米幹線道路交通安全局が火災リスクのあるシボレー・ボルトを屋外に駐車するようオーナーに警告

Chevrolet Bolts(シボレー・ボルト)のニュースが再び届いた。幹線道路交通安全局(NHTSA)は新たな消費者向け警告を発行した。同様の問題に関するリコールからまだ1年も経っていない。

NHTSAは、2017~2019年型Boltのオーナーに対し、火災の恐れがあるため家の外に駐車するよう推奨した。対象となっているのは、2020年11月に後部座席下のバッテリーパックに火災の可能性があるためにリコールされたのと同じ車種だ。そのリコールは2017~2019年型Chevrolet Bolt、5万932台に影響を与えた。

しかし今回の警告は、前回のリコールの一環で修正されたはずの車両で最近起きた2件の火災事故がきっかけだとGeneral Motors(GM、ゼネラル・モーターズ)がウェブサイトに書いている。

「慎重を期して、先のリコール対象だった2017~2019年型Chevrolet Bolt EVのオーナーのみなさまには、当社が調査している間、車両を充電後は直ちに屋外に駐車し、終夜にわたっての充電を行わないようお願いいたします」。

GMは、このバッテリー異常の修復方法を発見しており、対象のBoltディーラーで対応すると述べている。2019年型Boltのオーナーは去る4月29日から、2017年および2018年型Boltのオーナーは5月26日からこの改修を受けることが可能になっている。GMがこの異常を見つけるために使用している診断ソフトウェアは2022年型Boltおよびそれ以降のGM車両に標準搭載される、と同社は言っている。

関連記事
運転席に誰も乗っていなかったテスラの事故、Autopilotは作動していなかった可能性があると国家運輸安全委員会
運転席に誰も乗っていないテスラ車が事故を起こし後部座席と助手席の2名が死亡
燃費規制の罰金引き上げを延期する米国の決定にEVメーカーが反発

カテゴリー:モビリティ
タグ:Chevrolet電気自動車火災GMNHTSA

画像クレジット:GM

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nob Takahashi / facebook

GMがカリフォルニアでのリチウム抽出プロジェクトに投資、優先権を獲得

General Motors(ゼネラルモーターズ、GM)は米国産のリチウムに投資する。同社は米国時間7月2日、ロサンゼルス近くのソルトン湖地熱地帯からリチウムを採取するオーストラリア企業のプロジェクトの初の投資家になったと明らかにした。リチウムは電気自動車(EV)のバッテリーの重要な要素だ。GMはControlled Thermal Resources(CTR)の「Hell’s Kitchen(ヘルズ・キッチン)」リチウム採取プロジェクトで生産されるリチウムの優先権を獲得する。

ヘルズ・キッチンプロジェクトでは2024年からリチウムを生産する見込みだ。生産されたものはGMのUltiumバッテリーセルに使用される。Ultiumバッテリーセルは現在行われている認証とテストを経てLG Energy Solutionとの合弁会社が生産する。GMの電動化戦略と電池エンジニアリング担当ゼネラルディレクターであるTim Grewe(ティム・グレーヴェ)氏は、どれくらいの量のリチウムをGMが獲得することになるのか具体的には示さなかったが「(GMの)北米のリチウムのかなりの量になる」ことを予想している、と述べた。

GMや他の自動車メーカーが、電動化の目標を達成するにはかなりのリチウムを必要とする。GMは2035年までに内燃エンジンから完全移行することを目指している。しかしそうした大規模な移行はかなりの競争に直面することを意味する。それは顧客の獲得だけでなく、バッテリーのような重要なパーツを構成する鉱物のソースについてもそうだ。

一般的に、リチウムは岩石を砕いて採掘するか、塩水から鉱物を抽出して生産される。どちらの手法も環境への負荷のために非難されている。CTRのプロジェクトが抜きん出ているのは、リチウムを生産するのにソルトン湖地熱地帯で生み出される再生可能な地熱エネルギーを使うという点だ。ソルトン湖地熱地帯は、すでに地熱発電所11カ所が稼働しているインペリアル・バレーの広い範囲を占める。

再生可能エネルギーによる給電に加え、プロジェクトは使用した塩水を地下に戻し、採掘の廃棄物など生産にかかる尾鉱を残さないクローズドループ直接抽出工程をとる、とCTRは話す。

世界のリチウムの大半はわずかな国で生産されていて、主にチリ、オーストラリア、中国、アルゼンチンだ。米国にはリチウム生産サイトが1カ所だけある。ネバダ州にある化学製造大手Albemarleが所有する塩水採取サイトだ。しかし近年、鉱物の国内生産を促進する動きが増している。これは主に2つのトレンドによるものだ。1つは、部分的にはバッテリーを搭載する電気自動車への移行により急増が見込まれる、鉱物に対する需要予想。もう1つは先端技術において米国の競争力を保ち続けるという超党派の意向だ。

カリフォルニア州エネルギー委員会によると、現在の世界のリチウム需要の3分の1をカリフォルニア州のリチウム鉱床で賄える可能性がある。CTRのプロジェクトは、ソルトン湖の広大な塩水田からリチウムを抽出することを目指している多くの取り組みの1つだ。

関連記事
デュポンとVCはリチウム採掘が電動化が進む未来に向けての超重要な投資先だと考える
次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」開発のAPBが追加調達、福井県での第一工場設立目指す
テスラが1万エーカーのリチウム粘土鉱床の権利を取得、リチウム採掘事業に自ら参入へ

カテゴリー:モビリティ
タグ:GMリチウム電気自動車バッテリー

画像クレジット:General Motors

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

北米ホンダ初の電動SUV「プロローグ」は2024年初めに発売、EV量販モデル第1弾はGMと共同開発

ホンダの米国法人であるAmerican Honda Motor Co.(アメリカン・ホンダモーター)は、同社にとっては北米で初のフル電動SUVを2024年初頭に発売すると発表した。これは、2020年代半ばまでにガソリン車からの脱却を目指す同社の取り組みの一環だ。「Prologue(プロローグ)」という車名は、ホンダが「新しい電動化時代」と呼ぶものの序章を意味している。

Prologueは、ゼネラルモーターズ(GM)の「アルティウムセルズ」EVプラットフォームとバッテリーパックを採用した、今後発売される2車種のホンダ車のうちの1つだ。もう1車種はAcura(アキュラ)ブランドの電動SUVで、2024年にデビューする予定。GMはOEMメーカー2社の間で長年続いているパートナーシップの一環として、これら2車種を北米の同社工場で製造する。

ホンダは価格やクルマの外観などを含め、これらの新型SUVの重要な詳細については今のところ口を閉ざしている。しかし同社は、Tesla(テスラ)の「Model Y(モデルY)」、Ford(フォード)の「Mustang Mach-E(マスタング・マッハE)」、Volkswagen(フォルクスワーゲン)の「ID.4」などのライバルに対抗し、競争の激しい電動SUV市場に参入することになる。

ホンダは、GMやVolvo(ボルボ)を含む他の自動車メーカーとともに、北米地域での野心的な電動化目標を設定している。同社の三部敏宏社長は2021年4月、バッテリー式・燃料電池EV販売の割合を2030年までに40%、2035年までに80%まで引き上げ、2040年までに内燃エンジン車の販売を全廃するという目標を掲げた。その一環として、ホンダは独自の新EVプラットフォーム「e:Architecture(e:アーキテクチャー)」を開発し、2020年代後半に発売するEVモデルに採用する計画があると発表した。

また、ホンダは米国時間6月28日、Battery Resourcersとの間で、ホンダとアキュラのEVに搭載されたバッテリーをリサイクルする契約を締結したと別途発表した。これらのバッテリーは、まずマサチューセッツ州ウースターにあるリサイクル会社のサイトで処理され、その後、2022年に稼働する予定の商業規模の工場で処理されるとのこと。Battery Resourcersは最近、新工場の開設を含む事業拡大のために2000万ドル(約22億1000万円)のシリーズBを調達していた。

関連記事
バッテリーのリサイクルと製造を商業化するBattery Resourcersが約22億円調達
ホンダ新事業創出プログラムIGINITION第1号のAshiraseが5000万円調達、視覚障がい者向け単独歩行ナビを2022年度製品化
ホンダは2040年までに北米における販売の100%EV達成を目指す
ホンダとベライゾンがドライバーの安全性向上に5Gとエッジコンピューティングの活用を検討

カテゴリー:モビリティ
タグ:Honda電気自動車GM

画像クレジット:Geoff Robins / AFP / Getty Images

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Aya Nakazato)

GMが3.8兆円をEV開発へ投資、従来の計画に8850億円上乗せ

General Motors(ゼネラル・モーターズ)は米国時間6月16日、2025年までに電気・自動運転車に350億ドル(約3兆8722億円)を投資すると述べ、これまでに明らかにしていた額を引き上げた。2020年11月に発表した計画の額に80億ドル(約8850億円)を上乗せする。

同社は2025年までにグローバルマーケットでEV30種を展開し、2035年までに全ゼロエミッションに移行する目標を打ち出している。新たな投資で、GMは新しい電動商用トラックを北米の計画に追加し、米国での電動SUV組立能力を拡大すると述べた。

新たなEVモデルの充実したポートフォリオを構築するのに加えて、同社はEV革命をリードしようと多面的なアプローチを取って来た。同社はまた、LG Chem(LG化学)とのジョイントベンチャーUltium Cells LLCのもとに2つの新規バッテリー工場にも投資している。そしてGMは2016年に過半数の株式を購入した自動運転部門Cruise(クルーズ)にも投資した。

今回のニュースの前日には、Cruiseが電気自動運転車両Originの商業化に向け、GMの金融部門から50億ドル(約5531億円)の融資を受けたと明らかにした。Originの商業生産は2023年の開始が見込まれている。

GMはまたホンダとのジョイントベンチャーHYDROTECで水素燃料電池も製造している。GMは6月16日、第3世代のHYDROTEC電池を2020年代半ばまでに展開することも明らかにした。GMは大型トラックデベロッパーNavistar、そして航空機向けの水素燃料電池システムを開発しているLiebherr-Aerospaceとパートナーシップを結んでいる。

GMは6月15日に、燃料電池とEVバッテリーをWabtec Corporationに供給するとも述べた。Wabtec Corporationはピッツバーグ拠点の会社で、世界初のバッテリーlocomotiveを手がけている。

「GMはグローバルでの年間EV販売台数を2025年までに100万台超にすることを目指しています。そして当社は展開を促進するために投資額を増やします。というのも、米国で電動化のモメンタムがあり、当社のプロダクトポートフォリオに対する顧客の需要を目にしているからです」とCEOのMary Barra(メアリー・バーラ)氏は声明文で述べた。

Fordも同様にEV投資を増やすことを5月に発表した。それまで同社は2023年までに220億ドル(約2兆4337億円)としていたが、2025年までに300億ドル(約3兆3187億円)投資すると述べた。

関連記事
フォードが電動化への投資を3.3兆円に引き上げ自社バッテリー研究開発を加速、30年までにEV比率40%に
GMは2030年までにCruiseの自動運転技術を用いた個人向け自動運転車を販売する意向
【レビュー】GMの最先端技術を戦略的な価格で実現したシボレー・ボルトEUV、「スーパークルーズ」追加でテスラModel Yと互角に

カテゴリー:モビリティ
タグ:General Motors電気自動車投資燃料電池バッテリー

画像クレジット:Cadillac

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nariko Mizoguchi

次世代の月面探査車をGMとロッキード・マーティンが共同で開発中

人類が前回(1972年)、月を訪れたときには、比較的シンプルなバッテリー駆動の乗り物で移動した。NASAは次の有人月探査に向けて、月面探査車のアップグレードを検討している。

Lockheed Martin(ロッキード・マーティン)とGeneral Motors(ゼネラル・モーターズ)は米国時間5月26日、次世代の月面車を共同で開発していると発表した。これは以前の月面探査車よりも、より速いスピードで、より長い距離を走れるように設計されているという。このプロジェクトがNASAに採用されれば、この月面車は今後のアルテミス計画で使用されることになる。その最初のミッションは、無人で地球から月まで往来する飛行試験で、2021年11月に予定されている。

5月26日のメディア向け発表会で幹部が語ったところによると、提案申請書は2021年の第3四半期か第4四半期に発行されるだろうとのこと。NASAは提出された提案書を評価した後、契約を締結することになる。

前回のアポロ計画で使用された月面車は、着陸地点から約8キロメートル以内しか移動できなかったため、宇宙飛行士が月の北極や南極などの遠く離れた地点で重要なデータを収集することはできなかった。ちなみに月の円周は1万921キロメートルだ。2社はこれらの性能の大幅な向上を目指していると、ロッキードで月探査を担当するバイスプレジデントのKirk Shireman(カーク・シャイアマン)氏は語ったが、新型月面車に使用される素材や航続距離などの性能は、まだ正確に確定しているわけではないと言及した。

GMはこの月面車用の自律走行システムも開発する予定で、これにより安全性が向上し、宇宙飛行士がサンプルを収集したり、その他の科学的研究を行う能力が高まると、幹部は水曜日に語った。

GMは電気自動車や自律走行車の技術に、2025年までに270億ドル(約3兆円)以上を投資しており、その研究を月面車プロジェクトに活かすことを目指していると、GM Defense(GMディフェンス、GMの軍事製品部門)の成長戦略担当バイスプレジデントであるJeffrey Ryder(ジェフリー・ライダー)氏は語っている。「私たちは現在、これらの能力をどのようにアルテミス計画に関わる特定のミッションやオペレーションに適用するかについての調査を始めたところです」。

GMは地球上で行っているバッテリーや駆動システムの研究も、月面車の開発に活かしていくという。ライダー氏は、この月面車プログラムが他の市場機会につながることを期待している。

両社はこれまでにも、月面探査を含むNASAのミッションに技術を提供してきた。自動車メーカーのGMは、アポロ時代に使用された月面車のシャシーや車輪などの開発に協力。アポロ計画全般における誘導・航法システムの製造と統合も担当した。大手航空宇宙企業のロッキード・マーティンは、すべての火星探査を含むNASAのミッションで、宇宙船や動力システムの製造に携わっている。

両社は、今回の協業を「いくつかの取り組みの1つ」としており、今後も他のプロジェクトについて、さらなる発表が予定されているという。

関連記事
NASAが火星に降下するパーセベランス探査機の高精細度動画を公開
NASAがアルテミス計画に向けて月面探査車のコンセプトを募集中
Firefly Aerospaceの月着陸船は2023年にSpaceXのFalcon 9で月へ

カテゴリー:宇宙
タグ:GMロッキード・マーティン探査車NASAアルテミス計画

画像クレジット:Chris Jackson / Staff / Getty Images

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

グーグルが自動車用Androidアプリの開発にライブラリの提供などで便宜強化

2021年中に、Volvo(ボルボ)とGMとRenault(ルノー)およびPolestar(ポールスター)の計10車種以上にAndroid Automotiveオペレーティングシステムが搭載され、内蔵のGoogle(グーグル)アプリとサービスのすべてを利用できるようになる。今後同社は、サードパーティの開発者が、ナビゲーションやEVの充電、駐車、メディアなどのアプリを車のスクリーン上にもっと容易かつ直接的に実装できるよう図っていく。

Googleは米国時間5月18日に行われたデベロッパーカンファレンスで、Android for Cars App Libraryの拡張を発表した。ライブラリスイートAndroid Jetpackに含まれ、Android Automotiveオペレーティングシステムをサポートする。これにより開発者は、Android OSとAndroid Autoという、2つの異なる(ただし重複部分もある)プラットフォームに対応したアプリを開発できるため、良いニュースでもある。また開発者は、アプリを1つ開発したらそれが複数の車種で問題なく動くという状態を維持確保できる。

Googleの発表によると、同社はすでに初期パートナーたちとの共同事業を開始しており、ParkwhizやPlugshare、Sygic、ChargePoint、Flitsmeister、SpotHeroらの開発者とともにAndroid Automotive OSで動く各種車載アプリの開発を進めている。

画像クレジット:Google

Android Automotive OSとAndroid Autoを混同しないように。後者はオペレーティングシステムの上に来る二次的なインタフェイスだ。Android Autoは、ユーザーのスマートフォンで動くアプリで、クルマのインフォテインメントシステムとワイヤレスで通信する。一方、Android Automotive OSはLinuxの上で動くオープンソースのモバイルオペレーティングシステムAndroidがその基本形だ。ただしAndroidであってもスマートフォンやタブレットで動くのではなく、自動車メーカーが車載用に使えるよう、Googleが変更を加えている。GoogleはこのOSのオープンソースバージョンを自動車メーカーにしばらく提供していたが、しかし最近では自動車メーカーがテクノロジー企業と共同で、Google AssistantやGoogle Maps、Google Play StoreなどGoogleのアプリとサービスをすべて内蔵するAndroid OSをネイティブで作り込んでいる。

Spotifyなど多くのサードパーティ開発者がAndroid for Cars App Libraryを使って独自のAndroid Autoアプリを開発し、Play Storeへ出している。Cars AppをOSの拡張とすることにより開発者は、アプリを1度だけビルドすればよい。

2年前にGoogleは、Android Automotiveオペレーティングシステムをサードパーティの開発者に公開して、音楽などのエンターテインメントアプリをクルマのインフォテインメントシステム用に作らせようとした。それが最初に実現したのが、Volvoが電動車専門のパフォーマンスブランドとして誕生したPolestarの、Polestar 2だ。その後のVolvo XC40 Rechargeなども、この方式を採用している。

アーリーアクセスプログラムに参加を希望する企業は、こちら書式に記入して申し込むこと。

関連記事
グーグルがAndroid 12の最新情報を公開、近年最大級のデザインアップデート、新ベータ版配信開始
Chromeに漏洩パスワードを自動的に修正する新機能、グーグルのAIテクノロジー「Duplex」を利用
事前トレーニングなしでより自然に会話できる新AI言語モデル「LaMDA」をグーグルが発表
今、Androidは30億台のアクティブデバイスに搭載されている
グーグルが「折りたたみ式」にフォーカスしたAndroidディベロッパー向けアップデートを追加
グーグルが次世代カスタムAIチップ「TPUv4」を発表、1ポッドでエクサフロップ以上の処理能力
グーグルの「Wear OS」とサムスンの「Tizen」が統合、アップルのwatchOSに対抗
Googleがオンラインショッピング拡大でShopifyと提携
グーグルがクロスプラットフォームUIツールキット「Flutter」をアップデート
グーグルの「Workspace」アプリが相互連携を強化し12の新機能を追加、囲い込みがさらに進む

カテゴリー:ソフトウェア
タグ:GoogleGoogle I/O 2021VolvoGMRenaultPolestarアプリ電気自動車自動車AndroidAndroid AutoAndroid Automotive

画像クレジット:Volvo

原文へ

(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hiroshi Iwatani)

【レビュー】GMの最先端技術を戦略的な価格で実現したシボレー・ボルトEUV、「スーパークルーズ」追加でテスラModel Yと互角に

2022年型Chevrolet Bolt EUV(シボレー・ボルトEUV)は、Chevrolet Bolt EV(シボレー・ボルトEV)よりもわずかに長くて大きく見えるが、その少し角ばった車体には数多くの最先端技術が手の届く価格で詰め込まれている。シボレー・ボルトEUVと、オプションで追加できる先進運転支援システム(ADAS)の発表により、GM(ゼネラルモーターズ)はADASと電気自動車を大衆の手が届く価格で提供する自動車メーカーになる。

今回発表された改良型「ボルトEV」と新型「ボルトEUV」(EUV:SUV型電気自動車)は、GMが声高に宣言してきた「今後4年間で30車種の電気自動車を発表する」という目標の一環である。筆者は、GMの先進運転支援システムSuper Cruise(スーパークルーズ)を搭載したボルトEUVのプロトタイプ車両に2回試乗する機会を得た。

ボルトEVとボルトEUVは基本的に似ている部分もあるが、互いにまったく異なるモデルである。ボルトEUVの方が車体が大きめで、スーパークルーズなど、利用できる機能がボルトEVよりも多い。ちなみにスーパークルーズとは、認可されている道路区間でハンズフリー運転を可能にする先進運転支援システムだ。ただし、このシステムは標準装備ではないため、2200ドル(約24万円)の追加料金を支払ってアップグレードする必要がある。ちなみに2022年型ボルトEVはスーパークルーズには対応していない。

ボルトEUVの基本概要

ボルトEUVには288セル、65キロワット時(kWh)のバッテリーパックが搭載されている。最高出力は200馬力(hp)、最大トルクは360ニュートンメートル(Nm)だ。メーカー推定航続距離は満充電時250マイル(約402キロメートル)で、急速充電(DC充電器で30分充電)すればさらに95マイル(約152キロメートル)走れる。

住宅用の電源(240V)を使った場合、100%充電できるまで約7~8時間かかる。ほとんどのボルトEUVオーナーは住宅用電源で充電するとシボレーは想定している。そのようなオーナーをサポートするために、シボレーは家庭用のEV充電器設置サービスを提供するQmerit(キューメリット)と提携し、ボルトEVまたはボルトEUVの新車を購入またはリースする顧客に、通常であれば2000ドル(約22万円)かかる家庭用EV充電器の設置サービスを無料で提供することを決めた。これはかなりのインセンティブになると思う。

GMがHmmer EV(ハマーEV)やCadillac Lyric(キャデラック・リリック)をはじめとするEVに搭載すると発表した新しいUltimum(アルティウム)バッテリーは、ボルトEUVには採用されていない。ボルトEUVの車台は2021年型ボルトEVと同じく「BEV2」と呼ばれる電動プラットフォームだ。前述したように、スーパークルーズは標準装備ではないため、追加したい場合はオプション料金を支払う必要がある。

スーパークルーズは、2017年に導入されて以来、2018年にはCT6、2021年にはCT5と、キャデラックのモデルにのみ搭載されてきた。有料アップグレードが必要ではあるが、ボルトEUVはGMがラグジュアリー車以外でスーパークルーズを導入した初のモデルである。

ボルトEUVのベース価格は3万3995ドル(約370万円)で、現在ディーラーに並んでいる2021型ボルトEVより2500ドル(約27万円)安い。2022年型ボルトEVも3万1995ドル(約348万円)で、2021年型ボルトEVより4500ドル(約49万円)安い。シボレーの広報部によると「誰でも手が届く価格でEVを提供する」ことを目指しているとのことだ。もちろん、7500ドル(約82万円)の連邦税控除の対象となっていた前身モデル各種と価格面で整合させる目的もあるのだろう。この連邦税控除は各自動車メーカーの米国内納入台数が20万台に達すると廃止されるのだが、GMはその上限台数をすでに超えているからだ。

初期限定モデルLaunch Edition(ローンチ・エディション)のメーカー希望価格は、オプションでスーパークルーズを追加でき、照明付き充電ポートとスペシャルバッジが付いて、4万3495ドル(約474万円)だ。この記事の執筆時点でローンチ・エディションの予約枠はすでに完売しているが、LTトリムまたはプレミアトリムであればまだ予約可能だ。しかし、2200ドル(約24万円)の有料アップグレードでスーパークルーズを追加できるのは、ベース価格3万8495ドル(約419万円)のプレミアトリムのみである。ちなみに、ここで紹介した価格はどれも州または地方自治体によるEV対象の税控除や割引を考慮する前のものだ。

対照的に、Tesla(テスラ)のModel Y(モデルY)の中で最もお買い得なロングレンジモデルでも、インセンティブを考慮する前のベース価格は4万1990ドル(約457万円)だ。テスラの「Full-Self Driving(完全セルフ運転)」機能(実際はセルフ運転ではなく運転支援システムなのだが)を追加するには、さらに1万ドル(約109万円)かかる。

スーパークルーズの使用感

スーパークルーズはすばらしいシステムなのだが、実用面ではまだエラーが多い。スーパークルーズとは、米国各地の認可された道路区間(合計すると約32万キロメートル以上)で、ハンドルから手を、ペダルから足を離して自動運転することを可能にするシステムである。

筆者が2回目に試乗したとき、ボルトEUVのエンジニアリング、開発、検証、テスト、製造を統括するチーフエンジニアのJeremy Short(ジェレミー・ショート)氏は次のように語ってくれた。「渋滞や衝突事故をゼロにする可能性を持つ完全自動運転の技術は開発しがいがある。自動運転は今後10年が本当に楽しみな分野だ。スーパークルーズが今実現している機能を本当に開発できるなんて、5年前には想像もしていなかったはずだよ」。

とはいえ、スーパークルーズには改善の余地があるため、GMは今後も開発を継続していく予定であり、それはボルトEUV用のスーパークルーズも同じだ。筆者がボルトEUVの1回目の試乗でマリーナ・デル・レイからバーバンクへ行き、ラッシュアワーのロサンゼルスに戻ってきた際、スーパークルーズは「少し調子が悪い」感じがした。ハイウェイの広い車線の中で大きく蛇行することが多く、時速30マイル(約50キロメートル)以下になると、交通量が非常に多い認可道路の1つである405号線で、まるで車線を見失ってしまったかのように隣の車線に寄ってしまい、手動運転に切り替わったことが何度もあった。

2022年型シボレー・ボルトEUV(画像クレジット:GM)

それから数週間後、2回目のプロトタイプ試乗でカーソンから出発して50マイル(約80キロメートル)ほど走行したときは、スーパークルーズはかなり安定して作動した。しかし、筆者も、別のプロトタイプ車両で筆者の後ろを走っていたショート氏も、時速10マイル(約16キロメートル)以下になるとボルトEUVのスーパークルーズがおかしな動作をすることに気づいた。前を走っているクルマが減速すると、ボルトEUVも適宜減速するのだが、その後にクルマが流れ始めて加速すると、まるで車線を見失ってしまったかのように車線から逸れてしまい、そのうちに、手動運転に切り替えるための警告音が鳴ってスーパークルーズがオフに切り替わるのだ。

試乗を終えたショート氏も「低速時に蛇行しましたね、私も気づきました」と言っていた。そして、蛇行せずに走行することをスーパークルーズのシステムに教え込むために、もっとエンジニアを呼んで、同じ車両で同じ道路を走らせないとだめだな、なんてジョークを飛ばしていた。同氏によると、低速走行時には、カリフォルニア州の車道でよく見かける奇妙なコンクリート路面加工をAIが車線区分線だと誤認識し、それがスーパークルーズに影響する可能性があるとのことだ。「これは、軌跡がわかる曳光弾のようなものです。インプットされるデータが多いほど、車両はより正確にデータに沿って動こうとします」と同氏は述べる。

スーパークルーズは、すでにキャデラックCT5やCT6などのモデルに広く搭載されているとはいえ、継続的に学習し更新されていくシステムだ、とショート氏は語る。車の重量、可能速度域、寸法、ステアリング、ブレーキ、センサーまでの距離やその機能は、モデルによって異なる。そのため、スーパークルーズを新しいモデルに採用する際は、その都度センサー、ソフトウェア、データ処理機能に手を加えて更新することが必要だ。例えば、2022年型Cadillac Escalade(キャデラック・エスカレード)に搭載されたスーパークルーズには自動的に車線を変更する機能が含まれている。しかし、2022年型ボルトEUVには対応するセンサーが搭載されておらず、自動的に車線変更する機能は備わっていない。

ショート氏は次のように説明する。「スーパークルーズの詳細はモデルによって異なるため、処理するデータや提供する機能も異なります。ボルトEUVに搭載されたスーパークルーズは、エスカレードに搭載されるスーパークルーズと同じタイミングで開発されましたが、この2つのモデルはステアリングもブレーキもまったく異なるため、それぞれのスーパークルーズもやはり異なってきます」。

スーパークルーズは、先進的なレベル2の自動運転システムとして認定されている。ドライバーは依然として油断せずに周囲の状況に注意を払う必要があるが、スーパークルーズが利用可能な道路では、ハンドルから手を離したり、ペダルから足を離したりできる。ハンドルに搭載されたセンサーがドライバーの視線を追跡し(夜間や色の濃いサングラス着用時にも追跡できる)、ドライバーが映画を観たり、居眠りしたり、スマホを見たりしていないか、きちんと前方に注意を払っているかどうかを監視する。スーパークルーズの起動中でも、前方の道路からあまり大きく外れた場所を見ることはできない。例えば、時速65マイル(約105キロメートル)で走行している場合、10.2インチのインフォテイメント画面に手を伸ばしてラジオのチャンネルを変えることくらいはできるのだが、それでも、視線が数秒以上逸れただけで警告音が鳴る。

ショート氏は筆者からの質問に答えて次のように説明してくれた。「ロサンゼルスからラスベガスまで長距離ドライブをする場合、ドライバーはまるで『前列シートに座っている同乗者』になったように感じると思います。ドライバーも同乗者も道路状況に注意を払い、危険がないかどうか前方を見ることでしょう。私もスーパークルーズを使ってこの区間を走ってみましたが、同乗していた友人と同じ程度の疲労しか感じませんでした。つまり、ドライバーとしてずっと運転するときほど疲れなかったのです」。

その他の機能

通常はまる1週間かけて試乗して余すところなくレビューするのだが、今回の2022年型ボルトEUVではそれがかなわなかった。とはいえ、このクルマが持つ特徴の一部をレビューする時間は取ることができた。

シボレーの車載インフォテイメントとナビゲーションをつかさどるシステムを動かすのは、GMのInfotainment 3ソフトウェアだ。このシステムの音声制御には自然言語処理が実装されているため、筆者は最寄りの充電ステーションを音声制御ですばやく検索できた。

ただし難点があった。音声で検索すると同システムに複数の充電ステーションが表示されたのだが、どのステーションが利用可能か、営業時間中なのか、営業時間外なのか、GMが提携している充電サービス企業EvGoのネットワークに加盟しているかどうか、といった情報は表示されなかったのだ。さらに、スーパークルーズの使用中は検索結果の表示ページを移動できない。なぜなら、ドライバーの視線が前方の道路から逸れると、モニタリングシステムがそれを検知するからだ。

EvGoの充電ステーションを見つけるにはmyChevroletアプリを使う必要があり、見つかった充電ステーションまでの道順を車載ナビゲーションシステムに送信しなければならない。運転中は一部の機能がロックされて使えなくなる。また、ショート氏が指摘するように、myChevroletアプリのページを移動することもできなくなる。

ボルトEUVが市場に出てしばらく時間が経った頃にこの問題がどのような展開を見せているのか、楽しみに待ちたいと思う。そうは言っても、テスラの充電ステーションほどシームレスな体験は難しそうだ。

総評として、2022年型シボレー・ボルトEUVは、現在利用できる自動運転支援テクノロジーの中で最先端の機能を電気自動車に搭載し、それを入手しやすい価格で提供しているモデルだと思う。1回4時間のプロトタイプ試乗を2回体験してみて、コンパクトでありながら広い車内スペースが確保されているボルトEUVは、パワーの面でもテクノロジーの面でも、テスラのモデルY、ボルボのXC40リチャージ、フォードのマッハE、フォルクスワーゲンのID.4などと互角に渡り合えるモデルだと感じた。

関連記事:2021年フォルクスワーゲンID.4はただ1点を除けばかなりいい仕上がり、高度な技術と長い航続距離を手が届く価格で実現

カテゴリー:モビリティ
タグ:Chevrolet電気自動車レビューSUVGM

画像クレジット:GM

原文へ

(文:Abigail Bassett、翻訳:Dragonfly)

GMが電気自動車推進で充電ネットワーク7社と提携、アプリでチャージャー案内も

GM(ゼネラルモーターズ)は米国時間4月28日、公共のチャージャーの検索や電気使用料の支払いなどを含む、電気自動車(EV)充電に関するあらゆる側面に対処しようと、4部構成計画を明らかにした。2025年までに発売する予定のEV30種に顧客を引きつける方法を模索している中でのものだ。

Ultium Charge 360と呼ばれるプラン(同社が今後展開するEVに活用されるプラットフォームとバッテリーにちなんだ名称だ)は家庭や道路でのEV充電のアクセス、支払い、顧客サービスをカバーすることを目的としている。プランの一部は今後18カ月以内に提供が始まる、と同社のEV責任者Travis Hester(トラビス・へスター)氏は述べた。同社はサードパーティの充電ネットワークプロバイダーであるBlink Charging、ChargePoint、EV Connect、EVgo、FLO、Greenlots、SemaConnectの7社と提携を結んだ。EVドライバーはGM車両ブランドのモバイルアプリを使って、チャージャーの場所やチャージャーが現在使われているかどうかなど、米国とカナダで展開されている計6万基のチャージャーのリアルタイム情報をチェックできる。こうした機能はGMがChevrolet、Cadillac、GMC車両の所有者向けに作った既存アプリに組み込まれる。

初となるGMとEVgoの充電サイトは現在、ワシントン州、カリフォルニア州、フロリダ州で利用できる。サイトは最大350キロワット出力で、1つのサイトにつき平均4台のチャージャーが設置されている。GMとEVgoは2021年末までに急速充電500基を設置する計画で、順調に進んでいる。

プランは単にいくつのサードパーティネットワークとGMが提携したかではない、とへスター氏は指摘した(ただし、発表されたパートナーのリストにElectrify Americaがなかったのは留意すべきだろう)。

「充電インフラが当社の顧客にとっていかに重要か、そしてEV浸透においてどのように大きな役割を果たすかを当社は理解しています。そして経験あるEVオーナーはこれが単にネットワークの数の問題以上に複雑であることを知っています」とへスター氏はメディア向けの説明会で述べた。

例えばGMアプリはどのようにステーションを探すのかについての情報をルートとともに示し、充電料金の支払いについての情報も提供する、とへスター氏は述べた。GMはモバイルアプリのアップデートを継続する。また、家庭での充電向けに充電アクセサリーや設置サービスも提供する計画だ。そして2022 Bolt EUVまたはBolt EVを購入・リースした顧客向けに、Qmeritとの提携のもと、レベル2の充電能力の標準設置をカバーすると明らかにした。

Plug and Charge能力など、発表で欠けていたものもいくらかあった。Plug and ChargeはEVのドライバーがステーションに乗りつけ、充電プロセスを開始したりその代金を払うためにアプリを立ち上げることなしに、プラグを差し込んで車を充電できるテクノロジーだ。アプリを立ち上げずに車両は充電インフラと交信することができ、決済はその充電プロセスに統合される。GMでEVインフラ建築の主任を務めるAlex Keros(アレックス・ケロス)氏は、Plug and Chargeについて何も発表しなかったが「シームレスなエクスペリエンスが顧客エクスペリエンスの重要な部分となる」ことをGMは認識している、と述べた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:GM電気自動車充電充電ステーション

画像クレジット:GM

原文へ

(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

ホンダは2040年までに北米における販売の100%EV達成を目指す

本田技研の新しい目標は、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという大目標の一環として、2040年までに北米における販売台数の100%をEVにすることだ。CEOの三部敏宏氏は、内燃機関からの移行計画を4月23日の記者発表で述べたが、それは彼が2021年4月初めに同社最高位役員になってから初めての発表だった。

このところ伝統的な自動車メーカーは相次いで、無公害車の生産比率を上げてカーボンニュートラルを達成すると発表しているが、今回はその最新のケースとなる。GM(ゼネラルモーターズ)は2035年までに北米規格の軽負荷車輌からガソリン車とディーゼル車を廃止する計画だ。マツダ、三菱および日産はいずれも、2050年までに炭素排出量をゼロにすると述べている。本田技研の目標は日本の電化計画にも沿うものであり、そこでは2030年までに排出量を46%カットするとなっている。

本田技研はこの計画にすぐに着手し、2030年までに販売台数の40%、2035年までに主要市場のすべてで80%をEVにする予定だ。2020年代の後半には、この日本で2番目に大きい自動車メーカーは北米で、同社のプラットフォームに基づく一連の新しいEV車種を立ち上げる。このプラットフォームは、ホンダの広報担当者によれば「ボディーとEVの三大部位であるバッテリーとモーターとインバーターの共用性を増し、同時に高いスペース効率とバッテリー搭載効率を実現した」というものだ。

本田技研と同社アキュラ事業部はまた、2024年にGMのUltium(アルティウム)バッテリーを用いる大型EVを2車種を導入する。同社とGMのコラボレーションは今後さらに深まり、本田技研は商用トラックや電源装置など一連の製品にGMの燃料電池技術を適用していく予定だ。

関連記事:ホンダとベライゾンがドライバーの安全性向上に5Gとエッジコンピューティングの活用を検討

カテゴリー:モビリティ
タグ:honda電気自動車カーボンニュートラルGM二酸化炭素

画像クレジット:Drive Oregon

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hiroshi Iwatani)

キャデラックのフラグシップ全電動車「リリック」は約650万円から

全電動クロスオーバーCadillac Lyriq(キャデラック・リリック)は、GMの高級車ブランドのフラグシップだ。2022年初めに米国市場に投入されるが、最低価格は6万ドル(約650万円)を少し下回ることに決まった。

諸費用を除いたこの車両価格は、リリックの量産モデルに関して発表された具体的な内容のうち、最後に残されていたものだ。GMが最初にリリックの展示用モデルと公開したのが2020年8月だった。水曜日、同社は量産モデルの最終仕様とともに、価格も発表となった。

リリックは、GMが2025年までに販売を予定している電気自動車30車種のうちの1つに過ぎない。これはキャデラックにとって極めて重要な車両であり、販売が低迷しているこのブランドの新たな標準になることを目指している。GMが大々的に発したメッセージは、この車の発売は間近であり、2021年9月より予約販売の招待状を含むメッセージを送信する、というものだ。

リリックは当初、2022年後半から米国で生産される予定だった。しかし、仮想開発ツールと車両の土台となる柔軟なUltium(アルティアム)プラットフォームを使えば開発をスピードアップできると幹部たちは考えた。

このUltium電気アーキテクチャーとUltiumバッテリーは、GMのキャデラック、ビュイック、シボレー、GMCの各ブランド、さらにCruise Origin(クルーズ・オリジン)自動運転シャトルにも幅広く使われることになっている。このモジュラー式アーキテクチャーは、19種類の異なるバッテリーとドライブ系の設定変更が行える。400ボルトと800ボルトのパックに対応し、容量は50キロワット時から200キロワット時まで。前輪駆動、後輪駆動、全輪駆動の構成も選べる。

2023年型キャデラック・リリックの充電ポート(画像クレジット:Cadillac)

後輪駆動のリリックは、100キロワット時のバッテリーパックを搭載し、キャデラック内部の見積もりでは300マイル(約483キロメートル)以上の走行が可能だという。EPA電費はまだ公開されていない。またリリックは190キロワットでの急速充電にも対応する。10分間で76マイル(約122キロメートル)走れるだけの充電ができる計算になる。家庭での充電用には、19.2キロワットの充電モジュールが用意される。同社によれば、これを使うと1時間の充電で52マイル(約83キロメートル)走れるという。

GMでは「ブラッククリスタル」グリル、33インチの縦型LEDタッチスクリーン、AKGサウンドシステムなど、そのエクステリアとインテリアに豪華さがにじみ出るクルマを目指した。流れるようなルーフラインと幅広のボディーは、現代的で挑発的な外観をかたち作っている。この「ブラッククリスタル」グリルには、オーナーが近づくと歓迎の気持ちを表す「振り付けされた」LED照明など、ダイナミックな機能が組み込まれている。LED照明は、分割されたテールランプ・デザインでリアにも続いていく。

エクステリアとインテリアのカラーは2種類。ボディーはサテンスティールメタリックまたはステラ・ブラックメタリック。内装はスカイクールグレーまたはノワールとなる。また、金属の装飾にレーザー彫刻を施した木材をあしらい、内装を仕上げている。

画像クレジット:Cadillac

リリックには、GMのハンズフリー運転支援機能であるSuper Cruise(スーパー・クルーズ)も装備される。これは、ライダーによるマップデータ、高精度GPS、カメラ、レーダーセンサー、さらにハンドルを握る人の集中力を監視するドライバーアテンションシステムを組み合わせたものだ。Tesla(テスラ)のAutopilot(オートパイロット)と違い、Super Cruiseのユーザーはハンドルに手を置いておく必要がない。ただし、視線はまっすぐ前を向いていなければならない。

GMのシボレー・ボルトのように、リリックにも、ワンペダルドライブと説明される機能が装備される。電気自動車には、通常回生ブレーキ機能が備わる。リリックでも、車両の減速率や完全停止の状態を、ハンドルに設けられた感圧パドルでコントロールできる。

このクルマは、テネシー州スプリングヒルにあるGMの組み立て工場で生産される。GMによれば、この工場を電気自動車の生産に対応させるために20億ドル(約2160億円)を投じたという。GMと合弁事業パートナーであるLG Energy Solution(エナジー・ソリューション)は2021年4月、23億ドル(約2480億円)をかけて、バッテリーセル生産工場をスプリングヒルの組み立て工場の隣に建設するとも発表している。

関連記事:GMとLG化学の2つめのEVバッテリー工場は2023年後半開所予定

カテゴリー:モビリティ
タグ:GMキャデラック電気自動車Super Cruise

画像クレジット:Cadillac

原文へ

(文:Kirsten Korosec、翻訳:金井哲夫)

GMが高性能なリチウム金属バッテリー開発SESの約150億円資金調達をリード

General Motors(ゼネラルモーターズ)は、リチウム金属電池デベロッパーSESの1億3900万ドル(約150億円)の資金調達をリードすることで、大手車メーカーが繰り広げているさらに高性能な電気自動車向けバッテリーの開発競争に加わる。

VolkswagenにはQuantumScapeがあり、FordはSolidPowerに投資し(Hyundai、BMWとともに)、そして今、米国と欧州で最も大きな自動車メーカーであるGMがSESに賭ける。

「当社はR&D開発を超えています」とSESのCEOであるHu Qichao(フー・チーチャオ)氏はTechCrunchとのインタビューで述べた。「この資金調達の主な目的は1つには主要材料である陽極と陰極のリチウム金属電解液の改良を図ることです。2つめに、現在のセルの大きさをiPhoneのバッテリーサイズから車で使えるものへと改善することです」。

そして3つめの要素もあるとフー氏は話した。それは、同社のセルのパフォーマンスを監視・管理するアルゴリズムの能力を高めることだ。「これは当社、そしてOEMパートナーが気にかけていることです」とフー氏は説明した。

GMからの投資は、GMとの6年近くにわたる協業の集大成だと同氏は述べた。「当社は2015年にGMとの協業を始めました。今後3年間で我々は標準の自動化承認プロセスに取り組みます。『Dサンプル』を通じて『A』サンプルから『B』サンプルへと移行するものです」。SESの車載バッテリーの商業化前の最終テスト段階だ。

一方、米国のEV販売で首位を走るTeslaはバッテリーをよりパワフルで効率的なものにするためにバッテリーのフォームファクターに目を向けていて、使っている化学はさほど違わないとフー氏は話した。全固体電池は、バッテリーをよりパワフルでリサイクルしやすく、潜在的に一層安定したものにするバッテリーテクノロジーにおける段階的な変化を示している。

Mark Harris(マーク・ハリス)氏は2021年初めにTechCrunchで次のように述べている

多くの種のSSB(全固体電池)がありますが、 それらはすべてバッテリーの陽極と陰極の間で動く電子(電気)のための液体電解質を欠いています。リチウムイオンバッテリーの液体電解質は電極の構成物質、バッテリーの形やサイズを制限します。液体電解質は通常は可燃性であるため、リチウムイオンバッテリーは熱で暴走しやすく、爆発さえします。SSBはさほど可燃性ではなく、より多くのエネルギーをためて早く動かすために、金属電極や複雑な内部デザインを使うことができます。これにより高パワー、そして急速充電対応となります。

SESの取り組みは、GMからだけではなくバッテリーパック大手SK Innovation、シンガポール拠点の政府系投資会社Temasek、半導体メーカーApplied Materialsのベンチャーキャピタル部門Applied Ventures、中国大手自動車メーカーShanghai Auto、投資会社Vertexなど以前の投資家の注意も引きつけた。

「GMは急速にバッテリーセルのコストを下げ、エネルギー密度を改善しています。SESのテクノロジーとの取り組みは、低コストで走行距離を延ばしたい顧客により良いEVパフォーマンスを提供する、驚くほどの潜在的可能性を秘めています。GMや他企業による今回の投資によってSESは取り組みを加速させ、事業を拡大することができます」とGMエグゼクティブバイスプレジデントでGM Venturesのテクノロジー担当最高責任者兼プレジデントのMatt Tsien(マット・ツィン)氏は述べた。

カテゴリー:モビリティ
タグ:General MotorsSES資金調達バッテリー電気自動車

画像クレジット:Getty Images

原文へ

(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi

GMとLG化学の2つめのEVバッテリー工場は2023年後半開所予定

GM(ゼネラル・モーターズ)とLG Chem(LG化学)は米国時間4月16日、米国で2つめとなるバッテリーセル工場を設置する計画を発表した。23億ドル(約2500億円)をかけてテネシー州スプリングヒルに建設し、GMが2020年代半ばまでに立ち上げる計画の電気自動車(EV)30モデルに搭載するセルを生産する。

GMの既存のスプリングヒル工場の隣に設置されるプラントの建設は間もなく始まる、と同社の会長兼CEOのMary Barra(メアリー・バーラ)氏は記者会見で述べた。バッテリー工場は2023年後半に完成し、1300人を新規雇用する。

フル操業するようになれば、ジョイントベンチャーの2つのバッテリー工場の生産能力は70GWhを超える。これはネバダ州にあるTesla(テスラ)のギガファクトリーの2倍だとLG化学エネルギーソリューションのCEOであるJong Hyun Kim(キム・ジョンヒョン)氏は指摘した。ネバダ州スパークスにあるTeslaの工場は部分的にパナソニックとの提携によるもので、生産能力は35GWhだ。

GMのEVへのシフトの基礎となるのはUltiumプラットフォームと、スプリングヒル工場で作られる予定のUltiumリチウムイオンバッテリーだ。これらの新しいバッテリーはレアアースのコバルトの使用が少なく、現在のGMのバッテリーよりもエネルギー密度が高くて小型であるために効率のいい共通セルデザインとなる、とバーラ氏は話した。

「この多用途性は、幅広い車種により多くのバッテリーパワーを搭載し、顧客に良い価格で提供できることを意味します。何百万という顧客がEVを所有できるようサポートするEVテクノロジーにおける真の革命であり、暮らしや世界を変えます」。

GMは少なくとも10年間、リチウムイオンとエレクトロニクスのサプライヤーとしてLG化学を使ってきた。両社は2009年から協業を始めた。GMがChevy Bolt EVを開発して発表した際に両社の関係は深まった。2019年にGMとLG化学はバッテリーセルを大量生産するために合弁企業を立ち上げ、GMはEVへと軸を移し始めた。当時、両社は新しい合弁会社に最大23億ドルを投資し、オハイオ州北東部のローズタウンエリアにある製造工場敷地にバッテリーセル組立プラントを設置し、1100人超を新規雇用すると述べていた。

ローズタウンのUltium Cells LLCバッテリーセル工場製造施設の鉄骨工事は2020年7月に始まった。同工場は300万平方フィート(約27万8700平方メートル)の広さがあり、Ultiumバッテリーセルとパックを大量生産する。ローズタウン工場の年間生産能力は30GWhだ。

GMの基礎を成す電動アーキテクチャとともにローズタウン工場で生産されるバッテリーは、Cadillac、Buick、Chevrolet、GMCブランド、そして2020年1月に発表された自動走行シャトルCruise Originなど幅広いプロダクトで使用される。Cadillac Lyriq EVと、今秋発表され、2021年第4四半期に生産が始まる全電動のGMC HummerはUltiumバッテリーシステムを搭載する。GMはLyriqを2021年8月6日にバーチャルイベントで発表する計画だ。

「Ultium」と呼ばれるこのモジュラーアーキテクチャ(バッテリーと同じ名称だ)は19種のバッテリーとドライブユニットのコンフィギュレーション、容量50kWh〜200kWhの400〜800Vのパック、そして前輪・後輪・四輪駆動のコンフィギュレーションに対応する。新しいモジュラーアーキテクチャの核心は新工場で製造される大判ポーチのバッテリーセルとなる。

カテゴリー:モビリティ
タグ:GMLG化学工場電気自動車バッテリーUltium

画像クレジット:GM

原文へ

(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

GMの自動運転子会社Cruiseがドバイでのロボタクシーサービス事業を契約、2029年まで独占

Cruise(クルーズ)が、そのロボタクシーの可能性をサンフランシスコ以外にも広げた。GM(ゼネラル・モーターズ)の自律走行車子会社で、SoftBank Vision Fund(ソフトバンク・ビジョン・ファンド)、Microsoft(マイクロソフト)、Honda(ホンダ)の支援も受けている同社は、2023年にドバイでロボタクシーサービスを開始する契約を結んだ。

ドバイでのロボタクシーサービスには、ハンドルやペダルのない、高速道路での走行を前提としたシャトル型自動運転EV「Cruise Origin(クルーズ・オリジン)」が使用される。2020年1月に発表されたOriginは、GMが製造する。

関連記事:GMとホンダが協業開発した配車サービス用電動無人運転車が登場

Cruiseはドバイを拠点とする現地法人を新たに設立し、その新会社が車両の導入、運用、メンテナンスを担当していく。

RTA(Roads and Transport Authority、ドバイ道路交通局)の長官兼理事会長であるMattar Mohammed Al Tayer(マタール・モハメド・アル・ターイル)氏によると、ドバイの自動運転交通戦略の一環として、まず限られた台数の車両でサービスを開始し、2030年までに4千台の車両に拡大する計画だという。これらのロボタクシー、そして最終的にはサービスは、限定地域で徐々に導入され、その後、他の地域に拡大される予定だ。

ドバイのSheikh Hamdan bin Mohammed(シェイク・ハムダン・ビン・モハメド)皇太子は、Cruiseとの契約について「2030年までにドバイにおける交通手段の25%を自動運転による移動に変えることを目指す、自動運転交通戦略(Dubai Autonomous Transportation Strategy)の実現に向けた大きな一歩」と述べている。

重要なのは、Cruiseが少なくとも向こう数年間はドバイを手中におさめるという点だ。今回の契約に基づき、Cruiseは2029年まで、ドバイにおける自動運転タクシーおよびライドヘイリングサービスの「エクスクルーシブ・プロバイダー」となる。アル・ターイル長官は、Cruiseの選定は軽々しく行われたものではなく、複数年にわたる包括的なプロセスを経て行われたと述べている。

関連記事:GMの子会社Cruiseが運転手なしの自律走行車公道テストをサンフランシスコで開始

カテゴリー:モビリティ
タグ:CruiseドバイロボタクシーGM

画像クレジット:Cruise-Origin-Dubai

原文へ

(文:Kirsten Korosec、翻訳:Aya Nakazato)

半導体チップ不足によりGMがさら多くの工場を操業停止に

General Motors (ゼネラルモーターズ)は、インフォテインメント、パワーステアリング、ブレーキシステムなど、自動車で無数の動作を制御するために使用される半導体チップが引き続き不足しているため、より多くの工場を休止させることにした。すでに操業停止となっている北米の他の施設でも閉鎖を延長している。

GMは米国時間4月8日、8つの組立工場が一時的に閉鎖されていることを明らかにした。この一時的な工場閉鎖については、CNBCが最初に報じている。TechCrunchが問い合わせたところ、GMはこの閉鎖を認め、ミズーリ州のウェンツビル組立工場では来週から生産を再開する予定だと付け加えた。

「GMは、利用可能なすべての半導体を活用して、フルサイズトラックやSUVなど、最も人気があり需要の高い製品の製造・出荷をお客様に向けて続けています」と、広報担当者は電子メールに書いている。「私たちは、これらの工場で失われた生産量を可能な限り補うことに力を尽くしています」。

世界的な半導体チップ不足が長引く中、GMやフォードなどの自動車メーカーは工場を休止し、SUVのような利益率の高いクルマの生産にリソースを振り分けざるを得ないでいる。GMによれば、フルサイズトラックやフルサイズSUVの工場では、チップ不足による操業停止やシフト削減は行っていないという。また、自動車メーカーは、特定の部品を使わずにクルマを製造する方策も取るようになっている。例えば、GMは2021年3月、一部のピックアップトラックに、最大限の燃費向上を可能にするフューエルマネジメントモジュールを装着せずに生産すると発表した。

自動車メーカー各社は、この部品不足が2021年の業績にどのような影響を与えるかについてのガイダンスを発表している。フォードは、半導体不足のシナリオが2021年上半期まで延長された場合、コスト回収や下半期における一部の生産補填を差し引いても、10億ドル(約1093億円)から25億ドル(約2732億円)の収益減少になる可能性があると述べている。

GMは2021年2月、半導体の世界的な供給不足により、2021年の生産、収益、キャッシュフローに短期的な影響が出ると発表した。

Cadillac(キャデラック)XT5とキャデラックXT6、GMC Acadia(アカディア)を製造しているGMのテネシー州スプリングヒル組立工場は、4月12日から2週間にわたって操業を停止する予定だ。GMは4月19日から始まる週に、メキシコのラモス組立工場におけるChevrolet Blazer(シボレー・ブレイザー)の生産と、ミシガン州ランシングデルタタウンシップ組立工場でのChevrolet Traverse(シボレー・トラバース)およびBuick Enclave(ビュイック・エンクレーブ)の生産ラインを一時的に停止する。

GMはまた、ミシガン州ランシンググランドリバー組立工場の休業を4月26日の週まで延長した。キャデラックCT4とキャデラックCT5およびChevrolet Camaro(シボレー・カマロ)を生産しているこの工場は、3月15日から操業を停止している。

同自動車メーカーは、カナダのCAMI組立工場と、Chevrolet Malibu(シボレー・マリブ)やキャデラックXT4を生産しているカンザス州フェアファックス組立工場の操業停止を5月10日まで延長すると発表した。GMによると、両工場とも2月8日の週から停止しているという。

韓国にあるGMの富平2組立工場は2月8日から生産量を半分に減らしており、ブラジルのグラヴァタイ工場では4月と5月の間は休業期間となっている。

関連記事:フォードが世界的なチップ不足を理由に特定の部品を使わずにF-150トラックを生産

カテゴリー:モビリティ
タグ:GM半導体自動車Ford

画像クレジット:GM

原文へ

(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

GMが航続距離640km超の電動ピックアップ「シボレー・シルバラード」を生産へ

2025年までに世界で電気自動車(EV)100万台超を販売する計画を進めているGM(ゼネラルモーターズ)は、ラインナップに電動のChevrolet Silverado(シボレー・シルバラード)ピックアップトラックを加える。

GM社長のMark Reuss(マーク・ルース)氏は米国時間4月6日、電動でフルサイズのシボレー・シルバラードピックアップは同社のUltiumバッテリープラットフォームをベースとし、フル充電時の航続距離は400マイル(約643キロメートル)超だと明らかにした。これはGMの推定距離であり、正式なEPAの数字ではないことは留意しておくべきだろう。

GMはフルサイズのピックアップを消費者と商用の両マーケット向けのものと位置づけている。シルバラードEVピックアップはさまざまなオプションやコンフィギュレーションで提供される、とルース氏は話した。

「特に初期においてEVマーケットの重要な部分であるフリートと商業分野の潜在可能性にかなり興奮しています」とルース氏はデトロイトのハムトラックにある同社の組立工場Factory ZEROでのプレゼンテーションで述べた。

電動のシルバラードはFord(フォード)が将来販売する電動F-150と競合する。そして新規参入のRivian(リビアン)は商用マーケットをターゲットとしないが、同社の電動R1Tピックアップでこの分野に参戦する。RivianはR1Tを2021年夏発売する予定だ。

今回のニュースは、GMのUltiumバッテリープラットフォーム、商用客を専門とする(まずFedExで開始)の新たな部門BrightDropの立ち上げ、電動・コネクテッドプロダクトのエコシステムなど、過去18カ月にあった一連の発表に続くものでもある。BrightDropは、EV600という推定航続距離250マイル(約402km)の電動バンと、EP1と命名されたポッドのような電動パレットの2つのメーンプロダクトで事業を開始する。

GMは2020年、EVとAVのプロダクト開発に270億ドル(約2兆9640億円)を投資すると約束した。ここには2021年に注入する70億ドル(約7684億円)が含まれ、2025年までに世界で30種のEVを発売し、うち3分の2を北米で展開する計画だ。

電動ピックアップトラックのシルバラードはミシガン州デトロイト・ハムトラックにあるFactory ZERO組立工場で生産される、とルース氏は話した。週末に発表されたGMC Hummer EV SUVも同じ工場で生産されることも明らかにした。GMは2020年10月にデトロイト・ハムトラック組立工場の名称を「Factory ZERO」に変え、その後さまざまなタイプの電動トラックやSUVを生産するために同工場に22億ドル(約2415億円)投資すると発表した。

450万平方フィート(41万8000平方メートル)に拡大し、全面的改修と設備一新が行われている同工場ではGMC Hummer EVピックアップと、シェアリング自動運転専用の電動車両Cruise Originも生産される。GMC Hummer EVピックアップの生産は2021年後半に始まる予定だ。

カテゴリー:モビリティ
タグ:GM電気自動車トラックデトロイト

画像クレジット:GM

原文へ

(文:Kirsten Korosec、翻訳:Nariko Mizoguchi

GMがバッテリーのエネルギー密度向上でSolidEnergy Systemsと提携

GMのベンチャー部門は5年前にバッテリースタートアップのSolidEnergy Systemsに投資した。今回、GMはMITのスピンアウトを利用してバッテリーにより多くのエネルギーを詰め込もうとしており、これは同社が電気自動車へのシフトを加速させることを目的とした一連の動きの最新のものとなる。

GMのMark Reuss(マーク・ルース)社長は米国時間3月11日に行われたWashington Post Liveカンファレンスでこの提携を発表し、リチウムイオンバッテリーのエネルギー密度を向上する技術によりEVの普及が促進されることを期待していると述べた。合意の一環として、両社はマサチューセッツ州ウォバーンにプロトタイプ製造施設を建設し、2023年までに大容量バッテリーの試作完成を目指す。

SolidEnergy Systems(SES)は、寿命を改善する「アノードを使用しない」リチウムメタル電池を開発した。MITによると、SESのバッテリーは材料の進歩によってエネルギー密度が2倍になり、現在のスマートフォン、EV、ウェアラブル、ドローンなどに使われているリチウムイオンバッテリーに匹敵する安全性を維持しているという。バッテリーパックは小さく、軽量で必要とするスペースも小さくて済む。そのため車両を軽量にできるだけでなく、追加技術を搭載する余裕もできる。

Cairn Energy Research Advisorsの最新レポートによると、この技術とGM自身の知的財産を組み合わせることで、Tesla(最も安価なリチウム電池とEV用バッテリーパックを持つ自動車メーカー)に対する競争力をGMにもたらす。

GMの広報担当者Philip Leinert(フィリップ・ライナート)氏は「リチウムメタル電池に関しては、すでに多くの重要な知的財産があり、49件の特許が付与され、さらに45件が出願中です」と述べている。「リチウム電池のプロトタイプに関するSESとの共同事業で、IPの増加はさらに加速されるでしょう」。

GMには、EVに対して大きな野望がある。同社は2025年までに30種のEVをグローバルに導入し、2035年にEVのみを販売する計画だ。

今回のGMの発表は、同社がEV戦略の心臓部であるバッテリーとセルとモジュールとドライブユニットと電力関連電子回路のすべてを含むバッテリープラットフォームUltiumを発表した1年後のものだ。このUltiumプラットフォームは、「キャデラック」や「ビュイック」「シボレー」そして「GMC」といったGMの多様なブランドにまたがるEVで利用され、2020年に発表された自動運転シャトル「Cruise Origin」にも使用される。全電動の「GMVハマー」は2021年末に生産に入り、Ultiumの第1世代のバッテリーが搭載される最初のモデルとなる。

関連記事
GMが電気自動車戦略のコアとなるモジュラー式アーキテクチャー「Ultium」を公開
GMとホンダが協業開発した配車サービス用電動無人運転車が登場

またマーク・ルース社長は、Ultiumの次世代バッテリーにおけるブレークスルーについても触れた。具体的な話はなかったが、GMはコストを下げつつパフォーマンスを上げることを狙っているという。2020年代半ばにはエネルギー密度を倍増しバッテリーのコストを60%下げることが、同社の目標だ。そのために、SESとのパートナーシップが貢献することを期待しているという。

「EVの普及に必要なのは、低価格と航続距離です。この次世代のUltium化学技術により、エネルギー密度とコストが1世代に1度向上する時代が到来したと考えています。どちらの分野にも改良の余地があり、この分野で他社よりも早く革新を実現するつもりです」とルース氏は述べる。

GMがバッテリー開発の世界に参入するのはこれだけではない。同社は2010年に固体バッテリー企業のSakti 3に320万ドル(約3億5000万円)を投資しており、現在、米国に第2の大規模バッテリー工場を建設するための交渉を行っている。

カテゴリー:モビリティ
タグ:GMバッテリー電気自動車

画像クレジット:General Motors

原文へ

(文:Rebecca Bellan、翻訳:Hiroshi Iwatani)

GMとLG化学が米国で2番目となるバッテリーセル工場建設を検討

General Motors(GM、ゼネラルモーターズ)は、合弁パートナーである韓国ソウルのLG Chem(LG化学)と共同で米国で2番目のバッテリーセル製造工場の建設を検討している。

工場の建設が実現すれば、GMの電気自動車ポートフォリオの構築を目的とした一連の投資の最新の計画となる。LGとの合弁会社であるUltium Cells LLCは、すでにオハイオ州ロードスタウンに23億ドル(約2500億円)のバッテリーセル製造施設の建設を進めている

関連記事:GMのEV戦略のキモとなる新型バッテリー工場建設がオハイオ州で始まる

GMの広報担当者であるDan Flores(ダン・フローレス)氏がTechCrunchに伝えたところによると、両社は2021年前半に工場建設を決定したいとしている。フローレス氏は立地先の可能性については明言しなかったが、Wall Street Journalの報道によるとテネシー州が候補の上位になっているという。

GMは事業の脱炭素化に向けて野心的な目標を設定しており、目標達成のために多額の投資を約束した。2025年までに同社はブランド全体で30車種のEVを世界市場に投入し、電動化と自動化技術に270億ドル(約2兆9000億円)を費やすと述べた。これは2020年の出費から35%の増加である。またGMは2030年代半ばまでに自社のすべての車種をEVにするとしている。

関連記事:GMが2025年までに電気自動車開発に2.8兆円投資、「リーダーシップを失うつもりはない」

「将来のオール電化への取り組みにともない、多くのバッテリーセルが必要になることは明らかです」と、フローレス氏は述べている。

一方でフローレス氏は、EVメーカーのTesla(テスラ)やNikola(ニコラ)に影響を及ぼすバッテリーセルの不足が続いていることについてのコメントを避けた。Joe Biden(ジョー・バイデン)大統領は2021年2月末に大統領令を発令し、連邦政府機関に対し蓄電池、半導体、その他の重要品目のサプライチェーンにおけるリスクを特定するよう指示した。

GMのMary Barra(メアリー・バーラ)CEOは先週実施された仮想投資家向けのプレゼンテーションで、バッテリー不足が自社によるバッテリーセル製造に投資している理由の1つであると述べた。バーラ氏は同社の電池製造事業を成長させる計画に言及したが、具体的な内容には触れなかった。

「すでに発表している以上のことが起こります」と、バーラ氏は語っている。

カテゴリー:モビリティ
タグ:GMバッテリーEVLG化学

画像クレジット:GM

原文へ

(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:塚本直樹 / Twitter

GMがシボレー・ボルトEVのマイナーチェンジと新たに加わった兄弟車の電動クロスオーバーを発表

GM(ゼネラルモーターズ)は米国時間2月14日、2022年モデルとしてマイナーチェンジを受けた電気自動車「Chevrolet Bolt EV(シボレー・ボルトEV)」を発表。また、それと合わせてやや大きい(けれど、まだコンパクトな)「Chevrolet Bolt EUV(シボレー・ボルトEUV)」と呼ばれる電動クロスオーバーのニューモデルを発表した。これらはGMが掲げる次の4年間で30車種の電気自動車を発表するという目標の一環だ。

米国で2021年夏に発売が予定されている両車は、まるで兄弟のような存在だ。同じアーキテクチャを共有するものの、明らかに異なる独自の特徴を備えている。新型シボレー・ボルトEUVは、ハッチバックのシボレー・ボルトEVと比べると、ホイールベースが75mm延長され、全長は161mm長い。これによってボルトEUVは、コンパクトなクロスオーバーながら、後部座席の足元スペースがハッチバックの915mmから、993mmにまで拡がった。

GMによれば、車名のEUVとは「electric utility vehicle」の頭文字を取ったものであるという。この新型車はまた、GMの「Super Cruise(スーパー・クルーズ)」と呼ばれるハンズフリー運転支援システムを、シボレーブランドのクルマで初めて搭載したということも注目に値する。ただし、この完全に手放し運転が可能(認可されている道路区間のみ)な機能は標準装備ではない。ドライバーは、ベース価格の3万3995ドル(約357万円)に追加料金を支払ってアップグレードする必要がある。

また、この3万3995ドルという車両価格も注目を浴びるに違いない。なぜなら、実際に現在ディーラーで販売されている2021年モデルのシボレー・ボルトEVより、わずかとはいえ安い値づけだからだ。これに合わせて、リフレッシュされた2022年モデルのシボレー・ボルトEV(詳細は後述)も、価格が引き下げられている。

ポイント:GMはその規模を利用して価格を下げ、EVを選択する気持ちが日増しに膨らみつつある消費者を惹きつけようとしている。

2022年型シボレー・ボルト EUV(画像クレジット:GM)

メーカー推定航続距離(1度の満充電で走行可能な距離)は、ボルトEVが416kmであるのに対し、ボルトEUVは402kmとやや短い。新たに採用されたDual Level Charge Cord(デュアル・レベル充電コード)が標準で付属し、プラグを交換するだけで120Vと240Vのどちらのコンセントからも充電できる。

EUVにはナビゲーションも搭載される。これは2台のボルトにとって重要な追加機能といえるだろう。2016年にデビューしたボルトEVはカーナビゲーションを搭載しておらず、地図や道案内はAndroid Auto(アンドロイド・オート)かApple CarPlay(アップル・カープレイ)に頼らなければならない。

重要なことは、これらの2モデルがいずれも、2020年春に発表されたGMの新しい「Ultium(アルティウム)」バッテリー駆動プラットフォームを採用した車両ではないということだ。Ultiumプラットフォームは、コンパクトカーから作業用トラック、大型プレミアムSUV、パフォーマンスカーなど、GMの各ブランドにおける幅広い製品群をサポートするように設計されている。ボルトEUVとボルトEVは、GMがより野心的なEV戦略に取り組む間、競争に参加し続けるために投入された、重要なプレースホルダーと見るべきだろう。

2022年型シボレー・ボルトEV

2022年型シボレー・ボルト EV(画像クレジット:GM)

GMが2月14日に発表したモデルはボルトEUVだけではない。同自動車メーカーは、4年以上前に登場したハッチバック型電気自動車のシボレー・ボルトEVにもマイナーチェンジを施した。

ポイント:スペックは変わらず、インテリアがアップグレードされ、価格は5500ドル(約58万円)下がった。

2022年型シボレー・ボルトの車台を支える「BEV2」と呼ばれる電動プラットフォームはそのままだ。

65kWhのバッテリーパックを搭載し、1度の充電で推定416kmの距離を走行可能。1基のモーター(デビュー当時と変わらず)が最高出力150kW(200hp)と最大トルク360Nmを生み出す。全幅は1765mmと変わらないが、全高は少しだけ高い1611mmとなった。全長は20mmほど短縮され、4145mmとなっている。

2022年型シボレー・ボルト EUV(画像クレジット:GM)

2022年型シボレー・ボルトは3万1995ドル(約336万円)からと、新型車のボルトEUVより2000ドル(約21万円)安い。その価格でGMは現代的にアップデートされたインテリアと、「快適性が向上した」というフロントシートを詰め込んだ。同社によると、これらの改良は顧客からのフィードバックに基づいたものだという。

車内には10.2インチのタッチスクリーンに加え、8インチのデジタルゲージクラスター(計器盤)を装備。従来と同様、2022年モデルもAndroid AutoとApple CarPlayに標準で対応する。前述したように、2022年モデルのシボレー・ボルトにはまだカーナビゲーションが標準装備されていないため、代わりに自分のスマートフォンをつなぎ、CarPlayやAndroid Autoを利用することになる。

2022年モデルで採用された新機能の1つとして、センターコンソールに備わるボタンを押すと、ワンペダル走行が可能になる。ドライバーはアクセルペダルを踏み込んで加速し、その足をペダルから離すと、車両に搭載された回生ブレーキが作動して、車両を減速・停止させる。つまり、ブレーキペダルに踏み変える必要がないわけだ。

ボルトEVには、Super Cruiseという名称で知られるGMのハンズフリー運転支援システムが搭載されていない。GMは、数年前からキャデラックに搭載してきたこのシステムを初めて採用するシボレー車に、新型車のボルトEUVを選んだ。代わりにハッチバックのボルトEVは「Chevy Safety Assist(シボレー・セーフティ・アシスト)」を標準で装備し(ボルトEUVも標準装備はこちら)、その6つの運転支援機能には、車線維持アシストや車線逸脱警報などが含まれる。

カテゴリー:モビリティ
タグ:GM電気自動車

画像クレジット:GM

原文へ

(文:Kirsten Korosec、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

GMが2035年までの全新車ゼロエミッション化、2040年までのカーボンニュートラル達成を発表

General Motors(GM、ゼネラル・モーターズ)は2040年までのカーボンニュートラル実現を目指すと発表した。同社の全製品からの二酸化炭素排出をなくすか、今後20年でカーボンクレジットやカーボンキャプチャで二酸化炭素排出を相殺する。

同社はまた、2035年までに全製品を電動にすることも明らかにした。

温室効果ガス排出量のかなりの部分を占める製品を生産する企業にとって、これは大きなステップだ。温室効果ガス排出はグローバル気候変動の原因となっている。今回の発表に先立ち、同社は2020年に、かなりの数の新EV(電気自動車)の立ち上げと電動化への270億ドル(約2兆8200億円)の投資を約束していた

GMは全製品を電動化するというビジョン策定にあたって環境防衛基金と協業し、2035年までに軽量自動車のガス排出をなくす方向で取り組むと述べた。内燃エンジン搭載の車両が大多数を占めている現在のポートフォリオは移行すると同社の広報担当はTechCrunchに語り、最優先すべきはそのシフトに従業員を合わせることだとも述べている。

GMはまた、充電事業にも足を踏み入れる。「必要な充電インフラを構築するために政府、パートナーそして世界中のサプライヤーと協力し、再生可能エネルギーと電動車両充電の使用を促します」と話した。

オペレーションの電力について、同社は2030年までに米国内の全施設で、2035年までに世界中の施設で再生可能エネルギー電力を使うことも明らかにした。

こうした取り組みは今後サプライチェーンにも拡大する予定だ。同社はガス排出量を減らし、透明性を高めて持続可能な素材のソースを増やすのにサプライヤーと協業している。

「EVは排気ガスを出しませんが、製造にともなうインパクトと充電を計画に組み込むことは決定的に重要です。さらに多くの再生可能エネルギーのソースへのアクセスを提供するために電気会社と協業することで、当社は未来のEVの全製造サイクルの問題を解決でき、当社の車両やオペレーションを超えてさらに拡大できるというメリットもあります」と同社CEOのMary Barra(メアリー・バーラ)氏は声明で述べた。

この計画はGMだけでの取り組みを超え、広範なトランスフォーメーションを要することになる、とバーラ氏は述べている。「というのも、EVへ移行させることは現状では可能ではありません。これは適切な車両が存在していない、もしくは住まいや職場における充電へのアクセスが限定されているからです」。

関連記事:GMが2025年までに電気自動車開発に2.8兆円投資、「リーダーシップを失うつもりはない」

カテゴリー:モビリティ
タグ:GM電気自動車二酸化炭素カーボンニュートラル

原文へ

(文:Jonathan Shieber、翻訳:Nariko Mizoguchi)

GM傘下の自動運転車Cruiseが約2000億円を調達したラウンドにマイクロソフトも参加

Cruiseは新たなエクイティラウンドで20億ドル(約2080億円)を調達し、評価額は300億ドル(約3兆1200億円)に上昇した。また、投資家およびパートナーとしてMicrosoft(マイクロソフト)が加わった。

GMやホンダなどの機関投資家も、Cruiseの自動運転技術が商用化に近づいているとして追加で投資した。

Microsoftの資本も重要だが、少なくとも両社の見方によればこのパートナーシップはCruiseにとって対等で長期的な価値がある。長期にわたる戦略的パートナーシップの下で、CruiseはMicrosoftのクラウドおよびエッジコンピューティングプラットフォームであるAzureを利用して自動運転ソリューションを大規模に商用化する予定だ。

自動運転車を手がける企業が商用化、つまり自社の技術を広く提供することを目指すとなると、堅牢なクラウドコンピューティングプラットフォームが必要だ。人や荷物を運ぶ多くの自動運転車を運用すると膨大な量のデータが生成され、自動運転車企業にとってはクラウドサービスにかかるコストが増大する。

CruiseとMicrosoftのパートナーシップは、両社にメリットをもたらすことを狙っている。Cruiseはクラウドサービスを低コストで利用でき、Microsoftは(まさに自動運転車のような)機械学習とロボティクスを実用化し大規模に展開するために必要なワークロードを扱うエッジシステムのテストを実施できる。

MicrosoftのCEOであるSatya Nadella(サティア・ナデラ)氏は発表の中で「デジタルテクノロジーの進化は私たちの仕事や生活のあらゆる面を再定義しています。人やモノの動きについても同様です。CruiseとGMが選んだクラウドとして、私たちはAzureのパワーを活かして両社が成長し自律輸送の主流となるよう支援していきます」と述べている。

米国時間1月19日の発表によれば、パートナーシップはGMにもおよぶ。Microsoftは今後GMのパブリッククラウドプロバイダーとして、GMがデジタル化の取り組みを加速しデジタルサプライチェーン全般にわたって業務を効率化するよう支援する。

パートナーシップによってCruiseは電動自動運転車の商用化を加速できる。また、GMの会長兼CEOであるMary Barra(メアリー・バーラ)氏は「GMは2025年までに全世界で30車種の電気自動車を投入し、新たなビジネスやサービスを創造して成長するにあたって、クラウドコンピューティングの果たす役割はますます大きくなると認識しています」と述べた。

関連記事:GMの自動運転車技術子会社Cruiseが商業化に向けデルタ航空元幹部を採用

カテゴリー:モビリティ
タグ:CruiseGM資金調達MicrosoftAzure

画像クレジット:Cruise

原文へ

(翻訳:Kaori Koyama)