ビル・ゲイツ氏が財団の全リソースを新型コロナとの戦いに向けると表明

Microsoft(マイクロソフト)創業者のBill Gates(ビル・ゲイツ)氏が、グローバルの新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックと戦うために現在展開されている取り組みをサポートしようと、Bill & Melinda Gates Foundation(ビル&メリンダ・ゲイツ財団)の活動をいかに「ほぼ全面的」に新型コロナウイルス感染症にシフトさせているかをファイナンシャル・タイムズに語った(Fast Company経由)。同紙に対してゲイツ氏は、新型コロナウイルスの感染拡大は恐ろしいほどの経済影響をもたらしうると語り、その結果、誰も想像できないほど世界が苦しむことになるかもしれないとした。そのため、世界で最も資金力のある慈善財団の1つであるゲイツ財団のリソースすべてを注いで新型コロナ問題を克服する必要があるとの考えを示した。

ビル&メリンダ・ゲイツ財団は新型コロナウイルスが世界に広く認識されるようになったときから、ワクチンの試験や臨床研究、そして治療薬や治療法の開発に関連する基礎研究に資金を提供してきた。これは、同財団がリソースを新型コロナに向ける一方で、ポリオやエイズの根絶など同財団の既存の任務が一時的に縮小もしくは停止することを意味する。かなりのリソースを新型コロナに向けるというゲイツ氏の決断は状況の深刻さを浮き彫りにしている。

活動の一時的シフトは、実際には同財団の根幹的な目標に取り組む長期的で最善の方法となる。というのも、新型コロナウイルス危機によるグローバルの影響は、食料や基本的必需品はもちろん、医療、テスト、治療へのアクセスなども含め、暮らしのあらゆる面に及ぶと考えられるからだ。感染拡大を早く抑制することは、新型コロナ対応に苦戦している経済に最も大きな影響を与えるかもしれない。また、他の病気が地域のインフラを破壊したり影響を長引かせたりするのではなく、妥当なタイムラインで根絶させる効果的な取り組みにつながるかもしれない。

2015年のTEDでの講演の中で、ゲイツ氏は世界的な感染症の発生を予言し、世界の健康衛生機関や政府に大規模な感染症が発生した場合に何をすべきか、ともに準備するよう訴えた。ゲイツ氏の発言は主に、取り組みの格差やシステムの欠点などを明らかにした2014年のエボラ熱の流行を念頭に置いたものだったが、振り返ってみると同氏のアドバイスは先見の明があったようだ。

残念ながらゲイツ氏は、極度のパラノイアや嘘をばらまくグループによる多くの誤情報やインチキ陰謀説のターゲットになっている。しかしインタビューからすると、ゲイツ氏は超有名な個人にそれらは付き物とある程度予想していた向きがある。そうした陰謀はゲイツ財団の取り組みに影響は与えていないようだ。

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:Mizoguchi

ビル・ゲイツ氏がマイクロソフト取締役を辞任

Bill Gates(ビル・ゲイツ)氏が、より多くの時間を慈善活動にあてるためにMicrosoft(マイクロソフト)の取締役を辞任した。同社が13日午後に発表している。ゲイツ氏はCEOのSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏のテクノロジーアドバイザーは継続するが、今回の辞任によってゲイツ氏のマイクロソフトとの関わりはこれまでで最も小さくなる。

80年代からビル&メリンダ・ゲイツ財団により専念することを決めた2008年まで、ゲイツ氏はマイクロソフトを率いた。その後は巨大な富を投じて、世界の健康問題に取り組んでいる。

ただその後もゲイツ氏は役員会に残り、実際2014年まで取締役会長を務めていた。しかし今日から彼はマイクロソフトのラッキー・チャームのような存在となり、ときどきナデラ氏や他の役員のブレイン役を補助的に務める。

「何年にもわたってビルととともに働き、そして彼から学べたのは大変名誉で特別なことだった」とナデラ氏は同社のプレスリリースで述べた。「ビルとの友情に感謝している。さらに多くのことを達成するため、地球上のあらゆる人や組織に活力を与えるというミッションの具現化に向けて今後も彼とともに取り組むことを楽しみにしている」

ここでゲイツ氏とマイクロソフトを回顧するつもりはないが、少なくともかなり興味深い来歴だったことだけは言っておく。マイクロソフトはテクノロジーのベストとワーストを、時にはそれらを同時に体現してきた。その多くはゲイツ氏の影響力によるものだ。

ゲイツ財団もかなり大きな影響力を持つ存在ではあるが、よりひそやかで人道的なものだ。最終的にはこのゲイツ氏にとって2つめの遺産となるゲイツ財団が、彼の最も輝かしい業績となるかもしれない。

画像クレジット: Bloomberg / Contributor / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

イーロン・マスクの辛辣なツイートのせいで、ビル・ゲイツはテスラを絶対買わないだろう

Elon Musk(イーロン・マスク)氏は歯に衣着せぬタイプだが、その辛辣なツイートのせいで客を1人失ったかもしれない。

その客とは、超有名人のBill Gates(ビル・ゲイツ)氏で、彼は最近、ビューワーが1000万以上いる人気ユーチューバーMarques Brownlee(マーケス・ブラウンリー)氏の動画に登場した。ゲイツ氏とブラウンリー氏は以前にも会ったことがあり、今回の動画の話題はBill & Melinda Gates Foundation(ビル&メリンダ・ゲイツ財団)の今年の計画だった。今年でこの財団は、創立20周年を迎える。

当然ながら会話は気候変動について触れ、その中で持続可能な輸送機関がちょっと話題になった。ブラウンリー氏はTesla(テスラ)を持ち出し「高級電気自動車がもっと安くなったら、いたるところで見かけるようになるだろうか」と質問した。

Teslaの悪口を言ったわけではないが、ゲイツ氏は「現在、高級車であっても10年後には同じスタイルと仕様で走行距離がちょっとだけ短いやつが、大衆車として出回るだろう」と答えた。 そして気候変動との関連では「自動車は気候変動対策に大きく貢献できる。1社だけ具体的に名前を挙げるなら、最も貢献する自動車メーカーがTeslaだろう」と述べた。

しかし、ゲイツ氏の発言は、マスク氏にとってうれしいものではないだろう。彼は初めて所有した電気自動車への興奮について語ったが、その電気自動車はTeslaではなかった。

