Stack Overflow for TeamsがJiraとGitHubを新たに統合

多くのデベロッパーにとってStack Overflowは、プログラミング関連の質問をするQ&Aサイトだが、しかし数年前から同社は、Stack Overflow for Teamsという新しいプロダクトで成功している。このプロダクトは要するに、同社のQ&Aプロダクトのプライベート(非公開)バージョンを企業に提供するもので、今では同社にかなり大きな売上をもたらしている。このほど一新されたStackOverflowの役員たちも、今後のプロダクトの経営貢献とそれによる企業の急速な成長に期待している。

そんなStack Overflow for Teamsをもっと企業にとって魅力的にするために、同社は米国時間3月3日にTeamsをJiraやGitHub、そしてEnterprise版のMicrosoft Teamsと統合させた。統合対象はこれらのサービスのEnterpriseやBusiness版となる。なおTeamsはすでにSlackやOkta、それにBusiness版のMicrosoft Teamsと統合している。

Stack OverflowのCPOであるTeresa Dietrich(テレサ・ディートリッヒ)氏は、次のように語っている。 「これまでやってきた統合は、デベロッパーのワークフローを反映している。テクノロジーの構築や利用に関わっている人たちは必ず、これらのツールのどれかを使っている。何かを統合するときには、それを誰が何のために使うのかを考える。ここでは主に『デベロッパーのワークフローを支援すること』が目的だ。またSlackとTeamsの統合からわかるように、ChatOpsは明らかに別のものだ。そして今回のJiraとGitHubの統合は、デベロッパーのワークフローの中核となる」

現在のStack Overflow for Teamsの顧客には、MicrosoftやExpensify、Wixなどがいる。同社によると、Teamsの現顧客の65%がGitHubを使っており、今回の統合はむしろ当然のものだ。

MicrosoftにおけるStack Overflow for Teamsの使われ方

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AI商標登録サービス「Cotobox」が、AI特許審査シミュや知財契約書テンプレと連携へ

AI商標登録サービス「Cotobox」(コトボックス)を運営するcotoboxは3月4日、AI特許審査シミュレーションシステム「AI Samurai」を開発・販売するAI Samurai、知的財産専門契約書テンプレートを提供するメリットパートナーズ法律事務所との連携を発表した。この提携により、商標や特許、知財契約の情報を一括提供可能になる。

写真に向かって左から、AI Samurai代表取締役の白坂一氏、cotobox代表取締役の五味和泰氏、メリットパートナーズ法律事務所で代表弁護士・弁理士を務める知念芳文氏

経済産業省の調査によると、これまでに商標出願した中小企業は全体の0.8%程度の3万社ほどに留まっている。インターネットとテクノロジー、そして物流網の発達で、考案したアイデアやプロダクトがコピーされる確率が高まっており、知的財産の適切な保護は企業の経済活動を進めるには不可欠になってきているが、中小企業全体ではなかなか保護が進まない状況だ。中小企業にはもちろんスタートアップも含まれる。

cotoboxの商標登録サービス

こうした状況をテクノロジーで解決するための手段として今回の提携が生まれた。具体的には、CotoboxサイトがAI Samuraiと知財契約書テンプレートにシームレスに連携しており、CotoboxユーザーがAI SamuraiのAI特許審査シミュレーションシステムと知財契約書テンプレートを利用できるようになる。

cotoboxは今回の提携で、商標だけではなく、知財領域の情報へのアクセスを容易にして、知財に対する心理的なハードルを取り払い、知財経営を普及させることを目指す。

Googleのビデオ会議ツールが新型コロナ対応の一環で無料利用可能に

Googleは、同社のリモートワークツールを社員の在宅ワークを検討している企業向けのブログ記事で、高度なビデオ会議サービスであるHangouts Meetを全世界のG SuiteとG Suite for Educationのユーザーが無料で利用できるようにする、と発表した。

CEOのSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏は、米国時間3月3日のツイートでそれについて発表している。

COVID-19の影響下にある企業や学校がつながりを失わないために、2020年7月1日までビデオ会議Hangouts Meetの利用を無料にする。

ブログ記事では「COVID-19の蔓延により、リモートで仕事をする社員や教育者、学生などが増えているので、我々としては彼らがつながりを維持した状態で仕事ができるようにした。多くの企業が在宅ワークのポリシーを調整して通勤を減らそうとしている中で、私達はグローバルに分散しているすべてのチームが、それぞれいる場所は違っていても、確実に互いに顔を合わせられるようにしたい」と語っている。

Googleによるこの決定のすこし前には、世界最大規模の業界カンファレンスがいくつもCOVID-19を恐れて開催中止になっていた。GSMAのMobile World Congress、FacebookのF8カンファレンス、それにGeneva Motor ShowGame Developers Conferenceなどがキャンセルされている。

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ドアを閉じるのは、カンファレンスだけではない。企業もあらゆる手段を講じてリモートワークを奨励している。Twitterは社員にリモートワークを奨励しており、またStripeやSlack、Squareなども社員に対して会社に出て来ないよう促している。

今回のGoogleによるビデオ会議の無料アクセスは、1回につき参加者250名まで、傍聴者のためのライブのストリーミングは1ドメインにつき最大10万名までとなっている。会議の模様はGoogle Driveに録画保存できる。

これは本来ならエンタープライズ向けの機能だが、Googleは7月1日までは無料としている。

「この試練のときにあって我々は、ユーザーと顧客を真剣にサポートしたい。継続的にインフラストラクチャをスケールして、Hangouts Meetの今後の大きな需要にも対応し、スムーズで安心できるサービスを提供したい」と同社はいう。

真っ先にこの新しいサービスを喜んだのが、Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏と彼のTwitterだ。現在、苦境にある最高経営責任者は「Twitterの全世界全社会議を初めて、完全に仮想会議だけで行った。それにはGoogle MeetとSlackHQを使用した」とツイートしている。

全世界的全社会議を完全な仮想会議で行なった。自宅から参加した社員もいる。こんなことは初めてだが、すべて快調だった。GoogleとSlackありがとう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ボストン・ダイナミクスがOTTO Motorsと提携して倉庫自動化ビジネスに参入


技術系ロボティクスの最大手Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)は、倉庫の無人化とロジスティクス技術を開発する OTTO Motors(オットー・モーターズ)と新たな共同事業を行うことを発表した。

この1年間、 Boston Dynamicsは自社のロボットであるHandleや、コンピュータービジョンシステムのPickを通じて、不気味な動物ロボット制作から、より実用的な倉庫オートメーション技術の開発へとシフトしてきた。

米国時間3月3日、同社はOTTO Motorsと提携してロジスティクス分野を自動化する概念実証をビデオで紹介した。

これは、画期的なロボティクスのイノベーションを生み出すだけでなく、収益を生むことに焦点を当てる、という全社的取り組みの一環であり、1月に新たなCEOを指名したことに続くものだ。

