新しい職責に適した人物を見つけるための機能が加わった。

つまり、社内社外の人材資源を最大限に有効利用するためには、過去にあった空席がその応募者の希望や適性にはそぐわなかった、という人びとの中から、今度の新しいポジションの適材を見つけるべきだ。そしてそのために、蓄積された応募者データベースを利用するとよい。

HireのチームのプロダクトマネージャーEduardo Fernándezは、今日の発表声明でこう述べている: “人を一人雇うために企業は平均、250人の応募者と接触している。その249人の中には、未来に生ずる新しい職責にぴったりの人も少なくない。でもこれまで多くの企業は、過去の応募者の中に新しい仕事の適材を容易に見つけるための方法を、持っていなかった”。

過去の求職者という人材プールから適材を発掘するために、今度の新しい機能“candidate discovery”(候補者発見)は、新しい仕事に関する情報と過去の応募者たちをマッチングする。そのためにHireは、Googleの優れた検索機能を利用して、リクルーターの意図を正しく理解する。たとえばその新しい仕事の場所(例: 札幌支店)も、フォームの場所欄が空であっても、説明文のテキストの中から探り当てることができる。

求人求職に関するGoogleのこれまでの発表は、求職者の職探しを助けるものが多かった。しかし今回のHire by Google(Google Hireでもよい)は、求人側を助ける。このサービスは、今後もっともっと、機能が充実してほしいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

人材採用のOpen API構想を掲げるHERPにスタートアップの経営者ら8名がパートナーとして参画

HERP」は複数の求人媒体と自動連動する採用管理システムを軸とした、AIリクルーティングプラットフォームだ。2017年12月に発表された同サービスは、既存の求人媒体と情報を連携して応募を自動で登録し、一括管理できる仕組み。採用担当が行う事務作業の多くを自動化し、戦略的な採用活動に注力できるよう支援することを目的に開発されている。

同サービスを開発するHERPは3月12日、スタートアップの経営や採用戦略に携わる8名がパートナーとして加わり、経営に参画すると発表した。HERP PARTNERとして迎えられたのは、以下の8名。このうちエウレカ共同創業者の赤坂氏と西川氏は、HERPに合計数千万円規模の出資を行っている。

  • 赤坂優氏(エウレカ 共同創業者/エンジェル投資家)
  • 石黒卓弥氏(メルカリ 採用担当)
  • 小澤政生氏(サイバーエージェント採用担当)
  • 河合総一郎氏(ReBoost 代表取締役社長)
  • 桑田友紀氏(サイバーエージェント 採用担当)
  • 小泉文明氏(メルカリ 取締役社長兼COO)
  • 高野秀俊氏(キープレイヤーズ 代表)
  • 西川順氏(エウレカ共同創業者/エンジェル投資家)

HERPは2017年3月創業。代表取締役CEOの庄田一郎氏は、リクルートで新卒エンジニア採用などを担当したあと、採用広報担当としてエウレカに入社。エウレカでは「Couples」の事業担当者も務めていた。

庄田氏は「採用、HRの業界構造は60年ぐらい変わっていない。企業は工数をかけてエージェントや媒体に情報を提供し、採用が決まったらお金を払う。これでは情報は、エージェントや媒体に偏る。また求職者にとっても、企業選びはエージェントの持ってくる情報に限定された状況だ」と言う。

この状況を変えたい、と考えられたのが同社の掲げる「Open Recruiting API構想」だ。これは利用企業が持つ求人データ、応募する候補者データを、API経由で採用媒体やエージェントと適切にやり取りする、というもの。「金融業界ではマネーフォワードが『Open Bank API』を提唱してきた。その後、銀行が更新系APIの提供を始めたが、これは時代の流れ。採用業界でも同じことをやりたい」と庄田氏は語る。

「今後、採用にまつわる情報は複雑化していく。働き方改革で副業が広がり、新卒採用、終身雇用といった制度もなくなっていくだろう。また外国人の雇用も増えていくはずだ。そうなると、人事にかかるコストは膨らんでいく。これを見据えて、データのオープン化への対応を準備していく」(庄田氏)

庄田氏は「これまで変化のなかった採用業界で、既存の媒体がこれを推進するのは難しいだろう。だから僕らが進めたい」と話す。「デジタル業界、ウェブ系企業では、データのオープン化にも理解があるところが多い。今回は、スタートアップ、ベンチャー企業のHRの権威や経営者の方に、この思想に共感し、参画してもらった。今後も、Open Recruiting API構想に協力するパートナーは増やしていきたい」(庄田氏)

庄田氏はまた「直近では採用事務を自動化することを目指す。そのためには、まだまだツールが必要」として、その開発を進めていきたい、と話している。「採用担当者は、媒体の管理画面から手入力で候補者の情報をExcelに入力することも多い。それでは正確な候補者データを担保できない。まずは、正確なデータを企業が入手できるようにしたい」(庄田氏)

手入力やコピーペーストの登録による弊害はほかにもある。応募してきた候補者リストが、企業にデータとして集約されないケースだ。「人事担当者が媒体の管理画面上で確認し、その場で不採用メールを送る、ということはよくある。この場合Excelに転記されないので、面接フローに乗った人だけしか、管理できない。粒度のそろったデータにならないので、採用分析にも支障がある」(庄田氏)

また、パフォーマンスや早期離職の分析など、入社後にも採用時のデータは活用できる。「入口でデータを持っていなければ、そういった活用にはつながらない。HERPは媒体と自動連携することで、企業が手間をかけずにデータを入手できる機能を提供する」と庄田氏は説明する。

さらに将来的には、より深い分析も可能になるだろう、と庄田氏は述べている。「応募者側で言えば、レジュメと自分の情報を登録すれば、希望する企業の合格率が分かる、といったことも考えられる。企業側も、例えば1000万円をかけて財務担当を採用したい、となったときに、媒体ごとにいくらかければよいのか、AIを使って費用を最適化することもできるだろう」(庄田氏)

庄田氏は「広告で人材を獲得するときの効果測定は、マーケティングと一緒」と話す。「1人あたりいくらかかったのか、その後の効果はどうなのか。データがなければ分析、確認はできない」(庄田氏)

昨年12月にサービスの発表と同時に公開されたHERPのティザーサイトでは、ベータ版ユーザーの登録を募集している。庄田氏によると、これまでの3カ月で約400社の登録があったそうだ。「プロモーションを行わずにこの数字だったので、手応えはある」と庄田氏は言う。「ウェブサービスなどの企業のほか、大企業からの登録もあった。意外だったのは、弁護士事務所などの士業からの申し込みも結構あったことだ」(庄田氏)

HERPは現在、クローズドベータの形で数社に公開され、試用が始まっているとのこと。登録企業全体に公開されるのは、今春の予定だ。

Amazonが数百名をレイオフ、人減らしというより過剰部門の調整のよう

eコマースの巨人としては珍しく、Amazonはシアトル本社などから数百名をレイオフしようとしている。Seattle Timesが、そう報じている。

同社はその直前までの8年間雇用ブームで、シアトル本社は2010年の5000人から40000人に膨れ上がり、また全国から数社の小売企業を買収してきた。

しかし記事によると、過去2年間の増員によって一部の部門は経費と人が過剰になった。最近の数か月同社は雇用を凍結して社員増を抑え、空席は昨年夏の3500名からその半分に減った。

