Airbnbが米大統領就任式週のワシントンD.C.における宿泊予約をすべてキャンセルに

Airbnb(エアビーアンドビー)は大統領就任式がある週にワシントンD.C.で誰にも宿泊を提供しない。同社が声明文で明らかにした。

CEOのBrian Chesky(ブライン・チェスキー)氏は米国1月13日、米議会がDonald Trump(ドナルド・トランプ)大統領に対して2度目となる弾劾訴追を行うための歴史的な決議案採決を行う中、Twitter(ツイッター)で同社の対応を発表している。

大統領就任式を控えてD.C.内とその周辺のAirbnbの宿泊を全面的に禁止するという動きは、米国時間1月6日の議会議事堂での暴動に関係した人が大統領就任式までの間にD.C.に戻ってくるのに同社のサービスを使わないようにしようと、宿泊予約のレビューを約束したことを受けてのものだ。

「D.C.、州、連邦当局がワシントンD.C.に移動しないよう人々に呼びかけていることへの対応として、当社は本日、就任式の週のワシントンD.C.地区の予約をキャンセルすることを発表します」と同社は声明文で述べた。「加えて、その期間のワシントンD.C.エリアの新規予約の受け付けも停止します」。

宿泊予約がキャンセルされた客は全額返金を受ける。そしてキャンセルされた宿泊で得るはずだった代金をホスト側に弁済すると同社は述べた。また同社はHotelTonightの予約も同様にキャンセルされると話した。

「当社の該当地域のホストコミュニティ、ワシントンD.C.当局、コロンビア特別区首都警察、議員からのも今週を通して情報を得ています。特にMuriel Bowser(ミューリエル・バウザー)D.C.市長、Larry Hogan(ラリー・ホーガン)メリーランド州知事、Ralph Northam(ラルフ・ノーサム)バージニア州知事は、就任式のためにワシントンD.C.を訪れるべきではないと明確にしています」と同社は述べた。「加えて、就任式を妨害するために移動しようとしている武装民兵や有名なヘイトグループに関する1月12日午後の報道を当社は確認しています」。

Airbnbはまた、先週議事堂で何が起きたのか取り調べている法執行機関に協力してきた。

「1月6日の議事堂での暴力的な犯罪行為に関わったことが確認された個人の名前をメディアや法執行機関ソースを通じて入手し、そうした個人がAirbnbにアカウントを持っていたかどうか調査しました。その結果、当社は有名なヘイトグループまたは議事堂での犯罪行為に関わった数多くの個人を確認し、そうした個人はAirbnbのプラットフォームから排除されました」と述べている。

関連記事:大統領就任式を控えAirbnbが議会議事堂での暴動参加者排除に関する追加措置

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Airbnbアメリカ

画像クレジット:Bloomberg / Contributor / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

遅ればせながらYouTubeもトランプ大統領への措置を決定、公式チャンネルへの新規投稿を1週間禁止

米国時間1月6日の米国議事堂乱入をきっかけに、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領が暴動を煽るためのメガホンとしてプラットフォームを使い続けるという脅威に大手ソーシャルメディアが一斉に対応しているが、そうした中でYouTube(ユーチューブ)は最も対応が遅いソーシャルメディアプラットフォームだった。しかし今、同プラットフォームは一時的に新規投稿を禁止する措置を取る。

短いTwitter(ツイッター)スレッドの中で、Google(グーグル)傘下のYouTubeは「現在も続く暴力の可能性の懸念があることから」トランプ大統領のYouTubeチャンネルにアップロードされた新しいコンテンツを削除したと述べた。

YouTubeはまた、少なくとも7日間アップロードを禁止するという1つめのストラク措置を適用したたとも述べた。

この記事執筆時点で、トランプ大統領のYouTubeチャンネルは278万人の登録者を抱えている。

「現在も続く暴力に関する懸念を考えたとき、コメントセクションに安全上の懸念が見つかった他のチャンネルに対して取ってきた措置と同様、当社はトランプ大統領のチャンネルでのコメントを無期限に不可とするかもしれません」とも付け加えた。

削除されたコンテンツについて、そして7日間経った後にトランプ大統領の同プラットフォームへの投稿の禁止を延長するかどうかをどのように決定するのか、TechCrunchはYouTubeに確認している。

YouTubeの広報担当は直近の出来事、そしてこれまでのトランプ大統領の発言に照らして暴力のリスクが増していると判断したと述べ、1月12日にトランプ大統領のチャンネルにアップロードされたコンテンツについて、暴力の扇動に関する同プラットフォームの規約に違反したために削除したことを認めた。

広報担当者はどのビデオコンテンツがコンテンツ削除と1つめのストライクにつながったのかは明らかにしなかった。

YouTubeによると、同プラットフォームは標準の「3ストライク」ポリシーを適用している。このポリシーでは、90日の間にストライク3つとなったらそのチャンネルは永久停止となる。1つめのストライクでは1週間の停止、ストライク2つで2週間の停止、そして3つめのストライクでチャンネルは永久に使用不可となる。

記事執筆時点でトランプ大統領の公式YouTubeチャンネルはこのところ一連のアップロードがあった。ここには、トランプ大統領が2016年の選挙キャンペーン中に約束した「壁建設」が「成功的に完了した」と賛美したメキシコとの国境壁での演説からのクリップ5つが含まれる。

こうした最近アップロードされたなかの1つで「トランプ大統領が先週の出来事を語る」というタイトルの動画では、トランプ大統領は米議事堂を攻撃したサポーターを「暴徒」と呼んでいる。そしてパンデミックやワクチンの展開についてのだらだらと続くコメントに移る前に、自身の政権は「暴力や暴動ではなく、法の支配を信じる」と主張している。

そしてトランプ大統領は法執行機関で働く人々は「MAGA(アメリカを再び偉大な国に)アジェンダ」を支える存在だと主張し、ビデオクリップは「癒し」「平和と冷静さ」「法の執行の尊重」の懇願で終わっている。

国境へ移動する前に記者たちにトランプ大統領が話すクリップはまだチャンネルで閲覧できる。

そのクリップの中でトランプ大統領は、「政治史上最大の魔女狩りが続いている」と自身に対する2度目の弾劾のプロセスを攻撃した。ここではトランプ大統領は米下院議長Nancy Pelosi(ナンシー・ペロシ)氏と米民主党の上院議員Chuck Schumer(チャック・シューマー)氏に言及した。ベールをかけているように聞こえるが標的型の攻撃だ。

トランプ大統領は「私は暴力を望んでいない」と報道陣に最後の警告を投げる前に、「(彼らが)その手続きを進めることで、我々の国にとてつもない危険と怒りを生み出す」と述べた。

YouTubeがトランプ大統領のメガホンを一時停止することを選んだ一方で、Twitterはあまりにも多くの違反をしたとして先週大統領のアカウントを永久停止した。

Facebook(フェイスブック)もまた「無期限」停止という措置を取った。ただ、将来トランプ大統領が大騒動を起こすためにFacebookを使うことができる可能性を残している。

トランプ大統領に行動規範の特例を認め、そして乱用、いじめ、嘘、(直近の)暴動のためにプラットフォームを提供したとして人々の怒りはソーシャルメディアプラットフォームに向けられているが、YouTubeはこれまでのところ、そうした怒りの主要ターゲットとなることをなんとか逃れてきた。

しかしながらトランプ大統領のアカウントの一時凍結は、公民権運動グループがYouTubeへの広告ボイコットを組織すると脅したことを受けてのものだ。

ロイターによると、2020年夏のFacebookに対する主要広告主ボイコットにつながったStop Hate for Profit (利益のためのヘイトをやめろ、SHP)キャンペーンは、YouTubeがトランプ大統領の認証済みチャンネルを停止することを要求した。

「もしYouTubeが我々に同意せず、トランプ大統領禁止で他のプラットフォームの仲間に加わなければ、我々は広告主に訴えます」と、SHP組織者の1人であるJim Steyer(ジム・ステイラー)氏はロイターに述べている。

トランプ大統領に対する措置についての公式コメントの中で、YouTubeは広告主からの予期しない影響についての懸念には言及していない。ただ近年、憎悪に満ち、攻撃的なコンテンツをめぐって広告主からのボイコットに直面してきた。

報道陣へのコメントで、YouTubeは誰がチャンネルを所有しているかにかかわらず常にポリシーを適用してきたと主張し、公的人物にも特例は認めていないと話している。しかしYouTubeは3つのストライクによる使用停止をひっくり返してきたことで知られている。たとえば英国の全国ラジオ局TalkRadio(トークラジオ)は最近、新型コロナウイルス誤情報に関連してストライク3つとなったのちに復活した

TalkRadioの場合、チャンネルの復活はTalkRadioのオーナー、News CorpのRupert Murdoch(ルパート・マードック)会長による介入を受けてのものだったと報じられた。英国の大臣もまた政府の政策のメリットを議論するチャンネルの権利を擁護した。

トランプ大統領の場合、ワシントンでの衝撃的な事件、さらには大統領のサポーターによるオンライン上の暴力的な脅しが続いていることもあって大統領の主張に喜んで乗る政治家の数は減りつつある。

ただ、テックプラットフォームの巨大なマーケットパワーについての懸念はかなり広がっている。プラットフォームは一方的な行動を取って米国の大統領の何百万という人々に配信する力を封じることができる立場にある。

今週初め、ドイツのAngela Merkel(アンジェラ・メルケル)首相はトランプ大統領のアカウントの停止について「問題がある」と述べた。その一方で欧州各国の議員たちはテック大企業に対する規制につながると述べた。

なのでトランプ大統領のレガシー(遺産)が何であれ、ミュートにされたことで激しく罵るのに忙しい大統領は当然のことながら、対象のテック大企業に影響を及ぼす永続的な政策の導入に目を向けているはずだ。

関連記事
Twitterがトランプ大統領のアカウントを永久停止(米議会議事堂暴動から追放までの経緯まとめ)
YouTubeが新型コロナポリシーに違反した英TalkRadioの追放処分を撤回

カテゴリー:ネットサービス
タグ:YouTubeドナルド・トランプアメリカソーシャルメディア

画像クレジット:Olly Curtis/Future / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

レノボが天板にE Inkディスプレイを搭載するPCをアップデート、専用のワイヤレス充電マットも発表

Lenovo(レノボ)は2021年もCESでおなじみのカテゴリーに独自のテイクを展開し続けている。先にモニターが縦横に回転するオールインワンデスクトップARグラスを発表したが、同社は米国1月12日(CESの正式な初日)、2020年のデュアルディスプレイThinkBook Plusの興味深いアップデート版を披露した。

オリジナル版と同様、ThinkBook Plus Gen 2iは天板にE Inkディスプレイを備えている。Lenovoはさまざまな形態のテクノロジーを実験してきた。今回は以前のバージョンよりも理に適っている。重要なところでは、ひと目でわかる通知センターがある。お好きな方は電子書籍リーダーとしても使える。

Lenovoが行う多くのことと同じく正直なところ役に立つかはわからないが、ともかく興味深いものではある。しかしこれまでどおり、何か新しいことに挑戦しているという点ではポイントを稼いでいる。今回は画面が大幅に広くなり、プライマリースクリーンとほぼ同じサイズになった。12インチで2560×1600の解像度を持つ(メインスクリーンとも合う)。リフレッシュレートも向上し、天板を開かずに一部のアプリを実行できるようになった。

このノートパソコンには、タッチスクリーンで使用するビルトインスタイラスもある。また、EnergysquareのPower by Contactを使用してバッテリーに電力を供給する新しいThinkBook充電マットの登場も興味深い。バッテリー自体の充電には15時間、E Inkスクリーンを使用している場合は24時間かかる。パッドだけで充電するのはかなり時間がかかると思われる。

注目すべきことにDell(デル)がCES 2017のこのカテゴリーで独自のテイクを披露した。もちろんこのテクノロジーは、その後数年間、あまり注目を集めてこなかった。

ThinkBook Plus Gen 2iはこの四半期に登場し、価格は1549ドル(約16万1000円)から。アクセサリーの充電マットの価格についての情報はない。

関連記事
レノボの最新オールインワンデスクトップは縦横回転モニター付き
レノボが企業向けARグラス「ThinkReality A3」を発表、2021年半ば発売予定

カテゴリー:ハードウェア
タグ:LenovoE InkCES 2021

画像クレジット:Lenovo

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

SilviaTerraはカーボンオフセットの恩恵を世界中すべての土地所有者にもたらしたい

カーボンオフセット企業であるSilviaTerra(シルビア・テラ)の共同創業者であるZack Parisa(ザック・パリサ)氏とMax Nova(マックス・ノバ)氏は過去10年間、収益を生み出すカーボンオフセットへのアクセスを民主化する方法に取り組んできた。

森林クレジットがビジネスとして活況を呈している。ビジネスの脱炭素化に取り組む複数の世界最大級の企業による数十億ドル(数千億円)のコミットメントが背景にある。2人の創業者が10年間の人生を捧げ築き上げてきたテクノロジーは価値を増す一方だ。

すでに利益を計上している同社が外部から440万ドル(約4億6000万円)を調達したのはそうした理由による。資金調達はUnion Square VenturesVersion One Venturesがリードした。Salesforce(セールスフォース)の創業者であり、One Trillion Trees Initiativeを推し進めるMarc Benioff(マーク・ベニオフ)氏も参加した。

「気候危機に対処するための鍵は、いわゆる炭素循環のバランスを変えることです。私たちは現在、毎年約5ギガトンの炭素を大気中に追加しています。大気中の炭素は温室効果ガスとなり、宇宙に放射されずに留まるエネルギーが増え、地球が熱くなります」と、Union Square VenturesのマネージングパートナーであるAlbert Wenger(アルベルト・ウェンガー)氏はブログ記事に書いている。「減らす方法はたくさんあります。今後数週間でさまざまなアプローチについて説明します(二酸化炭素の直接回収や海のケルプの成長など)。私たちがよく理解している方法で、すぐに行動できる対象の1つは森林です。今日の世界の森林は、大気から年間1ギガトンを少し超えるCO2を吸収し、バイオマスに変えています。既存の森林の伐採や焼却(大規模な山火事の防止を含む)を止め、より多くの新しい樹木を植え始める必要があります。そうすれば、森林の潜在力は年間約4〜5ギガトンになります(ある推定では9ギガトンにもなります)」

2人の創業者にとって、新しく得た資金はパリサ氏が育ったアラバマ州北部の森で始まった長い旅の最新のステップだ。

ミシシッピ州立大学で森林科学を学んだ後、パリサ氏はイェール大学の大学院に通い、ケンタッキー州ルイビル出身のコンピューターサイエンスの学生であるマックス・ノバ氏と出会い、パリサ氏と一緒に後にSilviaTerraとなる会社を創業した。

SilviaTerraの共同創業者であるマックス・ノバ氏とザック・パリサ氏(画像クレジット:SilviaTerra)

2人は衛星画像とフィールド測定を組み合わせて、1エーカー(約4047平方キロメートル)ごとに森の木の大きさと種類を特定する方法を開発した。

最初のステップは米国内のすべての森林の地図を作成することだったが、2人の最終的な目標は、炭素市場を木材産業と対等な立場に置く方法を見つけることだった。地主は現金を得るために、木を切る代わりに森林を維持することがどれだけの価値になるかを知ることができるようになった。同社が指摘するように、森林の管理は以前は木材収穫の経済性が推進力となっており、米国では毎年100億ドル(約1兆400億円)以上が費やされていた。

SilviaTerraの創業者らは炭素市場も同じくらい大きくなる可能性があると考えていたが、ほとんどの土地所有者にとってアクセスが困難だ。カーボンオフセットプロジェクトを成立させるには20万ドル(約2100万円)もの費用がかかる可能性がある。これはパリサ氏自身の家族のような土地所有者が関わる小規模なオフセットプロジェクトやアラバマ州で彼らが所有する40エーカー(約16万1874平方キロメートル)の森の価値を上回っている。

パリサ氏とノバ氏は、小規模土地所有者が炭素市場から利益を得るには、より良い方法が必要だと考えた。

炭素経済を生み出すには、米国内のすべての木を記録する単一のソースが必要だった。SilviaTerraにはそうした地図を作成する技術があったが、地図を作成するための計算能力、機械学習の能力とリソースが不足していた。

そこで、Microsoft(マイクロソフト)のAI for Earthプログラムが登場した。

SilviaTierraはAI for Earthと協力して最初の製品であるBasemapを作成した。この製品はテラバイトの衛星画像を処理して、米国の森林地帯の1エーカーごとに木の大きさと種類を特定する。同社はまた米国森林局と協業し、そのデータにアクセスした。このデータは米国の森林資産の全体像作成に利用された。

Basemapのデータを使用して、同社は自然資本取引所と呼ばれるものを立ち上げた。このプログラムは、地域の森林に関してSilviaTerraが持つ比類のない情報へのアクセスと、そうした森林が現在どのようにプロジェクトに使用されているかについての情報を利用する。各プロジェクトは、もしオフセットマネーが入ってこなければ森に覆われていなかったであろう土地を示している。

現在、多くの森林プロジェクトは、そもそも森林に覆われることがなかったであろう土地を利用した合法的なオフセットとして購入者に提供されている。二酸化炭素排出量のオフセットとして、そうしたプロジェクトは実際には無意味で役に立たないものになっている。

「そこは血まみれです」と、業界における不正オフセットの問題の規模についてノバ氏はいう。「私たちは既存の森林炭素プロジェクトを再パッケージ化したり、需要側を既存のプロジェクトと結び付けようとしたりはしていません。テクノロジーの力で森林カーボンオフセットの新しい供給を解き放ちます」。

最初の自然資本取引所プロジェクトは、実際には2019年にマイクロソフトが始め、資金も提供した。その中で、20人のペンシルベニア州西部の土地所有者がプログラムを通じて森林炭素クレジットを生み出した。プログラムはオフセットが40エーカーの土地所有者にとって機能しうることを示した。

SilviaTerraのカーボンオフセットパイロットプログラムに関与する地主はマイクロソフトから支払いを受けた(画像クレジット:SilviaTerra)

「私たちは、すべての土地所有者の年間経済計画サイクルに参加しようとしているだけです」とノバ氏は述べた。「木材経済学にはあらゆる分野があります。そして私たちは次の質問に答える手伝いをしています。炭素の価格と木材の価格を踏まえると、計画されている木材の収穫を減らすことは理に適っているだろうか」。

2人の創業者は最終的に、森林の潜在的なカーボンオフセット値に関するデータを作成することで、土地全体の価値に対して支払える方法を見つけたと信じている。

炭素市場だけではない。SilviaTerraが作成したツールは、山火事の軽減にも使える。「私たちは適切なデータと適切なツールを持ち合わせて、適切なタイミングで適切な場所にいます」とノバ氏は述べる。「データをこれらすべての意思決定と経済性に結び付けるということです」。

SilviaTerra取引所の立ち上げにより、大規模な購入者はカーボンオフセットのために十分に調べられた情報源を得る。それはある意味でWrenようなスタートアップによって行われている仕事にとっては、企業として当然の帰結だ。WrenはUnion Square Venturesの別の投資先であり、消費者の日々の二酸化炭素排出量をオフセットすることに特化している。同様の森林オフセットを大規模に提供しようとしているPachama、3Degrees IncSouth Poleなどの企業の競争相手でもある。

バイデン政権下でカーボンバンクを設立するための議論が進行中であることから、オフセット企業にはさらに多くの機会があるとSilviaTerraの創業者らは述べた。米農務省が運営する既存のCommodity Credit Corp.を通じて設立されたカーボンバンクは、米国全土の農家と土地所有者に林業と農業のカーボンオフセットプロジェクトの費用を支払う。

「こうしたシステムには私たちが今利用している以上の価値があることを誰もが知っています」とパリサ氏はいう。「そのメリットを私たちが切り取って市場に送りだすものと同じレベルに置くまでは【略】価値は上がっていきます【略】絶対にそれは意思決定に影響を及ぼし、キャッシュで回収できます。これは必要とされているものを作るための米国沿岸部から米国中部への送金ポンプです」。

カテゴリー:EnviroTech
タグ:SilviaTerraカーボンオフセット資金調達二酸化炭素排出量

画像クレジット:Roine Magnusson/DigitalVision

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

Uberと米製薬会社Modernaがなかなか進まない新型コロナワクチン接種の啓発、促進で提携

Uber(ウーバー)と製薬会社Moderna(モデルナ)は新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンに関してさまざまな取り組みを含む提携を発表した。さしあたって決定しているのは、新型コロナワクチンの安全性について信頼できる事実に基づく情報をUberの消費者向けアプリを通じてユーザーに提供することだ。しかし両社は、ワクチン接種予約プロセスにUberを通じた乗車のスケジューリングを直接組み込む「オプション」も検討した。

米国の新型コロナワクチン接種プログラムは、まだ初期段階ではあるが難題に直面している。ここには、ワクチンを最も必要としている人々にタイムリーにワクチンへのアクセスを提供することが含まれる。ワクチン接種プログラムはまた、ワクチンの安全性に関するソーシャルメディア上でのかなりの誤情報拡散とも戦わなければならない。Uberのような利用者が多いアプリは前向きなメッセージと正確な情報を多くの人の目に触れさせることができるため、この取り組みはいいニュースだ。

しかし効果的なワクチンキャンペーンを展開する上でかなり難題となっているものの1つはロジスティックであり、Modernaワクチンの1回目と2回目の接種の予約をとるよう促すことは多くの人が考えていた以上に大きな課題だ。筆者はHealthvanaのCEO、Ramin Bastani(ラミン・バスタニ)氏にロサンゼルス郡との取り組みについて聞いた。同社は患者にタイムリーな情報とワクチン予約についてのリマインダーを提供するためにApple Walletを活用してワクチン接種記録を作るという取り組みを展開している。だが、大半のユーザーがすでにスマホにダウンロードしているUberアプリに乗車予約サービスや予約リマインダーを直接組み込むことは、1回目と2回目のワクチン接種率を高めるのにかなり有効な別の方法となり得る。

Uberはすでに、実際に出かけてワクチン接種を受けるのにともなう壁を下げようと、無料あるいは割引運賃での乗車を提供している。プロダクトレベルの統合は、簡単でユーザーフレンドリーなアクセスを提供することでより効果があるかもしれない。前述の通り、これはまだ協議中のオプションの1つにすぎないが、もしUberとModernaが積極的に実行するとすれば、それは少なくとも両社が方法を見つけるのに真剣であることを意味する。TechCrunchは両社の動きをマークし、このコラボレーションの進展についてはフォローアップするのでご安心を。

カテゴリー:その他
タグ:UberModerna新型コロナウイルスワクチン

画像クレジット:Kirill Kukhmar/TASS / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi)

大統領就任式を控えAirbnbが議会議事堂での暴動参加者排除に関する追加措置

2017年のシャーロッツビル暴動後に導入した規約に基づき、Airbnb(エアビーアンドビー)は大統領就任式を控え、ワシントンD.C.のコミュニティ保護を強化するためにさらに踏み込んだ措置を取ると明らかにした

Airbnbによると、同社はすでに特別なイベントの前には暴力的なヘイトグループと関係のある人をプラットフォームから排除している。

そして大統領就任式を控え、ワシントンD.C.地区が白人至上主義者やネオナチ、狂信的な愛国主義者で溢れかえることがないようにするため7ステップ計画を展開すると明らかにした。

Airbnbは先週の暴動で議事堂周辺での犯罪行為に関わったと特定された個人の利用を禁止すると話した。「1月6日の米国議事堂での暴力的犯罪行為に関わったと確認された個人の名前をメディアや法執行機関を通じて入手し、その人物がAirbnbにアカウントを持っているかどうか調査します」と同社は述べた。「ここにはコロンビア特別区首都警察の1月6日の逮捕記録との相互参照も含みます。記録に名前のある個人がAirbnbにアカウントを持っている場合、当社はAirbnbの利用を禁止するなどの措置を取ります」。

ヘイトグループに関連する人物が調査網から漏れることがないよう、就任式までの間に議会議事堂周辺ですでに入っている予約を確かめる追加の措置だ。

同社はまた追加のID確認や、バックグラウンドチェックを最新のものにするために他のセキュリティチェックも導入するなど予約要件も厳しくする。

最後のステップとして、もしヘイトグループに関係する人をともなうとAirbnbは法的措置を取ると予約客に伝える、と同社は述べた。ホスト側にも、管理する物件に滞在している客に不審な点があれば、社のUrgent Safety Line(緊急安全ホットライン)に連絡するよう案内している。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Airbnbアメリカ

画像クレジット:Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

AWSが警告どおり米保守系が集うParlerへのクラウドサービス提供を停止

警告のとおりAmazon Web Services(AWS、アマゾン・ウェブ・サービス)は、米議事堂での暴動を呼びかけたトランプ大統領支持者の巣窟となっていた右翼ソーシャルネットワーキングサービスParler(パーラー)へのサービス提供を停止した。サービス停止は警告から24時間経って実行されている。つまり、現在、Parlerのウェブアドレスにアクセスすると、リクエストしたドメインにはアクセスできないというメッセージが表示される。

Parlerのコミュニティは、先週トランプ大統領の公式アカウントがTwitter(ツイッター)とFacebook(フェイスブック)から停止処分となった後に活発になっていた。トランプ大統領の感情と足並みを揃えた似たような激しい罵りや暴力の促進をツイートする数多くのアカウントもそうしたプラットフォームから排除された。Apple(アップル)とGoogle(グーグル)は利用規約に違反したとしてそれぞれのアプリストアからParlerを削除し、AWSもサービス提供停止を通告して追随していた。

Parlerは各社の排除に対抗するために自らのインフラをゼロから構築する意向を示した(ZDNet記事)が、その一方ですでに展開されているGabといった右翼オーディエンスのためのソーシャルメディアサイト(未訳記事)は、Parlerのプラットフォームからの排除の恩恵を受けている。Gabは以前ホスティングが無効化され、ヘイトスピーチ拡散の問題でGoogle Playから排除されている。

関連記事:AWSが愛国者の拠点となったソーシャルメディアParlerに対し日本時間1月11日午後のサービス停止を通告

カテゴリー:ネットサービス
タグ:アメリカソーシャルメディアParlerAWS

画像クレジット:TechCrunch

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

GMの自動運転車技術子会社Cruiseが商業化に向けデルタ航空元幹部を採用

GM(ゼネラルモーターズ)の自動運転車技術子会社であるCruise(クルーズ)は米国時間1月8日、デルタ航空の元最高執行責任者であるGil West(ギル・ウエスト)氏を採用し、早期の商業化へ動くと語った。

2020年にデルタ航空を引退したウエスト氏は、Cruiseの最初の最高執行責任者となる。この発表は、Cruiseが自動運転車の公道でのテストを人間の安全オペレーターの同乗なしで開始してから1カ月以上経った後に行われた。テストはまだサンフランシスコの限られた地理的エリアと市内の混雑の少ない地域の1つで実施されている。だがそれでも同社にとっては1つのマイルストーンであり、乗車に対し料金を請求できる商業ベースのシェアードサービスの開始許可を確保するために必要なステップと見られている。

ウエスト氏は、年間160億ドル(約1兆6600億円)の予算を持つ巨大なグローバルオペレーションを12年以上動かした経験を携えてCruiseにやって来た。同氏は在職中、デルタの1株当たり利益を前年比15%以上増加させ、ノースウエスト航空との合併統合を主導した。

2018年までGMの社長(未訳記事)で、現在はCruiseのCEOを努めるDan Ammann(ダン・アマン)氏は、ウエスト氏の大企業でのカスタマーエクスペリエンス、オペレーション、安全性での実績が「Cruiseに完璧に合っています。私たちは自動運転技術の商業化への旅を始めるからです」と述べた。

Cruiseは2019年末までにいわゆる「無人」車両を使用した商用サービスを開始する(未訳記事)ことを目指していたが、そのスケジュールを後ろ倒しにした。他の自動運転車会社数社が自動運転車を利用した配車サービスの立ち上げの計画を延期した後の決定だ。Cruiseは、商用サービスを開始する新たな予定日をまだ発表していない。最初の商用サービスはサンフランシスコで提供される。

ソフトバンク・ビジョン・ファンドとT. Rowe Price & Associatesが投資するCruiseは数百台の自動運転車を保有しているが、ほとんどの場合、まだ人間のセーフティオペレーターが同乗している。Cruiseは2020年11月、5台の自動運転車を使用して無人運転テスト(人間のセーフティオペレーターが運転席にいないテスト)を開始した。同社の残りの車両は、人間の運転手が同乗するこれまでのテスト向けであり、その一部は地域のフードバンクに商品を配達するために使われている。

カリフォルニア州の自動運転車のテストを規制する機関であるカリフォルニアDMVは2020年10月、Cruiseに対しサンフランシスコ内の特定の道路で運転手が同乗しない5台の自動運転車をテストできる認可を与えた。Cruiseは2015年以来、安全ドライバーが同乗する自動運転車をテストする許可を保有している。

Cruiseは2020年2月、カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)から自動運転車による州内での乗客輸送に関して許可を取得した。CPUCは2020年末に規制を変更し、適切に認可を受けた企業が自動運転によるシェアライドの料金を請求することを認めた。

CPUCのウェブサイトの情報によると、CruiseはCPUCからの認可適格のために、30日間無人運転をテストしたというデータを提示する必要がある。

ウエスト氏はその30日間が終了したときに採用される。同氏はCruiseのすべての商業運営を担当する。その中には数百台の車両の管理と顧客サービスが含まれる。

「Cruiseは生活を変え、輸送の現状を打破する方法をリードしています」とウエスト氏は声明で述べた。「私の生涯で、自動運転への移行ほど運輸業界での大きな変化はありません。私はこのような機会のためにキャリア全体を作り上げてきました」。

関連記事:カリフォルニア州がロボタクシー会社Waymoなどの有料サービス提供にゴーサイン

カテゴリー:モビリティ
タグ:Cruise自動運転

画像クレジット:Cruise

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

真のキャッシュレス社会実現のために必要な5つの改革

新型コロナウイルスのパンデミックが現状に挑戦し、私たちが通常の生活だと思っていたものを完全に変えた。だがこれにより、様々な方法で世界に適応・参加する新しい機会が生まれた。最初のトレンドの1つは、現金が受け入れられなくなったことだ。

最初は大したことがないように見えたキャッシュレス取引への移行により、私の顧客体験はシームレスになった。財布を持たずに過ごすようになってから、なぜ現金を持っていたのだろうと思うようにさえなった。

キャッシュレスライフはかなり長い間アジア諸国で広く採用されてきた。だが、新型コロナがパンデミックになるまで、米国全体で広く採用されることはなかった。キャッシュレス取引の便利さは理に適っているが、この便利さが商取引の他の側面を犠牲にしないことを私は願っている。

キャッシュレス取引への移行により、私の顧客体験はシームレスになった。

キャッシュレス支出に関する問題として真っ先に思い浮かぶのが、利用しづらい点、手数料、軽率な支出だ。真のキャッシュレス社会を実現するために、考慮すべき5つのポイントを挙げる。

1.現在、決済処理業者は優越的な地位を有し、顧客に手数料を課している

キャッシュレス取引のために、私たちはお気に入りのバリスタ、小さな会社、独立したブランドとの最後の直接的な本物のつながりを手放した。私がクレジットカードや電話を取り出して支払うとき、私と売り手の双方が支払う手数料のことは頭にない。かつては手数料などかからなかった取引を成立させるためにそうした手数料を払っている。売り手との直接的なつながりを失ったことで決済処理業者は優越的な地位を獲得し、最大3%の不当な料金を要求することを可能にした。

バーチャルな支払いでは、私の現金は基本的に私の電話の中にあり、バリスタは私の目の前にいるが、その取引は現金取引のようには運ばない。売り手は私との取引で手数料を支払う必要がある。コーヒーショップの現金売上が新型コロナ前の20%だとすると、今ではその20%になってしまった売上に対して手数料を支払う必要がある。悲しいことに、売り手は時間が経つとともに価格を引き上げるようになる。過去の経験からいえば、キャッシュレス取引を採用すると、結果として顧客に手数料が転嫁される。

一律の値上げを通じて、電子的でシームレス、そしてかつてないほど安全な取引を実現するためのコストをいつも顧客が負担し、売り手を救済している。さらに顧客は、あらかじめ決められた設定でデジタルでチップを渡すように「強制」される。情緒的な社会契約としてのチップの意味をすべて消し去ってしまった。このニューノーマルは、以前は顧客が現金3ドルで買っていたコーヒーに、デジタルトランザクションでは4ドルを支払うことを意味する。

2. プラットフォームは取引手数料をなくすために新しいモデルを採用しなければならない

ソフトウェアとインテリジェントプラットフォームが幅広く利用され、サービスのコストが常に削減されているのに、なぜそのコスト削減がデジタル金融取引にまだ反映されていないのか。顧客はキャッシュレス取引が現金取引と同じように機能するよう要求すべきだ。

手数料モデルを継続するとしても、定期的に利用し、忠実で、検証済みの顧客がクレジットのコストに加えて取引に多額のコストを常に(直接的または間接的に)支払うのはなぜか。取引が定期的か新規かによって区別されるべきで、それに応じた適切な料金があるはずだ。

3. 支出に意識的になるよう促すプロダクトエクスペリエンスにすべき

デジタルカードやクレジットカードで支払うと、他人のお金で支払ったように感じられる。これは危険性のある感覚だ。ユーザーはお金がすぐに出ていくのを見ることがない。コーヒーの通常価格が3ドルだとする。そのコーヒーを現金で買うこととカードやデジタルウォレットで支払うこととは非常に異なる経験だ。

ポケットにある現金に限りがあるとき、支出という物理的行為(および場合によっては精神的苦痛)にともなう金銭感覚は異なったものになり、クレジットカードやデビットカードから支出する目に見えないお金とは違い、価値が高くなる。多くの点で、私たちが現金で支払うときに感じる静かな痛みが、無意識のうちに私たちの支出についての意識を高めてきた。

4. アクセシビリティと利用をすべての人に拡張しなければならない

キャッシュレス社会の考え方は、これまでのところ、銀行口座のない人々や銀行サービスの利用が少ない人々を広く包摂するものではなかった。新しいモデルを支えるには、サービスの行き届いていない層がソフトウェアを利用できるようにする必要がある。ユーザーが食料品店に足を運び、レジ係に100ドルを渡して、バーチャルウォレットにお金をアップロードできるようにしなければならない。

また、友人がバーチャルウォレットに100ドルを送金できるようにする必要がある。キャッシュレス社会が機能するためには、バーチャル決済が容易かつ確実に機能し、現金と同じようにあらゆる場所で受け入れられなければならない。

5. オープンウォレットへの道

フードデリバリーアプリで15ドルの食べ物を注文し、結局合計で25ドルを超えてしまった経験はないだろうか。配送料金、チップ、税金に加え、配送アプリはクレジットカード会社や決済会社が請求する手数料を相殺するため、さらに料金を上乗せした価格を設定している。そうした追加料金を回避するため、LyftやUberなどのアプリはACH送金による独自のデジタルウォレットの導入し始めた。

悲しいことに、こういったウォレットが広く採用されるまで、消費者がメリットを享受する可能性は低い。消費者は特定のアプリでしか使えないウォレットをもう1つほしいとは思わないため、普及していない。

今後の方法

消費者に真の力を与えるには、GoogleとAppleの両方がオープンAPI支払いシステムを使用してデジタルウォレットを開発し続け、すべてのアプリが無料で安全にやり取りできるようにする必要がある。そうすればGoogleとAppleのウォレットは変貌し、クレジットカードのゲートウェイになるだけでなく、銀行口座のない人々や銀行サービスの利用が少ない人々に対し、より良いサービスが提供される。

対面で現金を補充できるオープンウォレットが利用可能になれば、銀行口座を持たない人々や銀行サービスの利用が少ない人々をさらにサポートすることになる。バーチャルウォレットにある現金を、アプリ、ウェブサイト、または実店舗で手数料を支払うことなく使えるはずだ。また、銀行口座からウォレットに現金をチャージしたり、給与の一部を電話の中のウォレットに直接入金したりできるはずだ。売り手もGoogleとAppleに手数料を払わなくて済むため、ウォレットからの支払いから恩恵を受けられる。

代わりにモバイルウォレットの作り手は、ユーザーと売り手の発見と紹介に注力する新しいビジネスモデルを導入し、売り手への紹介に対して課金することができる。

それほど遠くない将来、新しいAppleまたはGoogleの電話を入手すると、そこにはウォレットが入っていて、あらゆるアプリや実店舗での支払い、またピア・ツー・ピアの送金に手数料無料で使えるようになる。デジタルウォレット内のクレジットカード、またはむしろクレジットラインは、Affirmのような融資サービスを利用するようになる。そうなれば、携帯電話のウォレットを使用するだけで、ガムのパックから高級時計、さらにはクルマまで何でも購入できる。

ゴールドマンサックスとマスターカードだけがクレジット分野のプレイヤーであってはならない。単純な取引に適用されている時代遅れの料金モデルを変革するために、デジタルウォレットの分野でイノベーションが必要とされている。

【Japan編集部】 本記事ライターのWisam Dakka(ウィサム・ダッカ)氏は、AIを利用した自動検索、パーソナライズされた洞察、最新のピアツーピア共有、そして取引と購入履歴に基づくリワードをユーザーに提供するソーシャル金融アプリケーションであるMeemoの共同創業者。

カテゴリー:フィンテック
タグ:キャッシュレス決済

画像クレジット:simonlong/ Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

Appleがトランプ氏支持者が集う保守系ソーシャルメディアアプリParlerをApp Storeから削除

Apple(アップル)は保守系ソーシャルメディアアプリParlerをApp Storeから削除したことを明らかにした。このすぐ前にはGoogle(グーグル)がGoogle Playから削除していた。米議事堂での暴動が起こるまで、トランプ大統領支持者と著名な保守系人物の巣窟となっていたこのアプリはAppleの規約に違反した状態で展開されていた。

AppleはTechCrunchに以下のように述べた。

当社はApp Storeでの多様な視点を常にサポートしてきました。しかし暴力の脅しや違法な活動は当プラットフォームでは許されません。Parlerは人々の安全を脅かすものが拡散しているという問題に対し十分に対応しませんでした。こうした問題を解決するまで当社はApp StoreからParlerを削除します。

削除措置の前にAppleはParlerのデベロッパーに以下の警告を送っていた。

Parlerアプリ開発担当者へ

Parlerアプリ上の危険で有害なコンテンツへの対応に感謝します。当社は貴社が取った対策が、アプリ上の危険で好ましくないコンテンツの拡散を解決するのに十分でないと判断しました。

Parlerは、暴力や違法な活動を促進する有害または危険なコンテンツを検証して削除しておらず、App Storeレビューガイドラインを履行していません。

回答では、貴社はParlerがこのコンテンツを「何週間もの間大変深刻に」扱った、としました。しかしながら危険で違法なコンテンツの拡散を検証して防ぐためにParlerが取ったプロセスは不十分だったことが判明しました。特にガイドライン1.1(安全性:不快なコンテンツ)に違反する直接的な暴力の脅しと無法行為を扇動する呼びかけが引き続きアプリにみられます。

貴社はまた「差し当たって」のモデレーションプランに言及しましたが、これはガイドライン1.2(安全性:ユーザー生成コンテンツ)の要件を満たしていません。すべての危険あるいは悪意に満ちたユーザーコンテンツを防ぐ完璧なシステムはありませんが、アプリには積極的かつ効果的にこうした問題を解決するための確固たるコンテンツモデレーションプランが求められます。

こうした理由により、App Storeレビューガイドラインに則ったものになるアップデートを当社が受け取り、貴社が効果的に危険で有害なコンテンツを検証してフィルターにかける能力を示すまで、貴社のアプリはApp Storeから削除されます。

アプリレビュー委員会

保守系のコメンテーターでParler開発者のDan Bongino(ダン・ボンジーノ)氏はAppleの決定についてサイトに投稿した(The Wrap記事)。

Appleのテックの暴君たちはApp Storeからアプリを排除しました。Appleは全体主義の思想統制を好んでいるという点で、中国の共産党と変わりはありません。素晴らしい国の自由を愛する人々とともにいることを誇りに思っています。私は怒りを覚え、また支配権を握っているテック業界の全体主義者にぞっとしています。

ボンジーノ氏は最近Twitter(ツイッター)にアカウントを停止された人物の1人だ。しかし同氏はTwitterを再び利用する気はないと明らかにした。

Parlerが現在App Storeで利用できなくなった一方で、すでにアプリをダウンロードした人まだアクセスできるようだ。先にニューヨークタイムズ紙は以下のように報じた。

AppleがApp StoreからParlerを削除jすれば、ParlerをiPhoneやiPadにParlerをダウンロードできなくなる。ParlerのiPhoneアプリをダウンロード済みの人はアプリを使うことはできるが、Parlerはアプリをアップデートできなくなる。つまり、AppleがiPhoneソフトウェアをアップデートすると、アプリは最終的に使われなくなることを意味する。

しかしAmazon(アマゾン)内でもParlerを排除する方向に向かいつつあり、Parlerの未来はかなり不透明だ

【Japan編集部】AWSはすでにParlerに対しサービス停止を通告している。

AppleのParler削除のニュースはGoogleがGoogle PlayからParlerを削除した動きに続くものだ。議事堂暴動をリードしたトランプ大統領サポーターと有名な保守派人物の溜まり場となっていたParlerは、我々の理解ではAppleのルールを破って展開されてきた。AppleのApp Storeガイドラインはユーザー生成コンテンツを扱うアプリに、暴力を扇動するコンテンツを削除するためにモデレーションポリシーを整備するよう求めている。

こうした規約にもかかわらず、AppleもGoogleもこれより以前にParlerを削除する行動を取らなかった。トランプ大統領サポーターと他の極右ユーザーがアプリを通じて暴力を呼びかけ(USA TODAY記事)、議事堂乱入の計画を企てた(BuzzFeed News記事)のにだ。この暴動で5人が死亡し、警官50人以上が負傷した(CNBC記事)。そして12人以上が起訴され、容疑者の特定により逮捕者数は増えつつある(Los Angeles Times記事)。

画像クレジット:Parler via the App Store

BuzzFeed Newsは米国時間1月8日、Parlerがコンテンツモデレーションプランを提出しなければ、24時間以内にApp Storeからアプリが削除されることを警告するレターをAppleから受け取ったと報じた。

Appleの警告には以下のように書かれている。

貴社のParlerサービスにある不快なコンテンツに関し、多くの苦情が寄せられています。Parlerアプリが、中でも人命の喪失、数多くの怪我人、器物損壊につながった違法な活動の計画・調整・促進に使われたという非難です。Parlerアプリはまた、別の違法で危険な活動の計画と促進に使われ続けるように見受けられます。

ParlerのCEOであるJohn Matze(ジョン・メッツ)氏はAppleからの自身のParlerアカウントへの最後通牒について、「自由な言論を嫌う、そうした権威主義者」には屈しないと投稿した。米国時間1月9日、トランプ大統領支持者のLin Wood(リン・ウッド)氏がMike Pence(マイク・ペンス)副大統領に対する暴力を呼びかける投稿をParlerが削除したとの報道があった。

App Annieによると、アプリ削除に先立って、ParlerはiPhone App Storeのニュース部門でランキング1位になり、全体では13位となった。米国時間1月8日にiPhoneの無料非ゲームアプリ部門のトップチャートで時折1位になったが最終的なデータは入手できなかった。

画像クレジット:App Annie

現在アプリはAmazon Web Services(AWS)で構築されているが、AWS利用規定に反しているようで、これは削除につながるかもしれない。

テック企業従業員の集団行動は、トランプ大統領とそのサポーターが議事堂暴動後も通信したり組織したりするためのプラットフォームへのアクセスに関する決定に主要な役割を果たす。たとえばワシントンポスト紙によると、Twitterがトランプ大統領のアカウントを永久停止する前に、同社の従業員350人超がCEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏と他の役員にトランプ大統領のアカウント永久停止を促すレターに署名した。

トランプ大統領はいまや、Facebook(フェイスブック)、Twitter、Snapchat(スナップチャット)、Twitch(ツイッチ)などに投稿できなくなった(未訳記事)。2つのアプリストアからのParlerの削除はトランプ大統領サポーターの動きがさらに過激で暴力的になるのをある程度抑制する。しかしながら、議事堂の損壊だけでなく、国の精神が全体的にダメージを受け、多くの人がこうした措置はあまりにも遅きに失し(The Washington Post記事)、その前に取られるべきだったと主張している。

TechCrunchはParlerにコメントを求めている。

関連記事:保守派が集うアプリParlerがGoogle Playで削除、AppleのApp Storeも削除予定と報道

保守系メディアParlerがペンス副大統領の処刑を呼びかけたトランプ支持者リン・ウッド氏の投稿を削除

カテゴリー:ネットサービス
タグ:アメリカソーシャルメディアParlerApple

画像クレジット:Photo by MANDEL NGAN/AFP via Getty Images / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

保守派が集うアプリParlerがGoogle Playで削除、AppleのApp Storeも削除予定と報道

Twitter(ツイッター)が米国時間1月8日午後にトランプ大統領のアカウントを永久停止すると発表してからほどなくして、Google(グーグル)は保守派のソーシャルメディアアプリParler(パーラー)をGoogle Playからただちに削除することを明らかにした。声明文の中でGoogleは、デベロッパーがプラットフォーム上の不快なコンテンツに対処するモデレーションと取り締まりについての規約を遵守するまでアプリを停止すると述べた。

TechCrunchへの声明文で、Googleの広報担当は以下のように述べた。

Google Playユーザーの安全を守るため、長年展開されている当社の規約では、ユーザー生成のコンテンツを表示するアプリにモデレーション規約の整備と、暴力を扇動する投稿のような言語道断のコンテンツの削除を求めています。すべてのデベロッパーはこうした規約の遵守に同意していて、当社はここ数カ月、Parlerにこの明快な規約についてリマインドしてきました。米国で続いている暴力を扇動しようとしているParlerアプリに引き続き投稿があることを当社は把握しています。コンテンツ規約について合理的な議論があり得ること、すべての暴力的なコンテンツをただちに削除することはアプリにとって難しいかもしれないことを当社は認識しています。しかしGoogle Playを通じてアプリを配信する当社にとって、アプリが言語道断のコンテンツに対して確固たるモデレーションを適用することは不可欠です。現在も続く喫緊の安全への脅威の観点から、当社はこれら問題が解決されるまで、このアプリをPlay Storeから排除します。

ParlerのGoogle Playページは現在、非表示となっている。

保守派のプラットフォームは、暴力の脅迫を詳細につづり、議事堂の警官を含む5人の死者につながった議事堂でのひどい暴動の計画について投稿があった後にかなりの注意を集めた。主要なソーシャルメディアサイトが暴動に関連する暴力的なコンテンツを争うようにして取り締まった一方で、Parlerのプラットフォームは殺害の脅しや暴力が溢れていた。

Parlerアプリはさまざまな保守派人物のアカウントを案内しており、ここにはトランプ大統領一族の多くのアカウントが含まれるが、大統領自身のものはない。

1月8日にBuzzfeed Newsは、モデレーション改善計画を提出しなければ24時間以内にApp StoreからParlerアプリは削除されるという通知をParlerがApple(アップル)から受け取ったと報じた。ParlerのCEOであるJohn Matze(ジョン・メッツ)氏はAppleからの通知のスクリーンショットを自身のParlerアカウントに投稿して通知を受けた事実を明らかにした。

「貴サービス上のすべてのユーザー生成コンテンツ、そしてコンテンツがApp Storeの安全とユーザー保護についての要件を満たすことについてParlerは責任を負っていることを明確にしておきます」とスクリーンショットにはある。「危険で有害なコンテンツを表示するアプリは配信しません」。

ParlerアプリはApp Storeにまだ存在するが、技術上の問題が現在あるようだ。

TechCrunchはAppleにコメントを求めている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:アメリカGoogleGoogle Playアプリ

画像クレジット:Drew Angerer/Getty Images / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

Twitterがトランプ氏の元側近や陰謀説QAnon関係者をプラットフォームから排除

Twitter(ツイッター)は米国時間1月8日、QAnon陰謀説の動きを封じ込めようとトランプ大統領の側近数人のアカウントを永久停止する措置を取った。

トランプ大統領の最初の国家安全保障担当補佐官Michael Flynn(マイケル・フリン)氏とトランプ大統領の選挙陣営の弁護士Sidney Powell(シドニー・パウエル)氏がTwitterの「有害な活動の共謀」規約に違反したとして排除された(NBC記事)。以前8kun(旧8chan)を運営していた(Vice記事)Ron Watkins(ロン・ワトキンス)氏のアカウントも削除された。

「当社は現実社会での害につながる恐れがある行いに対し断固たる措置を取ることを明確にしてきました。この手の動きをめぐって数日の間に新たな暴力が起こる可能性があることに鑑みて、当社はQAnonコンテンツの共有を専門とするアカウントを永久停止します」とTwitterの広報担当はTechCrunchに語った。

ここ数カ月、これらの人物はQAnonを促進してきた。QAnonは、児童の性的人身売買などを行っている政敵の秘密結社とトランプ大統領が聖なる戦いを繰り広げているという、根拠のない主張を多く展開している陰謀論の集団だ。

トランプ大統領の選挙後の弁護士団の1人としてパウエル氏はQAnonの人々の中でヒロイン的人物になった(CNN記事)。QAnonの人々は舞台裏で練られたマスタープランによってトランプ大統領の2期目があると信じている。パウエル氏はまたDominion(ドミニオン)社の投票機陰謀説を拡散した。Dominion社の装置がトランプ大統領への票をバイデン氏へのものに変えたという主張だ。Dominion Voting Systemsは、パウエル氏の「口コミの誤情報キャンペーン」が同社の事業に損害を与えたとして、同氏を相手取って13億ドル(約1350億円)の賠償を求める裁判を起こした(npr記事)。

フリン氏は2020年、QAnonの人気のモットー「我々は一致団結して進んでいく」を唱えて(CNN記事)QAnonの動きを容認した。同氏はまた、2020年11月の選挙結果をひっくり返そうとするトランプ大統領の試みにも積極的に関わっていた。その後、フリン氏は2017年にFBIに偽証したとして有罪になる(CNN記事)という衝撃的なスキャンダルがあった。2020年に米司法省はフリン氏の起訴を取り下げ、後にトランプ大統領はフリン氏に恩赦を与えた(NYTimes記事)

3人の中で、ワトキンス氏はトランプ大統領から最も遠く、QAnonの核心に最も近い。QAnonの中央オンラインハブの管理者(Vice記事)として、ワトキンス氏は過去数年にわたってQAnonが爆発的にメジャーな存在になるのに主要な役割を果たした。信者のランクを超えて、一部のQAnon信奉者はロン・ワトキンス氏、あるいは同氏の父親Jim Watkins(ジム・ワトキンス)氏が、不可解なパンくずをQAnon信奉者に与えることで手の込んだスキームを永続させるミステリアスな「Q」人物だと信じている。

Twitterは2020年半ばに、実社会での害が懸念されるとしてQAnonコンテンツを制限し始めた。今回の措置はさらに踏み込んだものであり、あらゆるQAnon関連アカウントを永久に停止するという新たな取り組みはこれまで以上に大きなインパクトがあるはずだ。


関連記事:Twitterが右翼陰謀論を広めるQAnonを取り締まり、7000アカウントをすでに停止

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ドナルド・トランプアメリカ米国大統領選挙SNSソーシャルメディアTwitterQAnon

画像クレジット:Win McNamee / Staff / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

Twitterがトランプ大統領のアカウントを永久停止(米議会議事堂暴動から追放までの経緯まとめ)

Twitter(ツイッター)は米国1月8日、「暴動をさらに誘発するリスク」とこれまでの規約違反を理由に、同社のプラットフォームからDonald Trump(ドナルド・トランプ大統領)を永久追放した。

「今週あった恐ろしい事件に照らし、Twitterのルールをさらに破った場合は新たな措置を取る可能性があることを当社は1月6日に明確にしていました」「何年も前に当社はこれらのアカウントが規則を守っておらず、暴力を扇動するためにTwitterを使用することはできないということをはっきりと示していました」と同社は述べている。

また、トランプ大統領は新しいアカウントを作ったり、別名を使ったりしてTwitterの追放措置を回避することはできない、と同社の広報担当はTechCrunchに明確にした。もし大統領が追放を回避しようと試みた場合、大統領が使うあらゆるアカウントに対して停止措置が取られることになる。

【更新】トランプ大統領はまさに米国時間1月8日夜に@POTUSアカウントを使用した(未訳記事)。「我々は黙りはしない!Twitterは自由な言論の場ではない」と同アカウントを通じてツイートし、自身のチームが「近い将来」自前のプラットフォームを構築するかもしれないことを匂わせている。

Twitterは追放措置が差し迫っていることを明らかにしていたと強調し、今週の事件を「恐ろしい」と表現した。トランプ大統領は以前、Twitterのルールを破っていたが、世界のリーダーのための特別なガイダンスと社会が関心を寄せる情報という考えの下、大統領のアカウントを維持してきた。

詳細の中で、Twitterは追放に至ることになったトランプ大統領によるツイートの評価を公開した。1月7日の大統領の2つのツイートがアカウントの存続を崖っぷちに追い込んだようだ。Twitterはそうしたツイートを今週あった事件に照らしてさらなる暴力を誘発するものと解釈した。

1月6日にTwitterは、規約に違反しているとして同社がフラグを立てたツイートをトランプ大統領が削除するまで大統領のアカウントを一時的に凍結した。大統領のアカウントは、そうしたツイートの削除から12時間経って再び使えるようになり、大統領は1月7日夜に大統領選挙での敗北を初めて認めたかにみえる動画を投稿して同プラットフォームに戻ってきた

トランプ大統領は、議会による選挙結果の承認作業中に米議事堂で暴動を起こした自身のサポーターのグループを非難しなかったとき、一線を越えた。とあるツイートで大統領はグループに家に帰るように優しく促し、その一方で興奮している自身のフォロワーに対し「あなたたちを愛している。あなたたちは『特別だ』」と安心させた。

当時、Twitterはトランプ大統領のツイートが市民活動の阻害に関するポリシーに対する「度重なる重大な違反」を含んでおり、今後違反があった場合、大統領のアカウントの「永久凍結」につながり得ると警告していた。

米国時間1月6日水曜日

  • 米国東部時間午後1時:トランプ大統領がホワイトハウス近くでの選挙結果に抗議する集会を締めくくる。集会で大統領は参加者に議会に向けて行進するよう促す
  • 午後2時15分:トランプ支持者が議事堂内に侵入する
  • 午後4字15分:トランプ大統領が暴動者に家に帰るべきと促し、そして「我々はあなたたちを愛している」と伝える動画をTwitterに投稿する
  • 午後5時:Twitterが目立つ警告ラベルをビデオに貼る
  • 午後6時:トランプ大統領が再びツイートするが、暴力を非難せず、サポーターに「今日という日を永遠に覚えておこう」と呼びかける
  • 午後7時:トランプ大統領が3つのツイートを削除してさらに12時間経つまでTwitterがアカウントを一時停止する

米国時間1月7日木曜日

米国時間1月8日金曜日

  • 午前9時45分:トランプ大統領がさほど懐柔的でないトーンで、自身に投票した人はすべて「いかなる方法でも決して不当に扱われることはない!!!」と宣言する
  • 午前10時45分:トランプ大統領がジョー・バイデン氏の就任式に出席しないとツイートする
  • 午後6時20分:Twitterが@realDonaldTrumpは永久に追放されたと発表する

Facebook(フェイスブック)は1月6日に議事堂でカオスが繰り広げられたことを受けてトランプ大統領のアカウントに対してより思い切った措置を取ったが、Twitterはホワイトハウスを去ろうとしているトランプ大統領と長らく摩擦を抱えている。2020年初め、郵送投票を「詐欺」だとした大統領のツイートに要事実確認のラベルを貼るというTwitterの決定は、ソーシャルメディア企業を標的にした大方無力な大統領令を通じた報復(未訳記事)につながった。

トランプ大統領は米通信品位法230条を廃止しようと、議会を通じて次第に異常さを増す(未訳記事)方法で2020年を通じてずっと恨み続けた。230条はオンライン企業をユーザー生成コンテンツに対する責任から守っているものだ。

現職の大統領をプラットフォームから追放するというTwitterの措置は歴史的な決断で、同社が大統領の4年間に貢献することを避けるという大きなものだ。1月6日の暴動、そして暴動扇動というトランプ大統領の行動に、テック最大手のプラットフォームはもううんざりしたようだ。

しかし選挙陰謀説新型コロナウイルスに関する危険な誤情報、そして議事堂を襲ったカモフラージュしている過激派たちのことを考えると、トランプ大統領が在職中の4年間に1回あたり280文字以内で解き放ったカオスを元に戻すには手遅れだ。

関連記事
「抗議者を脅した」とTwitterが再びトランプ大統領のツイートを非表示に
Twitterがトランプ大統領のアカウントを12時間停止
敗北宣言のようなツイートとともにトランプ大統領のTwitterアカウントが復活
FacebookとInstagramがトランプ大統領のアカウントを「少なくとも政権交代が完了」までブロック
Twitterがトランプ氏の敵が選挙を「盗む」と主張するツイートを制限
トランプ大統領がSNSルールに再違反、新型コロナはインフルより「はるかに致死力が弱い」と虚偽の主張を投稿

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ドナルド・トランプアメリカ米国大統領選挙SNSソーシャルメディアTwitter

画像クレジット:BRENDAN SMIALOWSKI / Contributor / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

GMがEVへの本気度を示す新ロゴを発表、ウェブサイトも刷新

General Motors(ゼネラル・モーターズ)はロゴを変更し、ウェブサイトを刷新し、新たに「Everybody In」マーケティングキャンペーンを立ち上げた。電気自動車の浸透を加速させることに真剣であるという、モダンで迅速、そしてインクルーシブな組織への同社のトランスフォーメーションを示す取り組みの一環だ。

これらの変更は、米国時間1月11日からバーチャルで開催されるテックトレードショー2021 CESへの参加を発表するのにともなって明らかにされた。同日から新しいウェブサイトになる。

「115年の歴史の中でGMがロゴを変更するのは今回が5回目で、おそらく1964年以来最も革新的なものです」と同社のマーケティング責任者Deborah Wahl(デボラ・ワール)氏は米国時間1月8日の記者会見で述べた。すべて大文字のGMロゴは、ゼロエミッションできれいな空を連想させるソフトな青いグラデーションの小文字「gm」に変わった。そして「m」の下には下線があり、これはGMの基礎をなすUltiumバッテリーアーキテクチャーを示している。mの周辺の空白部分は電気プラグのようにも見えるとワール氏は話した。

「楽観的で、エネルギーと活気があり、当社の未来に対する見方を反映しています」と同氏は語った。「当社でしっかりと受け継がれてきたものに、見て取れる一貫性と信頼という重要な要素が加わっています。しかし全体的に真にGMに人間性を与えようとしており、実際、このブランドアイデンティティプロジェクトは、これが従業員16万4000人を表すことを知っている当社のデザイナーチームがリードしました」。

2021年1月に立ち上げたGMの新しい広告キャンペーンのサーファーのベサニー・ハミルトン氏

この取り組みはロゴの変更、そして著作家のMalcolm Gladwell(マルコム・グラッドウェル)氏、サーファーのBethany Hamilton(ベサニー・ハミルトン)氏、ゲーマーのErin A. Simon(エリン A・シモン)氏、Peloton(ペロトン)のサイクリングインストラクターCody Rigsby(コーディ・リグスビー)氏の短い出演とともに普通の人々が登場する新しい広告以上のものになることを意図している。同社が動きの遅い遺産的な自動車メーカーから、すばやく動き、技術を中心に据え、そして次世代車の所有者にアピールする自動車メーカーへと真に進化したことを示すのが狙いだ。

GMはインスパイアしたいと考えている。ロゴやウェブサイトの変更は変身の始まりを意味する。

もちろんこの変革を支えるのは資金やリソースだ。GMは2020年11月、今後5年間で電気自動車と自動運転テクノロジーの開発に270億ドル(約2兆8000億円)を注ぐと述べている。これは石油・ディーゼルへの投資より35%多く、プロダクトをより早くマーケットに投入するためのものだ。

関連記事
GMが電気自動車戦略のコアとなるモジュラー式アーキテクチャー「Ultium」を公開
GMが2025年までに電気自動車開発に2.8兆円投資、「リーダーシップを失うつもりはない」

カテゴリー:モビリティ
タグ:GM電気自動車

画像クレジット:GM

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

TikTokが暴動を扇動したトランプ大統領の演説動画を削除、#stormthecapitalなどのハッシュタグをブロック

理由は明らかだが、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領はTikTok(ティクトック)にアカウントを持っていない。そして米国1月6日に米議会議事堂に乱入した暴徒たちを扇動した大統領の演説はTikTokのプラットフォームで扱われることはない。TikTokは議事堂での暴動を同社のコンテンツ規約に照らした結果、トランプ大統領のサポーターへの演説動画を削除することをTechCrunchに明らかにした。同社はまた、アプリでのコンテンツのビジビリティを抑制するために、#stormthecapitolや#patriotpartyといった暴動者たちによって使われた特定のハッシュタグをリダイレクトする。

詐欺的な選挙だったという主張を繰り返したトランプ大統領の演説は、誤情報に関する規約に反したとして削除されている、とTikTokは話す。この規約は誤情報を不正確または誤りのコンテンツと定義している。そしてTikTokは自分自身に関係する話題について丁寧なやりとりをするよう人々に促す一方で、個人やコミュニティ、社会全般に害を及ぼす誤情報は認めないと説明している。

米国で民主的な手続きを阻むことを意図した暴動の暴徒には、もろにこの規約が適用されるようだ。

ただしTikTokはトランプ大統領の動画への「対抗演説」は認める。これは誤情報との戦いにしばしば使われる演説の形式であり、クリエイターは事実情報を示すか、他の動画にある主張を議論する。2020年11月にTikTokはトランプ支持者が展開する選挙は「仕組まれていた」という主張への対応として、こうした主張を促進するのに最も使われていたハッシュタグを使用不可とする一方で対抗演説を認めた。

トランプ大統領の演説の場合、たとえばTikTokはユーザーがスピーチにコメントするのにグリーンスクリーンエフェクトを使うのを認める。

加えて、TikTokは議事堂で発生した暴力の動画の一部がそのまま残ることを認めている。たとえば動画が暴力を非難しているものだったり、報道機関からのものだったりする場合は許される。TikTokはまた、生々しい暴力を描写する「ニュース価値がある」コンテンツに、最近立ち上げたオプトイン視聴のスクリーンを適用している。

12月に発表されたこうしたオプトインのスクリーンは、視聴者の中には生々しい、あるいは悲惨と思う人もいるかもしれない動画の上部に表示される。スクリーンが適用された動画はすでにTikTokのメーンの「For You」フィードで利用できるようになっていて、禁止はされない。視聴者がこのスクリーンに出くわすと、ボタンをタップして動画をスキップしたり、「視聴する」を選んだりすることができる。

ちなみに、我々は1月6日に銃撃されて死んだ女性を映した動画がTikTokに登場してすぐに消えたのを目撃した。出くわした動画は個人ユーザーからのもので、報道機関のものではなかった。しかもそうした動画は暴動を非難してはいなかった。我々が目にした動画が消えたのはTikTokが検閲した結果だったのか、あるいはユーザーが削除することを選んだのかは不明だ。

生々しいコンテンツとは別に、TikTokは暴動を扇動、讃美、促進しようとする動画、そしてコミュニティ・ガイドラインに反する動画も削除すると話す。この場合、そうした動画は自動、あるいはユーザーからの指摘で発見され次第TikTokが削除する。

そして、2020年11月にそうしたように、TikTokはコンテンツのビジビリティを減らすためにハッシュタグを積極的にブロックしている。多数ある中でも現在は#stormthecapitolや#patriotpartyのようなタグをブロックしており、そうしたクエリをコミュニティガイドラインへとリダイレクトする。ハッシュタグの数十のバリエーションをリダイレクトしており、セーフガードを保護するためにタグのリストは共有しないとしている。

TikTokは以前、似たような取り組みとしてstopthestealや#QAnonといったタグをブロックした。

安全とモデレーションに対するTwitter(ツイッター)の姿勢として、同社はトランプ大統領のいくつかの鍵を握るツイートを削除したのち大統領のTwitter使用再開を認めたことを指摘しておくべきだろう。そして同社はまだ現在も使用できる#stopthestealのような偽の主張と関係するハッシュタグをブロックしていない。一方、Facebook(フェイスブック)は少なくとも2週間、トランプ大統領のFacebookとInstagram(インスタグラム)のアカウントを停止する。TikTok同様、Facebookは以前、コミュニティ・スタンダードについてのメッセージを付けてハッシュタグ#stopthestealと#sharpiegateをブロックした。

TikTokのコンテンツモデレーションは、他のソーシャルネットワークに比べるとかなり厳重で、TikTokは習慣的にユーザーの投稿を隠したり、ダウンランクしたり、削除したりする。しかし同社はまた、ニュースの価値があるコンテンツについてあまりにもアグレッシブだと思っている人々に「検閲」していると批判されてきた。

このため、ユーザーは自分たちの動画が削除されないよう、クリエイティブな方法を模索することになった。TikTokの規約を回避するために、たとえば誤ったつづりやコード化された言語を使って編集したりしている。また、単純にあきらめて視聴者をコンテンツのバックアップがとられ規約も厳しくない自身のInstagramに誘導しているクリエイターもいる。

議事堂での事件についてのコメントを求められたTikTokの広報担当は「悪意に満ちた行動や暴力はTikTokではまったく受け入れられません」とTechCrunchに語った。そして「暴力を扇動、讃美、促進するようなコンテンツあるいはアカウントは当社のコミュニティガイドラインに反していて、排除されます」と付け加えた。

関連記事
トランプ政権のTikTok禁止令が予想どおり遅れる
TikTokがコミュニティガイドラインを拡張、「ウェルビーイング」の新機能を展開
FacebookとInstagramがトランプ大統領のアカウントを「少なくとも政権交代が完了」までブロック

カテゴリー:ネットサービス
タグ:TikTokドナルド・トランプアメリカ米国大統領選挙SNSソーシャルメディア

画像クレジット:AaronP/Bauer-Griffin/GC Images / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

米テック企業で人気が高まる計画方法OKRに注力するGtmhubは2020年に3倍に成長、シリーズBで31億円調達

企業の事業計画管理支援ソフトウェアを開発する多国籍スタートアップのGtmhubは米国時間1月7日、シリーズBで3000万ドル(約31億円)を調達したと発表した。ラウンドはInsightが主導し、新規投資家としてSingularが、また既存投資家からLauncHubCRVが参加した。

Gtmhubは、約13カ月前にシリーズAで900万ドル(約9億円)を調達(未訳記事)した。当時調達した資金は、それまでに調達した合計よりも大きかった。同社の新しい資金調達ラウンドは、2019年のシリーズAと同様、これまでの資金調達合計を上回った。

Gtmhubはどのようにしてこれほど多くの資金を調達できたのか。ひと言でいえば成長だ。

シリーズAの時点でTechCrunchは、Gtmhubのラウンド直前の年間経常収益(ARR)が前年比で400%増となると報じた。同様の水準でトップラインの拡大が続いており、GtmhubのCOOであるSeth Elliott(セス・エリオット)氏はTechCrunchに、同社のARRは昨年(2019年12月~2020年12月で測定)の3倍に増加したと語った。

2019年にGtmhubが立ち上がった頃、他にも同じソフトウェア市場に特化する多くのスタートアップが立ち上がったため、TechCrunchは「なぜ誰もがOKRソフトウェアを作っているのか(未訳記事)」と問いかけた。

OKRは「objectives and key results」を意味する。これは、米国のテック企業の間で人気が高まっている計画方法であり、エリオット氏によれば、国際的にも、また非テック企業の間でも人気が高まっている。

またエリオット氏はTechCrunchに、Gtmhubは2つのビジネストレンドとともに成長していると語った。第1にOKR自体の台頭であり、同社が乗っている波だとTechCrunchに述べた。第2に同社が先頭を走っていると同氏が考えているもので、敏捷性を高め変革を進める大企業を対象とする。こういった企業がGtmhubを採用している。GtmhubはDX(デジタルトランスフォーメーション)や同様の取り組みを成功させるのに役立つ。

事業の活性化を目指す大企業が、スタッフを1つの方向へまとめる新しい計画の方法を望んでいることは大きな驚きではない。Gtmhubは長い間、法人向けのビジネスを得意としてきた。

同社の狙いは2020年、うまく当たったことがわかった。TechCrunchは新しいラウンドに関して同社と議論する中で、年間契約額(ACV)の実績と粗利益の水準に関する最新情​​報を同社に求めた。2019年のシリーズAの時点で、同社はACVを前年から650%増加させたと述べた。エリオット氏はTechCrunchに、ACVは2020年に10倍になったと語り、大企業への販売が成功したと示唆した。また同氏は、このサービスの有料ユーザーの総数も、同年中に10倍に増加したと付け加えた。

同社の粗利益率は、2019年の約90%の水準に維持されたと同社は語った。

こうした実績を踏まえると、Gtmhubがスタートアップの標準である18カ月より短い期間で新たなラウンドを迎えられたのは驚くに当たらない。

ラウンドはすぐに実現した。エリオット氏によると、Gtmhubは2020年11月初旬に正式なプロセスを通さずに投資家と協議を開始し、同月終わりまでに資金調達に向け本格的に取り組み始めた。2020年の終了とともにラウンドも完了した。

ソフトウェアカテゴリーに属し約1年前に資金を調達した他のスタートアップもまた、今後多くの資金を調達するのかは興味深いところだ。この問いに関するウォッチリストにはWorkBoardAllyが含まれる。2020年の成長に関しては、Perdooのように他にも聞いてみたいプレーヤーがいる。

Gtmhubは2021年の成長計画をTechCrunchと共有することを拒否している。

このラウンドでの大きな教訓は、ニッチすぎて見向きもされなかったソフトウェア、すなわちOKR向けソフトウェアのは、実際には少数の高成長スタートアップを支えるのには十分大きいということだ。これは広くいえることで、ベンチャーやスタートアップ業界の過去数四半期のペースについての説明になっているところがある。

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:OKRGtmhub資金調達

画像クレジット:Mimi Thian / Unsplash (Image has been modified)

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

消費者金融サービスのSoFiがSPACとの合併を通じて上場へ

消費者金融サービスのスタートアップSoFi(ソフィ)は特別買収目的会社(SPAC)であるSocial Capital Hedosophia Holdings Corp Vとの合併を通じて上場する。Social Capitalはベンチャーキャピタル投資家Chamath Palihapitiya(チャマス・パリハピティヤ)氏が設立した一連のSPACの1社だ。

SoFiは合併を認め、声明によると同社のバリュエーションは86億5000万ドル(約8981億円)になる見込みだ。ここにはキャッシュ24億ドル(約2491億円)、確認された私募からの12億ドル(約1245億円)、SPACからの出資5億500万ドル(約524億円)、T. Rowe Priceがリードして2020年12月にクローズしたSoFiへの投資が含まれる。

SPACを通じてSoFiを上場企業にするという契約はここ数週間噂されていた。可能性のあるSPACとしてパリハピティヤ氏の名前を明らかにした最新のニュースは最初にロイターが報じている

元TwitterのCOOであるAnthony Noto(アンソニー・ノト)氏が現在率いるSoFiは、学生ローンでより良い融資条件を確保する手段を提供すべく、10年以上前に設立された。同社は商品をローンや投資、保険、そして現金や資産管理のツール(未訳記事)といった消費者向けのもに拡大してきた。2020年4月のGalileoの買収でB2Bの領域にも進出した。

SoFiは創業以来、何百万ドル(数億円)もの資金を調達し、直近のものはカタール投資庁やカタール拠点のプライベートエクイティとソブリンウェルスファンドがリードした2019年の5億ドル(約519億円)のラウンドだ。SoFiは直近では43億ドル(約4464億円)と評価された。

パリハピティヤ氏はSPACブームの祖としての功績がある。空白の小切手の会社としても知られるSPACは他の企業の合併や買収を目的として組成されている。ペーパーカンパニーが後に公開企業となる非公開企業との合併を意図してIPOで資金を調達する。過去18カ月で数多くのSPAC合併があった。

2017年にパリハピティヤ氏はSocial Capital Hedosophia Holdingsという自身の最初のSPACのために6億ドル(約623億円)を調達した。この資金は最終的に英国の宇宙旅行会社Virgin Galacticの49%の株式を取得するのに使われた。Social Capital Hedosophia Holdings Corp Vはパリハピティヤ氏の3つめのSPACだ。2つめのSPACは2020年にOpendoorと合併した。

関連記事:フィンテックで新たに大規模なイグジット、SoFiが銀行・支払いプラットフォームのGalileoを約1300億円で買収

カテゴリー:フィンテック
タグ:SoFiSPAC合併

画像クレジット:Michael Kovac / Contributor / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

Shopifyがトランプ大統領関連のオンラインストア「TrumpStore」を閉鎖

米国時間1月6日のワシントンD.C.での暴動を受けて、Donald Trump(ドナルド・トランプ)大統領のウェブ上の活動に対して行動を起こすテック大企業はFacebook(フェイスブック)だけではない。

トランプ大統領の選挙活動グッズ関連を扱うショップ、そして大統領の個人ブランドを扱うショップTrumpStoreがあるShopify(ショピファイ)はそれらを閉鎖した。

Shopifyは暴力を扇動する行動を容認しません。直近の事件に鑑み、当社はドナルド・トランプ大統領の行動が当社の利用規定に違反したと確認しました。利用規定では、脅したりさらなる暴力を招く組織、プラットフォーム、人々の促進やサポートを禁止しています」とShopifyの広報担当はTechCrunchへの声明文に書いた。「結果として、当社はトランプ大統領に関係するストアを閉鎖しました」。

Shopifyの決定についてはウォールストリートジャーナル紙が最初に報じている。

Shopifyは以前、どの顧客もプラットフォームを使う権利があると主張(未訳記事)し、CEOのTobias Lütke(トビアス・ルーク)氏が検閲と呼ぶものの実施を拒否したが、今回の決定は同社にとってその逆だ。

今は削除されている、ルーク氏による2017年のレターの中で、同氏は「商業はパワフルで、過小評価された表現手法だ」と書いている。

消費者による個々の購買と投票の間に平行線を描き、たとえ個人的に、そして組織としてプラットフォーム上の顧客の姿勢に同意しなくても、自由な表現を妨げるのはShopifyがすることではないとルーク氏は述べていた。

そうしたことがあった2017年以来、Shopifyはいくぶん姿勢を軟化させた。2018年に同社はプラットフォームから、Proud Boys組織などに関係するショップを含め、右翼グループを追放した(Proud Boysメンバーは1月6日の議事堂での暴動に関わった)。そしてBlack Lives Matter(黒人の命も大切だ)抗議が全米で起こったとき、Shopifyは公民権の組織に寄付をした。

同社の株はニューヨーク証券取引所で66ドル(約6860円)、おおよそ6%アップの1152.94ドル(約11万9800円)で取引されている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:ドナルド・トランプアメリカeコマースShopify

画像クレジット:Eric Lee/Bloomberg / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

世界を揺るがした米議会議事堂での暴動に投資家たちは複雑な心境

米国1月6日は感情的にならずにいるのは難しい日だった。次期大統領Joe Biden(ジョー・バイデン)氏の選挙勝利の正式な認定を妨害しようと暴動者たちがワシントンの議事堂に乱入し、その様を世界中が4時間超にわたって目の当たりにした。乱入前の同日午後早い時間に、暴動者たちは選挙に敗れたDonald Trump(ドナルド・トランプ)大統領によって、議事堂に行って、トランプ大統領の嘘の主張である盗まれた選挙について抗議するようそそのかされた。盗まれた選挙というのは、2020年11月の大統領選投票日の夜にトランプ大統領が広げ始めた嘘だ

議員たちはトランプ大統領に暴動者の行動を非難する声明を出すように求めたが、トランプ大統領はTwitter(ツイッター)に次のように書いて支持者を奨励した。「神聖な選挙の圧倒的勝利が無作法にそして乱暴に素晴らしい愛国者から奪われた」。その後「圧倒的な選挙が我々から盗まれた」という嘘を繰り返すビデオを投稿した。

PBSが同日夜に指摘したように、選挙に敗れた大統領選候補の支持者が選挙人投票数の公式集計を力づくで中断させる事態は米国史上初めて(PBS記事)だ。トランプ大統領のツイートはその後「市民活動に関するポリシーの度重なる重大な違反」を理由にTwitterによって削除されたが、その対応はシリコンバレーの投資家、そして去ろうとしている政権とその支持者に怒りを向けているかなりの数の人にはあまりに遅く、十分ではないととらえられた。

共和党の上院議員12人と下院議員数十人が選挙結果の認定に反対しようとしていたこともあり、今後尾を引くであろう問題は、この不名誉な日がさらに人々を分裂させるのではないか、あるいはトランプ大統領が去った後に怒りは落ち着き始めるのかということだ。

少なくとも一部の投資家は、トランプ政権下では往々にして二の次になっていた基本的な人間としての品位についてもう少しなんとかできたはず、と怒りを感じていたと話す。

Lux CapitalのDeena Shakir(ディーナ・シャカール)氏は過去にオバマ政権のために働き、Twitter上で自身の政治的見解を明らかにしている。しかし1月6日の暴動は「政治についてではありませんでした。我々が目撃したのは民主主義への侮辱、米国の歴史への暴力、我々が住む国の分裂している様の恐ろしい反映です」と同氏は話す。

ベンチャーファームHomebrewの共同創業者であり、1月6日に「どうあろうと(トランプ大統領の娘婿でホワイトハウス上級顧問の)Jared Kushner(ジャレッド・クシュナー)をキャップテーブルに載せようとしないこと」とツイートしたHunter Walk(ハンター・ウォーク)氏は心情を吐露した。「緊急かつ不可欠な人権にかかる疑問だと私が考える問題について声高な意見に耳を傾けることを恐れません」。

1月6日の衝撃がトランプ大統領の支配力を支持したチームに資金を提供したり提携したりするのを難しくするかどうかについて、ウォーク氏はビジネスはビジネスだとして否定的な見方を示した。「当社は素晴らしい起業家に資金を提供し、我々に100%同意しているかどうか純度試験は行いません。政治的に左寄りの人も右寄りの人も支援してきたと確信しています。それは我々にとって、そして彼らにとっても問題ではありません」。

ウォーク氏の公の政治的立場はある程度「ただ投資家を黙らせて小切手を切らせたい」才能ある創業者を失うかもしれないが、「それでもいい」とウォーク氏は話す。「成功するために我々の価値観を譲歩する必要があるとは考えていません」。

一方、シャカール氏は全体的に政治について語ることは常に苦手だとする。1つには同氏は米国の首都を襲った人々のことを「政権の最高権力者によって正当化されただけでなく実際には扇動され、ソーシャルメディアを通じて拡散した対外強硬主義、至上主義のイデオロギーの怒れる加害者」だとみている。

さらに「ヘルスケアという私の専門を考えると、この分野の開発と会話の多くは必然的にパンデミックによって良くも悪くも政治化されました」。

同氏は政治と仕事を分けようとしているが、それも今は無駄だと話す。「一連の出来事とポリシーは我々の現在と将来を表していて、企業を評価するマーケットに影響を及ぼし、トレンドやその他の部分も左右します」。

同氏はまた、そうしたものは「国として、人間としての我々の価値を反映します」と付け加えた。

関連記事:米国議会議事堂でのクーデター未遂の暴挙はソーシャルメディアで世界中の人にリアルタイムで見られていた

カテゴリー:VC / エンジェル
タグ:ドナルド・トランプアメリカ米国大統領選挙

画像クレジット:Bloomberg / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi

YouTubeが新型コロナポリシーに違反した英TalkRadioの追放処分を撤回

YouTubeは、ニュースと時事問題をカバーするNews Corp(ニューズコープ)が所有する英国の全国ラジオ局であるTalkRadio(トークラジオ)のアカウントに関して、物議を醸していた追放処分を撤回した。

TalkRadioは米国時間1月5日、YouTubeのチャンネルが削除されたことを明らかにしたが、説明は受けていないと述べた。

広く知られた全国放送局のアカウントを一時停止するという決定は、新型コロナウイルス(COVID-19)についての誤った情報に関するYouTubeのポリシーに関連しているようだ。ロイターによると、TalkRadioのプレゼンターの何人かが新型コロナの拡散を遅らせる政府の措置について過剰または間違った方向性だとして批判的だったとのことだ。

しかし、全国放送局を追放するというテック大手の決定は、閣僚であるMichael Gove(マイケル・ゴーヴ)氏によってすぐに批判された。同氏は1月5日、TalkRadioについて触れ、新型コロナに対する政府の政策について質問する権利を擁護した。

i newspaperによると、この追放措置はNews CorpのRupert Murdoch(ルパート・マードック)会長からの介入も招いた。マードック氏はGoogle(グーグル)が所有するYouTubeに対し「危険な前例」「言論の自由と合法的な全国的議論の検閲」と非難したという。

YouTubeの広報担当者は、TalkRadioのアカウントを復活させたことを認めた1月6日の声明で次のように語った。

TalkRadioのYouTubeチャンネルは一時的に停止されていましたが、さらに検討した結果、現在は復活しています。YouTubeは、コミュニティーガイドラインに違反するとしてフラグを立てたコンテンツを迅速に削除します。その中には各国の保健当局や世界保健機関の専門家のコンセンサスと明確に矛盾する新型コロナウイルスに関するコンテンツを含みます。教育、ドキュメンタリー、科学、芸術目的で投稿されたまたはそう見なされた資料は例外とします。

YouTubeが、TalkRadioの復活を正当化する際にどの例外を適用したのかははっきりしない。ラジオでの主張はコンテンツによってあらゆるカテゴリーに渡るためだ。

iによると、TalkRadioは以前、YouTubeのポリシー違反で2020年10月と12月に処分を受けていた。短い停止につながった3回目の違反は、ホストの1人であるJulia Hartley-Brewer(ジュリア・ハートリー・ブリューワー)氏と元国立教育連合会会長のAmanda Martin(アマンダ・マーティン)氏の間で行われた、新型コロナワクチンの最優先権を教師に与えるべきかどうかについてのインタビューに関連していると考えられる。

TalkRadioの追放の取り消しは、表現の自由への懸念と衝突してきたテック大手のモデレーション(コンテンツのモニタリング)に関する決定、という長い物語の最新例だ。プラットフォームが残すと選択するものは、多くの場合、物議を醸す可能性がある。新型コロナに関する誤った情報がオンラインで拡散・増幅されることによる公衆衛生のリスクへの懸念は、間違いなくいつものようにプラットフォームモデレーションビジネスにとって新たな落とし穴となった。

共通する懸念事項は、力を持つ民間団体だ。それらは(英国の)報道機関と同じような統制を受けておらず、「許容できる言論」のレバーの上に手を置いて引き続き自分たちでコントロールしている。

ただし、英国では変化が起こりつつある。政府は、ビッグテックをOfcomの規制下に置く法案を準備している。そしてTalkRadioが以前の声明で指摘したように、その放送はすでにOfcomによって規制されている。

2021年に議会へ提出される予定のオンライン安全法案は、違法で有害な幅広いコンテンツからユーザーを保護するため、テックプラットフォームの「注意義務」を提案している。

この計画では、Ofcomはプラットフォームのコンプライアンスを監視し、コンプライアンスに準拠していないデジタルサービスへのアクセスをブロックする権限と、違反に対して巨額の罰金を課す能力を付与される予定だ。

関連記事:2021年提出予定の英国オンライン危害法案の注意義務違反への罰金は年間売上高10%

カテゴリー:ネットサービス
タグ:TalkRadioYouTubeイギリス新型コロナウイルス

画像クレジット:Olly Curtis/Future / Getty Images

原文へ

(翻訳:Mizoguchi