Facebook、歪んだ360度写真の修正機能を提供へ

今日(米国時間8/31)カリフォルニア州サンノゼで行われたFacebook主催のカンファレンス、Scaleの席上、同社のコンピューターフォトグラフィーチームは、ユーザーが撮影した360度写真をきれいに修正する研究プロジェクトが完了したことを報告した。チームは多層ニューラルネットワークを用いて360度写真の歪みを認識し、修正してリアルさを再現する。

スマートフォンの水平ツールを使って画像を修正したことがある人もいるだろう。しかし、プロジェクトの一員である研究者のMatt Uyttendaeleは、従来のコンピュータービジョン研究では、この問題を解決するために消失点(平行線が交差するように見える点)を利用して直線を判別していた。

しかしそのアプローチは必ずしも一般的ではない。なぜなら、多くの写真には基準となるべき平行線が十分にないからだ。そこでUyttendaeleのチームは、AlexNetというニューラルネットワークに、回転させた画像の傾き(ロールとティルト)の値を学習させた。結果的にこのデータを十分揃えることがプロジェクト全体で最大のチャレンジだった。

チームは50万枚の画像を集めると、それを人工的に回転させた。こうして360度画像修正のモデルを作るためのデータが揃った。新機能はまだ公開されていないが、修正機能のユーザーへの見せ方を決め、テストが完了すれば数か月後には提供される見込みだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebookが世界各地に分散したデータセンターのログを保存するツールLogDeviceをオープンソース化

Facebookは、複数箇所に分散しているデータセンターのログを保存するための自家製のソリューションLogDeviceを、オープンソースにすることを計画している。その発表は、同社のScaleカンファレンスで行われた。

それらのログは、データベースのイベントを調べるために利用されている。何かの理由でサーバーがダウンしたときには、デバッグする方法が必要だし、セキュリティのための監査を行って、サーバー間の整合性を確保しなければならない。大量のユーザーデータが世界中の大きなデータセンターに分散しているFacebookでは、このことがとくに重要だ。

LogDeviceは、ハードウェアやネットワークに問題があってもデータを記録できる。何かの不具合が生じたらログ収集のタスクを他のデータセンターにお願いする。そして回復したら、問題のあったデータセンターのレコードを毎秒5〜10ギガバイトのスピードでリストアする。

Facebookのデータセンターはもうすぐ10箇所になるが、各センターのレコードは確実に同じページに載ってほしい。しかしそこには、バックアップという複雑な問題があるので、データの扱いは一層難しくなる。LogDeviceは、これらの、各所に分散したデータセンターのデータを複製する作業を支援する〔上記のような場合も含め〕。

高価なサーバーをどうしても故障引退させなければならないときでも、LogDeviceは失われたレコードを正しく教えてくれる。レコードのシーケンスとサーバーのストレージを最初から分離し、レコードをさまざまな場所のストレージにランダムに割り当てるので、データセンター全体の自己回復力が強化される。

LogDeviceをいつからオープンソースにするのか、そのスケジュールは公表されていないが、今年のおそい時期に、とは言っている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

VRの今回のハイプ・サイクルは終わった

最近、アメリカでは多くの人々がデバイスを装着して普段見られない珍しい光景を眺めた。残念ながらそれはVRヘッドセットではなかった。人々が皆既日食を観察するときに使ったのは専用メガネだった。VRに暗い影を投げかけるニュースだった。

今年のE3(Electronic Entertainment Expo) で目立ったのはOculus RiftというよりむしろOculusという谷間(rift)だった。最近HTCはVive VRヘッドセットのキット価格を200ドル値下げした。Facebook傘下のOculusはRiftの価格をこのサマー・セールで399ドルまで下げた(夏が終われば値上げする予定だが、その幅は小さい―499ドルになるはず)。両社は皆既日食に対抗して消費者の関心を引き戻すために値下げ競争を始めたわけではあるまい。

TechCrunchの同僚、Lucas Matneyはこう書いている。

ここ数ヶ月、HTCとOculusのハイエンドVRヘッドセットにおける競争はどちらがVHSでどちらがベータかを争う戦いではなかったことがはっきりしてきた。両社とも〔ビデオテープではなく〕レーザーディスクの地位に転落するのを防ぐのに必死なだけだった。まだ有力プレイヤーは認めようとしていないが、投資家やアナリストはこの1年のVRヘッドセットの売れ行きに強い懸念を抱いている。

HTCもFacebook/Oculusも販売台数を公表していないという事実そのものが、販売が低調であることのなによりの証拠だ(アナリストの推定ではそれぞれ50万台以下)。

この2月、ソニーが Playstation VRヘッドセットの販売数を発表したときには一瞬期待が高まった。同社によれば2016年10月の発売以後、 91万5000台が売れたということだった。しかし6月になってもこの数字はは100万台を超えるのがやっとだった。

VRヘッドセットは夏向きの商品ではないのだろうか? 皆ビーチに出かけてInstagramでセルフィーを撮っているせいでVRは忘れられてしまうのかもしれない。

ハイプ・サイクルを急降下

ガートナーが発表した2017版の新しいテクノロジーのハイプ・サイクルのレポートによれば、VRテクノロジーは「回復(啓蒙)期の坂を上昇している」とされている。しかしこれは寛大すぎる判断だろう。

いずれにせよVRがハイプ・サイクルの頂上から一挙に転落したことはガートナーも認めているわけだ。インフレ評価の頂上から幻滅の谷間への急降下はすでに起きており、VRデバイスの現在の能力に比べて価格は依然として高止まりしていることもあって消費者の需要は最低の水準だ。

ガートナーが示唆するようにVRの前途に、ゆるい角度であれ、上り坂が控えているなら良いニュースだが、それにしても長期間の苦闘が必要だろう。

ガートナーはVRはすでに幻滅の谷間を後にしていると評価するが、すくなくとも近い将来、VRというテクノロジーに対する熱狂は復活しそうにない。ガートナーはVRがメインストリーム入りの幸運を引き当てるために2年から5年程度が必要だとしている。私には5年というほうが現実的に思える。

逆にVRはメインストリームにはならない、ニッチにとどまるテクノロジーだという意見もある。

どちらが正しかったか分かるようになるには時間がかかりそうだ。ともあれVRは、溺れてはいないものの、水に落ちて苦闘している。

最近、私は熱狂的なVRファンの起業家と話をした。彼は近い将来VRがリビングルームの中心となると信じている。ガールフレンドと並んでソファに腰掛けテレビの画面に代わってVRヘッドセットを眺めるようなるというのだ。

なるほどひとつの考えには違いないが、私には奇妙に思えた。

いくらソファに並んで座っていようと、あのVRヘッドセットを付けた2人がどうやって微笑、目配せ、身じろぎといったコミュニケーションができるだろう? またVRヘッドセットが消費者に広く受け入れられるためにはハードウェアとして劇的に改良される必要がある。普通のメガネに近い程度まで軽量化される必要があるし、現実の外界と仮想現実の表示を瞬時に(おそらくは人工知能を用いて)切り替えることができなければならない。並んで座っている恋人に向かって振り返ると自動的にVRがフェードアウトして恋人の表情が判別できるようになるなどだ。

正直そのレベルにまで柔軟性が高まるのでなければテクノロジーとして十分とはとはいないだろう。

もちろん現実のVRはエンジニアリングとしてもソーシャルメディアとしてもとうていその段階にはない。

何年も前から評判になっているもののまだプロダクトの形が見えないMagic LeapのIRLというある種の混合現実にしても同様だ。

キラーコンテンツ不在

業界トップクラスのゲーム開発者に話を聞いたことがある。彼の会社はOculusを始めとするVR全般に当初から強い関心を抱いており、その当時は彼もVRの将来に強気な見通しを持っていた。しかし最近再びVRの現状について尋ねてみたところ、その返事は「5年経ったらまた聞いてくれ」だった。

