バクテリアで発電する紙状の電池、使い捨て電子製品に好適

129788_web

ニューヨークのビンガムトン大学の研究者たちが、“1枚の紙の上のバクテリア電池”というものを作った。このプロジェクトの目的は、使い捨てのマイクロエレクトロニクス製品のための、数週間程度使える電池を作ることで、そのためにバクテリア密度の濃い液体を使った。

“この方法は低コスト短時間の生産が可能で、しかもバイオ電池を、遠隔地や危険な場所、リソースの乏しい地域などで利用できる”、と研究者たちは書いている。

研究者たちが使ったのは、一片のクロマトグラフィー用ペーパーと、ワックスで覆った硝酸銀のリボンだ。電池の陽極は、ペーパーの残り半分の上の伝導性ポリマーと、バクテリア密度の濃い液体の貯水層で作られる。バクテリアの、細胞呼吸が電源になる。

この電池で電気自動車を動かすのは無理でも、ジュースを搾るぐらいはできるだろう。6つ並列で出力は31.51マイクロワット/125.53マイクロアンペア、6×6の構成では44.85マイクロワット/105.89マイクロアンペアだ。研究者たちは、用途として、グルコースセンサーや病原体の検出、あるいは小さな電子製品を数日稼働すること、などを想定している。

実はこれは、このチームが作った初めてのバクテリア電池ではない。紙を使用する最初のプロトタイプは2015年に開発し、その折りたたみ式電池はマッチブックにとてもよく似ていた。また今年の初めには、“忍者が投げる星〔手裏剣〕からヒントを得たデザイン”を披露した。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

EFFが緊急の公開書簡をテクノロジー企業に送付、新政権でインターネットの監視と検閲が強化されることを危惧

defend-encryption-cyan-1

インターネットの自由とオープン性を守ろう、という趣旨の、テクノロジーのパイオニアたちによるご意見番的非営利団体Electronic Frontier Foundation(EFF)〔日本語Wikipedia〕がこのほど、今後インターネットの監視や検閲が増えるかもしれないので用心しよう、とテクノロジー企業に訴える公開書簡を発行した。その中でEFFは、インターネットのコントロールやインターネットの中立性、そして言論と報道の自由に関する、Trumpと彼のアドバイザーたちの声明文を引用している。

書簡はこう述べる:

次期大統領Donald Trumpと彼のアドバイザーの多くが、監視と検閲を段階的に強化し、それによってインターネットの中立性やプライバシー、そして暗号化の未来に脅威をもたらす主旨の発言をしている。Electronic Frontier Foundationは、テクノロジー企業がわれわれと共に一致団結して、インターネットのユーザーを守ることを求めたい。当団体と多くのテクノロジー企業との協働により、世界中の人びとを結びつけ活気づけるために作られた技術が、抑圧のための道具へと徴用されないことを、確実化できる。

 

EFFはWired誌のフルページ広告で、テクノロジー企業が不要なログやユーザーデータを消去するよう求め、また2017年の新年の願い(ウィッシュリスト)で、“Facebookがユーザーに本名の使用を強制することをやめて、各ユーザーが自分のアカウント上で自由な名前を使えるようにする”ことと、“Twitterがダイレクトメッセージのエンドツーエンドの暗号化を可能にすること”を、要請している。

EFFはまた、政府内の指導的立場の人たちなどに向けた、上記各テーマの詳細な論点も提供している。

インターネットの自由が今後どうなるのか、それを予言するのは時期尚早だが、警戒と準備を怠らないことは重要だ。私たちのコミュニケーションはネット上で行われることが多くなっているから、古い時代遅れの法規等は私たちを傷つける障害物にしかならないだろう。何も悪いことをしてなければ、何も隠すものはない、は依然として正しいけれども、やはりすべての人に、各人に、自分の言論や、コミュニケーション、私生活等の秘密を、守りたければ守れる権利があり、しかもその権利行使の選択は、スイッチを切り替えるぐらいに簡単容易でなければならない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

アメリカ海軍、港湾・艦船の防御のためにドローン警備艇SWARMをテスト中

2016-12-21-usnavy-swarm

アメリカ海軍は多数のドローン警備艇を協調させて内外の港湾を防御する実験を行っている。使用されるドローンは自動航行機能を備えたリジッド・ハルのゴムボートだ。CARACaSと呼ばれる人工知能システムを通じて操縦される。2014の実験ではドローンは単独で艦船や港湾施設の防御に当たったが、新しい人工知能システムは一群のドローンを統合運用して脅威を無力化する。

システムには自動目標判別機能があり、外洋でも探知した目標が味方か脅威かを評価できる。

ボートの自動航行は車両の場合より問題が少ない。海上には込み入った障害物が少ないからだ。このボートは防御すべき区域に敵が侵入するのを防ぐのに効果的だ。多数のボートが自動操縦で協調動作する。分散して広い区域を監視し、脅威が発見された場合に集合して排除に当たるというような運用が可能だ。もうひとつのメリットとして、ボートを新たに建造する必要がない。利用されたドローンは通常の監視艇で、海軍はこれにAIによる自動航行システムを搭載した。後付は容易にできるようデザインされているので、海軍は最小限の費用で既存の「ダム・ボート」を「スマート・ボート」に再艤装しロボット艦隊に加えることができる。

〔日本版〕ビデオで開発者は海軍のドローンについて「港湾警備以外にも護衛、機雷掃討、補給などさまざまな応用を計画している」と述べている。また港湾警備は「単調な任務であるにもかかわらず突発的に生命の危険が生じる可能性があり、乗員に過酷なものとなりやすい」としてドローン警備艇のメリットを挙げている。イェメンのアデン港に停泊中、ボートによる自爆テロで大損害を受けた駆逐艦コールが資料映像で紹介されている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

