グーグルのクラウドゲーム「Stadia」は11月から月額9.99ドルで4K版スタート

Google(グーグル)のクラウドゲームサービス「Stadia」の全貌が、来週のE3に先立って米国時間6月6日の朝に実施されたライブストリームにて明かされた。Stadiaはコンソール並のゲームをChromeブラウザ経由で、さまざまなプラットフォームにてプレイできるサービスだ。

まず、Stadia Proが11月から月額9.99ドル(約1100円)にて提供される。プレーヤーは4K解像度/60fpsにてストリームゲームが楽しめるが、最低でも35Mbpsの通信環境が必要だ。またストリーミング機能にくわえ、Stadia Proではいくつかのゲームにもアクセスできる。

サービスは、米国、英国、カナダ、ベルギー、フィンランド、デンマーク、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、オランダ、ノルウェー、スペイン、スウェーデンにてローンチされる。またモバイルデバイスではPixel 3とPixel 3aでの動作が確認されており、対応機器は今後拡大される予定だ。

さらにグーグルは来年、Stadiaストアからタイトルを購入したゲーマー向けに、1080p解像度/30fpsでプレイできる無料サブスクリプションプラインを用意する予定だ。これはグーグルが最終的にストリーミングゲームに本格的に参入するという大きな発表で、Pro版へとゲーマーの関心を惹きつけるための質の高い無料コンテンツを用意しなければならないプレッシャーとなるだろう。

さらに130ドル(約1万4000円)のFoundersエディションでは、「Destiny 2」とコントローラー、Chromecast Ultra、3ヶ月間のStadia Proの使用権が含まれる。Stadiaのコントローラーは単体だと69ドル(約7500円)だ。

さらに、ローンチタイトルも発表された。「Doom Eternal」「The Crew 2」「Get Packed」「Grid」「FM」「Mortal Kombat 11」「Farming Simulator 19」「The Elder Scrolls Online」「Trials Rising」「Wolfenstein Young Blood」「Baldur’s Gate III」「Just Dance」「Shadow of the Tomb Raider」「Dragon Ball Xenoverse 2」「Final Fantasy XV」「Rage 2」「Samurai Showdown」が用意される。

今回我々はいくつかの答えを得たが、マルチプレーヤー対応タイトルなど、まだ不明点が多いのも事実だ。この点について、グーグルは「詳細は今後公開する」としている。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Google Cloudでリソースの容量能力を予約でき確約利用割引の対象を拡大

Google Cloudが2つの重要な料金改定を行った。ただし残念ながらそれは、よくあるコンピュートとストレージの値下げではなくて、最初のは確約利用割引の拡大だ。GPUsや、Cloud TPU Pods、ローカルSSDなどを一定量、1〜3年契約で利用しているユーザーは、その長期的ロックインの代償として料金がオンデマンド料金の55%引きになる。

もうひとつはCompute Engineの(VMの)容量予約システムで、ユーザーが特定のゾーンにリソースを予約しておくと、あとで本当に必要になったときに確実にそれを使える。

一見すると、容量予約はクラウドらしくないコンセプトだ。なぜならリソースの縮小拡大はランタイムに必要に応じて自動的に為されるはずであり、その可用性をユーザーがいちいち気にするするべきものではない。

では一体、予約システムは何のためにあるのか?Googleの上級プロダクトマネージャーであるManish Dalwadi氏はこう語る。「想定ユースケースは災害復旧やそんなときのための安心感だが、ブラックフライデーやサイバーマンデーのような一時的で特殊な特売イベントのサポートも対象になる」。

つまり、その日には絶対的に必要なリソースが確実に利用できる、ということ。Googleのようなクラウドサービスの大手なら仮想マシンはいくらでもある、と思いがちだが、しかし一部のマシンタイプは特定の可用性ゾーンでないと使えないこともある。仮想マシンというリソースは、その点がその他のリソースとは異なる。

ユーザーは予約をいつでも作ったり取り消したりできるし、既存の割引が自動的に適用される(継続利用割引と確約利用割引)。

確約利用割引に関しては、かなりの柔軟性がある。たとえばユーザーは特定のマシンタイプを3年確約するのではなくて、CPUコアやメモリーなどの数量を確約すればいい。

GoogleのプロダクトディレクターPaul Nash氏は「顧客たちからよく聞くのは、他社の確約モデルには柔軟性がないことと、利用率が60%、70%ととても低いことだ。だからうちの確約割引の設計目標は、自分たちの容量計画を参考にして、ユーザーに十分なお得感があるような割引率にした。気楽に利用できて厳密な管理が要らないことも、目標とした」と説明する。

確約利用割引の拡大と、新たなCompute Engineの容量予約システムは、どちらもGoogle Cloud上ですでに利用できる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

スマートディスプレイ「Google Nest Hub」は価格1万5120円で6月12日発売

Google(グーグル)は6月5日、スマートディスプレイ「Google Nest Hub」を6月12日に国内販売することを発表した。税込価格は1万5120円。本体色は、Chalk(チョーク)、Charcoal(チャコール)、Aqua(アクア)、Sand(サンド)の4色。実際の色みは順に、ホワイト、ブラック、グリーン、ピンクに近い。Google Storeのほか、大手家電量販店の実店舗やオンラインストアから購入できる。

Google Nest Hubは、Googleアシスタントを内蔵したスマートスピーカーの「Google Home」にディスプレイを追加したような製品。音声だけではわかりにくい情報を地図やテキストなどを表示してユーザーに提示してくれる。最大6人の声を聞き分けることもできる。

また、カメラを内蔵していないため、寝室などのプライベートな場所に置いても万が一の情報漏洩を避けられるのもポイントだ。環境光(アンビエントライト)センサーがディスプレイ上部に備わっているので、部屋の明るさに応じてディスプレイの輝度が自動調整される。つまり、深夜に眩しすぎる画面を見つめる必要はない。

Google Nest Hubを購入すると、YouTubeやYouTube Musicを広告なしで視聴・聴取できるYouTube Premiumを3カ月無料で利用できる。