ゲーム開発者はまた有力なコンテンツが現れていないことについても触れて次のように述べた。

〔VRテクノロジーには素晴らしい可能性があるものの〕例えていえば、任天堂が革命的なゲームプラットフォームを作っただけで宮本氏とソフト事業部を売り払い、その後何も新しいゲームを作っていないような状況だ。VRには有力なコンテンツが決定的に欠けている。OculusはJason Rubinをトップに据えて巨額の投資をしているが、この点では失敗を続けている。

ソニーのデバイスはエレガントだが、処理能力が不足しており、PS4レベルのグラフィクスの表示も十分にできない。

現在、トップラスのVRを体験するには1000ドル程度のキットが必要になる。しかし消費者はかさばる上にケーブルが煩わしいVRヘッドセットを嫌っており、そんな金額を支払う気はまったくないというのが現実だ。

ハードの売れ行きが鈍いこと以上に利用率が低いのも致命的だ。VRのハードをすでに所有しているユーザーは新しいソフトを買おうとしていない(すくなくともビジネスとして意味あるレベルの売上になっていない)。

VRが成功するためには現在の任天堂のようなコンテンツとブランド・パワーが必要だ。しかしそのようになる兆候は見えない。

つまり古典的な「ニワトリが先がタマゴが先か?」というジレンマに陥っている。

Job SimulatorはVRを数分体験するには面白いゲームだが、世界の消費者をとりこにするような力はない。

VRゲームのJob Simulatorはバーチャル・オフィスで新しい職を体験できる

【略】

VRはSecond Lifeの没入版になる危険性に直面している。悪くすると「Second Lifeの運命はVRの失敗を10年も前に予言していた」といった記事が書かれかねない。

VRは次のハイプ・サイクルで復活するかもしれいない。そうであってもエコシステムの無視は致命的だ。

「VRは最低だ!」(動画はVRシューティングゲームでピストルのマガジン交換に手間取っているところ) 

ARには大きな可能性がある

現在いちばん利用されているVRはモバイルデバイスを利用したエントリー版だろう。Samsung Gear VRや Googleの段ボールを折って自作できるシステムがそうだが、それであってもブームを作るほどの売れ行きではない。しかもこうしたVRは本当のプロダクトというよりジョークの混じったギミックだ。

私見によればVRのディストピア的性格を遺憾なく表現したのは2016年のカンファレンスで撮影された写真だ。Facebookのファウンダー、マーク・ザッカーバーグが引きつり気味の微笑を浮かべながら通路を進んでくるというのに、着席している聴衆は誰一人それに気づいていない。全員がヘッドセットを被って外界から切り離されているからだ。

FacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグが 2016のSamsung VRイベントに到着したところ

ウェアラブルデバイスであっても通常のメガネとあまり変わらないサイズに必要な機能を詰め込んだAR〔拡張現実〕やMR〔混合現実〕デバスなら外界の情報を遮らないので、こういった馬鹿げた事態は防げる。

もちろんGoogle Glass(Glassholeと呼ばれた)という大失敗の例は忘れてはならない。あまりにもギーク臭丸出しのデバイスは一般ユーザーからは強く拒否される。

興味ある点だが、モバイルARはすでに膨大なユーザーを集めるソーシャル・テクノロジーになっている。しかもヘッドセットなどのウェアラブルデバイスを一切必要としない。手持ちのスマートフォンだけでよい。コンテンツはすべてスマートフォンだけで完結する。

つまりSnapchatのセルフィーやFacebookのライブビデオのフィルターなどの機能だ。AIを利用してユーザーの顔を置き換えたり加工したりできる人気アプリは数多い。

Snapchatの顔加工セルフィー・レンズ

【略】

旅行者がパリのエッフェル塔の前で任天堂のポケモンGOをプレイ中( 2016年9月8日:: Chesnot/Getty Images)

【略】

Facebook Spacesで友達とバーチャル・ミーティング

【略】

逆にモバイルARがすでに巨大なユーザーを集めていることは明白だ。

ポケモンGOのイベントに集まった人々

なるほど任天堂には巨大なブランド力があり、Snapchatなクレージーなまでにチャット・ブームを巻き起こした。そうではあってもモバイルARが本質的のソーシャルであることに変わりはない。現在でも友達がスマートフォンを手にして集まり、会話しながら写真を取り合い、(準リアルタイムで)互いの写真を眺めたり共有したりするという光景を見ることがある。これは初歩的なモバイル・ソーシャルARの例と言っていい。

ここではオンラインとオフラインの体験をシームレス(に近く)混合でき、さらに友達の表情やボディーランゲージを認識することを妨げるようなものがない。

一方で高価なVRハードウェアはアーリーアダプターの家やデスクの引き出しで埃をかぶるままになっている。VRにガートナーの言う「啓蒙」が訪れるのはいつだろうか?

このサイクルは死んだ―5年後にはどうなるだろう?

つまり現在のVRは死んだ。

しかしVR業界では、これは単に現在のハイプ・サイクルが終わりを迎えたにすぎないと望んでいる。 5年後か何年後かはともかく、次のサイクルでは新しいエコシステムを確立できるに違いない――だがそれはどんなものになるのか?

映画館にはプレミアム席が設けられ、新しいテクノロジーを用いて一層完全な没入感を得られるエンタテインメントが提供されるかもしれない。飛行機の乗客向けのサービスも一つの可能性だ。教育、訓練、医療、リハビリなどの分野における応用のシナリオが考えられる(VRポルノも忘れてはならない)。

しかしこうした応用分野をすべて足し合わせてもVRが次世代のコンピューティング・パラダイムの主要な部分にはならないだろう(ザッカーバーグでさえVRが「可能性をフルに発揮できるようになるには10かかる」と述べるようになった)。

今のところAR > VRだという点に疑問の余地はない。

しかもARに勢いがつくことはVRにとって悪いニュースとなる可能性がある。【略】

結論

人間の本性として世界を風変わりなフィルターを通して観察してみたいという気持ちは強い。

しかし、今のところ仮想現実は人間に知られているエンタテインメントの中でもっとも人気がないツールという不名誉な賞を得るにとどまっている。この傾向にはまったく変化の兆しがない。

実はアメリカでは比較的近い未来にまた皆既日食を観測できる。それが起きるのは2024年の4月だ。もし次回の皆既日食でも人々が古典的な日食メガネをかけており、VRメガネについては関心がないようだったら皮肉な事態ということになる。

記事タイトルはTechCrunchnの同僚、Romain Dilletのアイデア。トップ画像はBryce Durbinのオリジナル・アート

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

虚偽のニュースをシェアするFacebookページ、広告が購入禁止に

FacebookはフェイクニュースをシェアするFacebookページに対し、より強固な姿勢を取ると発表した。

同社はすでに、SnopesやAP通信などサードパーティの事実調査機関に誤ったニュースの判定を依頼している。(偽ニュースと判断するのは明らかに捏造された記事や虚偽の内容で、意見や偏向の理由で論争されている記事は含まれないことになっている)。また記事に問題があると指摘された場合、そのリンクはFacebook広告を通して宣伝することができなくなるという。

今日(米国時間8/28)同社は、虚偽のニュースを頻繁にシェアするFacebookページに対し、その広告に偽ニュースへのリンクが含まれているかどうかにかかわらず、Facebook広告の購入を一切禁ずるという次なる措置を発表した。

