SpaceXの有人運用1号機にJAXAの野口聡一宇宙飛行士が搭乗

SpaceXは宇宙飛行士が搭乗する最初のフライトDemo-2の準備に取り組んでいる。厳密にいうと、これはCrew Dragonカプセルが正規ミッションとして飛行開始することが正式に認可される前に必要とされる最後のデモミッションとなる。

画像クレジット:SpaceX

Demo-2ミッションの範囲は多少調整され、宇宙飛行士のBob Behnken(ボブ・ベンキン)氏とDoug Hurley(ダグ・ハーレー)氏が、国際宇宙ステーションで実際にシフト任務を行うことになった。それでもCrew-1が、SpaceXの有人型宇宙船の公式な最初の運用ミッションであることに違いはない。今回、そこに誰が搭乗することになるのか、さらに詳しい情報を得ることができた。

日本のJAXA(宇宙航空研究開発機構)は、JAXA所属の宇宙飛行士、野口聡一氏がCrew Dragonミッションが正式に運用を開始し次第、その1号機に搭乗すると発表した。またJAXAは3月31日に、野口氏がISSに向かうためのトレーニングを開始したことも明らかにしている。同氏はこれまでに2回、別のミッションでISSに滞在した経験を持つ。最近ではロシアのソユーズで宇宙に向かい、2009年から2010年にかけて滞在した。それ以前にも2005年にはスペースシャトル・ディスカバリーに搭乗し、宇宙ステーションの組み立てに携わっている。

SpaceXとNASAは現在、Demo-1を準備している。すでに報じられているようにDemo-1には、2人のNASAの宇宙飛行士が搭乗する。現在の計画からスケジュールに変更がなければ、5月中旬から下旬には発射される予定だ。それが成功すれば、乗組員4人を運ぶことができるCrew-1のミッションが、2020年の後半には開始される予定となっている。

Crew-1には野口さんのほか、NASAの宇宙飛行士としてMike Hopkins(マイク・ホプキンス)、Victor Glover(ビクター・グローバー)の両氏、そしてNASAが米国時間3月31日にチームの新メンバーとして発表したShannon Walker(シャノン・ウォーカー)氏が搭乗することになる。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

SpaceX Starshipのマニュアルが語るスペースシャトルの後継機となり快適な宇宙旅行を提供できる理由

SpaceX(スペースエックス)は、テキサス州ボカチカで建造を進めている次世代のロケットStarshipの、宇宙船ユーザーマニュアル初版を発表した。このマニュアルはすでに運用中のSpaceXの他のロケットのものほど詳細ではないが、例えば大容量の貨物船としてStarshipをどのように活用したいか、または人を運ぶ宇宙ライナーとして比較的豪華であるとされる理由など、いくつもの興味深い内容が含まれている。

Starshipは静止通信衛星を一度に3基まで同時に運ぶことができ、衛星コンステレーション全体を1回で展開できる。あるいは静止衛星を1基か2基搭載して、余った空間を使って小型衛星の正式な相乗りミッションに利用することも可能だ。現在使用できる手段と比較して、1回のフライトでたくさんのミッションに対応できることは、運用上の費用という面で大変な助けになる。

SpaceXが提案するStarshipのもうひとつの利用法に「宇宙空間で実験を行う宇宙船」の運搬がある。Starshipに宇宙船を搭載したまま一体となって実験やミッションを遂行して、地球に戻ってくるというものだ。事実上これは、Starshipを国際宇宙ステーションのような宇宙研究所プラットフォームにするものだが、宇宙ステーションと違い自力で飛行し帰還する能力を有する。

SpaceXではまた、Starshipは本来のペイロード・アダプターの他に、側壁やノーズにもペイロードを搭載できるようになるという。かつてスペースシャトルにも類似の機能があった。さらにスペースシャトルと同様に、Starshipは軌道上の衛星の回収して必要に応じて軌道上で修理したり、地球に持ち帰ったり、別の軌道に投入したりもできるとSpaceXはいう。これは、現在運用中のどのロケットも成し得ないことだ。

Starshipに人を乗せる場合の設備に関する提案もあった。SpaceXでは100人もの人間を地球低軌道に、さらには月や火星に運ぶことができると説明している。船内設備には「プライベートな客室、広い共有エリア、集中型倉庫、太陽風シェルター、展望ギャラリー」などが考えられると資料には記されている。SpaceXはまた、地点間の移動という用途を特に強調していた。つまり、地球上のある宇宙港から別の宇宙港への移動だが、近宇宙を通過することにより大幅に移動時間を短縮できるということだ。

最後に、小さいながらおもしろい話がある。SpaceXは、打ち上げをフロリダ州のケネディ宇宙センターとテキサス州ボカチカの両方で行い、着陸もその両地点で行われる可能性があるという。複数のSpaceshipが完成して性能が実証され、実際にフライトが始まった際には、運用の頻度が高まるというわけだ。

SpaceXのStarship SN3は、現在ボカチカで建造中だ。エンジンの地上燃焼試験のために、すでに打ち上げ台に運ばれている。SpaceXは2020年末の高高度飛行テストに間に合わせようと、プロトタイプの改善ペースを速めている。そしてゆくゆくはStarshipとSuper Heavy(スーパーヘビー)ロケットブースターも、完全に再利用可能な宇宙船を目指して開発したいと考えている。

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(翻訳:金井哲夫)

新型の超音速飛行機2機種とスペースプレーンをStratolaunchが発表

航空機を高高度で空中発射させるスタートアップStratolaunch(ストラトローンチ)は、いくつかの変遷を経験しつつも、3月30日、超音速飛行機2機種とスペースプレーン1機種の詳細なデザインを公開した。どちらも同社の航空母機から発射される。すべて計画通りに進めば、試験飛行は、この3つのうちいちばん早いもので2022年に始まる。そこまでの資金は十分にあると同社は話している。

