WeWorkの共同創業者アダム・ニューマン氏がソフトバンクを権力濫用で訴える

WeWorkの共同創業者Adam Neumann(アダム・ニューマン)氏は米国時間5月4日に起こした訴訟で、ソフトバンクグループがその権力を濫用していると非難している。訴えによると、ソフトバンクグループはWeWorkの30億ドル(約3200億円)の株の公開買付けに関して契約に違反し、信認義務にも違反したとされる。

その訴訟はデラウェア州エクィティ裁判所に提出され、2020年4月にSpecial Committee of WeWork(WeWork特別委員会)が起こした訴訟との一本化を求める動議も含まれている。どちらの訴訟も、ソフトバンクグループと同社のビジョンファンドによる、WeWorkの株を購入契約の取り消しにフォーカスしている。

ソフトバンクグループは4月1日に、WeWork株の30億ドルの公開買付けオファーを撤回し、新型コロナウイルス(COVID-19)の事業への影響と完了条件の不備をその理由とした。具体的に同社が合意が破談した原因として挙げたのは、規制当局による調査が未了であり、WeWorkに対する訴訟が増えていること、そして中国における合弁事業の再編成の失敗だった。

ソフトバンクの上級副社長であるRob Townsend(ロブ・タウンゼンド)氏は、声明で「ソフトバンクはこれらの原告に法的利益のない主張に対して断固として自己を防衛する。アダム・ニューマン氏も署名した我々の合意の下では、ソフトバンクには公開買付けを完了する義務がない。その公開買付けでは、10億ドル(約1070億ドル)の株を売ろうとしていたニューマン氏が最大の受益者であった」と語っている。

2019年10月には、ニューマン氏が保有する非公開株の一部と、ベンチャーキャピタルのBenchmark Capitalおよび企業の社員である多くの個人の株を買い取る契約が交わされた。それによりニューマン氏は、10億ドル近くを受け取るはずだった。

WeWorkとニューマン氏は、会社のコントロールをソフトバンクに与えたが、訴状によると後者は価格を大幅に下げて所有権の増大を図っていた。

訴状は次のように述べている。 「ソフトバンクはその権利者としての立場を濫用して、ニューマン氏と株主と数百名の社員に対し既に授権されていた利益を支払う約束に背いた。ソフトバンクは、約束を破棄するための秘密裏の行動で、投資家たちが一部の権利の放棄をしないよう、かつ中国の合弁契約が完了しないよう圧力をかけた」。

さらにソフトバンクの公開買付け終了の決定には同社の財務状況が影響していると主張している。「法的アクションを起こせるのはWeWorkの特別委員会のソフトバンクがコントロールしている理事会のみであり、既に同理事会が訴訟を起こしているのにこのような決定をしたことは権力の濫用だ」という。

そして訴状では「実際にソフトバンクグループとソフトバンクビジョンファンドは彼らのWeWorkに対するコントロールを濫用し、特別委員会の法的に意義のある訴訟をかき消そうとしている」と述べている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

罰金総額3.8兆円の対Facebook集団訴訟がいよいよ本番へ

Facebookは、米国イリノイ州で顔認識データを悪用したとされる賠償額350億ドル(約3兆8000億円)の集団訴訟の前段で敗訴した。米国時間10月16日、同社はその訴訟を棄却してもらうために必要な第9巡回裁判所の裁判官全員の前でのヒアリングを拒否されたのだ。従ってこの訴訟は、最高裁判所の仲裁がないかぎり実際の裁判にかけられる。

訴状によると、マッピングが始まった2011年にイリノイ州の市民は、アップロードされた彼らの写真が顔認識でスキャンされることに同意していないし、データがどれだけ長く保存されるのかに関する情報の提供もなかった。Facebookは700万人の人々に対し一人あたり1000ドルから5000ドルの罰金を科せられ、その総額は最大で350億ドルになる。

facebook facial recognition photo review

第9巡回裁判所の3人の判事はこの訴訟の棄却を求めるFacebookの申し立てを却下し、原告を集団訴訟原告不適格とする8月の抗告も退けられた。判事の一人は、Facebookの顔認識データが監視カメラの記録で彼らを特定するために利用されたり、さらにはバイオメトリックスで保護されている携帯電話をアンロックするために使われたこともありえると述べた。Facebookはもともとこの機能を、写真のタグを強化するために作り、ユーザーにタグのない写真を見せ、それが自分であるか、それとも特定の友だちであるかを尋ねていた。

Nicholas Iovinoが今日見つけた裁判所の発表を、この記事の末尾に掲載した。コメントを求められたFacebookのスポークスパーソンは、次のように答えた。 「Facebookは常に顔認識技術の使用について人々に話しており、それを彼らのために利用することの是非に関しては彼らにコントロールを与えている。私たちは私たちのオプションを目下再検討しており、今後も私たち自身を強力に擁護し続けたい」。

2015年に提出されたこの集団訴訟の告訴を、Facebookはあらゆる手段で阻止しようとした。訴状中の大量の言葉の定義に異議を申し立てたり、訴えの基盤にもなっている「バイオメトリック情報プライバシー法」を無効とするロビー活動を展開したりした。

FTCの同意判決違反では5億ドルの示談金で合意に達したが、この集団訴訟の罰金額はその記録を破っている。昨年の年商550億ドル(約6兆円)のFacebookにとってたいした額ではないかもしれないが、この訴訟にはデータのプライバシーや透明性に関する要求が大量に付随している。350億ドルの罰金決定は、今日のFacebookの株価の2.25%下げに貢献したようだ。

