Amazonがインドで電子ウォレットのライセンスを取得

Amazonがインドで電子ウォレットのライセンスを取得したとMedianamaが報じた。今後同社はインドの消費者に対して、これまでよりもスムーズな決済手段を提供できるようになる。

現在のところインドの顧客は、何かを購入するたびに2段階認証のプロセスを経なければいけない。これは法律で定められたプロセスだ。しかし今回のライセンス取得を受け、今後彼らはAmazon上の電子ウォレットにお金をチャージできるようになる。さらにAmazon側も電子ウォレットの導入によって、キャッシュバックサービスの提供、迅速な返金といったメリットを享受できる。

これまでインド事業に50億ドルをつぎ込んできたAmazonは、贈り物やギフトカードの発行を可能にするため、2014年に電子ウォレットライセンスを持つ現地企業のQwikCilverへ出資していた。昨年12月にAmazon Payへと名前が変更されたこのサービスに電子ウォレット機能が実装されるのでは、との憶測もある。

実はAmazonは電子ウォレットのライセンスを3月に取得していたが、本日その事実が明らかになった。また数日前には、インドEC界のトップを走る現地企業Flipkartが、中国企業のTencent、Microsoft、eBayなどから14億ドルもの資金を調達していた。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

「トルコのStripe」、lyzicoがシリーズCで1500万ドルを調達

Eコマースサイトにオンライン決済機能を提供するトルコのフィンテック企業、lyzicoがシリーズCラウンドで1500万ドルを調達したと発表した。うち1200万ドルは今年初めに発表されていたものだ。

今回のラウンドにはロンドンを拠点とするVCのAmadeus Capital Partnersが加わり、300万ドルを出資している。ファーストクローズをリードしたのはVostok Emerging Financeで、その他にも既存投資家の数々、International Finance Corporation、そしてイスタンブールを拠点とするVCの212が本調達ラウンドに参加した。

「トルコのStripe」と称されることもある同社。サンフランシスコを拠点とする決済分野の有力企業であるStripeの潜在的な競合となりうる存在だ。しかし、Stripeは現在トルコでは事業を行っていない。lyzicoのターゲットはEコマースサイトなどのオンラインビジネスであり、同社はディベロッパーフレンドリーなプラットフォームを通して顧客に決済機能を提供している。

同社によれば、彼らのプラットフォームは24時間以内に導入可能で、PCI-DSSとBRSA(Banking Regulation and Supervision Agency)に準拠したセキュリティ性を備えている。2013年のローンチ以降、同社のプラットフォームは1万以上のオンラインビジネスに導入されており、登録アカウント数は20万を数える。

Amadeus Capital PartnersのJason Pinto氏はリリース上でこのようにコメントしている:

「トルコの急速な経済成長は力強い個人消費によって支えられています。そして、そのほとんどがクレジットカード決済によるものです。そのため、企業は洗練されたカード決済システムを用意し、そのニーズに応えなければなりません。モダンでかつ簡単に導入でき、急速に進化を遂げる決済システムをもつlyzicoに期待しています」。

[原文]

(翻訳:木村拓哉 /Website /Facebook /Twitter

オンラインストア「STORES.jp」がイベントなどで使えるスマホ決済サービスをローンチ

オンライン決済分野のプレイヤーと言えばPayPalSquareCoineyなどが思い浮かぶが、最近ではEコマースプラットフォームから派生した決済サービスも増えている。例えば、ネットショップが開設できる「BASE」は、決済サービス「PAY.JP」を展開しているし、ファッションを扱うモバイルECプラットフォームOrigamiも2016年5月に決済サービス「Origami Pay(オリガミペイ)」をローンチした。そして今回、新たにSTORES.jpが決済分野に参入するようだ。本日オンラインストアの作成サービス「STORES.jp」を展開するブラケットは、スマホでカード決済を受けつける「STORES.jp Payment」をローンチした。

STORES.jp Paymentは、例えばイベントや勉強会、屋外での物販などで短期的にカード決済を受け付けたい時に利用できるサービスだ。STORES.jp Paymentを利用するにはSTORES.jpのストアを開設している必要がある。ただ、ストアを利用しない場合は、STORES.jpの「ストア設定」からストアを非公開にすることでアプリ決済のみを利用することもできる。

カスタマーからの支払いを受け付けるには、まずアプリを起動して、カメラでカスタマーのクレジットカードの番号を読み取る。セキュリティーコードを入力したら端末をカスタマーに渡し、内容を確認した後「決済する」ボタンを押してもらって決済完了だ。

アプリは無料でダウンロードでき、利用するのに申し込みや審査などは必要ない。VISA、Master、American Expressでの決済に対応し、決済手数料は購入金額の5%だ。STORES.jpの商品在庫とSTORES.jp Paymentと連動させることもできる。アプリはiOSのみで提供している。

2008年10月に設立したブラケットはカーシェアリングサービス「CaFoRe」や靴のカスタマイズEC「Shoes of Prey」の日本版などを展開していて、2012年9月にSTORES.jpをローンチした。2013年7月にはファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイの完全子会社となったが、2016年10月にMBOを実施している。その時、ブラケットの創業者で現在取締役会長を務める光本勇介氏はTechCrunch Japanの取材に対し、STORES.jpのユーザーベースをハブに、各種のサービスを提供していくという構想を話していた。具体的には、決済サービスを展開することも視野に入れているということだったので、その構想通り今回STORES.jp Paymentのリリースに至ったようだ。

相手の口座を知らなくても使える割り勘アプリ「paymo」、木村新司氏率いるAnyPayが公開

AnyPay取締役の日向諒氏(左)と代表取締役の木村新司氏(右)

AnyPay取締役の日向諒氏(左)と代表取締役の木村新司氏(右)

2016年11月に開催したイベント「TechCrunch Tokyo 2016」のセッション内で発表されたAnyPayの新サービス「paymo(ペイモ)」がいよいよ1月19日にローンチした。アプリはApp Storeより無料でダウンロードできる。