今回のレイオフはAmazonのシアトル本社が主だが、これまで、そのほかの地域の小売子会社の一部も人減らしを行っている。たとえばラスベガスのフットウェア店Zapposは最近30名をレイオフした。そしてDiapers.comのオーナーQuidsiは昨年、250名あまりを切らざるをえなかった。

これらの動きは、Amazonが支出の抑制に向けて動いていることと、同社傘下の小売企業の一部を整理統合しようとしていることを示唆しているのかもしれない。

しかし数万人の社員を抱える企業が数百名規模の人員調整を行うことは、異例ではない。最近もっと多くの人員をレイオフした著名な大規模テクノロジー企業に比べると、かなり少ないとも言える。たとえばMicrosoftは昨年後半、数千名の社員をレイオフした…ただしその多くはアメリカ国外の社員だった。

またこのレイオフは、全世界で50万名あまりを雇用するAmazonが、さらなる人減らしや、ほかの部門や地域での雇用の鈍化を意図している兆しではない。至近の四半期決算報告によると、同社は昨年1年間で海外の社員数を66%増やしている。そして現在のシアトル本社だけを見ても、4000名あまりの求人情報がある。

本誌TechCrunchは今回の新聞報道についてまだAmazonからのコメントを得ていないが、同社のスポークスパーソンはThe Seattle Timesに対して、この異動は同社の例年の計画数値の一環であり、“人員調整は全社的に行っており、二箇所で少数の人員削減、そして他の多くの場所では積極的な雇用を行っている”、と述べている。

記事によると、すでに数名の社員がレイオフを告げられており、その実施は数週間後となる。

“調整の対象となった社員については、新たな雇用を行っている部門に役割を見つける努力をしている”、とスポークスパーソンは語っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

MITのコンピューター科学研究所が性差別をテーマとする社会科学ゲームを作った

週末を、何かおもしろくて、勉強にもなって、本物の仕事をしてるみたいなもので過ごしたいなら、Chimeria:Grayscaleはどうだろう。このゲームでは、あなたが人事課(部)の人になって、社内のいろんな問題にメールで対処していく。いや、こんな説明をすると、つまんねぇとしか思えないかもしれないけど、でもそれだけではないんだ。

このゲームを作ったMITのコンピュータ科学・人工知能研究所のD. Fox Harrellが、インタビューで説明しているように、ゲームの目的は性差別という問題の微妙な側面について知ることだ。

このゲームでは、ほかの社員たちからのあなた宛のメッセージに、Fiske and Glickの社会科学モデルにあるような、さまざまなタイプの性差別の証拠が隠れている。

とくにFiske and Glickの性差別モデルを選んだのは、それが両面的性差別という問題を扱っているからだ。そんな性差別は、セクハラや性による差別など露骨で敵対的な性差別と、本当は抑圧的なんだけど善意ぶった性差別の、両方を含んでいる(だから‘両面的’という)。たとえば、彼女は自分では直せない、と勝手に想定して女性のコンピューターを直してやるようなのを、Fiskeらは“保護のふりをした父親的干渉” (protective paternalism)と呼んでいる”。

人事部(課)に初めて配属されたあなたのところに、いろんな問題が送られてくる。アドベンチャーゲームの方針選択画面のように、あなたは対応を選ぶが、それは実は、その問題の機微をよく理解してない者の対応かもしれない。

これはStanに関する注記(Note)があるから、やさしい問題だろう。みんながStanという人物を知っているのだ。

[係長のStanley Rose(Stan)が、シャイな彼女の電話番号をきみから聞いてくれ、とメールで言っている。それに対してこの図では、「それは適切でない」と答えている。Noteによると、Stanはとても気持ち悪い人物だ。]

ゲーム終了時の達成感はない。ひとつのゲームが10分から15分ぐらいだが、最後に、あなたは性差別をしていない、という認定証はもらえない。でも、いろんな状況にどう対応するかで違う結果になるから、何度もプレイしたくなるだろう。

これは社内でよくある衝突や緊張に対して、おもしろい見方を教えてくれる。短くて初歩的なものばかりだが、それらに対する社員や会社からのさまざまな対応も知ることができる。そして少なくともこのゲームは、人事の仕事も人間の仕事だ、と教えてくれる。

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ニューヨークのテロ容疑者はUberのドライバーだった…採用審査に疑問符が

ニューヨークのテロ容疑者Sayfullo SaipovがUberのドライバーであったことを、同社は確認した。彼の容疑は、火曜日(米国時間10/31)にマンハッタンのワールド・トレード・センターの近くでトラックを運転して群衆に突っ込み、少なくとも8名を殺害、11名を負傷させたことである。

“この愚かしい暴力行為に驚愕している。私たちの心は被害者とその家族と共にある。私たちは警察と接触して、できるかぎりの協力を提供している”、とUberのスポークスパーソンは語った。

UberによるとSaipovはこれまで半年間、ニュージャージーでドライバーだった。彼は1400回あまりの旅客搬送を担当した。

29歳のSaipovは経歴審査に合格し、事故歴の記録はない。Uberは今この事件に関してFBIと接触しており、容疑者をUberアプリから排除した。

Uberのドライバーが殺人で告発されるのは、これが初めてではない。昨年はミシガンのUberドライバーが6人を殺してその間も乗客を拾っていたとして告訴された。

今度の事件は、Uberが行う経歴審査に疑問を投げかけるかもしれない。同社によると、現状では犯罪履歴と交通違反を調べている

乗客はドライバーを5段階評価で格付けできるが、これなら同社は問題行動を見逃さずにすむ可能性がある。

Uberによると、同社のドライバーは今、世界全体で200万名あまりいる。

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GithubやStack Overflowを毎日モニタして企業が求める人材を探すHireSweet

エンジニアの雇用は非常に面倒な仕事なので、最近はその面倒な部分を人工知能にやらせようとする企業がとても多い。中でもここにご紹介するフランスのHireSweetは、あなたの会社への求職など考えたこともなかった人びとの中に、候補を見つけようとする。

HireSweetはGitHubやStack Overflowなど、技術者たちが多く集まるプラットホームやコミュニティをスキャンして、求める人材を探す。同社が調べるのは、プロフィールの内容などもっぱら非定型データで、それらからデベロッパーをそのスキルやプロジェクト、適応能力などで分類する。そして毎日ユーザー企業の人事部に、選んだ候補のプロフィールを送る。

同社との会話を開始するには、まず同社サイトにあるテンプレート使ってメールを書き、それを送る。あとは、待てば海路の日和あり、毎日同社からの報告を待って、採用候補を選ぶ。

GitHub上で活動が活発なエンジニアは優秀な人が多いけど、彼らは必ずしも新しい仕事を探していない。しかしHireSweetはそこを一歩踏み込んで、ユーザー企業がそんなエンジニアを引き抜けるよう、努力する。

求職者との面接の前にGitHubのリポジトリやStack Overflowへの回答の投稿を調べる企業は多い。でも、それらの調べる作業は、その企業が自分でやろうとすると、たいへんである。