画像クレジット: Mike MacKenzie
補足記事提供: Zack Whittaker

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Amazonはサードパーティが売っている製品の欠陥にも責任があるとの判決

米国控訴裁がこのほど、アマゾン(Amazon)にとって痛い判決を下した。この巨大リテイラーは、サードパーティが売った商品についても責任があることになった。今週、フィラデルフィアにある第3巡回区控訴裁判所(United States Court of Appeals for the Third Circuit、12の巡回区に設置されている控訴裁判所の1つ)は、Amazonに有利だった下級審の判決を覆した。

この判決が確定すれば、同社の事業のやり方に大きな影響が及ぶことになる。今Amazonで売られている商品の半分近くは、サードパーティのセラーが売っている。それは前四半期のAmazonの全売上の中で約110億ドルを占める。

この判決はペンシルベニア州の州法に準じている。製品に対する責任範囲は、州によって異なることが多い。原告Heather Oberdorf(ヘザー・オーバードルフ)氏は2016年に同社を訴え、収納式の犬のリードが跳ね返ったために彼女のメガネが割れて、左の目の視力が恒久的に失われたと主張した。

オーバードルフ氏の弁護士がロイターにこう語っている。「控訴裁判所が私たちの主張に同意し、ペンシルベニア州の製品責任法のこれまでの解釈が、Amazonの市場支配力という現実に対応していないと認めたことに満足している」。

Amazonはコメントを発表していないが、上訴もありうるだろう。オーバードルフ氏の傷害の原因が本当に製品の欠陥であったのか、それをあらためて下級裁が判断することになる。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

イーロン・マスクの「小児性愛者だ」発言の名誉毀損訴訟が今秋開始

昨年Tesla(テスラ)とSpace XのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏が英国の洞窟ダイバーを何度も「小児性愛者」と呼んだために起こされた名誉毀損訴訟の裁判が、10月22日に行われると合衆国地裁の裁判官が決定した。

2018年9月に英国の洞窟ダイバーであるVernon Unsworth氏は、カリフォルニア中部の合衆国地方裁判所に名誉毀損の訴状を提出した。それはマスク氏がTwitterという公開メディア上で彼を「小児性愛者」(Pedo guy,、Pedo==Pedophile)と呼び、ほかにもそれをほのめかすようなことを言ったからだ。

今回の裁判所の決定は、The Vergeが最初に報じた

Teslaのスポークスパーソンにコメントを求めようとしたが、即座にはつかまらなかった。

合衆国地裁判事であるStephen V. Wilson氏はこの訴訟を取り下げる申し立てを拒否し、代わりに裁判の日程を決めた。その決定は、Unsworth氏の訴えが裁判を行うほど十分に強力であることを意味している。

マスク氏の弁護士たちは、インターネット上の言明、とりわけTwitterのような調停役のいないフォーラム上のそれは、客観的な事実ではなく意見であると推定されうると主張した。名誉毀損の法律は、意見や無礼に対しては適用されない。しかしWilson判事は、BuzzFeedのRyan Mac記者とマスク氏とのメールによる対話などを理由に、同氏側の主張を退けた。

Wilson判事は決定書の中でこう述べている。「被告の声明の一般的なコンテキストや、その声明の特定のコンテキスト、およびその声明(彼は小児性愛者である)の真偽証明可能性、などの状況を総合的に検討すると、リーズナブルな事実認定者ならば容易に訴状で訴えられている被告の声明は客観的な事実の断定を含意している、と結論できる」(訳注:彼は小児性愛者だ」というTwitter上などの声明が、そうだと思うという意見ではなくて、事実として彼が小児性愛者だと言っているということ)。

訴状は、7月15日から8月30日までにマスク氏はTwitterやメールを使って何度もUnsworth氏に対する嘘のそして名誉毀損的な言いがかりをメディアに投稿した、その中には小児性愛や児童のレイプの言いがかりもあったと主張している。

最初の「小児性愛者だ」攻撃は、Unsworth氏がメディアへの決定的なインタビューでマスク氏の小型潜水艇は「まったく使い物にならない」と言ったときに始まった。潜水のエキスパートはそのインタビューの終わりにマスク氏は「彼の潜水艦を痛いところに貼るべきだ」(役に立つところで使うべき)と述べた。

マスク氏はTwitter上で猛攻撃を開始し、Unsworth氏は小児性愛者だとなじった。のちに彼はその敵対的なツイートを削除し、Twitter上でお詫びのような言葉すら述べて撤回を試みた。そして、事件はそこで終わるはずだった。

ところがマスク氏は元本誌TechCrunchのジャーナリストであるDrew Olanoffとの(またまたTwitter上の)議論ですべてを蒸し返した。Olanoffは「小児性愛者だ」攻撃を、マスク氏が嘘をついている例として取り上げた。

[地裁決定書原文(被告の訴訟取下げ申し立ての棄却)]

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ファーウェイが米政府を提訴、自社機器に対する禁則は「憲法違反」と主張

ファーウェイは、スパイ行為と米国のイランに対する制裁と関連した銀行詐欺の嫌疑から身を護るために、米国政府に対する訴訟に踏み切った。米国時間3月6日の夜に行われた記者会見でファーウェイは、米国政府を訴訟したことを発表し、同社の製品の使用を連邦政府機関とその契約企業に対して禁ずることは「適正な司法手続きを欠いており憲法違反だ」と主張した。

同社は世界最大の通信機器メーカーで、またスマートフォン市場ではApple(アップル)に対する脅威を日に日に増している。ファーウェイの米本社のあるテキサス州で提出された訴状の中核にあるものは、National Defense Authorization Act(国防権限法)に2018年8月に追加された第889条が憲法違反だとする、同社の主張だ。

