Androidアプリの公開用レビューもCOVID-19の影響で遅れがちに

Google(グーグル)は今週Androidのデベロッパーに、Playストアのアプリの公開用レビュー期間が通常よりずっと長くなる可能性があると警告した。これもCOVID-19危機の影響だ。デベロッパーはアプリのレビューに1週間、あるいはそれ以上かかることを覚悟しなければならないと、同社はGoogle Play Console上に表示するアラートで、コミュニティに通知している。

Google Playに影響を与えるのは、審査に時間がかかるようになることだけではない。

3月16日にYouTubeは、現状、自動化されたシステムに大きく依存することになると発表した。これは、人間のモデレーターによるレビューを受ける前に、機械学習システムによって、より多くのビデオが削除される可能性が高いことを意味している。

いずれの場合も、処理の遅延は社内の人員配置のレベルが低下していることによるものだ。これは、COVID-19パンデミックの結果であり、グーグルやその他の企業の従業員の配備計画が大きな影響を受けている。

これまでGoogle Playのアプリレビューのプロセスは、非常に速いという定評があった。

ここ数年、同社は長期間のレビューを待たずに、デベロッパーがアプリを公開できるようにすることで、Apple(アップル)のApp Storeに対して、Playストアを差別化してきた。もちろんこれにより、Playストアが品質の低いアプリで埋め尽くされ、時には悪意のあるアプリが野放しになるといった問題も引き起こした。しかしグーグルは2015年、社内のレビューチームを活用して、アプリを公開する前にそのポリシー違反を分析し始めたことを明らかにした

グーグルは当時、このようなプロセスの変更にも関わらず、数日ではなく数時間以内にアプリを承認できるとしていた。

しかし2019年になって同社は、より厳格なレビューを実施することにしたため、状況は変わった。その後アプリの提出から公開までに、少なくとも3日間のレビュー期間を見込んでおくようデベロッパーに通告するようになっていた。ただし定評があり、信頼関係が確立されたデベロッパーについては、より速いレビューが受けられて審査期間は短くなるとグーグルは明かしている。

1週間、あるいはそれ以上のレビュー期間というのは、COVID-19危機そのものと同様、前例がないものだ。

アプリのレビュー期間が長くなっているというニュースは、最初にAndroid Policeによって報告された

グーグルの広報担当者は、レビューが遅れていることをTechCrunchに認め、次のように述べている。「現時点では、勤務スケジュールの調整のため、レビュー期間は通常よりも長くなっています。また状況は悪化しつつあるため、アプリのレビュー期間も変動していますが、7日間からそれ以上かかる場合もあるでしょう」

この遅延については、Play Consoleのヘルプドキュメントでも確認できる

画像クレジット:Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

GoogleがCloud Nextのオンライン開催を日程未定で延期

数週間前にGoogleは、同社の2020年最大のカンファレンスであるCloud Nextの実会場における開催を中止した。現在、他の大きなイベントの新型コロナウイルス流行による中止が相次いでいる。Cloud Nextは当初、4月6日から8日までに延期され、他の企業と同じくオンラインでの開催になっていたが、米国時間3月17日の発表でそれもまた延期されることになった。新たな日程は発表されていない。

Google Cloudのチーフ・マーケティング・オフィサーであるAlison Wagonfeld(アリソン・ワゴンフェルド)氏は、再度の延期を発表するブログ記事の中で次のように記している。「目下、私たちにできる最も重要なことは、私たちの顧客とパートナー両者のサポートに集中することである。『Google Cloud Next’20: Digital Connect』の実施に対して今でも全精力を傾けているが、それは正しいタイミングで行うべきだ。状況が好転次第、その新たな日程をシェアしたい」

おそらくこれからの数週間は、これと似た発表が次々に行われるのではないだろうか。企業がリモートワークへ移行し、州が外出禁止を指示し、社会的距離(social distancing)という言葉を突然多くの人が知るようになり、基調講演をストリーミングでやることも難しくなっている。皮肉な見方をすれば、重要な疾病に関するニュースがひっきりなしに飛び込んでくる中、テクノロジー企業の発表の影が薄いことは注目に値するだろう。最近の数日で、複数の企業が延期の延期を発表しているが、今後さらに発表されることは確実だ。

関連記事:Googleは新型コロナの影響で同社最大のカンファレンスCloud Nextをオンラインで開催

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

米政府はハイテク企業と協議し新型コロナとの戦いに位置情報を活す作戦を練る

Washington Postの最新報道によると、米国政府関係者は現在、携帯電話からのデータを新型コロナウイルスのパンデミック対策に活かす方法はないか、Facebook(フェイスブック)やGoogle(グーグル)を含む複数のハイテク企業と検討しているという。この会談では、医療の専門家によるパンデミックと伝播を監視する可能性も話し合われている。携帯電話のデータを有効活用する有望な方法として集約し匿名化した位置情報の利用があると、その記事の情報筋は伝えている。

米国人の携帯電話から回収した位置情報は、公衆衛生の専門家が大まかな感染の広がり具合を監視しマッピングするときの役に立つ。専門家グループはすでにそれを理論化しているものの、当然のことながらあらゆる位置情報が追跡されると考えると、人々の反感は避けられない。特にそれが大規模に実施され、政府と業務提携をしている民間企業のみならず、政府の人間も含まれるとなればなおさらだ。

だがこれらの試みは、米疾病予防管理センター(CDC)による感染パターンの概要把握という目的のみに厳格に用途を絞ったもので、個々の携帯電話利用者は対象にしていない。Washington Postの情報筋は、いかなるかたちであれ、そこから政府のデータベースが構築されることはないと強調している。あくまで匿名化され集約されたデータからCOVID-19の伝播と拡散のモデルを知るためだけに限定される。

すでに、新型コロナウイルスのパンデミックに関連する問題で、世界の最大手級のハイテク企業が前例のない共同研究を開始している。情報を広めるための製品を扱う事実上すべての大手ハイテク企業は、3月16日に会合を開き、ウイルスに関するデマや誤情報の拡散に対処するため緊密に連携するとの声明を発表した。

ホワイトハウスも、ウイルスと米国の対応についてハイテク企業に助言をもらってきた。先週、Amazon(アマゾン)、Apple(アップル)、Facebook、Google、Microsoft(マイクロソフト)、Twitter(ツイッター)が参加した会合もそのひとつだ。AmazonのJeff Bezos(ジェフ・ベゾス)CEOは、現政権と定期的に接触している。Amazonは隔離、社会的距離の確保、収容さらには自宅待機命令に関する実質的な国際的指針に人々が対処する上で中心的な役割を果たし、ますます重要性が高まっているからだ。

今週初めに疫学者、企業幹部、医師、学会関係者が数多く署名した公開書簡が発表されたが、そこでもハイテク企業が貢献できるCOVID-19のパンデミック対策の概要が示された。そのひとつに(特にモバイル用OSを提供するAppleとGoogleに向けられているが)、ウイルス感染者と接触した可能性のある個人のために「本人の了承を得た上で、プライバシーを保護するOSの機能を接触者追跡に役立てる」といった提案がある。

もちろん、乱用を否定する保証があるなしに関わらず、広範に個人情報を収集しようという試みに警戒心を抱くのは自然なことだ。個人の自由か保護かの究極の選択を迫られ、その駆け引きが結果的に暴走するという歴史的な事例を見れば、なおさらそう感じる。New York Timesも今週伝えているが、これまで秘密にされてきたが実在していたイスラエルの携帯電話事業者とその利用者の携帯電話の自撮り写真などの個人情報データベースを使って、ウイルス感染者の位置情報を追跡しようという動きすらある。

それでも、プライバシーを保護しながらハイテク企業が持つ情報を活用する方法を探ろうという考えを、今すぐ止めさせるべきではない相応な理由はある。特に現在実施されている社会的距離を保つ措置による影響を知る上でも、そこには大きな恩恵が得られる可能性があるように思えるからだ。

画像クレジットAmin Yusifov / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

米国で新型コロナのスクリーニングサイトがベイエリア限定で3月16日に試験展開

新型コロナウイルスの検査プロセスの中核を構成するスクリーニングサイトの構築にGoogle(グーグル)が取り組んでいるとトランプ大統領が発表後、Googleすぐにこれを修正し、実際に関与しているのはAlphabet(アルファベット)のヘルスケア部門であるVerily(べリリー)であること、このサイトはまだ全国展開に向け準備中であることを明らかにした。