しかしHireSweetは、車輪の再発明をしているのではない。同社は、時間がかかって非効率なプロセスを自動化サービスに変える。それだけでも、良い候補が見つかる確率は高くなる。

同社は最近180万ドル(150万ユーロ)を、Global Founders Capital, Kima Ventures, Bpifrance, TheFamily, およびDavid Bizer, Yannis Yahiaoui, Yves Weisselbergerのようなエンジェルたちから調達した。

HireSweetの今の主な顧客は、Doctrine, eFounders, Deezer, Nokia Health, Sqreen, CallDeskなどだ。今はフランスの企業が多いが、ゆくゆくはアメリカおよびその他のヨーロッパ各国にも顧客を見つけたいと思っている。得られた資金は、そのため…顧客開拓…に使う予定だ。

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「エンゲージメント」をキーワードに日本のHR Tech事情を考える——TechCrunch School #10 HR Tech最前線(2)

HR Techをテーマとしたイベント第2弾として7月21日夜に開催された「TechCrunch School #10:HR Tech最前線(2) presented by エン・ジャパン」。二部構成のうち、キーノートセッションで海外のHR Tech動向を概観した後は、日本のHR Tech事情を、サービス提供側と働くエンジニアの側の双方の視点で読み解くパネルディスカッションが行われた。

登壇したのは次の3人。1人目はエン・ジャパン執行役員の寺田輝之氏。無料で採用ホームページや求人情報が作成できるクラウドサービス「engage(エンゲージ)」を提供するエン・ジャパンでは、採用のミスマッチを防ぐために「RJP(Realistic Jpb Preview)理論」、すなわち“ポジティブなこともネガティブなことも、すべての情報をゆがめることなく求職者に伝える採用のあり方”を提唱している。「伝統的なリクルーティングと違って、RJP理論に基づくリクルーティングでは、会社や仕事について良いこともネガティブなこともきちんと伝えることで、期待とのギャップが少なくなり、不満が生まれにくい」(寺田氏)

エン・ジャパン執行役員の寺田輝之氏

また寺田氏は、求職者が転職する際、コーポレートサイト、企業HP内の採用ページの他に、口コミサイトや口コミ検索で企業を調べることが多いと言う。「RJPを意識したら、企業の採用情報発信はどうあるべきか。求人サイトなどでは他社と横並びで比較されるため、情報発信は魅力的に行うべき。一方で求職者が口コミも見に行くことを考慮すると、企業口コミサイトには、日ごろから社員に本音を書いておいてもらうのがおすすめだ。そうした場として、エン・ジャパンでは口コミサイトの『カイシャの評判』を運営している。そして自社ホームページの採用情報には、会社や仕事のリアルな情報を掲載しておくとよいだろう」(寺田氏)

2人目の登壇者は、SCOUTER共同創業者兼代表取締役の中嶋汰朗氏。HR Techのスタートアップとして、2016年4月からCtoBの人材紹介サービス「SCOUTER」を運営する中嶋氏は「リファラル(社員紹介)採用の延長としてのソーシャルリクルーティングを、サービスとして提供している」と説明する。

SCOUTER共同創業者兼代表取締役の中嶋汰朗氏

「人材紹介市場の規模は6年連続で成長している。しかし“どんな企業でも欲しい人材”にとっては、面談の手間やエージェントを選べないことなどから、人材紹介サービスに登録するメリットがデメリットを上回る構造になっている。このため、良い人材ほど転職潜在層にいることが多い状況だ。SCOUTERは、身近な転職者を企業に紹介して報酬を得られる、副業型エージェントのサービスで、こうした潜在層を企業と結び付けている」(中嶋氏)

人材紹介会社やヘッドハンターが紹介の報酬を得るためには、厚生労働省が許認可する有料職業紹介免許が必要だが、SCOUTERでは紹介者であるスカウター(ヘッドハンター)と雇用契約を結んで、副業であっても、SCOUTERの従業員として紹介を行っている。詳しくは以前の記事でも紹介したが、採用が決まれば紹介者のスカウターには報酬が支払われ、企業は手数料をSCOUTERに支払う、というビジネスモデル。現在、登録企業が約700社、掲載求人数が約2400件、スカウター数は約2500名まで増えているそうだ。

そして働く側の視点も持つパネリストとして登壇したのは、プロダクト・エンジニアリングアドバイザー(フリーランスコンサルタント)の及川卓也氏。及川氏はMicrosoftでWindowsの開発、GoogleではWeb検索などのプロダクトマネジメントとChrome開発に携わった後、プログラマ向け技術情報共有サービス「Qiita」を運営するIncrementsへ転職。その後、今年6月に独立して、企業やNPOなどへの支援を行っている。

プロダクト・エンジニアリングアドバイザー(フリーランスコンサルタント)の及川卓也氏

「プロダクトマネジメントとエンジニアリングを両方経験したことを生かして、現在は、エンジニアの採用や採用後の育成、評価制度の導入、エンゲージメント確立といった『エンジニアの組織作り』、『プロダクトマネジメント』、そして『技術アドバイザー』の3本柱で、企業や団体の支援を行っています」(及川氏)

職務経歴書を書くのが苦手な日本人

TechCrunch Japan編集長の西村賢がモデレーターを務めたこのパネルディスカッションでは、HR Techを考える軸として「採用→教育→評価」の3つのフェーズを取り上げた。3つに共通して重要なのが「エンゲージメント」だ。

寺田氏は「採用も教育も評価もエンゲージメントを高めるためのやり方」だと話す。「(採用フェーズで)スキルマッチができていること、カルチャーフィットができる教育、エンゲージメントをキープするための評価のそれぞれが大切」とした上で、寺田氏はエン・ジャパンの「入社後活躍研究所」の調査結果を引用して「入口として重要なのは採用だ」と言う。

「日本の場合は“ミスマッチのない採用”が採用した人材が早期に活躍する、つまりエンゲージメントを高めるためには最も大切だと考える人が多い」(寺田氏)

一方で採用時のミスマッチをなくすために、採用される側にも求められる“表現力”の方はどうだろうか。

MicrosoftとGoogleにそれぞれ9年間在籍した経験を元に及川氏は、グローバル企業における日本人メンバーの特徴として「メンタリティ的にあまりアピールしない」点を挙げる。「グローバル企業は、世界のどのオフィスも同じシステムを使い、同じカルチャーを目指す企業が多い。そういう企業の場合は、日本法人にも、日本人以外や典型的な日本人じゃない人が多いこともあって、グローバルで採用されているHR系のツールもきちんと利用できていることがほとんど。だが、日本人の自己評価シートや360度評価でのアピールはどうしても控えめになってしまうこともあり、アメリカ人などと比較されると弱い。そのため『やったことは全部書く』ことを強く意識する必要がある。日本人的な謙虚さという美徳は通じない。さらに、メジャラブル(測定可能)なゴール設定・評価をやらないと埋没してしまうので、そこも気をつける必要がある」(及川氏)

「SCOUTERでは今、5000人の人材データが集められている」という中嶋氏は「優秀な人に限って、SNSでのアピールをしていない」と明かす。ではSNSを使った人材流動性が高まっていないのかと言えば、「『Wantedly』のプロフィールはちゃんと埋めている人が多い」のだと中嶋氏は言う。