“Find my Phone” は、盗まれたスマホを追跡した驚くべき短編映画

Find my Phoneは、ある盗まれた携帯電話を追跡した30分間の短編映画だ(英語字幕付き)。アムステルダムの映像制作者、Anthony van der Meerは、AndroidスマートフォンにCerebusという特殊なアプリをインストールして実験を行った。このアプリは盗まれた端末がアムステルダム市内を移動する間じゅう追跡して、リモートでビデオや写真を撮り通話も傍受できる。van der Meerは盗っ人の生活の一部をつなぎ合わせて映画にした。最終的に泥棒に対面するが、van der Meerは相手に気付かれることを恐れ追跡を終える。

今や携帯電話は生活の一部であり、こういう動画はいかに携帯電話がプライベート ― かつ危険 ― なものかがを教えてくれる。一人の携帯電話泥棒を数ヶ月間追い続けたこの作品から、ちょっとしたソフトウェアと悪意があれば、われわれの携帯電話は個人の持ち物から電子スパイへと物の数秒で変わってしまうことに気付かされる。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

脳波によるロボットアームのコントロールに成功、人の心でロボットを制御できる技術がついに誕生

129255_web

これまでは、人間の意思でロボットアームをコントロールしようとすると、非常に複雑で非常に侵襲的な脳へのインプラントを必要とした。そこでミネソタ大学の研究者たちは、ちょっとかっこいいヘルメットと人間の思考能力だけを必要とする新たなシステムを作り、本物のマインドコントロールなロボットツールへの道を、拓(ひら)こうとしている。

この研究のリーダーで、生物医学工学の教授Bin Heは語る: “脳へのインプラントを使わずに、人間の思考だけでロボットアームを操作し、複雑な3D環境の中でオブジェクトに到達してそれをつかむシステムは、世界で初めてだ。アームを動かすことを想像するだけで、ロボットアームを動かすことができたのだ”。

そのシステムは脳波ヘルメットと、ある程度の訓練が必要だ。脳波を利用する技術はかなり前からあるが、ミ大の研究者たちは脳の運動皮質を利用して複雑なシステムをコントロールする方法をついに完成させた。人間が動きについて考えると、運動皮質中のニューロンが反応し、ニューロンの新たな集合を活性化する。これらのニューロンを整列し読み取ることで、脳/コンピューター間のインタフェイスが本物の腕の動きをシミュレートし、ロボットアームに与えるコマンドに翻訳する。

Heは語る: “被験者全員が、完全に非侵襲的なテクニックを使ってタスクを達成したから、すごいと思う。麻痺などの神経性疾病の患者を救う技術へ、発展する可能性があると思っている。彼らは外科手術によるインプラントを使わずに、もっと本格的な独立性(非依存性)を持てるようになるだろう”。

Heが書いた記事は、ここで読める

この方面の以前の実験では、感電事故で両腕を失った人が、彼の神経系につないだシステムのおかげで二つのロボットアームを同時にコントロールできた。しかしHeと彼のチームの新しいシステムは、そのような侵襲性を減らして、ロボットをコントロールする。そして誰もが、自分の心でロボットアームをコントロールできるのだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

コンピューター上の何か(ゲーム?)に夢中になってるとき人が来たらSentryが警報してくれる

781b93f7ef8b0c8b47a056dac18bb8a6_original

たとえばあなたは今、ヘッドフォーンをつけて、コンピューターで、あれ(ゲーム?)をしている。しかもどうやら、完全に没頭している。誰かが後ろからこっそり忍び寄ってきたけど、そのゲーム(?)をポーズするのが間に合わなかった。Sentryがあれば、ゲームをしている(?)ときに人に見られるバツの悪さを、未然防止できる。

この楽しい小さなデバイスは要するに赤外線モーションセンサーで、5メートルまでの範囲内の人を検知する。人が近づいてくると画面に警告が出るので、すぐにそのゲーム(ということにしておこう)を消して、注意をその人物に集中できる。

お値段はKickstarterで57ドル、Windowsが必要だ。一般発売は2017年5月を予定している。

最初はオフィスの個人用キュービクルで使う警報システムのつもりだったが、その後、ターゲットの市場を考えなおした。目標額1900ドルはもう目の前だが、この前Kickstarterで失敗したので彼らは慎重になっている。でも、誰かが忍び寄ってきたら知らせてくれるセンサーは、コンピューターでゲーム(など)をやってる人や、VRの世界の人になりきってしまっている人にとって、ほしいデバイスだろう。誰もがみんな、だいじなあの瞬間(最後のボスキャラとの戦闘?)を邪魔されたくないから、これぐらいの値段の製品なら買うと思うけどね。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Arduino MKRZeroはハードウェアハッカーのための小さな小さなDIYボードだ

mkrzero

すでに何でも持ってる人には、どんなギフトを買うべきだろう? ピンク色のヒメアルマジロか、それともArduino MKRZero。ぼくは、Arduinoをおすすめするな。

The MKRZeroは要するに、小さな小さなマイクロコンピューターで、出力端子とヘッダーがいくつかあり、バッテリー管理システムとUSBコントロールがある。32ビットのアプリケーションを勉強するのに適しているし、小さいからどんなものにも収められる。

