Snapchatからほかのアプリにストーリーや広告を展開できるようになる

Snapchatは成長がみられなくなっていたことから生じていた収益の問題を解決する答えを見つけた。

Snapchat Ad KitとSnapchat Audience Networkを導入して、ほかのアプリに広告を表示できるようにする。Snapchatの写真やストーリーをコピーしてほかのアプリに表示するのではなく、共有マッチングサービスのTinderやグループビデオチャットのHousepartyなどのアプリの中でユーザーがStories Kitを使ってSnapchatのカメラで作ったストーリーを共有しホストできるようになる。

Snapchat Ad KitとSnapchat Audience Networkはともに今年の後半に導入される予定で、マネタイズとエンゲージメントを検討したい開発者は利用を申請することができる。

Snapchatはロサンゼルスで開催した初のプレスイベント、Snap Partner Summitで、このSnap Kitの強化を発表した。このイベントでは同時に新しいARユーティリティプラットフォームのScanと、マルチプレイヤーゲームのプラットフォームも発表された。200以上のアプリがすでにプライバシーに配慮したSnap Kitを統合して、ほかのアプリにSnapchatでログインしたり、Bitmojiを利用したり、ストーリーのコンテンツを見たり、ステッカーをSnapchatに共有したりすることができるようになっている。

今年の後半からは、開発者はAd Kitを使うことでSnap Kitで稼ぐことができるようになる。開発者がSnapchatのSDKを統合すると、Snapの広告主はSnapchatのユーザーと、Snapchatを使っていないほかのアプリのユーザーの両方にリーチする広告を出すことができる。

Snapchatは広告収入を開発者と分配することになるが、開発者の関心をうかがっている段階であるという理由でどのように分配するかについてはコメントを避けた。この動きはFacebookのPlaybookに通じるもので、基本的にはFacebookのAudience Networkの機能と名前を模倣している。

Snapchatが非ユーザーにどうリーチし、広告のビューを追跡するのか、またユーザーのプライバシーを保護しつつ必要な分析を他社にどう提供するかについては、まだ疑問が多い。しかしSnapchat独自の縦型ビデオの広告ユニットをほかのところで再利用できるようにすれば、広告主にとってはスケールの価値があるということになるかもしれない。

スケールできないことが、少なからず広告主がSnapchatを敬遠する理由になっていた。SnapのCEO、Evan Spiegel氏は「米国では、Snapchatは13〜34歳の75%、13〜24歳では90%にリーチしている。米国、英国、フランス、カナダ、オーストラリアの13〜24歳では、FacebookやインスタグラムよりSnapchatのほうが多くリーチしている」と語っている。

こうしたユーザーにSnapchatの外でもエンゲージするために、Story KitでApp Storiesの機能を追加する。Snapchatのユーザーは、写真やビデオを作成した後で、統合されたアプリに共有するかどうかを選べるようになる。こうして作られたストーリーは、ほかのアプリで設定された場所に表示される。

Tinderでマッチする可能性のある人を探しているときに、人々の写真とともにSnapが挿入されることになるだろう。友だちがグループチャットのソーシャルネットワークのHousepartyにいないときに、その友だちが何をしているかを見られるかもしれない。AdventureAideで探検家のおすすめビデオを見ることもできる。

現時点でSnapchatはほかのアプリでストーリーとストーリーの間に広告を入れることは検討していないが、常にその可能性はある。インスタグラムとFacebookがStories Kitを真似て、同じようなものをほかのアプリにいつ展開するのを注視していく必要があるだろう。

Snapは、ほかにも新しい統合やビッグネームとのパートナーシップを発表している。Bitmoji Kitでパーソナライズしたアバターを携帯電話やFitbitのスマートウォッチ、個人間送金サービスのVenmoの取引で使えるようになる。Netflixのコンテンツのプレビュー画像(予告編ではなく)をSnapchat Storyに共有して表示できるようになる。Webに新たに登場する共有ボタンで、ワシントンポストなどの記事を自分のストーリーに共有することもできる。

Snapchatのエクスペリエンスをほかのアプリに広げていくことで、ほかのアプリはSnapchatをコピーする必要がなくなる。ほかのアプリはオリジナルを取り入れ、開発の手間も大幅に削減できる。

そしてSnapchatのアカウントがWebでさらに価値を持つプラットフォームとなる。こうした統合によってSnapchatが大きく成長するわけではないかもしれないが、既存のユーザーの満足度を維持しマネタイズすることにはつながるだろう。

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(翻訳:Kaori Koyama)

SnapchatのCEOの妹が文章と音声だけのポルノサイトをスタート

ポルノから写真や動画をなくしたら、新しい利用者を獲得できるだろうか?Caroline Spiegel(キャロライン・シュピーゲル)氏の初めてのスタートアップであるQuinnは、想像力による大人の娯楽を目指している。彼女の兄でSnapchat CEOのEvan Spiegel(エヴァン・シュピーゲル)氏は、この何年間ずっと、彼のアプリはセクシーな会話をするためだけのものではないと訴え続けてきた。その一方で、キャロライン氏は、セクシーなメッセージと音声専門のウェブサイトを立ち上げようとしている。現在、22歳で大学4年生の彼女は、4月13日にQuinnをオープンするとTechCrunchに伝えた。そこは「嫌らしさを減らし、もっと楽しくしたPornhubの女性専用版」だと説明している。

TechCrunchでは、まだ荒削りな状態のQuinnのプライベートベータ版を覗いてみた。キャロライン氏が私たちに明かしたところによれば、現在すでに、100万ドル近い資金を調達しているという。しかし、次世代の行動パターンを研究し、その結果を応用して彼らが好む製品を生み出した兄の成功例があるために、Quinnの支援に熱心になる投資家が現れてもおかしくない。彼女が逆張りに出たのは事実だ。Quinnには写真が一切ない。

キャロライン氏はこう説明している。「このサイトには視覚コンテンツがありません。音声と文章だけです。すべてがオープンソースなので、利用者はコンテンツや物語などを投稿できますが、掲載する前に、すべて私たちがチェックします」。コンピューター科学を専攻する彼女は、スタンフォード大学で出会った、Greta Meyer氏を含む3人の女性とチームを組んでQuinnを開発している。彼女たちは、大学卒業後にロサンゼルスに転居する予定だ。

彼の理想の彼女の名前がQuinnだったんです

Quinnのアイデアは、深刻な個人的必要性から生まれた。「スタンフォードの3年生のとき、私は食欲不振と、その影響による性的機能不全に陥ったため、休学を余儀なくされました」とキャロライン氏は話す。「私は、性的機能不全の治療法を調べまくりましたが、食品医薬品局が認可した性的機能不全の治療薬は、男性用には30種類もあるのに女性用はゼロでした。がっかりです」

女性たちの間に、いまだに女が快楽を求めることを恥ずかしがる気持があるため、それを与えてくれる製品が欠如しているのだと彼女は考えた。たしかに、ポルノサイトは山ほどあるが、女性用にデザインされたものは少ない。画像に頼らないサイトとなると、さらに少ない。キャロライン氏によれば、写真や動画は体型のコンプレックスを招きかねないが、文章と音声だけなら、誰でもそのシーンの主人公になりきれるという。「視覚情報を使ったポルノサイトのほとんどは、男性の視線を釘付けにするためのものです。主流のポルノの物語はどれも同じ。理想的な女性の体型というひとつの考えに自分をはめる必要はありません」。

その概念が、Quinnというこのスタートアップの企業名に合致している。それは、彼女と仲の良い男友だちが思いついたものだという。「彼は理想の彼女と出会ったと言っていました。その子の名前がQuinnだったんです」

キャロライン氏はRedditとTumblrにへばり付き、Quinnの最初の作家になってくれる人を探した。Redditは文章と過去のコンテンツへのリンクが主体になっているが、そこで展開されているのは変態的な小説や音声コミュニティーだった。Tumblrが12月にポルノを禁止すると、アダルトコンテンツの作家が大量に仕事にあぶれることになった。「私たちの音声コンテンツは、ガイド付きマスターベーションやセックスの盗み聞き、そして朗読です。文字通り、それがすべてです。人それぞれ、自分のリズムがある。でしょ?」とキャロライン氏は、ちょっとエロく笑った。

ブランドを確立するために、Quinnはソーシャルメディアでインフルエンサーキャンペーンを展開している。「快楽を得るのは悪いことでないと、人々にわからせるのが狙いです。自慰行為をカッコイイものにするのにしようとすれば、ハードルはかなり高くなります。そこで私たちは、罪悪感を取り払うことを目指しました。男性よりも、もっと気楽になれるように」。

ビジネスモデルのための調査を行ったところ、キャロライン氏は、若い女性たちにはポルノに金を払うことを恥ずかしがる傾向があることを知った。そこで、Quinnは広告を出すことにした。これは、商業上の機会をもたらすものでもある。利用者にヌード写真やハードポルノの動画を送りつけたりしないため、他のポルノサイトには広告を出しづらかったスポンサーを呼び込める可能性があるのだ。

エヴァンは「とても協力的」

収益が出始めるようになるまで、Quinnは100万ドル弱の資金に頼ることになる。出資者についてはキャロライン氏は明かしていないが、兄ではないと明言している。「兄は私の人生において最高に重要な人間で、いつでもよき相談相手です。私が思いつく限りでは最高のアドバイスをくれます。しかし、それ以外の面で特別に頼ることは決してありません」と彼女は言う。「兄は特に恥ずかしいとは思っていません。とっても協力的です」

「競争相手が大勢います」とキャロライン氏が素直に認めているように、Quinnはできる限り士気を高める必要がある。老舗のPornhub、コンテンツ投稿サイトのMake Love Not Porn、Redditのような自然発生的なコミュニティーなどだ。500万ドルを調達した音声ポルノのスタートアップのDipseaは「胸躍る競争相手」だと彼女は言っている。だが彼女は、こうも話している。「私たちは、もう少しエロチックに振れていますが、彼らの使命を大いに支援します」と。かなり友好的だ。

Quinnの最大のライバルは、旧式ながらよく制度化されたウェブサイトのLiteroticaだろう。ウェブ解析サービスなどを提供しているSimilarのウェブランキングによれば、人気アダルトウェブサイトの第60位、全ウェブサイト中の閲覧数順位は631位であり、月に5300万ヒットを記録している。しかし、ウェブ1.0時代のフォーラムの外観そのままでありながら大量の通信量を誇っているLiteroticaの現状を見れば、Quinnにも大きなチャンスがあると思われる。規則によって、Quinnはネイティブなモバイルアプリを公開できないため、生き残るためにはウェブサイトに全力を傾けるしかない。

しかし、キャロライン氏にとって他社との競争よりも大変なのは、女性たちにQuinn式のポルノを試してもらうよう説得することだ。「男性にとって自慰行為は先天的なものですが、女性には『やってもやらなくても生きて行ける』ものだという観念があります。Quinnは、製品を作るのと同時に、市場も作らなければなりません。そこが怖い部分です」とキャロライン氏は話す。しかし、彼女は次第に高揚してこう話した。「でも、なんと言ってもそこが面白いのです。私が見込んでいるのは、こういうことです。チョコレートを食べたことがない人は何も知りません。しかし、一度食べたら熱望するようになります。ほとんどの女性は、直接的なむき出しの快感を味わったことがありません。(しかし私たちが彼女たちにそれを教えることができれば)それが私たちの力になります」

とりわけ重要なのは、「すべての女性に、それがなんであれ、想像の世界に手を伸ばす権利があることをわかって欲しい」というQuinnの願いだ。「いい気持ちになる資格があるかないかではありません。これを使うためにピラティスをする必要はありません。毎日、正しい食生活に気を遣う必要もありません。私たちの製品の利用には、なんの資格もいりません。私たちの使命は、女性たちに、もっと自分の体と触れ合ってもらって、めちゃくちゃいい気持ちになってもらうことです。快楽と、よいバイブがすべてなのです」

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(翻訳:金井哲夫)

縦も横も関係ないFireworkのビデオストーリーアプリが公式リリース

Facebookの利用がここ10年で初めて減少するという状況をよそに、TikTokのような動画中心のアプリがソーシャルメディアの未来だともてはやされている。この変化の著しい主戦場に切り込もうとしているのがFireworkだ。その急成長中のソーシャルビデオアプリは、同社が「リビール・ビデオ(隠れていた部分を見せるビデオ)」と呼ぶ巧妙なトリックを備えている。動画の作成者は、モバイルデバイスによる1回の撮影で、縦、横、両方のビデオを撮影できるのだ。一方、動画の視聴者は、再生中にスマホを回転させることで、どちらでも好きな見方で、そのシーンを楽しめる。

縦型動画のアイディアを広めたのはSnapchatだが、Fireworkは縦型、横型の制約から動画を開放しようとしているのだ。

ところで、Jeffrey Katzenberg氏によるモバイルストリーミングサービスQuibiも、スマホの持ち方に関係なく、理想的な視聴体験を提供できることをウリにしている。QuibiのCEOであるMeg Whitman氏が米国時間3月8日にSXSWでのインタビューで、同社は「ランドスケープからポートレートまで、シームレスにフルスクリーンビデオを扱えるような機能を開発した」と説明している。

はっきり言って、Fireworkにそっくりだ。

Fireworkは、独自のフリップ・ザ・スクリーンの表示技術について特許を申請している。その技術は、クリエイターにビデオストーリーの新たな表現方法を提供するものとされている。「リビール・ビデオ」は、単に視聴者に見方の自由を与えるだけでなく、ストーリーの意外な展開や、驚きのエンディングといった未知の機会をもたらすのだ。

それを可能にする仕組みはこうだ。まず作成者は、スマホを横向きにして撮影する。その際、Fireworkの画面には、縦長のファインダーの枠が表示される。それを見れば、視聴者がスマホを縦にして再生したとき、画面のどの部分が表示されるのかが分かる。

この録画画面は、TikTokのものにちょっと似ている。それと同じようにして、録画を停止したり、再開したり、好きな部分を撮り直したり、音楽を追加したりもできる。

「Snapchatではひたすら縦型を押し進めました」と、Snapchatから移籍したFireworkの最高収益責任者であるCory Grenier氏は説明する。

「私たちが普段から見ているのは、ほとんどのプロの映画制作者が、まずはVimeoで、次にYouTubeで見てもらいたいと考えているような作品です。映画のストーリーに登場する背景や人物が、縦型画面の枠に完全に収まるような世界は存在しません。それはあり得ないのです」と、彼は続ける。

新しい撮影テクニックに関連する技術以外にも、Fireworkは、TikTokやQuibiといった、他の短編ビデオとの差別化ができるような領域を開拓することを目指している。

Fireworkの動画は30秒で、TikTokの15秒より長いが、Quibi8よりは、はるかに短い。

「30秒というのは、Snapchatの10秒と、それより長いものの中間にある、ちょうどいいスウィートスポットなのです」と、Grenier氏は説明する。「10秒では、ちゃんとストーリーを語るには短すぎます。印象的なオープニング、明快な中間部、そしてすごく面白い、または意外性のあるエンディングを、みんな入れたいでしょう」と、彼は述べた。

このフォーマットは、TikTokによくあるようなリミックスされた音楽付きムービーよりも、短編のストーリーに向いていると、Fireworkでは信じている。その上、ユーザーによる手作りが可能だ。それはQuibiの、2台のカメラを使った制作価値の高い(費用もかかる)「TV品質」のコンテンツとは対照的なもの。

Fireworkでは、それに対抗するように、同社が「プレミアム・ユーザージェン」と呼ぶものに注力している。それはプロのクリエイターと、有望な新人を合わせて起用する。これまでFireworkは、Flo Rida、Dexter Darden(「The Maze Runner」出演)、モデルでミスUSAのOlivia Jordan、ディズニースターのJordyn Jones、Frankie Grandeといった人々と仕事をしてきた。

さらに、Refinery29やComplex Networksなど、いくつかのブランドとも協力している。とはいえ同社は、アプリを、そうしたブランドのコンテンツだらけにするつもりはないとしている。

水平、垂直を問わないトリックに加えて、Fireworkはファンエンゲージメントに関しても、他とは異なることを考えている。コメントを排除しているのだ。ユーザーは個人的にビデオの作成者にメッセージを送ることはできるが、動画自体にコメントすることはできない。

「ヘイトや荒しといった行為をする人は、観衆に飢えています。極端な反応を煽りたいのです。われわれは、それを除外しました」と、Grenier氏は言う。

また、動画を「いいね」にする代わりに、ユーザーはその動画をブックマークするか共有することだけが可能となっている。これはリツイートのようなスタイルのエンゲージメントだ。共有した動画は、元のクレジットを残したまま、ユーザーのプロファイルにポストされる。

Fireworkは、2年弱前にマウンテンビューで設立され、現在はレッドウッドシティーに移転している。また、ロスアンゼルス、日本、ブラジルにも支社がある。親会社のLoop NowがFireworkを発表する前にテストしていたいくつかのアプリは、フィットする市場をみつけられなかった。

フルタイムで働く51人は、技術者とハリウッドの専門知識を持った人間の混成チームだ。

メンバーとしては、CEOのVincent Yang氏(StanfordのMBAで、以前はEverStringの共同創立者兼CEO)、共同創立者兼COOのJerry Luk氏(LinkedInの社員番号30で、Edmodoにもいた)、ビジネス開発部門のトップのBryan Barber氏(Warner Brothers、Universal Pictures、Foxでの経験を持つ)、そしてすでに登場したCROのCorey Grenier氏らがいる。

Quibiの十億ドルにはほど遠いが、Fireworkの親会社であるLoop Now Technologiesは、この会社を立ち上げるために「数百万ドル」を調達した。初期の支援者としては、Snapにも投資したLightspeed、IDG Capital、そして(非公開の)Musical.lyの初期の投資家が含まれている。Fireworkは数週間以内にシリーズAの資金調達を発表する体制を整えているところであり、現状では投資の詳細の公表を差し控えている。

このアプリは昨年リリースされているが、最近までオープンベータ版となっていたSensor Towerのデータによると、iOS上に180万のインストールがあり、その55%は米国内ということだ。Fireworkによれば、iOSAndroidを合わせて、すでに200万人の登録ユーザーがいるという。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Snapchat、第3四半期でユーザー200万人減ー株価も最安値更新

Snapchatは2018年第3四半期も縮小を続けた。しかし事業そのものは堅調に改善しつつある。Snapchatのデイリーアクティブユーザー数はまたもや落ち込み1%減の1860万人で、第2四半期の1880万人、成長率マイナス1.5%からさらに落ち込んだ。それでもユーザー数は前年同期比で5%のアップだ。売上高は2億9800万ドルで、EPS(1株あたり利益)の損失は0.12ドルだった。この数字は市場予想の売上高2億8300万ドル、EPS損失0.14ドルを上回った。ただし、市場の予測ではユーザー減は50万人だった。

Snapの株価は6.99ドルで始まり、これまでで最も低い6.46ドルで引けた。これはIPO時の24ドルよりずいぶん低い。Snapは今期、営業損失3億2500万ドルを計上した。しかし、第2四半期は3億5300万ドルだったので、経費削減が奏功した。この決算が発表された直後、Snapの株価は8.3%高い7.57ドルまで上昇した。