「今やすべての自動車メーカーが、新しい企業も含めて電気自動車に殺到している。しかし最大の心配は、消費者の走行距離に対する不安を解消できるのか、という点だ。私はPorsche Taycanを持っているが、それは電動自動車だ。高級車と言うべきものだが、すごくクールだ。私にとって初めての電気自動車であり、とても楽しんでいる」とゲイツ氏は語った。

この会話を知ったマスク氏は、どうしてもツイートで応えたくなった。

具体的には、非公式のTeslaニュースレターの担当者が、「たくさんの人がこのインタビューを見て、ゲイツ氏の言葉をそのまま信じるだろう。そしてEVを検討すらしなくなるね。ビル・ゲイルが本当に頭の良い男だからだよ」とツイートした。これに対してマスク氏は「率直に言って、ゲイツ氏との会話はつまらなかったね」と応じた。(下図)

このやりとりがおかしいのは、どちらも億万長者の天才でしかも予想外の展開になっているからだ。

しかもいやらしいことに、ゲイツ氏は車のコレクターなのにTeslaを購入するということはなく、近々同社についてポジティブに語ることもなさそうだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ビル・ゲイツ、37kgのビックなギフトをシークレット・サンタでプレゼント

クリスマスにはすてきなプレゼントをもらった(贈った)読者も多いだろう。Microsoft(マイクロソフト)のファウンダー、 ビル・ゲイツ氏は2012年からRedditがクリスマスに開催するシークレット・サンタというプログラムに参加している。これはRedditのユーザーにびっくりなギフトが届くという仕組みだ。

ゲイツ氏はサンタ役を大いに楽しでいるようで、2017年にはネコがテーマのギフトパッケージを用意した。これはネコを愛する女性のもとに届けられたが、巨大なネコのぬいぐるみだけでなく、プレゼントを受け取った人には、好きな動物愛護団体に750ドル(約8万2000円)を寄付できる権利も贈られていた。2018年のゲイツのギフトは、自然繊維の織物やギフトカードを作っているミニチュア・ホースのオーナーに贈られた。プレゼントされたのは、ギフトを包むカラフルなテープ、自然繊維、鉛筆、はがき、ミニ・ホースのための毛布、それにハンク・グリーンの熱烈な愛読者だということで、彼のサイン本も入っていた。

2019年、重さ37kgもあるクリスマス・プレゼントを受け取った幸運なRedditユーザーは、デトロイト在住のマーケティングを担当する33歳の女性だった。MarketWatchに「ビル(・ゲイツ)とマッチされたらすてきだと思ってましたが、それが本当になるなんて思ってもみませんでした」と彼女は語った。

女性のRedditプロフィール写真は『スター・ウォーズ』のチューバッカを胸に抱きしめているものだ。『ハリー・ポッター』などファンタジーやゲームのファンでもあるということだった。そこでプレゼントにはハリー・ポッターのサンタ帽やホグワーツ城の模型、任天堂の『ゼルダの伝説』をモチーフにした手縫いのキルト、『ツインピークス』のスタッフが着用していたL.L. Beanのジャケットなどが入っていた。

ゲイツは読書家としても知られており、頻繁に書評や推薦文を書いているが、ギフトにはF.スコット・フィッツジェラルドの『グレート・ギャッツビー』の装丁された草稿のコピーが入っていた。デトロイトの女性は、この数行を2019年始めに結婚した際、ドレスに使っていたという。しかもギフトには、フィッツジェラルドが出版を前にして自筆で訂正を入れた部分のスキャンも含まれていた。

ゲイツがチャリティに力を入れ始めたてからかなりの時間が経つ。Chronicle of Philanthropyの資料によれば、ビル・ゲイツ、メリンダ・ゲイツ夫妻は2018年に推定47億8000万ドル(約5230億円)をチャリティに寄付した。これに夫妻の財団の基金は他の資産からの寄付も含めて455億ドル(約5兆円)に達した。

またゲイツは大富豪、ウォーレン・バフェット氏とともに財産をチャリティに寄付することを約束するギビング・プレッジを創立したことでも知られる。これはビリオネアが資産の大半をチャリティに寄付することを可能にするシステムだ。

Redditのシークレット・サンタに参加しているのはビル・ゲイツだけではない。.たとえばGoogleはPixel 4をプレゼントしている。また3Dプリンターを受けっ取ったRedditユーザーもいる。シークレット・サンタのギフトにはキャプテン・アメリカの盾もあり、手作りの小さな盾が愛犬用に添えられていた。

画像:Bill Gates

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滑川海彦@Facebook

史上最年少の女性下院議員が主張「労働者はオートメーションを恐れるな」

オートメーションへの地殻変動的な移行を、失職について語らずに議論することは不可能だ。テクノロジーに反対する人びとは、「熟練技能を必要としない」職業分野で大規模な失業が起きることをおそれて批判する。一方テクノロジー肯定派の人たちは、その種の記事は大げさになりがちだと言う。でも労働力のシフトは、太古の昔からそうであったように今も起きている。

しかし今週行われたSXSWで、ニューヨーク州出身の女性下院議員アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)氏は、まったく違う見解を述べた。

The Vergeによると、彼女はある質問への答でこう述べている。「自動化で仕事を失うという妖怪を怖がるべきではない。自動化は、むしろ喜ぶべきだ。でも、それを喜べないのは、私たちが、仕事がなければ死ぬという社会に生きているからだ。そして、そのことの中核にあるものこそが、私たちの本当の問題だ」。

聴衆からの質問に対するこの答は、オートメーションに関するこれまでのさまざまな会話の中で、あまり聞かれない見方だ。いちばん多いのは、業界を代弁するような人びとが、テクノロジーがこれまでの「退屈で汚くて危険な」仕事を置換すると主張する説。多くのロボット賛美派が言うには、それらは本当は誰もがやりたがらない汚れ仕事だ。

【ウィリアム・ギブスン「これは政治家が言う言葉としては衝撃的に知的だ」】

一方オカシオ=コルテス氏の答は、彼女の民主社会主義者としての見解を述べている。それは、正しく実装されたテクノロジーは労働者を資本家のシステムから解放できる、今は労働者が、自分の存在と生計をそのシステムに冷酷に縛り付けられている、と見る議論だ。

この新人女性議員は、オートメーションが社会にもたらす利益を指摘して、自分の立場を明らかにしようとする。

The Vergeの引用によると、オカシオ=コルテス氏の発言はこうだ。「オートメーションに関して、私たちは喜ぶべきだ。それによって、可能性としては、自分自身を教育する時間が増えるし、アートを創る時間や、科学にお金をかけて研究する時間、発明に集中する時間、宇宙に行く時間、自分たちが今住んでる世界をエンジョイする時間も増える。必ずしもすべての創造性が賃金に結びついていなくてもよいのだから」。

