Netflixが新型コロナで職を失くした業界スタッフ支援のために111億円の基金を設立

エンターテインメント業界にとって、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は映画館への影響だけではない。世界中でテレビや映画の制作も中止を余儀なくされている。Netflixにとっては「The Witcher」や「Stranger Things」といった、よく知れた作品の制作の中止も含まれている。

同社は、突然職を失ったキャストやクルーを支援するために1億ドル(約111億円)の基金を設けたと発表した。

発表文の中でNetflixのチーフ・クリエイティブ・オフィサーのTed Sarandos(テッド・サランドス)氏は「何十万ものキャストやクルーが職を失った。電気技師や大工、運転手もだ。彼らの多くは時間給やプロジェクトベースで働いている」

基金の大半は「世界中にある我々のプロダクションで働いている人で、最も深刻な影響を受けている人」にわたると同氏は述べている。ただし、どういったかたちで支援するかはまだ検討中のようだ(Netflixは先週、一時停止となったプロダクションの労働者に、2週間分の給与を支払っていると同氏は話した)。

加えてサランドス氏は、Netflixが大きな制作拠点を置く国の職を失くしたクルーやキャストに支援金を提供するサードパーティーや非営利団体に1500万ドル(約17億円)を寄付するとも述べた。

寄付には、米国のSAG-AFTRA COVID-19災害基金、Motion Picture and Television基金、 Actors Fund Emergency Assistanceへの各100万ドル(約1億1100万円)が含まれる。カナダではAFCとFondation des Artistesに計100万ドル(約1億1100万円)が寄付される。その他の国に関しては、「Netflixは似たような救済措置を取るために既存の業界団体と連携をとっている」とサランドス氏は語った。

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(翻訳:Mizoguchi

カリフォルニアで新型コロナの救援策としてアルコールの持ち帰り販売が可能に

カリフォルニア州アルコール飲料管理局(California Department of Alcoholic Beverage Control)は米国時間3月20日に、COVID-19こと新型コロナウイルス感染症の流行に関する小規模企業への救援策を詳述した指示書で、小売業者による持ち帰り用のアルコール飲料の販売を一時的に許可した。これにより、これまでレストランやバーに課せられていたアルコールの店内販売に関する規制が解除されている。

バーはミックス飲料、カクテル、ビールまたはワインのような包装された液体の容器を、飲料が食事とともに購入される場合、顧客に販売できるようになる。持ち帰り用のアルコールを販売する場合は、飲み口やストローのためのホールがないフタや、キャップ付きの容器に入れる必要がある。

この通達によりアルコール飲料の販売禁止は一時的に解除されたが、これはカリフォルニア州によって課されていたオープン・キャリー法には影響しない。飲みものを購入して家までドライブし、安全な状況で楽しみたい場合には、飲みものをトランクに入れなければならない。つまり、ユーティリティコンパートメントやグローブコンパートメントではだめだ。また指示書によれば、公共の場所や開いた容器などの禁止されている場所では、アルコールを摂取することはできない。

他の救済措置としは、小売業者がドライブスルーやスライド式トレーを使って、アルコールを販売できるというものもある。これらは、追って通知があるまで有効だ。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

ニューヨーク州が必要不可欠な職をのぞく全労働者の出勤を禁止

3月20日の記者会見で、ニューヨーク州のAndrew Cuomo(アンドリュー・クオモ)知事は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受けて、住民に対し自宅に留まるよう命じた。知事は、往々にして無遠慮な印象を与える「屋内退避」という言葉を注意深く避けながらも、必要不可欠な業種をのぞく「すべての労働者の出勤禁止」も明らかにした。22日夜から適用される。

「我々が取れる最も思い切った行動だ」とクオモ知事は述べた。Gavin Newsom(ギャビン・ニューサム)知事率いるカリフォルニア州の3月19日の動きに続くものだ。クオモ知事は「単独での運動」は命令の対象外となるが、市民が命令を守るよう州は積極的な行動に出るとも述べている。大量輸送機関やレストラン、フードデリバリー、銀行は営業を続ける。ランドリーサービスについての質問にはクオモ知事は答えられなかったが、除外されるサービスのリストは午後にも公開される。

ソーシャルディスタンス(感染予防策として他人との物理的距離を保つこと)を積極的にとる人々の増加する需要に対処するため、州はインターネットサービスプロバイダーにデータ容量を無料で増やすよう依頼している。

「これらは法的な規則だ。法的拘束力を持つようになる」とクオモ知事は述べた。州は決定に従わなかった「必要不可欠でない」事業者に罰金を科す。「これは冗談ではない」とも付け加えた。人々が集まることに対する罰則は現段階ではないようだ。外出禁止の例外には、肉体・精神的な健康のためのものが含まれる。

クオモ知事はまた、かなり脅威的な感染者数の増加にも言及した。現段階でニューヨーク州では2900人の感染が確認されている。これらはすべて過去16日間に診断された。そして35人が新型コロナで死亡した。主に高齢者だ。「最も困難な問題は、人工呼吸器3万台が必要なことだ」とクオモ知事は説明した。「その他のことは二の次だ」。すでに手指消毒薬の製造を始めている同州は、マスクのような役立つヘルスケア製品を製造できる地元の事業所をサポートする。

すでに多くの医療機関の対応能力が限界にきているニューヨーク市は、患者を収容するためにニューヨーク州立大学、ニューヨーク市立大学、そしてジェイコブ・ジャヴィッツ・コンベンションセンターに目をつけている。クオモ知事はまた、事業所や住宅の立ち退きに関して90日の猶予措置を取る。

