Instagramのストーリー、開始後わずか2ヶ月で1億日次アクティブユーザーを獲得

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Instagramのストーリーは、Instagram自身が擁する大きなアクティブユーザー基盤から恩恵を受けている。そしていまや日次アクティブビューワーの数が1億人に達するようになった。これはSnapchatの日次アクティブユーザー(9月下旬の時点で、全プラットフォームにまたがるアクティブユーザーの数は1億5000万人と報告されている)の3分の2である。たとえ既存の聴衆がいて、InstagramのUI上の最上位部分という1級の有利な場所を与えられているとしても、その急速な普及のペースは印象的だ。

Buzzfeed reportの新しい統計も、Instagram全体の合計月次アクティブユーザーが最大5億人になったと繰り返し述べている(この数字が最初にリリースされたのは6月である)、これは今年の初めに羨望の10億人を超えたFacebook Messengerの半分である。

InstagramはSnapchatよりもわずかに年長である。6歳のInstagramに対してSnapcahtは5歳である、しかし既存のInstagramの体験とは劇的に異なる、この新しい機能の急速な受け容れ度合いが示すものは、間違いなくこの機能の導入に伴い、写真中心のソーシャルネットワークが顧客ニーズにヒットしたということである。一般に、Facebookがそのプラットフォームに導入した新機能は、最初はよく知っている環境の快適さを好む利用者たちから懐疑的に扱われる。なのでストーリーを巡る初期段階での熱狂は将来に渡っても上手く続いていくことを示すよい指標である。

Instagram創業者のKevin Systromが、BuzzFeedに対して語ったところでは、同社は最初、この短命コンテンツへのアプローチに対して、投稿したコンテンツにユーザーが消滅までの時間を指定するチェックボックスオプションを検討していたが、実際には余計なステップが入るので上手くはいかないだろうと考えていたということだ。

これはおそらくSnapchatのユーザーではない人びとだ。すなわち(移行ではなく)この形式のメディアに対する純増なのである

Instagramにとってのこの成長は素晴らしいものだが、それは必ずしもSnapchatにとっての悪いニュースとも限らない。設計された機能は、明らかにSnapchatにインスパイアされたものであるが、だからと言ってそれは、Snapcahtのユーザーがそのプラットフォームを捨てて、代わりにInstagramにやってくるということを必ずしも意味していない。アナリストのBen Bajarinが上で指摘しているように、Instagramが経験している成長は、この短命コンテンツカテゴリ全体に対する純増なのだ。

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(翻訳:Sako)

FacebookとOculusがVRコンテンツとダイバーシティと教育に$250Mあまりを投資、VRを本気でメジャー化するつもりだ

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Oculusが望むのは、次のコンピューティングプラットホームが確実に、これまでみたいに白人男性が支配するものではないようにすることだ。同社は、女性や有色人種の人びとによるVRアプリやビデオの創造を支援するために、1000万ドルの基金を設ける、と発表した。

これと並行してFacebookとOculusはさらに2億5000万ドルを、高品質なVRコンテンツの潤沢な開発を加速するために投資する。これまでにもVRコンテンツに2億5000万ドルを投資しているから、一挙に倍増となる。

そのダイバーシティ資金は、OculusのLaunch Pad及びVR For Good事業へ行く。またそれは、“新しい声を増幅する”ためにも投じられる。多様なVR作者とオーディエンスを支援することによって、人生や正義や不平等など、さまざまな視点視野に関する理解が深まる。Oculusは今日(米国時間10/6)、Diverse Filmmakers Projectというダイバーシティ事業を立ち上げた。

1000万ドルの方はOculusのNextGen事業へ向かう。それは、UnityのワークショップとSamsungやAMDおよびOculusのハードウェアを大学に寄贈し、大学におけるVRコンテンツ創造事業を振興する。VRには、コンピューター科学以外にもさまざまな学科の学習を活性化する力がある。VRによる教育アプリ/アプリケーションは、授業をよりおもしろくし、児童生徒は歴史の教科書の上のテキストを読むだけでなく、実際に過去の戦場を体験できる。

デベロッパーがそのUnityのプラットホームで開発することの、リスクを減らすために、FacebookはUnityのロイヤリティを、デベロッパーたちの収益が最初の500万ドルに達するまで負担する。デベロッパーは、自分たちのアプリが商業的に軌道に乗ったら、その後は自分で払うことになる。

モバイルゲームのデベロッパー用に、5000万ドルが取り置かれる。ケーブルを引きずりながら体験するOculus Riftが今は注目されているが、VRの真価はSamsung Gear VRやGoogleのCardboardとDaydreamヘッドセットなど、モバイルのプラットホームにある。今後のユーザー人口を大きく増やすためには、ポータビリティと価格の手頃感が重要である。

何にも増して、こうやってFacebookが巨額を投じたからには、これからはVRデベロッパーにとって良い時代になるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Ivory Clasp:ハンドバッグをサブスクリプションで毎月お届け

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いまやアクセサリー化粧品、そして生理用品にさえサブスクリプションサービス(固定額定期購入サービス)がある、ハンドバックにもあっていい筈だ。少なくともそれがスタトーアップ企業Ivory Claspの立てた前提である。同社は小売なら100ドルを超える高品質でスタイリッシュなハンドバッグを、月額たったの45ドルで提供することを約束している。このサービスは、コピー品ではない有名ブランドのバッグを送り、受け取ったバッグはそのまま手元に残すことができる。

ほとんどのアパレル、アクセサリーのサブスクリプションサービスと同様に、Ivory Claspはあなた個人の好みを知るための簡単なクイズから始まる。基本的は、これは一連の写真からお好みのハンドバッグを選択することで行われる。このデータは、同サービスがこの先あなた好みのハンドバッグを送るために役立てられる。

サービス加入者は、毎月45ドルを支払うか、あるいは新しいバッグを隔月でひとつ受け取る2ヶ月に1度45ドルを支払うコースのどちらかを選ぶことができる。

バッグはまた最新のものが選ばれる。TJ Maxxのような小売店で割引セール対象になっているような古い過剰在庫品とは対照的だ。実際、同社はあなたが、同じバッグがオンライン(アマゾンを含む)で98ドル以下で売られていることを発見した時には、返金することを約束している。そして受け取ったバッグが気に入らないときにも、送り返して全額返金を求めることが可能だ。

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Ivory ClaspのアイデアはAvi Zoltyから来ている、ZoltyはY CombinatorがバックアップしていたスタートアップBeatdeck、とレンタカーのスタートアップSkurtの共同創業者である;そしてそこにSignal Brandの会長兼CEOのJack Rimokhの息子であるSean Rimokhが加わっている。

(Zoltyは、思い出す人もいると思うが、20代の初めのころに彼は、自身のスタートアップへの注目を集めたくて、投資家Jason Calacanisのボイスメールを悪戯でハックするという失敗を犯したことがある。Calacanisは後に彼を許し、そしてZoltyはやんちゃが一線を越える境界について教訓を得たようだ)。

ところでSignal Brandsとは、世界最大のハンドバッグ会社の1つであり、ゲス、スプレンディッド、エラ・モス、トリーナ・タークそしてアイザック・ミズラヒなどのブランドをライセンス供与している。

驚くべきことではないが、それらと同じブランドが Ivory Claspのサービスには含まれているように見える。例えば私が最初に受け取ったのはスプレンディッドのものだ。*

創業者たちはSignal BrandsとIvory Claspとの関係だけでなく、投資状況についてもライセンス契約の関係で話すことができなかった。とはいえ、同社はSignal Brandsの子会社ではなく、出荷するブランドに対して独自の契約を結んでいる。

Ivory Claspはそれらが正確にはどのブランドなのかを宣伝することはできない ‐ それもまた契約の一部である。

言い換えれば、関係しているこれらのブランドは、「割引」サービスに関与したくはないが、相応しい顧客の手に彼らの製品が渡されることは歓迎しているということだ。またある時には、それらのブランドは、生産サプライヤーから必要なときに有利なレートを引き出すために最低注文数を増やそうとする際に、Ivory Claspの在庫を活用することができる。

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ハンドバッグのサブスクリプションなんて、不要な贅沢のようにちょっと聞こえるかもしれないが、それはe-コマースの大きな流れに沿ったものだ。