Stratolaunchは、もともと2011年にMicrosoftの共同創設者Paul Allen(ポール・アレン)氏によって設立された。アレン氏は惜しくも2019年に亡くなり、現在この会社は、Steve Feinberg(スティーブ・フェインバーグ)氏率いる投資家グループによって運営されている。だが新しい経営陣も、大気圏を飛ぶ超音速飛行機を開発するという設立当初と変わらない目標を掲げている。

3月30日の月曜日、同社はそのミッションを拡大し、貨物も人も運べる新型スペースプレーンによる宇宙飛行に進出することを発表した。機体は完全に再利用可能。つまり、貨物を搭載して通常の滑走路で離着陸できる能力を有していることを意味している。

だが、Stratolaunchの最初の目標は、超音速自動航行飛行機Talon A(タロンA)を実現させることだ。こちらもまた完全に再利用可能なタロンAは、全長はおよそ28フィート(約8.5メートル)、翼長は11.3フィート(約3.4メートル)。1分間以上の超音速モードで飛行し、自動航行により通常の滑走路に着陸させることを目的とした実験機だ。Stratolaunchの航空母機から発射できるが、通常の飛行機と同じように、滑走路から自動航行での離陸もできるよう設計されている。

この飛行機の第1の目的は、さまざまな機器を搭載して超音速飛行中のデータを収集するテストベッドになることだ。これまでシミュレーションでしか得られなかった状況を現実に体験する、事実上の実験室となる。Stratolaunchの航空母機からは、最大で同時に3機のタロンAを発射できる。

より大型の超音速機Talon Z(タロンZ)については、その性能と目的に関する詳細は明かされなかった。スペースプレーンBlack Ice(ブラックアイス)も、軌道上での実験手段を求める顧客にその機会を提供することが主な目的のようだ。だが、貨物の積載量と、将来的に人を乗せる場合の搭乗員数を考えると、実際に地球軌道上での運輸業に適している。さらに衛星配備の能力も備えていそうだ。

Stratolaunchのブラックアイスを使った取り組みは、Virgin Galactic(バージン・ギャラクティック)とVirgin Orbit(バージン・オービット)が行おうとしている商用有人宇宙飛行と小型衛星の運搬に近いものがある。この2つのVirgin系企業も、通常の滑走路から離陸する航空母機から宇宙船を発射する方式だが、開発計画はずっと先を行っている。Stratolaunchも、航空母機の最初の試験飛行を2019年に成功させた。彼らは、2023年のタロンAによる商用サービス開始を目指している。

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(翻訳:金井哲夫)

NASAのルナ・ゲートウェイ宇宙ステーションへSpaceXの新型DragonXL宇宙船が物資を輸送

NASAは3月27日、ルナ・ゲートウェイへの機器の材料、貨物、補給品の輸送を請け負う初の宇宙物流企業としてSpaceX(スペースエックス)を選定したことを発表した。つまりSpaceXは、月軌道を周回して、将来の有人月面ミッションの基地となるプラットフォームと地球との間を往復して物資を輸送する必要が生じたときに、NASAが業務を発注する企業のひとつに加えられたわけだ。

今回の契約により、SpaceXは事実上、月に人類を常駐させる科学調査基地の設置を目指すNASAのアルテミス計画で重要な役割を果たすだけでなく、さらに火星へと足を伸ばそうとするNASAの計画にも参加できることになった。ゲートウェイの建設はこれからだが、NASAでは新しい専用の宇宙船でゲートウェイに貨物を運搬し、6カ月から12カ月滞在するというミッションを複数計画している。

トータルの契約金は、契約全体で最大70億ドル(約7500億円)に達し、1つの企業につき少なくとも2つのミッションが保証される。他の企業もこれから指名されるはずだが、SpaceXは契約に基づいて選定された最初の企業となった。なお同社は、地球の軌道を回る国際宇宙ステーションへ同社のDragon(ドラゴン)輸送船を使った通常の物資の輸送については契約済みだ。

SpaceXは、このミッションに使用する予定のDragon宇宙船の派生型DragonXLを打ち上げることにしている。DragonXLは、月の軌道を回るゲートウェイ宇宙ステーションに5トン以上の物資を輸送できる。打ち上げには、SpaceXが保有しているFalcon Heavy(ファルコン・ヘビー)ロケットが使われる。

実際に最初のミッションが打ち上げられるまでには、まだ少し時間がかかりそうだ。最初のゲートウェイ用モジュールを載せて打ち上げられるのが早ければ2022年となっているものの、ゲートウェイがある程度のかたちになり定期的な貨物輸送が始まるのは、そこからほんの数年後だろう。

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(翻訳:金井哲夫)

ロケット打ち上げスタートアップのSkyroraは消毒液とマスクの生産に注力

Skyroraは、実際にペイロードを軌道上に運ぶ稀有な民間打ち上げスタートアップの仲間入りを目指している新しい企業の1つだ。しかし今、英国内の製造能力のすべてを、COVID-19対応に集中させることにした。スコットランドのエジンバラに拠点を置くSkyroraは、英国政府やNHS(英国民医療サービス)からの製造業者への呼びかけに応じて、できる限りのことをすることにした。新型コロナウイルス危機と最前線で戦っている人たちのために、切望されている医療用品を供給するのだ。

Skyroraryによれば、英国にある事業全体つまりすべての人的資源と運転資金を現在はCOVID-19対応に向けているという。同社は2017年に設立され、最初の宇宙船の試験飛行に向けて活動していた。この2月にはより環境にやさしい実験的なロケット燃料を使った初期のエンジンテストに成功したばかりだった。

しかし現時点、Skyroraは手指消毒液の製造に注力することにした。これが同社としてCOVID-19対応をサポートする初の仕事となる。すでにWHOのガイドラインと要件に沿って最初のバッチを生産している。現在、1週間あたり250mlボトルで1万本以上を製造できるよう生産活動拡大を目指している。