今回の出勤や外出を禁止する措置に期限はなく、クオモ知事は「2カ月、3カ月、あるいは4カ月」続くかもしれない、と付け加えた。

例外も含めた禁止命令の全文はここで閲覧できる。

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(翻訳:Mizoguchi

Waymoも新型コロナの影響で全自動運転車サービスを停止

Waymo(ウェイモ)は自動運転車のパイロットサービスの一部停止期間を延長し、これには完全無人運転車のテストも含まれることを、米国時間2月20日の金曜日に認めた。Alphabet(アルファベット)傘下のWaymoはすでに、セーフティードライバーが同乗する自動運転車の運用を停止しているが、新型コロナウイルスの拡散の可能性を最小限に抑えつつ、完全自動運転車のテスト走行を続ける予定だった。

これらの完全自動運転車は、フェニックスにおける公共配車サービスの顧客と、地域配送サービスのパイロットプログラムとして利用されている。これらの事業も停止するという同社の決定は、Waymoが3月17日に最初の決定を下して以来、さまざまな州でますます厳格な移動と労働に関する制限をもたらしてきた、米国におけるCOVID-19こと新型コロナウイルス感染症の状況に対する一貫した危機感の高まりを反映していると思われる。

またWaymo以外にもCruise、Argo AI、Pony、ai、Uber(ウーバー)などが自動運転車のテストを一時停止している。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

Google I/Oはオンライン開催も含め全面中止

Google(グーグル)は米国時間3月20日のTwitterの投稿で、関係者全員の健康と安全への懸念により2020年のGoogle I/O 2020の中止を発表した。先に発表されていたオンラインでのカンファレンスも行われないこととなった。

そのツイートでは「弊社のデベロッパーや社員、および地元地域社会の健康と安全に配慮し、また地元ベイエリアの各郡による屋内避難指示に基づき、残念ながら今年は、いかなるかたちのI/Oを開催しない」と述べている。

グーグルにとってこのI/Oカンファレンスと、これもやはりキャンセルされたGoogle Cloud Nextカンファレンスは、今後の新製品やサービスについてデベロッパーとパートナー。その他の関係者たちに知ってもらう機会であるため、中止の影響は大きい。

これらに代わる大きな機会はほかにないため、カンファレンスで生まれる人のネットワーク以外にも、同社について世界に知ってもらうための方法は残っていない。2020年はウイルスへの懸念から、さまざまなイベントが二の次になってしまっている。

同社によると2020年は、リアルとバーチャルのどちらも、これらのイベントのスケジュールを改めることをしないという。変更やアップデートや新サービスについては、数カ月以内に別の方法でコミュニティに告知される。

「我々が現在できることの中で最も重要なのは、直面している新たな課題において、人びとを助けることに集中することである。プラットフォームのアップデートについては我々のデベロッパーブログやコミュニティフォーラムといった他の手段で、確実にお伝えしていきたい」とグーグルは記している。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ソフトバンクが出資するOneWebが新型コロナで苦境に立ちレイオフ実施を確認

今週に入って、TechCrunchは、衛星通信を提供するOneWebが社員を最大で10%削減したという情報を得た。

同社はTechCrunchの取材に対し、現在の運営状況を説明し、レイオフによって人員削減を実施していることを確認した。 ただしレイオフの総人数は明らかにされなかった。声明はこのコスト削減の理由として、新型コロナウイルスのパンデミックによる混乱が世界経済におよぼす影響を挙げている。

以下はOneWebの広報担当者がTechcrunchに提供した声明の全文だ。

「OneWebの衛星打ち上げは3月21日土曜日に予定されており、その後2020年中にさらに打ち上げが続く。しかしながら、他社同様、我々も世界的な健康および経済に関する危機の影響を受けており、社員数もこれに応じて弾力的に調整する必要が生じた。世界的な輸送制限の強化とサプライチェーンの混乱により、衛星の打ち上げならびに衛星製造のスケジュールに遅れが出ることは残念ながら避けられない見通しとなった。このため主要事業に注力するために、いくつかの付帯的事業の運営を断念するという困難な決定を余儀なくされた。この措置を取らざるを得なかったことを遺憾に思っており、影響を受けた人々をサポートするためにできる限りのことを行っているところだ」

3月19日に、BloombergはOneWebが財政的苦境に対する1つの方法として破産申請を検討しているという記事を発表し、ソフトバンクが過去2回のラウンドで30億ドル(約3329億円)近くをOneWebに投じていると付け加えた。2019年に、TechCrunchもOneWeに対するSoftBankの大型投資を報じている。

ソフトバンクが出資する大型スタートアップのいくつかは最近、大きな困難に直面している。この苦境をもたらした大きな原因のひとつはコワーキングスペースのWeWorkが派手な転倒を演じたことだろう。OneWebは報じられた破産の検討についてはコメントしなかった。

Bloombergの記事はOneWebは運営を継続するために破産申請以外の選択肢も検討しているとしている。 しかし同社が運用コストをまかなう資金の調達で大きな課題に直面しているのは事実だ。引用したの声明にもあるとおり、OneWebは3月21日にカザフスタンからソユーズロケットで衛星34基の打ち上げを予定している。これにより、2020年初めに打ち上げられた34基と、2019年3月に打ち上げた6基を合計して74基の衛星群を運用することになる。

OneWebは、低軌道を周回する衛星を使用して広帯域幅通信サービスを提供することを目的としており、農村部その他、地上ネットワークではアクセスが困難な地域をカバーすることに重点を置いていまる。SpaceXなどが主要なライバルだ。SpaceXはすでにStarlinkでミニ衛星302基を打ち上げている。まだ実機を打ち上げていないものの、AmazonにもProject Kuiperという同様の計画がある。