Facebookは昨年、フェイクニュースの拡散に寄与したとして批判を受けた。(同社は現在「虚偽のニュース(false news)という言葉を使用している —— 「フェイクニュース(fake news)」は極めて政治色が強くなり、ほとんど無意味になった)。プロダクト担当ディレクターのRob Leathernは、Facebookは3つの方法で誤ったニュースの対策を行なっていると語った。虚偽のニュースを投稿する金銭的インセンティブの撤廃、ニュース拡散力の弱体化、そして誤ったニュースを見たときに情報に基づいた上での決断ができるよう人々を手助けする3つだ。

今回の場合は、広告の購入をブロックすることで金銭的インセンティブを変えることを意味するとLeathernは述べた。同社は「Facebook広告を通してこのような投稿を行い、虚偽のニュースを拡散するためオーディエンスを獲得するFacebookページ」が存在していることを懸念している。Facebookは広告のポリシーを変えることで、企業がそのようなオーディエンスを獲得することを困難にしている。

Facebookはページが何回、虚偽ニュースのリンクをシェアするとブロックされるかは開示していない。結局のところ、Facebookはユーザーに制度の抜け穴を悪用して欲しくないのだ。Leathernは「もちろんたった一回のシェアではブロックしない。ブロックするのは、複数回にわたって虚偽のニュースをシェアした場合だ」と述べた。

Leathernはまた、広告の購入禁止は必ずしも永久的ではないと語った。Facebookページが偽ニュースの共有を停止すると、広告を再び購入することができるようになる。

 

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(翻訳:Keitaro Imoto / Twitter / Facebook

ザッカーバーグ夫妻に2人目のベビー誕生――次女の名前はAugustちゃん

マーク・ザッカーバーグとプリシラ・チャン夫妻に2人目の娘が誕生した。名前はAugustだ。そういう質問が出ると思うが、8月に生まれたからAugustと名付けられたのかどうかは不明だ(そんな単純なことではないと思うが)。

Facebookのファウンダー、CEOであるザックは当然ながらうれしいニュースをFacebookで写真と共に発表した。

以下がその記事だ。〔記事に添付された次女、Augutst宛の公開状はFacebook上で読める。〕

プリシラと私は次女、Augustが生まれたことでとても幸せです! 私たちはAugust宛にどんな世界へと育って欲しいと願っているか手紙を書きました。彼女があまり速く成長して大人になってしまわないことも願っています。

ザッカーバーグ夫妻の最初の赤ちゃん、Maxは2015年12月に誕生し、夫妻はFacebookの株式持ち分の99%を「人類の進歩と次世代の子どもたちの平等の増進のために」役立てることを約束した。 その時点でザッカーバーグのFacebook株式は450億ドルの価値があると推定された。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、360度写真がアプリ内で撮影可能に。カバー写真にも

Facebookは360度写真とビデオの熱烈な支持者であり、この没頭メディアフォーマットを早くからサービスに取り入れてきた。このたび、360度写真をFacebookアプリ自身で取り込めるようになった。

この360度写真機能は、iOSおよびAndroidアプリで今日(米国時間8/22)から公開が始まった、ズームや友達のタグ付けもできる。さらに、360度写真(どこで作ったものでも)をカバー写真にすることもできるようになった。Facebookがカバー写真を導入して以来、これが初めてのフォーマット追加になる。

  1. 360-photo-capture-from-timeline.png

  2. 360-photo-capture-path.png

  3. 360-photo-in-feed.png

360度写真はFacebookの通常の写真と同じように扱われる。つまり、タイムラインに投稿したり、普通の写真と一緒にアルバムに入れたり、グループに追加したりできる。Facebookカメラを使った取り込みは、できる限り簡単に作られていて、Facebookはコンピュータービジョンを応用して、撮影した写真を自動的につなぎ合わせパノラマ形式にする。

【日本語版注:公開は(例によって)展開されるため、全員に機能が行き渡るまでには時間がかかる】

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

あなたが死んだらFacebook上のプライバシーはどうなるか?

あなたが万一、親不孝な死に方をしたら、ご両親はFacebook上のあなたの非公開情報やデータを読めるべきだろうか? Facebookは今日(米国時間8/18)の、死後のソーシャルネットワークに関するHard Questionsで、それができない理由を説明している。

最終的な答えでないことはFacebookも認めているがそれは、同社が記念化プロフィール(Memorialized Profiles)および“レガシーコンタクト”(Legacy Contact, 〔死者の〕形見の〔形見として遺された〕連絡先)と呼ぶ問題に対する、ある程度妥当なソリューションだ。あなたが死んでFacebookに報告されたら、あなたのプロフィールの名前の上に“Remembering”(追悼)という言葉が表示される。そして、誰一人としてあなたのアカウントにはログインできない。

レガシーアカウントは、まだ生きてる人が亡くなった友だちを自分のManage Account Settings(アカウント設定)で設定するが、あなたのプロフィールが“追悼”になるまでは報告されない。彼らはあなたのプロフィールのトップにポストをピンできるし、あなたのプロフィールの写真を変え、友だちリクエストに応じたり、あなたのアカウントを削除したりできる。しかしそれでもなお、彼らはあなたのアカウントへログインすることはできないし、昔のポストを変更/削除したり、友だちを削除したり、あなたのメッセージを読んだりはできない。

また、親でも誰でも、あなたの死後にあなたのメッセージを読むことはできない。その理由は、Facebookによれば、“二者間のプライベートな会話は、今後もずっとプライベートであることが意図されている、と思われるから”、だ(Facebook Global Policy ManagementのディレクターMonika Bickertによる)。電子通信私権法や蓄蔵通信法も、親の同意下であっても私的通信の共有は不可、としている。

Facebookは、「○○さんのお誕生日です、お祝いのメッセージを送りましょう」というお節介を、故人に関してはしない。でもまだ無神経な部分は残っていて、たとえばOn This Dayなどでは、故人の生存時のコンテンツが載ったりする。その人が亡くなったことを、いやでも思い出してしまう機会になる。

Facebookでは、別れた相手のコンテンツなどを見ないようにできるが、この方法を一般的に故人に対し適用することはできないだろう。別れと死別は違う。

でもFacebookがこの問題を少なくとも考えていることは、良いことだ。20億のユーザーがいるFacebookは今や、人の生活のあらゆる側面に影響を及ぼす。FacebookのCPO Chris Coxはこう言う: “会社のあらゆる部分に真摯な責任の感覚がある。Facebookがどんな人にどんな使われ方をしているかを、これからはもっとよく知る必要がある”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

偽再生ボタン表示するとFacebookの表示ランクが下がる――クリックベイト対策、また一歩前進

Facebookのニュースフィードを見ていて偽の再生ボタンをクリックしてしまったことはないだろうか? このボタンはビデオを再生せず、別のサイトを開くリンクが隠されている。私は何度も引っかかった。そこで2014年にFacebookは、偽再生ボタン付きリンク画像を禁止せよという記事を書いたぐらいだ。

今になってやっとFacebook手を打ち始めたようだ。今日(米国時間8/17)、Facebookはニュースフィードの表示アルゴリズムを変更し、プレビューに偽のプレイボタンを表示したり、静止画であるのにビデオのように見せかけてファイルをアップロードするサイトのランクを大幅に下げることとした。こうした手口でトラフィックを稼いでいたパブリッシャーは大打撃を受けることになるだろう。ただしFacebookはこうした投稿を完全に削除することはしない(他の重大な約款違反がないかぎり)。

以下はスパマーがクリックベイトのためによく使う偽再生ボタンの例だ。

Facebookは広告で偽のプレイボタンを表示することを禁止している。ニュースフィードのプロダクト・マネージャー、Greg Marraは私のインタビューに対して「これは存在しない機能を表示することを禁止した広告約款の違反を理由とするもので、数年前に制定された」と話した。しかし広告以外のニュースフィードには偽プレイボタンがはびこるままだった。

