Apache Flinkの商用化企業Data ArtisansがFlinkアプリケーションのためのApplication Managerを発表

オープンソースの分散ストリームプロセッサーApache Flinkの商用部門Data Artisansが、ストリーミングアプリケーションを管理するための新しいツールを含む、このプラットホームの商用バージョンの、アーリーアクセスリリースを発表した。

Data ArtisansのCEO Kostas Tzoumasによると、リアルタイムでストリーミングを行うプロダクトを管理するアプリケーションは、それを自分で作ろうとする顧客にいくつかの難題をつきつけるので、同社のApplication Managerはその難題を解決するために設計されている。

Netflix, Alibaba, INGなど大手のFlinkユーザーには、そのようなツールを自作して大量のストリーミングアクティビティを管理しモニタする能力があるが、平均的な企業にはそんな贅沢ができない、とTzoumasは語る。

そんな顧客が作って使っているアプリケーションは、さまざまな外部システムと対話するものが多く、しかもそれをやりながら、大量のデータを、ほぼリアルタイムで処理しなければならない。Data Artisansは、そういう処理につきまとう複雑性を軽減するために、管理の部分を担当するツールを作ったのだ、とTzoumasは説明する。

その新しいツールはFlinkを通るすべてのストリーミングアクティビティを一箇所で集中的に管理する管理コンソールを提供する。そしてストリーミングデータのデータソースやデベロッパーのワークフロー、サービスのデプロイアーキテクチャ、ロギング、メトリクスなどを一望できる。

Apache Flinkを利用しているストリーミングアプリケーションと対話するすべてのサービスを管理できるだけでなく、そのツールを使ってデベロッパーがアプリケーションの開発過程を管理できる。完成したそれらのアプリケーションは、Kubernetesのようなコンテナオーケストレーションツールを使ってローンチする。

さらに、Apache Flinkのストリームに関連するすべてのユーザーアクションの監査証跡を記録するから、デプロイ後にそのステップをさかのぼって調べることができる。

ファウンダーのTzoumasとCTOのStephen Ewenは、Apache Flinkを学生時代に作り、2014年にはその商用化を行う企業としてData Artisansを創業した。標準的なオープンソースのビジネスモデルを採用して顧客がApache Flinkをサポートできるようにし、また企業がApach Flinkによるストリーミングアプリケーションを作るときにはコンサルタントとしてそれを手伝う。しかし、そうやって企業顧客との付き合いを重ねる中で、管理ツールの不在に新たなビジネス機会を見出したのだ。

彼らの会社はベルリンにあり、これまで700万ドルを調達した。今、Apache Flinkのダウンロード回数は1か月に1万ぐらいだ。この記事で取り上げた商用バージョンは2017年の終わりから2018年の初めにかけて一般公開される。

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Googleが今日ローンチしたDrive File StreamはG SuiteユーザーのGoogle Driveデスクトップアプリケーションをリプレースする

Googleが今日(米国時間9/7)、Google Driveのユーザーのための新しいデスクトップアプリケーションDrive File Streamを発表した。G Suiteの顧客は、今すでにそれを使える。このアプリケーションはGoogle Driveのデスクトップアプリケーションに置き換わるもので、こちらは来年、最終的に閉鎖される。エンタープライズの顧客にとっても、十分に長い移行期間と言えるだろう。

この移行についてGoogleは前に、詳細を報じていた

7月のGoogleの発表では、消費者向けのGoogle DriveとGoogle Photosのデスクトップファイルシンクアプリケーションを“Backup and Sync”と呼ばれる新しい単一のアプリケーションに一本化する、とされた。そしてそのあと、Google PhotosとGoogle DriveのMac用およびPC用のクライアントアプリケーションのサポートは終了することになった。

それと関連して、Drive File Streamと呼ばれるエンタープライズ向けソリューションがローンチされることになり、それは後日G Suiteの顧客全員に展開される、と言われた。そのときは、Drive File StreamのEarly Adopter Program(初心者入門事業)も開始された。

消費者アプリケーションとエンタープライズバージョンの主な違いは、その管理機能(アドミン機能)だ。

G SuiteのAdmin Consoleには今日から、Drive File Streamのセッティングが表示される。そこでアドミンは、シンクのon/offや、ソフトウェアのインストールの仕方、手作業でアップデートする場合のGoogle Updateの無効化など、さまざまな構成項目を指定できる。

Drive File Streamの設定は今日からできるが、実際にそれらが有効になるのは9月26日の火曜日からだそうだ。

ただしDrive File StreamがリプレースするMac, PC用のGoogle Driveは、今日から公式に非推奨になる。

そしてGoogle Driveのデスクトップソフトウェアのサポート終了は12月11日、完全閉鎖は2018年3月12日とされている。

さらにGoogleは曰く、消費者向けツールBackup and Syncは、エンタープライズソフトウェアのDrive File Streamの代わりに使ってもよいし、併用してもよい。

Backup and Syncはコラボレーション用のTeam Drivesをサポートしていないが、Drive File Streamとともに、DocumentsやDesktopなどDriveのフォルダーをシンクできる。その機能の一部はDrive File Streamと重複している。ついでに両者を一本化/単純化してほしいけどね、Googleさん。

この記事の文章だけではよく分からない人は、このページの表(上図)をご覧いただきたい。

このローンチのニュースと並行して今日は、Google Driveクラウドサービスの不具合が報じられた。今朝はDriveとGoogle Classroomがダウンしたのだが、後者はアタッチメントの保存にDriveを使用している。この問題は、二時間後に解決した。

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MesosphereがデータセンターオペレーティングシステムDC/OSにKubernetesのサポートを導入

Kubernetesは確実に、コンテナオーケストレーションサービスのデファクトスタンダードになっている。Mesosphereはわりと初期からコンテナを採用し、企業顧客の、分散システムによるクラウド上のビッグデータ分析を支えているが、今日(米国時間9/6)は、大規模な分散アプリケーションを動かすためのOSのような同社のプラットホームDC/OSがKubernetesをサポートする、と発表した。Mesospereはいわば、Apache Mesosの実装系であるが、MesosとDC/OSのためのコンテナオーケストレーションツールとしては長年、同社独自のMarathonを提供してきただけに、今回の動きは意外である。〔*: DC/OS == Data Center Operating System〕

KubernetesのサポートはDC/OS 1.10のベータから提供され、それは9月11日にローンチされる。

今朝この情報をもたらしたThe Informationの記事は、MesosphereがKubernetesに“屈した”、という見方をしている。同じく今朝、ぼくがMesosphereの協同ファウンダーでCEO Florian LeibertやMesosphereのCMO Peter Guagentiに取材したら、両人は屈服説を断固否定した。両人が強調するのは、大企業が多い同社の顧客に選択肢を提供する、という考え方だ。“うちの顧客は大企業のインフラやオペレーションを担当しているプロであり、一つの組織内で何十万ものデベロッパーに奉仕している”、とGuagentiは語る。“そんな彼らにとっていちばん重要なのは、選択の自由だ”。

Leibertの見解では、Kubernetesをオーケストレーションエンジンの一つとして提供することは、これまで同社が、複数のデータサービスや継続的インテグレーションのプラットホーム、あるいは複数のネットワーキングツールをサポートしてきたことの延長にすぎない。さらにGuagentiが強調して曰く、顧客にとってMesosphereは、コンテナを利用するためのプラットホームではなく、あくまでも、データ集約的なアプリケーションをデプロイし管理していくためのインフラなのである。

Leibertによると、MarathonとKubernetesではユースケースが異なる。Marathonは、コンテナ技術を使っていないレガシーのアプリケーションを動かすためにも使えるが、Kubernetesは当然ながらコンテナのためのツールだ。“だから両方をサポートするのが自然であり当然だ”、と彼は言う。“これらの技術の多くはレヤーケーキにとてもよく似ていて、たとえばKubernetesとMesosはとても相性が良い。コンテナのワークフローをKubernetesが担当するが、Hadoopのようにコンテナを使わないアプリケーションもある”。

Guagentiに言わせると、コンテナの分野でもMesosphereはリーダーだ。ユーザーがプロダクションで動かしているコンテナの数でもたぶんトップだし、コンテナサービス企業の中で売上でもトップだろう、という。売上の金額は、教えてくれなかったけど。

LeibertとGuagentiは、これまでと変わらずMarathonへの投資は続ける、と断言した。

今後ユーザー企業のデベロッパーたちは、Kubernetesを使うコンテナのデプロイを、DC/OSを使ってセットアップおよび管理できるようになる。もちろん同じインフラストラクチャの上でDC/OSはそのほかのコンテナデプロイメントも動かすし、Kubernetesも各デプロイによってバージョンがさまざまに異なったりするだろう。このプロジェクトでMesosphereはGoogleと協働し、Mesosphereがユーザーに、ベンダー固有の変更がなく、互換性の問題も起きない、源流的(最上流的)なバージョンのKubernetesを提供できるようにしている。

GoogleでKubernetesとGoogle Cloud Platformを担当しているプロダクトマネージャーAllan Naimはこう語る: “KubernetesをDC/OSに導入することによってMesosphereは顧客に、データリッチなコンテナ化アプリケーションを、彼らのデータセンターやクラウド上で構築、デプロイ、そしてオペレートできる堅牢なプラットホームを提供することになる。コンテナにはKubernetes、そしてマシンインテリジェンスにはTensorFlowを使うプロジェクトを、MesosphereのDC/OSとGoogle Cloud Platformの両プラットホームで動かせば、企業は強力な、そしてオープンなハイブリッドクラウドプラットホームを確保することになる。その意味でMesosphereとの協働、およびコミュニティの前進に継続的に貢献できることが、これからも楽しみである”。

Mesosphere側の結論としては、単純に顧客の選択肢を増やすことに帰結するが、Kubernetesのエコシステムがまた一勝を挙げたことも確実だ。そのエコシステムは、これまで独自のニッチを築いてきたMesosphereにとっては脅威ではないが、これまでコンテナの普及推進の主役だったDockerにとっては、主役を奪われる危険性があるかもしれない。たしかに今回のMesosphereの動きによって、Dockerの独自性の確立と維持が、やや難しくなったようだ。

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企業の営業を商談締結までガイドするGetAcceptが$1.6Mを調達、アルゴリズムが営業の実践から学ぶ

GetAcceptの協同ファウンダーMathias Thulinは、営業マン/ウーマンが抱え込む問題をよく知っている。すばらしい見込み客に会って商談をする。先日はありがとうございました、とメールでフォローする。返事はない。

そんなお先真っ暗を何度も経験したことのあるThulinと協同ファウンダーのSamir Smajicは、データを分析してうまくいかない営業の原因を見つけようとする。そのために始めたGetAcceptは、営業が自分の文書をよく調べて、商談を締結させるまでの過程をお手伝いする。同社は今日(米国時間9/4)、Amino CapitalとY Combinatorおよびそのほかのエンジェル投資家たちから160万ドルのシード資金を調達した。GetAcceptは、Y Combinatorの2016年の卒業生だ。

“とってもいいですね。担当に話しておきます。詳しい資料を送ってください。来週中にはお返事をさせます。…などと最初の面談で色よい返事をくれるところは多い”、とThulinは語る。“そのあと、闇が訪れる。意思決定者の数が、彼らが最初に考えたよりも多かったのだ。あるいは、彼らがどれだけ本気で関心を持ってくれたのかを、営業が測り損ねていたかもしれない。提案書類を送ってからその後何が起きたのか、その実態を営業は知らない。いろんな会社の営業からのメールや電話は毎日とても多いから、それらを無視したり忘れるのも簡単だ”。

GetAcceptは、締結する商談の多い営業と、多くない営業の違いを調べた。違いはたとえば、商談にプロダクトのデモが含まれているか、チャットボットを利用して他の営業を商談に参加させているか、などにある。営業が顧客企業のほかの部門にもアプローチして、社内の関心を喚起しているやり方もある。Thulinによると、そういったいくつもの‘軽いタッチ’が、成功する商談の鍵になっているが、そのことに気づかない営業が多い。

同社が使っている人工知能は、ディープラーニングによる機械学習のような本格的なものではないが、それでも同社のアルゴリズムは、成功する営業たちのベストプラクティスを学習できる。成功する商談に向かう道の上には、ちょっとした工夫やきっかけがいくつもある。スタンフォード大学の研究室で作られた本格的なAIでなくても、エンタープライズの営業を支援するスタートアップは、営業の成功や失敗の具体例から学ぶ姿勢が絶対的に必要だ。

“商談を前進させる引き金となるものを、見つけたい”、とSmajicは語る。“営業が商談を前進させることができる理由は、非常にさまざまだ。見込み客が、たとえば渡した文書を24時間放置していたら、そこにある問題に対応すべきだ。その商談の担当者を社内のほかの人に変えたために、検討が遅れることもある。汎用のツールだからだめか、と思っていたら、まさにそのとおりだったこともある”。

GetAcceptの主要プロダクトでもある電子署名は、DocuSignなど強力な競合他社がいる。また営業支援のCRMスタートアップには、GongAttachなどの先輩がいる。でも同社の強みのひとつは、電子署名の営業活動から、営業の実践についていろいろ学び、それらを営業支援サービスに活用できることだ。しかしかなりの地歩を確立している先輩企業たちに比べると、同社はまだまだこれからだけどね。

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Dell基金、ハリケーン被災地に3600万ドルを寄付

テキサス州をハリケーン被害から救うべく、Michael Dell、Susan Dell夫妻はIT業界を率先して行動している。夫妻はふたりの基金を通じて3600万ドルを被災地に寄付した。

この金額は、この災害に向けられた寄付の中で最高だ。通常の寄付、1800万ドル、同額の上乗せ1800万ドルを合わせて3600万ドルが贈られた。

「妻と私はこの重要な事業に3600万ドルを提供する。半額をこの基金の立ち上げに使用し、今日から9月4日深夜まで、寄付上乗せキャンペーンを実施する。期間中、寄付金2ドルにつき1ドルを基金が上乗せする」とDell夫妻が基金ウェブサイトのブログに書いた

目標は、嵐に襲われた人々のために個別の寄付とDell基金の上乗せを合わせて1億ドルの募金を集めることだ。

Dell夫妻は共にこの被災地テキサスで育った。「この災害はテキサスにルーツのある人なら誰でも他人事とは思えない。私たちは共にテキサスで生まれテキサスで育った。Michaelの育ったヒューストンの町は今水の底に沈んでいる」とブログに書いている。

Dellは15年前に基金を設立し、都市部の貧困地域に住む子供たちを世界規模で支援するために、教育と医療に注力してきた。同基金はパートナー組織と協力して、これまでに13.8億ドル以上の資金を供出してきた、と基金のウェブサイトに書いてある。

Michael Dellは、1984年にオースチンのテキサス大学学生寮の一室でDell Computerを設立したことで知られている。その後、企業向けハードウェアとソフトウェアで数十億ドル規模の大企業にまで成長した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

VMware CloudがAWSから提供される、ITのプロたちは喜びのダンスを踊る

VMwareは昨年の秋にAWSとのパートナーシップ発表して、エンタープライズ界隈を驚かせた。一方はオンプレミスの仮想マシンを支配している企業だし、他方はパブリッククラウドの雄だ。それは、強力な組み合わせになるだろう、と思われた。そしてVMwareは今日(米国時間8/28)のVMworldで、その組み合わせの正体、AWS上のVMware Cloudを公式に明らかにした。

AWSは同社独自のVMsを動かしているが、それはデータセンターでVMwareが動かしているものと同じではないので、両方を使おうとしている企業にとっては管理が頭痛の種だ。でも、AWS一本に絞って、その上でVMwareのVMsを引き続いて動かせるなら、管理の問題がなくて両者の良いとこ取りができる。

それはどちらにとっても都合が良くて、VMWareのCEO Pat GelsingerとAWSのCEO Andy Jassyの両方とも、失うものがない。Gelsingerは声明文で述べている: “AWS上のVMware Cloudは、顧客にシームレスに統合されたハイブリッドクラウドを与え、それはvSphereベースのオンプレミス環境とAWS両者にまたがる同じアーキテクチャと能力とオペレーション体験をもたらす”。

Jassyはこう付言する: “世界のエンタープライズの大多数が、データセンターをVMwareで仮想化している。そしてこれからは、これらの顧客が容易に、アプリケーションを彼らのオンプレミス環境とAWSのあいだで移動でき、しかもそのために新たなハードウェアを購入したり、アプリケーションを書き換えたり、オペレーションを変更したりする必要がない”。

これは、それまで二つのシステムを苦労しながら一緒に動かしていたITの連中にとって朗報だ。その苦労とは、新しいアプリケーションはクラウドに置けるけれども、一緒に使うレガシーのアプリケーションをVMwareからAWSのVMに移すのがたいへん、という点だ。その障害が、今回の提携で取り除かれる。

このパートナーシップは、企業としてのVMwareにも大きな揚力を与える。オンプレミスのデータセンターでは100%の浸透を誇っている同社も、顧客の多くがワークロードをクラウドへ移し始めた近年では居場所を失い始めていた。今回はパブリッククラウドの巨人AWSと統合し、二つの環境を横断してスムーズに仕事ができるようになったのだから、息苦しさもやっとなくなる。

AWSにとっては、これはお金持ちになれるのはお金持ちだけの好例だ。パブリッククラウドのビジネスで失うものは何もないだけでなく、VMwareという大きなユーザーがそのクラウドにやってくる。どこからどう見てもこれは、ウィン、ウィン、そしてウィンだ。二社が大きな得をして、VMwareのVMsとAWSのクラウドを容易に統合できるようになる顧客も得をする。全員がトロフィーを獲得する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

PivotalとVMwareとGoogleがコンテナでパートナー、すでに提供プロダクトも具体化

PivotalとVMwareとGoogleがチームを作って、コンテナプロジェクトの開発とデプロイと管理を、十分なスケーラビリティを維持しつつ単純化する総合的サービスを提供していくことになった。

三社はオープンソースのプロダクトをベースとする商用サービスにより、このパートナーシップを構成するさまざまなパーティーと共にそのプロダクトを市場化していく。GoogleはそれをGoogle Cloud Platformの一環として売ることになり、PivotalとVMwareでは彼らの標準の営業品目として売り、両社の親会社であるDell-EMCはハードウェアを含めたパッケージとして売っていく。

彼らの役割分担を整理するとこうなる: GoogleはオープンソースのコンテナオーケストレーションツールKubernetesを提供する。PivotalはCloud FoundryによりPaaSの要素を提供、そしてVMwareは全体をまとめる管理層を加える。

プロダクトの名前にはPivotalが使われ、Pivotal Container Serviceとなる。省略形はPCSではなくPKSだが、たぶん彼らは頭字語という言葉の意味をよくわかっていないのだろう。いずれにしても、三社が肩を組んでやることは、VMwareのvSphereとGoogleのCloud Platform(GCP)をベースとする“プロダクションに即対応する(production-readyな)Kubernetes”を提供していくことだ。そしてそれは継続的に、Google Container Engineとの互換性が確約される。後者はご想像どおり、GCEではなくてGKEなのだ。¯_(ツ)_/¯

以上は説明だが、このプロダクトが実際にベースとするものはGoogleとPivotalが作ったコンテナ管理プロダクトKuboだ。そしてPKSは、PivotalのCloud Foundryによる、デベロッパーにとっておなじみのコンテナ開発環境を提供する。デベロッパーはKubernetesの経験者であることが前提だ。

VMwareは縁の下の力持ちのように管理層を提供し、その上でDevOpsのOpsの連中がコンテナをデプロイし、コンテナのライフサイクルの全体を管理する。以上を総合すると、エンタープライズ級のコンテナ開発〜デプロイ〜管理のシステムの、一丁あがり、となる。

Google Cloudのプロダクトマーケティング担当VP Sam Ramjiによると、昨年Googleに来る前、Cloud Foundry Foundationにいたときすでに、コンテナをプロダクションに持ち込むためのいちばん容易な方法がCloud Foundryだ、と直観していた。そして当時の彼らは、Kubernetesを統合するやり方を研究していた。

一方、PivotalのJames Watersはこれまで、PivotalのツールとともにGoogle Cloudのツールを使っている大企業顧客が多いことに気づいていて、そのツールキットに、人気急上昇中のKubernetesを含める必要性を痛感していた。

VMwareはどうか、というと、Sanjay PoonenらVMwareの連中はこれまで、コンテナの開発環境としてCloud Foundryを使う大企業顧客が多いことと、Kubernetesがコンテナオーケストレーションエンジンとしての勢いを増していること、この二つの支配的な状況を日々、目にしていた。

そして今回、そのような三者が交わったところに出現したコンテナ統合環境(開発/デプロイ/管理サービス)が、今回の三社パートナーシップの成果だ。その供用開始は、今年の第四四半期を予定している。

〔関連記事:
三社パートナーシップに導いた7つの動向(未訳)
VMware CloudがAWSからも提供(未訳)

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複数のブロックチェーン間の通信を支えるNucoのAionネットワーク、最終的スタンダードになるか?

ブロックチェーンの普及と並行して、複数のブロックチェーンが互いに通信できる仕組みの必要性が顕在化している。トロントのNucoは、今日(米国時間8/30)リリースしたブロックチェーンネットワークAionで、そんな通信のために必要なネットワーキングインフラストラクチャを提供しようとしている。

NucoのCEO Matthew Spokeによると、個々のブロックチェーンの中での、それにふさわしいレベルの信頼性を築くのは各ネットワークの究極の責任だが、いったん、プライベートなブロックチェーンの外の領域に出るようになると、全体的な信頼性を確保するためのシステムが必要になる。銀行でも、政府機関でも、ヘルスケアのプロバイダーでも、必然的にそういう、外にも行く性質のデータを扱っている。NucoがAionを作ったのは、そのための仕組みを提供するためだ。

彼によると、Aionの中核的機能は、データをあちこち移送するための配管系になることだ。Aionが提供するミドルウェアにより、ブロックチェーンは互いに通信し、メッセージを渡しあうことができる。

Spokeと彼の協同ファウンダーたちはDeloitteのブロックチェーンチームにいたが、昨年Nucoを創ってエンタープライズのためのブロックチェーンインフラストラクチャを作り始めた。が、しかし、彼らは気が付き始めた: 多くの大企業がプライベートなブロックチェーンを構築しているが、それとともに、パブリックなメカニズムのニーズも拡大している。ブロックチェーンというコンセプトがスケールし始め、経済システムの不可欠な部分になっていくに伴い、情報を移送するためのジェネリックな〔nonプロプライエタリな〕方法が必要になる。

このようなシステムの構築と利用に対しては、大きなハードルが二つある。ひとつは、情報を複数のブロックチェーン間でパブリックに移送することを、企業が承知することだ。第二は、情報の移送にはネットワーキングプロトコルのような単一の方法が必要なこと。前者に合意が得られたら、その次は後者が、避けて通れない要件になる。

Aionのトークンを一種のデジタル通貨と見なして課金し、ある種のデータをチェーン間ブリッジにまたがって移送するようにすれば、企業のNucoのネットワークへの参加を収益源にすることもできる〔Aionの利用を課金する〕。それにより、Aionのネットワークをサポートする企業も増えるだろう、とSpokeは説明する。

とは言え、彼によるとAionのようなものは、市場がどうしても必要とするインフラの一部だから、直接的に商用化を目指すべきではない。将来、ブロックチェーンがメインストリームになれば、成熟したインフラストラクチャが必要になり、同社や他社はそれを成功の源泉にすればよい。Spokeによると、同社の現状は、市場の成長を助けるためのコントリビューションが主体だ、という。

この問題に取り組んでいるのはNucoだけではないが、Spokeはこのようなプロセスが必要であることを確信しており、他の技術の場合と同様に、スタンダードになる勝者を決めるのは市場だ、と考えている。

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GraphPathの「サービスとしてのナレッジグラフ」は大企業へのAI導入を狙う

現在世の中は、AIと機械学習スタートアップの誕生には不足していない。しかし、まだ残されている最大の機会の1つは、AIを皆が、特にビジネスに、活用できるプラットフォームへと変えることだ。

近年、テクノロジー業界ではナレッジグラフ(知識グラフ)という名で知られるものと関連する形で、新しい分野が開発された。これは、特にセマンティックウェブとの関係で、長い期間知られていた概念だ。しかし最近までは、ナレッジグラフの開発と管理を一般化しようとする努力は、それほどなされてはいなかった。

だが、新しい会社GraphPathが、今そこに変化を起こそうとしている。親会社のAunken Labsによって創業された、スタートアップのGraphPathは、既にAIで長い歴史を持っている。創業者のDemian Bellumioは、10年以上にわたり機械学習コンポーネントを持つハイテク企業を経営してきた。もしこのアイデアを実現する方法を知っている者がいるとすれば、それは彼なのだ。

GraphPathは本日2つの主要なアナウンスと共に、公の場に姿を表した。1つ目のアナウンスは、Socialmetrixの買収である。

Socialmetrixは「多言語による社会分析と聴取空間のリーダー」と呼ばれている。GraphPathは、これを活用して、米国とラテンアメリカの企業に対する展開を加速する。Socialmetrixは、2011年に英国に拠点を置くDMGTから少額の投資を受けている。

第2のアナウンスとしては、GraphPathは、創業以来どのくらいの資金を調達しているのかを公表していないものの、そのウェブサイトに世界的に認められた顧問や投資家たちを掲載したということだ。AragoのChris Boos、そしてSentient TechnologiesのAntoine Blondeauの2人は、それぞれヨーロッパと米国における最も有名なAIの専門家たちだ。さらに、Prelude FertilityのMartin Varsavsky(過去にFon、Jazztelに在籍)、Higher Ground LabsのAndrew McLaughlin(betaworks、Google)、そしてIngenuのBabak Razi(Ostendo、Broadcom)も名を連ねている。

ナレッジグラフという言葉は、AlphabetのCEO、Sundar Pichaiが投資家への説明で頻繁に引用するものだ。先の5月に開催されたI/Oカンファレンスでも、新しいビジュアル検索ツールであるGoogle Lensを差別化するための要素として言及されている。

しかし、つい最近まで、それについての合意された定義を生み出そうとする試みはなされていなかった。そこで、昨年末にオーストリアのヨハネス・ケプラー大学リンツ校の研究者たちが、正式な定義を提出した:「ナレッジグラフは、獲得した知識を、オントロジーを使って統合し、推論を適用することで新しい知識を導き出すものである」。

GraphPathは、実際にこの定義を借用して、サイト上で用語を説明している。しかし、そこでの説明はさらに一歩進んでいて、彼らのコンセプトは「ナレッジグラフ・アズ・ア・サービス(Knowledge Graph-as-a-Service)」という名前で呼ばれている。これはグラフ・コンピューティング・フレームワーク、ウェブとAPIアクセス、機械学習ワークフロー、そしてクラウドまたはオンプレミスを対象とした展開、といった多くのビルディングブロックを含むものだ。

Bellumioによれば、大規模なグラフデータベースの展開、機械学習、そしてグラフ分析プロジェクトに関する彼らのチームの専門知識に基いて、このアプローチを開発したということだ。

GraphPathはSaaSとして提供されるため、顧客自身のソリューションと比較した時に、迅速かつ信頼性の高い実装を可能にする。また顧客はコンプライアンスの要求に従って、クラウドあるいはオンプレミスのソリューションを選ぶことができる。

GraphPathは、大きなデータを使用する大企業を対象にしている。たとえばそれは、携帯電話の基地局のデータや、携帯電話が基地局に接続した時にシステムが生成するデータに適用することができる。ユーザーの観点からは、課金履歴、アプリの使用状況、通話記録、ローミング料金などが含まれることになる。そして更には、特定のエリアの周辺で生成される、ソーシャルメディアネットワークから収集されたセンチメントデータなども含むこともできる。例えば都市のダウンタウンエリア周辺の、高価値の基地局クラスターから集められたそうしたデータを、ネットワークデータやユーザーデータと比較することができる。

つまり、例えば、センチメントデータが競合相手より20%以上悪い地域内で、ドロップコールの割合が最も高い基地局のリストを取得することができる、ということだ。

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(翻訳:Sako)

Googleは企業のChrome OS機採用を促進するためエンタープライズサービスのワンセットChrome Enterpriseをローンチ

Googleは、Chrome OS機の採用を考えている大企業のための新たなエンタープライズサービスをローンチする。そのChrome Enterpriseと呼ばれるサブスクリプション(会員制サービス)は、一機につき年間50ドルで、基本的にはChromebooks for Workの別名のようなものだが、サービスの内容は増えている。名前にChromeがあってもそれはChromeブラウザーのことではなく、あくまでもChrome OSである。エンタープライズのChromeユーザー向けにはすでに、Chrome Enterprise Bundle for ITというものが用意されている。

Chrome OS機のユーザーのためのChrome Enterprise会費制サービスの呼び物は、既存のオンプレミスのMicrosoft Active Directoryのインフラストラクチャと完全互換であることだ。担当ディレクターのRajen Shethによると、この件はChrome OS機を採用しようとする企業にとって長年の障害だった。しかしChrome Enterpriseでは、ユーザーはそれまでの認証情報を使ってChrome OS機にログインでき、自分たちのGoogle Cloudサービスにアクセスできる。そしてITアドミンは、彼らのデバイスとサービスへの、彼らのアクセスを管理できる。

なおChrome OSのアドミンは前からすでに、SAMLスタンダードを使ってChrome OS機へのシングルサインオンを有効にできるサービスなら、有効にできていた

それに加えて企業はこれからは、彼らがすでに使っている同じエンタープライズモバイル管理ソリューションから、自分たちのChrome OS機を管理できる。まず最初は、VMwareのAirWatchからだ。そのほかの同様のサービスも、今後追い追いサポートされる。

このChrome Enterpriseのライセンスでは、ITアドミンが自分たちのユーザーのための、管理サービス付きのエンタープライズアプリストアをセットアップできる。この機能は目下ベータで、Chrome OSのAndroidアプリを動かせる能力にフォーカスしている。この能力は、多くのエンタープライズが使っているChrome OS機のほとんどで利用できる

さらに好都合なのは、Chrome Enterpriseの会員になると24/7のエンタープライズサポートや、OSの管理つきアップデート、プリンターの管理などが提供される。プリンターのところで笑った読者もおられるかと思うが、プリンターはいまだに、多くの会社で重要なのだ〔文書やコミュニケーションがデジタル化/ネット化されていない〕。

周知のように今のGoogleは、なりふり構わず多くの企業を自社のクラウドサービスの顧客にしようと努力している。Chromebookはすでに、リテールや教育の分野で、稼げるニッチを見つけている。それをさらに一般的な企業分野に拡大していくためには、たとえば今回のAirWatchとの統合のような機能が、ものすごく必要とされていたのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

インメモリデータベースのRedis Labsが$44Mを調達、データベースもスタートアップによる革新の波が

インメモリーデータベースを専業とするRedis Labsが今日(米国時間8/21)、Goldman Sachsが率いるラウンドにより4400万ドルを調達したことを発表した。

Redis Labsはそのほかのオープンソースのデータベース企業と同じく、技術そのものは無料、企業のお世話は有料、というビジネスモデルだ。つまり誰でもその技術を利用して何かを作れるが、企業のデータベースの管理は十分な能力を持つわれわれにお任せください、というタイプだ。

同社が提供するデータベースは、サーバーのメモリ上で操作されるので速い。しかし企業ユーザーがその速さを享受できるためには、NoSQLデータベースをはじめとして、それなりの知識技能が必要だ。Redis Labsの今回の資金調達や、この前のMongoDBの非公開IPOなどを見ると、データベースのスタートアップはこのところ追い風と言えそうだ。

Redis Labsのオープンソースバージョンは誰もがローカルにホストできるが、有料の企業ユーザーにはそれをクラウドに置くオプションがある。つまり企業は、自分のリソース(計算機資源)を使わずにその技術を利用できるのだ。

このモデルで成功している例としてDockerやClouderaが挙げられる。後者は好調なIPOを達成ししたが、最近は平凡だ。前者は、Bloombergによると、13億ドルの評価額で資金調達中と言われる。

Redis Labsのこれまでの調達総額は8600万ドルになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、G suiteをメジャー・アップデート――共同作業、クラウド検索、モバイル機能など強化

今日(米国時間8/16)、Googleの企業向けオンライン生産性ツールG suiteメジャー・アップデートを受けた。これによってGmail、ドキュメント、ドライブ、カレンダーなどに新機能が加わった。

今回のアップデートは主として共同作業の改良が中心となっているが、 Googleのクラウド検索の強化、LegalZoom、DocuSign、LucidChartといったパートナーからの新しいテンプレートやアドオンも追加された。

かつての暗黒時代では、人々はドキュメントをメールに添付して共有し、誰もが同じバージョンを受け取っていることを確認するためにバージョンごとに WordやExcelのファイル名を変えたりしたものだ。共有がオンライン化された現在ではもはやこういう作業の大部分は必要ない。しかし今回のアップデートでGoogleドキュメント、スプレッドシート、スライドではファイル名を変えた複数のバージョンを保存、検索することができるようになった。これはユーザーがある文書を正規のものと認め、他のバリエーションをまとめて保管したい場合には便利だろう(ただしG suiteに対する要望としてトップの地位を占めていたかどうかはよくわからない)。

Googleクラウド検索の統合強化により、G Suiteを利用中の企業ユーザーは各アプリの内部から自社がクラウドに保管しているデータを横断検索できるようになった。これまでは内部文書を検索するために明示的にCloud Searchを立ち上る必要があった。今後はドキュメントやスライドを編集しながら直接検索ができるようになる。

もうひとつ今回のアップデートで追加された機能は、ワンタッチでドキュメントの「クリーン・バージョン」を表示することができるというものだ。これはコメントや編集をすべて隠し、ドキュメントの本体だけを見ることができる。またワンタッチで他のユーザーからの編集提案などすべて反映(ないし拒否)させることもできる。またLitera Change-ProやWorkshare アドオンなどのおかげでドキュメント、シートなどの比較がさらに簡単になった。

モバイル・ユーザーの場合、Android版、iOS版から編集提案ができるようになった。これは長年必要性が指摘されていた機能だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Red HatのコンテナプラットホームOpenShiftのアップデートに外部サービスへの接続インタフェイスを導入

Red Hatが今日(米国時間8/9)、OpenShiftプラットホームの今四半期のアップデートをリリースし、社内や社外のさまざまなサービスへの接続を作る機能、Service Catalogを新たに加えた。

OpenShiftは、KubernetesDockerをベースとするPaaSで、コンテナのスタンダードとしてOpen Container Initiativeを採用している。KubernetesはGoogleで開発されたコンテナ管理プラットホーム、Dockeは広く使われているコンテナ作成プラットホームだ。

企業が仮想マシンからコンテナへ移行していくに伴い、OpenShiftのようなコンテナデプロイプラットホームのニーズがますます高まっている。そして今やRed Hatの顧客の中には、Deutsche Bank, Volvo, United Healthのような有名大企業もいる。

Red HatでOpenShiftを担当するプロダクトマネージャーJoe Fernandesによると、コンテナへ移行しようとする企業は最近ますます多くなり、すべての企業が何らかの形でコンテナの採用を目指していると言っても過言ではない。今では“いちいち表に書ききれないほど多い”、と彼は言う。

同社の、コンテナを利用する顧客ベースの増大とともに、大企業のIT部門の現実的なニーズを満たす、コンテナ化アプリケーションの展開プラットホームが重要になっている。とくに最近よく聞くニーズは、コンテナ化したアプリケーションが社内や外部のサービスに容易に接続できるようにしてほしい、という要望だ。

Service Catalogは、アプリケーションストアみたいな機能で、デベロッパーがそこへ行って構成済みのコネクターを見つけ、それらをサービスへのインタフェイスとして利用する。それは会社のOracleデータベースへのコネクターのこともあれば、AWSやAzureのようなパブリッククラウド、すなわち社外的サービスへのコネクターのこともある。Fernandesによると、アプリケーションストアの比喩は適切だが、今のところ正規の調達の手順は組み込まれていない。それが今後の課題だ、という。

これまでも、顧客がサービスへの接続を自作できたが、それには大量の作業を要した。ユーザーの面倒な作業を要しない、パッケージ化されたやり方でないと、時間と労力を取られすぎる。

そのために登場したService Catalogは、今回のリリースではテクニカルプレビューだ。次のリリースは、今年の終わりになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

コンテナ化という大きな趨勢にとってはスタンダードがきわめて重要、AWSは自らその意思を示す

AWSが今日(米国時間8/9)、コンテナの標準化団体Cloud Native Computing Foundation(CNCF)の正会員になったとき、同社の重要なマイルストーンが刻まれた。GoogleやIBM, Microsoft, Red Hatなど、この分野の有力企業の仲間入りをすることによって、コンテナの管理に関してはスタンダードを無視できないことを、認めたのだ。

なにしろ、これまでもっぱら我が道を行くだったAWSである。しかもAWSは今や、その強力な巨体で広大なマーケットシェアを支配しているから、さまざまな面で自分流を貫いても平気だ。しかし、コンテナは違った。今コンテナを支配しているのは、かつてGoogleで生まれたオープンソースのコンテナ管理ツールKubernetesだ。

聡明なAWSは、Kubernetesが業界標準になりつつあることと、作るか買うかオープンソースで行くかの三択に関しては、戦いがすでに終わっていること、とっくに結論が出ていることを悟った。

コンテナ管理におけるGoogleの優勢を認めたからには、次の論理的ステップはCNCFに加わり、業界全体が使っている同じコンテナの規格に従うことだ。人生には戦うよりも自分を変えた方が得策なこともあり、これがまさに、その典型的な例だ。

そしてAWSがCNCFに加わったことによって、業界全体としてのコンテナ化に向かう路程が明確になった。今それは、とくに大企業において大きなブームになっている技術だが、それには十分な理由がある。アプリケーションをいくつもの離散的な塊に分割して構築していくので、メンテナンスとアップデートがきわめて容易である。そしてDevOpsのモデルにおいて、デベロッパーのタスクとオペレーションのタスクを明確に分離できる。

いくつかのスタンダードが、コンテナを開発し管理するための共通基盤を提供している。その上で各人が、独自のツールを作ることもできる。GoogleのKubernetesも、最初はそのひとつだったし、Red HatのOpenShiftやMicrosoftのAzure Container Serviceなども、そんな独自ツールの例だ。

しかしスタンダードがあると、誰が何を作っても、その構造や動作の共通性をあてにできるし、したがってその利用も楽だ。どのベンダーもサービスのベースはほぼ同じであり、違いは上位的な機能や構造にのみ現れる。

業界の大半がスタンダードに合意すると、その技術は離陸していく。World Wide Webは、その偉大なる例だ。それは、Webサイトを作るスタンダードな方法だから、完全な共通技術へと離陸できた。ビルディングブロックに関して多くの企業が合意したら、そのあとはすべてがうまく行く。

スタンダードの欠如が、技術の足を引っ張った例も少なくない。全員が共通のビルディングブロック(構築部材)を持つことは、きわめて有意義なのだ。しかしときには、だんとつのマーケットリーダーが合意に参加しないこともある。今日のAWSは、そんなリーダーにとってもスタンダードが重要であるという認識を、示したのだ。

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NvidaのGPUで動くHPのVR用バックパックPCは、遊び用ではなくてお仕事用

HPが、もっとも珍妙な種類のニッチ的PCに参入する。それは、バックパックコンピューターだ。 仮想現実コンピューティングという波から生まれたバックパックPCは、Oculus RiftやHTC Viveのような高級なVRヘッドセットをドライブするために必要なパワーを完全に提供するが、そのフォームファクターはユーザーがコードやケーブルをまったく引きずらずに、自由に歩き回れるものだ。同社の新製品HP Z VR Backpackはしかし、類似製品とはやや違っていて、本格的なワークステーションを想定した設計である。

HP Zは、Nvidia Quadro P5200 GPUを搭載し、モバイルのワークステーションクラスのグラフィクスカードがVRバックパックに使われるのは、今回が初めてだ。全重量は約4.5キログラムで、強力なGPUが複雑なシミュレーションと、そしてもちろん最高度のVR体験を可能にする。内蔵バッテリーのおかげで、しかも完全にコードレスだ。

発売は9月を予定し、お値段は3299ドルから、ユーザーが選んだオプションで最終価格は決まる。ふつうのデスクトップPCとしても使えるために、付属品としてドックがある。仮想環境の中を歩きまわっていないときでも、コンピューターとして使える。

無意味な製品のように思えるかもしれないが、しかし実際には、VRにはエンジニアリングやデザイン方面にいちばんおもしろい用途がありえる。たとえばプロトタイプを仮想的に作ったり、さまざまな変更の検証を実物を作らずにできたら、時間と労力の大きな節約になる。Tesla Model Sの競合車を発売するつもりのLucidなどはすでに、設計試作段階でVRが大幅な費用節約に寄与することを、デモしている。

同じ意味でZ VRは職業訓練にも使える、とHPは提案している。遠隔医療や、VRによるさまざまな体験センターもありえるだろう。当分はニッチにとどまるとしても、HPはそのニッチが時とともに広がり、VRがさまざまな業界や職種で利用されるようになる、と期待しているのだ。

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ストリーミングビデオの同時視聴者数をテレビ並に数百万に増やすPeer5が$2.5Mを調達

Peer5を利用すると、多数の視聴者にビデオをストリーミングできる。その同社が今日(米国時間7/27)、250万ドルのシード資金の獲得を発表した。

このスタートアップについては、今年の初めに書いたことがある。そのときはまだY Combinatorで勉強中だったが、CEO Hadar Weissによると、資金調達はYC Demo Dayの直後のことで、投資家はFundersClub, Oriza Ventures, Tank Hill Ventures, Leorsa Group, Ed Roman, そしてBuddy Anheimだった。

Weissの言葉をそのまま引用すると、Peer5が解決しようとしている問題は“インターネットがテレビほどのオーディエンスにまったく対応できない”ことだ。言い換えるとインターネットの今のインフラストラクチャでは、同時に見ている何百万もの視聴者にビデオを届けられない。人気番組のGame of Thronesがテレビでなくインターネットだけで放送されたら、画面が頻繁にフリーズして見るに耐えないものになるだろう。

Peer5はこの問題を、既存のCDN(s)を利用して解決する。CDNはビデオをいつもと同じく最初のビューワーへプッシュするが、しかしビューワーのデバイスが今度はほかのビューワーへビデオをプッシュする。Weissはこの仕組みを、ハイウェイの車線を増やすことにたとえる。

そのためにPeer5は、WebRTCの技術を利用する。これはMicrosoftAppleも、サポートすると言っている。Weissの説明では、何らかのインセンティブ(例えば高品質のブロードキャスト)と引き換えに、WebRTCによる同時再放送役をビューワーに引き受けていただく。

Peer5はどれだけ多くのビューワーをカバーできるのか? Weissによると、二年前には40000だったが、今では最大100万の同時ビューワーに対応できる。最近実際に、あるイベントでそのことが実証された。次の目標は、同時ビューワー数1000万だ。

Weissはこう主張する: “今はテレビ業界に大規模な技術移行が始まっている。今後テレビはますますネットへ移っていくから、そんなスケールでは、Peer5のようなピアツーピアのCDNが必須にならざるを得ない”。

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Slackが評価額50億ドルで$250Mを調達中、ラウンドのリーダーはSoftBankほか

本誌TechCrunchが確認したところによると、エンタープライズメッセージングサービスのSlackが、50億ドルの評価額で2億5000万ドルの資金調達ラウンドを行っている。SoftBankおよびAccel Partnersのほか、既存の投資家たちも参加しているらしい。

2億5000万ドルという額を報じたのはBloombergで、ラウンドの協同リーダー(SoftBank, Accel Partners)の名を最初に挙げたのはAxiosだ。Recodeは先月、5億ドルのラウンドを報じていたが、その額が2億5000万ドルに落ち着いたのが、今回のラウンドのようだ。

これまで、買収の話いろいろあり、しかし某直接の情報筋は、どこでもその話は前進していない、と言っている。

でも投資家たちは確実に、Slackには強力なエグジットのポテンシャルがある、と信じている。これまでの、公表されている資金調達額は5億ドルを超えており、50億ドルの評価額は、一部の投資家たちが同社がそれを大きく上回る額で買収ないし上場される、と考えていることを意味している。

本誌TechCrunchでも、社内のコミュニケーションの多くにSlackを使っている。とくにその現代的なインタフェイスが、多くの人に好まれている。(それにGIF!!、Giphyの統合をすごく気に入っている人たちもいる。)

Slackはシリコンバレーで、ほとんどスーパーアイドルなみのファンを獲得している。でも今後の課題は、世界中の大企業が進んで採用する気になることだ。Slackは、メールよりも便利という売り込みで成功したが、しかし会社の外の人たちとのコミュニケーションのためのプラットホーム、とは言えない。

Yammerもかつて、同様の人気を獲得したが、Microsoftに買われてからは生彩をなくした。

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レストラン専門の管理を伴うWebサイトビルダーBentoBoxが早くもシリーズAで$4.8Mを調達

レストランのオーナーはやるべきことが多くて、そのためにいろんなスキルを持ち合わせている。でも、Webサイトを作るスキルは、ちょっと無理だろう。

そこでBentoBoxがお助けに登場する。

出だし好調(2013創業)の同社はこのほど、Bullpen CapitalがリードするシリーズAのラウンドで480万ドルを調達した。このラウンドに、Launch Capital, SeamlessのファウンダーJason FingerとPaul Appelbaum, RiverPark Ventures, InvisionのCEO Clark Valbergらと、シードのときの投資家たちが参加した。

BentoBoxはレストランのオーナーに、Webサイトの自由にカスタマイズできるテンプレートを提供する。完成後のWebサイトの、メニューのアップデートや、OpenTableなどを統合して行う予約処理、ケータリングの受注や手配、などの付随的な業務も簡単にできる。モバイルにも対応し、ある程度のSEO、そしてギフトカードの統合もできる(デジタル/物理カードの両方)。イベントのチケットを売ったり、預り金や契約の処理もできる。

Webサイトビルダーは大手のWixやSquareSpaceをはじめいろいろあるが、BentoBoxの売りはレストラン側がWebサイト管理者を置かなくてもよいことだ。CMS作業はすべてコードを書かずに行えるので、Webサイトのアップデートや新機能の追加などが簡単にできる。またカスタマイズも楽なので、機能やページが増えた場合のデザインの統一なども、容易だ。

これまでBentoBoxは世界中に1200あまりのユーザーを抱え、それらのレストランの各種トランザクション(予約など)を100万件以上処理した。

同社の提供機能が新たに増えると、それらもまた個々に有料の機能になるが、でもファウンダーでCEOのKrystle Mobayeniによると、レストラン1軒あたりの月額利用料は100ドルから500ドルまでぐらいだ。

今度の新たな資金は、マーケティングと営業の拡大に充てられる。また、同社だけでなく、顧客のレストランのための新しいマーケティングツールも開発していきたい、という。

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GoogleのCEO、ピチャイが親会社Alphabetの取締役に

GoogleのCEO、スンダル・ピチャイ(Sundar Pichai)が親会社、Alphabetの取締役に指名されたことが、今日(米国時間)、同社から正式に発表された

「スンダルはGoogleのCEOとして素晴らしい仕事をしてきた。Googleは規模、パートナー関係、プロダクトのイノベーションなどあらゆる面で力強い成長を遂げた。私はスンダルと仕事をすることを大いに楽しんでおり、Alphabetの取締役となることを嬉しく思っている」とAlphabetのCEO、Larry Pageは声明で述べた。

2015年にGoogle以外の事業を別会社に分離し、全体を持株会社としてAlphabetに再編する決定がなされたときからピチャイはGoogleの責任者を務めてきた。ピチャイは検索、広告、クラウド、マップ始めGoogleというブランド名がつく事業のほとんどを管轄している。AndroidとYouTubeもピチャイの監督下にある。

ピチャイは2004年にGoogleに参加し、Googleのコンシューマー向けプロダクト、エンジニアリング、検索などの責任者を務めてきた。

ピチャイが加わることになるAlphabetの取締役会のメンバーはラリー・ペイジの他に共同ファウンダーのサーゲイ・ブリン、元CEOのエリック・シュミット、Kleiner Perkinsのジョン・ドーア、Googleの上級副社長、ダイアン・グリーンだ。

Alphabetはこの後、株式市場が閉まるのを待って四半期決算を発表する予定。

画像: LLUIS GENE/AFP/Getty Images

〔日本版〕ダイアン・グリーンはVMwareの共同ファウンダー、元CEO

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

書評「MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣」――ARPU、テイクレートが重要なわけ

すでにシバタナオキ(柴田尚樹)氏の新刊、MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣を読まれた読者も多いと思う。まだ読んでない(積んである方を含む)向きのために簡単に紹介してみたい。

柴田尚樹氏はシリコンバレーのモバイル・アプリ検索最適化ツールのスタートアップ、SearchManの共同ファウンダーで、その経営が本業だ(TechCrunch Japan寄稿記事

柴田氏はしばらく前から決算資料をベースにテクノロジー系企業のビジネスを解説する記事をnote上に発表していた。 この連載が増補、加筆されて日経BPから出版されることになった。シリアスなビジネス書としては異例のヒットになっている、

念のため情報開示しておくと、柴田さんとは2009年にサンフランシスコで開催されたTechCrunchカンファレンスで会って以来(オフでお会いする機会は少ないが)お友達だ。しかしそれと別に、これは間違いなく素晴らしい本だと思う。裏側帯に「ファイナンス・リテラシーは一生モノの仕事力」とあったが、起業家、起業家志望者はもちろん、少しでもビジネスに関係する読者全員に必ず役立つはず。

企業会計についての本は大型書店の棚をいくつも占領するほど発行されているが、どれも面白くない。面白くないという表現が適切でないなら、わかりにくい。これから資格を取ろうと勉強中の学生ならともかく、多忙なビジネスパーソンが割ける時間にも気力にも制限がある。しかしこの本はeコマースならYahoo!とAmazon、FintechならSquareとPaypalというように(少なくともTechCrunch読者なら)誰でも知っている有名企業の最近の決算を例として「読み方のカンどころ」が解説されている。読んでいくうちに自然と解釈の基礎となる会計知識も身につく仕組みだ。

本書は柴田氏の経歴の中から生まれたものだ。柴田氏は2010年にシリコンバレーでスタートアップを立ち上げるまで楽天の最年少執行役員だった。当時楽天では経営トップが毎週全社員向けに業界トピックスを紹介するコーナーがあり、柴田氏はその「台本づくり」を任されたのだという。役員は超多忙だし、とおりいっぺんの業界情報なら社員は皆知っている。

そこで柴田氏は「(当時すでに)楽天はECから金融、広告などさまざまな事業を運営しているので、競合他社は国内外にたくさんあります。ライバルの決算を分析して、そこから読み取ることのできるサービス動向や経営戦略を解説すれば、社員の日常業務にも役立つ」と考えたという。

目次は下のとおり。お急ぎの向きは自分の興味あるセクションから読み始めてもいっこうにかまわないが、できれば最初のページから順に読む方がお得だ。フォーマットがとても親切にできていて、「決算を読むカンどころ」となる知識が自然に身につくよう配慮されている。

第1章: 決算が読めるようになると何が変わるのか?
第2章: ECビジネスの決算
第3章: FinTechビジネスの決算
第4章: 広告ビジネスの決算
第5章: 個人課金ビジネスの決算
第6章: 携帯キャリアの決算
第7章: 企業買収(M&A)と決算
終章: 決算を読む習慣をつける方法

テイクレートとARPUを覚えるだけでも役にたつ

各章のトビラには「その章のカンどころ」と「重要な3step」が掲載されている。たとえば「ECビジネスの決算」の章なら

ネット売上=取扱高xテイクレート(Take Rate)

が「カンどころ」だ。

本文を見ると、取扱高は流通総額、Gross Merchandise Sales、テイクレートはMonetization Rateと表記される場合があると説明されている。eコマース・ビジネスではA社プラットフォームでの販売(流通)総額が1000億円でもそれがA社の売上になるわけではない。ごく一部がA社の売上になる。この率がテイクレートで、eコマース・ビジネスはこのテイクレートを中心に回っている。たとえばeBayのテイクレートは9.2%、個人出品の手数料課金は10%なのでeBayの売上は取引手数料が主だろうと推定できる。

eコマースにはeBay、アリババ、楽天、Yahooなどの多くのプレイヤーが存在し、ビジネスモデルはそれぞれ異なる。一見すると比較は難しいように思えるが柴田氏によればそれぞれのテイクレートを計算することで横断的な考察が可能となるという。

ただし、Amazonだけはやや異色だ。「Amazonはほとんど利益を出していないのになぜ株価がここまで上がるのだろう?」と不思議に思っている読者も多いかと思うが、柴田氏は「競合他社の斜め上を行くAmazonという異端児」の章で具体的に分析している。

もうひとつ重要なのは次の式だ。

売上=ユーザー数×ユーザーあたりの売上(ARPU)

ARPUはAverage Revenue Per Userの頭文字だ。民放テレビは視聴者から料金を取らないのになぜ成立しているかといえばもちろんスポンサーから広告費を得ているからだ(広告モデル)。NHKは視聴者から料金を徴収している(サブスクリプションモデル)。新聞・雑誌は購読料と広告費の両方から収入を得ている(混合モデル)。こうしたビジネス・モデルはオンライン・メディアの場合でもまったく変わらない。本書ではARPUをカギとして民放テレビ、Facebook、ヤフーなどの広告を主たる収入源とするビジネスが解説されている。ここではMAU(月間アクティブ・ユーザー)、DAU(1日あたりアクティブ・ユーザー)も重要な指標として取り上げられている。

柴田氏はFacebookの「地域別DAU&ARPU」の経年変化をグラフ化して非常に興味深い結果を得ている(図4-7)。柴田氏はFacebookの売上は「アジア+その他地域」に関しては、まだまだDAUが伸びる余地がある」と結論している。数字だけを見ていたのでは気づかないが、グラフ化すると北米、ヨーロッパ、アジアではまったく異なった動きになっていることが一目瞭然だ。余談だが、TechCrunch Japanはオンラインメディアなのでスペースは比較的自由だ。そこで「1日あたりアクティブ・ユーザー」などと繰り返しても困らない。しかし紙媒体やオンラインでもスペースに制限がある媒体ではDAUという単語をどう処理するから頭が痛いだろうと思う。

この調子で重要なポイントを挙げていくとキリがない。ともあれ本書に目を通していただくのがよいと思う。ちなみに本書のフォーマットだが章立てやトビラの構成などは日経BP出版局の中川ヒロミ部長がいろいろとサゼスションを出し、柴田氏が対応して原稿を書き、担当編集者の後藤直義氏が具体的なページに落とし込んだものだそうだ。noteに連載された内容が優れていたのはもちろんだが編集段階でのブラッシュアップも大きな役割を果たしていると感じた。

ちなみに柴田氏は本書のニックネームとして「より決」を提案されている。たしかにニックネームが必要なほど反響は大きく、Amazonでは予約段階で総合2位となった。惜しくも予約総合1位を逃したのはローラのSpeak English With Meを抜けなかったからだそうだ。本書にはKindle版も用意されている。