AnyPayは連続起業家でシリウステクノロジー、アトランティス、Gunosyなどに関わってきた木村新司氏が2016年6月に立ち上げた新会社だ。すでに決済サービスの「AnyPay」(詳細はこちら)をスタートしていたが、冒頭の通り2016年11月にpaymoを発表。ティザーサイトを公開していた。

AnyPayはサイト上でアカウントを作成し、販売したいアイテムを登録すれば自らの「ショップ」で商品の販売、決済が可能なサービスだった。それに対してpaymoは、“割り勘アプリ”と銘打ったサービスで、飲食店などで知人や友人と割り勘をする際の、個人間での支払いに利用する前提のサービスだという。

アプリをダウンロードしてユーザー登録を済ませれば、本人確認なしでサービスを利用できる。レシートを撮影して金額を入力すれば、あとは銀行口座などの情報を共有せずにユーザー間で支払い(入金はVisaおよびMasterのクレジットカード)、請求が可能。支払われたお金はpaymo内にチャージされるので、銀行口座に振り込みするかたちで受け取りが可能だ。1回の送金限度額は10万円、1カ月合計30万円。手数料は無料となっている。当初は20〜30代のクレジットカードユーザーを対象にするが、将来的には10代の学生から50代の社会人まで広くユーザーを広げる狙い。1年間で700万ダウンロードを目指す。

paymoの請求フロー

paymoの請求フロー

同日開催された記者会見で木村氏はまず、日本のキャッシュレス決済比率が19%で、米国(48%)、韓国(62%)などと比較しても低い数字であること、PayPal傘下の個人間送金サービス「venmo」の月間流通金額が1000億〜2000億円を超えるといった、モバイル送金、決済領域の成長を説明。日本でも同様にモバイル送金、決済が成長すると考えてpaymoの提供に至ったと説明した。

以前、TechCrunch Tokyoでも僕が質問したことなのだが、会見でpaymoは資金移動業者による「送金」サービスではないと木村氏は強調した。サービスは「割り勘」という債務に対する支払いであり、それを実現するために、レシートのアップロードを必須としているという。

日本の法律上、個人間送金を行う場合は送り手、受け手ともに身分証の提出などが必須となる。もちろんこれはユーザーを守るためのルールではあるが、海外を見ると、シチズンIDと口座番号だけで送金可能なサービスが出ているのが現状。日本の法律上可能なかたちでサービスを提供したのがpaymoだという。また、サービスの提供に当たっては「確固たる弁護士事務所と相談して、問題ないと確認している」(木村氏)とのことだが、監督省庁の確認はとっていないとしている。

「AnyPay」を立ち上げた連続起業家・木村新司氏がTC Tokyoに登壇、スマホ時代の決済サービスとは

AnyPay代表取締役の木村新司氏

今、決済サービスに携わるスタートアップの動きが活発になっている。スマートフォン時代の“新しい決済”を実現すべく、さまざまなプレーヤーがしのぎを削っている状況だ。11月17〜18日開催のTechCrunch Tokyo 2016では、そんな決済の領域に挑戦する連続起業家であり、AnyPay代表取締役の木村新司氏が登壇することが決定した。

木村氏はドリームインキュベーター、シリウステクノロジーズを経て、広告配信事業を手がけるアトランティスを創業。同社をグリーに売却したのちにエンジェル投資家としてスタートアップを支援。投資先のGunosy(のちに共同経営者となり、退任)は2015年にマザーズに上場。またその他にも多くのスタートアップを支援してきた。AnyPayはそんな木村氏が新しく立ち上げたスタートアップだ。

ここであらためて決済領域のスタートアップの直近の動きを振り返ってみると、まずスマホ向けのカード決済からスタートしたコイニーが、オンライン決済ページ作成サービスの「Coineyペイジ」を発表。また、フリマアプリ「フリル」運営のFablicは楽天傘下に入ったが、今後は決済領域に進出する予定だという。さらに買収元であるスタートトゥデイからMBOしたブラケットも、「STORES.jp」に関連して決済サービスを強化するとしている。さらにBASEも15億円の大型調達を実施し、決済事業「PAY.JP」を推し進めていくことを発表した。

こういった各社の動きがある中、木村氏率いるAnyPayは果たしてどのようにしてサービスを拡大していくのだろうか。AnyPayの正式ローンチ時、木村氏はTechCrunchに対して、個人間送金やデビットカードについて興味を持っている旨を語っていた。つまり単純にスマートフォン向けの決済サービスを提供するだけでなく、その先に“新しいお金のやり取り”そのものを考えているということだろう。

木村氏が登壇するのは11月18日午後の予定。ステージでは、AnyPayのこれから、そして決済サービスのこれからについて聞いてみたいと思う。

Android Pay、VisaとMasterCardとの戦略的パートナシップで対応店舗を増やす

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Googelは今朝、VisaとMasterCardの2社と戦略的なパートナーシップの締結を発表した。Android Payのモバイル決済サービスをさらに広めることが目的だ。オンラインショッピングの決済にスマホのAndroid Payを使用しているユーザーは、今後Visa CheckoutMasterpassに対応している数多くのサイトでもAndroid Payでの決済が可能になる。

Visa CheckoutとMasterpassはVisaとMasterCardがそれぞれオンライン決済分野に参入するために展開しているサービスで、PaypalやApple Payに対抗するものだ。Apple Payは今年の9月からAppleのSafariブラウザに実装され、デスクトップ版とモバイルの両方で利用できる。

一方、GoogleはAndroid Payと既存のソリューションを連携し、モバイルウェブでのオンライン決済を改善するための方法を検討していた。Visa CheckoutかMasterpassに対応しているショップは、Android Payに対応するのに何か設定を行う必要もなく、サイトの決済ボタンは自動的にアップデートされるとGoogleは伝えた。

コンシューマーがMasterPassやVisa Checkoutに対応しているサイトでAndroid Payを使用するには、まずユーザーが持っているそれらのサービスのアカウントとAndroid Payのアプリを連携する必要がある。設定が完了すると、指紋認証といったユーザーが選択した認証方法を行うことでAndroid Payでの決済が利用できる。

Apple Payと同じように、Android Payの最終的な目標は、モバイルでオンラインショッピングを楽しむ時の決済プロセスを簡単にすることだ。ユーザー名、パスワードといった入力作業の手間を省くことができる。結果的に、買い物かごの放置率を減らし、販売主は高いコンバージョンが見込めるだろう。Apple Payの提案と一緒だ。また、PayPalもOneTouchソリューションで、オンライン決済をシームレスにしようと試みている。 OneTouchではユーザーがいちいちログインしなくとも、ユーザーが使用するサイトやアプリ上で認証をすぐに行うことができる。

GoogleだけがVisaとMasterCardと仲良くしているのではない。今年の初め、この2社はPayPalとの提携範囲を広めた。PayPayは店内での決済や個人店舗での小売でもPayPalの決済サービスが選択できることを明示したい考えだ。それによりPayPalは、他のApple Payを含めたモバイル決済ソリューションの競合と差をつけることが目標だ。PayPalはスターバックス、Wal-Mart、CVS、Kohl’sを初め、同社のデジタルウォレットに対応している小売店の数も伸ばしている。

Android PayアプリのVisa CheckoutとMasterpass対応は2017年初旬を予定しているとGoogleは言う。まずはアメリカで展開を初め、Android Payが利用可能な国(イギリス、シンガポール、オーストラリア、香港)でも展開を予定しているという。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

MessengerボットがPayPalの支払い機能に対応、取引履歴の確認もできる

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PayPalはFacebookとの関係性を深めているようだ。Messengerには様々な機能があるが、今回新たにPayPalの決済手段が加わった。増え続けるMessengerのオンライン商店のチャットボットを介してユーザーが何か購入する時、PayPalの支払いサービスを利用することができるようになる。この提携の一環として、PayPalのアカウントとFacebook、およびMessengerとの連携が簡単になる。また、アメリカのMessengerユーザーは、PayPal上での取引に関する通知などを受け取る機能も実装する。

PayPalとMessengerとの機能連携は少し前に発表していた内容だ

FacebookはMessengerでの決済機能を少数の開発者とベータ検証を行っていて、年末まで決済機能を広く展開する予定と伝えていた。カスタマーは以前からFacebookやMessengerに登録した支払い情報を使って決済することができたので、PayPalだけがMessengerでの唯一の決済手段ということではない。

また、FacebookはPayPalとPayPalが所有するBraintreeに限らずStripe、Visa、MasterCard、American Expressとも機能連携を進めていると伝える。

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それでも、Messengerとの連携はPayPalにとって重要な一歩だ。Messengerの圧倒的なユーザーベースに露出することにはメリットがある。PayPalは世界で1億9200万人のユーザーがいるという。一方、Messengerは今年の初めに10億ユーザーを達成したとし、アメリカのモバイルユーザーのおよそ40%がFacebookのメッセージプラットフォームに登録していると報告している。

だが、ひとまずPayPalとMessengerの機能連携はアメリカ市場にフォーカスするようだ。PayPalはアメリカのユーザーに対してのみMessengerの支払いオプションを展開する。PayPalでの取引履歴とレシートにMessengerからアクセスできるのもアメリカのユーザーのみだ。

しかし、今後それも変えていく予定でいる。PayPalはアメリカから機能連携を「始める」と伝えた。海外展開における具体的なスケジュールについてはコメントを差し控えたが、PayPalは現在「いつ、どのように」他の国にも展開するか検討していると話す。

Messengerとの機能連携は、今日からアメリカで展開を始めるとPayPalは伝える。

Facebookはしばらく前から決済手段の実装に取り組んでいた。2015年の春にはMessengerのユーザーが自分のVisaやMasterCardの決済情報をチャットアプリに登録し、友人間でのピアツーピアー決済ができる機能を実装した。これは、Snapchatの決済手段、Squareが持つピアツーピアーの決済手段(Square Cash)、Google Wallet、そしてPayPalと彼らが持つVenmoアプリに対抗するための機能だ。

今回の提携で、Facebookは競合との差を埋めているように見えるが、同社は以前決済ビジネスを構築することに興味はないと話してる。

FacebookとPayPalは過去にも、決済機能の取り組みで提携してきた。最近、MessengerはUberとの機能連携を行い、Facebookのメッセージアプリからタクシーを配車することができるようになった。ここでは、PayPalが所有するBraintreeが決済を担っている。

また、企業もFacebook広告を購入したり、Facebookページの「ショップ」セクションで商品を直接販売したりするのにPayPalを使っている。また、Facebookが所有するOculusのサイトの決済方法もPayPalでの支払いに対応している。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

キーワードは“決済”——フリマアプリ「フリル」が楽天傘下での成長を選んだワケ

Fablic代表取締役CEOの堀井翔太氏

Fablic代表取締役CEOの堀井翔太氏

フリマアプリ「フリル(FRIL)」を運営するFablic。同社の楽天による買収が9月5日、正式に発表された。楽天では8月末にFablicの発行済み全株式を取得。買収額は非公開だが、数十億円規模だと見られる。

楽天はすでにフリマアプリ「ラクマ」を展開しているが、それぞれサービスを補完しつつも、独立した運営を続ける。Fablicの創業者であり、代表取締役CEOの堀井翔太氏は今後も同社のトップとして指揮を執る。同社のこれからについて堀井氏に聞いた。

成長には大きな資本が必要

Fablicは2014年にクックパッド、コロプラ、ジャフコを引受先とした第三者割当増資を実施。アプリは500万ダウンロードを達成。10代から20代の女性を中心にサービスを拡大してきた。そんな中で発表された今回の楽天の買収。堀井氏は次のように語る。

「7月から次の資金調達を目指して動いている中で三木谷さん(楽天代表取締役会長兼社長 最高執行役員の三木谷浩史氏)と話した。(買収額は)正当な評価。2016年にあった買収の発表としてはかなりの金額ではないか。これからプロモーションなども含めてサービスを育てていく、資金調達的な側面も大きい」「サービスの成長は順調。だがそれ以上のところに引き上げるには大きな資本が必要だった」(堀井氏)

国内フリマ市場を見ると、後発サービスである「メルカリ」が月間流通総額100億円以上という数字を発表しており、事実上の独走状態が続いている。これに対して楽天では、若い女性に強いフリル、そして30〜40代男性や主婦層中心で、家電やガジェットなど高単価商品が多い(手数料無料であることが影響しているようだ)ラクマという2つの特化型のサービスをぶつけていく(日経新聞などの報道では2サービス合計での月間流通総額は30億円程度とのこと)。

すでにフリルの楽天ID対応や、楽天スーパーポイントを利用したキャンペーンの実施などが発表されているが、これに加えて、楽天の各種サービスからの送客なども検討中だという。また、テレビCMをはじめとしたマーケティングを実施するほか、フリルの手数料無料化も間もなく開始する。

楽天は海外事業を見直している状況だ。これまで積極的に海外に進出してきた同社だが、2016年に入ってシンガポールやインドネシアなどでのマーケットプレイス事業を終了。その他の地域でも一部の拠点を閉鎖した。一方でリソースをラクマに集中。3月には台湾でサービスを開始したほか今後の東南アジア展開も控える。ここに今後フリルが関わる可能性もある。米国での躍進が聞こえてくるメルカリをはた目に、アジア圏でのサービス拡大を狙っているようにも見える。(ただしCarousellShopeeといった現地のサービスが先行している)。

フリマアプリは「決済」に繋がる

堀江氏は今後の展開について、「日本で一番長い間フリマアプリをやっているからこそ思うが、フリマアプリは(機能的に)コモディティ化してきている。お金で殴り合うだけでなく(大量の資金を投下してマーケティングなどで競合と戦うという意味)、その次を作らないといけない」とも語る。ではその次とは何か?堀井氏と話す中で浮かび上がってきたキーワードは決済だ。

今、決済まわりのサービスが非常に活気づいている。例えばBASEがの「PAY.JP」を立ち上げ、コイニーが「coineyペイジ」、AnyPayが「AnyPay」といったスタートアップ発の決済サービスが多く登場しているし、LINEも「LINE Pay」をヤフーも「Yahoo!マネー」を提供している。

僕がこれらの決済サービスの話を聞いて思ったは、これらのサービスは「モノを買う」処理を自前で行うということだけを狙っているのではないということだ。当たり前のことながら決済をすれば売り手と買い手のお金が動くわけだが、今度はその動いたお金(=売上)を同じ決済プラットフォームで流通させる、要は「財布がなくても決済プラットフォームだけを使ってお金を電子的にやり取りする」ということを目指しているのではないか。

例えばBASE代表取締役の鶴岡裕太氏はPAY.JPでID決済を提供する際に「現金をリプレイスするプラットフォームを作る」と語っていたし、AnyPay代表取締役の木村新司氏は「デビットカードをリプレイスする」ということを語っていた。すでに中国ではAlipayやWeChat Paymentといったモバイル決済の利用が拡大している。日本では資金決済法の絡みもあってスタートアップが簡単にチャレンジできる領域ではないが、魅力的な市場があることは間違いない。Fablicも楽天と組んでこの領域にチャレンジするのではないか、ということだ。

堀井氏にそんな話をしたところ、具体的な回答こそ得られなかったものの次のように語ってくれた。「楽天はECの会社であると同時にFinTechの会社。資金移動業者であり、銀行も証券も持っている。ECはこの先、物流や決済と繋がっていく。そのとき(楽天は)強力な後ろ盾になってくれる」(堀井氏)

コイニー、決済ページが簡単に作れる「Coineyペイジ」を提供——WeChat Payへの対応も発表

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先ほどは決済サービス「AnyPay」の正式ローンチに関するニュースが流れたが、スマホ・タブレット向け決済サービスを提供するコイニーも昨日、今日と決済サービスに関する発表を行っている。

同社は8月31日、決済ページをネット上で簡単に作成できるサービス「Coiney(コイニー)ペイジ」と開発者向けの「CoineyペイジAPI」を発表。9月1日には、中国・テンセント提供のモバイル決済サービス「WeChat Pay(微信支付)」とのアクワイアリング(加盟店獲得・契約・管理業務)契約を締結したことを発表した。

リアルとオンラインの決済をまとめて管理

まずはCoineyペイジについてお伝えする。コイニーではスマホ・タブレット専用の決済端末を利用した、実店舗向けのモバイル決済サービス「Coiney」を提供してきたが、オンラインショップも運営する加盟店からは「リアルとオンラインの決済をまとめて管理したい」との要望が多かったという。コイニー代表取締役の佐俣奈緒子氏は「事業者にとって分かりやすく、簡単に代金徴収方法の幅を広げられる仕組みを作りたかった」と話す。

Coineyペイジでは、オンラインショップの機能の中でも請求・決済に特化。管理画面から商品名やサービス名と金額を入力するだけで決済用のページが作成でき、顧客へメールなどでURLを送信することで請求が完了する。デザインの簡単なカスタマイズは管理画面から行えるが、ショッピングカートや予約機能などとの連携は、CoineyペイジAPIを利用して行うことになる。

想定される利用シーンについて、佐俣氏は「Coineyを既に利用している工務店の場合、これまではリフォーム施工後にCoiney端末を使って客先で決済をしていたのが、今後はCoineyペイジを使った事後決済も可能になる。今までオンライン販売は銀行決済のみに対応していた家具店もあるが、Coineyペイジで決済ページを作ってURLをメールで送ることで、海外からの受注にも対応できるようになる」と例を挙げた。

年内にはWeChat Pay対応も

また、コイニーは9月1日、中国のテンセントが提供する、アプリを利用したモバイル決済サービス「WeChat Pay(微信支付)」のアクワイアリング(加盟店獲得・契約・管理業務)契約を締結。一般公開に先駆けて、東急カードにWeChat Payサービスの提供を始める。

WeChat Paymentは、中国で人気を集める(月間アクティブユーザー(MAU)7億6000万人以上)メッセージングアプリ「WeChat」の決済機能。ユーザーがあらかじめ銀行口座を登録しておけば、ユーザーもしくは店舗がWeChatのQRコードを提示し、もう一方がそのコードをスキャンするだけで、キャッシュレスで決済が完結する。日本の銀行口座には対応していないため馴染みがないが、中国ではさまざまなシーンで日常的に利用が進んでいるという。

コイニーでは幅広い決済手段を提供することで、Coiney導入店舗の訪日外国人対応を強化する。例えば宿泊施設などであれば、事前予約のオンライン決済はCoineyペイジで行い、施設訪問時や利用後の決済であればWeChat PayアプリやCoiney端末でのクレジット払いができるようになる。先行する東急を除いては、年内にサービス受付開始を予定している。

「より多くの決済、お金の流れに関わるサービスを提供したい。加盟店にリアルの店舗を持っているのが我々の強み。そこへさらにネットの決済もつなげていくことで、お店の人のお金の管理をもっと簡単に、楽にしていきたい」(佐俣氏)

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決済サービス「AnyPay」が正式ローンチ、木村新司氏が狙うのはスマホ時代の“ウォレット”か

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ドリームインキュベーターでコンサルタントとして活躍した後にシリウステクノロジーズ取締役を務め、広告配信を手がけるアトランティスを立ち上げてグリーに売却。その後はエンジェル投資家としてGunosy(のちに共同経営者となり、退任。同社はマザーズに上場)を始めとしたスタートアップの成長を支援してきた木村新司氏。

2014年には拠点をシンガポールに移して、投資家としての活動に注力していた木村氏だったが、再び自身で事業を開始した。6月末に新会社AnyPayを設立(資本金は5000万円)。8月に入って新サービス「AnyPay」ベータ版を公開していたが、9月1日、いよいよ正式にサービスをローンチした。

新事業は決済サービス

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AnyPayは、個人でも手軽に利用できる決済サービス。サイト上では「AnyPayは誰でも、どこでも、簡単にリンク作成でき、リンクを相手に送るだけで決済ができるサービス」とうたっているとおりで、アカウントを作成した後、管理画面上で自分の売りたいアイテムを登録すれば、すぐさま自らの「ショップ」の商品として販売できるようになる。物販やサービスチケット、月額課金、ダウンロード販売などに利用できる機能を提供する。決済に利用できるのはVISAおよびMasterブランドのクレジットカード。

初期費用および月会費は無料で、登録時の審査も必要ない。決済手数料については、キャンペーン期間中として無料で提供している。ただし1アカウントあたりの月額売上が5000万円を超える場合、5000万円を超過した売上の2.8%の手数料が発生する。また口座への振り込みは1件あたり200円の手数料がかかる。AnyPayでは、3年以内に月額流通額500億円を目指すとしている。

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スマートフォンで使える「ウォレット」を作る

PayPalやその傘下のBraintree、StripeにSquare、さらに国内でもコイニー(昨日リリースしたばかりのCoineyペイジもかなり似たサービスだ)やWebPay、BASEの手がけるPAY.JPなどなど、手軽に使えるオンライン決済サービスは数多く登場している。やはり一番気になるのは、数多くの決済サービスがある中で、どうしてこの領域でのチャレンジを選んだのか、ということだ。サービスの正式ローンチに先駆けて木村氏に尋ねたところ、次の様な答えが返ってきた。

「(ビットコイン取引所の)bitFlyerなどに投資したこともあり、決済まわりのことは調べていた。(ビットコインの)ウォレットで送金をしてみるとその便利さを感じる。だがそれがスマートフォンでできないのはおかしい。例えば送金サービスをやりたくても送金業の縛りもあって日本では簡単に立ち上げられず、いろんな工夫をしないといけない。とは言え誰かがやらないといけないと思っていた」(木村氏)

日本で送金サービスをするために資金移動業者としての登録が必要になるし、供託金をつまないといけない。またKYC(顧客の本人確認)を行う手間でユーザーのドロップ率は高まってしまう。そうそう簡単にスマートフォンで完結するサービスを成長させるのは難しい。では前述の決済サービスのように、個人であってもクレジットカードを使ってお金をやり取りすることもできるが、決済手数料を取られてまでユーザーはやりとりをするのだろうか。こういった課題を解決するべく、木村氏はAnyPayを立ち上げたと語る。

「シンガポールだとPayPalとApple Payを使っているので、そこはすごく意識した。日本はまだまだ不便だと思う」(木村氏)

競合についてはあまり考えていないという。「決済ビジネスはぶっちゃけて言えば誰でも作れると思う。ただ問題なのはどこにポジショニングするか」(木村氏)。加えて、PayPalなどよりはVenmo(Paypal傘下の個人間送金サービス)のほうが気になっているとも語った。

仕組み上は「決済サービス」だが、木村氏が本当に狙っているのはデビットカードの置き換え——つまりリアルタイムに送金、決済でき、手数料の安い(もしくはゼロの)、スマホ時代の新しい「ウォレット」を作るということではないだろうか。

“フリマ”で個人のニーズを喚起

木村氏は「最初はAnyPayをツールとして提供していく」と語る一方で、「今は個人とスモールBに注力しているが、個人の場合、目的があるわけでもないのでそこまで使われない」と分析。今後はそんな個人の利用を喚起するための施策を打っていくという。

「個人の場合、決済のタイミング——CtoCの売買であればチケットや本など、目的をはっきりさせないといけない。今後は目的があるプロダクトを『AnyPay』のアカウントで出していく」(木村氏)。その言葉を聞いて僕の頭に浮かぶの「カテゴリ特化型のフリマアプリ」だったが、木村氏の回答はそのとおりで、今後、領域特化型のフリマアプリをいくつか提供していく予定だという。特化型のフリマという具体的な目的を用意することで、アカウントの拡大を狙う。

BASEがネットショップの構築サービスから決済領域のPAY.JPを提供するに至った。AnyPayは順序こそ逆(決済からショップ(というかフリマ))ではあるが、少し似たアプローチにも感じる。フリマアプリは、年内にもリリースする予定だという。

今後は国内にとどまらず、アジア圏でもサービスを展開していく予定だ。「アジア各国はそれぞれ(決済まわりの)特性が違う。国によってはフリマサービスは提供できても決済はライセンスが必要だったりする。そういった環境に合わせつつ動く。サービスのベースは作ったし、FinTech関連の状況も分かってきたので、M&Aすることも考えていく」(木村氏)

決算発表後にPayPalの株価が2%上昇、Visaとのパートナーシップが好材料に

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木曜日の株式市場が閉じた後、PayPalは決算発表を行った。アナリストによる今四半期の予測収益が26億ドルだったが、実際には26億5000万ドルだった。調整後株当たり利益は、ウォール街の予想値である36セントと同等だった。

株価は時間外取引で2%上昇した。その1つの要因として決算発表と同時にVisaとの発表があったからだ。Visaとの新しいパートナーシップでは提携を深め、カスタマーがPayPalのアカウントから銀行口座に資金をVisaのデビットカードで簡単に動かせるようにする。このパートナシップではさらに、Visaの非接触決済取引を導入する販売店でPayPalのデジタル・ウォレット決済を受け付けることができるようになるということでもある。

「Visaとの提携で私たちの機能を拡張し、コンシューマーや店舗は新しい文脈で私たちのサービスを活用することができるようになります。そして、さらなるパートナーシップの基盤にもなります」とPayPalのCEOであるDan Schulmanと声明で伝えた。

PayPalのプロダクトのグローバルヘッドであるSVPであるBill Readyは「カスタマーがどこでも、どのようにでも支払うことができるようにすること」が目標だという。Visaとは「障壁の少ないコマース体験を作るために協力します」という。

PayPalは、年間の収益予想を100億7500万ドルから100億8500万ドルの範囲に上方修正した。彼らは今年度の調整後株当たり利益を1.47ドルから1.50ドルに見込んでいるという。

PayPalは前四半期800万の普通株を買い戻すことで、3億ドルを株主に返した。

投資家は、PayPalがVenmoのビジネスのマネタイズに成功するかどうかを気にしている。Venmoはミレニアル世代に人気のモバイルで使えるピア・ツー・ピアの支払いシステムで、同社はその決済ごとに課金はしていない。Venmoは今四半期、39億ドルの支払いを処理した。しかし、収益の配分までは開示していない。

Venmoは最近、店舗支払いを導入した。店舗はPayPalに取引毎に僅かな割合を支払うことで、「Venmoによる支払い」の選択肢をカスタマーに提供することができる。

PayPalの最大のビジネスはBraintreeだ。BraintreeはUberからAirbnbまでホワイトレーベルでモバイル決済ソリューションを提供している。Braintreeは盤石なクライアントリストを獲得し、モバイル決済分野で一大勢力になりつつある。

PayPalの株価は、1年前にeBayからスピンオフした時から13%上昇している。同社の時価総額は490億ドルだ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

アジアを拠点とするクロスボーダー決済のフィンテック企業AirWallexが300万ドルを調達

Asia Pacific cross border payment startup Airwallex lands  3M   Tec1hCrunch

フィンテック企業がアジアの投資家の興味を引いている。資金を調達した最新の企業はAirwallexだ。中国とオーストラリア拠点のクロスボーダー取引に特化したスタートアップである。

メルボルンに本社を置くAirwallexは今週、中国の投資家Gobi Partnersが率い、エンジェル投資家のHuashan Capital One、中国のEasylink PaymentsのCEOのBilly Tamらが参加するシードラウンドで300万ドルを調達したと発表(米国時間2016年7月5日)した。

Airwallexは顧客が自国通貨で国外の製品を購入できるようにし、クロスボーダー取引のコストと面倒な手間の削減を目指している。販売者と消費者の両者が異なる通貨を利用する際に発生するコストを削減する点でロンドンを拠点とするスタートアップTransferwiseと根本的に同じ原理を利用している。

AirwallexのCEOで共同創業者のJack Zhang氏はオーストラリアの銀行で働いていた時、カフェ・ショップ事業に投資していた。しかし、その事業のために国外からの輸入品に対して余分なコストがかかることに嫌気がさすようになっていた。オーストラリア・ニュージーランド銀行、ナショナルオーストラリア銀行で働いてきたZhang氏はテクノロジーでより良いソリューションを提供しようと決断した。そして、バークレイズ銀行の外国為替部門で働いていたCTOのJacob Dai氏、COOのLucy Yueting Liu氏を含む4人の共同創業者と共にAirwallexを創業したのだった。
Asia Pacific cross border payment startup Airwallex lands 3M TechCrunch

Zhang氏はTechCrunchのインタビューに対して、プレシリーズAラウンドはクローズまで2週間と、とりわけ早く終わったと語った。

「世界的にEコマースの時代の幕開けを迎えており、とりわけここアジアにおいて大きなチャンスがあるのです」とZhang氏は語った。「Eコマース企業は自国での展開のみで満足することなく、グローバルに打って出たいと考えています」。

Airwallexは外国為替を仲値で取引する銀行間為替取引を利用している。顧客にとっては外国為替レートの手数料のだいたい90%を節約できるとZhang氏は語る。

Airwallexのサービスは現在のところクローズドベータテストの段階で、1ヶ月以内にサービスを開始する予定だ。現在、オーストラリアの規制当局の承認を待っている段階である。そのコンセプトはBraintreeもしくはStripeに近い。売買の背後に存在するシステム(それも最終顧客には見えることのない)によって決済が実行される。Airwallexは支払額に応じた決済手数料からマネタイズを図ることになる。

Airwallexは本社メルボルンに約20人の従業員、中国には12人の従業員、香港には小規模な拠点を持つ。Zhang氏は調達した資金は主にマーケティング、雇用、製品開発に使うと語った。Airwallexは顧客と販売者が同時に複数の通貨を利用できる電子財布を開発している。A

中国、香港、オーストラリアはAirwallexがまず最初に重点を置いている市場だ。しかしシンガポール、日本、韓国にも拡大予定だ。今年度内には、その市場の拡大に向けて財務面を支えるためシリーズAラウンドでの資金調達を目指している。

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(翻訳:Shinya Morimoto)

 

 

Apple Payのウェブ版を公開、PayPalを追随

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オンラインショッピングはもっと楽になりそうだ。

今日、サンフランシスコで開催しているWWDCで、AppleはようやくApple Payのウェブ版を公開すると発表した。MacユーザーはSafariで「Apple Payで支払い」ボタンからオンラインで決済を行うことが可能となる。購入は、スマホかウォッチのTouch IDで認証する。

これまで、Apple Payは限定されたiOSアプリでしか使用することができず、使用できる物理的な小売店も限られていた。

ではどうやって認証するのだろうか?オンラインで決済をする時、AppleのContinuity機能で、スマホかウォッチに通知が送られる。そこで購入を完了させる認証を素早く行うことができる。スマホのTouch IDかすで認証済みのウォッチをタップすることで決済を確認し、その後ブラウザが自動で処理を行う。

小売パートナーは、チェックアウトの工程の中にApple Payを実装する必要があるが、Appleはすでに自社の決済プラットフォームに大量の小売店を乗せる交渉を済ませたという。

この動きは、AppleがPayPalの立ち位置に狙いを定めていることを示す。PayPalはウェブでの決済の王者だ。Apple Payの方がPayPalより早く決済がすみそうなことを考えると、現在PayPal決済を提供している多くのウェブサイトがカスタマーのためにApple Payを決済手段に追加することが考えられる。

Appleがアプリをショッピングのためのプラットフォームに変えようとしても、平凡な古いインターネットで多くのEコマースが発生していた。つまり、これまでAppleは買い物客の大部分に訴求できていなかったのだ。Apple Payをウェブに持ってくることで、Appleは新たな買い物客の層に決済手段を提供できる。アプリから買い物をしない人、そしてウェブで買い物を望む人にだ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website

ライセンス切れによるPayPalのトルコ撤退、数十万人に影響

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国内の技術事業に対する地域的支配を強めているトルコの新たな犠牲者となったのは、アメリカの大手オンライン決済企業PayPalだった。同社は、サービスライセンスの更新ができなかったことから、6月6日をもってトルコでの事業運用を中止すると発表した

PayPalはTechCrunchに対し、この事業撤退により数万社の企業と数十万人の消費者に影響すると語った。

広報担当者もTechCrunchに対して今回の撤退を認め、2回に分けて撤退の裏にある理由を明かした。

最初は、金融監督機間であるBDDKによるライセンス申請の却下についてPayPalのローカルサイトに掲載されたトルコ語のメッセージを忠実になぞった文書だった。

「残念ながら、Paypalがトルコでの事業を中止することになったことをお知らせします」と、同社の文書には述べられていた。「2016年6月6日付で、トルコのお客様はPayPalを利用した送金や金銭の受領ができなくなります。お客様は、引き続きPayPalアカウントにログインしてアカウント残高をトルコ国内の銀行に引き出すことができます」。

「PayPalは、お客様をサポートすることを非常に大切にしています。しかし、トルコにおける支払機間としてのライセンス申請が現地金融監督機間によって却下され、トルコにおける事業を中止するように指導があったため、トルコにおける支払い処理を中止せざるをえなくなりました」。

ライセンスが却下された理由を聞かれた広報担当者は、ITシステムがトルコにローカライズされることを求めた新しい規則が原因であるとした。PayPalは幾つかのグローバルハブにITを分散させている。

「当社のサービス撤退は、BDDKが監督する新しい国家規則により、PayPalがITシステムを完全にトルコ向けにローカライズすることを求められた結果です」と、広報担当者は言う。「PayPalは、国内でITインフラを展開させたいというトルコの意思を尊重しますが、200以上の市場で運用されているグローバルな支払いプラットフォームを利用しており、単独国家において専用の技術インフラを持つローカルな支払いプラットフォームを保持してはいません」。

2015年に親会社のeBayから独立し、現在は460億ドルの資産価値があるとされるPayPalが、世界に何個のデータセンターを持っているのか、あるいはトルコの事業を扱っているのがどこのハブなのかは明らかになっていない。現在同社に質問中であるため、詳細がわかり次第アップデートする。

ここ数ヶ月、技術に関連してトルコが話題になっているが、特にポジティブな理由からではない。4月には、トルコ国民およそ5000万人分(全人口8000万人の過半数)の個人データがオンラインで流出した。これはデータを公表することでトルコのITインフラの老朽化を強調し、この問題についてレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とその技術政策を非難しようとする、ある活動家(あるいは複数の活動家)の仕業とみられる。

もちろん、単純に技術の話というわけではない。トルコはテロ攻撃の標的となっており、それがエルドアン大統領の鉄拳制裁アプローチを正当化する理由となると考える人たちもいる。

エルドアン政権は、前任者たちよりも技術分野での支配力を強めようとしており、現在までのところ、特にその動きが顕著な分野がソーシャルメディアである。TwitterFacebookRedditなどのサイトは、ポルノ、ドラッグ、テロリズム、違法なファイル共有、その他トルコの初代大統領ムスタファ・ケマル・アタテュルクに関するネガティブまたは疑義のあるコンテンツをホストするサイトをブロックする権限を監督官に与えるトルコの検閲法の対象となっている。

Twitterは、削除要請を拒否したツイートについて支払いを求められている罰金について抗議するため、トルコに対する訴訟を起こすに至っている。

TechCrunchでは、引き続きこの話題について他の企業に影響があるか、あるとすればどのようなものかを監視していく。PayPalの現地競合企業であるIyzicoは、現在もサービスを提供中である。

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(翻訳:Nakabayashi)

五輪選手が試合後すぐに買い物できるよう、VisaがNFC対応の決済リングを提供へ

XXXX on Thursday, June 2, 2016, in New York. (Charles Sykes/AP Images for VISA)

2016年リオ五輪に向かう選手の必要品リストにこの端末があったとしても、それはリストの大分下の方に位置しているだろう。けれど、VisaはVisaだ。Visaは人がいるところにあり、人生では頻繁にVisaを使う。

クレジットカード大手は、 NFC対応の支払いができるリングをTeam Visaのアスリートに提供する。きっと空気力学を考慮した陸上選手のユニフォームに物をたくさんに入れるポケットがないという課題にインスパイアを受けて開発した端末に違いない。

リングはバッテリー駆動で防水加工をしてある。ということは、Team Visaのアスリートで、金メダルをロンドンで獲得したメリッサ・フランクリンもプールから直行し、すぐにリングで支払いができるということだ。現実には水の中で誰もリングを着用しないだろうが、疲れた五輪選手が、汗を拭くより前にスタバへと直行して飲み物を買うことができるというのは良いことかもしれない。

モバイルでの支払いを支援するため、Visaは4000個のNFC対応のPOSターミナルを会場周辺に導入する。五輪は8月5日から開催予定だ。

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(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

「日本の決済ビジネスには3つのチャンス」 PayPalが今後の戦略を説明

PayPalジャパン・カントリー・マネージャーのエレナ・ワイズ氏

親会社であるeBayからスピンオフし、7月20日に独立企業として再びNASDAQに上場し、親会社を超える500億ドルという時価総額を付けたPayPal(2002年のeBayによる買収は15億ドルだったので、その33倍にもなるわけだ)。同社は今後の日本展開について説明すべく、7月21日に東京・赤坂で発表会を開催した。

「お金そのものが変わろうとしている。その最大の理由はデジタルウォレットが台頭してきたことだ」――イベントに登壇したPayPal東京支社 ジャパン・カントリー・マネージャーのエレナ・ワイズ氏はこのように切り出した。

17年以上にわたって決済サービスを提供してきたPayPalから見ても、金融システムはDisruption(創造的破壊)を起こしうる状況にあるのだそう。「物理的なお金はすべてデジタル化しつつある。それによってモバイルでお金を払うだけでなく、支払いを受け取ったり、クレジットを利用したり、将来的には財布を持ち歩く必要すらなくなるだろう」(ワイズ氏)。

このモバイルの成長を裏付けする数字としてワイズ氏が提示するのがPayPalの決済全体に対するモバイル決済の比率の増加だ。2014年度には決済全体の2割だったモバイル決済は、2015年度第1四半期時点で3割まで向上している。

そんなお金の「デジタル化」する世界では、企業はデータ分析の機能やサイバーセキュリティが求められていくという。また同時に各国政府の規制を知り、法令を遵守することも求められる。ワイズ氏はPayPalがこういった課題を解決し、金融システムのDisruptionを起こせるユニークな状況にあると語る。

アクティブユーザー1.69億人、取扱高2350億円の決済基盤に

PayPalは現在203の国と地域でサービスを展開。直近のアクティブユーザーは16900万人で、2014年度の新規アクティブユーザーは1900万人。取扱高は2350億ドル(28兆円)で前年比28%の成長。収益は80億ドル(1兆円)で同じく19%の成長となっている。取引件数は40億件で、こちらも前年比27%の成長だ。

またPayPalの強みとして、17年以上のサービス運営実績や不正利用の検知、トラブル時の消費者・店舗への全額保証、8000人24時間体制のサポート体制、法令遵守での運営体制などを挙げる。「決済ビジネスは簡単なモノではない。この実績と経験が競合と差別化のユニークな点だ」(ワイズ氏)

では再上場したペイパルはどこに向かうのか。ワイズ氏は「世界をリードするオープンデジタル決済プラットフォーム」を目指すと語る。v.zeroと呼ぶSDKでビットコインをはじめとした仮想通貨でも決済に対応するほか、ここ数年で刷新したユーザーインターフェースも日本で導入を進めている。「お金そのものをもっと自由に扱えるようにする。我々は自身をDisruptし続ける、また(他社に)Disruptされかねないという危機感を持ってビジネスを進めている」(ワイズ氏)

日本の決済ビジネスに3つのチャンス

続けてワイズ氏は、日本の決済市場について、3つのチャンスがあると説明した。

まず1つ目は中小企業やスタートアップの台頭だ。創業期から中小企業のネット決済の手段として利用されているPayPal。導入の手軽さや不正検知、決済から現金化まで最短3日という特徴は中小企業にとっても価値のあるものになっているという。また今後増えるであろうモバイルでの越境ECなど、より役立てる機会があるとした。

2つ目のチャンスはモバイルによる次世代のコマースだ。すでに世界の人口より多い72億台という端末が流通し、PayPalの決済でもモバイルの割合は上がるばかり。そんな状況で生まれるスタートアップは、モバイルアプリでサービスを提供するところが中心。PayPalではクレジットカードをカメラで撮影して読み取るSDKなども用意。ユーザーに対してたがるな決済手段を容易に提供できるとする。またヤマダ電機やネスカフェなどに対しては、オムニチャネル化に向けたモバイル決済の実験なども行っている。「オンライン、リアルにかかわらず、今後モバイル決済は『選択肢の1つ』ではなく『マストなもの』になる」(ワイズ氏)

3点目がインバウンド需要への対応だ。ワイズ氏によると、1~5月の訪日観光客は前年比45%、年間2500万人にも届く勢いだという。またこれにあわせて訪日観光客の国内支出も前年比43%増という状況だと説明。「ホテルや旅行代理店などにたいして、強い決済サービスが提供できることは多い」とした。またTokyo Otaku Mode(TOM)をはじめとした”クールジャパン”関連のECでもPayPalの導入が進んでいると説明。TOMでは、導入から数カ月後にはPayPalでの決済が全決済の半数を占めるようになったという。

再上場の影響「日本にはない」

ここからは質疑応答の内容などを少し紹介する。まず再上場による日本市場への影響については、「eBayのプラットフォームがないため、大きな影響がない。影響があるとすれば、日本や他の国において『eBayの関連会社』ということで(競合のため)付き合えない会社があったが、そこでのビジネスチャンスが生まれる」(ワイズ氏)という。

また日本市場におけるにおけるPayPalの立ち位置については、「個別の市場の数字については公開を控えている。言えるのはアクティブユーザーは国内、越境を含めて100万人以上。マーチャントも10万単位かそれ以上。決して少なくない数字」(ワイズ氏)とのことだった。

発表会後、日本と米国など海外の決済市場との違いについて聞いたのだけれども、「CtoCサービスでの利用は日本が多い」という点が特徴的なんだそう。一方で「越境コマース」への対応が弱いという課題もあるとした。「そこに関してはPayPalは強みを持っているので、サービスを提供していきたい」(ワイズ氏)