「その後ユーザーから偽のプレイボタンに対する苦情が寄せられた」とMarraは付け加えた。 そこで今日のアップデートとなったわけだ。スパマーがクリック稼ぎに使うこうした偽プレイボタンや偽ビデオを発見、分類するために.Facebookでは人工知能による機械視覚を訓練しているという。【略】

Facebookによれば、パブリッシャーがリンク先にビデオが存在することを正規に示したい場合は、Open Graphメタタグを利用すべきだとしている。またパブリッシャーはタイトルやキャプションにWatchないしVideoと表示してもよい。

ニュースフィードにおけるフェイク再生ボタンを表示したプレビューの例(左)。ユーザーがビデオを再生するつもりでクリックすると広告満載のページに飛ばされる(右)。

Facebookはこれまでも。CGで秒数を表示するなどの細工をして録画ビデオを繰り返し再生しているのにライブ中継と偽ったりするような悪質な広告主に悩まされてきた。TechCrunchではこの1月にFacebookに対して、こうした連中を退治するよう勧めたところ、5月になって取り締まりが実施された。

その後Facebookではパブリッシャーがページビューを稼ぐために静止画をビデオに見せかけて投稿する新たな手口に対応を迫られていた。 今回のアップデートでこうした投稿の表示ランクは大きく下げられる。Facebookでは人工知能による「モーション・スコアリング」でクリップ画面内の動きを検知し、ランク付けするとしている。

今日のアップデートはページビュー稼ぎのクリックベイトに対する大掛かりな取り締まりの一環をなす。 Facebookでは偽ビデオの他に、誤解を招くタイトルや重要な情報を隠した投稿の規制をさらに多数の言語に拡大している。またスパマーが好んで拡散する中身のないリンクフェイクニュース も表示ランクを下げられる。またFacebookでは疑わしいニュースについては別の立場からのニュースにリンクしてユーザーがクリックベイトに釣られることを防ごうとしている。【略】

こうした不愉快で苛立たしい投稿をニュースフィードから追放すればユーザーは正常なコンテンツに集中することが可能になる。これにより滞在時間やビデオの再生回数などのエンゲージメントが増大することが期待される。つまりはFacebookのビジネスにとって有益となるわけだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、不評のストーリーカメラを強化。ライブ、GIF動画、テキストを追加

Facebookは反響の芳しくないストーリー機能を強化した。本日(米国時間8/15)Facebookは、同サービスのフルスクリーンカメラに、ライブ中継、2秒間のGIF動画撮影、および背景色付きフルスクリーンテキスト作成機能を追加した。作品はFacebookストーリー、メッセージ、あるいは通常のニュースフィードで公開できる。

新機能によって、FacebookカメラはInstagramのストーリーカメラとほぼ同等になり、用途が広がるとともに、ビジュアルにシェアする方法を求めるティーンのユーザーを引き付けることが期待できる。カメラに内蔵されたARフェイスフィルターをライブ中継と組み合わせることで、顔を見せることなく安心してライブ放送することもできる。

背景色付き投稿機能は、Facebookの近況アップデートで以前から提供されている。カメラのGIFクリエーターは先月テストを行った。そして今月Facebookは、カメラによるライブ中継をテストした。ニュースフィードの投稿エディターでは2016年から同機能を提供している。そしてこのたび、iOSおよびAndroidの全ユーザーに上記の機能が正式提供されることになった。

今年3月にFacebookは、カメラ機能および24時間で消滅するストーリー機能を全世界で公開し、昨年来のInstagramによる代理戦争に続き、Snapchatとの直接対決を宣言した。
しかし、SnapchatクローンのInstagramストーリーとWhatsApp Statusが、いずれもオリジナルを上回る1日当たりユーザー2.5億人を記録している一方で、Facebookはカメラとストーリーの利用者数を公表していない。SnapchatとInstagramが人気を博している欧米では、Facebookカメラを「余分」だと批判する人もいる。フィード画面のトップにあるストーリーのアイコン表示が邪魔だと言う人もいる。現在ストーリーで配信されているコンテンツはごくわずかであり、私の友達でも投稿しているのは4人だけだ。
しかし、ARエフェクト付きカメラを4月に公開し、今回新機能を加えたことで、Facebookが躍起になってカメラ機能を広めようとしていることが見てとれる。Facebookは、いつでもカメラ機能を畳んでInstagramストーリーにユーザーを誘導することができる。しかし、もしMark Zuckerbergがビデオとビジュアルコミュニケーションが未来を担うと信じ、Snapchatに欠けているAR開発プラットフォームを提供することでリードを奪うことに賭けているなら、みんながFacebookカメラを使うトレンドが生まれるまで、批判に耐え続ける覚悟ができているのかもしれない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

FacebookとInstagramにデザイン・アップデート――iOS、Androidアプリが読みやすくなる

Reddit、Messenger、線描画からヒントを受けてFacebookがサイトのデザインの改革に乗り出した。これよってニュースフィードは読みやすくなり、クリックやコメントもしやすくなると期待されている。特に投稿に対するコメント・スレッドの開始と終了の場所がいまよりはるかにわかりやすくなっている。一方、今日(米国時間8/15)、Instagramもデザインのアップデートを受け、コメントがスレッド化され、公開で会話ができるようになった。

Facebookは定期的にユーザー・インターフェイスを見直しており、意味のない飾りや重要性の少ない機能を削除してすっきりした読みやすいデザインを目指してきた。Facebookの画面には時間の経過とともに白地が増えている。これはごたついたデザインでを疲れさせることを防ぎ、友達の投稿など重要な要素をさらに目立させる効果を狙っている。

Facebookのデザイン・チームは「われわれは見場をよくするためにデザインの細部をいじりまわさない。何十億もの人々が毎日このサイトを使うことを考えて、少しでも使いにくさを減らすことがわれわれの目標だ」と書いている

FacebookとInstagramのアップデートは iOS版Android版共に数週間以内に全ユーザーに行き渡るはずだ。

Facebookコメント

FacebookはMessengerの会話のバブルスタイルを採用する。これにより投稿に対するコメント・スレッドがさらに明瞭になる。同時にMessengerにおけるようなリアルタイムでの活発な会話を促進する狙いもある。Facebookではコメントをさらに活発化させるためにfリアルタイムの会話が行われる場合、専用のチャット窓を開くテストを行っていた。

ナビゲーションと「いいね!」ボタン

Facebookではナビゲーションやリアクションのためのボタンを大きく、見やすくした。 ここでは内部を着色せず線描スタイルのデザインが用いられている。ニュースフィード、ビデオ、マーケットプレイス、いいね!、コメント、シェアのボタンがすべてこのスタイルになっている。また「お知らせ」は独特の地球儀のアイコンを止めて、もっと標準的な鐘のアイコンに変えられた。この変更でアイコンが目立たなくなったともいえるが、Facebookではユーザーの気を散らす要素を減らし、コンテンツそのもの集中させたいようだ。

可読性を向上させる努力としては、テキストのコントラストがアップされると同時にプロフィール写真が正方形から円形になり、スペースを取らなくなり、同時に印象を和らげようとしている。「もっと読む」などの文字やリンク先プレビューはやや大きめになり、さらに多くのクリックを誘うことを狙っている。これにより外部サイトを開く回数が増えるかもしれない。ただしFacebookでは今回のアップデートは「トラフィックの増大が狙いでない」としている。外部サイトへのリンクも見やすくなり、ユーザーがニュースメディアと間違えて紛らわしい悪質サイトを開いてしまう可能性が減少した。

サイトマップにおける現在位置の明確化

Facebookではトップのニュースフィードから何層にもわたってレイヤーが重ねられているため、ユーザーが「自分の現在位置」を見失わないようにすることに力を入れている。新しいデザインでは階層を戻るために黒丸を並べたはっきりしたボタンが設置された。【略】

デザインの倫理

Facebook、Instagramのデザイン・アップデートはもちろんエンゲージメントを増大することが目的だ。そこでこうしたデザインの改良を律する倫理がどのようなものかが問題となる。単に「ネズミ罠を改良する」だけで社会に対して利益をもたらせるだろうか?