第889条には、連邦政府機関がファーウェイの機器やサービスを調達したり、ファーウェイの機器やサービスを使っている契約企業と協働したり、あるいはファーウェイ製品の調達に使われる補助金や政府融資に支出することを防ぐ規定がある。

3月6日の記者会見でファーウェイの輪番会長を務める郭平(Guo Ping)氏は「米議会はその規定を支持する証拠を提供していないし、ファーウェイへの禁則ための適正な司法手続きを行っていない」と言った。同社は、その規定に対する終局的差止め命令を求めている。

郭氏はこう語る。「これまでの30年間、弊社製品のセキュリティにはまったく問題がなかった。ファーウェイがバックドアをインストールしたことはないし、他社がわれわれの機器にバックドアをインストールすることも絶対に許さない。米国政府はわれわれのサービスを脅威と決めつけているが、その非難を正しいとする証拠を示したことは一度もない。米国政府は証拠提出の努力もせずに、一方的に企業に汚名を着せているだけである。さらにひどいのは、われわれを他の国でもブロックしていることだ」。

米国の政府職員たちはかなり前から、国内企業と他国の政府がファーウェイの機器を使わないよう警告していた。「中国がそれらの機器を使って諜報活動をしているおそれがある」とされた。2017年に成立した中国の法律は、「すべての団体と市民が法に即した国の諜報努力を支持し、援助し、協力することおよび、彼らが知っている国の諜報活動の秘密を保護すること」を要求している。

ファーウェイの法的行為は、ライバルのZTEと米国政府の間で昨年到達した和解と対照的である。ZTEが10億ドルの罰金を払うことに同意したあと7月に、米国はZTEが米国のサプライヤーに販売できないようにしている禁則を解除する、と発表した。それまでの捜査では、その中国の通信機器メーカー(ZTE)が、イランおよび北朝鮮と取り引きすることにより、米国の制裁に違反している、とされていた。

肥大する脅威

ファーウェイに関する懸念は、同社が5Gの技術における中心的な中国企業へと成長したことにより、一層エスカレートしている。5Gは、自動運転車や遠隔手術などの未来的な通信技術を支えるネットワーク技術だ。その背景には、世界全体の5G化をリードしたいとする中国の野心がある。そのため中国政府は5Gの商用ライセンスの発行を急ぎ、消費者の関心を喚起しようとしている。

今年の初めに米国司法省はファーウェイと同社の財務担当役員Meng Wanzhou(孟晩舟)氏を、米国のイランに対する制裁を回避する事業行為により刑事告訴した。孟氏は今週、彼女の権利を侵犯したとしてカナダ政府と警察を告訴した。その権利侵犯とは、彼らが12月に米国政府のために彼女をカナダ国内で拘留したことを指している。

ふだんはあまり人前で話すことのないファウンダーのRen Zhengfei(任正非)氏をはじめファーウェイの役員たちは、同社の機器にバックドアがあることを断固否定した。最近任氏は、米国が彼の会社の進路を妨害することはできない、と宣言し、彼の娘である孟氏の逮捕を、“政治的動機に基づく許しがたい行為”と呼んだ。

このファーウェイ騒動は、米国と中国の貿易紛争が長引いている間に生じた。世界の二大経済圏の間で緊張がこれ以上増せば、イノベーションを扼殺するとの論評もある。世界中の国が今では、投資とサプライチェーンのリソースと技能労働者をますます中国に依存するようになっている。しかし同時にその多くは、セキュリティで米国との連合に依存している。

【アップデート】ZTEの件と貿易戦争について米国時間3月7日に加筆。

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Amazonのダッシュボタンにドイツの裁判所が消費者保護に違反と判決

【抄訳】
洗剤やトイレットペーパーなど、日用品の補充的購入に便利なAmazonのダッシュボタンに、ドイツの裁判所が消費者保護法に違反との裁定を下(くだ)した。

昨日(米国時間1/11)、バイエルン州高裁は、ダッシュボタンのシステムが、購入に関する十分な情報を消費者に提供していない、と判決した。

原告の消費者団体Verbraucherzentrale NRWは、次のように主張していた:

・Amazonの現在のユーザー規約では、製品が最初よりも高価格になったり、消費者が最初に指定した商品以外の商品を買わされることが、消費者に無断で行われる。

・消費者がボタンを押したとき、そのとき行われる購買行為に関する十分な情報がその時点で提供されない。情報の提供が、購入決定から数か月後になることもある。〔注文のキャンセルは、通常の注文キャンセルと同じ方法で(できる場合は)できる。〕

・ボタン上に、押すと有価購入が行われる、という警告の明記がない。

判決は、裁判所がこれらの主張を認めた結果である。同団体は、裁判所がAmazonの控訴を棄却することを求めている。

Amazonは、本誌TechCrunch宛てのメールで、次のように反論している:

・イノベーションを損ない、消費者の利便性を奪う判決だ。違法性はないと確信しているので、控訴する。

“The decision is not only against innovation, it also prevents customers from making an informed choice for themselves about whether a service like Dash Button is a convenient way for them to shop. We are convinced the Dash Button and the corresponding app are in line with German legislation. Therefore, we’re going to appeal.”