ただ、その後株価は時間外取引でマイナス9.3%の6.31ドルまで下がった。同社の株は控えめな事業成長を評価するインベスターにより大量に購入されたが、Snapがさらに不振に陥るかもしれないという懸念が投資家心理を冷やした。Snapが来期もユーザー離れに直面するだろうという予想がさらにインベスターをおののかせた。

懸念材料となるが、Snapchatのユーザー1人あたりの平均売上は今期、発展途上国で12.5%落ち込んだ。しかし米国と欧州マーケットの貢献により、世界のユーザー1人あたりの平均売上は14%伸びた。Snapは、ホリデーシーズンがある第4四半期の売上は、アナリストの予測と同じ、3億5500万ドルから3億8000万ドルを予想している。

CEOのEvan Spiegelは、周到に準備された声明で、「我々のコアユーザーである米国と欧州における13〜34歳には素晴らしくアプローチできた一方で、世界にはSnapchatを使っていない人が何十億人もいる」と認めた。彼は、ユーザーを200万人失ったのは、iOSと同じように作動していないAndroidのためだと説明した。特に目立つのが、米国とカナダにおける月間アクティブユーザーの減少だ。Snapは、おそらくデイリーユーザーの減少から気をそらすためだろうが、前四半期の月間ユーザーは1000万人超だったと語った。

Spiegelは声明で、今後の目標は今年損益なしにし、2019年に通年で収益化することだと述べている。しかしCFOのTim Stoneは「2019年を考えるとき、内部の外に向けた目標は、増収の加速、そして通年でのフリーキャッシュフローと収益性だ。内部のストレッチゴールは予想ではないことを心に留めておかなければならない。それはガイダンスでもない」と語った。

電話会見の間、SpiegelはAndroidにおけるオーバーホールのスケジュールについての質問について「質には時間が伴う。正しいと思えるものになるまで待つつもりだ」と答えている。しかしアナリストは、Snapがいかに2019年に挽回するかについての質問を浴びせた。Spiegelは1日あたりの利用が35億回から30億回へと減ったことを認めたが、インベスターを安心させようとユーザーの60%超が毎日利用していると語った。

Spiegelは、米国と欧州で13〜34歳のグループ以外にユーザーを拡大すること、Androidアプリを通して発展途上国でより多くのユーザーを獲得することが推進力の維持につながると語っている。しかし問題なのは、年配のユーザーをくどくのは、親や先生、上司が同じアプリにいることを快く思わない若いユーザーにとってほろ苦いものとなるということだ。

現金および有価証券が14億円に減ったSnapは、世界でより多くのユーザーの獲得を始め、収益化を改善する必要がある。

困難なバトル

第3四半期では、Snapchatは同社初の拡張現実Snappableゲームをローンチし、その一方でサードパーティによるゲーミングプラットフォームleakも計画している。Tic-Tac-Toeゲームは8000万ものユニークユーザーがあり、ゲームはSnapが前進するのにとるべき正しい道なのかもしれない。

デベロッパーやクリエイターがつくったAR体験への注意をひくためのLens Explorerを、そしてスポンサー金を集めるためにソーシャルメディアスターをブランドにつなげるStorytellerプログラムを立ち上げた。また、VenmoのようなSnapcash機能を廃止した。しかし最も大きなニュースは、300万ものユーザーを失ったという第2四半期決算からのものだった。これにより一時的に株価は上昇したが、競争とユーザーの減少という要素が株価の最安値につながった。

Snapchatにとって、ユーザーの成長とつなぎとめを加速することになるかもしれない、パフォーマンスをスピードアップするAndroidアプリのオーバーホールを行うプロジェクトMushroomは頼みの綱だ。Snapは何年にもわたって発展途上国のAndroidマーケットを無視し、iPhoneを使う米国のティーンエイジャーにフォーカスした。Snapchatがクイックなビデオにかかるものであることを考えるとき、遅いローディングはまったく使い物にならない。特にネットワーク接続が遅いマーケットや古いスマホだとそうなる。

競合相手をみると、Snapchat Storiesを真似たWhatsAppのStatusはデイリーユーザーが4億5000万人に成長し、InstagramのStoriesは4億人に届いたーそれらの多くは発展途上国におけるもので、ゆえにInsta Storiesのローンチ時に私が予想したようにSnapの海外での成長をブロックしている。Snap Mapはユビキタスにならず、Snapのオリジナルショーはまだたくさんの新規ユーザーを惹きつけるほどにプレミアムにはなっていない。Discoverはクリックのための餌が多く仕込まれて惨憺たる状況で、すぐに消えるメッセージの最も良いところをInstagramがすでにコピーしている。もしWhatsAppが消えるチャットをコピーしたら、Snapはかなり厳しい立場におかれる。

この調子でいくと、Snapは2020年か2021年に黒字化する前に資金を使い果たしてしまう。これはすなわち、Snapが外部からの投資を得るために新規株式を発行する必要に迫られるか、生き残るために買収されるかということを意味する。

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(翻訳:Mizoguchi)

Snapchatにネコ専用レンズ登場――ネコと飼い主がおそろいのメガネをかけられる

週末の夜なのでもう飲み始めてしまったが、なんとSnapchatがネコ向けフィルターを出していたのに気づいた。そう、ネコだ。ネコこそインターネットの象徴といっていい人気ものだ。フェイクニュースやネットいじめ、「いま目が覚めたとこ」なんていうつまらないツイートなんかいちいち読むことはない。キャット・レンズを使ってみよう!

テクノロジー的にいえば、Snapchatが写真の被写体が何であるか認識する能力を得たのは1年近く前になる。同社はこれによって食べ物、スポーツ、ペットなどを認識し、それぞれに適したフィルターを作っていくと述べていた。たとえば犬の写真の上に「わんダフル・パーティー!」(IT’S A PAWTY!)というテキストが浮かぶようなステッカーなどだ。

しかし新しいレンズを使えば、ネコと飼い主がおそろいのメガネをかけられる。

虹色のユニコーンの角も。

ネコに大きな目玉をくっつけることもできる。

不機嫌な顔のネコなら顔にトーストを乗せればいっそう不機嫌に見えるだろう。

What the actual f***

ネコと飼い主がおそろいの「厚い唇」をつけてもいい。

動画のサンプルには飼い主が天使の仮装でネコが悪魔の角と翼をはやしているレンズもあった。

もちろんこれだけでSnapが以前から抱えるいくつもの難問が片付くわけではない。リークされたファウンダーのメモによれば「デザインはださい、Snapchat Discoverはめちゃめちゃだ、大人のユーザーがいない、株価が下がり続けている、資金が急速に枯渇している」等々なのだという。

おっと、サウジが大株主になったのだった。これについては真剣に考えてもらいたい(われわれの記事、 サウジアラビアの現状を見ないことが大企業の成功の鍵なのか?参照)。

しかしそれはそれとして。

インターネット、バンザイ。

キャット・レンズは2018年最大のヒットだ。

キャット・レンズで何もかも楽しくなる。

キャット・レンズに乾杯!.

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滑川海彦@Facebook Google+

Snapchat復活策をしたためたCEOのリークメモからハイライト9点をピックアップ

ティーンエイジャーではなく大人。Storiesではなくメッセージ。米国ではなく発展途上国。SnapchatのCEO、Evan Spiegelによると、これがSnapchatがカムバックするためのキーポイントとなる。9月にCheddarのAlex Heath記者が入手した6000字に及ぶ内部向けメモで、Spiegelは哲学、戦略、悔恨でもって社員のモラルを復活させようとしている。というのも、Snapの株価がこれまでにない8ドル前後に下がっているーこれはIPO時の半分、ピーク時の3分の1だ。

「再設計での我々の最大の過ちは、コミュニケーションをとるのに最も早い手段であるという、我々のコアプロダクト価値を傷つけたことだ」と、Spiegelは“Project Cheetah”に関するメモで終始強調している。それはSnapchatをスペシャルなものにしたチャットのことで、フィードとStoriesを組み合わせたことでそれを葬ってしまい、素早くロードできるAndroidアプリをつくるのに失敗したことで惨憺たる結果となってしまった。

Spiegelは、せっかちな戦略をとってしまったことを認め、前進するために力を結集する道を示すなど、ここでは大人な態度をとっている。ソーシャルアプリの業界を支配するSnapchatの話は一切ない。彼はどうやらInstagramによる競争を意識した猛攻撃で水をあけられていることを理解しているようだ。そのかわりSnapchatは、収益性が乏しくてもユーザーの自己表現を手伝うことができれば満足なのだ。

Snapchatは大人をひきつけるにはおもちゃのように認識されすぎているのかもしれない。そしてFacebookの帝国からグローバルマーケットを取り戻すには手遅れかもしれない。また、本当に大きく成長するには、そこそこの出来である他の手段にあまりにもコピーされやすいものなのかもしれない。しかしもしSnapがSpiegelのゲームプランを実践できたら、画像を使ってコミュニケーションをとりたいという、規模は小さくても誠実なユーザーを通じて持続可能なマーケットを切り開くことができるかもしれない。

下記に、Spiegelのメモから最も興味深い部分の抜粋と、なぜそれらが重要なのかを挙げる。

1. 再設計を急ぎすぎたことへの謝罪

「当然、チーターのように再設計を急いだことにはマイナスの点もあった。1つの問題を解決することが他の問題を生む…。残念ながら我々は、我々のコミュニティーのごく一部で再設計を繰り返しテストするということに十分な時間を割かなかった。結果として、コミュニティーの不満を招き、ローンチ後も反復を続けなければならなかった」。

Spiegelは、Facebookがしているようにユーザーデータに頼るというより、いつも自分の本能で突き進む。コアなユーザーから遠く離れ、彼はティーンエイジャーが何が好きなのかを読み間違えてしまった。アピール性たっぷりの“メディアとソーシャルを分ける”という流行語は、メッセージとStoriesを合併させて使いづらいものにしてしまったカオスをも意味する。SpiegelはA/Bテストの重要性についての貴重なレッスンを積んだようだ。