これで、何ができるだろうか? いっぱいあるけど、DIYのテルミンとか、手をたたくとお金を吐き出す“Make It Rain”マシン*は? もちろん、ほかにもいろんな発想があるだろう。〔*: Make It Rainの意味。〕

こういう小さなボードは、なにしろ楽しいし、実験やハッキングのツールとしても貴重だ。わずか22ドルで、余暇時間にArduinoのプログラミングを勉強できるけど、ピンクのヒメアルマジロではできないね。でもあの小さな生き物は、もう一度、愛し方を教えてくれるかもしれない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

シンプルで美しいプロジェクトRadio.Gardenで、地球というラジオ局を聴こう

screen-shot-2016-12-13-at-12-20-09-pm

もっとも美しいプロダクトはときどき、もっともシンプルなプロダクトだ。たとえば、ここでご紹介するRadio.Garden。マルティン・ルター大学ハレ校のGolo Föllmerが作ったこのプロジェクトは、まるで実写のような地球の表面に、グリーンのドットがたくさんある(上図)。マウスがドットの上に来ると、そこがイランでもエストニアでもフェロー諸島でもどこでも、そこのラジオ局を聴ける。

そのインタフェイスには、意外にも鎮静効果がある。使いはじめるとすぐに、地球上の最僻地に行ってみたくなるだろう。アイスランドの上をごろごろしていると、Spice Girlsや、地元のラジオ局のトークショーが聴ける。テヘランを訪ねると大音量のディスコになり、背後にはRadio.Garden固有のシーシー音やパチパチ音が聞こえる。そう、暗いタクシーの中や、路地裏のカフェでは必ず、エリック・クラプトンやジャミロクワイが鳴っている、その雰囲気だ。

Föllmerはこう言ってる: “遠くの声を近寄せるラジオは、人をその場所にワープさせる。Radio Gardenでリスナーはラジオ放送という独自の世界を探検し、地球全体の各所に広がっているさまざまなアイデンティティを耳にする。ラジオの信号には、最初から国境がない。ラジオ局とリスナーは、想像力によって、互いに遠方の文化に接続し、数千マイル離れた自分の家から、そこの人びとと結びつく。ラジオ局側から言えば、ローカルなコミュニティのラジオが、数千マイル先に新しい家を見つけ、自分自身を豊かにする”。

彼の言うことは、まったく正しい。人間が24時間365日情報漬けになってるこの時代に、ラジオには短い余命しか与えられていない。それは別の時代のメディアであり、これまでの整理統合と近年の電波バブルによって、約2000局に減ってしまった。でも、このきれいなプロジェクトは、遠くの見知らぬ土地をドライブしているときは、ラジオが地元の小さなFM局を見つけてくれたときが最高の救いであること、月明かりしか照明のない僻地の古い農家に民宿したときには、そんなFM局の音楽の大音量が、唯一のぬくもりであることを、思い出させてくれる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

追悼ジョン・グレン

145210main_image_feature_534_ys_full

1962年2月20日、ジョン・グレンは問題を抱えていた。

地球周回軌道を飛行した最初のアメリカ人であるグレンは、その時フレンドシップ7のカプセルの中にいた。ミッションコントロールは、彼にカプセルの手動制御を引き継がせた。その間に自動システムが故障し、彼にはそれまでに人類が作成した最も複雑な成果物の1つを完全に制御する使命が残された。宇宙空間でただ1人、うっかりすれば地球から彼を弾き飛ばしてしまうか、あるいはその厚い大気の中に転落させかねない乗り物の舵を握っていたのだ。

「私は手動制御に移行して、2周目、3周目、そして再突入をそのモードのまま継続しました」とグレンは語った。「この故障は、私たちが長い時間をかけて検討してきたものが正しかったかどうかを、素早く証明してみせることを私に迫りました」。

そして彼は米国上院議員になるために生き残り、科学と実践主義に彩られた政策の策定に何十年も携わった。その男が亡くなった。彼の生まれたオハイオ州ケンブリッジから100マイルも離れていない場所で、家族に囲まれながら。

グレンは凄腕のパイロットだった。無数の出撃を通して何千時間もの飛行を行った。彼は宇宙最古の男であり、アメリカの希望と可能性の生きたサンプルだった — そして何よりも — 中心だった。戦後の恐怖と懐古的な無知によって大部分のアメリカ人が盲目的に這い回っていたときに、彼は超音速で飛行し、地上での希望が薄かった時に私たちを前へと押してくれた。彼はピッグス湾の上を飛び、ビートルズの「ラブ・ミー・ドゥー」に先んじて飛んだ。彼は最初のコンコルドを製造するエンジニアたちの上を飛び、アメリカのそして世界の戦争の際にアメリカの上を飛んだ。

彼はそれら全ての上を飛んだのだ。

ジョン・グレンのような男たちと女たちが重要だ。彼のときと同じ争いで形作られるこの時代には、熱い恐れと冷たい戦争の時代には、片手にはスロットルを、もう一方の手にはステアリングを握り、私たちを前へ導いてくれる男女が必要なのだ、宇宙で、地上で、研究室で、そして政治の場で。私たちには、手動制御に切り替えることを恐れない、思想家たち、実践者たち、製作者たち、男たち、そして女たちが必要なのだ。大勢のジョン・グレンが必要だ。

宇宙開発競争の英雄たちは高齢化している。それに続く世代は宇宙に対する敬意に欠けている — 少なくともまだ今は — そして彼らにとって宇宙飛行はありふれた奇跡に過ぎない。私たちは、出産時に死ぬことはない。私たちは、数時間で数1000マイルを移動し、数秒で世界の誰にでも電話をかけることができる。私たちは、この指先に世界中の情報を集めている。私たちは、願いが人生で徐々に叶っていく素晴らしい夢の中で眠っているのだ。私たちは、グレンでさえ予測することができなかった世界に住んでいる。