3月14日、ペンス副大統領が少し詳しく説明したものの一連の混乱収集には至らなかった。同氏は、スクリーニングサイトのパイロット版が米国時間3月16日からベイエリア(サンフランシスコ湾の湾岸地域)限定で利用可能になり、必要に応じてサイト利用者を地域のドライブスルー検査施設へ誘導すると述べた。

同氏は政府がGoogleと協働していると改めて表明した。筆者の推測では、副大統領は、ほとんどの人々と同じようにAlphabet(アルファベット)の複雑な会社構造を理解していない。

「Googleがウェブサイト立ち上げを計画しているという声明を発表したと認識している」とペンス氏は述べた。「同社によれば、3月16日になるということだ。我々は文字どおり昼夜を問わず働き、政府と民間のパートナーシップのもと、1つのチームとして動いている。サイト構築に向けGoogleでハードに働くすべての人に対し、感謝に堪えない」。同氏は、政府が米東部時間3月15日午後5時(日本時間16日午前6時)に詳細を発表すると付け加えた。

ホワイトハウスのコロナウイルス対策コーディネーターであるDebbie Birx(デビー・バークス)氏は、「これは単なるチェックボックスサイトではなく、重い症状を識別することができる。だからこそ我々は週末を犠牲にして立ち上げに取り組んでいるのだ」。

また政府は声明で、トランプ政権はサイト開発でGoogleと協働しており、これは3月13日のVerilyに関する発表ともほぼ整合していると述べた。明日のブリーフィングで詳細が明らかになると願いたい。

画像クレジット:Tasos Katopodis/Getty Images / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

米政府が新型コロナ検査サイトをVerilyと構築、トランプ大統領はGoogleと勘違い

米国時間3月13日のホワイトハウスでの記者会見で、トランプ大統領はGoogle(グーグル)と協力し、COVID-19こと新型コロナウイルス感染症のチェックサイトを構築していると発表した。

しかし後に、これはトランプ大統領の勘違いだと判明した。サイトを構築しているのはグーグルではなくVerilyだ。開発は初期段階で、まずベイエリアにてロールアウトされる予定だ。進捗状況はこちらのサイトで確認ができる。

以下は、修正前の記事の内容となる。参考程度に掲載しておく。

詳細は明かされていないが、ユーザーが症状を入力し、追加のテストが必要かどうかを判断するのがサイトの狙いのようだ。トランプ大統領によると、グーグルでは1700人のエンジニアが開発に関わっているという。

ホワイトハウスの新型コロナウイルス対策コーディネーターことDobbie Brix(デビー・バークス)氏によると、ユーザーは新しい検査用ウェブサイトにログインし、アンケートと危険因子に関する項目を記入し、その後に「ドライブスルーテスト」へと案内される。

なお、グーグルがどのようなデータを収集するのか、あるいはログインが必須となるのかは不明だ。グーグルとの連携は、ホワイトハウスが立ち上げたWalmart、CVS、Walgreensなどを含む、大規模な民間部門との連携の一部である。

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(翻訳:塚本直樹Twitter

インド・バンガロールのGoogle社員の新型コロナ陽性が判明

Googleは米国時間3月12日、同社のインド・バンガロール支社の社員が新型コロナウィルス(COVID-19)検査で陽性反応だったことを発表した。同社は同じオフィスで働く全従業員に対して、警戒のために在宅勤務するよう要請した。

「バンガロールオフィスの社員1が新型コロナウイルスに感染していることを確認した。本人はバンガロールの当社オフィスに症状が出る数時間前まで勤務していた」と広報担当者が声明で話し、当該社員と濃厚接触のあった社員には自らを隔離するよう依頼したことを付け加えた。

TechCrunchが入手した社内メールで、Googleのエンジニアリング担当ディレクターであるAnand Rangarajan(アナンド・ランカラジャン)氏は「当該社員は海外渡航した後にウィルスに感染した」と語った。

最近Googleは、北米、欧州、その他いくつかの地域で社員に在宅勤務を要請した。しかし、アジア諸国の従業員および請負業者には同様の対応が実施されていなかった。

インドのいくつかのスタートアップは、より先を見越した手段を講じている。同国最大の株式仲買業者でバンガロール拠点のZerodhaは3月12日に全社員に在宅勤務を命じた。

バンガロール拠点で小規模商店を支援するInstamojo、教育系スタートアップのUnacademy、モビリティー関連のBounce、リクルーティングのスタートアップのSpringworks、ソーシャルコマース系スタートアップのMeeshoも同様の方針を実施している。

現在までにインドでは74の新型コロナウイルス感染者が報告されており、先週から40人ほど増えた。新型感染症への注意を喚起するために、同国の通信事業者は、通話の前にユーザーに注意を促すメッセージを挿入している。3月11日にインドは、ウィルス感染のある国への渡航許可を大部分停止した。

3月12日にインドの株式市場は下げ相場に突入し、すでに停滞している同国経済の近い将来の展望への懸念を増加させた。NIFTY 50指数は8.3%減の9590.15ポイントで最近2年半で最低の終値だった。Sensexは8%下落し、3万2778.14ポイントという2年近くぶりの安値だった。

インドの株式指数がここまで暴落したのは、2008年の世界経済危機以来だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Googleが新型コロナ拡大で在宅勤務を北米全社員に推奨

先週Googleは、新型コロナウイルス(COVID-19)拡大のリスクを抑制するため、ワシントン州拠点の従業員にリモートワークを推奨するメモを送った。そして3月10日、ウイルス感染拡大を受け、その対象が大幅に広げられた。同社が出したメモでは同様の措置を北米の社員に推奨している。

同社の広報担当者は、職務が許すのであれば北米の社員に家から働くよう勧めている事実をTechCrunchに認めた。また、別の地域でも同様のガイダンスを案内したことも明らかにした。例えば、現状欧州では在宅勤務を強く推奨している。他の地域は実情に応じて異なる対応となる。

先週の措置は、ワシントン州で最大のGoogleのオフィスがあるキング郡、シアトル、カークランドを含む太平洋北西部でコロナウイルスの感染が拡大している初期のレポートに基づいている。新型コロナウイルスの感染例は瞬く間に全米に広がった。最新の情報では、米疾病予防管理センター(CDC)が把握している感染者数は647人、死亡者は25人だ。ニューヨーク州の患者数が最も多く170人超となっている。

ウイルス拡散抑制のために同じような行動を起こしているテック企業は増えつつあるが、Googleはそのうちの1社だ。Microsoft、Box、Lyft、その他企業は従業員への影響を懸念し、自宅から勤務することを推奨したり求めたりしている。労働時間が短くなっても従来と同じ賃金を維持しているケースすらある。健康への懸念から大規模なテックショーがキャンセルされているが、Googleが例年春に開催するカンファレンス「Google I/O」もそこに含まれる。

Googleはまた、世界中の一時雇いの従業員やベンダー向けの新型コロナウイルス基金の設立も発表した。「米国においては移行期にある。世界中のあちこちにあるギャップを埋めるために、Googleは弊社の世界中の一時雇いの従業員やベンダーが新型コロナウイルスの症状がある場合、あるいは隔離されているために出社できない場合に有給で休めるようにする基金を設立する」とGoogleの職場サービス担当ディレクターAdrienne Crowther(エイドリアン・クラウザー)氏は書いている。「我々はパートナーとともに働いており、外部の労働者もそうした理由で職場に来ることができない場合、この基金から通常勤務時間分の保障を受けられる。我々は状況を注視していて、今後も引き続き必要な措置を検討していく」

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(翻訳:Mizoguchi

新型コロナ拡大でGoogleがワシントン州の全従業員に在宅勤務を通達

今週Googleは、新型コロナウイルス(COVID-19)拡大の懸念が高まっていることから、ワシントン州の全従業員に在宅勤務を推奨する通達を出した。広報担当者はその事実をTechCrunchへのメールで認めた。地元の保健当局に相談した上での措置だ。