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「実質的にほとんどの社員は私が雇った。積極的に会社を成長させることが今の大きな課題だ」とBoston Dynamicsの新CEOであるRob Playter(ロブ・プレイター)氏は当時TechCrunchに語った。「経営チームに新しい人材を入れることが2019年の主要な目標だった。同時に、設定した目標を達成するために技術チームに貪欲な競争心を与えることにも力を入れた。そのためには、最先端のロボティクス技術を磨くだけでなく、ロボットを製品化し販売、サポートができるような組織に変える必要がある」

ロボットを製品にして販売することは、OTTOとの提携の中核をなすものだと製品技術担当副社長のKevin Blankespoor(ケビン・ブランケスプール)氏はいう。

「異種ロボットの集団で配送センターを構成することで、倉庫オートメーションのより柔軟なソリューションを提供する、という概念実証のデモをつくった」とブランケスプール氏が声明で語った。「我々の顧客が期待する能力に応えるために、倉庫アプリケーション向けにHandleの機能を拡張し、OTTO 1500など他のロボットとの相互作用を最適化した」

OTTO Motorsのような倉庫の自動化やロジスティクス技術を長年開発してきた会社にとって、Boston Dyanmicsとの提携はきわめて自然な動きだ。

「Boston Dyanamicsのような最先端ロボティクス会社といっしょに仕事ができることを大いに喜んでいる」とOTTO MotorsのCTO・共同ファウンダーであるRyan Gariepy(ライアン・ガリエピー)氏は語った。「それぞれの分野のリーダーとして、我々は持っている技術をまったく新しいアプリケーションの世界に応用することができる」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

BMWのコンセプトカー「i4」、2021年予定の量産型が見えてきた

BMWは米国時間3月3日、近く発売が予定されるi4のコンセプトカーを公開した。EPA電費は推定270マイル(約435キロメートル)、出力は530馬力という、ガソリンエンジン搭載のハイパフォーマンスカーM3の性能を凌ぐ完全電動4ドアグランクーペだ。

i4コンセプトカーは、ジュネーブの国際モーターショーがコロナウイルスの影響で中止になったためインターネット上で公開されたが、2021年に生産開始の予定が組まれている。BMWはここしばらく、電気自動車i3の次に出る車両について語り、情報を小出しにしてき。2019年11月には、ロサンゼルスのオートショーでi4の仕様の一部を公表している。そして今回の最新発表では、i4がどんなスタイルになるのかが、一層はっきりしてきた。また、インテリアと電費の予測値に関する情報も少しだけ公開されている。

このコンセプトカーは、ロングホイールベース、ファストバックのルーフライン、ショートオーバーハングという形状で、量産型はこれに近くなることがうかがえる。i4はツーボックスのi3とは、ずいぶんかけ離れたスタイルだ。

前面には通気性のないグリルがある。その目的は、過去のガソリンエンジン車のイメージを引き継ぐためだけではないとBMWは話している。さまざまなセンサーを搭載するためにグリルが使われるとのことだ。

おそらく、巨大な腎臓のような形のフロントグリル以外に、もっとも注目すべき点は、ガラスのルーフと車内に配置された湾曲したデジタルディスプレイだろう。

量産型にもこれと同じものが搭載されるかは定かでないが、インテリアのタッチ操作が基本になり、ボタンやノブは少なくなると予想される。BMWが1画面デザインにこだわり続けるかどうかも見どころだ。下の写真では、コンソール部分にノブが1つしかないことがわかる。

BMWのEV計画を詳しく追いかけてきた人は覚えているだろうが、i4の電費は600キロメートルになると言われていた。その数値はライバル車よりも頭ひとつ抜き出るものだが、EPA電費なのかヨーロッパのWLTP電費なのか、基準が明確にされていなかった。EPAのほうが控えめな値になることが多い。BMWは、今回その電費を明らかにし、EPA推定値270マイル(約435キロメートル)と公表した。

i4は、5代目のBMW eDriveを搭載する。新型の電動モーター、電力制御系、充電ユニット、高電圧バッテリーを搭載したプラットフォームだ。この第5世代プラットフォームは、iNEXT SUVと中国市場に投入されるiX3にも使われる。i4の80キロワットのバッテリーパックはフラットな形状をしており、BMWによると重量は550キログラムとのこと。ちなみに、Tesla Model3のバッテリーの重量は480キログラムだ。

i4コンセプトの発表は、電動化を深いレベルで推し進めるとBMWが以前から公言していた姿勢を示すものだ。2019年11月、BMWは中国のバッテリーセルメーカーContemporary Amperex Technology Co.(寧徳時代新能源科技:CATL)と韓国のSamsung SDIから100億ユーロ(約1兆2000億円)を投じてバッテリーを調達すると発表した。2018年中ごろに発表されたCATLとの最初の契約では、40億ユーロ(約4800億円)相当のバッテリーセルを購入するという話だった。今度の新規契約は2020年から2031年までの期間にわたるものだと、同社は同時に公表した。

BMWグループは、ドイツのエアフルトに建設中のCATLのバッテリーセル工場における最初の顧客となる。CATLをドイツに招致するうえで、BMWは大きな役割を果たしたと、BMW AGの取締役会メンバーであり、購入とサプライヤーネットワークの責任者であるAndreas Wendt(アンドリアス・ベント)氏は話していた。

画像クレジット:BMW

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(翻訳:金井哲夫)

2009年以来最大のダウ平均上げ幅を記録したその日にRobinhoodがシステムダウン

76億ドル(約8130億円)以上のバリュエーションがついた株取引アプリのRobinhood(ロビンフッド)は、2020年最も忙しい取引日に最悪のシステムダウンに見舞われた。

ダウ平均株価は米国時間3月2日、2009年以来最大の上げ幅を記録した。Robinhoodのアプリケーションはエラーの犠牲になり、この月曜日の取引時間中、ユーザーをサービスから締め出す結果となった。

「今朝、市場が開いたときにプラットフォーム全体でシステムダウンの問題が起きた」と広報担当者はメールで明らかにした。「問題解決の時期は不明だが、Robinhoodの全員がサービス再開に向けて最大限努力している」という。

システムダウンの原因は、過去1カ月にわたり市場を非常に不安定にした高水準の売買高のせいかもしれない。当初、バグは2月29日のうるう日が原因だとの報告もあったが、同社は否定した。

同社のミスは、3月2日に売却を目論んだユーザーにとって大きな機会損失となった可能性がある。新型コロナウイルス(COVID-19)が世界経済に与える影響への懸念が先週、連日の株価下落を引き起こし、投資家は影響を受けた銘柄を3月2日に売却しようとしたのだ。