オカシオ=コルテス氏は、ビル・ゲイツ氏がQuartz誌のインタビューで語っていることを引用して、このビジョンを実現するためにはロボットに課税することもひとつの方法だ、と言う。彼女はこう言ったそうだ。「ゲイツ氏が本当に言ったのは企業に課税することだけど、『ロボットに課税する』のほうが言いやすいから」。

オートメーションに関する質問への彼女の答は、未来に関してとりわけ楽観的な一部のライターたちの喝采を浴びた。

小説家のウィリアム・ギブスンは、「これは政治家が言う言葉としては衝撃的なほど知的だ」とツイートした。それは少なくとも、今や陳腐化している話題への新鮮な観点であり、われわれ全員が共有するテクノロジーの未来をめぐる重要な会話に、生命(いのち)を吹き込むものだ。

オートメーションが向こう数十年で雇用に大きな影響をもたらすことは、疑問の余地がない。倉庫などの業種では、その多くをすでに目にしてきた。この主題に関するすべての研究が認めているのは「破壊される」雇用の数は数千万以上だが、新たに“創られる”数はその膨大な数の小部分にすぎないことだ。

でも、この女性下院議員のコメントはそれらの具体的な数とは関係なく、たぶん我々がこれまでずっと間違った問いを尋ねていたのではないかということを示唆している。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AlphabetのムーンショットプロジェクトMaltaが企業として独立、Bill GatesらのBEVから$26Mを調達

AlphabetのムーンショットファクトリーXで生まれた再生可能エネルギー保存プロジェクトMaltaが企業として自立し、Breakthrough Energy Venturesが率いるシリーズAのラウンドで2600万ドルを調達した。〔moonshot, 仮訳: “未来学的な”〕

Concord New Energy GroupとAlfa Lavalが、この投資に参加した。

Project Maltaは昨年、AlphabetのX(旧Google X)でローンチし、ひとつまたは複数の送電網全体を完全にサポートするような、大規模なエネルギー保存施設の構築を目指した。Alphabetから独立した今、同社はMalta Inc.と呼ばれる。

Malta Inc.は、再生可能エネルギーや化石燃料から得られた電力を、リチウムイオン電池よりも長期間保存できるシステムを開発した。その電熱保存システムは最初に、風力や太陽熱、化石燃料などから得られた送電網上のエネルギーを捕捉する。集められた電気がヒートポンプを駆動し、電気エネルギーを熱エネルギーに変換する。その熱は溶融塩に保存され、一方冷気は冷却された不凍液に保存される。送電網が電気を必要とするときは、そのエネルギーを電気に変換する。

Maltaによると、そのシステムは電気を数日から数週間保存できる。

Maltaは今回得られた資金で既存企業とのパートナー事業を興し、同社がXで開発し完成させた詳細設計を、初めてのパイロットシステムとして、本格的な産業用施設へ実現させたい、としている。

MaltaのシリーズAをリードしたBEVは、2016年に、Breakthrough Energy Coalitionによって創業された。それは、Microsoftの協同ファウンダーBill GatesやVCのKleiner Perkins Caufield & Byersの会長John Doerr、 AlibabaのファウンダーJack Ma、Amazonの協同ファウンダーでCEOのJeff Bezos, そしてSAPの協同ファウンダーHasso Plattnerらによる投資家グループだ。

画像クレジット: hugociss/Moment

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ゲイツ、ザック、ベゾスらがVillage Globalを支援――スタートアップ育成のシード・ファンドがスタート

Y Combinator出身のスタートアップ紹介サイト、Product Huntの社員1号、Erik Torenbergは有望なスタートアップを見つけて世界に紹介するだけでなく、自ら投資しようとしている。今日(米国時間9/26)、静かにスタートしたVillage Globalは、シード資金とプレ・シード資金を最初期段階のスタートアップに投資することを目的とするベンチャーファンドだ。

このファンドは起業家に資金を提供するだけでなく、起業家と世界的に有名なメンターとを結びつけようとしている。Facebookのマーク・ザッカーバーグ、Amazonのジェフ・ベゾス、LinkedInのリード・ホフマン、Googleのエリック・シュミット、Yahooのマリッサ・メイヤー、Microsoftのビル・ゲイツといったスーパースターがリミッテッド・パートナー(LP)として、またアドバイザーとしてVillage Globalに加わっている。

Village Globalのパッケージ、Erik Torenberg

SEC〔アメリカ証券取引委員会〕の規則によりベンチャーキャピタリストは資金調達中のファンドについて公に論ずることを禁じられているためTorenbergはわれわれの取材に答えることを控えた。Village Global自体はファンドの規模について明らかにしなかったものの、同社が規則に従って6月にSECへ提出した書類をTechCrunchが調べところによれば、調達目標とする金額は5000万ドルだ。ただし、資金調達が完了していないため、実際に集まった資金の総額はまだ分からない。

上に挙げた以外にも前ニューヨーク市長、マイク・ブルームバーグ、VMWareのファウンダー、ダイアン・グリーン、DisneyのCEO、ボブ・アイガーなど数多くの著名人がこのファンドに加わろうとしている。皆大富豪だから、目的は利益ではなさそうだ。Village Globalは事業を紹介するリリースで「こうしたイノベーターたちはスタートアップ・ゲームへの関心を失っていない。彼らは自らの企業運営の経験からさまざまな知恵を起業家に伝えたいと考えている。同時に次世代の起業家たちとの交流を通して新たな洞察を得ようとしている」と書いている。

実際、ここに名前を挙げたテクノロジー界の巨人たちがVillage Globalに信頼を置く理由は、TorenbergがProduct Huntを通じて「草の根」的に次世代の起業家を熟知しているからだろう。

ホフマンと共著でスタートアップの戦略の教科書、スタートアップ シリコンバレー流成功する自己実現の秘訣(日経BP)(The Startup of You)を書いた後、ホフマンの側近としてLinkedInに加わったベン・カスノーカがVillage Globalのチームに加わった。またパートナーには IACの事業開発担当幹部、500 StartupsのIR部門の責任者、Queensbridgeのパートナーを歴任したAdam Corey、Cheggの最高ビジネス責任者、Harvard Business Schoolの客員起業家、Anne Dwane、SuccessFactorsの前副社長でCanaanのパートナー、Ross Fubiniなどが含まれる。

最初期のスタートアップへの投資を目的とするため、Village Globalはさほど巨額の資金を集めたりAndreessen HorowitzやGV(以前のGoogle Ventures)のような大規模な組織なしに意味のある影響を与えることができる。人材獲得や組織のデザインの面でも負担が軽いはずだ。その代わり、Village Globalはテクノロジー界のスターをアドバイザーとして網羅しようとしている。 【略】

Village Globalでは一般のベンチャーキャピタルのように少数の中心的メンバーがすべての投資の決定を行うのではなく、幅広いスカウトのネットワークを通じて行おうとしている。この「スカウト・ネットワーク」のリーダーにはYouTubeのVRの責任者、Erin Teague、Quoraの副社長、Sarah Smith、Dropboxの社員1号、Aston Motes、Target、Hilton、 Verizon[TechCrunchの親会社]の取締役を務めるMel Healeyなどがいる。

Village Globalのビジネスモデルはスタートアップの起業は投資家にとって二極化―大成功を収めるかゼロになるかで、その中間が少ない―という現実を前提としている。Village Globalはスタートアップのスカウトに有利な条件を示しているが、これはいくつかの大成功ですべての投資の元を取ろうという戦略だろう。

上場や買収などにより現金化に成功し資産を築いたファウンダーなど富裕な個人が続々と初期段階のスタートアップへの投資に参入してくる現状なのでこの分野は今後激しい競争にさらされるはずだ。しかし幅広いネットワークとテクノロジー界のスターをメンターに擁することでVillage Globalから次のユニコーン〔企業価値10億ドル以上のスタートアップ〕が生まれるなら、健全なエコシステムを築くことができるだろう。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

「植物肉」バーガーのImpossible Foodsが7500万ドルを調達

カリフォルニア州レッドウッドシティを拠点とする、設立6年目の企業Impossible Foodsが、7500万ドルの資金を調達したことを、先週ひっそりと公表した。ファンディングを主導したのはTemasekで、Open Philanthropyだけでなく以前からの投資家たちであるBill Gates、Khosla Ventures、そしてHorizo​​n Venturesも参加している。

それ以上の詳細については公表しないと同社は語ったが、今回のラウンドによって調達資金はおよそ3億ドル近くに達した。過去にはGV、Viking Global Investors、そしてUBSが参加していた。

Impossibleのハンバーガーは、ヘムを運ぶタンパク質の大豆レグヘモグロビンを用いて作られている。ヘムはあらゆる動物や植物の中に自然に存在する、鉄原子を抱えた分子だ。

同社は、多くの動物由来製品を、植物由来の製品で置き換えたいと明言しているが、現段階では明白に、そのハンバーガーを世界に広げようとしているようだ。この戦略の一環として、同社は5月にカリフォルニア州オークランドに工場を開設した、そこでは毎月100万ポンド(約450トン)の「植物肉」を生産することが期待されている。

ハンバーガーは現在、一部のレストランでのみ提供されているが、Impossibleは自社製品を食料品店に早く供給するためには、動きを早める必要があることを認識したのだ。他社製品であるBeyond Meatのハンバーガーは既に、Whole FoodsやSafewayの数百箇所で販売されている。Beyond Meatは動物性タンパク質で作られた食品の代わりに植物由来の製品を生産する、Bill Gatesによって支援されている企業だ。

先週Beyond Meatは、13州にまたがる600以上のKrogerの店舗でも販売を開始すると発表した。

Impossibleの大型ラウンドは、その野望を考えれば意外なものではない。とはいえTemsakは、まず最初にImpossibleのことを良く理解しているということを示す必要があった筈だ。

Impossibleの創業者兼CEOのPatrick Brownは、この5月、私たちの編集者がホストを務めたイベントで、一般的に投資家たちは、理解していない科学を扱う取引について、十分な勉強をしていないと述べていた。

「私はVC、特に私たちに投資したVCが大好きです」とBrownは語った。「しかし、テクノロジー企業の基盤をなす実際の『科学』に対して、彼らが如何に精査を行わないかは、本当に驚くべきことです」。

「ときどき」と彼は冗談半分に語った、「一緒に仕事をしているVCの中には、私に他の会社の中身を見てくれと依頼してくるところもあります。しかし、実のところそこで私が何を言っても意味がないのです。なぜなら時折私は『もし私があなただったら、そのままお金をトイレに流しますね、どうせお金が無くなるなら、その方が速いし簡単ですから』と言うのですが、その意見は聞かれず、結局取引が行われるのですから」。

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(翻訳:Sako)

Bill Gates, Reid Hoffman, Sam Altmanらがグローバルな署名運動サイトChange.orgに$30Mを投資

LinkedInの協同ファウンダーReid Hoffmanが今日(米国時間5/26)、社会的正義を実現するための署名運動サイトChange.orgに大きく賭けることを発表した。彼は3000万ドルの投資ラウンドをリードし、それにBill GatesやY Combinatorの社長Sam Altmanらのビッグネームが参加する。

HoffmanはLinkedInにこう書いている: “Change.orgは集団的アクションのためのグローバルなハブであり、市民参加が大きくなりつつある今の時代における重要な民主化勢力である。それは、重要な問題や政策に関して、ロビイストを雇わなくても本物のインパクトを及ぼすことのできる世界を実現する”。

この組織は2007年に今のCEO Ben Rattrayが創った。その後、世界中の2億人近い人びとがこのサイトを使って、人権、環境、教育、健康などの問題に関する気づき(awareness)を喚起してきた。

Rattrayは、そのグローバルなミッションについて書いている: “私たちは今、より参加性の高い新しい形の民主主義の、初期的な発展途上段階にいる。そして、市民の参加性を変革することのできるテクノロジーの力を実際に実現するためには、私たちの声がより広く到達し、より深い関わりを可能にするためのツールを作る必要がある”。

シリコンバレーで、もはやマンネリの常套句が、「“世界を変える(change the world)”ものを作る」、だ。

でもChange.orgは、NPOではなく利益を追うビジネスだ。同社は企業や非営利団体などに陳情や署名活動のスポンサーとして寄付を求め、それが同社の年間2000万ドルの収益になっている。しかしそれでも、社員の30%をレイオフすることを避けられなかった(2016年)。その後彼らはクラウドファンディングを導入し、今ではそれがChange.orgに“数百万ドルの収入”をもたらしている。