だから、グレンと彼の同類たちが私たちに与えてくれたものに感謝して、その先へ進もう。手動制御に切り替えよう。恐れを見せることなく。なぜなら私たちの可能性を無視することこそが恐怖なのだから。

グレンはかつて宇宙飛行の魔法についてこう言った「1日に4度の美しい夕焼けを見た日のことはどのように語ればいいのか分かりません」。世界を変えるために私たちがしなければならないことは、生涯に渡って日の出を見つめることだ。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

完全に隅から隅までオープンソースのラップトップコンピューターLibrebootは、ブートローダーもBIOSもオープンソース

screen-shot-2016-12-08-at-1-01-12-pm

商用ソフトウェアがまったくない、純粋で完全なオープンソースラップトップは、以前からフリーソフトウェアのファンたちの究極の理想だった。そして今回登場したLibrebootは、ブート時のファームウェア〔+BIOS〕まで完全にオープンソースだから、夢の実現が近くなった。

この730ドルのラップトップは、何の変哲もないふつうのハードウェアだが、しかしオープンソースのソフトウェアしか載っていない。OSのDebian〔Debian Linux〕は、完全にオープンソースだ。また非公開のソフトウェアを避けるために、Wi-Fiチップを内蔵せずに、AtherosのWi-Fiドングルとそのオープンソースのドライバーを加えている。

オープンソースは、楽しいだけでなく、今やとても重要だ。デスクトップ上のLinuxはまだ普及途上だが、Debianはすでに機能満載で、使うのが楽しい。そしてLibrebootのプロジェクトは、ブート時からシャットダウンまで何もかもオープンソースにして、ゴールまでの最後の1マイルを走破した。

このラップトップは、ハードウェアとしてはCPUがARMの1.8GHz Rockchip RK3288クァッドコア、RAM 4GB、内蔵eMMCストレージ16GB、といった仕様だ。ストレージの増量は、microSDカードで行う。画面は11インチ、3年間の保証つきだ。

オープンソースのラップトップにこだわる人はそんなに多くないが、でも巨大コンピューター企業からコンピューティングの自由を奪い返したい、と思ったとき、実際にそれができるようになったのだから、嬉しいね。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

この英国製腕時計、Blacklamp Carbonは輝きで満たされている

screen-shot-2016-12-06-at-11-59-26-am

かつてブリタニアの女神が波を支配していたとき、その美しい灯台の数々は人々は魅了した。数多くの水夫が海面に降りそそがれた淡い光に慰められた。そして今、Schofield Watch Companyはその灯台を称え、薄白く輝き続ける時計を作った。ほぼ100%カーボン繊維でできている。

Blacklamp Carbonと名付けられたこの機械式時計は、いくつか興味深い特徴を備えている。まず、大きなUnitasのムーブメントを使用している。懐中時計に使われているのと同じものだ。さらに、同社がMortaと呼ぶものを手作りしている。高密度のカーボン繊維を溶かした材料を手作りで成型してケースにする。最後に、アルミン酸ストロンチウムという蓄光材料で作られた大きなリングを付ける。これが太陽光をためて光を放つ。一晩中輝き続け、暗闇の中でも時計を針を見ることができる。

時計には英国の灯台の経緯度と発光パターンが書かれているので、万が一海に放り出されたときも、岸壁で待つ人のところへ帰るのに役立つ。

とにかくこの小さな時計にはユニークなちょっとした機能が満載されている。英国製のハンドメイドというボーナスに加え、F-1レーシングカーの隠し子かアイスホッケーのパックにも見える。一風変わった時計と機械式ムーブメントは私の想像力をかきたてる。こいつは本本当にクールだ。

screen-shot-2016-12-06-at-12-03-18-pm
会社はウェストサセックスにあり、ファウンダーのGilles Ellisは全部の時計を自ら手作りしている。このモデルはほぼ品切れ状態で、1台作るのに約6週間かかるので欲しい人は急げ!悲しいニュースは、例のごとく価格だ。現在の交換レートで1万2000ドルほどなので、灯台を1つ買うよりは安いかもしれない。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

スマートウォッチの時代は終わったのか?

wearables-business

迫りゆくPebbleの滅亡と、「今のところ、新しいスマートウォッチを市場に送り出すに見合うだけの需要があるとは思わない」というMotorolaによる発表を理由にして、スマートウォッチ市場が収縮しているという意見を正当化することもできるだろう。この意見は正しい。だが、これはウェアラブル端末の終焉ではない。

Appleは今年、110万台のApple Watchを販売した。昨年に比べて73%少ない販売台数だ。2017年の販売台数はまだ確定していないものの、今年と同じくらいの数字となるだろう ― ホリデーシーズンの恩恵を受けて年始の販売台数が増加し、次のモデルのリリースまで徐々に減少していくというパターンだ。これはAndroid Wearデバイスでも同じことだ ― 人々は早い段階で興奮しはじめ、年末にかけてその興奮が収まってくる。