Googleで以前デザイン倫理を担当していたTristan HarrisのTED講演によれば、ソーシャルメディアではエンゲージメント拡大のために最適化を行いすぎると、サイトが強い中毒性を持つようになり、かえって有害となるという。

私は数年前からFacebookのトップ、最高プロダクト責任者のクリス・コックスやニュースフィード担当副社長のアダム・モッセリに「本質的に広告ビジネスであるために引き起こされるネット中毒の防止ないし最小化のためにFacebookではどのようなリサーチを行っているのか」と何度か尋ねている。残念ながらこの問題に高い優先順位を与えていることを証拠だてるような直接の答えは得られなかった。

ただしFacebookがユーザー体験に気を配っていることは確かであり、私のインタビューに対してコックスは「われわれがこうした規模にまで拡大した以上、ソーシャルメディアが世界をより良い場所にするために何ができるのか注意深く検討すべき時期に来ている」と述べた。しかし「良い」ことを狙うのは往々にして「やり過ぎ」になりかねない。

将来、ソーシャルメディアのアプリは、単に使いやすさを追求するだけでなく、使いすぎも注意してくれるようになるべきかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ビデオ編集時に画面から何かを取り去ったり加えたりする技術を持つFayteqをFacebookが買収

Facebookは、ビデオを編集するとき、画面中のオブジェクトを取り去ったり新たに加えたりできるコンピュータービジョン応用のソフトウェアを作っているドイツのFayteqを買収した。買収を最初に報じたのはドイツのスタートアップ情報誌だが、アメリカではVariety誌だった。本誌TechCrunchも事実を確認したが、Facebookはビデオフィルターを、ライブのストリーミングとInstagramのStories的なプラットホームの両方で充実させようとしているから、そのための買い物だろう。

ライブのビデオから何かを取り去ったり、加えたりするのは、これから流行ると思われる拡張現実(AR)の得意ワザでもある。Facebookは今年の4月のF8カンファレンスで、その内蔵カメラ用のARプラットホームをローンチし、スマートフォン上のFacebookで使うAR体験をデベロッパーたちが積極的に作るよう、仕向けている。Mark Zuckerbergによればそれは、“メインストリームになる初めての拡張現実プラットホーム”だそうだ。

このプラットホームには、スマートフォンのカメラで撮った現実世界のオブジェクトを認識する機能や、それらのオブジェクトにエフェクトを加える機能もある。AppleはiOSのARKitで、Facebookと同じことをシステムレベルでやるらしいから、仮想オブジェクトをシーンに加えるのがずっと簡単になるだろう。

Fayteqの特技によりFacebookは、この分野を一層充実させていくだろう。そのIPと特許がFacebookのものになったことによって、ARへの注力がなお一層明確になると思われる。

Facebookは買収を確認したが、今後の計画についてはまだ何も発表がない。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebookのパスワードを盗むソフトウェアで釣るパスワード窃盗マルウェアが拡散中

Facebook上のマルウェアは珍しくないが、今度のやつには何か幻覚剤の症状のようなものを感じてしまう。シドニーのLMNTRIX Labsのセキュリティ研究者たちが見つけたソフトウェアはFacebook Password Stealer(Facebookのパスワード泥棒)と名乗り、ダウンロードすると悪質なコードをバックグラウンドに注入して、ユーザーの認証情報を盗難の危険にさらす。

研究チームはこう述べる: “すでに相当広く拡散しており、まだ拡散は続いている。これは実際に‘Facebook Password Stealer’というソフトウェアの悪意に満ちた広告キャンペーンなのか、あるいは後日、治療ソフト‘Facebook Password Recovery’を売るつもりかもしれない”。

“犯人たちはマーケティングの達人でもあるようで、実際にそういうサービスへの大きな需要があることを知っていて、それをスパムや広告キャンペーンや、ポップアップ、同梱ソフトウェア、ポルノサイトなどを利用して配布しているのかもしれない。ソフトウェア単体として配布することも、あるのだろう”。

LMNTRIXの研究者たちが“Instant Karma”(幻覚剤)というぴったりのあだ名をつけたこのマルウェアは、他人のFacebookアカウントを盗めるソフトを探していた被害者たちにつけ込む。ダウンロードして実行し、”hack”ボタンをクリックすると、バックグラウンドでリモートアクセスのためのトロイの木馬が動き出す。

研究者たちは参考情報としてVirusTotalのデータベースにある“spoolsvfax.exe” を挙げているが、彼らはその中に、新たに仕込まれたトロイの木馬を見つけた。

一見便利そうなサービスに見えるFacebookのマルウェアは、正体がばれて退治されるまでに、Facebookの膨大なユーザー人口の上で大規模に繁茂する。マルウェアはたとえばMessengerの上で、“お友だちになりましょう”というお誘いを仕掛けることもある。そのほかにもさまざまな、無害そうな、あるいはとても魅力的に見える、ダウンロードのお誘いがある。試しに“hack Facebook account”でググると、マルウェアに感染しているソフトウェアへのリンク、と思われる結果が大量に得られる。どれも技術者ではなく、一般ユーザーに語りかけている。

このパスワード泥棒マルウェアは、Windowsのデスクトップに限られているが、モバイルのFacebookをねらうマルウェアも、今ではありふれている。こんな犯行がまんまと成功するのなら、世界最大のソーシャルネットワークはハッカーにとって金鉱だ。

研究者たちは重ねて述べる: “今やターゲットはハッキングに関心のあるユーザーではなくて、他人のFacebookアカウントを覗きたいと思っている一般ユーザーだ。Facebookをハックする方法やアプリケーションは前からいろいろあるが、Facebookのパスワード窃盗を餌(えさ)にする悪質なキャンペーンは、まったく新しい”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Facebook、オリジナルビデオを新しいWatchタブで公開へ――パートナーに収入の55%分配

Facebookにオリジナルビデオを見るためのWatchタブが設置される。コンテンツはパートナーがFacebookのために製作するオリジナルビデオで、ライブストリーミングと録画の双方が含まれる。収益は55%がクリエーターに分配され、45%をFacebookが得る。Watchタブは明日からモバイル及びデスクトップでアメリカの一部のユーザー向けに公開される。

Watchタブにはユーザー個人別にカスタマイズされた推薦が表示される。これにはライブ、録画の別に加えて、「いちばん話題になっています」、「みんな笑いました」、「友達が見ています」などのカテゴリーも表示される。またお気に入りのシリーズを登録し、アップデートや新しいエピソードの配信を受けられるWatchlist機能も用意される。

オリジナルビデオには以下のような番組が含まれる。

  • Nas Daily – 有名ラッパーのNasが毎日友達を招待する。
  • Major League Baseball – MLBが毎週1試合をFacebookでフル中継する。
  • Gabby Bernstein – 自己啓発関係のベストセラー作家がライブと録画でファンの質問に応える。
  • Tastemade’s Kitchen Little – 子供向けクッキング番組で、プロのシェフがユーモラスに料理を教える。
  • Mike Rowe – 有名TVショー・ホストがコミュニティーに貢献した人物を紹介し、賞を授与する。

FacebookではWatchのクリエーターやカバー範囲をさらに拡大していく計画で、「いくつかの番組に資金提供を行っている」ということだ。

今日(米国時間8/9)、WatchについてBusiness Insiderも報じている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、クローキングを禁止――クローラーを騙して偽サイトを表示する行為を発見すれば追放