2. チャットが王様

「再設計したアルゴリズム的なフレンドフィードは、話すのに最適な人を探すのを難しくしてしまった。そしてあまりにも急いで導入したことでフレンドフィードが素早く作動するよう最適化するための時間がなかった。我々はプロダクトをスローダウンさせ、プロダクトのコアな価値を損ねた…遺憾なことだが、当時我々は再設計に伴う最大の問題はインフルエンサーの不満ではなく、コミュニケーションをとるのが難しくなったと感じていたコミュニティーのメンバーの不満だということを理解していなかった。何かを発明し、新たなプロダクトを世に送り出すのに興奮していたが、素早くコミュニケーションがはかれるというSnapchatをSnapchatたらしめているコアなものをなくしてしまった」

Snapが初めて変更を明らかにしたとき、我々は“Snapにハマっているティーンエイジャーが、“再設計はわかりにくく、友達からの全てのコンテンツをごちゃまぜにする”と苦情を言うかもしれない、と予想した。その変更では、友達にメッセージを送るのに友達を探し出さなければならないというかなり面倒なものになり、前四半期でユーザーを300万人失ってSnapの成長率は落ち込んだ。Snapはメッセージを早く送受信できるようエンジニアリングを最適化するだろうし、開発途上のマーケットにおいてはチャットを早くできるようにするために付属品を犠牲にさえするかもしれない。

3. SnapchatはBest FriendでFacebookに勝たなければならない

「特定の週であなたのトップフレンドが、Snap送信ボリュームへ25%貢献する。フレンド18人を確保するまでには、フレンドが増すごとにトータルのSnap送信ボリュームに1%未満貢献する。ゆえに、人々が最も気になるフレンドを探すのを手伝う新たな手法を考える必要がある」。

Facebookの最大の構造的な弱点は、家族、同僚、上司、そして遠い知り合いまで含むという、かなり幅広いフレンドグラフだ。フィードアプリではそれは構わないのかもしれないが、親しい友達だけを気にかけるStoriesやメッセージではそうはいかない。Facebookはこの10年ほど、フレンドリストなどでユーザーが親友とコミュニケーションをとるのにベストな方策を探そうとしてきたが、失敗に終わっている。もしアプリ上で親友を引っ張ってきたり、“流行り”をスナップし続けるよりもっといい理由で友達と連絡をとり続ける特別な機能を開発していたら、Facebookに打撃を与えていたかもしれない。

4. DiscoverはFacebook WatchやIGTVに匹敵する

「我々のショーはより多くの視聴者をひきつけている。18以上のショーで月間視聴者は1000万ユニーク視聴者に達している。ショーの12作品はオリジナルの制作だ。プラットフォーム全体としては、ショーの閲覧時間はかなりの成長を見せていて、年初から3倍になっている。Storiesの視聴者は前年度比で20%増えた。そして、Discoverコンテンツに関わる人の数を引き続き成長させる絶好の機会があると確信している…我々はまたSnapchat外で人気のあるコンテンツをDiscoverに持ってこれるよう、それが何なのかを特定しようと取り組んでいる」。

意図してモバイルのためにつくられたプレミアムなビデオコンテンツで人気を集めるDiscoverにより、Snapchatは他社と最大の差別化を図っている。しかしながら、本当に必要なのは、デジタルマガジンの体験を新たに認識させるような、多くの視聴者を呼び込む必見のショーだ。

5. しかしDiscoverはメチャクチャになっている

「我々のコンテンツチームは、新たなレイアウトやコンテンツタイプを一生懸命実験している」。

SnapchatのDiscoverはクリックを呼び込むたくさんの餌であふれている。ニュース局、ソーシャルメディアインフルエンサー、オリジナルのビデオショー、ユーザーコンテンツが集められたコレクションなど、疲労に近い圧倒を感じるようなデザインで注意をひこうとバトルが繰り広げられている。ありがたいことにSnapchatは、より少ないイメージとヘッドラインでDiscoverをより快適に、そしてくつろぎながらコンテンツを消費できる場所でにできるかもしれない、ということを認識しているようだ。

6. 収入を得られようユーザー年齢層を上げる

「米国や英国、フランスなどコアマーケットで増す成長のほとんどは、より高い平均レベニューを生み出す年配のユーザーからくるものでなければならない…年配世代の増加には我々のアプリの成熟を必要とするだろう。今日の多くの年配ユーザーはSnapchatをつまらないもの、時間の無駄ととらえている。というのも、そうした人々はSnapchatは早くコミュニケーションをとるためのものというより、ソーシャルメディアと考えているからだ。我々のプロダクトのデザインランゲージを変え、Snapchatのマーケティングやコミュニケーションを改良することは、ユーザーが我々の価値を理解するのに役立つ…コアマーケットにおける我々のコミュニティの年齢層を上げるということはまた、メディアや広告主、ウォール・ストリートにSnapchatを理解してもらうことにもつながる」。

Snapchatはもはやこれ以上、クールな子どもではいられない。購買力とライフステージの低下は、ブランドには魅力的に映らない。問題は、Snapchatが若いユーザーの年長の兄姉や大人を呼び込むことで若いユーザーを切るリスクを負うことだ。Facebookのように、もしユーザーがSnapchatは両親のための場所だ、と感じるようになったら、若いユーザーはクールでいるために大人を困惑させる次なるものを探そうとSnapchatを離れるだろう。

7. マーケット開拓を優先

「我々は、新たなマーケットでコアプロダクトの価値を広めるためにすでに多くのプロジェクトを進めている。Mushroomにより、より安価なデバイスでもSnapchatを使えるようになる。我々の新たなゲートウェイアーキテクチャArroyoは、メッセージやその他のサービスもスピードアップするだろう…我々の価値ある追加の機能がプロダクトのコア価値からさっ引かれるような異なるマーケットのために、プロダクトの変更を余儀なくされるかもしれない」。

情報筋によると、Snapchatの将来は‘Mushroom’と命名されたプロジェクト、Androidアプリのエンジニアリング面での見直しにかかっている。ビデオのロードに時間がかかることやバグで、Snapchatは特に通信状況がよくなかったり古いAndroid携帯が使われていたりしている発展途上国では使い物にならない。Snapchatは米国とその他の先進国に集中し、この間、Instagram(毎日のユーザー数4億人)とWahtsApp(毎日のユーザー数4億5000万人)にStoriesのコピーを許し、これにより発展途上国での浸潤とSnapのデーリーユーザー1億8800万人の縮小につながっている。スムーズな展開を願って、SnapchatはすでにMushroomをテストしている。しかし、Snapchatを見捨て他のアプリに走るほどに不満を抱えたユーザーにもう一度試してみてと言うにはかなりのマーケティングをしなければならない。

8. 新鮮なアイデア、別個のアプリ

「我々はこのところ、何百万ものスナップのOur Storyへの移管と3D世界の一部の改造を伴うソフトウェアを構築中だ。そうして我々はそのモデルにAR体験を構築し、レンズを通して届けられる…もし我々のイノベーションが最も早いコミュニケーションであるコアプロダクトを傷つけるのであれば、我々は別のアプリや、我々のイノベーションを届ける他の手段を考えるべきだろう」。

SnapchatはARで大きな計画を温めている。それは、あらゆるところにアニメーションをくっつけたり、いくつかの大都市でARアートインストレーションを創造したりするだけではない。世界中でサイト固有のAR体験を構築したいのだ。この会社がこれまで構築した全てのものがSnapchat内のものだった一方で、このAR体験はメッセージサービスを泥沼にはまらせないよう、必要に応じて独立したアプリをという形態をとる。これはSnapchatにとって横道にそれる実験になるかもしれない。

9. 利益の自由

「我々のストレッチをかけた2019年の目標は、収入増、そして年間を通してのフリーキャッシュフローと利益を加速させるものとなる。利益があがれば、追加の資金調達のプレッシャーにさらされることなく、我々のビジネスを長期に運営できる自治性と自由度を高める」。

Snapchatはまだ赤字が続いていて、前四半期では3億5300万ドルの損失だった。Snapchatは延命のために株式の2.3%をサウジアラビアの王子に2億5000万ドルで売却することになった。そして昨年は、中国のゲーム大手Tencentから20億ドルを調達した。そうしたディールは、Snapchatのモラルや、支援者に恩恵をもたらしたりするデバロッパープラットフォームではなく、ゴールだけを優先する能力を脅かすことになる。ひとたび収益をあげるようになれば、Snapchatは目先のユーザー数の成長にどう対処するか悩まなくてもよくなり、その代わり力の保持や社会的インパクト、本来の目的であるクリエイティビティに集中することができる。

イメージクレジット: Steve Jennings / Stringer / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi)

Instagramストーリーで人気楽曲がBGMで利用可能に――世界の4億ユーザーに順次拡大へ

退屈なビデオや写真も適切なBGMがあると驚くほど魅力的になることがある。5月上旬にTechCrunchがスクープしたところだが、Instagramでは人気の楽曲をストーリーのサウンドトラックに使えるよう準備を進めていた。 今日(米国時間6/28)、InstagramはiOSとAndroidアプリでこの機能を正式に導入すると発表した。当面アメリカを含む6カ国でスタートする。

Facebookが大手レコード・レーベルと交渉を進めた結果、ユーザーはBruno Mars、Dua Lipa、Calvin Harris、Guns N’ Rosesなどを含む多数のアーティストの数千の楽曲が利用できる。 この機能のリリースでInstagramストーリーは魅力を増しただけでなく、著作権交渉で出遅れたSnapchatに差をつけ、若い層に人気の音楽志向のビデオ共有サービス、Musical.lyと対抗できるようになった。

Instagramは月間アクティブユーザー数が10億人となったことを発表して1週間後の今日、Instagram Storiesの1日当たりアクティブユーザーが昨年11月の3億人、1年前の2.5億人からさらに増加し、4億人を超えたと発表した。つまりInstagramストーリーはライバルのSnapchatの全アプリと比較して6倍のスピードで成長していることを意味する。Snapchatは2017年第4四半期から2018年第1四半期までの半年で1日あたりアクティブユーザーが1300万人増加し、1億9100万人に届いたのに留まった。.