この状況を引き起こしているファクターはいくつかあるが、年間で何百万台ものスマートウォッチを販売しようとしている企業にとっては良いニュースとは言えないものばかりだ。まず第一に、スマートウォッチは内部に矛盾を含んでいる。携帯電話とは違い、時計は電子デバイスというよりはファッション・アクセサリーという要素が強い。人々からの目に付きやすく、通常は店頭できれいに飾られている。「スマート」という要素が染みこんではいるものの、端的に言えば、スマートウォッチは宝飾品の一部なのだ。そのため、スマートウォッチや他のウェアラブル端末を購入する際の理由付けと、スマートフォンやノートパソコンを購入する際の理由付けはまったく異なる。消費者がApple WatchやSamsung Gearの購入を検討するとき、彼らはそのデバイスが他のデバイスよりも優れているかということではなく、そのデバイスが自分の服装とマッチするかどうか考えるのだ。

2つ目の問題はより厄介な問題だ。携帯電話の場合とは違い、消費者は時計を頻繁に買い換えることはない。時計はあたかも家宝であるかのように扱われる。すでに時計を所持する人にスマートウォッチを購入してもらうには、従来の時計製品よりも格段に安い価格(不可能と思われるような値段)で販売するか、寿命が格段に長いプロダクトを開発するしかない。消費者の年代によって状況が異なるのはもちろんだが、これが今後数年間に渡ってスマートウォッチの販売台数を抑える要因であることは確かだ。

それゆえに、消費者はスマートウォッチを必要とせず、それを欲しいとも思っていないことが多い。そして、すでにスマートウォッチを持っていれば、それを新しいものに買い換える理由はどこにもない。Pebbleは特定のマーケットへの集中戦略で他のスマートウォッチとの差別化を図り、非常に少ない数のモデルしか製造しなかった。しかし結局、彼らはそのマーケットが小さすぎたことに気がついた。Appleはスマートウォッチを贅沢品にしようと試みて、周りから大いにばかにされた。Androidは彼らの技術を様々な企業に提供したが、その結果、それぞれが似通ったクローンのようなデバイスが大量に生まれることになる。明らかに勝利者と呼べるような企業はまだ現れていないし、そのような企業が今後10年間で誕生するとは思いがたい。

では、今後のスマートウォッチはどうなるか?

多くの人に支持されているのは、長らくファッション・ウォッチを製造してきたSwatch、Burberry、Casio、Seikoなどの企業が、彼らの豊富な経験を駆使し、消費者が本当に買いたいと思うようなスマートウォッチをつくり始めるというシナリオだ。だが、それなのに彼らがまだスマートウォッチの製造を始めていないのは、彼らの能力が絶対的に不足しているということを証明している。低価格帯の時計を製造して大きなマージンを得ることに長らくフォーカスしてきた彼らは、高価格帯の時計を薄いマージンで販売することはできないのだ。Skagenのような企業は正しい戦略を採用しているように思う。彼らは、機能は最小限ではあるがモバイルと接続可能なスマートウォッチを開発している。Fitbitなどの健康分野に特化したウェアラブル端末への対抗策だ。しかし、これも長くは続かない。今後、GoogleやAppleなどの企業がユーザーがウェアラブル端末を欲しがる本当の理由を理解し、ウェアラブルの新しい用途が生まれれば、時計メーカーは彼らの後を追うことはできるかもしれないが、それもどうかは分からない。

私は個人的に、ウェアラブル端末は消えてなくなると考えている。ユーザーとデバイスの交流の仕方が音声認識やモーション・コントロールへと移り変わるにつれて、現実世界で私たちに常に耳をかたむけ、私たちに常に付き添うようなデバイスが誕生するだろう。私たちの健康状態を把握し、重要な情報を欠かさず教えてくれるようなデバイスだ。耳の中に入れてつかうAlexaのようなデバイスがあり、そのデバイスが1日を通してアドバイスしてくれるような世界を私は想像している ― 「その先の道を左に曲がってください」、「注文したコーヒーが出来上がりました」、「あなたが今話している相手は”Joe”という名前の人物で、彼とは先週会っています」 ― 常にそばに付き添う会話型のアシスタントのようなものだ。なぜ時計ではダメなのか?時計をつける手首は私たちの感覚器官から遠い場所にあるため、この利用用途には適さないのだ。

だからといって、私は自分が持っているSeikoやOmegaやRolexを手放しはしないし、あなたにもそれを勧めてはいない。私が言いたいのは、私たちはスマートウォッチを買わなくなるということだ。

スマートウォッチは時代と時代の中間に生まれたものだ。その一方で、伝統的な時計製品はツールとして、そしてちょっとした自己顕示の道具として、これからも私たちの生活に生き続ける。Apple Watchを含むスマートウォッチが10年後に生き残っているとは思えない。小さいデバイスがより小さく、よりスマートになる今の時代では、それは特に難しいだろう。

伝統的な時計製品の世が長らく続きますように。スマートウォッチよ、さようなら。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

デジタル時代に蘇る、電光掲示板風ディスプレイ

animated_dot_v0-3

2016年もそろそろ終わりだ。食料品や日用品、ペット関連グッズやゲーム関連でいろいろと新しいものが登場してきた。しかしまだまだ新しいモノを求める人が多い。新しく、クールなものはいつでも求められている。そんなニーズに応えようと登場してきたのが、新たなフリップディスク・ディスプレイだ。

製作したのはBreakfastNYで、空港にあったようなディスプレイシステムの現代版とイメージしてもらえば良いだろうか。表面に配置されたそれぞれのピクセルが、磁石を使ったコントローラーにより白黒(他の色の組み合わせも可)に変化してコンテンツを表示する。画面上にモノクロアニメを表示したり、サイネージ用途に利用することができる。

flip-discflip-dotf1panelkineticdisplayscreen

当然ながら、用途が限られる。しかしオフィスにあれば格好良いし、受付においておくインテリアとしても活用できそうだ。

「配置しているフリップディスクは非常に高速に動作します」と説明に書いてある。「17インチ×17インチのパネルに、784個のフリップディスクが搭載されています。このパネルを自在に組み合わせて、必要なサイズや形にして使うことができます。たとえば32個のモジュールを用意すれば、11フィート×5.5フィートの長方形のディスプレイとしても利用できますし、またすべてを一列にならべて17インチ×45フィートのディスプレイとしても利用できるのです。ディスクのみならずケースの方にもカラーバリエーションを用意しています」。

制御用のアプリケーションも用意されており、3Dカメラを使って外部のものをディスプレイに表示したり、それに合わせたテキスト効果を実現することもできる。よりカスタマイズした動きを実現したい場合には、APIも用意されている。価格はオーダーするモジュールの数によって異なるとのこと。現在はプレオーダーの受付中だ。

直接的かつ具体的に何かの利益を生み出すというものではない。しかし見る人にかなりのインパクトを残すことができるだろう。雇いたいと思う人と面談する際に、オフィスに来るやいなや、その人の名前をディスプレイに表示するようなことも面白い。あるいはVCとの打ち合わせの際に、メッセージを伝える仕組みとして利用すれば、彼らの心を動かすこともできるかもしれない(”Help! We need money!”)。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

著名なデザイン思想家Christian Villumが明日のインテリジェント・シティのデザインを語る

designbyer

今週のTechnotopiaは、Christian Villumと対話した。彼はDanish Design Center(デンマークデザインセンター)のデザイナーで思想家だ。彼の未来のビジョンは単純で、正しい教育と正しいツールがあれば、都市はデザイン思考で生まれ変わる。活動家で、ハッカーで、メイカーでもある彼は、学校と都市における3Dプリントの未来についても語った。

彼は文化的・アート的ハードウェアのデザインを目指すデンマークのデザイナー集団Science Frictionの創始者で、現在は主にDesign Centerですばらしいものを作り、いくつもの小グループを指導している。彼へのアクセスはここからできる。

彼の話のMP3はここでダウンロードできる。あるいはStitcheriTunesでもよい。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

古いおんぼろ車でも簡単に多機能なインターネット接続カーになるDashbot、安価なオープンハードウェアとして登場

56bb6606492354b482e938a39f64f40b_original

今とてもクールな車を持ってるのに、誰がスマートカーなんか必要とするの? Dashbotは49ドルの車載用アクセサリで、運転中にスマートフォンやAlexaでインターネットと対話できる。手が空くから、髪をポマードで塗り固めた悪党をやっつけたり、頭上でヘリコプターが爆発する前に罪なき人びとを救える*。この製品はBluetoothスピーカー+αで、αの部分にたくさんの機能がつまっている。Alexa専用デバイスと入れ替えれば、あなたのスマートフォンに手を触れずに容易に対話ができるようになる。〔*: 30年前の電脳カー、ナイトライダーのエピソード。〕

システムは車のライター(煙草用)とステレオのAuxジャックかBluetoothで接続する。スマートフォンを車に近づけるたびにインターネットに接続し、また、完全なコンピューターなのでワイヤレスのOBD-IIセンサーにアクセスして車のセンサーデータをリアルタイムで読む。

DashbotはコンピューターボードとしてC.H.I.P. Proを使っている。それは、Raspberry Pi的な、超小型シングルボードコンピューターだ。その上でLinuxが動き、すべてが完全にオープンソースなので自由なハッキングを楽しめる。

開発チームは曰く:

DashbotはC.H.I.P. Proを使っているから、ユーザーが新しい機能を教えることができる。使っているOSのGadget OSは、Linuxベースの高速ブート型オペレーティングシステムで、わが社の主軸製品だ。Next Thing Co.のそのほかの製品もすべてそうだが、Dashbotもオープンハードウェアであり、そのソフトウェアはオープンソースだ。そしてもちろん、DashbotはAPIを公開している。

 

実はDashbotのチームはC.H.I.P. Proをリリースしたチームと同じチームで、ハードウェアスタートアップのためのアクセラレータHAXの卒業生だ。Kickstarterの締め切りまでまだ20日あるが、すでに目標額を大きく超えている。古い車でもワンタッチでスマート(電脳)になるから、きっと楽しい製品だろう、とぼくは思う。

 

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ヘッドフォンを秘かにマイクロフォンに変えて、盗聴ができる(“実用化”はまだだ)

eavesdropping-danger

イスラエルのベングリオン大学のセキュリティ研究者たちが、ヘッドフォンをマイクロフォンに変えて会話を秘かに録音する方法を見つけた。その技術はまだ概念実証の段階だが“Speake(a)r”と呼ばれ、最初はPCにつないだヘッドフォンをマイクロフォンに変え、そのPC上で録音の音質を本物のマイクロフォンと比較した。その結果ヘッドフォンは、パッシブ(無電源)のマイクロフォンと同じぐらい上手に、室内の音を拾った。

それは、なかなか巧妙なハックだ。多くのデスクトップコンピューターでは、RealTekのオーディオコーデックを出力のところに使っているが、それを入力チャネルに変えてしまうのだ。すると、ヘッドフォーンを出力用らしいジャックにつなぐと、ハッカーが音を聴くことができる。“われわれの実験では、イヤフォンが数メートル先の音を明瞭に拾うことができた”、と研究者のMordecai Guriが書いている。“またチャネルのキャパシティは、かなり広い周波数帯域において1 Kbps弱だった”。