Googleはオフィスを閉鎖してはいない。在宅勤務推奨について公のコメントを出す予定もない。しかしこのニュースは新型コロナ拡大をかなり深刻に、そして広範に警戒していることを示している。Lyftは同様の措置を先に取っていて、サンフランシスコオフィスの従業員を在宅勤務としている。

Googleはワシントン州内にいくつかのオフィスを構えている。同州は米国においてウイルス拡大の懸念が最も深刻で、これまでに70人の感染が報告され、10人が亡くなった。シアトルとカークランドを擁するキング郡で最も感染例が多く、Googleはどちらの都市にもオフィスを置いている。

COVID-19はテクノロジーハブとなっている他の主要都市にも広がりつつあるが、今回の決断はおそらく初めてのものだ。Googleは今週初め、デベロッパー会議やI/Oなど人が直接顔を合わせるようなイベントを中止すると発表した。もっとも、新型コロナ感染拡大によって中止されるテック会議はI/Oだけでなく、先月のモバイル・ワールド・コングレスを皮切りに同様の動きが続いている。

画像クレジット:David Paul Morris/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

Googleが9月までに検索のモバイルファースト化完了へ

Googleは以前から検索をモバイルファースト化することに取り組んできた。これは検索エンジンのインデクシングのデフォルトをモバイルサイトとするものだ。モバイルファースト化が実施されるとGoogle検索は主としてサイトのモバイルコンテンツを使用してインデックスを作成し、ランキングが決定される。

Googleがモバイルファースト化の計画を最初に発表したのは2016年だったが、米国時間3月5日の告知によれば、2020年9月までに、すべてのサイトのデフォルトの動作がモバイルファーストとなる。

テストを何回かした後、Googleは昨年から全面的な移行を開始した。昨年12月には検索結果に表示されるページの半分以上がモバイルファーストとなった。現在この比率はすでに70%になっている。

Googleでは大部分のサイトが新システムに対応するようになったと述べている。ただし従来どおりGooglebotを使ってデスクトップ版ページをクロールする場合もある。Googleが2つの異なるクローラーを使用するため今後数カ月、Googleのサイトへのアクセスの回数が増える可能性がある。クローラーの1つはモバイルスマートフォンユーザーエージェントで、もう1つは現在使用されているChromium版でデスクトップサイトを読み込む。ただしほとんどの場合、ウェブサイト管理者にはモバイルエージェントだけが表示されるはずだ。

ほとんどのサイトでは、この切り替えはシームレスに行われるはずだが、クローラーが理解できる形式で書かれた構造化データをデスクトップサイトでのみを公開している場合は、モバイルサイトでも公開する必要がある。また、Googleは同一コンテンツに対してデスクトップ版とモバイル版で異なるURLを使用しないよう推奨している。これは「(別のURLを用いることは)長年にわたって検索エンジンとユーザーの双方に混乱と不便を引き起こしてきた」からだという。

サイト管理者が準備を整えたい場合はSearch Consoleにアクセスしてページの状況を確認できまる。

【Japan編集部追記】Search Consoleの日本語版トップページはこちら。構造化データのテストはこちら

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

AndroidのGoogleアシスタントにページ全体の読み上げ、翻訳機能が加わる

数週間前にCESでGoogleは、Androidでウェブページ全体を読み上げられるようにする機能をデモしてみせた。指定した記事を全部を読み上げてくれるので読みたいが手がふさがっていてスクロールできないときやスマホの画面をずっと見ていたくないとき、運転中などに理想的だ。Androidデバイスに 「OK, Google, read this page」(このページを読んで)と命ずると、Googleアシスタントのニューラルネットワークが起動し、即座に読み上げてくれる。

ページまるごと読み上げ機能は米国時間3月4日、Androidの全ユーザーに公開された。

注目点

  • 読み上げているテキストが強調表示され、ページが自動スクロールされる。記事のどこを読み上げているのかがひと目で分かる。以前Googleはこういう機能を追加する可能性があると言っていたが一般公開の時期などは不明だった。さいわい準備が整ったようだ。
  • 読み上げ速度を調整できる。ポッドキャストを3倍速で聴きたいといったせっかちな人間には便利な機能だろう。
  • 翻訳機能もある。Googleアシスタントのデフォルト以外の言語を読み上げさせようとする場合、ユーザーが選択した40以上の言語に翻訳が可能。
  • ページの管理者はGoogleアシスタントが読み上げないよう設定できる。なんらかの理由でGoogleアシスタントに音声でページを読み上げられたくない場合(個人情報などが含まれていて、読み上げ機能が誤って起動されると困るような場合)、HTMLメタタグで無効化できる。これはページ単位で設定しておく必要がある。

Googleによれば近年公開されたAndroid(Android 5、Lollipop以降)が作動するほとんどのスマートフォンで利用可能だという。

【Japan編集部追記】速度調整は読み上げ画面の下部をタップする。0.5倍から3倍まで調整できる。現在の訳者の環境(Android 10)では「OK, Google, read this page」でTechCrunch Japanの記事を日本語で読み上げたが、日本語で「OK Google、このページを読んで」では読み上げは実行されなかった。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

米裁判所が自動運転技術の元エンジニアにGoogleへ約192億円を支払うよう命じる

自動運転車のエンジニアでスタートアップの創業者でもある、Anthony Levandowski(アンソニー・レヴァンドフスキ)氏は、Uber(ウーバー)とWaymo(ウェイモ)との間で争われている機密情報裁判の中心人物である。このほど同氏は、Google(グーグル)退社を巡る契約問題を収束させるために、1億7900万ドル(約192億円)を支払うよう命じられた。Reuters(ロイター通信)が 最初にこの裁判所命令を報じた

昨年12月、仲裁委員会はレヴァンドフスキ氏とLior Ron(リオール・ロン)氏が不当競争行為を犯し、競合するトラック輸送に特化した自動運転車会社であるOttoを設立するためGoogleを退社した際、同社と交わした契約に違反したという裁定を下した。2017年にUberはOttoを買収した。米国時間3月4日、サンフランシスコ郡裁判所は委員会の決定を承認した。

ロン氏は先月Googleと970万ドル(約10億4000万円)で和解している。しかしレヴァンドフスキ氏は決定に不服を申立てた。サンフランシスコ郡最高裁判所は米国時間3月4日、同氏の申立を却下して同氏に和解契約を守らせるためのGoogleの請願を許可した。

和解金は必ずしもレヴァンドフスキ氏個人が支払う必要はない。この種の義務は会社との契約あるいはその他の奇妙な法律によって、同氏の雇用主に帰せられる場合があるからだ。しかし、同氏は本日付で破産申請をしており、1億7900万ドルの負債は自身の資産額よりはるかに大きいと表明している。同氏の資産は5000万~1億ドルと推定されている。

レヴァンドフスキ氏の代理人は本件についてのコメントを拒んだ。

【編集部注】本稿にはDevin Coldeway(デビン・コールドウェイ)記者が協力した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Cloudが4つの新リージョンを開設、中東リージョンは初

Googleは米国時間3月4日、Google Cloudの4つの新しいデータセンターリージョンを開設する計画を発表した。インドのデリーとカタールのドーハ、オーストラリアのメルボルン、そしてカナダのトロントだ。これでGoogle Cloudの総供用域は26リージョンになる。同社は昨年、来年はジャカルタとラスベガスとソルトレイクシティ、ソウル、そしてワルシャワにリージョンを開くと言っていた。そして数日前には、ソルトレイクシティのデータセンターをオープンした

この発表の前にすでにGCPのデータセンターはインドとオーストラリアとカナダにあるが、今回新たに発表されたリージョンにより、例えば災害復旧で多忙な国には2つの地理的に離れたリージョンがあることになる。

Googleによると、ドーハのリージョンは初めての戦略的合意に基づくリージョンであり、しかも中東初のリージョンだ。合意の相手はQatar Free Zones Authorityである。ローンチ時からの顧客の1つであるBespin Globalは、アジアにおけるマネージドサービスの大手プロバイダーだ。

Bespin GlobalのCEO John Lee(ジョン・リー)氏は「弊社は韓国の大企業と協力して彼らのデジタルトランスフォーメーションを推進している。その主要要件のひとつが、世界の顧客のすべてに均質なサービスを提供することだ。Google Cloudは自分たちのインフラストラクチャへの継続的拡大投資を中東にも広げているので、弊社は顧客の所在地域で高品質なサービスを提供することが可能だ」と語る。

関連記事:Google Cloud makes strides but still has a long way to go(Google Cloudが長足の進歩だがまだまだこれから、未訳)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Googleのビデオ会議ツールが新型コロナ対応の一環で無料利用可能に

Googleは、同社のリモートワークツールを社員の在宅ワークを検討している企業向けのブログ記事で、高度なビデオ会議サービスであるHangouts Meetを全世界のG SuiteとG Suite for Educationのユーザーが無料で利用できるようにする、と発表した。

CEOのSundar Pichai(サンダー・ピチャイ)氏は、米国時間3月3日のツイートでそれについて発表している。

COVID-19の影響下にある企業や学校がつながりを失わないために、2020年7月1日までビデオ会議Hangouts Meetの利用を無料にする。

ブログ記事では「COVID-19の蔓延により、リモートで仕事をする社員や教育者、学生などが増えているので、我々としては彼らがつながりを維持した状態で仕事ができるようにした。多くの企業が在宅ワークのポリシーを調整して通勤を減らそうとしている中で、私達はグローバルに分散しているすべてのチームが、それぞれいる場所は違っていても、確実に互いに顔を合わせられるようにしたい」と語っている。

Googleによるこの決定のすこし前には、世界最大規模の業界カンファレンスがいくつもCOVID-19を恐れて開催中止になっていた。GSMAのMobile World Congress、FacebookのF8カンファレンス、それにGeneva Motor ShowGame Developers Conferenceなどがキャンセルされている。

関連記事: GDC 2020が中止(もしくは夏に延期)になった

ドアを閉じるのは、カンファレンスだけではない。企業もあらゆる手段を講じてリモートワークを奨励している。Twitterは社員にリモートワークを奨励しており、またStripeやSlack、Squareなども社員に対して会社に出て来ないよう促している。

今回のGoogleによるビデオ会議の無料アクセスは、1回につき参加者250名まで、傍聴者のためのライブのストリーミングは1ドメインにつき最大10万名までとなっている。会議の模様はGoogle Driveに録画保存できる。

これは本来ならエンタープライズ向けの機能だが、Googleは7月1日までは無料としている。

「この試練のときにあって我々は、ユーザーと顧客を真剣にサポートしたい。継続的にインフラストラクチャをスケールして、Hangouts Meetの今後の大きな需要にも対応し、スムーズで安心できるサービスを提供したい」と同社はいう。

真っ先にこの新しいサービスを喜んだのが、Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏と彼のTwitterだ。現在、苦境にある最高経営責任者は「Twitterの全世界全社会議を初めて、完全に仮想会議だけで行った。それにはGoogle MeetとSlackHQを使用した」とツイートしている。

全世界的全社会議を完全な仮想会議で行なった。自宅から参加した社員もいる。こんなことは初めてだが、すべて快調だった。GoogleとSlackありがとう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Google I/O 2020もまた新型コロナのために開催中止

Googleは、マウテンビューで5月に予定していたI/Oデベロッパー・カンファレンスの開催をキャンセルした。FacebookがF8をキャンセルし、Google自身も4月に予定されていたCloud Nextをデジタルオンリーのカンファレンスに移行した後ではさして驚きとはいえない。

I/Oは2020年5月12日から14日に開催される予定だったが、新型コロナウイルスに対する懸念のためキャンセルされることとなった。Googleは参加予定者にキャンセルを通知するメールを送信した。

【略】

Cloud Nextカンファレンスと異なり、Googleはキーノートやスタートアップのプレゼンなどのセッションをリモートでストリーミングする計画を(今のところ)発表していない。ただしGoogleの声明はその可能性を排除してはいない。

参加者予定者にはチケット料金が払い戻され、2021年のイベントに参加する場合は「チケット購入の抽選」は免除される。 またこのキャンセルによるマウテンビュー近隣地区への経済的影響を緩和するためGoogleはスモールビジネスや生徒のSTEM(科学、テクノロジー、エンジニアリグ、数学)やコンピュータの学習振興を図る団体に100万ドル(約1億1000万円)の寄付を約束した。