画像クレジット: Amazon

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Tesla、元従業員の「妨害工作者」を相手に1.67億ドルの訴訟

Tesla は元従業員のMartin Trippを相手取り1.67億ドルの訴訟を起こす。CEO Elon Muskは同氏を妨害工作者と呼んでいる。CNBCが最初に報じた。本裁判は当初6月に提訴され賠償金はわずか100万ドルで、Trippが機密情報を盗み第三者に渡した疑い。

Trippは7月、米国証券取引委員会に正式通報窓口に、Teslaが投資家に誤った情報を与え、顧客を危険にさらしたと訴え出た。その後TeslaとTrippとの間で激しやりとりがあり、8月にTrippはTesla工場で損傷をうけているバッテリーとされる写真をツイートした。

訴訟書類によると、TeslaはMuskを証人として指名していない。さらに訴状はTrippの弁護人に対してTeslaに関わった人物10名以上に証言させることを要求している。

「本件でTripp氏は1億6700万ドル以上の訴訟を受けTeslaに対して反訴を提起しており、10名以上の証人はたしかに妥当かつ適切である」とTrippの弁護人が提出書類で述べた。

Teslaはコメントを拒んだ。本裁判はTesla Inc. 対 Trippで争われ、ネバダ地区連邦地方裁判所で行われる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

洞窟救出の英国人ダイバー、自分を小児性愛者呼ばわりしたElon Muskを訴訟

TeslaとSpaceX CEOのElon MuskにTwitterで「小児性愛者」呼ばわりされた英国の潜水エキスパートが、反撃に出た。

Vernon Unsworthは月曜日(米国時間9/17)、カリフォルニア州中央地方裁判所にMuskを名誉毀損で訴えた。同訴訟は、7月15日から8月30日の期間、MuskがTwitterとメディア宛のメールを使って、小児性愛と児童虐待の告発を含め、Unsworthを中傷する虚偽の発言を繰り返し発信したとしている。

訴訟は7万5000ドル以上の損害賠償、および「Muskを罰し、こうした行為を繰り返さないために妥当な金額」の懲罰的損害賠償を要求している。

Unsworthは、タイ北部タムルアン洞窟からサッカーチームの少年12名とコーチを救出した作業に直接関わった多くの人々の中のひとりだ。救出作戦は世界中でメディアの注目を浴び、中傷発言をしたMusk自身も、ロケット部品から作ったミニ潜水艦を救出に役立つ考えて現地に送った。

最初の「小児性愛者」攻撃は、UnsworthがメディアのインタビューでMuskのミニ潜水艦について「役に立つ可能性はまったくなかった」と発言した後のことだった。Unsworthはインタビューの終わりに、「Muskは潜水艦を自分の痛い部分に入れるべきだ」と語った。

MuskはTwitterでUnsworthは小児性愛者であることをほのめかす言葉で攻撃した。後にMuskは攻撃的ツイートを削除し、発言を撤回しようと試みた—— さらには謝罪ともとれるツイートも発信した。そこで終わるはずだった。しかしMuskは、元TechCrunch記者のDrew Olanoffとのディベートでこの件を蒸し返した——またもTwitterで。Olanoffは「ロリコン男」攻撃をMuskの嘘発言の例として持ち出した。

その後Muskは,Unsworthに関してBuzzFeedともメール交換を繰り返した。

Tesla広報からコメント要求への返信はまだない。Muskにはメールでコメントを求めている。返信があり次第続報の予定。

Unsworth v Musk by TechCrunch on Scribd

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

オーストラリアでAppleが一部の顧客サービスを断って$6.6Mの罰金刑を食らう

【抄訳】
Appleはオーストラリアの消費者権利団体からの訴訟により、900万オーストラリアドル(660万USドル)の罰金刑を食らった。原告は、以前サードパーティに修理させたデバイスがiOSのアップデートにより使用不能になったときの、Appleの対応を問題にしていた。

公正な競争と消費者保護のための政府機関、オーストラリアの競争と消費者委員会(Australian Competitor and Consumer Commission, ACCC)は、所有者がAppleのiOSオペレーティングシステムのアップデートをダウンロードすると、一部のiPhoneとiPadが動作しなくなるエラー(‘error 53’, 下図)に関する、一連の苦情を調査した。

ACCCによると、Appleは2015年2月から2016年2月にかけて、AppleのアメリカのWebサイトや、オーストラリアの店内スタッフ、それに顧客サービスの電話がそのこと〔使用不能と顧客対応〕を認めた。彼らはerror 53を経験した少なくとも275名のオーストラリアの顧客に、そのデバイスがサードパーティによって修理されていたら救済の対象にならない、と告げた。それが、今回の訴件だ。

画像クレジット: 70023venus2009 Flickrより, CC BY-ND 2.0のライセンスによる

裁判所は、Appleのその態度はオーストラリアの消費者法に違反している、と判決した。

ACCCのSarah Court委員は、声明で次のように述べている: “オーストラリア消費者法(Australian Consumer Law)では、製品に欠陥があれば顧客は修理または交換、ときには返金の法的権利を有する。Appleの代表者たちは顧客に、自分はサードパーティの修理屋を利用したから自分の欠陥デバイスに関して救済を拒否される、と信じこませようとした”。

“裁判所は、「iPhoneまたはiPadがApple以外の者によって修理されたという事実だけでは、消費者保証の停止や消費者の救済の権利が消滅する結果にはならないし、なりえない」、と宣言した”。

ACCCによると、Apple Australiaは、法的強制力により、スタッフの教育訓練の改善や、保証に関する監査情報とオーストラリア消費者法を同社Webサイト上に載せることを行い、今後のコンプライアンスを確保するためにシステムと手続きを改良することになった。

