AdobeのProject Rushは誰でもプロ並みの作品を作れるオールインワンのビデオエディターだ

Adobeが今日(米国時間6/19)、新しいビデオエディターProject Rushのローンチを発表した。それは、同社の一連のプロ用ツール、Premiere Pro, After Effects, Auditionなどの主要な機能を全部集めて、もっと使いやすくしたツールだ。でも、喜ぶのはまだ早い。リリースは今年の後半で、おそらく10月に行われる同社のMaxカンファレンスにおいてだろう。

Rushのターゲットは、プロが作ったような結果が欲しいといつも願っている、YouTube上の平均的なクリエイターだ。しかも頻繁に新しいコンテンツが求められる場所だから、はやく作りたい。Rushはオンラインのコンテンツを作ってシェアするための、なんでもありのビデオ編集アプリを目指していて、しかもそのために、高性能なデスクトップでもiPhoneでも、どんなデバイスの上でも使えることを設計目標にした。ユーザーのプロジェクトはすべて、自動的にクラウドへシンクされるから、どこからでも仕事ができる。

Rushには、これまでAdobeがそのプロ用ツールのために開発してきたさまざまな技術が使われている。たとえばビデオクリップの色を調整したいと思ったら、Premiereで仕事をしている編集者と同じアルゴリズムでその作業ができる。またMotion Graphicsのテンプレートをサポートしているから、タイトルのシーケンスやグラフなどを作れるし、ビデオクリップのオーディオをAIツールで改良できる。さらに、Adobe Stockを統合しているから、自分のビデオを適当なストック・フッテージで味付けすることもできる。

デモを見たかぎりでは、どの機能も使いやすくて、PremiereよりもiMovieに近い感じだ。

自分のビデオが完成したら、当然それを公開しなければならないが、クリエイティブな仕事をはやくやることがモットーのRushには、YouTube, Facebook, Instagram, Twitter, Snapchatなど主な共有プラットホームへ公開するためのツールも内蔵されている。

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AdobeのCTOはAIへの取り組みを率先して押し進めている

現在まともな会社なら、人工知能(AI)に対して、全く何の取り組みもしていないということは考えられない。こうした組織は、この先どう展開して行くかは完全には理解していないとしても、AIがゲームチェンジャーになることを理解している。

3月に開催されたAdobe Summitで、私はAdobeのエグゼクティブVPでありCTOであるAbhay Parasn​​isに話を聞くことができた。話題は多岐にわたり、次の10年のために構築するクラウドプラットフォームや、そこでAIがどれほど大きな役割を果たすかなどについての話を聞くことができた。

Parasn​​isは、同社の技術戦略の方向を設定する、典型的なCTOの役割を始めとして、幅広い責任を負っていると語ったが、もちろんそれで終わりではない。彼はまた、コアクラウドプラットフォームの運用と、AIとSenseiを含むプラットフォーム構築のためのエンジニアリングを担当している。この役割には、数千人に及ぶエンジニアリングチームの管理も含まれている。また、全てのデジタルインフラストラクチャとIT部門に対しても、多少の責任を負っている。

これからの10年

Adobeが箱売りのソフトウェア企業から、サブスクリプションベースのクラウド企業に変わり始めたのは2013年のことだった。これはParasnisが入社するずっと前のことである。それは大成功をおさめているが、Adobeはそのことが、長期的な生き残りのために単に箱売りソフトウェアを捨て去ってしまう事以上の意味を持っていることを知っていた。Parasnisがやってきたとき、次のステップは、少なくとも10年は長持ちするような柔軟性を持たせるように、基礎プラットフォームを再構築することだった。

「次世代プラットフォームを考え始めたとき、私たちは何のために構築したいのか考えなければなりませんでした。それはとても気分を高揚させる体験でしたが、私たちは10年もつようにそれを作り上げなければなりませんでした」と彼は語った。特に技術が急速に変化している現在は、時間が経つにつれて多くのものが変化する可能性があるため、大きな課題が待ち構えている。

これは、時間の経過とともに、そうした変更を受け容れることを可能にするための柔軟性を持たなければならないことを意味している。同社はもちろん、ARとVRのような臨場感あふれる技術同様に、音声技術も将来への種として考え始める必要があった。そして彼らの基礎プラットフォームはそうしたものを支えられるような適応性の高いものでなければならなかったのだ。

すべてにSenseiを

しかし、Adobeには、AIに関わる万全の準備を整える必要もあった。それこそがおよそ18ヶ月前に同社が、新しいプラットフォームの中核としてAIを開発する戦略的決定をした理由なのである。彼らは、開発者向けのより汎用的なAIを狙っている多くの企業があることは知っていたが、彼らのビジョンはそれとは異なるものだった。それはAdobeの中核機能にしっかりと焦点の当たったものである。Parasn​​isはこれを、同社のクラウドプラットフォーム戦略の重要な部分と見ている。「AIはテクノロジーの中で最も変形力の強いものになるでしょう」と彼は言った。そして「Senseiは、これまで私が最も多くの時間を費やしているものです」と付け加えた。

写真:Ron Miller

同社は、より大きな人工知能の目標を念頭に置いた、新しいクラウドプラットフォームを考え始め、コアプラットフォーム機能を扱うための、AIを取り込んだアルゴリズムを構築し始めている。社内での利用を経て洗練された後、次のステップでは、これらのアルゴリズムをサードパーティの開発者たちに公開して、AdobeのAIツールを使用してそれぞれのアプリケーションを構築できるようにすることだ。

そのサービスがAIを含んでいようがいまいが、結局これは古典的なソフトウェアプラットフォーム作戦なのだ。BoxからSalesforceに至るまで、クラウド企業はそのサービスを何年も公開して来た。開発者たちはクラウド企業の専門知識を利用することで、自分たちの中核機能に集中することが可能になる。開発者たちはストレージやセキュリティなどを、初めから構築する必要はない。そうした機能は、専門知識が詰め込まれ、アプリケーションへの簡単な導入手段が提供されたプラットフォームから、取り込むことができるのだ。

ここで差別化を可能にしているのが、そこにはAdobeの中核機能が組み込まれているという点だ。このことでAdobe Experience Managerの中での自動トリミングやスマートタギングが可能になり、Creative Cloudの中でのAIを用いたビジュアルストック検索なども可能になる。これらは、Adobeのソフトウェア体験に不可欠な機能である。同社はこれらをAPIとしてパッケージングして、開発者たちが自身のソフトウェアの中で使用できるように提供している。