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滑川海彦@Facebook

アマゾンがNetflixに続きヨーロッパでの配信品質を低下

Netflix(ネットフリックス)とYouTube(ユーチューブ)の動きを受けて、Amazon(アマゾン)は米国時間3月20日、帯域幅を節約するためにヨーロッパ地域でのストリーミングのビットレートを抑制すると発表した。Google(グーグル)はTechCrunchへの声明でこの動きを認め、次のように伝えている。

我々はCOVID-19こと新型コロナウイルスにより増加するオンライントラフィックを確実に処理するために、通信サービスを慎重に管理する必要性を支持する。Prime Videoではすでに、顧客のために高品質のストリーミング体験を維持しながら、ストリーミングビットレートを削減する努力を始めているヨーロッパを含め、ネットワークの混雑を緩和するために必要な地元当局やインターネットサービスプロバイダと協力している。

EU(欧州連合)は米国時間3月19日、特にNetflixを含むストリーミングサービスに対し、ピーク時にはSDクオリティでのストリーミングに切り替えるよう求めた。この要請が出された当時、ヨーロッパではインターネットの帯域幅に大きな負担がかかり始めていたためだ。新型コロナウイルスの流行の中で、物理的な接触を避けるために、人々はますますテレビ会議やその他のリモートインターフェースを利用するようになっている。

HD品質や高いビットレートとからの切り替えは、インフラへの負荷を軽減するのに役立つかもしれない。YouTubeも3月19日に同様の発表を行い、報道向けの声明の中で「我々はEU内のすべてのトラフィックを、一時的にデフォルトで標準品質に切り替えることに取り組む」と述べた。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

15分で終わる新型コロナ家庭用テストをScanwellが開発、FDAの承認待ち

スマートフォンベースでの尿路感染症テストを手掛ける在宅診断スタートアップのScanwellが、新型コロナウイルスの家庭用テストを米国民に提供するべく取り組んでいる。中国の診断テクノロジー企業INNOVITAが開発したこの技術は、FDA(米食品医薬品局)に相当する中国政府の当局にすでに承認され、中国では「何百万」という人が使用している。このテストは家庭で行うことが可能で、遠隔からの医療専門家によるガイダンスに従いながら15分で終わり、結果は数時間で判明する。

ScanwellのテストはFDAの承認が必要だが、FDAの緊急認証プログラムを通じてすでに現在承認を得る過程にあるという。FDAのガイダンスでは承認プロセスには6〜8週間かかるとされている(もっと早くなることもある、とScanwellは話している)。そして現在、Scanwellは承認され次第すぐにテストを出荷できるよう、準備を進めている。FDAが緊急認証プログラムでこれまでに承認したのはPCRテストのみだが、今週初めに血清テストも含めるようガイダンスをアップデートした。Scanwellは「FDAの承認を得るのに何ら心配はしていない」とさえ話す。

Scanwellがローンチしようとしているテストは、患者の血液の中の抗体を探すという、いわゆる「血清学的な」テクニックを使っている。これらの抗体はSARS-CoV-2ウイルスにさらされたときにだけ出現する。現段階では、これらのウイルスに対する自然抗体がウイルスにさらされることなく存在するという証拠は見つかっていない。それとは対照的に、現在米国で使用されているタイプのテストである「PCR」は、ウイルスが粘液サンプルの中に遺伝子として存在するかどうかを確かめる分子ベースのアプローチをとっている。

PCRタイプのテストは、血清学的なものよりも専門学的にはより正確だ。しかし血清学バージョンははるかに扱いが容易で、より早く結果を得られる。また、全体的にはかなり正確で、PCRバージョンよりずいぶん低コストで生産できる。加えて、症状が出ている最もシビアなケースだけに限定せずに検査できるようになるかもしれず、すでに自宅で回復している症状がマイルドな人、無症状だがウイルスを持っていて他人にうつす可能性のある人を含め、ウイルスの存在を見つけ出すのに大きく貢献する。

月曜日からEverlywellが展開する予定のもののように、PCRベースの家庭用テストはすでに存在しているが、これらはテストサンプルの回収が必要で、時間もかかる。また、複雑でコストもかかり、世界的に現在不足している綿棒などの材料を必要とする。

テストが利用できるようになれば、人々はScanwellのScanwell Healthアプリにあるスクリーニングプロセスで申し込みができ、テストは翌日配送で届けれられる。検査を受ける人にはLemonaidの医師や看護師が遠隔から案内し、結果やその後のガイダンスはアプリ経由で数時間以内に示される。このテストは70ドル(約7800円)で、純粋にコストのみの費用とのことだ(Scanwellはまた、必要な人への無料サービスを提供する方法も模索している)。この検査はまずはワシントン州、カリフォルニア州、ニューヨーク州と新型コロナウイルス感染状況が深刻な他のエリアで展開される見込みだ。

テストがマーケットに出てくるまでに6〜8週間かかるとのことだ。しかし現在のCOVID-19の急速な広がりやテスト状況を考えたときに、6〜8週間というのは長いが、おそらくその頃にはこのテストがかなり必要とされているだろう。特に現在行われている他のテストを受けるための条件を満たしていない人のニーズに応えるものになる。

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(翻訳:Mizoguchi

YouTubeが新型コロナで欧州における動画視聴のデフォルトを標準画質に

YouTubeは、欧州でのストリーミング画質を標準設定に切り替えた。

TechCrunchは米国時間3月18日に、YouTubeにそうした措置を取る予定があるか尋ねた。そして3月19日に、広報担当がその措置を実行したことを明らかにした。この動きは先にReutersが報じた。

新型コロナウイルス危機下にあり、欧州委員会がストリーミングプラットフォームに対しインターネットインフラへの負荷を抑制するよう求めていることに対する一時的な対応となる。

