Appleの第3四半期、利益77億ドルと好調―iPad不振で売上374億ドルは予想を下回る

Appleは先ほど、2014年第3四半期の決算を発表した。これによると売上は374億ドル、純益は77億ドル、一株当たり利益は1.28ドルだった。昨年同期比では、売上5.9%アップ、一株当たり利益は19.6%のアップ(7対1の株式分割を修正後)だった。

Fortuneがまとめたアナリストの予測では、一株当たり利益は1.26ドル、売上383.1億ドルだった。また粗利益率は38.0%となって、利益を押し上げると予測していた。

蓋を開けてみると、売上ではやや期待を下回る結果となった。しかし粗利益率は予想よりさらに高く、39.4%にも上ったため、一株当たり利益は予想を上まわった。売上不振の原因は iPadの不調だ。

Appleが発表した前四半期の見通しでは360億ドルから380億ドルの売上、37%から38%の粗利益が期待されていた。2013年のAppleの見通しはずっと正確で、実際の売上は予測の上限とほとんど一致した。

Appleもアナリストも今期の好調な粗利益を予測していたが、売上はもっと増えるはずだった。しかしiPhone 5cは予想ほど売れず、 消費者はiPad miniよりiPad Airを好んだようだった。

ハードウェア

今期、AppleはiPhoneを3530万台、iPadを1330万台、Macを440万台販売した。2013年の同期と比較するとiPhoneの販売台数は13.9%アップしたのに対して、iPadは8.9%ダウンしている。販売台数に関してはわれわれのこちらの記事を参照


地域別売上

やはり今期もAppleの成長には中国が大きな割合を占めていることが示された。iPhone、iPadとも中国の売上シェアが大きい。こちらの記事を参照


株式市場の反応

1株を7株にする株式分割、自社株買い戻しに300億ドルを追加、配当を8%に増やす戦略などが功を奏し、Appleの株式はきわめて好調に取引されている。過去3ヶ月、株価はほぼ一本調子で値上がりし、分割後で100.81ドルというほぼ過去最高値をつけた。今回の決算の発表後の株価は安定している(時間外取引0.44%のダウン)。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


テクライターのメールアドレスを月額9ドルで売るPressfarm、本誌の人たちのはタダで教えちゃおう

メールは嫌いだ。人のメールアドレスを売ってるやつらは、もっと嫌いだ。今プロダクトの情報サイトProduct Huntで人気上位のPressfarmは、テクノロジ系ジャーナリストたちのメールアドレスのデータベースだが、無料ではない。

アカウントを作って毎月9ドル払うとBusiness InsiderRe/codeThe New York TimesThe Wall Street Journal、それに本誌TechCrunchなどに書いてる連中の、重複などが編集されたメールアドレスのリストにアクセスできる。無料だと名前とTwitterのハンドルしか見れられない。言い換えると、214のメールアドレスが欲しければクレジットカードが必要だ。

別に新しいサービスではない。昔からインターネットの上では、数えきれないぐらいたくさんの人たちがメールアドレスを売ってきた。多くの場合、わずかな金額で数千のメールアドレスが得られる。Pressfarmがちょっと違うのはBootstrap(Webページ作成)とStripe(決済・支払いAPI)を利用して美麗なサイトを作り、ジャーナリストのリストを見やすく編集して提供していることだ。プロのスパマーのような、あやしげな雰囲気はない。

でも本誌TechCrunchに関しては、お金を払わなくてもメールアドレスは分かる。この記事の最後に、リストを載せておこう。

われわれのメアドをこうやって公開するのは、記事掲載依頼の洪水でスパムしてほしいからではない。本誌TechCrunchsのSarah BuhrがProduct Huntにコメントしているように、大量のメールをわれわれに送りつけないでいただきたい。送ったって、効果ゼロである。まったく読まないで、スキップするだけだから。

あなたのスタートアップを、誰なら興味をもってくれそうか、それをまず見つけよう。そして、短い、おいしそうなメールを、彼/彼女に送るのだ。売り込みの言葉は抑えて、ストーリーを語ること、そして、関係を築こう。本誌が取り上げてくれなくても、感情的になってはいけない。毎日大量のスタートアップが生まれているから、全部を取り上げることは不可能なのだ。

このアドバイスを守って、なにかぼくの関心をそそるものをやってる人には、ぼくとしても返信しない理由はないね。先日のように、TechCrunchの親会社AOLが、社員のメールをめちゃめちゃにしないかぎりは。

[TechCrunchのぼくのメールアドレスが正常に戻った! 今日を“AOLが不故意でぼくのメールアドレスを削除した”記念日にしよう。]

では早速本題。以下が本誌TechCrunchのライターたちのメアドだ。節約できた9ドルでアイスクリームでも買ってください。

Alex Wilhelm: alexkaiserwilhelm@gmail.com (he’s too cool to use a TC email address)
Alexia Tsotsis: alexia@techcrunch.com
Anthony Ha: anthonyha@techcrunch.com
Billy Gallagher: billy@techcrunch.com
Cat Zakrzewski: cat@techcrunch.com
Catherine Shu: shu@techcrunch.com
Colleen Taylor: colleen@techcrunch.com
Danny Crichton: danny@techcrunch.com
Darrell Etherington: darrell@techcrunch.com
Frederic Lardinois: frederic@techcrunch.com
Greg Kumparak: greg@techcrunch.com
Ingrid Lunden: ingrid@techcrunch.com
John Biggs: john@techcrunch.com
Jonathan Shieber: shieber@techcrunch.com
Jordan Crook: jordan@techcrunch.com
Josh Constine: joshc@techcrunch.com
Julian Chokkattu: julian@techcrunch.com
Kim-Mai Cutler: kim@techcrunch.com
Kyle Russell: kyle@techcrunch.com
Matt Burns: matt@techcrunch.com
Matthew Panzarino: matthew@techcrunch.com
Mike Butcher: mikebutcher@techcrunch.com
Natasha Lomas: natasha@techcrunch.com
Romain Dillet: romain@techcrunch.com
Ron Miller: ron@techcrunch.com
Ryan Lawler: ryan@techcrunch.com
Sarah Buhr: sarah.buhr@techcrunch.com
Sarah Perez: sarahp@techcrunch.com
Steve O’Hear: steveohear@techcrunch.com

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


AmazonのFire Phoneでほかのスマホにない機能はなんだろう?

〔これらの画像をスライド形式で見たい方は、原文を見てください。〕

今日Amazonは、長らく噂されていたFire Phoneを披露した。最大の目玉は、みんなの予想どおり3D効果だが、ほかにもこれまでの携帯〜スマートフォンになかった気の利いた機能がいくつかある。

 
 
Firefly

Fireflyは、Amazonの携帯だからこそ意味がある。それは“物のShazam”のようなもので、あなたのカメラが見た物をAmazonで買えてしまうのだ!

 
 
撮ったらそれを買え

カメラが電話番号や本の表紙や商品のバーコードを見たら、Fireflyがその電話番号の完全な形や本の名前や製品を自動的に見つけ出す。

 
 
映画や音楽も分かる

カメラがテレビ画面を見たら、今映っている番組や映画の名前を当てる。Shazamのように、音楽の曲名も当てる。

 
 
Firefly専用の物理ボタンがある

Fireflyはデバイスの側面の物理ボタンで起動するから、カメラが物を見たらその直後に2〜3秒でそれをAmazonで買える。

 
 
写真のストレージは容量無制限

Fire Phone本体のストレージは32GBまたは64GBだが、AmazonのCloud Driveは無料で容量無制限だ。

 
 
メーデー! メーデー!