実際のところ、ロケット工学と手指消毒液の間にはかなり密接な関係がある。消毒液の基本的な殺菌成分はエタノールだ。これはアルコールの一種で、初期のロケット燃料に使用されていた。ただしSkyroraの「Ecosene」燃料は灯油の一種で、現在の航空機やロケットの燃料としてかなり一般的に使われているものとなる。

Skyroraは消毒液だけでなく3Dプリンターで作った保護用フェイスマスクが、医療従事者の安全確保に貢献できる可能性についてスコットランド政府と協議している。現在、初期のプロトタイプのテスト中だ。効果が確認できれば、この保護器具を大量生産することを検討している。

多くの企業が、自社の生産ラインと製造能力を最も需要のある領域にシフトするなど、可能な範囲で努力している。今は間違いなく「総動員」が求められる時期だ。とはいえ、注力する分野をここまで大きく変更した企業に、今回のような緊急事態が過ぎたとき、いったい何が起こるのかという疑問もある。特に新しい分野の若いスタートアップにとっては、深刻な問題だろう。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ソフトバンクなどからの追加資金を確保できずOneWebが破産を申請

TechCrunchが得た情報によると、衛星コンステレーションによるブロードバンド事業者のOneWebは、米国時間3月27日にも、米国で破産保護の申請を行うことになる。既存の投資家であるソフトバンクからも含めて、新たな資金の確保に失敗した結果だ。Financial Timesも、独自の複数の情報源に基づき、同社が資金確保に失敗したことを、同日レポートしている。TechCrunchの情報源によれば、OneWebは、ほとんどの社員をレイオフすることにしており、1つのチームだけを残して、すでに打ち上げて宇宙空間にある衛星の運用を続けるという。

OneWebは、今回の報道についてプレスリリースで認めた。それによると「COVID-19の拡散による市場の混乱」が、資金確保失敗の原因だったという。「私たちは、あらゆる場所であらゆる人たちをつなぐという私たちの使命の、社会的および経済的な価値を確信し続けています」と同社CEOのAdrian Steckel(エイドリアン・ステッケル)氏は述べている。

OneWebは、2012年にWorldVu Satellitesという名前で創立。ブロードバンドインターネットを実現する低軌道衛星コンステレーションの構築を目指していた。それにより、現状の地上のネットワークではカバーしきれないような遠隔地や、アクセスが難しい地域も含めて、地上のユーザーに安価なインターネット接続を提供しようというものだった。

2020年3月初め、BloombergはOneWebが他の選択肢も検討しつつ、破産保護の申請を検討していることをレポートしていた。他の選択肢の1つというのは、新たな資金調達ラウンドのことだ。およそ20億ドル(約2158億円)の確保を目標としていた。同社はこれまでに、複数のラウンドを通して合計30億ドル(約3237億円)を調達している。2019年と2016年に、それぞれ13億ドル(約1403億円)と12億ドル(約1295億円)のラウンドを実現していた。どちらも主要な投資家はソフトバンクグループだった。

OneWebは、3月の初めに打ち上げを成功させ、軌道上にある衛星の総数を74としていた。その後同社は、先週のTechCrunchの記事でレポートしているように、レイオフによって人員の数を10%ほど削減していた。

この最新の動きは、OneWebが現金を確保し続けるために、他のすべてのオプションを使い尽くしてしまったことを基本的に示すものだ。実際、計画していたような頻繁な打ち上げペースを維持するには、相当な準備金を必要としていた。その計画では最終的に650以上の衛星を打ち上げて、地球全域をカバーできるサービスを提供することになっていた。ソフトバンクが投資家として身を引くと、埋め合わせが難しい大きな穴を残してしまうことになる。WeWorkなど巨額の投資額に対して得られるリターンが少なく同社に苦境をもたらしている案件もあるため、ソフトバンクは実際に、いくつかの注目度の高い投資から身を引こうとしている。

OneWebの資金繰りの厳しさに、進行中の新型コロナウイルスのパンデミックに揺れる世界情勢が追い打ちをかけた形だ。複数のレポートによると、少なくとも一部の投資家は、より保守的なアプローチをとっているという。伝統的な手段によって、より多くの投資を確保することは、これまでよりもずっと実現困難になっているという指摘もある。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

UPSとドイツのWingcopterが共同で配達用多目的ドローンを開発

宅配大手のUPSがドイツのWingcopter(ウイングコプター)と共に、新しいタイプの配達用ドローンを開発している。米国でも世界でも今はロジスティクス企業のドローンによる配送が増えているが、新型機はその方面の需要を狙っている。Wingcopterはすでに電動の垂直離着陸機(eVTOL)を設計しており、最大航続距離約120kmで、許容最大風速は70mで最大約240km/hでフライトさせることができる。

Wingcopterは、UPSのドローンデリバリ子会社Flight Forwardと提携する。昨年の7月にできたこの子会社が、UPSの商用ドローンデリバリ事業を担当する。2019年10月にFlight ForwardはFAA(連邦航空局)から、荷物配達用ドローン専門の航空会社として認可を得ている。

Wingcopterはすでに、ドローンの商用利用のデモを終えており、例えば2020年始めに製薬企業Merckとのデモで、同社の自動操縦eVTOLによる小型荷物のドイツ国内Merk事業所間の配送に成功した。また、UNICEFなどの救援団体とのパートナーシップにより、僻地に医薬品や救命器具などを運んだ経験もある。

このコラボレーションには、Wingcopterの航空機を米国における商用配送に使用する認可を得る目的もある。認可が下りれば、今後両社はこの垂直離着陸タイプの多様な機種を開発して、いろんなニーズに応えていくだろう。ヘルスケアやホスピタリティ、小売業など、想定される需要分野は少なくない。

Wingcopterの主な利点は、ホバーリングや垂直離陸から低ノイズの前進飛行に切り替えができることだ。そのため人口過密地帯での利用に適している。同社のティルトローターの設計は、この垂直飛行と水平飛行をスムーズに切り替えられるだけでなく、雨や強風といった悪天候下でも安定飛行できるという利点もある。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

SpaceXが新型コロナによる初の打ち上げ延期を発表

これまでSpaceX(スペースエックス)は、新型コロナの世界的蔓延にもかかわらず打上げスケジュールが大きく影響されたことがなかった。先週同社は、人工衛星Starlink(スターリンク))60基の追加上げに成功し、5月下旬に予定されているNASAの商用有人飛行ミッション(前回の打上げでエンジンが早期停止した原因を調査中)は順調に進んでいると見られていた。

しかし米国時間3月24日、米空軍第45宇宙航空団(45 th Space Wing)は、3月30日にFalcon 9ロケットを用いてカリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地から発射される予定だったSpaceXの来たるべきSAOCOM(アルゼンチンの地球観測衛星)の打ち上げが、現在進行中の新型コロナ危機の影響を受け、「無期」延期されたことを正式に発表した。空軍基地があるヴァンデンバーグ市は先週末に公衆衛生緊急事態を宣言し、これまで新型コロナ感染が確認された事例はないものの、空軍は基地への入場を必須要員に限定し、必要最小限のサービスしか提供しないほか、現地に残らなくてはならない人々の保護と安全のために追加の予防措置を講じている。

SpaceXの打ち上げスケジュールが、新型コロナ・パンデミックの影響を受けることは不可避だった。NASAは、宇宙探査宇宙船アルテミスの開発やJames Webb(ジェームズ・ウェッブ)望遠鏡プロジェクトなど進行中の重要ミッションの一部を停止している。現在も有人宇宙飛行に向けた作業を進めつつ、NASAは職員と公衆の安全を確保するための基準引き上げについて頻繁に情報を更新しているので、進展があれば追って報じる予定だ。

画像クレジット:SpaceX

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Boomの超音速旅客機のテスト機XB-1はカーボンニュートラルの実現を目指す

航空機産業は通常、低炭素排出を志向していると見なされていない。ジェット燃料はグリーンとはいえないし、航空機は空を飛ぶ際、大量にそれを燃焼する。しかし超音速飛行のスタートアップBoomは、その超音速デモ機XB-1の試験開発事業で商業航空のそんなイメージを変えたいと願っている。同社の旅客機Overtureの開発のためにも、低炭素というイメージを持たれるが望ましい。

Boomの主張によれば、超音速デモ機XB-1のフライトは試験と認可の過程の冒頭から、持続可能性を達成できる初の商用OEM飛行となる。XB-1もOvertureもハイブリッドや全電動とは無縁だが、同社としては持続可能なジェット燃料とカーボンオフセットを併用して炭酸ガス排出量をゼロ、すなわちカーボンニュートラルにしたいと考えている。

Boomが使う燃料はパートナーのPrometheus Fuel製だ。同社は電力をソーラーや風力などの再生可能エネルギーから得て、二酸化炭素を減らそうとしている。Boomはすでに、地上テストでも同社の燃料を使っており、今後の地上テストと飛行計画でも使用できると判断している。

カーボンオフセットの意義については異論もあるが、しかしその事業から得たお金が適正な低炭素排出計画を支えるのなら、エコロジーに貢献すると言える。それにBoomのような、航空事業の経済的なインパクトをオフセットする試みが、商用の実機にも適用されるなら、一般的な航空業界がこれまで何もしなかったことと比べて環境に良いと言える。今後はすべての航空機開発事業で、このような風潮になるだろう。

現在、Boomが製造しているXB-1は、今夏にもFlight Researchとのパートナーシップのもとモハーベ砂漠のMojave Air and Space Port(モハーベ航空宇宙飛行場)でテストが行われる。その、パイロットはいるが旅客のいないテストから得られた情報は、将来超音速飛行の商用機となるOvertureの開発のベースになる。そのOvertureはすでにJALやVirginなど複数の航空会社から予約がある。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AlphabetのLoonとSoftBankのHAPSMobileによる成層圏ネットワーク構想に世界的大企業が続々参加

Alphabetの高高度気球企業Loonと、SoftBankの子会社で成層圏にグライダーを飛ばすHAPSMobileが率いる、全業界的企業連合が、高高度の送受信メカニズムを利用するネットワーク接続のスタンダードと関連技術を開発していくことになった。

これは両社が2019年4月に結んだパートナーシップの拡張で、Loonが使用するネットワークハードウェアが、HAPSMobileの長翼成層圏ドローンと互換性を持つことになる。両社はもっと多くのメンバーを歓迎しており、すでにAirbusの防衛および宇宙部門やBharti Airtel、China Telecom、Deutsche Telekom、Ericsson、Intelsat、Nokia、HAPSMobileの親会社SoftBank、Telefonicaなどが企業連合に参加している。

この企業連合はHAPS Allianceと呼ばれ、HAPSはHigh Altitude Platform Station(高高度プラットホームステーション)の頭字語だ。目的は技術の利用を宣伝するとともに、この技術を利用しようとする市場で規制当局と協力することだ。彼らが共同してネットワークの相互運用性のベースとなる共通の規格を開発し、企業連合各社が互いに衝突や妨害をしないような成層圏の利用技術ないし相互監視技術を作り出す。

現在のメンバーが増えたグループには、世界で最も強力なネットワーク事業者や、ネットワークインフラストラクチャの重要なプレーヤー、それに航空宇宙企業が含まれている。これだけ揃うことで、成層圏ネットワークに何か重要なことが起きると期待される。成層圏は地球に近く、人工衛星を利用するインターネット接続と比べてアドバンテージがあり、また困難な地形や狭い圏域など、地上基地局の不便さもない。

この動きをきっかけに、未来の携帯電話やインターネットの接続は、高い空を飛ぶ自律的な基地局が提供することになるのだろうか。現時点ではどこまで普及するか不明だが、現在、すでにそうそうたるメンバーが企業連合に参加しているだけに、実現性は高いと感じられる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