HoffmanがChange.orgのチームに賭けるのは、これが初めてではない。2014年には、Richard Branson, Ashton Kutcher, Twitterの協同ファウンダーEv Williamsらと並んで、名士らによる大きな投資に参加した。

また2012年には、Change.orgは4200万ドルあまりを調達している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ゲイツ、ベゾス他18人のリーダーがグリーンテック・ファンド、Breakthrougに10億ドル出資

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ビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾス、ヴィノド・コースラ、ジャック・マ、ジョン・ドーアとさらに15人の著名なビジネス・リーダーが新しいBreakthrough Energy Ventures(BEV)に出資することを決めた。このファンドは向こう20年で新しいクリーン・テクノロジー企業に総額で少なくとも10億ドルを投資する。

Breakthroughのウェブ・サイトによれば同社の目的は「世界中の人々に信頼できて安価な電力、食料、製品、輸送機関を温室効果ガスの排出なしで届けること」だという。

BEVはシード資金から上場直前まで含めてあらゆる段階のグリーンテックのスタートアップに投資する。主として関心を持つ分野や発電、製造、農業、建築、運輸の各部門だ。

クリーンテックは以前シリコンバレーでブームになったことがある。2008年にはベンチャーキャピタルの投資総額が61億ドルになったが、その後〔リーマンショックの〕不況に襲われてしまった。ベンチャーキャピタルの出資や政府の各種の補助を受けようとする起業家にとってクリーンテックはタブーに近くなった。

これにともなって多数の企業が地球を救う上で(あるいは出資者に還元する利益で)見るべき貢献をすることに失敗して消えていった。自動車用の高効率の太陽光発電パネルの開発を試みたSolyndraApteraやリサイクル燃料のKiorなどがそうだ(誰かこういう会社を覚えているだろうか?)。

しかし世界の人口が増え続け、それに従ってエネルギー需要も拡大する中で、クリーン・エネルギーの重要性が見直されてきた。クリーンテックは再度関心を集めており、ベンチャーキャピタリストもクリーンテックを毛嫌いする態度を改めつつある。

BEVは2015年にパリで開催された気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)で発足した Breakthrough Energy Coalitionというグループの公式なベンチャー投資機関だ。

BECはテクノロジー、金融分野の有力メンバーをこぞったグループで、クリーンテックの公的援助、調査研究活動に力を入れている途上国のスタートアップを中心に2020年までに総額300億ドルを投資することを約束している。

BEVはベンチャーキャピタルを正式に発足させたことを発表すると同時に、Landscape of Innovationと名付けられたイノベーシュンのロードマップをリリースした。これは「公的組織、民間組織が温室効果ガス排出の削減への取り組む際のガイドライン」となることを意図しているという。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ビル・ゲイツ、 「Apple対FBI」に関する発言を明確化。予防措置と議論を求める

FILE - In this Sept. 27, 2015 file photo, Bill Gates, philanthropist and co-founder of Microsoft, participates in a session at the Clinton Global Initiative in New York City. The University of California announced Sunday, Nov. 29, 2015, it has pledged $1 billion over the next five years toward research and development of clean energy technology to fight climate change as part of a coalition led by Bill Gates. (AP Photo/Mark Lennihan, File)

編集部注:本稿のタイトルは当初「ビル・ゲイツ曰く、AppleはiPhoneをアンロックすべきだ」だったが、ゲイツは本稿の公開後Bloombergに登場し、意図を明らかにしようとした。インタビューの全編はここにあり、彼はややトーンダウンしている。

ビル・ゲイツはFBIを擁護し、Appleはサンバーナーディーノの銃乱射犯のiPhoneをアンロックすべきだと語った。Financial TimesのインタビューでMicrosoftのファウンダーは、これは一回限りのケースでありFBIは一般的なロック解除ツールを要求しているのではない、とする司法省の見解を繰り返した。

「これは政府が情報へのアクセスを求める個別の事例だ」とビル・ゲイツはFinancial Timesに語った。「汎用ツールを要求しているのではなく、固有のケースだ」

「これは、誰でも電話会社に情報を要求したり、銀行に取引記録を要求したりできることと変わりはない」と彼は言った。「銀行がハードディスクにリボンをかけて『これを切れと言うな、なぜなら今後何度も切れというだろうから』と言うようなものだ」

ゲイツのコメントは、Google、Facebookをはじめとするシリコンバレーの多くの幹部たちが、今回のiPhoneのロック解除を拒むTim Cookの強い姿勢を称賛しているのとは、全く対照的だ。

昨日(米国時間2/22)、Tim Cookは新たなレターを今度はApple従業員宛に公開し、FBIの命令取下げを求めると共に、Apple従業員に対しては顧客のデータを保護するセキュリティー機能に取り組んでいることに謝意を表した。

Apple vs FBI

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Bill Gates曰く、AppleはiPhoneをアンロックすべき

FILE - In this Sept. 27, 2015 file photo, Bill Gates, philanthropist and co-founder of Microsoft, participates in a session at the Clinton Global Initiative in New York City. The University of California announced Sunday, Nov. 29, 2015, it has pledged $1 billion over the next five years toward research and development of clean energy technology to fight climate change as part of a coalition led by Bill Gates. (AP Photo/Mark Lennihan, File)

Bill GatesはFBIの味方になって、AppleはSan Bernardinoの銃撃犯の電話をアンロックすべきだ、と言っている。Financial Times誌のインタビューでMicrosoftのファウンダーは、司法省の主張を単純に繰り返す形で、これは一回かぎりのケースでありFBIは一般的なアンロックツールを求めてはいない、と述べた。

“これは政府が情報へのアクセスを求めている特殊なケースだ”、とBill GatesはFinancial Times誌に語っている。“何か一般的なものを求めてはいない。特定のケースに関しての求めだ”。

“誰もが電話会社に情報の入手を求められるべきだ、とか、誰もが銀行の記録を取得できるべきだ、というようなレベルの話ではない”、と彼は語る。“たとえば銀行がハードディスクを紐でぐるぐる巻きにして、‘私にこの紐を切らせないでください、今後あなたは何度でも私に紐を切らせるでしょうから’、と言っているようなものだ、今のAppleは”。

Gatesの意見は、GoogleやFacebookの役員など、シリコンバレーの多数意見と著しく対照的だ。後者は、この特定のiPhoneを開けることに対するTim Cookの強硬姿勢を称賛している。

つい昨日、Tim Cookは別の書簡をリリースした。今回はAppleの社員宛てで、その中で彼はFBIの命令が撤回されることを求め、顧客データを保護するセキュリティ機能を担当している社員たちに感謝している。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ザッカーバーグ、ゲイツ、孫正義らがクリーン・エネルギーに投資―パリで開催のCOP21と協力

2015-12-01-cleanenergy

MicrosoftとFacebookのファウンダーが協力して地球温暖化問題に取り組むことになった。今日(米国時間11/30)、マーク・ザッカーバーグは妻のプリシラ・チャン、Microsoftのファウンダー、ビル・ゲイツらと共にBreakthrough Energy Coalitionを立ち上げたことを発表した

この組織は世界の炭素化合物の排出をゼロにするクリーン・エネルギーの創出を目指している。創立メンバーにはヴァージン・グループのリチャード・ブランソン会長、日本のソフトバンクの孫正義会長、Amazonのジェフ・ベゾスCEO、アリババ・グループのジャック・マー会長、KPCBのジョン・ドーア・ゼネラル・パートナーなど、テクノロジー界の著名人が多数含まれる。

このニュースは、今週パリで国連気候変動会議(COP21)が開催されることにタイミングを合わせ発表された。パリ会議ではオバマ大統領とゲイツとビル・ゲイツがミッション・イノベーション(Mission Innovation)と呼ばれる重要なプロジェクトを発表する予定だ。このプロジェクトではこの5年間に民間セクターが政府の投資と同額を出資し、エネルギーに関する研究を支援する。

Washington Postの記事によると、Mission Innovationにはすでに19ヵ国が参加を決めている。このためクリーン・エネルギーの研究開発のために支出される年間予算は2020年までに200億ドルまで増加するという。

Mission InnovationとザッカーバーグらのBreakthrough Energy Coalitionとは別個のプロジェクトだが、各参加国において緊密に協力していくことになっている。

Breakthrough Energy Coalitionはウェブサイトで「この組織の目的はゼロカーボン化に取り組んでいる国において、公的機関等から生まれる有望かつ規模変更に適したアイディアに投資し、収益化を推進することによって政府投資と民間ビジネスの間のギャップを埋めることだ」と述べている。この組織の特長は柔軟な投資戦略で、公的研究機関などで生まれた有望なアイディアに対し、起業の初期投資からシリーズAに至る資金を提供する。対象となる分野は発電、蓄電、電力移送、産業及び農業における電力利用などを始め、エネルギーシステム全般の効率化だという。

画像:Romolo Tavani/Shutterstock

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Bill Gatesが人間のおしっこから作った水を飲んで公衆衛生技術の重要性を訴える

下のビデオを見たら誰もが、Bill Gatesが途上国の公衆衛生の問題に真剣に取り組んでいること、それがこれらの国々の経済的および社会的発展に不可欠と信じていることを、理解できるだろう。

このビデオでGatesは、人間の排泄物から得た水を飲んで、シアトル郊外の小さな技術企業Janicki Bioenergyが開発した技術の効果を証明しようとしている。

途上国における公衆衛生は、とても大きな問題だ。下水処理や廃棄物処理の体制が不備なため、年間数十万人の子どもが疫病で死亡しており、またそれは、子どもたちの体と精神の発達を妨げている。Gatesはそのことを、彼自身の技術系のブログに書いている

“人の排泄物を安全かつ低コストで処理できる方法を開発できれば、これらの死の多くを防ぎ、子どもたちを健康に育てることができる”、と彼は書いている。

Bill and Melinda Gates Foundationは、今年の後半にセネガルで行われるJanickiのプロジェクトのパイロット事業を支援している。

その、蒸留法と呼ばれる技術は、それほど画期的なものではない。加熱して水分を蒸発させると固形物だけが残ることは、高校の化学でも教わる。しかし、排泄物を蒸発させて発生する水蒸気を冷却して水にし、さらにそれを浄化して、Bill Gatesのような億万長者でも平気で飲める飲用水にする部分は、簡単ではなさそうだ。残ったスラッジは蒸気エンジン発電機用の燃料の一部として燃やされる。

汚水から得られた水を飲用にすることには、多くの国で抵抗がある。また、そんな問題以前に、途上国では排泄物の(ほぼ)全人口的集収、という課題をクリアしなければならない。MITからスピンアウトしたSanergyなどのスタートアップが、この問題ん取り組んでいる。

Gatesがブログ記事に書いているやり方では、排泄物をトラックで集めて、Janicki Bioenergyが設計開発したOmniprocessorという装置に投入する。

“先進国で普及している公衆衛生のシステムを、そのまま途上国で実装することは不可能である。途上国では、もっとシンプルなシステムが必要だ”、とBill and Melinda Gates Foundationの事業担当上級職員Doulaye Koneは述べている。

Gatesによると、Janicki Bioenergyの装置の次のバージョンは10万人の排泄物を処理して一日に最大86000リットルの水と、250キロワットの電力を作り出す。それによって家族が、衛生的な水を飲めるようになるのならそれは、明らかに、やるべき価値のある事業だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


筋萎縮性側索硬化症チャリティーでティム・クック、ビル・ゲイツ、ジェフ・ベゾスもバケツの氷水をかぶる

まさかビルやティムはカメラの前でバケツ一杯の氷水をかぶらないだろうと予想した読者は、残念ながらハズレだ。筋萎縮性側索硬化症の治療法研究を支援するためのチャリティーで、まずビル・ゲイツがマーク・ザッカーバーグの挑戦を受けて立った。

下のビデオによれば、ご苦労様にもゲイツは紐を引くとバケツがひっくり返る仕掛けをトーチ片手に作ったらしい。

ステーブン・ホーキング博士が罹患していることで知られる筋萎縮性側索硬化症(ALS)は神経を侵して体を麻痺させ、最終的に死に至る難病で、まだ有効な治療法がわかっていない。ALS協会への寄付はこちら

このチャリティーでは挑戦を実行した人物は新たに3人の挑戦者を指名できる。ゲイツはイーロン・マスク、TEDカンファレンスのキュレーターのクリス・アンダーソンらを指名した。マスクのビデオはきっとテスラかロケットがかかわるに違いない。楽しみだ。

(おい、そこの「こんなことやって何になるんだ? 億万長者はただ100ドル寄付しておけよ」というコメントした奴。ALSはこのキャンペーン開始後、驚くほどの寄付の洪水を経験しているという。それにiビル・ゲイツはチャリティーに天文学的な額を投じている)。