「私たちが解決しようとしているのは、ファッションに思い切り使える時間がなかったり、ハイエンドバッグやハイエンド衣料に使ったりするお金のない、新しい21世紀の女の子の問題なのです」とZolty。しかし同時に、こうした顧客はディスカウントストアでは買い物をしたくないのだ、と彼は言う – 彼女たちは流行っている最新のスタイルを欲しているだと。

Ivory Claspは顧客のスタイルへの要求に応えるために、常時5〜6スタイルをローテーションしている、一方顧客が毎月同じブランドを受け取らないようにもなっている。

同スタートアップは、300人以上のアクティブユーザーをつかって数ヶ月のサービスのテストを行っている、そして毎月の定期的な収入は10000ドルを越えた。

驚くべきは、顧客の40%が毎月払いのサブスクリプションを選択しているということだ。

「平均的女性は、プライスポイントや年齢層に関わりなく、基本的に年間5〜7個のバッグを買うのです」とRimokhが指摘した。「そこで私たちはこのビジネスを、隔月をターゲットにして立ち上げました」と彼は説明する。しかし、創業者たちは何が起こるかを見るために、毎月払いのオプションを追加することを決めた。そしてすぐにわかったのは、隔月オプションを選ぶのは10人の内6人だけだということだ。

そして、3-5%程度の小さな割合が、隔月でスタートしやがて毎月にアップグレードするということがわかった。

「ユーザーの方々は、キャンセルするよりも、隔月から毎月になる方の確率が高いと言えますね」とRimokhが付け加えた。

しかし、Ivory Claspはアーリーアダプターの間ではよくやっているものの、この先は多数の衣料サブスクリプションサービス、例えばStitchFix、Le Tote、Rent the Runway、Trunk Clubなどの挑戦を受けることになる。いずれも衣料と一緒にバッグも送ってくるサービスだ。たまにハンドバックを買うのだが、自分で選んだものではないものを欲する、ニッチな層を切り開けるかどうかは、まだわからない。

Ivory Claspは、非公開のシード資金によって支えられている。

サービスは正式なローンチを始めている。コードTECHCRUNCHを使用すれば、25%の割引を受けることができる。

* Ivory Claspは私がサービスのテストをできるように、最初の購入に対してチャージをしていない。このバッグは既に私の手を離れている。

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(翻訳:Sako)

Wacomのプロ用ペン入力タブレット型コンピューターは13.3″, 15.6″でタブレットという呼称を拒否

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New York Comic Conは盛りだくさんの何でもあり。Netflixのオリジナル番組のコスプレパレード。Lou Ferrigno本人がHulkのDVDにサインしてくれる。そして今夜は、Legends of the Hidden Templeのパネルがあるらしい。そこにないもの、と言えばテクノロジーの見せ場か。でも、いくつかの発表には、あちこちでテクノロジーが駄々漏れしている。

その筆頭が、Wacom。同社は、タブレットが単なる、電話機としては使わない大きな電話機ではなかった時代に逆戻りする。そしてBambooで消費者の受けをねらったけれども、同社の主食はあくまでもプロフェッショナルたちだ。

そしてプロ受けをねらった場合、タブレットはもはや消費者が大画面でFruit Ninjaを楽しむデバイス“タブレット”ではなくて、同社が発明した新しい機種分類、“モバイルコンピューター”になる。ターゲットはアーチストやデザイナー、われわれ一般大衆ではない。

2D, 3D, およびCADのアーチストやデザイナー向け、という同社のMobileStudio Proモバイルコンピューターは、Windows 10を搭載したペン入力のコンピューターで、6種類の機種構成だ。うち4つは13.3インチ、2つが15.6インチ。入力用のペンは新製品Pen 2の改良型で、Adobe Creative Cloudを完全に使える。

さらにオプションで3Dカメラをサポート、Wacom LinkでMacやPCにつなげば、Cintiq的なデバイスにもなる。

SSDは64または512GB、お値段は1400ドルから。15.6インチモデルがややお高いのは、画面が4Kのせいもある。いずれも、発売は11月の後半を予定している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

「iPhone版DayDream」でGoogleに挑む──スマホVRコントローラーのVroomがKickstarterで出資募集中

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「DayDreamに対抗するVRプラットフォームを創りあげる」──こう語るのはワンダーリーグの代表取締役社長・北村勝利氏だ。同社はiPhoneや既存のAndroid端末でも使えるスマホVR用のモーションコントローラー「Vroom」を開発し、Kickstarterで出資の募集を開始した。目標金額は約100万円で、2017年1月後半の出荷を予定する。

Vroomは、ハコスコなどといった市販のVRビューワーと組み合わせて、iPhoneや既存のAndroidスマートフォンで使うことができるVRモーションコントローラーだ。加速度、地磁気、傾きの9軸センサーを搭載し、手の動きをVRの仮想空間に反映させることができる。筆者はエンジニアリングサンプルを使ったデモを見たが、iPhoneのスクリーン上に表示したVR空間上に、まるでOculus TouchかHTC Viveといった専用機のコントローラーで操作するごとく手の動きが再現されており新鮮さを感じた。

DayDreamはGoogleにしては「珍しくクローズド」

スマホVRを巡っては、Googleが今年春に最新のVRプロジェクト「DayDream」を発表。10月のイベントでは対応ヘッドセット「View」とスマートフォン「Pixel」を発表した。DayDreamの特徴は、手の3次元の動きをVR空間に反映できる”モーションコントローラー”を備える点にある。HTC Viveなどの据え置き型VRでは当たり前だが、これまでのスマホVRにおいてはモーションコントローラが存在しなかったこともあり、DayDreamの登場でスマホVRのリッチ化が進むとの期待が大きい。

一方でDayDreamは「Googleにしては珍しくクローズドなプラットフォーム」だと北村氏は指摘する。同氏は「ハードウェアはGoogleが指定したメーカーしか作れないし、アプリケーションはGoogleが審査したものしか動かない」とも話す。このクローズさを勝機と捉え、DayDreamに対抗する”オープンソース”なVRモーションコントローラとして開発したのがVroomだという。

「Macに対してWindows、iPhoneに対してAndroidが立ち上がったように、リーディングプロダクトがクローズドな仕組みで登場すると、これに対抗するオープンな仕組みが求められる。今そのポジションが空いたと判断した」(北村氏)

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ワンダーリーグの代表取締役社長の北村勝利氏

北村氏は、福岡県出身の実業家。25歳にして情報提供サービスを手がける会社を設立。以来25年にわたってソフトウェアやモバイルビジネスの分野で会社を経営し、次々に事業を立ち上げたシリアルアントレプレナーだ。エグジットはこれまでに4度も経験し、東芝子会社の社長を3年間務めたこともある。同氏が2004年に設立し、しばらく休眠状態に置いていたワンダーリーグ社を本格始動させたのは2014年。2015年までEスポーツアプリの開発を手がけていたが、今回新規事業としてVRに参入した。資本金は約1億3000万円(資本準備金9200万円)で、これまでアドウェイズ、サイバーエージェント・ベンチャーズ、B Dash Ventures、日本アジア投資、D2C R、ベルロックメディアから出資をウケている。

世界に500万人いるUnityユーザーに届けたい

北村氏は「ハードウェアで儲けるつもりはない」と話す。Vroomについても「誰でも採用できるオープンなVRコントローラーのプラットフォームを目指した」としていて、VroomのファームウェアやSDKも全てオープンにしている。Kickstarterで出資を募集したのは「世界に500万人いるUnityエンジニアの方々に届ける」ことが目的だと北村氏は言う。目標額が日本円にして約100万円と控え目なのは、このような事情もあるのだろう。

ではどこでマネタイズするのかというと、Unityのアセットストアにおいて、Vroomのアセットをエンジニア向けに販売したりする。「ソフト屋なので、Vroomのプラットフォームが広がれば支援業務で稼げる」と北村氏は語る。例えば中国メーカーが低価格なVRビューワーに、Vroomのプラットフォームを採用することも大歓迎なのだという。顧客としては全世界のスマートフォン向けアプリディベロッパーやVRビジネス参入検討会社、そして玩具メーカーなどを想定している。

また国内では、不動産や建設会社向けのAR/VRのソリューションにも取り組む。「VRを使えば住宅展示場と同じことがスマホ1台で行える。従来のスマホVRは『見るだけ』だったが、Vroomを使えば手を伸ばしてドアを空けることもできる。また既存のスマホやiPhoneを使えるので、数を用意することが必要な法人ソリューションに最適」と北村氏は述べた。