ユーザーはビデオの画質をマニュアルで調整できるが、それでもデフォルト設定はパワフルな手段であり、通信量はだいぶ変わってくる。

YouTubeの広報は設定の切り替えを認め、TechCrunchに以下のような声明を送ってきた。

人々は、信頼できるニュースや学習コンテンツを探すために、あるいはこの不透明な時に誰かとつながることを求めてYouTubeを訪れる。使用のピーク到達はまだ数えるほどしかないが、ネットワークの使用容量を抑制するためにシステムを自動的に調整する手段がある。我々は欧州中の当局(Ofcomを含む)、政府、ネットワークオペレーターと連絡を取っていて、英国ならびに欧州の全通信において一時的に標準画質をデフォルトとする。ユーザーに快適な体験を提供しつつ、システムへの負荷を最小化する取り組みを続ける。

Netflixも3月19日に、同様の理由で欧州において標準画質を30日間デフォルトとすることを発表した。

インターネットマーケットを担当するEU委員のThierry Breton(ティエリー・ブルトン)氏はこのところ、インターネットインフラへの負荷抑制における協力を求めてプラットフォームの幹部たちと協議していた。欧州では多数の人が自主隔離の一環として自宅に留まることを推奨されたり義務づけられたりしている。

欧州委員会は、デジタルエンターテインメントサービスの需要が爆発的に増えた場合にオンライン教育やリモートワークに影響が出ることを危惧している。そのため、プラットフォームに協力を求め、ユーザーにはインターネットインフラへの増大しつつある負荷を管理するよう求めている。

ブルトン氏は新型コロナウイルス危機下にある間、ビデオの画質を下げてもらうために、GoogleのCEOであるSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏とYouTubeのCEOであるSusan Wojcick(スーザン・ウォジスキ)氏と面会した。

そして今日、ブルトン氏はYouTubeの動きを歓迎している。「何百万という欧州の人々が、テレワークやオンライン学習、娯楽を可能にしているデジタルプラットフォームのおかげで、ソーシャルディスタンス(感染予防策として他人との物理的距離を保つこと)策を受け入れている。YouTubeがEUにおける通信のデフォルト設定を標準画質にすることで、COVID-19危機最中でもインターネットがスムーズに機能するようGoogleが協力してくれたことを歓迎したい。ピチャイ氏とウォジスキ氏が示した力強い正義に感謝する。我々はともに事態を注意深く見守る」とブルトン氏は声明で述べた。

Googleの広報は欧州での通信のピークにはこれまでのところ大きな変化は見られないが、多くの人が家にこもるようになって使用パターンに変化がある、と語っている。利用時間が拡大し、使用量のピークはいくぶん下がっている(同社は常に通信データをGoogle Traffic and Disruptions Transparency Reportで公開している)。

他の大手ソーシャルプラットフォーム同様、YouTubeも新型コロナウイルスに関連する誤情報の拡散に使われている疑いがあるとして調査を受けてきた。

しかしGoogleは、偽のコンテンツを抑制し、健康情報に関する当局のソースを目につきやすいようにするなど、積極的に取り組んでいるようだ。例えばCOVID-19の情報が入手できるよう、世界保健機関(WHO)や地元当局のホームページにユーザーを誘導している、とYouTubeの広報は述べている。

また、教育や情報提供目的での広告枠を政府やNGOに提供しているとも語った。これは、公衆衛生にとって有害なものとなりえる誤情報からユーザーを守るための方策をピチャイ氏が検討しているとの3月初めのブログ投稿と関連している。

広報はさらに、YouTubeは衛生当局のガイダンスに従うよう、そして人々に家に留まるよう促すキャンペーンを欧州で間もなく展開するとも付け加えた。

GoogleのCOVID-19流行への対応はかなり迅速だ。例えば、ワクチンを否定するコンテンツを除外する動きを2019年取り始めているが、このような人々の健康にとって有害となりえるような他の種類のコンテンツに対するアプローチよりも、COVID-19の脅威に対して同社はかなり積極的に取り組んでいるようだ。

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(翻訳:Mizoguchi

米カリフォルニア州知事が州全域に外出禁止命令

米国時間3月19日夜の記者会見で、カリフォルニア州知事、Gavin Newsom(ギャビン・ニューサム)氏は、「カリフォルニア州に住むすべての個人は自宅、または居住場所に留まること」という命令を発行した。新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めるためだ。

画像クレジット:Photo by Justin Sullivan/Getty Images/Getty Images

今週初め、London Breed(ロンドン・ブリード)市長は、4月7日まで、サンフランシスコ市を含むベイエリアの6つの郡に屋内退避(外出禁止)を命令していた。ニューサム氏は、新たに通達するまで、全州にその指示を強制するとした。

州内でも、必要不可欠な商店やサービスは営業を継続する。例えばガソリンスタンド、薬局、食料品店、フードバンク、農産物直売所、テイクアウトと配達サービスを提供するレストランなどはそこに含まれている。一般の飲食店、ナイトクラブ、ジム、フィットネススタジオ、コンベンションセンター、エンターテインメント会場などは、無期限で閉鎖の対象となる。

レストランを閉鎖し、人々を家の中に留めるこの決定は、カリフォルニア州民の約56%が、COVID-19に感染する恐れがあるというニューサム氏の主張に続いて言い渡された。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ビデオ会議への不快なビデオ共有「ZoomBombing」にご注意を

安全に他者とのつながりを感じようと、多くの人たちがZoomのビデオ通話を利用している中、世界は新しいタイプのトローリング(荒らし)に悩まされている。どうしようもない嫌な連中が、Zoomの画面共有機能を使って、暴力的なものから衝撃的なポルノまで含む、最低の動画をインターネットから投入して、他の参加者をうんざりさせているのだ。