前第4四半期にSnapchatは評判の悪いデザイン変更のせいもあり、成長率は過去最低を記録している。一方Instagramストーリーは着実にユニーク・ユーザーを伸ばした。Highlights、Superzoomは人気を得ているし、公開投稿を再共有する新機能も評判がよい。Instagramでは昨年9月にトータルで5億人の1日当たりアクティブ・ユーザーがあったとしている。それからすると、もともとSnapchatが発明したフォーマットであるものの、今やInstagramユーザーのほとんどがストーリーを使っているといえそうだ。

Instagram Stories Music

あたらしいMusic機能を利用するとユーザーは自分のストーリーに人気曲のBGMをつけることができる。この機能にアクセスするにはビデオなり写真なりを撮影した後、ソング・スティッカーを選択する。ユーザーは曲名、アーティスト名で検索できる他、気分、ジャンル、あるいは「今人気の曲」を探すこともできる。曲を選択したらコンテンツに応じて特定の部分をスニペットとしてサウンドトラックに付加する。あるいは、iOSユーザーの場合、Musicシャッターというモードを使うこともできる。これは撮影を行う前に曲を選択し、曲に合わせて撮影するという方法だ。この機能は今後Androidにも追加される。今回Music機能がスタートしたのはオーストラリア、ニュージーランド、フランス、ドイツ、スウェーデン、イギリス、アメリカの66カ国だが、すぐに世界各国に拡大される。

フォローしている相手がMusic機能を利用したストーリーを見た場合、楽曲のスティッカー(スタンプ)をタップすると曲やアーティストについての詳しい情報が得られる。今のところこれはアーティストのInstagramページや音楽ストリーミングサイトにはリンクしていないが、そうなればさらに便利だろう。【略】

Instagramは私の取材に対し、「アーティスト他の著作権者は楽曲の利用に応じてロイヤリティーを受け取る」と確認したが、詳細について明かすことは避けた。Facebookはすべてのメジャー・レーベルと多数のインディー・アーティストと著作権のライセンス契約を結んでいる。Facebookでは has since ユーザーが一部の著作権のある楽曲を投稿のサウンドトラックに利用できるようにしたことを発表し、ヒットチャート上位の曲で「口パクパク」が楽しめるLip Sync Liveをスタートさせている。

この新機能でいちばんの注目点は、利用できるようになった「数千曲」の内容だろう。本当にユーザーが使いたい人気曲が含まれているのでなければ失望を呼ぶことになりかねない。一方、Music機能が強化、拡大されればアーティスト、レーベルにとってかっこうのバイラルなプロモーションのチャンネルとなる。素敵な曲がサウンドトラックにあればつまらない内容で画面がぐらぐら揺れるクリップもインディーのミュージックビデオのように見えて思わず最後まで見てしまうということになるかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ティーンはFacebookを捨てYouTube、Instagram、Snapchatに走る

10代のテクノロジー利用に関するPew Researchの調査結果によると、子供たちのほとんどはFacebookから離れ、Snapchat、YouTube、Instagramといったビジュアルな刺激のあるサイトを使っていることがわかった。ほぼ半数が「ほぼいつでも」オンラインにいると答えた。おそらくFUD(不安、不確実性、疑問)の源として使われているのだろうが、まあそれでもいい。ティーンといえども、ソーシャルメディアが善か悪かについて疑いを持っている。

Pewによるこの調査は2015年以来で、多くのことが変わっている。ほとんどの変化の原因はスマートホンの普及と影響力であり、回答者の95%が利用している。少数の、低所得世帯の子供たちがノートパソコンやデスクトップを使っている。

このモバイルネイティブ世代は、モバイルネイティブなコンテンツとアプリを好む。ビジュアル性、閲覧性の高いメディアという意味であり、トップ3アプリのスタイルそのものだ。YouTubeが85%でトップを占め、Instagramの72%、Snapchatの69%が続く。

Facebookの51%という数字は、2015年の71%から大きく後退している。当時はトップだった。51%という平均値がどの所得層も代表していないのは興味深い。高所得層の利用が36%なのに対して、低所得層の10代は70%が利用していると答えた。

この違いは何に起因しているのか? トップ3のアプリを使うために、最新最強のハードウェアは必要なく、高価なデータプランも不要だ。調査結果から得られるデータはなく、身近に話を聞けるティーンもいないので、この件は専門家にまかせることにする。 Facebookがこの原因を知りたいことは間違いない —— もちろんすでに知っているのだろうが(ティーン向けのチュートリアルもある)。

「常時オンライン」と答えたティーンが2倍に増えた。しかし、そもそも本当に「オフライン」といえる人が存在するのどうか疑わしい。彼らは文字通り一日中スマホ画面を見ているわけではない(そう思えるかもしれないが)。しかし(われわれも同じく)1~2秒以内にメッセージをチェックしたり、何かを検索できる状態にないことはめったにない。正直なところ、「常時」の数値がもっと高くなかったことに私は驚いている。

ゲームは未だに男子が支配的で、ほぼ全員が何らかの形でプレイしている。しかしティーン女子も83%がゲームをしていると答えているのでその差は縮まっている。

スマホ中毒の十代は、スポーツやリアルな遊びをする子供たちほど幸せではない(研究結果)

ソーシャルメディアがプラス効果を与えているかマイナス効果を与えているかという質問への答は分かれた。彼らは友達や家族とのつながり、ニュースや情報の発見と新しい人とのつながりなどに価値を見いだしている。一方、いじめや噂の流布に使われること、人間関係に与える複雑な影響や、リアル生活を歪めたり破壊していることなどを非難している。

ティーンの生の声をいくつか引用する。

まず、全般的にプラス効果を感じている意見:

  • 「SNSは私たちの年代の寂しさや孤独さを和らげる。人と接する場を作ってくれる」
  • 「前は図書館までママに送ってもらわなければ手に入らなかったものが今はこの手の中にある。そのことをよくママに言われる」
  • 「いろいろな場所の人たちとつながることができるし、SNSを通じて助けを求めたり人を救ったりできる」
  • 「SNSは私たちの年代の子供たちが意見を言ったり感情を表現したり共感する人たちとつながる場をくれた」

そしてこちらはマイナス効果を感じている意見:

  • 「言いたいことを何でも匿名で言えるのは悪い効果だと思う」
  • 「多くの人たちに向かってヘイトスピーチをしたりをばかにする言葉を発したりする機会を与えている」
  • 「リアル生活で社会に適合することを難しくしている。それは、人と対面せずにやりとりすることになれてしまったからだ」
  • 「ティーンが人を殺すのは、いつもSNSで見ていることや、SNSで起きていることが原因だ」

最後のにはぞっとさせられる。

レポート全文とPewの調査方法はこちらで読める

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Snapchat、第一四半期のユーザー数の伸びは過去最低—株価は15%ダウン

Snapchatの2018年第一四半期(1〜3月期)決算はまったく芳しいものではなかった。デザインの試行錯誤やFacebookとの競争を展開する中で、前四半期からの復活はならなかったようだ。1日あたりの平均利用者数は1億9100万人に達し、前期の1億8700万人より増えたものの、成長率は2.13%に落ち込んだ。これは、2017年第四四半期の5.05%、最悪だった同年第三四半期の2.9%に比べても、最も低い成長率だ。一株当たりの損失は0.17ドルで、収益は2億3070万ドルだった。市場は一株当たり損失を0.16ドル、収益を2億4450万ドルと予測していた。

前四半期に北米マーケットでユーザー数を100万人増やして急激に成長したのは、どうやらまぐれだったようだ。実際は見かけ以上に厳しい状況にある。CEOのEvan Spiegel氏が前もってしたためていた意見では、「四半期の平均利用者数は1億9100万人だった。3月の平均ユーザー数は低かったが、第四四半期の平均は上回っている」としている。Snapchatの利用者数が落ち込んでいるというのは、投資家の心理を冷やすものだ。

Snapchatのクローン的存在であるInstagram Storiesの1日平均利用者数は3億人、WhatsApp Statusは4億5000万人。Snapchatが抱える問題は大きなものになりつつある。市場はSnapchatのユーザー数の成長が弱かったことを嫌忌し、Snapの株価は時間外取引で12ドルと15%も下げた。

一方で、Snapの損失額は前四半期の3億5000万ドルから3億8570万ドルへと膨らんだ。経費削減のために一時解雇したのはまさにこの損失額をなんとかしようとしたものだったが、これはあまりにも遅く、また対策としても不十分なものだった。COOのImran Khan氏は「前年同期比の収入成長率を考えるとき、第二四半期での成長率は第一四半期のものより落ち込むことが予想される」としている。これも投資家の心理を悪化させている要因だ。

今回の決算発表の中で数少ない明るい話題の一つが、事業所やクリエイター向けのSnap Proの展開だ。これは有名人や事業所のためのものだ。Khan氏は「このSnap Proではプロフィールの管理やコンテンツの作成・公開、反応の分析が簡単になる。結果として広告獲得につながる」としている。しかしこのSnap Proは展開してまだ日が浅い。