開発途中のデモ動画を見る限り、モーショントラッキングの精度は高いと感じた

来春に公開予定のVroom対応ゲーム TrainFaith。手を動かしてパンチを繰り出せる

来春に公開予定のVroom対応ゲーム Trainfight。手を動かしてパンチを繰り出せる

なお現時点でVroomの競合は、DayDreamを除いて存在しないという。大手メーカーが競合となる可能性ついては、東芝子会社の社長を3年間務めた経験から「大手はSDKが必要な製品は作りたながらない」と北川氏は語り、さらに「我々が既にオープンソースで出しているので、競合が出す意味もない」と付け加えた。

デスクトップ回路基板プリンターで成功途上にあるBotFactoryが$1.3Mを調達、自分の手元でプロトタイプを作れる

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回路基板は、作るのは難しくなくても、時間と手間がかかる。試行錯誤、バグ、売るための費用、などなどが積み重なると小さなプロジェクトが大きな重荷になる。そこでBotfactoryは、130万ドルの資金を調達してデスクトップのPCBプリンター(上図)を作ろうとしている。

ニューヨーク大学の院生Nicolas VansnickとCarlos Ospina、および教授のMichael Knoxは、クラスのプロジェクトでPCBを作らなければならなくなったとき、BotFactoryを着想した。クラスのほとんど全員がそのプロジェクトで失敗したのは、2週間で回路基板を作る、という部分で挫折したからだ。

Vansnickは語る、“その経験から学んだことは大きい。回路基板を簡単迅速に作れない、という問題はどんなプロジェクトにもあるだろう。だから電子回路のプロトタイプや製品を作る方法に、革命をもたらすようなソリューションが必要なのだ。それまではみんな、回路やチップをなるべく小さくすることに苦労していたけど、PCBを作る方法をなんとかしよう、とは思わなかったのだ”。

彼らの最初の製品Squinkはすでに発売され、106台売れた。あと12台、受注残がある。Squinkは言うまでもなく、ニッチ製品だ。誰もが自分の仕事場にピックアンドプレースマシンを置きたいわけではない。でもそれは、今後のもっと素晴らしいプロジェクトのスタートでもある。そのキットは伝導性インクやハンダを使って、部品を回路基板に配置していく。

今回の130万ドルの資金調達ラウンドは、NY Angelsがリーダーになった。

“究極の目標は、誰もがその場ですぐ、ローコストで回路基板を作れるような、デスクトップマシンを提供することだ”、とVansnickは語る。

これまでのPCBメーカーは、回路をアジアの製作所へ送って基板やチップが送り返されるのを待っていた。バグがあればそのフィックスに数週間を要し、発売までにさらに数週間がかかっていた。そういうプロセスの全体を机上の小さなマシンに収めることによって、BotFactoryは大量の時間の無駄を防いでくれる。

Squinkのベーシックタイプは3199ドル、より高度なバージョンが4499ドルだ。いわゆるメイカー向けの価格ではないかもしれないが、でもかつてHan SoloがSpockに言ったように、“武器を置きなさい。あなたが本当に探していたものは、こんなロボットなのだ”、と誰にも言ってあげたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ザッカーバーグ、Oculus VRヘッドセットのスタンドアロン版を先行公開

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今日(米国時間10/6)Facebook CEOのMark Zuckerbergは、Oculus Connectデベロッパーカンファレンスの壇上に立ち、同社のモバイルVRの未来について語った。

新しいスタンドアロンヘッドセットのプロトタイプは、位置トラッキングが大きな特徴だ。短いデモビデオを見たところ、ヘッドセットはRiftの改造版のようでコンピューターモジュールがヘッドセットの背面に埋め込まれていた。位置トラッキングを使うことによって、ヘッドセットは自身の物理的位置を知り、それに合わせて画面のコンテンツを表示できる。360度ビデオは固定された視点からの球状ビューに限られているが、位置トラッキングがあれば、VR体験中に歩き回って自由な角度で世界を見ることができる。多くの熱心な愛好家たちがこれを「本物のVR」であることの証明と呼ぶ理由だ。

Zuckerbergによると、開発はまだごく初期段階にあるが、製品ロードマップには載っている。信じられないことに「お手頃価格」という言葉が使われていた。

これまで位置トラッキングは、OculusのRiftやHTC Vive、PS VR等、主要なハイエンドVRヘッドセットでのみ利用できた。しかしこの発表によってOculusは、モバイルVR体験とハイエンドのVRとのギャップを埋めようとしている。

昨年11月OculusはSamsung Galaxyユーザー向けに、Gearという普及型VRヘッドセットを公開し、モバイルVRヘッドセット業界で厳しい競争に直面している。中でもGoogleは、Daydream Viewというヘッドセットを今週発表している。どうやらOculusは、スマートフォン用モバイルVRよりも、スタンドアロン戦略に目を向けてているようだ。

OculusはモバイルVRの分野で強力な存在感を示しており、これはSamsungとモバイルキャリアが、Samsungの対象機種を買った人に無料でヘッドセットを提供していたことが大きい。5月にOculusは、月間アクティブユーザー数100万人を突破したが、SamsungがS7の予約購入者全員にヘッドセットを配った直後のことだったため、用意されたVRコンテンツを消費者が使い果たした今、この数字がどうなっているかは不明だ。

モバイル用の位置トラッキングは長年利用されてきた技術だが、Oculusにとっての問題はバッテリー消費だ。これについてはOculusのCTO John Carmackが非常に情熱的に語っていた。

OculusはモバイルVRの消費電力ニーズを満たす位置トラッキング技術を手に入れることができなかったのか、あるいはそこはGoogleに譲り、次期プラットフォームハードウェアの支配に集中しているかのどちらのようだ。

発売日についての詳細は明らかにされていないが、Oculusは一日も早く出しがっているに違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

写真をアートに変えるアプリPrismaから動画フィルターが登場

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写真のアートフィルターアプリPrismaはiOSアプリに新機能をつける。今日から、動画フィルター機能を展開する。

このアプリは、機械学習アルゴリズムを用いて、自撮り写真をアニメ風などに変換することができる。写真を多用なグラフィックアートに変換するこのアプリは、夏にローンチして以来バイラルに広がって、何千万というダウンロード数を達成した。早くも、彼らの後を追うクローンアプリが次々と誕生している。

アートなセルフィーを作る以外に、PrismaのiPhoneアプリでは、15秒以内の短い動画をアニメーションに変換することができるようになる。現在、9つのスタイルのフィルターが利用でき、フィルターを選択すると、アプリのAIアルゴリズムが1フレームずつ動画を変換していく。

退屈な家の廊下の動画も、数分でまるで動くコミックのようになる(この動画クリップに関しては)。

動画はアプリから撮影するか、カメラロール内の動画を選択することができる。Prismaの動画フィルターを利用するためにはiOS 10が必要だ。また、動画の長さや解像度、使用しているiPhoneモデルによってはフィルターをかけるのに1分以上かかる場合もあり、それを待つ忍耐力が求められる。

Androidユーザーはもうしばらく待たなくてはならない。Androidアプリの動画対応はこれからだ。

Androidアプリにはまず、オフラインで写真にフィルターをかける機能を追加すると、共同ファウンダーのAram Airapetyanは言う。「その後動画開発をします」という。「Androidは手強いのです」と付け足した。

iOSのPrismaアプリで動画にフィルターをかけるには、iPhone 6で約2分、iPhone 6sで55から60秒、iPhone 7で30秒ほどとAirapetyanは言う。ただ、私が試した動画は、彼の言う平均時間よりたいてい少し早く完成した。

全ての処理は、デバイスのローカルで行うので、モザイク調、ムンク調、漫画風アニメ調など、色々な動画リミックスを楽しむとiPhoneのハードウェアが多少熱を持つことになる。

今後iOSアプリには、GIF作成機能を搭載するとPrismaはいう。これは、動画をループ再生するもので近々公開するという。今月後半という話だ。

荒削りな部分も

iOS版におけるPrismaの動画フィルター機能は、現段階ではベータローンチだ。Airapetyanは、動画の品質を改善させたバージョンを展開すること、そして動画クリップを彩るアートフィルターの種類も直に増やすと話す。Prismaの写真で使用できるフィルターを動画でも利用できるようにし、それに加え新しいフィルターも追加する考えだそうだ。

動画フィルターを展開しているのは、もちろんPrismaだけではない。写真加工アプリのPicsArtを手がけるスタートアップは、Prismaより先に動画フィルターを出した(ただ、PicsArtの場合、動画フィルター機能は、彼らにとって2つめのスタンドアローンアプリとなるMagic Videoとして展開している)。

しかし、Airapetyanはライバルの施策は特に気にしていないという。「私たちのアプリはより早く、良い仕上がりです。現段階でローンチする動画フィルターはまだベータ版で、最終的な品質はもっと良くなります」とPrismaの動画フィルターはPicsArtとどのように対抗するかについて聞いた時、彼はそう答えた。

「また、数週間内に写真フィルターの品質も向上させる予定です」と彼は言う。

売り言葉に買い言葉だが、Prismaは最初にバイラルな広がりを獲得したものの、今は競合の機能展開に追いつかなければならない。

Prismaのベータ版の動画フィルターは、品質にまだ荒削りの部分もある。Magic Videoではより洗練された動画が期待できる。ただ、個人的にはたくさんの設定やレイヤーを選択するMagic VideoよりPrismaのシンプルなインターフェイスの方が好みだ(もちろん動画編集の選択肢やツールは多い方が良いと思う人は反対意見だろう)。

ローンチ前にPrsimaの動画フィルターを試してみたところ、いくつかの仕上がりはまだ多少荒く、Prismaの写真のアートフィルターに比べると一目で惹かれるような結果ではなかったように思う。動画もややチカチカする印象だ。

とはいえ、写真のアートフィルター同様、フィルターによって動画の仕上がりがかなり違うので、良い仕上がりになったフィルターもある。いくつか違うスタイルを試して遊んでみるといいのが見つかるだろう。

私の場合少なくとも1つは満足できたり、面白いと思えるフィルターを見つけることができ、動画加工を楽しめた。ただ、撮ったセルフィーにすぐにアートフィルターをかけてシェアする楽しさに比べると、一気にバイラルで広がる力は劣るかもしれない。

ここにいくつか作ったテスト動画を載せた。上から「Gold Fish」と「Scream」のフィルターを使用している。


音楽グループTweedはPrismaの技術を使って長い動画を制作している(ただ、アプリでは15秒できっかり処理が止まる仕様なので、今の段階でPrismaアプリから直接長編動画を加工することはできない)。

Prismaのアプリは動画でも写真でも、PicArtの2つのアプリが提供するような細かい設定はできない。しかし、私が思うにPrismaのシンプルさがバイラルな広がりを実現した要因であると思う。また、いくつか写真を加工するのに登録する必要もない。ただ、これも好みによるもので、もっとたくさんの機能を備えた写真加工アプリが欲しいのならPrismaは適していないと言えるだろう。

写真のフィルター効果に関しても、私はPrismaの仕上がりの方が好きだ。PicArtの仕上がりは少し派手になりすぎると感じているからだが、これもまた個人の好みによる。

Prismaは1つの機能に特化したアプリにも関わらず(あるいは、特化しているからこそ)、ダウンロード数を引続き増やすことに成功している。TechCrunchに対し、ローンチから3ヶ月で7000万ダウンロードを突破したという。

8月の時点では5500万超のダウンロードだった。Prismaは開発を継続するためにVCからの資金調達を行うのではないか、あるいはInstagramやSnapchatといったソーシャルプラットフォームが自社のコンテンツ制作人材を強化するために彼らを買収するのではないかという噂が早くも流れていた。

現時点までにPrismaはどちらも行っていない。その代わり、彼らはアプリで利用できるスポンサードフィルターでマネタイズを図っている。

現在、1つのスポンサードフィルター「Gett」をローンチしている。また、他のフィルターも今月には追加する予定だ。Prismaのチームは大型の資金調達を行なっている様子もない。

「調達しなくても大丈夫だと思っています」とAirapetyanは、資金調達は検討していないのかという単刀直入な質問に対して回答した。数千万ダウンロードを達成した新入りアプリは、自社のソーシャルプラットフォームを持っておらず、他のパクリアプリが彼らの牙城を狙っている。クールな機能を持つアプリが持続可能なビジネスに転換できるかはまだ分からない。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

ソニー、RX100 Vとa6500を発表―小型高級カメラがさらに強力に

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ソニーから新しいカメラは2機種発表された。どちらも既存の機種の改良なので、正確にいえば「新機種」というより「アップグレード」と呼んだ方がいいかもしれない。機能に比例して価格もアップグレードされている。 どちらも1000ドル以上の高級カメラだが、それだけの機能はある。

The RX100 V〔DSC-RX100M5〕は機種名から想像がつくとおり、ポケットサイズのパワーハウス、RX100の第5世代だ。世代を経るごとに価格もアップしているが機能も強化されている。常に専門家の評価の高いカメラの一つだ。

Vモデルで強化された点のひとつはAFのスピードアップだ。ソニーでは合焦時間は世界最速で0.05秒だとしている。カメラの機能の進歩は速いのでこの世界記録もそう長くは保たないだろうが。4Kビデオは全画素読み出しによるオーバーサンプリングで、隣り合う画素を合算するピクセル・ビニンングではない。AFは撮影中も位相差を維持しており、コントラストAFになることはない。(このあたり耳慣れないようなら読み飛ばしていただきたい)。

興味があるのは毎秒24コマのバースト・モードで、これは20メガピクセル、RAW+JPEGフォーマットで最大150コマまで撮影できる。毎秒24コマというのはよく知られているとおり、もっとも一般的な映画のフレームレートだ。つまりこのカメラは24コマのRAWビデオを最大6秒間撮影する能力がある。ポケットサイズのカメラでこれができるというのは驚異的だ。劇場用映画撮影の現場でBカメラとして使えるだろう。

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a6500はa6300のアップグレード版だ。もともと高性能なミラーレス一眼だが、新機能としてはやはりAFシステムの改良がまずトップに来る。ボディー5軸内光学手ブレ補正とタッチスクリーンも追加された。24メガピクセルの撮像素子は従来どおり。画像プロセッサーはアップデートされた。

今回の改良でa6500は多機能であるだけでなく使い勝手もいいカメラになった。残念ながらエルゴノミクスとインターフェイスは従来どおり。ソニーはタッチスクリーンのソフトウェアの改良にももっと真剣に取り組む必要がある。

RX100 Vは今月中に出荷され価格は10000ドル程度。a6500が入手できるのは11月になり、1400ドル前後になる。

Featured Image: Sony

〔日本版〕上記2モデルの国内向けバージョンの情報はまだ発表されていない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

OpenStackが14回目のバージョンアップ、スケーラビリティと自己回復力、ベアメタル上のコンテナに注力

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OpenStackは、企業がこれを使って自分のデータセンターにAWSのようなクラウドプラットホームを構築運用できる大規模なオープンソースプロジェクトだ。それが今日(米国時間10/6)、その14度目のメジャーバージョンアップをリリースしたNewtonと呼ばれるニューバージョンは、ここ数年間における、OpenStackのさらなる成熟を示している。そして今回は、OpenStackのコア的サービスの一部の、スケーラビリティと自己回復力の強化に力が入れられている。またそれと同時に、重要な新しい機能が二つ加わった。そのひとつは、コンテナとベアメタルサーバーのサポートの改良だ。

Newtonに寄与貢献したデベロッパーとユーザーは2500名あまりに達する。その数からもそれがビッグプロジェクトであることが分かるが、コンピュート、ストレージ、ネットワーキングといったデータセンターの中核的サービスをサポートするだけでなく、多様な小規模サービスも各種提供している。

OpenStack FoundationのCOO Mark Collierによると、Newtonの力点は新しい機能よりもむしろ、新しい種類のワークロードをサポートするためのツールの充実に置かれている。

CollierとOpenStack Foundationの上級役員Jonathan Bryceが強調するのは、OpenStackの仕事はあくまでも、ユーザーが自分のワークロードを動かすために必要とするインフラストラクチャを提供することだ、という点だ。ワークロードの種類やタイプ、そのために求められるツールは、いっさい特定しない。“クラウドと仮想マシンが同一視されることは、最近ではなくなった”、とCollierは述べる。むしろ今多いのは、ベアメタルとコンテナの併用だ。OpenStackはそんなユーザーに、すべてを一元管理できるための、単一の制御インタフェイスを提供しなければならない。

しかし企業の変革の歩みは遅くて、OpenStackを使っているアーリーアダプター的企業でさえ、コンテナの採用はまだ始まったばかりだ。Bryceは曰く、“アーリーアダプターの中には、すでにコンテナをプロダクションで(本番運用で)使っているところもある。しかし私の考えでは、OpenStackである・なしを問わず、コンテナをプロダクションで使うのは時期尚早だ”。しかしそれでも、彼によると、最近ではOpenStackのさまざまなコンポーネントを活用して、コンテナの採用を早めたい、というユーザーが増えている。

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OpenStackのコア・フィーチャーであるNovaコンピュートサービスや、Horizonダッシュボード、Swiftオブジェクト/blobストアなどは、今回のアップデートでスケーラビリティが向上した。OpenStack上のコンテナ管理プロジェクトMagumuは、すでにDocker Swarm, Kubernetes, およびMesosをサポートし、オペレーターがKubernetesのクラスターをベアメタルサーバーの上で動かすこともできる。またそういうベアメタルサーバーのプロビジョニングフレームワークIronicは、Magnumとよりタイトに統合化され、マルチテナントのネットワーキングもサポートする。

今回のリリースには、そういった多様なアップデートや改善改良が含まれる。その圧倒的な全容と各プロジェクトの詳細は、ここで見られる。

OpenStackはすでに、6か月先の次のリリースにも取り組んでいる。それは、今月後半にバルセロナで行われるOpenStack Summitまでには準備段階を終えて、来年2月に一般公開されるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Nikeの自動ひも締めシューズ、バック・トゥ・ザ・フューチャー特別エディションを試してみた


今週Nikeは、Nike Magsの新しいモデルを販売すると発表した。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」にインスパイヤされた自動ひも結びシューズだ ― ただし限定わずか89足。これはラッフル(チケットは10ドル)の当選商品で、利益はマイケル・J・フォックス基金に贈られる。

私はMagsを(ごく短時間)試着し、Nikeのシニア・イノベーター、Tiffany Beersとそのテクノロジーについて話す機会を得た。みなさんがこのモデルを履く機会はおそらくないだろうが、テクノロジーはNikeのHyperAdaptシューズと同じで、こちらは消費者向けに広く販売される。

Beersが自動靴ひも締めが現実になるまでの長いプロセスについて話してくれた ― Nikeのデザイナー、Tinker Hatfieldが最初に相談に来たのは2005年のことだそうだ。そして、これが単なるクールで新奇なカジェットでない理由を説明した(靴ひもが自分の足を締めるところを見たり感じたりすることは、まちがいなくクールだろうが)。

「アスリートはいつでも靴ひもを調節できる。バスケットボール選手ならタイムアウト中に、足の血流を促すことができる。マラソンの最中に靴が濡れたり足がむくんだりしたら、すぐに履きかえられる」とBeersは言った。

Nike Magsの詳細とラッフルの申し込みについてはこちらから

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

文章が読めるチャットボットを開発するMaluuba

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MaluubaがSiriのようなパーソナル・アシスタントを最初にローンチしたのは、4年前サンフランシスコで開催されたTechCrunch Disruptのイベントにおいてだった。それ以来、同社は1100万ドルの資金を調達し、そのテクノロジーを多数の携帯製造会社にライセンスした。それらの会社はそのテクノロジーを使って、自社の携帯にパーソナル・アシスタント機能を実装している。

Maluubaの製品部門のトップであるMo Musbahによると、同社は直近の2年間を、ディープラーニングを自然言語処理の局面で利用する方法の開発に投じてきた。それに関連して一例を挙げると、同社は最近モントリオールに研究開発の為のオフィスをオープンした。「そこにおける私たちのビジョンは、ディープラーニングでの世界最大の研究施設を作ることです」とMusbahが言った通り、同社が野心に欠けるということはなさそうだ。

同社が研究開発に注力する余力があるのは、同社のボイス・アシスタント関連のOEMビジネスが着実に収益をもたらしてくれるからだ。本日同社はこの研究開発の成果を始めてお披露目してくれた。

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同社の研究チームは過去数年間に渡り、文章を与えれば、その文章について自然言語形式で尋ねることが出来るようなシステムを構築してきた。今あなたが読んでいるこの文章を例にとれば、「Maluubaの製品部門のトップは誰?」といった風に質問することができ、システムは正しい答えを返してくる。

現在残念ながらまだ一般公開には至っていないものの、Maluubaの動作はこんな具合だ。

実際のところ、この問題を解決するのは大変難しい。というのも、このシステムは多くのトレーニングの恩恵を受けることなく、うまく動く必要があるからだ。この種の機械学習こそが今日のパーソナル・アシスタントをずっと賢いものにする手助けになるものだと研究チームは信じているのです、とMaluubaの研究部門のトップであるAdam Trischlerは私に語った。「我々が気づいたことが2つあります。まず最初に、いま使われているパーソナル・アシスタントは根本的に機能してません。外から知識を持ってくることは出来ません」と、彼は言った。「次に、会話がほとんど出来ないという点が挙げられます。我々は会話をしたいし、それができるシステムこそより強力なシステムと考えています」

ここで彼が言っている問題とは、例えばSiriやグーグル・アシスタントなどにそれらのサービスの守備範囲外の質問をした場合、ユーザーはそのウェブサイトに飛ばされてそこで検索をすることになる。もしアシスタントが実際にそれらのまとまりのない文章を理解できれば、そのサービスの答えることができる質問の数はずっと多いものとなるだろう。リアルタイムにそれを実現できるのなら、なお良い。Maluubaのテクノロジーを使えばそれが実現でき、それは非常に大きな前進だ。とりわけ、システムが外部の情報に頼らずに、与えられた文章を解析することだけで質問に答えることができるとすれば尚更だ。
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(翻訳:Tsubouchi)

Oculus、Facebook Messengerビデオ通話のバーチャルリアリティーをデモ

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Oculus Connet 3カンファレンスのステージ上でFacebook CEOのMark Zuckerbergは、妻からのFacebook Messengerビデオ通話に新たなソーシャルVR環境の中で応答した。

傘下のVR部門であるOculusに対するFacebookの信頼は、VRを使ったクロスネットワーク通信を推進するに足るレベルに達したようだ。妻のPriscilla ChanからのMessengerビデオ通話はPriscillaの職場からかかってきたもので、Zuckerbergのバーチャルリストデバイスにポップアップした。Zuckが通知を物理的(バーチャル?)にタップすると、別ウィンドウでビデオ通話が開始され、通話中もZuckの視界にはバーチャル環境が維持される。Zuckerbergは通話中にVRセルフィーを撮り、直接Facebookに投稿して見せた。

テレプレゼンスは、わかりやすい利用場面として長らく期待されてきており、伝説的「VRキラーアプリ」と言う人さえいる。多くの人が語るVRテレプレゼンスは、スターウォーズのように位置トラッキングが可能な「ボリュメトリックVRホログラム」のことだ。HololensやMetaは、この技術を用いた拡張現実(AR)を披露してきた。Messenger通話はずっとシンプルなバーチャル2Dディスプレイ体験で、「アイアンマン」の世界に近い。

OculusとMessengerの統合は、Facebookの本格的VR統合の先行デモにすぎない ― ZuckerbergはVRを未来のプラットフォームとして位置づけている。

messenger-call今日のZuckerbergで最大のニュースは、Facebookがバーチャルリアリティー内でのモバイルを再発明しようとしていることだろう。タッチコントローラーの位置情報がひも付けされたバーチャル・リストデバイスは、これまで見たVR専用デバイスの中で初めての真に魅力的なUIだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Pixelの目玉機能は新バージョンのAndroidには搭載されない予定

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今週行われたGoogleのハードウェアイベントでは、Androidの新バージョンAndroid 7.1(Nougat 7.1)についてほとんど触れられていなかった。というのも、Pixelに盛り込まれる目玉機能のいくつかは新OSには搭載されない予定なのだ。備え付けのカスタマーサポートサービスであるGoogle Assistantや、オリジナル解像度で写真・ビデオの無制限バックアップができるSmart Storageなどは新OSには搭載されない。

どの機能が”Pixelオンリー”なのかについては、Android Policeが既にGoogleの内部から入手したログを引用してレポートしていた。そしてこの度、Googleはその内容が正しいと認めたのだ。

搭載されない機能のいくつかについては納得がいく。例えば、iPhoneからAndroidへのデータ移行を簡単にする“クイックスイッチ”アダプターは、Pixelにしか同梱されない予定だ。というのもこれにはケーブルアダプターというハードウェアが必要になる。

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Pixelの新しいカメラアプリもハードウェアに依存している。Pixelの背面には12.3メガピクセルのカメラが搭載されており、4Kビデオが撮影できる他、連続で複数枚の写真が撮れる”スマートバースト”といった特別機能もいくつか盛り込まれる。

さらに、Pixelにはさまざまなセンサーや接続方法(Wi-Fi、セルラー移動通信、GPSなど)を集約したSensor Hubプロセッサーが搭載されている。

Google Photos経由の無制限写真・ビデオバックアップサービスを無料でバンドルするというのは、上手いマーケティング戦略であるとも言える。自分のAndroidをアップグレードする言い訳を求めている写真好きにとっては、このサービスを利用できるだけでPixelが魅力的に映るだろうし、iCloudにお金がかかることを考慮すると、iPhone 7よりもPixelを選ぶ人がいるかもしれない。

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しかし、新OSで採用を見送られた機能の中には疑問に感じるものもある。

1番大きなものとして、Nougatのアップデート版であり、PixelやPixel XLのOSに採用されているAndroid 7.1には、Google Assistantが含まれていない。このスマートバーチャルアシスタントは、AppleのSiriやMicrosoftのCortana、AmazonのAlexaに対するGoogleの答えだ。さらにGoogle Assitantは、現存するAndroidデバイスに搭載され、スタンドアローンのアプリとしても配信されているデジタルアシスタントのGoogle Nowよりも強力なことで知られている。

そもそもGoogle Now自体もパワフルで、自然言語が処理できるほか、競合サービスのようにさまざまなアシスタント機能を果たすことができる。通勤路を利用してどのくらいで自宅に着くかや、飛行機に間に合うにはいつ出発しなければならないか、いつ頃荷物が届くか、さらに天気・スポーツ・株式に関する情報や、イベントのリマインダー機能など、ユーザーが気になる情報に関するアラートを発信してくれる。

さらにGoogle Nowは、近場のレストランやお店に関するユーザーの質問に回答することで、Google検索のとっかかりになっているほか、単純にウェブ上の情報も検索できる。より実用的な機能として、デバイスの設定変更やテキスト・メールの送付、電話をかけたり、リマインダーを設定したりといったこともできる。

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しかし、Google Assistantはさらにその上をいく、Google Nowがよりスマートになったアップグレード版のようなものだ。Google Nowができることは全てできるのはもちろん、その根底にあるAIテクノロジーはユーザーと双方向の会話ができるため、話の中で出てきた情報を記憶し、後日別の話をしているときにその内容を引っ張り出すことができる。さらに、サブスクリプション機能を利用して、ユーザーが気にしている情報のアップデートを毎日配信することも可能だ。

また、Google Assistant経由で、ChromecastやGoogle Castを搭載したデバイスのほか、NestやSmartThings、Philips Hueのスマートホームデバイスも操作することができる。

サードパーティ製のサービスともAction(Alexaの”Skills”のGoogle版)を介して連携可能だ。

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Google Assitantの強力な機能を考えると、Android 7.1からGoogle Nowに取って代わらないのは残念だが、今後Pixel以外のデバイスにAssistantが登場しないというわけではない。同時に、AssistantをずっとPixelだけの機能にするのはバカげている一方、近いうちに無料のAndroidアップデートに盛り込まれるとも考えづらい。

Googleの広報担当者は下記のように話している。

私たちのゴールはGoogle Assistantをできるだけたくさんのユーザーに使ってもらうことです。来年中もGoogle Assitantの新たな機能を順次発表していく予定です。

Pixel Launcherとユーザーインターフェースについては、PixelにだけAssistantにアクセスするためのナビゲーションバーアイコンが表示される。その他には、システムUIのアクセントカラーテーマや、新しい見た目と雰囲気のセットアップ画面、新しい壁紙設定機能、日付が表示されるカレンダーアイコンなどもPixelのみで利用可能だ。

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そうは言っても、Android 7.1にも、いくつか使える機能が搭載される予定だ。

ハードウェアアクセラレーションに対応したナイトライトや、タッチ機能・ディスプレイ性能の向上、Moves(ステータスバーを開閉するための指紋ジェスチャー)、シームレスな自動アップデート、Daydream VRモードへの対応のほかにも、開発者向けにアプリショートカットのAPIやサークル型アプリのサポートなどが発表された。

Android 7.1はディベロッパープレビューとして今月中にローンチ予定だ。一方で、いつ頃一般消費者向けのバージョンが配信されるかや、どのデバイスが最初にアップデートできるようになるかについてはGoogleと確認がとれていない。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

SnapchatのSnapは来春にも上場へ―時価総額250億ドル(2.6兆円)以上に

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Wall Street Journalの報道によれば、Snapchatの運営会社で最近改名したSnapは上場の準備を進めているという。早ければ来年3月にも実現するかもしれない。上場時の時価総額は250億ドル(2.6兆円)以上になる見込みだ。

Snapの最近の資金調達は去る5月の18億ドルのラウンドだった。同社の1日あたりアクティブ・ユーザーは1億5000万人でリークされた文書によれば2017年には10億ドルの売上が可能だという。この文書によれば、Snapの2016年の売上は2億5000万ドルから3億5000万ドルの間と見積もられている。

Snapはこれまでにも大量の資金を調達しているが、それでもまだ十分ではないようだ。同社は新しいプロダクトをスタートさせるためにさらに資金を必要としている。Spectaclesと呼ばれるカメラ付拡張現実メガネなどのハードウェアの開発にも多額の金がかかる。Spactaclesの価格は比較的抑えられているが、ティーン層以外にもユーザーを広げようとすれば大赤字の元になる可能性がある。Snapはまた買収のための資金も必要としている。BitmojiのBitstripsの買収では「おおまかにいって1億ドル」を必要としている。

上場時の時価総額の250億ドル「以上」というのはなるほど漠然としているようだが、こうした場合の正確な数字は幹事会社が上場時の売り出し価格を決定するまで正確にはわからないのが普通だ。ただしSnapchatにはユーザー数、売上、エンゲージメントその他すべての面で急成長中のイメージがあり、その上場は市場の垂涎の的と見られている。

広告ビジネスの面からは最大のライバルは依然としてFacebookだろう。同社は当初Snapを買収しようとして失敗し、その後膨大なりソースを注いでSnapchatを打ち負かすために機能をコピーしてきた。現在でもInstagramはStoriesが1日あたりアクティブ・ユーザー1億人を獲得したことを自慢している。しかしCEOのKevin Systrom自身、StoriesはSnapchatの機能のクローンだと認めている。

Facebookと競り合っているという現状は、Snapchatが200億ドルという最近の資金調達後の会社評価額を上回る額に向けて成長中であることを投資家に納得させるに十分だろう。今年に入って成功した株式上場は大半が、もともと成功を収めている大企業の株式公開だった。Snapの上場がウォールストリートの関心を引くにはいいタイミングだ。いずれにせよ、Snapが上場すれば、ここ数年で最大の上場イベントになることは間違いない。

Snapでは「財務に関する噂や推測にはコメントしないことにしている」と述べている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

クレジットカードのCapital Oneがオンラインで商品価格をトラックするParibusを買収

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Capital Oneが、またフィンテック分野で買収を行う。今回は価格トラッキング・サービスのParibusだ。Paribusは、オンラインの買い物客が購入した商品の価格が下がった際に、自動で返金を得られるように手伝うサービスだ。取引条件は公開されていないが、今回の買収でParibusのテクノロジーとチームのどちらもCapital Oneに加わることになる。

ParisubはTechCrunch Disrupt NY 2015のStartup Battlefieldでローンチし、そのアイデアはオンラインの買い物客が、購入した商品の価格を継続的にトラックし、価格が下がった際にはオンラインの小売店に返金を依頼するプロセスを自動化するというものだ。多くの小売店は、購入後でも価格を一致させるための返金に応じるが、ほとんどのコンシューマーは商品の購入手続きが完了した後、その商品の価格の変動を確認するのを面倒に感じている。

ParibusはGmail、Outlook、YahooなどのEメールプロバイダーと連携し、ユーザーの受信箱にあるオンラインで購入した商品のレシートをスキャンする。レシートを見つけると、オンライン店舗に設置してある商品価格の一致を知らせるウェインドウを見に行って、価格が下がっているかどうかを確認する。このサービスはAmazon、Best Buy、Walmart、Target、Bloomingdale’s、Macy’s、Bonobos、J.Crew、NewEgg、Costco、Staples、Kohl’sを始め、多くのオンライン店に対応している。

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Paribusは220万ドルを調達し、12名のチームで運営している。彼らは全員Capital Oneに加入する。ParibusのファウンダーであるEric GlymanとKarim Atiyeは、Capital OneのU.S. Cardでシニアディレクターに就任する。

「私たちは彼らの才能、そして彼らがユーザーの生活を助けるという揺るぎないミッションを掲げて開発している革新的なテクノロジーに感嘆しました」とCaptal OneのU.S. CardでManaging Vice Presidentを務めるEmilia Lopezは、同社がParibusを買収した理由について話す。

「私たちが注力することは、Capital Oneの幅広いサービスの中にParibusを融合させること、そしてCreditWiseやSecond Lookといった私たちが人々の生活を楽にすることを目指して提供しているテクノロジーやツールにParibusのプロダクト加えることです」とLopezは言う。

買収時、Paribusは70万人のユーザーを抱え、共同ファウンダーのGlymanはここ数年における同社の方向性と成長にチームは満足していたと話すが、収益については開示しなかった。

「他の多くのスタートアップ同様、私たちは1年間で急速に成長し、様々な道を選ぶことができました」とGlymanは話す。「私たちはCapital Oneと力を合わせる道を選びました。革新的なテクノロジー企業に加わり、私たちの取り組みを大幅に増強できること、そして彼らと共にコンシュマー向けの素晴らしいテクノロジーを構築する力を活性化させることができることを嬉しく思います」。

Paribusは買収後に閉鎖することはないが、Capital Oneと新たな節約サービスの開発に取り組みという。同社はすでに、クレジットカードの価格保証に焦点を当てた新プロダクトに着手していて、次のビジネスにおける一歩を踏み出している。

今回の買収は近年Capital Oneがテック人材の採用とカスタマーにモダンで革新的なサービスを提供するために行なっているいくつかの買収案件に続くものだ。Capital OneはBundleBankOnsAdaptive Pathといったスタートアップを買収していて、昨年もLevel MoneyMonsoonを買収している。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

eBayがビジュアル検索エンジンのCorrigonを買収、買収額は3000万ドル未満との噂

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新品・中古を問わず何でも揃ったマーケットプレイスのeBayが、また新たに企業を買収し、同社のサイト上に掲載されている10億種類前後の商品の中からユーザーが欲しいものを見つけ出すための検索テクノロジーを強化しようとしている。eBayは本日、イスラエルを拠点とするスタートアップで、コンピュータービジョンやビジュアル検索テクノロジーの専門家を有するCorrigonを買収したと発表した。なお、eBayは買収の詳細について何も発表していない。イスラエル紙The Markerは買収額が3000万ドルであったと報じたが、私たちの情報筋によれば実際の買収額はそれよりも少なかったとされる。

Corrigonは、2008年頃にAvinoam OmerとEinav Itamarによって設立された。その後、同社がこれまでにどのくらいの資金を調達したかはハッキリしていない。Omer自身は連続起業家で、Microsoftに買収された機械学習テクノロジー企業のZoomixも彼が過去に設立した会社だ。

Corrigonは、画像内にある特定の物体を検索・認識し、それを他の画像とマッチさせたり、製品情報にリンクさせたりといったことを得意とする。eBayにおいては、その技術が画像と商品のマッチングに利用されるようになるだろう。「Corringonの専門性やテクノロジーのおかげで、販売者は自分の商品にぴったりな画像を利用できるようになり、購入者は自分がスクリーン上で見ているものと実際の商品が同一であると信用できるようになります」とeBayは記している。

これが何を意味するかというと、将来的にeBayは、販売者が自分たちで準備する画像よりも高画質の商品画像を提供できるようになるということだ。同様に、購入者も同じ機能を利用して、eBay上で欲しい商品を探し出すことができるようになる。

Corrigonのサイト上では、彼らの技術がどのように応用できるかについて詳細を確認することができる。例えば、大きな写真の中にいくつものアイテムが含まれているとして、ユーザーが画像上でマウスのポインターを動かすと、アイテム毎にポップアップリンクが表示され、ユーザーはそこから関連アイテムを購入することができるのだ。Corrigonのテクノロジーを利用すれば、アイテムの認識とリンクの作成が基本的に自動化できる。

eBayはこれまでに、機械学習やビッグデータを利用した検索機能の構築に何度も取り組んできた。今年の5月には、ビッグデータスタートアップのExpertmakerやAIを開発するSalesPredictを買収していた。

さらにeBayはずっと、自社のプラットフォームをもっと視覚的でスマートなものにしようとしており、Corrigonはその戦略にマッチしている。実のところ、eBayは2011年の時点で既に限定的なビジュアル検索機能をモバイルアプリの形で提供しており、ユーザーはスマートフォンのカメラを使って、購入したいアイテムを特定することができた。

2013年には、Pinterestのような画像中心のインターフェースへとデザインを一新し、以前のテキストベースで古風なデザインを好まないような消費者層を取り込もうとしていた。しかし、インターフェースの変更によって、画像の検索や発見、画像とのインタラクションに関しもっと高度なテクノロジーが必要になったのだ。

eBayによれば、「構造化データイニシアティブの一環として」Corrigonの技術は画像認識だけでなく、画像の識別や補正にも利用される予定だ。

「私たちがeBayのショッピング・エクスペリエンスを進化させていく中、Corrigonのテクノロジーや専門性のおかげで、利用者は欲しい商品を簡単にみつけられるようになります。これは、1年以上前、つまり私たちが構造化データに投資する以前は不可能なことでした」とeBayの構造化データ部門でヴァイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーを務めるAmit Menipazは声明の中で語った。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Stripeが日本で正式ローンチ、三井住友カードが資本参加を発表

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アプリやオンラインのショッピングサイトに数行のコードを加えるだけでオンライン決済機能を導入できるStripeが、アジアに攻勢をかけている。2週間前のシンガポールでのローンチを皮切りに、Stripeがついに日本でも正式にローンチする。それに併せ、同社への新しい出資者も発表された。日本国内最大のクレジットカード会社、三井住友カード株式会社がStripeに資本参加するのだ。

三井住友カードからの出資金額は非公開ではあるものの、今回の出資は戦略的な意義を持つ。2015年5月に日本でベータ版公開して以来、Stripeと三井住友カードはパートナーであり続けてきた。

日本で初めてVisaとパートナーシップを結んだという経歴をもつ三井住友カードは(VisaはStripeの出資者でもある)、Stripeの正式版の発表を全面的にバックアップしている。三井住友カードの協力により、日本のStripeではマルチカレンシー対応が実現したのだ。これにより、日本の事業者が自社の製品を世界130ヵ国の通貨で販売することが可能となった。日本円での販売のみに制限されている現行のバージョンを考えれば、これは大きな進歩だと言えるだろう。

(単純な計算による推測ではあるが、今回の出資金額は少なくとも1000万ドル規模であり、前回のラウンド以降、継続的に出資が行われていたと考えられる。Crunchbaseに掲載されているStripeの合計調達金額は2億9000万ドルであり、Stripeが今回のローンチに併せて発表したプレスリリースには「これまでで合計約3億ドルを調達」したとある。同社のバリュエーションは50億ドルで、この数字は2015年7月に行われた前回の資金調達時と変わらない)

これまでのベータ版を公開してきたこともあり、Stripeは正式ローンチに先駆けて日本でも相当数の顧客をすでに獲得している。全日本航空、Eコマース・プラットフォームのBUYMA、イベントアプリのPeatix、SumartHRなどがその例だ。Stripeの発表によれば、世界全体の顧客数は10万社にものぼり、マーケットプレイスのGoFundMe、オンデマンドのモバイルファースト・ビジネスであるLyftやInstacartなどもStripeの顧客企業だ。

Stripeの料金体系は1回の取引につき3.6%の手数料報酬型だ。この手数料率は他の国とほぼ変わらない。API自体は無料で提供されている。

慎重に動き、築き上げる

今回の日本への進出により、Stripeは世界25ヵ国でビジネスを展開することになる。また、日本でのローンチ発表の翌日には、同社にとって26ヵ国目となるスペインでのローンチも発表されている。Stripeはすでにグローバル企業ではあるが、今回発表された日本進出はいくつかの点において重要な意味をもつ。その一つに、Stripeにとって日本市場は攻略すべき巨大市場だという理由がある。(中国に次いで)アジア第2の市場規模を持ち、GDPの規模という点で考えても日本は世界有数の巨大市場だ。

すでに日本市場には楽天PayPalなど、オンライン決済事業を手掛ける企業が数多く存在している(楽天はStripeの競合企業の一つであるWePayにも出資している)。しかし、マルチカレンシー対応のオンライン決済機能(日本円だけではなく130ヵ国以上の通貨で取引が可能)はStripeが日本初だと同社は話している。

従来では、日本企業が日本円以外の通貨を取り扱う場合には個別の銀行口座や事業体を組織する必要があった。その理由の一つとして、日本でのStripeのビジネスを指揮するDaniel Hehhernanは
「日本の金融インフラは他国とはまったくの別物であり、そのことが日本企業のグローバル展開を難しくさせています」と話している。

「この数十年間、日本はテクノロジー発展の中心地として機能してきました。しかし、世界全体の経済にまでビジネスを展開させられたのは、ほんの一握りの企業だけでした」とStripeの共同創業者兼CEOのPatrick Collisonは語る。「Stripeが目指すのは、日本企業がもつクリエイティビティと野心を世界に送り出す手助けをすることなのです」。

Stripeの新サービスでは詐欺防止機能が加わるなど、セキュリティが強化されている。また、その他の国での例と同じく、ベーシックなオンライン決済機能だけでなく、より大きな金融エコシステムを構築することで利益率を高める方針だ。

その例として、会計サービス、請求書管理サービス、セキュリティ、PCIコンプライアンス、そしてApple PayやAndroid Payなどのサードパーティ・サービスへのアクセスなどが挙げられる(Stripeが先月開始したInstant Payoutsなど、サービスの中には現状アメリカ国内での利用に限られているものもある)。

Stripeが日本にオフィスを構えたのは2014年6月だ。それにもかかわらず、正式ローンチまでにこれ程までの時間がかかった理由をHeffernanに聞いてみた。

「Stripeは世界各国でまったく同じサービスを展開するのではなく、それぞれの新しい市場を深く観察しようとしています。時間をかけて市場が持つニュアンスをさぐり、その国ならではのニーズや問題点を理解しようと努めるのです」と彼は語る。「そうすることで切迫したニーズに応えることができ、そのマーケットにとってベストなサービスを提供することが可能になります」。

Stripeをマルチカレンシーに対応させるためにも相当な労力が必要だったようだ。

「マルチカレンシーは日本市場向けにゼロから構築してきた機能です。これを実現させるためには相当な時間と労力をかける必要がありました」とHeffernanは話す。「マルチカレンシー対応の決済サービスは日本初の試みであり、これを日本で実現させたいと思ったのです」。

つい先日、三井住友グループがフィンテック分野のスタートアップへの出資に関心があると報じられたばかりだということを考えると、三井住友カードのStripeへの資本参加はとても興味深いニュースだ(言い換えれば、フィンテックへの資本参加はこれが最後ではないかもしれないということだ)。

日本市場の状況として、2016年以前はフィンテック企業への出資機会は少なかったことが挙げられる。その理由は日本金融市場の規制が厳しいこと、そして東京で起きたマウントゴックスの破綻をきかっけに、新しい金融モデルに対する視線が厳しくなったことが考えられる。

そのため、かのStripeへの出資に際しても、ある程度の調査は行われたようだ。「私たちはFacebookやTwitter、Kickstarterなど、洗練された世界レベルのテクノロジー企業を観察しました。すると、それらの企業すべてが決済処理のためにStripeのサービスを利用していることを知ったのです」と三井住友カード社長の島田秀男氏は話す。「Stripeは日本のビジネスに新しい金融技術インフラをもたらす企業であり、彼らの手助けができることを嬉しく思います」。

次のステップとして、いまだベータ版の公開に留まっている香港市場がある。Heffernanは、(現在同社がサポートしている)東南アジア各国ではStripeに対する注目度は高いと話し、東南アジア市場におけるStripeのビジネスは「まだ初期段階」だとも話している。「今後数カ月というタームでは、アジア市場はStripeにとって最重要項目であり続けるでしょう」。

Stripeへの出資者には三井住友カードの他にも、Sequoia Capital、Kleiner Perkins Caufield & Byers、Visa、American Express、Peter Thiel、Max Levchin、そしてElon Muskなどがいる。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

買収の噂が消えてTwitter株、20%暴落

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Twitterの株価はここ数週間非常に好調を続けていた。しかしこのハネムーンも終わり、現実に戻るときが来たようだ。現在(米国時間10/6)、Twitteの株価は昨日の終値24.87ドルから20.06%ダウンして$19.88ドルとなっている。

いったい何が起きているのだろうか? Recodeの複数記事によれば、Twitterの買収を検討していた大企業の多くが手を引くことを決めたからだという。Google、Apple、DisneyはもはやTwitter買収に関心がないという。

Salesforceはどうやら最後に残った買い手候補らしい。Salesforceは以前プロフェッショナルのSNS、LinkedInを買収しようとしたことがあったが、Microsoftにさらわれた。

しかしSalesforceのCEO、Marc Benioffは「われわれは結局Twitterを買収しないかもしれない」とも述べている。Benioffの今日の投資家向けの発言にはさまざまな要素が含まれていた。

こうしたことがすべて現在のTwitterの株価に反映している。Twitterの時価総額から一夜にして20億ドル以上の価値が消えた。もしかすると、株価が下がったことで、現在は表に出ていない買い手がTwitterに手がとどくようになったかもしれない。

Twitterが株式を公開したのは2013年の11月で、上場初日の終値での時価総額は310億ドルだった。今日の時価総額は150億ドル弱だ。去る6月のTwitterの時価総額はこれよりさらに低く、100億ドルだった。

ともあれ、ここしばらくはTwitterは独立企業として運営されるしかないようだ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Duolingoに外国語学習を手助けするチャットボットが登場

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チャットボットのブームであるようだが、実際に役立つものが少ないと感じている人も多いようだ。しかし言語学習の際に利用できれば、それはきっと便利なのではないだろうか。学習した内容を、コンテキストの中で使ってみることができれば、身につく度合いも変わってくることだろう。とくにオンラインで学習している場合、習ったことを試してみる相手が周りにいないケースが多いだろう。そういうケースに対処しようと、DuolingoはAIを活用したチャットボットをアプリケーションに導入することにしたのだ。

2016-10-05_1648今のところ、チャットボットが対応しているのはフランス語、スペイン語、およびドイツ語についてのみだ。またiPhone版アプリケーションのみの対応となっている。ボットはクラウド上に存在するので、利用にあたってはインターネットに接続している必要もある。

ボットとの会話を魅力的なものとするため、Duolingoは複数のキャラクターを用意してもいる。たとえばシェフのRobert、ドライバーのRenée、およびオフィスワーカーのAdaなどのボットが存在する。それぞれに、こちらからの会話に対して異なるリアクションをとるようになっている(過ちの正し方もそれぞれに異なる)。いろいろなキャラクターを用意することで、現実世界に近い状況を提示しようという意図もあるのだろう。

なお、チャットボットが会話時のバリエーションを認めているのもうれしいところだ。言語学習のアプリケーションでは、これができないものが多い。たとえば挨拶の仕方などは何通りもある。しかし決まった表現しか許さない学習ソフトウェアが多いのだ。さらにはどのように答えてよいのかまったくわからない場合には、ボタンクリックでヒントを示してもくれるようになっている。

「外国語を学ぶ際の大きな目標のひとつは、会話をすることだと思います」とDuolingoのCEO兼共同ファウンダーのLuis von Ahnは述べている。「ボキャブラリーや読解力のトレーニングはこれまでのDuolingoアプリケーションでも行うことができました。しかし学んだことをいきなり現実世界で試すというのはいろいろと難しいものでしょう。そういうときに、わたしたちのチャットボットが便利にかつ有効に機能すると思うのです」。

今のところはテキストベースのやり取りしかできない。しかし音声対話も行えるようにしたいと考えているそうだ。

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(翻訳:Maeda, H