Robinhoodのコードが、会社をトラブルに巻き込んだのはこれが初めてではない。2019年、誤ったコーディングのせいで、ユーザーは同社が意図したよりも多くの資金を借りることができ、これから取引を始めようとしていたトレーダーにとっては追い風になった。

2013年、同社の創業者はTechCrunchレポーターのJosh Constine(ジョシュ・コンスティン)の自宅にあるキッチンテーブルを囲んでアイデアを話し合ったときには、このアプリを耳寄り情報を共有する方法として考えていた。しかし、アプリはすぐに株取引プラットフォームに変身した。同社のプラットフォームには現在1000万人以上のユーザーがいるという。

当初の成功の秘訣は、無料の株式取引だった。競合他社の多くが真似し続けてきた価格設定モデルだ。

Apptopia(アップトピア)によると、Robinhoodは無料の株取引サービスの中で最も人気があり、既存の競合他社よりもはるかに多くの売買高とユーザーを抱えている。3月2日のシステムダウンが示したのは、数十年にわたってサービスストレステストを行ってきた企業と協力しなかったことが、今後ユーザーベースに悪影響を及ぼす可能性があるということだ。ただし、CNBCが米国時間3月2日に発表したように、大手証券会社もこの1週間で技術的な問題に直面している。

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(翻訳:Mizoguchi

Google I/O 2020もまた新型コロナのために開催中止

Googleは、マウテンビューで5月に予定していたI/Oデベロッパー・カンファレンスの開催をキャンセルした。FacebookがF8をキャンセルし、Google自身も4月に予定されていたCloud Nextをデジタルオンリーのカンファレンスに移行した後ではさして驚きとはいえない。

I/Oは2020年5月12日から14日に開催される予定だったが、新型コロナウイルスに対する懸念のためキャンセルされることとなった。Googleは参加予定者にキャンセルを通知するメールを送信した。

【略】

Cloud Nextカンファレンスと異なり、Googleはキーノートやスタートアップのプレゼンなどのセッションをリモートでストリーミングする計画を(今のところ)発表していない。ただしGoogleの声明はその可能性を排除してはいない。

参加者予定者にはチケット料金が払い戻され、2021年のイベントに参加する場合は「チケット購入の抽選」は免除される。 またこのキャンセルによるマウテンビュー近隣地区への経済的影響を緩和するためGoogleはスモールビジネスや生徒のSTEM(科学、テクノロジー、エンジニアリグ、数学)やコンピュータの学習振興を図る団体に100万ドル(約1億1000万円)の寄付を約束した。

Googleが2008年にI/Oカンファレンスをスタートさせて以来、今回が初めてのキャンセルとなる。当初はサンフランシスコのモスコーニ・センターで開催されていたが、会場はマウンテンビューのGoogle本社に近い野外劇場であるショアライン・アンフィシアターに移された。例年5000人前後がこのイベントに参加する。Googleは開発者向けの最新ツールと一般ユーザー向けのプロダクト多数をここで発表してきた。 2019年には、このイベントでPixel 3aも登場した。

画像:Justin Sullivan/Getty Images

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滑川海彦@Facebook

アプリ内チャット提供のSendBirdがアップデート、モデレーションや全文検索など新機能追加

アプリにチャット機能を提供しているSendBirdがウェブ版、モバイル版の双方でメジャーアップデートを発表した。これには新しいAPIやサービスの新機能が多数含まれる。ユーザーがニーズに合わせてカスタム管理ツールを構築するのが簡単になった。またチャットに対するリアクションや配送確認などを追加する機能も改善された。

SendBirdは韓国のソウルで設立されたスタートアップで、現在世界で9000万人のアクティブユーザーにサービスを提供し、月間約15億のメッセージを処理しているという。SendBird CEOであるJohn Kim(ジョン・キム)氏は、インタビューに対して「我々のサービスはオンデマンドアプリに強く、この分野のユーザーにはGojek、iFood、Delivery Heroなどがある。またCarousell、Paytm、Traveoka、SSGなどのマーケットプレイス、Reddit、Dream 11、(US)Yahoo Fantasy Sportsなどのコミュニティサイト上のビジネスにも適している」と述べた。(情報開示:US Yahooの親会社はTechCrunchと同じくVerizon Media Group)。

またキム氏は「最近は、ヘルスケア分野での医療サービスの提供者と対象者間のチャットや福利厚生ビジネスでのチャットで大きく成長している。ユーザーはデジタルファーストのサービスに多く、Accolde、Livongo、Grand Roundsなどが利用している。 ゲーム、デート、ライブストリーミングの分野にも顧客が多い」と述べた。

今日のアップデートでは、特にサービスのモデレート機能の強化に力を入れているという。画像のモデレートでは不適切な画像を削除できる。また特定の単語を指定してそれらを含むメッセージが出ないようカスタマイズできるRegExフィルターも提供される。新しいGDPR(一般データ保護規則)に準拠したAPIやモデレーションAPIが提供されるため、ユーザーは自社でカスタマイズした機能を組み込んでアプリのオプションを拡張できる。

また何らかの理由でサービスが中断されたときにメッセージをローカルにキャッシュするオフライン同期機能、メッセージの機械翻訳を強化するオンデマンド翻訳機能、プッシュ通知を翻訳する機能も追加された。

機械翻訳への注力には理由がある。SendBirdのユーザーベースはグローバルであり、以前からアジア太平洋地域では強みがあった。しかしキム氏によれば(機械翻訳機能の強化は)ユーザーベースがアジア太平洋地域に加えて、アメリカ、ヨーロッパ、中東、アフリカにも急速に拡大していることに対処するものだという。

もっともユーザーにとっての最も大きな変化は、ユーザーがメッセージにリアクションを追加できるようになったことだろう。これによりSendBirdのサービスはスマートフォンを利用する他のメッセージアプリの機能に追いついた。また配送確認と全文検索機能も追加されている。

インタビューで「なぜアプリ内チャット市場が離陸しつつあると考えたのか?」と質問すると、キム氏は次のように答えた。

「結局、電話やファックスもチャット、メッセージのテクノロジーだった。インターネットで最初に人気を得た使い方もチャットルーム、IRC、ICQなどだった。デスクトップ時代にチャットはモデムへのアクセスが必要だったため、利用は固定回線がある場所に制限されていた。しかしモバイル時代になり3G/4GネットワークとWi-Fiへのアクセスが手軽になると、チャットが民主的なメッセージングサービスとしてグローバルに普及した。スマートフォンが(中国やインドなど)人口の多い国に普及し、こうした地域ではデスクトップのテクノロジーを飛び越してモバイルチャットの時代となった」