及川氏は「日本人には転職に対してネガティブなイメージがある」と指摘する。「デザイナーなら、作品をまとめたポートフォリオを用意して、常にアップデートしているが、他の職種でも同じようにポートフォリオを持って、常にアップデートすることが大事だ。ただ、そういうことをしたり、LinkedInをアップデートしたりしていると、日本では『転職活動している』と思われがち(笑)。LinkedInは以前は英語ばかりだったこともあって、外資企業に行きたい人しか使わなかったし、日本にいる怪しい外資専門ヘッドハンターによるネガティブなイメージもあって避けられるようになったかも」(及川氏)

寺田氏も「日本では、レジュメ(職務経歴書)やジョブ・ディスクリプション(職務記述書)を書くのが苦手なケースが多い」と言う。「管理部門やセールス部門などでは特に、スキルを一般化できない人が多い」(寺田氏)

日本企業での雇用のスタイルが、必要な職務に合わせて人材を確保するジョブ型ではなくメンバーシップ型で、人柄を重視する採用が行われることも、レジュメをデザインしようという発想を失わせる原因かもしれない。

採用側も成果が明確じゃない——日本の課題とHR Tech

では、海外のHR Techサービスはそのまま日本に持ち込めるのだろうか。それとも文化や雇用慣行の違いで、うまく当てはまらないのだろうか。

中嶋氏は、「そもそも日本の企業は、採用した後、その人がその会社にいる間に、何をやっているか、何を成し遂げているかを言語化できる仕事を与えているか、という考え方をしなければならない」と語った。「採用した人がいつまでいるのか、いつまでいるべきなのか、その期間を果たして採用する側が把握しているのか。その間に、何を(会社が)提供するのかをコミットメントしないと、(転職するにしても)外にも出づらくなる。採用側が『どこまで約束できるか』と意識を変えないとまずい」(中嶋氏)

Googleが使っていたHRツールは自社開発しているものも多く、外販さえ可能な使いやすいものも多かった、という及川氏は「日本企業に多いメンバーシップ型雇用の主な目的は安定雇用であるため、ジョブ型雇用を採用する企業向けの評価ツールを使うメリットはあまりない。ジョブ型の評価システムを採用している企業であるならば使うメリットはある」と言う。評価システムについて「外資はやはり厳しい評価制度を持つところも多いが、それはその企業とのミスマッチを見つけるためのもの。ミスマッチ、すなわちその企業内において評価が悪いということはそれが『エンジニアとしての能力が絶対的に低い』とは限らない。その会社が合わなければ出て、その後、他の企業で活躍できれば、それは本人はもちろん、その人が出た企業にとっても、入った企業にとっても、さらには業界にとっても、その人が開発したプロダクトなどを使えるお客さんにとってもいいこと。そういう意味では、本人も含めて活躍できる場と出会うための評価システムとも言える。ただ日本では、そのような評価システム、さらにはそのベースとなるジョブ型雇用が定着していないので、そのままではツールは使いこなすのは難しいだろう」(及川氏)

及川氏は「本来は、採用基準イコール評価基準であるべき。評価システムがまわっていない企業に採用はできない」とも付け加えた。

現在10カ国以上のメンバーをかかえるエン・ジャパンの寺田氏は、そうした日本の状況について「採用側も成果が明確じゃない、ということではないか。結果的にジョブ・ディスクリプションが書けない人が増えていき、人柄の話になっていくのではないか」と指摘する。

中嶋氏も「本質的なスキルと面接で評価されているところが、かけ離れている。求めているものがあいまいで、具体化されていないからだろう」と話す。

税務や会計など、テクノロジーを導入してしまうことで、仕事の進め方が変わる、というようにツールが企業に変化を促すケースもあるが、人材の分野でもこうしたことはあり得るのだろうか。

寺田氏は「よくあるのは、人事部が会社全体にひとつのツールを入れようとするパターン。そうではなく、エンジニア、セールスなど、それぞれの部門に合ったツールを入れていくやり方になっていけば、ツールは普及するのではないか」と言う。

日本で開発されているHR Techツールについて、中嶋氏は「小さなサービスはますます増えて、不足している機能の隙間は埋まっていくと思う。小さなところの方がプロダクトの立ち上げ方が早いですし」と話す。SCOUTERでのプロダクトの作り方については「海外の(ソーシャルリクルーティングの)モデルを、日本向けにかなりカスタマイズした」と中嶋氏。「中国のサービスは『登録すればカネになる』『紹介すればカネになる』と金銭重視だし、アメリカでは採用側が『こういう人をヘッドハンティングしてくれ』と求人が先に出てくるものが多い。だから日本では『人ありき』でプロダクトを作った」と言う。「日本でも、データを多く集められたところからプロダクトが大きくなっている。我々もプロダクト(の対応分野)を広げようとはしている。機能の穴はたくさんあるので、まだまだやれるところはあると考えている」(中嶋氏)

まだまだ発展途上、日本のHR Techは今後どうなるか

“日本らしい”HR Techとして、今後伸びそうなジャンルはどういったものになるのだろうか。

及川氏は「評価制度、評価システムだ」と言う。「いくつかの会社が評価制度導入を支援しているが、今あるもののは多くはスタートアップには重厚長大すぎる傾向がある。また評価制度の基礎となるのは、その会社のビジョンやミッション、そしてコアバリューなのだが、特にコアバリューはどの会社も似たようなものに成りがちである。このコアバリューもトップダウン的に創業者や経営陣が理想を掲げるというアプローチだけではなく、ボトムアップ型、リバースエンジニアリング的なアプローチがあってもよい。たとえば、エンジニアなら、スタックランキング(社員の格付け)を作ってもらうのも手だ。なぜかというと、スタックランキングとともに、なぜあるエンジニアの評価を高くしたかを説明してもらったときに、『あの人はコーディングが早い』『この人はコーディングが遅い』というように“コーディングの速さ”が頻繁に共通するキーワードとして出てくるなら、それはその企業のコアバリューの1つとしてプロダクティビティがあると考えられる。このようにいくつかの共通キーワードを抽出していくことでコアバリューを作り上げ、それを評価制度に取り入れればよい」(及川氏)

寺田氏は「関係性を作れるサービス」が伸びそうだと考える。そのわけを寺田氏は「今後労働人口が減っていく中で、関係性の維持は重要だ。転職した人の数は平成25年で484万人いて、そのうちの約30%は広告経由での転職だが、実は縁故も(約25%と)多い。だから効率化でなく、関係性を築くサービスにも注目している」と話している。

「社内でも社外でも、関係性を作れるということで言えば、SCOUTERも、キーノートで登壇した鈴木さんのところのアルムナイリレーションも面白い。関係性を作れるサービスには、コミュニケーションツールも含まれる。『CYDAS』の社員同士のエンパワーメントができて、お互いを知り、己を知るツールも伸びていくんじゃないだろうか」(寺田氏)

「エンゲージメントは、日本語にすれば“絆”と言ってもいい。愛社精神、というと前時代的でちょっとイヤな感じもするが(笑)、絆があることで、居場所を自分たちで作る意識が強くなっていくと思う」(寺田氏)