さらにACCCによると、この判決によって解消した懸念は、Appleが交換用に再生機を提供していた、前に大きなエラーを被った品物を再生機として利用していたという疑念だ。実際にはAppleはそれらの状況において、消費者が要求すれば新しい製品と交換していた。

“iPhoneやiPadを買った人が重要な欠陥に悩まされたら、返金が当然だ。交換を希望する顧客には、再生品でなく新品を渡すべきだ。新品があるかぎりは”、と裁判所は言う。

裁判所はまた、オーストラリアAppleの親会社Apple USにも、子会社がやったことへの責任がある、と論じた。裁判所は、グローバル企業も、その返品に関する方針は各国の(ここではオーストラリアの)消費者法を遵守すべきであり、守らなければACCCのアクション〔==訴訟〕の対象になる、とも主張した。

Appleは昨年12月から今年1月にかけて、あの人為的性能劣化問題で、同様の消費者問題の爆撃を被(こうむ)った。

【後略】

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Telsa、オートパイロット集団訴訟を500万ドルで示談成立へ

Teslaは2017年に起こされた集団訴訟で500万ドルを払って示談にいたった。2016年に同社が出荷した自動車のオートパイロット機能が、「事実上使用不能で明らかに危険」であるとして訴えられていた。示談はこれを認めたものではなく、約束された機能の提供が遅れたことに対する顧客への補償が目的だ。オートパイロットのために5000ドル支払ったオーナーは、待たされた期間に応じて最低20ドル、最高280ドルの払い戻しを受ける。

Teslaは、この半自動運転ソフトウェアは安全性を改善し衝突の可能性を減少させると主張したが、実際には不安定で信頼性が低かった。「Teslaの説明とは異なり、影響を受けた車のオーナーは作りかけで使用すると危険なソフトウェアのベータテスターになった」と訴状に書かれていた。

Teslaは同機能が全体では安全性を改善したという主張を続けているが、オートパイロット使用中の度重なる事故が利用者の不信を募らせた。同社はシステムのアップデートを続け、当初の約束に近いものを提供したが、予定の時間を大幅に上回った。結局Teslaは、約束した機能の実現が遅れたことについて、訴訟団に補償するべきであることを認めた。

和解の提案は数週間前に送付され(Electrekが入手した)、昨日(米国時間5/25)原告団は示談に応じ、法廷の許可が下り次第訴訟を取り下げることを表明した。

2017年1月24日までにオートパイロット機能のために支払った顧客は280ドル受け取り、購入時期が遅くなるにつれ減額される。最小金額は20ドルでほとんど現金化するにも値しないが、集団訴訟とはそういうものだ。

声明文でTeslaは、オートパイロットの改善を継続することを強調しつつ、不便を強いたことについて補償する必要があることを認めた(厳密には訴訟の対象とならない海外オーナーにも払い戻す)。

2016年10月に第2世代のオートパイロットハードウェアを発売して以来、当社はソフトウェアアップデートの提供を続け、オートパイロット機能に大きな改善をもたらしてきた。

しかし、約束した機能の提供は当初の予定から大幅に遅れてしまった。影響をうけた顧客に正しく対応するために、昨年提出された集団訴訟に対する示談提案の一環として、予定より長く待つことになった購入者への補償に同意した。

この示談は米国の顧客が対象であるが、裁判所の許可が下りれば、海外の全顧客についても同じく対応することを決定した。これを行う法的義務はないが、正しい行動だと考えている。

示談には裁判所の承認が必要だが、承認されない理由は見当たらない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、2015年に発売したMacBookの「全面的に再発明した」キーボードで集団訴訟を受ける

3年と少し前、Appleは、新しいMacBookに “butterfly”というそれまでのMacBookの”scissor” メカニズムより40%薄く、安定度が4倍のキーボードを採用した。

それぞれのキーに圧力が均等に配分されるという約束だった。しかし、誰もがこの「再発明」を喜んでいるわけではいようで、Appleは集団訴訟に直面している。

昨日(米国時間5/11)にカリフォルニア州北地方裁判所に申し立てられた訴状およびAppleInsiderが最初に入手した情報によると、2015年と2016年に製造されたMacBookおよびMacBook Pro「数千台」が、埃や破片が原因で使用不能に陥っているという。訴状によると、Appleは「MacBookの欠陥を依然として公表せず、消費者が不調なMacBookをジーニアスバー(Appleストア内のサポートデスク)に持ち込んだ際にも欠陥を伝えていない。

訴状はさらに、問題は公表をしないことだけではないと指摘する。この問題が保証の対象だと思った顧客の中には不快な驚きを経験した者もいる。訴状によると「MacBookはすべて1年保証がついているにもかかわらず、Appleは再三保証の適用を拒否した。キーボードの問題を修理する代りに、AppleはMacBookオーナーに対して完全な修復にならないことを知りながら自力で修理することを勧めている。Appleが補修修理を認めたときでも、修理は一時的なものにすぎない —— 修理されたとされるMacBookが同じキーボード問題を起こした。保証期間の過ぎた消費者に対してAppleは、保証サービスを拒否し、400~700ドルの有償サービスを受けるよう仕向けた。MacBookのキーボードに欠陥があることは十分に明らかである」

この訴訟は、ZIxuan RaoおよびKyle Barbaroの2名を代表として、広く「その他同様の状況にある者全員」をも代表して提出された。担当するサンフランシスコ拠点の法律事務所Girard Gibbsは、過去にAppleと数多く戦っており、iPodの「バッテリー容量減少」を中心とする集団訴訟も担当した(Appleはそのとき示談にしたとされている)

本誌はAppleにコメントを求めている。

興味深いのは、AppleInsiderが今回の訴訟のために、少なくとも一部の材料を提供したらしいことだ。先日同誌は、深く掘り下げるに十分な数の逸話を聞いたあと、別途独自調査結果を記事にした。それによると2014、2015、2016年のMacBook Prokの発売初年度のサービスデータを集めた結果、2016年のMacBook Proキーボードは、(Touch Barの欠陥を除き)購入後一年以内のキーボード故障が2014と2015年モデルの2倍以上だった。

AppleInsiderは調査データを、同社が数年来仕事でつきあいのある「米国内の様々なApple Genius Bar」、およびApple認定サードパーティー修理店から収集したと言っている。

この調査が多くのMacBookオーナーの共感を得たことは明らかで、すぐに1万7000人以上がChange.orgで、 Appleにバタフライキーボード付MacBooksの全数リコールを要求する嘆願書に署名した。

嘆願書 —— 評価の高いライター兼UIデザイナーであるJohn Gruberも署名人の一人で、彼はこのキーボードを「Apple史上最大の失敗デザイン」と呼んでいる —— の勢いは増しており、この訴訟のニュースが後押ししている可能性も高い。本稿執筆時点で署名者は約1万8000人になっている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

OracleがJavaの著作権侵犯裁判でGoogleに勝利

Oracle vs. Googleの因縁話はとっくに終わった、と思っていた方にとっては悪いニュースだ。火曜日(米国時間3/27)に連邦控訴裁がこの訴訟に新しい命を吹き込み、GoogleがOracleのJava APIsを使ってモバイルオペレーティングシステムAndroidを作ったことは著作権法の侵犯にあたる、と裁定した。判決文の全文はここにある。

この訴訟に中心にあるのは、こんな問いだ: Javaのようなプログラミング言語に著作権の保護は適用されるのか? Oracle vs. Googleの三度目の裁判を見るかぎり、著作権の適用範囲を広げようとするこのこの論争は、まだまだ決着していない。

Googleは、同社のJavaの使用は公正使用だ、とする立場を堅持してきた。2016年の陪審は、これに合意した。Googleは、Oracleが同社を訴訟した2010年の最初のラウンドでも勝利した。そのときOracleは90億ドルの損害賠償を求めたが、この訴訟は金額だけでなく、広義のソフトウェア開発の世界にとっても、大きな意味を持っている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Airbnbが巨大アパート企業からの訴訟にカリフォルニアで勝訴…Webサイトにコンテンツ責任なし

【抄訳】
カリフォルニアの判事は、Airbnbに対するアパート管理会社Apartment Investment & Management Company(Aimco)の訴えを棄却した。昨年の2月に、約50000件の不動産物件の保有者ないし管理代行者であるAimcoは、Airbnbが、同社の賃貸物件の不法使用を意図的に奨励しているとして同社を訴訟した。

Aimcoはこの訴訟をカリフォルニアとフロリダ両州で起こしており、損害賠償と、同社賃貸物件の不法使用の奨励をAirbnbにさせない裁判所命令を求めていた。Aimcoの訴えの主旨は、AirbnbがAimcoの建物に、“平和な地域社会を維持することに関心のない”、しかも“身元不詳で履歴審査もない”人びとを連れ込んだことにある。

10月にAimcoは、南カリフォルニアの4つの物件におけるAirbnbの操業に対する仮差し止め命令を裁判所に求めた。しかしAirbnbは、カリフォルニアの法律は物件の転貸(また貸し)を禁じていない、と反論した。

Airbnbはさらに、この問題の責任はAmicoの物件のテナント(店(たな)子)とそのゲストにある、と主張した。同社は、Communications Decency Act(通信適正法)が、人びとがWebサイトにポストしたコンテンツに関する法的責任はそのWebサイトの運用者にはない、と定めている条項を挙げて、この訴訟の却下を求めた。

しかしAimcoは、Airbnbは情報コンテンツのプロバイダーであるから、そのサイト上のコンテンツに関して法的責任がある、と主張した。しかし今回カリフォルニアの裁判所は、Airbnbは情報コンテンツのプロバイダーではない、と判定し、Airbnbはコンテンツをホストしているだけであり、それを作ってはいない、とした。

地裁判事Dolly M. Geeは判決文でこう述べている: “この行いは、Airbnbを情報コンテンツのプロバイダーにしない。上述のように、情報コンテンツのプロバイダーの法的定義は、インターネットやそのほかの何らかの対話的コンピューターサービスによって提供される情報の、全体的ないし部分的な作成や開発に責任のある個人や法主体である”。

Airbnbはもちろん、この裁定を歓迎し、次のような声明を発表した:

“弊社と家主とのパートナーシップは、ホームシェアリングが全員にとってウィンウィンの状況であることを明らかにしている。Airbnb Friendly Buildings Programによってテナントは彼らの最大の出費対象〔借りてる部屋〕を有効利用して副収入を作り出し、それが家主にとっても新たな経済的機会を作り出す。このようなパートナーシップが数多く成立していることは大きな喜びであり、弊社は今後とも継続的に、ホームシェアリングに関して前向きの家主からの大いなるご関心をいただき、とくに、歴史に残るほどの大きな負債を抱えている現代のミレニアル世代への、ソリューションを提供していきたい”。

【後略】
〔訳注: フロリダはまだ未決。Aimcoは控訴の構え。この記事からは、(1)Airbnbと家主(Aimco)の当初の契約ないし合意内容、(2)転貸(また貸し)に関する家主(Aimco)と店子(借り手)との当初の契約ないし約束内容、以上二点が不明である。〕

