Appleの新本社は4月にグランドオープン―名称はApple Park

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長らく建設中だったAppleの新本社の名称とオープニングの予定が決まった。新本社はApple Parkと呼ばれる。引っ越しは今年の4月だという。

1万2000人のApple社員が新本社で働くことになる。これほどの規模となると引っ越しも簡単ではない。すべてが完了するには半年程度かかるもようだ。4月にはグランド・オープニングのセレモニーが用意されているが、内装その他の作業はその後も夏過ぎまで続くという。

新本社にはオフィス区画に加えて1000席の規模の劇場も併設される。スティーブ・ジョブズの功績(特に新製品を紹介するときの天才的な巧みさ)を讃えて、この施設は『スティーブ・ジョブズ・シアター』と呼ばれる。

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Foster + Partnersがリーダーとなって建設されている新本社の外観はジョブズの当初のアイディアとほぼ同様だ。ジョブズは新本社のアイディアをクパチーノ市議会に2011年に説明した。ジョブズはその数ヶ月後に亡くなったので、Apple Parkの説明がジョブズ最後のプレゼンとなった。

Appleはビルの内部デザインについてはきわめて秘密主義だ。そのためFacebook本社のように広いオープンスペースがあるのか、もっと伝統的な多数の小さいオフィスに区画されているのかなどは一切不明だ。

26万平方メートルといわれる屋根はソーラーパネルで覆われており、これによりApple Parkでは100%再生可能エネルギーが用いられる。

ビルはAppleのデザインの審美性に沿ったもので、巨大なガラスパネル、ミニマリスト的で幾何学的な外観を備える。大量の木々が植え込まれ、フィットネス・センター、ビジター・センター、Appleストア、カフェなども併設されるはずだ。

私が注目しているのはベンチレーション・システムだ。ビルの環境は自然吸排気によって維持され、1年のうち9ヶ月はエアコンを作動させる必要がないという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SpaceX、Falcon 9ロケット第一段の垂直着陸に成功

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今日のSpaceXミッションはあらゆる点で成功だった。打ち上げに成功したDragonロケットは国際宇宙ステーションに向かっている。SpaceXは、Falcon 9ロケット第1段をケープカナベラルに着陸させることにも成功した。

天候は曇りだったが、SpaceXの打ち上げを妨げるほどではなかったようだ。東海岸時刻午前9時39分、Falcon 9はケネディー宇宙センター39A複合発射施設を飛び立った。

耳慣れない名前かもしれないが、アポロ11号ミッションはこの発射施設を使って1969年に初めて人間を月に送り込んだ。今回この発射施設を使うのは2011年にスペースシャトルを打ち上げて以来だ。

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発射から2分半経過後、Falcon 9ロケット第2段は第1段を切り離した。第1段は地球への帰路につき、一方第2段はDragon宇宙船を乗せて飛行を続けている。

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そして最初の打ち上げから8分後、第1段ロケットはケープカナベラルに無事着陸した。

一方その頃宇宙では、宇宙船Dragonがソーラーパネルを展開し、国際宇宙ステーションに近づくまで数日間地球軌道を飛び続けている。宇宙船は現在宇宙にいる飛行士たちのための補給品2500キログラムを載せている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

次期iPhoneは大画面と大容量バッテリー搭載か

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iPhone 8は9月まで発表されることはないが、先週は来たるべきこのデバイスの噂でもちきりだった。そしてショウの主役はおそらくディスプレイだ。

噂によるとAppleは新しい端末を3種類発表する。iPhone 7とiPhone 7 Plusそれぞれの新バージョンと新しいハイエンド機で、これは1000ドルを超えるかもしれない。ディスプレイにまつわる噂は謎に包まれたこの”iPhone Pro” モデルについてらしい。

KGI Securitiesのアナリスト、Ming-Chi Kuo(いつもかなり信頼できる人物)によると、次期iPhoneには5.8インチ OLEDディスプレイが搭載されるが本体は今のiPhone 7とほぼ同じサイズになるだろうという。Appleはそのために画面周辺のベゼルをなくし表面を巨大なスクリーンだけにする。MacRumorsによるとこんな感じになる。

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この図でわかるようにAppleは下部にバーチャルボタンを置くスペースを残している。iPhone版Touch Barのようなものかもしれない。バーチャル〈ホームボタン〉のほかに、その時使っているアプリに関連するボタンが出てくるかもしれない。ミュージックアプリなら再生ボタン、メッセージアプリなら写真を選ぶボタンを想像してほしい。

TouchIDはどうなるのか? AppleInsiderは、Appleが指紋センサーをスクリーンに埋め込む特許を取得したことを確認した。Appleは多くのAndroid機のように端末の背面に指紋センサーを置くことはないと私は思っている。

もう一つ注目すべきは、画面が従来よりタテに長くなることだ。そうすることでAppleは幅の狭い端末を作り他の大型スマートフォンよりも持ちやすくすることができる。

画面は16:9ではなくなる。つまりYouTubeのビデオをフルスクリーンで見ると、左右に黒い帯が見えることになる。21:9のビデオなら黒い帯は左右わずか49ピクセルずつになる。

もうひとつ、5.15インチのメイン表示部分が5.8インチのOLEDそのものより少し幅が狭いのがおわかりだろうか。これが何を意味するのか私にはよくわからない。おそらくOLEDディスプレイの両サイドがSamsung Galaxy S7 Edgeのようにカーブしているのだろう(曲面部分にテキストは表示したくない)。

このディプレイには大量のピクセルが詰め込まれることになる。ピクセル密度528 PPIは現在のiPhone 7やiPhone 7 Plus(それぞれ326 ppiと401 ppi)よりも高画質だ。

iPhone 7 Plusと同じく、Appleは様々なレベルの「ズーム」と3x レンダリングを標準設定として採用するかもしれない。iPhone 7 Plusはどの画像もまず2208 x 1242ピクセルでレンダリングしてから、1920 x 1080にスケールダウンしている。メイン画面エリアの幅が1242ピクセルなら、大いに理にかなっている。

要するにこの噂のiPhoneはiPhone Plusと同じだけのコンテンツを表示して、かつ画面の高さがある分だけ何行か多くテキストを表示できる。ただしすべてが少し小さくなるので、Appleは2倍表示機能を用意してリアルタイムでスケールダウンすると思われる。

しかし小さい本体に大きい画面を載せるとバッテリーの持ちが悪くなるのが普通だ。KGIのMing-Chi KuoによるとAppleは同じケースにもっと大きなバッテリー を積む方法を見つけたらしい。Appleはメイン基板をスタック式にしてトランジスタを積み重ねる方式を採用するかもしれない。9to5macの画像がこれだ。