“今日のPCが内蔵しているサウンドカードの多くが、ある程度はこのような改造が可能である。つまりそれは、一つ以上の仕事ができる。カーネルにはジャックを改造できるためのインタフェイスが露呈しているが、誰もそれを使わないし、知る人すら少なかった”、とLinuxのサウンドエンジニアDavid Henningssonが書いている。Speak(a)rは、まさにそこをついたのだ。

これは、ドライバーの書き換えではない。内蔵チップでそんなハックはできないから、単純にイヤーバッドやヘッドフォンが会話を拾い始めることができるだけである。マイクロフォンを使えないコンピューターでも、RealTekのチップがあれば、それをユーザーが知らない間にハックできる。音質は、専用マイクロフォンとヘッドフォンを比べるとほとんど同じだ(下図)。

screen-shot-2016-11-23-at-11-15-31-am

“今のPCやラップトップのマザーボードには、オーディオコーデックが最初からあって、それに手を加えればオーディオジャックの機能を出力から入力へ(ソフトウェア内で)変えることができる”、とGuriは語る。“この研究論文では、この問題をサイバーセキュリティの面から考察している。われわれが提示したをソフトウェアSPEAKE(a)Rは、マイクロフォンのないPCでも、盗聴用デバイスに変えることができる。

でもまだ概念実証だから、あなたのヘッドフォンをあわてて壊す必要はない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Smart Garden 9は、室内でハーブや野菜を作れる自給式キッチンガーデン

335416b913772f1177a007839145a30d_original

本誌がClick & Growを最後に取材した時、この会社は室内ガーデニング用の大きな壁掛けガーデンを販売していた。 同社の新製品Smart Garden 9は、果物や野菜、ハーブ等を育てるための自給式栽培キットで、現在Kickstarterで129ドルから支援者を募集している。

しくみは実に簡単。タンクに水を入れ、土と肥料と種を入れた鉢を置いてスイッチを入れる。LEDが自動的に点灯するので、あとは植物が伸びてきたらライトを上にずらすだけ。入門レベルは全部がレタスだが、種のない鉢もあるので好きな植物を育てられる。

このキットで同時に7種類の植物を育てることが可能で、必要に応じて自動的に水が与えられる。

Click&Growのファウンダー、Mattial Leppはオーケストラ指揮者からITの世界に入った。エストニアで最初に作ったIT会社がTeliaに買収された後、長年の趣味だった植物栽培へと転身した。

「現在30万人以上のアクティブユーザーがいます」とLeppは言う。「いちばん数が多いのは当社の第2世代製品になるSmart Herb Gardenのユーザーですが、一般向けの大型ウォールファーム(壁掛け栽培)にもかなり引き合いがあります」。

「Smart Garden 9は、当社のユーザー調査から生まれました」とLeppは話す。「80%以上が、以前の製品より大きなガーデンが欲しいという意見でした。大型の9穴タイプは、前回のKickstarterプロジェクトで支援してくれた人たちの要望でした。そこでお客さんの欲しいものを作るべく、いくつか重要な改良を加えて新しいガーデン製品にしました。LEDライトには高級なものを使い、植物が光合成を行うのに最適なスペクトルを出すようにした上で、レンズの焦点を調整してLEDの光害を大幅に減らしました。」

同社はJaan TallinnとRuchi Sanghviらの投資家から410万ドルを調達している。さらに政府からもスマート栽培製品を作るための資金提供を受けた。Smart Garden 9は来年7月に出荷予定だが、初期バージョンを見たところ、Appleがちっちゃなトウガラシを大好きならこう作るだろう、という外観だった。私は承認。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

いろんなDIYプロジェクトを容易にIoT化するR.Pi IoTの接続性シールドファミリー

04c888b6b4d246306f48ec4de6a01b08_original

世界をグリーンな世界にしていくためには、いろんなものが必要だけど、いちばん重要なのはネットワークとそれへの接続だ。だから、R.Pi IoTのファミリー(製品群)はいかしてる。あの便利なTinyLabを作ったチームが、今度は、ハードウェア・マニアやメイカーたちが、自分のプロジェクトにワイヤレスの接続性を持たせるためのいろんなシールド(GPRS, GPS, XBee, LTEなど…上図)を、揃えたのだ。

Raspberry Piの世界ではアドオンカードのことをシールド(shield(s))と呼ぶけど、R.Pi IoTのIoT用シールドは、19ドルから、LTE/4Gの99ドルまでのお値段だ。これらすべてを扱える統一的なIDE(開発環境)と、共通のユーザーインタフェイスを提供しているから、どれかをRaspberry Piに接続したらすぐに、プログラミングを開始できる。たとえば19ドルのGPRSシールドは、Kindle的なシンプルな接続性を、あなたのプロジェクトに加える。

同社のファウンダーは、Todd LydigとTaha ArvasとCTOのSait Borlakだ。トルコでTinyLabを作ったあと、ニューヨークへ移って、このプロジェクトを始めた。

Arvasはこう説明する: “われわれが設計したRaspberry Pi用IoTシールド・ファミリーは、ほかのLTEシールドに比べて相当安いし、もっと重要なのは、すごく使いやすいことだ。コンピューターとのインタフェイスやサンプルアプリケーション、全プロジェクトのオープンソースコードを最初から提供しているから、まったくの無経験者でもIoTの世界へ入れる。だからとにかく、うちのシールドは超使いやすいと言える。箱から出したらすぐに接続性を実現できるように、ベストを尽くしたんだ”。

もちろん、若干の配線とかプログラミングとか要るけど、これでドローンの部品を作ったり、ロケットや、自転車の盗難防止装置なんか、簡単に作れそうだ。ぼくなら、宇宙からインターネットへ通信できるコーヒーメーカーを、作ってみたいね。そんな夢のようなことも、十分に可能だ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ビデオ中のモノと音の関係を自動的に把握するAIシステム

902d9921-2a12-4436-a2de-9d8950b893d7_1-e69384d6cc1a0a85503d32bf1b2dd7a2

Disney Researchの新研究についての情報が入ってきた。ビデオに登場するさまざまなオブジェクト(牛、車、小さな石など)と、そのオブジェクトが発する音(「モー」とか「ブルンブルンッ」など)を自動的に結びつけるというものだ。目的の音以外はノイズとして無視する。あるオブジェクトが発する特定の音のみを記録して、サウンドエフェクトとしても利用できるようになるわけだ。

このシステムの素晴らしいところは、ビデオを流せば自動でオブジェクト+音の結びつきを把握するところだ。茶色と白の大きなモノが、いつもうめくような音を出していたとしよう。AIがそれを認識して、茶色と白の一定の大きさのオブジェクトは同様な音を発するものであると認識するのだ。

「さまざまな音声入りのビデオから、オブジェクトと音のつながりを学習していくことができるのです」と、Disney Researchでリサーチアソシエイトを務めるJean-Charles Bazinが言っている。「ビデオカメラで映像と音を記録すれば、基本的にはそれらがすべて学習教材として利用できるようになるのです」。

大した技術ではないと思う人もいるかもしれない。しかし実は特定のオブジェクトと音を結びつけて把握するのは、それほど易しいことではないのだ。Disney Researchが開発したシステムではビープ音や動作音、あるいはクラクションのような音を、音を発したオブジェクトと自動的に結びつけて把握するのだ。

「ビデオ映像から流れてくる音を特定の物体と結びつけるのは、かなり難しいことなのです」とDisney ResearchのバイスプレジデントであるMarkus Grossも言っている。「特定の音にのみ注目する仕組みを作り出し、コンピュータービジョンを活用する応用分野に新たな可能性を開いたと言えます」。

「車を扱ったビデオがあり、そこにエンジン音も収められているとしましょう。同じ音がいつも聞こえてくるのなら、システムはその音が車と結びついたものであると判断します」とBazinは説明する。「ビデオには、いつも聞こえてくるわけではない音も収められているでしょう。あるビデオでは聞こえるものの、他では聞こえないような音があった場合、それはノイズであると判断して排除するような判断を行なっているのです」。

このプロジェクトはまだ始まったばかりのものであるとのこと。しかしたとえばビデオに登場するものに自動的にサウンドエフェクトを加えるような仕組みも、間もなく登場してくるのかもしれない。映画スタジオにおいても利用できるようになるかもしれないし、またピクチャーブックなどにも新しい可能性を与えられるかもしれない。Disney Researchの研究レポートはこちらから入手できる。

原文へ

(翻訳:Maeda, H

Microsoft、Visual Studio for Macを今月中旬にリリース

2016-11-14-visualstudioformac

クロスプラットフォームのコーディングのファンに朗報だ。Microsoft言うところの「.NETとC#のための真にモバイル・ファーストでありクラウド・ファーストであるデベロプメント・ツール」、Visual StudioがMacにやってくる。これは今月ニューヨークで開催されるConnect (); 2016カンファレンスで発表される予定だ。

この動きはMicrosoftのIDEがMacに移植される最新の例だ。Visual Studio for Macに先立ってMicrosoftのクロスプラットフォーム・エディタ、Visual Studio CodeがすでにOS X向けにリリースされている。

MicrosoftはWindowsでの覇権を捨て去ろうとしているのだろうか? 「クラウド・コンピューティング」がいわば「壁に書かれた文字」だ。この予言に従えば、クラウドこそが未来であり、Amazon AWSやMicrosoft Azureは急速にオンプレミスのサーバーを置き換えていくことになる。MicrosoftはDockerやHerokuのようなツールに負けており、プログラマーがWindows環境よりMacBookやVimを使うようになるのも時間の問題だろう。

Hacker Newsのユーザー、BoysenberryPiは、「MicrosoftはAzureその他のサービスで金を稼いでいる。 つまり、その売上は主としてデベロッパーから得ている。そうなるとデベロッパーのコミュニティーに好かれることが最大の関心となる。これがMicrosoftが長年のドル箱ツールを突然Mac/Linux向けにオープンソースし始めた理由だ」と書いている。

Visual Studio for MacはWindowsに極めて近い。またそこがセールスポイントだ。OS X上で作業するユーザーがWindowsとの間で簡単にプラットフォームを行き来できるようにする―プログラマーに対してプラットフォームを意識させないか、あるいはそうでなくてもWindowsをまた使ってみようという気にさせるのがポイントだろう。プレス・リリースによれば、

本質的にVisual Studio for MacはWindows版Visual StudioのmacOS版です。Visual Studioでの開発を楽しんだ経験があるがmacOSを使いたいというデベロッパーにまさにぴたりです。UXはVisual Studioをベースにしていますが、ルック&フィールはmacOSのネーティブアプリとなるようデザインされています。またVisual Studio for Windows同様、フル機能のIDEを必要としない場合は、機能豊富ながらもっと軽いスタンドアローンのコード・エディタ、Visual Studio Codeが用意されています。

Microsoftの開発プラットフォームについてはこちら。こちらにVisual Studio CodeとC#プログラミングについての情報がある。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+