スタートアップ企業にも、HR Techは必要だろうか。この問いに及川氏は「絶対必要だ。採用では特に」と言い切る。「個人情報が絡むので、ちゃんとしたツールを入れるべき。スプレッドシートなんかでやると、アクセス権を設定するのが大変になる。また、多段階の採用面接などでは、バイアスがかかるので、前に面接した人は評価した内容を次に面接する人に伝えるべきではない。こういうときにATS(採用管理システム)なら、はじめから適切なアクセス権設定が行える」(及川氏)

中嶋氏も「最初にツールを入れておかないと後で大変になる」と、スタートアップである自身の経験から述べる。「ツールを入れていた部分もあるが、社員数が4倍になって、入れていなかった部分で大変になっている。ツールは成長のスピードに合わせて変えていくべきだ。『導入したけど使ってない』といった問題もよく見るが、ルールを設けなければ続かないもの。ツールは最初に入れる、運用は最初は(経営者が)細かく見る、習慣化されるまで続ける、ということが必要」(中嶋氏)

寺田氏は「起業しても小さいままでいいならツールは入れなくてもよいが」としながらも、やはり「スタートアップから発展させて成長したいなら、絶対に入れた方がいい」と言う。「スタートアップでは、投資できる期間や金額が限られている。どういうサービスになり、どうあるべき姿になりたいのかを考えて、今やれることを逆算して、適切なものを順番に入れていくことが大事だ」(寺田氏)

最後に日本のHR Techについて、中嶋氏は「日本のサービスはまだまだ発展途上だと考えている。一方、企業の方でも、今の組織の課題が本当にどこにあるのか、共通認識を企業として持たなければ、ツールが使いこなせない。人事権の持ち方、経営者の問題認識などは、会社によってさまざま。それを明確にすることが大切だ」とした。

また、寺田氏からは「どんなツールを使うかの前に、企業としてどうなりたいかが大事。採用は目的ではなく、その手段」とのコメント。「エンゲージメントを高める必要があるなら、様々なツールを駆使して必要なことをとことん、いろいろやっていくべきだ」(寺田氏)

海外人材コンサルのプロが語った海外HR Techトレンド、9つのポイント——TechCrunch School #10 HR Tech最前線(2)

3月の「TechCrunch School #9:HR Tech最前線」に続き、HR Techをテーマとしたイベント第2弾として7月21日に開催された「TechCrunch School #10:HR Tech最前線(2) presented by エン・ジャパン」。イベントは海外のHR Tech市場のトレンドを探るキーノート講演と、日本の現状やこれからのHR Tech動向を読み解くパネルディスカッションの二部構成で行われた。

海外HR Techの最前線を概観するキーノート講演では、ハッカズーク・グループ代表の鈴木仁志氏が登壇。北米のサービスを中心に、日本には入ってきていないサービスも含め、海外のHR Tech事情とトレンドを紹介した。

ハッカズーク・グループ代表の鈴木仁志氏

鈴木氏は人事・採用のコンサルティング・アウトソーシングのレジェンダ・グループのシンガポール法人で、最近まで代表取締役社長を務めていた。海外のHR Tech動向に明るく、TechCrunch Japanでも以前、HR Tech Conferenceのレポートを寄稿してくれたことがある。

レジェンダ時代には、顧客の採用・人事制度のコンサルティングを業務として行うほか、経営者として人事を見る経験もあり、候補者リレーションや従業員との人事エンゲージメントも手がけていたそうだ。2017年7月レジェンダを退職してハッカズークを設立し、「社員が辞めた後も含めた、会社と社員の絆を永続化させたい」との思いから、会社とアルムナイ(会社のOB/OG)をつなぐプロダクト「Official-Alumni.com」を開発中で、現在事前登録を受付ながらアルムナイに特化したメディア「アルムナビ」を運用している。自身がアルムナイとなったレジェンダには、フェローという立場で関わり続けている。

講演では、鈴木氏が海外HR Techのトレンドから9つのポイントをピックアップ。人事イベントの時系列を横軸に、企業規模を縦軸に取った「HR Tech『ゆりかごから墓場』マップ」を見ながら、それぞれのトレンドを解説した。

ポイント
1. Engagement is KINGだ。 エンゲージメント・ツールが来る
2. HR Techは「プロセス・ツール」から「エクスペリエンス/エンゲージメント」に
3 .「ヘルスケア」「Well-being」関連が来る

鈴木氏によると、海外HR Techで最もホットなキーワードは「エンゲージメント」だとのこと。「全てのHR Techはエンゲージメントに通じる。社員のエンゲージメント管理がツールとしては一般的だが、採用候補者のエンゲージメント、アルムナイのエンゲージメントを高めることも重要になっている」(鈴木氏)

「社員を対象としたエンゲージメント・ツールには、エンゲージメント向上とエンゲージメント測定を目的としたものがある」と鈴木氏。オーバーラップする部分もあるが、マップ上では「Recognition(レコグニション:社員の承認・表彰サービス)」「福利厚生」「Well-being(ヘルスケア/健康管理)」のエリアに配置されているツール群がエンゲージメント向上ツール、その下の「カルチャー・エンゲージメント測定/ワークフォース分析」のエリアに配置されているのが測定ツールに当たる。

エンゲージメント向上ツールとエンゲージメント測定ツール

「ソーシャルレコグニション・ツールには、ピア・ツー・ピアで『ありがとう』を伝えるもの(「Achievers」など)や、360度評価の中でボーナスポイントを相手に付けられるもの(「Bonusly」など)といったものがある。福利厚生サービスでは、「AnyPerk」(2017年4月に社名をFONDに変更)のカフェテリアプランはよく知られているだろう。ヘルスケア/Well-being関連の「Virgin Pulse」はVirginグループ傘下のサービスだ。ウェアラブル端末とアプリのセットというのが王道で、B2Cの個人向けで主流なFitbitなども、一時は株価低迷で苦戦していたが、市場でBtoBサービスに脚光が当たる中で、エンゲージメントを高める施策を提供していることが再評価されている。Well-being分野が盛り上がっている背景には、企業のヘルスケア部分のコストが下がる効果もあるが、社員のエンゲージメント向上がより注目されていることも理由となっている」(鈴木氏)

こうしてエンゲージメント向上に寄与するツールが多く導入されるようになったことで、「向上したかどうか、当然測定もしなければ、ということで、測定ツールの導入も増えている」と鈴木氏は説明する。

ポイント
4. 細分化されたスタンドアローンサービスが増える一方で、システムの統合が起きる

「日本のスタートアップで言えば、『freee』が会計だけでなく、給与計算から労務管理まで幅を広げてきたようなプラットフォーム統合が、海外のHR Techでも盛んに起きている」と鈴木氏は言う。「小規模でも大規模でも起こっているのが、これまでになかった機能の隙間を埋める新しい機能が提供されて、機能の細分化が起きた後に、それらが統合される動きだ」(鈴木氏)