Snapはまた、北米におけるユーザー1人あたりの平均収入で前代未聞の減少にも直面した。第四四半期というのはクリスマスなどの休暇時期を抱えるため、通常は第一四半期に比べ書き入れ時だ。しかしSnapの北米でのASRPU(1契約あたりの売上値)は、第四四半期の2.75ドルから2.1ドルへとあまりに大きく落ち込んだ。第三四半期の2.17ドルからも減少している。これは第一四半期で広告閲覧減少による収入の確保が厳しくなっているという深刻な問題を意味している。

Spiegel氏は「デザインの変更によりユーザーを戸惑わせることになってしまい、また広告主にも懸念を抱かせることになり、これが今四半期の収入では向かい風となってしまった」と認めている。だからこそ、Snapchatは、StoriesをDiscoverページの中に押し込むといった大きなデザイン変更を展開している。しかし、残念ながらこの変更はオリジナルより良くないようだ。私が思うに、Snapに必要なのは日付順にメッセージを並べたり、表示されている友達に関連するStoriesを表示したりするタブであり、Discoverセクションにプロ向けコンテンツをもってくることなどだろう。

Snapchatは第一四半期、アプリのデザインを徹底的に見直す一方で、FacebookがCambridge Analyticaスキャンダルに見舞われている間に収益を上げようとした。当初のApp storeのレビューはかなりネガティブなものだったが、初インストール数とApp storeでのランクは上昇した。セレブのSnapchat離れや一部での使用減はデザイン変更に踏み切らせ、その変更には古いバージョンへの回帰もあったようだ

Snapは先日、カメラ付きサングラスSpectaclesの2代目をリリースした。これが収入につながるかは、次の四半期で明らかになる。問題は、120人超の一時解雇による悪影響が今後出るかどうかだろう。

Spiegel氏は、クリエイターを他のユーザーと分けることで、クリエイターにとってSnapchatがコンテンツを展開するのにお気に入りの場所となるよう、閲覧環境を整えることができるとしている。しかし、クリエイターのDiscoverページを改善したとしても、InstagramやWhatsAppに対抗するのは難しい。CFOのDrew Volero氏は「Snapの収益をトントンにもっていきたいが、いつ達成できるかは描けていない」としている。四半期で収入を3億8500万ドル増やすのは、ユーザー数が激増でもしない限りかなり難しい。ましてや、一時解雇で社員も減っているという現状がある。

年初に書いたように、欧米の若者の間でSnapchatは人気があることを考えると、Snapchatが一晩でなくなるとは考えにくい。しかし、Snapchatがなくなることは現実味を増していて、この業界を牛耳ることなく世界に影響を与えたサービスだった、ということになりかねない。

正直、Snapの経営はかなり厳しい状況にある。成長率は今までで一番低く、ユーザーあたりの収入は減少し、会社の存続をゆらがしかねないほど損失は膨れている。仮にユーザーが徐々に新デザインに馴染むとしても、その時までにInstagramやWhatsAppがSnapの世界展開のチャンスの多くを吸い取ってしまうだろう。また、本格的なARメガネはまだ先の話ということでSpectaclesが売れたとしても、Snapが社の存亡危機を回避できるかはまったく予断を許さない。

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(翻訳:Mizoguchi)

Instagram、フォロー用画像を生成するNametagsテスト中――他の新機能もまもなく公開

InstagramはFocusと呼ばれる新しいポートレートモードなどの機能を準備しているが、さらにフォロー用画像を生成するNametagsをテスト中だ。この画像をInstagramのカメラでスキャンすると、すぐにその相手をフォローできる。TechCrunchでは先月、Android APKのコード中にこの機能を発見 していたが、読者のGenady Okrainのおかげで、スクリーンショットとさらに詳細な動作のようすが判明した。

NametagsはInstagramのユーザーが自分のアカウントを画像でプロモーションする機能だ。一般のユーザーの場合だと、 会ったばかりの友達をフォローするのが簡単になる。企業や著名人はNametag画像をソーシャルメディアの投稿用プロフィール画像に使ったり、ポスターや名刺に印刷しておくことができる。セレブの場合はこうした画像を販売することも可能だろう。

Instagramの広報担当者はTechCrunchに対してNametags機能をテスト中であることを確認した。最近Instagramは多数の機能をテスト中で、TechCrunchではInstagramのビデオ通話機能をAndroid APKで発見している。またFocusと呼ばれる高度なポートレートモードもテスト中だ。[アップデート: Focusは公開ずみ.]

ユーザーに対してNametags機能が公開されている場合、スクリーンショットのようにプロフィールページにNametagsのボタンが表示される。クリックするとNametagsエディターが開く。使用するセルフィー画像選び、顔フィルター、カラーグラデーションの背景、絵文字を使ってインパクトを強める。ユーザーのInstagram名は中央に表示される。現在はベータ・テスト中なので、まだNametagsの共有やスキャンはできないが、APK中には「Instagramのメンバーはこの画像をスキャンして簡単に友達をフォローできる」という説明があった。

Snapchatは2015年1月にSnapcodesという似たような機能を発表している。つまりInstagramがこの機能をコピーするのにだいぶ時間がかかったわけだ。ソーシャルメディアのセレブや企業の多くはやむなくSnapchatのDiscoverチャンネルを利用しているが、その目的の重要な部分は自身のInstagramアカウントをプロモートすることだ。もしInstagramアカウントのプロモートがもっと簡単になり、 利用回数を大きく増やせるツールがあれば、企業やセレブはFacebook傘下で圧倒的にユーザー数の多いInstagramアカウントでプレミアム・コンテンツを発表するようになる。今になってInstagramが NametagsというSnapchatのコピー機能の実装に踏み切った理由のひとつにはこのような背景が考えられる。

Instagramの新機能7についてはTechCrunchのFocus記事参照

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Instagramがストーリーのスクリーンショット通知機能をテスト中

Instagramは、他の誰かが自分のストーリーのスクリーンショットを撮ったときに、ユーザーに通知する機能をテストしている。テスト対象になっているユーザーたちは、以下のように「次に友人のストーリーのスクリーンショットを撮ったら、友人はそれを知ることができる」と警告を受けている。

インスタのストーリーのスクリーンショットを撮る自由はおしまい    インスタさん警告してくれてありがとう

そしてテストに参加しているユーザーは、誰が自分のストーリーのスクリーンショットを撮ったかを、ストーリー視聴者のリスト上の名前の横にある、カメラシャッターロゴで知ることができる。はっきりさせておくと、誰かがスクリーンショットを撮ったからといって明示的な通知が行われるわけではない。単にストーリー視聴者のリスト上に現れるだけだ。

お知らせ:誰かがストーリーのスクリーンショットを撮った時に知らされる方法

InstagramがTechCrunchに送って来た声明文によれば、彼らはテストの実施を認めた上で、以下のように述べている「私たちはInstagram体験を向上させる方法、そして皆さまにとって重要な人たちと、どのような瞬間でも共有しやすいようにする方法を、いつでもテストしています」。

Instagramは、機能がすべてのユーザーにロールアウトされるかどうかを決定する前に、エンゲージメントに顕著な影響があるかどうかをこのテストを通して確認する筈だ。例えば、作成者に通知せずにスクリーンショットを撮る機能がないと、やがてストーリーを見なくなっていってしまうユーザーもいるだろう。

このテスト以前にInstagramが提供していた、唯一のスクリーンショット通知は、誰かがプライベートダイレクトメッセージのスクリーンショットを撮ったときに限られていた。それ以外は作成者に知らせずに、他者の写真やストーリーのスクリーンショットを撮ることができたのだ。特に、ユーザーは24時間以内であればストーリーを好きなだけ見直すことができ、作成者はある人が何回ストーリーを見たのかを、正確に把握することはできない。

もしロールアウトされれば、この機能はプラットフォームがスクリーンショットをどのように扱うかという点に関して、InstagramはSnapchatと肩を並べることになる。ダイレクトメッセージのスクリーンショットは送信者へ通知されるが、ストーリーのスクリーンショットは視聴者分析タブの名前の一覧の横にマークが現れるだけだ。

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(翻訳:sako)

Instagram、ダイレクトメッセージの専用アプリをテスト中

Instagramは2012年にFacebookに買収されて以来、大きく変わってきた。

初期のコンセプトは実にシンプルだった。わずかなクリックで写真を美しくして友達と共有する。スクロールとダブルタップで友達の写真にいいね!をつける。

今やInstagramにはビデオやGIFアニメ(Boomerang)もある。独自のスーパースター集団もいて、アルゴリズムを利用したフィードは、スターたちがユーザー(私を含む)のフィードを占拠するのに一役買っている。そして今度はダイレクトメッセージシステムだ。

本日(米国時間12/7)Instagramは、スタンドアロンのInstagram Directアプリを公開し、テストを行っている。現時点でこのアプリを利用できるのは、ウルグアイ、地理、トルコ、イタリア、およびイスラエルのみ。

The Verge が最初このテストに気づいた。

Instagramはこのテストについこう言っている。

われわれは、Instagramがユーザーのあらゆる瞬間を保管し、親しい友達と共有する場になることを望んでいる。そうやって人と人とが簡単に楽しくつながるために、Directのテストを開始した。DirectはカメラファーストのアプリでInstagramアプリとの間をスムーズに行き来する。

新アプリでは、ストリーリーの作成と共有ができるほか、特別なフィルター、BoomerangをはじめとするInstagramのクリエイティブツールを利用できる。そして、もちろんInstagramの友達は全員新しいInstagram Directアプリにも即時に追加される。

ここで疑問がわいてくる。すでにInstagramで利用できる機能をなぜ別アプリにするのか?一番わかりやすい答えは、InstagramがSnapchatに向けた集中砲火の一つだということ。

実際うまくいっている。去る1月にTechCrunchはInstagram StoriesがSnapchat Storiesの利用を減少させたと報じた。プライベート性が高く、1対1の親密な会話がコンセプトのInstagram Directは、Snapchatのダイレクトメッセージ機能に同じような効果を与える可能性が高い。

