Google Appsの使い方を対話形式で教えるSynergyseをGoogleが買収、サービスの無償提供へ

synergyse-blur

Googleが、Google Apps for Workの使い方教育を対話方式で提供するSynergyseを買収した。トロントの同社は、Googleの元社員たちが2013年に創業した。同社のサービスSynergyse Training for Google Appsを今後Googleは、Google Appsの顧客に無料で提供する。

買収の価額などは公表されていない。CrunchBaseによると、Synergyseはこれまで外部資金を導入していない。

Google Apps for Workの使い方なんて、本誌読者には簡単と思えるかもしれないが、実はこの種の教育訓練の需要はかなりある。Synergyseによると、これまで同社はおよそ3000の企業団体の400万あまりの人びとに、教育訓練を提供してきた。Google Appsの教育訓練サービスとしては、たぶん同社が最大だろう。

animation-new-chrome1

Googleによると、この教育訓練プログラムを利用している企業は、Apps中のより幅広いプロダクトを採用している(他社に比べ35%多い)という。

Synergyseは、同社の大飛躍(incredible journey)についてこう言っている: “Google Appsのチームに参加することによって、われわれのミッションを加速できる。なぜなら、Google Appsを実際に作っているチームと密接に仕事ができるのだから。ミッションをより迅速に進められることはSynergyseのチームにとってすばらしいことであり、われわれの前進とともに顧客も直接、利益を得ることができる”。

SynergyseのサービスはこれまでもGoogleのCloud Platformを利用しているから、Googleのサービスとの統合も比較的容易だろう。

Googleによると、同社プロダクトへのSynergyseの統合は今年後半になる。既存の顧客はサービスを使い続けることができ、新規の顧客はChromeのエクステンションを無料でダウンロードできる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

教員向けの「Minecraft: Education Edition」は5月にベータ公開

minecraft-education-edition

今年1月、MicrosoftはMinecraftへの投資を拡大することを発表した。Minecraftは、同社が2014年に25億ドルで買収した人気のゲームで、新しいバージョンは教室で先生が使うことを目的にしている。今日(米国時間4/14)Microsoftは、“Minecraft: Education Edition” のベータ版を5月に提供開始すると発表した。

Microsoftによると、ベータプログラムは世界30ヵ国の100以上の学校で行う予定で、参加者は教室内でプログラムをテストできる。学校側は詳細なフィードバックを送り、Microsoftが一般公開前に改善する手助けをする。

その後6月にMicrosoftは、「アーリーアクセス」プログラムを開始し、教師はフィードバックを送ることを条件に、Minecraft Education Editionを無料で利用できる。この時点でソフトウェアは11言語、41ヵ国に対応する。同プログラムは夏まで続けられ、並行してMicrosoftはこれらアーリーアダプターらと協力して、授業プランを作ったり、学習活動のアイデアの共有、再利用可能プロジェクトの作成等を行う。

アーリーアクセスプログラムが終了すると(正式な日付は未定)、Minecraft: Education Editionのユーザーラインセンスを、直接あるいは一括ライセンスチャンネルを通じて購入できるようになる、とMicrosoftは言っている

既にMicrosoftと契約を結んでいる学校や学区は、年内に現行ライセンスにEducation Editionのライセンスを追加できると、Minecraft: Education EditionのFAQに書かれている。教師はオンラインで購入することもできる。大規模機関のための一括ライセンスもある。

これらの計画および価格については今後発表するとMicrosoftは言っている。

また同社は、Minecraft: Education Editionは、最新OSのWindows 10およびMac OS X El Capitanで動作することを確認した。教師と生徒は、学校または学区のメールを使って、無料のOffice 356 教育アカウントに登録する必要がある。

覚えている方もいるだろうが、Microsoftの教室版Minecraftの計画は、学習ゲームメーカーTeacher Gaming LLC買収に続くものだ。同社は教師向けのゲーム、MinecraftEduを作った。ゲームには、教師がMinecraftを使ってSTEM、歴史、言語、美術等をすべてゲームを通じて教えるための授業プランのライブラリーがついてくる。Microsoftは今年、同社を非公開の金額で買収した。

Minecraftを教室へと拡大する動きには、既に多くの学校がカリキュラムの一環としてこのゲームを使っているという背景がある。Microsoftが1月に公表したように、現在世界40ヵ国以上7000以上の教室で、生徒たちがMinecraftを使っている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

学校や校区の管理者を助けてスケジュールの余裕を作り出し、多様な教育活動の展開を可能にするAbl Schoolsが$4.5Mを調達

abl_schools_team

Yammerの協同ファウンダーでCTOだったAdam Pisoniが1月に、彼が新たに創ったエドテック(edtech)スタートアップのために、最初の外部資金として450万ドルをひそかに調達していた。今週彼は、そのAlways Be Learning Inc.、略称/愛称Abl Schoolsについて、詳細を語った。

今の合衆国のエドテックスタートアップは、AltSchoolD.Tech Academyなどのように学校そのものを作る場合以外は、教室で使うものを作っているところが多い。たとえば、親と教師のためのコミュニケーションアプリ、カリキュラムや成績表や、テスト、授業等々のデジタル化などだ。

サンフランシスコのAbl Schools(エイブル・スクールズ)は、学校の管理者が自分の学校のマスタースケジュールを作ったり調整するための、クラウドベースのソフトウェアを開発している。

スケジューリングとリソース配分を助けるソフトウェアがあれば、学校は費用と時間を節約し、究極的には、学校が児童生徒のニーズにより密に適応できるようになる、とPisoniは語る。

目下開発中のAbl Schoolsアプリケーションは、まず、校長や教育長などが自分の学校/校区内のリソースを正確に把握できるようにする(教師や指導員、カウンセラーなどの数、氏名、特質、連絡先など)。さらにこのアプリケーションは、管理者が教育者のスケジュールを作り、児童生徒のニーズやその変化に対応する各種のコースや活動の計画を、そこに適切に盛り込めるようにする。

Pisoniが技術者としての彼の能力を教育の分野に投ずる気になったのは、彼自身が高校をドロップアウトした経験がその背景にある。

“ぼくはフェニックス郊外のふつうの住宅地で育ったが、学校はとても退屈で、こんなの時間の無駄だ、と感じた。だから、学校へ行くのをやめた。成長期は人生のいちばん重要な時期だから、それを子どもたちに合ってない‘教育’で浪費するのはまずい。とくに公立校は、慢性金欠のために、効果的な教育活動ができない場合が多い”。

PisoniによるとAbl Schoolsの技術は、人手の少ない病院で医師看護師等と患者との接触を改善し、患者への配慮や注意が行き届くために利用されているソフトウェアに似ている、という。

Abl Schoolsが意図しているのは、まず、校区の教育長や学校の校長に、可利用な人的資源をこれまでどれぐらい有効利用してきたか、に関する報告書を提出すること。そして、校区や学校のスケジュールをどのようにすれば、地域社会が求め、児童生徒が必要としている活動を展開できるための余裕を作り出せるか、についてヘルプを提供することだ。

教育専門のファンドOwl VenturesがABLへの投資をリードし、これにそのほかの教育投資企業Reach CapitalFirst Round Capitalが参加した。

Owl VenturesのJed Smithによると、彼がABLに期待するのは、今度の資金を使って選ばれた学校や校区とのパイロット事業を行い、“概念実証”を得ることだ。

“教師の時間利用の実態に関する情報と、児童生徒の学習効果に関する情報を結びつけることができれば、学校や校区の管理者にとって非常に強力なツールになる”、とこの投資家は語る。“しかしこのソフトウェアは、スケジューリングの時間と労力を節約し、付箋紙やホワイトボードを使うフラストレーションから学校管理者を解放するだけでも、十分な買い物価値はある”。

Smithによると、OwlがAbl Schoolsを支援するのは、Pisoniのこれまでの業績を評価しているからでもある。

Slackの前までは、Yammerが人気最高の企業内コミュニケーションツールだった。Microsoft傘下となった今でもその成長は続いており、Microsoftは12億ドルを投じたYammerの買収を2012年7月に完了した。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