再び「ゆりかごから墓場」マップを眺めてみよう。「実線は買収の動きで、例えば(マップ右上の)ORACLEは2004年に評価・育成システムのPeopleSoftを買収、そして2012年には採用管理システムの『Taleo』を買収して、採用から評価・育成まで対応する統合型人事管理システムを提供するようになっている。このような買収は、持っていなかった機能を追加して領域を拡大する場合だけでなく、すでにある機能をリプレイスして改善することもある。」(鈴木氏)

また買収に加えて、freeeのようにサービスを広げていくことで、システム統合を図る傾向もあると、鈴木氏は話す。「マップの破線は提供する機能を増やして領域を拡大したサービスのほんの一例。福利厚生サービスから始まったAnyPerkが現在は社名をFONDに変え、レコグニションサービスの「FOND」やカルチャー・エンゲージメント測定サービスの{EngagementIQ」も提供するようになった。これはある種、当たり前とも言える動きで、エンゲージメントを高めるサービスを提供する会社は、エンゲージメントを測定する機能も提供しよう、ということになるし、逆にエンゲージメント測定サービスの提供側は、エンゲージメント向上機能も提供するようになる、ということで、このような領域拡大はここでは表しきれないくらい頻繁に起きている」(鈴木氏)

「(ERPクラウドの)『Workday』も、2014年までは採用管理システムは扱っていなかったが、今ではリファラル採用(社員などによる紹介採用)まで扱うようになっている。リファラル採用やビデオ面接などスタンドアローンプレイヤーが多く存在する分野については、採用管理システムの『Jobvite』も対応を広げているほか、フリーランスなどの管理プラットフォームを提供するフランスの『PIXID』が今年、ソーシャル・リファラル採用ツールの『ZAO』を買収する動きもあった」(鈴木氏)

採用管理ツールについてはこのイベントが行われる数日前の18日に、Googleが新サービス「Hire」を公開したことも話題に上った。「GoogleがHireで採用管理システムの領域に進出したが、過去にもCRMやオフィスツールを提供している『Zoho』が採用管理システムに進出したように、人事系システムを提供していない会社が採用管理システムに進出することはあったとにかく、HR Tech分野では、歴史的にスタンドアローンサービスが機能の隙間を埋めるように生まれては、統合を繰り返している」(鈴木氏)

ポイント
5. Data-Drivenだ、 Big Dataだ、 Bigger Dataだ、 Real-time Dataだ、 Reliable Dataだ
6. ディスラプティブな評価ツールが来る

続いては、データドリブンへの潮流と、評価ツールについて。人事管理でも、クラウドツールを使うのは当たり前となった今となっては、ビッグデータ分析から、さらにリアルタイム性のあるデータが求められている、と鈴木氏は話し、評価ツールを一例にあげた。「パルスサーベイ(短いスパンで簡単な質問を繰り返し社員に行う意識調査)を実施することで、常にリアルタイムに把握し、評価・教育にタイムリーにつなげることが大切になっている」(鈴木氏)

一方、Reliable Data(信頼性の高いデータ)を収集することは、人事ではなかなか難しい、とも鈴木氏は言う。「社員が人事に提出する自己申告データはバイアスがかかりやすい。例えば『もう転職しよう』と思っている社員が『会社にどの程度不満がありますか?』と質問されたら、『すごく不満がある』という選択肢は選ばずに『まあまあ』ぐらいを選ぶ可能性が高いでしょう? 意図がバレればバイアスがかかる。単に頻度を高めてもバイアスがかかっては意味が無いので、どうするか。複数のデータを合わせることで信頼性を高められる。プライバシー問題もあるので簡単ではないが、評価データや自己申告データに加えて、ウェアラブルツールによる脈拍のデータとか、会話分析による感情分析とか、ビッグデータを増やしていく方法です」(鈴木氏)

鈴木氏は「できる人事は昔から情報通だった」と言う。「事業部門で厳しかったマネジャーが、人事部門に配属されたとたんに冗談を言うようになって、会社のあちこちに頻繁に顔を出して、無駄話をしていくようになった、なんていうことはよくあること。これは社員に警戒させないように接することで、社員の本音や人間関係などのデータがたくさん入ってきやすいようにしているわけです」(鈴木氏)

ポイント
7. 採用管理システムの大量乗り換えが来た
8. AIだ、 RPAだ

次のトピックは、採用管理システム分野の動向、およびAIやRPA(Robotic process automation:ロボットによる定型業務の自動化)と採用業務との関係について。

「リファラル採用もそうだが、採用手法が変化したことによって、採用管理システムのワークフローが変わり、リプレイスにつながっている。これは、候補者のエンゲージメントを高めるために、UI/UXを追求することが必要になってくるためで、その時その時に主流の採用方法に合わせて作ったツールの方が実際のプロセスとの相性が良いからだ」(鈴木氏)

例えば、TaleoやJobvite、「iCIMS」といった採用管理システムはいまだに大きなシェアを持ってはいるが、最新の採用手法に合わせるために新機能を常に追加している状況だと鈴木氏は言う。「プロセス中心だったシステムに新機能を追加していきながら、UXも高めるというのは難しいことだ」(鈴木氏)

そうした中、後発として現れた「Greenhouse」や「Lever」は、「Airbnb」や「Evernote」、「Shopify」といったジャイアントスタートアップと一緒に成長できたと鈴木氏は話す。「Taleoなどを使っているユーザー企業はデータが多く、マイグレーションが大変だった部分もあってリプレイスはなかなか進んでいなかったが、こうした新しいサービスへの乗り換えが始まってきている」のだという。

企業規模と、候補者集めや採用のためのツールとの関係については、鈴木氏はこう述べる。「コードベース採用は1名からでも使える手法だ。クラウドソーシングも企業規模と関係なく利用できる。だが、タレントアグリゲーション(候補者のリストアップサービス)はどうか。リクルーター業務がRPA的に自動化されていて、候補者からエンゲージメント高く返事をもらうにはよい仕組みだと思う。ただ、小さい会社が、タレントアグリゲーションサービスを使う必要はないかもしれない。とはいえ、タレントアグリゲーションなど大手向けのサービスについて、『どういう仕組みでこれをやっているのか』をひもといていって、例えば(SNSからの人材ピックアップなどRPAがやっていることを)手動でやるとか、分解していくと小さい企業にとっても参考になるだろう。こういった自動化されているサービスは、ベストプラクティスやプロリクルーターのナレッジの集積だ。」(鈴木氏)

ポイント
9. Contingent Workforceだ、 Agile Workforceだ、 Gig Economyだ

最後に取り上げられたのは、オンデマンド雇用や副業、クラウドソーシングも含んだ柔軟な雇用「Gigエコノミー」についてと、採用とアルムナイリレーションとの関係について。“採用活動における候補者リレーションに始まり、社員リレーションを経てできたつながりが、辞めたらなくなるのはもったいない”ということで、会社OB/OGとの関係を考えるのがアルムナイリレーションだが、このアルムナイリレーションは、採用とも関連するのだと鈴木氏は言う。

「『出戻り』とも言われる再雇用や採用候補者をOB/OGに紹介してもらうなど、アルムナイと採用が直接関係するケースも、もちろん増えている。さらに(正採用だけでなく)Gigエコノミーの中でもアルムナイとのつながりは大切だ」(鈴木氏)