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メイン基板が小さくなればバッテリーのスペースが増える。そして、次期iPhoneはワイヤレス充電を採用するかもしれない。そうなれば一日中もっと簡単に充電できるようになるはずだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Operaがデスクトップブラウザをリデザイン中

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Operaがデスクトップブラウザの新しいビルドを開発者向けにリリースした。そして、新プロジェクトReborn(再誕生)を発表した同社にとって、これは興味深いビルドだ。このプロジェクトは全てのプラットホーム上でユーザーインターフェイスを完全にリデザインしようとするものだ。

私はこれまで数年の間、Operaをメインのブラウザとして使用してきた。ちょうど今新しいバージョンを試みたばかりだが、何よりもまずビジュアルのアップデートであるように見える。見かけは異なっているものの、中で実行される機能は同じものだ。

ボタンやタブには、新しいデザインが採用されている。それらはすべてのプラットフォーム上で同様の見え方になる。私がこの変更を気にいるかどうかはわからない、何故ならこれらの新しいタブは、macOSの上でさえWindows10のものの様に見えるからだ。ネイティブ感はない。

スピードダイアルは、目立つ影と微妙なアニメーションでリデザインされている。これは良くなった点だ。また、スピードダイアル用の新しいディフォルトの壁紙もいくつか用意されている。

あなたが私と同様にmacOS上で暗いテーマを使っている場合には、ユーザーインターフェイスのための新しい暗いテーマがあることを知って嬉しくなるだろう。それによって全てのボタンとアドレスバーが黒と濃い灰色となる。

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そして、最も興味深い変更はサイドバーだ。どういうわけか、Operaはサイドバーが好きだ。常にすべてのOperaのバージョンに、ある種のサイドバーがあった。今回は、Opera自身の実験的ブラウザであるOpera Neonから機能を借用している。

サイドバーをアクティブにして、それを常時表示しておくことができる。ブックマーク、履歴、スピードダイアルなどの通常のショートカットがそこにはあるが、簡易バージョンのMessenger.comを開くこともできる。

これは一例に過ぎず、更に多くの拡張機能があると思うが、このやり方は、ちょっとだけメッセージをチェックしたり、書き込んだりしてすぐにブラウジングに戻るためのエレガントな方法だ。長いメッセージを書く必要がある場合は、ブラウザとの間でスクリーンを分割する形でMessengerパネルを開くことができる。

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現在のOperaにもサイドバー拡張機能は入っているが、それが多くの人に使われているかどうかを私は知らない。このデザインにより、サイドバーはより目立ち役立つようになるだろう。

Operaは新機能をまず、開発者向けストリームにリリースする。このことが意味するのは、まだ不安定でベータ状態のままだということだ。しかし数ヶ月のうちに、そうした変更は一般向けOperaとして姿を表す。よってあと数ヶ月で完全なリデザインを見ることができるようになるだろう。

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(翻訳:Sako)

Appleのオリジナル番組は「マネーの虎」プラス「エスカレーターピッチ」―ジェシカ・アルバも審査員

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AppleはついにオリジナルTV番組のベールを外した。公開されたのはAppleとして初めてのリアリティー・ショー形式の帯番組の予告編だ。Planet of the Apps〔Appの惑星〕と名付けられたこの番組は、RecodeのCode Mediaカンファレンスで予告編が公開された。予告編から判断すると番組は起業家がベンチャーキャピタリスに事業計画を売り込むShark Tank〔アメリカ版「マネーの虎」〕のフォーマットのようだ。

ジェシカ・アルバ、グィネス・パルトロー、Will.i.am、ゲイリー・ヴェイナーチャックという4人のセレブが審査員を務める。売り込みの勝者に投資する大役を担うベンチャーキャピタルはLightspeed Ventureだ。

また予告編ではYelpやUberが起業家チームにアドバイスしていた。勝者が作成したアプリはApp Storeのホームページで大きく取り上げられる。

番組はApple Musicで公開される。Appleは全番組を一度に公開するのではなく、毎週1エピソードずつ公開する予定だ。

しかし予告編でいちばん面白かったのはエスカレーターピッチ(ママ)というセクションだ。起業家チームは開発しようとするアプリの内容を審査員に売り込むために60秒が与えられる。ご存知のように現実の世界ではこうした売り込みはエレベーターピッチと呼ばれる。エレベーターに乗り合わせたくらいの短時間で事業を売り込むからだ。

製作のPropagateというプロダクションはセットに文字通りエレベーターを作り込もうとしたのだろうが、テレビ番組のセットとするにはエレベーターには無理があった。そこで起業家はエレベーターの代りにエスカレーターに乗せられることになったようだ。エスカレーターピッチというのが現実にも流行るかもしれない。

エスカレーターはともかくとして、予告編を見るかぎりたいへん面白そうな番組だ。放映されるのが待ちきれない!

〔日本版〕「マネーの虎」のフォーマットは番組終了後もDrogon’s Denとして各国に輸出された。アメリカ版のShark Tankは好評でリアリティー番組部門でエミー賞を受賞した。ジェシカ・アルバはHonest CompanyのファウンダーとしてTechCrunchにも度々登場している。ビデオの45秒付近で起業家がエスカレータを模した通路を下りながら事業内容を説明するところが映る。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

次世代iPhoneはワイヤレス充電の可能性―AppleはWPCに加入

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Appleはすでに WPC〔ワイヤレスパワーコンソーシアム〕のメンバーだ。このことは9to5macが発見した。 コンソーシアムのウェブサイトは最近アップデートされ、213社のメンバーにAppleが加わっていた。そのため次世代iPhoneはワイヤレス充電機能を備えるのではないかという推測が加熱している。

ワイヤレス充電そのものは新しいテクノロジーではないが、Appleは採用にきわめて慎重だった。Apple Watchにはすでに採用されているが、iPhoneにはこれまでワイヤレス充電機能は装備されていなかった。

実用化当初、ワイヤレス充電は充電速度が遅かったりバッテリーが過熱したりする問題があった。場合によっては長期の使用でバッテリー自体を損傷する可能性もあった。こうした技術上の困難に加えて規格の標準化という問題もあった。しかしワイヤレス充電のテクノロジーと規格策定は十分に進歩したため、Appleも対応する運びとなるようだ。

台湾のKGI Securitiesの信頼性の高いAppleアナリスト、Ming-Chi Kuo〔郭明錤〕はこれに先立って「次世代iPhoneはLightningポートに加えてワイヤレス充電システムを備える」と予言していた。

昨年9月の段階でもAppleは iPhoneに3種類ものモデルを発表することができた。今年の秋には、(実際のモデル名がどうなるかまだ分からないが) iPhone 8とiPhone 8 Plusに加えてハイエンドのいわば「プロ」モデルが加わるはずだ。