Senseiが今後10年間Adobeのクラウドプラットフォームを駆動する技術であるかどうかにかかわらず、Parasn​​isと会社はそのビジョンに真剣に取り組んでいる。今後数カ月そして数年のうちに、Adobeがより多くのAIアルゴリズムをプラットフォームに組み込み、それらを開発者たちにソフトウェア開発用として提供していくにつれて、私たちはより多くの発表をAdobeから聞くことになるだろう。

Parasn​​isはもちろん、これを現在進行形のプロセスだと認識している。「やらなければならない仕事はまだ沢山ありますが、私たちのアーキテクチャはとても良い方向にスタートを切ることができました。AIはその非常に重要な部分となるでしょう」と彼は言った。

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(翻訳:Sako)

AdobeがボイスインターフェースのSayspringを買収

本日(米国時間4/17)Adobeは、 Sayspring買収したことを発表した。SayspringはAmazon AlexaとGoogle Assistant向けアプリのボイスインターフェースのプロトタイピンクと開発を支援するスタートアップだ。Sayspring のチームは明日Adobeに合流し、両者の技術の統合を開始するとAdobeは言った。

現在Sayspringのサービスはすべて無料で提供されている —— ただし、サインアップするためには招待状が必要だ。今後招待枠を徐々に増やしていくとSayspringは言っている。

Adobeといえば、クリエイティブツールのPhotoshopやPremiere Proを思い浮かべるのが普通だろう。音声インターフェースを統合するサービスとしてはあまりピンとこないかもしれないが、AdobeのAIへの取組みのなかには、マーケティング事業とDocument Cloudも含まれていることを思い出してほしい。つまり、AdobeがSayspringの技術を利用してDocument CloudやAdobe Stockの音声検索を強化することは容易に想像できる。クリエイターがPhotoshopの基本作業に音声を利用することもあるかもしれない。Adobe自身はまだ何も言っていないので、今は自由に憶測されたい。

「私たちがデバイスと接する方法は、今重大な転換点を迎えている」とAdobeの執行副社長兼CTOのAbhay Parasnisが今日の発表で語った。「私たちはキーボードやマウス、さらにはタッチスクリーンも超えるもっと自然な方法 —— 自分の声 —— を使ってテクノロジーとやりとりする方向へと進みつつある。音声技術は急速に成長しており、今後Adobeの主力製品の重要な要素になると信じている。SayspringをAdobeに迎えることを大変喜んでいる。今後、より多くの人たちが次世代の音声インターフェースを作るためのテクノロジーを提供していくことを楽しみにしている」

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Adobe Photoshop CC、ワンクリック選択をサポート――Sensei AIが対象を認識

今日(米国時間1/23)、AdobeはPhotoshop CCをアップデートした。これにはWindowsユーザーのためにダイヤルタイプの入力装置、Microsoft Dialのサポートや高精細度モニターのサポート拡充などいくつもの新機能が含まれているが、中でも注目はSelect Subjectツールだ。これはAdobeの人工知能プラットフォーム、 Senseiを利用してワンクリックで所望の対象を認識し切り抜くというものだ。

イメージ処理を行うときにオブジェクトの選択は基本だが、形状が複雑だと手間のかかる作業になりがちだ。Photoshopの選択ツールは長年進歩を続けてきたが、それでも画像から望むように対象を切り抜くにはかなりの時間がかかるのが普通だった。新しいSelect Subjectツールも常に完璧な切り抜きができるわけではない。しかし優れているところはワンクリックでかなり正確なスタート地点を作ることができ、その後自由に編集が可能な点だ。しかもAdobeの新ツールは各種の既存の切り抜きツールと比べて段違いに優秀だ。

ただし、Sensei AIが画像を解析し範囲を決定するためワンクリック選択自体は機械任せとなる。ユーザーはメニューからSelect->Select Subjectと進むだけでよい。後はPhotoshopがやってくれる。

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【略】

Adobe XD

今日のCreative CloudのアップデートにはAdobe XDも含まれている。XDはモバイル・アプリのデザインとプロトタイピングのためのツールだ。XD ユーザーはZeplin、Avocode、Sympli、ProtoPie、Kite Compositorなどのサードパーティーのツールが使えるようになる。ユーザーはこうしたツールでデザインし、その結果をXDにインポートできる。現在のところこの機能はMac版(以上のツールはMacツール)だが、Adobeでは同様の機能をWindowsでも提供していくものとみられる。

これに加えてDropboxのユーザーはクラウドに保存されたXDの最初のアートボードをいちいちダウンロードすることなくプレビューできるようになった。

〔日本版〕Select Subjectは昨年11月にプレビューが公開されていたツール。日本版については未確認。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Adobe、Photoshop CCにワンクリック対象選択を導入へ――Sensei AIを利用して自動認識

長年の練習のかいがあってか、非常に手際よく人物をマスクできるPhotoshopのユーザーは多い。とはいえ、人物の輪郭を切り抜くのはフォトショ作業の中でいちばん手のかかるやっかいな部分であることに変わりはない。しかしクリック1回で対象を切り抜ける魔法の杖が近々登場する。

今日(米国時間11/28)、Adobeが 公開したプレビュー動画によると、次のアップデートでPhotoshopにはAIを利用して対象を認識し、自動的にその輪郭にそってマスクを作成する機能が追加されるという。この機能は現在Select Subjectと呼ばれており、Adobeの AIプラットフォーム、Senseiが用いられる。

メニューからSelect and Maskを選び、選択したい対象をどこでもよいからクリックするだけでよい。AIが自動的に意図された対象を認識してマスクを作成する。その後は背景を透明化したり、別の画像に置き換えるなどこれまでどおりさまざまなツールを使うことができる。

Adobeのティーザー動画によれば、新機能はPhotoshop CCの次のバージョンで導入される。

ただし「次のバージョン」がいつリリースされるのか具体的な日付はまだ不明だ。.

Engadgetの記事によれば、Select Subjectツールはまだ完全に仕上がっておらず、人物の髪の毛など細部の認識に問題が出る場合があるという。しかしこうした問題は機械学習のアルゴリズムがさらに多くのデータを入手できるようになれば次第に改善されるだろう。

〔日本版〕上のビデオの1:00あたりからワンクリック選択がデモされている。デモでは複数の人物や人物とイヌなどを自動認識で切り抜いている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

感謝祭のネット通販は28.7億ドル、前年比18.3%アップ――年末商戦はオンラインが主戦場に

以前は家族が静かにサンクスギビングデー(感謝祭)を祝った翌日のブラックフライデーが年末セールの開始を告げる日と考えられてきた。しかしここ数年のネット通販の普及で状況は大きく変化した。統計から見ると、年末セールはサンクスギビングデーその日から始まることになったようだ。

Adobe Digital Insightsによると、アメリカでのサンクスギビングのオンライン販売の売上は新記録の28.7億ドル、対前年比で18.3%のアップになったと推計している。これはAdobe自身の予測、27.9億ドルを上回る数字で、1日あたりの売上として突出している。これと比較して、たとえば、2016年のサンクスギビングの売上は19.3億ドルに過ぎなかった

サンクスギビングでの売上は年末セールの出足を占う重要な要素と考えられている。つまりオンライン通販企業に」とって非常に重要な日だ。今年の数字は年末商戦の主戦場がオンラインに移ってきたことと消費者がオンライン通販に信頼を深めていることを示すものだろう。

Adobe Digital Insightsでは 通販トップ100社のデータをもとにアメリカにおけるオンライン通販の80%をカバーしている。消費者はサンクスギビングの昼食に七面鳥を食べた後、
オンラインの買い物サイトに突進したもようだ。これによりサンクスギビングの午後だけで13億ドルの売上があった。われわれが得た最初の数字は同日午後2時(太平洋時間)の15.2億ドルだった。オンライン注文の半分弱、46%をスマートフォンからの注文が占めた。

アップ分について、16.8%は11月の平均が反映されている。11月1日から22日までの売上合計は対前年比で17.9%アップしており、この22日間で10億ドルの売上があった。これは消費者がオンライン通販を信用するようになったことと同時に、セールス活動が例年よりさらに前倒しでスタートしたことも影響しているだろう。

物理的店舗の多くがサンクスギビングの日には休んでいるか遅く開店する。逆にアメリカの消費者の多くは在宅しており、冬支度に目を向けている。こうした状況をオンライン通販企業は有利に利用して割引セールで攻勢をかけたようだ。【略】

スマートフォンなどのモバイル・デバイスはさらに大きな存在になっている。特にこういった休日に自宅の居間で家族に囲まれれている消費者はわざわざデスクトップの前に座ったりノートパソコンを開いたりするよりもスマートフォンから買い物をすることを好むだろう。

Adobeの調査によれば、スマートフォン経由の46%のうち、今朝の44.2%から2ポイント増加しているという。モバイル経由の注文数自体は対前年比で15%のアップだった。

Adobe Digital Insightsと並んでAmazonも統計を発表している。これによれば、今年のサンクスギビングのセールスは昨年に比べて50%アップだった。Alaxaの普及に力を入れているAmazonでは、Alexaの音声アシスタントを経由した注文に特別割引を実施した。

デスクトップからのネット注文の割合は時間とともに減少の傾向をみせた。トラフィックの44%を占めたものの朝の数字からは2%のダウン、昨年同期からは11%のダウンとなった。タブレットの割合も微減で、トラフィックの10%を占めたが昨年に比べて5.7%の減少だった。

とはいえ、スマートフォンは商品をブラウズするには良いが、高額商品の購入にはまだ向かないようだ。現在スマートフォンは売上の30.3%を占めている。これは昨年に比べて8ポイントのアップだが、今朝は34%だったから4ポイントのダウンだ。

デスクトップのセールスは57.2%を占めてたが7.3ポイントのダウンだった。タブレットは12.5%を占めて、こちらも7ポイントの減少。ただしこうした数字は時間とともに変化するので一日が終われば違った数字になっている可能性がある。IBMによれば、トラフィックではなくセールス全体の34%はモバイルからだという。

売れたアイテムを見ると、コンピューターは平均して11.2の割引、テレビは15.1%、おもちゃが11.4%の割引だった。ブラックフライデーにはさらにディスカウントの率がアップするはず。

Amazon.comについては、先日のPrime Day同様、Alexaデバイスが売れ筋のトップだった。Amazon以外のマーチャントではTP-LinkのSmart Plug、 SandiskのUltra 64GB Micro SDカード、Keurigのコーヒーメーカー、K55 K-Classic Single Serve Programmable K-Cup Podが強かった。Alexaの音声コマンドを通じて売れたトップ・アイテムはEcho Dot、Fire TV Stick with Alexa Voice Remote、新しいEcho、TP-Link Smart plugなど。

Adobe Digital Insightsの予測では今年の年末セールスは総額1074億ドルに達し、昨年にくらべて13.8%のアップになるだろうという。

当初の記事を最新の統計でアップデートした。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AdobeのProject Lincolnはユーザーにデザインの自由度を与えるデータ視覚化ツール

Adobeは毎年のMAXカンファレンスで、製品化がまだ決まってないようなプロダクトのおもしろいプロトタイプを二つほど見せる。今年もその例外ではなく、今日(米国時間10/19)は同社研究開発部門の11のプロジェクトが紹介された。その中のProject Lincolnは、データの視覚化をやったことのある人なら誰もが大歓迎しそうなツールだ。

その考え方はこうだ: これから、簡単な棒グラフを描きたい、としよう。すると、まず棒を描き、そのコピーを何度も作ってスプレッドシートのカラムに貼り付ける。それで視覚化完了だ。さらにもっとデータを加えて、別のタイプのグラフや色を変えてもよい。線グラフや円グラフ、バブルチャートなど、思いつくかぎりのものを描いていく。なにしろ、長さや径や色のあるものなら、何でも視覚化に利用できる。

よくあるやり方としては、まずデータを作成して、それから、それらの視覚化をやり始めるだろう。Project Lincolnでは、まず視覚化の方法を決めて、それからそこに、データを作りながら入れていく。棒の長さなどは自動的に決まる。

Adobeによると、今ある既存のツールはどれも、複雑過ぎたり制約が多すぎる。とくに、自分の創造力を生かせないデザイナーには、評判が悪い。そして視覚化をカスタム化するためには、Illustratorのようなツールを作って自分で作図したり、あるいはプログラミングのやり方を勉強しなければならない。

あなた自身も含め、もっと自由度のある簡易なデータ視覚化ツールを求めていた先輩や同僚をご存知なら、このプロジェクトを教えてあげよう。きっと、大喜びするだろう。

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Adobeは人間の創造性と知性を強化するために人工知能を使う

約1年前、AdobeはSenseiという名前のAIプラットフォームを発表した。他の企業とは異なり、Adobeは一般的な人工知能プラットフォームの構築には興味がないことを明言している。その代わりに、顧客の創造性を高めることに焦点を当てたプラットフォームを構築したいと考えているのだ。今週開催されているMaxカンファレンスで、Adobeはこれが何を意味するのかについてより多くの洞察を提供し、同時にSenseiをその主要ツールに統合するやり方についての、沢山のプロトタイプを示した。

「私たちは業界の他の企業が開発しているような汎用AIプラットフォームを構築しているわけではありません。もちろん彼らがそのようなものを構築していることは素晴らしいことですが」と、AdobeのCTOであるAbhay Parasn​​isは、本日(10月18日)の基調講演の後の記者会見で述べている。「私たちは創造的なプロフェッショナルたちが、画像、写真、ビデオ、デザイン、そしてイラストレーションに対して、どのように取り組んでいるかを、とても深く理解しています。私たちは、これらの非常に特殊なドメインについて何十年も学んできました、その価値の多くが私たちのAIに反映されているのです。Photoshopの最高のアーティストの1人が創作に時間を費やすとき、彼らがやることは何なのか、そしておそらくもっと重要なことは、彼らは何をしないのか?ということです。私たちはそれらを、最新のディープラーニング技術と組み合わせることで、アルゴリズムが創造的プロフェッショナルたちの真のパートナーになれるように努力を重ねています」。

これは、AdobeがAIの知恵を、今後どのように使用するかについての、中核をなす信条だ。

実際には、これは様々な形態で実現される。例えばSenseiが自動的にタグ付けした画像の検索を可能にすることから、特定のタスクを声で行えるようにすることなども含まれる。

本日の基調講演では、Adobeはこうした未来のシナリオのいくつかを披露した。例えば、映画のポスターのために撮影された、何百枚ものポートレート画像を持っているとしよう。素晴らしいレイアウトが決まったが、今必要になったのは、被写体が右を見ている写真だ。Adobe LabのDavid Nueschelerがデモで見せたように、Senseiを使えばそうした必要な写真が見つけられるようになるだろう。なぜならSenseiは全てのイメージに詳細なタグを付けることができるからだ。そして、このアイデアをさらに進めて、Nueschelerは被写体が見ている方向で画像をソートしてみせた(左向きから右向きの順で)。

Nueschelerはまた、デザイナーがSenseiに与えたスケッチにタグが付けられて、自動的にストックイメージの中からタグに一致するイメージが検索され、ある映画ポスターに辿り着くまでのデモも行った。それ自身印象的なデモなのだが、Senseiはまた、デザイン上の全ての意思決定も同時に追跡している(Adobeはその記録をCreative Graphと呼んでいる)。その記録を使うことによって(最終プロダクトには影響を与えることなしに)、時間を遡って、異なる意思決定が最終的な結果にどのような影響を与えるのかを見比べることができるようにする。またおまけとして、Nueschelerは、Senseiが画像の背景を自動的に判断して削除できることを示したが、これには日頃イメージのマスキングに苦労している聴衆から、本日発表された他のどのAIツールにも負けないほどの歓声が寄せられた。

この日Adobeがずっと強調し続けていたのは、彼らが注力しているものは機械を創造的にするためものではなく、人間の創造性と知性を増強するためのものだということである。このメッセージは、Microsoftなどが語っている内容と非常によく似ているが、Adobeが創造的なプロフェッショナルだけを対象としていることは明らかだ。

Adobeはまた、こうしたことを正しく行なうことの重要性も認識している。Parasn​​isはSenseiを「世代を超える賭け」と呼び、本日の基調講演の中でAIと機械学習を「次の10年の最も破壊的なパラダイムシフト」みなしていることを強調した。

Adobeは、創造的な世界でこれを実現するために、間違いなく多くのことを行なう事になる。AIは、結局のところ、沢山のデータがあるときだけ上手く働くものだ。そして創造がどのように行われるかについて、Adobeより多くのデータを持っている者はいない。

Adobeが将来的には、Senseiプラットフォームの沢山の機能を、外部の開発者たちに開放する予定であることは指摘しておく価値があるだろう。本日その方向への第一歩が示された。Senseiを使って画像の中のフォントをTypekitライブラリの中のフォントとマッチさせる機能を、サードパーティの開発者に開放したのだ。時間が経つにつれて、さらに多くの機能が開放されることになるだろう。

しかし、今のところ、AdobeはそのAI機能を、クラウドならびにデスクトップの中の、コアサービスやアプリケーションに組み込むことに集中しているようだ。

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(翻訳:sako)

Adobe、新しいクラウド型Lightroom CCを発表――モバイル写真激増に対応、UIを大きくシンプル化

AdobeのフラグシップといえばPhotoshopを思い浮かべるが、写真家やジャーナリストのユーザーがいちばん多いアプリケーションはLightroomだろう。このツールはRAWファイルを現像するだけでなく、露光、ホワイトバランス、色彩など写真のあらゆる要素を補正・編集する機能を備えている。

今日(米国時間10/18)、AdobeはMAXカンファレンスでまったく新しいバージョンのLightroom CCを発表した。現行のLightroomユーザーにはかなりショッキングな変更となる。

新しいLightroomでは使い方が大きく簡素化された。またクラウド接続を容易にすることにも重点が置かれている。現行版のLightroomはハードディスクに写真を保存し、ローカルで現像・修正を完了することを前提としているためきわめてインターフェイスが複雑だ。このためYouTubeにはLightroomの使用法を解説するビデオが大量にアップされている。

今回の新アプリの登場は写真コミュニティーに大きな衝撃を与えるものであることは間違いない。しかし新ツールについて考える前に、現行Lightroomがなくなるわけではないということを確認しておこう。われわれのお気に入りの(あるいは嫌っている)ソフトはLightroom CC Classicと改名される。AdobeはClassicの改良も続けていくと約束した。実際、AdobeはMAXカンファレンスでLR Classicの新しいバージョンを発表した。これにはプレビュー生成が高速化されるなど数々のパフォーマンスの改良が含まれているという。

Adobeのプロダクト・マネジメントの責任者、Tom Hogartyにインタビューしたところでは、今回の動きは写真をとりまく環境の変化にLightroomを適合させるのが主たる目的だったという。ユーザーは以前に比べてはるかに大量の写真を撮影するようになり、しかもその撮影にスマートフォンが用いられる場合も多い。「新しい状況というのは、誰もが高品質なカメラをポケットに入れて持ちあるくようになったことだ。現在のユーザーは写真の公開にあたってコミュニケーションを重視するが、ツールの利用方法を学ぶために長い時間を割くことは望んでいない」とHoggartyは述べた。

その結果、新しいLightroomは(契約するプランによって異なる―この点は後述)テラバイト級のサイズの写真をクラウドに保管できるようになった。ユーザーはすべてのデバイスからこのクラウド・ライブラリーに自由にアクセスできる。Adobeは以前からこの方向に向かっていたが、今後は全社を挙げてクラウドに注力する。写真をクラウドに保存することでAdobeは同社が開発していたSensei AIプラットフォームを活用して写真を自動的にスキャンし、適切なタグづけを行う。これにより、たとえば、キーワードで正確な検索ができるようになるという。

読者が現行Lightroom CCを使っている場合、新Lightroomに移行すると戸惑いを感じるかもしれない(ライブラリーは自動的にインポートされる)。Adobeは新LRのインターフェイスを最小限の要素に簡素化した。たとえば、旧版で写真を編集する場合、「ライブラリー」から「現像」へモジュールを切り替える必要があったが、新アプリではこのこの区別は消えた。消えたのは「ライブラリー」と「現像」ばかりでなく「ブック」、「スライドショー」、「プリント」、「Web」モジュールも消えた(誰も使っていなかったから影響は少ないが)。 新バージョンではビューを切り替えるだけになった(グリッド、正方形グリッド、詳細)。どのビューにいても、右サイドバーから編集ツールを選択すると自動的にフルスクリーン表示の「詳細」ビューに切り替わる。

さらに面倒な「読み込み」プロセスも大部分が消えた。このタブでは写真をどこに保管するか、何とタグづけするかなどさまざまな入力が必要だったので、この部分を解説するだけでYouTubeビデオにちょっとした産業が成立していた。新バージョンでは保存はクラウドになるので写真を選択して「写真を追加」ボタンをクリックするだけで済んでしまう。1枚の写真であればアルバムであれ簡単に共有ができる。

ユーザーはもちろん「設定」でデフォールトの保存場所を指定できるが、これはローカルにどれだけの空き容量があるかによって決まる。

Adobeはユーザーが一部の写真をローカルに保存したいはずだと知っており、いつでもそのようにできる。【略】

新しい料金プラン

上で述べたように、新しいツールの使い勝手はすべてユーザーのクラウド・ストレージの容量で変わってくる。【略】〔日本サイトの場合〕Adobe CCの新しいフォトプランはLightroom、Lightroom Classic、Photoshopのバンドルに20GBのオンライン・ストレージが付属して月額980円。これに1TBのクラウド・ストレージが付属するプランは.月額1980円となる。

AdobeではLightroomだけが欲しいユーザーのためにLightroom CCに1TBのクラウド・ストレージがが付属したプランを月額9.99ドルで提供する。これにはPortfolioとSparkへのアクセスが含まれる。〔日本サイトにはLightroom単体1TBプランについてはまだ情報がない〕。

なおCreative Cloudに加入する必要なく購入できるスタンドアローンの買い切り製パッケージソフトは、残念ながら Lightroom 6が最後のバージョンとなる。つまりLightroom 7がリリースされる見込みはない。またLightroom 6についても2017年以降はバグフィックスもアップデートも行われないという。

  1. adobe_lightroomcc_web.png

  2. adobe_lightroomcc_intuitive.jpg

  3. adobe_lightroomcc_iphone.png

理由は?

世の中にはまだまだまだソニーのミラーレスやキヤノンのDSLRを肌身離さず持ち歩くエンシュージアストがいる。しかしこのマーケットは明らかに縮小しており、逆にモバイル写真が劇的に増加中だ。Adobeはこの写真を取り巻く環境のシフトに対応しようとしているのだろう。一方でGoogleは写真の保存、検索、編集に関してきわめて魅力的なツールとプランを提供しており、競争の激化が予想される。

Lightroom Classicが依然として提供されるので誰もドラスティックな変化を強制されるわけではない。しかし使い勝手のいいクラウド型のLightroomは従来のバージョンの複雑さを敬遠していた新しいユーザー層を大規模に獲得する可能性がある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Adobe、写真編集アプリのProject Nimubsを誤ってリーク

Project Nimbusは秘密ではない。AdobeはすでにMAXカンファレンスでこのアプリをプレビューしている。しかし、MacGenerationはこの未公開アプリをダウンロードしてプレイできてしまった。AdobeはMacGenerationに対して、これは一部のCreative Cloud定期購読ユーザーに誤って短期間公開されたものだと説明した。その後アプリは削除された。

Project Nimbusは様々な意味で、iOSおよびmacOSの写真アプリやiCloudフォトライブラリーに似ている ―― ただし強化されている。写真はクラウドに保存され編集結果をデバイス間で同期することが可能だ。

リーク情報によると、Project Nimbusはユーザーにストレージを1TB与え、写真を全部、あるいはプロのフォトグラファーであれば最近の写真を保存できるようにしている。RAWファイルフォーマットや非破壊編集にも対応している。MacGenerationによると、あらゆる変更はどのデバイスからでも元に戻すことができる。

Project Nimbusの編集ツールは、Lightroomのコピーではない。種類は少なくスリム化している。パソコンとタブレット、スマートフォンで同じツールが使えることは、初心者にとって障壁が少なくメーカーにとって提供も容易だ。もっとツールが欲しければ、いつでも別のアプリを使って写真編集できる。Project NimbusはLightroomの代わりではない。

そして最後に付け加えると、Project Nimbusでは写真のタグ付け、フラグ、評価が可能だが、Adobeは検索を中心に考えている。写真がクラウドに保存されていることによって、Adobeは写真の中身を識別することが可能になる。これを利用して、ユーザーは自然言語を使って(“sunrise”, “penguins”, “mountains” など)写真を特定できる。

Project Nimbusはフォトグラファーが作品を編集するやり方に革命を起こすものではない。しかし、あらゆるデバイスのフォトライブラリーを支える柱になる可能性を持っている。今回のリークはさほど驚きでもなかったが、Adobeが今も開発中であることが証明した。ベータあるいはファイナル版が近い将来出てくることは期待してよいだろう。

MacGenerationのスクリーンショットをいくつか紹介する:

  1. macgpic-1500940524-74010017319784-jpt.jpg

  2. macgpic-1500940539-74025678047971-jpt.jpg

  3. macgpic-1500938618-72104422976733-sc1-jpt.jpg

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Adobe、2020年末でFlashのサポートを終了と発表

今日(米国時間7/25)、Adobeはその昔インターネットの世界で普遍的だったFlashのサポートを終了する計画を発表した。多くの人々がFlashプラグインでYouTubeのジャスティン・ビーバーのビデオを初めて見たり、KongregateのDolphin Olympics 2をプレイしたりしたはずだ。 しかしAdobeは2020年の年末をもってFlashのアップデート及び配布を終了する。

それまではAdobeはAppleMozilla,、MicrosoftGoogle等々と提携してFlashのブラウザ・プラグインの配布とサポートを続ける。ただしセキュリティー・アップデートを行うのみでFlashに新機能を追加することはしない。

また、ライセンスを受けていない古いバージョンのFlashが広く使われている地域では、AdobeはFlashのサポート終了を一層強力に進めるという。

もちろんFlashのサポート終了は予想されていた事態だ。きわめて広い範囲で使われている(かつ時代遅れになったバージョンがそのままになっている)ため、Flashは世界中でハッカーの攻撃のターゲットになっている。そうしたFlashプラグインは穴だらけで、ハッカーがコンピューターを乗っ取るために無数の方法を提供している。

そうたことがあってAppleはFlashをモバイルでは一度もサポートしなかった(ジョブズがFlashを批判した2010年の公開書簡が有名だ)。新世代のブラウザとHTML5の普及もFlashの死期を早めることとなった。最近のブラウザにはFlashの機能が組み込まれており、Adobeのプラグインを必要としない。実はAdobe自身も他のプレイヤーにも増してFlashを厄介払いしたがっていた。実際、2015年以降、Adobeはその意味のことを言っている。

同様にブラウザのベンダーもここ数年Flashのサポートを終了させる努力をしている。GoogleはChromeのFlashプラグインをクリックして作動するタイプに切り替えた。つまりユーザーはFlashを使うために明示的な意思表示をすることが必要となった。他の主要なブラウザの場合もほぼ同様だ。

こうした新世代ブラウザの場合、HTML5にできなくてFlashにのみできることというのはほとんどない。Adobeもプレス会見で「Flashに依存している会社の数はここ数年着実に減少している」と述べている。にも関わらず、Flashは教育とゲームの分野でまだ利用者が残っており、たとえばFacebookはゲームのデベロッパーがオープンなウェブ規格に準拠することを助けるプロジェクトを発表している。【略】

画像: Bryce Durbin

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Lightroom for Androidがデザインを完全に改装、‘iOSファースト’の姿勢は崩れず

Adobeが同社の写真管理/編集アプリLightroomのiOS/Android両バージョンを今日(米国時間7/18)アップデートした。iOSバージョン(iPhone, iPad用)は、ブラシ(絵筆)の選択や、ディテイルタブが増え、iPadバージョンはインタフェイスがアップデートされた。でも今回の目玉は、Androidアプリがデザインを一新したことだ。

Adobeは長年iOSを優遇してきたベンダーで、今ではAndroid上にほとんど何でもあるけど、iOS版に比べるとやや手抜き感がある。Android上のLightroomはデスクトップバージョンに十分対抗できる出来栄えだが、きびきびしたネイティブな使い心地には達していなかった。

Adobeは今日の声明でこう述べている: “Android上で最良の体験を提供するためにLightroomのデザインをゼロからやり直し、高速性と効率性を担保、そしてAndroidらしさを前面に打ち出した。どの画面も新しいデザインに変えられ、自然でネイティブなAndroid体験をお届けするとともに、プロ級の高品質な写真編集機能をモバイル上に実装することができた”。

残念ながら、今の線形および放射状のグラデーションを補完するSelective Brush(ブラシ(絵筆)選択)や、シャープさとノイズをグローバルにコントロールするDetail(ディテイル)タブは、やはり、‘iOSが先’となった。Android上では、かなり待たされるのかもしれない。

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Adobe、Googleと協同でオープンソースのセリフ体CJKフォントを提供

数年前、AdobeとGoogleは協同で中国語、日本語、韓国語(CJK)のオープンソース・フォントを提供した。今日(米国時間4/3)両社はプロジェクトを拡大して、セリフ体CJKフォントを公開した。この新フォントをAdobeはSource Han Serif(源ノ明朝)と呼び、GoogleはNoto Serif CJKと呼んでいる。

最初のプロジェクトと同じく、Adobeのフォントデザイナー、西塚涼子がフォント全体のデザインを担当し、その後同社が中国、日本、韓国のいくつかの会社と協力して6万6635種類のグリフからなるフルセットのフォントを作り上げた(Source Serifに基づくラテン、キリル、ギリシャの各グリフも含まれている)。いずれのグリフも7種類のウェイトが提供される。つまり45万種類以上のグリフというラテン文字フォントとは比べ物にならない数を扱っている。

「アジアのようにタイプフェイスが非常に複雑な地域では、無料で利用できるということが非常に大きな利点だ」とAdobeの上級マネジャー、Dan Rhatigaは言う。「Source Han Sansは、AdobeとGoogleが協力して汎アジアフォントを世界に提供した最初の主要協同プロジェクトだった。セリフ体のSource Han Serifは、デザイナーの嗜好に新たな特徴を加えるだろう」。

前プロジェクトと同じく、Source Han Serifは画面表示に最適化されている。そして、Googleがこのプロジェクトを支援するモチベーションの少なくとも一部は、Androidに美しいCJKフォントを提供する必要性にある。

新しいフォントは、Adobeから北米および日本のTypekit(無料プラン)を通じて提供され、フォントファイルはGitHubでオープンソース・ライセンスに基づき配布される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

【ポッドキャスト】キャリア再構築を目指した50代(男)が20代の‘子どもたち’に混じってプログラミングを学び、成功したお話

[筆者: Ruben Harris](プロのチェリストで投資銀行家、後者は今、高齢者の訪問看護を行うHonorのためにサンフランシスコでパートナーシップを構築している。彼はポッドキャストBreaking Into Startupsのファウンダーでもある。)

企業は最近ますますワークフォース開発への投資を増やし、とくに社員の再教育に力を入れている。しかし今のあなたが50代なら、20代の連中と一緒にプログラミングを勉強するのは、尻込みしたくなるだろう。

最近は自動化や人工知能が人間の仕事を破壊するといった論調が賑やかだが、Michael Jay Walkerの場合のように、テクノロジーがキャリアを再生する例もある。

Michaelは今、プログラミングスクールDev Bootcampの学課最高責任者(CAO, chief academic officer)で学生相談部長(campus director)でもあるが、人種や性の多様性だけでなく、年齢の多様性や、社会経済的な多様性も重要だ、と主張し、Dev Bootcampに入学できた当時のことを語ってくれる。

彼はまた、FacebookYesWeCodeの多様性への取り組みや、最近のAdobeの見習い期間制度についても語ってくれた。

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AdobeのAdvertising Cloudで多様なネットメディアへの広告費支出を総合的に管理し最適化できる

ここ数年Adobeは、インターネット上の広告の効果測定や管理を改善する方法を模索していた。今日(米国時間3/20)同社は、ラスベガスで行われたAdobe Summitで、企業やアドバタイザーズがさまざまなチャネルに広告を掲載していく場合の費用を最適化するための、Advertising Cloudと名付けたプラットホームを立ち上げた。

AdobeはAdvertising Cloudの前段階として、Marketing Cloudをローンチしている。2009年のOmnitureの買収を契機として、同社は製品ラインに、数々のアナリティクスやメディア最適化、コンテンツ管理、などの機能を加えてきた。

さらに数か月前には、Adobeはビデオ広告のTubeMogulを買収した。この買い物で同社には、ビデオ広告や、あるいはリニアTV(の広告)すら、管理できるようになった。