「アメリカではフリーランスの割合が40%だが、日本では10%。Gigエコノミーの中心になっているのは、就業時間外に副業で業務を行う『ムーンライター(moon lighter)』だ。PIXIDなどは、そうしたムーンライターやフリーランスの管理ツールも作っていて、それが採用につながっている」(鈴木氏)

また鈴木氏は、クラウドソーシングやフリーランス活用により、人事のくくりが変化している、とも指摘する。「フリーランス支援ツールの『Bonsai』などを見ていると、人事の仕事が採用というよりも、購買やプロジェクトマネージメントと重なってきている。そういう動きの中でも、アルムナイとのつながりは重要になってくると考えている」(鈴木氏)

最後に、鈴木氏の講演資料をまとめ他Slideshareを紹介する。また後半のパネルディスカッションについては後日レポートする予定だ。

履歴書を廃止しテストの結果でAIが求職者の適性を判定するHarverがシリーズAで$8.1Mを調達

人を雇うときには、履歴書という厄介物を相手にしなければならない。方法はいろいろあるし、履歴書の篩い分けを代行してくれるサービス企業もある。でも、大量の履歴書を読むことから、そうやって逃げるための努力も、忌まわしい仕事だ。

しかし人間リクルーターを起用する代わりに、自分で自分を訓練し最適化した機械学習のプラットホームを使えるとしたら、どうだろう。

実はそれが、Harverのやり方だ。同社は今回、Insight Venture PartnersがリードするシリーズAのラウンドで810万ドルを調達して、AIによる予選(初期的選別)プラットホームTalentPitchのユーザー拡大を目指している。

これは、企業の既存のHRプロセスやシステムを統合して履歴書をリプレースするプラットホームだ。予測分析によって、雇用の過程を改良する。

今回の資金調達で同社の調達総額は1140万ドルになり、今ではBooking.com, Netflix, Zappos, OpenTable, Casper, Adeccoなどがユーザー企業だ。顧客は13か国に分散し、求職者の予選を42の言語で行い、今日(米国時間6/30)ついに、アメリカに上陸した。

Harverの仕事は、履歴書をリプレースすることだ。

求職者は履歴書を書く代わりに、選別のための質問に答えていく。これで最初から、適材を選べる。その過程で、その会社や会社の企業文化を紹介したビデオを見たり、現実的な判断を試されたり、人格のテスト、知力のテスト、言語能力のテスト、求職者のスキルを判定するためのゲーム、などなどがある。これらのテストの結果を総合して、Harverのアルゴリズムが、その求職者の適性を判断する。

HarverのCEOでファウンダーのBarend Raaffは曰く: “今の仕事の多くは、それらへの求職者の適性を予見するために、履歴書はほとんど役に立たない。Harverの完全に自動化された人選ソリューションはビッグデータに基づいているから、きわめて客観的に求職者の資質を判定できる”。

このシステムには、リクルート業界も注目すべきかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

企業がより効果的なビジネス英文を書けるように指導するTextioが$20Mを調達

企業の文書の文章を直してくれるTextioは急速に成長して、今ではCiscoやJohnson & JohnsonのようなFortune 500社の大企業が、人材の獲得業務を改善するために利用している。同社が行う、文章のちょっとした直しによって、求人への応募者の数や応募者の質が、がらりと変わるのだ。

今同社は、求人求職以外の分野への進出を志向しており、その業容拡大のために、Scale Venture Partnersが率いるラウンドにより、2000万ドルを調達した。参加した投資家は、Bloomberg Beta, Cowboy Ventures, Emergence Capital, そしてUpside Partnershipだ。

Textioを創業したKieran SnyderとJensen Harrisは二人ともMicrosoft出身で、あるとき企業の言語能力を良くするためのサービスをやろう、と発想した。前にMicrosoftの生産性スイート部門(Microsoft Office)にいたSnyderは、企業のコミュニケーション能力の面で、そのスタートアップに貢献したい、と思った。

彼らは自分のサービスを“augmented writing”〔仮訳: 拡張ライティング〕のためのプラットホーム、と呼んでいる。ユーザーは自分のテキストに対するフィードバックをもらうのだが、それは必ずデータに裏打ちされている。しかも、その文章を読むターゲットの層〔例: ハイティーン女性〕が、意識されている。そのため、ユーザーは自分のコミュニケーションを改良でき、より好意的な反応や返事をもらえるようになる。

(原著者注記: 生活のために言葉を並べている者の一人として、それを自分よりも上手にできるコンピューターがあると知れば、ものすごく不安になり、そんなくそったれのための記事なんか書きたくない、と思ってしまう。それを採用する人が増えれば、ぼくなんかすぐに要らなくなってしまうだろう。)

Textioの技術の最初のアプリケーションは求人だった。顧客は求人票の草案を同社に提出し、その問題点を指摘される。それは市場が大きいだけでなく、応募者が多かったか少なかったか、応募者の質が良かった(高かった)か良く(高く)なかったか、という具体的な評価がすぐ出る。

でもTextioは、自分たちの技術が企業の求人以外の分野にも応用できる、と信じている。そこで、今回の資金調達となった。企業が顧客やパートナーや、将来社員になるかもしれない人びととコミュニケーションするときにも、良い言葉、良い文章を求めるニーズがあるはずだ。

今回の投資で、Scale Venture PartnersのパートナーStacey Bishopが同社の取締役会に加わる。ScaleとBishopはマーケティング自動化企業Hubspotにも投資しているので、投資家としての一般的な助言のほかに、営業やマーケティングにおける企業のコミュニケーション能力について、専門的な知見をTextioのもたらすことができるだろう。

“このプラットホームをそのほかのタイプのビジネス文書にも拡張していきたい”、とSnyderは語る。“どの分野でも、より効果的な文書を書きたいというニーズはとても大きいはず”、と。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google検索がWeb上の求人情報を再整理厳選して紹介、ユーザーによる多様な職種基準やフィルタリングも可能

【抄訳】
職探しはだんだん容易になっている。今日(米国時間6/19)はGoogleが、検索に職探しの機能を導入して、主な求人サイトや求人ページのすべて… LinkedIn, Monster, WayUp, DirectEmployers, CareerBuilder, Facebookなどなど…で仕事を探せるようにした。企業のホームページ上にある求人リストのリンクも、検索結果のページに載る。

これからは、いろんな求人サイトを次々と訪れて、各所に重複があったり、大量の無関係な求人を見る徒労から解放される。

この機能はデスクトップとモバイルの両方で使えるが、今のところ英語のみだ。検索ワードとしては、“jobs near me”(近くの仕事)とか“writing jobs”(書く仕事)などなどと入力し、職探しウィジェットから大量の検索結果を見る。そこからさらに、たとえば“フルタイム(or正規雇用)のみ”などの条件で結果を絞り込む。特定の職に関する情報をクリックに次ぐクリックで掘り下げていくと、GlassdoorやIndeedで企業の格付けを見ることもできる。

仕事を業種や位置、求人情報掲載日、雇用主などでフィルタできる。これでよし、というクェリが完成したら、それに通知機能を付けて、今後の新たな求人をお知らせしてもらえる。