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Messengerとの関係も気になる。FacebookはFacebook Messenger Kidsを公開したことで、Facebookプラットフォームに若年層を呼び戻す方針を明確に打ち出した。Instagram Directは、その戦略の一環かもしれない。

現在われわれの手元にある詳細情報は(これを詳細といえるなら)、このアプリはInstagramがバグを修整しユーザーフィードバックに答えたあと、来年に全世界で提供されるということだけだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

InstagramからFacebookへ、ストーリーのクロス投稿が可能に――Facebookのクローン戦略進化中

Facebookアプリの「24時間で消える」ストーリー機能にはまだあまり利用者がいない。しかし近くこの状態は変わりそうだ。われわれは先月、Facebookがポルトガルで「InstagramストーリーをFacebook本体に配信するオプションをテストしているのを発見した。さきほどFacebookはInstagramストーリーに Facebookストーリーと同期させる機能をアメリカのユーザー向けに追加したことを公式に確認した。まだこの機能が公開されていないユーザーも間もなく利用できるようになる。例外は企業アカウントで、こちらはFacebookストーリーの利用を許されていない。

InstagramはFacebookとストーリーを共有する機能を追加した。ユーザー名、プロフィール写真はプライバシー保護の観点からエモーティコンと黒いバーに変えてある]

Facebookの広報担当者がTechCrunchに説明したところによれば、「Instagramストーリーに投稿する際、誰でも簡単にFacebookストーリーにも投稿できるようになる」という。現在のところその逆にFacebookストーリーからInstagramストーリーへの同期はできない。ただし将来は可能になるかもしれないという。

このクロス投稿機能は2箇所に投稿する手間を半減させる。またローカルに保存して再投稿することにともなう画質の低下も防げる。最近Facebookは努力の中心をストーリーにピボットさせた。Facebook CameraやCamera EffectsプラットフォームによるAR効果の主たる投稿先はストーリーだ。今日の新機能の追加は、7月にスタートしたFacebookストーリーの出足が期待ほどでないことに対する強力なテコ入れだろう。

Facebook本体にSnapchat Storiesのクローンを追加することについて、「FacebookはすでにInstagramストーリーに加えてMessenger Day,、WhatsApp Statusもを持っているのだからムダだ」という批判も出ていた。またInstagramストーリーがリリース後わず2か月の2016年8月に1億ユーザーを獲得したのに対してFacebookストーリーのユーザー数はまだ公表されていない。現在Instagramストーリーのユーザーは2億5000万で WhatsApp全体とほぼ等しく、Messenger Daのユーザーも7000万となっている。

Instagram doesnでは2億5000万のユーザーの内訳を公表していない。つまりそのうちどのくらいが投稿し、どのくらいが閲覧しているだけなのかは分からない。しかしInstagramの母数の巨大さから考えて同時投稿機能によってFacebookストーリーに大量のコンテンツが流入してくることは確実だ。Instagramはウェブ版がリリースされデスクトップから写真を見るとことができるようになったが、ストーリーもデスクトップから投稿、閲覧できるようになる。【略】

将来はFacebookグループのどのアプリにも簡単にクロス投稿できるようになることを期待している。つまりFacebook、Instagram、WhatsApp、Messengerのどれを開いていても友達の動静がわかり、また1回の投稿ですべてのアプリのユーザーに自分が何をしているか知らせることができるようになるのが望ましい。Facebookがさらに賢くなれば、誰がどのアプリで何を見たかを判別し、たとえばInstagramですでに見た写真はFacebookでは表示しないようになるかもしれない。

Facebookの4つのストーリー・プロダクトが巨大なユーザーを集めていることはSnapchatに深刻な脅威を与えている。Instagramのストーリー・クローンのローンチ前、Snapchatのユーザー数の四半期成長率は17.2%もあったのに、o a 2017年の第2四半期にはわずか4.2%に低下してしまった。【略】

Facebookはいかに「人まね」と非難されようとこのクローン戦略を捨てる気はない。Facebookのデザイン責任者、Luke Woodsは先月開催されたTechCrunch Disrupt SFで講演した後、「Snapchatのセールスポイントをコピーすることを倫理的だと考えているか?」と質問された。Wooodsは「われわれはユーザーを第一に考えている。われわれは結果を重視する。ユーザーが目的を達成することを手助けするのがわれわれの役目だ。それに引き続いて〔特定の〕フォーマットが選択される」と答えた。

つまりユーザーが24時間で消えるストーリー的プロダクトを望むならFacebookはクローンだという非難にもプライドにもかまわず、それらを世界に向かって提供するということだ。統計の数字が示すところによれば、Facebookのユーザーはまさにストーリーのような「一定時間後に消えるスライドショー」的プロダクトを求めており、そのフォーマットをもともと誰が発明したかはまったく気にしていないようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Snapchatの新しいフィルターは、頭上の空を置き換える

Snapchatの最新AR(拡張現実)機能は、写真を撮る時に顔ではなく、世界に向かって働く新技術だ。”Sky Filters” と呼ばれるその機能は、画像内の空を自動的に検出し、全く別の景色に書き換えてしまう。

この新しいフィルター群は今日からiOSとAndroidで配布されるとSnapchatは言っている。毎日エフェクトが入れ替わり、バーチャル天気、日の入り、星空、虹、暗雲など様々な空のフィルターがある。

このフィルターは、Snapchatがフレーム内に空があることを認識すれば、ほかのフィルターと同じように使うことができる。

Snapchatは、様々なARの新機能を投入しており、最近では周囲とやりとりするアニメーション3D Bitmojiや、ユーザーのまわりにバーチャル物体やエフェクトを追加するWorld Lensesも今年公開した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Instagram、月間アクティブユーザー8億人を突破、日間アクティブも5億人に

Instagramは未だに急成長を続けている。前回データを発表してからわずか4カ月あまりで、月間アクティブユーザーを1億人増やした。同サービスを少なくとも月に一度は利用するユーザーが8億人いることを、月曜日(米国時間9/25)にニューヨークのイベントで同社が明らかにした。毎日サービスを利用しているユーザーが5億人いることも発表した。

Instagramが、節目の月間アクティブユーザー数7億人を公表したのは4月のことで、その4か月前は6億人だった。つまり、今も同じペースで増えていることになる。すでに膨大なユーザー数を抱える同サービスだが、成長のスピードは落ちておらず、親会社のFacebookをユーザー数で抜く道筋も見えてきた。

またInstagramはTechCrunchに、同プラットフォーム上の広告主が200万社に達したことも話した。3月には100万社だった。成長の大部分が中小規模の企業によるものだと同社は言っている。

ユーザーがInstagramでビデオを視聴した時間が前の年から80%以上増え、ユーザーの制作するビデオも増えている ―― 1日あたりの本数は前年比で4倍近い。

こうした数値は、プラットフォームであるInstagramに投資している誰にとっても勇気づけられるものであり、Facebookの壮大な野望にとっても同様だ。しかし、Instagramとユーザーの注目を奪い合う主要なライバルであるSnapchatにとっては落胆させられるデータだ。Instagramのとどまるところを知らない成長は、ストーリーズを始めとするSnapchatのいくつかのユーザー体験を、Instagramが模倣、実装したことによるところが大きい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Snapchatにピカチュウ変身レンズ追加、一緒に記念撮影も。期間限定

eng-logo-2015写真・動画コミュニケーションアプリのスナチャことSnapchatに、リアルタイム画像フィルタ『ピカチュウレンズ』が加わりました。

顔認識でピカチュウの耳・目・鼻・頬をリアルタイムに重ねて、恐るべき人類総電気鼠化を実現します。

使い方はSnapchatを起動して画面をタップして、左右スワイプでピカチュウの顔のレンズを選ぶだけ。

顔を認識すると、よくあるネコミミや犬耳フィルタと同じように、ピカ耳が生え目玉がつぶらになり鼻とチークが合成されます。

さらに口を開けると10万ボルト的なエフェクトともに、画面にピカチュウが登場。ポーズをキメて一緒に撮影できます。

まあこれだけといえばこれだけですが、レンズの効果は前面カメラでも背面カメラでも有効。顔認識は映像やイラストや人間以外にも反応するため、カメラを構え罪のないターゲットを勝手にピカチュウ化したり、マゼルナ危険的な何かを無理にピカチュウハイブリッド化して遊ぶこともできます。

ピカチュウレンズは個別のダウンロードなどは必要なく、無料でいつの間にか使えるようになっていますが、短期間のみの限定提供です。

本日8月15日までの横浜『ピカチュウだけじゃない ピカチュウ大量発生チュウ!』イベントに参加するかたの記念自撮りにはもちろん、会期中横浜に足繁く通い昼夜を問わず歩き回り血眼で「日焼けしたピカチュウ」を探したものの見つからずパニック寸前、という皆様は、せめて日焼けしたであろう自分をピカチュウ化してみてはいかがでしょうか。だめか。

会場はお祭り状態! 横浜で開催中のポケモンGOパークはポケGOユーザーに全力でオススメ

Engadget 日本版からの転載。

Snapのカメラ付きメガネSpecacles、Q2の売り上げは35%ダウン

Snapのカメラ付けサングラスSpectaclesは、必須アイテムというより一時のきまぐれだったことが証明されそうだ。Snapは低調なQ2決算報告後の電話会見で、「その他」の売上が540万ドルだったことを明らかにした。これは130ドル程度で売られているSpectacles4万1500個分ほどに相当する。Q1のその他の売上が830万ドル(約6万4000個)だったのと比較すると約35%のダウンになる。