Advertising Cloudの主な中身は、これらの機能をまとめたもので、アドバタイザーズや企業が単一のダッシュボードから、検索広告やディスプレイ広告、ソーシャルチャネルやビデオチャネル等への広告費支出を、管理し最適化できるようになる。

広告の世界はますます断片化しているから、広告キャンペーンの効果などを正しく評価できるためには統一的総合的な視野が必要だ。Adobeは、これまでなかった、そんな視野を提供しようとしている。いろんなマーケティングチャネルの多点観測ではなく、複数のチャネルにまたがるクロスチャネルなサポートを、Adobeは提供しようとしているのだ。

TubemogulのCEOで今ではAdobe Advertising Cloud担当VP兼ゼネラルマネージャーのBrett Wilsonによると、クロスチャネルなサポートによりアドバタイザーズは、Google, Facebook, Twitter, Snapのビデオ広告、リニアTVなどなどのスペースを総合的にまとめて一度に買えるようになる。

また、複数のチャネルにまたがる支出を最適化できるだけでなく、広告そのものの最適化もできる、とAdobeは考えている。具体的には、同社のCreative Cloudの動的なクリエイティブ最適化プロダクトにより、個人化された広告を作れる、と言うのだ。

すでにAllstate, Ford, Liberty Mutual, MGM, Southwest Airlinesなどの企業が、このプラットホームを利用して年間35億ドルの広告費支出を管理している。しかしテレビ広告が加わったことによって、さらに大きな機会が前方に見えてきた、と言える。

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PhotoshopがTouch Barに対応

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去る10月のApple MacBook Pro大イベントで行われたサードパーティー発表の中でも、最も魅力的だったのがAdobeだった。Touch Barの披露から2ヵ月、Appleはこの新しい入力デバイスのアピールに、もっぱら自社ソフトウェアに頼ってきた。かなり有用なもの(Final Cut Pro)からちょっとシャレたもの(Photos)まで。

嬉しいことに、ついにAdobeがPhotoshopのTouch Bar対応を完了し、今日(米国時間12/13)ソフトウェアアップデートを提供する。今日の午前に公開されたブログ記事で製品マネージャーのStephen Nielsonは、新しい入力デバイスが単なるギミック以上の潜在能力をもつことを説明している。

Touch Barをさわってみて、2つの理由ですばらしいと感じた。第一に、Touch Barは状況に応じた「次のステップ」を知るのに役立つ。Photoshopの操作に慣れていない初心者にとって有用なだけでなく、経験あるユーザーも、次に必要なアクションをすばやくアクセスできる。第二に、Touch Barはツールの新しい使い方を提供する。キーボードやマウスでは面倒だったツールでは特にそうだ。

Touch Bar導入に向けての第一ステップは、予想通り実にシンプルだった。PhotoshopユーザーはTouch Barを使ってレイヤーのプロパティーを選択したり、ブラシのカラー、サイズ、硬さ、透明度、フロー(スライダーを使って微調整する)を選んでお気に入りを作り、すばやくアクセスできる。以下に概要を転載する。

· レイヤー・プロパティー:よく使うアクションをすばやくアクセスできる:スマートオブジェクトの配置、レイヤーのクリップ、選択とマスクを開く ― ブレンドモード変更のコントロールや履歴の閲覧も。

· ブラシ:ブラシのカラー、サイズ、硬さ、透明度、フローを、スライダーを使って正確な値を選ぶ。

· お気に入り:よく使うアクションのセットを自分専用に作る。以前のセクションや、フルスクリーンモード、左右/上下に反転、macOSの共有メニューを起動、等のコマンドを自由に組み合わせられる。

このアップデートはPhotoshop CCユーザーに提供される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

2016年のサンクスギビングデーのオンライン売上は20億ドルの大台に乗る新記録へ

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七面鳥の運命はオーブンの中か(それとも上のカット写真のように)野原で自由に暮らしているかわからないが、早い段階の統計でも年末商戦に向けて消費者のオンライン利用が進んでいる傾向が見てとれるようだ。Adobeは今年のeコマースの売上をモニターしているが、それによると、アメリカではサンクスギビングデー〔感謝祭〕の当日、東部時間で午前零時から午前11時までの間にオンラインの売上が3億3600万ドルに上ったという。

この休日の商戦全体の売上は史上初の20億ドルの大台に乗ることになりそうだ。20億ドルという金額は2015年の売上を15.6%上回る。

モバイルの売上も新記録になりそうだ。8億2000万ドルがスマートフォンとタブレットからのセールスになる。過去、iOSデバイスはAndroidデバイスを通販の売上高で上回ってきた。iOSデバイスの売上高平均が144ドルに対してAndroidは119ドルだった。Adobe調べではサンクスギビングデーのリテール・サイトの訪問の55%、オンライン売上高の38%がモバイル・デバイスからのものだったという。

一方今年IBMはBenchmark統計を発表していない。IBMは例年、この統計で1万7000のオンライン・ショップをモニターしてきた。今年もなんらかのモニタリングは行っている。

AdobeよりIBMの数字の方がさらにモバイルに有利だ。 IBMによれば、eコマースのトラフィックのほぼ60%がモバイルからだという。ただし実際の売上高では44%だ。現時点での数字だが、 デバイス当たり売上高では依然デスクトップが134ドル、モバイル118ドルとデスクトップが優勢だ。

Adobeによれば、発表した数字の基礎は延べ210億回のオンライン・サイト訪問によって収集(その後匿名化)されたもので、アメリカにおけるオンライン販売トップ100社の取引の80%をカバーしているという。

われわれはこの後さらに詳しい情報が手に入りしだいアップデートしていく。

Adobe Digital Insightsのマネージング・アナリスト、Becky Taskerは「消費者はサンクスギビングデーのディナーの食事を終わると評判のプロダクトやお得なバーゲンを求めてオンラインでショッピングを始める傾向がある。今日で終了する重要な物理的バーゲン会場がいくつもある」と書いている。

Adobeによれば、今月、これまでにオンライン・セールスは272億ドルを売り上げている。しかしサンクスギビングの売上は対前年比で2桁の伸びを示しそうだが、11月全体となるとそこまではいかず、現在は4.28%のアップに留まっている。

しかし サンクスギビングはもともとショッピングが盛んな休日ではなかった。ブラックフライデー(明日)がクリスマスに向けた年末商戦のスタートを告げる日と考えられてきた。つまりeコマースの伸びは今後もさらに期待できる。これに加えて物理的小売店はサンクスギビングには店を閉めていることが多い。そのため理屈の上からしても消費者は一層オンラインに向かうことになる。