「クローキング(cloaking)」といえば何やらSFっぽい術語に聞こえるかもしれないが、スパムサイトが現在ひんぱんに使っている騙しの手口だ。スパマーは検索エンジンやコンテンツのキュレーターに対して健全なサイトを表示する。ところがユーザーが実際にこのサイトを訪問すると広告やマルウェアを満載した別のバージョンに導かれる。

たとえば、あるスパマーがFacebookのレビューチームを欺こうとした場合、Facebookに掲載されるURLや広告のランディングページとして無害なコンテンツのIPが割り振られる。ところがFacebookのレビューチーム以外の一般ユーザーがこのサイトを訪問すると、怪しげなダイエット薬だのFacebookの利用約款に反するポルノの広告だのが表示されるという仕組みだ。

そこで今日(米国時間8/9)、Facebookはクローキングの取締に乗り出した。Facebookの広告プロダクト担当ディレクターのRob Leathernは私のインタビューに答えて、「あるサイトがクローキングを行っていることを発見した場合、われわれはその広告アカウントを無効にしてFacebookから蹴り出す。連中のFacebookページも削除する」と述べた。

クローキングを対象とした監視システムでは人間の専門家と拡張された人工知能の双方が用いられる。ただしスパマーを利するおそれがあるため、クローキングを認定するための具体的なテクニックや基準などは公開されない。

正常なビジネスには一切影響はないという。「クローキングに正当な用途はない。クローキングを行っているのが誰だろうと問題ではない。定義からしてそんなことをやるのは悪いやつ、スパマーに決まっている。つまりどんな方法だろうと誰だろうとクローキングをしていたらわれわれのプラットフォームから追い出す」とLeathernは言う。つまりFacebookはサイトのコンテンツがなんであれ、それとは関わりなくクローキング行為自体を禁止し、違反者をFacebookから排除するということだ。

Facebookのニュースフィードのメカニズムがフェイクニュース、クリック詐欺、スパム、劣悪なコンテンツなどとの戦いを進める一貫として今回の変更が行われた。Facebookに対しては2016年の大統領選挙以来、フェイクニュースを放置しているという批判が高まっていた。スパムサイトへのトラフィックを遮断することはサイトの収入源を断つこととなり、金儲けのためだろうと特定の政治的目的だろうと、偽情報を広めるような悪事を働くグループの活動を抑制するために効果があるはずだ。

BuzzFeedは最近、過激に党派的な政治的ニュースを掲載するサイトに投稿された400万の記事を調査した結果、「このようなサイトのパブリッシャーはFacebookがクリックベイトやフェイクニュースの取締に力を入れ始めたことにきわめて神経質になっており、アルゴリズムの変化を注視してこのソーシャルネットワークから追放されることがないように気を配っている」と結論している。

もちろんクローキングはFacebookだけの問題ではない。そのためFacebookでは他のテクノロジー企業とも協力し、手口に関する情報や対策を交換してクローキングの締め出しに役立てたいと考えている。私の取材に対してFacebookは「〔業界内でのこの協力関係は〕まだ始まったばかりであり、さらに効果的な方法を模索している段階だ。しかしクローキングを、児童ポルノやテロリストのコンテンツと同様、指紋化して実行者を同定することができるようにしたい。 Facebookは膨大なユーザーベースから得られた知見をインターネットの他の組織と共有することで有効な対策を立てることに貢献できると考えている」と述べた。

〔日本版〕クローキングに関してはWikipediaにエントリーがある。

画像:: Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、「うっかりクリック」は広告として課金しない方針を発表

FacebookはAudience Networkでユーザーが「うっかりクリックした広告」に対し広告料金を課金しないこととした。

われわれは別のページを開こうとしてタップしたりスクロールしたりスワイプしたりする拍子にうっかり広告を開いてしまうことがある(私の場合、意図して開くというよりこうして偶然に開いた広告の方が多いと思う)。

そこでプロダクト・マーケティング担当マネージャーのBrett Vogelは「FacebookはAudience Network(Facebookが自社以外のアプリに広告を配信するサービス)において意図しない広告クリックについては広告主に課金せず、広告メトリックスからも除外する」と発表した。

Facebookではユーザーが広告を開いてから2秒以下で閉じたり遷移したりした場合は「意図しない動作」とみなすことにした。ともあれ、ユーザーが広告を開いて2秒以下で戻ってしまったのではその広告が気に入られなかったことは確かだ。

Vogelは2秒以下という時間に関して「とりあえずこれでスタートするが必要があれば調整する」としている。

Facebookからの広告配信を受けて掲載しているサイトの運営者は収入の減少を心配するかもしれないが、Vogelは「大多数のサイトでは意図的でないクリックの数は少ないためほとんど影響を受けないはず」としている。Vogelはこの変更はエコシステムの改善を目的としているとして、「非意図的な広告クリックに頼るようなサイト運営は長期的にみて不健全だ」と付け加えた。

Facebookではこれに加えて新しい広告メトリックスを導入している(われわれの記事)。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Instagram Stories、1周年を迎えてトップに立つ――チャットサービスのDAU数でSnapchatを超える

Instagram Storiesは去年の8月2日にスタートしたときはSnapchatのクローンなどと評されたものの、1年目の誕生日 を迎えてオンライン・ビジュアル・コミュニケーションの分野で世界最大のサービスとなった。Instagramに登録している企業の半数は先月Storiesにも投稿している。Storiesアプリについては、25歳未満のユーザーの1日あたり利用時間は32分、25歳以上のユーザーでは24分と大幅に利用時間が伸びている。

SnapにストップをかけるというFacebookの戦略が成功したのは、主としてInstagram Storiesの功績だ。SnapchatのMAU〔月間アクティブ・ユーザー〕の成長率は四半期あたり17.2%からわずか5%へと急落した。これに伴ってSnapの株価も上場売り出し価格の17ドルから現在の13ドルまで落ちている。

Instagram StorieのDAU〔1日当たりアクティブ・ユーザー〕は2億5000万人であるのに対してSnapchatは1億6600万人だ。1日当たりの利用時間についても、 Instagramは「平均30分以上」としたSnapchatを上回っているようだ。Snapの上場申請書によれば25歳以上の利用時間は20分ということだが、この点でもInstagramが勝っている。

[アップデート:InstagramのDAUがSnapchatを抜いたというニュースはSnapの株価をさらに下げ、12.67ドルの新安値がついた。

ユーザーがInstagramに集まる理由はわかりやすい。もともと大きなユーザーベースがある上にSnapの主要な特長と人気の機能をコピーしたからだ。
Instagramでいちばん人気がある拡張現実による顔フィルターは子犬の耳だが、これはSnapのものとほぼ同様だ。 Instagramの顔フィルターで3番人気はウサギ耳、5番人気はコアラ耳だが、これもSnapの犬の顔フィルターからヒントを得たのは間違いない。一方でInstagramは着実に新機能を追加し続けている(下の画像はInstagram Storiesの最初の誕生日を祝うスタンプ)。

InstagramはまたSnapchatのコピーも能率的だ。InstagramがStories自体を開発するには3年近くかかったものの、Snapchatで人気の「スタンプを自作できる」キットを作るにはわずか4ヶ月しかかからなかった。

InstagramはSnapchatのコピーするばかりでなくStoriesの機能を拡張するのも素早かった。Snapchatの「消えるメッセージ」の対抗策として出発したInstagram Directはフル機能のメッセージ・システムに成長した。 Instagram DirectはDAU〔月間アクティブ・ユーザー〕は3億7500万人に達している。Snapは逆にInstagramのチャット機能にスポットライトを当てる結果となり、InstaramはWhatsApp、Messenger、WeChatに次ぐ世界有数のチャットサービスとなっている。企業がInstagram Storiesに投稿するメッセージの5通に1通はDirect Messageを通じて返事を受け取っているという。つまり顧客と非公開でメッセージのやり取りをしたい企業にとってInstagramは非常に魅力的だ。【略】

