Florence Healthcareが170万ドルを調達、臨床情報のクラウド化を目指す

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アトランタを拠点とするスタートアップのFlorence Healthcareは、シードラウンドで170万ドルを調達し、製薬会社や病院などの治験実施施設に務める研究者が、クラウド上で臨床試験に関する情報を共有できるような環境をつくろうとしている。

最終的には、関係者が互いに情報を交換するだけでなく、アメリカ食品医薬品局(FDA)とも情報共有を行うことで、患者が切望している治療法を市場に届けるのにかかる時間を短縮できるかもしれないと、Florence Healthcareの設立者兼CEOのRyan Jonesは語った。

これまでホワイトボードや紙の上で行われていたプロセスをデジタル化することで、製薬業界が時間とお金を節約することにも繋がる可能性がある。

「毎年、製薬業界では100億ドルもの資金が、治験実施施設の訪問や、FDAに提出するための書類をまとめたりスキャンしたりする目的で使われています」とJonesは話した。

Florence Healthcareは、紙で情報の記録や回覧を行い、患者をオフラインで処置しながらカルテや研究レポートをまとめることに慣れている研究者が、違和感なく利用できるようなソフトの開発に努めていた。

さらにJonesによれば、最近のバイオテック界でのブレイクスルーによって、新薬の効能や安全性に関する臨床試験を行う、研究機関や「治験実施施設」の業務量が大幅に増加していた。

2014年のFlorence Healthcare設立以前、JonesはPubgetと呼ばれるコンテンツ検索ベンチャーの社長を務めており、同社は2012年にCopyright Clearance Center Inc.によって買収された。Pubgetのおかげで、大手製薬企業は、数ある情報の中でも600以上の医療機関から発表された研究論文にアクセスできるようになった。

Florence Healthcare CEO Ryan Jones

Florence Healthcare CEOのRyan Jones

Bee PartnersがFlorence Healthcareのシードラウンドにおけるリードインベスターとなり、Bessemer Venture Partnersや、ダートマス大学の卒業生から成るGreen Dのファンドのほか、Fitbitの技術部門のヴァイスプレジデントであるWill Crawfordがラウンドに参加した。

Bee Partnersの共同設立者兼CEOのMichael Berolzheimerは、Florence Healthcareが良いタイミングで市場に参入したと語っていた。

というのも、FDAの規制により、2017年の5月までに各社は臨床試験の情報を紙ではなくデジタルで管理・申請しなければならないのだ。

Berolzheimerは、Florence Healthcareが今回の調達資金を、Florence eBinder Suiteと呼ばれる「統合垂直型ワークフローシステム」の採用数を増やし、同システムが、事務担当者から臨床試験のリーダーまで利用する人全員にとって簡単なものであり続けるような開発を行うために使うべきだと語った。

さらに彼は、「長期的に見れば、Florence Healthcareは、製薬業界のバリューチェーン上に存在する全ての人に対して、新たなデータやサービスの供給方法をみつけることができるかもしれません。彼らは、FDAや新薬開発のさらに上流工程をサポートできる可能性を備えています」と話した。

Florence Healthcareのユーザーには既に、カリフォルニア大学サンフランシスコ校Mt. SinaiやSloan KetteringのPCCTC Cancer Research Centerなど、医薬品や医療機器の開発者に人気の機関が名を連ねている。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

スマートウォッチのiBeatが150万ドルを調達、「身につけたくなる」心拍計の提供を目指す

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サンフランシスコのスタートアップiBeatがスマートウォッチの製造に向けて150万ドルのシード資金を調達した。このスマートウォッチは着用者の心拍数を常時モニタするもので、心拍が検出されなくなると着用者の無事を確認し、必要に応じて近親者と緊急通報用番号に通知してくれる。

ファウンダー兼CEOのRyan Howardは、電子カルテ関連ベンチャーPractice Fusionのファウンダーで前CEOでもある。彼は、まだ40歳ほどだった友人を心停止で亡くしたことがiBeatを設立する動機になったと語る。

Howardによれば、iBeatは典型的なスマートウォッチや心拍・脈拍計アプリを超えた測定能力を備え、フィットネス用リストバンドとは異なり、昼夜問わず一日中快適に身につけられるように開発したという。

iBeatは1秒間に2回、パルスオキシメトリ(血中酸素濃度)のほか、心拍間隔やその他の変動などの「心臓の働き」を測定する。しかもこのウォッチはスマートフォンから独立して動作するようになっている。

また、iBeatでは着用者に関する医療データの一覧を表示し、そのデータを緊急通報の担当者や救急医療士を含め、処置に関わる医療担当者に役立ててもらうことも可能だ。

iBeatウォッチを通じて表示・送信されるデータは、アレルギーや処方薬、深刻な既往症などの医療情報を金属製のブレスレットに刻印して身につけておくものと感覚が近いかもしれない。

着用者がケガや命に関わるような状況にさらされた際には、iBeatの画面をスワイプするだけで近親者と医者に知らせることもできる。

iBeatは、Life AlertやPhilips社のLifelineComfort Keepers社のSafetyChoiceなどの個人用緊急応答システム(PERS)に挑み、あるいはそれらに取って代わるだろうとHowardは語る。

PERS機器の多くは、しゃれたウェアラブルではなく、見かけも着け心地も医療機器めいている。Howardは「身につけていても人間としての尊厳が失われないような製品を市場に提供したいと願っていました」という。

iBeatのユーザーエクスペリエンス研究者は、本来PERS機器を身につけるべき人々が、まるで病人になった気がする、病人のように見えるという理由で機器を着用したがらないことを発見した。

そこで同社はサンフランシスコのデザイン事務所Ammunition Groupと工業デザイン面で協働することになった。同事務所はビーツ ヘッドホンの立役者で、iBeatに出資もしている。

iBeatのシードラウンドを率いたのはMaveronSubtraction Capital、および Correlation Venturesだ。その他投資家にはAli & Hadi Partovi、Russell Okung(現役NFL選手)、Henry Kravis(KKR共同設立者)、Band of Angelsなどが名前を連ねる。

CEOであるHowardは、今回の資金は研究開発のほか、iBeatスマートウォッチの初回製造およびマーケティングに使う予定だと述べた。現在従業員12人を抱える同社では、クラウドファンディングのキャンペーンを実施してiBeatを広めると同時に、運用資金の追加調達を行う意向だ。

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(翻訳:Ayako Teranishi)

GlaxoSmithKlineとGoogleのライフサイエンス部門がバイオエレクトロニクス医療の研究企業を合弁で立ち上げ

大手製薬企業のGlaxoSmithKlineは二週間前に、AppleのReasearchKitを使って関節炎の研究を行うと報道されたが、今日は、Alphabet傘下の元Google Life Sciences、現Verilyとの合弁企業Galvani Bioelectronicsを創る、と発表した

出資比率、GSK 55%、Verily 45%のこの会社は、バイオエレクトロニクス(bioelectronics, 生体電子工学)医療を研究する。それは小さなデバイスをインプラントして、電気信号により神経のインパルスを変える、という療法だ。この医療はとくに、関節炎や糖尿病、喘息などに有効、と考えられている。新企業は最初、2型糖尿病のような疾患を研究対象とする。

Galvaniの業務の多くはイギリスにあるGSKのR&Dセンターで行われ、副次的研究センターとしてAlphabet母艦の近く、Verilyのサウスサンフランシスコオフィスが使われる。今後、反トラスト関連の承認が必要だが、両社は年内に合弁は成立すると信じている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

不妊診断に取り組むPhosphorusが1000万ドルの資金を獲得

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DNAの塩基配列決定の効率が向上してより安価になるにつれ、多くの企業がその領域に誕生している。そのうちでも、最近設立されたPhosphorusがFirstMarkの主導でシリーズAで1000万ドルの資金を調達した。

Phosphorusは実はゲノミクスを専門とする企業であるRecombineからのスピンアウトだ。Recombineは昨年、CooperSurgicalに8500万ドルで買収された。

Alexander Bisognano率いるRecombineは医療診断を提供する会社だ。子供を作ろうとしているカップルの遺伝子配列を調べ、それらが生まれてくる子供にどのような影響を与えるかを診断する。これらには先天的疾患や病気に関連した劣性遺伝子の情報などが含まれる。

先の売却に関しては、Recombineは医療テストそのものを、その販路を拡大する目的でCooperSurgicalに売却したが、ソフトウェアのプラットフォームとデータマップは手元に残した。

現在BisognanoはRecombineで得られたデータマップを次のベンチャーであるPhosphorusで利用しようと目論んでいる。

Phosphorusが取り組むのは様々な局面での生殖に関する問題で、子供を作りたいカップルに関して不妊の原因として考えられるあらゆる可能性に関してのテストを行う。このテストによりカップルは不妊に結びつく行動を慎んだり、または安心して子作りに取り組んで大丈夫というゴーサインをもらったりする。
同社には、これまでPhosphorusやRecombineで行った検査結果の蓄積がある。これらのゲノムデータは顧客が匿名を条件にグループ内でのデータ共有を許可したものだ。Phosphorusはこれらのリソースにアクセス出来るおかげで、他のテストでは見逃す可能性のあることまで検出可能だ。

FertilityMapWithDesign多くの医師や臨床研究者が直面していることなのだが、難しいのは、何かを新規に発見してもそれが本当なのかを確かめるのに必要な十分なサイズのデータセットにアクセスできない、もしくは巨大なデータセットがあっても必要な情報をそこから取り出してくることが出来ない、という点だ。

PhosphorusのFertilityMapを使えば、医師と研究者はPhosphorusの製品を利用して研究を進めることができる。その一方で、不妊治療クリニックやその患者が利用できるのは、得られたデータや、データを解釈し、さらには遺伝子と健康の直接の関連を理解するためのリソースだ。

以下、Phosphorusのウェブサイトからの引用:

これまでの不妊検査ではせいぜい1、2か所の遺伝的要因をチェックするだけでしたが、FertilityMapではもっと大規模な多変数的アプローチを採用しています。検査を行う際は、本人の履歴、これまでの妊娠の有無、家族の病歴などを考慮して、何百もの臨床的変数と何千もの遺伝的変数を解析します。FertilityMapは、予測的アルゴリズムの開発を通じて不妊原因および予後の診断とその治療に関する有用な情報を引き出すもので、妊娠を望む、より多くの家族の手助けになればと考えております。

もっと詳しく知りたい人はPhosphorusのウェブサイトへ。

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(翻訳:Tsubouchi)

Withings社の「洗練された」スマート体温計が発売

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この度、フランス企業のWithingsは、CESにおいてWithings Thermoの発表を行った。Withingsはすでにノキアにより1億9000万ドルで買収されている。Withings Thermoは体温の変化を追える、100ドルのスマート体温計だ。本日(訳注、7月19日)より、アップルストア、アップルとWithingsのウェブサイトで発売される。

Withings Thermoは側頭部動脈の温度を測定する装置で、今日手に入る最高の体温計だろう。側頭部の動脈の温度を使い体温を測る。操作は、装置をこめかみに置き、ボタンを押し2秒ほど待つ、たったそれだけだ。

実際の装置内部では、この体温計は16の赤外センサーを備えており、2秒間に4000回もの測定を行っている。これこそが、この装置が昔懐かし体温計よりずっと正確な理由だ。また、この体温計は小さなディスプレーに体温を表示するが、実際のところその機能は単なる体温計の域を超える。
この体温計はBluetooth経由でWi-Fiネットワークや電話に接続可能なので、熱が長引いている場合は、体温の時間的推移をモニターすることが容易だ。

また、子供がいる場合は、複数のプロファイルを作成し、例えばイブプロフェンをいつ服用したかなどを記録しておくことができる。また、赤ちゃん成人を問わず、使用可能だ。FDAの認可を受けているおかげで、ボストン小児病院の開発した、発熱診断ツールであるThermiaを使って子供の発熱の処方にも取り組んでいる。

たとえこの体温計をスマホに接続しない場合でも、それ自体がなかなか良い装置だ。小さなディスプレーが備わっているので、スマホがなくてもちゃんと使える。

AAA規格の電池2個で、2年ほど作動するため、使うたびに電池交換する必要はない。

Withings Thermoは現在アメリカのみで販売されているが、すぐに世界中で手に入るようになるはずだ。同様に、Withings Thermoは他の店舗からも入手できるようになるだろう。同社とアップルは製品発売に際した一過的な独占販売の契約を交わしているからだ。

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(翻訳:Tsubouchi)

パーキンソン病患者の状態を終日チェックするウェアラブル(+補助アプリ)XEED、徐々に投資家の関心が集まる

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物のインターネットや、とくにウェアラブルは、その誇大な約束にまだ達していないと思うが、パーキンソン病で苦しんでいる人たちの助けにはなるようだ。ペンシルベニア大学工学部の二人の学生が、その可能性を追究するために会社を興した。会社の名前を、XEEDという。

その二人、Sade ObaとAlfredo Munizはヒューストン出身、子どものころからご近所同士で、大学に入る前から、テクノロジーを保健医療方面に活かすことに関心があった。パーキンソン病の治療にウェアラブルが使えるのではないか、という考えは、大学入学後に芽生えた。Obaは機械工学、そしてMunizは電気工学専攻だ。

“二人ともロボット工学を主に勉強しているので、家庭用の移動するスマートホームロボットに関心が向いた”、とObaは言う。“しかし最初に作った製品があまり受けなかったから、専門家にアドバイスを求め、センサーの数を大幅に減らして、人の動きを追跡する用途に特化した”。

パーキンソン病には、間欠的な震えが伴う。それは薬や物理療法でコントロールできるが、震えがいつ起きるか分かればもっと良いし、また患者の、病院へ行くこと以外の行動も知りたい。

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XEEDのブレスレットふうのウェアラブルはユーザーの手足を終日チェックし、震えが起きる時間や震えの強さを知り、またユーザーの自発的な動きの範囲も分かる。そのデータは介護者がアクセスするだけでなく、スマートフォンのアプリに送られて、いろんなアドバイスをしたり、またユーザーが自分の症状改善の進歩を知ったりする。

Obaは大学で作ったビデオの中で、“患者はスマホアプリの情報から、日常の生活や活動の何をどう変えるべきかを理解する”、と言っている。

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データは、患者個人と物理療法士と医師が利用するが、蓄積されてデータベースに入ると研究者のためにも役に立つ。

“今は三つ目のプロトタイプを設計している段階だ”、とMunizは言う。“プロトタイプは50作り、それを小さなグループで2週間テストする。実際に彼らはどんな着け方をするのか、LEDの表示は役に立っているか、充電を忘れることはないか、アプリのどこをどう変えるべきか、などなどをチェックするんだ”。

だんだん完成に近づいているようだが、最終的にはFDAの認可が必要だ。そのお役所では、彼らの製品が医療補助具として評価される。本格生産までまだ道のりは遠いが、小規模な研究はもちろん続けられる。

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二人は昨年、大学の起業支援制度“イノベーション学長賞”により、20万ドルの資金を獲得した。だから、まだまだ当分、研究開発を続けられる。

“数社の投資家も関心を示しているから、ピンチになったら頼ろうと思う”、とMunizは語る。“でも今は、NSFNIH(SBIR)の助成金が欲しいね”。

XEEDは、地元のパーキンソン病リハビリセンターとパートナーしている。今月の終わりごろには、支援などに関してMichael J. Fox Foundationとの話し合いを持つ予定だ。〔Michael J. Foxはパーキンソン病の闘病生活で有名。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

スマホがジカ熱の特効薬に?

SAO PAULO, BRAZIL - MARCH 04:  Aedes aegypti mosquito, the species which transmits the dengue virus, chikungunya fever and zika is photographed on March 04, 2016 in Sao Paulo, Brazil. (Photo by William Volcov/Brazil Photo Press/LatinContent/Getty Images)

【編集部注:本稿の執筆者、Shawn DuBravacはConsumer Technology Associationのチーフ・エコノミストでDigital Destiny: How the New Age of Data Will Transform the Way We Live, Work, and Communicateの著者】

スマホは現代の生活においてさながらデジタル版スイス・アーミーナイフのような存在となった。単に電話としての役割を超えて、写真やビデオを撮影したり、物を購入したり、ソーシャルネットワークに接続したり、街で道案内をしてくれたり、考え得るあらゆる目的のために、時には考えもつかないものも含めて使用されている。アプリを使うのもスマホ上だ。

今日のスマホは極めて強力なマイクロコンピュータだ。驚くべきことには、現在、このデバイスの計算力が集団でひとつにまとめあげられ、さらにすごい目的に使われつつある。その目的とは、ジカウィルスに対する治療法を見つけ出すことだ。

我々のほとんどは、この小さな奇跡とでもいうようなデバイスをポケットやパースに入れて普段持ち運んでおり、もはやスマホなしの生活など想像すらできない。その依存度たるや、オバマ大統領によるとそれはもはや「崇拝」といったレベルのもののようだ。しかし大統領も#OpenZikaプロジェクトのニュースを聞けば見方を変えるかもしれない。

IBMのWorld Community Gridの研究プロジェクトは、ボランティアのコンピュータ、アンドロイドのスマホ及びタブレットのネットワークを仮想的なスーパーコンピュータに変えてしまおうというものだ。

ボランティアがWorld Community Gridのアプリをダウンロードすると、研究者はそのデバイスにアクセスして演算を実行することができるようになる。蚊に媒介されるジカウィルスを撃退するには抗ウィルス剤が必要だが、その演算はジカに対する抗ウィルス剤を製造するために必要な化合物に関する仮想実験を行うためのものだ

Consumer Technology Associationの研究によると、世界中では大体26億のスマホが使われており、さらに14億のスマホが毎年売れている。先進国の多くでは、スマホの総数は人口より多く、世界の最僻地でも所有率は増加の一途を辿っている。

スマホ人気の陰で固定電話の契約数は下降の一途を辿り、アメリカでは遂に世帯数の50%を割り込むまでになった。また、スマホは何百万ものデジタルカメラのシェアを切り崩している。つい最近の2011年の時点では80%のアメリカ人はデジカメを所持していたが、今日その比率はたったの61%だ。つまり我々は迅速かつ熱狂的にオンライン、オフラインの両方においてスマホに移行しているのだ。

仮想的ドラッグスクリーニングは今日のスマホが実現できる最新ワザのひとつだ。そんなことまでできるとは。

我々が暮らしている空間では、互いに繋がった何百億ものデバイスがあらゆる場所に現れ、公共および私的な空間で日常的に存在している対象を次々に置き換えている。例えば、パーキングメーターや消火栓、自転車ラックや道路、自動車や家のドアの鍵がどんどんインターネットに繋がっている。カメラやマイクロフォンや各種センサーが実際の居住空間と一体化している。

大概のカメラやマイクロフォンはオンデマンドで動作するものだ。すなわちユーザーがデバイスに次どうするかを指示する必要がある。これらのデバイスがデジタル化し、さらにインターネットに接続され「センサー化」すれば、これまでそこにあったが特に利用されず放置され、デジタル情報として利用し得なかったデータを、今度は体系的に取得し始めることが可能になる。

そこにこそ強力なパワーが隠れている。そしてこれこそがWorld Community Gridの着眼するところであり、そのパワーを利用することでこれまでマラリア、エボラ、結核や様々な病気の研究が行われてきた。

#OpenZikaプロジェクトにより研究者はボランティアの提供するデバイスを使って演算を実行させてもらうが、持ち主がデバイスを利用する際に悪影響が出ることはなく、そのせいで持ち主のデータの安全性が損なわれた例はこれまで報告されていない。同時に、このプロジェクトで研究者が手にする演算力はスーパーコンピュータの演算力をも霞ませるほどのものだ。これは、スーパーコンピュータが誰にでも利用できるものではないという点と関係がある。

ラトガース大学の新興・再興病原体センターのAlexander PerrymanがCNBCに語ったところでは、研究者がいわゆる一般的なスーパーコンピュータを使うことができるのはたった数万時間、それは中央処理装置の実行時間で数十万時間に相当する、という。一方でWorld Community Gridであれば3万年相当の中央処理装置の実行時間が手に入る。

ジカ熱の治癒に役立つ化合物を探索するには、何千万種類にも及ぶ化合物を計算評価する必要があるが、World Community Gridプロジェクトはその過程を効率化し、計算にかかる時間の短縮に貢献するだろう。ジカ熱は致死率そのものは低いものの、妊婦が感染した蚊にかまれると赤ちゃんに先天性異常が引き起こされる可能性がある。

仮想的ドラッグスクリーニングは今日のスマホが実現できる最新ワザのひとつだ。そんなことまでできるとは。そして次に何が来るだろうか。大いに注目したい。

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(翻訳:Tsubouchi)

微生物からなんでも作り出すGinkgo Bioworksが1億ドルを調達、合成DNAの大量購入のため

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Ginkgo Bioworksはポストンに拠点を置くバイオテックのスタートアップで、微生物からありとあらゆる種類の香料や調味料を作り出している。この度Ginko Bioworksは6億ベースの製造されたDNAを入手するため1億ドルの資金をシリーズCのファンディングで獲得した。Ginkgoによるとこれは「これまで購入された合成DNAとして最大の規模」だという。

同社はその何百万ベースもの遺伝コードを使って新しい領域に乗り出そうと計画している。例えば、「汎用の化学薬品、工業用酵素、保健医療」などの市場だ。

新たな資金は全て現金で、これでGinkgoがY Combinatorでローンチしてから2年足らずで得た資金の合計は1億5千4百万ドルにもなる。これはY Combinator発のスタートアップの中でもトップ10に入る額だ。

この新しい形態のバイオテック、つまり薬品製造がらみではないバイオテックは、2014年になって、DNA合成コストの劇的な低下に伴い俄然ヒートアップしてきた。GinkgoはY Combinatorが投資した最初のバイオテックスタートアップの内の一つで、今なお競合相手がほとんどいない。数少ない競合相手の中には、西海岸で似たような業務を行うZymergenがあり、微生物のDNAを操作し消費者向け材料を大量生産することを目標に、今日までに4500万ドルの資金を調達した。

このラウンドの資金はYCのContinuity Fund、Senator Investment Group、Cascade Investment、Baillie Gifford、 Viking Global Investors、Allen & Company LLCより調達した。Viking GlobalはシリーズBのリードインベスターでもあった

Ginkgoは現在調味料、香水、食品産業のための商品を製造しているが、DARPAとも共同でプロバイオティックを製造しており、それはアメリカ兵が海外でお腹の調子を崩した時、整腸するためのものだ。しかし同社は昨年から他の産業分野への事業拡張を視野に入れ始めた。

Ginkgoは2015年の春に、1億ベースのDNAを購入し新しい製造分野に進出すると発表したが、それ以来その量を6億ベースに引き上げ、Twist BiosciencとGen9と業務提携し合成DNAの供給を受ける。Twistは少なくともその内の4億ベースを2017年の内に納入すると誓約している。

Ginkgoはさらに資金の一部をBioworks2を建てるのに使う予定だ。Bioworks2は7万平方フィートの広さを持つ新しい自動化された設備で、GinkgoでデザインされたDNAのプロトタイプをテストし新しい製品を創出する場所だ。その製品とは共同設立者のJason Kellyが言うところの「テックが見捨てたバーティカル製品」、例えば栄養や製薬業など。

「これらの産業はソフトウェアのように根本的に破壊的ではないのでとてつもなく大きなチャンスがあります」とKellyは言う。「生物をデザインすることがもっと上手く行き出せば、なんでも作れるようになります。そうすれば、これまでのテック産業が近づくことのできなかったセクターを崩せるのです」

Ginkgoは既にこれらの産業分野で多くの新しい製品を作っており、Kellyによれば、今回の資金は、Bioworks2が完成するのに伴い、Ginkgoがこれまでしてきたのと同様のことを今後も継続して行ってゆく上での助けとなるということだ。

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(翻訳:Tsubouchi)

WHILLが新たに約20億円を調達、電動車椅子の枠を超えたパーソナルモビリティ事業に取り組む

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「次世代パーソナルモビリティ」の開発を手がけるWHILLは本日、総額1750万ドル(20億円弱)の資金調達を行ったことを発表した。Eight Roads Ventures Japan(旧Fidelity Growth Partners Japan)をリード投資家とし、未来創生ファンド、ゴールデンアジアファンドⅡ等が参加している。また、Eight Roads Ventures JapanのDavid Milstein氏がWHILLの社外取締役として就任すると発表した。今後、電動車椅子に留まらず、WHILLが掲げる「次世代パーソナルモビリティ」の普及を目指し、新たにシェアリング事業なども手掛ける計画だ。

TechCrunch Tokyo 2012のスタートアップバトルの優勝者でもあるWHILLは、ソニー、トヨタグループ、オリンパスなどメーカー出身のエンジニアを中心とするチームだ。CEOの杉江理氏も日産自動車出身だ。彼らが最初に取り組んだ「WHILL Type-A」は、手動の車椅子にモーターをアタッチする形式だった。その後、現在のモーターと車輪が一体型の「Model A」を開発し、2014年9月から一般販売を開始している。「Model M」は、アメリカでFDAの認可を得るために「Model A」の仕様を一部変更したモデルとWHILLの広報担当者は話す。FDAの認可を得ることで、医師が処方することができるようになり、保険も適用されるようになるという。「Model M」はFDAの電動車椅子としての要件をクリアするため、主に変更したのは背もたれの部分だ。様々な症状の患者に合わせてカスタマイズできるよう変更しているという。また「Model A」ではBluetooth経由でiPhoneアプリから車椅子を遠隔操作することが可能だが、「Model M」にはそれがない。いかなる環境でも安全、安心を追求するFDAの基準に則すためという。

2016年2月、FDAから商品の認可が下りたとWHILLの広報担当者は話す。現在、FDAによるWHILLの製造現場の調査が行なわれていて、順調に進めば7月からアメリカで「Model M」の一般販売を開始できる予定だという。アメリカのユーザーは代理店経由で車椅子を扱う約50店舗からWHILLを購入できるそうだ。

今後WHILLは、シェアリングサービスなどの事業開発を検討しているという。例えば、自転車の貸し出しやカーシェアリングのように、駅付近やアミューズメントパークなどの施設内でパーソナルモビリティを活用した事業を考えているそうだ。それに伴う機能開発、例えばパーソナルモビリティが自動で当初あった場所に戻るなどの自律走行機能などの開発を行うことも視野に入れているという。

今回Eight Roads Ventures Japanをリード投資家に迎えたのは、新たな事業を展開を行うためのアライアンスや機能開発で協力できる企業を探すためのネットワークに期待しているためという。また、主要市場と位置付けているアメリカ市場での販売強化と認知度の向上を図るための協力を得られることも理由の一つと話す。WHILLの2015年度の販売実績は日米合わせて500台だったとし、2016年度はその2倍、1000台の販売を目指す計画だそうだ。

WHILLは「電動車椅子という枠に超えて、新たな乗り物を提案していきたい。そしてこれに乗るのは楽で、かっこよくて、クールであるという認識を広めたい」と話している。2012年5月に正式に法人化したWHILLはこれまでに総額約1285万ドルを調達している。今回の調達で累計調達額は約3035万ドルとなった。

誰でもDNA折り紙の達人になれるアルゴリズムが開発された

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高さ数インチのものをプリントしたいのなら、プラスチックを押し出して成形すれば良い。しかし、ナノスケールのものが必要ならDNAを使うのが良いだろう。でも、DNA1塩基単位でデザインして組み上げる時間のある人などそうそうはいない。しかし、今回の新しい研究成果を使えば、形さえ決めればあなたもDNA折り紙の達人になれる。A、T、G、Cをどのような順番で並べれば良いかはアルゴリズムが全部決めてくれるのだから。

DNAの構造は単純な二重らせんのみである必要はない。塩基の順番をいじくったり他の分子を入れ替えたりすることで、DNA鎖を右に鋭く旋回させたり、こちら向きやあちら向きに曲げたり出来る。また、深い洞察力があれば、一本鎖のDNA鎖を撚り合せ畳み込んで、有用な幾何学的構造体を作る事も出来るのだ。

そういった構造体はドラッグデリバリー (訳注:薬を体内でターゲットとなる部位まで一旦輸送してから放出する技術)に使ったり、CRISPR-Cas9の遺伝子編集因子のようなツールを内側にセットしたり、さらには情報を格納したりするのに使うことが出来る。

しかしこれまでの問題としては、例えば12面体をデザインするというのはとんでもなく複雑なことで、そのような何千塩基対にも渡る複雑な分子を人の手で組み上げることは事実上不可能だった。MIT、 アリゾナ州立大学、ベイラー大学の研究者たちはまさにその問題の解決を試み、その成果が本日、サイエンス誌に公開された

「この論文によりこれまでの問題は180度反転することになるでしょう。つまり、これまでは構造体を合成する際、専門家がそのために必要なDNAをデザインしていました。しかし、これからは構造体そのものが開始点なのです。その為に必要なDNAの配列は自動的にアルゴリズムにより決定されます」と、MITのMark Batheはプレスリリースで述べた

基本的に、ユーザーは閉曲面を持つ3次元の形状をプログラムに指定するだけで良い。それは多面体や、もう少し丸みを帯びた、例えばトーラスや、もう少し対称性のないティアードロップ状のものでも良い。相応の仕様の枠内でデザインする限り、一旦デザインをコンピューターに渡してしまえば、ユーザーはそれ以上何もしなくて良い。

今回研究者たちが創り上げたアルゴリズムは、その構造体の枠組みを形成する為にDNAをどのような塩基配列で並べれば良いかを厳密に決定してくれる。それは一本鎖DNAであり、それ自身が曲がり撚り合わさって3次元的形状を形成する。アルゴリズムにはDAEDALUSというカッコいい名前も与えられた。DNA Origami Sequence Design Algorithm for User-defined Structuresから来たものだが、 頭文字的にあまり合ってないのはご愛嬌だ。

どんな形状で試しても魔法のようにうまく行く。もちろん、実際に狙った3次元の形状が形成されているかは低温電子顕微鏡を使った単分子3次元解析により確認している。
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医学や遺伝子編集分野での利用価値は明らかだが、研究者たちが望んでいることは、このテクノロジーが急速かつ劇的に利用しやすくなることにより、前述の領域の枠に留まらない新たな利用法が創出されることだ。

例えば、DNAを使った情報保存はこの技術により飛躍的に簡便になる可能性がある。このアルゴリズムを使うことで極めて独自性の高い構造を作り、その一部をバイナリーデータを書き込むのに使用することが出来るようになるかもしれない。要するにそれはDNAで出来たナノスケールのROMディスクという訳だ。なんと素晴らしい。

「この複雑なプロセスを自動化することにより、この極めて強力な分子デザインの枠組みを利用する人が飛躍的に多様化することを願っています」とBatheは言った。

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(翻訳:Tsubouchi)

Toyotaと発明者Dean Kamenがパートナーして階段を上れる電動車いすiBOTを復活へ

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たしかにiBOTは、時代に先駆けていた。ホワイトハウスの大統領執務室で発明者のDean Kamenがその電動車いすに座り、横に当時のクリントン大統領が立ってる15年あまり前の写真を今見ると、奇異な感じすらする。

その、移動用デバイスの能力は、今見ても感銘を受ける。階段を上り下りできるし、ガラスや砂の上でも動ける。シートは上下するので、立っている大人と対面で会話できる。

その後Segwayを発明したりもしたKamen は、その電動車いすを復活させたいと思うようになったが、今日まで、それがなかなかできなかった。そして今度、発明者の企業DEKAとToyotaが合同で、プロジェクトを復活させることになった。

 

“iBotの良いところを生かしつつ、15年間の技術の進歩で改良できるところは改良したい”、とKamenは発表を告げるビデオで語っている。ToyotaがDEKAの技術をライセンスする形で、iBotのニューバージョンを市場に出す。顧客には、リハビリ治療などのサービスも提供する。

 

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

食べ物中のグルテンを検出する6SensorLabsが$9.2Mを調達、そのほかのアレルゲン検出にも取り組む

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Nimaは、CES 2016で好評だった。この小さなグルテンセンサー〔上図〕は本誌主催のHardware Battlefieldで優勝し、テクノロジー系のメディアがこぞって取り上げた。そのNimaが今日(米国時間5/19)、シリーズAで920万ドルの資金を調達し、グルテン以外のアレルゲンの検出にも取り組むことになった。そして実は同社は6SensorLabsという社名だったが、これからは製品名であるNimaを、社名にすることになった。

この資金調達ラウンドはFoundry Groupがリードし、Upfront Ventures, SoftTech VC, SK Ventures, Lemnos Labs, Mitch Kapor, それにNestの協同ファウンダーMatt Rogersが参加した。Foundry Groupの専務取締役Brad Feldが、Nimaの取締役会に加わった。

CEOのShireen Yatesはこう語る: “Nimaのビジョンは、誰もが自分の食べ物のリアルタイムデータを入手でき、誰もが、今自分が体に何を入れようとしているのか正確に分かる世界を築くことだ。新たな資金によりわれわれの技術の能力を拡大し、全世界における、食べ物の透明性を求める需要の高まりに対応できることに、喜びを感じている。今回の資金が投じられるのはR&Dの方面、とくに、ピーナッツとミルクなど、グルテン以外の物質をテストできるセンサーの開発だ”。

一方、同社の最初の製品であるグルテンテスターは、今、ベータの最終段階に入り、今年後半には発売できる予定だ。

本誌Startup AlleyにおけるNimaのプレゼンテーション

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

豚の腸で作った折りたたみ式小型ロボットが誤飲した電池を取り出す…MITや東工大らの研究

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MITとシェフィールド大学と東京工業大学の共同研究チームが、William BurroughsのSF小説にありそうなプロジェクトを進めている。乾燥させた豚の腸で作った小さな折り紙状のロボットをカプセルに収めて飲み込むと、それが体内でアコーディオンのように開く(上図)。

胃の中でその小さな‘肉ロボット’はスティック-スリップ的に動きまわり、周囲との摩擦を利用して自分を前へ進める。操縦は、磁石の磁界が行う。磁石の機能は二つあり、その残る一つは人が飲んだ小さな電池を拾い上げる。

電池の誤飲という事故は、意外と多いようだ。MITによると、合衆国では毎年、3500個の時計用電池が誤飲されている。一部はウンチと一緒に排泄されるが、胃や食道の組織を傷つけるものもある。そこで研究者たちは、小さく折りたたんだロボットを使う、という解決方法を思いついた。

この話には、豚がさらに関係している。研究者のShuhei Miyashitaはこの独特な‘ロボット技術’の可能性に着目し、ハムの小片の中に電池を入れてみた。共同研究者のDaniela Rusによると: “電池の成分は30分で完全にハムに溶融した。そこから重要なことを学んだ。電池を誤飲したら、できるだけ早くそれをとり出さなければならない”。

またチームは、テスト用に模造の胃を作るときも、寛大な豚さんに依存した。豚の胃で、消化の過程を理解したのだ。しかしその後は、シリコンで胃の模型を作り、水を入れ、味付け胃液としてレモンジュースを加えた。

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CTやレントゲン画像からの症状検出を人間医師/技術者より正確に行う機械学習ソフトウェアBehold.ai

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Jeet Rautのお母さんは、乳がんの完治を告げられた。でも、それは誤診で、再び治療が必要になった。

今では良くなっているけど、その誤診で彼女の命が奪われたこともありえる。そこでRaut は、体の中の、医療を要する異状を見つけるための、もっと良い方法を作ろう、と思い立った。

彼と、協同ファウンダーのPeter Wakahiu Njengaが作ったBehold.aiは、がんの早期発見を助け、診断における人的エラーを最小化する。

“Behold.aiの基本的なねらいは、効率を高めること”、とRautは、TechCrunch Disrupt NY 2016のStartup Battlefieldで述べた。

イギリスのオンライン医学誌BMJ(British Medical Journal)によると、合衆国では人間の死因の第三位が医療過誤だ。しかもX線による体のスキャンは、年々より多く行われるようになっている。その回数は2012年以降三倍に増え、 患者1000人あたり149回のCTスキャンが行われている。画像の中の、小さな異状が見過ごされる危険性も、当然増えている。

“今の医師は多くのデータを利用できるようになっているが、そのためにレントゲン技師が読むべき画像の量も膨大だ”、とRautは問題を指摘する。

そこでRautとNjengaは高度な機械学習の技術を利用して、同じことをプログラムがもっと上手に速くできるようにした。

二人ともコロンビア大学卒だが、Njengaはその後UC Berkeleyで学び、Facebookで機械学習のソフトウェアエンジニアとして働いた。Rautはイリノイ大、スタンフォード大と進み、後者のComputers and Cognition Labで長寿について研究した。

Behold.aiを支えているのは、二人のこれまでの研究歴だ。たとえば数百人もの健康な肺と健康でない肺のレントゲン写真を、機械学習のソフトウェアに読ませる。そうやって問題を見つけられるよう訓練し、さらに時間をかけて改良していく。

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それは、人間の医師やレントゲン技師に比べて、どれぐらい優秀か? Rautは、彼らのアルゴリズムが100%正確ではない、と認める。感触としては、精度は85%ぐらいだそうだ。

“最初は現状の精度を維持しながら医師の効率をアップすることをねらっていたが、でも徐々に、医師の診断の精度をアップする方が重要、と思うようになった”、と彼は語る。

信頼、という問題もある。病院には官僚主義の塊のようなところがあり、なかなか新しい技術を採用してくれない。しかし今Rautは、いくつかの大きな病院に、今後のパートナーシップを働きかけている。

Behold.aiにとっては、IBMのWatsonやそのほかの、医療への進出をねらっているAIプロダクトがコンペティターだ。またもちろん、FDAの認可を得ることも課題だ(IBMは議会にもWatsonの医療利用とその認可を働きかけている)。

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人命救助に役立つチャットボット「911bot」

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緊急事態に遭遇した時、何をしていいか分からないかもしれない。頭では分かっていたとしても、パニックになってしまうこともある。

911botはニューヨークのDisrupt Hackathonで開発されたプロダクトで、緊急時での対応をサポートすることを目的としている。

Facebook Messengerベースのこのチャットボットは、当局に緊急事態であることを簡単な画像ベースのインターフェイスから伝えることができる。このシステムから当局に連絡している間、ボットは情報やメディア(画像や写真など)でその状況でどのように行動すべきかといった内容を提示する。

例えば、よくある緊急事態の連絡は交通事故に遭遇した時だ。

交通事故を911botから連絡すると、システムが自動で911(アメリカの緊急通報用番号)に連絡し、位置情報と共にユーザーの要請を伝える。ユーザーは他にも動画や写真を受け取り、何をすべきかや何をすべきでないかの情報を得ることができる。

例えば交通事故の場合、事故に遭った人を動かしてはならない。脊椎が損傷している可能性があり、動かすことで状態が悪化する場合もあるからだ。

他にも、例えば心停止に陥った人がいる場合、迅速に救命措置を行う必要がある。911botは心肺蘇生法のやり方をユーザーに送付する。このチャットボットのファウンダーの1人はTechCrunchに対し、心停止から5分以内に心肺蘇生を行うことは5分後に行う場合より患者が生き延びる可能性が5倍高いと説明する。

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この違いは生死を分ける。

911botはFacebook Messenger API、位置情報のためにESRI、そしてTwilioを使っている。
911botについてさらに詳しく知りたい人は、 このウェブサイトを見てほしい。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

わずか1ドルの紙の上で約2時間でジカウィルス感染を検出できる合成生物学的技術をMITが開発

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その日、メディアへの対応に追われていたMITの生物医学工学の教授Dr. James Collinsによると: “これはわれわれのグループにとって、何かの大感染が急激に勃発したとき、どれだけ早く対応できるかを知るための、興味深いケーススタディになった”、という。その日5月6日に発表された論文は、今感染が広まりつつあるジカ・ウィルス(Zika virus)を診断する、安上がりで、結果が出るのが早くて、効果的なツールを詳述していた。

Collins博士は話を続ける: “1月の終わりごろMITは、今誰がジカを研究しているか、と問う同報メールを全研究者に送った。われわれは、何もしていなかった。今のチームと前のチームの全員に、われわれなら何ができるか、と尋ねた。われわれの合成生物学のプラットホームを利用して、診断検査を作れるだろうか? 圧倒的多数が、作れると答えた。全員が、今やってることを棚上げして、新しい検査手法の開発に専念した。そして約5週間か6週間で、それは完成した”。

記録的な短期間でチームは、CollinsのチームがハーバードのWyss Institute(ヴィース研究所)で開発した技術を使って、資源の乏しい地域でも利用できる、紙を使う簡単な検査方法を作り出した。それは、これまでのやり方の数十〜数百分の一の時間と費用で、この疾病を検出できた。チームメンバーの出自は、Harvard, MIT, University of Toronto(トロント大), Arizona State University(アリゾナ州立大), Cornell, University of Wisconsin-Madison(ウィスコンシン大マディソン校)、Boston University(ボストン大)など、多岐にわたる。

“対応しなければならない要件が、いくつかあった”、とCollinsは説明する。“検査はローコストであること。結果が出るのが早いこと。リソースの乏しい現場で簡単に展開できること。われわれのプラットホームなら、これらのチャレンジにうまく対応できる、と私は思った。センサー本体は、きわめて小額でできる。展開の費用も、微々たる額だ。ローコストの検査とはこの場合おそらく、一検査あたり1ドル未満、という意味だ”。

患者から得た一滴の血液を沸騰させてウィルスからRNAゲノムを取り出す。その後のちょっとした処理において、紙を使用する。

“われわれが作ったのは、紙製の本当に上出来な合成生物学プラットホームだ”、とCollinsは語る。“われわれがやったのは、細胞の内部的な働きに着目すること、数十種類の酵素を使うこと。そうすると、紙の上で結果が分かる。それらをフリーズドライし、室温で保存し配布しても、活性の喪失がほとんどない。これこそが、このプラットホームのイノベーションの中核だ”。

上記の全過程に要する時間は約2時間で、安い機材しかない現場でも完全にできる。CDCなどの大規模な研究機関に送って、あらためて検査する必要はない。現在、このシステムではジカとデング熱とエボラを検出できる。この三つが、システムの最初のターゲットだった。

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Collinsは、今後もっと多くの病原にこの技術を適用できる、と信じている。

“今はインフルエンザの検査に使うことを検討している。HIVもだ。ライム病やハンセン病にも利用したい。また、今とは完全に違った形で、迅速で安価な癌の診断にもこのプラットホームを利用できるかもしれない”。

ただし現時点では、チームの主な目標は、ジカ熱がいちばんひどく広がっている地域で展開できる最良で最速の方法を見つけることだ。

“今われわれはブラジルやコロンビアのグループと一緒に、この方法を現場に、そして患者たちに届ける方法を検討している”、とCollinsは語る。“まだまだテストが必要だが、でもこのプラットホームには大きな将来性がある。適正な機関やグループの手に渡れば、普及の速度はとてもはやいだろう”。

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高校生が3Dプリントで作った‘ミニ脳’バイオリアクターがジカ熱の研究を加速

A "mini-brain" infected with Zika. The red-dye indicates vulnerable progenitor cells.

ジカ熱に感染した”ミニ脳”。赤の染色は感染した弱い前駆細胞を表す。

あなたのこの夏の計画はなんだろう? 1000個の”mini-brain(s)”(ミニ脳)を検査できるバイオリアクターを設計することでは、たぶんないだろう。バイオリアクターの設計ですら、ないかもね。でもニューヨークの高校生Christopher Hadionoは、それをやった。そして彼の、3Dプリントで作った強力で効率の良いマシンが今、話題になりつつある。

Hadionoがこのマシンを作ったのは、ジョンズ・ホプキンス大学の神経科の教授Hongjun Songの研究室で夏季のインターンをやっていたときだ。SpinΩと名付けられたそのマシンは、Songらが最近の論文で示しているように、安上がりでしかも多芸だ。

ミニ脳そのものは、前からある。それは幹細胞から生成した神経細胞の小さな集まりで、それらを、あたかも発達中の脳であるかのように実験できる。完全ではないが有益であり、多ければ多いほど、良い結果が得られる。

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Hadionoのバイオリアクターのほとんどの部分は、ふつうの3Dプリンターで作れるが、ほかに、実験に必要な精密部品も必要だ。400ドルぐらいでできるから商用製品の2000ドルに比べると安いが、それだけでなく、ずっとコンパクトだから、栄養液の必要量も少ない。かなりの低コストで、標準の培養器の中にそれまでの10倍もの数のミニ脳を置ける。

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Song教授がSpectrum News誌の、自閉症治療技術に関する記事の中で、こう語っている: “ショックだった。バイオテクノロジー専攻の学部学生ですら、これほどのものは作れないだろう”。

Songはそのデバイスをいち早く使ってみた。彼ら研究者たちが専門誌Cellに発表した論文には、SpinΩそのものの工学的詳細(とプリントファイル)だけでなく、ジカ熱の感染と小頭症の関連性をより明白にすると思われる実験も紹介されている。

そのほかの研究室もSpinΩに関心を示し、独自に自作中だ、とSongは述べている。興味を示しているメーカー企業も数社ある。ご心配なく、それは今でもHadionoの作品であり、特許の申請も彼の名前で行われている。

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薬の服(の)み忘れをインターネットがアラートしてくれるPillDrill、家族も安心

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[筆者: Brian Heater]
ヘルスケアシステムの革新を目指す戦いは、大きな体制的問題に気を取られ、小さなものを見過ごしがちだ。しかし、毎日複数の薬を服(の)まなければならない人が、つねに正しく服んでいけるための工夫はこれまでのところ、ドラグストアに売っている、曜日の書かれた大きなプラスチックの箱しかない。

発売が5月で今予約を受け付けているPillDrillは、インターネットに接続されたシステムで、小さなハブがNFCのタグをスキャンすることによって、毎日の服用をチェックする。デバイス本体にはディスプレイがあって、服む時間になったらアラートする。

ユーザーは薬を服むときタグをスキャンし、次に、服用後の気分を表すMood Cube(上図サイコロ状)をスキャンする。オプションのPillDrillを使って、服用のスケジューリングをしたり、あるいは友だちや家族などがリモートで当人の正しい薬服用をモニタできる。

PillDrillのシステムは、ハブと錠剤入れ、12のスキャン用タグ、そして前述のMood Cubeから成り、立ち上げ価格は199ドルだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Google検索、次の一歩はインドでの基本医療情報提供

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インドにおけるGoogleの直近の活動によって、何百万人もの人々が医療情報にアクセスし易くなるかもしれない。Googleは、昨年アメリカにてナレッジグラフ上に医療情報の掲載を開始した。これによってユーザーは、症状や悩みから、Google検索を通じてすぐに医療情報にアクセス出来るようになった。そして、遂にその機能はアメリカから遥か東に位置するインドで導入されることとなった。

Alexaによると、Googleはインドで最もアクセス数の多いウェブサイトを2つも運営している。今回のサービス導入によってインドのユーザーは、iOS・Androidの検索アプリを含む、Google検索の全プラットフォーム上で、病名や症状の検索を通じて400種類以上の病理データを英語・ヒンディー語で読むことが出来るようになる。

更にGoogleは、「今後、ユーザーが一般的な病名をGoogleで検索すると、典型的な症状をはじめ、どのくらい広汎な病気であるか、致死性、感染力、病状が表れやすい年齢層といった詳細情報が記載されたカードが表示される」と発表した。

そのカード上には画像も掲載されており、カード自体をPDFとしてもダウンロード可能なため、家族や友人へ簡単に情報を伝えることができる。また、インドのようなネット回線の速度に限りのある場所からアクセスするユーザーのために「軽量」版のカードも準備される予定だ。

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Googleの活動の意義とは?

総検索量の20分の1が健康に関する内容であることから、検索エンジンの代表格であるGoogleも、ユーザーがより多くの情報に触れることができる環境作りに注力している。但し、「検索結果は医学的なアドバイスを目的としたものではない」との注意書き付きである。

アメリカで同サービスは既に公開されており、Mayo Clinicと共に検索結果の正確性を高めながら、数週間のうちにブラジルでも公開が始まった。インドでは、Apollo Hospitals やColumbia Asia Hospitalsとコンテンツに関して協業を行いながら、昨年はデリーから40km南方に位置するバラブガールにあるクリニックを訪れ、草の根医療従事者を支援するための情報収集を行った。

バラブガールのクリニックを訪れたGoogleのチームよって撮られた1枚。インドの医療従事者がアクセスできる情報の少なさを物語っている。

バラブガールのクリニックを訪れたGoogleのチームよって撮られた1枚。インドの医療従事者がアクセスできる情報の少なさを物語っている。

基本的な手術を受けることが出来ない人の割合が、97%にまで至ると言われるインドにおいて、Googleの活動は、医療の民主化に身を捧げているスタートアップ企業の増加と呼応している。検索ポータルのPractoは昨年、Google Capitalによる出資を含む九千万ドルの投資を勝ち取り、競合のLybrateも名高いヘッジファンドTiger Globalから1000万の出資を受けている

両社は、ユーザーに対して信頼性の高い医療情報ばかりか、医師資格を持つ専門家によるフィードバック(更に必要に応じてアポイント)の提供を主な事業としている。Googleのインドにおける医療関連サービスは両社のレベルには及ばないものの、その知名度を武器に、一見小さな一歩に過ぎない活動でさえ、より多くの情報を人々に提供したり、インド国民の健康への関心を高めることに繋がる可能性を秘めている。

その証拠に、全世界の同プロジェクトをアメリカのGoogleから指揮する、シニアプロダクトマネージャーのPrem Ramaswami氏は、先月義父が胸の痛みを感じ始めた際に、アメリカ・インド両国に住む彼の家族が、どのように有益な情報をネット上でみつけたか、という話をしてくれた。

更に我々とのインタビュー内でRamaswami氏は、「健康は、インド人に留まらず世界中の人々にとって、とても大切で必要なものである一方、語彙や情報の信頼性の問題から、オンライン上の消費者にとっては一筋縄ではいかない問題でもある。我々は、ユーザーがより多くの情報を得るためのフレームワークを提供するために、シンプルで簡単な何かを作ろうとしていた。」と語った。

今回発表されたサービスは、ただ消費者による情報へのアクセスを促進するだけはなく、医療従事者が、より多くのデータを携帯できるようにすることを目的につくられている。Ramaswami氏は、このサービスが、医者を訪れることに疑心を抱くような患者達を説得する際にも役立つとも語った。

Googleは近年、医療情報の他にも、YouTubeのオフラインサポートやモバイルブラウジングの更なる最適化インドの鉄道網におけるWi-Fi提供等、インド現地向けサービスの提供に組織を上げて注力している。

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(翻訳:Atsushi Yukutake)

日本のWhillのまったく新しい電動車いすModel MがFDAの認可により合衆国で保険対象の医療器具となる

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日本のWhillの、新しいタイプの電動車いすModel Mに、合衆国の食品医薬品局(Food and Drug Administration, FDA)の認可が下(お)りた。これによりModel Mは、医師が医療器具として処方でき、保険の対象にもなる。

Whillはこれまで、日本の通信大手NTT DoCoMoのVC部門などから1285万ドルを調達している。同社は以前、Type-Aと呼ばれる移動装具を、FDAの認可を求めずに売っていた。

Whillの製品は車輪が特許を取得していて、全方向に正確な方向転換ができ、移動能力に優れ、凸凹道や斜面でも容易に操作できる。Model Mにはいくつかの新しい機能があり、中でも腕を支持する機能や、軽いハンドル、調節可能な背中の支持機能などは、医療器具として欠かせない。

協同ファウンダーでCEOのSatoshi Sugieは発表声明の中で、Whillを作ろうと思ったのは、障害者の友だちがこれまでの車いすで苦労しているのを見たからだ、と述べている。彼によると、FDAの認可が得られたことによりこれからはModel Mを、合衆国の680万人の移動装具ユーザーや医療の専門家たちに売っていける。

“Model MへのFDAの認可は、われわれのチームと、合衆国のヘルスケアシステムの中におけるわれわれの顧客の両方にとって、重要な節目だ。われわれは合衆国の医師たちと協力して、Model Mを患者にとって車いすの新しい現代的な選択肢として提供していきたい”。

同社のチームにはこれまでNissanやSony、Olympusなどにいた技術者やデザイナーがおり、彼らは自動車のデザインをヒントにして、もっと魅力的な電動車いすを作ろうとしている。彼らの目標は、移動装具を使用することに伴いがちなスティグマ(stigma, 恥・汚点の意識)をなくすことだ。Model Mの市場価格は、13995ドルだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))