これまでのところ、予想どおり、売れ筋のトップはデジタル家電製品で、 iPad、タブレット、 Samsung 4Kテレビ、PlayStation 4、子供向け電動スクーターなどがリストに並んでいる。

画像: Mark Gunn/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Adobeがビデオ広告のTubeMogulを5億4000万ドルで買収

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Adobeは、デジタル・ビデオ広告のバイイング、効果測定プラットフォームであるTubeMogulとの買収交渉が合意に達したと発表した。

Adobeによれば、買収価格は1株につき14ドル、合計で5億4000万ドルだという。TubeMogulがAdobeに加わったことにより、Adobe Marketing Cloudが強力なビデオ広告ツールを持つことになる。Adobe Marketing Cloudではすでに、検索連動型広告、ディスプレイ広告、ソーシャル広告の最適な組み合わせを予算に基づいて算出する、最適化ソリューションを提供している(ビデオ広告の製作とマネタイズができるAdobe Primetimeもすでに稼働中だ)。

Adobeのデジタルマーケティング部門でバイスプレジデント兼ジェネラル・マネージャーを務めるBrad Rencherは、「従来のTVコンテンツから、インド映画、ハリウッド映画にいたるまで、様々なコンテンツがあらゆるデバイス上で爆発的に消費されています。そして、さまざまな消費者向けブランドがその動きに細心の注意を払っているのです」と買収を伝えるプレスリリースの中で語っている。「TubeMogulを買収したことにより、Adobeはビデオ広告に関するあらゆるサービスを揃えた”総合デパート”を提供することができ、Adobe Marketing Cloudがもつ戦略的価値がさらに高まりました」。

TubeMogulは2014年にIPOを果たしたものの、最近の株価は冴えず、昨日の終値は7.67ドルで引けている。直近の決算発表によれば、同社の収益は5610万ドルで、最終損失は1240万ドルとなっている(米国会計基準)。

買収が完了するのは2017年の第一四半期になる見通しだ。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Adobe、MAXカンファレンスで画期的な音声合成システム、VoCoをスニーク・プレビュー

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今日(米国時間11/3)、Adobeはサンディエゴで開催中のMAXカンファレンスで開発中のプロジェクト、VoCoのプレビューを公開した。VoCoは音声をテキストと同様に簡単に編集することができる。それも既存の録音された音声を編集できるだけでなく、十分な音声データさえあれば、このシステムはまったく新しい発言を作り出すこともできる。

作動の仕組みは簡単に言えばこうだ。プロジェクトVoCoはまずそれぞれの話者につき20分程度の音声サンプルを必要とする。システムは音声素材を分析し、個々の音素(フォニーム)を抽出して音声モデルを作成する。VoCoのユーザーはこの音素を用いて新しい文章を発生させることができる。現段階では、耳をすませば、どこが編集された部分なのか、違いを聞き取れる。しかし実際の録音と生成された発言(つまりフェイク)との違いが判別できなくなる日も遠くないかもしれない。

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今日のデモは小人数のプレスが対象だったが、Adobeの説明によればVoCoは従来の音声合成システムとはまったく異なるテクノロジーだという。Adobeはこれをvoice conversionと名付けている(したがってVoCoだ)。 注目すべき点は、ユーザーがマニュアルで音声データを細かく修正する必要がほとんどないところだろう。もちろんテキストから自動生成された音声データをさらに自然に聞こえるようにするために手を加えることはできる。しかしたとえば編集のためにタイムスタンプを改めて設定するなどの必要はまったくない。こうしたことはすべてアルゴリズムが自動的にやってくれる。

このデモを見ると当然さまざまな疑問が湧いてくる。たとえば、近い将来、本人が喋ったとしか思われない録音を聞いてもそれが本物であるかどうか確信がもてない事態が訪れるのだろうか? もちろん純然たるテクノロジー上の見地からすればCoVoは画期的なシステムだ。

CoVoが紹介されたのと同じプレス・イベントでAdobeはさらに2種類の編集プロジェクトをデモした。Project Quick Layoutは―名前どおり―印刷物のレイアウトの編集を簡単にする。Project CloverはVR環境中で対象物を編集できるVRツールだった。

これらすべて「スニーク・プレビュー」で、Adobeは将来一般に利用できる商用プロダクトになることを約束しているわけではない。しかしこれまでの例をみると、こうしたブロジェクトの多くはAdobeのプロダクト中に活かされてきた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Adobeが次世代型フォトエディターProject Nimbusをプレビュー、最初からクラウド生まれ

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今日(米国時間11/2)のMAXカンファレンスでAdobeは、クラウド生まれのLightroomふうフォトエディターProject Nimbusをプレビューした。それは、Adobeの従来からの旗艦製品的写真管理/編集アプリケーションから大量の複雑性を取り除いた、シンプルでスマートな(お利口な)ツールだ。まだ一般公開の予定はないが、来年にはベータが登場することだろう。

最近のAdobeは、モバイルアプリに力を入れている。多くの点でProject Nimbusは、Adobeがモバイルから学んだものの多くをデスクトップに還元したものだ、と言えよう。

同社が今日のデモで強調したのは、Nimbusが同社のそのほかのツールとシームレスに協働できることだ。画像やライブラリの形式はクラウド上のCreative Cloudスイートの仲間たちと共有できる形式であり、画像の編集は非破壊的かつ、複数のアプリケーションに反映される。Nimbusの基本設計方針のひとつが、ユーザーがデスクトップとモバイルをシームレスに行き来できること、だった。

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このツールは、Adobeの最新の機械学習サービスも利用している。たとえば、ユーザーは自分のライブラリ中の画像を、自然言語で見つけることができる。GoogleもGoogle Photosでそれをやっているが、しかしLightroomでは、それらを再び見つけるためには写真にタグを付けておく必要があった。またNimbusの写真修正ツールは、クラウド上のCreative SDKや人工知能サービスAdobe Senseiを使っている。

Adobeは、同社の今後の成長路線が、ユーザーがいろんなデバイスやアプリケーションにまたがって仕事ができるようにすることにある、と信じている。モバイルアプリではすでにそれができているが、そこで学んだクロスプラットホームの重要性を、デスクトップにも持ち帰りたいのだ。

Project Nimbusは、まだ、その位置づけがぎごちない。なぜなら、だいたいの写真編集機能はLightroomで間に合うからだ。Nimbusは(最終的に名前がどうなっても)、Lightroomの消費者バージョン、という位置づけかもしれない。しかしある部分では、Lightroom の次世代バージョンとして、長期的には古いツールに置き換わる製品、という感もある。

おっと、ややこしい話だが、Adobeにとってこれは、二度目のProject Nimbusなのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))