BBCのmicro:bitは子どもたちがプログラミングを楽しむためのマイクロコンピュータボード、学校への配布がやっと始まる

microbit

イギリスの子どもたちをプログラミングの世界に誘いこむための小さなコンピュータが、構想から半年を経た今日(米国時間3/22)やっと、学校に配布される。

micro:bitは、発表されたのが1年前だ。イギリスの放送局BBCには公益事業としての設立趣意書があり、その中には「教育」も目的として掲げられている。すなわち超小型コンピュータmicro:bitは、BBCの教育事業の一環として構想されたプロジェクトだ。放送局がコンピュータのハードウェアに手を染めるのはちょっと異様にも思えるが、実はBBCには、1980年代のBBC Microという前歴がある。

BBCは、micro:bitで“新しい世代がプログラミングを書き、構想し、デジタル技術と親密に触れ合う”ことにより、クリエイティブな人間になることを期待している。今は80年代と違ってモバイルコンピューティングデバイスが氾濫しているが、その上でDIYのプログラミングを楽しめる機種はほとんどない(ただしRaspberry Piマイクロコンピュータで成功しているイギリスは、他国よりは抜きん出ているが)。

BBCは昨年、2015年の秋には100万台のmicro:bitをイギリスの11歳の学童に贈る、と発表した。しかし時期は大幅にずれ込んで、学期半ばの今になってやっと、子どもたちの手に渡ることになった。そのため、その教育効果を心配する声もある。とくに先生たちはすでに、今年の授業計画を作ってしまっているからだ。

このmicro:bitプロジェクトは、パートナーの数が30社近くと、ものすごく多い。その中には、ハードウェアのメーカーやソフトウェアのメーカー、小売企業、教育機関など多様な顔ぶれがいる。船頭が多すぎたことが、遅れの原因かもしれない。

最初のロットを学童たちに手渡したあとは、BBCによると、 micro:bitのライセンスを管理する非営利団体を作り、そこが、micro:bitの製造を希望する企業にライセンスを提供していく。最初の3年間で500万台を売ったRaspberry Piの大成功を見ても、教育目的の‘クリエイティブコンピューティングデバイス’には。将来ますます需要がある、とBBCは考えている。その方面のスタートアップたちも、すでに登場している。

学校での展開に続いて、BBCの構想では、ハードウェアの仕様とmicro:bit用のソフトウェアの多くをオープンソースにし、デバイスはいろんなお店から買えるようにする。そして得られた販売利益は、“さらにもっと多くの人びとが‘プログラミング革命’に参加していけるための”企画に投入する、とBBCは言っている。

micro:bitのボードには、2列のLEDの集合、2つのプログラマブルなボタン、動きを検出するための加速度センサー、方位計(コンパス/磁石)、Bluetooth端子、そのほかの多様なI/O端子の集合がある。子どもたちが、自分がやってみたいいろんなデバイスやセンサーをつないでプログラミングできることを、ねらっている。プログラミングは子どもたちの新しい遊びである、というコンセプトだ。とても小さなボードだから、ウェアラブルにも十分挑戦できる。

また、micro:bitにはお助けWebサイトがあり、そこがいろんなコードエディターやチュートリアル、指導ビデオなどを提供している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

‘すべての児童生徒をテクノロジー・リテラシーにしたい’、littleBitsの新教材キットをニューヨーク市教育局が採用

本誌TechCrunchではみんな、littleBits好きだ。昨年4420万ドルを調達した同社は、子どもたち(と大人たち)にプログラミングとエレクトロニクスを教え、学んだスキルで彼らがクリエイティブになれるための、さまざまなキットを提供している。

同社は今日(米国時間3/8)、同社の最初のSTEAMキットを発売した。STEAMは、STEMに”Arts and Design”(アートとデザイン)を加えた新造語で、既製の基礎学科に、さらに発明やデザインというクリエイティブ要素を加えた概念だ。今はまだ予約販売の段階で、価格は299ドル95セント、発送は4月22日だ。

このキットは同社のGizmos & Gadgetsなどと違ってもっぱら学校教材をねらっており、これをクラスで利用してみたい先生たちのためのコースも、すでにある。

キットには72ページのInvention Guide(発明ガイド)が含まれていて、それを参考に児童生徒は自動運転車の自分独自のバージョンや、日常の習慣を追跡する装置、物を投げるアームなどなど、いろんなプロジェクトに取り組める。

このキットを構成するパーツは19点、中には、ライト、温度センサ、ブザー、サーボモータ、LEDなどがある。アクセサリは49種、USBアダプタや、ホィール、サーボマウントなどだ。

large_1e9073af-9f17-45e4-aed4-19261bc42ff0

300ドルもするこのキットは、家庭でlittleBitsを始めるためのキットとしてはたぶん適していない。99ドルのベースキットが、そのためには最適だろう。しかし学校では、何でも入っているこのキットが、何でもトライできて楽しめる教材として適している。

littleBitsのファウンダーでCEOのAyah Bdeirが、今日の発表声明の中で言っている: “すべての児童生徒たちに、テクノロジーのリテラシーと問題解決能力と自分の発明を実際に作れるための技能を持ってもらいたい。それは、障害者を助けるデバイスでもよいし、アーケードゲームや新しい家庭用品でもよい。私たちは先生たちと一緒になって、技術的素質のあるなしを問わずクラスの全員がSTEMやSTEAMの技能を身につけ、斬新な作品やみんなが楽しめる作品を作り出せるための方法を、提供していきたい”。

同社によると、ニューヨーク市の教育局がこのキットを、今年の夏に行われる2〜5学年のための市主催STEM事業のために採用した。

2016-03-08_0952

[原文へ
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

コーディングブートキャンプが大学の(誰もが受講する)標準課程になる三つの理由

16029420669_5991f63908_k

[筆者: Drew Sing](エドテック(edtech,テクノロジー応用教育)分野のコンサルタント)

それは最初、それまでの大学教育に代わるもの(オルタナティブ)として始まった。それが今や、全国の大学の注目を集めている。

コーディングブートキャンプ(coding bootcamp, プログラミング特訓コース)は、終了者が企業ですぐに実践的な戦力になり(==job readiness, ジョブレディネス)、しかも比較的高給であることが関心を招(よ)んで、学生たちと中途転職者たちのトレンディな話題になっている。しかしコーディングブートキャンプに関心を示しているのは、これら就活者たちだけでなない。

大学もコーディングブートキャンプの成功に目をつけ、テクノロジー方面における、学生たちの効果的なスキルアップの方法として、その利用を検討し始めている。

今コーディングブートキャンプはとくに、Webデベロッパーになりたい人たちのための、教育の高速車線になっている。最初それは、今日のテクノロジー経済において、有能なWebデベロッパーの需要を満たすために作られたが、そういう一種のニッチ産業が今では、一般的全般的な高等教育の分野で増殖し、今や大学のコンペティタとも見なされている。コーディングブートキャンプは今では、プログラマーばかりでなく、データサイエンスやアナリティクスなど、そのほかの需要の多い技術分野の人材も、育てている。

Course Reportによると、2015年にはコーディングブートキャンプの市場が前年の2.4倍に成長し、推定卒業者数は16056名となった。対して2014年のコンピュータサイエンスの学部学生数は推定48700名だった。

学位を与えることを目的とする従来型の大学が、経済が求めるスキルの教育に特化したコーディングブートキャンプの価値を今や理解し始めているから、2016年の教育には大きな変化が訪れるだろう。

今大学は、コーディングブートキャンプに関して、主に次の三つのことをやっている:

ブートキャンプと大学のパートナーシップ

大学は今、コーディングブートキャンプ(の専業企業)とパートナーして学生たちに、これまでよりも多い技術教育を与えようとしている。

フロリダ州ボカラトンのリベラル・アーツ校Lynn Universityは、General Assemblyの大学が認めたコースの習得を、正規の履修証明(単位取得科目)に含めている。たとえばLynn Universityは、昨年9月に7000万ドルの資金を調達した技能ブートキャンプGeneral Assemblyの、16週のコースを終了した者に、一学期ぶんの履修証明を与えている。今現在はその制度を利用する最初の学生たちが、General Assemblyのコースを受講しているところだ。

雇用者が肯定的に認める大学とブートキャンプ的な教育訓練のセットが、一部の学生たちにアピールしている。

Lynn Universityの副理事長Gregg Coxはこう述べる: “学生たちが、労働市場が求めているスキルをすでに持っていることが重要だ。学生たちの全員が将来プログラマーになるわけではないが、今日の世界では、その技術を有することはどんなキャリア(職業的進路)にとっても有益である”。

Lynn Universityは、コーディングブートキャンプとパートナーした初めての大学ではない。昨年はミネソタ州セントポールのConcordia Universityが、コーディングブートキャンプThe Software Craftsmanship Guildとパートナーした。2013年には、合衆国の8つの都市でWeb開発とデータサイエンスをブートキャンプしているGalvanizeが、University of New Havenとパートナーしてデータサイエンスの修士課程を提供した。

大学が自力でコーディングブートキャンプをローンチしている

至近の3か月で、Northeastern, RutgersおよびUniversity of Central Floridaなどの大学が、ブートキャンプ屋さんとパートナーしないことを決定した。その代わりに彼らは、大学自身が作った独自のブートキャンプをローンチすることにした。

たとえばNortheasternのLevelプログラムは、学生たちにデータ分析の基礎を教える8週間のブートキャンプだ。今同大学は、この事業の第二期生をボストン校で教えており、最近はシアトル、シャーロット、シリコンバレーの3地区でもローンチした。

Level事業の創立ディレクターNick Ducoffによると、“Northeasternは全米のトップ50の大学の中で、初めてこのような没入的な学習事業を導入した。学生たちは、われわれのブートキャンプにはNortheasternの高い教育的クォリティがある、と感じて安心している”のだそうだ。

Rutgers Universityも昨年の10月に、独自のコーディングブートキャンプを発表した。それは今年の4月25日に開講する。University of Central Floridaは、3月の終わりに24週のコーディングブートキャンプをスタートする。

大学はブートキャンプとパートナーするのか、それとも独自の事業を開発するのか、あるいはブートキャンプではない別のやり方を見つけるのか?

Whartonを卒業したEdward LandoとAbhi Rameshは、在学中に、学部学生とMBAの学生たちにはプログラミングのスキルを提供する必要がある、と痛感したため、自分たちの母校である大学のためにブートキャンプ的なコースを開発した。そのコーディングブートキャンプは、University of Pennsylvaniaの夏休みを利用して、従来の夏季インターンシップと等価なオルタナティブを提供する。今後学生たちはプログラマーになり、テクノロジーのキャリア獲得に必要なスキルを、さらに深く幅広く理解していくだろう。

このような、最近の大学のブートキャンプは、正規の履修証明を与えるものと、そうでないものとの違いがある点が興味深い。

しかし履修証明(単位付与)のあるなしに関わらず、雇用者が肯定的に認める(ブランドイメージの高い)大学とブートキャンプ的な教育訓練のセットが、一部の学生たちにアピールしている。コーディングブートキャンプによる教育を提供するために必要なリソースは大学にすでにあるが、学生たちに要求しているものの内容やレベルは大学によってまちまちだ。それら大学独自のブートキャンプは、コーディングブートキャンプ専業企業のHack ReactorDev BootcampBlocなどと競合することになるので、大学ごとの方針ややり方の違いを見定めることが今後は重要だ。

合衆国教育省からの支援

2015年10月14日にオバマ政権は、EQUIP(Educational Quality through Innovative Partnerships, 革新的なパートナーシップによる教育のクォリティの向上と確保)と名づけたパイロット事業を発表した。

大学がこの事業への参加を申し込み、EQUIPのパートナーシップを認められると、コーディングブートキャンプ(専門企業)やMOOC(Massively Open Online Course, CourseraUdacityなど)とのパートナーシップを助成され、また参加する学生への学費援助と履修証明が与えられる。この2つのレベルの支援は、これまでのコーディングブートキャンプ(専業企業と大学自身どちらも)が提供できなかったものだ。

このパイロット事業は、ブートキャンプ教育に大きな変革をもたらすかもしれない。これまでのブートキャンプ専業企業は、政府からの財政的援助や大学の正規の課程としての認可を、得られなかったのだ。援助があれば企業や大学が奨学金制度を設けたり、単なる課程終了証明だけでなく、より具体的な就活に結びつける事業展開も可能になる。

大学は2015年10月14日以、EQUIPに申し込めるが、認可された大学が今度は、いくつかの高等教育機関に対する、彼らに合った独自の教育訓練計画を提供していくこともできる。

まだEQUIP認定の大学や学校は発表されていないが、中学は申し込みの締め切りが2015年12月14日とされている。教育省が申し込みを審査するのに時間がかかるだろうから、発表は年内のいつか、となるのかもしれない。

大学がコーディングブートキャンプに関心を持ってくると、今度は各大学の教え方の違い、そして学生に現れる成果の違いが出てくるので、どうやればうまくいくか、という研究が重要になる。

大学はブートキャンプとパートナーするのか、それとも独自のブートキャンプ事業を開発するのか、あるいはもっと幅広いSTEM職業と技能を目指す学生たちのために、ブートキャンプではない別のやり方を見つけるのか?

独自方式にせよ、ブートキャンプ企業とのパートナーシップにせよ、まだやってる大学はそんなに多くないから、学生と大学の管理者の双方が、今やっている彼らをよく見て学ぶことが重要だ。

ブートキャンプの導入に、大学によってスピードの差が生じるのには、いくつかの原因がある。学部の積極性や認可の手続きなど。最初の手始めは、履修証明とは関係のない、気軽な形でやるのが良いかもしれない。大学は今でも高等教育の黄金律だが、学生たちの卒業後の進路をより安定的なものにするためには、今、優れたコーディングブートキャンプが実現/実証していることを、大学は真摯に受け止めるべきである。

もうすぐコーディングブートキャンプは、“出るべきか出らざるべきか?”の域を後にするだろう。大学がそれに積極的に関与していくことにより、未来の学生たちは、“どの大学のブートキャンプが自分の高等教育のニーズにいちばんフィットしているか”、と問うようになるだろう。言い換えるとブートキャンプと呼ばれる実学を学生が履修することは、どの大学でも標準の課程になると思われる。

※参考写真: DEV BOOTCAMP/FLICKER(CC 2.0のライセンスによる)

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

アメリカのスキル危機を解決する鍵は必修一般教育へのコンピュータサイエンスの導入だ

shutterstock_195367244

[筆者: Linda Moore](政策および政治に関する超党派ネットワークTechNetの議長でCEO。)

合衆国はグローバルな競争力において危機に直面しており、対策が講じられなければその危機が、私たちの国を今後数十年間にわたり、戦略的に不利な立場に置くだろう。わずか数年後には、国民のスキル不足により、180万の求人が満たされないまま放置されることになる。それは十分な数の個人が、必要とされる技術的技能に関して、訓練されていないからだ。

40億ドルをコンピュータサイエンスの教育に投ずるというオバマ大統領の予算案は歓迎すべき一歩だが、しかし率直に言えば、この根本的な問題を解決するためには、国をあげての戦略を必要とする。今日では、10の学校のうちわずか1つにプログラミングのクラスがあるが、これを変えなければならない。

本誌主催の表彰制度Crunchie Awardでもっとも社会的影響力が大きかった賞を取ったCode.orgのような団体が、この問題に真剣に取り組み、児童生徒たちにプログラミングを教えているが、私がここで指摘している国家レベルの問題は、政府と非営利組織と民間(私企業等)三者の、公私両方から成るパートナーシップを必要とする。

では、私たちは、国としてあるいは国民として、この問題にどのように対処していくべきか?

第一に、アメリカのすべての中等学校が、コンピュータサイエンスを必須学科とすべきである。そしてそれらのクラスは、今の高卒資格に必要とされている中核的な科学と数学を学科の一部として含むべきである。また、充実した持続的事業により高能力なコンピュータサイエンス教師を訓練し確保しなければならない。生徒たちはテクノロジーを利用するだけでなく、それを実際に自分で作って動かす技術も習得する必要がある。

コンピュータサイエンスは子どもたちを問題解決者とイノベーターに育てる。

第二に、コンピュータサイエンスの教育は、若い女性たちや、社会的不利益を被りがちなマイノリティも含め、すべての児童生徒に等しく提供されなければならない。メンタリング(mentoring)とプロジェクトの実体験を含む教育課程が、生徒たちの生き生きとした関心をかきたて、彼らをコンピュータサイエンスとSTEMのキャリアに自然に進ませるだろう。

US2020Million Women Mentorsのような事業が、児童生徒たちをエンジニアやテクノロジー業界のそのほかのリーダーたちに結びつけようとしている。私たちはテクノロジーへの関心の火花を点火し、生徒たちに、STEMのキャリアがさまざまな機会に満ちた世界への扉を開くことを、理解させなければならない。

第三に、私たちはデジタルのコンテンツやツールを活用して教室にイノベーションを持ち込み、個人化された、データ指向の学習を提供し、教育の結果を改良していかなければならない。今日では、教師たちはタブレットなどのデジタルツールやリッチメディアの、その上っ面(つら)だけを使っている。これからは、教室の中にデジタル学習のリソースおよび、学習とテクノロジーとの統合を、確実に持ち込む必要がある。

そしてさらに、5年以内に全米の教室に高速ワイヤレスブロードバンドを導入し、児童生徒たちがインターネットに高速に、容易に、そして安定的にアクセスできるようにしなければならない。高速のインターネット接続がなければ、デジタル教育は画餅に終わる。児童生徒たちがインターネット上の情報のライブラリの全体に、自分の指一本でアクセスしたり貢献できる状態を、維持する必要がある。また、豊富なリッチメディアを通じて、高度な実験などにもアクセスできなければならない。

私たちは、コンピュータサイエンスが万人必修の基礎学科である、と認める必要がある。合衆国のすべての児童生徒が、アルゴリズムや、インターネットの原理、アプリケーションの作り方などを学習すべきである。しかしさらに重要なのは、コンピュータサイエンスが子どもたちを問題解決者とイノベーターに育てることだ。児童生徒たちにそんなスキルが身につけば、ほかのあらゆる学科においても有利であり、教室ばかりでなく、それを超えた広い世界においても、万事に有益である。

これは、一朝一夕には実現しない。それは、一つの世代全体に課せられているチャレンジだ。しかし私たちは今から始める必要があり、コンピュータサイエンスとその他のSTEM学科を十分に学んだ生徒たちのプールを、大きくしていく必要がある。それは、次世代の優れたイノベーターがアメリカに存在し、何百万もの児童生徒たちがこれらの革新的な分野でキャリアを追求していけるためだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Sonyがブロックチェーンを利用する教育と試験のためのプラットホームを計画中…各人の“教育ID”を共有する場に

blockchainhero

Sonyは、ビットチェーンを利用しようとしている企業の一つだ。ビットチェーンは暗号通貨bitcoinの基盤的技術として有名になったが、Sonyはこれを使って、学生等の学業の成績やテストの点を集中的に共有できるプラットホームを築こうとしている。

同社のSony Global Education事業部が開発したその技術は、ブロックチェーンを使って教育データを格納し、それをほかのサービスやサードパーティとセキュアに共有できる。Sonyによると、この技術で“完全に新しいインフラストラクチャシステム”が実現し、たとえばそれは、就職希望者のテストの結果などを知るための中心的なシステムになり、普遍的な“教育ID”とか、あるいは、LinkedInのような履歴書サイトのよりオフィシャルなものになる。

同社のプレスリリースはこう言っている:

たとえば、試験をして彼または彼女の学業成績が分かると、各企業などはそのデータを共有できるので、各社の就職試験などで再度再々度、個人に対して独自の試験をする必要がなくなる。全システム的に実装されれば、このようなインフラストラクチャは世界で初めてである。

Sonyによると、このプラットホームのポテンシャルが教育機関やそのほかの学習サービスの関心を呼べば、このコンセプトにさらに価値を加えることができる。たとえば、今後の展望としては、大学や高校などのセキュアな参加により、個人の学校での成績や卒業記録などもプロファイルに記録され、求職や、さらに上位の教育機関への応募などにも利用できるようになる。教育以外の、医療や環境、エネルギーなどの分野にもこの技術は応用できる、とSonyは言っている。

これは現時点ではコンセプトにすぎないが、この“新しい教育インフラストラクチャ”の開発が実際に始まるのは2018年以降、と同社は言っている。同社のプランでは、最初は同社主催の’Global Math Challenge’(80あまりの国から15万人あまりが参加する数学テスト)の結果を統合したい、という。今後はさらに、Sonyのそのほかの教育事業も加えていく。しかし、そのより大きな目標は、なかなか魅惑的だ。それは、あなたの資格や教育履歴が共有されるプラットホームなのだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google、”Play for Education” を静かに終了

class-content-hero

去る2013年、GoogleはPlay for Educationをスタートさせた。教師がアプリや電子書籍を購入し、簡単に生徒のAndroidタブレットに配布するためのプログラムだ。CRNが報じ、今日本誌が確認したところ、GoogleはPlay for Educationのライセンス販売を3月14日で終了する。

われわれが理解する限り、Googleは既存のPlay for Educationユーザーをタブレットの使用期限までサポートし、教師は引き続きPlay for Educationをアクセスしてコンテンツを探し生徒にプッシュ配信できる。

「3月14日以降、GoogleはGoogle Play for Educationのライセンスを販売しない。われわれは、教室で使うのに最適なツールを学校に提供することに全力を傾けており、米国のK-12教育で最も売れている端末であるChrombookを含め、教育アプリの強力なエコシステムを成長させている」とGoogleの広報担当者が本誌に言った。「今後もGoogle Play for Educationのユーザーおよび購入したデバイスのサポートは続ける」。

Play for Educationはまず米国でスタートしたが、Googleはカナダおよび英国にも昨年進出していた。

home-android

GoogleはPlay for Educationを終了するが、教師や管理者はGoogleおよびパートナーの端末管理サービスを使って、Play Storeから教育アプリを生徒のタブレットに送り込むことができる。Google Play for Educationはわずかな種類のタブレットにしか対応していなかったが、これらの管理ツールは事実上全Androidタブレットを対象としている。

また、GoogleのChromebook ― タッチスクリーン内蔵機を含む ― が教育市場に大きく侵略していることも忘れてはならない。その一方でAndroidタブレットは、教師や管理者にそこまで受け入れられていなかった。多くの場合、Chromebookの方が安価でもあり、キーボードも付いていることが、教室とは相性がよかったのだろう」。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

オバマ大統領、K-12学年のコンピュータサイエンス教育に40億ドル投入を要請

potus_code

オバマ大統領は、幼稚園から高校まで児童生徒全員がコンピュータサインスのカリキュラムを確実に受けられるように、州に総額40億ドル以上、学区に額予算1億ドルの資金を投入するよう要請した。

「私たちの経済は急速に動いており、教育者とビジネスリーダーのいずれもが、経済発展と社会的流動性のために必要な「新たな基本的技能」としてコンピュータサイエンス(CS)を挙げるようになった」と、米国政府最高技術責任者、ミーガン・スミスがホワイトハウスのブログに書いた

現在、米国のK-12学年(幼稚園年長~高3相当)でコンピュータサイエンスを学ぶ機会が与えられている生徒はわずか25%であり、これらの科目を高校卒業の単位として認定している州は28にすぎない。政府の調査による。

予算がつくことで、州と地域は新規および現行教員にコンピュータサイエンスを教えるための訓練を行い、確実に一流のカリキュラムを作ることが可能になる。

州および学区への資金提供に加え、オバマ大統領は全米科学財団とCorporation for National and Community Serviceに1.35億ドルの資金提供を要請した。このどれが始まるためにも、オバマ大統領の2017年度予算を共和同主導の議会が承認する必要がある。それでもこの取組みはGoogle、Salesforce、MicrosoftといったIT企業や、全米にわたる都市の支持を既に受けている。

例えばカリフォルニア州オークランド市では、Kapor Center for Social Impact、リビー・シャーフ・オークランド市長、オークランド統一学区、バーバラ・リー下院議員、およびIT企業のUberとTwilioが、ホワイトハウスの最近の発表に協力する一連の誓約を表明している。誓約の一つはオークランド統一学区のPK-12(プレキンダーガーデンから高校まで)生徒全員が2020年までにコンピュータサイエンス教育を受けられることを確約するものだ。

「オークランドはイノベーションの主要な中心になった」とリビー・シャーフ オークランド市長が声明で言った。「IT業界は、オークランドが育成してきた活期があり多様で進歩的なコミュニティーにいっそうの価値を見出してきており、そこに加わりたがっている。今われわれが確保すべきなのは、住民、特に若い人々が、われわれの世界経済を推進するIT分野の適切な場所に踏み入るための準備を整えることだ」

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Appleが教育スタートアップのLearnSproutを買収、Chromebookが強い学校市場で巻き返しをねらうか

apple-learnsprout

Bloombergのさきほどの記事によると、Appleは教育テクノロジーのLearnSproutを買収した。本誌もこの件を確認したが、買収の条件は公表されていない。

LearnSproutは今年で創業3年になるサンフランシスコのソフトウェアスタートアップで、K-12の教師が児童生徒の成績を評価するために役立つ、オンラインデータのインサイトを提供する。これまで二度のラウンドで計470万ドルを調達しており、投資家はAndreessen HorowitzとFormation 8、Samsung Venturesなどである。CrunchBaseには、すべての投資家のリストが載っている

The Informationによると、買収は昨年の夏に完了し、投資家には投資額と同額がリターンされた。

Appleは学校でますます強いChromebookラップトップに競合で優位に立ちたいため、このところiPad向けの教育ツールに力を入れている。Googleによると、2014年夏の時点で、教育者たちは1四半期あたり100万台のChromebookを購入している

Appleも同じく、iPadが教育者たちに強力に売れていると自慢しているが、CNBCの12月の報道によると、Chromebookは合衆国のクラスルームの全デバイスの半分以上を占め、Appleの学校購入のシェアは2012年から2015年にかけて半分以上減少した。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Codecademyは創業5年になるのにユーザに課金しない、そのマイペース哲学をCEOのZach Simsに聞く

screen-shot-2016-01-25-at-4-43-14-pm

今年で創業5年目を迎えるCodecademyは、テクノロジ分野の雇用に結びつくようなスキルを世界中の2500万人に教えているが、一部のテストを除いてはサービスの課金をしていない。CEOのZach Simsによると、今後もしばらくは“プロシューマー”ビジネスとしての成長に力点を置き、ほかのことは、そのあとで考えたい、という。

今日の市場では、そういう姿勢はきわめて珍しい。Codecademyはこれまで1250万ドルを調達しているが、ほかのオンライン学習プラットホームに比べると小額だ。たとえばサンフランシスコで創業6年になるオンライン学習/教育マーケットプレースUdemyは、これまで1億1300万ドルを調達している。

世界経済フォーラムが行われているDavosで、SimsにCodecademyの戦略について聞く機会があった。そんなに長く課金をしないことを、本人は気にしているか(今後の資金調達は?)、もっとお金の儲かるコーディングブートキャンプ(プログラミング特訓教育)に進出する気はないか?、など。

Sims自身は、Codecademyの生き残りと今後の繁栄のためには現状がベスト、と考えている。ほかの多くのスタートアップたちは、大量のお金を調達した挙句、企業の“正しいサイズ”を求めて苦労しているではないか、というのだ。

インタビューはわずか9分だが、Codecademyのビジネス談義だけに興味のある方は、4:15へスキップしていただきたい。

 

 

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Google、VRで社会科見学できるプログラム「Expeditions」を拡充

image02

GoogleがExpeditionsプログラム拡充することを発表した。このプログラムはクラスが仮想空間で社会科見学に行くためのものだ。Googleはモバイル端末で仮想空間で学生の社会科見学を実施したい学校や教育者向けに専用のAndroidアプリをローンチする。それに加え、Googleは「Expeditions」のツアーを新たに2つ用意する。仮想空間でグレートバリアリーフとバッキンガム宮殿の見学ができるようになる。

Googleは 昨年春のI/Oで初めてExpeditions Pioneerプログラムを発表した。その時、Googleはクラスで仮想旅行に出発するのに必要なヘッドセットや学生と教師用のハードウェアなどが入ったキットを提供すると伝えた。そのキットには、ASUSのスマホと教師用のタブレット、そして全ての端末をつなげるルーターが入っていた。おかげで必要な場合はExpeditionsアプリをオフラインでも利用することも可能だ。Google CardboardかMattel View-Master VRのビュアーも提供していた。

これらのハードウェアはアメリカで9月に出荷を始め、11月には10万人以上の学生がExpeditionsをクラスで利用したとGoogleは発表している。

本日、Googleはアメリカ国外でもプログラムを展開を進めたことから、Expeditionsの利用学生数は全世界で50万人に達したと伝えた。

Googleの仮想空間での社会科見学は、VR技術を良い方向で使っている。学生は訪れるのが難しい世界各地の光景を見ることができる。例えば、古代遺跡(マチュピチュなど)や自然の神秘である渓谷や熱帯雨林、あるいは南極大陸といった都市から遠く離れた場所や地域も見ることができる。

image00

今回追加したExpeditionsのツアーは、Sir David AttenboroughとAlchemy VRがデザインして制作したもので、オーストラリアのグレートバリアリーフを水中散歩できるものだ。

もう1つはRoyal Collection Trustと協力して作成したバッキンガム宮殿のツアーだ。学生は宮殿を仮想現実内で訪れ、その歴史的な意義を学ぶことができるとGoogleは伝える。(バッキンガム宮殿に関しては独自のYouTube 360動画もローンチしているので、誰でもスマホから訪れることができる。)

ExpeditionsのAndroidアプリはスマホでもタブレットでも使うことができ、今日からベータ版をローンチし、プログラムに参加を申し込んだ学校や教育者に提供するという。参加者はどのような新機能が欲しいかや他に仮想空間で訪れたい場所などの意見やフィードバックを送ることができる。

Googleのこのプログラムに興味がある人は ここからサインアップすることができる。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

上院議員がGoogleによる児童生徒のデータの収集で質問状をGoogle CEOに送付

474003844

合衆国上院議員Al Franken(民主党-ミネソタ州)は、水曜日(米国時間1/3)にGoogleのCEO Sundar Pichaiに書簡を送り、その中で、同社のエドテック(EdTech)サービスが集めているデータの、同社による利用について疑問を呈した。

Googleの教育テクノロジ(“EdTech”)への進出を私は賞賛しているが、心配なのは、同社がK-12児童生徒の個人データをどれぐらい集めているのかということ、そしてその情報を親の知識や同意なく非教育的な目的に使っているのではないか、という点だ。

Electronic Foundation Frontier(EFF)が先週発表したレポートは、Googleの教育プログラム(5000万あまりの児童生徒が学校で利用)が集めたデータが、児童生徒たちを追跡調査するために使われている、と示唆していた。

EFFの主張によると、GoogleのChromebookとGoogle Apps for Education(GAFE)は児童生徒たちを欺いて追跡調査し、Googleのすべてのプロダクトの上で行われている児童生徒たちのアクティビティを保存し、そのことをすべてデフォルトで行ってきた。しかも、EFFの主張では、同社の行為はGoogleが署名したStudent Privacy Pledge(生徒のプライバシーに関する誓約)に違反している。

Franken上院議員はこれらのレポートを取り上げ、同社が学校の児童生徒のプライバシーを全国的に侵(おか)してきた、という懸念を表明している。

…Googleが同社の中核的なGoogle Apps for Education(GAFE)サービス、すなわち教育的と見なされるプロダクトから取得した児童生徒データと、教育的とは見なされないGoogleのサービス、すなわちGoogle Search(検索)やGoogle Maps(地図)、YouTubeなどから取得した児童生徒のデータとでは、その扱い方が異なるであろうことは、理解できる。しかしその結果、児童生徒が自己のGAFEアカウントにログインしたりGoogle Chromebookを使っているがGAFEサービスは実際に利用していないとき、児童生徒のインターネット閲覧行動やパスワード、およびビデオ視聴行為を、Googleは追跡し保存しているかもしれない。私の懸念は、このデータ集合によってGoogleは児童生徒の詳細なプロフィールの作成が可能になり、それにより広告を彼らにターゲティングしたり、児童生徒が知らない間に、プロフィールを他の非教育的な目的に利用したりしているのではないか、ということだ。しかも、私の理解では、学校の管理者が児童生徒にGAFE以外のサービスへのアクセスを禁じていなければ、ユーザはこのデータ収集や、その非教育的目的への利用に同意することも、ある程度できるかもしれない。

児童生徒データの誤用という主張に対しGoogleは、Google Apps for EducationのディレクターJonathan Rochelleのブログ記事で応じた。その記事はこう述べている: “児童生徒のデータのプライバシーに対するEFFの関心には感謝するが、弊社のツールが法律および、弊社が今年初めに署名したStudent Privacy Pledgeを初め、弊社自身の約束に準拠していることは確実である”。

それでもFranken上院議員は、大量の質問リストを提示してGoogleの答を求めている。質問は主に、集められているデータのタイプと、その情報がサードパーティとシェアされたり、あるいは広告を児童生徒にターゲティングするために使われているか否かに集中している。

以下が、彼の質問の完全なリストだ:

  • 児童生徒が自分のGAFEアカウントにサインインしているが、GAFEのサービスをどれも使っていないとき、どのような種類のデータをGoogleは児童生徒個人に関して集めているか?
  • 児童生徒がChromebookを使っていてGAFEサービスをどれも使っていないとき、 どのような種類のデータをGoogleは児童生徒個人に関して集めているか?
  • 児童生徒がChromebookを使っていたり自分のGAFEアカウントにログインしていてGAFEのサービスをどれも使っていないとき、閲覧情報や視聴習慣など、児童生徒の個人的データをGoogleが集めているなら、以下の質問にもお答えいただきたい:
  • Googleは何のためにその情報を集めているのか?
  • それらの情報はどれも、GAFEサービスや教育目的に関連のあるその他の価値ある機能を提供するために、集めることが必要なのか?
  • Googleはこれまで、この種のデータを、GAFEやそのほかのGoogleサービス、すなわち検索やニュース、Google Books、Google Maps、Blogger、YouTubeなどの中で児童生徒に広告をターゲティングするために利用したことがあるか?
  • Googleはこれまでこの種のデータを、Googleの教育的提供物の供給とは無関係な、自社の企業目的のために利用したことがあるか?
  • このデータ収集を、オプトインにすることは可能か?
  • Googleはその情報を他と共有しているか?
  • Googleは、Chrome Syncの児童生徒ユーザから集めたデータを編纂し匿名化して、同社のサービスを改良するために使っている、と述べている。集められた情報がどのように取り扱われているのか、もっと詳しく説明することはできないか? たとえば、集められたデータは研究目的などのためにサードパーティと共有されていないか?
  • Googleの教育プロダクトやサービスの利用を決める校区とその管理者たちおよび父兄と、Googleとの関係を説明していただきたい。一般に公開されているプライバシーポリシーのほかに、Googleが児童生徒の情報をどのように集めて利用しているかに関する説明を、父兄や教師、教育関連公務員などに行っているか?
  • Google for Educationプロダクトとサービスを使っている学校の学校管理者と児童生徒の父兄が、集められるデータと、そのデータの使われ方をコントロールできる、すべての状況と方法を説明していただきたい。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Udacityの新設Nanodegree Plusプログラムは生徒の就職を保証する

528993812_297da7c0ed_o

Udacity は提供しているNanodegree の認定プログラムを増強すると本日発表した。この営利目的の教育企業が新設したNanodegree Plusでは、学生の卒業後半年以内での就職を保証する。そうならなかった場合は授業料を全額返金するという。

通常のNanodegreeのコースは月々199ドル(12ヶ月以内に卒業すると半分が返金される)で、Plus版は月々299ドルだ。ただ、仕事を保証するのは適格なアメリカの学生に限られている。

Udacityは、週に10時間の勉強で9ヶ月ほどで卒業できると予想している。

この新しい学位は4つのコースに適用される。機械学習エンジニア、Android開発、iOS開発と上級ウェブ開発だ。Udacityは今後他のNanodegreeのコースにも保証制度を適用する考えだ。

Udacityの共同ファウンダーであるSebastian Thrunは、このプログラムの学生は「キャリアサービスチームとやりとりすることになります。学生は新設したキャリア・アドバイザー・プログラムとキャリア・コンシェルジュ・サービスを受けます」と伝えている。

もちろん、学生はUdacityの他のコースも無料で受けることができるが、それらには修了証明書はつかない。

ここ数ヶ月の間でUdacityは密かにパートナー企業の職と学生をつないでいた。UdacityはGoogle、Facebook、AT&T、MongoDB、 Clouderaといった企業と協力してプログラムを開発したため、学生もそのような企業に採用されたと考えられる。学生の中にはUdacityに入社した者もいる。

[原文へ]

(翻訳:Nozomi Okuma /Website/ twitter

ハードウェアのいろんなプロトタイピングを簡単にできる小さなボックス、TinyLab

tinylab21323423

“Bosphorus Mechatronics”ほどクールな名前が、この世にほかにあるだろうか? ワイヤレスから回転機の入力まで、ありとあらゆるものを接続してトライできる小さなボックスも、それ以上にクールかもしれない。その、WindowsやLinuxからプログラミングできる基板はTinyLab(小さなラボ)という名前で、20以上のI/Oとストレージ、そしてArduinoをサポートしている、ハードウェアおたくの夢のプラットホームだ。

ファウンダのAhmet Sait Borlakはこう説明する: “Tinylabはとくに、楽をしたい人に向いている。ハードウェアいじりは好きだけど、ケーブルやシールドやハンダ付けなどで苦労したくない人なら、Tinylabを使うべきだ。プログラミングするだけだからね! Arduinoと完全互換のプラットホームだから、デフォルトのライブラリがそのまま使える。ディスプレイやボタン、リレー、センサーなど、よく使うものはすべて揃っている。IoTの世界で広く使われているいろんなモジュールのための、ソケットもある”。

このほか、XBeeとBluetoothによるワイヤレス通信もサポートしている。クラウドファンディング期間中のお値段は59ドル。発売は5月だ。

作ったのは、ベテランのハードウェアハッカーやメーカーたちだ(メイカーとも呼ばれる)。彼らはイスタンブールにショップと工房を合わせたようなものまで作り、それをMakerhaneと名づけている。彼らがTinyLabを作った動機は、いろんなものをトライしようとするたびに、Arduinoに毎回違うI/Oコネクタを付けて苦労しなくてはならない。毎回違うことをするのではなく、ひとつの標準的な基板を何度も何度も使えるようにしたい、と考えたからだ。

facebook5

Borlakはさらに話を続ける: “Arduinoは、ぼくらのヒーローだ。ほとんどのものを、Arduinoベースで設計しているから、よく使う共通的汎用的コンポーネントが、自然にできてくる。たとえばディスプレイの回路なんか毎回使うし、センサーのI/Oもだ。それなのに毎回新しい再利用性のないブレッドボードやスタッカブルシールドを使うのは、ほとんど拷問に近い。シールドを三つ以上重ねたいと思っても、ピンが重複していてできない。そんな苦痛をなくすために、Tinylabを考えたんだ。それは設計も自分たちでやり、実際に使ってみてとても気に入っている。だから、ほかの人たちとシェアしよう、と決めたんだ。教材としても、完璧だよ。MITのScratch言語と互換性があるから、学校の理科の実験なんかにも向いてるよね”。

かわいくて楽しいプロジェクトだし、しかも、とってもギークだ。前に紹介したUdooもそうだけど、ハンダ付けやシールドやコネクタ類と悪戦苦闘しなくても、ずっとおもしろいプロジェクトを作れる。つまり、プロトタイピングが容易にできるし、しかも、従来のやり方よりうんと楽しい。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

子どもたちが友だちとのコミュニケーションをプログラミングできる仲良しブレスレットJewelbotsがCESに登場

about_background_1

仲良しブレスレット(friendship bracelets)は今でも流行ってるのか、よく知らないけど、Jewelbotsはその21世紀バージョンを作ろうとしている。子どもたちがそれで、プログラミングの初歩を学ぶことができるのだ。同社は昨年の夏にKickstarterで資金集めに成功し、今行われているCESの、Hardware Battlefieldに出場した。

Jewelbotsのブレスレットは3本セットで69ドル、今春発売の予定だ。複数セット買うと割引もある。友だちと共有するものだから、複数買う人が多いだろう。

ブレスレットには4つのLEDとボタンが一つあり、iOSやAndroidのモバイルアプリとBluetoothで通信する。そしてボタンを押すと、相方の友だちにメッセージが送られる。そのブレスレットをした友だちが近くにいる(来る)と、アプリを通じて自分のブレスレットが反応するが、反応の仕方はユーザがプログラミングできる。

Jewelbotsはしかし、単なるブレスレットではない。

“MySpaceが女の子たちに人気だったころは、HTMLやCSSを知ってることがクールだった。今の子はMinecraftなんかが好きだから、自分で好きなものを作りたいと思ったらJavaね。Jewelbotsは、それをもっと簡単にしたいの”、Jewelbotsの協同ファウンダSarah Chippsはかつてそう語った。

たとえば、Instagramに新しいlikeが来たらブレスレットのLEDが点灯するプログラムを書ける。Twitterで新しいフォロワーができたら振動するプログラムでもよい。こういうのは単純なif/then文だから、子どもにも分かりやすい。でもif/thenは、プログラミングの基本中の基本だ。

ブレスレットの発売はまだ先になるので、予約をした者にはArduinoGemmaコントローラとLEDと電池、配線用ワイヤのセットが送られる。ブレスレットがなくても、これでプログラミングを試行できる。

index_section_sale_xmasspecial_2

CES 2016

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

STEM〔科学・テクノロジー・工学・数学〕教育の将来は12歳女子の教育にかかっている

2016-01-06-girlscientist

最近、OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development)のジェンダーが生徒の学業成績およびライフスタイルに与える影響を詳細に調査した結果を発表している。この調査は15歳の生徒を対象としており、学業成績にはその年齢で受験したテストの結果を用いている。

このレポートによれば、全体的には学校に滞在する時間、読書の成績など多くの面で女子生徒の成績は男子を上まっていたものの、成績上位同士を比較すると女子は依然として科学と数学で男子に大きく差をつけられていることが明らかとなった。OECDはこの理由を検討しているが、中でも重要なのは、数学能力に対する自信の自己報告に現れているが、男子に比べて女子が自信のなさが目立つことだろう。女子は男子に比較して、数学に関連する課題の解決に不安を強く抱く傾向が見られる。

「数学の問題を解こうとするときとても不安になります」、 「数学で悪い点を取りそうで心配です」というような文章に対する同意の率が女子は男子より高い。こうした科学、数学に対する自信のなさが、学業成績に影響を与え、最終的には女性がSTEM(科学・テクノロジー・工学・数学)系の職に就く機会を奪っていると考えられる。

女子がこうした不安を抱くようになるのはいつごろからだろうか? Verizonがジェンダー差別撤廃のために製作したビデオはこの点についてたいへんよい資料だ。女性はきわめて幼い頃からSTEM分野を追求することを妨げるような圧力を受ける。ある調査によれば、女性は12歳を境として数学や科学を嫌うようになり、この分野で男子と同等の成績を挙げることを期待しなくなる。そして成績の不振をその分野における自己の能力の欠如に求めるようになるという。

全米学力テスト(NAEP=National Assessment of Educational Progress)の結果によれば、科学と数学における女子と男子の成績の年齢と共に広がる傾向を見sている。そしてこの傾向が顕著に現れ始めるのが9歳から10歳までの間だ。

国際教育到達度評価学会(International Association for the Evaluation of Educational Achievementfound)などによって実施された標準化されたアチーブメント・テストでも同様の結果が現れている。科学と数学における男子と女子の成績は第4学年から差が開き始め、高校の最終学年まで女子は男子に離されていく一方だ。

こうした結果から、9歳から12歳までの教育はその後の女性の一生に非常に大きな影響を与えていることが分かる。高校では女性は化学、物理、数学などで高等教育を受ける道を自ら放棄するようになる。STEM系課程への進学を放棄することはSTEM関連の職に就くチャンスを放棄することに等しい。この点に関しては自分の体験から説明することができる―私は高校時代、科学と数学の上級科目を選択した数少ない女性の1人だった(私は微積分、物理、科学の上級コースを取っていた)。

小学生の女子にSTEM科目への興味を抱かせるには?

重要な問題は、女子の科学、数学分野での成績の低下と自信の喪失を防ぐために小学校教育でわれわれは何ができるのかだ。 9歳から12歳という決定的な時期に教育者はどういう努力を払うべきなのか?

女性のSTEM分野への進出を特に妨げて3つの要因がある思う。

肯定的コネクションを増やす: 神経精神医学の研究によれば、女子生徒が科学や数学を学ぶことに対して幼い頃から多数の否定的なコネクションが植え付けられており、これが女性のSTEM分野への進出を妨害している。

しかしSTEM系職種の雇用者は、採用にあたっていわゆる「ソフト・スキル」、つまりコミュニケーションやネットワークの効果的な利用の技術を重視する。こうした分野は実は女性がもともと強い。こうしたコミュニケーション能力、ソーシャル能力を活かすような肯定的コネクションを増やす強力なロール・モデルは女子をSTEM系エンジニアの道に進ませるために大きな効果があるだろう。チームのメンバーとして活動すること、所属するコミュニティーのために積極的に役立つこと、環境に敏感であること、これらをリーダーシップと結びつけることなども女性が優越する分野だ。

教育者はSTEM系職種が本質的に必要とする能力を女性が高いレベルで備えていることを強調することによって、女性が科学技術職を選び、成功することを助けねばならない。

リーダーシップに関する固定観念を打破する: STEM系科目を選択する(あるいはしない)上で女子が抱く自己イメージは非常に重要だ。 自己の成長を信じる成長的マインドセットの持ち主は固定的なマインドセットの持ち主よりも好成績を残すこと知られている。

スタンフォード大学の教授、Jo Boalerは、調査結果に基いて、成長的マインドセットを発達させた子どもたちは知性は習得することが可能であり、練習によって向上させることができると信じていることを発見した。こういう子どもたちは「努力は重要だ」という思考を身につける。また、課題に挑戦することを好み、失敗にもめげない。周囲からのフィードバックを自己改善のために役立て、他者の経験から学ぶことができる。

残念なことに、われわれの現行の教育システムは、生徒の能力についてきわめて固定的な見方をしている。教育者のマインドセットは最終的には生徒たちへのメッセージとして伝わっていく。われわれはょり多くの女子に、小学生の間に成長的マインドセットとリーダーシップ技術をを培わねばならない。そうすることによって中学、高校で適切な能力を身につける準備となる。

STEM職は他の分野に比べて急成長しており、失業率もはるかに低い

サンフランシスコを本拠とするグループ、Technovationはこうした課題に正面から取り組み、女子学生にSTEM職のクリエーティブな分野を紹介するだけでなく、起業家としてのマインドセットや技術を教えようとしている。

STEMの日常的、実用的な応用面を紹介する: 女子の数学に対するイメージは「複雑で分かりにくく、現実から遊離した退屈なもの」という方向に向きがちだ。こうしたイメージが結局女性をSTEM分野から遠ざけている。そこで数学や科学の日常における応用例を分かりやすく紹介することが重要になってくる。

教育者にはこの面でやることが多いだろう。女子に対し、ハイテク企業のイノベーションが日常生活をどれほど便利にしてきたが、学校で習う数学のコンセプトがやがてSTEM企業に就職する上でどれほど役立つかを詳しく紹介していく必要がある。こうした努力を助けるさまざまな補習ないし課外プログラムがデザインされている。ベイエリアを本拠とするNPO、Kids’ Visionは女子生徒がSTEMに対して否定的な自己イメージを抱くようになる前に、科学やテクノロジーに興味を抱かせるよう多様な努力をしている。

Kids’ Visionでは3年生から6年生までの小学生女子にシリコンバレーのテクノロジー企業を案内している。子どもたちはそこで働くエンジニア女性からSTEM職に就くためにはどういうキャリアパスがあるかを直接説明してもらうが、この生きたロールモデル教育も大いに効果がある。

女性は全米の職の約半分近くを占めるようになった。しかしSTEM職についてみると、女性はわずか25%にすぎない。 STEM労働者は長期的かつ維持可能な経済発展にとって決定的な要因の一つだ。経済はSTEM教育を受けた労働者を必要としている。STEM職の成長は急速なので他分野に比べて給与は高く、失業率も低い。

STEMへの女性の進出は女性にとっても経済にとっても重要だ.

第二に、STEM職の給与レベルは他分野より高い。アメリカ商務省の統計によれば、同学歴の場合、STEM職の女性は非STEM職の女性より20%も高い給与を得ている。.アメリカ商工会議所財団の年次給与調査によれば、アメリカにおけるすべての職の平均給与は3万4570ドルであるところ、STEMプロフェッショナルの給与の平均は7万6270ドルだった。またコンピューター科学者の給与は10万2190ドルだった。STEMへの就職は女性にとって経済にとっても win-winの関係であることが明白だ。

#ILookLikeAnEngineer運動は一つの出発点として非常に役立つだろう。 科学者、エンジニアは「こうあるべき」という固定観念に対して、多様なさまざまな人々が声を上げる、特に差別やハラスメントに直面している女性プロフェッショナルが声を上げることには大きな意味がある。この面では、TechnovationKid’s Visionなどのグループや運動も女性をSTEMに引き付ける上で有意義だ。

STEM〔科学・テクノロジー・工学・数学〕分野の職に将来もっと女性が就けるようにすることは、人権の擁護や性差別の撤廃という意味で重要であるだけでなく、世界の中のアメリカ経済にとってもきわめて重要な課題だ。われわれは女性の地位改善のためにもっと努力を払うべきだろう。

画像: Tatyana Vyc/Shutterstock

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

LEGO、CESでWeDo 2.0 ロボディクス・キットを発表―小学生が科学技術を楽しく学べる

2016-01-06-LEGO_frog-model

ラスベガスで開催中のCES 2016で、昨日(米国時間1/3)、 LEGO Education〔日本版サイトあり〕は、小学生向けのWeDoロボット・キットの最新版を発表した。 現行のシリーズと同様、WeDo 2.0はロボディクスや工学、加えてプログラミングの初歩を楽しく教えるための学習玩具だ。同時に近年重視されているSTEM 〔科学・テクノロジー・工学・数学の頭文字〕全般に関する知識を習得させることもこのシリーズの目的の一つだ。

セットには多数のLEGOブロックが付属しているが、もっとも重要なのは Bluetooth Low Energy規格に準拠したハブが多数の電気モーターやモーション・センサー、傾きセンサーなどのすべてをコントロールできることだ。 ソフトウェアに目を向けると、WeGoシリーズはドラグ&ドロップによるインターフェイスを採用しており、すべてのブロックの動作をこれによってプログラミングすることができる。

ハードウェア自身はひとつの要素に過ぎず、LEGOは学校に全課程を終了するのに40時間以上を必要とするカリキュラムを提供している。このカリキュラムは、小学校の3学年から4学年までで学ぶ科学の基礎を身につけられるようにデザインされている。この中にはリサイクルの概念を学ぶのに役立つ小さなトラックの制作などが含まれる。またLEGOブロックを使って受粉など植物の働きの初歩も学べる。LEGOで生命科学が勉強できるとはちょっと思いつかないところだ。

1231607_Software on Tablet

こうしたカリキュラムの実施にはさまざまなアイテムの購入が必要となり、それなりの予算を必要とすることは止むを得ない。しかし私の取材に対してLEGO Educationチームの担当者は「われわれは(Educationとの契約を)サイト・ライセンスとすることを決定している。つまり学校はわれわれと一つの契約を結ぶだけで全校の全クラスでカリキュラムを実施できる」と答えた。

LEGO Educationのチームによれば、1クラスの授業に必要とされるハードウェアは通常2000ドル程度だという。これには前述のようにソフトウェアも含めたカリキュラムのライセンス費用が含まれている。

WeDo 2.0はすでに公開されており、ソフトウェアはWindows、Mac、iPad、Androidスマートフォンとタブレットでそれぞれ動作する。LEGOによれば、最近教育分野で大きくシェアを伸ばしているChromebookのサポートも今年、2016年の後半には実現するはずだという。

1231607_Bee Model

CES 2016

〔日本版〕トップの写真は「カエル」、最下部の写真は「ハチ」がモデルだという。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AppleはストアのワークショップとオンラインギャラリーでMac, iPad, iPhoneによるアートの創り方を教える

【抄訳】
Appleは、同社の製品…パソコンのMacや、iPhone、iPadのようなモバイルデバイス…でアートを創造できる、と訴求したいようだ。とくに最近は、Appleストアの店内に、これらのApple製品を使った写真の撮り方や絵の描き方を教えるワークショップを設け、モバイルデバイスは創造のためのツールではないという古い考え方を一掃しようとしている。

この取り組みは、Appleが最近また新たに始めた”Start Something New新しい何かを始めよう)”キャンペーンの一環だ。今このキャンペーンは、合衆国, オーストラリア, ベルギー, カナダ, フランス, ドイツ, インド, イタリア, 日本, オランダ, ニュージーランド, フィリピン, 韓国, スペイン, スウェーデン, スイス, イギリス, ベトナムなど、世界各国で展開されている。

このほか、Apple製品を使って作ったアート作品のインターネット美術館もある。そのApple製品には、MacやiPad、iPhoneの各機種のほかに、Apple PencilやApple Watchも含まれ、さらに制作に使われるさまざまなサードパーティ製のハードウェアやソフトウェアも、キャンペーンの仲間になっている(FiftyThreeのペンシル, MeFOTO Sidekick360, OlloclipのActive Lens, Adobe After Effects, Adobe Photoshop Express, Darkroom, Union, NightCap Pro, Filmic Pro, Final Cut Pro, Procreateなど)。

この‘画廊’に登場する各アーチストのページに、制作過程や使用したツールの説明、そしてそのアーチストの制作中のスナップ写真がある。

apple-start-something-new-artist

このサイトは、Appleによれば、Appleのデバイスを使って何ができるかを知ってもらうための、実物サンプルでもある。

これに対してストアのワークショップには、技能を向上させたいプロだけでなく、アマチュアも参加できる。

Appleがこんなキャンペーンをやるのは初めてではない。MacRumorsのブログ記事によると、昨年も日本を皮切りに同様の企画を展開し、それが合衆国などにも広がっていった。

そのときもAppleは写真や絵画のオンラインギャラリーを作り、また個々のアーチストを紹介するページも設けた。

今回のオンラインギャラリーは、ちょっとナビゲートしづらいが、個々のアーチストのページは下のリンクから行ける(MacRumors様より):

ストアのワークショップについては、地元のAppleストアでスケジュールを確認しよう。

【中略】
〔以下はAppleによるワークショップの案内ドキュメント(英文)。その日本語ページはここにある。〕

1月7日にはニューヨークの西14番街でスペシャルイベントがある。5名のアーチスト(Tiffany Bozic, Jake Sargeant, William Hundley, Greg Barth, Bernhard Lang)が自分の作品と技法について話し、“Juxtapoz Magazine”の編集長Evan Priccoが司会を務める。

[原文へ]。
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。