ワイヤレス充電機能を備えるのが3モデル全てになるのか最上位モデルだけになるかは今のところ不明だ。同様に、ワイヤレス充電器が付属するのか、Lightningポートがどうなるのかについても確かな情報はない。

WPCにはSamsung、LG、Huawei、HTC、Qualcommを始め多数の会社が参加している。そのためAppleが加盟したというニュース自体は次世代iPhoneの仕様を明らかにする上でそれほど大きな意味を持たない。とはいえ、現在渦巻いている噂にいわば油を注ぐ効果はある。火のないところに煙は立たないというが、大量の煙が渦巻いていることは確かだ。

さてAppleはLightningポートをどうするだろう? もしAppleが「ユーザーはLightning接続なしでも困らない」と判断するなら、ワイヤレス充電を実装するのをチャンスにiPhoneに残された最後のポートを廃止するかもしれない。

アップデート: AppleはWPCに参加したことを確認する声明を発表した。〔声明全文は原文に掲載〕

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Node.jsインフラストラクチャの監視ツールKeymetricsが200万ドルを調達

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フランスのスタートアップKeymetricsは、Node.jsのインフラストラクチャのための最高の監視ツールを構築するために、Alven CapitalRuna Capitalから200万ドルを調達した。同スタートアップの創業者兼CEOのAlexandre Strzelewiczは、人気の高いオープンソースのNode.jsプロセスマネージャPM2を作成した人物だ。

どうすれば人気のあるオープンソースプロジェクトを、成功するスタートアップへと転換できるだろうか?この問には沢山の異なる回答があり得る。最初から正しい答を探すことは難しく、Keymetricsにとってもそれは例外ではなかった。

数年前のこと、当時上海に住んでいたStrzelewiczがPM2を開発したときには、彼はただ既存のソリューションに欠けている、Node.jsのためのより良いプロセスマネージャーを作ろうとしていただけだった。彼は、そのオープンソースリリースがHacker Newsで取り上げられて、Googleや、ブラジルや日本に住む人たちからの貢献を引きつけることになるとは予想していなかったのだ。

PM2を使えば、Node.jsサービスがいつでも運用されているようにすることができる、何故ならPM2はアプリのクラッシュを検知してそれを再起動することができるからだ。PM2はまたアプリケーションのリプリケーションを行い、大きなトラフィックピークがやってきたときには、これらのアプリケーションの間でクエリーのバランスをとる働きをする。

もし開発者でなければ、上で述べたことは少々複雑に聞こえるかもしれないが、既に何千人ものNode.js開発者がGithub上のリポジトリをフォローして、合計でPM2は2000万回以上もダウンロードされている。Node.js自身も、最近はますます人気を得るようになって来ている。Keymetricsは、PM2のダウンロードをリアルタイムに視覚化する綺麗なマップもローンチした。この記事のトップに埋め込まれたGIFのライブバージョンだ。

こうしてStrzelewiczは何かを掘り当てたことに気が付き、Keymetricsを開発した。もしインフラのためにPM2を利用しているいるのなら、Keymetricsは完璧な補完サービスだ。複数のサーバーに跨るアプリを、リアルタイムダッシュボードを使って、モニタし管理を行うことができる。ダッシュボード自身、セットアップの手間はほとんどかからない。

アプリケーション・デモ

「Keymetricsは、1つまたは複数のPM2インスタンスに直接接続するSaaS(サービスとしてのソフトウェア)ダッシュボードです」とStrzelewiczは私に語った。「PM2管理下のアプリケーションの、パフォーマンスメトリクスを収集することを可能にします。そして、アプリケーションがクラッシュしたり、コンピューター資源が枯渇したりした場合に通知が行われます」。

2015年の初め、KeymetricsはTechstars NYCに出展し、首尾は上々かと思われた。しかし、欠けている機能が1つあった。同社はまだ支払いオプションを提供していなかったのだ。このため、TechstarsのあとKeymetricsは資金を調達できず、Strzelewiczは全員を解雇せざるを得なかった。

ゆっくりと、しかし着実に、Strzelewiczはゼロから会社を再建した。彼はまず、支払いオプションを実装し、最初のクライアントを獲得した。パリの公式ウェブサイトだ。

既に、NewRelic、Appdynamics、そしてとDynatraceのような、多くのアプリケーションパフォーマンス管理ソリューションが存在している。しかし既にPM2を実行している場合には、Keymetricsは間違いなく最良の選択肢だ。

Keymetricsは毎秒メトリクスを追跡するので、まるでリアルタイムダッシュボードのように感じられる。そして、アラートを即時に受け取ることができる。そして、現在のコードベースとインフラストラクチャに関する、レポートと洞察を取り出すことができる。

これまでのところ、Keymetricsはおよそ100顧客を抱えているが、今回の資金調達を使って次のレベルへ進むことを計画している。顧客は平均で月額約90ドルを支払う。

資金調達の発表に目を眩まされるのは簡単だ。そしてもちろん、ハイテクジャーナリストも「資金調達チアリーディング問題」の一部である。しかし、騙されないで欲しい。

スタートアップを始めることは、信じられない位困難なことだ。何ヶ月も1人で、それが報われることを願いながら、働き続けなければならないこともある。この苦労は一夜の成功のようにセクシーではない。しかし、一夜の成功など神話に過ぎない。

ハイテク起業家が早期に苦労すると、次に来るものに素早く対応できるようになる傾向がある。Keymetricsもこのパターンに従っているかどうかを見守ろう。

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(翻訳:Sako)

100万円超の借入が5分で完了ーN26の新サービス

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N26はヨーロッパで1番の先進的な銀行になるべく、最近ものすごいペースでプロダクトの改良を行っており、新機能も多数追加されたほか、サービスを提供している地域も段々と広がってきている。そして新機能はいつも同じ「今あなたが使ってる銀行はダメだ。全てもっとシンプルにできるはず」というスローガンと共に導入される。そんなN26が小口融資の新機能を発表した。

数週間前にこの新機能のデモを見たときはなかなか感動した。ドイツに住んでいる人はアプリ上で融資申請をすることができ、アプリが基本的な質問をユーザーに投げかけながら、順番にフォームを埋めていくような仕組みになっている。

借りたい額や配偶者の有無、家を所有しているかといった質問に答えていき、クレジットチェックが終わると、年利と実際の返済額が表示される。さらにローンの返済期間もカスタマイズ可能だ。

例えば1万ユーロ(約120万円)借りたい場合、N26のアプリ上でクレジットチェックを終えると利率(例えば年利4.59%)と返済額(1万475ユーロ)が表示される。とても分かりやすく、N26はユーザーから何も隠そうとはしていない。そしてユーザーが表示された条件を受け入れると、特別な書類の提出も無しに約1時間後には、N26のアカウントに申請した金額が入金される。

現在のところ、この機能はドイツ国内でのみ利用可能で、借入額の範囲は1000〜2万5000ユーロ、利率が年利で2.99〜8.00%、返済期間は最大5年間となっている。このサービスの裏側では、N26自体が貸出を行っているローンもあれば、サードパーティーの金融機関がN26経由で貸し出しているものもある。

これこそがN26の強みで、同社は複雑なインフラをまとめつつ、消費者に対しては極めてシンプルな機能を提供しているのだ。N26のユーザーにとっては、返済金額さえ把握できれば、お金がどこから来ようが関係ない。

ドイツ以外の状況はどうだろうか?もしもN26の動向を追っている人であれば、同社がEU全体で有効なフルバンキングライセンスを取得したと知っているかもしれない。N26の共同ファウンダー兼CEO Valentin Stalfは、TechCrunch Disruptにて今後ヨーロッパの17ヶ国に進出すると話していた。そしてその17ヶ国に住む人たちは、既にN26で口座を開設できるようになっている。

しかしまだこれは序章に過ぎない。N26は将来有望な市場に注目し、既存のプロダクトを凌駕できるようなものをつくろうとしている。最初のターゲットはフランスだ。現在のところフランス国内のユーザー数は3万人しかいないが、1日あたり1000人のペースで増えている。さらにStalfは、フランスの商業銀行はヨーロッパの中でも最も利用料が高く設定されていると話す。

今の勢いが続けば、すぐにフランスのユーザーは何十万人という数になるだろう。そのためN26は、ベルリンのオフィスで主要諸国の国別担当マネージャーを採用中だ。フランスは、Jérémie Rosselliが担当することになっている。さらにN26はフランスの地元フィンテック企業と協力し、現在ドイツのユーザーが利用中の機能全てを、フランスでも使えるようにしようとしている。

ヨーロッパ中で金融商品を展開するというのは、単にスイッチをONにするよりも少し複雑な話だが、投資や貸出、当座貸越といった機能がそのうちフランスでも利用できるようになるだろう。そしてスペインやイタリアなど、他の国もその後に続くことになる。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

FacebookのF8デベロッパー・カンファレンス、オンライン受付開始―現地時間4月18-19日開催

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われわれはデベロッパー・カンファレンスが大好きだ。さきほどFacebookが恒例のF8カンファレンスの(いわば)ドアを開いたところだ。今年のf8は4月18-19日〔日本時間で19-20日〕だ。参加は抽選となり、2月21日以前に応募しなければならない。当選した場合チケットは595ドルで購入できる。

Facebookは今年からF8のフォーマットを多少変えたことを発表している。2017年のF8は初めてサンフランシスコではなくサンノゼで開催される。サンフランシスコにはもはやF8を開催できるような大きな会場がなかったらしい。

例年どおりF8のキーノートでは真新しいプロダクトや機能がお披露目されるはずだ。これに加えてFacebookは50以上のデベロッパー・セッションのプログラムを発表している。読者のチームがFacebookのAPIやツールを利用しているなら、情報をアップデートするよいチャンスだ。

そしてもちろん参加するデベロッパーはFacebookのエンジニアと直かに話ができる。興味ある問題に関して直接フィードバックが得られるし、APIやプロダクトに関して質問もできる。残念ながら抽選にもれた場合でもライブのビデオストリーミングが予定されている。

〔日本版〕F8の会場はサンノゼ中心部のMCENERY CONVENTION CENTER。公式ウェブサイトでREGISTER TO ATTENDをクリックすると応募フォームが表示される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Appleの学生・教育者向けアプリケーション・バンドルはFinal CutとLogic込みで199ドル

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Macのユーザーなら誰でもGarageBandやiMovieを無料で使えるが、プロ用のアプリケーションはちょっとお高い。とくに学生には。そこでAppleは、プロ用アプリケーション5本をまとめたアプリケーション・バンドルを199ドルでリリースした。対象は、学生と教育関係者のみだ。

その5つの中には、Appleのいちばん重要なプロ用アプリケーションFinal Cut Pro XとLogic Pro Xが含まれている。この2つがあれば、ムービーとオーディオの編集なら何でもできる。そしてMotion 5とCompressor 4とMainStage 3も、このバンドルに含まれる。

Final CutとLogicはそれぞれ299ドルと199ドルだから、どちらか一つだけ買いたい人も、学生や教師ならこのバンドルを買うべきだ。App Storeのコードをもらうと、買う資格が得られる。大学の学生・教師職だけでなく、小中高専修校などでもよい。

もちろん若い人がそうやってAppleのソフトウェアを使い慣れて、Macを買ってくれることはAppleにとって良いことだ。Adobeは今やほとんどのアプリケーションを会費制で売っているが、これも、いきなり何百ドルも払わなくて済む良い方法だ。そしてAppleの対抗策が、このバンドル方式だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ロボットが自動で資産管理 ― フランスのYomoniが540万ドルを調達

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フランスのスタートアップ、Yomoniロボアドバイザーを開発する有望なスタートアップだ。貯蓄の一部を預けると、あとはロボットが自動的に株式や債券を売買してあなたのポートフォリオを管理してくれる。Yomoniは現地時間1日、既存投資家のCrédit Mutuel ArkéaとIéna Ventureから540万ドルを調達したと発表した。

同時に、Yomoniのマネジメントチームは自社株を買い戻して保有比率を引き上げている。

ロボアドバイザーという言葉に馴染みがないのであれば、Yomoniのことをフランス版のWealthfrontやBettermentと考えれば分かりやすいかもしれない。これらの米国企業は成長しつつあるが、フランスではロボアドバイザーは比較的新しい概念だ。

Yomoniは今回調達した資金を利用して人員の強化を図るとともに、サービスに新機能を追加する予定だ。その例としてYomoniが挙げたのは、子どもの将来のために資産を築いておきたい親に向けた新しいプロダクトだ。また、モバイルアプリの開発についても言及があった。

Yomoniを利用して資産運用を始める場合、自分が安全志向の投資をしたいのか、または逆にリスキーな投資をしたいのかを選ぶことができる。この選択によってポートフォリオの運用成果が変わることになる ― そしてもちろん、損失を出す可能性もある。しかし、これまでのところYomoniのポートフォリオは良い成績をあげている。2016年、Yomoniが管理するポートフォリオの資産価値は2.3〜7.1%上昇しているのだ。

Yomoniは今後、手数料によるマネタイズ方法を採用する予定だ ― 手数料率は、年間1.6%程度になるとのこと。先ほど述べたパフォーマンスは手数料を差し引いた後の成績だ。