例えばこれは米国時間3月17日のWFH Happy Hourで起こったことである。WFH Happy Hourとは、VergeのレポーターであるCasey Newton(ケーシー・ニュートン)氏と、投資家のHunter Walk(ハンター・ウォーク)氏が主催する人気の公開Zoom会議だ。突然、数十人の参加者たちが不穏な画像で攻撃されたのだ。荒らしが通話に登場してとんでもない性的ビデオをスクリーンで共有したのだ。攻撃をブロックしようとしても、加害者はただ新しい名前に変更するだけで通話に再参加し、よりうんざりさせる画像を投入してくるため、なかなか防ぐことができなかった。会議ホストは、攻撃者を撃退できるまで視聴者を攻撃に晒しておくことを良しとせず、会議を打ち切った。

こうした参加者たちの顔に恐怖にひきつった表情が浮かんでいるところを想像してみて欲しい。それが実際に起きたことだ。

問題は、Zoomの採用している「会議ホストは、他の参加者が自身の画面を共有する許可をいちいち与える必要はない」というポリシーに起因していることだ。とはいえ会議ホストは、自身の設定または会議の管理メニューの中で、このオプションを無効にすることができる。この設定は会議前に設定から変えておくか、通話中の管理設定の中の「画面を共有」→「高度な共有オプション」で変更することができる。

たとえばTwitter上などに、荒らしによって発見される可能性のあるZoomリンクを一般公開で共有している場合は、通話が始まる前に画面共有を「ホストのみ」に変更しておこう。もしくは画面共有が悪用されているのを察知したらすぐに設定を切り替えよう。起業家であるAlex Miller(アレックス・ミラー)氏は、以下のようなZoom通話保護の方法も挙げている。

  1. 会議ホストがミーティングに入る前にトラブルが起きないように「ホストの前の参加」を無効にする。
  2. モデレートを助けてもらうために他の人を割り当てることができるように「共同ホスト」を有効にする。
  3. デジタルウイルスが共有されないように「ファイル送信」を無効にする。
  4. 「取り除かれた参加者を再度参加させることを許可」を無効にして、追い出された参加者が元に戻れないようにする

「参加者のみなさまにお詫びしたいです。そして初めて#WFHappyHourに参加してくれた両親のジムとサリーにも。今日、私たちはみんな画面共有を無効化することの重要性を学び、コンテンツの適切なモデレーションの重要性を改めて認識しました」とニュートン氏は私に語った。何か攻撃の証拠写真を持っているかと尋ねたところ、彼は「(爆笑)スクリーンショットは撮っていない! ただ叫んでいただけだ!」と返信してきた。

これは、今回のコロナウイルス時代に、私たちが経験している数多くの新しい攻撃事案の1つに過ぎない。健康チェックを提供するというフィッシング攻撃、自宅隔離中に支払いを行わなければ電気が止まると脅かす詐欺、そして偽のCOVID-19テストキット販売など攻撃手段は様々だ。金のために悲劇を悪用しようとする輩や、単に世界が炎上するのを見たいだけの奴らは常に存在する。警戒を続け、即座に「ブロック」ボタンを押せるようにしておくことがこれまで以上に大切になっている。

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(翻訳:sako)

新型コロナウイルス患者の免疫反応に関する新たな研究が治療のヒントに

科学雑誌Nature Medicineに掲載された新しい研究(Bloombergも報道)は、中国の武漢で新型コロナウイルスに感染し、オーストラリアのメルボルンで発症した患者の事例を検証している。それによりなぜ特定の人たちが他の人たちよりもウイルスに強く反応してしまうのか、その原因と状況をより包括的に知ることが可能となりそうだ。

この患者は「軽症から中等度」の症例とされ、入院中は脱水症状を抑えるために点滴のみで治療された。他の薬剤は投与されず、人工呼吸器を装着する必要もなかった。したがって彼女の症状は入院を必要とするほど重いものではなく、科学者にとっては新型コロナウイルスに対する彼女の身体の良好な免疫反応を詳細に観察する機会が得られることになった。

Peter Doherty Institute for Infection and Immunity(ピーター・ドハティ感染および免疫研究所)の研究者は、他の何人かの被験者とともにその患者からも研究への参加の同意を取り付け、免疫反応がどのように機能しいつ活性化したかの手がかりとなる血液サンプルを採取することができた。その結果、患者の症状が完全に消失する前に血液中に抗体が発生し始め、感染症が消失してから少なくとも7日間は、抗体が存在し続けることがわかった。

このケースだけでは確定的な情報を得ることはできず、さらなる研究や他の患者についての調査も必要となる。それでもどの患者はより重篤な症状に至るか、またどの患者の症状は軽くて済むかということを、COVID-19患者の治療に携わる医療従事者が早い段階で見極めることにつながる重要なステップとなる。また、新たな医学的治療介入の開発の手がかりを与え、最終的に患者の重症度を軽減したり最大限の効果を発揮するワクチンの開発にも役立つはずだ。

この研究は、COVID-19に対して、病後に免疫がどのように機能するのかを、よりよく理解するのにも役立つ。風邪やインフルエンザのように、一般的なコロナウイルスでは予防接種の効果は一時的なものとなっている。そのため、シーズンが来るたびごとに注射しなければならない。回復したCOVID-19患者に対して、免疫がどのように機能しているのかについて、まだ詳細はわかっていない。この研究により、その点についてもより多くの洞察を得ることができそうだ。

画像クレジット:dowell/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Zencastrが趣味でポッドキャストを公開する人のためにアカウントの制限を一部解除

