サムスンが業界初となる2億画素のイメージセンサー「ISOCELL HP1」を発表

サムスンが業界初となる2億画素のイメージセンサー「ISOCELL HP1」を発表

Samsung

Samsung Electronicsは9月2日、業界初となる2億画素(200MP)イメージセンサーであるISOCELL HP1を発表しました。あわせて、高速オートフォーカス(AF)が可能な50MPイメージセンサーのISOCELL GN5も発表しています。

最近はスマートフォンのカメラの画素数競走が過熱しており、同社のGalaxyやXiaomiの製品では、すでに1億800万画素(108MP)の製品も発売されています。

ただ、スマートフォン向けの小さなイメージセンサーでこれだけ高解像度化すると、1ピクセルのサイズが小さくなり、光量的には不利になります。実際、今回のISOCELL HP1も、1ピクセルは0.64μmと極小サイズです。そこで、ChameleonCellと呼ぶビニングテクノロジーを利用します。

これは隣接ピクセルを束ねて疑似的に1ピクセルとして扱うことで、解像度を落とす代わりに光量をアップしようというもの。ISOCELL HP1では、環境に応じて2 x 2もしくは4 x 4個のピクセルを束ねて、50MPまたは12.5MPのセンサーとして利用できます。

フルサイズでは画像サイズが大きくなりすぎるので、スマートフォンに搭載される場合は、このどちらかが標準撮影モードとなりそうです。

サムスンが業界初となる2億画素のイメージセンサー「ISOCELL HP1」を発表

Samsung

もう一つのISOCELL GN5は、オートフォーカス性能を向上するDual Pixel Proを搭載した1.0μmイメージセンサー。2月に発表されたISOCELL GN2の小型版のようです。

Dual Pixel Proとは、ピクセル内のフォトダイオードを水平・垂直に配置することで、上下左右すべての方向の光の変化を検知し、高速なオートフォーカスを実現するというものです。

サムスンが新センサー「ISOCELL GN2」発表 AF速度/精度共に向上

これに加えてISOCELL GN5では、あらたにFront Deep Trench Isolation (FDTI)という技術も適用されており、フルウェル容量(これが大きいほど高精細で忠実な画像を再現できる)を増やすことができるとのこと。

サムスンが業界初となる2億画素のイメージセンサー「ISOCELL HP1」を発表

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ISOCELL HP1とGN5はすでにサンプル出荷が開始されているとのことなので、2022年には2億画素カメラを持つスマートフォンが登場するかもしれません。

(Source:SamsungEngadget日本版より転載)

ステルス状態が続く元Appleのデザイナーとエンジニアが共同設立したHumaneが約110億円調達

元Apple(アップル)のシニアデザイナーとシニアソフトウェアエンジニアが共同で創業し、静かに活動するスタートアップが、事業拡大に向け多額の資金を調達した。1億ドル(約110億円)を調達したHumane(ヒューマン)は「デザインとエンジニアリングの真のコラボレーション」によって「人間とコンピューティングの間の次のシフト」を象徴するような、新しいクラスの消費者向けデバイスやテクノロジーの開発を目指している。

今回の調達はシリーズBで、非常に著名な資金提供者が揃った。Tiger Global Managementがこのラウンドをリードし、ソフトバンクグループ、BOND、Forerunner Ventures、Qualcomm Venturesも参加した。シリーズBには、他にもSam Altman(サム・アルトマン)氏、Lachy Groom(ラッチー・グルーム)氏、Kindred Ventures、Marc Benioff(マーク・ベニオフ)氏のTIME Ventures、Valia Ventures、NEXT VENTŪRES、Plexo Capital、法律事務所のWilson Sonsini Goodrich & Rosatiなどが出資した。

Humaneは2017年の創業だが、シリーズAをクローズしたのは2020年のことだ。PitchBookによると、2020年9月に1億5000万ドル(約165億円)のバリュエーションで3000万ドル(約33億円)を調達した。それ以前には合計1200万ドル(約13億2000万円)弱を調達している。今回のラウンドの投資家の多くは、そうした初期の資金調達においてもHumaneに投資していた。

筆者が同社に確認したところ、今回のシリーズBでのバリュエーションは未公表だ。

Humaneはまだ何の製品もリリースしておらず、何に取り組んでいるのかについても多くを語っていない。また、一般的にハードウェアには固有の課題が多く、それゆえリスクの高い賭けと見なされることが多いことを考えると(昔から「ハードウェアは難しい」と言われている)、まだステルス状態にあるHumaneがなぜそれほどまでに投資家を集められたのか、不思議に思うかもしれない。

その理由の1つは、共同創業者であるImran Chaudhri(イムラン・チャウドリ)氏とBethany Bongiorno(ベサニー・ボンジョルノ)氏の夫妻が、それぞれアイコン的存在であることによる。HumaneのCEOであるボンジョルノ氏は、Appleでソフトウェア・エンジニアリング・ディレクターを務めていた。会長兼社長であるチャウドリ氏は、Appleの元デザインディレクターでiPhone、iPad、Macなど、Appleの最も重要な製品に20年間携わった。2人とも、当時の経験を生かして数十件の特許を取得しており、その後もいくつかの特許を取得した。

そうした最新の特許と、Humaneのサイトに掲載されている非常に広範な求人情報が、2人と彼らのスタートアップが何を作ろうとしているのかを知る最も近い手がかりとなるかもしれない。

特許の1つは「レーザー投影システムを備えたウェアラブル・マルチメディアデバイスおよびクラウドコンピューティングプラットフォーム」、もう1つは「不妊症およびホルモンサイクルを知るのに役立つシステムおよび装置」に関するものだ。

一方、同社では現在、カメラやコンピュータビジョンの経験を持つエンジニア、ハードウェアエンジニア、デザイナー、セキュリティの専門家など、約50件の求人情報を掲載している。また、同社にはすでに約60人のすばらしいチームが存在し、これも投資家をひきつけている点の1つだ。

「Humaneで働いている個々人の能力は信じられないほどすばらしいものです」とTiger GlobalのパートナーであるChase Coleman(チェイス・コールマン)氏は声明で述べた。「彼らは、世界中の何十億もの人々のために革新的な製品を作り、出荷してきた人々です。彼らが開発しているものは、今後のコンピューティングの標準となる可能性を秘めた画期的なものです」。

筆者は、この会社の製品ロードマップや会社の背景にある理念、そして潜在的な顧客が誰なのか、それは製品を設計する他の企業なのか、あるいは直接的にエンドユーザーなのか、などの詳細を尋ねた。

今のところ、ボンジョルノ氏とチャウドリ氏は、次のイノベーションの波の中でテクノロジーがどのような役割を果たすのかを再考することが、このビジネスを始めた動機の一部だと示唆した。これは多くの人が思いつく問いだが、その答えを見つけるために実際に投資しようとする人は多くない。それだけでも、Humaneが次に何をするのかに注目する価値がある(Humaneがそうさせてくれればの話だ。今はまだステルス状態だ)。

「Humaneは、デザインとエンジニアリングの真のコラボレーションによって、人々が真の意味で革新を起こすことができる場所です」と共同創業者らは共同声明で述べた。「我々は、人々の利益のために製品を作り、人を第一に考えたテクノロジー、つまり今日の常識を超えた、よりパーソナルなテクノロジーを作り上げるエクスペリエンスカンパニーです。我々はみんな、何か新しいもの、我々が生きてきた情報化時代を超越する何かを待っています。Humaneでは、情報時代と呼ぶもののためのデバイスとプラットフォームを開発しています。信頼、真実、喜びという我々の価値観に基づいて、これまでとは異なるタイプの企業を築くことを約束します。パートナーのみなさんのご支援のもと、コンピューターとの付き合い方に革命を起こすという我々が持つ情熱を共有しているだけでなく、どのように構築するかについて情熱を持つ人材を集め、チームの規模を拡大していきたいと考えています」。

【更新】記事公開後、Humaneの計画についてもう少し説明を受けた。同社の目的は「人間の経験を向上させ、善意から生まれるテクノロジー、自分自身、お互い、そして周りの世界とのつながりを取り戻す製品、そして魔法のように感じられ、喜びをもたらすインタラクションをともなう、信頼に基づいた経験」を開発することだ。これだけでは十分ではないが、一般的には、今日のサイクルから離れ、もっと心をこめて考えようとするアプローチだ。テクノロジーを全面的に否定するのではなく、むしろ構築しながらそれが実行できれば、何かが見えてくるかもしれない。

画像クレジット:peepo / Getty Images

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi

オシャレでお手頃価格の老眼鏡でマーケットを切り開くCheeterz Club

実際のところ、クールな老眼鏡などというものが存在し得るのか。Cheeterz Club(チーターズ・クラブ)という新しいアイウェア企業は、あり得ると考えている。同社は、老眼鏡のイメージを、近所のドラッグストアの陳列棚から手に取るような使い捨ての安いアイテムから、身につけることが本当に誇りに思えるようなものへと変えようとしている。そのために、同社は高品質のレンズとフレームを使用し、さまざまなスタイルのメガネをデザインしているが、価格は手頃に抑えている。

Uber(ウーバー)やVirool(バイルール)といった企業で広告や営業を担当していたJennifer Farrelly(ジェニファー・ファレリー)氏は、メガネの俗称である「cheater」にちなんでこの会社を創業した。

同氏は、もっと良い老眼鏡を作るというアイデアは、現在の市場における選択肢に不満を感じてからだと話す。

「きっかけは数年前です。私の友人たちがSNSで次のような気の毒なコメントや投稿をしていました。『年をとって親のようになってしまった、最悪だ』。私は、なぜこのようなことが起こるのだろうと思いました。私自身は10年前と同じように今も若いと感じています」とファレリー氏は説明する。「一夜にして起こったことのために、なぜ私や友人が老いを感じざるを得ないのでしょうか」と、中年期の突然の到来とそれがもたらす苦難について語る。

さらに悪いことに、ドラッグストアで老眼鏡を買おうとすると、見た目もかけ心地も悪いプラスチック製の老眼鏡しかないと同氏はいう。

「これでは、ますますやる気がなくなってしまいます」と付け加えた。

画像クレジット:Cheeterz Club

そこで同氏は、Warby Parker(ワービー・パーカー)やPair Eyewear(ペア・アイウェア)の製品責任者だったLee Zaro(リー・ザロ)氏とチームを組み、よりファッション性の高いアイウェアの新しい製品ラインをデザインした。

LAエリアを拠点とするザロ氏は、すぐにチャンスを見出した。

「ドラッグストアで販売されている老眼鏡は、一般的に品質が低く、まるで両親のことを考えて作られたような印象を受けます」と同氏は話す。「ジェニファーが私に、最初のアイウェアのデザインを手伝って欲しいと言ってきたとき、これはすばらしいアイデアだと思いました」。

低価格帯のメガネとの差別化を図るため、Cheeterz Clubのメガネは100%アセテート製で、スプリングヒンジとステンレススチールを採用している。また、レンズは、一般的な老眼鏡に比べてより鮮やかだ。

画像クレジット:Cheeterz Club

一般的に、眼科用プラスチックレンズの素材は、光の分散・分離の度合いを示すアッベ数が30〜58の間にある。アッベ数が高いほど光学性能が高いとされている。クラウンガラスのアッベ数は59にもなるが、Warby ParkerやFarrelly Notesのようなポリカーボネート製の老眼鏡のアッベ数は30。CR-39を使用したCheeterz Clubのレンズは58だ。この違いは、ドラッグストアで購入したメガネと並べてみるとよくわかる。

Cheeterz Clubのレンズは、UVAやUVBを100%カットし、撥水・撥油効果もある。また、ピンクからブルーまで8色のカラーレンズと、2色のサンシェードの中から選べる。画面を見ることによる目の疲れを軽減するブルーライトコーティングや、遠距離視力と読書用レンズを兼ね備えた遠近両用ブレンズも選択できる。

カラーレンズは10ドル(約1100円)、ブルーライトコーティングは25ドル(約2750円)、遠近両用ブレンズは40.99ドル(約4510円)と、市場価格より安い。

発売開始時には、伝統的なものからモダンなものまで、42種類のスタイルで28.99ドル(約3190円)から提供する。

ファレリー氏は、適切な価格で買うことが重要だという。というのも、通常のメガネとは異なり、利用者は複数の老眼鏡を購入し、家やクルマの中に置いたり、財布やバッグに入れたりすることが多いからだ。

「数百ドル(数万円)もするものを壊してしまったら、本当に困ってしまいますよね。同氏は話す。「でも、ドラッグストアで買える30ドル(約3300円)以下の価格で、さまざまな色やレンズを手に入れることができるんです」。

ファレリー氏は、このスタートアップを成功させるために、より高品質な老眼鏡を市場に投入しようとしているだけではない。見落とされがちな顧客層にサービスを提供することを狙っている。

「40代の創業者はあまり注目されませんが、それは残念なことです。また、40代、50代の人たちは可処分所得があり、かわいいものを求めています。顔用のクリームやボトックスにお金をかけているのに、顔に醜いメガネをかけさせられて、気分が悪くなってしまうのです」。

Cheeterz Clubは消費者に直接販売しているが、現在、B2Bモデルとして、再販してくれる眼科医やブティックなどにも声をかけている。また、アマゾンでBlue Lightメガネの販売もテストしている。

同社は、2021年の秋の終わりに、シード投資家との資金調達の協議を始める予定だ。

画像クレジット:Cheeterz Club

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

Boseが新ノイキャンヘッドフォン「QuietComfort 45」発表、約3万6400円で9月23日発売

米国時間8月31日朝、Boseはは相次ぐリーク情報に続いて、好評を博しているオーバーイヤーヘッドフォンの最新モデルを発表した。QuietComfort 45(35 IIの後継モデル)は、ノイズキャンセリング機能が向上し、1回の充電で24時間利用できる。価格は330ドル(約3万6400円)で、前モデルであるQC 35の当初の販売価格よりも20ドル(約2200円)安くなっている。

新ヘッドフォンは、数世代続くヘッドフォンに似ているが、より快適に、より軽く、よりコンパクトにするための改良が加えられている。QuietComfort 45には「Quiet」と「Aware」という2つの主要なモードがある。前者は、改良されたノイズキャンセリング技術を用いて周囲の騒音に対応するというもの(Boseの従来の一律ANCとは異なる)。一方「Aware」はヒアスルーモードで音を取り込む。

左側のイヤーカップには音量、電源、ペアリング用の4つのボタンがあり、右側にはノイズキャンセリングモードの切り替え用のボタンがある。タッチパネルに移行したヘッドフォンもあるが、Boseは物理ボタンを維持している。また、内蔵マイクを使った会話の際には、音が左右に分離されるように音声が改善されている。

画像クレジット:Bose

バッテリーは24時間の音楽再生が可能なもので、USB Cで充電する。ゼロからフル充電になるまでには2時間かかるが、、時間がない場合は15分のチャージで3時間利用可能だ。

Boseが2000年に初代QuietComfortを発売して以来、ヘッドフォンのカテゴリーは劇的に進化してきている。2016年の「QC 35」でついに完全ワイヤレス化した。最近では、Sony(ソニー)やApple(アップル)などの優れたプロダクトが登場し、カテゴリーはさらに混沌としているが、特に頻繁に旅行する人にとって、Boseはオーバーイヤー型ヘッドフォンの最も象徴的な存在であり続けている。

QuietComfort 45は、シンプルさを追求するBoseの姿勢を継承している。9月23日に発売。その頃には、私たちはまた飛行機で旅をしているかもしれません。

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画像クレジット:Bose

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(文:Brian Heater、翻訳:Katsuyuki Yasui)

プロアスリート向けのウェアラブルトラッカーのWhoopが220億円調達

2012年創業のWhoop(ウープ)はフィットネストラッカーの世界では馴染みのないブランドだ。しかしここ数年、同社はかなりの乗り換えユーザーをひきつけてきた。同様に、ベンチャーキャピタルをひき寄せるのにも苦労はしなかった。ボストン拠点の同社にTechCunchが最後に話を聞いたのは、同社が5500万ドル(約60億円)を調達した2019年後半だった。そしていま、Whoopはさらに2億ドル(約220億円)という巨大な資金調達を行った。

今回のシリーズFラウンドでWhoopの累計調達額は4億500万ドル(約446億円)近くになった。この規模の企業にしてはかなりの額だ。ソフトバンクのVision Fund 2がリードしたFラウンドでのバリュエーションはなんと36億ドル(約3965億円)だ。

その他の投資家にはIVP、Cavu Venture Partners、Thursday Ventures、GP Bullhound、Accomplice、NextView Ventures、Animal Capitalが名を連ねている。既存投資家は全国フットボールリーグ選手協会、Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏、その他数多くのプロアスリートだ。

Whoopがアスリートをターゲットとしているのは、Apple WatchやFitbitなど主要な消費者向けウェアラブルとはかなり対照的だ。事実、Whoopはスポーツチーム、企業やヘルスケア、政府 / 防衛向けソリューションのための特別販売を行っている。

Whoopは、このほどFitbitが新製品Charge 5のための「Daily Readiness Score(体の準備ができているかを示すスコア)」を発表したときに社名を響かせた。このスコアについては、多くの人がより高度なWhoopの分析を引き合いに出した。

Whoopは追加の資金調達を模索するモチベーションとして、2020年の会員数の「大幅な成長」を挙げている。それはおそらく部分的に、18カ月のサービスが月18ドル(約2000円)〜というサブスク(サービス利用期間が短いほど月額料金は高くなる)に注力する一方で、500ドル(約5万5000円)のウェアラブルを無料にするという2019年の決断によるものだった。

Whoopは米国以外のマーケットへの進出もにらんでいて、膨大な額の調達資金をハードウェアのR&D、ソフトウェア、分析ソリューションに注ぐ。また、現在500人超の従業員数の増加にも使う(従業員の半分近くは2020年加わった)。

「当社は国際的に成長していて、ソフトバンクとの提携をさらに深化させることに胸躍らせています」と創業者でCEOのWill Ahmed(ウィル・アーメッド)氏はリリースで述べた。「2020年驚くほどの成長を経験しましたが、当社のテクノロジーの潜在性ならびに健康モニタリングの広大なマーケットの大部分は未開拓のままです」。

画像クレジット:Whoop

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

噂のアップルiPhone衛星通信は緊急通報・メッセージ限定、との報道

噂されている次期iPhone向けの衛星通信機能は、BloombergのMark Gurman(マーク・ガーマン)氏の記事によると緊急時の使用に限定されているようだ。数日前、よく知られているアナリストMing-Chi Kuo(ミン・チー・クオ)氏は記事で次期iPhoneは低軌道衛星通信による通話とメッセージをサポートすると述べていた。しかしガーマン氏の情報源は、Apple(アップル)は少なくとも今はiPhoneを実際の衛星電話にはしないと述べた。衛星通信ネットワークを活用する少なくとも2つの緊急関連機能を開発中、とのことだ。

1つ目の機能は衛星経由の緊急メッセージで、iMessage 、SMSに続くプロトコルとしてメッセージアプリに追加される。社内コードネームはStewieで、ユーザーは電波が届かない場所でも緊急サービスにテキストを送ることができる。これは山中や森の中など人里離れた場所での緊急事態時に特に重宝する機能だ。

衛星通信機能ではまた、受信側のラインに緊急SOSをタイプすることで緊急連絡先にテキストを送ることもできる。メッセージは短い文字数に制限されるが、発信者の連絡先の人にはiPhoneがおやすみモードに設定されていても通知が届く。衛星メッセージは認識しやすいよう、青や緑ではなくグレーのバブルで表示される。ゆくゆくは衛星通信で通話にも対応するようになるかもしれない。

Appleはまた、ユーザーが航空機事故や火事など危機的状況を報告できるという2つ目の衛星通信機能にも取り組んでいると報道されている。このシステムでは、ユーザーは長々と事故を報告でき、そして捜索救難サービスが必要な人がいるか、周辺に武装している人がいるか、といった詳細も尋ねられる。また、自動的に通報者の位置情報と既往歴、年齢、薬の服用、身長・体重などヘルスアプリにある詳細を当局に送ることができる。そして通報者の緊急連絡先に通知することも可能だ。

いずれの機能も有用なようだが、利用できるかどうかは衛星の位置とカバー範囲によって制限される。一部の地域では利用できないかもしれず、またiPhoneが衛星と通信できるところでは屋外に出なければならないケースもあるかもしれない。加えて、ガーマン氏の情報源の人物はこれら機能が年末までに使えるようにはならないだろうと述べた。これは、9月発表が予想されている次期iPhoneではまだ衛星通信を使ってメッセージを送ることはできないことを意味する。

編集部注:本記事の初出はEngadget。Mariella Moon氏はEngadgetの共同編集者。

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画像クレジット:Apple

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(文:Mariella Moon、翻訳:Nariko Mizoguchi

NEDOが100平方メートル規模の触媒パネル反応器で人工光合成によるソーラー水素製造に成功

NEDOが100平方メートル規模の触媒パネル反応器で人工光合成によるソーラー水素製造に成功

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)とARPChem(人工光合成化学プロセス技術研究組合)は8月26日、100m2規模の「太陽光受光型光触媒水分解パネル反応器」と「水素・酸素ガス分離モジュール」を連結した光触媒反応システムを開発。世界初の実証実験に成功したことを発表した。この実験結果は8月25日公開の英科学誌「Nature」オンライン速報版に掲載されている

これは、2019年8月から1年以上にわたって実施された自然太陽光下での光触媒パネル反応システムの実証実験。水を分解して水素と酸素の混合気体を生成し、そこから高純度のソーラー水素を分離・回収するというもの。ソーラー水素とは、太陽光で水を分解して水素を製造する技術のことで、クリーンで持続可能性のあるエネルギーとして注目されている。今回の実験では、ソーラー水素製造を大規模化しても安全性や効率性が保たれることが実証され、実用化とさらなる大規模化への道筋が見えてきた。

このプロジェクトは、NEDOとARPChemが、東京大学、富士フィルム、TOTO、三菱ケミカル、信州大学、明治大学との協力のもとに進めてきたもので、光触媒パネル反応器の開発、分離膜の開発、合成触媒の開発という3つのテーマで構成されている。

人工光合成プロジェクトの概要(今回の成果は「光触媒開発」のテーマ)

  • 光触媒開発:太陽光エネルギーを利用した水分解で水素と酸素を製造する光触媒およびモジュールの開発
  • 分離膜開発:発生した水素と酸素の混合気体から水素を分離する分離膜およびモジュールの開発
  • 合成触媒開発:水から製造する水素と発電所や工場などから排出する二酸化炭素を原料としてC2~C4オレフィンを目的別に合成する触媒およびプロセス技術の開発

光触媒パネル反応器の実証

光触媒パネル反応器は、ひとつのモジュールが3m2。透明なガラス板の下に、25cm角のチタン酸ストロンチウム光触媒シートが並べられている。ガラスと光触媒シートとの間には0.1mmの隙間があり、そこに水を流し込むことで反応が起きる。そこで発生した水素と酸素の気泡がスムーズに流れ、気泡の滞留によって光が散乱しないようにすることが重要となるが、このシステムでは、光の散乱の影響はほとんどなかった。

NEDOが100平方メートル規模の触媒パネル反応器で人工光合成によるソーラー水素製造に成功

光触媒パネル反応器の基本単位(写真左)と紫外光照射時の水分解反応時の様子(写真右)

NEDOが100平方メートル規模の触媒パネル反応器で人工光合成によるソーラー水素製造に成功

3m2規模の光触媒パネル反応器(左)と100m2規模の光触媒パネル反応器から生成した水素と酸素の混合気体(右)

このシステムでは紫外光のみに反応するが、量子収率(光子ひとつが反応を起こす割合)がほぼ100%と高効率を示した。また実験室では、水分解の活性が、初期の8割以上を2カ月以上維持できた。これは、日本の屋外条件では約1年の耐久度に相当する。この光触媒シートは、光触媒を基板にスプレーするだけで簡単に作れるとのこと。

疑似太陽光を昼夜連続照射したときの活性の時間変化

混合気体からのソーラー水素の分離

光触媒パネル反応器で発生した水素と酸素の混合気は、ガス分離モジュールに送られる。そこでは、水素は分離膜を通過し、酸素は通過できずに残留する。今回の実験では、開発中の分離膜ではなく、市販のポリイミド中空糸分離幕を使用したが、擬似実験では、1日分離を行った結果、混合気は、水素濃度約94%の透過ガスと酸素濃度約60%の残留ガスに分離でき、水素の回収率は天候、季節に関わらず73%を達成した。

100m2規模の光触媒パネル反応器に接続されたガス分離モジュールの性能

合成触媒

合成触媒は、水分解で作り出した水素を、工場や発電所から排出された二酸化炭素と反応させて、C2からC4オレフィン(高分子化合物)を目的別に合成するというもの。これはプラスティックの原料として利用される。

光触媒パネル反応システムの安全性試験

ソーラー水素の製造では、非常に燃えやすい水素の管理が課題になるが、1年以上にわたるこの屋外実験では、1度も自然着火や爆発は起きなかった。また、爆発リスクの確認のために、光触媒パネル反応システムの混合気体が存在する場所に意図的に火を点けてみたが、光触媒パネル反応器、ガス捕集用配管、中空糸分離膜を含むガス分離モジュールともに破損は確認できなかったという。

今後は、このシステムの社会実装を目指して、光触媒を可視光に対応させて太陽光エネルギーの変換効率を5〜10%に引き上げ、低コスト化、さらなる大規模化、ガス分離システムの性能とエネルギー効率の向上を目指すとしている。

【レビュー】OnePlus Buds Proは高コスパイヤフォン、1.65万円で音質、フィット感ともに文句なし

ワイヤレスイヤフォンで2021年に他社製品と差異化を図るには何をすべきだろうか。良いハードウェアが市場をほぼ制覇していて、答えるのがかなり難しい質問だ。筆者は2020年あたりからかれこれ10製品ほどを試した。正直なところ、それらはすべてかなりよかった。

NuraやNothingのような企業は興味深いアプローチを取っているが、スマホも販売しているハードウェアメーカーにとっては、ときに特定のモバイルデバイスにぴったりとくるものであれば十分だ。

OnePlusは、この2つの要素の間にある。同社ももちろん自前のスマホを作っているが、Samsung(サムスン)やApple(アップル)のような超大企業に近い販売台数ではない。OnePlus Buds Proも同じ路線を行っていて、自前のデバイスにぴったりくるイヤフォンだが、いくつかひねりが加わっている。競争の激しいこの分野でいくらか差異化を図る興味深い追加要素だ。

OnePlusのこの分野での現時点までの取り組みは、よく言っても例外的ではなく、悪く言えばなんともつまらない。同社がケーブルタイプの展開を経て、2020年に最終的にワイヤレス部門に参入したとき、筆者は大して感銘を受けなかった。100ドル(約1万1000円)弱というのはよかったが、ピッキングがまったくスリムではなく、おそらく3、4年前に発売できたと思わせるものだった。

画像クレジット:Brian Heater

幸いにもProはあらゆる点で改善されている。同社の共同創業者の1人がPro発売から1カ月もしなうちに独自のヘッドフォンを立ち上げたこともあり、同社にとって改善は少し安心するものに違いない。150ドル(約1万6500円)のProは同社のスタンダードイヤフォンならびにEar (1)より50ドル(約5500円)高い。しかし現在のイヤフォン業界を見渡すと、適正な価格だ。

このレビューで筆者はこのイヤフォンをOnePlusではないAndroidスマホとiPhoneで使ってみたことを記しておくべきだろう。この組み合わせではHeyMelody OnePlus / Oppoアプリの使用が必要だが、一言でいうと使わなかった。しかしいくつかの主要機能は利用できた。良好な音質が得られるよう、フィットテストがあり、そしてカスタムのサウンドプロフィールをつくることができるOnePlus Audio IDもある。

OnePlus Audio IDは、Nuraがユーザーに再生音を聴くことができるか尋ねながら、数多くの異なるトーンを通じて調整する古いタイプのサウンドテストで提供しているもののベーシックなバージョンだ。これはやや時間がかかるが、最終的には違いを生み出す。筆者が調整した後、より大きく豊かなサウンドになっていた。残念ながらそれ以上のEQカスタマイゼーションは多くない。つまり、サウンド面でベースへの過度の依存以外に不満はさほどない。

画像クレジット:Brian Heater

アプリとヘッドフォンのステム部分の両方でコントロールできるノイズキャンセリングも効果的だ。一方、ステムを長押し(3秒)するとこのイヤフォンの最もユニークな機能の1つ、Zen Mode Airが使える。どのテック企業もマインドフルネスのことを考えている時代にあって賢い機能だ。Zen Mode Airではホワイトノイズを流し込む。「Warm Sunrise」という鳥のさえずりや虫の音がする草原のようなサウンドスケープがデフォルトになっている。その他、キャンプファイヤーやビーチなど、4つのサウンドがあらかじめ用意されている。これは、筆者がこれまでに必要だと思った機能ではないが、あらゆることがストレスフルな時代、少し掘り下げてみよう。

デザイン面では、企業はこのごろ2つの選択肢のうちの1つをとっている。AirPodのようなものか、完全に異なるものだ。OnePlusが取った方向は一目でわかる。同社がレビューのために送ってきたマットブラックのペアはあまり目立たないが、白のバージョンは明白だ。マーケットリーダーであるAirPodに酷似しないよう、ステムがメタルになっているようだ。

画像クレジット:Brian Heater

快適性の観点からは、手強いものだ。筆者は長時間使用し、ランニングにも使ったがまったく不満はない。結局のところ、AirPodのデザインには何かがあるのだろう。バッテリー駆動時間は傑出していて、イヤフォン単体で5〜7時間(ANCを使用するかによる)もち、スリムケースと合わせると28〜38時間となる。ケースはワイヤレス充電に対応し、この価格ではますますユビキタスな機能だ。

OnePlusは明らかに最初に99ドル(約1万1000円)のイヤフォンを発売することで安価路線を踏襲したかった。しかしよりプレミアムなモデルで何ができるのかを示すGoogle(グーグル)のアプローチに何か感じるところがあり、安価路線から逸れたと筆者は考えている。ProはOnePlusが1年、あるいは2年前にリリースしておくべきだったヘッドフォンだという強い主張がある。しかし遅れてでも出さないよりはいい。

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画像クレジット:Brian Heater

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(文:Brian Heater、翻訳:Nariko Mizoguchi

5G需要が高まる中、タワー設置場所を探す通信事業者と不動産所有者を効率的につなぐSitenna

5Gネットワークの構築は急速に進んでおり、先進国の多くで大規模な展開が行われている。しかし、カバレッジマップのギャップを埋める上での最大の課題の1つは、5G伝送に対する制約だ。5G技術は4Gに比べ高周波数の帯域を利用するため、通信事業者は、ユーザーが期待する同品質の信号で宣伝されているだけの帯域幅を提供するために、何倍もの数の通信塔を設置する必要がある。

しかし、セルタワーを設置するのは気が遠くなるような作業だ。通信事業者は、ユーザーへの見通し線を配慮してちょうどいい場所を探し、その場所に電源とインターネットアクセスがあることを確認し、さらに土地所有者と交渉して、10年以上にわたってタワーを設置し続ける契約を結ばなければならない。これを何万回(あるいはそれ以上)繰り返すことを想像して欲しい。

Sitenna(site+antenna=サイテナ)は、Y Combinator(Yコンビネータ)の「Summer 2021 Demo Day」で来週発表される予定のスタートアップだ。Sitennaは、タワーやアンテナの設置場所の選定と契約締結のプロセスを大幅に短縮し、不動産所有者、タワー運営者、通信事業者のためのマーケットプレイスを構築することを目指している。

タワーの立地やポールへのアクセスは、場合によっては国家的なインフラの優先課題として浮上している。米国では、トランプ政権下の連邦通信委員会(FCC)が、新たなタワーの設置、そしてそれらの迅速な確保にまつわる課題を最優先事項とし、タワー設置に関する規制を緩和しようと「5G FAST Plan」を立ち上げた。

Sitennaの創業者であるDaniel Campion(ダニエル・カンピオン)氏とBrian Sexton(ブライアン・セクストン)氏は、このようなプログラムにチャンスを見出し、この動きを支援することにした。彼らはこの1年間で、一方では不動産所有者が通信利用を検討する価値のある資産を持っているかどうか把握するのに役立ち、他方ではタワー事業者が設置のための契約を選択してデジタルで締結することを支援するマーケットプレイスを構築した。

Sitenna共同創業者兼CEOダニエル・カンピオン氏(画像クレジット:Sitenna)

同社は2021年6月に英国でサービスを開始したが「これが反響を呼びました」とカンピオン氏は語る。英国では6万5000件の不動産資産と、タワーの約15%がこのプラットフォームに登録されているという。同社は、Vodafone(ボーダフォン)とそのタワープロバイダーであるCornerstone(コーナーストーン)と協力し、2つのパイロットプロジェクトを開始した。また、2022年の第1四半期には米国市場への参入を予定しているとのこと。

Sitennaは今日の多くのスタートアップと同様にマーケットプレイスからスタートしているが、そのマーケットプレイスをB2B SaaSツールで補完している。同社の場合は、通信事業者が新しいタワーの設置場所を確保するプロセスと、その資産を管理するためのツールを意味する。カンピオン氏はこう述べている。「通信事業者はタワーの設置場所を見つけると、メールでピンポンのように行ったり来たりのやり取りをします。そこで、彼らのワークフローを支援するツールを開発しました」。

Sitennaのプラットフォームでは、土地所有者とタワー事業者がタワーの設置場所を検査し、取引することができる(画像クレジット:Sitenna)

現在5Gワイヤレスへの移行にともない、タワー設置の大きな波が起こっているのは確かだが、だからといって、数年後に突然タワーの設置がなくなるということではない。カンピオン氏は、利用パターンの変化やビルの再開発、標準的なハードウェアの交換などの理由から「キャリア側では15〜20%の継続的な更新が行われています」と指摘する。

そしてもちろん、6Gもある。現在はまだ完全に形になっていないコンセプトだが、筆者がカンファレンスに招待されるぐらい現実的なものだ。次世代のワイヤレスは常に存在しており、Sitennaはそのインフラを管理するセンターになりたいと考えている。

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画像クレジット:Pranav Mv / EyeEm / Getty Images

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(文:Danny Crichton、翻訳:Aya Nakazato)

P板.com主催のハードウェアコンテストGUGEN2021にCAMPFIRE協賛、参加者向けクラウドファンディングも提供

日本最大級のオリジナルハードウェアコンテスト「GUGEN2021」にCAMPFIRE協賛、参加者向けクラウドファンディングプログラム提供

CAMPFIREは8月26日、ハードウェア開発に挑戦する企業・団体・個人への支援を目的に、ピーバンドットコムが主催する日本最大級のオリジナルハードウェアコンテスト「GUGEN2021」に協賛すると発表した。

また購入型クラウドファンディング「CAMPFIRE」において、コンテスト参加者がクラウドファンディングを手軽に始められるオリジナルプログラム「Maker プラン」を提供する。「作品をクラウドファンディングに登録するメリット」「GUGEN2021特設ページ」を開設し案内している。

日本最大級のオリジナルハードウェアコンテスト「GUGEN2021」にCAMPFIRE協賛、参加者向けクラウドファンディングプログラム提供

GUGENは、プリント基板ネット通販サイト「P板.com」を運営するピーバンドットコムが主催するハードウェアコンテスト。「社会における課題を解決するデバイス」をテーマとし、ハードウェアエンジニアのものづくり活動を推進・支援するものとなっている。GUGENは、前身となる「電子工作コンテスト」から数えて13年目となり、CAMPFIREは一昨年の協賛に引き続き、2度目の協賛という。

「GUGEN2021」コンテスト概要

  • コンテスト詳細・応募:「GUGEN2021」サイト参照
  • 作品募集期間:2021年8月4日~10月31日
  • 体験型展示会:2021年11月13日。展示予定作品数は50作品。場所は後日発表予定
  • 展示会(オンライン):2021年12月11日。選考会エントリー予定数は10作品
  • 応募条件:オリジナルのハードウェア作品であること(市販のキット、マイコンを活用した作品でもかまわない)。使う人、見る人に「楽しさ」「便利さ」などのメリットを提供できる作品であること、未発売の作品であること(クラウドファンディングなどでの活動中の作品は応募可能。個人・グループ・法人を問わない。作品のジャンルは自由(例:デジタル機器・ファッション・住まい・食育・音楽・おもちゃ・アートなど)
  • GUGEN 審査基準:誰かの課題を解決する「未来のふつう」となるであろう、オリジナルのハードウェア・電子工作を審査対象とし、5項目の審査基準に添って審査。5項目は、「課題解決性」「実現性」「革新性」「意匠性」「キャラクター性」。なおGUGEN2021では、持続可能な開発目標(SDGs)を課題解決性の評価基準のひとつとしている
  • 賞金・賞品:大賞(1チーム)100万円(現金50万円+プリント基板・電子部品50万円相当)、優秀賞(1チーム)20万円(現金10万円+プリント基板・電子部品10万円相当)、Goodアイデア賞(1チーム)10万円(現金5万円+プリント基板・電子部品5万円相当)他、「スポンサー賞」「ほしいね賞」
  • 大賞・優秀賞・Good アイデア賞について:GUGEN審査基準およびウェブ上のほしいねボタン数を考慮し、12月の選考会・授賞式で選考(12月の選考会への参加作品は、ウェブサイト上の作品登録の審査により決定)

GUGEN参加者オリジナルプログラム「Maker プラン」

ハードウェア開発において、クラウドファンディングは「資金調達」の側面に加え、製品化の前段階で市場に挑戦することによる「市場検証」の役割も果たす。製品の検証段階でのテストマーケティングとして活用し、製品化に向けたブラッシュアップの材料にできるとしている。今回の協賛に伴い、参加者がより手軽にクラウドファンディングプロジェクトを立ち上げ、ものづくりに集中できる環境を提供すべく、参加者向けのオリジナルプログラム「Maker プラン」を提供している。

また、オリジナルプログラムでは、通常のクラウドファンディングとは異なり、アイデアのお披露目・応援の場として活用できる特設サイトを用意する。

目標金額に達成しなかったとしても、期間終了日までに集まった応援購入額を獲得できるAii-in方式(手数料を除く)などプロジェクトの進捗状況に応じた適切な募集方式が可能なほか、リターンイメージなどクラウドファンディングのプロフェッショナルのサポートを受けられる。日本最大級のオリジナルハードウェアコンテスト「GUGEN2021」にCAMPFIRE協賛、参加者向けクラウドファンディングプログラム提供

「GUGEN参加者オリジナルプログラム」概要

  • 申し込み条件:GUGENにエントリーすること。応募フォーム内のクラウドファンディングの実施希望欄にチェックを入れると、「Makerプラン」の案内が送付される
  • 実施手数料:10%
  • エントリー締め切り:2021年9月27日
  • プロジェクト初回申請締め切り:10月6日
  • プロジェクト公開締め切り:10月15日
  • プロジェクト実施期間:最大3週間
  • 方式:All-or-Nothing or All-in

特典内容

  • プロジェクトテンプレート:プロジェクト本文やリターンはテンプレートを用意。GUGENの応募素材でそのままプロジェクトの作成が可能
  • オリジナル記事コンテンツ:作品作りの思いを記事コンテンツとしてリターンに設定できるようにしている。空欄を埋めると記事コンテンツになるフォーマットを用意
  • プロトタイプのリターン:CAMPFIREでは、作品がプロトタイプの状態でもリターンとして設定して支援を集めることができる

心電図機能やストレスモニターを搭載した新型フィットネストラッカー「Fitbit Charge 5」発表

スマートウォッチの人気が高まった影響を少なからず受け、フィットネスバンドの市場シェアは間違いなく縮小している。しかし、それでも2021年第1四半期には全体で1310万個も売れた。これは軽視できない数字だ。人々は依然として、低価格と非侵襲性を理由に、腕時計以外のフィットネストラッカーを購入しているのだ。

米国時間8月25日朝、Google Keyword(グーグル・キーワード)ブログを通じて発表された「Fitbit Charge 5」は、カテゴリー間の境界線をさらに曖昧にしそうだ。このプレミアム・フィットネスバンドの最新バージョンには、カラータッチスクリーン、ECG(心電図)およびEDA(ストレス)センサーが追加されている。

こうしたスマートウォッチ並みの機能を搭載していることから、当然ながら価格も上がり、先代モデルより30ドル(約3300円)高い180ドル(約1万9800円)となった(日本における公式オンラインショップの価格は税込2万4990円)。これは2019年に発売されたスマートウォッチ「Fitbit Versa 2」と同価格帯であり「Versa 3」よりも50ドル(Versa 3は税込2万9900円なので5000円)安い程度。前述のように、境界線が曖昧になっているのだ。Fitbitは、100ドル(日本では税込9490円)で買える「Ace 3」をはじめ、多くの安価なトラッカーも提供しているが、超低価格帯の市場では競争できないことを、同社はよく理解している。

ECGモニターの追加は、これまで高価なスマートウォッチの領域であった機能を、フィットネスバンドにもたらした。心電図記録機能は、ユーザーと医師の両方から好評を得ており、医師は心筋梗塞などの状態を日々モニターするためにこの機能を推奨している(ただし、現時点で日本は利用可能予定地域に入っていない)。さらにFitbit Charge 5には、心拍数モニターや24時間使用可能なバッテリーも搭載されている(ただし、フルカラーAMOLEDタッチスクリーンの常時点灯オプションを選択すると、間違いなくその時間は短くなる)。

Fitbit Charge 5(画像クレジット:Fitbit)

Fitbitが2020年秋に「Fitbit Sense(フィットビット・センス)」で初めて採用したEDA(皮膚電気活動)モニタリングは、指の汗腺から装着者のストレスレベルを検出するように設計されているものだ。これはFitbitアプリで利用できる「ストレス管理スコア」と連携し「毎朝、精神的にチャレンジする準備ができているのか、それとも休養が必要なのかを知ることができます」と説明されている。過去1年間の自分のストレス数値を見ることができると思うと、ストレス数値がさらに上昇しそうだが。

これらの情報はすべて、睡眠や標準的なフィットネスも含むワンストップショップのように設定されたHealth Metric(健康指標)ダッシュボードに表示される。また、Fitbit Chargeは「Ten Percent Happier」や「Calm」といったサードパーティ製の瞑想アプリとの統合も可能だ。後者に関しては、この大人気瞑想アプリのコンテンツをFitbit Premiumメンバーに提供するという新たなパートナーシップも発表された。

また、Premiumメンバーは「Daily Readiness Score(今日のエナジースコア)」という新機能も利用できるようになる。Fitbitは次のように説明している。

近日中にPremiumメンバーに向けてサービス開始が予定されている「今日のエナジースコア」は、最近の活動、睡眠、心拍変動など、Fitbitデバイスを介して身体から得られる情報を使用して、身体的に追い込む準備ができているかどうか、つまりワークアウトに適した状態にあるか、それとも回復を優先すべきかを評価するのに役立ちます。Fitbitデバイスを毎日(寝ている間も含めて)装着することによって、毎朝、パーソナライズされたスコアと、そのスコアに影響を与えた要因に関する詳細を受け取ることができます。推奨される活動レベルの提案や、自分の身体に最適な判断を下すために役立つPremium専用コンテンツも提供され、ワークアウトをより効率的に行うことができます。

さらに、Fitbitの新しいブランドアンバサダーの写真も公開されている。見覚えがある人物だ。

画像クレジット:Fitbit

Charge 5は、Fitbitが正式にGoogle(グーグル)の傘下に入ってから初めてのメジャーリリースだが、まだ大きな変化は見られない(ただしFitbit CEOのJames Park[ジェームズ・パーク]氏の肩書は、正式に「VP, GM & Co-founder」となっている)。次世代のスマートウォッチが発表される際には、より大きな変化があることを期待したい。

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画像クレジット:Fitbit

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

米国の第2四半期PC販売台数は17%増もパンデミック需要反動で伸びは鈍化

Canalysは8月25日、米国の第2四半期のPC販売台数を発表した。販売台数は前年同期比17%増と極めて好調だった一方で、伸びはパンデミックによって74%増を記録した前四半期から大きく鈍化した。おそらく、原因はあちこちで報道されている世界的なチップ不足だ。

HPがマーケットシェア21.9%で第2四半期連続でトップの座を維持し、販売台数は前年同期に比べて20%超増えた。Appleが変わらず第2位で、マーケットシェアは20.6%だった。ただ、同社の成長率がマイナス2.8%に落ち込んだのは注目に値する。

関連記事:米国の2021年第1四半期のPC出荷台数は73%増、Chromebookが好調

Dellがマーケットシェア15.6%で第3位となり、Lenovoが12.4%で続いた。前年同期からの成長率に目を向けると、Samsungが50%超と最も高い成長をみせたがマーケットシェアはわずか8%強にとどまった。

画像クレジット:Canalys

Canalysの調査アナリストBrian Lynch(ブライアン・リンチ)氏は、2020年から2021年にかけてこの部門で目にしてきたパンデミック由来の成長が今後も続き、経済のリバウンドが続くのにともなって消費者の買い替えの兆しが見えてくる、と楽観的だ。

「商業部門と教育部門が爆発的に伸び、かなりの買い替え需要を引き起こしています。米国経済はパンデミック問題から立ち直り、零細企業も復活しています。これはPCの購入につながります」とリンチ氏は声明で述べた。

合計で3680万台が販売され、伸び率はノートブックが27%増、デスクトップは23%増、タブレットは停滞気味で実際には1%減だった。この前年割れについてCanalysは教育マーケットがタブレットから移ったこと、多くの人が家に留まることを余儀なくされたときにタブレットを購入し、すぐには買い替えないことを挙げた。

にもかかわらず、タブレット部門でAppleはシェア45%と確固たる地位を築いている。その一方でAmazonがシェア22%で第2位の好位置につけ、Samsungが同18%で続いている。

どこかの時点で多くの人が対面学習やオフィスでの業務に戻るにしても、学校や企業の多くがハイブリッド式、あるいは完全リモートのアプローチすら取り続けるのは明らかで、これはPC産業にとって良い兆候であり、チップ不足が最終的に緩和すれば特にそうだろう。

画像クレジット:Ibrahim Sahin / EyeEm / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Nariko Mizoguchi

カニエ・ウエストが新アルバム発表に合わせて約2.2万円の音楽ガジェットを発売

Kanye West(カニエ・ウエスト)、あるいはかつてそう呼ばれていた「Ye」は、10枚目のスタジオアルバム「Donda」のプロモーションに全力で取り組んでいる。そのタイトルは、亡くなった母親のDonda West(ドンダ・ウェスト)にちなんで命名されたもので、7月にはアトランタのメルセデス・ベンツ・スタジアムで大規模なリスニング・パーティーが開催された(そしてウエストは、そのロッカールームに滞在し続けた)。今後、故郷のシカゴで開催されるリスニング・パーティーのために、このラッパーは幼少期を過ごしたソルジャーフィールドの家を再建しているところだ

そして今回のアルバム発売に合わせ、ウエストはYeezy Techブランドから200ドル(約2万2000円)の音楽ガジェット「Stem Player(ステム・プレイヤー)」を発売する。公式サイトによれば、このプロダクトはそれぞれのステム(茎)、つまりボーカル、ベース、サンプリング音、ドラムなど、個々の音の要素が分離するように設計されており、別々にエフェクトをかけたり、バランスをリミックスさせたりすることができるという。

このデバイスには、新アルバムの曲があらかじめ収録された状態で販売されるようだ。サイトのFAQには、この製品は「Donda」に合わせて発売されるが、他の音楽にも使用できると付記されている。

画像クレジット:Kanye West

興味深いことに、このデバイスは、ロンドンを拠点とするスタートアップ企業のKanoと共同で開発された。同社は、子どもたちがプログラミングなどを学ぶためのさまざまなSTEM(科学・技術・工学・数学)教育向け製品を販売している。Kanoは2019年に、Disney(ディズニー)ブランドのデバイスを多数発売したにもかかわらず、レイオフに苦しんでいた

同社はここにきて興味深い新たな生命線を見出したようで、この製品はシリコンスキンの外装の背面に「Yeezy Tech x Kano」と、Kanoの社名もクレジットされている。

ウェストは、2019年に前作「Jesus Is King」を発表した際のインタビューで、このデバイス(またはその前身)を名指しで紹介している。当時は、デザイン会社であるTeenage Engineering(ティーンエイジ・エンジニアリング)とのコラボレーションだったようだ。「このアルバムとその前のアルバムのためにTeenage Engineeringと一緒にデザインしたこのポータブル・ステム・プレイヤーは、福音を広めるためのものだ」とウエストは当時、DJのZane Lowe(ゼイン・ロウ)に語っていた。

この製品は2021年夏に出荷される予定だ。

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画像クレジット:Kanye West

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(文:Brian Heater、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

サウナで「ととのう」を見える化。KDDI総合研究所関連プロジェクトにてVIE STYLEが開発開始

サウナで「ととのう」とは、サウナと水風呂を繰り返すことで訪れるある種のトランス状態のような感覚のこと。

感覚的な状態のため言葉で表したり共有するのが難しいのですが、これを可視化するシステムの開発をVIE STYLEがスタートしたと発表しました。

これは、KDDI総合研究所の研究拠点「KDDI research atelier」が実施する取り組み「FUTURE GATEWAY」のプロジェクト「Hoppin’ Sauna」からうまれました。「いつでもどこでも、呼べばサウナがやってくる」をコンセプトに、労働生産性の向上や医療費抑制への貢献を目的にしたものです。

VIE STYLEのイヤホン型脳波計「VIE ZONE」を活用して、脳波をはじめとするさまざまな生態情報を高精度に取得、「ととのう」プロセスを数値化して個人差や体調差を定量的に表現。さらに、被験者の視覚や聴覚、触覚に嗅覚などを刺激したときのフィードバックから「ととのう」プロセスの可能性を検証、最適化を目指します。

リコール騒動後、Pelotonが安全性を強化したトレッドミル「Tread」を来週(再)発売へ

コネクテッドフィットネスが大ブレイクしたこの1年、Peloton(ペロトン)は、同社のトレッドミル2機種「Tread+」と「Tread」が米国消費者製品安全委員会(CPSC)の監視下に置かれたことで大きくつまずいた。最終的に両者は協力して12万5000台のTread+を自主回収し、カナダを中心に限定的に先行発売されていた廉価モデルのTreadsについては、オンサイト修理サービスを提供することで合意した。

同社は米国時間8月24日、Treadの本格的な発売(または再発売)を発表し、8月30日に米国、カナダ、英国で2495米ドル(約27万3700円、 3295カナダドル / 2295英ポンド)で販売開始する予定だ。また、ドイツでは今秋、2495ユーロ(約32万1800円)で発売される予定とのこと。リコール後に発表されたTreadのプレスリリースには「安全」という言葉が8回以上も記述されており、今回の大きなテーマであることがわかる。

新型Treadは、新しいワークアウトをアンロックするために4桁の安全コードと物理的な安全キーを必要とし、それを引き抜くことですばやくワークアウト停止することができる。また、ユーザーはキーを取り外して持ち歩くことにより不正使用を防げる。Treadは、68×33×62インチ(173x84x157cm)とコンパクトで、50度傾く28.8インチのタッチスクリーンを搭載している。

画像クレジット:Peloton

​​Pelotonは「6歳の子どもが最近、トレッドミルの後部下に引き込まれて死亡した」という報告を受け当初は反論していたが、その後Tread+のリコールに同意した。さらにPelotonは、成人ユーザー、子ども、ペット、その他のものががトレッドミル後部下に引き込まれたという72件の報告を受けており、そのうち29件は、子どもが第2度から第3度の擦り傷、骨折、裂傷などの怪我をしたという報告だった。

一方のTreadでは、タッチスクリーンが外れて落下し、走行中にユーザーが怪我をする可能性があるという問題が発生した。Treadの初期バージョンを購入したユーザーは、タッチスクリーンの無料修理を受けることができる。初期の問題を回避するために、新しく販売されるユニットには変更が加えられる。

Tread+を所有しているユーザーは、2022年11月6日まで全額返金の対象になる。

画像クレジット:Peloton

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(文:Brian Heater、翻訳:Aya Nakazato)

Oculus Quest 2の128GBモデルが税込3万7180円で発売

7月末の発表に続き、FacebookのOculus Quest 2の新しい128GB型が、実際に店頭で買えるようになった。店頭といっても、このVRヘッドセットが買えるのは今のところ同社のウェブサイトだけで、価格は以前の64GB型と同じく299ドル(日本では税込3万7180円)だ。Facebookはこの新モデルに関して、「説明は短い方が良いかな?この128GB型を用意したのは、プレイヤーがもっと多くのゲームやアプリを1台のデバイスに簡単に保存してアクセスできるためだ」と述べている。

Facebookが128GB型を発表したのは、同ヘッドセットに最初から存在した接頭部(顔を入れる部分)の問題でQuest 2の自主的リコールをしたときと同じタイミングだ。同社は約1カ月、Quest 2の販売を一時的に停止し、その間に新しいシリコン製のフェイスカバーを改良機に装着することにした。以前のQuest 2を持ってる人は、アカウント設定のMy DevicesのところからFacebookにリクエストすると、シリコン製のカバーを送ってもらえる。今度の128GB型は、最初からボックス内にシリコンカバーがある。

編集部注:本稿の初出はEngadget。

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画像クレジット:Facebook

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(文:Igor Bonifacic、翻訳:Hiroshi Iwatani)

インテルと米国防総省が米国内のチップ製造エコシステムを支援する契約を締結

Intel(インテル)は、米国防総省と米国内の商用チップ製造エコシステムを支援する契約を締結した。このチップメーカーは、米国内における半導体サプライチェーンを強化することを目的とした「RAMP-C(Rapid Assured Microelectronics Prototypes – Commercial)」と呼ばれるプログラムの第一段階を主導する。

このプログラムを主導することになるのは、インテルが最近起ち上げたIntel Foundry Services(インテル・ファウンドリー・サービス)部門だ。

RAMP-Cの一環として、インテルはIBM、Cadence(ケイデンス)、Synopsys(シノプシス)などの企業と提携し、国内の商用ファウンドリーエコシステムを構築する。インテルによれば、このプログラムは、国防総省のシステムで必要とされるカスタム集積回路や、商用製品を作るためのものだという。

「RAMP-Cプログラムにより、商用ファウンドリーの顧客と国防総省の両方が、インテルの最先端プロセス技術への多額の投資を活用できるようになります」と、インテル ファウンドリー・サービスのRandhir Thakur(ランディール・タクール)社長は声明で述べている。「当社の顧客や、IBM、ケイデンス、シノプシスなどのエコシステム・パートナーとともに、私たちは国内の半導体サプライチェーンを強化し、米国が研究開発と高度製造業の両面で、リーダーシップを維持できるよう支援していきます」。

インテルは最近、約200億ドル(約2兆2000億円)を投じてアリゾナ州に2つの新工場を建設する計画を発表した。その目的は、同社が米国内におけるファウンドリー顧客の主要な供給者となることだ。同社はこれらの新工場が、製品の需要拡大を支えることになると述べている。

国防総省とインテルの提携が発表されたのは、新型コロナウイルス流行とその世界的なサプライチェーンへの影響などにより、世界的な半導体不足が続いている中でのことだ。インテルは、他のハイテク企業や自動車メーカーとともに、この問題の解決策についてホワイトハウスと継続的に協議している。インテルのPat Gelsinger(パット・ゲルシンガー)CEOは2021年7月に、Biden(バイデン)政権の高官と会い、チップ工場の増設計画について話し合い、補助金の獲得を訴えた。

関連記事:Google、Intel、Dell、GMなどテックと自動車業界のCEOたちが世界的なチップ供給不足問題で米政府と討議

ゲルシンガー氏は、今回のRAMP-Cに関する声明の中で「2020年で学んだ最も重要な教訓の1つは、半導体の戦略的重要性と、米国にとって強力な国内半導体産業を持つことの価値です」と述べている。

「2021年初めにインテル・ファウンドリー・サービスを起ち上げたとき、米国政府を含むより多くのパートナーに当社の能力を提供する機会が得られることを、私たちは大変喜びました。RAMP-Cのようなプログラムを通じて、その可能性を実現できるのが非常に楽しみです」と、ゲルシンガー氏は続けた。

1月にCEOに就任したゲルシンガー氏は、このチップメーカーの経営を立て直し、チップの製造と販売に関する新しい戦略を追求することを目指している。数カ月前、インテルはチップ製造業者のGlobalFoundries(グローバルファウンドリーズ)を300億ドル(約3兆3000億円)で買収する交渉を行っていると噂されたが、今のところ、その方面に関するニュースはない。

関連記事:Intelが3.3兆円でチップメーカーGlobalFoundries買収を交渉中との噂画像クレジット:SOPA Images / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

半導体不足でメーカーが偽造チップを買わされる被害多発か、詐欺にあった企業が隠すため歯止めかからず

半導体不足でメーカーが偽造チップを買わされる被害多発か、詐欺にあった企業が隠すため歯止めかからず

FILE PHOTO: A researcher plants a semiconductor on an interface board during a research work to design and develop a semiconductor product at Tsinghua Unigroup research centre in Beijing

新型コロナ感染拡大の収束(一時的にしろ)により落ち込んでいた需要が急増したことにより、スマートフォンから自動車まであらゆるメーカーが半導体不足に悩まされています。そんななか、半導体詐欺師が偽造チップを企業に売りさばいているとの報告が公表されています。

IT製品情報サイトTechRepublicによると、半導体詐欺師らは深刻なチップ不足のなか、チップ調達に必死になっている企業らにつけ込んでいるとのことです。

記事執筆時点では、正規のチップを発注してから納品されるまでのリードタイムが半年に及ぶこともあり、自動車メーカーが大量の新車を受注をしてから部品の在庫がないと気づくことも珍しくありません。

そこに目を付けたのが、チップ詐欺業者というわけです。彼らは検索エンジンの広告を使って製品を宣伝し始めているものの、こうした場所は正規のチップメーカーがビジネスを展開するはずがないところです。また詐欺の手口としては、粗悪な半導体や動作しない半導体を出荷したり、チップの代金を前払いさせてから商品を送らず、言い訳して先延ばしにするなど様々です。

企業向けITアナリスト企業Info-Tech ResearchグループのJohn Annand氏いわく「多くの詐欺事件は、買い手が急きょ立ち上げたWebベースのチップ販売業者に資金を出すように迫られ、約束の製品が到着する頃には急いでWebサイトを閉鎖され、救済の可能性を失ってしまうことで発生しています」とのことです。

さらに悪いことに、詐欺に遭ったメーカーの多くは競合他社に知られたくない理由で、騙されたことを公にしようとしません。そのため口コミで偽造品の販売の歯止めが掛らないというわけです。

被害に遭った企業が隠しておきたい第2の理由としては「チップの不正使用を防ぐための知識やサプライチェーンの管理が不十分であることを認めたくない」とのSynopsys社(電子系設計ソフトウェア大手企業)の首席セキュリティ技術者であるMike Borza氏の見解が紹介されています。

巨大なチップ需要に応じて供給量を増やせばいいとも思えますが、そう上手くはいかない模様です。上記のAnnand氏によれば、チップ製造工場の建設には莫大な費用が必要となる上に、完成までに1年半〜2年もかかるとのこと。古い工場に最新設備を導入すれば理論上は生産能力を向上できるものの、やはり費用がかさむとの趣旨が述べられています。

偽造チップの販売は、深刻な結果を招きかねません。上記のBorza氏いわく「特定の条件下で誤った動作をしたり、通常の期待寿命よりも早く永久的な故障を起こしたりする可能性があります。こうした不具合は信頼性や返品の問題を引き起こし、製品メーカーにコストをかけ、顧客の信頼を損ないます」とのこと。金銭的な被害はまだしも、深刻な人的被害が起こらないうちに、対策が講じられるよう願いたいところです。

(Source:TechPublic。Via PhoneArenaEngadget日本版より転載)

英国の競争・市場庁が、NVIDIAのArm買収に「競争を阻害するおそれがある」との懸念を示す

英国の競争監視機関は、NVIDIA(エヌビディア)が計画しているチップ開発メーカーのArm(アーム)の買収について、深刻な懸念を示した。

この評価は現地時間8月20日、英国政府によって発表された。同政府は今後、競争・市場庁(CMA)に買収案の詳細な調査を依頼するかどうかを決定することになる。

CMAが政府に提出した報告書の要旨では、この買収が実行された場合、合併後の企業は、NVIDIAと競合する半導体チップおよび関連製品を製造する企業が使用するArmのIP(知的財産権のある設計データ)へのアクセスが制限することで、競合企業NVIDIAの競争力を損なう能力と動機を得ることになるという懸念が示されている。

CMAは、競争がなくなると、データセンター、ゲーム、IoT(モノのインターネット)、自動運転車など、多くの市場でイノベーションが阻害され、その結果、企業や消費者にとっては、製品が高価になったり、品質が低下したりする損害を招く恐れがあると懸念している。

NVIDIAが提案した行動的問題解消措置は、CMAによって拒否された。CMAは合併案について競争の面で詳細な調査を行う「第2段階」に移行することを推奨している。

CMAの最高責任者を務めるAndrea Coscelli(アンドレア・コシェリ)氏は、次のようにコメントしている。「我々は、NVIDIAがArmを支配することによって、NVIDIAの競合他社が重要な技術へのアクセスを制限されるという深刻な問題を引き起こし、最終的に多くの重要かつ成長している市場におけるイノベーションが阻害されることを懸念しています。その結果、消費者が新しい製品を入手できなくなったり、価格が上昇する可能性があります」。

「チップテクノロジー業界は、数千億円規模におよび、企業や消費者が日々利用している製品に欠かせません。これには、経済全体のデジタルビジネスを支える重要なデータ処理およびデータセンター技術や、ロボット工学や自動運転車などの成長産業にとって重要な人工知能技術の将来的な開発も含まれます」。

NVIDIAにコメントを求めたところ、以下のような声明が送られてきた。

私たちはCMAの最初の見解に対応し、政府が持つ懸念を解決することができる機会を楽しみにしています。当社では依然として、この買収がArmとそのライセンス企業、市場競争、そして英国にとって有益であると確信しています。

英国のデジタル・メディア・文化・スポーツ省は、同省のウェブサイトに掲載された声明の中で、英国のデジタル担当長官が現在「報告書全文に含まれる関連情報を検討中」であり、CMAに「第2段階」の調査を依頼するかどうかの決定を「そのうち行う」と述べている。

「この決定を下すための期間は定められていませんが、不確実性を低減するため、合理的に実行可能な範囲で、早急に決定を下す必要性を考慮しなければなりません」と、声明では付け加えている。

この買収案は英国内でかなりの抵抗に直面しており、Armの共同設立者の1人を含む反対派は、合併が阻止されることを求めている。

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画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

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(文:Natasha Lomas、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ハイエンドのレーシングシミュレーターをクルマに積んだまま稼働する「移動型レーシングシミュレーター」が登場。

zenkairacing

ZENKAIRACING

 

レーシングシミュレーターの開発やeSportsチームのマネジメントなどを手がけるゼンカイレーシングが、ハイエースに搭載した状態で利用できるハイエンドレーシングシミュレーター「移動式レーシングシミュレーター」のサービス提供を開始しました。

搭載するシミュレーターは、可動式フレームやディスプレー、レーシングシートに音響設備も備えたフルスペックの据え置き型モデル。従来は移動や設置が困難でしたが、既存品よりも省スペースかつ稼働軸数を増加するなど大幅強化した同社独自の4軸モーターシミュレーターを開発。トヨタ・ハイエース(ハイルーフ、ワイド&ロング)に積んでのサービス提供です。

移動式なので全国のサーキットやイベント会場への出展が可能、さらにシミュレーターを密閉した状態で使えるので「密」を避けた運用もできます。サービスに必要な利用料は「日額15万円+移動交通実費」とのこと。

レーシングシミュレーターというと、PS4やPC向けのフィードバック付きゲームコントローラーやコクピットフレームなど手軽に試せるものもありますが、同社が販売している「TYPE MOTION-PRO基本SIMパッケージ(Win10)」は、泣く子も黙る超「ハイエンド」仕様。

49インチのウルトラワイドモニターやCore i9のゲーミングPC、可動式フレーム、レーシングシートに油圧ペダル、シフトなどなどといった構成例で税別398万円。さすがに個人では手が出ませんが、イベントなどで有料でも試せる機会があるなら、是非とも載ってみたいと思いませんか?

 

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