原文末尾に、判決文の全文があります。—

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

裁判所は子どもたちの勝手なアプリ内購入に関しAmazonを有責と裁定

scaled-firehd6-kids-edition

Amazonは子どもが親の許可なく行うアプリ内購入に対するガードが不十分だった、とするFTCの訴訟で、被告のAmazonを有責とする、それほど意外でもない裁定が下された。FTCの訴状によると、Amazonはそれにより顧客に数百万ドルを請求した。問題の原因はソフトウェアの設計にあり、子どもたちはアプリ内で親の許可なく無制限に有料アイテムの購入ができた。

FTCは前にもAppleやGoogleと同じ裁定に至ったことがあるので、Amazonが同じ船に乗っていたとしても驚きではない。

AmazonがAppstoreにアプリ内購入システムを導入したのは2011年11月だが、子どものゲームも含めて、購入に際しパスワードは不要だった。ゲームのデベロッパーの一部はこのことにつけこんで、無料と有料の区別を曖昧にし、子どもたちに、アプリ内通貨やコイン、ゲームをおもしろくするその他のアイテムなどを買える機会を与えた。ひどい例としては、”Ice Age Village”というゲームには99ドル99セントというアプリ内購入のオプションがあった。

Amazonは2012年3月に、20ドルを超える購入にはパスワードを求めるようにしたが、子どもたちはそれより低額のアプリ内購入を親の許可なく続けることができた。そしてその総額が、膨れ上がることもある。

2013年の初めに、今度は全面的にパスワードが必要になったが、15分間の、パスワード不要の時間が与えられた。しかもこの改定は適切に開示されず、FTCによれば、Amazonが購入に関して“インフォームドコンセント”を求めるようになったのは、2014年7月からだ。

一方では、何千人もの親たちが、無許可のアプリ内購入だけでなく、複雑な返金プロセスに対しても苦情を申し立てた。Amazonは返金要求の仕方を説明せず、返金が可能であることすら告げていない、と訴状は述べている。

今回の裁定は消費者の味方をするものだが、救済の金額はまだ未定だ。両者が提出する立証文書に基づいて、具体的な金額は“数か月後に”決定される。

ただしFTCは、全額返金を求める意向だ。

FTCの発表によると、AppleとGoogleの場合は顧客への返金総額が5000万ドルあまりだったそうだから、今回も、些細な額ではないだろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

傷害事件の原告が超安すぎる示談金で引き下がらないための資金を提供するMighty

founding-group

裁判の原告の経験のある人はよくご存知と思うが、訴訟は長くて遅々として進まない過程になることが多い。とくに個人の傷害のケースでは、本人が働けない、収入がないことも多いから、よけいにつらい。

弁護側はよく、この点に目をつける。低額な示談を提示して、すぐにでもお金が必要な原告側の弱みにつけ込むのだ。その結果、傷害の被害者が不利、という歪んだ司法システムになってしまう。被害者は、法廷で十分な期間闘えるだけの財務基盤を、持っていないからだ。

そこで、Mightyが登場する。同社は、原告の資金調達を助けることによって、この不利をなくそうとする。そして、“訴訟の示談の額とその間の生活費との落差”の、解消を目指す。

この、ニューヨークの原告に対する金融プラットホームは最近、シリーズAで525万ドルを調達した。同社の発表によれば、9月に立ち上がったばかりの同社は、すでに原告たちに100万ドルあまりを投資した。

Mightyが一人の原告に投資する額は平均で5000ドルだ。最大で、示談金の見積額の10%までしか投資されない。同社自身も案件を審査するが、最終的に投資の可否や額を決めるのは同社への投資家たち(多くが副収入を求める弁護士)だ。

Mightyの原告への投資はノンリコース投資なので、原告が敗訴した場合、債務はいっさい残らない。

このプラットホームは一種のマーケットプレースにもなっていて、投資をする弁護士たちはなるべく低いリターン率で原告を魅(ひ)きつけようとする。しかしMightyの平均のリターン率は20から30%なので、従来のローンやカードローンなどよりも高い。

しかしあくまでもノンリコースで、原告が敗訴したとき債務が残らないから、どうしても高いリターン率になりがちだ。が、また、原告がこの投資を唯一の支えにして、公正で高い金額の示談にこぎつけることもある。原告としてはリターン率が高くても、最終的に相当額が手元に残るのだ。

30%のリターン率は一見暴利のようだが、でも重要なのは、これで従来の、原告への実質的差別がなくなることだ。しかも、往々にして弱き個人である原告は、敗訴しても借金の重荷に苦しむことはない。

結局のところ、Mightyのようなプラットホームの存在は司法産業にとって良いことだ。これもまた、テクノロジの力で司法の不公平が正される例の一つだ。

〔訳注: 原文がinvestなので投資と訳しているが、この場合の実態は融資だと思う。〕

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Appleが2万名の社員からの集団訴訟に直面…カリフォルニア州労働法違反で

今日(米国時間7/22)はAppleが本年度第三四半期の決算報告を行う日だが、この機に乗じてもうひとつのApple関連のニュースをマスコミに流したい、とねらっているグループがある。彼らはAppleに、カリフォルニア州の労働法違反の廉で集団訴訟を仕掛けている。その内容は、昼食時間、休憩時間、最後の給与支払い方法などの問題だ。原告団の申し立てによると、この訴訟は約2万名の現在および過去のApple社員に関連している。

この訴訟は最初、2011年に、Appleの本社やショップにいた4名の社員が起こした。そして原告の人数がかなり増えたために昨日(米国時間7/21)やっと、集団訴訟と認められた。