最近Snapは、SpectaclesをAmazonおよび、Harrodsを始めとする小売店で販売を開始したが、これらの売上はQ3になるまで決算に反映されない。またSnapは去る6月からオンラインストアとSnapbot自販機を通じてヨーロッパでもSpectaclesを売り始めた。これは、4万1500という数字がこうした販路拡大を反映したもので、米国内の売上はさらに落ちている可能性があることを意味している。

再び関心を呼び戻すために、Snapは抜本的に改訂されたAR対応Spectaclesバージョン2を作るか、別のカメラを売る必要がある。最近同社は、中国の自撮りドローンメーカー、Zero Roboticsを1500~2000万ドルで買収した。情報筋によると契約は完了している。しかし、ポケットに入るカメラにはほかにも可能性がある。例えば360度カメラだ。

Snapはどうやってこの窮地を脱することができるのか? 本誌が作ったこのリスト:Snapchatを変える8つの方法をご覧あれ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Snap、Q2決算発表後、株価12%ダウン――売上も成長も予測に届かず

チャット・サービスのSnapchatを運営するSnapの第2四半期の決算が発表された。ユーザー数の伸びはライバルのInstagramの圧力を受けて鈍化し、このソーシャルメディアはまたしても下り階段を経験することとなった。

SnapはDAU(1日当たりアクティブ・ユーザー)を730万人追加し、1億7300万とした。これは4.2%の成長率で、第1四半期の成長率、5%を下回った(このときのDAUは1億6600万人)。Snapは売上、1億8160万ドル、1株あたり利益は0.16ドルの損失となり、これも予測を下回った。アナリストの予想は1億8580万ドルの売上、1株あたり0.14ドルの損失、ユーザー数1億7500万だった。

Snapの今期の損失は4億4300万ドルとなり、 前年同期の1億1600万ドルの4倍近くに急増した。つまり売上が伸び悩む中でマーケティングとセールスのコストは大きく膨張していることになる。

TechCrunchが取材した投資家は「DAUの伸びが少なくとも500万、総数で1億7100万に届き、ユーザー当たり売上は1.05ドルから1.10ドル程度」となることを期待していた。しかし現実には、ユーザー当たり売上は1.05ドルだった。ただし第1四半期からは16%という健全な伸び率を示した。前年同期比では売上は153%のアップとなり、第1四半期の1億4960万ドルからも21%の成長となっている。こうした売上の増大にもかかわらず、ユーザー数の頭打ち傾向は投資家を失望させていた。

今日(米国時間8/10)の四半期決算発表前のSnapの終値は13.69ドルだったが、発表を受けて時間外取引の株価は12%急落して12ドル台となった。

Snapは売上の「その他」の内訳を示していない。これには例のサングラス・タイプのカメラも含まれる。つまりは開示する必要があるほどの売上を確保することはできなかったのだろう。

明るいニュースはSnapchatが売上への貢献がもっとも期待できる北米市場で400万の新規ユーザーを得たことだ(前の2半期の増加は300万)。またSnapは「それ以外の地域」におけるARPU〔ユーザーあたり平均売上〕 を前期の0.19ドルから今期は0.29ドルへと大きく増やすことに成功している。つまりSnapは帯域幅の狭い途上国でもマネタイズを図る方法を学んでいることになる。

投資家はSnapのユーザーベースの頭打ちは一時的なものであるよう願っている。Snapは2016年の第2四半期にはDAUの伸び率17.2%を記録したものの、InstagramがStporiesのクローンをリリースして攻勢を開始すると第4四半期には成長は3.2%にまで劇的に減速した。今期も第1四半期の5%成長を上回ることができず、株価の足を引っ張ることとなった。【略】

Snapが上場以前に資金を調達した際の会社評価額220億ドルや上場直後の株価上昇による314億ドルの時価総額の水準を取り戻したいなら多数の抜本的対策が必要だろう。ユーザー別に適切なフィードを表示するアルゴリズム、外部ブランドや有力なインフルエンサーとの良好な関係などを構築し明確な成長戦略を打ち出すことによってFacebookの影を打ち払う必要がある。ただし、こうした改革にはSnapがここまで成長した原動力となってきたプロダクト哲学と反するものが含まれるかもしれない。

Snapの改革案についてはわれわれの記事、 8 ways to fix Snapchat(Snapchat改革のための8つの方法)を参照。

画像: Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoogleのAMPベースのStampはSnapchatのDiscoverをモバイルWeb全域に広めるような出版フォーマット

Googleは、メディア企業のビジュアル出版のフォーマットとして、Snapchatの“Discover”に似たものを、モバイル上のWebページの最適化技術AMP(Accelerated Mobile Pages)を利用して作っている。そしてそれを同社は、Wall Street Journalの報道によると、“Stamp”と呼んでいる。

一般公開は来週早々になる模様だが、すでにVox, CNN, The Washington Postなどがパブリッシャーとしてのパートナーになっている。“Stamp”は、AMPのampと、ストーリーズ(Stories)のStから作った合成語だ、とその記事は言っている。Storiesというのは、今やSnapchatやFacebook、Instagramなどがこぞって実装している、一対多の短編で寿命の短いビジュアルコンテンツのことだ。

WSJによると、このGoogleのStories(==Stamp)には、複数のテキストや写真やビデオをユーザーがスワイプして見ていく“スライド”機能があり、それはSnapchatのDiscoverとほぼ同じものだ。StampのStoriesはモバイルのWebで多方面に提供され、Googleの検索結果にも出るから、一般的なアピールは、特定プラットホームに限定されるDiscoverなどより大きい。Discoverは言うまでもなく、特定のアプリの中でしか利用できない。

DiscoverをモバイルWebの全域に広めてしまうようなこのコンテンツ出版機能は、たいへん興味があるので、詳細を早く知りたいね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Googleは昨年300億ドルでSnapchat買収を試みた――報道を受けてSnapの株価アップ

Googleがソーシャルメディアで失敗を繰り返してきたことはよく知られている。今回は同社がSnapchatの買収を試みていたことが報じられた。2016年にGoogleはSnapが最後の最後のベンチャー資金を調達する前(もちろん今年の株式上場以前だ)に同社と話し合いを行い、300億ドルという買収金額が示唆されたという。Business Insiderの Alex Heathのスクープによれば、この買収申し出はSnap社内では「公然の秘密」だったという。

しかし独立心が強いことで悪名高いSnapのCEO、Evan SpiegelはGoogleであろうと誰であろうと売却にまったく興味を示さなかったようだ。Snapは上場当初の5月に時価総額300億ドルとなったものの、その後株価は下落を続けて、現在は150億ドル程度に下がっている。

しかしGoogleがSnapに興味を抱いていたというニュースはSnapの株価を2.3%アップさせた。SnapchatクローンのInstagram Storiesの成功に加え、Snap関係者の株売却を禁じたロックアップ期間が 7月で満了し大口の売りが出る可能性が警戒されたことなどからSnapの株価はこのところ下落を続けていた。

Business Insiderの記事に対してGoogleはコメントを避けた。SnapはTechCrunchの取材に対して「噂は真実ではない」と答えた。GoogleのSnap買収の試みがごく予備的な段階であり、Snapのトップにまで達していなかったという可能性はある。

写真はSnapのCEO、Evan Spiegel(左)、Googleの会長、Eric Schmidt(右)

2016年の買収交渉が実を結ばなかった後でGoogleはグロース・ステージ投資組織、CapitalGから200億ドルの会社評価額でSnapに投資を行った。GoogleのEric SchmidtはSnapのSpiegelと以前から親しく、Snapのアドバイサーを務めていた。一方SnapはGoogleのクラウドツールを利用する他、Snapchatが向こう5年間に20億ドルをGoogle Cloudの使用料金として支払う契約を結んでいる。

2016年5月の段階ではSnapにはInstagram Storiesという強敵は現れていなかった。しかし昨年8月2日にStoriesがリリースされ、あっという間に普及し始め、これ以後Snapに対する市場の見方は完全に変化した。

GoogleがSnapを買収できれば、Google+、Buzz、Waveの失敗の後できわめて大きなメリットを得ただろう。Snapの膨大なユーザーの行動データを得て有効なソーシャルグラフを構築する役に立ったはずだ。またSnapも資金力豊富な親会社の下にあれば世界のソーシャルメディアの買収や巨額の投資を必要するARテクノロジーの開発にも有利だったはずだ。人工知能視覚やGoogle検索はSnapのビジネスを改善するために重要な役割を果たしただろう。

両者が力を合わせれば、ハードウェアではGoogle GlassとSnap Spectaclesを統合し、強力かつ魅力的なARデバイスを普及させることができたかもしれない。またGoogleの広告システムはSnapの収益化にとって有益だったはずだ。しかし逆に両者の全く異なる企業文化が破壊的な衝突を起こした可能性もある。

いずれにせよ買収が現実となることはなかった。結局Spiegelがつまづきの石だった。Spiegelと共同ファウンダーのBobby MurphyはSnapの議決権を完全にコントロールできるように会社を組織しており、他の株主の発言権は一切認めていない。つまり当時他の大株主がこぞって300億ドルを受け取ってGoogleグループに加わるべきだと望んでいたとしてもそれをSpiegelたちに強いる方法はなかった。Spiegelはそもそもマーク・ザッカーバーグの買収提案を蹴ったことで有名だ。

われわれがSnapの上場前に書いた記事のとおり、Snapに賭けることは良かれ悪しかれSpiegelに賭けることを意味する。Spiegelは外部の意見を聞かず、自らの第六感に従って行動することで知られている。この第六感は「消えるチャット」という驚くべきプロダクトを生み出した。また買収にも冴えをみせ、Snap BitmojiやAR顔フィルターを実現させている。しかしFacebookという巨人の攻勢にあってSnapが溺れそうな現在でもSpiegelは浮輪につかまることを拒んでいるようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+