地球に向かう小惑星のコースを逸らす最良の方法をMITのシステムが提案

少なくとも一般に知られているかぎりは、今のところ小惑星が近く地球に衝突する恐れはない。でもそれは前になかったことではなく、また2029年にはニアミスが予想されている。従って準備はしておいた方がいいし、MITの研究者は手遅れになる前に衝突を避ける最良の方法を求めるシステムを開発した。

MITの院生であるSung Wook Paek(ソン・ウクペク)氏が率いるチームは、このたび発表された研究で、接近する小惑星の質量と相対運動量、およびそれがいわゆる「鍵穴」に入るまでの予想時間に基づく「デシジョンマップ」を記述している。鍵穴とは、地球のまわりの重力のハローのことで、そこに入れば小惑星は確実にこの惑星と衝突する。

MITが開発したデシジョンマップは、接近する小惑星をそらすための3つの選択肢を詳説している。1.ロケットや弾丸のような投射物を打ち上げてそのコースを変える。2.最初に偵察兵を送って正確な測定を行い、最良の投射物を開発する。3.二人の偵察兵を送り正確な測定とともに、その後の投射物の効果を最大化するために推力により小惑星の姿勢を変える。

2つの小惑星、Apophis(アポフィス)とBennu(ベンヌ)でのシミュレーションでは、時間が重要な要素だ。この2つは、よく知られていて情報量が多いのでシミュレーションに利用できた。例えば、重力の鍵穴の位置も地球からの正確な距離でわかる。そのシミュレーションによると、5年以上の余裕があれば最良の方法は二人の偵察兵とその後の投射物だ。2年から5年の猶予があれば、偵察兵1人+地球から発射する投射物が有効だろう。1年以下しか時間がなければ、どの方法も成功しない。

地球近傍天体の衝撃を避けるための公式の計画には、それに核兵器を撃ち込む方法が含まれているが、賛成者は多くない。MITが開発したこの方法なら、そこまでやらないで済みそうだ。ただし、発見や測定の方法が非常に高度に進歩していなければならないが。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

SpaceXのCrew Dragonが最初の有人飛行に備えてフロリダへ移動

SpaceXが、宇宙飛行士が乗る商用の有人宇宙船Crew Dragon(クルー・ドラゴン)をフロリダに移した。すべてが計画通りに行けば、2〜3か月後にはここからの打ち上げが行われる。Crew Dragonのカプセルは今、打ち上げ前の最後の試験と点検がフロリダで行われている。それはFalcon 9ロケットの上部に装着され、NASAの宇宙飛行士Bob Behnken(ボブ・ベンケン)氏とDoug Hurley(ダグ・ハーリー)氏を乗せて、フロリダのケープカナベラル空軍基地から打ち上げられる。

ベンケン氏とハーリー氏はCrew Dragonに乗って国際宇宙ステーション(International Space Station、ISS)へ向かう。それはSpaceXとNASAが「Demo-2」というコードネームで呼ぶデモンストレーションミッションの一環で、ISSまでの有人往復定期便の可能性を検証する試験の重要な一部でもある。SpaceXのCrew DragonとBoeing(ボーイング)の有人宇宙船Starliner CST-100の2つが、 NASAのためにその運用ステータスを達成すべき宇宙船とされている。なおボーイングの機は、目下開発と試験中である。

NASAの宇宙飛行士を乗せた宇宙ステーションへの往復飛行を前にしてCrew Dragonはフロリダへ移った。

ボーイングの宇宙船は最近何らかの問題に遭遇して試験の締め切りを延ばし、宇宙飛行士を乗せた最初の飛行を行うという目標に遅れが生じた。Starlinerは12月に行われた無人のデモンストレーションミッションで、深刻と思われる2つのソフトウェアの問題に遭遇した。今NASAと同社は修正活動を行なっており、それにはボーイングとそのソフトウェア開発および試験工程の安全性の見直しが含まれている。

一方SpaceXは1月に飛行中のアボートテストを行い、有人のデモミッションへ向かう前に必要とされる最後の重要なデモンストレーションを終えた。そのテストはあらゆる点で成功であり、Crew Dragonが予期せざるエラー時には自分を打ち上げ機から分離して離れ、乗客である宇宙飛行士の安全を確保することを示した。

SpaceXは、有人飛行の商用運用の前の、最後の段階で計画されているデモの、準備過程の詳細を共有してきた。たとえば今週初めのツイートでは、同社の宇宙船が超音波試験を行っていることを報告した。現在、Demo-2ミッションは暫定的に5月2日に行われるとされているが、ミッションのニーズや残る準備の進捗によっては早まることも延期されることもありえる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

衛星コンステレーションによる夜空の光汚染を天文学者たちが懸念

国際天文学連合(International Astronomical Union, IAU)がこのほど、StarLinkなどが製造している何千もの人工衛星からなる衛星コンステレーションの影響の可能性に関する初期的調査報告書を発表した。報告書は、地球からの天体観測に深刻な悪影響が及ぶ恐れがあるため、衛星の削減とルール作りが早急に必要だとしている。

同団体は2019年の夏に懸念を表明し、その後、衛星コンステレーションの影響に関する大規模な調査研究を、各地の天文台や組織の協力を求めて実施した。その一般的な感触は「最善を望み最悪に備える」というものだ。

IAUの推計によると、低地球軌道に数万の衛星があれば、地平線上には常時1500ほどの衛星が存在することになる。ただし、通常の天体観測の対象となる30度以上の上空にあるものは、250から300と少ない。

関連記事: Astronomers fret over ‘debilitating threat’ of thousands of satellites cluttering the sky…天文学者たちが空に散乱する何千もの人工衛星に懸念(未訳)

その圧倒的多数は、まだ空が暗い早朝など、太陽の光が人工衛星の表面から反射する特定の時間帯以外は、肉眼で見えないだろう。しかし、これら膨大な数の人工衛星の可視性と反射性を下げる方策はすでに採られているが、実際の効果は未知数であり、今からでは何をするにも遅すぎる、という状況になることもありえる。

IAUがそれ以上に心配を指摘するのは、ルービン天文台から改名した大型シノプティック・サーベイ望遠鏡(Large Synoptic Survey Telescope、LSST)のような広域的観測に対する影響だ。そのような望遠鏡が行うおよそ30秒の露出のほぼ1/3は、頭上の衛星の影響を受けるだろう。そして高感度の機器が作る像への影響は、肉眼よりも鮮明だろう。

それを避ける方法はあるだろうが、IAUの声明から同団体のフラストレーションが伝わってくる。

理論的には軌道を正確に予測して、その通過時に必要に応じて観測を中断することで、新たな衛星の影響は軽減できるだろう。データ処理によって結果の画像をより鮮明にすることもできる。しかしながら大量の衛星による大量の飛跡は、天体観測のスケジュールと運用を損なう複雑で無視できないオーバヘッドを作り出すだろう。

言い換えると、衛星コンステレーションの事業者たちが何もしなければ、我々に対策をしなければならない。そしてそれには費用と欠陥が伴う、ということだ。

問題はすべて可視光線に関連している。衛星コンステレーションからの電波や、その他の目に見えない放射による観測の妨害は未知数である。

関連記事: SpaceX successfully launches 60 more satellites for its Starlink broadband internet constellation…SpaceXがStarlinkコンステレーション用の衛星をさらに60基打ち上げ(未訳)

結局のところ、IAUの声明は中立を装ってはいるものの、明らかにその本音では怒っている。

「暗い場所で見える美しい夜空を保護したい、という人々の意識はとても強い。それは捨ててはならない世界遺産と見なすべきだ。軌道を周回する人工物の輝度について、国際的に合意された規則や指針がない。今日までそれは、優先度の高い話題として取り上げられることすらなかったが、現在、ますます重要になりつつある。したがってIAUは今後、国連の外宇宙平和利用委員会の会議で常時その所見を述べ、世界の政府代表者たちの注意を、新たな宇宙計画が天文学と科学全般にもたらす脅威に向けていきたい」

ひと握りの企業が夜空を散らかすことを、彼らは天文台にじっと座ったまま黙認したくないのだ。

画像クレジット: IAU

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

気球ネットワーク開発のグーグル系Loonとの無人航空機開発のソフトバンク系HAPSMobileが空飛ぶ基地局を実現

Google(グーグル)の親会社であるAlphabet(アルファベット)傘下のLoonは、成層圏上の気球にアンテナを乗せて、僻地にインターネットを届けようとしている。同社はこのほど、パートナーのHAPSMobileのための新しいペイロードの開発を完了した。HAPSMobileはソフトバンクの子会社で、高高度を太陽エネルギーで飛ぶ無人航空機を開発している。両社が協力して互いに適応させた通信技術により、Loonの気球がインターネットの通信を地球に送受し、それをHAPSMobileのドローンが利用してモバイルの空飛ぶ基地局になる。

そのための両社の戦略的パートナーシップは昨年4月に発表されたが、それはLoonの機能試験が初めて気球以外のプラットホーム上で行われるという意味でも重要だ。HAPSMobileが開発したHAWK30航空機は、成層圏を時速100kmあまりで飛ぶ。巡航高度は約2万mだ。しかしそれではLoonの気球よりも早すぎるので、ペイロードの方でそのスピードに適応することが必要だ。例えば、LTE接続を地上のデバイスへ送受するために使うアンテナの感度を高めて高速回転を可能にし、良質な接続を維持する。

LoonとHAPSMobileによると、両社の通信技術では700km離れていても1Gpbsの高速でデバイス間の接続を提供できる。HAWK30プロジェクトにおけるHAPSMobileの目的は、圏域を地上の基地局よりも大きくすることだ。なにしろ高高度だから、最も高い地上基地局と比べても、それがカバーする圏域は大きい。現在では全体をカバーするために何万本もの地上基地局が使われているが、この方法なら40機のソーラー航空機で足りると同社は説明する。それに地上基地局方式では避けられなかった、たくさんの細かい圏外域が減ることも期待できる。

Loonにとってこれは、運用形式の有意義な拡張であり、通信技術を互いに適応させることによって、今後いろんなタイプの航空機や送受信方式にも対応できれば売上の機会も増える。だからこれは、同社の商用パートナーシップの一例にすぎない。もちろん今の気球による展開そのものが、ユーザー企業との新たなパートナーシップを獲得することもありえるが。

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Starlinerの二度目のエラーでNASAがボーイングのソフトウェア工程の見直しを要求

NASAのAerospace Safety Advisory Panel(ASAP、航空宇宙安全諮問委員会)は、12月に行われたCST-100 Starliner(スターライナー)の宇宙ステーションとの無人ドッキングテストで発見された二度目の問題を受けて、Boeing(ボーイング)のソフトウェア試験工程の見直しを推奨した。そのときStarlinerは計画どおりに宇宙ステーションと連結できなかったのだが、それは、ミッションのタイマーのエラーでカプセルが、多すぎる燃料を早すぎるタイミングで燃焼したためだった。

米国時間2月6日の会議でASAPのグループは、ミッションの過程でソフトウェアの第二の「異状」が見つかったことを明らかにした。Space Newsの記事によると、その異状はカプセルの飛行中に修正された。その問題が修正されずに見過ごされていたら、エンジンの誤噴射により「宇宙船の壊滅的な失態」に至っただろう、と顧問の一人Paul Hill氏がSpace Newsに語っている。

試験ミッションの間に起きた複数の問題を、今BoeingとNASAが調べている。両者が強調しているのは、その打ち上げはニューメキシコ州ホワイトサンズにおける大気圏突入と着陸に成功し、ISSに接続できなかったにもかかわらず、計画どおりの多くのテストを行えたことだ。

彼らの指摘によると、当時ミッションタイマーのそのエラーは、搭乗者に危険が及ぶものではなかった。しかしこの新たに発見されたエラーは、修正されなければ前のものよりも深刻だったと思われるが、カプセルの地球の大気圏への再突入の2時間前に修正された。

その結果顧問団は、Boeingのシステムエンジニアリングとソフトウェアインテグレーション、および検証試験の見直しを求めることになった。そしてそれが終了するまでは、有人無人を問わずいかなる本番打ち上げも試験飛行も行われない。12月の打ち上げに関して予定されていた次のステップも、すべてが延期になる。

顧問団によると、NASAはすでに「全社的安全性評価」を行うことを決めている。その評価は、昨年、同じく商用の有人事業であるSpaceXに対しても行われている。

そしてそのSpaceXは、顧問団によると、「近く有人飛行を行うことに関しては疑念のない段階に達しているが、正確な時期は未定」だそうだ。なかなか、心強いお言葉だ。なお、米国会計検査院が発表した、商用有人宇宙飛行に関する報告書は、最初の実用有人ミッションのためのCrew Dragonカプセルの納期が、最初のスケジュールよりも早くなった、と明かしている。

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3Dプリンタでロケットエンジンを作り廃プラ燃料で噴射に成功したSkyrora

ロケットの打ち上げ事業を展開している英国エディンバラ拠点のSkyroraは、小さな人工衛星用の新しい打ち上げロケットを開発中だ。同社はこのほどその新型ロケットエンジンの地上静止噴射に成功し、実際の打ち上げに向かって大きく前進した。

Skyroraのロケットエンジンは3Dプリンタを使ってる点で新しいだけでなく、その燃料が廃プラスチックから作られている点にも注目だ。その新種の燃料は「Ecosene」と呼ばれ、同社によると競合製品よりもグリーンで、エコロジー的にも健全だそうだ。

Skyroraがテスト中のロケットエンジンは、最終的に全長22mの打ち上げロケットであるSkyrora XLの最後のステージで力を発揮する。Rocket Labの全長17mのElectronに近く、SpaceXのFalcon 9の全長70mにはおよばない。しかし、複数のペイロードを地上から最大500kmまでの複数の軌道へ配達できる。これは小型の衛星ペイロードでよく使われる低地球軌道だ。Skyroraは、廃プラから独自の方法で得られたケロシンであるEcoseneと、通常のロケット燃料であるRP-1ケロシンの両方で噴射して燃料としての性能を比較した。

Skyroraによると、1000kgの廃プラからおよそ600kgのケロシンを作ることができ、温室効果ガスの排出量は競合製品よりも約45%少ないという。Ecoseneには冷凍保存をしなくていいという利点もあり、長期間タンクに入れておける。同社によるとこの性質は、同社が実用打ち上げを予定している彼らの母国であるスコットランドの宇宙船基地の条件に合っているそうだ。

今回の試験噴射だけで新燃料の可用性が決まるわけではないが、その結果は今後のさまざまなテストに向けて励みになる。そしてSkyrora XLロケットの英国からの最初の打ち上げは、2022年を予定している。

【編集部注】TechCrunchは、米国ロサンゼルスで6月25日に開催する「2020 – TechCrunch Sessions: Space」で初めて宇宙テクノロジー専門のイベントを企画している。チケットは、今からでも買える

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イーロン・マスク氏が自作EDMをSoundCloudに本当にポスト

金曜日はたくさん新譜が出る日だが、この米国時間1月31日の金曜日には、ありえないソースからの曲がポストされている。それはElon Musk(イーロン・マスク)氏だ。SpaceXとTesla(テスラ)のCEOは、今週初めに「Don’t Doubt ur Vibe」という曲を書いた。曲は「Emo G Records」から発売される、と言っていた。しかし例によってそれは冗談かもしれないし、夜のインターネットのお遊びかもしれなかった。

ところが、彼は本気だった。しかもその曲を聴くために待つ必要はない。歌詞は、即興で一瞬で書けたのではないか。以下のフレーズを、無限に繰り返すだけだ。

Don’t doubt your vibe / because it’s true / don’t doubt your vibe / because it’s you

マスク氏によると、歌ってるのは彼自身だと言うが、加工されディストーションがかかっているので、まるで宇宙人の声のようだ。

EDM的にアレンジされた脈動感のあるアンビエントなもので、このジャンルの曲としては悪くない。聴いてご判断していただきたい。

マスク氏はこの曲を実際にレコーディングしているスタジオ内の写真をツイートし、最終テイクが完成するまでの過程は思った以上にたいへんだった、とシェアした。その曲作りのツイートの中で彼はフォロワーたちを教育して、コロナウイルスに関する不吉な予言がどんどん大げさになっていく理由を説明した。

アルバムが出るという話はないけど、テスラの決算報告も株価も絶好調だし、名誉毀損の裁判で勝ち、Starlinkプロジェクトも動き出した。それにSpaceXの商用有人飛行も前進、有人ミッション前の最後の試験飛行も成功という、マスク氏にとっていいことずくめの今日このごろだから、音楽をリリースするのもサマになってる。

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大学病院が血液サンプルの配送にドローンを利用

ドローンは食べ物の配達には向いてないかもしれないが、でも病院が使えば命を救うこともある。米国カリフォルニア大学サンディエゴ校の大学病院であるJacobs Medical Center(ジェイコブス・メディカル・センター)では、運送大手UPSが運用するMatternet(マターネット)のドローンを使って、検査用血液などを同病院の複数の施設間で送受する試験を開始した。

このような事業はMatternetにとって三度目だ。まずUPSとの 最初のパートナーシップでは、ノースカロライナのWakeMed病院で1900回の飛行を行った。またチューリッヒでSwissPostが行った飛行では、墜落事故で中断した運用を今月再開する。

関連記事:UPSがドローンスタートアップのMatternetと組んで医療サンプルを輸送

速達性を要求される生物学的標本などの配送は、クーリエサービス(バイク便)が利用されることが多いが、どんなバイクの名人も渋滞には勝てない。

ドローンによる配達は自動操縦になるが、リモートで監視が行われるし、ジェイコブス病院とがんセンターのMoores Cancer Center(ムーアズ・キャンサー・センター)と実験医学センターのCenter for Advanced Laboratory Medicine(センター・フォー・ラボラトリー・メディシン、先端臨床検査センター)はお互いに距離1マイル(約1.6km)未満の見通し線上にある。