退屈だからといってポッドキャストを始めるなんて、やめてもらいたい。とはいえ、COVID-19の影響でそんなことをしたら、ポッドキャストが山ほど誕生するだろう。延々家に閉じ込められているから、あれこれおしゃべりして公開する時間はいくらでもある。

リモートポッドキャスターのための使いやすい録音ツールのひとつであるZencastrには、有料の「Professional(プロ)」と無料の「Hobbyist(愛好家)」アカウントがある。米国時間3月17日、Zencastrは愛好家アカウントの制限を緩和した。ゲストは最大2人、録音できる時間が1カ月に1時間までという制限を解除する。このポリシーは7月1日まで適用される。それまでには自由に出かけられるようになるといいのだが。

筆者は、ポッドキャストのガイドラインについて書いた中で、SkypeやZoomなどの仮想会議プラットフォームの代替としてZencastrを挙げたことがある。オンラインで同時に話している各人のトラックを自動で録音してアップロードする機能があり、編集をする際にはきわめて便利だ。

画像:pixdeluxe / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

Androidアプリの公開用レビューもCOVID-19の影響で遅れがちに

Google(グーグル)は今週Androidのデベロッパーに、Playストアのアプリの公開用レビュー期間が通常よりずっと長くなる可能性があると警告した。これもCOVID-19危機の影響だ。デベロッパーはアプリのレビューに1週間、あるいはそれ以上かかることを覚悟しなければならないと、同社はGoogle Play Console上に表示するアラートで、コミュニティに通知している。

Google Playに影響を与えるのは、審査に時間がかかるようになることだけではない。

3月16日にYouTubeは、現状、自動化されたシステムに大きく依存することになると発表した。これは、人間のモデレーターによるレビューを受ける前に、機械学習システムによって、より多くのビデオが削除される可能性が高いことを意味している。

いずれの場合も、処理の遅延は社内の人員配置のレベルが低下していることによるものだ。これは、COVID-19パンデミックの結果であり、グーグルやその他の企業の従業員の配備計画が大きな影響を受けている。

これまでGoogle Playのアプリレビューのプロセスは、非常に速いという定評があった。

ここ数年、同社は長期間のレビューを待たずに、デベロッパーがアプリを公開できるようにすることで、Apple(アップル)のApp Storeに対して、Playストアを差別化してきた。もちろんこれにより、Playストアが品質の低いアプリで埋め尽くされ、時には悪意のあるアプリが野放しになるといった問題も引き起こした。しかしグーグルは2015年、社内のレビューチームを活用して、アプリを公開する前にそのポリシー違反を分析し始めたことを明らかにした

グーグルは当時、このようなプロセスの変更にも関わらず、数日ではなく数時間以内にアプリを承認できるとしていた。

しかし2019年になって同社は、より厳格なレビューを実施することにしたため、状況は変わった。その後アプリの提出から公開までに、少なくとも3日間のレビュー期間を見込んでおくようデベロッパーに通告するようになっていた。ただし定評があり、信頼関係が確立されたデベロッパーについては、より速いレビューが受けられて審査期間は短くなるとグーグルは明かしている。

1週間、あるいはそれ以上のレビュー期間というのは、COVID-19危機そのものと同様、前例がないものだ。

アプリのレビュー期間が長くなっているというニュースは、最初にAndroid Policeによって報告された

グーグルの広報担当者は、レビューが遅れていることをTechCrunchに認め、次のように述べている。「現時点では、勤務スケジュールの調整のため、レビュー期間は通常よりも長くなっています。また状況は悪化しつつあるため、アプリのレビュー期間も変動していますが、7日間からそれ以上かかる場合もあるでしょう」

この遅延については、Play Consoleのヘルプドキュメントでも確認できる

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

ファイザーもBioNTechと共同でCOVID-19ワクチン開発を発表

製薬大手のPfizer(ファイザー)は、米国時間3月17日、BioNTechと共同でCOVID-19ワクチンの開発に取り組んでいると発表した。BioNTechは、新しいタイプの免疫治療法に取り組んでいるドイツの企業だ。この共同の取り組みは同日、署名済みの同意書により確認された。両社はメッセンジャーRNAベースのワクチンを共同で開発し、人間が新型コロナウイルスに感染するのを防止することを目指す。

画像クレジット:Rost-9D/Getty Images

通常ワクチンは一般の人が使えるようになるまでの開発と認証に、最短でも1年から1年半はかかる。したがって、これが短期的な解決策になると期待することはできない。しかしこの提携は、製薬バイオテクノロジーの分野において最も有名かつ最大の会社と、mRNAベースの免疫療法の最前線で仕事をしている若い企業が結びついた、というところに意義がある。

こうした治療法では、一般的なワクチンのようにウイルス自体のサンプルは使わない。通常のワクチンでは、死んだか弱体化したウイルスを使って、自然な免疫機能を呼び覚まそうとする。その代わりこの方法では、RNAを利用してウイルスと十分に類似したタンパク質を作り出す。それによって人体が、本物の標的にも有効な抗体を作るように促すのだ。

この共同作業は、早ければ4月にも臨床試験が開始されることになる。両社はmRNAベースのワクチンの研究に関して、今回ゼロから始めたわけではない。すでに2018年から、インフルエンザの治療薬を開発するための研究開発に共同で取り組んでいた。

またこの共同作業は、米国とドイツにまたがる両チーム間ですぐに開始される。ただし財務上の取り決めや成果をどのように扱うか、といった詳細については、今後詰めていく必要がある。両社がそうした詳細の決定を待たずに共同開発を始めようとしていることからも、今回のプロジェクトの背景にある緊急性が理解できる。

プロジェクトは、mRNAベースによって開発中の唯一のCOVID-19ワクチンというわけではない。今週の初めにModernaは、独自の新型コロナウイルス免疫治療法について、人間を使った臨床試験をすでに開始したと発表した。それはNIH(米国立衛生研究所)と協力することで、開発を加速した結果だった。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

仮想現実も現実世界に合わせてビジネス縮小

触覚フィードバックスーツを身にまといコンピューターを顔につなぐことほど、社会的な距離を感じられるものはないと思える今日このごろだが、位置情報ベースの仮想現実(VR)のスタートアップも、その他のエンターテインメントビジネス同様、事業縮小を余儀なくされている。

こうした動きは、映画館をはじめとする人の多く集まる場所の閉鎖が始まってすぐに起きた。ディズニーが支援するVRのスタートアップであるThe Voidは、米国時間3月16日に北米の全店舗を閉鎖すると発表した。ロサンゼルスのTwo Bit Circusも閉店した。COVID-19のためだ。Dreamscape Immersiveもロサンゼルス、ダラス、コロンバス、およびドバイのVRエンターテイメント・センターを一時的にすべて閉店したと発表している。

「私たちには仮想現実を世界のみんなと共有する楽しみがある一方で、現実世界で起きていることも無視できない」とDreamscape Immersiveのウェブサイトに書かれている。

米国本土にある位置情報ベースのVRスタートアップがすべて、営業停止しているわけではない。A16zが支援するSandbox VRは、ロサンゼルスとサンフランシスコ(これらの市ではほとんどのエンターテインメント施設の閉鎖を義務付けている)の施設を一時的に休業したが、米国のその他の地域ではウェブサイトでの予約受付を続けている。TechCrunchは同社に連絡を取り詳細を確認している。

全米の地方自治体が不要不急のビジネスの一時閉鎖を推奨していることから、広範囲にわたる営業停止は驚きではなく、中でもエンターテインメントビジネスは真っ先に影響を受けている。AMCとRegalは3月16日に、米国の全劇場を一時閉鎖すると発表した。

関連記事:AMC will close all US theaters for six to 12 weeks

位置情報ベースVRのスタートアップ各社は、ここ1年厳しい状況に直面している仮想現実業界の中で、耐久力の高い企業だ。Sandbox VRは8200万ドル(約87億8800万円)以上の資金を投資家から集め、Dreamscape Immersiveは3600万ドル(約38億5800万円)、The Voidは2000万ドル(約21億4300万円)をそれぞれ調達している。

これらのスタートアップのほとんどが、ゲームコンテンツを開発あるいはライセンスして、ユーザーが予約してタイトルを試す環境を提供している。彼らの成功は、大々的に売り出されながら当初の期待を大きく裏切る結果になった消費者向けVRヘッドセットとは無関係でいたことも大きな理由だろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

フェイスブックが新型コロナで零細企業向けに支援金107億円を用意

新型コロナウイルス(COVID-19)の拡大が今後どのようになるかに関わらず、すでに事態は零細企業に厳しいものとなっている。一部の企業は公共の安全のために閉鎖を余儀なくされ、また別の企業は売上高や信用がもろにダメージを受けている。

Facebook(フェイスブック)は3月17日、零細企業向けに1億ドル(約107億円)の支援金を用意すると発表した。申し込み受付はまだ始まっていないが、この支援には広告クレジットと、従業員への給与支払いや家賃支払いなどの操業費用に当てられる現金の両方が含まれるという。同社がサービスを展開する30カ国超の最大3万社が利用できる見込みだ。

同社はまた、感染拡大の中で生き残ろうとしている企業向けのヒントやリソースを提供するBusiness Hubも立ち上げた。

「さらに多くの取り組みを展開したい」とCOOのSheryl Sandberg(シェリル・サンドバーグ)氏はFacebookへの投稿で述べた。「社内チームが企業のサポートに毎日取り組んでいる。ヴァーチャルトレーニングをホストするさらなる方法を検討している。今後数週間のうちに情報を共有する。我々の無料eラーニングトレーニングプログラムであるBlueprintを通じて、人々がつながり、テクノロジーの使い方を学習するさらなる方法を模索している」

加えて同社は、パンデミックを正しく伝えるのにリソースを必要とする米国とカナダのニュースルームに計100万ドル(約1億700万円)の支援金を提供するために、Lenfest Institute for JournalismやLocal Media Associationと提携すると発表した。個々への支援金は最大5000ドル(約54万円)となる。

画像クレジット: Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

GoogleがCloud Nextのオンライン開催を日程未定で延期

数週間前にGoogleは、同社の2020年最大のカンファレンスであるCloud Nextの実会場における開催を中止した。現在、他の大きなイベントの新型コロナウイルス流行による中止が相次いでいる。Cloud Nextは当初、4月6日から8日までに延期され、他の企業と同じくオンラインでの開催になっていたが、米国時間3月17日の発表でそれもまた延期されることになった。新たな日程は発表されていない。

Google Cloudのチーフ・マーケティング・オフィサーであるAlison Wagonfeld(アリソン・ワゴンフェルド)氏は、再度の延期を発表するブログ記事の中で次のように記している。「目下、私たちにできる最も重要なことは、私たちの顧客とパートナー両者のサポートに集中することである。『Google Cloud Next’20: Digital Connect』の実施に対して今でも全精力を傾けているが、それは正しいタイミングで行うべきだ。状況が好転次第、その新たな日程をシェアしたい」

おそらくこれからの数週間は、これと似た発表が次々に行われるのではないだろうか。企業がリモートワークへ移行し、州が外出禁止を指示し、社会的距離(social distancing)という言葉を突然多くの人が知るようになり、基調講演をストリーミングでやることも難しくなっている。皮肉な見方をすれば、重要な疾病に関するニュースがひっきりなしに飛び込んでくる中、テクノロジー企業の発表の影が薄いことは注目に値するだろう。最近の数日で、複数の企業が延期の延期を発表しているが、今後さらに発表されることは確実だ。

