GoogleのクラウドサービスのトップDiane Greeneはどんな人か…Disrupt SFで会えるよ

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Googleが自社のサービスを駆動するために使っているクラウドサービスは、一級品だ。しかしあまりにも長きにわたって同社は、成長著しいクラウドコンピューティングの分野で地歩を築くことができなかった。その一方で、AmazonのAWSやMicrosoftのAzureといった競合相手は、どんどん伸びている。そこで同社は、この船を正しい方向へ向けるために、昨年BeBop Technologiesを3億4800万ドルで買収し、Google Cloud Enterpriseを担当するVPとしてDiane Greeneを迎えた。

Greeneは9月に本誌が主催するDisrupt SFで、Googleのクラウドにおける意欲と、多くの企業をGoogleのプラットホームへ連れてくるための彼女のプランを話してくれるだろう。

エンタープライズ経験の長さと豊富さで、Greeneの右に出る人はいない。BeBopを自分の企業として立ち上げる前には、彼女はVMwareのCEOだった。そこで彼女は、同社のEMCによる買収などの交渉を、差配してきた。また2007年のVMwareのIPOも彼女が担当し、そして2008年に同社を去った。

Greeneは2012年以来、Googleの取締役だから、同社にとって彼女は他人ではない。同じビジョンを共有している仲だ。

この前の本誌インタビューで、彼女はこう言っている: “エンタープライズに関しては、今はGoogleの出番だ。Googleには外部に提供したいものがたくさんあり、しかもそれらの状態がとても良い。エンタープライズ方面の取り組みもかねてから多く、しかもそれらは、Google内部のいろんなもののセットアップに良い結果をもたらしている”。

Googleのエンタープライズ提供物は、それらを今や同社の大量のリソースが支えている。ディスラプトでも、この点が話題になるだろう。

Disrupt SFは再び第48埠頭で行われる。先着順のチケットはまだ少し残っているが、ただし、ほんの少しだ。

ディスラプトを開催できるのも、スポンサーのおかげだ。スポンサーになっていただける方は、sponsors@techcrunch.comにメールをいただきたい。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleのクラウドプラットホームはプリエンプティブルVMの料金を最大33%値下げ

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これまでGoogle, AmazonそしてMicrosoftの三社は、クラウドコンピューティングの値下げ競争に邁進してきたが、このところようやく、沈静化したようだ。しかし今日(米国時間8/9)は、Googleがまた新たな爆弾を投げ込み、同社のプリエンプティブル仮想マシン(preemptible virtual machines)の料金を最大で33%値下げした。

プリエンプティブルVMは、AWSのスポットインスタンスのGoogle版で(Microsoft Azureにはまだ相当タイプがない)、Googleに先買権のあるリソース、言い換えるとGoogleにとってそれが遊休リソースである間はユーザーに安く使わせてあげるよ、というVMだ。GoogleやAmazonは、このやり方でリソースの利用率を常時高めたいのだが、彼らのシステムサイドの需要が混み合ってくるとユーザーは、通常のプールのユーザーへと自動的に‘格上げ’され、料金も上がる。

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Amazonはこれらの遊休VMをオークション方式でユーザーに提供するが、Googleの方式では定価制だ。それでも、同社の通常のVM提供物に比べると最大で80%ぐらい安くなる。

Googleのプラットホーム上では、これらのVMは最大で24時間しか使えないから、どんなワークロードにも使えるわけではない(AWSではスポットの入札価格が上がるまで使える)。でも柔軟性のあるワークロードなら、このタイプのVMを使ってかなりの節約ができる。

GoogleのプロダクトマネージャーMichael Basilyanが、今日の発表声明で書いている: “顧客はプリエンプティブルVMを使って、データの分析やムービーのレンダリング、衛星画像の処理、遺伝子データの分析、金融市場の理解、メディアのコード変換、さまざまなビジネスやエンジニアリングタスクの完遂、などを行っている。プリエンプティブルVMの値下げによって、コンピューティングの機会がさらに広がり、科学やビジネスの分野における興味深い問題への挑戦が可能になる、と信じている”。

運が良ければ、Googleの今日の値下げに刺激されて、Amazonも値下げを行うかもしれない。

ところで、プリエンプティブルマシンに向かないワークロードを抱えている方は、Googleが新しく設けた“VM Rightsizing Recommendations”(VM適正サイズ推奨)を検討してみてはいかがだろうか。このツールはユーザーのVM利用状況を分析して、ニーズに合った最適のスケールアップやダウンを推奨する。

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MirantisとSUSEがパートナーしてOpenStackユーザーの広範なサポートを開始

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OpenStackを使っている企業に、ソフトウェアやサポートや教育訓練を提供しているMirantisが今日(米国時間8/9)、LinuxディストリビューションSUSEで知られるドイツのSUSE社とパートナーし、SUSEのエンタープライズLinux製品のカスタマサポートを提供していく、と発表した。また今後両社は、SUSE Linux Enterprise Serverを、Mirantis Openstackで用いる開発プラットホームにしていく。しかもさらに両社は、共同で、Red Hat Enterprise LinuxとCentOSもサポートする。

OpenStackに関してはSUSEとRed Hatの両社にそれぞれ独自のソリューションがあるので、Mirantisがこの競合する二社をサポートするのは一見奇妙に思えるが、しかし実は、末端のユーザー企業が、たった一種類のLinuxディストリビューションだけを使っていることはめったにないのだ。

Mirantisの協同ファウンダーでCMOのBoris Renskiは今日の声明文で、次のように述べている: “弊社の大企業顧客の多くが、2〜3種類のLinuxフレーバーを使っている。これからは、OpenStackのユーザーであれば、それらすべてのLinuxディストリビューションに関して、Mirantis一社からサポートを受けられるようになる。世界中の主要な業界で、何千社もがSUSEをメインに使っている。なぜならSUSEは、エンタープライズ級の信頼性の高い、企業が社運を賭けるに足る、高いレベルのサービス約定を提供しているからだ。SUSEとのパートナーシップはMirantisの顧客に、彼らが自社のプライベートクラウドを構築しようとするとき、そのような高いレベルのサポートを提供する”。

一方、SUSEで戦略と企業連合とマーケティングを担当するMichael Millerプレジデントによると、SUSEには元々、ユーザーを単一のディストリビューションに封じ込める趣味はない。そして彼は、“とくにOpenStackと関わるときには、〔企業間の〕政治のことは忘れるべきだ”、と述べる。彼によると、OpenStackはまだアーリーアダプターの時期にあり、そのデプロイも管理もきわめて難しい。しかしまた、それと同時に、OpenStackは、コンテナやネットワーク仮想化など、自分よりも後から登場した最新技術とのすり合わせに努力している段階だ。〔互いに争っている場合ではない。〕

MirantisのOpenStackディストリビューションは現在、CentOS向けに最適化されている(OpenStackのデプロイと管理サービスFuelのデフォルトOSとして)。またOpenStackのノードを動かす環境としては、Ubuntuが使われている。しかしMirantisの最新バージョンでは、OpenStackのコンピューティングノードとしてRed Hat Enterprise Linuxを使えるし、オープンソースのFuelツールもRHELを使っている。ただし、これらの公式サポートはまだだ。

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RackspaceがWebホスティング部門Cloud SitesをLiquid Webに売却

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一週間あまり前からの噂ではRackspaceが売りに出ているということだったが、しかし今日(米国時間8/8)の同社の発表によると、何もかも洗いざらい売るのではなく、Webホスティング部門のCloud SitesをLiquid Webに売る、という話だ。

Liquid Web自身が、クラウド上のWebホスティング企業だから、両社は相性抜群で、同社が買収によって事業を拡大しようとしているように見える。

また両社はともに、献身的なカスタマサポートをマーケティングの柱にしており、Liquid Webによると、それこそが同社をWebホスティングのその他大勢から差別化する要素だ、という。

Liquid WebのCEO Jim Geigerが、声明文で言っている: “残念なことにこの業界は、サポートのないサービスがトレンドになりつつある。そこで、急成長しているデベロッパー企業や、デジタル世界のエージェンシー、デザイナーなどは、ヘルプが必要になったときに頼れる者がいないのだ”。

同社のプレスリリースによると、買収はあくまでも“顧客に喜んでいただくためだ”という。そしてRackspaceのCloud Sitesが加わったことによって、そのミッションをさらに拡大できる、と。

Cloud Sitesを得たことによってLiquid Webのサービスには、WordPress, Drupal, Joomla, .NET, PHPおよびそのほかの開発環境〜プロダクション環境のサポートが加わる。

テキサス州サンアントニオのLiquid Webは、Cloud Sitesを手に入れてもまったく何もいじらないし変えないから、Cloud Sitesの既存のユーザーもスムースに移行ができる、と約束している。移行といっても、会社のオーナーが変わるだけだ。またLiquid Webによると、Cloud Sitesの拡張も今後行っていく。

というわけで、良い話ばかりのようだが、実際どうなるかは今後の経過を見ないと分からない。Cloud Sitesの社員と既存の顧客は、移行が実際にどれだけスムーズかを、体験することになる。

Rackspaceの残りの部分に関しても、いろんな兆候からして、今後、売却は大いにありえる。その時期は、近いかもしれない。今はまだすべてが、水面下のようだけど。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Lyftで経路指定が可能に

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Lyftは利用者にマルチストップの提供を始めた。これによって利用者は2点間の経路に目的地を追加することができる。理由は単純だ:より多くのユーザー、特に都市生活者たちが、車を所有する代わりに相乗りとオンデマンドサービスを選び始めているからだ。色々な場所を回って欲しい時に、どのような経路を使うかについての柔軟性が求められることは想像しやすい。

経路の追加は簡単だ:乗車をリクエストする際に最初の目的地を入力するが、そのあと目的地の横に表示されている新しい「+」アイコンをタップすることによって、最終的な立ち寄り場所を追加していく。運転手は途中の立ち寄り場所も参照することができる、これであなたは朝の11時に自宅に向かう前に酒屋に立ち寄りたい意向を「いまは5時くらいかねえ」などと、もごもご言いながら伝える必要はなくなる。もちろん他の使い方もできる。より社会的に大手を振って行なえるのは、相乗りの友人を降ろしたり、家へ帰る途中にちょっとした食料品を調達したいといった場合だ。

Lyftはまた、あなたがやろうとしていたことが何だったにせよ、心変わりをして寄り道を削除することも自由にさせてくれる。こうしたことは便利で素晴らしいことのように思える。しかしLyftは、最大の競合相手であるUberが提供していない、この機能の追加によって得られる実データを活用することによって、そのサービスを最適化することを狙っている。

Classic、PlusそしてPremierに属する会員の90%が予約時に1つの目的地を入力していることにLyftは気が付いた(訳注:目的地を入力せずに車の到着を待つこともできる)。そしてそれらのうちの5%は、乗車中に手動で変更されることになるのだが、それは実際には何十万というマルチストップ移動の結果なのである。これは紛れもなく重要な利用者のニーズなのだ。そして運賃を割り振るために、既存の割り勘機能ともうまく融合している。

しかし、これはまた運転手のためのサービスでもある。Lyftは乗車の終わりが近付くと、実際の乗車が終了する前に近隣の待機乗客とのマッチングを行う。これにより連続した乗車によって運転手がさらに収入を上げることを助けるのだ。このような仕様の場合、土壇場での目的地変更は、運転手と乗客の双方にとってフラストレーションとなり得る。しかし複数の目的地を指定できることができるようになったことで、運転手は計画を立てやすくなり、近隣の車両のキューイングに伴う欠点を回避することがやりやすくなる。

目的地を追加する機能は、ほどなくLyftのモバイルアプリに提供される。これは、ささやかながらも賢い追加機能である。そして、より自動化される将来の乗り合いモデルのためのコアコンポーネントへと転用することも容易なのだ。

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(翻訳:Sako)

Google、エンタープライズ向けソフトのクラウドプラットフォーム、Orbiteraを1億ドル以上で買収

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今日(米国時間8/8)、Googleは、クラウド・プラットフォーム・ブログOrbiteraを買収したことを発表した。Orbiteraはエンタープライズ向けクラウド・ソフトウェアのオンライン・ストアを開発したスタートアップだ。この買収によってGoogleはAmazon AWS、 Salesforce、Microsoftheなどに対抗してクラウド上でエンタープライズ向けサービスを提供する能力が強化される。

買収の詳細は明らかにされていないが、この取引に近い筋がわれわれに明かしたところによると、金額は1億ドル以上だという。

Orbiteraの既存顧客を含むビジネスとテクノロジーだけでなく人材の獲得も買収の目的とみられる。CEOのMarcin Kurcは元AWSという経歴であり、Googleの発表によればOrbiteraではすでに6万以上のエンタープライズ・けソフトに利用されているという。この中にはAdobe、Oracle、Metalogixなどサードパーティーのクラウド・サービスを購入して自社のエンタープライズ向けソフトに組み込み再販売するベンダーが含まれている。

Googleは「Orbiteraの買収はGoogle Cloud Platformを利用しているソフトウェア・ベンダーに対するサポートを大きく改善するだけでなく、現在普及しつつあるマルチ・プラットフォームのクラウド環境においてカスタマーに複数のクラウドを利用することを助ける」とTechCrunchに対してコメントを送ってきた。

プレスリリースでKurcは「当面Googleはビジネスのすべての面で現状を維持する」と述べている。

Orbiteraによれば、現在事業の柱としているのはクラウド上でエンド・ツー・エンドのサービス環境を構築するためのクラウドソフトのパッケージとプロビジョニング課金処理とコスト最適化マーケットプレイスとカタログ管理トライアルと顧客獲得のリード管理という4つののプロダクトだという。

Googleのグローバル・テクノロジー・パートナーの責任者Nan Bodenは「将来を考えるとGoogleがOrbiteraのマルチ・プラットフォーム環境におけるプラットフォーム中立性を維持することが重要だ」と書いている。

Googleが検索エンジンという当初の単純な枠を大きく超えて巨大化するにつれ、他社との関係も「ある側面でライバルであると同時に別の側面ではパートナーである」ような複雑なものになっている。

Googleにとってこうした複雑な利害関係にたつ多数の企業を顧客としてオンライン・プラットフォームを提供するOrbiteraの買収に踏み切ったことを興味深い展開だ。同時にGoogleが買収後のOrbiteraの運営にあたってきわめて慎重な態度を取っていることもこうした面から考える必要があるだろう。

Googleとしてはクラウド上でエンタープライズ向けサービスを売買するプラットフォームを提供するとしても、そうしたプロダクトの最終的所有者はGoogl本体とは独立した組織であるということを顧客に再確認する必要があると考えているようだ。

もっともこれがGoogleの長期的方針なのかどうかは別問題だ。広告など他の分野ではGoogleは当初買収企業の中立性の維持を強調したが、後に方針を変更した例がある。しかしクラウド・サービスは今後の市場規模が巨大になることが予測されるので、中立性を維持することがGoogleにとって有利になりそうな分野だ。【略】

OrbiteraはFiras BushnaqBrian Singerによって共同で創業された。2人の共同ファウンダーはこれ以前に複数のテクノロジー・スタートアップを創立、運営する際に直面した「ソフトウェアの販売、流通、運用をするうえで直面した数多くの困難」を解決したいと考えたのがOrbiteraの事業のアイディアを得たきっかけだったとしている。

同社はロサンゼルス郊外のウェスト・ハリウッドに本社を置き、Hiten Shah、Arjun Sethi、Double M Partners、Resolute.vcからこれまでに200万ドルのエンゼル資金を調達している

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

「クラウドネイティブ」アプリケーションの真の姿

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【編集部注】著者のRishi Yadav氏は、ビッグデータコンサルティング会社InfoObjectsの最高経営責任者 。

「クラウドネイティブ」の話題が盛んである。そしてそれぞれが好き勝手にその解釈を語っている – 要するにすべてのことをなんでもクラウドでこなすことだ、といった具合に。

Cade MetzはこのWiredの投稿でこの現象を正しく説明している:「この用語には最近本当に沢山の意味がまとわりついている。しかし忘れないで欲しい:大部分のそうした解釈はIBM、HP、EMC、Dell、Ciscoといったクラウドネイティブに『乗り遅れたくない』会社から発せられているということを」。

「クラウドネイティブ」とは簡単に言えば、オンプレミスで生まれ育つアプリケーションとは対照的に、単にクラウドで生まれるアプリケーションを指している。オンプレミスとは一群の車を所有するようなものだ。車を買うために多額の先行投資が必要なだけではなく、保守のためにも費用が必要となる。

足がかりとしてのIaaS

オンプレミスのアプリケーションをパブリッククラウドに移行する場合、その最初のステップは、単純にそれらをクラウド上に再配置することだ。本質的に、これは単にオンプレミスインフラストラクチャの再構築を意味している。このアプローチは、多くの未知数を減らし、起き得るリスクを軽減することができるという意味で、最初のスタート地点としては多くの利点がある。ところで、古い諺を改める時期だろうか:

「IBMを買って馘になった者はかつていない」

「AWSに移行して馘になる者はいないはずだ」に。

このアプローチを更に説明するために、仮にある会社が100ノードクラスタのオンプレミスシステムをクラウドに移行するとしよう。この場合単純に100インスタンスをレンタルし、全く同一のオペレーティングシステムとそれを支えるソフトウェアをインストールした後に、アプリケーションとサービスをオンプレミスと全く同じやりかたで実行することになる。インフラをレンタルするこのスキームは、IaaS(インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス)と呼ばれる。

IaaSの提供する利点は2つある:スケーリングと抽象化だ。スケーリングの利点は、マシンをオンデマンドで追加および削除する際のやり方に現れる。オンプレミスの場合なら作業に数週間かかるであろう作業が、IaaSなら対照的にわずかのボタンクリックで手続きが終了する。抽象化の利点は、ハードウェア/データセンタインフラストラクチャレベルに現れる。IaaSは、同じ地域内や地域間に複数のデータセンターを作成し維持することなく、グローバルなインフラストラクチャを提供する。IaaSを用いれば、マシン、ラック、ネットワーキング、冷却、電力使用量その他諸々の管理について心配する必要はない。

特にIaaSによって加わる利点(クラウドコンピューティング一般の利点でもある)は、かかるコストを資産から経費に変えることができるということである。IaaSは、一群の車をレンタルすることと同等である。あなたが気にしなければならないことは、時間単位、週単位、月単位のいずれだとしてもレンタル費用の支払いだけになる。

IaaSは良い始め方であり、非常に基本的なものだ。IaaSの部分をスキップして、直接PaaSやSaaSの提供をしようとして来たクラウドプロバイダーは、みな課題に晒されてきた。たとえば、Microsoftは当初Azureの上のPaaSサービスの提供を始めたが、とても限定的な成功しか収めることができなかった。彼らは2012年にIaaSをAsureに追加し、それ以来振り返ることはしていない。

私たちがSaaSを話題にする一方で、インターネットの上で動作するもの全てを「SaaS」と呼び、それをクラウドビジネスにつなげてクラウド予算の拡張を狙う、新しい傾向が業界の中に生まれているようだ。Oracleによるこの記事を見て、実際のクラウド収益というものがどのようなものかを理解して欲しい。

PaaS

企業は通常、パブリッククラウドへの移行後、新しい環境に定住するためにある程度時間を必要とする。ある企業にとっては数ヶ月、その他の企業にとっては数年を要することがある。こうしたクラウドの地への入植者たちが、元のオンプレミスの地で感じていたような心地よさを感じることができるようになるのにも、またそれなりの時間が必要である。

入植者が新しい環境に同化して慣れてくるにつれ、彼らは興味深いものを発見するようになる。彼らが気付くのは、これまで自分たちが何年も手作業で苦労しながら行ってきたものに対する、既成サービスの存在である。IaaSはハードウェアを抽象化してくれたが、そうした既成サービスはオペレーティングシステムまでも抽象化して省力化の役に立つものだ。こうした様々なニーズに対応する汎用のプラットフォーム上のサービスの上に、単にアプリケーションを再構築することができる。こうした拡張機能は、PaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)と呼ばれている。

PaaSが提供するものはシンプルさだけではない。IaaSを大幅に凌ぐコストの削減も提供される。

一般にパブリッククラウドが目指す改良は主に2点に集約されている:コストの削減と単純化だ。

PaaSはクラウドネイティブへの最初の接触地点として、重要なステップである。このことにより、パブリッククラウド上で最大のポテンシャルを挙げるために必要な、アプリケーションアーキテクチャの再構築に向けての思考プロセスが開始されるからだ。PaaS上で利用可能されるそうしたアプリケーションは、広い用途をカバーしている。Amazon Web Services(AWS)は、IaaSであると同時にPaaS提供のリーダーである。データストレージとして、RDBMSの代替であるAWS Aurora、NoSQLの代替であるDynamoDB、そしてエンタープライズデータウェアハウスのためにはRedshiftを提供している。

PaaSは、必要とするときにUberを利用するようなものだ。車のレンタル代を払うのではなく、A地点からB地点に移動するサービスに対して支払いを行うのである。どのようなサービスを採用するかは必要とするもので決まる。もし目的が観光なら「大きなバス」に乗るのは良いアイデアだろう。

サーバレスアーキテクチャ

PaaSが提供しているものは素晴らしい、そして多くのアプリケーションは末永くPaaSの世界に住み続けることが可能だろう。しかし、いくつかのアプリケーションはコストを最小化し単純化を行うための更なる前進を続けている。Amazon Web ServicesによるAWS Lambdaの公開の発表は、まさしくその方向へ向けての一歩である。Microsoft Asureも対抗としてAzure Functionsを発表した。同様にGoogleが発表したのはGoogle Cloud Functionsだ。

これを実現するための鍵は、各アプリケーションを、構成されている個々の機能へとブレークダウンすることである。JVMやPythonといった特定のランタイム上で実行される、小さなコードブロックであるファンクション(Functions:機能)は素晴らしいものだ。アプリケーション開発者はそうしたランタイムの実行を心配する必要すらないのだ。これは、考え得る限り最も高いレベルの抽象化である(今のところは!)。

Dockerなどのコンテナファンの目から見れば、これはコンテナが行うことと大きく異るものではない。コンテナとは、アプリケーションが実行される基盤が抽象化されたものである。ファンクションは、この思想を受け継ぎつつ、その粒度が個々の機能単位に移動されたものである。

この考えに更に近付いたものが「マイクロサービス」である。実際に、人気のデザインパターンは、APIゲートウェイによって管理されるマイクロサービスを前面に立てたものである。

ファンクションは、丁度あなたが衣服を洗ってアイロンがけしてもらう目的のためにクリーニング屋に行くように、何故そこに向かうのかの理由をはっきりさせてくれる。ファンクションはあなたを、「どのように行うのか」ではなく「何を行うのか」を考えることに集中させてくれるのだ。

まとめ

一般にパブリッククラウドが目指す改良は主に2点に集約されている:コストの削減と単純化だ。IaaS、PaaSそしてLambdaはこのための成果を徐々に達成している。

企業がお馴染みのオンプレミスを捨てパブリッククラウドに運命を委ねようとするときには、どのようにコストの最適化を図るかに焦点をあてる。その際に クラウド ネイティブであることの利点を最大限に活用するために、以下のような方法でのアプリケーションアーキテクチャの再構成が含まれる。

  • 従来のデータストア(Oracle/MySQL/Teradataなど)からクラウドネイティブデータストア(Aurora/Redshiftなど)へ移行する。
  • コンテナおよびアプリケーション中心の抽象化を活用する。
  • 最後に(そしてこれで終わりではないが)、個々のアプリケーションを個別のファンクションに分解し、ファンクションレベルの抽象化で動作させる。

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(翻訳:Sako)

IoTの力を引き出すフォグコンピューティングとは

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【編集部注】著者のBen Dicksonはソフトウェアエンジニア兼フリーランスライターである。ビジネス、技術、政治について定期的に寄稿している。

IoT(Internet of Things)がIoE(Internet of Everything)へと進化し、実質的にあらゆる領域へ侵入するにつれ、高速なデータ処理と分析、そして短い応答時間の必要性がこれまで以上に高まっている。こうした要件を満たすことは、現在の集中型のクラウド(雲)ベースのモデルで支えられたIoTシステムでは困難なことも多い。こうしたことを容易にするのがフォグ(霧)コンピューティングである。その分散型のアーキテクチャパターンはコンピューティングリソースとアプリケーションサービスをサービスのエッジ(界面)に近付ける。そのエッジこそデータソースからクラウドへの連続体の間で最も理にかなった効率的な場所である。

Ciscoによって提唱されたフォグコンピューティングという用語は、クラウドコンピューティングの利点とパワーを、データが作られ適用される場所へ近付ける必要性を指したものである。フォグコンピューティングは、IoT業界の主要な関心事であるセキュリティを向上させながら、処理および分析のためにクラウドに転送されるデータの量を削減する。

ではクラウドからフォグへの移行が、IoT業界の現在そして未来の挑戦を如何に助けるかを以下に解説しよう。

クラウドの問題

IoTの爆発的な成長は、実際の物体やオペレーションテクノロジー(OT)が、分析や機械学習のアプリケーションと結びつけくことに負っている。そうしたアプリケーションはデバイスの生成したデータから少しずつ洞察を収集し、人間が介在することなく「スマート」な意思決定をデバイスが行えるようにする。現在そのようなリソースは、主に計算パワーおよび記憶容量を所有するクラウドサービスプロバイダによって提供されている。

しかしそのパワーにもかかわらず、クラウドモデルは、オペレーションの時間制約が厳しかったり、インターネット接続が悪い環境に適用することはできない。これは、ミリ秒の遅れが致命的な結果を招く、遠隔医療や患者のケアなどのシナリオでは特に課題となる。同じことは、車両同士のコミュニケーションにも適用される、衝突事故を回避するための機構は、クラウドサーバーへのラウンドトリップに起因する遅延を許容できない。クラウドパラダイムは、何マイルも離れた場所から脳が手足に司令をだすようなものである。迅速な反射を必要とする場所では役に立たない。

クラウドパラダイムは、何マイルも離れた場所から脳が手足に司令をだすようなものである。

またそれ以上に、クラウドに接続されているすべてのデバイスからインターネットを介して生データを送信することには、プライバシー、セキュリティ、そして法的懸念が考えられる。特に異なる国家間のそれぞれの規制に関係する、取り扱いに注意を要するデータを扱う場合にはそれが問題となる 。

フォグの位置付けは完璧

IoTノードは作用する場所の近くに置かれているが、現状では分析や機械学習をこなすためのリソースを保有していない。一方クラウドサーバーは、パワーは持つものの、適切な時間内にデータを処理したり応答したりするためにはあまりにも遠く離れすぎている。

デバイスの配置されたエッジ近くで、クラウド機能を模倣するための十分な計算、ストレージ、そして通信リソースを持ち、局所的なデータ処理と素早い応答を返すことのできるフォグレイヤーは、完璧な接合場所である。

IDCによる調査によれば、2020年までに世界のデータの10パーセントは、エッジデバイスによって生成されることが推定されている。これは、低レイテンシと同時に総合的なインテリジェンスを提供する、効率的なフォグコンピューティングソリューションの必要性を促す。

フォグコンピューティングには支持母体がある。2015年11月に設立されたOpenFogコンソーシアムがそれで、その使命はフォグコンピューティングアーキテクチャにおける業界や学術のリーダーシップをまとめることである。コンソーシアムは、開発者やITチームがフォグコンピューティングの真の価値を理解するために役立つリファレンスアーキテクチャ、ガイド、サンプルそしてSDKを提供する。

すでに、Cisco、DellそしてIntelといった主要ハードウェアメーカーたちが、フォグコンピューティングをサポートする、IoTゲートウェイやルータを提供しているIoT分析や機械学習のベンダーたちと提携している。その例の1つが、最近行われたCiscoによるIoT分析会社ParStreamIoTプラットフォームプロバイダJasperの買収である。これによりネットワーク業界の巨人はそのネットワーク機器により良い計算能力を埋め込むことができ、フォグコンピューティングが最も重要なエンタープライズITマーケットにおける大きなシェアを得ることができるようになる。

分析ソフトウェア会社も製品を拡充し、エッジコンピューティングのための新しいツールを開発しいる。ApacheのSparkは、Hadoopエコシステム(エッジが生成するデータのリアルタイム処理に適している)上に構築されたデータ処理フレームワークの一例である。

クラウドによって得られた洞察は、フォグレイヤーでのポリシーや機能の、更新や微調整を助けることができる。

IoT業界の他の主要なプレーヤーたちもまた、フォグコンピューティングの成長に賭けている。最先端のIoTクラウドプラットフォームの1つであるAzure IoTを擁するMicrosoftは、フォグコンピューティングでの優位性の確保を目指して、そのWidows 10 IoTを、IoTゲートウェイ機器や、フォグコンピューティングの中核を担うその他のハイエンドエッジデバイスのためのOSの選択肢としてプッシュしている。

フォグはクラウドを不要にするのか?

フォグコンピューティングは効率を改善し、処理のためにクラウドに送られるデータ量を削減する。しかしそれは、クラウドを補完するために存在するもので、置き換えるものではない。

クラウドはIoTサイクルにおける適切な役割を担い続ける。実際に、フォグコンピューティングがエッジ側で短期分析の負担を引き受けることにより、クラウドリソースは、特に履歴データや膨大なデータセットが関わるような、より重いタスクをこなすために使われるようになる。クラウドによって得られた洞察は、フォグレイヤーでのポリシーや機能の、更新や微調整を助けることができる。

そして、集中化され非常に効率的なクラウドのコンピューティングインフラストラクチャが、パフォーマンス、スケーラビリティそしてコストの点において、分散システムをしのぐ多くの事例も、まだみることができる。これには、広く分散したソースから得られるデータを解析する必要がある環境などが含まれる。

フォグとクラウドコンピューティングの組み合わせこそが、特に企業におけるIoTの適用を加速するものなのだ。

フォグコンピューティングのユースケースは?

フォグコンピューティングの適用対象は多い、それは特に各産業環境におけるIoTエコシステムの重要な部分を支える。

フォグコンピューティングのパワーのおかげで、ニューヨークに拠点を置く再生可能エネルギー会社Envisionは、運用する風力タービンの巨大ネットワークの効率の15%向上を達成することができた。

同社は、管理する2万基のタービンにインストールされた300万個のセンサによって生成される20テラバイトのデータを一度に処理している。エッジ側に計算を移管することによって、Envisionはデータ解析時間を10分からたったの数秒に短縮することができ、これにより彼らは対応可能な洞察と重要なビジネス上の利便性を手に入れることができた。

IoTの会社Plat Oneは、同社が管理する100万個以上のセンサーからのデータ処理を改善するために、フォグコンピューティングを使っている別の事例である。同社は、スマート照明、駐車場、港、および輸送の管理、ならびに5万台のコーヒーマシンのネットワークを含む膨大な数のセンサーのリアルタイム計測サービスを提供するためにParStreamプラットフォームを利用している。

フォグコンピューティングは、スマートシティにもいくつかのユースケースを持っている。カリフォルニア州パロアルトでは 連携する車両群と信号機を統合する300万ドルのプロジェクトが進行している、うまくいけば他の車両のいない交差点で理由もなく待たされることはなくなる未来がやってくるだろう。

走行時には、運転パターンからリアルタイムに分析と判断を提供することによって、半自動運転車のドライバーたちの注意力の低下や、進行方向が曲がることを防ぐことを助ける。

また、警察の計器盤やビデオカメラから生成される音声やビデオ記録の膨大な転送データ量を削減することも可能である。エッジコンピューティング機能を搭載したカメラは、リアルタイムでフィードされる動画を分析し、必要なときに関連するデータのみをクラウドに送信する。

フォグコンピューティングの未来とは何か?

現在フォグコンピューティングは、その利用と重要性がIoTの拡大に伴って成長を続け、新しい領域を広げていく傾向にある。安価で低消費電力の処理装置とストレージがより多く利用できるようになれば、計算がよりエッジに近付いて、データを生成しているデバイスの中に浸透し、デバイス連携によるインテリジェンスと対話による大いなる可能性の誕生をも期待することが可能になる。データを記録するだけのセンサーは、やがて過去のものとなるだろう。

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(翻訳:Sako)

Microsoft、Excel APIを一般公開―クラウドに保管された表計算データを簡単に参照できる

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今日(米国時間8/3)、Microsoftは比較的短いベータテストの後、Excel APIの一般公開を発表した。これによりデベロッパーはプログラム内からOffice 365のExcelのデータを参照し、計算処理やダッシュボードなどを実現できる。

Microsoftが最初にAPIを紹介したのは昨年11月で、続いてこの3月のBuildカンファレンスでAPIを利用してOffice 365を単なるアプリというより、デベロッパーにとって便利なプラットフォームに変身させる計画を発表した。他のOffice 365 APIと同様、今回のExcel APIも公式のクラウドAPIエンド・ポイントであるMicrosoft Graphにアクセスすることによって利用できる。

MicrosoftがExcel APIを公開しことは、多くのビジネス・ユーザーが(不適切な場合も多いのだが)大量のデータをExcelに保管しているという現実をMicrosoftが密かに認めたということでもある。デベロッパーはAPIを使って参照したExcelのデータにOffice 365の外で独自の処理を加えることができる。またダッシュボードやレポートを作成するためにExcelのシートを参照できる。

APIによるアクセスをさらに簡単にするためにMicrosoftは2つのサードパーティーのサービスと提携した。ZapierのユーザーはExcel for Office 365を参照するアプリを簡単に作成できる。小規模から中規模向けのビジネス管理サービス、Sagの場合、会計処理にExcelを統合的に利用できるようになった。

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AWSのElastic MapReduce 5.0.0は16種のHadoop関連プロジェクトをサポートしてビッグデータ処理の実用性を増強

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Amazon Web Services(AWS)が今日(米国時間8/2)リリースを発表したElastic MapReduce(EMR) 5.0.0は、16種のHadoop関連プロジェクト(派生プロジェクト)をサポートする。

AWSはつねに、顧客がクラウド上の多様なエンタープライズ機能を管理するための、さまざまなツールのアップグレードに努めているが、今回のものは、Hadoopでビッグデータプロジェクトを管理しているデータサイエンティストやその関連部署に向けられている。

この分野に強いForresterのアナリストMike Gualtieriの言葉を借りると、Hadoopとは基本的に、“大きなデータ集合を保存し処理するためのインフラストラクチャ的ソフトウェア”だ。

従来のデータ処理ソフトウェアと違ってHadoopは、データの保存と処理を複数のノード(数千に及ぶこともある)に分散して行い、それにより大量のデータ処理を効率化する。

しかもそれは、Apacheのオープンソースプロジェクトとして、きわめて人気が高い。かわいいマスコットまである(上図)。Hadoopを軸に大きなエコシステムができていて、プロジェクトの改良充実にたえず貢献している。また、そこから生まれる派生プロジェクト(“Hadoop関連プロジェクト”)も多い。

今のHadoopはそれらの派生プロジェクトを積極的に取り入れて、ユーザーによる大量のデータ集合の管理を助けている。たとえばHiveはHadoopのためのデータウェアハウスであり、HBaseはスケーラビリティの高い分散データベースだ。AWSは、どちらもサポートしている。

Hadoopによるシステムの実装やデータ処理を助ける企業も続々生まれていて、有名なところとしてはCloudera, Hortonworks, MapRなどが、Hadoopの独自の商用化バージョンを提供している。

AWSは昨年の7月以来、AWS本体ツールの継続的アップデートとともにHadoop関連プロジェクトのサポートのピッチを上げ、顧客の選択の幅を広げようとしている(下図)。

[EMRの更新履歴(4.7.0まで)とHadoop関連プロジェクトのサポート]

Chart showing updates to EMR tool since January, 2016.

図表提供: AWS.

AWSは、もうひとつのApacheオープンソースプロジェクトBigtopも使ってきた。これは、プロジェクトのページによると、“Hadoopのビッグデータコンポーネントの、インフラストラクチャのエンジニアやデータサイエンティストによるパッケージングとテストと構成を助ける”、という。AWSのブログ記事によると、AmazonはBigtopの開発のペースアップに協力し尽力してきた。

以上は、データサイエンティストと、クラウド上の大型データ集合を扱う社員たちにとって、良いニュースだ。今回のリリースではオプションの数がぐっと増え、AWS上で有用なHadoop関連プロジェクトを、より見つけやすくなったと言えるだろう。

ビッグデータは今やAWS上の重要なユースケースだから、Hadoop本体はもちろんのこと、ストレージやコンピューティングを効率化するためのさまざまなツールを必要とする。〔そしてそのニーズの多くをさまざまなHadoop関連プロジェクトがサポートする〕。ユーザーから見ると、AWSのようなクラウドベースのインフラストラクチャは文字通りエラスティック(elastic, 伸縮自在)であり、オンプレミスの場合のように、扱いデータの増加とともに新たなリソースの手配をいちいち心配する必要がない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Salesforceがワードプロセッサアプリを提供するQuipを7億5000万ドルで買収

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Salesforceは基本的なCRM以上のクラウドベースのアプリケーションやサービスを顧客に提供するために景気の良い買収を続けている。同社はクラウドベースのワードプロセッシングアプリケーションを提供するQuipの買収を発表したばかりだ。Quipは元Facebook CTOのBret Taylorによって設立された会社である。私たちは取引に近い2つのソースから、買収総額が7億5000万ドルであるという情報を掴んでいる。

取引は現金と株式で行われる、発表されたばかりのSalesforceのSEC向け報告資料(8-K)によれば「保有するQuipの株式の総額はおよそ5億8200万ドルとなった。これにはSalesforce Venturesによる既存のQuipへの投資は含まれない」ということである。

Quipは2012年に設立され、(マーク・ベニオフとSalesforce Venturesに加えて)Peter Fenton、Benchmark、Greylock、そしてYuri Milnerといった面々を含む投資家たちから4500万ドルを調達した。Quipは既にその顧客たちから、Taylorが以前所属したFacebookなどと並ぶ重要な会社だと見なされている。

このニュースに触れたブログの中で、QuipはSalesforceの傘下でビジネスを継続することを述べている。私たちはTaylorと共同創業者のKevin Gibbs(Google出身)の両者が買収後も留まると考えている。

「私たちは、この先に開ける可能性に刺激されたのです、Salesforceの一員となることで、いっそう速く私たちのサービスを拡張して、全世界の何百万という人たちに届けることができる - それはサービスを立ち上げた初日からの私たちのミッションでした」と彼らは述べている。「そして、私たちはSalesforce Customer Success Platformを私たちの次世代生産性向上機能と共に拡張することができるのです。データとコンテンツ、そしてコミュニケーションの融合の可能性には目を見張ります」。

成長を続け、VCからの資金調達に関しても羨まれるようなポジションにいたQuipが、Salesforceに買収されることを選んだ理由は明らかではない。しかしこの買収はエンタープライズマーケットで私たちが見ている合併の中でも、そしてそして買収を仕掛ける大きな企業をどのように変えていくのかという点でも、興味深い動きの1つだ。

周知のように、Salesforceは今年の初めに、最後はMicrosoftの腕の中に260億ドルで飛び込んだソーシャルネットワーキング企業のLinkedInを買収しようとしていた。SalesforceとMicrosoftは時に協業する一方で、競争もしている。QuipをSalesforceに加えることはSalesforceにとって競争を優位にする材料の1つとなるだろう(またそれは、CRM機能でSalesforceと競合するプロダクトの開発と買収を進めるMicrosoftとの釣り合いをとるものとなる)。

Quipが当初モバイルネイティブアプリのみで始まったとき(現在はデスクトップならびにWebバージョンもある)、私の同僚のJoshは、これは使い難くて支配的なMicrosoft Wordに対する、タイムリーな破壊者だと形容した。

そのプラットフォームにさらに多くの顧客を引き寄せ(そしてMacrosoftから離れさせ)るための幅広いプロダクティビティサービスの品揃えの1つを加えるという目的には、Salesforceはこの買収で十分な手を打てた。けれども支払われた金額の大きさと、Quipチームの参加が取引の一部であることを考えると、さらにより大きい何かをすることを目指していることがあり得ると思う。

(それが上手くいくかどうかはまた別の問題だが、Salesforceをこれまで悩ませていたのは、獲得したものを如何に統合するかだった。それらは真に統合されるというよりも、しばしばボルト留めされてきた、というのが私の聞かされてきた話である。なのでこの先Quipがどのようにやっていくかを見ていくことは楽しみだ)。

いずれにしても、Taylorにとって多忙な夏になりそうだ。Quipの買収は、彼がTwitterの取締役になって1ヶ月後に行われる。

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(翻訳:Sako)

AWSは絶好調、Amazonの全営業利益の半分以上を稼ぐ、利益率の高さも驚異的

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Amazonが今日(米国時間7/28)、2016年第二四半期の決算報告で、再びAWSの大きな四半期を見せつけた。AWSの売上は前四半期(Q1)の25億ドルから今四半期(Q2)29億ドルにアップ、前年同期比ではなんと11億ドルの増となった。

ただし、前年同期比の成長率はQ1の64%に対し、Q2は58%とやや鈍化した。ただし58%という成長率は、相変わらずすごいと言うべきである。

AWSの営業利益はQ1が6億400万ドルで、Amazon全体の営業利益の半分以上を占めた。今回のQ2は、営業利益が7億1800万ドルで、前四半期と同じく、Amazonのそのほかの部門全体の営業利益7億200万ドルよりも大きい(北米地区のみ、海外事業は1億3500万ドルの損失)。

またAWSは、Amazonのそのほかの事業部門と違って、利益率が非常に大きい。Q1のAWSは営業利益率が27.9%だったが、Q2では29.9%に上がっている。しかしそのQ1も、利益率は2015Q4に比べると大きい。

AWSと競合するGoogleのクラウドコンピューティング事業については、親会社Alphabetの決算報告が同じく今日発表されたにもかかわらず、その中に数字はない。Google/AlphabetにとってCloud Platformの売上は、“その他の売上”の一部にすぎないから、そこからの推計は不可能である。

MicrosoftもAzureの売上を公式には発表していないが、しかし同社によるとその年商は100億ドルに達し、2018年には200億ドルに伸びる、ということだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Oracle、エンタープライズ向けクラウドサービスのNetSuiteを93億ドルで買収

The Oracle headquarters is shown in Redwood City, Calif., Monday, June 18, 2012.  Oracle reported Monday that it earned $3.45 billion, or 69 cents per share, for the three months ending in May. (AP Photo/Paul Sakuma)

今日(米国時間4/28)、Oracleは全額キャッシュで1株あたり109ドル、つまり総額93億ドル前後でNetSuiteを買収することを発表した。 OracleとNetSuiteの両者は買収後もエンタープライズ向けサービスの提供を継続する。「両者は同じ市場で今後永く共存する」とOracleのCEO、Mark Hurdは述べた。

HurdはNetSuiteの買収について「両社の関係は補完的だ。Oracleは今後とも両社の新しいプロダクトの開発と流通に投資していく」と付け加えた。

NetSuiteは創立後18年を超える企業で、クラウド市場におけるエンタープライズ・リソース・プランニング(ERP)の分野で支配的な地位を占めているとされる。NetSuiteのサービスには需要、供給、在庫、会計、顧客関係管理(CRM)、人材管理(HR)などの処理が含まれる。近年ERP市場では活発なM&Aが行われ、全体として統合化が進んでいた。またOracleは2016年に入って小型の買収を積極的に行ってきた。買収した企業にはOpowerTexturaが含まれる。

これらに比べるとNetSuite買収は金額の点ではるかに大きい。もっとも歴代では2004年に103億ドルで買収したPeopleSoftが依然としてトップだ。現在でも巨額だが、大型買収の数が少なかった当時としてはさらに大きな衝撃を与える金額だった。

OracleとNetSuiteのサービスは似ているが、買収によって Oracleは現在の顧客よりもサイズが小さい企業にアクセスするチャンネルが開かれる。これはOracleの主要なライバルであるSalesforceとの競争上、有利な要素になるだろう。

画像: Paul Sakuma/AP

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

OpenStackがもうすぐKubernetesを利用してコンテナ内で動くようになる…Google, Intelなど主要プレーヤーが尽力

Aerial view of container terminal

企業等がAWS的なクラウドコンピューティングサービスを自分のデータセンターで動かせるためのオープンソースのプロジェクトOpenStackが、最近の数回のアップデートを経てコンテナのサポートを加えてきた。しかし、OpenStackそのものをコンテナで動かす、となると、別の話だ。CoreOSはStackanetesという奇妙な名前のプロジェクトで、OpenStackをコンテナに入れて動かすための環境を作ったが、それはOpenStackのコミュニティやOpenStackの中核的なデプロイおよび管理のためのツールの、外部で起きたことだ。

しかしもうすぐ、Mirantis, GoogleおよびIntelなどの尽力で、デプロイメントツールOpenStack Fuelが、CoreOSの〜〜netesの場合と同じく、KubernetesをOpenStackのオーケストレーションエンジンとして使えるようになる。理想としては、これにより、OpenStackの大規模なデプロイメントの管理が容易になるだろう。

MirantisのCMO Boris Renskiはこう語る: “コンテナのイメージフォーマットとしてはDockerが、そしてコンテナのオーケストレーションではKubernetesが今やスタンダードだから、分散アプリケーションのオペレーションにやっと継続性が見えてきた。KubernetesとFuelの組み合わせでOpenStackの新しいデリバリモデルが開かれ、それによりアップデートをより迅速にこなして、顧客に結果を早く届けられる”。

これは、もうすぐOpenStackをGoogleのクラウド上のコンテナで動かせるようになる、という意味でもある。というか、Kubernetesをサポートしているクラウドサービスならどこでも…。

Googleの上級プロダクトマネージャーでKubernetesプロジェクトのファウンダーの一人でもあったCraig McLuckieは今日の発表声明で、こう述べる: “FuelでKubernetesを利用すればOpenStackが本格的なマイクロサービスアプリケーションになり、レガシーのインフラストラクチャソフトウェアと次世代のアプリケーション開発とのあいだのギャップを橋渡しする。コンテナと高度なクラスタ管理を、障害に強くスケーラビリティの高いインフラストラクチャの基盤として利用すれば、多くの企業が大きな利得を得るだろう”。

Mirantisのチームは以前、IntelやCoreOSとともにStackanetesを手がけたことがあり、そのときの経験や見聞が今回の新しいプロジェクトにとって実質的に概念実証になっている。“今日(米国時間7/25)発表したGoogleやIntelとのイニシアチブでもCoreOSとのコラボレーションを継続し、Stackanetesに見られるものの一部を取り入れたい”、とMirantisのスポークスパーソンは語った。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google、クラウド自然言語APIを公開―英語、日本語、スペイン語に対応

DUBLIN, IRELAND - APRIL 19:  (FRANCE OUT) A general view the Google European headquarters, on April 19, 2016 in Dublin, Ireland.  (Photo by Vincent Isore/IP3/Getty Images)

今日(米国時間7/20)、Googleはクラウド自然言語API(Cloud Natural Language API)の公開ベータ版をリリースしたことをブログで発表した。デベロッパーはこの新しいサービスにより、Googleが開発したセンチメント分析、 表現抽出、シンタックス解析などの利用が可能になる。

新しいAPIはこれも公開ベータ版であるGoogleの訓練ずみ機械学習API、 クラウド・スピーチAPI(Cloud Speech API)視覚API(Vision API)翻訳API(Translate API)と連携させることが可能だ。

現在、クラウド自然言語APIは英語、スペイン語、日本語のテキストに対応している。Googleによれば新APIは「業種を問わず、広い範囲の企業、デベロッパーに高効率でスケール可能なサービスを提供する」ことが目的だという。

センチメント分析や表現抽出の提供はもちろん新しいアイディアではない。表現抽出の例としてはたとえば10年近く前にスタートしたThomson ReuterのOpen Calaisがある。これはテキスト中の人名、組織名、地名、出来事名などを自動的に認識してラベル付けできるサービスだ。センチメント分析についても事情はほぼ同じだ。

それに反して、自然言語を品詞分解し、依存関係をツリー構造でパースできるシンタックス解析APIは、まだそれほど普及していない。デベロッパーが新APIをアプリにどう統合するか注目だ。当然ながら自然言語解析は チャット・ボットなどがユーザーから寄せられる自然言語によるリクエストを正しく認識する基礎となる。

自然言語APIの料金はどのAPIを利用するか、どれほどのデータを処理するかによって違ってくる。3つのAPIについての料金は以下のとおりだ。

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80種類以上の自然言語をサポートするクラウド・スピーチAPIの場合、料金は処理しようとする音声の長さに基づいて計算される。月額計算で最初の60分は無料、それを超える場合15秒ごとに0.006ドルが加算される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AmazonのAWSがついにIDEを統合、40のプログラミング言語をサポートするCloud9を買収

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Amazon Web Servicesが、そのクラウドサービスを一層充実させるための買収をまた行った。今回買ったサンフランシスコのCloud9は、Web開発やモバイル開発をコラボレーションでやっていくためのIDE(integrated development environment, 統合開発環境)だ。

ニュースはCloud9の側から発表され、同社のサイト上に声明文が載った。それによると、AWSのための新しいツールは作るけれども、既存のサービスも継続する、と言っている。AWSを経由しなくても(Amazonの一部になっても)Cloud9を従来どおり単独で使える、ということ。

“Amazonに買収されたことを真っ先にユーザーのみなさまにご報告できることを、嬉しく思っています。今後はAmazon Web Servicesの家族に加わり、ほかのみんなと一緒にすばらしいサービスを顧客に提供していけると思います”、と協同ファウンダーのReuben Danielsが書いている。“これまでのCloud9は今後もこれまでどおりですから、安心してこれまでどおり、お使いいただけます。これまでCloud9に投資した時間や体力が、無駄になることはありません。オープンソースコミュニティAceとの協働関係も継続しますし、世界中の何十万もの顧客のみなさまに、弊社の革新的なサービスを引き続きご提供して参ります。いずれは、私たちがAWSでやることも、みなさまのお役に立つと思います”。

2010年に創業されたCloud9は、今では40種類のプログラミング言語をサポートし、互いにリモートの複数のチームが協働してコードの開発やエディットができる(オンラインのコードエディターを提供しているしまたUbuntuのワークスペースを使ってもよい)。コードのテストができる環境も、各種のブラウザーとオペレーティングシステムの組み合わせの種類・数でいうと、300種類を超えている。

最近はチームが地理的に分散していることが多いので、このようなグローバルなコラボレーション環境が必須だ。今では、SoundcloudやAtlassian、SalesforceなどもCloud9を使っている。Cloud9のサービスはフリーミアムで、有料は月額19ドルからだ。エンタープライズ・プランになると、課金に従量制の要素が入ってくる。AWSの下ではいくらになるのか、まだわからないが、薄利多売に徹しているAmazonのことだから、またまた、競合他社を蹴散らすような安い料金になるのかもしれない。

どんなに安くしてもAWSのメリットは大きい。昨年AWSは、アクティブユーザーが100万を超え売上が73億ドルを超えたが、今度の買収も、これまでと同じく、AWSの新規ユーザーを(Cloud9からの流れで)増やすとともに、(Cloud9が)AWSの既存のユーザーからお金を稼ぐ新しい商機にもなるのだ。こうやってAmazonもAWSも、ビジネスをどんどん増やしていく。

NitrousやKodingのような既存のサードパーティのIDEプロバイダにとっては、嬉しくない知らせかもしれないが、AWSはMicrosoftのAzureなどと並んで、モバイルアプリの開発や、スタートアップのサービス提供基盤として人気の高いプラットホームだから、IDE↔AWS間(かん)のワークフローがよりシームレスになる(スタンドアロンのIDEを使ってるときよりは)という意味で、Cloud9を買ったことの意義は大きい。

IDEを統合したコラボレーション型クラウドプラットホームという点では、Microsoftと、もしかしたらSlackも競合相手になる。後者は昨年画面共有サービスのScreenheroを買収したが、それはデベロッパーたちがそれぞれ単独のコーディング環境を使わずに済むためだ。

Cloud9はこれまで、AccelやBaldertonなどから500万ドルあまりを調達している(ソース: CrunchBase)。これはシリコンバレーでは、比較的おとなしい額だ。

買収の条件は公表されていないが、今本誌はそれを見つけようとしている。Amazonにも、今回の取引の直接の確認を求めているところだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

AWS上のサーバーのセットアップと管理が超簡単になるCloud With Meのらくちんサービス

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AWSについて、使いやすいという声を聞いたことは、過去に一度もない。Amazonのクラウドコンピューティングプラットホームはとても強力で、毎日のように機能がアップデートされているが、そのパワーとともに大量の複雑性を抱え込んでいる。一台のマシンにWordPressをインストールしベーシックなセットアップをする、という一番単純な使い方でも、AWSの管理コンソールは初心者を十分にびびらせる。

Cloud With Meはこのプロセスを、わずか数クリックで済ませてくれる。自己資金だけでスタートした5人のチームは、仮想マシンによるホスティングサービスという古い世界とクラウドを、橋渡しする。Cloud With MeのファウンダーでCEOのGilad Somjenは、こう説明する: “古いホスティング企業とAWSのあいだにはギャップがある。みんなクラウドへ移行したがっているのだが、それが彼らには難しすぎるのだ”。

Cloud With Meのインタフェイスからユーザーはまず、自分のサーバーを置くリージョンと、サーバーのインスタンスタイプ、一緒にインストールしたい関連ソフト(アドオンソフト)を指定する(WordPress, Drupal, Magento, メールサーバー, データベース, FTPサーバー, などなど)。AWS上のドメイン取得という面倒な作業も、ドメインネームを指定するだけで、あとはCloud With Meがやってくれる。そしてそのほかのAWS関連の情報を入力してやれば、サーバーの起動準備は完成する。いったん動き出したサーバーの管理も、お望みならCloud With Meに任せてもよい。

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Cloud With Meのダッシュボードは11の言語で提供されていて、AWSの管理コンソールよりも多い。

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AWSの課金は、AWSからユーザーへ直接来る。Cloud With Meは、いっさい関与しない。同社自身の収益は、WordPressなどアドオンソフトのインストールサービスへの課金だ。その単価が、月額3ドル99セント。本誌の読者が’tc30’というコードで7月31日までにサインアップすると、その料金が30%引きになる。

しかしもちろん、アドオンソフトのインストールはあとで自分でやってもよい。アドオンをまったく使わないアプリケーションも、ありえる。Cloud With Meの無料プランでは、サーバーのみを最大5台まで管理できる。

Cloud With Meのアドオンライブラリはまだかなり限られているが、Somjenは、今後どんどん増やす、と言っている。

Somjenによると、AWS自身は大規模なエンタープライズユーザーがメインの顧客だから、自分ではCloud With Me的なサービスを提供する気がない。“AWSにとっては、WordPressのサイトをひとつだけ動かしているようなクライアントは、眼中にないんだね”、と彼は言う。

数か月前にひそかにローンチしたCloud With Meだが、それでもここで新たにAWSのアカウントを作ったユーザーが3000名/社近くいる。AWSも同社を無視できなくなり、今ではCloud With MeはAmazonの公式パートナーだ。

Cloud With Meは、サーバーのセットアップを肩代わりしてくれるけど、ぼくの個人的感想としては、毎月の課金に大きな影響を与えるリージョンやサーバータイプの選択も手引してくれるとありがたい。こういう指定にすると、これぐらいの課金額になるよ、という試算もやってくれると、嬉しいけどね。

セットアッププロセスの第二段階、AWS情報の入力とか、Cloud With Meに自分のAWSサービスへのアクセス権を与える段になると、初心者にはちょっと難しくなってくる。Somjenは、この部分ももっと簡単にしたい、と言っているが、今のところは、第一段階の超簡単さに比べて、AWSのアクセスキーを見つけるとか、Cloud With Meのためのパーミッションを作るなんてあたりは、AWSについて何も知らなかった人ならびっくりするかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

CanonicalとPivotalのパートナーシップでUbuntu LinuxがCloud Foundryの推奨オペレーティングシステムになる

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オープンソースのクラウド開発プラットホームCloud Foundryを開発しているPivotalと、人気の高いLinuxディストリビューションUbuntuを作っているCanonicalが今日(米国時間7/6)発表したパートナーシップにより、UbuntuがCloud Foundryの推奨オペレーティングシステムになる。

両社はCloud FoundryがVMwareで開発されたオープンソースのプロジェクトだったころから仲が良い。2013年にVMwareとEMCとGEがPivotalを別会社としてスピンアウトしたときも、Cloud Foundryはその大きな部分であり、したがってUbuntuとの関係は今日まで続いている。CanonicalのUbuntuプロダクト担当マネージャーDustin Kirklandによると、むしろ両社の仲がこうしてオフィシャルになるまで時間がかかりすぎたことが、意外だという。しかしとにかく、今日の発表で公式なパートナーシップが確定したのだ。

これにより、Ubuntu Linuxを使っているCloud Foundryの顧客は、いろんなことが容易になる。まず第一に、Ubuntu Linuxのアップグレードが容易になり、セキュリティパッチの管理も自動化されるため、Cloud Foundryのユーザーは早く確実に重要なアップデートにアクセスできる。

また、Ubuntのサポート・レベルが自動的にLevel 3になる。これによりたとえば、Ubuntuの問題をCloud Foundryのサポートチームに解決できないときは、その問題がUbuntuの担当部署に回される。また、よくある、どっちの問題かはっきりしない状況では、両社が共同でサポートにあたる。どちらのチームも、サポート経験がきわめて豊富だ。

また、両社はセキュリティの証明でも協力し、スタンダードを起草する組織にも両社が一緒に関与することになるので、その結果Ubuntuはセキュリティの面で最先端のオペレーティングシステムになるだろう。しかもそれらのスタンダードは、両社のニーズを取り入れた規格になっていく。

“ベンチマークにも積極的に協力しているし、セキュリティガイドの策定においても、今後はより積極的な役割を担っていける”、とKirklandは説明する。

Crunchbaseによると、Pivotalは創業以来17億ドルという驚異的な額を調達している。今年5月のシリーズCでは、Ford Motor Company率いるラウンドにより、評価額28億ドルで6億5000万ドルを調達した

2004年に生まれたCanonicalは、これまで、一度のクラウドファンディングで1000万ドルを調達している。

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メインフレームのCOBOLコードをLinuxのクラウドへ移行するLzLabs、そのためのツールを発表

1960s MAN PROGRAMMING LARGE MAINFRAME COMPUTER SURROUNDED BY DATA TAPE DRIVES INDOOR  (Photo by H. Armstrong Roberts/ClassicStock/Getty Images)

世界は、本誌TechCrunchが毎日書いているような進んだテクノロジーで満ち溢れているが、しかしそんな中にも、まだ一部には古代が生き残っていて、COBOLで書かれたプログラムをメインフレームコンピューターが動かしている場所がある。

COBOLは1950年代の晩(おそ)くに開発された言語で、主に60年代、70年代に使われ、80年代にも使われていたが、今でもまだ絶滅してはいない。現代の企業世界からは完全に姿を消した、と思ったら大間違いだ。

ただし、年を経るごとに、COBOLプログラムをメンテできる人の数は減っている。そしてそれとともに、データや(その古びたプログラムさえ)をもっと新しいプラットホームに移そうとする企業が増えているが、しかし今度は、そんな移行を手伝える人材が見つからない。

スイスのLzLabsは、そこに大きな機会を見出した。“レガシーのメインフレームで動いているコードのメンテナンスにおける、スキルの不足は、今や深刻だ。そんな人材を見つけることが、大きな問題になっている”、LzLabsのCEO Mark Cresswellはこう語る。

この問題を解決するためにLzLabsが編み出したのが、Gotthard〔10世紀の宗教改革者〕と名付けられたツール、それはまず、何年も前に書かれたそのスズメバチの巣のようなコードから、各種のデータや実行コード、構成ファイルなどを拾い上げることから仕事を始める。それから、そういったさまざまな破片をコンテナに収めて密封し、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)が動いているクラウドプラットホームへ移す。

実は同社は、今日(米国時間7/5)の発表よりも前の昨年の冬、ドイツで行われたCeBIT Technology Fairで、ソフトウェア定義メインフレーム(software defined mainframe)と同社が呼ぶものを立ちあげ、Red HatおよびMicrosoftとのパートナーシップを発表した(後者はほぼ同じころ、AzureをRHELに持ち込むためのパートナーシップを発表している)。

同社は、そのツールがインスタントなソリューションを可能にする、とは言っていない。むしろそれは、長丁場の仕事だ。そこで同社は、自分たちが直接客先に接するよりも、サードパーティのSIとパートナーすることを望んでいる。彼らが、現場の面倒な仕事を全部やってくれて、移行の準備を整えてくれることを。

今日の発表は最初の発表からの同社の進化を表していて、レガシーのメインフレームアプリケーションを抱える企業の移行をできるかぎり容易にするためのツールの発表が主だ。それでもまだ、困難で長期にわたる、骨の折れる仕事であることに、変わりはない。しかしとにもかくにも、そのための道具がやっと使えるようになったのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

クラウド会計ソフトのfreeeがAIによる自動仕訳の特許を取得、ラボも開設

左からfreee執行役員プロダクトマネージャーの坂本登史文氏とfreee CTOの横路隆氏

左からfreee執行役員プロダクトマネージャーの坂本登史文氏とfreee CTOの横路隆氏

様々な領域で利用に向けた研究の進む人工知能(AI)。FinTechの領域もその例外ではない。クラウド会計ソフト「freee」などを提供するfreeeは6月27日、自動仕訳に関するAI技術の特許を取得したことを発表。同時に、AIによるバックオフィス業務効率化をすすめる「スモールビジネスAIラボ」を創設した。今週中にもクラウド会計ソフトにAIを用いた自動仕訳機能を提供する。

クラウド会計ソフトfreeeは、銀行口座やクレジットカードなどと連携し、出入金を自動で取得、勘定科目を仕訳してくれるというもの。このデータをもとにして帳簿や決算書を作ったり、請求書や見積書を作ったりできる。

データは銀行口座などと自動で同期されるとは言え、勘定科目については当初キーワード単位でのルールで仕訳を行っていた。1つの例だが、「さくらインターネット」や「インターネットイニシアティブ」といったクラウド・インフラ企業への支払いが「インターネット」というキーワードをもとに「通信費」として仕訳される一方、本来ほかの勘定科目に仕訳すべき内容も「●●インターネット」という名称がついていた場合、「通信費」となってしまっていた。これを防ぐには、結局のところ、最終的に人間が勘定科目を確認・選択する必要があった。

AIを用いた自動仕訳機能のイメージ

AIを用いた自動仕訳機能のイメージ

だが仕訳登録AIを導入するより最適な勘定科目を推測できるようになるという。AIは学習エンジンを搭載しており、利用ユーザーが増えれば増えるほどにその精度は高まるのが特徴だ。開発を担当したfreee執行役員プロダクトマネージャーの坂本登史文氏によると、その精度は現在70%弱。今後は数カ月のベータ版運用を経て、90%程度まで精度を引き上げていく予定だという。

freeeのスタッフは現在200人以上。エンジニアの10%はラボのメンバーとしてAI関連の開発に従事しているという。デジタルインファクトの調査やMM総研の調査によると、freeeはクラウド会計、給与計算でシェア1位だという(とは言えそもそもクラウド化率が会計で11.1%、給与計算で12.5%という数字だ)。freee CTOの横路隆氏はこの数字を挙げて、「(freeeには)個人事業主や中小企業のデータが集まっている。このデータを利用すればイノベーションを起こせる余地はまだまだある。また我々は会社設立から会計、給与計算までの機能を提供している。パッケージされた業務システムを1つ1つ最適化するのでなく、すべてのサービスを1つのデータとして最適化できることは強み」と語る。

今後ラボでは、AIをもとにした不正データの検知や、チャットサポートの自動化、消し込み作業の支援といった経理作業の効率化に向けた機能を提供していく。また将来的には資金繰りのシミュレーションや経営分析など、経営意思決定の支援に向けた機能を提供していく。