訴訟と集団訴訟認定に関わる公式の法廷文書を、下に埋め込んだ。原告団を代表する弁護士、サンディエゴのHogue & Belong法律事務所のTyler Belongは、この訴訟を次のように説明している:

“この訴訟はBrandon Felczerをはじめ、数名のAppleの小売部門と本社部門の社員(“原告”)により、2011年12月に起こされた。原告たちは、自分たちと、そのほかの同じ状況にあるカリフォルニアのApple社員を代表したいと願った。彼らは、Appleが社員に許可する食事時間や休憩時間および最後の給与支払いのタイミングが、カリフォルニアの労働法と給与規則に違反している、と判断した。彼らは長年、Appleの反論と戦い、大量の意見陳述などを行ってきたが、昨日になってやっと、カリフォルニア高裁は彼らの申し立てを認め、本訴訟を集団訴訟と認定し、約2万名のApple社員から成る原告集団を代表する弁護団としてHogue & Belongを指名した。すなわち、昨日の裁定をもってAppleは、約2万名の現在および過去のApple社員に関わる、食事時間、休憩時間、および最終給与に関する違反の申し立てに、直面することになる。”

訴状をざっと読んでみると、名前は4名の名前が記載されているだけだが、訴えの内容はかなり幅広い。たとえばある人は、休憩時間なしの5時間の拘束を訴え、また別の人は、72時間の事前通告からさらに二日遅れて最後の給与が支払われた、と訴えている。

以下の公式文書では関連する社員の数は18000名だが、Belongによるとこれは、Appleから原告団の弁護士に渡された初期の推計に基づくもので、“その後、参加社員の増加とともに集団のサイズは継続的に大きくなり、今では2万名を超えている”、ということだ。

AppleはiPhoneおよびMacという世界的なブランドを抱える時価総額5710億ドルの企業だが、これまでも集団訴訟と無縁ではなかった。最近の、雇用慣行をめぐる集団訴訟では、同社とGoogleやIntel、Adobeなどから成る被告たちが3億2400万ドルの和解金(示談金)を払うことになった。それは、各社が共謀して人材の高額引き抜きを抑止し、結果的に給与の人為的な低額安定をもたらした、という嫌疑だった。

弁護団によると、今回の集団訴訟では金銭的な要求はまだ確定していない。

本誌は今Appleに、コメントを求めている。


[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple、Google、Intel、Adobeの4社、引き抜き禁止協定訴訟で示談成立

シリコンバレーを代表するIT企業4社が、会社間の従業員引き抜けを阻止する、引き抜き禁止協定に対する反トラスト訴訟の示談を成立させた。示談条件は公開されていないが、Reutersによると、これで5月に予定されていた裁判は回避される見込みだ。

この集団訴訟は、約6万4000人の従業員を代表するもので、潜在被害額は最大90億ドルに上り、原告団は本訴訟における証拠の有力さから、この数字に確信を持っている。成立した示談条件は公表されていないが、その天文学的潜在被害を踏まえると、支払い額は膨大なものであることが想像できる。

GoogleはTechCrunchに対して本訴訟の存在を認めたが、内容についてはコメントを拒んだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


米連邦高裁、オーサーズ・ギルドのGoogle Books の著作権侵害の訴えを棄却―「著しく公衆の利益を増進」

政治学者を目指したこともあるライターとして、私はGoogle Booksをほとんど毎日利用している。特定のことがらについて調べる必要があるとき、私は一般の検索よりもむしろGoogle Booksに頼る。

今日(米国時間11/14)、第二地区連邦高裁のDenny Chin判事は「Google Booksは公衆と著者に対して著しい利益を与えている」と述べてAuthor’sGuildによる著作権侵害の訴えを棄却した。[PDF]

Chin判事は「Google Booksは検索された本の特定の部分のみプレビューできるようにしており、その一方で著作物の内容がオンラインで検索できることで公衆と著者に著しい利益を与えるているのであるから、著作権を侵害するものではない」と述べた。

Googleはこれまでに2000万冊以上の本をスキャンしている。著作権侵害の訴えに対応してGoogleはユーザーが全文を表示できないようにしているものの、検索では全文が対象となる(下の画像参照。私がこの本でprivacyという単語を検索したのでそれがハイライトされている)。).

著者の一人として、私はChin判事の意見に全面的に賛成だ。私はこの数ヶ月、プラバシーの歴史について調べているが、Google Booksの検索のおかげで、たとえば「ルネッサンスの建築」というような一見関連がなさそうなテーマを扱う本の中にプライバシーに関する貴重な情報が含まれていることを発見した。

Chin判事は「〔Google Booksによって〕初めて研究者は何百万冊という本の全文を検索できるようになった」と述べている。重要なのは、私はGoogle Booksで発見した本のうちから何冊も購入したり、図書館から借りたりしていることだ。Google Booksは私の調査を驚くほど加速させた。Google Booksがなければ私は膨大な本を1ページずつめくっていかねばならないところだった。

さらに便利なことに、Googleの n-gramビューワーを利用すれば、プライバシーという単語の時系列の出現頻度を見ることができるので、このコンセプトの歴史的推移も概観できる。

「またGoogle Booksはすでに図書館にも収蔵されていないような古書や絶版本を保存し、公衆が利用できるようにしてその生命を新たにしている」とChin判事は述べている。

出版社は忘れられていた本に新たな関心を呼び起こす点でGoogle Booksに感謝すべきだろう。売れ行きに良い影響があるはずだから、私は著者として自分の本がGoogleにスキャンされることを望む。

[Image Credit Flickr User Enokson]

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+