それからこちらはフィル・シラー上級副社長の挑戦を受けて、Appleキャンパスで集まった大勢の社員の前でCEOのティム・クックが氷水を浴びているところだ。

アップデート:こちらは今日(米国時間8/15)の午後、Amazonの全社員集会で氷水を浴びるジェフ・ベゾス。 ベゾスが挑戦者に指名したのはまず氷水をかぶりそうにない面々―スタートレック・シリーズのカーク船長、ウィリアム・シャトナーと共演者のパトリック・スチュワート、ジョージ・タケイだった。下のビデオでベゾスが氷水を浴びるのは3分あたり。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


ビル・ゲイツ曰く、スノーデンはヒーローではない

Edward Snowdenが公式ファンクラブを始めた暁には、ビル・ゲイツが入会することは期待しない方がよい。世界一裕福な男は、ファンでも何でもなかった。Rolling Stone誌のインタビューで、ゲイツは、Snowdenのやり方から見た彼に対する見解と、プライバシーそのものについて考えを語った。

Snowdenをヒーローだと思うか、それとも裏切り者かという質問に答えて、ゲイツや少しためらいながらも、明確に一つの立場を示した。

彼は法を犯したと私は思っていので、もちろんヒーローとして扱うつもりはない。もし、問題を提起し国に留まり市民として反抗したかったというようなことであれば、あるいはもし彼が、公開する情報に関して注意深くあったなら、「いいか、私は本気で物事を良くしようとしているんだ」的モデルにはあてはまるだろう。私からはあまり賞賛を引き出すことはできない。

〈法を犯したからヒーローではない〉という基準は相当ばかげている。ゲイツが次の文で「市民による反抗」の方がまだよかった、と言っているのだからなおさらだ。

次にゲイツは、「政府の監視についてわれわれが何を知っているかがわかってよかった」と思うかを聞かれた。

政府はそういったことを行う能力を持っている。議論は必要だろう。しかし、もし詳細な議論をすれば彼らが使用している特定の技法は使えなくなる。だから、議論はどんな状況でそれらを使うことが許されるかという一般的概念に向けられるべきだ。

私が興味深く感じるのは、企業としてのMicrosoftは、NSAの活動やさらに大規模な監視状態に関して動きが早いことだ。MicrosoftはGoogleと共に、政府によるユーザーデータの要求に関して、もっと自由に情報共有できるよう政府を訴えている。

幸い、Snowdenによる世界への貢献は、その背後にいる人物を好きかどうかによらず、あなたの役に立つ。

IMAGE BY FLICKR USER ALAN DEAN UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN CROPPED) 

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


ビル・ゲーツ、マイクロソフト技術アドバイザーに「ステップ・アップ」。祭り上げられたのか、飛躍なのか?

Satya NadellaのMicrosoft次期CEO就任のニュースと共に、もう一つ大きく変ったのが、経営陣の階層だ。Microsoftの共同ファウンダー、Bill Gatesは、会長の座を退き、新たに「ファウンダー・技術顧問」の責務を担う。Microsoftはこの変更を、以前の職務からの「ステップ・アップ」と説明しており、Gatesが再び同社内で積極的役割を担うことを示唆した。

2012年2月に取締役に就任し、現在筆頭社外取締役であるJohn Thompsonが、新会長となる。

Microsoftは、Gatesが「これまで以上の時間を会社に注ぎ込み、テクノロジーおよび製品の方向付けでNadellaをサポートする」と言った。Gatesは引き続き取締役会に所属する。
「Microsoftにおけるチャンスは以前よりも大きい」と、今日公開されたビデオ・アナウンスメントでGatesは話した。

ビデオ中Gatesは、クラウドテクノロジー、モバイル等の分野を強調した。自分の時間の1/3は製品グループと話す時間に使う、と彼は言っている。「Satyaが私にステップ・アップするよう言ってくれたことを大変喜んでいる」とGatesは言い、「一緒に新しい製品を作るのは楽しい」と付け加えた。

Microsoftの事情を知る人にとって、Gatesの行動は驚きではない。新たな指導者への引き継ぎの一環として、つい昨日、社内でGatesが製品開発におけるより積極的役割を担うであろうと報じらていた。少なくとも週に1日はMicrosoftで過ごすが、経営業務に関わる時間は少なくなるという。

一方、Steve BallmerがCEO辞任を公表してから今日までの間に、Gatesは会長を退任し、Microsoftの開発体制から古いアイデアを一掃するべきだとする議論もあった。

明らかでないのは、果たしてGatesの新しい役職が、彼を会長から退かせようとする圧力の結果なのか、それとも、より積極的役割を与えることによって、彼に再び同社の未来戦略に関わらせようというGatesと会社の純粋な関心によるものなのかである。別の言い方をするなら、彼は祭り上げられたのか、それともチャンスに飛び乗ったのか。

私の分析結果は後者を支持している。われわれはGatesがここしらく、同社の製品およびM&Aに関する極めて戦略的な活動に関与していると聞いている。そして、Gatesの退任を求める人々がいた一方で、GatesをCEO候補にというアイデアを推進してきた人々もいる。

Microsoftで以前より積極的役割を果たすことは、同社の共同ファウンダーにとって興味深い転機となるだろう。

過去数年間、Gatesは多くの時間と努力と金銭を、妻メリンダと共に立ち上げた慈善ベンチャー、および関連する投資に注いできた。また彼は、維持可能エネルギーや医療技術等の分野に特化した投資ポートフォリオも持っている

Microsoft取締役会のメンバーは以下の通り:Satya Nadella; Steve Ballmer; Dina Dublon(元JPMorgan Chase CFO); Bill Gates; Maria M. Klawe(Harvey Mudd Collegeプレジデント); Stephen J. Luczo(Seagate Technology PLC会長兼CEO); David F. Marquardt(August Capitalジェネラルパートナー);Charles H. Noski(Bank of America Corp.元会長); Dr. Helmut Panke(BMW Bayerische Motoren Werke AG元経営委員会会長); およびJohn Thompson(Virtual Instruments CEO)。

取締役10名中、7名が外部であり、これは実質的過半数を外部とする同社のガバナンス・ガイドラインに沿っている。

GatesがNadella新CEOを推薦するビデオを下に貼った。

写真:Flickr

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


マイクロソフトの有力投資家3者が、ビル・ゲイツを取締役会から追い出したがっている

Reutersによると、Microsoftのトップ20投資家のうち3者が、ファウンダー・前CEOのビル・ゲイツを取締役会から外すよう騒ぎ立てている。現在ゲイツは、Microsoftの取締役会長だ。