関連記事:Googleは新型コロナの影響で同社最大のカンファレンスCloud Nextをオンラインで開催

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Facebookが正しい新型コロナウイルス情報へのリンクもブロック

Facebook(フェイスブック)のニュースフィードのスパムフィルターにバグがあり、MediumやBuzzfeed、USA Todayのような正しいウェブサイトの記事やコメントがブロックされている。一部の新型コロナウイルス関連コンテンツが共有をブロックされ、そのほかのリンクも、ブロックされるものとされないものがまちまちになっている。フィルターの不具合の原因は、よくわからない。Facebookはこれまでずっと、この感染拡大に関する誤報と戦ってきたが、ある種のやりすぎや技術的エラーが起きたのかもしれない。

情報筋はブロックされたリンクの例をたくさん提供してくれたが、Facebookのスポークスパーソンは「目下この問題を調査中なので、できるかぎり早く情報を共有したい。現在言えるのは調査中ということだけで、一体何が起きたのかについてはまだ何も言えない」と答えている。

その後、FacebookのGuy Rosen(ガイ・ローゼン)氏は次のようにツイートしている。 「今調査中だ。これはスパム対策システムのバグであり、コンテンツモデレーターが変わったこととは無関係だ。現在、ブロックされた記事を回復する作業をしている」

Facebookは、今週コンテンツモデレーターを在宅勤務とし、人工知能システムをより多く利用するようになっており、間違いが増えるかもしれないと警告している

実際に特定のリンクを共有しようとすると「あなたのポストはスパムに対するコミュニティ規定に違反している」と警告が表示される。そして「誰もあなたの投稿を見ることができません。偽の広告や詐欺、セキュリティの侵犯を防ぐために、基準を設けています」と説明が続く。

今週初めにFacebookは、価格の高騰を防ぐためにマスクの広告を禁じた。またFacebookはInstagramのホーム画面で感染予防情報を共有し、誤報をファクトチェッカーに送って確認させ、また研究者たちにデータを提供している。

関連記事:ザッカーバーグ氏がFacebookによる新型コロナウイルス感染症への取り組みを詳しく説明

現在のFacebookは、コミュニケーションのための公共施設のようなものなので、COVID-19のような危機下において特に重要なサービスになっている。Facebookで、ニュースメディアは救命方法を共有し、非営利団体は長期隔離で困窮するアーチストや企業のための募金を行っている。Facebookが正しい情報の流れを維持することは、これまで以上に重要なことなのだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

S&PがSoftBankの長期債見通しを「弱含み」に、債権格付はBB+を維持

日本の巨大通信事業グループSoftBankにはこの数週間に多数の悪材料に見舞われている。Wall Street Journalの調査報道によれば、Vision Fundのトップは、企業スパイ会社を使って同業他社を妨害していたという。世界最大級の「もの言う株主」のヘッジファンドであるElliott Managementは、SoftBankに投資して貸借対照表と取締役会の透明性を高めて株価を上昇させることを求めている。

さらに弱り目に追い打ちをかけるニュースがあった。

S&P Global Ratingsはグループの債務見通しを「安定」から「ネガティブ」(弱含み)に格下げした。同時に長期債権発行体格付けは従来どおりBB+であることを確認した。BB+は一般に投機的ないし投資に適さないグレードと見なされている。

S&Pはこの発表で、特にSoftBankの自社株買について懸念を抱いていると述べた。公開市場で投資家から株式を買い取るためには多額のキャッシュが必要なため、現金流動性が低下するだろうという。先週発表されこのプログラムは48億ドル(約5141億円)の自社株買いで、「財務の健全性と信用格付けを優先する財務方針を守る意図に疑問(を生じさせた)」としている。

同僚のArman Tabatabai(アルマン・タバタバイ)と私は、TechCrunch Extra(有料)で2018年末にSoftBankの強迫観念的借り入れ行動の背景を探ったが、この分析は市場が右肩上がりで新型コロナウイルスもまだ流行していない時期のものだった。

しかし現状では、SoftBankの巨額債務は最近の経済に関する記憶の中で最大級の惨事に向かいかねない。

SoftBankの債務よる業容拡張は、SprintとT-Mobileという通信事業者の合併プロジェクトでことに目立った。これは最近米司法省の反トラスト局によって承認されたが、Vision Fundの投資を含めて数百億ドル(数兆円)の借り入れを必要とした。Financial Timesが2017年に報じたところではVision Fundは約款の規定により、投資家への利益還元は最低限のものだ

投資家はVision Fundから投資の見返りとして「優先ユニット」を提供される。これにより、12年のファンドのライフサイクルを通じ、毎年7%のリターンが保証されるクーポンを受け取ることができる。

ここ数日の株価の壊滅的な下落を考えると、大型の新規上場が起きる可能性はほとんどない。するとVision Fundの流動性はどうなるのか? また経済全般の悪化を考えると、合併したSprintとT-Mobileは巨大な債務負担をどうやって返済するのか?

SoftBankの強みは、誰にとっても必須なサービスを提供していることだ。 これが、長期債権発行体としての格付けがダウンしなかった大きな理由だろう。誰もがモバイルネットワークを必要としている。しかしながら債務がますます積み上がり、新型コロナウイルスによって経済に混乱がもたらされる中、Vision Fundの将来はさらに見えにくくなっている。

画像:Alessandro Di Ciommo/NurPhoto (opens in a new window)/ Getty Images

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滑川海彦@Facebook