Yomoniはこれまでに2000人のユーザーを獲得している。管理するポートフォリオの総額は1290万ドルだ(ユーザー1人あたり約6500ドル)。しかし、このトレンドは加速しており、Yomoniは2020年までに運用額を10億8000万ドルまでに引き上げたいとしている。同社はこの目標達成のためにヨーロッパ各国へビジネスを拡大することも考えているようだ。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Apple、明日の四半期決算は成長再加速との予測―iPhone 7は7800万台以上の見込み

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Appleは明日(米国時間1/31)、クリスマス商戦を含む四半期の決算を発表する。再びiPhoneに注目が集まっている。今やAppleの売上の大半はiPhoneから来ている。iPhoneの売上の変動は巨大な意味を持つことになる。

Appleのこれまで四半期決算を観察すれば、過去1年は波乱の年度だったことがわかる。簡単にまとめると、売上は3四半期連続でダウンした。アナリストはAppleの快進撃もついに終わったかと懸念を抱いた。Appleはすでに下り坂なのか?

どうやら、今期はAppleにとって久々の成長再開となるようだ。アナリストの予測では、売上は774億ドルで、昨年同期の758億ドルから2.1%のアップとなりそうだ。 この数字はAppleの前回のガイドラインの予測と一致する。Appleは今期の売上を760億ドルから780億ドル程度と予測していた。

この四半期のiPhoneの売上は7800万台をやや上回るだろう(前年同期は7500万台)。これほど大きな数字となると直感的にとらえるのが難しい。アナリストによれば、Appleは1分ごとに590台のiPhoneを販売した計算だという。私としてはAppleがそんなスピードでiPhoneを製造できたことに驚いている。

まずこういったところが現在判明している全体像だ。細かい数字は実際の発表に待つとして、興味ある点がいくつかある。MacBook Proは大幅にアップデートされた。出荷が始まったのは四半期の半ばだったが、今期のMacのセールスに大きな影響を与えたことは確かだ。Appleはかなり長いあいだノートパソコンの分野を放置してきたため、今回の新モデルはは大きな反響があった。

Apple Watchもアップデートされた。AppleはこれまでApple Watchの販売台数を発表していない。12月にティム・クックは「Apple Watchのセールスは順調だ」と述べた。IDC調べのウェアラブル全般の売れ行きに関する数字はそれほど楽観を許さないものとなっている。これまでのところApple WatchはiPhoneをメインとする企業というAppleの性格を根本的に変えるような成功を収めていない。

最後に、Appleは自社をハードウェア製造者であると同時にサービスの提供者と位置づけている。そこで今期Appleのサービスはどうであったか知りたい。任天堂のSuper Mario Run始め数多くのiPhone向けの新しいアプリが発表されているので売上は増加したはずだ。問題はこの増加がApple全体にとって意味があるほどの大きさだったかどうかだ。これについてはまだ情報がない。

私としてはAppleの電話記者会見が待ちきれない。質問したい事項が山のようにある。ティム・クックはその全部に答えることはないだろうが、Appleについてかなりのヒントが得られるはずだ。特に私が知りたい情報はAppleの自動車に関する取り組みと中国での売れ行きだ。また Qualcommに対する10億ドルの訴訟や、(もちろん)トランプ大統領についても尋ねたい。

画像:Kris Yeager/Shutterstock (IMAGE HAS BEEN MODIFIED)

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AppleがAmazon、Facebook、Google、IBM、Microsoftに次いでAI先導団体に加入

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Bloombergの記事によると、Partnership on AI to Benefit People and Society(人間と社会の利益のためのAIに関するパートナーシップ)(なんという名前だ!)が今日(米国時間1/27)、Appleが他のテクノロジー企業と共に、このAI先導団体の創立メンバーとして参加する、と発表した。同団体のメンバー企業は、同団体としての研究プロジェクトや、AIのベストプラクティスの探究などに取り組む。

Partnership on AIが公式にスタートしたのは昨年の9月だった。その時点での創立メンバーは、Amazon, Facebook, Google, IBM, Microsoftの5社で、Apple, Twitter, Intel, およびBaiduは参加しなかった。

でもAppleは最初からの熱心な賛同者で、だから今日のニュースはむしろ、同社の関わりを公式化するものにすぎない。Siriの協同ファウンダーでCTOのTom Gruberが、Appleを代表する。メンバーの全容は、同パートナーシップのWebサイトでみられる。

そのリストを見てお分かりのように、メンバーには6社の企業代表のほかに、これまでAIに大きく貢献してきた個人も含まれる。それらは、Dario Amodei(OpenAI), Subbarao Kambhampati(Association for the Advancement of Artificial Intelligence & ASU), Deirdre Mulligan(UC Berkeley), Carol Rose(American Civil Liberties Union), Eric Sears(MacArthur Foundation), そしてJason Furman(Peterson Institute of International Economics)の計6名だ。

Partnership on AIの事業計画はまだ発表されていないが、AIに関する同団体名の研究論文は刊行されるだろう。また企業メンバーは、倫理や非差別、プライバシーなどについても書くだろう。第一回の全体会議は2月3日に行われる。

AIすなわち人工知能はすばらしいが、それが誰にとっても利益であるためには、何らかの倫理的な監視監督が必要だ。それにPartnership on AIは、テクノロジー企業が責任ある行動をしていることを示す、強力なロビー活動ができるだろう。それは信頼をかちとるための、良い方法だ。

またAppleとしては、今後優秀なAI技術者に来てもらうためにも、この機会を逃(のが)せない。今Appleは、AIのテーブルに空席が一つあることを公示している。同社の技術者たちも、研究論文を、対外的に公開している。AIの人材は獲得競争がますます激しいので、こういったいろんなやり方がますます意味を持つ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

フリーランス市場から読み取れるApple開発者のSwiftへの移行

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Appleのプログラミング言語Swiftが提供され始めてからしばらく経っているが、iOSとmacOSの開発者はまだObjective-Cを利用してアプリケーションを開発することができる。だが、このたび発表されたUpworkからの新しい報告によれば、ハイテク企業はSwiftで開発することのできる開発者をますます求めるようになっている。

Upworkは米国最大のフリーランサー市場である。このため同社はフリーランサー市場のトレンドを知り得る立場にあるのだ。同社の最新報告は、2016年第4四半期における急成長スキルを、2015年第4四半期のものと比べたものだ。

興味深いことに、最初の5つのスキルはいずれもテクニカルスキルだ。第1位は自然言語処理技術で、その後に、Swift、Tableau、Amazonのマーケットプレイスへの製品登録を自動化するAmazon Marketplace Web Services、そしてStripeインテグレーションが続く。

Appleが最初にSwiftを発表したのは、2014年6月のWWDCイベントだった。これは、Objective-Cを置き換えることを想定したモダンなプログラミング言語として紹介された。しかしこの手のことには時間がかかるものなので、Appleは移行がなるべく円滑に進むように努力を重ねてきた。

SwiftとObjective-Cのコードは、iOS、macOS、tvOS、そしてwatchOS上のアプリケーションの中で同時に利用することができる。言語自身は大きく進化し、2015年12月にはオープンソースになった。

それ以来、Swiftは更に成熟し、汎用度を増している。サーバーサイド開発にSwiftの利用を考える開発者も存在しているほどだ。

そして今回発表されたUpworkの報告は、多くの企業がiOSの主要プログラミング言語をObjective-CからSwiftへと切り替えているはっきりとした証拠だ。なにしろObjective-Cが最初にリリースされたのは1980年代である。おそらくより新しいプログラミング言語に切り替えるべきタイミングなのだ。

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(翻訳:Sako)

経費精算をシンプルに ー Spendeskが220万ドルを調達

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フランス発のスタートアップSpendeskは、設立から数ヶ月しか経っていないが、既にエンジン全開だ。25日(水)にクローズしたラウンドで220万ドル(200万ユーロ)の資金を調達し、リブランドを経た同社は、近々モバイルアプリのローンチと利用者全員へのコーポレートカードの発行を予定している。

もともとeFoundersの支援を受けていたSpendeskだが、ついに彼らの援助なしに独立してビジネスを展開する準備が整った。なお今回のラウンドには、Kima Ventures、Funders Club、エンジェル投資家のEdward Lando、Nicolas Steegmann、Frédéric Montagnonが参加していた。

さらに驚くべきことに、Spendeskのプロダクトを数ヶ月間利用した顧客企業のいくつかが同社への投資を決め、Birchbox、AB Tasty、La Belle Assiette、Tinycluesのファウンダーもラウンドに参加した。

Spendeskのゴールは極めてシンプルだ。前提として、フランスでは経費処理にとても手間がかかる。まず購入したもの全てに対して、ひとつひとつの商品が明記されたレシートが必要になる。2杯のコーヒーに3ユーロ使ったとしても、レシートの写真を撮らなければいけない。そのためほとんどの人は少額の費用は経費申請していない。

さらにフランスではコーポレートカードがアメリカほど普及していない。アメリカ企業であれば、取引銀行がほとんどの従業員に対してコーポレートカードを発行しているので、彼らは飛行機のチケットなどを購入する際に自分のお金を使わなくて済む。しかしフランスでは、一旦従業員が自分のクレジットカードで支払を行って、1、2ヶ月後に払い戻しを受けるという習慣が根付いているのだ。

また、経費処理は経理担当者や経理部の大きな悩みの種だ。彼らは大量のフォームを手書きで埋めて、いつもレシートを提出するよう依頼しなければならず、かなりの時間を無駄にしている。

Spendeskは上記のような問題を、包括的なエンタープライズ向け経費管理システムで解決しようとしている。システムのカバー範囲は、私が初めてSpendeskを取材したときから変わっていないが、個々の機能は以前に比べて進化した。

顧客はアカウントの作成後、Spendeskの口座に希望額を送金でき、そのお金はThe Bancorpが管理する口座内に安全に保管される。そして顧客はその口座から、各従業員にお金を振り分けることができるのだ。例えばある従業員は月1000ドルまで、別の従業員は月1万ドルまでといった具合だ。

すると従業員は、自分のクレジットカードを使わずに必要なものを購入できるようになる。オンラインで何か購入するときは、バーチャルMasterCardを使えばいいし、実店舗で何か購入するときはプラスチックのクレジットカードを使えばいい。

もしもチーム全員の航空券を購入しなければならないようなとき(自分の限度額を超える支払を行わなければならないとき)は、システム上で上司に決裁をお願いすれば通知が飛び、上司は内容を確認した後にSpendesk上で承認することができる。

既に一部の顧客はプラスチックのカードを使用しているが、今後Spendeskは利用者全員からのカード申請を受け付けるようになる。文字通り従業員全員分のコーポレートカードを発行することもできるのだ。

「これまで私たちはオンライン上での決済にフォーカスしてきましたが、そちらはとても上手くいっています」とSpendeskのファウンダー兼CEOのRodolphe Ardantは話す。「しかし交通費の精算で困っている人がまだいます」

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モバイルアプリは近日中に公開予定で、レシートの管理にきっと役立つだろう。カードで支払を行うたびにユーザーは即座に通知を受け取り、その通知をスワイプしてレシートの写真をとれば、全て完了だ。そして全てのレシートのデータは、経理部がアクセスできるデータベース上にまとめられる。

従来のクレジットカードと現代的なウェブ・モバイルインターフェースを組み合わせることで、Spendeskはリアルタイムで経費情報をトラックできるサービスを生み出した。現在同社は毎週3000件ほどの決済を処理しており、フランス、ドイツ、イギリス、スペインに拠点を置く数百社がSpendeskを利用している。DeezerやWebedia、Hostmaker、DrivyもSpendeskのユーザーだ。

本日調達した資金のおかげで、Spendeskは他のヨーロッパ諸国へ進出する際に、(これまでとは違う規制やポリシーを持つ)新たな銀行とパートナーシップを結ばなくてもよくなった。

SpendeskはSaaSモデルを採用しており、利用料は企業のサイズに応じて従業員ひとり当たり8〜15ユーロに設定されている。そして従業員の数が多いほどひとり当たりの料金は低くなる。さらに利用料はSpendeskの口座から引かれるため、顧客は「料金を支払っている」という印象を受けない。

今後のSpendeskが力を入れるべき分野は既に想像がつく。例えば数ヶ月前に私が仕事で中国へ行ったときは、現金しか使えなかった。つまりSpendeskを導入していたとしても、従業員が一旦建て替えなければいけない場面はよくある。今後Spendeskがどのように建て替え費用の処理をプロダクトに組み込んでいくか見るのが楽しみだ。これが実現すれば、企業は今使っている経費精算システムに別れを告げられるかもしれない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Apple、iOS 10.3ベータ1を公開。「AirPodsを探す」が入った!

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究極の先進国問題がついに解決される。つい先ほどAppleはiOS 10.3の最初のベータ版をデベロッパーに公開した。様々な変更に加え、このベータ版ではiPhoneを探すアプリに失われたAirPodsを探す機能が追加されている。

ご存じの通り、AppleのAirPodsはそれぞれのイヤホンに小さなW1チップしか入っていない。このチップにはBluetooth機能しかない。Wi-FiもGPSもなく、もちろん携帯通信もできない。では、かわいそうなAirPodsがなくなった時、実際には何が起きるだろうか?

一番ありそうなシナリオは、テーブルに積み上げた雑誌の下にAirPodsが眠っていて見つからないケースだ。iPhoneの通信範囲であれば、「iPhoneを探す」アプリを立ち上げてアラーム音を鳴らすことができる。AirPodsから出る音はiPhoneほど大きくはないが、見つけるには十分だろう。

家に置き忘れた場合、家にあるiOSデバイスの通信範囲にあればマップ上で確認できる。そして運悪くコーヒーショップに置き忘れたとき、iPhoneを探すは、あなたが最後にAirPodsを使っていた場所と時刻を教えてくれる。

完璧な解決策ではないが、家に物を忘れやすい人にとっては十分役に立つだろう。

他のiOS 10.3のニュース。Siriにクリケットのインド・プレミアリーグのスコアが加わり、CarPlayが改訂され、そこここに小さな改善が施された。私のお気入りの新機能は、マップアプリの隅に置かれたお天気アイコンの3D Touchショートカットだ。天気アプリを立ち上げずに毎時の天気予報を見ることができる。

iOS 10.3は1~2ヵ月間ベータ版が続く見込みだ。ベータ期間終了後、正式バージョンが公開される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、macOS 10.12.3を公開。MacBook ProのGPUとバッテリーの問題を修正

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つい先ほどAppleはmacOS Sierraのアップデートを公開した。10.12.3はバグフィックスのアップデートだが、昨年末に発売された新しいMacBook Proにとっては待望の変更だ。今日のアップデートで、Appleは15インチモデルのグラフィックチップセットに関するいくつかの修正を実施した。またAppleは、バッテリー寿命に影響を与えていたSafariのアイコン取得バグも修正した。

新しいMacBook ProのGPUがオーバーヒートしていると見られるスクリーンショットやビデオが数多く出回っている。その結果グラフィックに不具合が生じ、コンピューターが使えなくなる。

この最後のビデオは何十万回も見られているので、よく起きる問題なのだろう。Appleは、前回のアップデートで、既にこの問題を修正したと言っていた。しかし、いくつか修正もれがあったようだ。Adobe Premier Proのヘビーユーザーや、15インチモデルでGPUを多用する作業をしてこの問題に遭遇したことのある人は、今回の修正で完全に直るはずだ。

今月Appleは、Consumer Report誌がMacBook Proで行ったバッテリーベンチマークについても声明を発表した。Consumer Reportによると、MacBook Proのバッテリー寿命の成績はよくない。MacBook Proのバッテリーはすばらしいというわけではないが、AppleはConsumer Reportのベンチマークに影響を与えていたバグを発見した。

Safariのアイコン取得バグは、リソースを使い過ぎていた。Appleは10.12.3 beta 3で修正を済ませており、macOS 10.12.3のファイナル版にはSafariのアップデート(10.0.3)も付いてくるようだ。

このアップデートには、ほかにもいくつかの小さな修正があるほか、重要なセキュリティー・アップデートが入っている。Mac App Storeでダウンロードして最新バージョンにアップデートすることをお勧めする。

リリースノートの全文は以下の通り:

  • MacBook Pro(2016年10月、15インチ)の自動グラフィクス・スイッチングを改善した。
  • Adobe Premiere Proのプロジェクトを、MacBook ProのTouch Barモデル(2016年10月、13インチおよび15インチ)でエンコードする際のグラフィクス問題を解決した。
  • プレビューでスキャンされたPDF文書の検索ができいバグを修正した。
  • 暗号化を有効にしてエクスポートされたPDF文書の互換性問題を解決した。
  • 一部のサードパーティー・アプリケーションで、デジタルカメラの画像を正しくインポートできない問題を解決した。

エンタープライズ向け:ネットワークまたはキャッシュされたユーザーアカウント(例えばActive Directoryアカウント)で、maxFailedLoginAttemptsパスワードポリシーを使用しているものが無効化される問題を解決した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

フランスがテック関係者を対象に特別なビザの発行をスタート

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国内のスタートアップ業界を盛り上げるため、フランス政府が大統領選前最後の施策を打ち出した。French Tech Visaと呼ばれるこの新しいプログラムのもと、EU圏外のテック系人材とその家族を対象として4年間のビザの発行に関する規制が緩和される。

フランスのデジタル大臣Axelle Lemaireは、今月行われたCESにおけるTechCrunchのステージで、このプログラムについて簡単に触れていた。

フランス政府は2015年にもFrench Tech Ticketと呼ばれる、ビザ、少額の助成金、事務処理のサポートがセットになったパッケージをローンチしている。これまでに2グループのスタートアップが対象企業として選ばれフランスでビジネスを展開しており、このプログラムはうまくいっているようだ。

しかしもしもあなたが優秀なエンジニアやデザイナー、VCもしくはレイトステージにある企業を運営しているとしたら、French Tech Ticketよりも新しいFrech Tech Visaの方が理にかなっている。

EU圏内の市民であればフランスで生活するにあたりビザは必要ないが、EU圏外からの移住を考えている人はこのプログラムに応募することで、ビザ発行までのプロセスを簡素化できる可能性がある。申請者の滞在が許可されればその家族もビザを受け取ることができ、これまでにわかっている限りでは特にビザの上限数も設定されていない。

起業家向けには、French Tech Ticket以外にもアクセラレーターやスタートアップコンテストとの共同プログラムが実施される予定で、プログラムに参加すればビザが発行される可能性がある。

被雇用者に関しては、フランス政府が今後発行予定の”注目のフランススタートアップ100(+α)社”に含まれる企業に採用されれば、自動的にビザが発行される。これはエンジニアやデザイナー、マーケターなどにとっては喜ばしいニュースだ。さらに一旦ビザが発行されれば、その期間中ずっと同じ会社に勤める必要もない。

その他のテック企業は、これも比較的新しい”Passeport Talent”の制度を利用してビザを申請できる。アメリカのO-1ビザに似たこの制度を利用すれば、工学、美術、科学の分野で卓越した能力や実績を持っている人にビザが発行される。

投資家に関しては、フランス国内のVCか、新たにフランスでオフィスを構えようとしている海外のVCに勤めている人であればビザを入手できる。さらに前述のPasseport Talentも利用可能だ。

フランスのスタートアップが最近活躍しているのを考えると、これは素晴らしい動きだ。最近フランス国内だけで有能な人材を獲得することが難しくなってきており、新たなプログラムでフランスのスタートアップエコシステムが再び活発化していくだろう。

フランスのスタートアップ界にいる人からは、これまでビザの取得にまつわるトラブルの話を何度も聞いたことがあった。アメリカでのビザ取得には時間がかかり提出する書類の数も多いが、フランスでもその状況は変わらないようだ。新しい制度を利用すると本当にビザの発行が早まるのか、実際に申請者からフィードバックを聞くのが楽しみだ。

そしてもちろん、次の政府がどのような移民政策を打ち出すのかはわからないため、現フランス政府は大統領選前にこのプログラムをローンチしたいと考えている。というのも、一旦プログラムがスタートしてうまくいけば、それを止める方が難しくなってしまうからだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

AirPods初の広告はiPodの”あの”CMを彷彿とさせる

iPhoneやiPad、Apple Watchが注目されるようになってから、Appleの広告もほとんどがこの3製品にフォーカスした内容になってしまった。だからこそ、AppleがAirPodsのような周辺機器で新しいことを試しているのを見ると嬉しく感じる。

Appleは本日、iPodの黄金期を彷彿とさせるような新しい広告を発表した。なんとも表現しがたい内容だが、ひとつだけ言えるのはこのCMがあのiPodを象徴するCMのことを想起させるということだ。おそらくその理由は、目につく白いイヤホンを身に付けた人が、タガが外れたように踊っている様子を描いたCMの構成にある。

iPodは間違いなく、Steve Jobsのカムバック以降初めてAppleが発表した大衆向けデバイスだ。新しくてとんでもなくかっこいいそのデバイスは、当時のコンシューマー向け電子機器としては珍しい存在だった。

ここ最近ではiPodのアップデートに関する話を聞かないが、私はいつも2004年から放映されだしたiPodのオリジナルCMのことを思い出す。シルエットがメインのこの広告は数年間利用され、Appleがこれまでにつくった広告の中でも伝説的なもののひとつだ。発表から10年後でもその内容を覚えているということは、何か特別なものがあるということだと思う。

その後時は流れ、Appleは今回発表されたAirPodsのCMの背景を、当時のカラフルなものから、白黒の都会(メキシコシティ)の風景へと変更した。フリースタイラーのLil’ BuckだけがBGMに合わせて踊っている様子からは、これまでのiPodのCMよりも洗練された印象を受ける。

例えば、文字では何も表現されていないにも関わらず、このCMからはAirPodsの機能が余すところなく伝わってくる。AirPodsはケースを開けるだけでペアリングが完了するのだとわかるし、踊っても耳からイヤホンが落ちないということもよくわかる(個人的な経験からいって、イヤホンの装着感は人によるが)。さらにAirPodを耳から外すと音楽が自動的にストップするということも伝わってくる。

もっと重要なのが、ユーザーはついにイヤホンのことを心配せずに動き回れるということだ。AirPodにはケーブルがないので、狂ったように腕を動かしたければ、問題なくそうすることができる。

これこそ私がAirPodsの特徴で最も気に入っている点だが、実際に体験してみたいとこの感動はなかなかわからないだろう。しかしこのCMからは、ダンサーが建物の壁を登りながら踊っているように、AirPodsがユーザーを自由にするということが視覚的に伝わってくる。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Apple、MacBook Proのバッテリー問題を解明―Consumer ReportsのベンチマークとSafari双方に問題

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先月、消費者向けプロダクトのテストのパイオニア、Consumer Reportsが新MacBook Proのバッテリー駆動時間について3.75時間から19.5時間という.いささか奇妙な結果を発表した。Appleユーザーと関係者の間ではこの結果についてMacbook Proのバグあるいはベンチマークのバグを疑う声が上がっていた。最新の調査結果によると原因は双方にあった。

AppleとConsumer Reportsは正月休みを返上し、共同でバッテリー・テストの結果のばらつきがなぜこれほど大きくなったのか調査にあたった。調査のたびに結果が大幅に異なり、正確なバッテリー駆動時間を見積もることがきわめて難しかった。そこでベンチマーク・テストがを何度も繰り返された。

新Macbook Proのバッテリー駆動時間は旧モデルに比べて1倍から5倍にもなった。またMBPの初期購入者の一部もバッテリー駆動時間に関する不具合を訴えていた。そこでAppleはmacOSのアップデートの説明から「バッテリー駆動時間は変化なし」という説明を削除した。

しかし依然としてConsumer Reportsのベンチマークのばらつきの原因は不明だった。やがってConsumer Reportsのベンチマーク測定でSafariのローカル・キャッシュを無効に設定していることが大きなばらつきに関連していると判明した。Consumer Reportsのベンチマークでは、ローカル・キャッシュをオフにしているため、インターネットのサイトにアクセスするたびに新規にデータを読み込んでいた。Safariのキャッシュがオンの場合、アクセス先ページをローカルのHDDに保管するため、同じサイトにアクセスするつどデータをダウンロードする必要がない。

Appleは声明で「Consumer ReportsはSafariのブラウザー・キャッシュを無効に設定していた。これは隠された機能で、一般のユーザーがインターネットを利用する際に用いられる設定ではなく、一般的な利用状況を反映するものではない」と述べた。

この設定の意図について今日(米国時間1/10)、Consumer Reportsはブログ記事で説明した。これによると、Consumer ReportsはSafariに限らず、ブラウザーのベンチマークではキャッシュを無効にしてきたという。Consumer Reportsでは同じウェブサイトを繰り返し読み込むのではなく、数千の異なるウェブサイトをブラウズする状況が再現できるからだとしている。

一方でAppleはSafariがアイコンを読み込むコードにバグがあったことを発見した。このバグは直ちに修正されたので、ベンチマークの成績は改善されるはずという。

ではConsumer Reportsのベンチマークの方法はどうなのだろう? バッテリー駆動時間を測定するのにウェブサイト閲覧を利用するのは良いアイディアに思える。現実の消費者の多くはノートパソコンを主としてインターネット・アクセスに利用している。ユーザーはサイトを開き、音楽を聞き、文書を作成し、動画をストリーミングしている。しかしテスト結果に大きな影響を与えるような設定を用いることには疑問が残る。Consumer ReportsはMacbookに限らず、ノートパソコンのベンチマークにあたってローカル・キャッシュを有効にすることを検討すべきかもしれない。

AppleはTechCrunchに次のようなコメントを送ってきた。【原文参照】

〔日本版〕Consumer Reportsではノートパソコンのバッテリー駆動時間のテストにあたってウェブ10ページをローカル・サーバーに保管し、ノートパソコンがシャットダウンするまでWiFi経由で繰り返し読み込ませていた。ローカル・キャッシュを有効に設定するとノートパソコンはキャッシュに保管されたページを読み出すことになり、異なるサイトをブラウズする状況を再現できない。CRの記事に詳しい説明がある。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+