グーグルとファーウェイの共同開発スマートスピーカーが対中制裁でボツに

トランプ政権の制裁措置で日の目を見ることがなくなったHuawei(ファーウェイ)関連のデバイスの情報はこの後何週間、それどころか何カ月にもわたって聞こえてくるだろうと思う。例えば、われわれはファーウェイはGoogle(グーグル)と提携してスマートスピーカーの開発を進めていたが、禁輸措置にともなう大混乱の中に消えたという情報をつかんだ。

実際このデバイスは9月にベルリンで開催されるIFAトレードショーに出品されるはずだったが、ご存知のようなことで流れてしまったとThe Informationが伝えている。当然がら情報をもたらしたファーウェイ社員は匿名だ。

これはグーグルのパートナー関係全体の中で考える必要がある。同社はサードパーティーのハードメーカーと提携することで各種のスマートアシスタントを家庭に普及させる足がかりとしてきた。中でも中国は重要な市場で、実際、この5月にはスマートスピーカーの市場規模として米国を抜いたという。中国のハードメーカー、Lenovo(レノボ)はスマートクロックのディスプレイを製造している。

長年の疑惑、非難の後、ファーウェイはとうとう米国の貿易ブラックリストに載せらることになった。このためGoogleとのビジネスにも急ブレーキがかかった。禁輸リストにはAndroid(これは一時的に猶予期間が設けられているが)をはじめ、まだ発表されていない各種のデバイス、プロジェクトも含まれることになる。

ファーウェイはAndroidとGoogle Playストアに代わる独自のモバイルエコシステムを開発しているという情報も流れた。将来の方向はともかく、当面は制裁措置は同社の収益に壊滅的打撃を与えている。

ファーウェイもグーグルもこの件に対するコメントを控えた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Googleのファーウェイ制裁参加で欧州にショック拡大中、脱米模索も

米中貿易戦争は大きくエスカレートしつつある。中国を代表するテクノロジー企業、Huawei(ファーウェイ)に対し、Google(グーグル)がハード・ソフトの新規移転を停止したことはヨーロッパにもショックを広げている。ヨーロッパのテクノロジー企業もファーウェイと絶縁しないかぎり米国の禁輸ブラックリストに掲載される可能性が出てきた。

Reuters(ロイター)の報道によれば、米国時間5月20日、ヨーロッパの大手半導体メーカーであるInfineon Technologies、AMS、STMicroelectronicsの株価が急落した。 これらの企業はアメリリカが同国企業に対し、ファーウェイとの取引を禁止する行政命令を出したことを受けて、ファーウェイへの出荷をすでに停止したか、近く停止するという。

ハイテク分野のサプライチェーンは複雑にからみあっており、テクノロジーでは米国が優れているが、ヨーロッパではファーウェイがモバイル、ITネットワークのコンポネント供給者として地歩を築いていた。米国の厳しい禁輸措置により、EUのテクノロジー企業は大小を問わず政治的な戦いに巻き込まれることとなった。

たとえば、小さな会社ではあるが、フランスのスタートアップであるQwantがそうだ。 同社はプライバシーを優先した検索エンジンでDukDukGoとともにグーグルに対抗しようと試みていた。EUが反トラスト行為の疑いでグーグルのAndroidに制裁を課して以来、同社はグーグル以外の検索エンジンとしてヨーロッパで販売される有力スマートフォンにデフォールトで搭載されることを狙っていた。

その最初の大型パートナーがファーウェイだった。Qwantには、米中貿易戦争の激化以前に、EUのAndroidライセンスの見直しによる値下げに関連して価格面で逆風が吹いていた。そうではあっても米中貿易戦争の激化はスマートフォンのサービスのあり方を見直し、公平な競争条件をを構築しようとするEUの努力を無にする深刻な危険がある。

Googleのファーウェイへのテクノロジー移転の中止がきっかけとなってAndroidに用いられるコンポネントの供給が全面的に停止されるようなことがあれば間違いなくそうなるとロイターは観測している。

スマートフォンにおけるEUの反トラスト措置の核心はAndroidデバイスとグーグルのポピュラーなアプリをアンバンドルすることだ。これによりスマートフォンメーカーはグーグルのブランドを維持したまま完全にグーグルの支配下にあるのではないデバイスを販売できる。例えば、Playストアをプレロードするものの、デフォールトの検索エンジンやブラウザにグーグル以外のプロダクトを設定するなどだ。

しかしグーグルが(現行モデルでは継続されるとしても)ファーウェイに新しいAndroid OSやGoogle Playストアを提供しないとなれば、こうした構想は崩れてしまう。ロイターの報道に対するグーグルのコメントでは、まだ詳細は決定されていないようだ。広報担当者は以下のように述べている。

グーグルは(大統領の)行政命令を遵守するため、今後の行動を慎重に検討している。われわれのサービスのユーザーを保護するため、Google PlayとGoogle Play Protectによるセキュリティーは既存のファーウェイ端末に対して引き続き提供される。

これに対し、Qwantの共同ファウンダーでCEOのEric Léandri氏は、我々の取材に答えて「Googleは過剰反応している」として次のうように述べた。

トランプ大統領が正確にどういうことを言ったのか知りたい。グーグルは過剰反応しているのではないか。私は驚いている。(大統領命令は)そこまで要求しているようには思えない。。

ファーウェイがブラックリストに載せられるのであれば、他の中国企業はどうなる?ヨーロッパで販売されるスマートフォンの60%前後は中国から来ている。ファーウェイかZTEだ。OnePlus(ワンプラス)やその他、ポピュラーなスマートフォンはすべて同じ(米国による制裁の)リスクを負うことになる。

Nokia(ノキア)のような市場占有率の低いスマートフォンも中国の大手企業との提携で製造されている。つまり我々は(Androidという)単一のOSに頼るべきではない。Google PlayストアはGoogle検索と同じくらいスマートフォンにとっては重要だ。(略)