昨年Kindle Fire HDXが出たときは、最大の目玉がメーデー機能(救難信号)だった。一度タップするだけでAmazonのカスタマサポートの人が画面に現れて、あなたを助けてくれる。Fire Phoneにも、その機能があるのだ。

 
 
視界が動く3D効果

単なる立体写真ではない。あなたの顔〜頭が右へ動けば右から見た像になるし、左へ動けば左からの像になる。上下に関しても同じ。Amazonはこれを、ヘッドトラッキング機能(頭を追跡する機能)と呼んでいる。(今このWebページの上で頭を動かしても無駄!)。

 
 
なんでも3D

フロントカメラがつねにユーザの頭の動きを追っているから、写真でもロック画面でも、ありとあらゆるインタフェイスがその動きに追随する。なかなか感動的ではあるが、果たしてそれほど重要な機能かな?

 
 
SDKがある

サードパーティのデベロッパが自分のアプリやゲームから4つのカメラを利用して、3D効果〜頭追跡機能を実装できる。そのためのSDKがすでに提供されている。

 
 
Amazon Primeのエコシステム

Fire PhoneはAmazonのPrimeアカウントに統合されている。だからInstant Video、Prime Music、Kindleのeブックなどなど、PrimeのコンテンツのすべてにFire Phoneからアクセスできる。本来は有料のアカウントだが、Fire Phoneを買うと1年間、無料で優待される。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


テトリスくん、お誕生日おめでとう

テトリス(Tetris)は、今のどんなゲームよりもずっとおもしろい。今日はそのテトリスの、30歳の誕生日だ。もちろん、みんながテトリスを知ってるはずだ。あのキャッチーなテーマ音楽別バージョン)、そして、画面にブロック(テトリミノ)がどんどんたまっていくときのフラストレーション。

1984年に旧ソヴィエト連邦のAlexei Pajitnovが発明したこのゲームは、Nintendoが1989年に発売したGame Boyによって大人気になった。それは、ポータブルゲーム機というジャンルを初めて開拓したこの画期的なデバイスの、ローンチタイトルの一つだった。噂では、職場にGame Boyを持ち込む人が増えたために、日本の生産性が大きく落ち込んだ、という。〔訳注: 欧米と日本ではテトリス状況がやや異なるので、詳細はWikipedia記事を見てください。〕

ぼくは当時まだ生まれていなかったが、その後テトリスは十分に楽しんだ。というか、告白すると、ぼくはテトリス中毒だった。ぼくがオリジナルのGame Boyでテトリスをやったのは1990年代の後半で、その後、いろんなコンピュータ、Web、そしていろんな機種のスマートフォンでも遊んだ。

そんなぼくから、確実に言えることが二つある。テトリスはスマートフォンではやりにくい。そして、今日まで、テトリスに匹敵するほどのおもしろいゲームはまだ一つも登場していない。

テトリスには、人の心を、飽きずに何度でも挑戦したいという気持ちにさせる魔力がある。一回ゲームが終わると、またやりたくなる。今度こそ、もっと高いスコアになるはずだ!、と入れ込んでしまう。ハイスコアを更新したら、今度はそれを超えたくなる。もうちょっと点を高くしたい、と思いつつ、何度でも何度でも挑戦するのだ。

テトリスはスマートフォンではやりにくい。そして、今日まで、テトリスに匹敵するほどのおもしろいゲームはまだ一つも登場していない。

テトリスに取り憑かれてしまった人は、ぼくだけじゃない。テトリスファンは全員、このドキュメンタリー映画: Ecstasy of Orderを見るべきだ。なんと、NES(Nintendo Entertainment System, 欧米版ファミコン)上のテトリスの世界選手権大会が見られるのだ。

NESのテトリスは、無限に挑戦するゲームにならない。Chris Higginsが書いているように、スコアは上限が999999であり、またレベル29ではブロックの動きが速すぎて人間プレーヤーが画面をコントロールできない。プレーヤーたちはそれを、“死の画面(death screen)”、と呼んだ。

テトリスには今でも、世界的なマニアのグループがあって、名人たちが毎日プレイに熱中している。これに対し今のゲームでは、スタジオが巨額を投じてeスポーツのコンペを主催している。テトリスに比べると、とても作為的だ。テトリスは主催者がいなくても自然にコンペが始まる。[Retry]ボタンは、そのためにある。

テトリスのようなゲームは、もうどこにもない。Watch Dogsのような大ヒット作も、得られる体験は相当違う。マルチプレーヤーゲームは、スコアを競うのではなくて、対戦相手を支配したり殺すことが目的だ。TrackManiaにはアーケード的な体験があるけど、あれは例外だ。人気のモバイルゲームはどれもアプリ内購入と待ち時間と広告に汚染されている。テトリスとは大きく違う。

もうすぐE3カンファレンスだが、ゲーム業界も昔とは大きく変わった。なにしろ、テトリスを知らない世代が相手だ。でも、世代が変わればゲームも変わらなければならないのか? 今の世代にとっては、Candy Crush Sagaがぼくらの時代のテトリスなのかもしれない。もしそうなら、ぼくはあともう一度だけ、テトリスの世界に浸ってみたい。

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テクプロダクトのためのソーシャルニュースサイトProduct Huntは良い製品を下支えする機会均等の場

Product Huntはまだ小規模な実験だが、テクノロジの世界でプロダクト方面の仕事をしている人たちのあいだで、このところ話題が盛り上がっている。まあ、テクプロダクトのRedditとか、プロダクトのローンチをめぐるHacker Newsと呼べるかもしれないが、でも、どちらもProduct Huntの本当の本質をついてはいない。

Product HuntのファウンダRyan Hooverはこう語る: “最初はぼくの友人たちとシリコンバレーの起業家たちで始めたんだ。日常の会話の中で、よく新製品が話題になる。‘今日ローンチしたあのプロダクト見た?’とかね。それはバレーの井戸端会議の定番の話題だが、かんじんのネット上には、新製品について雑談する場がなかった”。

Product Huntは2013年の11月に、リンクを共有するLinky Dinkのメーリングリストとしてスタートした。Hooverが新製品を指すリンク集を編纂して、それを友だちと共有した。毎日、その日のリンク集というメールがやってくる。それは、こんなメールが果たして一般的に必要とされているかを試すためのMVP(Minimum Viable Product)みたいなもんだった。だから、絶対にスケールしないものの完璧な見本でもあった。

“たった20分で作り、二人の投資家、友だち、そしてプロダクト関連の知人たちに送った。そして、クールなプロダクトを見つけたら教えてね、と書いた”。

昨日なんか、Andreessen Horowitzの連中がたくさんうちに登録したよ

— Ryan Hoover

そのMLのメンバーはわずか200名ほどだったが、フィードバックはとてもポジティブだった。そこでHooverは感謝祭の休日にNathan Bashawとタッグを組み、v1を作った。Bashawはすべてをわずか5日で仕上げた。Hooverは少人数のアーリーアドプターを招待して、改良のためのフィードバックをもらった。それから1週間後に、Product Huntは一般公開のWebサイトになった。

その後、活発なユーザと熱心な読者が徐々に増えていった。Hooverのねらいは前と同じで、Product Huntはクールなプロダクトについて誰よりも早く知りたい人たちのためのコミュニティだ。BufferのDailyBarkBuddyNotifyrも、すべて、テクノロジ系のブログに載る前にProduct Huntに登場した。次のSnapchatや次のAirbnbとも呼べる、今後の大物プロダクトが、続々と、真っ先にこのクラウドソースなサイトに現れるか、それが楽しみだけどね。

Product Huntは見た目もなりふりもRedditやHacker News、あるいは前のDiggにとてもよく似ている。リンクを投稿する。それらをLike(親指アップ)する。コメントも書く。すっきりとしたデザインで無限スクロール、そしてAlgoliaによるリアルタイムの検索。でも、仕掛けが一つある。

一日がプロダクトごとに分かれていて、それらのリーダーボード(ハイスコア表)みたいなものができあがる。たとえば、5月2日のトップは誰だったでしょうか? PredictionIOでした。この方式では、すべてのプロダクトにざっと目を通しやすいし、毎日訪れるのが楽しみになる。Hacker NewsやRedditにようにリンクのリストがたえず変わっていかないから、読みやすい。影響力はあるが忙しい、という人も、短時間で簡単にその日のプロダクトを展望できる。

VCのパートナーたちも、数百名がProduct Huntの登録会員だ。ただしVCには信号送出効果という厄介なものがあるから、彼らはコメントやLike(や親指アップ)を控える傾向がある。毎日のようにProduct Huntを読んでいるパートナーは、Greylock PartnersやSV Angel、Redpoint Ventures、そしてBetaworksの連中だ。Y Combinatorや500 Startupsの人たちも、読んでいる。著名なエンジェルたちも会員だそうだ。本誌TechCrunchのライターの中にも、熱心な会員が何人かいる。

“昨日(きのう)なんか、Andreessen Horowitzの連中がたくさんうちに登録したよ”、とHooverは言った。

Product Huntには新しいMLもあり、会員は数万名いる。まだプロダクトをハントしてくるハンターの方は人が少ないが、でもみんな、すごく活発だ。ぼくが本誌の記事でNotifyrを取り上げたときなんか、コメントはProduct Huntの話ばかりが多くて、かんじんの、Joost van Dijkが開発してiPhoneの通知をMacに送る、クールなかわいいアプリのことが、そっちのけになってた。

今HooverはProduct Huntにフルタイムでかかわっている。ほかに、パートタイムのデベロッパが3名、パートタイムのデザイナーが1名いる。彼が愛してやまない小さなプロジェクトは、徐々に会社っぽくなりつつある。プロダクトやVCなどの業界人だけでなく、今では一般のユーザも、Product Huntの記事を読んでプロダクトの評価を決める人が増えてるらしい。そう語る起業家が、今は多い。

“Product Huntは、プロダクトやスタートアップたちにとっての機会の地平を、格差の大きい峻険な光景から、もっとなだらかで機会均等に近いものに変えつつある”、とHooverは言う。“Notifyrを作ったオランダの無名のガキがProduct Huntのコミュニティから220ものLike(親指アップ)をもらうんだから、すごいよ。今は、App Storeのランクを上げるためなら金を使ってもよい、というデベロッパが多い。自己努力でヴァイラルなネットワークを広げているデベロッパもいる。Product Huntでは、そのどちらも要らない”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Apple、iMessageに自己消滅メッセージを追加

今日(米国時間6/2)のWWDCで、 AppleはiOS 8といくつかの新機能を発表した。メッセージングアプリにも新機能が追加され、音声およびビデオメッセージの送信、位置情報の共有などが可能になる。

まず、AppleのiPad、iPhoneおよびiPodマーケティング担当VP、Greg Joswiakは、新しいグループメッセージング機能を紹介した。会話に名前を付けたり、メンバーの追加・削除、通知をオフにすることや、会話から完全に脱退することが可能になる。これでiMessageのグループメッセージングは、Facebook Messenger、Telegram、Whatsapp、Line等と肩を並べることになる。

Appleは、自分の位置情報を友達と共有する「友達を探す」アプリをApp Storeで提供しているが、この機能を直接iMessageに組み込んだようだ。友達と自分居場所を、1時間、1日、あるい永久に共有できる。これで、友達がこちらに向かっているかどうかがわかる。

そして、Joswiakは予想外の機能を2つ披露した。写真、ビデオ、または音声メッセージを、カメラアイコンに指を置いて離すだけで送れるようになった。早くて簡単で、Snapchatと変わらない。もっと驚かされたは、メッセージが数分後に消えるよう設定する機能だ。友達のiPhoneから自分のメッセージが削除される。

Joswiakは、実際の動作を正確には見せることなく、自撮り写真をCraig Federighiに送り、数分後に消滅するとだけ言った。いずれの機能も、iMessageをより魅力的なメッセージングプラットフォームにするものだ。

しかし、iMessageにはまだ大きな欠陥が残っている。iPhoneユーザーしか使えないことだ。Android友達とグループ会話を始めたい時は? iMessageを使っていない人に自己消滅自撮り写真を送りたい時は? iPhoneユーザーがiPhone友達とのシームレスな体験を享受している間にも、マルチプラットフォームのメッセージングプラットフォームは進化を続けている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Popcorn Timeのコンテンツをストリーミングしながら英語を学ぶFleex

オープンソースのすばらしさを、またまた痛感。Fleexは、映画やテレビ番組やTEDの講演ビデオなどを見ながら英語を学ぶフランスのスタートアップだが、教材としてなるべくおもしろいコンテンツを使うために、無料でコンテンツをストリーミングするオープンソースのPopcorn Timeを利用する。

ぼくも英語は母国語でないから、この問題は体験的によく知っている。最初のころは、映画やテレビ番組をもっぱら利用した。最初はフランス語の字幕入り、次は英語の字幕入り、そして最後は字幕なしで。でも自分の好きなように設定することはできなかったし、英語字幕ありから字幕なしへの移行は、かなりの努力を要した。

Fleexはそんな過程をもっと段階的(==レベルあり)かつシームレスにする。ユーザは、レベル1からスタートする。たとえばあなたがドイツ人なら、ドイツ語と英語の字幕が出る。だんだん、英語の字幕だけになっていく。でも難しい部分では母国語の字幕がまた出る。

上達すると、字幕はまったく出なくなる。いつでも、ビデオをポーズして翻訳を見たり、単語の意味を調べたりできる。イディオムや表現(変わった言い回し)は高輝度表示される。単語を保存して、あとで見ることもできる。

Fleexは月額4.90ユーロの有料サービスだが、29の言語で利用できる。

これまではYouTubeのビデオ(TEDの講演など)をFleexのプレイヤーやデスクトップアプリケーションから利用でき、デスクトップアプリケーションではムービーのファイルから自動的に字幕トラックを見つけることもできた。

しかしPopcorn Timeをフォークしたこれからは、Popcorn Timeのアプリケーションとして映画やTV番組を検索し、即座にストリーミングできる。そのときFleexは字幕トラックを見つけ、ユーザの今のレベルに合わせた学習展開をする。Popcorn Timeは完全に合法的とは言えないけど、NetflixやHuluなどは、Fleexで利用したくても利用できない国がほとんどなのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Notifyrは、iPhoneの通知をMacで見られるちょっと気の利いたアプリ

Notifyrは、iOSの通知をMacで受けられるアプリだ。仕事中私は、いつもiPhoneをMacの隣に置いている。iPhoneが鳴るたびに、Macの画面から目をそらして重要なメッセージかどうかを確認している。私はかなり多くの通知を受け取っていて、その大部分は重要ではない。しかし、長い記事を書いている時には、これが問題になることがある。ぜいたくな悩みだということは承知しているが、Notifyrが正に解決してくれた。

きのうProduct Huntでこの新しいアプリを発見した時、私はすぐにインストールした。Notifyrの使い方は、Pebbleとよく似ているが、違うのは、通知がiPhoneではなくMacに表示されるところだ。

まず、iOSアプリをApp Storeから(価格は3.99ドル)インストールし、次に無料のMacアプリをインストールする。iPhoneでアプリを開くと、Bluetoothを有効にするように言われる。Macアプリはシステム環境設定のペインとして動作する。MacでBluetoothを有効にしてiPhoneとペアリングすれば準備完了だ。

アプリはBluetooth Low Energyを利用するため、iPhone 4以前では使えない。代わりにそれは、バッテリーが急に減らないことも意味している。

これでiPhoneが鳴るたびに、Mac画面の片隅にOS Xの通知が送られてくる。Macの通知センターで、以前のiPhone通知を見ることもできる。iPhoneとMacで同じ通知を受取っている時、例えばノートとiPhoneで別々のTwitterクライアントを使っているような場合は、そのiPhoneアプリをNotifyrから除外できる。