キム氏は、チャットの分野はネットワーク効果で市場がごく少数(WhatsApp、WeChat、Facebook Messengerなど)のサービスに集中し、すべてがよく似たものになってきたと考えている。つまりユーザーは、メジャープレイヤーのチャットと同様の機能を備えているサービスでなければ日常利用しようとしない。

「モバイルアプリの提供者はこうしたトレンドに追いつき、チャットという新しい標準的機能をアプリに追加する必要がある。しかしほとんどのアプリ提供者にはこれを実現して競争に役立てる能力やノウハウがない。そこでチャットAPIにニーズが強く集まることになる」とキム氏は述べた。

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滑川海彦@Facebook

夜中に注文して出勤前受け取りも可能、Amazonが米国一部都市での同日配送を高速化

Amazon(アマゾン)は米国時間3月3日朝、同日配送をさらにスピードアップさせる取り組みを発表した。フィラデルフィアやフェニックス、オーランド、ダラスなど米国のいくつかのマーケットに「ミニ・フルフィルメントセンター」と呼ばれる配送センターをマーケット近くに設置した。新施設のあるこれらのエリアでは同日配送にかかる時間をわずか数時間にすることができる。

顧客は、何十ものカテゴリーにわたる「Today by」と記された300万ものアイテムのリストから注文できる。このサービスは現在展開されている同日配達とは少し異なり、注文時に配達時間帯を選ぶようになっている。プライム会員はAmazon.comをブラウジングしながら気になる品がどれくらいの時間で玄関先まで配達されるのかを確認できる。

また新サービスでは、例えば夜の配達を予約するために朝にオンライン注文しなくても、終日買い物ができるようにする。加えてプライム会員は「ひと晩、朝8時までの配達」を選ぶと、真夜中に注文して翌朝に受け取ることもできる。この場合、ドライバーは午前4時半〜午前8時の間にやってくるので、出勤する前に商品が届くこともある。

Amazonはまた、顧客の近くに施設を設置することでドライバーが配達のためにさほど移動しなくてもよくなり、二酸化炭素の排出を減らせるという。これは航空機による輸送も減らすことになり、クラウドソースによるAmazon Flex programを介するなどしてより多くの配達業務の雇用を生み出せる、としている。

同日配達サービスの拡充は、Walmart(ウォルマート)やTarget(ターゲット)といったライバルとの競争で優位に立つためのものだ。両社ともオンライン注文をさばくのに、カーブサイド・ピックアップや配達など客に便利な方法の提供でローカル店舗を活用している。例えばWalmartの店舗は、米国住民90%の10マイル以内にある。これはAmazonに対して競争力のあるアドバンテージだった一方で、Amazonはフルフィルメントセンターの多くを郊外に置いている。顧客の近くに店舗を展開していることは、特にオンライングローサリーで競う際に役立つ。そのためAmazonはWhole Foodsを買収した。

Amazonは2019年、プライム会員向けの配送を2日から1日にすることを約束し、プライム会員向けの配達の遅れをなくすよう取り組んでいると述べた。ローカルマーケットにミニ・フルフィルメントセンターを置くことで、これまでよりもっと早くプライム会員にサービスを提供できるようになる。

Amazonは現在、プライム会員の35ドル(約3750円)以上の購入商品を無料で、35ドル以下の場合は送料2.99ドル(約320円)で同日配送している。既存の同日配送サービスのPrime Nowでは商品2万点のみが対象だ。300万点を取り扱う新サービスにより、商品点数がかなり拡充されることとなる。プライム会員サブスクでは、年間119ドル(約1万2750円)で1000万点ものアイテムを2日配送で届ける。Amazonは2020年2月、サブスク利用者ベースが1億5000万人に増えたとしている。

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(翻訳:Mizoguchi

東南アジアで価格比較プラットフォームを展開するiPriceが約10.7億円調達

東南アジアで異なるeコマースプラットフォームの価格をまとめて比較するiPrice Groupは、ACA Investments主導のシリーズBラウンドで1000万ドル(約10億7000万円)を調達した。このラウンドにはDaiwa PI Partnersと以前からの投資家であるLine Ventures、Mirae Asset-Naver Asia Growth Fundも参加した。

Lineのベンチャーキャピタル部門からの前回の資金調達発表は2018年5月に実施されており、今回の資金調達によってこれまでのiPriceの調達総額は約1980万ドル(約21億2500万円)となった。

iPriceによると、サイトには月間2000万人以上の訪問があり、2019年には同社のプラットフォームを通じて約500万件の取引があったという。この中核事業は同社における売上高の約半分を占め、EBITDA(金利・税金・税金・償却前利益)は30%で運営されている。これは、iPriceが今後2〜3年間に他の事業での達成を見込んでいる水準だ。

iPriceは調達した資金で、おすすめやプロによる製品レビューといったプロダクトの発見機能を開発する。現在、同社のプラットフォームはLineやHome Creditといった1つのアプリで幅広いサービスを提供する「スーパーアプリ」と提携している。

Zalora、Shoppee、Lazadaなど東南アジアで増え続けるeコマースプラットフォームから消費者が価格情報を収集できるようにする前に、iPriceはクーポンや割引コードを収集することからサービスを始めた。

iPriceのプラットフォームは電子機器や家電、ファッション、自動車などの業界に分かれており、現在は1500社以上のeコマースパートナーから15億以上の製品価格を集計しているという。iPriceによると、同社はインドネシア、ベトナム、タイ、フィリピン、シンガポール、マレーシア、香港における大手のプロダクトアグリゲーターだという。

ACAインベストメンツでチーフ・インベストメント・オフィサーを務める藤田智弘氏は「東南アジアの電子商取引業界は現在成長段階にあり、大きな可能性を秘めていると考えている。iPrice Groupは特に東南アジア市場を包括的にカバーすることで、重要な役割を果たすだろう。これは、オンラインショッピングへの主要な入り口になる」とのコメントを発表した。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

物言う株主はTwitterの収益力強化のために経営刷新を要求

ニューヨークのアクティビスト投資企業Elliott Management(EM)がある企業に目をつけるときは、通常、その企業が期待以下の業績で、ポテンシャルのほとんどが眠ったままであることを意味している。米国時間2月28日のロイターの記事は、同社がTwitterの株を大量に買って取締役会の椅子を狙っている、と報じている。

複数の情報筋がこの情報を確認し、購入した株式は総株数の4〜5%の範囲だ、としている。同社は3名ないし4名の取締役の座を得て、すでに報道されているJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏に代わるCEOの任命をはじめ、大きな変化を要求するものと見られる。

その情報筋の説では、まずドーシー氏はSquareをはじめとして副業が多すぎるし、他にも暗号通貨やアフリカへの関心が大きくなっているため、Twitterには彼に代わってフルタイムで専門職の最高経営責任者が必要であるという。ただしドーシー氏を完全に下ろすというのではなく、もし彼が他のプロジェクトを捨てるなら、EMは喜んで彼をつなぎとめるとのことだ。