ありとあらゆることを投稿できるアプリの氾濫は一部のユーザーにある種の「投稿疲れ」を引き起こしている(少なくとも私はそうだ)。何種類ものアプリとそれぞれのユーザーに生活の一部始終を投稿するのというのは面倒な作業だ。私などは「こんなことに時間をかける価値があるのだろうか?」と思ってしまう。FacebookがInstagramでStoriesフォーマットをさらに拡大していくならある種のオープン化を図るかもしれない。ユーザーがチャットに嫌気がさすにせよオープン化されるにせよ、Facebookに対するSnapの脅威は取り除かれることになる。

右はSnapchatを象徴する「花輪の顔フィルター」、左はInstagramによる大変よくできたコピー

今後Snapがユーザー数の増加を取り戻し、四半期決算の内容を劇的に改善するのでないかぎり、株式市場はSnapの将来をTwitterと比較し始めるだろう。しかしInstagramはSnapの復活を妨げるためにあらゆる手段を使うはずだ。

わずか1年前、Snapchatはソーシャルメディアの新たな王者となる途上にあるように見えた。Snapchatのフルスクリーンの共有窓は友達の生活をありのままに実感するのにこの上ないチャンネルだった。これを打ち負かすのは不可能だと思われた。しかしFacebookとInstagramは打ち負かそうなどとは考えなかった。単にSnapchatをコピーしたのだ。後はInstagramという年齢によらず誰もが使っていて馴染みのある場所にその新機能を付加するだけでよかった。

Featured Image: Bryce Durbin/TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、ビデオチャット・デバイス開発中――スマートスピーカーは一時棚上げか?

Facebookはノートサイズのディスプレイを備えたビデオチャット専用ハードウェアの開発を行っているという。Bloombergの記事によれば、Facebookのハードウェア開発事業部、Building 8からの初の本格的製品となる。記事によれば、このハードウェアは物理的に離れた場所にいる友達が同じ空間を共有しているように感じて親しく会話できるようにすることを目指している。

BloombergはまたBuilding 8ではAmazon EchoやGoogle Homeのライバルになる音声認識機能を備えたスマートスピーカーも開発しているとしている。FacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグ自身が自分の家庭のために映画『アイアンマン』のじゃーヴィスのような音声認識で作動するホーム・アシスタントを開発したことがある。これはザッカーバーグ恒例の「今年の目標」の2016年版だった。

Facebookのハードウェア開発に関するニュースは初耳ではない。先週はDigiTimesがFacebookのサプライチェーン関係者の話として15インチ・ディスプレイを備えたデバイスの開発が順調に進んでおり、早ければ2018年の第1四半期にもリリースされると報じていた。

こうした情報を総合すると、Facebookのスマートスピーカーと15インチ・ディスプレイは実は別々のプロダクトのようだ。15インチのスクリーンはノートパソコン・サイズのデバイスにちょうどよい大きさで、ビデオチャットに向いている。チャット・デバイスの価格は Bloombergによれば「数百ドル」になるという。もしFacebookが当面ビデオチャット・デバイスに集中するなら、スタンドアローンのスマートスピーカー製品は一時棚上げになるのかもしれない。スマートスピーカーの価格は100ドル台を目標としていた。

Bloombergによればビデオチャット用デバイスはマイクと広角カメラを内臓し、人工知能によってオーディオを最適化し、人間の顔を認識してズームする機能などを備えるという。テストではディスプレイを支えるために薄型のスタンドが用いられた。Facebookでは13インチから15インチ程度のサイズを考えているという。OSはインハウスの専用OSではなくAndroidが用いられるようだ。

またFacebookはこのデバイスに360°カメラを装備することも検討している。これが実現すればデバイスの全周を撮影することが可能となり非常にリアルなテレプレゼンスをもたらすはずだ。ただし最初にリリースされるバージョンには間に合わないようだ。

Facebookがビデオチャット・デバイスを販売することは理にかなっている。ユーザーがビデオチャットを利用する際のハードルを下げ、利用を大きく増加させるだろう。現在パソコンやタブレットなど汎用コンピューターでビデオチャットを行うにはプラットフォームにログインしたり、アプリにカメラのアクセスを許可したりするなどの手間がかかる。Facebookのビデオチャット・デバイスはFacebook Messengerをデフォルトでサポートするはずだ。これはMessengerを一層普及させ、コマースや金融などのトランザクションのプラットフォームとしての地位を確立することを助けるだろう。

記事執筆に協力: Josh Constine.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、Q2売上は予測を上回る93.2億ドル――ユーザー数の伸びはやや鈍化

Facebookのビジネスは2017年の第2四半期も依然好調だ。先ほど発表された決算資料によれば、売上は93億2000万ドル、GAAPベースの純EPS*は1.32ドルだった。アナリストの予測は92億ドル、 EPSが1.13ドルだったのでいずれも上回った。

売上増加率は対前年同期比で44.7%だった。2016年の第2四半期は59%のアップだったので、増加率はややスローダウンしている。この点についてはFacebook自身が「ニュースフィードに表示できる広告スペースが限界に近づいている」と投資家に警告していた。

ちなみに、広告スペースが限界に近くに連れて売上増加率が低下してきた経過は下の通り。

  • Q2 2017: 45 %
  • Q1 2017: 49 %
  • Q4 2016: 51 %
  • Q3 2016: 56 %
  • Q2 2016: 59 %

Facebookの売上のベースとなった月間アクティブ・ユーザー〔MAU〕は20億600万人で、前四半期の19億4000万人から3.4%増加した。前四半期のユーザー増加率は4.3%だった。Facebookの1日当たりアクティブ・ユーザー〔DAU〕は13億2000万人で前四半期は12億8000万人だった。対前年比では17%アップしている。決算発表直前のFacebookの終値は165.61ドルだった。時間外取引では若干下げたが、決算発表後後に反発し、1.35%アップして167.85ドル付近で取引されている。

第2四半期のFacebookの利益は38億9400万ドル、対前年比で71%アップした。Facebookの四半期利益がGoogleを上回ったのはこれが初めてだ。ただしGoogleの第2四半期の利益が35億2400万ドルと低調となったのはEUから課せられた27億ドルの独占禁止規定に基づく罰金のためだ。Googleではこの措置を不服として控訴している。

Facebookが計上したコストは49億2000万ドル、営業利益率は47%だった。前第1四半期は41%、30億6000万ドルの営業利益だった。従業員数は2万658人で対前年比43%のアップだ。Facebookが将来の規模の拡大をにらんで人材に投資していることをうかがわせる。資本支出(capital expenditure)は14億4000万ドル、現金及び現金等価物は354億5000万ドルに急増した。連年の黒字経営によりFacebookには必要とあれば大型買収を行うのに十分な手元資金がある。【略】

モバイルは今や広告売上の87%を占め、実額は80億ドルに上っている。前四半期は85%、前年同期は84%だった。広告売上総額は91億6000万ドルだった。

第2四半期にFacebookはエンタープライズ向けSNS、 Workplaceの無料バージョンのテスを開始した。Workplaceは企業向けコラボレーション・ツールとしてFacebookの有力な収入源となる可能性を持っている。今期、Facebookには500万の広告主が存在した。ビデオの5本に1本はFacebook Liveを利用したライブ配信だったという。

Instagramも引き続き拡大を続け、ユーザー7億人、 Directメッセージのユーザーは3億7500万人を数えた。Snapchat Storiesのデッドコピーと評されるWhatsApp Statusのユーザーも2億5000万人に上った。一方、Messengerの月間ユーザーは12億人の大台に達した