Léandriは「Qwantはファーウェイの対応を注視している。ファーウェイは独自のアプリストアを搭載したデバイスをヨーロッパで提供することにあるかもしれない」と述べた。

TechchCrunchの取材に対し、EU欧州委員会のデジタル単一市場の広報担当者はサイバーセキュリティーを強化したもののファーウェイ制裁を見送ったときの声明を繰り返し「EUメンバー諸国は国家安全保障に有害と認められたならば、そうした企業を市場から排除する権利を有する」と付け加えた。

またロイターの報道によれば、ドイツの経済相は米国のファーウェイ制裁がドイツ企業に与える影響の調査を始めたという。

米国の対中経済制裁の影響は広汎かつ深刻だが、Jollaのようなスタートアップには追い風になるかもしれない。同社はSailfishというヨーロッパ独自のAndroid代替OSを開発している。(略)米中の緊張が高まるにつれ、こうしたヨーロッパ独自の規格はリスク分散の手段として注目されるかもしれない。

画像:J. Scott Applewhite

(日本版アップデート)アメリカ政府はFuaweiに対する制裁措置を一時的に緩和するという。これはすでにライセンスされた技術については期限つきで利用を認めるというもので、Googleもこれに沿った声明を発表している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Googleがファーウェイに対してAndroidのサポートを中止へ

トランプ政権のHuawei(ファーウェイ)制裁が広い範囲に長期にわたって影響を与えることは間違いない。

当面、ファーウェイ以外の関係者は米国と中国の間で立場を明らかにし、いわば橋を焼き落とことを避けようと慎重に行動している。ここでGoogleがはからずも注目を浴びてしまった。競争の激しいスマートフォン業界にあって、Android OSと多数の有力アプリの提供者であるGoogleの決定は影響が大きい。

米国時間5月20日夜のReuters(ロイター)の報道によれば、Googleは脱ファーウェイに向けて措置を取り始めたという。事情に通じた情報源が5月19日にロイターに語ったところでは、Googleはオープンソースライセンスでカバーされる部分を除き、ファーウェイへのハード、ソフトのサポートを停止した。これによりAndroidのアップデートの提供はすでに停止された。Android OSそのものはオープンソースなので利用できるが、Googleからのサポートはなくなる。

ファーウェイは明確な立場を示さずに済む方法を探っているようだ。同社も対策を検討している。スマートフォンはハードウェアとソフトウェアが密接に連携する非常に複雑な世界で、無数のコンポネントが世界中から調達されている。貿易摩擦が激化するにつれ、アメリカの対イラン禁輸措置に違反して制裁を受けた中国のZTEが一番大きな不利益を被っている。

ファーウェイは「この制裁は関係者全員に不利益なものだ」と反論しており、自給自足体制を確立する計画を発表して挑戦的な姿勢を崩していない。同社は米中関係の緊張の高まりを避けられないものとみて対処するつもりのようだ。しかしGoogle、Qualcomm(クアルコム)など米企業のテクノロジーなしにこうした強硬姿勢が維持できるのか疑問をもつ専門家もいる。

【Japan編集部追記】記事内で引用されているロイターの報道によれば、「ファーウェイの次世代スマートフォンは中国国外では最新のAndroid OSだけでなくGoogle Payへもアクセスできなくなる」とのこと。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Twitter CEOのジャック・ドーシーがホワイトハウスでトランプ大統領と会談

Twitterの共同ファウンダーでCEOのジャック・ドーシー氏は反ワクチン活動家と対談したり、ポッドキャストでTwitterの政治的立場を語るなどとかく賛否の議論を起こしてきた。米国時間4月23日、ヒゲ面のCEOはTwitterでいちばん目立つユーザーと対談した。トランプ大統領だ。

ジョー・ローガンのポッドキャストに出たときとは違い、ドーシー氏がホワイトハウスでトランプと会った30分間に何を話し合ったのかは秘密にされている。例によってトランプは会談をツイートしたが、その直前にMotherboardが記事を掲載している。

素晴らしいミーティングだった!午後、ホワイトハウスで@Twitterの@Jackと会った。話題はTwitterというプラットフォームからソーシャルメディア全般まで多岐にわたった。オープンな対話を続けられるものと期待している!

問題の2人が口を開かない限り、正確にどんな話だったかのは謎のままだが、推測はできる。Motherboardの記事によれば、「Twitterにおける公共問題の議論の現状」という件名のTwitterの部内メールが議題の第一だった可能性が高い。

最近Twitterは一部保守派からツイートを検閲していると非難されていた。その証拠は発見されなかったが、トランプ大統領はおそらくこの問題を蒸し返したのだろう。ドーシーCEOは 検閲を行っていないことを再度保証し、今後も多様な意見に耳を傾けていくなどと穏やかな表現で大統領をなだめ具体的な約束には踏み込まなかったのだろうと思われる。

ドーシー氏は大統領の招きを受け入れると決定したことについて部内メモでこう書いている。

大統領と会うことについて強く賛成する意見もあれば、そのような招待を受けるべきでないとする意見もあると思う。しかし私は一国の指導者の意見を聞き、Twitterの方針と理想を説明する機会を逃すべきでないと結論した。

画像:Cole Burston/Bloomberg via Getty Images / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

Facebookが反ワクチン・デマ対策強化、広告禁止、表示ランクを引き下げへ

2月にFacebookは、生死に関わる場合もある悪質な反ワクチン投稿にどう対処するか検討していることを明らかにした。同社は近くこうした危険な投稿の表示ランクを下げるなどの措置に踏み切る。

ワクチンに関する誤った情報の拡散を最小限に抑えること、反ワクチンのプロパガンダからユーザーを遠ざけ、現代の医療と科学による裏づけのある「信頼できる情報」に向かわせるのがFacebookの戦略だという。

今後Facebookは反ワクチンを主張する広告を拒否することで誤情報の拡散を抑制する。これに違反する投稿、宣伝を繰り返した場合アカウントの凍結もあり得る。ニュースフィード表示、ニュースフィード検索の双方で反ワクチン投稿のランキングを下げる。。Instagramでは「発見」タグやハッシュタグを利用した誤った反ワクチン情報が含まれるコンテンツが公衆の目に触れないようにする。Facebookは「『ワクチン論争』というターゲティング記述子を含む広告も削除される」と注意を促している。