実にシンプルで、設定手順も簡単だ。ところで、私は別の方法でこの問題を解決することができたかもしれない。たぶん私は、時々iPhoneの電源を切ることを試すべきだった。たぶん私は、集中力が続く時間内で仕事をすべきなのであり、そうすれば文章の途中で書くのを中断

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


普通の紙に描いたものをリアルタイムでデジタイズするiSketchnote

iSketchnoteというデバイスを提供するフランスのISKNが、プレオーダーの受け付けを開始した。Livescribeのように、ペン側をスマート化するわけではなく、どちらかと言えば、従来のグラフィックタブレットのような仕組みに近い。価格は安く、ふつうの紙の上に、一般的なペンを用いて記述するようになっている。ペンに磁気リングがついているのが大事なところだ。

実はこのプロダクト、新しいものではない。Kickstarterで大成功をおさめたプロダクトだ。3万5000ドルを目標とするキャンペーンだったが、十倍近い金額を集めることとなった。しかしKickstarterキャンペーンを見逃して悔しく思った人も多いことだろう。そこでサイトでのプレオーダーが開始されたのを機に、再度紹介しようと考えたわけだ。

見かけは表面を薄くゴム状のものでコーティングした板のようなもので、ここに紙(どんな紙でも良い)を乗せて使う。さほど大きなものではなく、たいていのバッグにおさめることができるだろう。また、iPadと一緒に持ち運ぶためのケースも用意されている。実際に手にとって見てみたが、シンプルにまとまっているように感じた。

デバイスはBluetooth LE経由でiPadに繋がり、USBを利用すればPCなどと繋ぐこともできる。単体で利用して、後にデータの同期を行うということもできる。使い方はといえば、デバイスの上に紙をのせて、普通に描くだけだ。iPadと繋いで使っていれば、紙の上に何かを書くと同時に、iPadのスクリーンにも同じ内容が現れる。

ペンの側にこれといった仕組みがないのも面白い。付属のペンを分解してみても、バッテリーやカメラなどといったものは搭載されていない。デバイス側がセンサーをマトリックスセンサーとして動作し、ペン側に装着された磁石の動きをリアルタイムで検知するという仕組みだ。

いろいろな分野で利用することが出来るだろう。応用範囲の広さに、プロダクトの魅力があるように感じる。ドローイングアプリケーションと連携するときにも、手に馴染んだペンを使いながら行うこともできそうだ。ペンの色や太さを変えて、同一画面上にいくつかバリエーションを描くようなこともできる。エントリーレベルのWacomタブレットよりも、かなり正確にトレースしてくれるようだ。

またAPIも公開する予定にしているとのこと。PCやタブレット上のアプリケーションで、ISKNを入力デバイスとしてサポートできるようになる。書いた文字や絵などを保存して、それをシェアするようなアプリケーションなどはISKNから提供される。出荷時期は8月が予定されている。

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(翻訳:Maeda, H


Apple、ヘッドホンのBeatsを32億ドルで買収へ(FT紙報道)

これはAppleにとって過去最大の買収になるかもしれない。Financial Timesによると、AppleはBeats Electronicsの買収交渉の最終段階にある。Beatsは人気のヘッドホン、Beatsのメーカーであると共に、音楽サービスのBeats Musicを提供している。

もし契約が成立すれば、来週には発表されると同紙は報じている。両社は一部の財務条件でまだ合意していない。

この買収で最も驚かされるのはその規模だ。Appleは買収に関して非常に慎重だった。この会社は、企業を買うために巨額を投じることを好まない。

それは、Appleが買収に消極的という意味ではない。過去18ヵ月間、Appleは24社を買収した。最近の大きい契約は、PrimeSenseの買収だった ― それでもAppleはわずか3.5億ドルしか支払っていない。

直近の収支会見でApple CEO Tim Cookは、理にかなえば買収に多額を投じる用意があると語った。Beatsの買収は理にかなったというわけだ。これは、一連の大型買収の第一弾になるかもしれない ― だとすればAppleにはカルチャーシフトが起きている。

高すぎるヘッドホンは実入りがいい

Beatsブランドの人気は非常に高いため、Appleはオーディオアクセサリーの販売にこのブランドを使い続けるだろう。Appleは、他のデバイスにもBeatsブランドを使うことが可能だ。

Beatsを作ったのは、ラッパーのDr. Dreと、Interscope Geffen A&M Recordsの会長、Jimmy Iovineだ。最初のBeatsヘッドホンは “Beats by Dr. Dre” のブランドで2008年に売り出された。当時、同社の製品はMonster Cableが独占製造していた。この契約は2012年に期限切れとなり、それ以来同社は自社で製品を製造している。

Apple端末にはイヤホンが必ずついてくるが、ここ数年ヘッドホンの人気が高まっている。オーディオマニアはBeatsのヘッドホンを嫌う傾向にあるが、同社は十分な市場シェアを獲得することに成功している。これらのヘッドホンは高すぎると広く考えられているため、これは非常に実入りの良い市場だ。Appleが、ポータブル音楽市場でこの分野を支配することの意味はそこにある。

さらには音楽サービスもある。2012年7月、Beatsは音楽ストリーミングサービスのMogを買収した。後に、Mogのサービス自体は閉鎖された。そして2014年1月、Beats Musicとして再スタートを切った。

Beats Musicは未だに新参であり、ユーザーもごくわずかだ。買収価格が非常に高いのはヘッドホン事業のためであり、音楽サービスではない。

同サービスはSpotifyやRdioという定着したサービスと競合する。追加機能は殆どない。全体的に、ブラウジング体験はずっとビジュアルで、タイポグラフィーとジェスチャーが強調されている。音楽の推奨にも力を入れている。

音楽市場は聞き放題のストリーミングサービスへと確実に移行しつつある

2009年にAppleが別の音楽サービス(Lala)を買収した時、サービスは閉鎖され、開発チームはAppleの他のプロジェクトに配置された。Beats Musicが存続するのか同じように閉鎖されるから不明だ。

しかし、一つ確かなことがある ― Appleは楽曲ダウンロードに深刻な問題を抱えている。音楽市場は聞き放題のストリーミングサービスへと確実に移行しつつある。

米国レコード協会の2013年のレポートによると、ストリーミングは音楽業界で他を圧倒する成長分野であり、前年比39%で伸びている。比較して、ダウンロードは2012年からわずか1.1%しか成長していない。

もしAppleが何も手を打たなければ、Spotifyをはじめとするサービスが同社のシェアを食うだろう。音楽レーベルとの契約がAppleに移管されるかどうかは不明だ。いずれにせよAppleは、どこかの時点でレーベルと再交渉する必要がある。Beatsの買収によって、Appleは音楽ストリーミンプサービスのやり方を知っているチームを迎えることになる。

Appleは既にストリーミングサービスを自身で実験している ― しかし実験は必ずしも成功しなかった。最初はiTunes Matchたった。年間25ドル[日本では3980円]で、最大2万5000曲をクラウドに保存できる。このサービスはパソコン内のMP3とiTunes Storeで購入した曲すべてを同期して、iPhoneやiPadからこのカタログをストリーミングで聞くことができる。非常に便利ではあるが、Appleの音楽ビジネスのモデルを真に変えるものではない。やはり曲は買わなくてはならない。

2013年6月、AppleはiTunes Radioを開始した。くつろいだラジオ体験だ。しくみはPandoraとよく似ている ― 音楽の好みに合わせて自分専用のラジオ曲を作る。しかし聞き放題のストリーミングサービスとは大きく異なる ― 特定の曲を検索して聞くことはできない。

最後に、この買収の敗者が一人いる ― HTCだ。2011年、HTCはBeatsの50.1%を3.09億ドルで買った。後に同社はその持ち株を2回に分けて売り戻した。一度目は480万ドルの純損失、二度目は8500万ドルの利益だった。