アップルのCarPlayがアップデート、新しいホーム画面やSiriからの提案を搭載

アップルはWWDCで、CarPlayの登場以来最大のアップデートを発表した。CarPlayは劇的に改善され、これまでのiPhoneを模した画面レイアウトではなく、車内で使うのにずっと適したものになっている。

CarPlay2014年の登場以来、あまり変わっていなかった。CarPlay互換の車は増えたが、ほかの車載システムはアップルが開発したものよりもずっと進化してきた。CarPlayの今回のアップデートは、正しい方向への大きな一歩といえるだろう。

最大の変更点は、CarPlayで表示できる情報量だ。これまでのバージョンのホーム画面にはアプリのアイコンが並んでいるだけで、あまり役に立たなかった。新バージョンでは、ホーム画面にマップ、メディアの再生、車庫のドアやライトといったHomeKitデバイスが表示される。

先月、グーグルはAndroid Autoプラットフォームの大規模アップデートを発表し、CarPlayを大きくリードした。Android Autoは車に適した方法でタスクを処理したりアプリを表示したりすることができる点で、CarPlayとは大きな差があった。しかし新バージョンのCarPlayは、グーグルのシステムが備えている機能の多くに対応したようだ。

新しいCarPlayは、古い車や古いハードウェアで動作するのか。iPhoneのどのモデルで動作するのか。車によって画面の解像度が異なるがどう調整されるのか。このように、今回の発表ではまだ不明点が多い。

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(翻訳:Kaori Koyama)

ニューヨークの地下鉄の改札が今日から非接触型になる

何週間も画面が「Coming Soon」のままだったニューヨーク州交通局の非接触改札システムであるOMNYのパイロット事業が、米国時間5月31日にやっと立ち上がった。このシステムは同市のスワイプカードMetroCardを新しい非接触型のスクリーンで拡張するもので、非接触のプリペイドカードやデビットカードなど、さまざまなスマートデバイスを使える。

デバイスについては、本誌はすでにこれを記事にした。使えるのは、Apple(アップル)、Google(グーグル)、Samsung(サムスン)、そしてFitbit(フィットビット)の各Payだから、相当幅広い機種のスマートフォンやウェアラブルで利用できる。

非接触型カードはNFCチップを使っていて、そのことは波形を表す4本のバーのシンボルで示されており、すでに大手銀行やクレジットカード会社が使っている。州交通局のサイトでは、パートナーとしてChase、Visa、Mastercard、American Expressが挙げられている。この4社でクレジットカード利用者のほとんどをカバーしているだろう。

だめなのはDiners Club、JCB(Japan Credit Bureau)、中国銀聯(China UnionPay)だ。PINで保護されているカードやギフトカード、再ロードできないカードも今は使えない。すべてに通ずるもうひとつの重要な制約は、乗車1回限りということ。非接触型の定期券や回数券をシステムはまだ提供していないから、ほとんどのニューヨーカーはがっくりだ。

でも、2021年までにはさまざまな乗車プランがサポートされるそうだ。同時にまた、地下鉄とバスのすべての駅/停留所で使えるようになる。現在はマンハッタンのGrand Central StationとブルックリンのAtlantic Avenue-Barclays Centerの間の4号、5号、6号線と、スタテンアイランドのバスのみだ。

この前のデモでは、iPhoneとApple Watchはどちらも使えた。最初の数週間か数カ月ぐらい、人の流れの渋滞がどれぐらい発生するだろうか。ただしこれは、スピードアップが目的だから、いずれは面倒なMetroCardが要らないぶん、そして老朽化したスワイプリーダーを使わないぶん、流れは速くなるはずだが。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

グーグルがChrome拡張機能のプライバシー規定の強化を発表

米国時間5月30日、Google(グーグル)は、Chrome拡張機能のデベロッパーがユーザーのプライバシーを守るための大きな変更を2つ発表した。今年の夏以降、拡張機能の開発者は機能の実現に必要なデータしかアクセスを要求できなくなる。プライバシーポリシーの表示を義務付けられるデベロッパーの範囲も拡大される。

また同社は、ユーザーがファイルをアクセスするためにサードパーティーデベロッパーがGoogleドライブAPIを利用する方法を変更することも発表した

これらはすべて、サードパーティーによるGoogleアカウントおよびAndroid端末のデータ利用を見直すために、グーグルが昨年開始したProject Strobeの一環として実施される。例えば、同社の失敗に終わったソーシャルネットワークであるGoogle+の閉鎖を早める原因となった問題を発見したのもProject Strobeだった。

「サードパーティーアプリやウェブサイトが提供するサービスによって、数百万の人々が物事を成し遂げオンライン体験をカスタマイズできる」とグーグルフェローでエンジニアリング担当VPのBen Smith氏が本日の発表で語った。「このエコシステムを成功させるためには、ユーザーが自分のデータは安全であると確信できなくてはならず、デベロッパーには明確なルールが必要だ」。

グーグルは本日の発表で上記のルールを発表する予定だ。これは機能拡張の開発者にとって、機能を実装するために多くの承認が必要なら、アクセスするデータをできる限り少なくする必要があることを意味している。これまでグーグルはそれを推奨してきた。今後は要求される。

従来は個人情報や機密データを扱う拡張機能だけがプライバシーポリシーを表示することを義務付けられていた。今後は、ユーザーが提供するコンテンツや個人的コミュニケーションを扱う機能拡張にも表示義務が課せられる。「もちろん、これからも拡張機能はユーザーデータの扱い方を明らかにし、データの収集、利用、共有の方法を公表しなければならない」とSmith氏は付け加えた。

GoogleドライブAPIに関しては、サードパーティーの特定ファイルに対するアクセス制限が少し厳しくなる。バックアップサービスなど広範囲なアクセスを必要とするアプリは、グーグルによる検証が必要になる。ただしドライブAPIの変更が実施されるのは来年からだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleマップがレストランの最高の料理を見つけて提案してくれる

Googleマップは、レストランの客がなにを注文すべきかを教えようとしている。米国時間5月30日にAndroid版のGoogle マップに配信(iOS版は後日)されたアップデートでは、レストランで最も人気の料理を教えてくれる。この機能はレストランのレビューと画像に基づき、機械学習により料理の提案してくれる。