反ワクチンのデマや陰謀論が拡大した過程でFacebookが果たした役割に2月にスポットライトが浴びせられた。Guardianの記事はFacebookYoutubeが危険なデマの拡散を助けていると指摘した。 カリフォルニア州選出のアダム・シフ下院議員(民主党)はFacebookGoogleに書簡を送り、「医学的に根拠のある情報をユーザーに提供するためにどんな方法を取るつもりなのか、さらに情報を提供する」よう求めた。

先月のBloombergの記事は「Facebookはこの問題に対処するためにさらなる手段を追加することを検討している」と述べた。この手段というのは反ワクチン宣伝が「おすすめのグループ」を始めとするFacebook側の推薦として表示されないようにすること、こうした誤情報の検索結果の表示順位を引き下げること、逆に医学的に根拠がある情報をユーザーの目に触れやすくすすること」などが含まれる。

オンラインのニセ情報拡散の中でも反ワクチン・プロパガンダは現実に対して非常に危険な結果をもたらす。アメリカは現在はしかのアウトブレイクに直面している。はしかは幼児や高齢者には致死的になることがある感染症だが、ワクチンで完全に予防できる。にもかかわらず、ワシントン州クラーク郡の例のように大規模な学校閉鎖が生じている。

Facebookがこうした危険な誤情報の拡散を防止することに注意を向けたのは評価できる。こうしたデマや陰謀論には徹底した措置を取ってもらいたい。しかし問題はFacebookにせよ他のソーシャル・プラットフォームにせよ、問題が深刻化してから後追いで対策を始めるという点だ。ソーシャルメディア上でアルゴリズムを悪用したデマの拡散が今後も起きることは間違いない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

イギリスでドローン利用の年齢制限案、高齢者ではなくて子ども

爆発的に増えることがほぼ確実な、ドローンの消費者利用備えて、イギリスでは早くもドローンの規制が検討されている。その、山ほどある提案の中には、年齢制限がある。それは、18歳未満には重さ0.55ポンド(約250グラム)以上のドローンの使用を禁ずる、というものだ。

18歳は、飛行機やヘリコプターの操縦免許の下限より3つ若い。ただしその提案では、大人が付き添っていれば子どもでもドローンを飛ばせる、となっている。

これらの提案はアメリカにはすでにある法律に見倣っているが、アメリカの場合はドローンを登録制にするというFAAの案が今だに賛否両論の渦中にある。イギリスでもいくつかの規制はすでにあり、たとえば消費者が利用するドローンの最高高度は400フィート(約122メートル)、空港の近傍は飛行禁止、となっている。

また、特定のイベントや場所ではドローン撃退技術を使ってもよい、という規制提案もある。その場合、前もって飛行計画を申請登録し許可されたドローンは、撃退されない。もちろん、さまざまなドローン普及/愛好団体は、これに反発している。あって当たり前のような規制案もある中で、年齢制限は行き過ぎであり、反生産的だ、との意見もある。

イギリスの、遠隔操縦航空機システム協会(Association of Remotely Piloted Aircraft Systems)のGabin Wishartが、BBCで語っている: “ドローンの安全で責任ある利用を推進する必要があるが、しかしドローンの未来を担う子どもたちがドローンに触れてそれを利用できることも重要である。ドローン産業は未来の経済の大きな一部になると予想されるから、子どもたちにその探求を禁じてはならない”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple、追徴課税130億ユーロの支払開始――ダブルアイリッシュは不当とEC認定

この紛争は何年も続いてきたが、結局、Appleはアイルランド政府から不当な優遇を受けていたと認定された分について未納の税の支払を開始した。同社はすでに1.5億ユーロ〔1958億円〕)をこの支払に充てるエスクロ口座に入れている。Appleが支払うべき追徴課税の総額は130億ユーロ〔1.7兆円〕に上る。

2016年8月にEC〔欧州委員会〕は、Appleは2004年から2014年にかけてアイルランドで違法な税制上の利益を得ていたと認定した。競争政策担当委員、Margrethe Vestagerは、「Appleはダブル・アイリッシュと呼ばれる仕組みを利用して実効税率を著しく下げていた」と述べた。

ダブル・アイリッシュはアイルランドに2つの異なる法人を設立し、他国で挙げた利益をそれらの会社に付け替えることによって最終的に企業の利益にかかる税率を低くする手法だ。Appleだけでなく多くのアメリカハイテク企業が多数の巧妙な節税スキーム利用している。Appleはこうした手法になんら違法性はないと主張してきた。

アイルランド政府はこの認定に異議を唱えたが、ECの裁定が覆ることはなく、アイルランド政府は2017年から総額130億ユーロに上る金額を追徴課税せざるを得ないこととなった。

ところが支払はなされなかった。

そこでVestagerは怒り、問題を欧州裁判所に持ち出した。このときVestagerはAppleではなくアイルランド政府を訴えた。

この裁判でもVestagerの主張が維持され、Appleは渋々未納税額の支払を開始した。Appleにとって不運なことに、ここ数年のドル安で決定が行われた当時より支払額は上昇している。Appleは数千億ドルの利益の相当部分をキャッシュで海外に持っている。

EUの各国は2014年にダブル・アイリッシュ、ダッチ・サンドイッチなどと呼ばれる仕組みを違法とするよう強くロビー活動を行った。これと時を同じくして、Appleは海外に持つキャッシュを英仏海峡に浮かぶ小さな島、ジャージー諸島に付け替え始めている。

EUでは税制を大幅に改正し、ハイテク大企業が加盟各国で上げた実際の利益に課税することで抜け穴を塞ごうとしている。これが実現するとハイテク企業は利益を税率の低い国に移して節税することができなくなる。しかしこの税制改革に消極的な加盟国があるため、推進派が望むほどの進捗状況にないのが実情だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

米国国税庁の支払いサイトが、納税期日にダウン

Twitterが短時間止まるだけでも十分なストレスだが、税金の支払いをぎりぎりまで待っていた人たちにとっては、はるかにクラッシュが心配なサイトがある。米国国税庁のオンライン支払いサイトが、納税期日当日にダウンした

トラブルはすでに数時間続いており本稿執筆時点もまだつながっていない。サイトを訪れた人は、大きな感嘆符のついた赤いバナーに「警告:本サービスは現在利用できません。ご不便をおかけして申し訳ありません」と書かれたページに出迎えられる。

このサイトは、当座預金または貯蓄預金からの支払いを専門に扱っている。クレジットカードかデビットカードで払うという回避方法もあるようだ —— ただし、その場合は手数料がかかる。もっとも、2ドルか4ドルで安心を買えるなら払う価値はあるかもしれない。

IRSは、これは技術的ミスによるものでありハッキングなどの不正行為が原因ではないと考えている。締め切り間際の高負荷が理由である可能性もあるが、電子送金サイトにとって納税期日にダウンするのは、ワールドシリーズ第7戦で満塁ホームランを打たれるようなものだ。

「現在問題解決に全力を尽くしているので、納税者は通常通り申告されたい」とIRSのDavid Kautterコミッショナー代理が発表したことをWashington Postが伝えた。同氏は「これはIRSの技術的問題なので支払いの遅れは罰則の対象にならない」ことも付け加えた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

T-Mobile、FCCに4000万ドルの制裁金支払へ――フェイク呼び出し音を鳴らしていた件

T-Mobileは接続が確立していないにもかかわらず呼び出し音を鳴らしていた件でFCC〔連邦通信委員会〕と和解し、4000万ドルの制裁金を支払うことになった。T-Mobileのフェイク呼び出し音は顧客に携帯からの発信が相手先デバイスに接続しているという誤解を与えていた。同社は「長年にわたって数億回も〔偽の呼び出し音を〕鳴らしていた」と認めた。

この問題の背景はこうだ。携帯電話のユーザーが接続の悪い地域に通話を試みると、接続が確立されるまで何秒も待たされることがある。特にキャリヤがその地区をカバーしておらず、通話を地元の別のキャリヤに渡す場合などに顕著になる。T-Mobileもこれを行っていたが、それ自体はなんら問題ではない。辺鄙な場所に電話すると接続に時間がかかることがあるというだけだ。

しかし相手先電話に接続していないにもかかわらず呼び出し音を鳴らし、接続が確立されたかのような誤解を与える行為は禁止されている。これがT-Mobileが2007年からやっていたことだった。ユーザーがダイヤルした後、所定の秒数が経つと、T-Mobileのサーバーは自動的に「ローカル呼び出し音」を鳴らし始める設定になっていた。

これは単に不都合なやり方というだけでなく、2014年以降、はっきり違法になった。この年、FCCはRural Call Completion Orderを制定し、まさにこれ(FCCはfalse audible ringingと呼んでいる)を禁止した。

…発呼側キャリヤがこうした仕組みを採用した理由のひとつは、ダイヤル完了後なにも聞こえない時間が続くことによってユーザーに不安を与えるのを避けるためもあった。その結果、なんらかの理由で相手が電話に出ないのだとユーザーに誤解させることとなった。また通話相手側キャリヤ、あるいは中間のキャリヤに通話失敗の原因があるとユーザーに誤解させる原因ともなっている。

ローカル呼び出し音が禁止されてからユーザー、キャリヤはT-Mobileに対して苦情を申し立てていた。FCCの調査に対しT-Mobileは「この問題は是正済み」と回答していたが苦情は続いた。やがて 禁止が制定された後もT-Mobileは延々規則を破り続けていたことが明らかとなった。というわけで4000万ドルの制裁金で和解という羽目に至った。

T-Mobileは90日以内に(もしまだ止めていないなら)偽の呼び出し音を鳴らすのを止めるようシステムを改善する必要がある。また今後3年間、毎年FCCに対しコンプライアンスの状況を報告しなければならない。同意裁決の全文はこちら(PDF)

画像:Justin Sullivan/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

州間Hyperloop交通システムの実現に向けてHTTと公的セクターが契約

減圧チューブ内を高速でポッドを走行させる輸送システム、Hyperloopの実現に取り組んでいる主要な企業は、HTT(Hyperloop Transportation Technologies)とH1(Hyperloop One)の2社だが、その前者、HTTが州間高速輸送システムの構築に向けて公的セクターから初の契約を得た。

この契約はHTTとオハイオ州北部の経済活動を調整するNOACA(North Ohio Areawide Coordinating Agency)、イリノイ州交通局(IDOT)との間で結ばれたもので、システムの実現性を探るフィージビリティ・スタディーの実施を内容とする。この調査の主たる目的はオハイオ州クリーブランドとイリノイ州シカゴを結ぶ複数の路線についてそれぞれHyperloop建設の可能性を探るというものだ。

HTTではオハイオ州州議会は今年1月にHyperloopの建設促進を決議しているという。またHyperloopによる高速交通ネットワーク建設に連邦政府の補助を求める書簡をいくつかの州から選出された議員が共同でトランプ政権に送った。

HTTのCEO Dirk AhlbornがTechCrunchに送った声明で「れらの動きは民間と公的セクターが共同する最初の例であり、Hyperloopによる旅行をアメリカにもたらすために大きな役割を果たすだろう」と述べている。

HTTはインド、ヨーロッパを含む世界各地で国や自治体とパートナー契約を結んでいる。そのほとんどは計画段階だが、今回の契約は実際の建設に向けて一歩を進めた例だろう。これが他の計画にも追い風になることが期待される。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

アメリカ政府の国民健康調査事業にFitbitのフィットネスデバイスがデータ収集に起用

オバマ大統領は2015年の一般教書で、Precision Medicine Initiative(個別化医療構想)という、疾病と各個人の特殊性との関係を明らかにするための、大規模な研究事業を提案した。昨年、National Institutes of Health(NIH)(国立衛生研究所)はその構想をAll of Usというやさしい名前に変えて、100万名のアメリカ人から匿名の健康情報を得るための登録業務を開始した。

まだ登録数はとても少ないが、しかしこのお役所は今年、プロジェクトのピッチをさらに上げて、Fitbitのフィットネスデバイスを10000個買って参加者に配布することにした。Fitbitは、このプロジェクトのためにNIHから認定された初めてのウェアラブルメーカーで、二つのメジャーなOSに対応していることと、一回の充電で数日使えることがその理由だ。つまりこの研究事業のメニューに含まれている、フィットネスや睡眠追跡の目的によく合っている。

参加者はFitbitの二つの人気製品、Charge 2Alta HRから、どちらかを選ぶ。発表に先駆けてFitbitの健康事業ゼネラルマネージャーAdam Pellegriniはこう語った: “この研究事業には、睡眠や心拍、運動など、個人のライフスタイル情報がとても重要なんだ。うちの器具なら、エネルギーレベルや睡眠、歩行などに関するリアルな標本データを提供できる。しかも、ふつうの日常生活をしている状態でね”。

この、日常性ということが、とても重要だ。つまりこの研究事業は、医療機関の外での、健康への影響要因を知ることが目的だからだ。フィットネスデバイスによるデータ収集は、期間を1年と予定しているが、そのデータによりウェアラブルの使われ方なども分かるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

水は身近すぎて忘れられている問題、研究者たちは将来に備えてネット上の情報共有化を提案

蛇口から出る水は、どこから来ているのだろう? どのようにろ過され、浄化されているのだろう? 1ガロン(約4リットル)の水を利用者に送るために要する市や州の費用はどれぐらいだろう? それはもっと安くできないのか? きれいな水がますます貴重な資源になってくるにつれて、あれやこれやの疑問が自然に湧いてくる。それらの疑問に答えるためには、オープンに共有される‘水のインターネット’(internet of water, IoW)が必要だ、デューク大学とアスペン研究所(Aspen Institute)の研究者たちはそう考えている

干ばつや洪水のような自然災害や、過密都市や工場廃液のような人災、これらの被害者である水系は酷使され無理解にさらされている。各地の行政や公共事業体は、水の使用に関するデータを大量に作っているが、国レベルのデータベースはほとんどなく、国や世界の標準に合ったオープンなデータベースとなると、なおさらない。

“人間と水に関しては、データは多いけど情報は乏しい”、デュークのニコラス研究所のMartin Doyleが説明する。“水のデータがオープンに共有され、みんながよく使うデジタルのプラットホーム〔Google検索など?〕に統合されたら、一般市民が地元の水質を測れるようになり、行政は水に起因する健康危機を早めに警報できるようになるなど、水をめぐる社会状況が一変するだろう”。

それは、ミネアポリスの水道局の人がフェニックスの1ガロンあたりの水道料金を知りたい、というレベルの問題ではない。むしろそれは、有意義なビッグデータがみすみす捨てられていた、という問題だ。視野を広げればより多くのデータが得られ、システムの一部を最適化するための意思決定の質も向上する。マクロとミクロの両方のレベルで。

しかしデータの収集と分析にはお金がかかり、国レベルの情報共有システムともなるとさらにお金が要る。そこで研究者たちの結論は、それをすることのメリットを分かりやすい言葉で説得していくことだ。結局のところ、お金の余裕のない州当局が、既存の実際に役に立っているサービスではなく新奇なデータプロジェクトに数百万ドルを投じるとしたら、そこまでする動機やメリットはなんだろうか?

研究者たちは、水と水のデータが極端に軽視されている、と断言する。カリフォルニアで最近の大規模な干ばつのとき行われたような、既存のデータ収集努力を検分することによって、オープンなデータにアクセスできることの具体的な利点を示せるのではないか、とも期待している。

それでも、こんな状況は、きれいな水の入手にはまったく問題がなく簡単でやさしい、ということを意味しているのではない。水不足や季節変動は、自然資源が今後さらに枯渇し、人口が増加するに伴って、ますます深刻になる。

“有限な水資源に対して需要は成長している。適正なトレードオフを見つけるためには、オープンで誰もがアクセスできるデータが必要だ”、カリフォルニア州水管理委員会のGreg Gearheartはそう語った。

デュークのチームが好んでそう呼ぶ“水のインターネット”は、すべての自治体からの、水に関するあらゆる種類のデータが集まるクリアリングハウスだ。関心を持つ一般市民や、行政府のデータサイエンティスト、それにアプリケーションのデベロッパーなど、誰もがそれにアクセスできる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

プエルトリコ知事、イーロン・マスクに支援を求める――ツイート交換から電力網再建の交渉が始まるか?

ハリケーン・マリアによってプウエルトリコの電力網は事実上壊滅してしまった。これを再建するというのはイーロン・マスクにとってさえ稀にみるビッグチャンスだろう。プエルトリコ知事、リカルド・ロッセロはTeslaのバッテリーと太陽光発電システムによってこの作業に当たる可能性についてイーロン・マスクと話し合いを行いたいとしている。

プエルトリコ政府が所有する電力会社によれば、現在この島でで電力が利用できるのはわずか10%の地域にしかすぎない。一部の地域では電力が復活するまでに4か月から半年かかるという。

イーロン・マスクはプエルトリコの電力網再建に太陽光発電とバッテリーのテクノロジーを利用する可能性についてツイートした。

テスラ・チームは世界の数多くの島でこれ〔電力網建設〕を行ってきた。テクノロジーはスケーラブルで規模に上限はない。ただし決定を下すのはプエルトリコ政府、電力事業委員会、ビジネス関係者、そしてもっとも重要な点だが、地域住民だ。

ロッセロ知事はただちに「では話し合おう」とツイートを返し、最高イノベーション責任者も全面的に支持した( #TeslaTechnologies)。

ではこの話し合いは実際のプロジェクトに発展する可能性があるだろうか?

Teslaはすでに数百基のバッテリー・システムを プエルトリコに送っている。現在Teslaの社員が懸命に据え付け作業をしており、また現地の人々に今後のメンテナンスを指導している。

マスクは過去にもツイートから新たなビジネスを始めた経験がある。サウス・オーストラリア州にバッテリープラントを設置する件はAtlassianのファウンダーでオーストラリア人のMike Cannon-Brookesと3月に交わしたツイートがきっかけだった。この契約は先月発効し、100日間で完工できないとマスクは5000ドルをふいにするという。

マスクが述べているようにTeslaはハワイのカウアイ島やアメリカ領サモアで太陽光バッテリーシステムを建設してきた。

もちろん340万人が住むプエルトリコで想定されるプロジェクトに比べれば、これらははるかに小規模だ。しかしマスクはスケールアップに強い自信を持っているようだ。

画像:: ullstein bild / Contributor/Getty Images

〔日本版〕マスクのツイート中のPUCはPuerto Rico Utilities Commissionとみて訳した。ただしプエリトリコの電力事業の正式名称はPuerto Rico Energy Commission

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

NvidiaがスマートシティプラットホームMetropolis AIでAlibabaやHuaweiとパートナー

NvidiaのスマートシティプラットホームMetropolis AIは、まるでDC Comicsのスーパーマンの漫画にあったような名前だが、実際にはそれはGPUを使用するインテリジェントなモニタリングツールで、渋滞の解消とか、行政サービスの適正配分、迷子の老人や子どもの発見など、さまざまな業務を助ける。このほど同社は、Mtropolisの本格的な普及を目指してAlibabaおよびHuaweiとパートナーし、またMetropolisの一般供用バージョンにはそのSDK、DeepStreamを含めることになった。

Metropolisはビデオを使用し、2020年までには10億台以上の、インターネットに接続されたカメラを世界中の都市に据え付けて、警察や都市計画などあらゆる行政サービスをアシストするデータ分析AIアプリケーションを稼働させる。

Nvidiaは今日北京で行われた同社のGTXカンファレンスで、そんなアプリケーションの一端を紹介した。たとえば中国のHikvision Research Instituteのプロジェクトは、Jetson, Tesla P4, DGX-1といったNvidia製品〔主にディープラーニング関連〕を組み合わせて、顔画像と個人プロフィール情報のマッチングを90%の確度で行う。

こういった監視システムにはオーウェルの‘ビッグブラザー’的な気色悪さがつきまとうが、円滑で安全な都市交通ネットワークのための自動化情報システムが実現するためには、それが必要な第一歩だろう。たとえばAlibabaが考えているのは、都市計画部門における行政サービスの改善だ。またHuaweiなどは、もっぱら警察用アプリケーションに注力している。後者はそれこそ、ビッグブラザー問題を内包するかもしれない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ニューヨーク大学が都市を俯瞰した世界で最高密度LiDARデータセットを一般公開、都市計画図面が3Dになる?

ニューヨーク大学が同大のCenter for Urban Science and Progress(CUSP)から、これまででもっと高密度なLiDARデータセットを一般公開した。このレーザーでスキャンしたデータは上空からのLiDAR機器を使って集められ、1平方メートルをおよそ300の点で構成する従来のふつうのデータセットの30倍の密度で、ダブリンの都心部の1.5平方キロメートルを収めている。

このデータを集めたのはDebra F. Laefer教授と彼女の研究チームで、上空からの屋根のビューと建物の分布のほかに垂直面の情報もあるので、都市景観の3Dモデルを作ることも可能だ。しかもそこには、建物の大小関係や木、電線、電柱、それに化粧屋根の高さなどまで、細部を再現できる、とCUSPは言っている。

これだけの大規模で高品質なデータが誰にでもアクセスできることは、都市計画や都市開発の研究者たちにとって大きな意味を持つだろう。また自動運転車とかドローン編隊などに取り組んでいるエンジニアチームや、感染症の感染経路を調査している人たちなどにも役に立つはずだ。もちろん他のもっといろんな都市で、これぐらいのものが採用されてほしい。CUSPが今回一般公開したのも、そんなねらいからだろう。現に今、ニューヨークで同様のデータイメージングプロジェクトをやることが、議論されている。

このデータセットを使ってできる、クールなことのアイデアがある人は、ここで入手できる。LiDARに関する情報や関連の画像も、セットになっている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

銃撃事件の発生を45秒以内に警察に自動通報するShotSpotterがIPO初日で26%アップ

水曜日(米国時間6/7)に投資家たちは、その日から上場企業になるShotSpotterを温かく迎えた。IPO時に11ドルだった同社の株価は終値が13ドル86セントとなり、約26%上昇した。

ShotSpotterは、環境騒音を無視できるセンサーを利用して、銃による暴力事件の発生を警察に教える。それは、引き金が引かれてから45秒以内に通知するという、高度な技術だ。

今それは、ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコなど約90の都市で利用されている。ShotSpotterの推計では、発生する銃暴力事件の80%は警察に通報されない。そこで全世界の自治体に対して同社は、同社の技術が犠牲者を減らす、と説得に努めている。

CEOのRalph Clarkによると、暴漢を捉えることだけが目的ではなく、犯罪の発生を抑える効果もある。“警察が黙っていると銃暴力が日常化する”、と彼は主張する。

ShotSpotterの収益は、自治体が同社に払う年会費だ。IPOの申請書類によると、昨年の売上は1550万ドル、その前は1180万ドルだった。しかし同時期に損失は、620万ドルから690万ドルに増加した。

そのためかIPOの規模もささやかで、わずか3000万ドル強を調達できただけだ。お金の一部は、借金の返済で消える。

でも同社は、今後もっと多くの都市が採用することに関して、楽観的だ。なぜなら、Clarkによると、“銃暴力はアメリカでも世界でも大きな問題”だからだ。“今後も、顧客の成功に投資していきたい”、と彼は語る。

大株主は、Lauder Partners, Motorola Solutions, そしてClaremont Creek Venturesだ。カリフォルニア州マウンテンビューの同社は、これまでに6700万ドルあまりを調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、米国の先進的製造業の職の拡大に10億ドルのファンドを組成

昨日(米国時間5/3)、CNBCのJim Cramerとの対談でAppleのCEO、ティム・クックはアメリカにおける先進的製造業における職を拡大するために10億ドルのファンドを組成したことを明らかにした。

この決定にはトランプ大統領も大賛成だろうが、Appleがこのプロジェクトを準備し始めたのは大統領選よりはるか前だった。以前からAppleはアメリカにおけるハードウェア製造に投資している。テキサスのMac工場についてはTechCrunchが去年レポートしている。また2013年にAppleは “メイド・イン・USA”として Mac Proを紹介した。これはアメリカ上院のキャンペーンより前のことだ。.

ファンドの組成の発表はやや微妙な四半期決算の発表の直後に行われた。この決算発表では iPhoneとiPadのセールスは予測に届かなかったが、サービスからの収入はアップしており、中国における売上も好調だった。中国市場はこれまでも長くアメリカ企業にとって試練が待ち受ける市場だった。

CNBCのインタビューで、クックはAppleこのファンドからの最初の投資について今月中にも明らかにすると述べた。こうした投資の詳細はまだ不明だ。投資先やこの投資によりファンド、最終的にAppleがどのような利益を得る仕組みなのかについても判明していない。

コンピューターとエレクトロニクスの製造分野にける失業率は平均に較べて低く、2016年12月の労働統計局の数字では 2.2%だった。しかしアメリカでこの分野に従事する労働者数は2007年以来、減少傾向だ。製造業全体ではアメリカの労働力の約9%が従事している。

DeloitteとManufacturing Instituteによる労働者のスキル・ギャップに関する調査では、技能ないし高度な技能を必要とする製造業の職に関する応募者に関して、アメリカのメーカー各社の80%で「中程度の不足」ない「し深刻な不足」を経験しているという。

画像:Justin Sullivan/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

アジット・パイFCC委員長、ネット中立性について今週、講演予定

FCC〔連邦通信委員会〕のアジット・パイ(Ajit Pai)委員長がインターネット中立性問題に関して手の内を見せるようだ。Reutersの記事によれば、パイ委員長は「インターネット規制の将来」について水曜日(米国時間) に講演する予定だ。

TechCrunchはFCCに委員長の講演が行われることを確認したが、講演のテーマは公式発表されていないという。パイ委員長はバルセロナで開催されたMWCでこれまでのFCCのインターネット規制のアプローチに関して「強権的で古臭いやり方」だったと批判していた。

Broadband Privacy Rule(ブロードバンド・プライバシー規則)はFCCが自ら廃止しなくても Congressional Review Act〔議会審査法〕によって無効とされる可能性がある。またFCCのゼロ・レーティングに関する調査の中止も、そもそもこの調査自体が強制力のないものだった。しかし2015年のOpen Internet Order〔オープン・インターネット指令〕はFCCのインターネット規制の根拠となる重要な命令であり、無造作にしまいこめるような存在ではない。今週予定されている講演はFCC委員長が2年前にFCCが獲得したネット通信に対する規制を撤廃する計画を公に説明する最初の機会となる。

これまでに明らかにされたパイ委員長の姿勢から推測できるのは、パイ委員長はトム・ウィーラー前委員長の政策に反対であり、インターネット・サービスをタイトルII〔電気通信サービス〕ではなく、タイトルI〔情報サービス〕に分類すべきだと考えているという点だ。

パイ委員長はタイトルⅡを根拠とする前委員長の方針を違法だとしており、インターネットの規制に関してFCCは権限を逸脱していると批判している。もしパイ委員長がインターネットに関するタイトルⅡの権限を正式に否定するなら、ネット中立性に関する規則は事実上効力を失うことになる。つまり法律があっても警察がない状態のようなものだ。おそらくはその代りに別の(願わくばより優れた)規則が制定されるはずだが、それには数ヶ月かそれ以上かかるのが普通だ。その間、ネット中立性に関しては強制力のある規則がない状態となる。

仮にこうしたアプローチが取られるとしても、インターネット中立性問題に関する指令の無効化にはプライバシー規則の撤廃などよりはるかに時間がかかり、多大の準備が必要となるだろう。プライバシーに関する規則にしても、まだ無効化は効力を発揮しておらず、依然としてCongressional Review Actの適用を受ける可能性ある期間内だ。

パイ委員長が講演するイベントはFreedomWorksの主催だ。これは右派リバタリアン系の組織でオバマケアの撤廃を主張したことがある(この団体は自サイトでTechCrunchのイラストのいくつかを無断で使用しているのでひょっとすると著作権にも反対しているのかもしれない(もちろん単なる不注意かもしれない。問い合わせ中だ)。

なおSmall Business and Entrepreneurship Councilもイベントの共催者だ。この協議会もBroadband Privacy Ruleの撤廃を含めて最近のFCCの政策には全面的に賛成している。両組織にコメントを求めてあるので、なんらかの回答があればアップデートする。

画像:Tom Williams/CQ Roll Call/Getty Images

〔日本版〕Congressional Review Actにより、議会は連邦行政庁の規則、命令に関して上下両院共同の反対決議を行うことができ、行政庁が一定期間内に決議の趣旨に沿った新たな規則等を制定しない場合には自ら無効化できる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

FCCは乗客が飛行中に携帯にがなりたてることを望まず

FCC〔アメリカ連邦通信委員会〕は商用航空路線の飛行機の中で乗客が携帯電話に向かってがなり立てることを望まないことを明らかにした。 FCCのアジット・パイ委員長は飛行機の中では静寂が確保されるべきだと考えている。パイ委員長はアメリカ人の大半も同じ意見だと確信している。パイ委員長はFCCに対し、飛行中の携帯電話による音声通話を解禁する2013年の計画を最終的に破棄するよう命じた。

念のために断っておくと、これは飛行中にモバイル・デバイスを利用することとは無関係だ。厳密に音声通話のみに関する禁止だ。パイ委員長の公式(私的感情も混じっている雰囲気だが)声明は以下のとおり。

アメリカの航空機のパイロット、客室乗務員、乗客の大半は飛行中に携帯電話の使用を認めようとする計画に反対だと思う。2013年に始まったこの誤った案をFCCがこれ以上検討することは公衆の利益に合致しないと信ずる。アメリカ人は、私と同様、1万メートルの上空では静寂が尊重されるべきだと考えているはずだ。規制緩和案を最終的に破棄することはアメリカの公衆の勝利だ。

パイのFCC委員長としての通信政策に関して賛否の議論があるのは事実だが、この決定ばかりは誰もが賛成するだろう。最初に規制緩和案が発表されたときから反対の嵐だったが、その後もさして変化はなかったはずだ。

画像:: Francisco Rama / EyeEm/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

トランプ大統領、連邦政府改革の新組織創立―アメリカン・イノベーション・オフィスの責任者はクシュナー

ドナルド・トランプ大統領はこの月曜日、ホワイトハウスにOffice of American Innovation〔アメリカン・イノベーション・オフィス〕を新設することを発表した。責任者には大統領の側近であり長女イバンカ・トランプの夫であるジャレド・クシュナーが就任する。これによりクシュナーは連邦政府の組織、運営手続きの改革全般に関してきわめて強力な立場を得ることになった。Washington Postによれば、改革にあたってはビジネス・コミュニティーの意見が取り入れられ、一部の業務は民営化も検討されるという。

クシュナーの新組織は岳父であるトランプ大統領に直属する。スタッフはビジネス・コミュニティーから集められ、アドバイザーとして有力なテクノロジー企業のトップが参加する。これにはAppleのCEO、ティム・クック、TeslaとSpaceXのイーロン・マスク、Salesforceのマーク・ベニオフ、Microsoftのファウンダー、ビル・ゲイツ、IBMのCEO、ジニ・ロメッティらが加わる。

一部のジャーナリストテクノロジー企業のトップはさっそく非難を始めている。

政府にたかる泥棒を拡大するためだけの方針だ

新オフィスの創設は 連邦政府の諸機関は膨張し過ぎており、議会や州の介入を受けすぎているという大統領の側近グループの主張に応えるものだろう。、またオバマケアを廃止しようとするAffordable Care Acが下院で否決された打撃を軽減し、政策の決定権を議会からホワイトハウスに奪い返そうとする試みの一つだろう。

Washington Postに対してトランプ大統領は次のように述べた。

すべてのアメリカ人は、政治的立場に関わりなく、連邦政府機関がスタグネーションにより機能不全に陥っていることをみとめざるを得ないはずだ。 …これが各所でコストの膨張と計画の遅延をもたらしている。あらゆる政府事業に関して『締め切り以前に予算以下で達成する』という態度をもたらし、結果を出していくことを私はアメリカ国民に約束する

クシュナーは 36歳であり、これまでに公職に就いたり政策決定に関与した経験は皆無だが、過去に例のないほど大統領に密着した側近として知られている。クシュナーはWashington Postに対し、「アメリカは優れた民間企業のように運営されるべきだ。顧客はアメリカ国民だ」と述べた。

これにも反対派Twitterで強く批判している。

ジャレド・クシュナーは定見も経験もないことを知っている。政府にはすでにUS Digital Serviceや18Fのようなプロジェクトがある。邪魔なだけだ。

大企業のトップに政府改革のアドバイスを求めれば、これらの大企業が政府から新たな契約を得たり民営化により新たなビジネスに参入するチャンスとなることは明らかだ。

クシュナーはWPに対して、優先事項の一つは退役軍人省の抜本的改革だと述べた。同省については新任長官は就任を前にして早くも民営化を提案しているが、これは複数の退役軍人組織から非難を浴びている。【略】

Washington Postの記事をさらにチェックすると巨大テクノロジー企業のトップが関与することの意味がはっきりしてくる。つまりあらゆる政府機関の改革のイニシアチブの内容には情報テクノロジーやデータ・インフラの現代化が含まれるという。またアメリカ全国民にブロードバンド接続を届け、あらゆる部門での職業訓練の手法の見直しが行われる。

これらはすべて新しい政府契約や大規模な民営化に伴うビジネスチャンスになるわけだ。その権力が大統領の女婿の手に握られることになった。

ホワイトハウスの新組織はジャレド・クシュナーの権力を連邦政府機関すべてに広げる

テクノロジー・インフラの改革に加えてクシュナーのいわゆる「SWATチーム」はヘロイン中毒などの問題も扱う(共和党の元ニュージャージー州知事、クリス・クリスティーが責任者)。

トランプ大統領のチームは驚くほど素早くかつ大規模にビジネスのリーダーの意見を取り入れつつある。Dow ChemicalのAndrew Liverisによれば、新たに任命された行政機関の責任者は出身母体の企業に種々の助けを求めているという。

新組織のメンバーには、国家経済会議(NEC)のメンバーでGoldman Sach出身の富豪、Gary Cohn、 MicrosoftやGMでCFO(最高財務責任者)を務めたChris
Liddell、一族が所有する不動産業を通じてハイテク・カジノやショッピングモールの開発を経験しているReed Cordish、ジョージ・W・ブッシュ政権でホワイトハウスと国務省の高官だったDina Powell、同じくブッシュ任命の高官、Andrew Brembergなどが含まれる。

WPの記事によれば、クシュナーの妻で大統領の長女、イバンカ・トランプも新組織のスタッフとして協力するという。【略】

しかしTwitterでは新オフィスについて「オバマ政権の提案に驚くほど似ている」と指摘する声もあがっている。

クシュナーが運営する組織だが…オバマがすでにそっくりの提案をしている。

画像:: Justin Sullivan/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+