今月はドローンスタートアップのMatternetにとって大きな月だ。試験事業が並行して2つもあるし、またヘルスケア専門のVC、McKesson Venturesからの戦略的投資の話もある。

画像クレジット: Matternet

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国際宇宙ステーションの商用化に向けてNASAが居住モジュールの設計をAxiom Spaceに発注

NASAは2016年に創業されたヒューストンのAxiom Spaceを、国際宇宙ステーション初の商用居住モジュールの生産者として選んだ。このモジュールは、将来の商用宇宙飛行ミッションの目的地となり、そこでは商用の宇宙旅行者たちにより、居住実験や技術開発などが行われるだろう。そしてそのISSまでの定期的な実用飛行には、SpaceX Crew DragonやBoeing Starlinerのような人間搭載が可能なクラスの宇宙船が使われると思われる。

Axiom Spaceは2016年に創業され、共同創業者でCEOのMichael T. Suffredini(マイケル・T・サフレディーニ)氏が率いている。サフレディーニ氏は以前、NASAのJohnson Space Center(ジョンソン宇宙センター)で、ISSのプログラムマネージャーを務めていた。同社の小さなチームにはNASA出身者が多く、そのスペースモジュールはISSに付設されたあと、同社自身の民間スペースステーションのベースになる予定だ。NASAはISSの供用期間を延長したが、現在のNASAの計画では、その後は民間の軌道ラボや商用の施設がISSに代わるものとして使われることになる。

2018年にAxiomは、Apple(アップル)の創業者Steve Jobs(スティーブ・ジョブズ)氏の豪華ヨットの設計者として知る人ぞ知るデザイナーPhilippe Starck(フィリップ・スタルク)氏をチームに加えて、未来のスペースステーションモジュールのルックスを構想してもらった。それには対話的ディスプレイのある乗員宿所や、地球とその背後の宇宙の絶景が見える半球状ドームなどが含まれている。

このISS用のモジュールは、プライベートな宇宙ステーションとして完全なものではなく、むしろ、既存のスペースステーションの今後の商用化や、さらに将来の低地球軌道における本格的な商用活動への道を拓くための、最初のステップだ。Axiomへの指示には「少なくとも1つの居住可能な商用モジュール」が含まれていて、そこには今後の拡張モジュールの発注も含まれている。納期などの契約条件の詰めが、今後行われるだろう。

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最大荷重約200kg、小型航空機のようなPykanoドローンで大農場の農薬散布を自動化する

現代の農業は、農地が圧倒的に広大なので、噴霧などの作業も非常に難しい。そこでPykaは、もっぱら人力に頼っていたその仕事を翼のある自動運転の電動航空機にやらせることにし、しかも規制当局からの認可まで取得した。

DroneSeedで見たように、噴霧などの作業を行うための飛行はとても危険だ。地表すれすれを飛ばなければならないし、しかも地面以外の障害物もある。しかしそれは、自動化に適した作業でもある。いくつかの飛行パターンを、何度も何度も繰り返す作業だからだ。

Pykaのやり方は、ドローンでよく行われている方法とは異なっている。ドローンを用いる場合、その方法は複数の回転翼による操縦のしやすさと離着陸の容易さを活かす傾向にあるが、しかしながら、ドローンは大農場に散布に必要な大量の農薬などを搭載できない(残念ながら)。

Pykaが作った航空機は、従来からある薬剤散布用の単座機に似ているが、コックピットがない。3枚のプロペラを持ち、内部スペースのほとんどは、荷物とバッテリーを搭載するために使われている(最大荷重約200kg)。もちろん自動飛行のために、一連のセンサーシステムとコンピューターも搭載している。

Pykaの平地離陸距離はわずか50メートルなので、わざわざ滑走路を作ったり、遠方から目的の農地までの長距離をフライトしてエネルギーを浪費することもない。面倒といえばバッテリーの交換だが、それは地上のクルーがやってくれる。地上クルーはフライトコースの決定も行うが、実際の飛行経路選択と一瞬の判断は搭載されたコンピューターが担当する。

人間の入力がなくても障害物を見分ける航跡の例

このEgretと呼ばれる飛行機の噴霧能力は、1時間約100エーカーで、ヘリコプターとほぼ同じだが、自動運転航空機なのでその精度は高く、より低空をフライトできる。難しい操縦を人間が行わないため、その点でも安全だ。

さらに重要なのは、国のお墨付きがあるということだろう。Pykaの主張によると、同社は世界で初めて、電動の大型自動操縦航空機の商用化を認められた企業だ。小型ドローンはあちこちで承認されているが、EgretはPiper Cubといった従来の小型航空機のサイズに近い。

ただし航空機だけに関してはそれで良いが、大規模展開については他の問題もある。航空管制や他の航空機との通信、それに関連した機体の認可条件、センサーの能力と回避能力の長距離化などがそれになる。しかしPykaのEgretは、これまでに試験農場で何千マイルもフライトしているため、特別に認可を取得することができた。なお、Pykaは同社のビジネスモデルや顧客、売り上げに関しては口をつぐんでいる。

同社の創業チーム、Michael Norcia(マイケル・ノルチャ)氏、Chuma Ogunwole(チュマ・オグンウォル)氏、Kyle Moore(カイル・ムーア)氏、そしてNathan White(ネイサン・ホワイト)氏らは、いずれも関連分野のさまざまな有名企業の出身。それらはCora、Kittyhawk、Joby Aviation、Google X、Waymo、Morgan Stanley(の元COO)などだ。

同社の1100万ドル(約12億円)のシードラウンドをPrime Movers Labがリードし、これにY Combinator、Greycroft、Data Collective、そしてBold Capital Partnersが参加した。

画像クレジット: Pyka

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