つまり、客がレビューにて料理を褒めれば、Googleマップはその情報を利用して提案を判断し、また料理と客によりアップロードされた画像をマッチさせて、人気メニューのセレクションを作成するのだ。もちろん、レビューが少なかったりないレストランは、この機能の恩恵を受けない。

このシステムは人力によるキュレーションではなく自動システムなので、時には間違いを起こす可能性がある。特に、機械学習が強化されていない初期においては。

 

レストラン愛好家は、料理の写真を撮影してGoogle マップにアップロードすることができる。アプリは彼らに料理の名前を入力するように求め、機能の改善に利用する。

この料理の提案機能は、Google マップの概要タブに表示される。もし好きな料理を見つけたら、タップして他の客によって議論されているレビューを閲覧することができる。さらにメニュータブをタップすれば人気順、あるいは朝食やランチ、ディナーなどのメニュー別で閲覧することもできる。

この機能は小規模だが、ここ数カ月で着実にビジネス向けプラットフォームとなりつつあるGoogle マップにとっては有用な追加だ。昨年秋、グーグルは消費者がお気に入りのビジネスのオーナーが共有した売り上げ、イベント、その他の情報を常に知ることができるツールで、Facebookへの挑戦を始めた。さらに昨年には「For You」タブで、ユーザが訪れたり、食事をしたり、買い物をするであろうお勧めの場所の個人向けの提案をロールアウトした。

これらの機能を組み合わせることで、Google マップはただの場所やナビゲーションのためのツールではなく、エンドユーザーに特化された体験を提供するプラットフォームになった。

グーグルによれば、この人気の料理の提案機能はまずAndroid版に配信され、iOS版には数カ月中に配信されるという。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

グーグルのINDIGO海中ケーブルが接続完了

Google(グーグル)とそのパートナーは米国時間5月30日、シドニーとパースをジャカルタやシンガポールと接続する5600マイル(約9000km)の海中ケーブル「INDIGO」が、サービスの準備が整ったと発表した。オーストラリアと南アジアの接続をより強めるケールブルを設置するために、グーグルはAARnet、Indosat、Singtel、SubPartners、そしてTelstraと協力した。

約110カ所のリピーターを備えるこのケーブルは秒間36テラビットの通信速度と、将来的な拡張性を備える。グーグルによれば、これはシンガポールとシドニー間の数百万のビデオチャットを同時接続するのに十分すぎるスペックだという。

このケーブルは2016年に発表され、当時はAPX-Westと呼ばれており、現在はIndigo Centralと呼ばれるシドニーへの接続は含まれていなかった。同社は2017年初頭にプロジェクトを開始し、2018年に建設が開始された。

INDIGOはグーグルが海中ケーブルによってネットワークを拡張する良い例だ。同社は通常、このような海中ケーブルをパートナーとともに(時には競合他社とも)建設しており、例えば昨年にはグーグルにとって4本目のプロジェクトとなる、米国とフランスをつなぐ独自ケーブルを建設すると発表した。

近年グーグルが投資してきた多くのケーブルは、2019年に接続されるので、数カ月以内にもさらなる追加ニュースを聞くことになるだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Google Playの子供向けアプリのポリシーがFTCの告発を受けて改定

Googleは米国時間5月29日の朝、新しいデベロッパー向けのポリシーを発表した。Google Playで子供向けのアプリを探す子供や家族を、手厚く保護することを目的としたものだ。今回改定されたポリシーでは、デベロッパーは、子供を対象とするアプリに必要なすべてのポリシーと、当局による規制要件を満たしていることを保証しなければならない。アプリのコンテンツ、広告、および個人を特定できる情報の取り扱いなどが対象となる。

まずはじめに、デベロッパーはアプリの対象ユーザーとして子供が含まれるのかどうかを明確にする必要がある。もしそうでないのなら、アプリが意図せずに子供の目に触れることのないようにしなければならない。Googleも個々のアプリのマーケティング状況を再確認し、そのアプリがどちらに該当するのかをチェックして、必要であればデベロッパーに変更を求める。

また、子供を対象とするアプリは、個人を特定できる情報の中身と、その取り扱いに関するポリシー要件を満たさなければならない。これについては、もともとルールを遵守してきたデベロッパーにとって、何も新しいことはないはずだ。Googleは、「ファミリー向け」プログラムの一環として、もう何年も前から子供の安全を考慮したアプリに関するポリシーを制定している。また国ごとに、子供に関するデータを収集する際に守るべき法規は前からある。

さらに、子供向けのアプリを開発しているデベロッパーは、Googleのファミリー向けポリシーに準拠していることが認定された広告ネットワークからのもの以外の広告を配信してはならない。

こうしたポリシーをくまなく適用するため、Google Play Console上で、新しい対象ユーザーとコンテンツのセクションの記述を完成させることを、Googleは今やすべてのデベロッパーに求めている。そこでは、アプリに関する詳細を記述する必要がある。もし子供がターゲットに含まれるとした場合には、対応するポリシーが提示される。

Googleは、こうした情報に、アプリのマーケティング資料を加味してアプリを分類し、3種類のターゲットグループに応じたポリシーを適用する。つまり、子供、子供と大人、大人の3つだ。「子供」の定義は国によって異なる可能性があるので、デベロッパーは、各アプリがGoogle Playに表示される国ごとに、年齢によって課せられる制限を確認しておかなければならない。

デベロッパーは、Google Play Consoleに必要な情報を確実に入力するとともに、改定されたポリシーに準拠するよう対処しなければならない。期限は2019年の9月1日と定められた。

Googleは、子供と家族に「安全で有益な環境」を提供することに全力で取り組んでいるとしている。そのため、今回の変更を発表したのだと。

しかし、この変更は、むしろ昨年12月に提出されたFTCへの告発に対応したものと考えられる。その告発は、合計22の消費者および公衆衛生擁護団体の連盟が参加し、CCFC(コマーシャルフリーの幼年期キャンペーン)と、CDD(デジタル民主主義センター)によって主導されたもので、Google Play上の子供向けアプリを調査することを要求している。

こうした団体は、Google Playのファミリーセクションに掲載されているアプリやゲームが、米国の子供のプライバシーに関する法律、COPPAに準拠しているかどうか、Googleは検証を怠っていると主張していた。

彼らはまた、多くの「キッズ向け」とされているアプリの振る舞いがよろしくないことも指摘した。たとえば、途中で終了するのが難しい広告や、ゲームを続けるためには嫌でも見なければならない広告を表示するようなものがある。アプリの中には、子供にアプリ内購入を迫るものや、アルコールやギャンブルに関する広告を表示するものもある。他にも、有害な行動を助長するモデルとなりそうなもの、性的な画像を表示するものがあることなどを、グループは規制当局に訴えていた。

そうした違反行為が、網の目から漏れてしまっていたのは遠い過去の話となっている。データ保護とプライバシーに焦点を当てたEUのGDPRのような法律を盾にした、規制当局によるオンライン業界全体に対する監視の強化によるものだ。FTCは、必要に応じて積極的に行動を起こすようになっている。最近では、TikTokがCOPPAに違反したとして、記録的な額の罰金を科している。

対象とするユーザーとコンテンツを設定するセクションは、すでにGoogle Play Consoleに設けられている。また、新しいポリシーに関するドキュメント、デベロッパーガイドオンラインのトレーニングも用意されている。さらにGoogleによれば、Google Playのアプリレビューに関するコミュニケーションと、審査に対する抗議に対応するための人員を増やしたという。それによって、デベロッパーが、指摘された変更について理解し、素早く判断できるよう補佐するとのこと。

【米国東部標準時2019/05/29 16:30追記】
Googleの発表を受けて、FTCの告発を主導したCCFC(コマーシャルフリーの幼年期キャンペーン)は、以下のような声明を発表した。

「私たちの連合の主張が、Play Storeの子供向けアプリが抱える大きな問題に対してGoogleを目覚めさせることになったのは素晴らしいことです」と、CCFCのディレクター、Josh Golin氏は述べた。「ただ残念ながら、今回の変更には実効性のあるものはそれほど含まれていません。Googleは、独自のポリシーを施行するための真の一歩を踏み出す代わりに、コンプライアンスに対する責任を、相変わらずデベロッパーに転嫁しようとしていることが懸念されます」。

「さらに言えば、自分たちのアプリが子供向けではないフリをして自らの法的責任を回避しようとしているデベロッパーを、もしGoogleが真剣に取り締まるつもりなら、まず自らの姿を鏡に写して見ることから始めるべきでしょう。YouTubeは、毎日、大々的にCOPPAに違反しています。Googleの、このサイトは13歳以上を対象にしている、という言い訳には笑うしかありません」と、彼は付け加えた。

画像クレジット:Christopher Winton-Stahle/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Googleはモバイルファーストインデックスを新ドメインすべての標準に

2018年末、Googleはモバイルファーストインデックスが、全検索結果に含まれるウェブページの半分以上に使われるようになったと述べた。この場合のモバイルファーストとは、ウェブサイトのモバイル版のほうのページについてインデックスを付けるという意味だ。そして米国時間5月28日、Googleは2019年7月1日以降、すべての新しいウェブドメインについて、モバイルファーストインデックスがデフォルトになると発表した。

つまり、新しいウェブサイトが登録されると、Googleのスマホ用Googlebotによってクロールし、そのサイトのモバイル向けコンテンツをページのインデックス作成の際に使用する。さらに、モバイル版のコンテンツの構造を解析し、可能なら適切な抜粋も検索結果に含めて表示する。

Googleが最初にその計画を発表したのは2016年だった。それ以来、モバイルファーストインデックスに関する取り組みには長い道のりがあった。2017年12月に、Googleはモバイルファーストインデックスを、わずかな数のサイトから展開し始めた。ただし、その際には、この初期のテストの対象となったグループに、どのサイトが含まれているのかは明らかにしなかった。去年の3月には、モバイルファーストインデックスは、より広い範囲のサイトに拡大し始めた。そして昨年末までには、ウェブ上の半分のページが、Googleのスマホ用Googlebotによってインデックス付けされたのだ。

Gooleの説明によれば、サイトのインデックス付けの方針を変更したのは、「ほとんどいつもモバイル」というユーザーにとって、適切なウェブ検索結果が得られることを目指したものだという。2015年以降、Googleユーザーの大多数はモバイルデバイスから検索するようになっていたのだ。だからこそ、デスクトップ用のページではなく、モバイル版のウェブサイトについての検索結果を表示することに意味がある。

ますます大きな割合を占めるようになったモバイルに、Googleが順応し始めたことを示していたのは、モバイルファーストインデックスだけではない。

数年前からGoogleは、モバイルを意識したウェブページを、検索結果のより上位に表示するようにし始めた。そして昨年には、ページの読み込み速度を、モバイル検索結果の表示順位を決める際の要素として追加した。さらに2018年7月からは、読み込みが遅いページの表示順位をあえて下げることにも踏み切った。

今日では、多くのサイトがデスクトップとモバイルのユーザーに、同じコンテンツを提供している。このような等価性をまだ実現していないサイトに対しても、そのためのリソースが色々と用意されている。サイトのオーナーは、検索コンソールのURL Inspection Toolを利用して、自分のサイトが最後にクロールされ、インデックス付けされたのがいつかなのを調べることで、モバイルファーストインデックスの対象になっているかどうかを確認できる。またGoogleは、ウェブサイトをモバイルファーストインデックスの対象にする方法について、多くのドキュメントを発行している。そして、デスクトップとモバイルに別々のURLを割り振るのではなく、レスポンシブなウェブデザインを採用するよう勧めている。

「デスクトップに主眼をおいたものから、モバイルを意識したものに、ウェブは進化してきました。今やそのほとんどが、モバイル用のユーザーエージェントを使ってクロールでき、インデックス付けができるようになったことをうれしく思っています」と、Gooleは今回の発表の中で述べている。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

Google Lensのレストラン機能と翻訳フィルター機能が早くも実装展開

iOSとARCore対応のAndroidスマートフォンでGoogle Lensを使ってる人たちは今後、レストランでのオーダーや外国語のリアルタイム翻訳が便利になる。

その発表は今月初めのGoogle I/Oで行われたが、これからのユーザーはGoogleアシスタントやGoogleフォト、そしてGoogleの検索の中でLensを使える。またPixelスマートフォンでは、その機能がカメラアプリにもある。

その新しいダイニング機能では、ユーザーがスマートフォンをメニューに向けるとLensアプリが人気料理をハイライトしたり、食材の情報を表示したり、そのレストランのGoogleマップのプロフィールにある写真を見せたりする。請求書を撮影して、その分割を即座に計算することもできる。

関連記事: Snap a photo of a menu and Google Lens can tell you what to order(メニューを撮るとGoogle Lensが料理を推薦、未訳)

外国語の翻訳に関しては、前からGoogle Translateアプリには看板や標識などの特殊な書体でも翻訳できる機能があった。今回はそれの軽量バージョンが、Lensに実装された。

関連記事: Googleレンズは外国語を読み取って翻訳結果を合成音声で読み上げてくれる

GoogleがI/Oで発表したLens関連の機能は、展開が遅れることが多かった。今回のように、発表の数週間後というのは、ちょっと珍しい。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

SoundCloudがアーティストディストリビューションプラットホームを買収

昨年はSpotifyが一連の買収で自己のサービス、中でもとくにポッドキャストのコンテンツの充実を図った。そして今度は、同じくヨーロッパの音楽スタートアップであるSoundCloudが、ここ数年の迷走にもかかわらず買収に意欲を示した。ベルリン出身の同社が選んだRepost Networkは、アーティストがSoundCloudをもっとも有効利用できるためのサービスだ。

契約の詳細は公表されず、買収が発表されたのもつい先週で、広く報じられることがなかったのも、たぶんSoundCloudには、今日の音楽ストリーミング市場のアウトサイダーというイメージがあるからだ。

かつては、アーティストのためのオンラインディストリビューションのパイオニアだった同社は、やがてスウェーデン出身のSpotifyが、2億あまりの月間リスナーを抱えるグローバルなサービスに育つのをただ指をくわえて見ていた。競合は、AppleやGoogle、それにPandora、Deezer、Jay-ZのTidalなどなどからも押し寄せてきた。

Soundcloudは18カ月ほど前に、シリーズFで1億6950万ドルを調達してひと息ついた。その投資はニューヨークの投資銀行Raine Groupとシンガポールの国有ファンドTemasekがリードした。

2017年8月に発表されたその資金調達は、SoundCloudを倒産から救う人工呼吸だった。その1か月前にはスタッフの40%をレイオフしてコストを切り詰めていた。その投資でトップも代わり、共同創業者のAlex Ljung氏に代わってVimeoのCEOであるKerry Trainor氏がCEOになった。新たなお金でSoundCloudの総調達額は4億7000万ドル近くになり、その投資前評価額は1億5000万ドルだったと言われている。前回の資金調達では7億ドルだったから大きく下がってしまった。

しかしそれでもなお、状況はこの買収に向けて熟していった。それはSoundCloudの二度目の買収だ。同社によると、トップアーティストたちがRepost Networkのツールにアクセスできるようになる。それらは、ストリーミングの配給、アナリティクスダッシュボード、そしてコンテンツの保護などだ。

リストラは苦悩の体験だったが、おかげでファンダメンタルズを重視できるようになった。買収の申請書類によると、2017年の売上は9070万ユーロで前年比80%の増加、損失は27%細って5140万ユーロになった。これらの結果はTrainorのCEO就任以降だが、さらにその後の現況を最新の数字で知りたいものだ。

SoundCloudの最初の買収は2012年までさかのぼり、そのときは1000万ドルで音楽管理のInstinctivを買った。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

サーバーレスとコンテナは両者を一緒に使うのがベストプラクティスだ

コンテナに収めたソフトウェアを継続的デリバリ方式で使用するクラウドネイティブモデルは、ランタイムにクラウドベンダーがワークロードを動かすために必要なだけの量のリソースを生成するサーバーレスコンピューティングを利用すると、なお一層有利だ。大手のクラウドベンダーはこのことを知っていて、すでにそのインフラストラクチャを抽象化して隠すプロダクトを作っているが、利点はあるにもかかわらず、どんな状況でも有効とは言えないようだ。

クラウドネイティブは、簡単に言うと、コンテナ化したアプリケーションとKubernetesを使って、ソフトウェアをマイクロサービスと呼ばれる小さなパッケージで配布する。これによってデベロッパーは、継続的デリバリ方式により、ソフトウェアを迅速かつ効率的に配布できる。クラウドネイティブの世界では、コードを開発するのは一度だけ、そしてそれを、オンプレミスでも、どんなパブリッククラウドでもそのまま動かせることが理想だ。

一方サーバーレスは、やや間違った名前だ。このモデルでもコードはサーバーが動かすが、しかしそれは専用の仮想マシンではなく、クラウドのベンダーがワークロードを動かすためにつねに適正な量と時間だけ提供するコンピューティングリソースだ。

万能の完全解はない

このような方式は継続的デリバリモデルによく合ってるようだし、ベンダーもそのことを知っているが、しかしあるエンジニアの言葉を借りれば、そのプロセスは相当複雑であり、また、すべての状況に通用する1つの完全なソリューションはない。

Googleでプロダクト管理を担当しているArpana Sinha氏によれば、Kubernetesのコミュニティはサーバーレスという考え方を本当は歓迎しているのだが、その現在の実装形式に制約がある。つまりAWS LambdaやGoogle Cloud Functions、MicrosoftのAzure Functionsなど現在のの実装形式はいずれも、ファンクションという形式だ。

「ファンクションというコンセプトは制約のあるコンセプトだ。サーバーレスといえばファンクションしか連想しない今の状況は、不幸だ」、と彼女は言う。

彼女によると、Googleはその定義の拡張をトライした。「デベロッパーにとってサーバーレスとは、コーディングからデプロイまでを彼らがシームレスに行い、それ以降のことはすべてインフラストラクチャが面倒見てくれること。黙っていても自分のコードが、インフラストラクチャの適切でもっとも自己回復力のある部分へ確実にデプロイされることだ。必要なリソースは自動的に確保されるからスケーリングも自動化され、スケールダウンも必要に応じて自動的に行われるから無駄な出費がない」と彼女は説明した。

しかしAtlassianのKubernetesチームの上級エンジニアであるMatt Whittington氏に言わせると、理論的にはそれで良くても、実際には完全に自動化されたインフラストラクチャでは現実に合わない場合がある。「デベロッパーがコーディングだけに集中できるからサーバーレスはある種のワークロードにとっては理想的だが、でも完全なソリューションではない。インフラを自分でチューニングしなければならない場合もある」、と彼は言う。

彼によると、ベンダーに完全に任せっきりにできるのは、各コンテナの要求をベンダーに対して指定する方法があるときのみだ。たとえば、コンテナのロードタイムの上限下限をベンダーに指定できるだろうか。ある種のコンテナは時間を食うし、また特定の位置へのデリバリが必要かもしれない。彼によると、実際には完全な自動化はできないし、とくにデベロッパーが設定をいじくって過不足のないリソースが得られるようにしたいときは、自動ではなく手作業になる。

ベンダーも新たな解を提供

これらの問題ではベンダーもツールの提供を始めている。例えばGoogleが先月のGoogle Cloud Nextで発表したサービスGoogle Cloud Runは、オープンソースのKnativeプロジェクトをベースとし、コンテナを動かしているデベロッパーにサーバーレスの長所を結びつける。これと同様のサービスに、AWS FargateAzure Container Instancesがあり、どちらもやはり2つの技術を1つのパッケージにまとめようとしている。

というかMicrosoftのパートナー事業マネージャーのGabe Monroy氏によると、Azure Container Instancesは、この問題をファンクション型のプログラミング方式に依存せずに解決することが狙いだ。「Azure Container Instancesを使うと、コンテナをAzureのコンピュートファブリックの上で直接動かせる。仮想マシンや、ハイパーバイザーによる隔離、秒単位の課金などはない。私たちはそれをサーバーレスコンテナと呼んでいる」と彼は語る。

サーバーレスとコンテナは相性がとても良いように思えるが、でもMonroy氏が指摘するのは、クラウドネイティブの技術には、すべてに通用する唯一の方式はない、ということだ。AWS LambdaやAzure Functionsのようなファンクション型のサーバーレスを今後も使い続けたい人もいれば、コンテナに移行して二つの技術を一体化したい者もいる。しかしいずれにしても、デベロッパーのニーズが変わっていくにつれて、オープンソースのコミュニティとベンダーの両方が、それらのニーズを助けるツールを提供していかなければならない。サーバーレスとコンテナの一体化も、そんな例のひとつだ。

関連記事: いまさら聞けないコンテナ入門

画像クレジット: Ron Miller/TechCrunch

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Googleアシスタントがニューヨーク地下鉄の到着時間通知に対応

ニューヨーク市のメトロ交通局は来週、Google Payによるコンタクトレス支払いへの対応を追加する。それにあたり、Google(グーグル)はAndroidに交通関連の機能を追加する。

米国時間5月23日より、ニューヨーク市の通勤客はGoogle アシスタントにて次の電車の到着予測時間を知ることができる。「へイグーグル、次の4系統の電車はいつくる?」あるいは「へイグーグル、次の電車はいつくる?」と呼びかければ、それぞれの方向の電車の予測到着時間や、最寄り駅への道案内が表示される。

ニューヨーク市に住んでいれば、4/5/6系統にてコンタクトレス支払いが設置されているのを見たことがある人もいるだろう。来週より、マンハッタンのGrand CentralとブルックリンのAvenue-Barclays Centerの間にて、スマートフォンによる決済の実証実験が行われる。

現在のところ、スマートフォンによる決済は1回の乗車(1日/1週間/月間カードではなく)に限られており、MTAは詳細を詰めている。Google Payに対応する駅は、数週間のうちに地図にくわえられる予定だ。Androidユーザーは、アプリ経由でクレジットカードやデビットカードを追加できる。また、この機能はメルボルンやロンドンにも展開される予定だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Googleがフードデリバリーサービスを検索、地図、アシスタントに追加

Google(グーグル)は米国時間5月23日、Google検索やマップ、アシスタントから直接フードデリバリーを注文する機能をローンチすると発表した。グーグルはフードデリバリー業界に参入しないが、DoorDashやPostmates、Delivery.com、SliceやChowNowと提携する。また、Zupplerなどとの提携も近いうちに予定されている。支払いではGoogle Payを利用するなど、注文システムはGoogleのツールに深く統合されている。

参加しているレストランについては、特定のレストランや料理を検索すると、検索やマップに「オンラインでオーダーする」というボタンがまもなく出現する。

検索と地図はおそらく最も多くの人がこの利用する機能する方法で、またグーグルはGoogle アシスタントにも機能を組み込んだ。たとえば「Hey Google、(好きなテイクアウト対応レストラン)から食べ物を注文して」と話しかけるだけでいい。機能はAndroidとiOSにてサポートされる。

また、音声操作だけでお気に入りの食事を再注文することもできる。Google アシスタントにメニューを読んでもらうのは現実的でないので、最初のコマンドの後はタップにてメニューを選び、確認することになる。再注文の際は、その操作は必要ない。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Googleが検索結果表示を改定、サイトオーナーとパブリッシャーを強調

米国時間5月22日、Google(グーグル)はモバイル検索結果の表示方法を変更し、サイトオーナーは自らのブランドを前面に押し出し出せるようになった。これまで検索結果はブルー、情報ソース(パブリッシャーのサイトなど)はその下に小さなグリーンのフォントで表示されていた。今度はパブリッシャーが主役になった。新しい画面では、検索結果のソースがサイト独自のアイコンとともにトップに表示される。

これは小さな変更だが、パブリッシャーにとってはブランドを売り込めるうれしい変更だ。ウェブ検索する人は、たとえ検索結果ページの下のほうにあっても、よく知っているパブリッシャーのサイトをクリックしたくなるものだ。

さらに、ウェブサイトをブランディングすることで、利用者はその情報がどこから来たのか、公式サイトなのか有名なニュースサイトなのかを理解しやすくなる。今回のアップデートはGoogle検索の広告の表示にも影響を与える。

これまでは小さなグリーンのボックスに入った「Ad」という文字がソースへのリンクの前に付けられていた。今度は、「Ad」の文字はボールドの黒いフォントでウェブサイトのアイコンの来る位置に表示されている。検索結果のトップが広告だということには以前より少し気づきにくくなったかもしれない。これは利用者の目がブルーの文字に注目しがちなのと「Ad」の文字がボックスで囲まれなくなったためだ。

新しいデザインは、同社が検索結果カードにアクションボタンやプレビューを追加する準備を整えつつ、情報ソースを明確にすることができるものだとGoogleは言っている。

Googleは先日のGoogle I/Oで、新しい検索機能の計画として検索結果へのAR導入ニュース記事やポッドキャスト検索の改善などを発表した。ポッドキャストについては検索結果画面で直接聞いたり、保存してあとで聞くためのツールも提供する。

なお、サイトオーナーやパブリッシャーで、オーガニック検索結果に表示するアイコンをカスタマイズしたい人はこちらで作ることができる。

新デザインはまずモバイルユーザー向けに今後数日をかけて公開されるとGoogleは言っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleのAIが予約申し込み電話をかけるDuplexの25%は人間がかけている

昨年のデベロッパーカンファレンス、Google I/OでGoogle(グーグル)がデモしたDuplexに対し、オーディエンスは実際にどれだけの通話能力があるのか怪しんだ。そのAIを利用する予約申し込みサービスは、マシンとは思えないぐらいできすぎていた。しかもそれはこれまで、実際の予約に使われていた。Googleによると、その頻度はささやかだったらしいが。

同社が最近The New York Times(ニューヨークタイムズ紙)に語ったところによると、Duplexの通話はコールセンターの人間オペレーターがやってるものが少なくない。だいたい、通話の4分の1は生きた人間の声で始まる。マシンが始める通話も、その15%は人間の介入を必要とする。

Googleは昨年のデモで、人間がシステムをモニタして、何かおかしくなったら代わる、と言っていた。もちろん、そうだろうな。でも、あれやこれやの奇癖をやっと直して、AndroidとiOSデバイスで使えるようになった。しかし25%は人間がやってるというのは、高度なAIシステムとしてちょっと寂しいね。

これまでのテスト期間中にGoogleは、そのサービスのためのデータ収集も行った。たしかにDuplexは、ときどきすごく感動的だ。ぼくが試したときも、全部うまく行ったときには騙されてしまう。でもニューラルネットワークは、改良のために膨大な量のデータを必要とする。お店の予約という、たった一つの仕事でさえも。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

BoseもGoogleアシスタント対応でAlexaと2本立て

Sonosが2つのスピーカーに、前から言っていたGoogleアシスタントの統合をやってから1週間後、今度はBoseが同じことをした。同社は人気者のスマートホームAIすなわちGoogleアシスタントを3機種、Home Speaker 500とSoundbar 500および700に載せる。小型のHome Speaker 300はGA内蔵で市販される。

Sonosと同様に、音楽の再生やChromecast TVのコントロール、スマート照明などコネクテッドホームの各種機能のコントロールなど、GAの標準的なコマンドを使える。これらへのアクセスはすべて、内蔵のスピーカー配列から行われる。さらにSonosと同様に、Amazon Alexaとの互換性もある。

サードパーティのメーカーとしては、片方だけの味方をしないほうが得だ。そこでGoogleとAmazonにとっては、そのスマートホームエコシステムがどちらも、二つの尊敬されているブランドに載ることになる。これまたSonosと同じく、セットアップは同社の音楽アプリで行われるから、GoogleのHomeのスピーカーのような細かいセットアップオプションは揃っていない。

アップグレードは米国時間5月22日から始まる。ニュースやポッドキャストなど、そのほかの機能は夏にお目見えする。上述のHome Speaker 300も発売は夏だ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Googleが2005年以来G Suiteのパスワードが平文保存されていたことを公表

Googleは、同社のエンタープライズ顧客の一部システムで、誤ってパスワードが平文で保存されていたことを発表した。

検索の巨人は米国時間5月21日にこの問題を公表したが、正確にどれだけの顧客が影響を受けたのかは語らなかった。「当社のG Suite利用者の一部に対して、パスワードの一部が社内の暗号化システムにハッシュされずに保存されていたことを通知した」とGoogleのエンジニアリング担当副社長Suzanne Frey氏はコメントした。

通常パスワードはハッシュアルゴリズムを利用して暗号化され、人間が読めないようになっている。G Suiteの管理者は、社員ユーザーの新パスワードを手動でアップロード、設定、リカバーすることができる。これは新しい社員が加わったときに利用する機能だ。しかしGoogleは今年4月、2005年に実装したパスワード設定、リカバリーの仕組みに誤りがあり、パスワードを平文で保存していたことを発見した。その後Googleは同機能を削除した。

今回のセキュリティー障害によって消費者向けGmailアカウントが影響を受けることはない、とFrey氏はコメントしている。「なお、問題のパスワードは当社の暗号化されたセキュアシステム基盤内に保存されていた」とFreyは言った。「問題は既に修正されており、該当するパスワードが不正利用された形跡はない」。現在Googleには500万人以上のG Suiteユーザーがいる。

Googleはまた、今月G Suiteの新規ユーザー登録でトラブルシューティングを行っていた際、第2のセキュリティー欠陥を見つけたことも発表した。Googleによると、1月以降にG Suiteのハッシュされていないパスワードの「一部」が内部システムに最大2週間保存されていた。このシステムをアクセスできたのは、一部の権限を持つGoogleスタッフのみであったとGoogleは公表した。

「この問題は修正済みであり、ここでも対象となるパスワードの不正アクセス、不正利用の形跡はなかった」とFrey氏は述べている。Googleは、G Suite管理者にパスワード障害について警告済みであり、パスワードを変更していないアカウントのパスワードは近くリセットすると表明している。

広報担当者は、Googleが今回の問題をデータ保護当局に報告したことを正式に認めた。

この一年間に秘密データを平文で保存したことを認めた会社としてはGoogleが最新になる。Facebookは3月に、FacebookおよびInstagramのパスワード「数億件」を平文で保存していたことを公表した。TwitterGitHubも同様のセキュリティー問題があったことを昨年認めている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleのファーウェイ制裁参加で欧州にショック拡大中、脱米模索も

米中貿易戦争は大きくエスカレートしつつある。中国を代表するテクノロジー企業、Huawei(ファーウェイ)に対し、Google(グーグル)がハード・ソフトの新規移転を停止したことはヨーロッパにもショックを広げている。ヨーロッパのテクノロジー企業もファーウェイと絶縁しないかぎり米国の禁輸ブラックリストに掲載される可能性が出てきた。

Reuters(ロイター)の報道によれば、米国時間5月20日、ヨーロッパの大手半導体メーカーであるInfineon Technologies、AMS、STMicroelectronicsの株価が急落した。 これらの企業はアメリリカが同国企業に対し、ファーウェイとの取引を禁止する行政命令を出したことを受けて、ファーウェイへの出荷をすでに停止したか、近く停止するという。

ハイテク分野のサプライチェーンは複雑にからみあっており、テクノロジーでは米国が優れているが、ヨーロッパではファーウェイがモバイル、ITネットワークのコンポネント供給者として地歩を築いていた。米国の厳しい禁輸措置により、EUのテクノロジー企業は大小を問わず政治的な戦いに巻き込まれることとなった。

たとえば、小さな会社ではあるが、フランスのスタートアップであるQwantがそうだ。 同社はプライバシーを優先した検索エンジンでDukDukGoとともにグーグルに対抗しようと試みていた。EUが反トラスト行為の疑いでグーグルのAndroidに制裁を課して以来、同社はグーグル以外の検索エンジンとしてヨーロッパで販売される有力スマートフォンにデフォールトで搭載されることを狙っていた。

その最初の大型パートナーがファーウェイだった。Qwantには、米中貿易戦争の激化以前に、EUのAndroidライセンスの見直しによる値下げに関連して価格面で逆風が吹いていた。そうではあっても米中貿易戦争の激化はスマートフォンのサービスのあり方を見直し、公平な競争条件をを構築しようとするEUの努力を無にする深刻な危険がある。

Googleのファーウェイへのテクノロジー移転の中止がきっかけとなってAndroidに用いられるコンポネントの供給が全面的に停止されるようなことがあれば間違いなくそうなるとロイターは観測している。

スマートフォンにおけるEUの反トラスト措置の核心はAndroidデバイスとグーグルのポピュラーなアプリをアンバンドルすることだ。これによりスマートフォンメーカーはグーグルのブランドを維持したまま完全にグーグルの支配下にあるのではないデバイスを販売できる。例えば、Playストアをプレロードするものの、デフォールトの検索エンジンやブラウザにグーグル以外のプロダクトを設定するなどだ。

しかしグーグルが(現行モデルでは継続されるとしても)ファーウェイに新しいAndroid OSやGoogle Playストアを提供しないとなれば、こうした構想は崩れてしまう。ロイターの報道に対するグーグルのコメントでは、まだ詳細は決定されていないようだ。広報担当者は以下のように述べている。

グーグルは(大統領の)行政命令を遵守するため、今後の行動を慎重に検討している。われわれのサービスのユーザーを保護するため、Google PlayとGoogle Play Protectによるセキュリティーは既存のファーウェイ端末に対して引き続き提供される。

これに対し、Qwantの共同ファウンダーでCEOのEric Léandri氏は、我々の取材に答えて「Googleは過剰反応している」として次のうように述べた。

トランプ大統領が正確にどういうことを言ったのか知りたい。グーグルは過剰反応しているのではないか。私は驚いている。(大統領命令は)そこまで要求しているようには思えない。。

ファーウェイがブラックリストに載せられるのであれば、他の中国企業はどうなる?ヨーロッパで販売されるスマートフォンの60%前後は中国から来ている。ファーウェイかZTEだ。OnePlus(ワンプラス)やその他、ポピュラーなスマートフォンはすべて同じ(米国による制裁の)リスクを負うことになる。

Nokia(ノキア)のような市場占有率の低いスマートフォンも中国の大手企業との提携で製造されている。つまり我々は(Androidという)単一のOSに頼るべきではない。Google PlayストアはGoogle検索と同じくらいスマートフォンにとっては重要だ。(略)

Léandriは「Qwantはファーウェイの対応を注視している。ファーウェイは独自のアプリストアを搭載したデバイスをヨーロッパで提供することにあるかもしれない」と述べた。

TechchCrunchの取材に対し、EU欧州委員会のデジタル単一市場の広報担当者はサイバーセキュリティーを強化したもののファーウェイ制裁を見送ったときの声明を繰り返し「EUメンバー諸国は国家安全保障に有害と認められたならば、そうした企業を市場から排除する権利を有する」と付け加えた。

またロイターの報道によれば、ドイツの経済相は米国のファーウェイ制裁がドイツ企業に与える影響の調査を始めたという。

米国の対中経済制裁の影響は広汎かつ深刻だが、Jollaのようなスタートアップには追い風になるかもしれない。同社はSailfishというヨーロッパ独自のAndroid代替OSを開発している。(略)米中の緊張が高まるにつれ、こうしたヨーロッパ独自の規格はリスク分散の手段として注目されるかもしれない。

画像:J. Scott Applewhite

(日本版アップデート)アメリカ政府はFuaweiに対する制裁措置を一時的に緩和するという。これはすでにライセンスされた技術については期限つきで利用を認めるというもので、Googleもこれに沿った声明を発表している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook