Nvidiaが作った本物のホロデッキで製品デザインや設計のコラボレーションができる

NvidiaのCEO Jensen Huangは以前、同社でいちばんやってみたいのは、本物のホロデッキ(Holodeck)を作ることだ、と言っていた。そして今まさにNvidiaがやってるのが、デザイナーやデベロッパーのための、細密にリアルなVRプラットホームとして、ホロデッキを作ることだ。

名前もまさにNvidia Holodeckであるこのプロジェクトは、このGPUメーカーが作った“インテリジェントな仮想現実プラットホーム”であり、コラボレーションのための仮想環境で、現実世界の物理現象をシミュレートできる。そこでは、超細密なグラフィクスにより、実物大の詳細モデルを作れる。ピカード大佐のそっくりさんを作ることはできないが、デザイナーたちが新製品のプロトタイプを作り、そのデザインを磨いていくために利用する。VRでは結果がはやいから、製品を市場に出すための期間を短縮できるだろう。

このホロデッキでは、AIを利用できる。たとえば一定のエージェントを訓練しておき、デザイナーが作ったデザインを現実の状況に照らして評価させられる。また仮想オペレーターや人間のスタッフがプロトタイプの各部と対話しながら、最終設計へ仕上げていくこともできる。

すでにリリース前のテストでは、NASAのエンジニアや最先端のデザイナーなどから、高い評価を得た。そして今日(米国時間10/10)からはさらなる洗練を目指して、より広い層へ公開される。

コラボレーションのできるVRデザインツール(設計ツール)は、自動車業界でも採用が進んでおり、今は各社がそれらを試行している。もちろん自動車以外の業界でも、デザイン〜設計のコラボレーションを実物大のVRでできるメリットは大きい。そんな最近の動向の中で、グラフィクスとAIという二つの重要な要素に強いNvidiaは、このようなシミュレーター的環境製品でも市場のリーダーになれそうだ。

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PlayStation VRのヘッドセットとプロセッサーユニットがマイナーなアップデート

Sonyの発表によると、PlayStation VR用ヘッドセットのアップデートバージョンが近く発売される。でも、わりとマイナーなアップデートだから、あまり興奮しないように。それでも、最初のハードウェアのオーナーを悩ませていた問題の一部が、解決されている。

日本では今月の終わりごろ発売され、アメリカはそのあとだが、その日程はまだ発表されていない。

いちばん目立つアップデートは、ヘッドフォーンとヘッドセットが完全に一体化したことだ。ケーブルがそのぶん単純になり、また、ヘッドセットをうしろから見たときのルックスがすっきりする。

機能面で大きなアップデートは、外付けのプロセッサーユニットボックスがHDRも通すようになったので、互換機PS4やPS4 ProのHDR機能を利用するために、ユニットを外さなくてもよいことだ。

これらのアップデートはどれも、比較的ささやかだが、でもHDRがメジャーになりつつある今、PS VRのユーザーがいちいち、VRのセットアップを外さずにそれにアクセスできることは、ありがたい。気の重さがなくなった、と言える。でもFAQページによると、HDRをを楽しみたいのでプロセッサーユニットだけ、というアップグレードはできないようだ。

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GoogleのVR連作ビデオ、今回はファッションべったりでスーパーモデルのクローゼットに侵入する

GoogleのDaydream用の仮想現実ビデオシリーズ、その最新作はすみからすみまでファッション、大胆なお洋服選びで知られるセレブたちのクローゼットに入り込む。

GoogleがVogue誌と共作したそのSupermodel Closets(スーパーモデルのクローゼット)と題するビデオは、モデルのワードローブへ仮想的に忍び込み、彼らの衣類を見たり、ファッション哲学を聞いたりする。

仮想現実に手出ししている企業が徐々に気づいてきたのは、360度カメラで撮ったコンテンツなら何でもおもしろい、ことはない、ということだ。激しい抗議のデモや、きれいな風景などは、360度カメラで撮るとすごい臨場感を与えるかもしれないが、Googleが学んだと思われるのは、たとえばGoogle I/OカンファレンスのキーノートをVRヘッドセットを着けてウォッチしたからといって、得られるものは何もない、ということ。

Supermodel Closetsシリーズは、Googleの最新のJump 360カメラを使って、クローゼットのような狭いスペースでも4Kの立体画像を捉えている。

モデルのクローゼットを覗くこの新シリーズがピューリッツァー賞を取るとは思われないが、VRを探検の道具として使って、めったに行けない場所に人びとを連れて行くという、VRならではのミッションをうまく強調している。KardashianやJennerたちのように、ソーシャルな共有の術を心得ている人は世の中にあまりいないし、着るものに彼らほどめちゃめちゃ凝る人たちも珍しい。VRなら、そんな珍獣たちの生活に入り込んで見物できるし、とっくに見飽きてしまっていると思っていた超有名人たちの、実はあまり知らなかった私生活を、ちらっと見ることもできるのだ。

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Firefox for WindowsがWebVRをサポート、VRコンテンツの作り方を学べるハブもオープン

今日(米国時間8/8)Mozillaが、Firefox for Windowsの最新のアップデートをローンチする。そしてその最大の目玉であるWebVRのサポートにより、デスクトップのVRユーザー(ヘッドセットを持ってる人)がWebベースのVR体験を容易にエンジョイできる。

ブラウザーがWebVRをサポートしていれば、ユーザーはVRコンテンツのリンクをクリックするだけで、それらを体験できる。アップデートされたFirefoxでは、VRゴーグルの描かれているボタンをクリックし、ヘッドセットを装着すれば、もうあなたは仮想現実の中にいる。

デスクトップのFirefoxブラウザーではHTC ViveとOculus Riftがサポートされ、モバイルのヘッドセットのサポートは今準備中だ。今モバイルでは、ChromeブラウザーのモバイルバージョンでGoogleのDaydreamとCardboardのヘッドセットがサポートされ、またデスクトップではChromiumの実験的ビルドがヘッドセットをサポートしている。

AppleはMacのオペレーティングシステムの次のアップデートmacOS High SierraでVRがサポートされるが、その登場は今年の秋になる。

Mozillaは今日、WebVRの使い方を教えるハブを立ち上げた。そこでクールなVR体験の見つけ方や、同社のWebVRコンテンツ制作プラットホームA-Frameを使っての、VRコンテンツの作り方も学べる。

WebVRのサポートと併せて今回のFirefox for Windowsのアップデートではさまざまな改良が行われ、中でも、ユーザーがプロセス数を制限したり、大量のタブを一瞬で復旧出来たりする‘パフォーマンスパネル’はユニークだ。Mozilla自身の実験では、なんと同時に1691個のタブを開き、そしてそれらを15秒で復旧できたそうだ。それまでのビルドでは、8分を要した。

このほか、Windows用の64ビットリリースの安定バージョンもあり、Moaillaによると、めったにクラッシュしなくなったそうだ。機能のアップデートでは、アドレスバーからどんなWebサイトでも検索できるようになった。ツールバーの上を行き来しなくても、Google, YouTube, Wikipediaなどの検索もアドレスバーからできる。

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セカンドライフのLinden LabがVRシミュレーションのベータ版を公開

サードライフがやってきた(ベータ版で)。

サンフランシスコ拠点の Linden Labは、VR対応のユニバースシミュレーション、Sansarのオープン「クリエーター・ベータ」を公開した。世界を創造、探索するこのタイトルの構想は壮大だがまだ先は長い。数千人のクリエーター向けに以前公開された長期にわたるクリエーター・プレビューを経て、今回は1700種類の世界が提供される。

先週、1500万ドル近くを調達していたソーシャルVR会社のAltspaceVRが、閉鎖を発表驚かせたことはまだ記憶に新しいが、Linden Labの採算性には余裕があることから、Sansarは長期的ビジョンに沿って進められている。

同社が運営しているSecond Lifeは、10年以上前に社会的影響力を失ったとみられているが、オンラインシミュレーションに現金をつぎ込み続けた熱心なユーザーのおかげで豊富な資金を稼いできた。VR市場は始まったばかりであるにもかかわらず、同社はSansarの開発に焦点を移したが、Second Lifeも独特な別サービスとして今後も継続する。

Linden Labは、世界創成の収益化にいち早く成功した。Second Lifeのユーザーは土地を借りるためにかなりの金額を払うが、それ以外は比較的安価に利用できる。Sansarでは、自分の作った土地は無料だ(最初のいくつかの世界について)。アセットストアへ行って、自分の世界にものを増やし始めると費用もかさむ。友達に3Dデザイナーがいれば、カスタマイズして自分だけを作ることができる、バーチャルホーム用の椅子など出来合いの家具を置きたければ、ゲーム内コインをつぎ込む必要がある。

彼らは探索できる世界の広いネットワークを作って現実に近づけたいという野望を隠そうとしない。何度か会って話したときも、メタバースとシミュレーションについて熱心に語っていた。最近のミーティングでは、会議室のテーブルに『レディー・プレーヤー・ワン』が1冊黙って置かれていて、この会社の野望がいっそうはっきりした。

今日公開されるのは、Sansarが目指しているもののごく初期のベータ版であり、その体験は実に洗練されている部分もあればそうでないところもあって少々奇異に感じる。Sansarではバーチャルリアリティーユーザーが様々なユーザー作成世界を探索し、自分で作ることもできる。足りないのは
、探索をもっとインタラクティブにするためのツールだ。

Linden Labは多くのVRデベロッパーとは異なり、UnityやUnrealといった既存のゲームエンジンに頼らず、Sansarのために独自のカスタムエンジンを作った。Second Lifeのエンジンとも全く別物だ。ベータバージョンの制限は明らかだ。Sansarの中に美しい静的世界を作ったり、バスケットボールを投げたりすることはできるが、物理特性や制御の仕組みはまだ完成には程遠い。

Sansarは、今日からHTC ViveとOculus Riftで利用可能になり、パソコンでも2Dのデスクトップ体験ができる。

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目の画像だけからVR体験中のユーザーの気分や感情を判断するディープラーニング技術

[↑幸せ: 確率0.90]

目を見れば、それが本当の笑いか分かる、とよく言われる。もちろんその言葉は、私たち人間には、偽(にせ)笑いという、生得ではなく学習によって身につけるスキルがあることを、意味しているにすぎない。でも、人間の眼球に微妙な表現力があることが、役に立つこともある。VRの研究者たちが、目の画像だけから表情全体を推測する技術を編み出したのだ。

Google Researchが発表したその、おもしろい小さなプロジェクトは、VRヘッドセットを装着した人間の目だけを見て、表情を判断する。開かれた目の形、視線の方向、まぶたの状態、目尻の皺(がある人の場合)などなどを総合すると、実は相当大量の情報がそこにはあるのだ。

[↓無感情: 確率0.91]

ディープラーニングのシステムにとっては、いくつかのベーシックな表情と、その程度・度合いを表す測度があれば十分だ。たとえばそこには、“幸せ(Happiness)”や“驚き(Surprise)”があるだろう。ベーシックとは言えない“schadenfreude”(ひとの不幸を喜ぶ)や“mischief”(おちゃめ)などは、もっと学習しないとだめだけど。

もちろん実用化のためには、ヘッドセットの中にアイトラッキングのカメラが必要だ。そうすれば、ユーザーの今の気持ちや感情がリアルタイムで分かるようになる。

この研究を記したペーパーもあるし、それを近く開催されるSIGGRAPHで見ることもできる。

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GoogleのVR教材ExpeditionsがAndroidアプリになり学校以外にも開放

Googleはこれまで相当長く、安価で超使いやすいCardboard製品によって、仮想現実の大衆化に努めてきた。またVRのコンテンツ方面の努力としては、学校向けの仮想現実教材とも言えるGoogle Expeditionsで、重要な遺跡などを360度写真や3Dのシーンで児童生徒たちが体験できるようにしてきた。〔ardboard==ボール紙、expedition==探検旅行〕

Expeditionではたとえば、インドのタージマハルやローマのコロセウム、アメリカ建国の父アレクサンダー・ハミルトンが活躍した場所を歴訪、などなどを体験する。そして今日(米国時間7/19)は、そのためのExpeditionsアプリがリリースされ、CardboardやDaydreamヘッドセットとAndroidスマートフォンで、VR教材ツアーが学校の外へ一般公開されることになった。

Expeditionsはあくまでも教材を念頭に置いて作られているが、このスマホアプリは個人利用もできるから、その600近い探検旅行を誰もが体験できる。Wi-Fiがあればそれらのコンテンツにアクセスでき、ガイドさんが旅路を案内してくれる。

その体験をより充実するための工夫が二つある。空などの邪魔にならない場所に遺跡などの理解を助ける注解があること。そして、360度の圏域内に円マークを描いて、重要な箇所に注目させる機能だ。

アプリはAndroidのみだが、近いうちにiOSバージョンも出すとのこと。

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【ビデオ】根っからのゲーマーたちはVRを本当はどう思っているのか?

VRの未来への可能性は、とてつもなく大きい。教育、エンターテイメント、ビジネス、そしてソーシャルと、あらゆる分野で多様なユースケースが育つだろう。

でも、新しい技術の常として、VRもゲートウェイドラッグが必要だ。そしてこれまでは、普及の入り口となるユースケースはゲームだった。Sonyは、ひとにぎりのゲームでもって、PlayStation VRを推している。一部は既存のゲーム、そのほかは新作だ。NintendoもVRを推すためにMario KartをVR化している。一方Microsoftは、今年のE3でVR関連の発表をまったくしなかった

でも、ゲームのコミュニティはどうだろう? デベロッパーやストリーマーや実際にVRを作っている人たちは、VRを本当はどう思っているのか?



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Nomadicが小売店用のモジュール的位置対応VRシステムで$6Mのシード資金を獲得、今後は一般の娯楽施設にも

仮想現実(virtual reality, VR)は家庭用にはまだ高価すぎるかもしれないが、しかし専門店の集客手段としては、検討の価値があるだろう。

ユーザーが体感できる位置対応の小売体験を追究してきたNomadicが、新たな資金を手にした。同社は今日(米国時間6/12)、Horizons Ventures率いるラウンドにより600万ドルの資金を調達したことを発表した。Presence Capital, Maveron, Vulcan Capital, そしてVerus Internationalがこのラウンドに参加した。

ユーザーは、VRヘッドセットとバックパックに収めたPCを装着し(上図)、店内を歩きまわって、各位置に仕組まれたゲームを体験する。そのVRの中に椅子が見えたら、ユーザーは実際にその椅子に座れる。またゲーム中のさまざまなオブジェクトも、赤外線マーカーとカメラのおかげで、そこに実在する物を手に取ることができる。その体験は全体として、90年代のキッチュな4D映画の意図的な焼き直しみたいだが、体感と物理的なスペースや物を利用しているから、より没入的(イマーシブ, immersive)なVRになっている。

ぼくもそれを実際に体験したことがあるけど、そのときの一部始終はこの記事に書いた。

位置対応のVR体験は、The Voidなどの競合企業が、たとえばニューヨークのGhostbusters体験館のような、専用の倉庫みたいな施設で提供しているが、Nomadicの場合はインストールの容易なモジュール方式で、既存の小売店が導入できるようにしている。

Nomadicが専門店の客寄せ以外に狙っているのは、映画館、ショッピングモール、リゾート、空港、カジノ、テーマパークなどにおける、没入的なエンターテイメントの提供だ。まだ具体的なパートナーシップは発表されていないが、日程だけはなぜか具体的で、同社の位置対応VRによるエンターテイメントの‘初封切り’は2018年の第一四半期だそうだ。

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YouTube VRの中ではチャットによる対話形式/会話形式のコメントが可能に、安全なルームならね…

YouTubeにコメント書いてる人と、実際に会いたいと思ったことある? そう、ぼくもないね。

ところが、どっこい! 今日のGoogle I/OのYouTube VRに関する説明では、コメントは従来のようにテキストで書くだけでなく、VRの中にチャットルームができるので、そこでいろいろとお話ができるようになる。それ以上詳しいことはまだ分からないんだけど、音声によるスパムが猛威を揮ったりしたら、おとろしいだろうね。

そのシステムは、Oculus Roomsとほとんど同じのようだ。それは、友だちと一緒にルームに入ってビデオを一緒に見る、という機能だ。

YouTubeのこのシステムでは、あなたはアバターになって360度のスペースに飛び込み、ビデオについてチャットする。それはFacebookがF8で見せたソーシャルネットワーキングアプリSpacesとまったく同じと思えるけど、モバイルのVRではソーシャルな対話の機能が限られてしまうだろう。

でもモバイルのVRに関しては、GoogleにとってYouTubeの価値と意義が大きい。これまでもGoogleは、そうであることを隠そうとしなかった。モバイルVRは確かに、友だちが集まるためのすばらしいソーシャルプラットホームだ。でも、きちんと荒らし対策を実装してからでないと、安心して使えないだろうね。



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VRを使ってADHDを診断するreVIVE。作ったのは高校生3人のチーム

Dusrupt NY 2017ハッカソンで最初にステージに登場したのはreVIVE。ADHD(注意欠陥・多動性障害)をバーチャルリアリティーで診断するシステムだ。高校2年生3人からなるチームは、時間も費用もかかるこの病気の診断を簡単にする解決方法を見つけたいと思った。

チームによると通常ADHDの診断には6~9カ月かかり、それだけで患者は数千ドルの費用を負担しなくてはならない。

reVIVEは、ユーザーの運動能力、集中力、および反応時間を測定する3種類のテストからなる。被験者は迷路を進んだり、色のついた物体に触れたり、決められた場所に静止するなどの作業を指示に従って実行する。チームが開発したスコアリングシステムによってユーザーの能力を測定し、医療専門家がそれを見て数分のうちに症状を判断する。

Akshaya Dinesh(17)、Sowmya Patapati(16)、Amulya Balakrishnan(17)の3人はUnityを使ってHTC Viveのバーチャルリアリティーアプリを作った。ニュージャージー州から来たこの高校生チームはハッカソン会場で出会って友達になった。BalakrishnanとPatapatiの2人は、#BUILTBYGIRLSという団体でともに活動している。

「ADHDの診断を数値化したいと強く思っていました」とDineshは言った。「360度環境に没入することで、患者は実際にそこにいるような環境を体験できます」。

チームは治療に関してセラピストの役割を置き換えようとは考えていない。医療医療ツールの一つとして、セラピストに患者の最新の状態を伝えるとともに、IBM Watsonを利用してデータを分析する。

医学診断と治療は、バーチャルリアリティーの主要な応用分野であることがすでに証明されている。例えば、MindMazeは、VRソリューションを直接医療専門家に届けることによって、スタートアップとして大きな成功を収めている。病気の診断は「VRの最適な使用事例の一つ」だとチームは考えている。

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Sony、PlayStation VRを4ヵ月で91万5000台販売。予想を上回る

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実はVRハードウェアはお金になるのかもしれない。

発売からわずか4ヶ月後、SonyがNew York Timesに伝えたところによると、同社はバーチャルリアリティ・ヘッドセットのPS VRを91万5000台販売した。記事にはSonyが当初の販売目標を6ヵ月で100万台に設定していたことも明かされている。容易に達成できそうな数字だ。

10月に発売されたPlaystation VRは、Sonyのゲーム機PS4で使用する。Sonyは12月に、PS4を5000万台販売したと発表した。FacebookのOculusやHTCなどのライバル製品と比べるとPS VRは比較的求めやすい価格設定だ。OculusのヘッドセットRiftは599ドル(タッチ式コントローラーが199ドル)、HTCのVRシステムは799ドルなのに対して、SonyのPS VRシステムとコントローラーはわずか499ドルで、しかも他のシステムはハイエンドのPCが必要だ。

バーチャルリアリティ市場では、ヘッドセットの普及率の低さが多くの投資家をためらわせ、多くのファウンダーを不安にしている。PS VRの数字は、強力なPCを必要とせずゲーム機の頭脳を利用する「中間層消費者向けVR 」の明るい未来を示唆するものだ。Microsoftは6月のE3カンファレンスで、VRヘッドセットへの対応を強化したXboxハードウェア、”Project Scorpio”の詳細を発表する見込みだ。

HTCとOculusは、ヘッドセットの販売データをまだ公表していないが、アナリストの多くはいずれも50万台に遠く及ばないと推測している。

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VRベースのソーシャルプロダクティビティアプリBigscreenがAndreessen Horowitzらから$3Mを調達

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VRの“キラーアプリ”(killer app)*をめぐる議論が喧しい中で昨年は、VRが提供する他に類のない優れたコラボレーション機能を活かそうとするソーシャルアプリがいくつか登場してきた。〔*: killer app, ここでは特定のアプリケーションではなく、その分野をメジャーに押し上げるアプリケーションのジャンル。〕

それらの中で、VRの面白さと仕事の生産性(プロダクティビティ, productivity)の二兎を追った初期の試みのひとつがBigscreenだ。それは初期のVRユーザーたちのあいだで、かなりの人気を獲得したが、その製品は過去の同社の、Web上のコンテンツ共有経験がベースになっている。

同社は今日(米国時間2/24)、Andreessen Horowitz率いるラウンドによる300万ドルの資金調達を発表した。そのラウンドにはほかに、True Ventures, Presence Capital, Ludlow Ventures, David Bettner, SV Angelらも参加した。

Andreessen Horowitzがハードウェア以外の分野でAR/VRに投資した例は、あまり多くない。その中で同社のOculusVRへの投資は、同じく投資家の一員であったFacebookによる2014年20億ドルの買収で、VR企業としては初めての大型イグジット(exit, 出口)になった。

VRアプリケーションはVRの最大の特性である3Dのインタフェイスを強調したものが多いが、そんな中でBigscreenは、2DのWebの世界で提供されているコンテンツと、VRが提供する高度なソーシャル体験の両者を、結びつけようとしている。

同社のベータ・アプリケーションは、仮想会議室におけるコラボレーションや、ひとつの部屋に友だちが集まってお互いのアバターとゲームをプレイする、などの使われ方で人気が急伸し、今や15万人のユーザーがいる。まだ費用的にも大衆化しているとは言えないVRの世界でこの数字は、相当なものだ。

Presence CapitalのマネージングパートナーAmitt Maharjanが、Mediumに書いている: “最初からマルチプラットホームに対応しており、そして、体験を他と共有するやり方がきわめてシンプルなため、Bigscreenは知らない人たちが互いに関心を共有してコミュニティを形成する能力に秀でている”。

同社の次のアクションは、Bigscreenの1.0をリリースすること。また、同プラットホームのネイティブアプリケーションや、モバイルのVRヘッドセットへの対応も課題だ。

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ケンブリッジ大学が癌の診断治療への3D VR技術の応用を研究中

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テクノロジーが癌の治療に貢献、というお話は、いつ聞いても嬉しいけど、そこに仮想現実が登場するとは、ぼくも含め多くの人が思ってない。でも、今ケンブリッジ大学の研究者たちが100万ポンドの補助事業で研究に取り組んでいるのは、VRと3Dの視覚化を利用する診断と治療の技術だ。

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同大のニュースサイトで、研究チームのリーダーGreg Hannonが語っている: “私たちが作ろうとしているのは、腫瘍の忠実な対話的立体マップで、それを科学者たちが仮想現実で調査研究し、いわば腫瘍の内部を‘歩きまわって’検査できるようにしたい”。

腫瘍の標本として最初は乳がんを用い、きわめて薄い小片にスライスしたそれを画像化し分析する。この方法により、個々の細胞の遺伝子的組成まで分かるようになる。すべてのスライスを再編成して仮想現実のための3Dモデルを作り、その中へ研究者たちが‘飛び込む’。

腫瘍や癌の成長を3Dスキャンする技術はすでにあるが、仮想現実の3Dモデルの中に研究者が入り込めるこの方法には、はるかに幅広い対話性がある。

同大が公開しているビデオの中でHannonはこう述べている: “癌に限らず、有機体の組織の成長発展を理解するための、最先端の方法と言えるだろう。生物の問題はすべて3Dで生じているし、細胞間のコミュニケーションも3Dで行われているから、従来のノン3Dの検査技術では、その詳細な理解が得られなくて当然だ”。

チームはイギリスの任意団体Cancer Research UKの研究補助金を交付されることになり、その総予算2000万ポンドの一部(100万ポンド)を、期間6年の研究事業に使えることになった。6年もあればこの、腫瘍の中を歩いて見て回れる3D VR技術の実用化も可能ではないか、と期待したいところだ。

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Google、ChromeでWebVRを正式サポート

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バーチャルリアリティーがウェブにやってくる。

スマートフォンでVRを使うというのはかなりの熟考を要する判断だ。ヘッドセットにスマホを差し込み、映しだされたメニューを操作してホーム画面からアプリを立ち上げることでヘッドセットの中の体験が始まる。今日GoogleはVRコンテンツをもっと簡単に発見できるように、ChromeブラウザーにWebVRを組み込んだ。

これまでChromeはモバイルブラウザーでWebVRに対応していなかった。つまりブラウザーは端末の位置や方向、入力コントローラー等に関するデータを取得できなかった。このデータがあれば、Chromeはずっとリッチな体験を提供できる。ユーザーは専用ページへ行ってWebVR体験をスタートさせ、あとは指(デスクトップならマウス)で操作するか、Daydream Viewヘッドセットに差し込んでさらに没頭的体験に浸ることができる。

Googleは昨年12月に、Chromeのベータ版でWebVR APIに対応したが、今回一般開放した。

WebVRを使うと、企業やコンツンツ制作者はネイティブVRアプリの経験がなくても、VR体験の世界を探究できるようになる。Chromeのこのアップデートでは、ウェブサイトは360度ビデオを掲載してユーザーに見せるだけでなく、Daydreamのヘッドセットとコントローラーを使ったフル体験の提供も可能になる。

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Googleは公式ブログで、SketchFab、Matterport、およびPlayCanvasらの初期パートナーを紹介している。

現在この拡張機能は、GoogleのDaydreamヘッドセットのユーザーまたはヘッドセットなしでスマートフォンかデスクトップでVRコンテンツを見る人を対象にしている。Googleは同社のCardboardプラットフォームををはじめとする他のヘッドセットにも対応すると話している。ゴーグルはDaydreamのみに対応しているので、iPhoneユーザーは当然除外されるが、いずれGoogleがCardboardにフル対応すれば、iOSでも使えるようになるかもしれない。

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Unityの新しいツールEditorVRではマウスとキーボードを使う2DのインタフェイスでVRゲームのデザインワークができる

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VRに大きく賭けているUnityは、仮想現実のゲームを開発する場合も同社のゲームエンジンを使うべき十分な理由がある、とデベロッパーを説得したい。そこで同社は今日(米国時間12/15)、ゲームデザイナーがVRでゲームを制作できるためのツールEditorVRの、プレビューをリリースした。

デベロッパーの日常の物理的ツールがキーボードとマウスであることは、当分変わりそうもないから、EditorVRもそれらの既成の方法でゲームのラフスケッチや細部の仕上げができるようになっている。

先月行われた同社のカンファレンスUniteで、Unityの主席デザイナーTimoni Westが、そのEditorの機能の一部を紹介した。それを、下のビデオで見てみよう。

EditorVRの目標は多様だが、そのひとつは、VRの外では本当はできないことができる、ということ。今現在の仮想現実の多くが、固定的な2Dのインタフェイスで3Dの世界を表現しようとしている。UnityはVRのそのような作り方を、もっと3Dっぽくする。デベロッパーが作り上げたスペースの中にショップをセットアップし、そこへツールバーからいろんなアイテムを投げ込んで、いろんなデザインを試行できる。

現時点でこのエディターは、仮想現実システムとしてOculus RiftとHTC Viveをサポートしている。Unityのチームが苦労したのは、コントローラの仕様がまったく異なるこれらのシステムに対して、標準的と言えるようなコントロールの集合を実装することだった。

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同社は、現状はあくまでもプレビューであり、バグもありえるので、つねに自分の仕事のバックアップを取ってから、このツールを使ってみてほしい、と言っている。Unityを利用しているデベロッパーは、ここでEditorVRのプレビューをダウンロードし、またそのドキュメンテーションを読むことができる。

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Disney Researchが考案したリアルタイムのモーションキャプチャーシステムはできるだけ少数のセンサーしか使わない

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本格的なモーションキャプチャーは、大量の光学マーカーや内部のセンサー、あるいはその両方を使う。組み立ても分解もたいへんだし、膨大な量のデータを作り出す。Disney Researchのこのプロジェクトは、体の動き方に関するお利口な想定を利用して、わずかばかりのセンサーを使用し、高品質な結果を作り出す。

研究者たちは、ありとあらゆるものがセンサーの理想的な数と配置の邪魔をすることに気づいた。マーカーや衣装、粗悪な照明なども邪魔をする。そこで彼らは、それでもなおかつ良質なリアルタイムの結果を作り出す、最小限のシステムを提案している。

彼らのシステムでは、慣性ユニットが両手、両足、頭と尾てい骨、計6つある。同じ場所に光学マーカーがあり、計測された相対的動きを、参照カメラが見た絶対位置に関連付ける。

とても少ないセンサーでうまくいくのは、送られてくるデータを、体の動きを多少知っている物理モデルに入力するからだ。マーカーの位置と、検出した力に基づいて、“物理的に正しい”位置と動きを計算し、それをさらに、既知の動き、関節の位置、および姿勢と照合して、おかしな情報でないことをチェックする。

だから、センサーは、肘は後ろに曲がらない、とか、膝はそんなおかしなねじれ方をしない、と言ってくれなくても、システムは体のシミュレーションに基づいて、それはありえないと判断できる。トップの静止画像では、青い男はセンサーの正規の組み合わせが作り出した地上真実(ground truth)だ。緑の男はモデルが計算したもの。そして黄色の男は、各コマを“動き優先(motion priors)”で捉えたもので、ときどき全然おかしくなる。

研究者たちが提案している最小のセットアップとリアルタイムのフィードバックは、モーションキャプチャーや仮想現実で役に立ちそうだ。Kinectやヘッドセットのセンサーが捉える体の動きは、多くの点で限界がある。でもそれらを、50の部分から成り、計算に1時間を要するシステムでリプレースすることはできない。プレーヤーが、全身を覆う完全なボディースーツを着るわけにもいかない。でも伸縮性のバンド2本にセンサーが付いてるだけなら、着脱は容易だし、日常的なVRアプリケーションには十分以上の良好な結果が得られるだろう。

このシステムを記述している論文は今日(米国時間12/12)、ロンドンで行われたConference on Visual Media Productionでプレゼンされた。

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Verizonとメーシー百貨店が感謝祭の日のパレードをVRでライブ放送、単純だけど楽しい

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イベントのブロードキャストを360度ビデオのライブストリーミングでやろう、と考えておられる方もいると思うけど、それは必ずしも良い方法ではない。でも本誌TechCruncの親会社AOLの親会社Verizongaがやった、メーシー百貨店の感謝祭パレードの中継は、うまくいっている。ただしユーザーが視聴用に使うVRヘッドセットは、Googleの新しいファーストパーティー(自社製)モバイルVRハードウェア、Daydream Viewが良い。

この360度ブロードキャストは、アメリカ国内で、Google CardboardやChromeブラウザーでも見られるが、いちばん良いのはDaydream VRと、今度出たYouTubeの公式VRアプリだ。このストリームを訪ねると、パレードをバルコニーから見る感じになる。よく見える場所を、何箇所か移動していく。

ぼくが見たときは、大きなピカチュウの風船(気球?)が目の前を通るところで(上図)、なかなか、すばらしかった。シェイクスピア劇でも、ハリウッドのスーパーヒーローの大作でもないが、楽しいし、360度ビデオのうまい使い方だ。ねらいが明確で、視聴者をまごつかせるような、あぶないことや、裏芸のようなことはやっていない。VRコンテンツには、裏で重要なことが行われているが、それは視聴者からは見えない、分からない、という状況が多いけどね。

パレードは東部時間の正午までだ。今からなら、間に合うかもしれない。ヘッドセットを忘れないように。

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Google Earth、息をのむ絶景をVRで体験

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Googleは、同社が進める消費者向けバーチャルリアリティーへの大規模な取り組みGoogle Daydreamを先週スタートしたところだが、他のプラットフォームでの開発も休む様子はなく、VRを様々な利用場面に広げようとしている。

今日(米国時間11/16)Googleは、HTC Viveを使ってGoogle Earthにバーチャルリアリティーを導入するとブログで発表した。「Earth VRなら、都市の上を飛び、丘の頂上に立ち、宇宙へ舞い上がることもできる」と記事は説明している。

まだ3次元仮想空間とまではいかないが、地球サイズのインターフェースで3D飛行等を行うバーチャルリアリティー体験への大きな一歩だ。Googleによると、アマゾン川、マンハッタンの摩天楼群、グランドキャニオン、スイスのアルプス等でVR体験ができる。

プロジェクトの展望は注目に値するが、これがGoogle初のデスクトップ・バーチャルリアリティー体験というわけではない。同社の3Dペインティングアプリ、Tilt Brushは、熱狂的VRファンの間で高い人気があり、クリエイティブ機能はもちろん、その後のアップデートを通じてアプリの改善を続けるGoogleの取り組みが評価されている。

Earth VRは、まずHTC Vive用としてスタートし、Steamストアを通じて無料で提供される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

この3万ドルもするドローンはとても安定した360°映像を撮る

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360°ビデオが厄介なのは、三脚を使うとか、カメラを手で保持することだ。例外は、放り投げるカメラPanonoだが、ボールが空中にある時間は限られている。もうひとつの選択肢がVaravon社の製品、こいつは ドローンだがジンバルで三軸を安定化し、360°の圏域を自分が映り込むことなく撮影する。

 
 
 

このドローンは、ほかの方法ではとても困難と思われる撮影もできる。スタビライザーがあるから、自由に飛び回ってもめちゃめちゃな映像にはならない。すごく、お利口さんだ。

お値段は未定だそうだが、プロ用機器の値段にはなるだろう、という。“3万ドルぐらいかな”、と同社は言った。でもすでに、競合機種がその1/5で買えるぞ。

いずれにしても、VR Gimbalと名付けられたVaravonのドローンは年内発売だ。今見れるのは、でもビデオだけだけど。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))