【中略】

その膨大なリストが無駄に膨大にならないために、同じ求人情報の重複は事前に排除されている。そして求人情報のカテゴリー分類は、機械学習のアルゴリズムが行う。既存の求人求職サイトが情報にすでにマークアップを付けていることも多いから、検索はそれも参考にする。しかし求人情報の検索に関しては、SEOは機能しない。求職者に大量の情報、すなわち多くの選択肢を提供することが目的だから、SEOによって結果の上位に出ることをねらっても無意味である。

仕事が見つかったら、その会社の求人ページへ行って応募する。複数のサイトが最終的なクェリにマッチしたときは、もっとも完全な求人ポストの企業へ連れて行く。このようなランク付けは、なるべく詳細で完全な求人情報を企業側に書いてもらうための、インセンティブでもある。

そして実際の応募フォームを書いて入力するときは、Googleはいっさい手を出さない。そこから先は完全に、求職者自身の仕事だ。

Googleがユーザーについてすでに知ってること(例: 釣りが好き)は、職のフィルタリングに用いられない。釣りが好きでも、漁船や釣り船の仕事にありつきたいわけではないからね、たぶん。

Googleは、MonsterやCareerBuilderなどのサイトと直接競合したいわけではない、と明言している。だから現状では、求人者が直接、Googleの職探し機能の上へ自分の求人情報をポストする機能はない(やれば儲かりそうだけど!)。この部門のプロダクトマネージャーNick Zakrasekは曰く、“うちは、うちが得意なことだけをする。つまり、検索をね。既存の求人求職サイトに、繁盛するきっかけを与えたい”。それ以上のものはGoogleの操舵室に存在しない、と彼は付言した。

Monster.comのCTO Conal Thompsonも、声明文でこれと同じことを言っている。“Google検索の職探し機能はうちのやり方と連携しうるもので、いずれにしても(Google検索のこの機能ががあろうとなかろうと)求職者はWeb全域に仕事を探し、検索基準を磨いて自分のニーズに合う情報を見つけるのだ。求人情報の内容や形式は、検索を意識して変えなければならない部分はあるだろう。最大の問題は、今現在SEOに依存しているサイトやページだね”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

企業の新社員採用をAIで助けるEnteloがシリーズCで$20Mを調達、HRスタートアップ成功の鍵はデータ能力だ

AIを利用する新人採用ソフトウェアは、今激しい王座争いが繰り広げられている。WorkeyMyaは数週間前に共に資金調達をしたが、そのころはほかにも、成長資金の名目で資金を求めるところが多かった。その中には、今年で6歳になるEnteloもいる。同社は今日、U.S. Venture Partnersがリードし、Battery VenturesShasta VenturesおよびCorrelation Venturesが参加するシリーズCのラウンドで2000万ドルの資金を調達した、と発表した。

Enteloは、インターネットを自動的にクロール(crawl, 這いまわる)して、採用候補者となる者のプロフィールを生成する。それから同社は、候補者と、人材を求めている企業顧客をマッチングする。LinkedInと違ってEnteloは現在、個人に自分のアカウントを作らせない。むしろ、すべての処理はバックグラウンドで行われ、例外的にプロフィールの削除リクエストだけは各人がいつでも行える。

EnteloのCEO Jon Bischkeによると、同社が今いちばん重視しているのは、そのようにバックグラウンドで行われるマッチングプロセスを改良することだ。そのためにはGitHubのようなソースから非定型のデータを集め、また機械学習の能力をアップして、企業が優秀な候補者を迅速に見つけられるようにしなければならない。

Enteloは、若いAIファーストのスタートアップと、LinkedInに代表されるレガシーな企業の両方がコンペティターだ。今のところ企業顧客は、最先端の採用促進管理技術なら何でもトライする気でいるが、それも長くは続かないだろう。

でもBischkeは、市場が鎮静したらEnteloに分がある、と信じている。彼によると、AIファーストのHRスタートアップも、適切なデータ(〜データ能力)がなくて行き詰まるところが多いはず、という。一方LinkedInは、あまりぱっとしない買収をしながらイノベーションを維持するためには、前途の作業課題が多い。

Enteloの契約顧客は今600社ほどだ。その中にはFacebookやGE, Northrop Grumman, Targetなどもいる。今後は、データサイエンティストと営業の増員を図りたい、という。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

企業が大量のフリーランサーを効果的に管理できるプラットホームShortlistが$1.5Mを調達

フリーランサーの管理は、今でもほとんどの企業が、Excelのスプレッドシートを全社的に共有して行っている。Shortlistは、単一のプラットホーム上でフリーランサーやフリーの契約社員と彼らへの支払いを管理できるようにして、その仕事をもっと効率化したい、と願っている。2015年にMartin Konrad(CEO)とJoey Fraiser(COO)が創業した同社は今日(米国時間6/6)、150万ドルのシード資金を獲得したことを発表した。その投資家はImpulse VC, FundersClub, Alchemist Accelerators、そしてCiscoのイノベーション部門のVP Maciej Kranzなど数名のエンジェルたちだ。

ユーザーから見てShortlistの実体は、会社が自分のニーズに応じて作ったフリーランサーたちのリストだ〔例: 上図〕。Shortlistは大企業の顧客が多くて、彼らは多くの場合大量のフリーランサーとフリーの(独立系の)契約社員を常時抱えている。ただし同社は、中小企業の顧客も少なくはない。

Konradによると、契約社員の数は年々増加している(いわゆるギグ・エコノミー(gig economy)が社会問題になったりしている)。しかし、ほとんどの企業が、彼らを有効に管理するためのツールを持っていない。Shortlistは、フリーランサーの新規採用から、そのバックグラウンドチェック、担当プロジェクトの決定、仕事の割り振りなどの処理を自動化する。

同社の現在の顧客の中には、Publicis Groupe, CBRE, Hays, Roche, AKQA, Western Governors Universityといった有名どころもいる。Konradによると、現在多い業種はメディア、コンテンツ制作プロダクション、高等教育などだ。現在、毎月前月比で20から30%の増加率で顧客は増えている。同社のプラットホーム上で彼らが管理している契約社員の数は、25000人を超えている。

今回新たに得た資金は製品開発、中でもそのプラットホームの経費と給与の管理の部分の改良に充てたい、とKonradは語る。ただし請求書や報酬の支払いの管理、税務関係の書式、タイムシート(出退勤時間記録)、フリーランサーたちの仕事効率のチェック、などの機能は、今でもすでに揃っている。

現時点では、契約社員を募集して雇うのは個々の顧客企業の仕事だが、今後はShortlist自身がフリーランサーたちのマーケットプレースの機能を持った方が良さそうだ、とKonradは考えている。

同社は最近、B2B専門のアクセラレーターAlchemistを卒業した。そのおかげで、Shortlistが、将来顧客になりそうな多くの企業に紹介され、また投資家も見つけることができた。現在、同社の社員は15名で、これまで230万ドルの資金を調達している。

Shortlistの利用は、フリーランサー/独立系契約社員の数が1000名未満、社内のユーザー数が100未満なら無料だ。フリーランサー自身やベンダーのアクセスも、当然無料だ。有料のエンタープライズプロダクトになると、シングルサインオンや、カスタムブランドとそれらの統合化、そして支払いや税の書式(フォーム)などの機能が提供される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))