しかし、あの持ち株50.1%は今なら16億ドルに値する。換言すれば、HTCはAppleによる買収によって12.9億ドルの利益を上げていたかもしれない。そうなれば、この数年間急速に縮小してきた携帯電話メーカーにとって大きな助けになっただろう。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


今年のTechCrunch Disrupt NYの勝者は・・・・・・Vurb

それは長く苦しい道だったが、ついにDisruptバトルフィールド勝者の栄冠に輝く時が来た。今年の一団は本当にすごかった。27のスタートアップが壇上でプレゼンを行った。ファイナリストの6組は、Boomerang CommerceISI TechnologyMimiMinkShowKit、そしてVurbだった。複数のハードウェアスタートアップに革新的ビジネスモデルや優れたエンジニアリングを含む驚くべき人々だ。しかし、Disruptカップを持ち帰れるのは1組だけ。

スタートアップ各社が、その前でデモを演じてみせたファイナル審査パネリストは、 John Borthwick (Betaworks)、Roelof Botha (Sequoia Capital)、Chris Dixon (Andreessen Horowitz)、Marissa Mayer (Yahoo)、Brian Pokorny (SV Angel)、そしてFred Wilson (Union Square Ventures)の面々だ。

そして、TechCrunch Disrupt NY 2014バトルフィールドの勝者をここに発表する。

最優秀賞:Vurb

Vurbは、ウェブおよびモバイル用のコンテキスト型検索エンジンだ。検索クエリを入力すると、必要な物すべてが検索エンジンを離れることなく手に入る。現在の検索対象は、場所、映画、およびメディア。近く、人、スタートアップ、その他の検索も加える予定だ。例えば、映画を検索すると、予告編、上映時間、レビュー、Netflixでその映画を見るためのリンク、IMDbスコア等が表示される。

Fred Wilsonが少々厳しいコメントを壇上で送った。「これは実に厄介な問題で、誰も解決できないし、いずれ君たちを潰すだろう」と彼は言った。しかし、どうやら他の審査員を説得することには成功したようだ。

Vurbの詳しい記事はここで読める。

情報開示:Vurbのシード出資者の一つはCrunchFundであり、この初期段階VCファンドを共同設立したMichael Arringtonは、TechCrunchのファウンダーでもある。

次点:ISI Technology

ISIテクノロジーは、賢い温水器、Model 1を作っている。見映えはよくないが、実用的だ。このデバイスは、一定温度を保ったお湯を即座に永久に提供する。WiFi接続機能を持ちスマートフォンアプリもある。

これは、温水器のNestと呼べるものだ ― ISI Techonologyは巨大な市場に挑戦している。さらに、今持っている温水器を拡張あるいは強化することもできる。Model 1の価格は399ドル。

本誌の詳しい記事はこちら

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Disrupt キーノート―Google Xの責任者、Astro Tellerがテクノロジーの理想のあり方を語る

Astro TellerがTechCrunch Disrupt NYでキーノート講演を行った。TellerはGoogleのムーンショット・プロジェクト〔月旅行のような遠大な計画〕を進めるGoogle Xの責任者だ。このチームは自動走行車、Project LoonGoogle Glassなどを開発している。しかしTellerがキーノートで語ったビジョンは意外なものだった。

Tellerによると、テクノロジーにおける真のイノベーションというのはわれわれの生活の中でまったくそれと気づかづに使えるようなものでなくてはならないという。Tellerはその例として自動車のブレーキのABSシステムを取り上げた。ドライバーがABS装着車のブレーキを踏むとき、実はブレーキそのものを作動させているのではなく、ある種のロボットに指示を出しているのだ、という。

「これこそすばらしいテクノロジーだ。ユーザーは一切面倒なことをする必要がない。やりたいことするだけでよい。日常生活の中でテクノロジーにこのレベルの不可視性を獲得“させることがわれわれの最終的目標だ。それは生活に溶け込み、自らの存在を消してしまう。そのようなテクノロジーは『あなたがそれをする必要はない。私が代わってそれをする』と語る」とTellerは述べた。

いちいち持ちあるく必要がなくなったとき電話は素晴らしいものになる。

Tellerによれば、「現在われわれはテクノロジーといえば、スマートフォン、ノートパソコン、スマートウォッチなどのことだと考える。現在のテクノロジーは人間の認識力を強化するというより、むしろ妨げている。それは生活の中に無用な煩わしさを持ち込んでいる。電話というテクノロジーはデザインやバッテリー駆動時間が改良されたからといって本質的に良いものになるわけではない。いちいち持ちあるく必要がなくなったとき電話は素晴らしいものになる」という。

これがGoogle Xのさまざまなプロジェクトの背後にあるビジョンだ。ある意味、反テクノロジー的なアプローチといえる。Google Xチームは「テクノロジーは自らを背景に消し去ったときにもっとも効果的なものとなる」と考えている。

邪魔なテクノロジーを消し去るためにどのようにテクノロジーを利用したらよいかをわれわれは追求している。われわれはみなたいへんな労力をかけて自動車の運転を習う。そして運転しながらメッセージを入力したりブリトー食べたりメークを直したりする。その結果、アメリカでは交通事故で毎年3万人もの人々が死亡している。

自動車は将来、すべてGoogle Xが開発しているような自動走行車に置き換えられるはずだ。われわれは過去を振り返って、自動車をいちいち人間が操縦していたことを不思議に思うようになるに違いない。

次にTellerはウェアラブル・テクノロジーについて語った。Google Glassについては「ユーザーを現実から引き離し、上の空にさせる」という批判をよく聞く。ではTeller自身はどう考えているのか?

「理想的な世界ではユーザーはユーザーインターフェースを意識さえしないですむ。ユーザーがユーザーインターフェースを意識するのは何らかの事情でそれが作動を停止したときだけだ。そういうテクノロジーは人間性を減らすのではなく豊富にする」とTellerは主張する。

Google Xはそういう未来を探り、創りだすための活動だという。「しかしテクノロジーをそのような不可視性のレベルにまで高めるための前途はまだ遠い。われわれはテクノロジーを意識させないテクノロジーを生み出すことにはまだ成功していない」とTellerは結論した。

〔日本版:アストロ・テラーは本名Eric Teller。コンピュータ科学者、起業家、作家。2010年からGoogle Xの責任者を務めている。祖父は水爆開発やスターウォーズ計画に大きな貢献をしたハンガリー生まれの科学者エドワード・テラー。知性と人格を獲得したプログラムとプラグラマーの女性との心の交流を描いた異色のSF小説は日本語にも翻訳されている。〕

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勝手にペグも回してくれるギター・チューニングマシンがDisruptに登場

Roadieは小さいながら非常に便利なツールだ。ギターのペグをかませて、そしてスマートフォン・アプリケーションに繋ぐ。すると各弦のチューニングを自動で行ってくれるのだ。現在行われているDisrupt NY Battlefieldにて「audience choice」(観客による人気投票)を獲得した。正確にチューニングすることができそして速い。ギターのチューニングを経験したことのある人なら、誰もがきっと欲しくなるのではないかと思う。

「私たちの会社はBand Industries」と言います。音楽関連テックプロダクトに注力しています。音楽に関わるエクスペリエンスをより豊かなものとしたいと考えているのです」と、共同ファウンダー兼CEOのHassane Slaibiは述べている。

最初に作ったデバイスが、このRoadieだ。価格は79ドルで、サイトからプレオーダーできるようになっている。発想は7月を予定しているとのこと。2014年1月にはKickstarterキャンペーンにて、みごと18万ドルほどの資金を調達している。

「レバノンのベイルートにはじまり、2年間にわたり開発に勤しんできました」とSlaibiは言う。その後、中国深セン市のスタートアップアクセラレーター・プログラムのHaxlr8rに参加した。

Roadieは、あらゆるギターに対応しているのが強みのひとつだ。エレキギターでもアコースティックギターでも、あるいはギター風のヘッドがあるものならRoadieを利用することができる(訳注:あらゆるとは言っても、さすがにヘッドレスは無理)。