WhatsApp StatusはSnapchat Storiesのコピーが大成功

決算発表の電話記者会見でCEOのマーク・ザッカーバーグはAIがFacebookのビジネスに与える影響を論じ、「Facebookの人力によるコンテンツ監視の一部はやがてAIで置き換えられるだろう。大勢の目に触れる前に不適切なコンテンツをスクリーニングすることが可能になる。個人別のニュースフィードに適切な投稿を選択し、またフォローしていなくても興味あるページを配信するなどの面でAIは役立つ。広告ターゲティングもAIによって最適化が進むだろう。AIは〔Facebookの規模からして〕人力では不可能なレベルにFacebookを改良するはずだ」と述べた。

ザッカーバーグの発言でもっとも重要だったのは、WhatsAppのDAUが10億人に達し 、Snapchat Storiesのクローン、WhatsApp StatusのDAUが2億5000万人に達したことを明らかにした点だろう。

ただしザッカーバーグはMessengerの収益化に関してわずかに不満を感じているようだ。ザッカーバーグは「もう少し速い動きを期待したい。必ずそうできると信じている」と述べた。【略】

〔日本版〕*Facebookの決算資料によれば”Earnings per share attributable to ClassA and Class B common stockholders: diluted”〔クラスAおよびクラスBの普通株の1株当たり利益:希釈後〕についての数字。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

IT企業トップ5の時価総額合計はいよいよ3兆ドル

(編集部)この記事の寄稿者はAlex Wilhelm

Alex WilhelmはCrunchbase Newsの編集長、TechCrunchのベンチャーキャピタル・ニュース専門のポッドキャストEquityの共同ホスト。 これまでの投稿:

Google Financeのデータによれば、今日(米国時間7/20)、テクノロジー企業のトップ5の時価総額の合計が3兆ドル〔336兆円〕を超えた。市場のテクノロジー・ブームは新たな段階に入ったと言えそうだ。

2000年のドットコム・バブルを象徴したのがNasdaq指数が5000を記録したことだった。New York Timesによれば、テクノロジー企業のビッグ5の時価総額が今や3兆ドルに達したことは、この分野が湧きたち、あらゆる面で新記録が生まれていることの表れだという。

現在の株式市場はテクノロジー市場といってもいい。まずはいくつかの数字を確認し、ここまで来た経緯を振り返ってみよう。

3兆ドルを超えて上昇中

Google Financeの数値をベースにCrunchBase Newsが作成したスプレッドシートによれば、ビッグ5(Apple、Alphabet、Amazon、Facebook、Microsoft)の時価総額合計は3.03兆ドルとなった。Yahoo Financeのデータでは3.002兆ドルだった。

なおWolfram Alpha(これについては後述)では2.978兆ドルという結果を出した。多少の誤差はあるものの全体として3兆ドルかそれ以上という点に間違いないようだ。

この額に達するまでにビッグ5はかなり波乱に満ちた経過をたどってきた。直近52週の最安値と比較すると、現在の株価の上昇率は以下のとおりだ。

  • Apple: 56.63%
  • Amazon: 44.61%
  • Facebook: 44.55%
  • Microsoft: 39.54%
  • Alphabet: 33.45%

52週の最高値と比較するとAppleは3.59%安、.Alphabetは0.24 %安となっているが、全体としてテクノロジー企業の株価が新たな水域に入ったことは間違いない。

さてここに問題はあるだろうか?

影響を考える

冒頭で述べたように、新記録というのはなんらかの頂点を表すことが多い。つまり普通でない事態だ。そしてテクノロジー分野ではこれが起きている。

私は5月にブログでこの点について書いたが、引用してみる。

ビッグ5は急速に13桁〔兆〕の領域に近づいている。テクノロジー企業のトップが現在のマーケットの勢いに乗って記録を更新するなら、あらなNasdaq
5000となるかもしれない。2000年のテクノロジーバブルのとき、この指数はある種の心理的なハードルとして意識されるようになった。テクノロジー・ビジネスが復調してNasdaq 5000が全く過去のものとなったは比較的最近だ。

それからわずか3ヶ月で1兆ドルは実現した。

もちろんテクノロジー企業にはネガティブなニュースもあった。これまで絶好調をうたわれてきた企業が閉鎖されたり、 大規模なレイオフを実施sたりしている。Theranosは危機が続いている。株式を上場したユニコーン・スタートアップの一部は、Blue Apronは苦戦している。しかし全体としてみればテクノロジー市場は好調だ。【略】

ここで。ビッグ5の時価総額の推移のWolfram Alphaのチャートをお目にかけよう。ご覧のように最近一度1兆ドル近くまで行ったが、実際に到達したのは今回が初めてだ。

とりあえずは良いニュース

私がテクノロジー・ビジネスについてCrunchbase Newsで書いてきた記事は非公開企業とそれに対するベンチャー投資に関するものが主だったが、公開企業に動向はこの市場全般を理解する上でも大いに参考になると思う。【略】

非公開企業の会社評価額と上場企業の時価総額はますます乖離していく傾向だ。このため上場に踏み切るユニコーン・スタートアップの数は予想より少なくなるだろう。また上場のためには会社評価額引き下げる必要も出てくるかもしれない。市場が過熱ぎみのときに上場するのは有利だが、これは同時に市場が乱高下したときに多大の損害を被る可能性があることも示している。

時価総額合計1兆ドルという事態は、説明も簡単でしないし今後の予想も難しいが、ビッグ5にとっては大きなマイルストーンとなったのは間違いない。

われわれCrunchbase Newsでは今後もビック5の動向を追っていく。当面、利食い売りが入るまでに株価がどこまで上がるか注目だ。

イラスト: Li-Anne Dias

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Facebook、リンクプレビューの変更を禁止して偽ニュースの流布を防ぐ

これまでFacebookページオーナーは、投稿したリンクのニュースフィードに表示されるプレビュー画面のタイトルや本文、画像などを自由に変更することができた。そのため偽ニュースを流布する連中は、視聴者をだまして記事を読ませたり、まともなニュース配信会社が扇動的あるいはウソの見出しを投稿したと思わせることができた。しかし同時にこのしくみは、ニュース会社がプレビューのA/Bテストをして読者に合わせてコンテンツを変更したり、ニュース内容の進行に合わせてプレビューを更新することを可能にしていた。

信頼できるニュース提供者に不便をかけることなく偽ニュースと戦うために、FacebookはFacebookページが投稿するリンクのプレビューを編集する機能を無効化する。ただし一部のニュースソースは例外だ。

ページ制作ツールに追加されたリンク所有に関する新しいタブでは、無効化を免除されたページオーナーが、自身で所有するウェブドメインを指定することが可能で、このドメインへのリンクのプレビューは変更が許される。所有リンクの登録は、未承認のプレビュー変更が全面的に削除される2017年9月12日までに承認を受ける必要がある。

これまでFacebookページのリンクプレビューを変更して偽ニュースを作ることが可能だったことを示す一例

Facebookは次のように書いている。「このリンク所有機能は、ニュース、スポーツ、エンターテイメントを始めとするメディア出版事業者にまず提供する。こうしたFacebookページの多くが自社記事へのリンク変更を大量に行っているためだ」。ウェブマスターは、自分のサイトや記事の Open Graphタグを変更し、Open Graphデバッガ―でテストしてコンテンツの標準プレビューを設定することができる。

4月のF8カンファレンスでFacebookは、リンクプレビュー修正APIの変更に言及したが、プレビュー修正にたよってコンテンツを最適化している多くのFacebookページにとっての解決案は持っていなかった。

この変更によってFacebookは、コンテンツを個々に判定することなく偽ニュースの大量配信を防ぐことが可能になるかもしれない。今回の方法や、数多く様々recent アルゴリズム変更を通じて、Facebookは直接「嘘」を監視することをせずに、真実を広められるように努めてきた。この戦略なら政治的志向の一方を他方より優遇して批判を浴びるのを避けることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook