新生Microsoftの展望―市場は引き続きサティヤ・ナデラのリーダーシップに好感

Microsoftがサティヤ・ナデラをCEOに選んだのは3年前になる。以來、Microsoftは運命の逆転を果たした。10年間にわたる不完全燃焼状態を脱し、成長株の地位を取り戻した。昨年もその勢いは続いた。

2016年にMicrosoftはクラウド・ベースのサービス提供企業への変身を続け、そのために複数の新たなプラットフォームをサポートした。LinkedInを262億ドルで買収するという大胆な賭けに出た。ハードウェアではSurfaceデバイスの拡充が続いた。こうした動きはすべてウォールストリートに歓迎された。Microsoftは Surface StudioでAppleのお株を奪った。デザイナーや各種のプロ向けデスクトップ機はこれまでAppleが独占的な強みを見せている分野だった。またHololensもVRの世界にMicrosoftが確固たる足場を築く努力として注目された。

株式市場は 2016年のMicrosoftをコアとなるサービスの運営に加えて、未来の分野にも大規模な投資をて行い巨大テクノロジー企業への道を歩んでいると見たようだ。

実際投資家のこうした考えは数字に反映されている。力強いリーダーの下で力強い成長がMicrosoftに2017年に向けての勢いをつけた。Azureクラウド・サービスは堅調だ。クラウド化の進行はAmazon AWSもテコ入れし、ウォールストリートも珍しく興奮した。Office生産性ツールはWindows以外のプラットフォームのサポートに本腰を入れるにつれてさらに快調だ。

ナデラのMicrosoftがいかに徹底的に変身したかは昨年11月にLinux Foundationに参加したことでもわかる。市場もMicrosoftがこれまでのしがららみを大胆に振り捨て、伝統と決別するつもりであることを認めた。 新戦略の採用には当然大きなリスクも伴うが、これまで企業の根幹を支える生産性ツールとして利益を産んできた会社に新しい成長の可能性を与える。

ナデラはMicrosoftの変身が必至になった時期にCEOに就任した。 モバイル・ビジネスは失敗し、全社的なりソースの再配分が避けられなくなっていた。変革は始まっていたが、ごく初期段階だった。改革は株価に対して上向きのようだった。しかし他社(Googleでさえ)と同様、賭けが結果を出すまでには時間がかかる。この間、Microsoftの売上の伸びはさほど目立つレベルではなかった。

大きな賭けには大きなリスクが伴う。2016年11月にMicrosoftは急成長中のビジネス・チャットのスタートアップ、Slackに対抗してTeamsというコラボレーション・ツールをリリースした。2016年初めにMicrosoftはSlackを80億ドル前後で買収することを検討していた。しかし結局資源を社内のSkypeとTeamsに振り向けることにした。Microsoftがエンタープライズ・コラボレーション分野に取り組むのはこれが初めてではない。2012年にはTwitterのエンタープライズ版、Yammerを12億ドルで買収している。だがMicrosoftはこの分野への参入で目立った成果を挙げていない。Slackが現在得ているような賞賛や清新なイメージを得ることに失敗している(なるほどSlackの成長はやや減速しているし、好印象はシリコンバレー所在企業だという点も影響しているだろう)。

MicrosoftはGoogleの失敗を教訓としているかもしれない。GoogleはNestやGoogle Fiberのような互いに関係が薄い垂直統合的分野に莫大なリソースを投じた。その結果、GoogleのCFO Ruth Poratはこうした新たな分野への投資にあたって「今後さらに慎重でなければならないだろう」と述べるに至った。Microsoftの新分野への賭けは、これに比べると同社のコア・ビジネスとの親近性が高い。そうであっても、エンタープライズ・チャットというような過去に失敗した分野への再参入にあたって非常に慎重な判断が求められるだろう。

そのような側面はあるが、株価は結局、成長率の問題となる。ウォールストリートでは新分野への賭けにGoogleやAppleのようになるのではないかと懸念する声があったが、Microsoftの成長をそうした声を吹き飛ばした。2016年にMicrosoftの株価は12%もアップした。過去2年では34%の上昇だ。それ以前、ほぼ10年にわたって時間が止まったような停滞状態にあり、投資家を失望させてきた大企業にしては驚異的な復活といえる。

2016年にMicrosoftは伝統的なエンタープライズ向けの巨人であるだけでなく、 コンピューティングがパソコンというデバイスの外に大きく拡張する時代に適合した未来をデザインする企業に生まれ変わった。Microsoftは自社OSが独占するハードウェアの世界に閉じこもった企業ではない。あらゆる主要プラットフォーム上で作動する多数のプロ向けサービスをサポートし、文字通りインターネット世界のバックボーンのひとつになろうとしている。

これに加えて、今やこの業界のほとんどプレイヤーが実験を始めている機械学習というトレンドがある。2016年9月のMicrosoft Igniteカンファレンスでナデラは基調講演のほとんどすべてを機械学習にあてた。ナデラは既存のデータを機械学習テクノロジーに適用し、Office 365のようなサービスを大幅に効率化するMicrosoftの計画を説明した。またMicrosoftは昨年初めに独自のバーチャル・アシスタントCortanaの利用をサードパーティーのデベロッパーに開放した。

こうした動きにはMicrosoft独自の部分もあるが、20017年にはGoogle Assistant、Amazon Alexa、Apple Siriなどのアシスタントの利用が急速に拡大し、ユーザーとの対話性に変革がもたらせることが予想させることに対するMicrosoftの回答といえるだろう。今年は既存サービスに機械学習の成果をシームレスに接続することでユーザーにとっての利便性を大きく高めることが各社にとって2017年の勝敗を決するカギとなるだろう。

Microsoftにとってこの部分は逃げ道のない主戦場であり、コアとなるサービスの改善のために避けて通れない道筋だ。昨年初めにMicrosoftはAIによる入力予測に基づくキーボード・テクノロジーのスタートアップ、SwiftKeyを買収した。 Officeのような企業業務の根幹となる大型の生産性ツールの改良には巨大な資源が必要だ。ことに自然言語処理能力を備えたツールのとシームレスな統合が強く必要とされている。

他社の戦略と比較した場合、Microsoftのやり方は多様性に富んでいる。Amazonはクラウド化に賭けている。Appleは新しいハードウェアと、たとえばApple Musickのようなオンライン・サービスの拡大で成長の勢いを引き続き維持するつもりだ。株式市場は多様性を好む。ナデラのMicrosoftが株式市場に好感される理由は多様性のあるアプローチにも大きな理由があるだろう。

〔日本版〕Graphiqの対話的グラフは2番目が「一時的に表示できない」とされた。この株価グラフはTechCrunch Japanトップ・ページのタイトル脇サムネールに画像として貼っておいた。対話的に操作するには原文参照。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Google、HTC、Oculus、Samsung、Sony等が国際的な拡張現実協議会、GVRAを結成

2016-12-08-gvra

仮想現実はスタート当初はスタートアップ主導だったが、ビジネスが本格化するに連れて大企業の参入が目立つようになってきた。

スタートアップの世界だったこともあって仮想現実には規格の乱立、フラグメンテーションが存在し、進行中のプロジェクトが足をすくわれかねない事態となっている。

こうしたことから業界の大企業勢力、Google、HTC、Oculus、Samsung、Sony、Acerは連合してGlobal Virtual Reality Association (GVRA)を立ち上げた。この拡張現実普及のためのグローバル組織は「VRの潜在的可能性を開花させる」ことを目的としている発表された。ただしこれが消費者にとって具体的に何を意味しているのかはまだ不明だ。

ともあれ VRビジネスに関係するものの切実な希望はソフト、ハードの規格統一だ。現在のところOculusのアプリ・ストアからダウンロードしたゲームはViveやPS VRでは動かない。Vive用センサーはOculusとは互換性がない。Sonyのゲームはソニー他社のVRでは正しく作動しない、等々だ。

SteamストアとSteamVRプラットフォームを開発したValve、そのハードウェアViveのメーカーのHTCを始め、今回GVRAに参加していない有力企業も多い。GVRAから業界統一基準が生まれる見込みは今のところ高くはないようだ。

GVRA結成のプレスリリースから。

Global Virtual Reality Associationの目的は拡張現実の責任ある開発体制を普及させ、その世界的な普及をプロモーションするところにある。この協議会のメンバーは各種の調査を実行し、開発におけるベストプラクティスを共有する。テクノロジーの進歩とともに国際的なVRコミュニティーの育成と統一のために努力する。このグループ各社はまたVRに関心ある消費者、公共政策関係者、関連する産業にリソースを提供していく。

と、言われても具体的なイメージは湧きにくい。しかし拡張現実に関連する企業間でコミュニティーが密接になるようならよいことなのだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Niantic、「新しいポケモンがやって来る」と確認―週明けに新キャラ多数追加へ

Pokemon figures are seen at the International Tokyo Toy Show 2016 in Tokyo, Japan June 10, 2016. (Photo by Hitoshi Yamada/NurPhoto via Getty Images)

膨大なユーザーを抱えるスマートフォン・ゲーム、ポケモンGOを開発したNianticは来週月曜日に新しいゲーム・キャラクターが登場することを明らかにした。

「12月12日にはソーシャルメディアのニュースに注意を払うことをお勧めする。われわれはポケモンGOの新キャラクターを紹介することを予定している」と Nianticは声明に書いていてる

この拡張現実ゲームではユーザーは現実世界に隠れているポケモン・キャラを発見し、捕獲することがでる。7月に登場すると即座にiTunesで1位のアプリとなった。 その後、同じキャラばかり捕まえるのに少々飽きたかしてユーザー数は下降ぎみになっていた。新しいキャラクターのリリースはファンを喜ばせ、ゲームを再活性化させそうだ.

アメリカのキャリヤ、Sprintは水曜日に同社の1万500箇所のショップ等をポケストップとポケジムにするとを発表している。これによって多くのユーザーがSprintの店先に足を止めてくれることを狙っているようだ。このニュースを受けてSprintの株価は7%アップした。

カフェのStarbucksもポケモンと同様の提携を結ぶのではないかと話題になっっている。Starbucksはすでにポケモン提携のドリンクを販売している。

Nianticはハロウィンと感謝祭にもこうした休日にふさわしいテーマをあしらったプロモーションを大々的に展開した。われわれは新キャラのDitto〔メタモン〕の追加を紹介している。

ポケモンGOは今年のTechCrunchのCrunchies賞のファイナリストにも選ばれた。

情報開示:TechCrunchの親会社はVerizonでSprintとは競争関係にある。

画像: Hitoshi Yamada/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

MotorolaがMoto ZのTangoモジュールを出すかもしれない…むしろモジュールが合ってる技術か

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歩みは遅いけどしかし確実に、Moto Zはエコシステムができつつある。その将来性のありそうなハンドセットはしっかりとしたスペックを持ち、アドオンも多く、これまでのモジュール化ハンドセットとしてはいちばん完成度が高かった。でも、もちろん、それだけでは足りない。

Motorolaは足りないものを補うべく、デベロッパーに開放して改造を自由にし、このハンドセットの機能を充実多様化するために、ハッカソンまで開催した。

今週シカゴで行われたイベントで同社の社長Aymar de Lencquesaingは、報道陣を前に、同社のZハンドセットに近くTangoモジュールが提供されるかもしれない、と述べた。はっきりしない言葉だし、完全な発表ではないが、パートナーシップとしてはありえる話だ。

phab2

そもそも、Motorolaの親会社Lenovoは、このGoogleの拡張現実カメラ技術の、初めての実装製品を作って発売した企業だ(上図、Phab 2 Pro)。Tangoの現状は、一般消費者の購入動機になりうるほど完成度の高いものではないが、しかしそれでも、Moto Zのような多機能型スマートフォンのアドオンとしては十分だろう。

特別なハードウェア、それに新たにカメラや電池も必要とする技術だから、モジュールにするのがむしろふさわしいし、その方がインドアの3Dマッピングソフトウェアも本領を発揮しやすい。またそれによってMoto Zの、ハードウェア実験のためのプラットホームという位置づけもより確定し、今一般的な2年というスマートフォンのアップグレードサイクルとは無縁な位置を維持し続けられる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

VR/AR普及の鍵はモバイルとエンタープライズだ

Virtual reality simulator, communnication.

【編集部注】著者のMike Bolandは、インターネット時代におけるシリコンバレー初期のハイテク記者の1人である。現在はBIA/KelseyならびにVR/AR Associationの主任アナリストを務めている。

PCならびにコンソールVRは私たち皆を興奮させるフォーマットだが、近いうちに本当にモバイルもそのレベルに達するのだろうか?これは私が作成中の研究レポートのために、投資家やイノベーターに投げかけている質問だ。

例えば、切迫したHMDのコモディティ化にもかかわらず、IDCは今年の接続されたVRヘッドセットの売上は200万台だと予想している。それはモバイルVRがアプローチできるマーケットである、世界の26億台のスマートフォンに比べるととても少なく見えてしまう。

モバイルVRは、一般に機能を抑えたバージョン(位置追跡がないなど)だが、Google Daydreamなどのように改善され続けている。その大衆に優しい価格とアクセシビリティは、VRが必要としている、ゲートウェイドラッグ(より本格的な利用への誘い水)としての役割を果す。

同じことは、ARにも当てはまる。初歩的な形態 — ポケモンGOの類 — が大衆に、これから何が来るのかの雰囲気を伝えている。それは「真のAR」ではないけれど、同様のゲートウェイドラッグの役割をテクノロジーに対して果す。

シリコンバレーのビジネスストラテジストであるKristie Cuは私に、VRとARは5Gネットワークの展開とともにやって来るだろうということも思い出させた。その大量のデータペイロードが、大きなパイプを活用することを考えると、それは良いタイミングだ。

「2015年から2018年までの間に(Orange社は)このインフラストラクチャのために150億ユーロの投資を行うことを決めています」と彼女は言う。「なので、5Gの背後には膨大な資金が控えていて、VRはその帯域幅を必要とするもののひとつなのです」。

Cuは、現在VRとARを調査し熱心に取り組んでいるComcast Venturesや、Lenovo、その他の企業投資家たちと協力している。そしてデューデリジェンスの過程で彼らは更に多くのものを見ている。

Comcast VenturesのMichael Yangは、VRとARの、長期的な主要コンピューティングプラットフォームとしての地位に基づく投資テーマを抱えている。しかし、もっと重要なことは、それらが地理的な境界や、産業の垣根を超えるほどに成長するということだ。

「それは消費者と企業の両方に関わります、特にARは」とYangは私に語った。「それはまたグローバルへ大きく踏み出しています。私たちが投資している他の部門は、直接的にグローバルなものではありません」。

例えば、CVポートフォリオ企業のNextVRは、VRを大規模なリーチを持つメディア主力商品に持ち込んでいる:スポーツライブ中継だ。消費者の観点を超えて、スポーツライブ中継は視聴者にケーブルテレビの契約解除を思いとどまらせる1手段なのである…そしてVRがその効果を強化する。

これまでLenovoは、この機会に2つのレベルで取組んでいる;VRの重いグラフィカル処理に対応する高性能PC機器を製造すると同時に、Tango技術を採用したPhab 2 ProによるモバイルARの開拓を行っている。

Lenovoの世界技術革新ディレクターであるJoe Mikhailは、ARの未来に対する彼のビジョンを、MetaのシリーズBラウンドにおける彼の主導的役割に触れながら表明した。彼は長期的には、企業のユーティリティにチャンスがあると考えている。

これがARがVRの市場規模を追い越すことになる理由の1つである。Mikhailは、ARの真の価値は、作業場所での生産性から製造現場、そして工業デザインに至るまで(3Dモデリングを考えて欲しい)、あらゆる場所で解放されるだろうと述べている。

このゲームの名前は、運用効率の改善だ、と彼は言う。これは実際の底上げを行う手段を伴う — それ故にARの広い採用が否応なく進むことになるのだ。

Yangは、全プロセスを一貫して扱うアプローチに触れながらこの考えに同意する。「一般作業者にとって、全プロセスを理解することは困難です」と彼は言う。「私は、プロセスをより効率的かつインテリジェントにするためのARオーバーレイを思い描いている、石油/ガス、あるいは航空宇宙、もしくは建設業界の人々を探しています。それが特に私たちが期待している未来なのです」。

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(翻訳:Sako)

これが来年Windows 10 VRを楽しむために必要なスペックだ―意外にハードルは低い

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来年登場するWindows 10 VRのハードウェアのスペックが判明した。ハードルが意外に低かったことにわれわれは喜ぶべきだろう。これなら拡張現実は広い範囲に普及可能だ。大手ハードメーカーがサードパーティーとしてヘッドセットを開発しているが、価格は299ドルからと大いに手頃だ。

またこれを作動させるために必要な平均的パソコンのスペックも明らかになった。The Vergeは「必要とされる能力はさして高くない」としているが、朗報だ。

マイクロソフトはWindows Holographicイベントでテスター向けのVRモジュールを組み込んだプレスリリース版Windows 10を発表した。このバージョンのWindows 10が作動する最低限のハードは、4GB以上のシステムRAM、 USB 3.0 port、DirectX 12(これも高度な要求ではない)をサポートするグラフィックカード、クオドコアCPU(ハイパースレッディングをサポートするデュアルコアを含む)だという。

エントリー・レベルのVRヘッドセットが手の届きやすい価格になることに加えて、これに接続させるパソコンも特に高度なものである必要がないことがわかった。ソニーからはPSVRのロールアウトが続く。GoogleのAndoroidにおけるDaydream VR サポートと合わせて、2017年はVRが本当にブレークする年になりそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

拡張現実と機械学習による農業革命

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【編集部注】著者のJeff Kavanaugh氏は、Infosys Consultingの、High-Tech & Manufacturingにおける、VP兼マネージングパートナーである

農業は、これまで人類が生み出したもっとも成熟した産業だ。文明の黎明期から、農業は洗練され、調整され、適応されてきた — しかし完成したことはなかった。私たちは社会として、常に農業の未来を心配している。今日では、私たちはハイテクセクターが提供する概念も適用している — デジタル、IoT、AIなどなど。では、なぜ私たちは心配しているのだろうか?

エコノミスト誌の技術四半期Q2報告では、世界の人口増加を養うために、農業はすぐに他の製造業のようになる必要があると宣言されている。サイエンティフィック・アメリカンの報告によれば、不確実な気候でも効率的に成長させるために、作物はより干ばつ耐性を上げる必要があり、またニューヨーク・タイムズ紙によれば、少ない水でより多く収穫する方法をすぐに学ぶ必要がある。

それらは皆正しい。もし農場が世界の人口を養い続ける場合には、変わり続け、不安定なこの星の気候から、独立しそして適応するやり方を進めなければならない。そのためには、実績があり最先端技術を用いた、スマートなアプリケーションが必要となる。そのインターフェイスは単純なものでなければならない。そしてもちろん、今日のスキルを基にした適用が行える必要がある。

幸いなことに、この将来のための基礎は現在探求されている最中だ 。例えば、垂直農法(農家が作物をコントロールされた環境の下で栽培から収穫までを行えるようにする技術だ、しばしば屋内で垂直な棚を用いる)は人気と可能性の両者で沸き立っている。実際にこの方法は、91%少ない水で20%速く、いくつかの作物を生育させることが示されてきた。干ばつや洪水に耐えることができる遺伝子組み換え種子は、ケニアで見られるような最も乾燥した条件下での収穫を可能にする。

もし農場が世界の人口を養い続ける場合には、変わり続け、不安定なこの星の気候から、独立しそして適応するやり方を進めなければならない

しかし、このような進歩を管理することは、屋内か野外かを問わず、それ自体が挑戦である。酸度と土壌の養分をモニタし、そしてそれぞれの植物のための最適な成長を促す水やりは、良くて当て推量であり、悪ければ後知恵である。しかし、ここでこそ新しいインタラクティブ技術が輝くのだ。少数のセンサーの組が、植物の生育状況を監視し、リモートサーバーへリアルタイムの更新を行う。人工知能の年下の従兄弟である機械学習は、この作物の生育状況を学習し、次に必要なものを予測することができる。そして、拡張現実(AR)を用いて日常のオブジェクトに有益な情報イメージをオーバーレイすることによって、農家や庭師たちによる作物の健康の監視と管理を可能にする。

Plant.IO*は、それをがどのように行えるかを示したシステムの1つだ:塩ビ管のキューブがセンサー、生育ライト、カメラ、その他のもののフレームを提供する。機械学習専用のリモートサーバが、生育と生育条件を分析し、この先の植物のニーズを予想する。AR対応のメガネセットは、使用場所を問わず、ユーザーに植物の画像または情報を提供する。もしAR装置が、Microsoft HoloLensように高機能である場合には、肥料、水の流れ、成長ライトなどを調整して、作物の面倒を見る手段を提供することもできる。

この方法論は、ゲーミフィケーションと対になったときに、作物管理の新しい簡潔な方法に自らを委ねることになる。AIとARは共に使われることによって、大人から青少年の誰にとっても、家庭や遠くから自分の庭園を監視し管理することを、シンプルで楽しいものにする。このアイデアがPlant.IOの心臓部である:農業シナリオに、楽しく、使えるソリューションを。そこではデジタル情報が物理的オブジェクトやフィールドに、コンテキストを失うことなくオーバーレイされる。

実際には、この種の管理システムは、庭園や農場を超えて拡張できる可能性がある。測定可能なデータが存在する環境であれば、どのようなシナリオでも潜在的にはAR/AIの応用から利益を得ることができる。例えば倉庫管理などの産業オペレーションは、有望なエリアだ。AIと赤外線カメラを組み合わせた、フィールドの健康を測定する農業は、また別の候補である。

ARとAIを正しく利用すれば、ユーザーは事実上世界中のどこからでも植物を監視し育てることができる。それがキッチンカウンターの上で植物を育てようとしているのか、あるいは次の収穫の準備をしているのかは問わない。もっと良いことは、こうした作業を植物の酸性度、栄養、水レベルその他の最新の情報に基きながら、環境に配慮した方法で行うことができるということだ。

最初の産業革命は、機械化農業による生産性向上で、私たちが農場から都市へと移動する手助けをした。今度の産業革命は機械学習とその他のデジタル「実装」が農業を更に先へと推し進める — そして世界を養うのだ。

*注記:Plant.IOはInfosysによって開発されたオープンソースのデジタル農業プロジェクトである

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(翻訳:Sako)

Google、いよいよTango ARを公開―当初はLenovoのファブレット対象

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2年間の開発と実験の後で、今日(米国時間11/1)、GoogleはついにTangoスマートフォン拡張現実システムを一般公開した。

当面このシステムが作動するのはLenovoの 499ドルのファブレット、Phab2 Proとなる。このモデルは今日からアメリカ市場で発売される。ただしTangoシステムは来年にはさらに多数のAndroidスマートフォンで動くようになるはずだ。

今回Tangoのリリースに伴って35種類のアプリが発表された。私はそのうちの十数種類のデモを見る機会があったが、結果はさまざまだった。デベロッパーはこのシステムとカメラによる奥行きを検知機能をどう使うのがベストか実験している段階のようだ。明らかに苦労しているデベロッパーもいたが、中には今後素晴らしいアプリに成長しそうなものも見られた。

Tangoはゲームに関してこれまでより大きな没入感を与える能力が間違いなくある。 たとえばCrayola Color BlasterのようなタイトルはTangoテクノロジーのトラッキングの能力を利用して自分の部屋などの現実空間にモンスターを登場させるなどの新しい遊び方ができる(下の紹介ビデオ参照)。

しかしTangoシステムの能力がわれわれの生活にもっとも影響を与えることになりそうなのはゲーム以外の分野だ。iStagingというアプリは自分の部屋に新しい家具をレンダリングする。たとえばランプをデスクの上に置いて、周囲との調和を見ることができる。 このアプリはここ数ヶ月でTangoの現実空間のトラッキング能力が大きく改善されたことを示すいい例だ。MatterportのScenesアプリは現実の対象をボリューム3D映像として簡単に記録することができる。有効性は限られた場面になるかもしれないが、視覚的なインパクトは絶大だ。またTangoのテクノロジーがいかに先進的かを実感できる。

Tangoは開発のスタート以來、Googleの組織改編の影響を直接に受けてきた。現在TangoプロジェクトはGoogleのスマートフォンVRシステム、Daydreamと平行して運営されている。しかしGoogleとしてはTango ARとDaydream VRの両システムをいつまでも別個のプロジェクトとしておくつもりはないはずだ。Tango ARで用いられている現実対象の3DトラッキングシステムはVRシステムも大きく加速する。TangoとDaydreamは互換性を持ち、同一のスマートフォンで作動するようになるべきだろう。

まだ欠陥もあるがその驚くべきインパクトからしてTangoは近い将来、メインストリームのユーザーに利用されることを目指しているはずだ。奥行き認識機能を備えたカメラは、スマートフォンに欠かせない装備となるだろう。ただしその必要性が誰にもはっきりわかるようなキラー・アプリが必要だ。今回のTangoのローンチは、当面の作動対象がLenovoのファブレット1種類とやや地味なものになったが、その体験は非常に高品質だ。

〔日本版〕 Lonovoでは Phab 2 Proの日本での発売時期、価格は「未定」としているが、Tango対応を含め機能を詳しく紹介した日本語ページが用意されている。ナレーションなしのビデオも掲載されている。Phab 2 Proのリアカメラは通常のカメラに加えて深度計測、動きの検出に対応した2種類のカメラを装備し、合計3台のカメラでTangoに対応している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebookがライブ配信用の拡張現実自撮り機能「Masks」をローンチ

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Snapchatをコピーし、MSQRDの買収に資金を注ぎ込み、そして今日Facebookはついに「Masks」(マスク/仮面)という名の拡張現実自撮り機能を、メインアプリに組み込んだ。ハロウィンをテーマにした骸骨、魔女、そしてカボチャのマスクを手始めに、この先Facebookユーザーはライブを行う際に特殊効果を使うことができる。

Masksは同時に、Facebookをよりモダンに感じさせ、ユーザーをライブ配信に誘い、そして配信中の自意識を和らげてくれる役割を果す。

この機能は本日まず米国、英国、ニュージーランドのiOSユーザー向けに提供され、iOS版Facebook Mentionsを使う公人たちにも開始される。Facebookによれば、「数ヶ月のうちに」Androidと他の国々にも公開されるということだ。

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Facebookはまた、期間限定のハロウィン版「いいね!」絵文字ボタンを提供する。たとえば普通の「うけるね」絵文字の代わりに「うけるね魔女」、「すごいねゴースト」、「悲しいねフランケンシュタイン」、そして「ひどいねジャックオーランタン」といった具合だ。ユーザーはハロウィン期間中、この「いいね!」ボタンを通常通りタップしたり長押ししたりして使うことができる。

Facebookは3月にMSQRDを買収した。そしてカナダとブラジルで類似のテクノロジーを、オリンピックをテーマにしたMasksと共に、従来の写真やビデオの加工のために提供し、簡単な試験運用を行った。また7月には、FacebookはユーザーがMSQRDアプリの内側からのライブを行えるようにした。

しかし本日の発表は、MasksのFacebookへの本格的展開を告げるものだ。そのクリエイティブツールへの注力によってこの機能は、Snapchatに比べると古臭くて退屈なFacebookを、再活性化できる可能性をもっている。Masksは、ユーザーをぎこちない感じにしてしまうかもしれない、ライブを行う際の気後れも減じてくれる。同じ理由で、Facebookはライブカラーフィルタと、Prismaのように場面がアートのように見えるようになる「AIスタイル変換ライブビデオフィルター」のプロトタイプを追加した。Masksを使えば、本当に顔を覆い隠すことができるので、どのように見えるのかに関する心配をする必要がなくなる。

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Masksを試着するためには、ユーザーはそのタイムライン、ニュースフィードまたはページ上のボタンでライブビデオ放送を開始すればよい、そして左上の魔法の杖をタップすればFacebookの特殊効果群が現れる。Masksのアイコンを選択したあと、ユーザーはオプションをスクロールして、自分の顔の上で見るためのものをタップで選ぶことができる。Snapchatが以前必要としていたような、拡張現実を活性化するために顔の上をタップして長押しする必要はない。

開始から12年が過ぎ、皆の親も参加するようになって、Facebookはかつての奔放な大学での成長の日々から引き継いでいるクールなセンスを、なんとか守ろうと躍起になっている。17.1億人によって使われているという単純な事実は、排他性を否定し、かつSnapchat、Musical.ly、そしてHousepartyなどの新しいソーシャルアプリから得られるかもしれない、カーブの先に回り込む刺激的な先進性をも否定するということを意味している。

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しかし、Facebookは、おどけたクリティティブツールを提供し、単にテキストの状況報告や、赤ん坊の写真や、婚約のお知らせだけではないのだとアピールすることによって、他の場所への移動を必死になって食い止めようとしている。今年初めのThe Informationの報告によれば、FacebookはニュースフィードでInstant Articles(インスタント記事)が優勢になるに従って、オリジナルコンテンツの共有数のかなりの減少に直面している。

問題の本質は、人びとは多くの場所でニュースを読むことができるが、Facebookはあなたが「友達」と一緒に何かをするための拠点となることによって繁栄していくということだ。ハロウィンは歴史的に、Facebookにとって最もアクティブなシーズンの1つで、誰もが各々の仮想写真を交換するときだ。だからFacebookが未来のビジュアルコミュニケーションに対するビジョンを発表するのには完璧なタイミングなのだ。

Snapchatは、消費者のための拡張現実を始めたと言うことができるだろう、しかしFacebookはそれを拡張したいと考えている。

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(翻訳:Sako)

AR・VR業界で起きている競争の実情

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【編集部注】執筆者のTim Merelは、Eyetouch RealityおよびDigi-Capitalのファウンダー兼CEO.

仮想、拡張、複合現実(それぞれVR、AR、MR)は競争上の問題を抱えている。

ほとんどのAR・VR企業は、1番の競争相手となる企業と自社を比較し、どのくらい自分たちが優れているかについて宣伝しているが、彼らは戦う相手を間違えている。VRについてはOculusやHTC、Sony、Samsung、Google、AR(MRを含む)についてはMicrosoftやMagic Leap、Meta、ODGといった会社間での競争が取り沙汰されているが、これは真の意味での戦いではない。彼らにはもっと巨大で恐ろしい相手がいるのだ。

現状

現状(Status quo)こそがARとVRの最大の競争相手だ(ちなみにStatus quoとはLive Aidのオープニングアクトを務めたイギリスのバンドのことではない)。

現代人は、平均して1日のうち11時間を電子メディアの視聴に使っている。つまり平均寿命である79年のうち、34年以上がメディアに捧げられているのだ。何がそこまで魅力的で、私たちは一生の約半分をメディアに投じているのだろうか。

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その内訳としては、テレビ(ライブ・録画の両方)が48%、携帯電話・タブレットが20%、ラジオが18%、オンラインPCが9%、そしてその他が6%となっている。そしてほとんどのメディアにおいて、視聴時間が横ばいか減少傾向にある中、スマートフォンとタブレットに関しては、メディア市場の拡大という、これまで不可能だと思われていたことが起きている。携帯電話・タブレット上でのメディア視聴時間は、過去2年間だけで1日あたり2時間以上へと倍増したのだ。そしてこの傾向は若者に顕著に見られる。年配の人の、最近の若者は携帯電話ばかり見ているという愚痴には、実は現実が反映されている。

ここでの大きな問いは、ARやVRがどのようにテレビや携帯電話、タブレットと戦っていくのかということだ。

メディア以外に費やされる時間

しかもAR・VRが戦わなければならないのは、メディアだけではない。

私たちは一生の半分近くを電子機器に費やしている一方、それ以上の時間を、他のやらなければいけないことに使っている。仕事と睡眠にはそれぞれ1日あたり平均7時間必要で、メディアに費やされる時間と合わせると、それだけで地球の自転一周分にあたる24時間が埋め尽くされてしまう。

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睡眠に関しては、ARやVRもどうすることもできず、携帯電話でさえ睡眠の壁をこえられないでいる。しかし仕事(そしてその他の生活の一部)はどうだろうか?これこそ、ARやVRが携帯電話の栄光から学ぶべき点であるともに、ARとVRの差異が表れだすポイントだ。

マルチタスキング

感の鋭い人は、メディアと仕事と睡眠で24時間が埋まってしまうと、食事やスポーツ、家事、家族や友人との交流、通勤といった、その他の活動のための時間が無いということに既にお気づきだろう。もちろんこのような活動を行いたいと考えている人は存在し、ここで携帯電話が成功をおさめる上で大きな要因となった、マルチタスキングが力を発揮する。

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マルチタスキング(テレビに限って言えばセカンドスクリーニングとも呼ばれる)とは、同時に2つ以上の作業を行うことを指す。87%の人が、テレビを見ている時のセカンドスクリーンとして、携帯電話やタブレット、(数は減るが)PCを利用している。中には、携帯電話を使う合間にテレビを見る人の存在を指摘し、テレビの方がセカンドスクリーンになったと主張する人もいる。

しかし携帯電話とマルチタスキングには、他にも議論されるべき点がある。人は平均して1日に40回以上(若者の場合には70回以上)携帯電話をチェックしているのだ。つまり食事中や家事をしているとき、家族の面倒を見たり、友人と遊んでいるときや通勤中などにも、携帯電話が常に利用されている。そして携帯電話は、多くの人にとって朝目を覚まして最初に見るものだ(その他にもさまざまな朝の支度中に携帯電話が使用されており、これが最近の携帯電話に防水機能が搭載されている理由でもある)。

VRの性質

VRの売りはその没入感で、これこそVRが人気になるであろう理由のひとつだ。

しかしVRの性質として、全ての注意をコンテンツに向ける必要があり、携帯電話では問題にならなかったマルチタスキング上の課題が生まれてくる。VRヘッドセットをしたまま通りを歩いたり、VRの世界の外にいる人と意味のある会話を試みたりすると、その課題の意味が分かるだろう。また、VRコンテンツを楽しみながらテレビやスマートフォンをセカンドスクリーニングすることもできるが、それでもユーザーはVRの世界の中にとどまったままで、現実世界でセカンドスクリーニングをしているわけではない。

そのため、時間の観点から言えば、VRは既に埋め尽くされている24時間の枠の中にある他の欲求や、それに紐づいた活動と戦わなければいけないのだ。これは大衆消費者(コアなゲーマーではなくお年寄りや親戚の子どもを想像してほしい)を相手にする上でとても大きな問題だ。VRは、マルチタスキングの恩恵を受けずに消費者の時間を獲得するため、別の活動をステージから引きずり下ろす必要がある。これは現状やVR以外のもの全てとの真っ向勝負を意味する。

ARの性質

ARはVRよりも解決するのが難しい技術的な課題を抱えている。それゆえ、現在ARはエンタープライズをターゲットとし、未だ大衆消費者には手を伸ばしていない。しかしAR企業の中には、2017年から2018年にかけて大衆消費者向けのサービスをローンチするという積極的な計画を立てているところもあり、これはもはや時間の問題だ。

ARが消費者市場に登場すれば、携帯電話が持っていたマルチタスキングという利点を使うことができる。実際のところ、この点に関して、ARは携帯電話よりも大きなアドバンテージを持っている。

まずポケットからデバイスを取り出す必要がなく、スクリーンをチェックするためにデバイスを見下ろす必要もない。小さなスクリーンのサイズに制限されることもなければ、仕事中にCandy Crushで遊んでいるところを背中越しに誰かに見られてしまうこともない。さらにWeChatをチェックしながら歩いていて何かにぶつかってしまうこともないのだ。

しかもこれは単なる憶測ではない。これまでに街中でPokémon Goで遊んでいる子どもたちを見たことがあれば、私の言っていることがわかるだろう。Pokémon Goのように必要最小限のAR機能を備えたものでも、そのマルチタスキングのしやすさが既に証明されているのだ。

AR・VR界の内部での競争はどうなっているのか?

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AR・VR界のリーダーたち

業界内での競争はさらに白熱している。というのも、AR・VR業界のどこを見ても、これまで独占的なポジションを獲得できた企業が存在しないのだ。そもそも、市場の成長段階を考えると、どこかの企業が覇権を握るにはまだ早過ぎる。そのため、健全なレベルの競争が起きている中で、全てのプレイヤーにチャンスがあり、市場のルールも現在構築されている。

この業界の実情を内部から観察していて喜ばしいのは、各企業が競合相手を威圧しながらも、コミュニティ全体ではコラボレーションが促進され続けているということだ。どの企業も切磋琢磨の精神を理解しているように感じられる。だからこそ、私たちが毎クォーター開催しているReality CheckというAR・VR業界のCEO向けフォーラムには、競合し合う企業のCEOや幹部、VCのパートナーが何百人も参加して取引やコラボレーションを行っているのだ。

ということでAR・VR業界の競争は大歓迎だ。今後さらにこの業界は面白くなっていくだろう。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

かつてSnapchatとして知られていた会社のカメラ組込サングラスに大問題―🎶 暗いところで使えない 🎶

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Snapはビデオカメラ組み込み拡張現実サングラスを発表した。ただし、問題がある。あちこちにぶつかるのが平気でないかぎり、夜は使えない。暗いコンサート会場やパーティーの撮影も無理だ。

Snapは「かつてSnapchatとして知られていた会社」だ。Princeの例に従ったかして今後はSnapと名乗るという(絵文字もPrinceスタイルに変えてはどうだろう ) ともあれ、Snapは私の取材に対して、「現在のバージョンは夜間の装着や使用を前提としていない」と確認した。カメラのレンズ自身がサングラス程度の透過性なので照度が低い環境では先が見通せないのだ。

これはSnapの拡張現実カメラが「おもちゃだ」という考え方を裏付ける。たしかにSnapのCEO、Evan Spiegelは Wall Street Journalのインタビューでガジェットを「おもちゃ」と呼んでいた。しかし「昼間の使用に限る」とは述べていないかった。

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このサングラスは130ドルでこの秋中にリリースされ、装着者の視点で1回につき10秒の円形の動画を撮影できるという。しかし撮影は昼の屋外で催されるバーベキュー・パーティーとか野外コンサートに限るのが安全らしい。

将来のバージョンはクリアレンズないし光によって色が透過度が変わるレンズを装着し、夜間や屋内の撮影も可能になるかもしれない。このデバイスはSnapchatの熱狂的なファンのティーンエージャーの人気を呼ぶかもしれない。またサングラスを使ってくれるセレブを見つければプロモーションにいっそう有利だろう。

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しかしSpecsデバイスは一部で期待されたほど画期的なテクノロジーを含んでいなかった。それでもSnapchatのユーザーが日々の生活の画像やビデオをコントロールし、共有する力を強化するる。エンジニアリングとプロダクトデザインの進化にともなって、将来のSpecsはGoogle Glassが実現に失敗したような役割、つまり、われわれが日常どこへ行くにも装着するようなデバイスになるかもしれない。

あまりにギーク的で嫌われたGoogle Glassや出来が悪かったFlipcamsとは違って、Specsを一般ユーザーに受け入れられるようなデバイスに進化させるためには、Spiegelは20億ドル以上といわれるSnapのベンチャー資金の相当部分を個人的な「おもちゃ」の改良のためにつぎ込む必要がありそうだ。

Snapサングラスカメラに関するTechCrunchの詳しい紹介記事

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

コンピューターとの対話はマルチモーダルへと向かう

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私たちはテクノロジーと触れ合うために、長い間コンピュータのマウスを利用してきた。そしてタッチスクリーンが、私たちのガジェットへのコマンド入力に新しい方法をもたらしたが、それらはマウスクリックと基本的には同じ考え方に依存している。iPhone 7上の新しい3Dタッチにしても、指を使ってイエス/ノーに答える、恐ろしく洗練された方法だというだけの話だ。

Leap MotionのCEOであるMichael Buckwaldと、EyefluenceのCEOであるJim Marggraffの2人は、将来のヒューマンコンピューターインタラクションは、様々な入力手段が組み合わされた(=マルチモーダルな)ものになるということで意見が一致している。Marggraffは、Steve Jobsがマウスの役割を指で置き換えたことと同様のことを、目で行おうとしている。彼の会社は、ARとVRのための視線追跡テクノロジーを開発している。一方Buckwaldはコミュニケーションツールとして手の動きを活用する、やや方向の違うアプローチをとっている。

「誰もが今、それぞれのポケットに15年前のスーパーコンピューターを持っています」とBuckwaldが付け加えた。「しかし私たちがこれらのデバイスを実際に使う方法を比較してみると、その使い方は本質的にはオン/オフのバイナリのままなのです」。

人間には、コミュニケーションを双方向なものにしたい自然な欲求がある。こうした理由から私たちは触覚的なフィードバックや、実際のプラスチックボタンなどを熱望するのだ。しかし、新しいコミュニケーションの方法を生み出したときには、新しく不慣れなフィードバックにも間接的に出会うことになる。時には、このフィードバックは、VRで過剰に時間を過ごしたために感じる吐き気のような不快なものであり得るが、一方素晴らしいものとなる場合もある。

「報告によれば、70から80パーセントの人が、なんらかの触覚的フィードバックを得ているように脳が感じているようですね」と、Leap Motion Orionの利用者が感じるファントムセンセーション(実際に存在しないものがあたかも有るように感じる錯覚現象)に触れながら、Buckwaldは語った。

これは、退屈な日常の仕事を逃れてエベレストのベースキャンプへ行きたいと思っている人たちにとっても楽しいものである一方、切断手術に伴う幻肢痛に苦しむ人たちにとっては信じられないほど価値のあるものとなる。VRは、そうした人たちの失われた手足を、まだそれがそこにあると信じている脳に接続するための貴重なツールとして使われるのだ。

更に悪い例だが、閉じ込め症候群(locked-in syndrome)の人は容易に外部とコミュニケーションを取ることができない。彼らにとってコミュニケーションは、多大な努力を必要とする疲れるプロセスであり、私たちが当然と思っている早口に追いつくことも闘いなのだ。

「一般的に言って、メニューを視線で操作することは、手を使う時間に比べて、わずか数十ミリ秒で完結できるのです」とMarggraffは付け加えた。

比喩を使って話すことを好む人がいる一方で、ユーモアを使いたい人もいる。人間と機械の対話はこれが決定版だというような、勝者が総取りをするようなやり方にはならない。

「仮想オブジェクトを捕まえて、保持し、動かして、様々な方向から眺めて、その大きさを調べたり、色を変えたり、変形したり。そうしたことを手で始めて、目でそれを引き継ぐこともできるのです」とMarggraffは続けた。

私たちが確信しているのは、入力メカニズムがどうであれ、コミュニケーションは遅延や中断のないシームレスなものでなければならないということだ。自然さとリアルさは、経験の質と表裏一体である。世界がより没入型になるだけでなく、その中で不快に感じることも少なくなるだろう。

これは全ての人にとって意味のあることだ。いつか私たちの子供たちは、別の大陸にいる友達とVRを通して遊べるような世界で育つことになるだろう。これはAltspaceVRのような企業によって、共有体験の上に形作られるソーシャルネットワーク全体とともに探求されている仮説と同じである。

VRの成長の中で、コンテンツの品揃えは、エンターテインメントプラットフォームとして偏ったままである。この先「iPhoneが起こしたような転換」は起こり得るだろう。ただしそれはマルチモーダルなヒューマンコンピューターインタラクションを通してのことになる。

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(翻訳:Sako)

ポケモンGOはAR/VRの全てを変える(そして何も変えない)

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【編集部注】著者のTim Merel氏はEyetouch RealityDigi-Capitalの創業者でCEO。

 

「ポケモンGOをARと呼ぶのはやめろ」と純粋主義者たちは言う。しかし、あれほど成功したものをどのように呼ぼうが、誰が気にするものか。起こったことを喜ぼう。そしてこれがAR/VR産業にどのような意味を持つかを探ろう。

ポケモンGOは、誰もが待ち望んでいたAR/VRのシンギュラリティ(特異点)である、しかしその姿は皆が期待していたものとは随分異なっている。それは未来のメガネでもなく、ハイテクでもなく、新しいハードウェアは不要でしかもタダなのだ。誰がこれを予想していただろう?

ポケモンGOの開発者であるNianticですら、そうした予想はしていなかったことだろう ‐ ユーザーからの圧倒的な需要が(DDoS攻撃の助け借りずに)開始時のサーバーダウンを引き起こした程の大いなる成功にも関わらず。

ポケモンGOの素晴らしいところは、8歳から80歳までの 1億人を超える消費者たちが、世界中でゲームをプレイし、それをプレイするひとを困惑しながら眺めたり、奇妙な経験についての長々とした記事を読んだり、主流メディアが膨大な情報を投入するところを見たりしたことだ。AR/VRは、もはや業界のインサイダーや、イノベーター、そしてアーリーアダプター(やTechCrunchの読者)のための珍獣ではない。1週間も経たずにAR/VRは主流の現象となった、そしてそれは(私たちを含む)もっとも楽観的な業界インサイダーが思っていたものよりも、何年も早く起きたのである。

なぜポケモンGOはこれほど成功したのか?

まず、ポケモンは私たちの心の中の、大切な場所を占めているということ。溺愛するX世代の両親と、ベビーブーマーの祖父母が見守る中で、新世紀生まれはポケモンと共に育ち、いまやどこにでもあるブランドである。

第2に、プラットフォームが普及していたということ。今年中にはスマートフォンとタブレットによるモバイル通信契約が40億に迫ろうとしている、いまやどこにでもあるプラットフォームである。

第3に、馴染みやすく、すぐに遊べるゲーム体験。それは子供のころに遊んだポケモンではない。よりアクセスしやすい、誰にでも馴染みやすいゲーム体験である。

しかし、純粋主義者たちはなお「ポケモンGOはARではない」と言い続ける

第4に、純粋なモバイル体験。どこへ行っても遊ぶことができ、どこに行ってもそこで遊ぶ意味がある。そして、それはポケモンGOの成功だけではなく、すべてのARの成功の鍵なのだ。ARは本質的にモバイルであり、逆にモバイルであることが過去10年間の技術革新の多くを牽引してきた。

ARは火星から、VRは金星から

しかし、純粋主義者たちはなお「ポケモンGOはARではない」と言い続ける。一体彼らは正しいのか、それとも間違っているのか?

いくつかの定義を再検討してみよう。VR(仮想現実)は、仮想世界の内部にユーザーを配置する。AR(拡張現実)は、仮想オブジェクトをユーザーの実世界の上に重ねることによって、現実世界の拡張を行う。ARと密接に関連しているが、MT(複合現実)は利用者の実世界にしっかりとした仮想オブジェクトを配置する。そのため利用者にとっては、それらは実物のように見える。これまでのところ、分類は非常にシンプルだ。

Digi-Capital Reality Matrix

しかしこのテクノロジーは、それが最初に現れたときよりも、もう少し多様なものである。Digi-CapitalのReality Matrixは、いくつかの基本的な定義を使用してマーケットを区分している。

  • Virtual(仮想):現実の世界は排除される(すなわち、ユーザーは仮想世界と仮想物体だけを見ることができる)。
  • Augmented(拡張):現実の世界は排除されていない(すなわち、ユーザーは現実世界と仮想物体を見ることができる)。
  • Immersive(没入):ユーザーの脳を騙してそれらが本当の体験であるような反応を引き出すテクノロジー要素群(多種多様である、詳しくはここで)。
  • Ambient(環境):Immersive程の没入体験はもたらさない、1つまたはいくつかのテクノロジー要素群。

Reality Matrixは4区画から構成されている。いくつかのプレーヤーは、異なるユーザーニーズに対応するために複数の区画にまたがっている。

Console/PC VRは、仮想クジラが海面下でユーザーに迫ってきたときに、ユーザーを飛び退かせる(例えばHTC Vive、Oclus、PlayStation VR);Mobole VRはとても良いVR体験を提供するが、位置追跡などのキー技術のために没入型ではない(例えばSamsung Gear VR、Google Cardboard、そしてDaydream);Augment Realityには日中の現実世界の中に仮想オブジェクトを表示するIron Manのホログラフィックディスプレイのようなもの(例えばAtheer)からスマートフォン/タブレットの「魔法の窓」AR(例えば Google Project Tango)のようなものまでが含まれる;Mixed Realityでは仮想オブジェクトが日中の現実世界の中にリアルな物体として登場(例えばMicrosoft のHoloLens、Magic Leap、Metaなど)したり、ARとVRの間を簡単に切り替えられる(例えばODG)。

しかし、ポケモンGOはどこに入ることができるだろう?

それが拡張現実なんだよジム ‐ でもそれは私たちが知っているものじゃない

この点が純粋主義者たちを少々慌てさせるのだ(これがThe FirmによるStar Trekの間違った引用だからだ、という理由だけではない)。なので、ここではっきり言ってしまおう。

ポケモンGOはARだ。その本当に基本的なバージョンというだけのことだ。

多くの点で、ポケモンGOは唯一のロケーションベースのエンターテイメントであり、業界の人々が思い描いていたようなARではない。しかし、そこがポイントなのだ。これは、業界の人々の認識がどうこうという言う問題ではなく、一般の人々の認識の問題なのだ。

たとすれば、ポケモンGOがAR/VRの開発のために意味しているものは?

一般の人々がポケモンGOをARであると考えているのなら、そういうものなのだ。

友人とポケモン狩りのために近所を歩き回るときに、それがARであろうとなかろうと何の関係もない。使われているテクノロジーが新規性のないもの(GPS、クロック、カメラ)であってもなんの問題もないし、ファンシーな光学機器、SLAM(Simultaneous Localization and Mapping:地図作成と位置同定を同時に行うこと)、先進的コンピュータービジョン、その他のハイテク魔法が使われていないことにも何の問題もない。そのどれも重要ではないだ。

なぜなら楽しいから。そして、どこにでもあるから。そして人々は、あなたがそれを好きかどうかに関わらずARだと思っている。だから、そのように対処するだけだ。

全てを変え、そして何も変えない。

たとすれば、ポケモンGOがAR/VRの開発のために意味しているものは?

消費者に受け入れられたという点で、それは記念されるべきものだ。何年もの間VR/AR/MRに関心を示さず、試行もして来なかったひとたちが、いまやマーケットでアクティブに活動を始めている。それは、業界のためには途方もなく良いことだ。なぜなら今やマスマーケット消費者の認知が得られているからなのだ。

アプリ開発者について言えば、誰もが時流に乗ることができるかどうかを見出そうと大騒ぎの最中だ。これまでVR/AR/MRにリソースを投入すべきかどうか決めかねていた人々は、少なくともどうすべきかを考えている。そのキャリアを活かして何をすべきかを決定しようとしいる気鋭の関係エンジニアたちは、それによって影響を受けている。市場に流入してくる才能にとっては、とても好都合だ。

VR/AR/MRテクノロジーの中核会社(すなわち、ハードウェアメーカーたち)にとっては、テクノロジーがどのように開発されていくのかに対して、ポケモンGOはほとんどが影響を与えていない。すべての課題はそのままであり、ARが真にテイクオフする(現在のロードマップに従えば、2018年頃 )ためには、ヒーローデバイス、長いバッテリ寿命、携帯通信機能、強力なアプリのエコシステムと電話会社による内部相互補助といったもののマジカルな組み合わせをまだ必要とするのだ。

投資家にとっては、非常に刺激的であると同時に混乱もしている。ポケモンGOは多大な努力を必要とする特別なアプリケーションである。規模の点で模倣することは困難だ。任天堂の株価はモンスターボールというよりヨーヨーのように見えた。ということで既に存在している以上のマーケットを巡る話題はある一方(可能性はあるものの )、VCの根底にある考え方は大きくは変わらないままである。

Apple CEOのティム・クックの言葉が最高である :「ARは本当に素晴らしいものです。私たちはこれに対して、これまでも、そしてこれからも、多大な投資を続けます。ずっとARに夢中なのです。お客さまにとって素晴らしいものを提供することができ、そして素晴らしい商業的チャンスがあると私たちは考えています…とても巨大な」。

ポケモンにとっては小さな1歩だが、ポケ類のためには大きな1歩なのだ。

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(翻訳:Sako)

これがNianticがテスト中の「近くのポケモンを探す」新機能―ビデオあり

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ポケモンGOの「近くにいるポケモンを探す(Nearby tracking)」 システムはあてもなくむやみに歩きまわることなしにポケモンがどこに隠れているかをプレイヤーに教える機能になるはずだった。ところがゲームのリリース後2、3日でこの機能に障害が起き始めた。

「ポケモンを探す」は、機能するがわかりにくい「足跡」システム(足跡3つなら遠い、1つなら近い等)から、完全に役に立たない(距離に無関係にすべてのポケモンが3歩の足跡を残すなど)機能になり、やがてほとんどのユーザーで機能そのものが削除されてしまった。

今日(米国時間8/9)、新たに公開されたアップデートに付属する変更ログによれば「近くのポケモンを探す」ための新たな機能が開発され「一部のユーザーを対象にテストが行われる」ということだ。

暗号通貨Dogecoinの開発で有名なJackson Palmerがアップした紹介ビデオによれば、こんな具合らしい。

これが皆さんがお求めのビデオだ。

こちらは別のビデオ。

なんのことやらわかりにくい?

新しい「近くにいるポケモン(Nearby)」画面には2つのセクションがある。「近くにいるポケモン(Nearby)」と「見かけたポケモン(Sightings)」だ。

Nearbyポケモンはポケモンストップの近くにいる。背景画像はそのポケストップだ。タップするとマップはズームアウトして真上から見た地図になり、どのポケストップを目指せばいいかがわかる。これは禁止されたPokevisionに似ている。ポケモンGOの開発者は「勝てないなら真似しろ」という格言を思い出したのかもしれない。

ともあれ、目指すポケモンは表示されたポケストップの近くで発見できるはずだ。プレイヤーの報告によればだいたいポケストップから1ブロックぐらいの距離にいるという。現在ポケストップの回りには円が表示される。プレイヤー自身の周囲に表示される円とほぼおなじサイズだ。ポケモンがこの円内にいるならポケストップの「近く(Nearby)」にいるポケモンということになる。

「見かけたポケモン(Sightings)」セクションに表示されるポケモンの背景はポケストップではなく雑草になっている。つまり野放しのポケモンということでどこかのポケストップの近くにいるわけではない。ゲーム内にはこうしたポケモンを探すシステムはない。Sightingsセクションのポケモンは現在のところ特別な機能は何もないないようだ。また距離の順にソートされているわけでもないらしい(早くソート機能をつけてもらたい)。このセクションもポケモンを発見するにはやはりあてもなく歩き回らねばならない。わかっているのは「ポケストップの近所にはいない」ことだけだ。

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「ちょっと待て。私のポケモンGOは最新版だがNearbyセクションなんかないぞ?」という抗議が聞こえてきそうだ。

さて、そこが問題だ。上記のようにこの機能は「一部のユーザー」を対象として公開されている。私の知るかぎりサンフランシスコ周辺のユーザーが多いが他の大都市からも利用しているという報告が上がっている。それ以外のユーザーの場合はたとえ近所にポケストップがあってもSightingsセクションしか表示されない。

(注:Nianticではこのシステムはテスト中だと注意を喚起している。そのため一般公開前に機能が大きく変更されることはあり得る。そもそも近くにポケストップがない地方のプレイヤーのために開発者が何か適切なシステムを考え出してくれるといいのだが。

その他の変更点
– 発見する前に「消滅(despawns)」したポケモンはやっとNearby/Sightings画面からも消えるようになった。ゲームのローンチ以來つきまとっていたバグのせいで、別のポケモンと入れ替わるかゲーム自体を再起動するかしないかぎり消えたポケモンが表示され続け、プレイヤーに無駄足を踏ませることがあった。
– 同様に、ポケモンが簡単に近づけない距離まで離れると自動的に位置追跡画面から消える。
– Nearbyセクションのポケモンをタップして位置を追跡し始めた後でそのポケモンが消えた場合、ポップアップでそのことが通知される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ポケモンGO、iOS版は1億ダウンロード、売上合計は1000万ドル/日―他ゲーム、アプリへの悪影響なし

This photo illustration taken in Tokyo on July 13, 2016 shows the Pokemon official site through a Japanese internet website announcing the latest information for "Pokémon GO".
With Pokemon-mania sweeping the planet, Nintendo's nascent shift into mobile gaming has proved a massive hit, vindicating the Japanese videogame giant's decision to unshackle itself from a long-standing consoles-only policy. / AFP / KAZUHIRO NOGI / TO GO WITH Japan-US-IT-Nintendo-Pokemon-lifestyle,FOCUS by Harumi OZAWA
        (Photo credit should read KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images)

ポケモンGOのプレイヤーは サードパーティーの位置モニターが禁止されたことやゲーム中での位置追跡機能も削除されたことに強い不満を抱いているかもしれない。

しかしそうしたことがあってもこのゲームが口コミで拡散するスピードはまったく衰えていないようだ。App Storeの情報を分析しているApp AnnieによればポケモンGOアプリはこの週末に世界で1億ダウンロードを達成した。7月の末の数字が7500万ダウンロード だった。

Androidでも5000万ダウンロードを達成したのが新記録の速さだった―わずか19日だ。これに次ぐ記録は Color Switchの77日、Slither.ioの81日で、大きく差をつけている。Appleの発表でもポケモンGOはリリース当初の週のダウンロードとしてこれまでで最多だったという。

App Annieによれば、ポケモンGOの一日あたり売上はiOSとAndroidを合計して1000万ドだ。ただし、売上や利用時間に関して他のアプリ、ゲームに与えた影響一時的なもので、ごくわずかだったという。

App Annieの調査によれば、ポケモンGOのプレイ時間が長く頻繁なことは事実だが、これはアプリ・エコシステム全体を拡大する効果をもたらしているという。

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ポケモンGOがiOSとGoogle Playで他の有力アプリに悪影響を与えた形跡はない。アメリカではポケモンGOのリリース直後に1日あたり売上の一時的なダウンがあったが数日で平常に戻っている。オーストラリアではポケモンGOのローンチ後に他のゲームの売上が多少だが増加している。しかもポケモンの故郷であり、文化的にも結びつきの深い日本でも7月22日以前の10日間の平均を通常のレベルとした場合、ポケモンはGOはその5%しか占めていないという。

App AnnieはMobile Strike、Clash of Clans、Candy Crush Sagaなどのトップ・ゲームについてもポケモンGOのリリースによる影響はみられなかったとしている。

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「有力ゲームの売上の大部分はそれぞれのゲームのコアなファンから来ている。こうしたファンが複数のゲームに熱中することはまずない。そのため、全体としては〔ポケモンGOの影響が見られないのは〕不思議ではない」とApp Annieは結論している。

もうひとつ注目すべき統計はアメリカ市場におけるポケモンGOの利用時間と利用回数がAndroidアプリをリリースして以來のFacebookを抜いたという点だ。App Annieでは「ポケモンGOはモバイル外の時間を利用している可能性がある」と述べている。つまりユーザーはショッピングしたり犬を散歩させたりしながらアプリを開いているのではないかということだ。

長期的な影響については、ポケモンGOが他のデベロッパーにゲームに拡張現実を取り入れさせるきっかけになるかもしれないとApp Annieは見ている。もちろんポケモンGOのレベルでこれを達成することは不可能だろう。ポケモンGOのベースになったIngressについて開発元のNianticは何年にもわたって膨大な数のユーザーからのフィードバックを収集しているとApp Annieは指摘している。

そうであっても、デベロッパーはARを用いてゲームに近隣のビジネスを取り入れることができる。こうしたビジネスのオーナーは徒歩の顧客数を増加させることに対して料金を支払う可能性が高い。またビジネス自身がアプリ内でバーチャル宝探しなどのアトラクションをホストすることも十分考えられる。実際これはSearsがアプリ内ですでに実験しているところだ。

現在のアプリのエコシステムでは、新しいアプリが発見され、ユーザーを獲得することがますます困難になっている。 ポケモンGOの長期的影響でもっとも重要なのは、オンラインとオフラインの融合によって新しい収入源が発見される可能性をデベロッパーに示したことにあるかもしれない。

画像: KAZUHIRO NOGI/AFP/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ポケモンGoのリーダーの姿が明らかに―将来は新種のポケモンが追加され、ポケストップのカスタマイズも

ANKARA, TURKEY - JULY 13 :  A Pokemon Go user plays Pokemon GO game in Ankara, Turkey on July 13, 2016.  (Photo by Erçin Top/Anadolu Agency/Getty Images)

ポケモンGoのプレイヤーは他のプレイヤーとのトレードでコレクションを充実させることができるようになるという。地域によってむやみに数多く出現するモンスター、たとえばオーストラリアのガルーラ(Kangaskhan)を地球の裏側のプレイヤーのモンスターと交換できるというのはグッド・ニュースだ。

NianticのCEO、ジョン・ハンケはサンディエゴで開催されたコミックコンのパネルに登場し、NianticがポケモンGoのトレーディング機能を開発中であることを明らかにした。アップデートではカスタマイズできるポケストップや新しいモンスターも追加されるという。またハンケはポケモン育成についてもいろいろ考えていると述べた。

ハンケが近く追加されるとした新機能のうち、カスタマイズできるポケストップというのはたいへん面白いアイディアだ。ハンケによれば、プレイヤーは今後ルアー(ポケストップの周囲にポケモンを集めやすくできる)に似たアイテムを入手できるようになるという。しかしこれはポケストップの役割大きく変えることになる可能性がある。

ハンケによれば、たとえば、プレイヤーはある種のモジュールを使ってポケストップを一時的にポケモンセンターに変えることができるという。同様に、ルアーに似ているが、特定の種類のポケモンだけをポケストップの周囲に集めることができるモジュールなど、ポケストップで入手可能なアイテムのさまざまなバリエーションを考えることができる。こうしたモジュールを使うとポケストップに自分の必要な機能を持たせることができるわけだ。

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古い世代のポケモンも登場する―ただし全部ではない。

またハンケは新種のポケモンが間もなく登場することを確認した。現在ポケモンGoにはオリジナルの150種類のポケモンがいるが、「過去の世代のポケモンをポケモンGoに統合する興味深い方法を近く公開する」ことを明らかにした。ただしハンケは詳しい内容、スケジュールについては一切触れなかった。しかしハンケの発言からすると、今後のポケモンの追加はGoがスタートした時点でのように他種類が一括して登場するという単純なものではなさそうだ。

ハンケはポケモンのトレーディング機能について簡単に触れ、現在開発中だと述べた。第一世代のポケモン・ゲームの登場と同時にトレーディングは可能になっていた。Goにもトレーディング機能が追加されるというのは理にかなっている。ある種類のポケモンばかりゲットしてしまい、いっしょにプレイしていた友達の別のポケモンと交換できたらいいと願ったことあるプレイヤーは多いはずだ。ポケモン育成も興味あるテーマで、これは現在の「ポケモンを卵から孵す」機能をさらに高度にしたものになるようだ。トレーニング手法の改良も歓迎だ。【略】

サンディエゴ・コミックコンでサプライズで明らかにされたのは、チームリーダーが単なるシルエットではなく詳しいイラストで顔がわかるようになったことだ。プレイヤーは誰だか分からないシルエットについていく必要がなくなった。この機能はただちにゲームで公開されたが、やはり興味あるのはハンケの述べたロードマップだ。ハンケによれば新種のポケモンの登場では、長いものは1年以上も待たねばならないらしい。他の改良についてもかなりの時間を覚悟する必要があるだろう。

〔チーム・ヴァーラーはキャンデラ、チーム・ミスティックはブランシュ、チーム・インスティンクトはスパーク〕

Via The Verge

画像: Erçin Top/Anadolu Agency/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Volkswagenのレースゲーム、IKEAの拡張現実アプリにみる効果的な「顧客体験」創出の事例

Experiences generate clicks  not ads   TechCrunch

【編集部注:本稿の執筆者、Pratham MittalVenture Pactの共同創業者】

広告はもはや、あまり効果的でなくなっている。

まず第一に、あまりにも多くの広告が存在しているからだ。画面、生活の至る所に広告が溢れかえっており、企業、スタートアップはその他大勢の中で目立つことが恐ろしく難しいことに気づいている。

確かに、広告コピーによってクリエイティブであることは可能だ。ユーザーへの徹底的なリマーケティングで話題となり、共感を得ることもできる。しかし、結局は他の企業もそのまま同じようなことをしているところで未だに競い合って、ユーザーの視界から外れてしまう。

今日、経験豊富なマーケターはコンテンツ・マーケティングが非常に重要なものだと認識している。しかし、現実を見てみよう。一体どれだけのEブックとブログが座って読むに値するものだろうか?さらには、かなり良質なコンテンツを作ったとしても、競争の激しいキーワードで順位を獲得するのは簡単ではない。Eブックがバイラルになる、もしくはDharmesh Shah氏からElon Musk氏のような人が自社のコンテンツをツイートしてくれると思ってるなら、あなたの成功を祈るよ!

一般の消費者はオンライン広告・マーケティングに対して慣れきっている。どのようにしてこの状況を変えようか?消費者が広告に興味を持たないこの状況下で何が有効なのか?顧客がEメール、電話番号を渡すに値するとどのように証明しよう?

顧客の興味を引くのはデートに誘うときとそんなに変わらない。いかに自分が素晴らしいのか、もしくは月並みな口説き文句をいったりはしない。その人自身が特別な存在だと感じさせる、信頼を築くために一層の努力をする、本当に気にかけていることを示す、そしてさりげなく電話番号を聞くのだ!

今日の顧客は、あなたが顧客に対して気を配っていないこと、またいかにもなセールストークを言っているだけだと気づいている。
前述したことがあなたが顧客にすべきことだ。記憶に残る体験を構築すること、交流の機会を設けること、個々の顧客に合わせてカスタマイズを行うこと、付加価値を与えること、信頼を築くことだ。

それでは実際のこれらの顧客体験はどのようなものなのだろうか。

私たちは有名スタートアップとFortune500入りの企業に調査を行った。素晴らしい顧客体験のほとんどは後述の5つのデジタル体験のうちの1つに当てはまる。

カリキュレーター(計算機)

オンラインスクールに登録するもしくは、保険を購入する際にあなたが真っ先に知りたいのは「費用は一体いくらなのか」だろう。カリキュレーターがそんな喫緊の質問に答える手助けになる。費用は一体いくらなのか?投資対効果は何か?いくら節約できるのか?

現実に、購入決定のためのカリキュレーターを使った投資対効果、費用の計算が毎月数百万回実施されている。

カスタマーに平凡なランディングページを突きつけるのではなく、彼らの質問に直接答えられるようにしたらどうだろうか?インタラクティブなカリキュレーターの出番だ。

想像してもらいたいのだが、病院のサイトに「心臓病を患うリスクを計算しよう」というカリキュレーターがあればどれだけ顧客のエンゲージメントを高めることができるだろうか。もしくはオンラインスクールのサイトに「学問を修めるための費用をいくら節約できるか計算しよう」というカリキュレーターがあればどれだけコンバージョンを得ることができるだろうか。

レベル判定

顧客はいつも自分自身について知りたいと思っている。とりわけ自分がしている良くないことについて。もし成績をつけることができる場合、顧客は判定「A」を獲得するために努力することだろう。そして、その過程で顧客からの高いエンゲージメントと多くの顧客データを手に入れることができる。

一般の消費者はオンライン広告・マーケティングに対して慣れきっている。

SEOの判定、もしくはWebサイトのスピードの判定で自社のWebサイトをテストしている時のことを考えてみよう。一旦判定Aを獲得するためにしなければならないことがわかったら、そのために多くの努力をするだろう。

HubSpotを例に取ろう。Webサイトがマーケティングにしっかり対応しているか、ユーザーフレンドリーがどうかを判定するツールがある。インバウンド・トラフィックがどこで遅くなっているのかHubSpot の見込み顧客に伝えることで、信頼を築くだけでなく大量のWebサイトの情報を集めることもできている。
Experiences generate clicks not ads TechCrunch
Webサイトの判定が最も一般的なものだが、さらに他の可能性もある。大学は論文の成績判定ツール、IQレベル判定などを開発できる。ヘルスケア企業は腎機能値、BMI(肥満指数)などの人の健康データを判定するツールを利用できる。

コミュニティー

業界フォーラム、コミュニティーはまだ手がつけられていない有用かつ有望な分野だ。買い手は何か買う前に、ほとんどいつでも他の人からの意見を求めている。意見の交換ができるフォーラムはかなり価値が有るだろう。

すぐに、しっかりした回答をもらうことができる業界フォーラムを立ち上げることができたら、業界に関することを質問するための行きつけのサイトになることができる。そして、しっかりSEO対策をしている場合、フォーラム上での質問も検索に引っかかり多くの検索トラフィックを得ることができるだろう。
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最高の見本となるのはクラウドに関する意見をもらうことができるGartherのCloudAdviceフォーラムだろう。GartherはIT分野の調査・研究を行う企業だ。ITに関わる人のためのコミュニティーを作っており、そこで技術的な質問を投稿したり、課題となっていることを議論することができる。このフォーラムによってGatnerは見込み顧客に自社の存在を認知してもらえるし、また彼らをその業界の権威として確立することができる(示すことができる)。

Gartnerはフォーラムに「Weekly Heroes」というカテゴリーを設けゲーム感覚を追加している。ユーザーに報酬を与え、投稿を続けてもらえるようにインセンティブを設けているのだ。

ゲーム

ポイントサービスから実際のモバイルケームのようなゲーム体験はユーザーがゴールを達成したいように仕向ける。正しく使えば、ユーザーのエンゲージメント向上に役立ち、ブランドを印象づけることができる。
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チョコレートを販売する企業のKinder Joyは5〜12歳の子供向けのアプリの提供を開始した。アプリでクイズ、パズル、教育ゲームなどがある教育環境下に子供を置くことができる。コンテンツを楽しんでいる間、子供は継続的にKinder Joyのブランドに接することになる。子供の親がアプリの利用時間、接続を管理することができるので、信頼できるブランドという印象をあたえることができる。

これだけ大勢の企業がごっだ返している中では、最高のセールストークも効果的でない。
他の例にはVolkswagenがあげられるだろう。Volkswagenの車でレースができるクラッシクカーのレーシングゲームのアプリを作った。アプリ自体は非常にシンプルなものだが、ユーザーはゲームで新しいモデル、パーツを手に入れるために奮闘しながらVolkswagenのすべての車に詳しくなっていくのだ。

AR(拡張現実)

AR(拡張現実)とVR(仮想現実)は顧客のエンゲージメントを高めることにつながる新たなタイプの体験となる。お気に入りの例の1つはL’Oréalの「Makeup Genius」アプリだ。このアプリを使うことで、スマートフォンの画面上でL’Oréalの様々な化粧品を仮想で顔に試すことができる。報告によるとアプリは2000万回以上ダウンロードされているそうだ。

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2000万人もの潜在顧客を深くブランドにエンゲージするというのはマーケティングの世界で未曾有のことだ。L’Oréalは正確にあなたがどのアイライナーが好きなのか、あなたの顔がどんなタイプか、その他様々な情報を把握しているということだ。販売において、どれほど個々の顧客にカスタマイズした販売が可能になるか想像してほしい。

IKEAはAR(拡張現実)の利用成功例を持つ企業だ。IKEAのアプリは仮想でリビングスペースに家具を置くことができる。外出することなく数百万の机、椅子、洋服だんすを試してみることができるのだ。そしてここにIKEAにとって素晴らしいメリットが存在している。IKEAはあなたが何色の机を好きかといった情報だけでなく、家の間取り、部屋数、その他いろいろな情報を集めることができるのだ。

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このアプリという特効薬によって、IKEAがまるで顧客の家に上がりこむのと同じだけの多くの情報を得ることができ、大きな価値をもたらしている。

今日の顧客は、あなたが顧客に対して気を配っていないこと、またいかにもなセールストークを言っているだけだと気づいている。これだけ大勢の企業がごっだ返している中では、最高のセールストークも効果的でない。

それゆえ顧客を獲得する競争は広告への入札や誇大広告でクリックを誘ったりすることではなくなる。顧客との相互の交流、個々の顧客にカスタマイズしたやり方で真の価値をもたらすテクノロジーの最新の手法を駆使できた人が勝者になるだろう。

マーケティングのあり方が大きく変わっていることを考慮して、マーケティング部門は自社の「デジタル指数」は何かについて、そしてそれを最大化するにはどうすれば良いのか考え始めるべきだ。テクノロジーに精通した自社専属の科学技術者を雇い、IT/テクノロジー部門にもより力を入れ、熱心に製品開発に取り組むとよいだろう。

マーケティングが新たなITとなる日はそんなに遠くない。

原文

(翻訳:Shinya Morimoto)

Pokémon Goのエンジン、Unityが1億8100万ドルのモンスター資金調達―評価額は15億ドルと報道

2016-07-14-uniti-roundc

この数年、Unity Technologiesはゲーム開発だけでなくエンタテインメント・ビジネス全般にとって欠かせない存在になっている。Unityはその上でユーザー体験を開発すればさまざまなOSで広く分散実行可能なエンジンを提供している。仮想現実と拡張現実の実用化に伴い、Unityがそうしたソフトウェア開発の将来を握るカギとなる可能性が高まってきた。

こうした未来を実現するには当然ながらキャッシュが必要だ。

今日(米国時間7/13)、Unity TechnologiesはシリーズCラウンドによる1億8100万ドルの資金調達を発表した。このラウンドはDFJ Growthがリードし、投資家にはChina Investment Corporation、FreeS Fund、Thrive Capital、Max Levchinらが加わっている。また既存投資家のSequoia Capital、WestSummit Capitalも参加した。

今回の大型ラウンドはUnityのこれまでのラウンド(わず2550万ドル)をかすませてしまっただけでなく、同社がいかにアグレッシブに拡張を図っているかを示すものとなった。New York Timesは2つのソースの情報として、この資金調達におけるUnityの会社評価額は15億ドルだとしている。2014年の後半、MicrosoftはUnityの買収を検討したと報じられたことがある。このときのUnityの言い値は10億ドルから20億ドル程度だったようだ。もちろんこの買収は実現しなかった。

Unityは創立後12年の会社だが、特にここ数年、Unityゲーム・エンジンがデベロッパーの間で事実上の標準となるにつれて、猛烈な成長をみせていた。今日、Unityは統計をアップデートし、550万以上のデベロッパーがUnityプラットフォームに登録ずみだと明らかにした。最近、Unityの直接のライバルであるEpic Gamesは同社のUnreal Engineの登録ユーザーが200万であると発表している。

Unityの急速な成長を可能にした大な要因はプラットフォームの多様化にあるとみられる。ゲーム・エンジンの世界では、以前のUnityには「負け犬」の印象がついてまわったが、2008年にモバイル対応を戦略の中心に据えた。UnityはApp Storeがスタートした当初からiPhoneのゲーム・アプリのプラットフォームを提供していた数少ないパイオニアだった。

その後も同社はトレンドのトップを走り続けるために多大の努力を払った。 VR〔仮想現実〕とAR〔拡張現実〕に力を入れてきたのもその例だ。同社の推計によれば、VRを代表するもっともポピュラーなヘッドセットのひとつであるGear VR向けアプリの90%にはUnityのエンジンが用いられている。ARを利用したユーザー体験をベースにするアプリ、たとえば最近のスマッシュ・ヒットとなっているPokémon GoもUnity Technologiesのゲーム・エンジンを用いている。

DFJ Growthのパートナー、Barry Schulerはプレスリリースに付随する声明で次のように述べた。

Unityのプラットフォームはゲーム産業に革命を起こした。インディーのデベロッパーもトリプルAクラスのゲームソフト企業もこのプラットフォームを利用することで美しく説得力ある世界を創造することができるようになると同時に、広告とアナリティクスの機能を利用して効果的な収益化が可能となった。今回〔の資金調達で〕、UnityはAR/VRテクノロジーを進化をさらに加速させる。「一度書けば多数の環境に提供くできる(write once/ publish many)」 という特長を持つユニークなUnityエンジンを利用することでゲーム・スタジオは新しいOSにも即座に対応が可能だ。どの環境が最終的に勝利するか見極めるために待つ必要はない

DFJ GrowthはベンチャーキャピタルのDraper Fisher Jurvetsonにおいて後期スタートアップに投資するための組織だ。このグループはこれまでにBox、Foursquare、Tumblrなどに投資している。今回の資金調達でSchulerはUnityの取締役に就任する。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Pokémon Goは現実の人の流れを作り出した―ポケストップ、ポケモン・ジムも登場

2016-07-12-pokemon-paying-customers

ごく珍しいポケモン・アイテムを探しているときに上のような張り紙―ポケモンは有料のお客様に限ります―を見つけたらどうすべきだろう? 私ならたぶん金を払って中に入ってどんなポケット・モンスターが店内に棲息しているのか確かめようとするに違いない。

Ingressと任天堂は、まだ入場料を払ってPokémon Goがプレイできる現実の場所というビジネスモデルをスタートさせていない(おそらくアプリ内課金だろう)。しかしこのアプリには現実世界で人の流れを作り出す力があることは否定できない。上の画像はNeoGAFという掲示板に投稿されたものだが、似たような例は多数、報告されている。

一部のビジネスはこれを逆に利用して、Pokémon Goがプレイできることを宣伝して客を呼びこもうとしている〔日本版:下の画像がそのポケストップの立看板〕。

Screen Shot 2016-07-11 at 9.16.47 AM

現在Pokémon Goがプレイできるこうした場所はPokéStopやPokémon Gym(これは覚えておくべき用語だ)などと呼ばれている。Pokémon Goのプレイヤーはこれらの場所に集まって珍しいアイテムを手に入れたり、技を競い合ったりしている。こうした地点はユーザーの申請によってIngressの地理情報データベースに登録される。申請は自由にできるが、公開データベースへの登録はNianticによって審査される。

Ingresはゲーム内ロケーションの登録を収益化のために活用している。 東京三菱UFJ銀行はNianticと提携してIngressを使った大がかりなブランド・キャンペーンを展開した。たとえばMUFG銀行のATMがIngressのポータルとなったり、MUFG銀行ブランドのゲーム内アイテムが登場したりした。Zipcar、AXA、Circle Kなど多数の企業がIngressの拡張現実ロケーション情報を利用している。

Nianticのプロダクト・マネージャー、Brandon Badgerは以前、gamesindustry.bizによるインタビューの中で、ブランドによるロケーションを導入する方式でIngressの収益化を図るビジョンを説明している。

Pokémon Goはすごいことになっている。写真は〔ニューヨークの〕セントラルパーク。事実上Pokémon Goの本部化している。 

すでにNianticと任天堂がPokémon Goに用意した仕組みを使って現実世界で人の流れを作り、ビジネスに結びつけようとするユーザーが多数現れている。たとえば、Forbesの寄稿者、Jason Evangelhoの記事には大勢のプレイヤーを無我夢中でPokéStopに押しかけさせるために頭のいいビジネス・オーナーがどのような手法を利用しているかが詳しく報告されている。

しかしどんな手法にせよ、そもそもPokéStopがすでに開設されているのでなければ利用できない。当然ながら大小さまざまなビジネスが自分たちの場所をポータルとして登録するようNianticに申請中だ。

ゲームの人気を利用して現実の人の流れを作り出したことがあるのはNianticばかりでなく、任天堂もそうだ。 ニンテンドーゾーンは専用ゲーム機の通信機能を利用して特定の場所に設置されている機器と通信し、特別なコンテンツをゲーム機にダウンロードできるサービスだ。任天堂は日本ではマクドナルド、アメリカではWiFiキャリヤのBoingoと提携し、無料でコンテンツがダウンロードできるようにしている。 Chris ScullionはMcDonaldとの提携方式がPokémon Goでも利用できるとして次のようにツイートしている。

マクドナルドなどの企業が大金を払ってチェーン店のすべてをポケモン・ジムに変え始めるまでに6ヶ月と考えている 

ゲームがこれほどの成功を収めたことが明らかになると、大小を問わずビジネスとしてはこのゲームを利用する方法を考えた方が、歩道に昔ながらの看板を立てておくより、はるかに賢明なのは間違いない。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Eyefluenceは視線でコンピュータを制御するヘッドセットを開発中

2016-07-11-eyefluence-jim

見つめるだけでコンピュータを操作できたら便利だろう。簡単にいえばこれがEyefluenceのビジョンだ。このシリコンバレーのスタートアップはハンズフリーのコンピュータ・ナビゲーションを開発中だ。

Eyefluenceのチームがテストしているプロトタイプは、一種のフェイス・コンピュータで、拡張現実メガネにカメラが装備されている。このカメラからの情報でユーザーが画面のどこを見ているかを判断する。ユーザーはアイコンを見るだけでクリックすることが可能だ。

これまで固く秘密を守っていたチームはTechCrunchにテクノロジーの一端を公開し、デモを見せてくれた。上のビデオにもあるように、この製品は一般ユーザーのショッピングやメッセージ・アプリでの会話(「アイ・メッセージ」と呼びたいのだそうだ)にも利用できる。

このテクノロジーは「思考同様に速く動く」とファウンダー、CEOのJim Marggraffは言う。他の視線追跡テクノロジーと異なり、Eyefluenceは「作動のためにいちいちウィンクする必要も、結果を待つ必要もない」ということだ。

Eyefluneceはカギとなるのはバイオメカニクスのノウハウだと強調する。Eyefluenceのデバイスは「視覚と脳を直結させた最初のユーザー・インターフェイス」を実現しているとMarggraffは述べた。

Eyefluenceのビジネス・プランは、有力企業、ブランドの新製品にこのテクノロジーを組み込ませることだが、それがいつ、どのように実現するかという詳細を明らかにすることは避けた。Marggrafは「われわれヘッドマウントディスプレイの有力メーカーと協力して作業している」とだけ述べるにとどまった。

だが、このテクノロジーを必要とするユーザーの数は多く、それに適した製品も多数が登場するだろうという。Marggraffは「デスク以外で活動する職業人は4000万人おり、そのユースケースは建設現場から病院の手術室まで無数に考えられる」としている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+