また同社は、プロダクトマネージャーのような重要なポジションの役員交代がコンスタントに行われていることを懸念しており、安定させたいと考えている言われている。Elliotのターゲットがどれもそうであるように、Twitterの業績もずっと低空飛行だが、現在よりも大きな収益を得るポテンシャルは十分にある。

過去にもそうであったように、ある時点でElliotは、同社が見出した問題の概要を記した公開書簡を株主たちと共有し、その中でより安定高収益な未来への道筋を示すだろう。同様の書簡を同社は2019年にはeBayに送り、計画の実行を近く開始すると発表した。Twitterの場合も同じパターンになると見てよいだろう。

この動きを、Elliotの創業者で代表でもあるPaul Singer(ポール・シンガー)氏の政治姿勢との関連で見ないわけにはいかない。しかし彼は共和党の有力なスポンサーだが、今回は金が目的であり政治は関係ないと情報筋は言う。

情報筋の説によると、このファンドは年金基金や慈善団体の基金など、多数の投資家を管理している。そういう団体には受託者責任というものがあり、したがって投資の意思決定に政治が入り込むことは、ある情報筋の言葉では「ばかばかしい」ことだという。しかしTwitter上では先週末から、シンガー氏の政治的な動きだという声が多い。

いずれにせよTwitterには大きな変化が訪れて、その波はユーザー体験や新製品、そして広告の増加にも反映されるだろう。ドーシー氏に代わる新しいボスは、このプラットホームが持つ財務的ポテンシャルを解き放つだろう。

本記事を書いている米国時間3月2日の時点でTwitterの株価は、このニュースの影響で8%あまりも上がった。

関連記事: Elliott Management letter puts eBay on notice to improve stock performance, sell StubHub…Elliott Managementの書簡はeBayの株のパフォーマンス向上とStubHubの売却を示唆(未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

4億回ダウンロードされた音楽アプリの販売元MWMが約60億円調達

人気の音楽アプリの販売元であるMWMが、5000万ユーロ(約60億円)の資金調達ラウンドを完了した。Blisce/がラウンドを主導し、Idinvest Partners、Bpifrance(フランスの大規模ベンチャーファンド)、AglaéVenturesそしてXavier Nielも参加した。

MWMが提供するアプリにはedjing Mix、Beat Maker Pro、Drum Machine、Beat Snap 2、TaoMix 2、Guitar、Drumsなどがある。同社は制作から学習、ゲームそしてユーティリティに至るまで、音楽のより広い分野をカバーするために徐々に拡大してきた。

次の段階でMWMは音楽を超えて拡大し、クリエイティブな分野の新しい領域に取り組みたいと考えている。そして何年もかけて4億回を超えるアプリダウンロードを達成したMWMは、その成功を重ねることができる絶好の立ち位置にいるようだ。

クリエイティブな分野にはビデオや写真の編集といった、すでにかなり混み合っているカテゴリーもある。しかしMWMは、モバイルクリエイティビティアプリのためのAdobeのような存在になることを狙っている。

なお、このスタートアップはハードウェア製品も発売した。最新の製品Phaseを使えば、旧来のターンテーブルをデジタルDJコントローラーに変身させることができる。受信機をミキサーに接続したら、2つのターンテーブル上にセットしたレコードの中央に小さな送信機をそれぞれ置くだけでいい。

MWMの創業は2012年だ。これで合計6000万ユーロ(約72億円)の資金を調達したことになる。同社は現在、パリとボルドーにオフィスを構え、70人の従業員を擁している。

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(翻訳:sako)

GoogleのPixelにジェスチャー、絵文字、AR効果など大量の新機能追加

Pixelスマートフォンを持つ利点のひとつに、時とともに改良されていくところがある。Pixelは、最新の修正や改良を含むアップデートを最初に受ける機種だからだ。2019年12月に提供された第1弾には、ロボコール(迷惑電話)対策フィルター、写真の操作性向上、Duoでの通話の改良など数多くの新機能が含まれていた。米国時間3月2日、GoogleはPixelの新機能セット第2弾を提供すると発表。今回の内容は、新しい音楽の操作性、新しい絵文字、写真と動画のさらなる追加機能、緊急通報機能の拡大、Google Payの改良、その他となっている。

2019年にGoogleは、Pixel 4の発表にともない「モーションセンス」という新しいジェスチャー機能を発表した。手を触れずにスマートフォンを操作できるというものだ。つまり、手の動きを感知して、それをソフトウェアのコマンドに変換する。

すでにPixel 4ユーザーは、モーションセンスで次の曲に飛んだり前の曲を再生したりが可能だったが、今回の更新により、画面の上でタップのジェスチャーをすることで曲のポーズや再開ができるようになる。

Googleは、会話中にすぐに曲を止めたいときに便利だと提案している。だが実際は、動作に一貫性があるときにだけ便利に使える状態で、各社のレビュー記事では、モーションセンスのシステムは「気難しい」とか「発展途上」などと書かれている。もちろん、すぐに改良されるだろうが。

このアップデートで改良されたものの中には、2019年10月にPixel 4に追加されたPersonal Safety(パーソナル・セイフティー)アプリもある。クルマで重大な衝突事故が発生した際に、ユーザーが助けを必要としているかどうかを本体のセンサーが確認してくれる。アメリカのユーザーなら、タップまたは音声で911(緊急電話)が呼び出せる。ユーザーの反応がない場合は、現在位置と詳細を緊急電話のオペレーターに自動的に通報する。今後、この機能はオーストラリア(000)と英国(999)でも使えるようになる。

さらに、Googleのビデオ通話アプリDuoにAR効果も追加された。画面に映る自分の印象を変えたり、動かしたりができる。Duoにはすでにいくつもの効果はあるのだが、ソーシャルコミュニケーションアプリにとって、常に効果のリストを充実させておくことは必要不可欠なのだ。

一方、Pixel 4の自撮り用カメラでも奥行きのある画像が作れるようになり、ボートレートのぼかしとカラーポップが改良される。また、Facebook用の3D写真も作れるようになる。

Pixelではさらに、絵文字がバージョン12.1に更新される。これには2019年10月にiOS 13.2でiPhoneが対応し、2020年1月にはTwitterも対応している。このセットには169種類の絵文字が追加され、ジェンダーや肌の色の幅が広がり、カップルの組み合わせも増えて、よりインクルーシブな内容になった。

Google Payも改良され、電源ボタンを押したまま画面をスワイプすると、デビットカードやクレジットカード、さらにはチケットや搭乗券、その他の保存済みアイテムが選択できるようになる。この機能が最初に使えるようになるのは米国、英国、カナダ、オーストラリア、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、アイルランド、台湾、シンガポールだ。

また、搭乗券のバーコードのスクリーンショットを撮影して、通知にタップしてGoogle Payに追加すれば、フライトの更新情報を通知としてリアルタイムで受け取れるようになる。この機能は、すべての国でPixel 3、3a、4のGoogle Playで3月中に使えるようになる。

パワーユーザー向けには、Wi-Fiや物理的な位置に応じてルールの設定を変更できる機能も追加された。たとえば、職場に到着したら自動的に電話の呼び出し音をオフにするとか、家に帰ったら自動的にサイレントモードにするなど、いろいろできるようになる。

その他の新機能として、Pixel 2用の「自動字幕起こし」、Pixelのダークテーマの切り替えスケジュールの設定、緊急連絡や医療情報のアクセスの簡便化、長押しでアプリのヘルプをすばやく表示できる機能の改良、直射日光の下でも画面の文字を読みやすくする明るさの自動調節(Adaptive Brightness)の更新がある。

Googleは、これらの新機能の提供を米国時間3月2日から開始すると話している。今すぐすべてが手に入るわけではないが、早々に出揃うはずだ。

画像クレジット:JOHANNES EISELE/AFP / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

自動運転のWaymoが初の外部資金調達で約2430億円を確保

以前はGoogleの自動運転車プロジェクトで、現在はAlphabet傘下となっているWaymo(ウェイモ)は3月2日にSilver Lake、Canada Pension Plan Investment Board(カナダ年金制度投資委員会)、Mubadala Investment Companyがリードするラウンドで22億5000万ドル(約2430億円)を調達したと発表した。

Waymoにとって初の外部資金調達となる。その他の出資者はMagna、Andreessen Horowitz、AutoNationそして親会社のAlphabetだ。

「我々はOEMやサプライヤーパートナー、提携企業、そして世界で最も経験のあるドライバーを構築して展開しようとしているコミュニティとコラボしながら、ミッションに対して常にチームスポーツのように取り組んでいる」とWaymoのCEO、John Krafcik(ジョン・クラフシック)氏は3月2日に投稿したブログの中で述べた。「今日、我々は投資家と重要な戦略的パートナーを加えることでそのチームを拡大する。こうしたパートナーは過渡期にあるプロダクトをつくるのに成功しているテック企業をサポートしたり、投資したりといった何十年にもわたる経験を我々にもたらす。今回注入される資本とビジネスの知見により、世界中でWaymo Driver展開をサポートするために、Alphabetとともに我々は従業員やテクノロジー、オペレーションにさらに投資する」

今回のラウンドは、Waymoが営利企業になろうと努めてきたさまざまな活動に続く動きだ。活動の多くはフロリダのような新ロケーションでのマッピングと、自動運転車両テクノロジーのテストだ。その一方で、カリフォルニア州マウンテンビューや、フェニックスエリアで展開する車両の拡大も続けてきた。

Waymoは長らくテストと、フェニックス郊外での自動運転車両を使ったWaymo Oneと呼ばれるオンデマンド配車サービスの立ち上げに注力してきた。

しかし他方面での拡大も行ってきた。配達や輸送、カスタムライダーセンサー販売開始計画など、自動運転車両技術を応用したロボティクスやセキュリティ、農業テクノロジーなど自動運転車両以外の企業向けの新たな事業の模索だ。

2020年1月、Waymoはテキサスとニューメキシコの一部でマッピングと、自動運転長距離トラックのテストを行うことを発表した。

Waymoはまた買収や提携を通じても事業を拡大させてきた。2019年12月に同社は、オクスフォード大学コンピューターサイエンス部門からのスピンオフであるLatent Logicという英国企業を買収した。同社は、Waymoのシミュレーション研究を強化しうるイミテーションラーニングと呼ばれる機械学習のフォームを使っている。この買収でWaymoは同社初の欧州エンジニアリングハブをオクスフォードに設置する。

2019年春にWaymoは、4月に廃業したロボティックスタートアップのAnkiからエンジニア13人を採用した。このロボティクス専門家の中にはAnkiの共同創業者で前CEOのBoris Sofman(ボリス・ソフマン)氏も含まれる。ソフマン氏は自動運転トラック輸送部門のエンジニアリングを率いている。

Waymoはまた、フランスや日本で商業自動運転車両を乗客輸送と荷物配達でどのように活用できるかを調べる独占的パートナーシップRenault(ルノー)、そして日産と結んだ。

画像クレジット: Waymo

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(翻訳:Mizoguchi

マーケターのための顧客データ統一プラットホーム「mParticle」が約48.6億円を調達

SpotifyやPaypal、Starbucksといった企業での顧客データ管理を支援しているmParticleが、シリーズDで4500万ドル(約48億6000万円)を調達した。同社の総調達額は、これで1億2000万ドル(約129億5500万円)になる。

共同創業者でCEOのMichael Katz(マイケル・カッツ)氏によると、時代の変化が同社にとって追い風になっている。すなわち、より厳しくなったプライバシーに関する規制やクッキーを使った顧客追跡技術の陳腐化と廃棄などのために、モダンなデータインフラを使った、どんな規制に抵触せずにパーソナライズされた体験を顧客に提供できるmParticleのようなプラットホームが、ますます企業に必要になっているのだ。

彼によるとその結果、mParticleは2017年にシリーズCで3500万ドル(約37億8000万円)を調達して以来、売上が5倍に増えた。

カッツ氏は「我々が解決する問題は普遍的で、企業の大小を問わない。データのフラグメンテーションやクォリティ、プライバシーをめぐる諸状況の頻繁な変化、テクノロジーそのものの絶えざる変化、これらはどの企業も直面している問題だ」と言う。

まさにそんな問題があるからこそ、mParticleが創業した2013年ごろから顧客データプラットホーム(customer-data-platforms、CDP)と呼ばれるサービスが次々と登場し、さまざまなソースからのデータを一元化して、マーケターが顧客の状況を一望できるためのツールを提供するようになった。今ではAdobeSalesforceのような大手企業も、彼らの大きなマーケティングクラウドの一環として内製のCDPsを提供している。

競合について問われたカッツ氏は「マーケットが望んでいるのは、一社支配ではない業界だ。たった1つのスイートだけあって、そこに2000年代の初期に作られたようなツールがすべて詰め込まれているなんて状態を誰も望まない」と言う。

彼によると、むしろ同社の顧客が望むのは目的やタイプごとに各分野の最高のソリューションがあって、それらをシームレスに組み合わせて利用できることだ。

さてシリーズDに話を戻すと、ラウンドをリードしたのはArrowroot Capitalで、同社のマネージングパートナーであるMatthew Safaii(マシュー・サファイ)氏がmParticleの取締役会に加わった。既存の投資家各社もラウンドに参加している。

カッツ氏の展望では、資金は主に3つの領域、新製品開発と同社のグローバルなデータインフラストラクチャのスケール拡大、そして新たなパートナーの獲得に充てられる。同社はすでにLiveRampとのパートナーシップを発表しており、これによってmParticleの顧客は、自分のファーストパーティのデータとLiveRampからのサードパーティのデータを結合できる。

「LiveRampとのパートナーシップでサービスの表面積を広げ、顧客企業が高度にパーソナライズされており、しかもプライバシーのコンプライアンスが高いUXを自らの顧客に提供できるようにしたい」とカッツ氏は言う。

関連記事: Amperity acquires Custora to improve its customer data platform…顧客データ活用プラットホームのAmperityが同業のCustoraを買収(未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

新型コロナの影響で波乱に満ちた株式市場は広い分野で記録的回復

さて株式市場はどうなっただろう?

新型コロナウイルス、COVID-19の感染者が米国で増加していることを懸念して先週の市場は全面安となった。しかし米国時間3月2日の月曜日になると、外国企業を含め米国で上場している企業の株価は回復し、記録的な利益をもたらしている。

先週、新型コロナウイルスの感染によって国際的な経済の減速に対する懸念が高まり、世界的に株価は暴落した。週末も新型コロナ関連のニュースは流れ続け、感染者、死亡者が増え続けていることが報じられた。

しかし週が明けると米国の投資家のマインドは熊(弱気)から雄牛(強気)に変わり、買いが入り始めた。記録的な下げは、記録的な上げとなった。3月2日の市場では、

  • ダウは1293ドル(約13万9605円)、5%強アップ
  • S&P 500は136ドル(約1万4684円)、4.6%アップ
  • テクノロジー系株が多いNasdaqは385ドル(約4万1564円)、4.5%アップ

市場全般の上げ潮に乗り、Twitterは8%アップで引け「もの言う株主」がトップの交代を狙っているというニュースも流れた。

ただし、すべての企業が上げ潮に乗れたわけではない。 いささか驚きだが、ベンチャーキャピタルのBessemerがまとめているSaaS企業のインデックスの上昇はわずか1.5ポイントにとどまった。つまりその前の暴落で失った価値をほとんど取り戻していない。 この傾向が続くようだと、株価が全面的に戻しているという楽観主義をいささか修正する必要が出てくるだろう。つまり上げ潮もジャンルによるのだと考えねばならない。かつて投資家は、SaaS企業は収入と利益の双方を拡大させ続けると期待して空前の高値を出現させた。

暗号通貨関係企業さえ好調で、bitcoinに続いて4%前後アップした。

Nasdaq総合指数は、この1年の高値(史上最高値)と比べるとまだ9%前後低い。 つまりまだ回復の余地があるはずだが、実際そうなるかどうかは市場のみが知っている。ただし下げ一色は終わり、上下する値動きが戻ってきたということ間違いない。

アップデート:この間の乱高下に関連してTechchCrunchでも最近紹介したRobinhoodの運命に留意する必要がある。この無料オンラン株取引アプリは取引が殺到したためにダウンした。アプリが成功したのはよいが、サービスを稼働させ続けるために苦労しているようだ。企業価値が数十億ドル(数千億円)にも達する企業にとってダウンタイムは名誉ではないだろう。

画像:Drew Angerer / Getty Images

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滑川海彦@Facebook

たった1記事で月間5万PVも実現可能!ビッグワードで1位表示を達成し大量のトラフィックを獲得するためのWEBライティング実践講座

こんにちは、バズ部のセミナー講師の山本です。 ・ビッグワードで1位を獲得する記事の書き方を知りたい ・ビッグワードで1位を獲得した記事がどのような思考のプロセスで書かれたのか知りたい ・オウンドメディアの運営を任されたけ […]

米国星占いアプリトップ10の2019年売上は約43.2億円で前年比65%増

不確実な時代になると、人はいつもと違う場所に答えを探しにいく。2019年、多くの米国消費者は答えを星に求めた。正確には占星術、運勢、手相やオンライン占いなどを提供する星占いアプリを利用した。Sensor Tower(センサー・タワー)の最新データによると、米国の2019年星占いアプリトップ10の売上は、前年比64.7%増の4000万ドル(約43億2000万円)だった。2018年には2410万ドル(約26億円)、2016年にはわずか770万ドル(約8億3000万円)だった。

この分野で最大のアプリはAstrology & Palmistry Coachで、年間トップ10売上の35.3%に当たる約1400万ドル(約15億2000万円)を生み出した。

ちなみに2016年以来毎年トップ10入りしているアプリが3つある。2016~2019年に売上を75%伸ばしたZodiac Touch、Psychic Text、およびPurple Oceanだ。

2019年トップ10の新顔はFortuneScope、Horoscope & Palm Master、Astrolineの3つ。うち2つは携帯カメラを使って手相占いを自動化している。2016年にはどのトップアプリにもなかった機能であり、技術に強い若者を引きつけるべくアプリが近代化していることを表している。

投資家もこの市場の可能性に目をつけていた。2019年、トップ10星占いアプリで2番目にダウンロードの多かったCo-Starは、シードラウンドで500万ドル(約5億4000万円)を調達した。ニューヨーク・タイムズで星占いアプリの人気について書かれた記事に登場したSanctuaryPatternはトップ10入りしていない(Patternは明確に星占いアプリとはいえないため今回の対象に入っていない、とSensor Towerは説明している。Sanctuaryは売上で28位、ダウンロード数で21位だった)。

星占い市場の問題は、利用者が限られていることだ。トップアプリの売上は順調に伸びてはいるものの、成長はさほど速くない。2019年に最も多くダウンロードされた星占いアプリトップ10のうち、初めてインストールされたのは1900万回で、2018年からわずか3%しか増えていない。これは2017年から2018年にかけて70.6%成長したのと比べて大きく減速したことも示している。

ダウンロード数で2016年以来連続してトップ10入りしたのはDaily Horoscopeだけだった。2019年に最もダウンロードが多かったアプリはAstrology & Palmistry Coachで33万回だった。

星占いは科学ではないが、この種のアプリを気軽に使う人には比較的無害だ。今日の混沌とした世の中で人々にコントロール感を与え、個人の性格や人生の不確かさと思われるものを星座や惑星の動きと関連付けることによって、人との関わり方に役立てる程度ものだ。ユーザーはアプリを使う中で、立ち止まって自分自身の行動や感情を見つめさせられることで、自分について学ぶこともできるかもしれない。

しかし批評家たちは、星占いアプリを信じることは人々が科学やデータや研究から目をそむけ、ナンセンスなことやときに有害なニセ科学に向かわせる一例に過ぎず、Gwyneth Paltrow(グウィネス・バルトロウ)のブランドGoopが提供する代替医療情報を求める人々と同じだ、と指摘する。

ちなみに星占いは、アプリの分類で「ライフスタイル」というカテゴリーの下にあるサブカテゴリーの1つにすぎない。Sensor Towerは以前、瞑想アプリトップ10は2019年に約213億円の売上達成、前年比52%増というレポートも出している。

画像クレジット:Sensor Tower

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

音声アシスタントの聞き取り精度を大幅に向上させるAudioTelligenceの「音の自動焦点」機能

ケンブリッジ大学の資金援助で設立されたスタートアップAudioTelligence(オーディオテリジェンス)は、「音の自動焦点」機能でシリーズA投資850万ドル(約9億2000万円)を獲得した。

このラウンドはOctopus Ventures(オクトパス・ベンチャーズ)が主導し、以前の投資者であるCambridge Innovation Capital(ケンブリッジ・イノベーション・キャピタル)、Cambridge Enterprise(ケンブリッジ・エンターブライズ)、CEDAR Audio(シーダー・オーディオ)が参加している。

2017年、イギリスのケンブリッジに創設されたこの会社は、周囲の雑音を排除して、人や機械が言葉を正確に聞き取れるようにする「ブラインド信号源」のデータに基づく分離技術を開発した。

雑音の多い場所で音声アシスタントを使うときや、スマートスピーカー、スマートテレビ、セットトップボックスなどの音声認識の精度が、放送の音声と周囲の雑音とで低下してしまう場合など、この技術の商業的な応用範囲は非常に広い。

別の使用事例には、騒がしい場所で音が聞き分けにくくなる補聴器がある。同社はこの問題にも取り組んでいる。事実、この技術の開発を促したそもそもの動機は、いわゆる「カクテルパーティー効果」だ。創設者でCEOのKen Roberts(ケン・ロバーツ)氏は、先週、ビデオ通話で非常に騒がしいカフェでAudioTelligenceの技術をライブでデモンストレーションしてくれた際に、そう話していた。管理された状況でのデモだったからかもしれないが、効果は驚くほど大きかった。

またロバーツ氏は、AudioTelligenceは消費者向けハードウェアを独自に作ることはせず、ライセンス戦略を採用するとも話していた。先日、この技術の能力をCESでデモンストレーションしたところ、OEMやその他のメーカーが大きな興味を示していた(4日間で90社ほどのリードを獲得したようだ)。さらに名前は公表されていないが、あるホームアシスタント・プラットフォームでは、雑音の多い場所での文章の聞き取り能力が22パーセントから94パーセントに跳ね上がったという。

AudioTelligenceの雑音分離技術と既存のソリューションとの違いついて、ロバーツ氏は「適合する」マイクを必要としないため安く簡単に実装できること、そして使用前にユーザーがアルゴリズムを訓練しなくてよいことを挙げている。つまり同社によると、AudioTelligenceなら新しい環境の雑音と新しいユーザーの声をリアルタイムで認識し、同時にその「焦点」を調整するということだ。

おまけにこの技術は、ほぼ遅延なく高性能を発揮してくれる。補聴器を使う際に致命的な問題となる、話し手の口の動きと音声とのズレがほとんどない。

「私たちのソリューションには、補正や訓練の必要がありません」とロバーツ氏。「そのため、既存のデバイスでもソフトウェアを更新するだけで、AudioTelligenceにアップグレードできるのです」

AudioTelligenceでは、今回調達した資金を使って、さらなる「画期的」な製品の開発を行い、技術系企業との新たな提携関係を推進する予定だ。それに伴い、今後3年間で従業員数を3倍に増やすという。

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(翻訳:金井哲夫)

ゲームの人工音声をより「人間らしく」するSonanticが約2.8億円を調達

ゲームやそのほかのエンターテインメントの人工音声を「人間らしく」するイギリスのスタートアップであるSonanticが、230万ユーロ(約2億7680万円)の資金を調達した。

EQT Venturesがこのラウンドをリードし、前からの投資家であるEntrepreneur First(EF)とAME Cloud Ventures、そしてHorizons VenturesのBart Swanson(
バート・スワンソン)氏が参加した。なお、Twitchの共同創業者Kevin Lee(
ケビン・リー)氏も、初期の投資家の1人だ。

2018年にCEOのZeena Qureshi(ジーナ・クレシ)氏とCTOのJohn Flynn(
ジョン・フリン)氏は、ロンドンで行われたEFのインキュベーター事業に参加して同社を創業した。以前はSpeak Aiという社名だったSonanticは、世界のゲームとエンターテインメントの音声技術に革新をもたらしたいと考えている。同社は開発した人工音声技術を、ゲームスタジオがオンデマンドで使える「表情豊かでリアルな演技音声」と呼んでいる。すでにAAA(トリプルエー)のゲームスタジオ10社あまりとの研究開発パートナーシップを進めている。

Sonanticが解決する問題について尋ねると、クレシ氏は次のように答えている。「ゲームに会話を入れる工程は時間がかかり、高価で労働集約的な作業だ。この工程はキャスティング、スタジオの予約、契約、スケジューリング、編集、監督などなど、大量の調整作業を要する。音声つきのビデオゲームは、頻繁に変わるゲームデザインに付き合わされて1本のゲームが完成するまでに10年かかることもある。そのたびにゲームデベロッパーは、同じような繰り返し作業を強いられる。しかも途中で予算オーバーになったり、ゲームのリリースが遅れたりすることもある」

こういった問題を解決するためにSonanticは、クレシ氏が「オンデマンドで動的な演技音声」と呼ぶ技術を提供する。この技術は、キャラクターに求められる性別や個性、アクセントの特徴、声色、感情などに基づいて正しいタイプの声を作り出す。同社の人間の声に近いテキスト音声変換システムはAPIで提供され、ユーザーはGUIのツールで合成声優を編集し、変化させ、まるで人間の俳優に行うように監督(演技指導)する。

そのためにSonanticは、俳優たちといっしょに彼らの声を合成し、その際の演技指導も行う。「さらにその声のデジタルバージョンを提供することで、彼らの受動的収入源になり、俳優たちの助けにもなる」とSonanticのCEOは説明する。

経費を下げ、すぐに利用可能な音声モデルを用意していることで、Sonaticはゲームスタジオが短期間で繰り返しの作業が安価でできるようにしている。同社のSaaSとAPIによりいろんな音声演技を作って試すことも簡単で、ストーリーの細かい変更や編集、そして監督も楽にできるようになる。

一方でSonanticは怒り、悲しみ、喜びなどさまざまな感情のこもった音声を作り出す同社の技術をいずれ一般公開したいと考えている。同社によるとそれは、本当に有能な本物の俳優や声優にしかできない技能だそうだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa