Windows 10の累積アップデート「KB5001330」でパフォーマンス低下やブートループ発生か

Windows 10の累積アップデート「KB5001330」でパフォーマンス低下やブートループ発生か

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マイクロソフトは14日にWindows 10の累積アップデートKB5001330を公開しましたが、一部のユーザーからゲームのパフォーマンス低下などの問題が起きたと報告されています。

大手掲示板Redditの投稿によると、主な症状はゲーム画面のフレームレートが落ちているということ。これはVSyncn設定に関連していると推測されています。また他の問題としては、ときおりゲームスピードが大幅に落ちたり、音が途切れ途切れになることなどが報告されています。

テック系ブログGhacksが少し前のGTX 1650でKB5001330に更新してテストしてみたところ、そうしたトラブルはなかったそうです。そしてRedditでの苦情を総合すると、この問題はNVidia 2000、3000、AMD R5シリーズのといった新しいGPUにのみ影響を与える可能性がある、と指摘されています。

現時点で最も簡単な解決方法は、KB5001330をアンインストールすることの模様です。ただしKB5001330はゼロデイ脆弱性を修正しているため、削除すればPCが危険に晒されることに留意しておく必要があります。

またKB5001330をWindows Updateからダウンロードできない、インストール後にブートループ(勝手に再起動を繰り返す)が起きた、ChromeやEdgeのウィンドウサイズを変更するとき画面がちらつくなどの症例も報告されています。上記のセキュリティリスクを念頭に置きつつも、しばらくアップデートは見合わせた方が賢明かもしれません。

(Source:RedditGhacks。via:MSPoweruserEngadget日本版より転載)

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:Windows(製品・サービス)Windows 10(製品・サービス)Microsoft / マイクロソフト(企業)

電動航空機の実現はH3Xの斬新な電動モーターで加速される

未来が「乗り物の電動化」へと向かっていることは間違いないが、乗り物の電動化とは、単に化石燃料で動くモーターをバッテリー駆動モーターに置き換えれば実現できる、というものではない。航空機の分野では特にそうだ。H3Xは、既存のどの電動モーターよりも画期的で高性能な完全一体型電動モーターで、電動航空機の実現への道のりを加速させようとしているスタートアップである。

H3Xの創業者チームはCEOのJason Sylvestre(ジェイソン・シルベスター)氏、CTOのMax Liben(マックス・ライベン)氏、COOのEric Maciolek(エリック・マシオレック)氏の3人で構成されている。彼らが出会ったのは、大学で電動自動車を製作してレースで競うカリキュラムに参加したときだった。その後、それぞれTesla(テスラ)やSpaceX(スペースエックス)をはじめとするテック企業や自動車会社で働いた3人は、米エネルギー省が高出力密度の電動モーターの性能をさらに向上させる技術に対して報奨金制度を設けたのを知り、再びチームを組んだ。

「この課題はまさに自分たちの得意分野であり、熱心に取り組みたい分野でもあった。だから、ワクワクしたよ。さまざま輸送業界が化石燃料からの脱却を目指していることに僕たちも注目している。今後数十年の間にいろいろな乗り物が電動化されて地上での二酸化炭素排出量が減少していく一方で、航空業界が世界の排出量に占める割合は増加していく。それで僕たちは、思い切って一歩踏み出すことに決めて、Y Combinator(ワイ・コンビネーター)に申し込んだんだ」とライベン氏は語る。

電動航空機は、まだ初期段階で荒削りの分野だが、突飛な発想というわけではない。実際、ドローンのような軽量飛行装置であれば現在入手できるバッテリーやモーターでもかなりの性能で飛ばせるし、水上飛行機のような軽量の電動改造機も短距離のフライトが可能だ。しかし、今のところはこの程度が電動飛行機の限界だ。

最大の問題は、とにもかくにもパワーが足りないことだ。航空機のプロペラを回して推進力を得るために必要なエネルギーは、機体の大きさと質量に比例して指数関数的に増加する。ドローンであれば数kWhの電力で飛ばせるし、軽量飛行機であれば電動自動車レベルのバッテリー数個で飛ばせる。しかし、それよりも大きい機体を飛ばすエネルギーを得るにはサイズも重量も大きいバッテリーが必要になるため、フライトの実現は難しくなる。

画像クレジット:H3X

もちろん、この状況は変えられない、というわけではない。改善するには、一般的な方法が2つある。1つはバッテリーの性能を向上させること、もう1つはモーターの性能を向上させることだ。つまり、同じ質量に貯蓄できるエネルギーを増やすか、今あるエネルギーをいかに効率的に使うか、ということである。どちらの方法も、多くの企業がこぞって取り組んでいる課題だが、H3Xは、出力密度の点で、一夜にして新たな産業が生まれるほどの飛躍的な進歩を遂げたと主張している。キログラムあたりの出力が10%か20%向上する(例えば重量50ポンド(約23kg)のモーターの出力が100馬力から120馬力になる)だけでも特筆すべきことなのだが、H3Xのモーターは競合他社より約300%も高い出力を実現したという。

いったいどうやって実現したのだろうか。そのカギは「一体化」にある、とライベン氏は説明する。それぞれの部品を見ると既存のモーターや電力装置といくらか似ている点もあるが、H3Xは効率の最大化とサイズの最小化を目指して、設計を抜本的に見直した。

電動モーターは通常、モーター本体、電力伝導装置、ギアボックスという3つのコンポーネントで構成されており、それぞれが別個の筐体に収められている場合もあるし、それぞれを別々に調達し組み合わせて使う場合もある。この3つを1つの装置にまとめられない大きな理由は温度だ。例えば、ギアボックス用の冷却装置は、モーターや電力伝導装置が発生させる温度では作動しないし、その逆もまた然りだ。3つを一緒にすると、どこかが故障したり停止したりしかねない。当然のことながら、正しく機能するために必要とする条件はそれぞれ異なるためだ。

画像クレジット:H3X

H3Xはこの構造を、まったく新しい完全一体型の設計によって変えようとしている。「完全一体型」とはどのような意味なのか、ライベン氏は慎重に言葉を選んで次のように説明する。

「単にインバーターボックスをモーターの上部に取り付けて『完全一体型』と言っているわけではない。すべてのコンポーネントを同じ筐体とモーターに密接に統合させて、本当の意味で完全一体型のモーターを設計している。当社の電動モーターは、同水準の出力性能を持つモーターの中で、このような設計を採用した初めてのモーターの1つだ」。

「初めてのモーターの1つ」というのは「Airbus(エアバス)が一部のパワートレインにすでに導入している」というような意味ではない。研究プロジェクトの形で製作されたものはあっても、実用化を前提に製作されたものはH3Xのモーターが初めて、という意味だ。

すべてのコンポーネントを同じ筐体に収めて商用利用が可能なレベルまで実用化する点でH3Xほど前進できた企業はこれまでになかった、と言われると「本当にそうなのか」と疑いたくなる人もいるだろう。航空業界の既存プレイヤーが何年もかけて努力してきたことを、本当にH3Xの方が先に実現したのか、と思う人もいるかもしれない。しかし、ライベン氏によると、大企業はイノベーションの速度が非常に遅く、従来の方法に投資し過ぎている一方で、中小企業は、既存の設計の中で成功したものに改良を重ね、同程度の規模の同業他社と競い合うことによってリスクを回避できる場合が多いという。「当社が現在目指している性能レベルを実現しようとしている企業は他にはない」とライベン氏はいう。

画像クレジット:H3X

しかし、H3Xは、電動モーターの性能を3倍に引き上げるたった1つの秘策を偶然に発見した、というわけではない。

「当社は、いわゆる『メイン技術』1つに依存しているわけではない。特効薬のような技術があるわけではないんだ。最新の技術を大幅に上回る(例えば、性能を50%アップさせる)ための技術改良を数か所に施し、その他の多くの部分にも性能を10〜20%程度アップさせる改良を施した。これらを組み合わせた成果が、今のH3Xの性能だ。技術的リスクの側面から見ても、このようにリスクが分散されているのはいいことだと思う」とライベン氏は説明する。

ライベン氏は、それらの技術改良について、かなり詳細にわたって説明してくれたが、本記事の読者の中に彼のような技術屋はあまりいないだろうから、ライベン氏の説明をすべて書くと、ここまで読み進めてくれた読者でさえ、ページを閉じてしまうかもしれない。ライベン氏の説明を簡単にまとめると、材料、製造、電気部品の各分野で技術改良を行い、その成果を、各部分が互いの性能を高め合い、相乗効果を生み出すような方法で組み合わせた、ということだ。

例えば、H3Xが最近改良したパワースイッチ装置は、従来よりも高い温度と負荷に対応できるため、性能向上だけでなく、冷却システムを他のコンポーネントと共有することが可能だ。冷却システムを共有する仕組み自体も、純銅3Dプリントという新技術によって改良できるため、冷却性能を向上させて他のコンポーネントと同じ筐体に収めることが可能になる。また、3Dプリント技術を使うことによって部品内部の形態を自在に設計できるため、モーター、ギアボックス、電力伝導装置すべてを、既存の定位置に固定するのではなく、それぞれに最適な位置に搭載できる。

そのようにして出来上がったのが、完全一体型電動モーター「HPDM-250」だ。競合他社が出している多くのモーターよりも小型でありながら、はるかに高い出力性能を持つ。現時点で販売されている最高レベルの生産用モーターの連続出力性能は、1kgあたり3~4kWだが、H3Xのプロトタイプは同13kWだ。そして、これは偶然にも、中距離旅客機の飛行を可能にする出力密度の理論値をわずかに上回る数値なのだ。

画像クレジット:H3X

前述のような最先端の技術をいくつも組み合わせると、性能が向上するより前にコストが跳ね上がり過ぎてしまうリスクがある。ライベン氏によると、H3Xのモーターは確かにいくつかの面では既存製品よりも高いコストがかかるが、より小型で完全一体型の設計により、別の面でコスト、時間、材料を削減できるという。

ライベン氏は次のように説明する。「『銅の3Dプリントなんて、コストが高過ぎる』と思うかもしれないが、もし純銅3Dプリントを使わなければ、超高性能のモーター巻線が必要になる。そして、この2つは製造方法が異なる。巻線を作るには数多くの手作業と人手が必要とされる【略】3Dプリントを使った方がはるかにシンプルだ。慣れていないので心理的に抵抗を感じるかもしれない。私の手元にあるBOM(部品表)とコスト一覧には、確かに高性能で高価な材料が列挙されているが、別の製品と比較して3倍も小型化された製品を売ることを考えると、それほど割高だとは感じないはずだ。当社がこれまで集めてきた顧客の意見を考慮すると、当社の立ち位置は間違っていないと思う」。

完全一体型のモーターは、保守作業も既存の市販製品より複雑だが、H3Xは開発を始めた当初からメンテナンスのことを考慮していた、とライベン氏は述べる。確かに、通常の電動モーターよりも多少は手間がかかるかもしれないが、最も安定していて高い評価を得ているガソリン駆動モーターよりもはるかに簡単にメンテナンスできるという。

画像クレジット:H3X

大幅な性能向上を実現したとH3Xが主張しているとはいえ、旅客機市場に参入するのは、H3Xに限らず、どの企業にとっても簡単にできることではない。航空業界のように規制が厳しい業界では、組み立て時に使用される結合部品1つを変更するだけでも、決められた作業と技術評価を何年も積み重ねなければならない。推力生成システムを変えるとなれば、なおさらだ。

そのためH3Xは、大幅に性能が改善された電動モーターが役立ちそうで、航空業界ほど規制が厳しくなく規模も大きくない他の多くの業界をターゲットにしている。現時点では、貨物ドローン電動ボート、電動エアタクシーを目にすることはめったにないが、モーターの出力や効率が大幅に向上すれば、これらの輸送手段がニッチな存在(あるいは構想・開発段階)から主流に躍り出る日が来るかもしれない。この3つはどれも、航続距離や最大積載量の向上から間違いなく大きな恩恵を受ける応用分野だ。

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徐々に旅客機レベルの性能へと近づけていくことも、実はそう遠くない未来に可能だとライベン氏は指摘する。「当社はすでにその方向に向かっている。実現できるまでに20年かかる、というような長い先の話ではない。ここ数年でタイムラインは劇的に短縮された。完全バッテリー駆動の電動輸送機は間もなく実用化されるだろう。ただし、もっと長距離のフライトになるとまだ難しい」。

H3Xのようなモーターは、ジェット燃料、バッテリー、場合によっては水素燃料電池を併用するハイブリッド航空機に応用することも可能だ。電気自動車へのシフトが一朝一夕には生じなかったように、航空機もすべて一斉に電動化されることはないし、電動モーターのメーカーとしてそれを目指す必要もない。「モーターはほとんどの分野に応用できる。それがモーターの強みだ」とライベン氏は語る。

H3Xは資金調達やパートナーの有無について公表しなかったが、ある程度の規模の出資やサポートをまったく受けずに同社がここまで来られたとは考えにくい。このような開発プロジェクトの場合、ガレージを改造したような作業場ではすぐに手狭になるからだ。しかし、明日(米国時間3月24日)に予定されているYコンビネーターのデモデイでのプレゼンが終われば、H3Xには向こう数週間、問い合わせの電話が殺到するだろう。そうなれば、シードラウンド調達の話がまとまることも十分あり得る。1億500万ドル(約116億円)の基本合意契約というのも悪くはないはずだ。

H3Xのプロトタイプが実環境でも開発環境と同じように驚異的な性能を発揮できたら、数多くの新しい電動輸送手段に採用されることは間違いないだろう。H3Xの動向が電動モビリティの未来にどのような影響を与えていくのか、今後も注目していきたい。

カテゴリー:モビリティ
タグ:H3Xモーター飛行機

画像クレジット:H3x

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(文:Devin Coldewey、翻訳:Dragonfly)

英ネットスーパーOcadoが自動走行システム開発Oxboticaに約15億円投資、他社配達事業展開支援を目指す

英国のネットスーパーOcado(オカド)は、他のグローサリー企業がオンライン注文と配達の事業を展開するのを手伝おうと、自社のテクノロジーの再販に向けて順調に進めている。同社は現地時間4月16日、事業成長において次の章になると確信しているものに投資する。自動走行システムを開発している英国のスタートアップOxbotica(オックスボティカ)の1000万ポンド(約15億円)分の株式を取得する

Ocadoはこの株式取得について、車両そのもので、そして梱包倉庫の内外からグローサリー注文を家庭に届けるラストマイルの車両に至るまでのオペレーション全般で使えるAI駆動の自動走行システムを開発するための戦略的投資ととらえている。今回の取引による初のプロダクトが、構造がはっきりしていない道ではなく倉庫のような閉環境で、おそらく2年以内に使えるようになると予想している、と同社は話す。

「1つのユースケースの取り組みに自らを縛ろうとはしていません」とOcadoの高度テクノロジー最高責任者Alex Harvey(アレックス・ハービー)氏はインタビューで述べた。しかし自動システムをあらゆるところで展開するために、さまざまな要素の中でも「規制対応する必要があるエリアがあることに気づきました」とハービー氏は付け加えた。株式取得の取引は非独占で、両社とも他のパートナーと協業できることを互いに確認した。

投資は、2021年1月に発表されたOxboticaのシリーズBの延長として実施される。石油・ガス大手bpの投資部門bpベンチャーズがリードし、BGF、安全装備メーカーHalma、,年金基金HostPlus、IP Group、Tencent、Venture Science、Doxa Partnersのアドバイスを受けた複数のファンドなどが参加したシリーズBの総規模は6000万ドル(約65億円)超となった。Oxboticaはバリュエーションを公開しなかったが、同社の共同創業者でCTOのPaul Newman(ポール・ニューマン)氏はインタビューの中で、最新の投資によりバリュエーションがアップしたことを認めた。

関連記事:自動運転車用ソフトウェアを産業アプリケーションへ展開するためにOxboticaが48.3億円を調達

今回のニュースのタイミングは非常に興味深い。米国のWalmart(ウォルマート)が、自動走行テック企業Cruise(クルーズ)の27億5000万ドル(約2991億円)という巨額ラウンドの一環として株式を取得したというニュースがあった翌日のことだ(実際24時間も経っていない)。

2021年2月までWalmartは、Ocadoの英国における大きな競合相手の1社であるASDAを所有していた。そしてOcadoは今週から運用が始まるKrogerのオンライングローサリー事業をサポートする取引で米国進出を果たした。ゆえに、この2社が繰り広げる競争は熾烈なものになりつつある。

関連記事:米スーパーKrogerが初の大規模ロボット化フルフィルメントセンターをオハイオに開設

一般的に、2020年オンライングローサリーと配達サービスは大きく成長した。オンラインサービスのみを提供している先駆け的な存在のOcado、英国のTesco(実在店舗とオンラインネットワークを持つ)、米国のInstacartは記録的な需要を目の当たりにしたが、資金豊富でチャンスをつかむのに熱心、そして異なるアプローチ(1時間以内の配達、少量販売、特定のプロダクトなど)を持ち込む数多くの新規参入者との競争にも直面した。

Ocadoのホーム英国へは、他国のビッグネーム企業も進出を狙っている。そうした企業にはOda(元Kolonial)、チェコのRohlik(2021年3月に約250億円を調達した)、イタリアのEverli(以前はSupermercato24という社名で、約108億円を調達した)、オランダのPicnic(このところ資金調達を発表していないが、海外展開の野心を公にしたことを踏まえると、時間の問題のようだ)などがある。Ocadoもグローバル展開の野心を追求するために巨額を調達した。そしてそれは数十もの即配の小規模グローサリー配達事業者が出てくる前のことだった。

関連記事:地元スーパーと連携するヨーロッパの買い物代行サービスEverliがシリーズCで約110億円調達

そうした小規模事業者の多くにとって2020年は当たり年だった。少なからずそれはパンデミックのおかげだ。パンデミックでは多くの人が家にこもり、新型コロナウイルスに感染したりウイルスを広めたりしそうな場所を避けるようになった。

しかしいま、人々が「ノーマル」な暮らしに戻るとき、そうしたオンライングローサリーマーケットが将来どのようなものになるのかというのは大きな疑問だ。

先にTechCrunchが指摘したように、Ocadoはすでに需要が縮小する見通しを立てたが、それでもパンデミック前より需要は大きい。実際、ニューノーマルではおそらく競争がさらに激化するだろう。

それは、Ocadoなどの企業がさらに多くの資金を次世代のサービスとなりそうなもの、つまり効率的で純粋にテクノロジーで動くものへの取り組みに注ぐ理由の1つかもしれない。

コストを節約するために、まだほとんどテストされていない非常に高価な自動走行テックに大金を支払う理論的根拠は、長期的な視点に基づいている。ロジスティックはグローサリー配達オペレーションのコストの10%ほどを占める。しかし需要のピーク時、あるいは定期サービスが崩壊したとき、この数字はさらに大きくなる。

筆者が予想するに、新規事業を推進するための配達料無料サービスやグローサリーの割引など、費用を助成しているサービスが現在あちこちで展開されている(マーケットの競争が激しくなっている結果だ)ために、ロジスティックはさらに大きなコストとなっている。

そのため、この業界の大手が効果は数週間ではなく数年内に出てくるということであっても、そうしたコストを抑制し、オペレーションを迅速化するためにテクノロジー面での強みを生かす方法に目を向けるのは驚きではない。もちろん、投資家はそれが軌道に乗らないということでなければ目にするだろう。

Oxboticaとのコラボレーションに加えて、Ocadoは自動走行車両の能力を発展させながら、提携にさらに投資することを視野に入れていると話した。今回は初のOxboticaへの投資だが、他の多くのスタートアップにも投資し、次のステージのテクノロジーにともに取り組んだ。ここには、間もなく導入される物をつかむためのロボットアームを構築する研究、最近のロボット企業2社(KindredとHaddington)の2億6200万ドル(約285億円)での買収、ロボットスタートアップKarakuriMyrmexへの投資などが含まれる。

特筆すべきは、OxboticaとOcadoが互いを知らないわけではないということだ。両社は2017年にデリバリー試験事業で協業を始めた。デリバリーサービスがどのようなものか、以下の動画で確認できる。

「OxboticaとOcadoにとって、これは自動走行の未来に向けたビジョンを共有しながら提携を強化するすばらしい機会です」とニューマン氏は声明で述べた。「両社の最先端の知識とリソースを組み合わせることで、我々のユニバーサルな自動化ビジョンを暮らしにもたらし、引き続き世界で最も複雑な自動化の問題を解決することを願っています」。

しかし自動走行テクノロジーはおそろしく複雑で、規制や安全面でのハードルがあることから、一連のオペレーションから人をほぼ排除する完全商業システムからはまだ程遠い。

「規制と複雑さのため、Ocadoは都市部、あるいはCFCビルやCFCヤード内のようなアクセスが制限されたエリアを低速で走行する車両の開発は、消費者の家庭への完全自動走行デリバリーよりもずっと早く現実のものとなると予想しています」とOcadoは今回の取引についての声明文に書いている。「しかしながら、自動走行車両開発のすべての要素はコラボレーションのスコープに含まれます。Ocadoは2年以内に自動走行車両の初期ユースケースの初プロトタイプを披露することを想定しています」。

ニューマン氏は、道での自動走行はまだ数年は先のことである一方で、かつてほどにムーンショットコンセプトではなく、Oxboticaがすでにそれに向けて取り組んでいると指摘した。「少しずつ月に近づくことができます」と同氏は述べた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:OxboticaOcadoイギリス自動運転資金調達

画像クレジット:Ocado

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(文:Ingrid Lunden、翻訳:Nariko Mizoguchi

テスラ車オーナー向けアプリ「TezLab」を使えば充電する電力の「クリーン度」がわかる

Tesla(テスラ)の電気自動車オーナーは、自分のクルマに供給されているエネルギーの種類を正確に把握することが可能になった。テスラ車のためのFitbit(フィットビット)のような無料アプリ「TezLab(テスラボ)」に、エネルギーミックス(化石燃料による発電と再生可能エネルギーの種類と正確な割合)を表示する新機能が加わったのだ。これを使えば、米国内のSuperchargers(スーパーチャージャー)やサードパーティの充電ネットワークから供給される電気が、どのように発電されたものなのか、その種類と割合を知ることができる。

「私たちはエネルギーに関連するデータの出所を追跡しているため、ツーソンやブルックリン(あるいはどんな場所でも)で充電した時、その電気がどこから供給されているのか、そのエネルギーミックスはどうなっているのか、知ることができます」と、TezLabのCEOで共同設立者であるBen Schippers(ベン・シッパーズ)氏は最近のインタビューで説明している。「その結果、自宅で充電しているか、スーパーチャージャーで充電しているか、またその充電量に応じて、どれだけの炭素が大気中に排出されているかを知ることができるのです」。

Tomorrow(トゥモロー)のプロジェクトであるElectricityMap(エレクトトリシティマップ)がエネルギーデータを提供し、TezLabはそれを消費者向けアプリに組み込んだ。このアプリはダウンロードすると、テスラのオーナーがいつ、どこで充電しているかを認識することができる。そして新たにアプリに追加されたエネルギーミックス機能が、その電気のクリーン度や汚染度などの全体的な情報を、オーナーに提供する。

例えば、ラスベガスにあるテスラのLinq High Roller Supercharger(リンク・ハイ・ローラー・スーパーチャージャー)は、V3スーパーチャージャーで、1台当たり最大250kWのピーク充電レートに対応している。また、テスラのソーラーパネルとPowerpack(パワーパック)エネルギー貯蔵システムを使用し、充電器を作動させるのに必要な電力を生成・貯蔵していることで注目を浴びている充電施設だ。

TezLabのデータによると、この充電器で供給される電気のエネルギーミックスは、太陽光による発電が1.7%。再生可能エネルギーの主なものはフーバーダムによる水力発電で65.6%。残りの約33%が天然ガスによる発電だ。

カリフォルニア州ホーソーンにあるテスラのスーパーチャージャーは、いち早くソーラーパネルを設置したが、そのエネルギーミックスは、太陽光0.2%、原子力5.5%、天然ガス13.3%、石炭27%、風力49.9%となっている。

ワシントン州のセントレア、レブンワース、モーゼスレイク、シアトルなどの「最もクリーンな」スーパーチャージャーのトップ10は、水力発電のおかげでこの目標を達成できた。太陽エネルギーを最も多く利用しているスーパーチャージャーは、いずれもカリフォルニア州の同じ電力網に位置しており、バーストウ、オックスナード、カバゾン、サンディエゴ、モハーベ、イニョカーン、サンマテオ、シーサイド、サンタアナにあるスーパーチャージャーでは、太陽光が22.7%、風力が15%となっている。残りのエネルギー構成は、蓄電池0.2%、バイオマス2.9%、地熱5.6%、水力6.3%、原子力6.6%、天然ガス40%だ。

TezLabを作り出したHappyFunCorp(ハッピーファンコープ)は、モバイル、ウェブ、ウェアラブル、モノのインターネットデバイス用のアプリケーションを構築しているソフトウェアエンジニアリング会社で、その顧客には、Amazon(アマゾン)やFacebook(フェイスブック)、Twitter(ツイッター)をはじめ、数多くのスタートアップ企業が含まれる。同社共同設立者のシッパーズ氏(現会長)とWilliam Schenk(ウィリアム・シェンク)氏をはじめとするHFCのエンジニアたちは、テスラの主にソフトウェア主導型のアプローチに惹かれた。特にテスラのAPIのオープン性から生まれるチャンスに興味を持ったという。テスラのAPIは、技術的にはプライベートなものだが、エンドポイントは部外者でもアクセスできる。リバースエンジニアリングすると、サードパーティのアプリがAPIと直接通信することが可能になる。

関連記事:TezLabアプリはテスラ車のためのFitbitだ

2018年に配布が始まった当時、TezLabはオーナーが電力消費率や総走行距離を記録したり、ドアの施錠・解錠や冷暖房など、車両の特定の機能を制御できる機能を備えていた。その後、テスラのオーナーがスーパーチャージャー・ステーションを評価できる機能など、主にコミュニティの構築に焦点を当てた機能がさらに追加された。

これらのデータはすべて匿名で集約されている。TezLabはそのデータを販売するつもりはないという。同社はこれらのデータから得られた見解をウェブサイトに掲載しており、例えば、モデル別の所有者の内訳、平均走行距離、平均充電時間などを知ることができる。

TezLabは他の電気自動車の発売に合わせて、Ford Mustang Mach-E(フォード・マスタング・マックE)などをアプリに追加している。

カテゴリー:モビリティ
タグ:TezLabTeslaエネルギー再生可能エネルギー温室効果ガス電気自動車炭素アプリ

画像クレジット:Tesla

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

GMとLG化学の2つめのEVバッテリー工場は2023年後半開所予定

GM(ゼネラル・モーターズ)とLG Chem(LG化学)は米国時間4月16日、米国で2つめとなるバッテリーセル工場を設置する計画を発表した。23億ドル(約2500億円)をかけてテネシー州スプリングヒルに建設し、GMが2020年代半ばまでに立ち上げる計画の電気自動車(EV)30モデルに搭載するセルを生産する。

GMの既存のスプリングヒル工場の隣に設置されるプラントの建設は間もなく始まる、と同社の会長兼CEOのMary Barra(メアリー・バーラ)氏は記者会見で述べた。バッテリー工場は2023年後半に完成し、1300人を新規雇用する。

フル操業するようになれば、ジョイントベンチャーの2つのバッテリー工場の生産能力は70GWhを超える。これはネバダ州にあるTesla(テスラ)のギガファクトリーの2倍だとLG化学エネルギーソリューションのCEOであるJong Hyun Kim(キム・ジョンヒョン)氏は指摘した。ネバダ州スパークスにあるTeslaの工場は部分的にパナソニックとの提携によるもので、生産能力は35GWhだ。

GMのEVへのシフトの基礎となるのはUltiumプラットフォームと、スプリングヒル工場で作られる予定のUltiumリチウムイオンバッテリーだ。これらの新しいバッテリーはレアアースのコバルトの使用が少なく、現在のGMのバッテリーよりもエネルギー密度が高くて小型であるために効率のいい共通セルデザインとなる、とバーラ氏は話した。

「この多用途性は、幅広い車種により多くのバッテリーパワーを搭載し、顧客に良い価格で提供できることを意味します。何百万という顧客がEVを所有できるようサポートするEVテクノロジーにおける真の革命であり、暮らしや世界を変えます」。

GMは少なくとも10年間、リチウムイオンとエレクトロニクスのサプライヤーとしてLG化学を使ってきた。両社は2009年から協業を始めた。GMがChevy Bolt EVを開発して発表した際に両社の関係は深まった。2019年にGMとLG化学はバッテリーセルを大量生産するために合弁企業を立ち上げ、GMはEVへと軸を移し始めた。当時、両社は新しい合弁会社に最大23億ドルを投資し、オハイオ州北東部のローズタウンエリアにある製造工場敷地にバッテリーセル組立プラントを設置し、1100人超を新規雇用すると述べていた。

ローズタウンのUltium Cells LLCバッテリーセル工場製造施設の鉄骨工事は2020年7月に始まった。同工場は300万平方フィート(約27万8700平方メートル)の広さがあり、Ultiumバッテリーセルとパックを大量生産する。ローズタウン工場の年間生産能力は30GWhだ。

GMの基礎を成す電動アーキテクチャとともにローズタウン工場で生産されるバッテリーは、Cadillac、Buick、Chevrolet、GMCブランド、そして2020年1月に発表された自動走行シャトルCruise Originなど幅広いプロダクトで使用される。Cadillac Lyriq EVと、今秋発表され、2021年第4四半期に生産が始まる全電動のGMC HummerはUltiumバッテリーシステムを搭載する。GMはLyriqを2021年8月6日にバーチャルイベントで発表する計画だ。

「Ultium」と呼ばれるこのモジュラーアーキテクチャ(バッテリーと同じ名称だ)は19種のバッテリーとドライブユニットのコンフィギュレーション、容量50kWh〜200kWhの400〜800Vのパック、そして前輪・後輪・四輪駆動のコンフィギュレーションに対応する。新しいモジュラーアーキテクチャの核心は新工場で製造される大判ポーチのバッテリーセルとなる。

カテゴリー:モビリティ
タグ:GMLG化学工場電気自動車バッテリーUltium

画像クレジット:GM

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

自動操縦フライトスタートアップのXwingが約43.5億円の資金を調達

Xwingのデモ飛行中、安全パイロットは操縦桿から手を離している(画像クレジット:Xwing)

Xwing(エックスウイング)は、商用貨物輸送機によるゲート・ツー・ゲートの自動操縦デモンストレーション飛行を初めて成功させてから2カ月後、もう1つの成功を収めた。同社は米国時間4月15日、4000万ドル(約43億5000万円)の資金を調達したと発表した。

同社はこの資金を使って、エンジニアリングチームを3倍に増やすだけでなく、最終的には完全に無人の商用貨物輸送機を定期的に飛行させることも視野に入れ、事業の拡大を目指している。

Xwingは、広く使われているCessna(セスナ)の「Grand Caravan 208B(グランドキャラバン208B)」などの航空機を、自動操縦で飛ばすための技術を開発してきた。しかし、それにはまず「知覚の問題、計画の問題、制御の問題」といういくつかの問題を解決しなければならなかったと、創業者のMarc Piette(マーク・ピエット)氏は説明する。これらの問題を解決するために、同社は一連のソリューションを考え出した。LiDAR、レーダー、カメラを飛行機に搭載し、舵やブレーキなどを制御するサーボモーターに改造を加え、これらすべてを適切に連携させることで、飛行機が空間内で自分の位置を理解し、自律的に飛行することを可能にした。

同社のAutoFlight(オートフライト)システムは、すでに200回近くのミッションをこなしているが、これらのフライトでは、安全のために人間のパイロットも同乗している。また、コントロールセンターには地上管制官が常駐し、自律飛行する航空機と人間の航空管制官との間を取り持つ役割を担う。

関連記事:無人飛行ソフトのXwingは短距離の地域型航空貨物輸送を目指す

「私たちは、自然言語処理を行ってコンピューターが管制官に応答するというような、(管制官との通信を)自動化することは想定していません」と、ピエット氏はいう。「安全性が最重要視されるアプリケーションでは、そのような方法は有用ではないと考えています。私たちが取っている方法は、航空機に代わって航空管制官と会話できる地上オペレーターを管制室に配置することです。これなら航空管制官にとってなんの障害もありません。管制官にしてみれば、航空機に乗っているパイロットと話すのと変わりませんから」。

画像クレジット:Xwing

自動操縦飛行に関しては、Xwingは米連邦航空局から研究開発用の実験的耐空証明書を取得しており、2020年8月にはOPA(optionally piloted aircraft、操縦士による操縦をオプションで可能とする航空機)用の特別飛行許可も取得している。

同社では、最終的には人間のパイロットを乗せずに飛行することも検討しているが、それは完全な安全の冗長性が確保されてからでなければならないと、ピエット氏は付け加えた。そのためには、すべてのセンサーやコンピューターシステムの冗長性を確保する必要がある。飛行機に乗る私たちにとって幸いなことに、商業航空の安全レベルは非常に高い。それは、航空スタートアップに求められる耐空性基準が高いことを意味する。XwingがターゲットとしているようなクラスIIIの小型航空機は、致命的な故障のリスクが1億飛行時間あたり1回以下であることを証明しなければならない。

Xwingの活動は、投資家からの注目も集めている。今回の資金調達ラウンドは、Blackhorn Ventures(ブラックホーン・ベンチャーズ)が主導し、ACME Capital(アクム・キャピタル)、Loup Ventures(ループ・ベンチャーズ)、R7 Partners(アールセブン・パートナーズ)、Eniac Ventures(エニアック・ベンチャーズ)、Alven Capital(アルブン・キャピタル)、Array Ventures(アレイ・ベンチャーズ)が参加。今回のラウンドを含め、同社はこれまでに総額5500万ドル(約60億円)の資金を調達している。

自動操縦飛行はXwingの事業活動の一部に過ぎない。同社は2020年12月1日に締結された大手物流会社との契約に基づき、有人による商業貨物輸送機の運航も行っている。

「私たちは、事実上の航空会社を設立したのです」と、ピエット氏はいう。Xwingは航空機にセンサーを取り付けてデータを収集することで、貴重な飛行時間を訓練アルゴリズムに反映させたり、パイロットが管制官と交信する頻度や航空機が受ける指示の種類などの有用なデータを収集している。

Xwingは事業の拡大と並行して、今後12カ月の間に従業員の大幅増員も予定している。技術面では、米連邦航空局から実験的な許可と免除を受け、人間の安全パイロットを同乗させた自動操縦による商業貨物便の運行を目指している。このマイルストーンも、今後12カ月以内に達成できるだろうと、ピエット氏は述べている。その後は人間のパイロットを外すことも検討しているが、その場合も空域における移動の制限を完全になくすためには、システムが認証を受ける必要がある。

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

iPhoneやApple Watchでベイエリアの公共交通機関支払いが可能に

ベイエリアの人々に朗報だ。Apple PayがClipperカードに対応した。

つまり、iPhoneやApple Watchを使ってサンフランシスコ・ベイエリア高速鉄道やMuni、Caltrainやフェリーの料金を支払えるようになる。あるいは(ほとんどの)他の交通関連の支払いにも、プラスチック製のClipperカードを使うことができる。

ClipperのページにはApple Payの設定方法が説明されている。

ただし、簡単だが重要な注意点がいくつかある。

  • 既存のClipperカードをApple Walletに追加すると、そのカードから料金が支払われる。Clipperによると、カードを追加した時点で「プラスチック製カードは無効化される」ため、物理的なバックアップカードとしては機能しないようだ。
  • しかし、プラスチックカードを使い続けたいと思う人もいるだろう。Clipperによると、ベイエリアの自転車シェアリングの利用者やRTC割引カードを利用している人は、無効化された後もプラスチックカードを保管しておく必要がある。
  • Clipperは以前、Google Pay(Android)のサポートを「2021年春」に開始することを認めたが、米国時間4月15日からはApple Payのみに対応するようだ。

2021年2月にこの機能の実装が確認されたときに述べたように、ClipperはAppleの「Express Transit」機能に対応している。つまりスマートフォンのPINを入力したり、Face IDを使用せずに、デジタルのClipperカードをタップして支払うことができる。一部の新しいiPhoneでは、バッテリーが切れても数時間はClipperカードを使い続けることができる。いざというときにはとても便利だが、定期的に頼りたいものではないだろう。

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(文:Greg Kumparak、翻訳:塚本直樹 / Twitter

市場成長を受け電気自動車メーカーPolestarが初の外部資金調達ラウンドで約597億円調達

Volvo Car Group(ボルボカーグループ)の独立した電気自動車ブランドPolestar(ポールスター)は、Chongqing Chengxing Equity Investment Fund Partnership、Zibo Financial Holding、Zibo Hightech Industrial Investmentがリードする初の外部資金調達ラウンドで5億5000万ドル(約597億円)を調達した。

韓国のグローバルコングロマリットSK Inc.や数多くの投資家も本ラウンドに参加している。

Polestarにとって初の外部資金調達ラウンドである一方で、これが今回限りではないことを同社のコメントはうかがわせている。同社は米国時間4月15日、電気自動車(EV)をより経済的なものにするテクノロジーの進化、そして成長しているEVマーケットが投資家を引きつけた、と述べた。同社は潜在的な追加の資金調達について世界の投資家と協議中だとも付け加えた。

「当社の新たな投資家は、世界の自動車産業が電動化へと向かう中での最高の成長ポテンシャル、そしてPolestarが確立された産業能力と技術力という魅力的な組み合わせを提供していることを認識しました」と同社CEOのThomas Ingenlath(トーマス・インゲンラート)氏は声明で述べた。

新たな資金はPolestarの資金調達構造を多様化し「今後数年内に画期的な車を発売するのに先立ち、製品開発と技術力を加速させるのに使えるリソースを強化します」と同社は発表文で述べた。

PolestarはかつてVolvo Car傘下の高パフォーマンスのブランドだった。2017年に同社は、刺激的で乗るのが楽しい電気自動車の生産を目的とする電動パフォーマンスブランドに生まれ変わった。このニッチな部門は最初にTesla(テスラ)が切り開き、以降独占してきた。PolestarはVolvo Car Groupと中国のZhejiang Geely Holding(浙江吉利控股集団)が共同で所有している。Volvoは2010年にGeelyに買収された。

立ち上げ後、Polestarは中国に製造施設を開所し、グローバルの販売・流通オペレーションを構築し、Polestar 1と全電動のPolestar 2の2種を発表した。

同社はラインナップを増やしており、今週、Polestar 2のベース価格が安い2つのバージョンを製造すると発表している。

1つのバージョンはモーターが1つのタイプで、デュアルモーターモデルの78kWhバッテリーを搭載し、推定航続距離は260マイル(約418km)だ。そしてレンジが10%アップするPlus Packも提供する。シングルモーターのPolestar 2は2021年末に北米デビューする。

そしてデュアルモーターのバージョンもより簡素化する。デュアルモーターのPolestar 2の推定航続距離は240マイル(約386km)で、新しいPlus Packを加えればレンジはさらに伸びる。

同社はまた、2030年までに初のクライメート・ニュートラル(温室効果ガスの正味排出量がゼロ)のクルマを生産するという、さらに大きな野心も発表した。クライメート・ニュートラルとするのにカーボンオフセットを使うのではなく、新しいEVの製造方法を根本的に変更することで達成する、と同社は話した。ここには、材料の調達から製造に至るまでサプライチェーンの再考、そしてよりエネルギー効率のいい車両製造が含まれる。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

電動トラックRivianga全米40州で自社保険プログラムを立ち上げ

電動トラックのスタートアップRivianは、米国時間4月15日木曜日にRivian Insuranceプログラムの詳細を発表した。この保険は、同社のデジタル注文プロセスに統合される予定だ。

この保険は当初、40の州で提供される予定だ。「アドベンチャー・ビークル」企業としてのRivianのマーケティングに沿って、顧客は自宅やボート、ダート・バイク、キャンピングカーなどのレクリエーション設備をカバーするオプションもある。同社が保険プログラムを開始するという計画は、1年以上前に求人広告が発見されて初めてリークされた。

この保険サービスが際立っているのは、Rivian車両プラットフォームとDriver+セーフティスイートの統合だ。同社はブログ記事の中で、この統合により「カスタマイズされたデータベースの補償」を提供できると述べている。Rivian Insuranceを選択した顧客には、Driver+の割引料金が適用される。ドライバーはさらに、RivianのActive Driver Assistanceソフトウェアを使用することで割引を受けることができる、別のプログラムも選択できる。

これは、2021年後半に初の電動ピックアップを市場に投入することを計画しているRivianにとって、賢明な動きだ。Tesla(テスラ)と同様に、RivianはRivian Collision CenterとService Centerですべての作業を自社で行うことで、顧客がシームレスな保険プログラムに魅力を感じるようになると考えているようだ。Rivian Insuranceはベテランに続く新規参入者の一例だが、実は大きな利点がある。なぜなら、Tesla Insuranceが利用できるのはカリフォルニア州のオーナーだけだからだ。

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:塚本直樹 / Twitter

フォードがGMやテスラに対抗し手放し運転機能の導入を発表

Ford(フォード)は、2021年モデルのピックアップトラック「F-150」と電気自動車「Mustang Mach-E(マスタング・マックE)」の一部に、米国やカナダの高速道路で自動運転走行を可能にする新しいハンズフリー運転機能を、2021年後半のソフトウェアアップデートによって導入すると発表した。

フォードがTesla(テスラ)やGMの類似システムに対抗するために開発したこのBlueCruise(ブルークルーズ)と呼ばれるハンズフリー機能は、カメラやレーダーセンサー類とソフトウェアの組み合わせによって、アダプティブ・クルーズ・コントロール、車線中央維持、速度標識認識を実現するものだ。フォードはその開発において、約50万マイル(約80万5000キロメートル)の走行テストを行ったと、発表文とJim Farley(ジム・ファーリー)CEOのツイートで強調し、ベータ版ソフトウェアを顧客に提供するテスラのアプローチをそれとなく揶揄している。このシステムには、ドライバーの視線と頭の位置を監視する車内カメラも搭載されており、ドライバーの視線が道路に集中するように支援する。

このハンズフリー・システムは、フォードの「Co-Pilot360 Technology(コパイロット360テクノロジー)」を搭載した車両に、2021年後半に予定されているOTA(無線)ソフトウェアアップデートで提供され、手放し走行が許可されている高速道路の特定の区間のみで機能する。まずは北米の高速道路の10万マイル(約16万1000キロメートル)以上の区間で利用可能になる。

BlueCruise! 私たちは現実の世界でテストしているので、お客様がテストする必要はありません。

ただし、このシステムの利用は有料となる。BlueCruiseソフトウェアは、3年間のサービス使用料を含めて600ドル(約6万5000円)。ハードウェアのアップグレードは車両によって価格が異なり、例えばF-150は995ドル(約10万8000円)、マスタング Mach-Eは2600ドル(約28万3000円)の追加費用が必要だが、マスタング Mach-Eに設定されている仕様の中でも「California Route 1(カリフォルニア・ルート1)」「Premium(プレミアム)」「First Edition(ファースト・エディション)」にはBlueCruiseが標準で装備される。

現在では、ほとんどすべての自動車メーカーが何らかの運転支援機能を提供しているが、フォードは明らかに、最も有名で高性能なADAS(Advanced Driver-Assistance Systems、先進運転支援システム)を搭載しているGMとテスラに対抗し、シェアを奪うことを目指している。

フォードが、BlueCruiseを搭載した車両を初年度に10万台以上販売するという社内目標を達成するためには、このシステムが費用に見合うだけの価値があると、顧客に納得してもらうことが重要になるだろう。

GMの「Super Cruise(スーパークルーズ)」は、LiDARによる3Dマッピングデータ、高精度GPS、カメラ、レーダーセンサー類を組み合わせて使用し、運転席の乗員が注意を逸らさないように監視する「Driver Attention System(ドライバー・アテンション・システム)」も搭載する。テスラの運転支援システム「Autopilot(オートパイロット)」とは異なり、Super Cruiseのユーザーは必ずしもハンドルに手を置いておく必要はないが、目線はまっすぐ前を向いていなければならない。

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テスラのAutopilot機能も、カメラやレーダーなどのセンサー類にコンピューターの演算能力とソフトウェアを組み合わせたものだ。テスラの新車にはすべて標準装備されており、車線内における操舵、加速、制動を自動的に行う。テスラでは、ドライバーが注意を払っているかどうかを判断するために、ハンドルにドライバーが手を置いていることを感知するトルクセンサーを使用しているが、多くのオーナーはハンドルから手を離し、視線を道路から逸していられるようにするための裏技を見つけ、公開している。オーナーがFSD(Full Self-Drivingを意味するテスラ独自の名称)にアップグレードを希望する場合、テスラは1万ドル(約109万円)を請求するが、FSDは(その名称から想像するような)完全な自動運転システムというわけではない。だが、車線変更の自動化、信号や一時停止を認識して対処する機能、ルート上の車線変更を提案したり高速道路のインターチェンジや出口に向かって自動的に誘導するナビゲーション機能など、より高度な運転支援機能を備えている。

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フォードによると、BlueCruiseシステムはハンズフリーモードに移行すると、メーターパネルに文字を表示したり青色のランプを点灯させてドライバーにそれを伝えるため、色覚異常のある人にも認識できるという。

このハンズフリー・テクノロジーは、将来的に他のフォード車にも提供される予定だという。このシステムの使用を選択したドライバーには、ソフトウェアが改良を受ける度にアップデートが提供される。将来的には、ウインカーをタップするだけで車線変更ができる機能や、ロータリーやカーブを予測して車速を調整する機能などが追加される予定だ。地図データのアップデートも定期的に行われるという。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

トヨタが圧倒的に信頼性が高いApex.AIの自動運転ソフトウェア開発キットの使用を発表

電気自動車やハイテク車へシフトしつつある自動車メーカー各社は、ソフトウェア、さらにいえばバグがなくワイヤレスでアップデートできるソフトウェアの開発が、顧客獲得に向けて超えなければならないハードルになっていることに気がついた。この問題は、Volkswagen(フォルクスワーゲン)の「ID.3」や、近々発売されるVolvo(ボルボ)の「XC40 Recharge(XC40リチャージ)」、Ford(フォード)の「Mustang Mach-E(マスタング・マッハE)」などの新型電気自動車でもメーカーを苦心させている。

Apex.AI(エイペックスAI)は、Bosch(ボッシュ)で自動化システムを手がけていたベテランエンジニアであるJan Becker(ジャン・ベッカー)氏とDejan Pangercic(デヤン・パンガーシック)氏が設立したスタートアップ企業で、車両内のソフトウェアを統合し、すべてのアプリケーションを確実に動作させるフレームワークとなるロボットオペレーティングシステムの再構築に4年を費やしてきた。同社は最近、そのソフトウェア開発キット(SDK)が、量産車に使用できるほど洗練されていることを証明する安全認証を取得したばかりで、この度トヨタ自動車と日本の技術系スタートアップのTier IV(ティアフォー)をパートナーとして迎えることになった。

トヨタの先進技術開発部門から2021年1月に新事業体として設立されたWoven Planet Group(ウーブン・プラネット・グループ)は、Apex.OS SDKを自社の車両開発プラットフォーム「Arene(アリーン)」に統合すると発表した。Apex.OS SDKは、車両の安全性に関わる重要なアプリケーションを処理し、自動運転ソフトウェアの開発を加速させ、最終的に量産車への搭載を目指す。米国時間4月14日に発表された別の契約では、オープンソースの自動運転ソフトウェア「Autoware(オートウェア)」の開発元として知られるTier IVが、Apex.AIのソフトウェア・スタックを、安全性が最重要視される自動運転システムに使用すると述べている。

「この1年で明らかになった傾向は、自動車メーカーがTesla(テスラ)に勝つために、Software-Defined Vehicle(ソフトウェア定義自動車)と呼ばれるものを目指していることです」と、ベッカー氏は最近のインタビューで語っている。自動車メーカーは、車両のあちこちに100基の電気制御ユニット(コンピュータ)を配置する従来の考え方から離れ、代わりに数台の高性能コンピュータを搭載してすべての機能をソフトウェアで実現しようとしていると、ベッカー氏は説明する。

このような変化は、1台のクルマに何百人、何千人ものソフトウェア開発者が携わる可能性が生じることを意味する。「そのためには、ソフトウェア開発者が同じインターフェースを使い、各部署が連携できるようにする必要があります」と、ベッカー氏はいう。「それを可能にするのが、我々のSDKです。Apex.OSでは、車両のほぼすべての機能に対応できる共通の抽象化レイヤーやSDKを初めて実現させました」。

Apexのツールキットは、個人投資家や戦略的投資家の注目も集めている。2018年、同社はシリーズAラウンドで1550万ドル(約16億9000万円)を調達した。それ以降、同社はAirbus Ventures(エアバス・ベンチャーズ)、JLR(ジャガー・ランドローバー)のInMotion Ventures(インモーション・ベンチャーズ)、そしてトヨタやボルボ・グループから、戦略的投資を受けている。これらの投資額について、ベッカー氏は明らかにしなかったものの、同社が現在、シリーズBの資金調達を行っていることに言及した。

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Apex.OSのルーツは、研究開発プロジェクトや自動運転車の開発に広く使われているオープンソースのROS(ロボットオペレーティングシステム)だ。Apex.OSの目的は、そのコードを機能安全とリアルタイム処理に対応するように書き換えることだった。このSDKは先日、TÜV NORD(北ドイツ技術検査協会)による機能安全認証を取得した。これは、この技術が量産車に適用できると認められたことを意味する。

ベッカー氏によると、オープンソースのコードは認証を受けられないというのが長年の常識だったという。同社は1年かけて認証を取得した。

「自分のノートPCでソフトウェアがクラッシュしたら面倒ですが、自動車の安全性に関わる重要な機能でソフトウェアがクラッシュしたら大惨事になりかねません」と、ベッカー氏は語る。「だからこそ私たちは、システムのクラッシュや操作ミスから保護される信頼性の高いソフトウェアを開発しようとしたのです。今回の認証取得は、当社のソフトウェアが目標としている統計的に表れないほど低い故障率を達成できたことの証明です」。

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

NVIDIAが次世代車載半導体「DRIVE Atlan」発表、演算処理性能1000TPSの「車載データセンター」

NVIDIAが次世代車載半導体「DRIVE Atlan」発表、演算処理性能1000TPSの「車載データセンター」

4月12日(現地時間)、半導体メーカーNVIDIAはオンラインカンファレンス「GTC 2021」を開催。この中で、同社のジェンスン・フアンCEOが次世代車載半導体「DRIVE Atlan(ドライブ アトラン)」を発表しました。

NVIDIAの車載半導体は、2018年提供の「Parker(パーカー)」、2020年から供給している「Xavier(エグゼビア)」が現行モデル。来年にはXavierの後継に当たる「Orin(オーリン)」の供給が開始される予定です。すでにメルセデスベンツの次世代車両に搭載されることが決まっており、今回のカンファレンスでも、ボルボの車両に「Orin」の搭載が発表されましたが、早くもその次の車載半導体が発表されたかたちです。

注目の「Atlan」ですが、特筆すべきはその処理能力。「Atlan」はなんと1秒間に1000兆回もの処理を行うことが可能。「Parker」は1TOPS(1秒間に1兆回)、「Xavier」は30TOPS(1秒間に30兆回)、「Orin」は254TOPS(1秒間に254兆回)ですから、これらと比べると「Atlan」は破格の性能を有しているといえます。

高度なAI技術を用いて自律走行を行う無人車両はもちろんのこと、有人車両でもアプリケーションやAI機能が充実したモデルで高い演算能力が求められます。同社は「Atlan」の高い能力を「A Data Center on Wheels(車載データセンター)」と表現していますが、データセンターレベルの能力を車に搭載することができれば、自動運転技術も飛躍的に向上するかもしれません。

「Atlan」は2023年にサンプル提供が行われ、車両への搭載は2025年を予定しているとのこと。

(Source:NVIDIAEngadget日本版より転載)

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ボルボがNVIDIAと共同で商用/産業向け自動運転トラックを開発

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世界最大のSPAC合併で配車サービスGrabがNASDAQ上場へ

配車とデリバリーの会社Grab(グラブ)は米国で上場する計画を発表した。シンガポール拠点の同社は配車サービスアプリから、フードデリバリーや送金ができるeウォレットのような金融サースなどいくつかの消費者サービスを提供する東南アジアのスーパーアプリへと進化した。

同社はシンガポール、マレーシア、カンボジア、インドネシア、ミャンマー、フィリピン、タイ、ベトナムでサービスを展開している。Crunchbaseによると、同社はこれまでにソフトバンクのビジョンファンドなどから100億ドル(約1兆924億円)を調達している。

上場するのにGrabはAltimeter Growth CorpというSPAC(特別買収目的会社)との合併を選んだ。Altimeter Growth Corpは米国拠点の上場している空白小切手会社だ。このプロセスを経ての上場は米国では外国企業であるGrabにとってずっと簡単なものであるはずだ。

取引が完了すれば、世界最大のSPAC合併となる。Grabはティッカーシンボル「GRAB」でNASDAQに上場する。

発表の一環として、Grabはいくつかの指標や大きな数字を明らかにした。2020年の同社のGMV(販売総額)は約125億ドル(約1兆3649億円)だった。そして合併による同社の評価額は396億ドル(約4兆3241億円)となり、同社は現金45億ドル(約4913億円)を保有する。

東南アジアにおけるフードデリバリーとオンデマンドモビリティはまだ成長する余地があるとGrabは考えている。獲得可能な最大市場規模は520億ドル(約5兆6779億円)から2025年までに1800億ドル(約19兆6545億円)に急拡大すると見込む。

「誰でもデジタル経済の恩恵を受けられるようにアクセスを広げるという目的に向けた旅路におけるマイルストーンです。東南アジアが新型コロナウイルスから立ち直るのに、これはより重要な役割を果たします。新型コロナは当社にとっても非常に厳しいものでしたが、事業の耐久性について学ぶところがかなりありました」とGrabの共同創業者でCEOのAnthony Tan(アンソニー・タン)氏は声明で述べた。

「当社の多様化したスーパーアプリ戦略はデリバリーを行うドライバーパートナーをサポートし、収益性を改善しながらの成長達成を可能にしました。上場企業となる現在、当社は我々のコミュニティの経済を強化すべく、一層懸命に取り組みます。というのも東南アジアが成功すれば、Grabも成功するからです」と同氏は付け加えた。

Altimeterは自社のスポンサー株に3年の売却禁止期間を設けることに同意した。これはしばらくの間、AltimeterがGrabにコミットし続けることを意味する。

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画像クレジット:Grab (Image has been modified)

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi

ベトナムの電動バイクメーカーDat Bikeが2.9億円調達、ガソリンバイクからの乗り換えを狙う

自社のバイクに乗るDat Bike創業者でCEOのソン・グエン氏

東南アジアでトップの電動バイク企業になることを目指しているベトナムのスタートアップ企業Dat Bike(ダット・バイク)が、Jungle Venturesが率いるプレシリーズAで260万ドル(約2億9000万円)の資金を調達した。Dat Bikeは、ほとんどが国産部品で構成されたベトナム製バイクで、価格と性能の両面でガソリンバイクに対抗できるのがセールスポイントだ。Jungle Venturesがモビリティ分野に投資するのは今回が初めてで、Wavemaker Partners、Hustle Fund、iSeed Venturesも参加している。

創業者であり最高経営責任者でもあるSon Nguyen(ソン・グエン)氏は、シリコンバレーでソフトウェアエンジニアとして働いていたときに、廃品を利用してバイクを作る方法を学び始めた。彼は2018年にベトナムに戻り、Dat Bikeを創業した。インドネシア、マレーシア、タイ、ベトナムでは、8割以上の家庭がバイクを所有しているが、そのほとんどがガソリンを燃料としている。グエン氏はTechCrunchに対して、多くの人が電動バイクに乗り換えたいと思っているが、大きな障害は性能だと語る。

グエン氏によれば、Dat Bikeは市場に出回っている多くの同じ価格帯の電動バイクに比べて、3倍の性能(5kW対1.5kW)と2倍の航続距離(100km対50km)を実現しているという。ガソリンバイクに対抗するために作られたのが、Weaver(ウィーバー)という名の同社のフラッグシップバイクだ。グエン氏によれば東南アジア諸国での重要なセールスポイントである2人乗りで、5000Wのモーターを搭載し、0から50km/hまでを3秒で加速する。Weaverは標準的なコンセントを使って約3時間でフル充電が可能で、1回の充電で最大100kmの走行が可能だ(次のモデルでは1回の充電で最大200kmの走行が可能になる)。

Dat Bikeは、2020年12月にホーチミン市に初の実店舗をオープンした。グエン氏によれば、同社は「これまでに数百台のバイクを出荷していて、まだ受注残を抱えています」という。また、ホーチミン店のオープン後、新規受注が前月比で35%増加したと付け加えた。

3990万ドン(約18万9000円)というWeaverの価格設定も、ガソリンバイクの中央値に相当するものだ。Dat Bikeは、銀行や金融機関と提携して、顧客に12カ月の無利息支払いプランを提供している。

「彼らは、ベトナムの新興中産階級を初めてデジタル金融市場に引き込むために競い合っていますので、結果的に非常に有利なレートを得ることができるのです」と彼はいう。

ベトナム政府はまだ電動バイクへの補助金は提供していないが、交通省が駐車場やバイク駐輪場に充電インフラを義務づける新しい規制を提案していることもあって、グエン氏は電気自動車の導入が進むだろうという。ベトナムで電動バイクを製造している企業には他にもVinFast(バンファスト)やPEGAなどがある。

Dat Bikeの強みの1つは、地元で調達したパーツを使って自社で開発している点だ。グエン氏は、中国やその他の国から調達するのではなく、ベトナムで製造することのメリットとして、Dat Bikeのサプライヤーのほとんどが国内にあるため物流の合理化やサプライチェーンの効率化があるという。

「バイクの輸入関税は45%、バイク部品の輸入関税は15%から30%なので、地元企業であることには税制面でも大きなメリットがあります」とグエン氏。「一方、東南アジア内の貿易には関税がかからないので、海外からの輸入バイクに比べて、東南アジアへの進出に優位性があるのです」。

Dat Bikeは、Jungle Venturesなどの投資家の協力を得て、今後2~3年の間に東南アジアでのサプライチェーンを構築し、拡大していく予定だ。

Jungle Venturesの創業パートナーであるAmit Anand(アミット・アナンド)氏は声明の中で「特に東南アジアの250億ドル(約2兆7000億円)規模のバイク産業は、電気自動車と自動化の新たな発展の恩恵を受けるための機が熟しています。私たちは、Dat Bikeがこの動きをリードし、次世代の電動バイクの外観や性能について、国内だけでなく世界的にも新たな基準を作ることができると信じています」と語る。

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(文:Catherine Shu、翻訳:sako)

バッテリーのリサイクルと製造を商業化するBattery Resourcersが約22億円調達

輸送市場の電動化が進むにつれ、メーカーは今後10年間に道路から湧き出てくる何万トンもの使用済みバッテリーの処分方法に頭を悩ませ始めている。

Battery Resourcers(バッテリー・リソーサーズ)は、一見簡単そうなソリューションを提唱している。リサイクルだ。しかしこの会社はそこで終わらない。リサイクルした材料をニッケルマンガンコバルト・カソード(陰極)にしてバッテリー製造メーカーに売り戻す「閉じたループ」を開発した。さらに、アノード(陽極)に使われているグラファイトを回収・精製してバッテリーグレードにするプロセスも開発している。

Battery Resourcersのビジネスモデルは新たなラウンドへの投資家の注目を集め、2000万ドル(約22億円)のシリーズBラウンドをOrbia Venturesのリードで完了し、At One Ventures、TDK Ventures、TRUMPF Venture、Doral Energy-Tech Venturtes、およびInMotion Venturesも出資した。Battery Resourcers CEOのMike O’Kronley(マイク・オクロンリー)氏は今回の企業評価額を明らかにしていない。

カソード、アノードと電解槽はバッテリー構造の主要構成品であり、オクロンリー氏はTechCrunchに、このリサイクル・製造プロセスが他のリサイクル業者との差別化要因だと語った。

「私たちがこの業界で革命を起こそうとしているいうとき、それは私たちがやっているのはカソード活物質を作ることだという意味であり、他の多くのリサイクル業者がやっているようなバッテリーの金属を回収するだけではありません」と彼はいう。「私たちはこれらの材料を回収し、まったく新しいカソード活物質を作るとともに、グラファイト活物質の回収と精製も行っています。2種類の活物質はバッテリー製造メーカーに売られて新しいバッテリーに使われます」。

「他のリサイクル業者は金属の回収だけに集中しています。それは銅であり、アルミニウムであり、ニッケルであり、コバルトです。彼らはこれらの金属を汎用品としてそれを必要としているどんな業界にでも売っています」と同氏は付け加えた。「だからバッテリーに戻ることも戻らないこともあります」。

このアプローチによって、バッテリー業界は発掘金属への依存を減らせる可能性がある。今後高まるだけだと予想されている依存性だ。2020年12月に発表された研究によると、EV普及の速さとバッテリー科学の進歩の程度によっては、コバルトの需要は17倍、ニッケルは28倍になるかもしれない。

これまで同社は、マサチューセッツ州ウースターのデモンストレーション規模の施設で運営してきたが、ミシガン州ノバイの施設へと拡大し、分析試験と材料特性解析を行っている。2か所合わせて同社は年間15トンのカソード材料を製造する能力を持つ。今回の資金調達は、商業規模施設の開発に役立てられ、Battery Resourcersは声明で、年間1万トンのバッテリーを処理できるように能力を強化すると言った。これはEV約2万台分に相当する。

この独自のリサイクルプロセスのもう1つの特徴は、旧型新型両方のEVのバッテリーを処理して、現在のバッテリーで使われている最新タイプのカソードを作れることだ。「つまり、Chevy Voltの10年前のバッテリーから取り出した金属を再構成して、現在使われているハイニッケル・カソード活物質を作ることができます」と広報担当者がTechCrunchに説明した。

Battery Resourcersはすでに自動車メーカーや家電メーカーから問い合わせを受けている、とオクロンリー氏は語ったが、それ以上の詳細は明かさなかった。しかし、Jaguar Land Roverのベンチャーキャピタル部門であるInMotion Venturesは声明で、今回のラウンドへの参加は「重要な意味のある投資」であると語った。

「Battery Resourcers独自のエンド・ツー・エンド・リサイクリング・プロセスは、Jaguar Land Roverの2039年までにネットゼロカーボン企業になる旅を手助けするものです」とInMotionのマネージングディレクターであるSebastian Peck(セバスチャン・ペック)氏は語った。

Battery Resourcersは2015年にマサチューセッツ州のウースター工科大学からスピンアウトした後に設立された。同社は以前、全米科学財団、およびGeneral Motors、Ford Motor Company、Fiat Chrysler Automobilesのジョイントベンチャーである米国先進バッテリー協会の支援を受けていた。

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タグ:Battery Resourcers資金調達バッテリーリサイクル電気自動車

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nob Takahashi / facebook

京都のヤサカタクシーとNearMeが「攻めのDX」でタッグ、タクシー業界のDXと乗車客の快適な移動を目指し業務提携

京都のヤサカタクシーとNearMeが「攻めのDX」でタッグ、タクシー業界のDXと乗車客の快適な移動を目指し業務提携

京都エリアを中心に、安全・快適・信頼をモットーに移動を提供する彌榮自動車(やさかじどうしゃ。ヤサカタクシー)と独自のAIで最適化した空港送迎などのスマートシャトルを運営するNearMe(ニアミー)は4月13日、業務提携を発表した。タクシー業界のDXの更なる推進と、次世代のシャトルのあり方を見据えた共創取り組みのためとしている。

NearMeが手がけるルーティングの最適化を行う独自AIに合わせ、乗車客とタクシー会社をオンラインプラットフォームでつなぐことで、乗車客が多数言語対応ウェブサイトやアプリケーションにより、予約から決済までを可能としている。タクシー会社は、プラットフォームを通じ自社が対応できる案件を選択できる。

ヤサカタクシーは、同プラットフォームの活用によるルーティングの効率化により、エリア拡大の可能性を模索していく。また、マニュアル作業になっていた業務オペレーションも大幅に改善することで、予約規模の増加による業務負担も軽減されるという。両社の協業はまずは空港送迎から開始する。またアフターコロナも見据え、観光MaaSへの発展をにらみ市内移動をなめらかにする可能性も模索する。

昨今、タクシー業界でも即時の配車アプリや決済領域などでDXが進められているものの、事前予約における配車やルーティングの人手による運用、電話の個別対応など旧態依然とした業務がまだまだ残っているという。

DX推進はこれからといった状況の中、コロナ禍による京都の観光客数の激変が、タクシー業界にとっても次世代の運用を考えるきっかけになったとしている。

安全・快適・信頼をモットーに京都エリアで信頼を獲得してきたヤサカタクシーにおいても、この潮流は例外ではないと指摘。アナログな運用は、タクシー会社だけでなく、乗車客にとって不便なものになっており、特に海外からの旅行客にとって多言語対応が手間となっていることから、常に利便性向上を検討していたという。

ヤサカタクシーは、社内の業務効率化としての「守りのDX」だけでなく、顧客中心のDX、つまりAI活用による「攻めのDX」で乗車客に貢献できないかを検討。その中で、独自AIでルーティングを発展させ、タクシー会社とお客様をつなぐプラットフォームとして機能するNearMeと連携し、タクシー業界の革新に挑戦することとしたという。

ヤサカタクシーは、1945年9月の創業以来、一貫して「旅客運送事業を通じて地域社会に貢献する」ことを目標に掲げ、地道な企業活動を展開。京都・滋賀・大阪・兵庫・東京・埼玉・神奈川などの各地域において、確固たる地歩を築き上げてきた。

特にハイヤー・タクシー、路線バスは安全な市民の足として、観光バスは地域住民や企業で働く人々の観光旅行・レジャーに利用されており、学校教育の一環としての修学旅行や校外学習などにも寄与しているという。

また、テナントビル事業などの新分野にも積極的にシフトするなど、多様化する時代のニーズに柔軟に対応。現在では7業種17社、3700名を超える社員が働く企業集団に成長している。

2017年7月設立のNearMeは、リアルタイムの位置情報を活用して地域活性化に貢献する「瞬間マッチング」プラットフォーム作りを目指し、まずシェアリングエコノミーのMaaS(Mobility as a Service)領域からスタート。

2019年8月、空港版のオンデマンド型シャトルサービス「スマートシャトル」の「nearMe.Airport」(ニアミー エアポート)を開始。独自AIを発展させ、ルーティングの最適化をはかってきた。

このルーティングの技術を活用し、コロナ時代においても、不特定多数ではなく、少人数かつ誰が乗車したか追跡できる方法で活用可能な通勤シャトル「nearMe.Commute」(ニアミーコミュート)や、快適な移動を創造する「タクシーの相乗り(nearMe.)」アプリ(Android版iOS版)、またオンデマンド型シャトルサービス「スマートシャトル」を展開している。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:オンデマンド交通新型コロナウイルス(用語)NearMe(企業)彌榮自動車 / ヤサカタクシー(企業・サービス)日本(国・地域)

中国の自動運転車両スタートアップWeRideが米サンノゼでの無人テスト許可を取得

このほど3億1000万ドル(約339億円)を調達した中国の自動運転車両スタートアップWeRide(ウィライド)が、米国カリフォルニア州サンノゼの公道で無人の車両をテストする許可を取得した。無人運転車両テストの許可を取得したのはAutoX、Baidu、Cruise、Nuro、Waymo、Zooxに続き7社目となる。

自動運転車両開発の初期段階においては、テストの許可はセーフティドライバーが運転席に乗ることが必須だった。セーフティドライバーが乗り込んでの自動運転車両テストの許可は現在56社が取得している。人間が運転席に乗り込まないドライバーなしのテストの許可は新たな指標となり、商業ロボタクシーや配達サービスを米国で展開したい企業にとっては必須のステップだ。

カリフォルニア州内の自動運転車両テストを管轄するカリフォルニア州自動車管理局(DMV)は、今回の許可でWeRideはサンノゼ内の特定の道路でドライバーなしで自動走行車両2台をテストできる、と述べた。WeRideは2017年からドライバー付きでの車両テストの許可を持っている。同社はまた、どのように、そしていつ車両をテストするか規制されている。DMVによると、無人自動運転車両は時速45マイル(約72km)以下で走行し、テストは月曜日から金曜日の間に行う。ただし濃い霧や雨の場合、テストは不可だ。

カリフォルニア州でドライバーなしでのテストを行う許可を取得するには、企業は数多くの安全や登録、保険に関する要件を満たさなければならない。ドライバーなしテスト許可を申し込む企業は保険の証拠か500万ドル(約5億5000万円)相当の債券を提出し、車両がドライバーなしで走行できることを証明しなければならない。そして、連邦自動車安全基準を満たすか国道交通安全局からの免除を取得している必要があり、SAEレベル4あるいはレベル5の車両でなければならない。かつ、テスト車両は絶えず監視され、テクノロジーでつながったリモートオペレーターを訓練する必要もある。

ドライバーなしテスト許可所有事業者はまた、ドライバーなしテスト車両の衝突をすべて10日以内にDMVに報告し、離脱の年次報告を提出しなければならない。

WeRideのオペレーションの大半は中国で行われている一方で、今回の許可取得は同社が引き続き米国にも関心を持っていることを示している。中国・広州に本社を置くWeRideはR&Dとオペレーションセンターを北京、上海、南京、武漢、鄭州、安慶、そしてシリコンバレーに置いている。2017年創業の同社は2021年2月に広州で配車事業運営の許可を取得した。

同社は中国で最も資金を調達した自動運転車両テクノロジーのスタートアップで、出資者にはバスメーカーのYutong、中国の顔認証企業SenseTime、そしてとRenaultと日産、三菱の戦略ベンチャーキャピタル部門Alliance Venturesが含まれる。その他、CMC Capital Partners、CDB Equipment Manufacturing Fund、Hengjian Emerging Industries Fund、Zhuhai Huajin Capital、Flower City Ventures、Tryin Capital、Qiming Venture Partners、Sinovation Ventures、Kinzon Capitalも投資している。

関連記事:中国の自動運転技術スタートアップWeRideがバスメーカー宇通客車から207億円を調達

カテゴリー:モビリティ
タグ:WeRide自動運転ロボタクシー中国カリフォルニア

画像クレジット:WeRide

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

GMの自動運転子会社Cruiseがドバイでのロボタクシーサービス事業を契約、2029年まで独占

Cruise(クルーズ)が、そのロボタクシーの可能性をサンフランシスコ以外にも広げた。GM(ゼネラル・モーターズ)の自律走行車子会社で、SoftBank Vision Fund(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)、Microsoft(マイクロソフト)、Honda(ホンダ)の支援も受けている同社は、2023年にドバイでロボタクシーサービスを開始する契約を結んだ。

ドバイでのロボタクシーサービスには、ハンドルやペダルのない、高速道路での走行を前提としたシャトル型自動運転EV「Cruise Origin(クルーズ・オリジン)」が使用される。2020年1月に発表されたOriginは、GMが製造する。

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Cruiseはドバイを拠点とする現地法人を新たに設立し、その新会社が車両の導入、運用、メンテナンスを担当していく。

RTA(Roads and Transport Authority、ドバイ道路交通局)の長官兼理事会長であるMattar Mohammed Al Tayer(マタール・モハメド・アル・ターイル)氏によると、ドバイの自動運転交通戦略の一環として、まず限られた台数の車両でサービスを開始し、2030年までに4千台の車両に拡大する計画だという。これらのロボタクシー、そして最終的にはサービスは、限定地域で徐々に導入され、その後、他の地域に拡大される予定だ。

ドバイのSheikh Hamdan bin Mohammed(シェイク・ハムダン・ビン・モハメド)皇太子は、Cruiseとの契約について「2030年までにドバイにおける交通手段の25%を自動運転による移動に変えることを目指す、自動運転交通戦略(Dubai Autonomous Transportation Strategy)の実現に向けた大きな一歩」と述べている。

重要なのは、Cruiseが少なくとも向こう数年間はドバイを手中におさめるという点だ。今回の契約に基づき、Cruiseは2029年まで、ドバイにおける自動運転タクシーおよびライドヘイリングサービスの「エクスクルーシブ・プロバイダー」となる。アル・ターイル長官は、Cruiseの選定は軽々しく行われたものではなく、複数年にわたる包括的なプロセスを経て行われたと述べている。

関連記事:GMの子会社Cruiseが運転手なしの自律走行車公道テストをサンフランシスコで開始

カテゴリー:モビリティ
タグ:CruiseドバイロボタクシーGM

画像クレジット:Cruise-Origin-Dubai

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Aya Nakazato)

Intel子会社MobileyeがUdelvと提携し2028年までに3.5万台の自動走行配達車両3.5万台を展開

Intel(インテル)の子会社Mobileye(モービルアイ)が自動走行車両で野心を膨らませ、配達分野に参入しようとしている。

Mobileyeは4月12日、自動走行する多数の配達専用車両に同社の自動走行システムを提供すべく、Udelvと契約を結んだと発表した。両社は2028年までにTransportersという名称の車両3万5000台超を走らせる計画だと述べた。商業展開は2023年に開始する見込みだ。

まずは米国の商用車リース管理会社DonlenがTransporters1000台をプレオーダーした。

今回の発表は両社にとって大きな意味を持つ。自動走行車両配達スタートアップとして創業されたUdelvはMobileyeの自動走行システムを受け入れ「自動走行デリバリーを可能にするハードウェアとソフトウェアの構築」に注力することを選んだ、とCEOのDaniel Laury(ダニエル・ラウリー)氏はTechCrunchへの電子メールで述べた。

「配達する商品の多様性、配達方法のバラエティ、配達のラストマイルと中間マイルの自動化に関連する込み入った複雑な問題を考えるとき、これは解決すべきエンジニアリングの中心的な問題です」とラウリー氏は述べた。「Mobileyeと提携することで、Udelvはリソースと取り組みのすべてをビジネス応用の最適化に注ぐことができ、その一方でMobileyeはすばやく展開するツールを提供します。ウィンウィンの関係です」。

カメラベースのセンサーのデベロッパーとして始まったMobileyeにとって、この提携は新たな事業拡大となる。同社の技術は高度なドライバーアシスタンスシステムをサポートするものとして大半の車両メーカーに採用されている。偏在、車両5400万台超がMobileyeのテクノロジーを搭載している。

「2社の提携はすばらしい組み合わせで、大規模展開ができます」とIntelのシニアエンジアニア主任で、MobileyeのAutomated Vehicle Standards担当副社長を務めるJack Weast(ジャック・ウィースト)氏は直近のインタビューで述べた。「そしてこれはMobileyeのテクノロジーが、すでに発表した分野に加えて商品配達の分野でも活用されるという公式な初実証ポイントとなります」。

2017年に153億ドル(約1兆6742億円)でIntelに買収されたMobileyeは近年、高度なドライバーアシスタンス技術から自動運転車両システムの開発へとスコープを広げてきた。2年以上前に同社は視覚、センサフュージョン、REM マッピングシステム、ソフトウェアアルゴリズムを含むキットを立ち上げる計画を発表した。そして2018年には、サプライヤーとしてだけでなくロボタクシーオペレーターになるという予想外の計画を明らかにした。同社はまた、自動走行のシャトルをTransdev ATS、Lohr Groupとともに欧州で展開することも計画している。Mobileyeは自動走行車両を使った配車サービスを2022年初めにイスラエルで立ち上げる計画も持っている。

最新の契約は、自動運転システムをロボタクシー以外に応用するというMobileyeの野心を示している。

Mobilieye Driveというブランド名の自動運転システムは、SoC(システムオンチップ)ベースの計算、カメラベースの冗長センシングシステム、レーダーとライダーのテクノロジー、REMマッピングシステム、責任感知型安全論(RSS)ドライビングポリシーで構成される。MobileyeのREMマッピングシステムは本質的には、ADASと自動走行運転システムのサポートに使われる高解像度のマップを作成するために、同社のテックを搭載した100万台超の車両を利用することでデータをクラウドソースする。

Udelvは自動運転テクノロジーを自社の配達管理システムに統合するのにMobileyeと協業する。Mobileyeは車両が使用される間はずっと無線のソフトウェアサポートも提供する。

こうした専用車は人間が運転するトラックや配達バンにあるような典型的な機械的特徴を持たない。いわゆるレベル4の自動運転に対応するようデザインされている。SAE(自動車技術者協会)の定義では、レベル4だと特定の状況で人間の操作なしに車両が運転を制御できる。車両はまた四輪駆動で、配達を行う人にとって有用なLEDスクリーンや商品のための特別コンパートメントを備えている。

Udelvによると、駐車場や荷物積み下ろし場所、集合住宅、私道での車両操縦ができる遠隔操作システムも搭載する見込みだという。

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タグ:MobileyeUdelv自動運転電気自動車Intelロボット配達

画像クレジット:Mobileye/Udelv

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(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

電気自動車RivianがSamsung SDIとバッテリーセル供給で提携

Amazon(アマゾン)が支援し2021年後半の市場投入を目指している電気自動車メーカーのRivianは、バッテリーセルのサプライヤーとしてSamsung SDIと提携したことを米国時間4月12日に発表した。

両社は買収金額や期間を明らかにしていないが、Rivianが同日に発表した声明の中で、Samsung SDIとは「車両開発プロセス全体を通じて」協力してきたと述べている。

Rivianは同社が「アドベンチャー・ビークル」と呼ぶ「R1T」ピックアップと「R1S」SUVは、極端な温度や耐久性の必要なユースケースに対応できるバッテリーモジュールとバッテリーパックが必要だと指摘した。

Samsung SDIはすでに他の自動車メーカーにバッテリーセルを供給している。2019年、同社はBMWグループと32億ドル(約3500億円)で10年間の供給契約を結んだ。

RivianのRj Scaringe(R・J・スカーリンジ)CEOは声明の中で「Samsung SDIのバッテリーセルの性能と信頼性を、私達のエネルギー密度の高いモジュールとパックの設計と組み合わせることに興奮しています。Samsung SDIのイノベーションとバッテリー材料の責任ある調達能力は、私達のビジョンとよく一致しています」と述べている。

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カテゴリー:モビリティ
タグ:RivianバッテリーSamsung SDI電気自動車

画像クレジット:Rivian

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:塚本直樹 / Twitter