この情報はかなり奇妙であり、Microsoftを白紙状態にする可能性を持っている。大規模な組織改変の最中に、現CEO Steve Ballmerが辞任を表明した。もしゲーツも会社を去るようなことがあれば、Microsoftは新たなリーダーシップと共に歴史に残る転換点を迎えることになる。

Microsoftは、ソフトウェアの販売から、「デバイス」と「サービス」の両方を売るよう方向転換することによって、社内チームを活性化させ同社の全体的ビジネスモデルを改訂するべく努力を重ねている。これまでのところサービス事業、例えばOffice 365とAzureは、業績好調だが、Surfaceプロジェクト(デバイス関連事業)はつまづいている

なぜゲイツを外したいのか? Reutersによると、一部の気難し屋たちは、ゲイツが同社の方向転換を妨げていると感じている。

今すぐゲイツが穏やかに手を引くことなど考えられない。彼はMicrosoftの魂が形成されて以来の存在であり、たとえCEOの地位に戻る意志がないとしても、彼がMicrosoftから完全に離れたいという考えを示す材料は見たことがない。

そしてもしあなたがゲイツのファンなら ― 非常に、非常に多くの人がそうであることはみんなの丁重なツイートからわかった ― 、会社が次期リーダーを選ぶために彼の助言をまさに必要としている時に、取締役会からゲイツを追い出すことは全く理にかなっていない。次期リーダーになりそうもない人物:Steve Ballmer、ビル・ゲイツ、Steven Sinofsky、あなた、私。それ以外の誰もが憶測の対象だ。

ValueAct Capitalが冷静になった今、誰がゲイツ離任のゴタゴタを引き起こしたのか私にはわからない。ましてやこの騒動の最中に。ちなみに、ValueActはMicrosofotの約0.8%をコントロールしている。ゲイツは4.5%、Ballmerは約4%を持っている。これらを合わせれば、かなりの割合を占める。本人が望まない限りゲイツが去ることはないだろう。

トップ画像提供:Robert Scoble

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(翻訳:Nob Takahashi)


「大きな問題に取り組むのが好きだから馬サイズのアヒルと戦う」―ビル・ゲイツ、Redditの「なんでも聞いてね」セッションでたくさんの質問に答える

reddit

Microsoftの共同ファウンダーで現在はビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団の共同会長を務めるビル・ゲイツRedditで初のAMAセッションを行った〔AMA=Ask Me Anything=「なんでも聞いてね」 は有名人が登場してリアルタイムで質問に答えるRedditの企画〕。

ゲイツは30以上の質問を驚くほど巧みにさばいた。また答えているのが本人であることをいくつかの洒落た方法でアピールした(左の写真、下のビデオ参照)。

ちなみにゲイツのお気に入りのコンピュータはMicrosoft Surface Proで彼はやっと1週間前にこれを手に入れたという。ゲイツはまたWindows 8はWindows 7より良いと信じている。後のものは当然良いのだろう。

ディスプレイは何を使っているのかと聞かれてゲイツは「Windows 8用のホワイトボード・サイズのPerceptive Pixelディスプレイを使っている。そのうち価格も下がって普及するはず」と答えた。〔Perceptiveは昨年Microsoftが買収した高性能マルチタッチスクリーンのメーカー。その後でゲイツは巨大な80インチのタッチスクリーンの前に立つ自分の写真を送ってきた

驚いたことにに、ゲイツはBingが検索エンジンとしてもっとも優れたプロダクトだと信じているという。本気かね?

将来のビジョンについては「ロボット、モバイルその他、いたるところに存在するディスプレイ、音声による対話がコンピューティングを根本的に変えるだろう」と述べた。「コンピュータに視聴覚が備わり、人間の言うことを理解し、手書き文字でも読めるようになったらコンピュータとの関係は全く変わってくる」とゲイツは書いている。

予想どおり、Redditユーザーの一人がスティーブ・ジョブズとの関係について質問した。

われわれは互いに尊敬しあっていた。われわれの最大の共同事業はMacだった。Macアプリの開発にMicrosoftはAppleよりも多くの人員を充てた。その後もスティーブとは定期的に会っていた。残念にもスティーブが亡くなる数ヶ月前のある午後に会ったのが最後だった。

ソフトウェアの天才は「今は望むほどの時間プログラミングができない」と残念がっている。「私はC、C#、それにBasicでも少しプログラミングしている。新しい言語を使ってみると、プログラミングを簡単にする方向に進歩がないのは驚くほどだ。高校生の大半にプログラミングの経験をさせるようにしたらすばらしいことだろう」

ゲイツがこれまででいちばん興奮を感じたプロダクトは、意外にも、結局陽の目を見なかったWinFSだという。一言でいえば、WinFSは高機能なクラウド・ストレージ・システム上のリレーショナルDBだった。当初はVistaと同時に出荷される予定だったが、ゲイツによれば「時代に先駆けて過ぎて」いたのだという。

インターネットのオープン性についてはこう答えている。

Q: オープンで自由なインターネットに反する動き(たとえばSOPA法案)などが過去、現在、そしておそらく将来も絶えない。これについての考えは?

この問題には2つの側面がある。一つはソフトウェアの有料対無料という問題だ。インターネットには多数の無料ソフトがあり、また多数の商用有料ソフトがある。面白い傾向は、有料と無料のハイブリッド・モデルが生まれたことだ。商用ソフトでも無料のトライアル版を作ることが多くなっている。逆にオープン・ソフトの多くも有料のサービスを提供している。

もう一つの問題は実名対匿名の関係の緊張だ。これも両方が生き残るだろう。ある場合には匿名が必要だろうし、別の場合には実名の方が効果的だ。本人認証の分野でも残念ながら進歩はごく少ない。しかしこれもやがて改善されるだろう。

大富豪のゲイツだが、彼を楽しくさせるのはほとんど金のかからないものだという。ゲイツのお気に入りはチーズバーガー、子供たちを助けること、オープン・コースウェアを受講することなどだそうだ。

〔日本版〕下はRedditのAMAセッションを予告するビデオ。

Q1:財布にいくら入ってる?
A:100ドル。
Q2:100万ドルちょうだい!
A:あなたが貧しい国で子供にワクチンの接種をさせようとしている両親なら私の財団からの資金を受け取れます。
Q3:アヒルのサイズの馬100頭と馬のサイズのアヒル1羽なら、戦う相手に選ぶのはどっち? 
A:私は大きな問題に取り組むのが好きだから馬のサイズのアヒルかな? 

全文はこちら。.

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+