技術面の説明もしておこう。RoadieはBluetooth経由でスマートフォンに接続する。スマートフォンこそが全体の中で中心的な役割を果たす。弦をはじくとスマートフォンがその音程を認識し、現在の状態をRoadieに伝える。そしてRoadieがチューニングを行うという仕組みになっているのだ。

4人のメンバーが属するBand Industriesは、Kicksatrterキャンペーンに加えてHaxlr8rより2万5000ドルの資金を調達している。今回、Disruptのステージに登場したことにより、今後はさらに多くの人から注目を集めることになるだろう。

訳注:原文サイトではDisrupt運営者側とのQAも掲載されています。

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(翻訳:Maeda, H


Disrupt NY 2014ハッカソン、最優秀賞はVrban、次点はIndulgeとMixTapeに

昨日(米国時間5/3)、何百人ものハッカーが、Disrupt NYハッカソンのためにマンハッタン・センターに集った。彼らは過去24時間飽きることなく働いた。長い夜の後、96チームすべてが壇上にのぼり、才能あるハッカーからなるわれらが審査員と聴衆を魅了しようと、短いけれども楽しいデモを披露した。

今夜のグランドプライズを持ち帰れるのはわずか1チームだけ。それではさっそく、Disrupt NY 2014 ハッカソンの勝者を発表しよう。

最優秀賞:Vrban

Vrbanは,ユーザーがOculus Riftを使って都市環境を探索できるシステムだ。建築予定の建造物が、目的の都市環境でどう見えるかを確認するには特に有効だ。太陽光線、視点、位置等の設定を変更できる。ユーザーはOculusを使って、様々な都市計画の与える影響を観察し、協同作業者たちは、設定を調整することによってプラン変更を検討する。

舞台裏インタビュー

次点 #1: Indulge

舞台裏インタビュー

Indulgeは、ネイルサロンの利用を楽しく計画的で面白いものにする。そのためには次の4つのステップに従うだけでよい。場所を入力し、ネイルポリッシュのバーコードをスキャンし、マニュキアの写真を撮り、友達とシェアする。Indulgeについて詳しくはこちら

次点 #2: MixTape

舞台裏インタビュー

MixTapeは、 パーティーのためのプレイリストをホストできるウェブアプリだ。パーティーのゲストがプレイリスト作りを手伝える。プレイリストに入っている曲に投票して、演奏順に影響を与えることもできる。審査員たちはこのチームの実績に特に感心していた。

これらの3チームは、水曜日のDisruptメインステージで再び壇上に上る ー 最優秀賞受賞者は5000ドルの賞金も受け取る。しかし、それだけではない — 他のハッカーたちも、本誌のAPIスポンサーから素晴らしい賞品を受け取った。ハッカソンのスポンサーには、ChallegPost、Concur、CrunchBase、DigitalOcean、Evernote、Hired、Maijet、Microsoft Ventures、Pearson、UX Awards、Yammer、Yodlee、Alphonso、Esri、Facebook、IsaaCloud、RetailMeNot、Weather Underground、およびDomain.comらが名を連ね、彼らのAPIとサービスを最も革新的に利用した参加者に賞を贈った。

本誌の審査員を務めたのは、BoxGroupパートナー、Adam Rothenberg、NY Tech Meetup会長、Jessica Lawrence、Razorfishのユーザー体験担当VP、Bryan Hamilton、Clothiaのファウンダー、Elena Silenok、およびBrooklyn Bridge Venutresパートナー・ファウンダー、Charlie O’Donnell。

彼らは、トップ3に入れなかったが面白いデモを見せてくれたチーム3組の名前を挙げることを強く薦めた。Wisconsin、Disrupt Taco Bell、およびIt Gon Rainの3チームだ。It Gon Rainは、郵便番号を入力するとFamily GuyのOllie Williams が天気予報を読みあげる。Wisconsinは、ユーザーがWisconsinにいるふりをできる — デジタル足跡をWisconsinに残すことによって。Disrupt Taco Bellを使うと、1ドル当たりのカロリーを最大にできる。このハックの詳細は、本誌の別の記事で読める。

これで今年のハッカソンはおしまい。参加者全員におめでとうを言いたい。明日からはDisrupt NYカンファレンスが始まる。

Disruptのチケットはまだ残りがあるので、 興味のある人はここで入手てきる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Snapchat、短命テキストチャットとビデオ通話を追加

Snapchatは、大成功している短命メッセージングプラットフォーム上に、ゆっくりと機能を追加してきている。今日の新機能は、古き良きチャットと、FaceTimeライクなビデオ通話機能の2つだ。テキストメッセージは、このアプリの性格を大きく変えるかもしれない。

短命写真は何かおかしな物を送って友人たちとの会話のきっかけにするのに最適だ。何人もの友達からスナップが送り返されチャットのようなやり取りが続く。そしてどうでもいい写真を撮ってそこにキャプションを書き込むことになる。短寿命で文字数も制限されているという事実は実に魅力的だが、時としてひどく腹立たしい。

しかし、このすべては過去のものになった。Snapchatの受信箱で友達の名前を右にスワイプするとチャット画面になる。これは一般的なチャットインターフェースだ。テキストメッセージを書いて、送り、スナップを送り、カメラロールの写真やビデオも送れる。残念なから、スタンプはない。

しかし、画面の下端には新しいボタンがある。これが青くなった時、それは相手が今チャット画面にいてあなたのメッセージを読んでいることを意味している。ボタンを押せば、通話が始まる。相手もその青ボタンを押せば、両方で同時に顔を見ることができる。

スナップを見る時と同じく、ビデオ通話を続けるためには、画面に指を置き続けなくてはならない。指の下には、カメラのサムネイルが見える。画面の他の部分には友達の顔がいっぱいに写っている。親指を離すと、相手の顔だけが見え、自分のカメラは共有されなくなる。

前面カメラから背面カメラに切り替えるには、親指を画面上半分までドラッグするだけで良い。こうした繊細なインターフェースは、Snapchatが非常に効果的なメッセージングアプリであり続ける理由だ。

通話やチャットが終ったら、受信箱に戻ることができる。そうするたびに必ずチャット履歴は消され、あなたはSnapchatの短命性に忠実でいられる。ただし、メッセージ毎にタップして保存することはできる。

テキストチャットへの参入は、Snapchatにとって重要な動きだ。Ansaを始め多くのライバルたちが、テキストメッセージ用Snapchatを作り様々なレベルで成功している。Snapchatの既存ユーザーが果たしてこれらの新機能を喜ぶかどうかは、まだ何とも言えない。もはやSnapchatは、ヘンな自撮りを送るだけのサービスではなくなった。

このアップデートは、まだPlay StoreにもApp Storeにも届いていないようだ ― 今日(米国時間5/1)中には公開されるはずだ。チャットをするためには、おそらく相手もアプリをアップデートしている必要があるだろうから、仲の良い友達と新機能を使えるようになるまでにはしばらく時間がかかるかもしれない。

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Appleの2014年Q2は、売上456億ドル、純利益102億ドル、EPS 11.62ドルで予測を上回る

Appleは2014年Q2の業績を発表し、売上は456億ドル、純利益は102億ドル、1株当たり利益(EPS)11.62ドルだった。1年前の同四半期と比較して、売上が4.6%、EPSは15.2%上昇した。

Fortuneによると、アナリストらの合意は、売上434.5億ドル、1株当たり利益10.22ドルで、対前年比の売上が微減、EPSは微増との予測だった。

前回の業績報告での指針では、売上は420~440億ドル、総利益率は37~38%と予測していた。過去1年間、Appleの指針は非常に精度が高く、予測の上限は実際の業績と極めて近かった。

言い換えれば、アナリストもApple自身も、平坦な四半期を予想していた ― 売上横ばい、利益率横ばい、純利益横ばい、すべてが横ばい。これは主として、iPad売上の微減とiPhone売上の微増によるものだ。

しかしこの四半期は例外だ。Appleは、期待以上の実績を上げた。特に、iPhoneは今期の大人気商品だった。海外、特に中国における好調のおかげだろう。

ハードウェア

Appleは、iPhone 4370万台、iPad 1640万台、Mac 410万台を同期中に売った。1年前の2013年Q2と比べ、iPhone売上は16.8%増、iPad売上は15.9%減だった。ハードウェア売上の詳細は、本誌の別稿を読まれたい。

「私たちは今四半期の結果、特にiPhoneの好調な売上と、サービス部門の過去最高の売上に大いに満足している」とApple CEO、Tim Cookがリリース文で述べた。「今後もAppleだけが市場に提供できる新しい製品やサービスを導入することを楽しみにしている」

海外売上

中国は、今日の業績を支える主要な理由の一つだ。Appleは、既に土台を固めた国々で販売を伸ばすことに苦戦してきた ― 他の探さなくてはならなかった。しかも、最近China MobileがiPhoneを新たにサポートした。Q1はAppleにとって通常好調な四半期だが、中国に関しては、2014年Q2はQ1よりも良い成績を収めた。中国に関しては本誌の別稿に詳した。

Appleの財務戦略

Appleは、同社の財務戦略についていくつかの発表を行った。まず、6月1日に、7対1の割合で株式分割を行う。同社は株式買い戻しプログラムに300億ドルを追加した。そして、配当は8%上昇した。これは、魅力的な買い戻しプログラムと言える。

Appleは、積極的な買い戻し戦略を遂行中だ。去る2月、同社は140億ドル相当のApple株を再購入した。自社株の買い戻しは配当に代るものであり、自分の持ち株が現在安値であると考えていることの証明だ。これまで株価への目に見える影響は見られなかった。

しかし、今日の変更がこれを変えた。株価は発表後に7%以上はね上った。Appleの財務戦略については本誌の詳細記事を参照されたい。

指針

Apple自身による2014年Q3の指針は、売上が360~380億ドル、利益率は横ばいで37~38%と予測している。同社の前年同期の売上は353億ドルだったので、Appleは今も成長企業である。

画像提供:Bryce Durbin

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内外両方のカメラで写真を撮影するFrontback、Android版アプリケーションをリリース

ついに話題の写真共有アプリケーションのFrontbackに、Android版が登場した。これまではiOS版のみがリリースされていた。ちなみにiOS版のみの提供を行っていたこの8ヵ月で、ダウンロード数は100万件にも達しており、Android版の公開により、さらに多くの利用者が詰めかけるのではないかと思われる。

ご存じない方のために説明しておくと、Frontbackというのは写真撮影用アプリケーションだ。但し、撮影対象に加えて、撮影するスマートフォンオーナーの姿もあわせたコラージュ作品が創りだされるようになっている(外側カメラと内側カメラの双方で撮った写真が1枚に組み合わされる)。

この数週間、Android版アプリケーションのテストをさせてもらっていたが、アプリケーションの宣伝文句通りの動作をすると言って良いと思う。iOS版を使っていた人がこちらを使っても違和感は感じないはずだ。Android上でもFrontbackの魅力をフルに味わえるようになっているわけだ。

但し、外見的にはAndroidアプリケーションらしい変更も加えられている。ボタンやメニューはAndroidガイドラインに沿ったスタイルになっている。Android版でたまたまFrontbackに出会った人は、もともとからのAndroidアプリケーションだと思うかもしれない。

尚、Android版で追加された機能もある。それはオフラインモードだ。Android版ではネットワークに接続していない状態でも撮影が行えるようになった。撮影した写真は、ネットワークに接続するまでFrontbackに保存されるようになっている。iOS版では次回のアップデートで実装されることになっている。

「Frontbackにおいては、メモリの問題がかなり大きなものでした。想定されているカメラの利用法を拡張する形式のアプリケーションだからです」と、Android版開発リーダーのGiovanni Vatieriは言っている。さまざまな機種が存在する中、各デバイスで最善の写真品質を利用することができるようにすることが、かなり難しかったようだ。カメラの性能と、空きメモリの管理を同時に行う必要があったわけだ。

さらに、Frontbackのユーザーインタフェースは、従来の写真アプリケーションと大幅に異なっているということも問題となった。アプリケーションを立ち上げると、2つに分かれた画面いっぱいに写真が表示された状態となる(他の利用者からの投稿が表示されている)。この場合も、Androidデバイス間で異なる縦横比が採用されていて、また解像度もそれぞれに異なっている現実に対応しなければならなかった。そうした問題のそれぞれについて、利用者の負担にならない形で解決していく必要があったわけだ。

Frontbackは、Android版のリリースを行う前に、iOS版のアップデートを頻繁に行っていた。いったんマルチデバイス対応としてしまうと、機能追加を行う際にはあらゆるデバイスに対応してバージョンアップを行う必要がある。そういった手間を減らす意味もあって、まずはiOS版で一定レベルにまでバージョンアップを行っていたわけだ

共同ファウンダー兼CEOのFrédéric della Failleは、いくつか現状の数値についてもアナウンスしてくれた。ダウンロード数が百万件に達したのは冒頭にも記した通りだ。加えて利用者数はこの2ヵ月で倍になっている。2014年1月比でいうと、写真のアップロード件数は3倍となっている。これはアクティブユーザーの利用頻度が一層上がってきていることを意味する。アプリケーションを熱心に利用してくれる人が増えたのだという言い方もできる。

その他の数値については教えてもらえなかった。Frontbackの利用状況について、詳細な分析を行うことはできないことになる。ただ、Android版のリリースが利用者数の拡大につながることは間違いあるまい。

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(翻訳:Maeda, H


フランス版Hotel TonightのVeryLastRoom、欧州での足場固めを目指して210万ドルを調達

当日になってホテルの予約をするサービスのフランス版であるVeryLastRoomが210万ドル(150万ユーロ)の資金を調達した。アメリカのHotel Tonightと同様な仕組みを提供するサービスだ。出資したのはベンチャーキャピタルのAPlusFinance、Extend、そしてSigma Gestionなどだ。

過去には、エンジェルより55万ドル(40万ユーロ)を調達している。ちなみにHotel Tonight風サービスを展開するスタートアップはヨーロッパでもいろいろと登場してきていたが、Hot HotelsはGrouponに買収され、JustBookがSecretEscapesに買収されるなど、徐々にその数を減らしつつある。

VeryLastRoomは、Hotel Tonight同様に当日のホテルを予約するためのモバイルアプリケーションを提供している。ホテル側としては空室を割引価格で提供して、効率的な運用を行うことができるわけだ。但しHotel Tonightとは異なり、部屋の価格はリアルタイムで変化し続けていくようになっている。すなわち時間が遅くなるにつれて宿泊費は安くなる。午前2時が最終で、その時間に最も安く部屋を利用できるようになっているのだ。

「フランスおよびスペインでは、Hotel Tonightより上質なサービスを提供できていると自負しています」と、CEO兼共同ファウンダーのNicolas Salinは言っている。

今回調達した資金により、現在の8名体制を3ヵ月で倍にする予定なのだそうだ。VeryLastRoomとしては、Hotel Tonightが知名度を広げる前に、フランスマーケットを確実に握ってしまえるかどうかが今後の活動の鍵となる。フランスで確実な地位を掴めば継続的なサービス提供も可能となり、あるいはまた大きな買収ターゲットとして存在感を増すことにも繋がり得るだろう。

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(翻訳:Maeda, H


Wikipediaの共同ファウンダー、たくまずしてBitcoinによる寄付キャンペーンを始める

Jimmy Walesは、WikipediaにBitcoinで寄付する方法を試しているのか? Redditのあるスレッドによれば、彼がそれを考えていることは間違いない。それは1件のツイートで始まった ― Wikipediaの共同ファウンダーはCoinbaseに個人アカウントを開設した。

しかしその後、Walesは彼のウォレットアドレスをTwitterとRedditで公開した。「Coinbaseを気に入った。インターフェースがすごく直感的でいい」と彼はRedditに書いた。

Bitcoinユーザーは自分たちのウォレットを使って参加した。多くの人々が少額のBitcoinを送金し、BitcoinがWikipediaの新しい支払い方法になるべきであることをWalesに知らしめた。彼らはWikimedia Foundationに直接寄付しているわけではないが、Walesは全額を基金に寄付することを明言している。

「私は次のミーティングで(その前にメールでも)Wikimedia Foundationの理事らと、WikimediaがBitcoinを受付けるべきかどうかの議論を再開するつもりだ」とWalesは書いた。しかし、大きな問題はBitcoinが主流な支払い方法にほど遠いことだ。Bitcoinボタンを付けることは人々を怖がらせるだけだ ― 少なくともBitcoinに触れたことのない人たちにとって。

言い換えれば、Wikipediaの募金ページにBitcoinボタンが付くことはない。代わりにWalesは、Bitcoinアドレスをソーシャルネットワークや様々な人気Bitcoinディスカッショングループ、例えばBitcoin subreddit等で共有する考えだ。そうすることで、Bitcoinが何かを知る人はWikipediaにBitcoinで寄付できることを知り、そうでない人はWikimedia FoundationがBitcoinを受け付けていることすら気付かない。

Bitcoin熱狂者たちは、Wikimedia Foundationが変わる可能性を大いに喜んでいるが、WikipediaがBitcoinの有力な支持者になることはなさそうだ。Bitcoinの利用に関わる様々な物事を変えることもない。

Wikimedia Foundationにとって、Bitcoinを受入れることは、支払い方法の選択肢を1つ増やすことにすぎない。おそらく彼らは、Bitcoinをすぐ米ドルに換金して暴落リスクを最小限にするだろう。

これまでのところ、Walesはこの小さな実験で1万1000ドル以上を集めた。彼はBitcoinをいじることを楽しんでいるようだ。「以前は為替トレーダーだったんだ」と彼は書いた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


コミュニティベースで誰もが気軽に使えるIaaSを目指すDigitalOceanが$37.2Mを調達–AWSの次の世代を展望

AWS等と競合するクラウドホスティングのDigitalOceanが、シリーズAで、企業評価額$153Mに対し3720万ドルを調達した。ラウンドの幹事会社はAndreessen Horowitzで、これまでの投資者IA VenturesとCrunchFundも参加した。投資額はAHが圧倒的に大きく、Peter Levineが同社の取締役会に入る。同社のこれまでの資金調達額は一桁少なく320万ドルだった。

DigitalOceanの協同ファウンダでCEOのBen Uretskyは曰く、“うちはインフラプロバイダとして世界第9位だが、IaaSはきわめて資本集約的な業態だ。ユーザは物理マシンの小片を短期間借りてわずかな金額を払うだけだが、その環境を整えるためには巨額な資本を確保して、顧客ニーズをつねに先取りしていかなければならない”。

DigitalOceanもスケーラブルな仮想プライベートサーバを提供するのだが、競合他社に対する差別化要素がいくつかある。その第一は、安いことだ。最小プランの仮想サーバ、愛称droplet(水滴)は、RAM512MB、SSD20GB、帯域1TBでは基本料金月額5ドル+時間料金だ。小さなアプリケーションを実験的に動かしてみるのに、適している。この低料金をいつまで維持できるのか、と聞いたら、Uretskyは簡単明瞭に曰く、“料金を変えるつもりはない”。

もちろん、本格的なWebサービスも十分に動かせる。dropletは55秒で作れて、そのサイズ拡大はワンクリックでできる。大きな‘水滴’でもよいし、複数の‘水滴’を動かしてもよい。今同社のデータセンターはニューヨークとサンフランシスコとアムステルダムとシンガポールにあり、99.99%のアップタイムを約束している。このようにDigitalOceanはユーザに仮想プライベートサーバを提供するので、低レベルのアクセスも可能だ。コロケーションセンターの専用サーバは、管理やアップグレードをユーザがやるのはたいへんだが。

Uretskyによると、“WordPressホスティングのFlywheelはうちのクラウドで構築されて動いているが、今は1000あまりのdropletで構成されている。しかしインテグレーションがとてもタイトだから、Flywheelの顧客はホスティングサービスを使っていることに気づかないだろう”、ということだ。

12月にニューアルバムを出したBeyoncéは、Beyonce.comをDigitalOceanで動かしている。アルバムのローンチ時にも、その仮想サーバ群はびくともしなかった。

“あのときは、最初の24時間で1500万のビジターがあった。彼女は、うちのサービスにとても満足していた”、とUretsky自身も満足げだ。

ホスティングプロバイダとして強敵は多い: RackspaceLinode、それにある意味ではAmazon EC2OpenStackも。では、これらのせめぎあいの中で顧客がとくにDigitalOceanを選ぶ理由は何だろう? まず、同社には強力なコミュニティがある。ユーザ同士で、特定のスタックやアプリケーションを動かすためのチュートリアルやチップスを共有している。そのWebサイトは今では、たえず拡張を続ける巨大な知識ベースになっている。そこで解決できない問題は、同社に直接ヘルプを求めればよい。

“DigitalOceanの上に、みんなが協力して大きな共有環境を作っている、と考えればよい。コミュニティのベストプラクティスを、誰もが利用できるのだ”。

できるだけシンプルなサービスにする努力もしている。システム管理のスキルは必要だが、自分の物理サーバを管理するときほどたいへんではない。dropletのセットアップはほんの数クリック、Webコンソール(管理画面)も提供される。プロビジョニングツールを使ってテンプレートの利用や共有もできる。IPv6のサポート、ロードバランシング、ストレージサービス、なども準備中だ。

“今回の資金調達を契機に、初心に戻りたい。それは、Webのインフラストラクチャをできるだけシンプルにして、デベロッパが使いやすいものにすること。そしてそれと同時に、本格的なWebアプリケーションを問題なくサポートできるほど強力であることだ”。

資金の用途はまず、技術者を増員して、顧客数の増大と、顧客サイトの今後の大幅なスケールアップに備えること。顧客数は、2013年の初めにはわずか2000だったが、今ではアクティブカスタマーが11万いる。動かしている物理サーバは5000台。新規の登録顧客は毎日1000近くある。そして、すでに黒字だ。

投資ラウンドの幹事としてAHを選んだ理由は、これからの社会ではデベロッパがますます重要になるということを、同社がどこのVCよりもよく理解していたからだ。一方AHのPeter Levineは、DigitalOceanの昨今の成長が著しいことに感銘をうけた。そして今後のグローバル展開が確実と考え、大きな投資に踏み切った。

DOのコミュニティについてLevineは、“GitHubの取締役もやってるけど、コミュニティの威力はGitHubで十分承知している。ユーザはコミュニティがあることで、勇気づけられるのだ。DOも、コミュニティはすでに相当大きいし、十分なフィードバックもある。新進スタートアップで、すでにこれだけのコミュニティが育っているところは、本当に珍しい”、と言っている。

Levineはデベロッパとしての仕事をもうやってないが、投資する前にDigitalOceanを実際に使ってみて、仮想プライベートサーバdropletのセットアップが、同社の言うとおり超簡単なのに驚いた。

DOのインタフェイスはAWSやOpenStackとは全然違う。DigitalOceanの市場に合うよう特製されている。Uretskyは、“これまでなかったようなIaaSを作ったことを誇りに思っている”、と言う。今の成長が続けば、メジャーの一角にのし上がることも、ほぼ確実だろう。

情報開示: CrunchFundのファウンダMichael ArringtonはTechCrunchのファウンダである。

写真クレジットt: Tristan Schmurr; CC BY 2.0のライセンスによる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))