Googleが2008年にI/Oカンファレンスをスタートさせて以来、今回が初めてのキャンセルとなる。当初はサンフランシスコのモスコーニ・センターで開催されていたが、会場はマウンテンビューのGoogle本社に近い野外劇場であるショアライン・アンフィシアターに移された。例年5000人前後がこのイベントに参加する。Googleは開発者向けの最新ツールと一般ユーザー向けのプロダクト多数をここで発表してきた。 2019年には、このイベントでPixel 3aも登場した。

画像:Justin Sullivan/Getty Images

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滑川海彦@Facebook

GoogleのPixelにジェスチャー、絵文字、AR効果など大量の新機能追加

Pixelスマートフォンを持つ利点のひとつに、時とともに改良されていくところがある。Pixelは、最新の修正や改良を含むアップデートを最初に受ける機種だからだ。2019年12月に提供された第1弾には、ロボコール(迷惑電話)対策フィルター、写真の操作性向上、Duoでの通話の改良など数多くの新機能が含まれていた。米国時間3月2日、GoogleはPixelの新機能セット第2弾を提供すると発表。今回の内容は、新しい音楽の操作性、新しい絵文字、写真と動画のさらなる追加機能、緊急通報機能の拡大、Google Payの改良、その他となっている。

2019年にGoogleは、Pixel 4の発表にともない「モーションセンス」という新しいジェスチャー機能を発表した。手を触れずにスマートフォンを操作できるというものだ。つまり、手の動きを感知して、それをソフトウェアのコマンドに変換する。

すでにPixel 4ユーザーは、モーションセンスで次の曲に飛んだり前の曲を再生したりが可能だったが、今回の更新により、画面の上でタップのジェスチャーをすることで曲のポーズや再開ができるようになる。

Googleは、会話中にすぐに曲を止めたいときに便利だと提案している。だが実際は、動作に一貫性があるときにだけ便利に使える状態で、各社のレビュー記事では、モーションセンスのシステムは「気難しい」とか「発展途上」などと書かれている。もちろん、すぐに改良されるだろうが。

このアップデートで改良されたものの中には、2019年10月にPixel 4に追加されたPersonal Safety(パーソナル・セイフティー)アプリもある。クルマで重大な衝突事故が発生した際に、ユーザーが助けを必要としているかどうかを本体のセンサーが確認してくれる。アメリカのユーザーなら、タップまたは音声で911(緊急電話)が呼び出せる。ユーザーの反応がない場合は、現在位置と詳細を緊急電話のオペレーターに自動的に通報する。今後、この機能はオーストラリア(000)と英国(999)でも使えるようになる。

さらに、Googleのビデオ通話アプリDuoにAR効果も追加された。画面に映る自分の印象を変えたり、動かしたりができる。Duoにはすでにいくつもの効果はあるのだが、ソーシャルコミュニケーションアプリにとって、常に効果のリストを充実させておくことは必要不可欠なのだ。

一方、Pixel 4の自撮り用カメラでも奥行きのある画像が作れるようになり、ボートレートのぼかしとカラーポップが改良される。また、Facebook用の3D写真も作れるようになる。

Pixelではさらに、絵文字がバージョン12.1に更新される。これには2019年10月にiOS 13.2でiPhoneが対応し、2020年1月にはTwitterも対応している。このセットには169種類の絵文字が追加され、ジェンダーや肌の色の幅が広がり、カップルの組み合わせも増えて、よりインクルーシブな内容になった。

Google Payも改良され、電源ボタンを押したまま画面をスワイプすると、デビットカードやクレジットカード、さらにはチケットや搭乗券、その他の保存済みアイテムが選択できるようになる。この機能が最初に使えるようになるのは米国、英国、カナダ、オーストラリア、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、アイルランド、台湾、シンガポールだ。

また、搭乗券のバーコードのスクリーンショットを撮影して、通知にタップしてGoogle Payに追加すれば、フライトの更新情報を通知としてリアルタイムで受け取れるようになる。この機能は、すべての国でPixel 3、3a、4のGoogle Playで3月中に使えるようになる。

パワーユーザー向けには、Wi-Fiや物理的な位置に応じてルールの設定を変更できる機能も追加された。たとえば、職場に到着したら自動的に電話の呼び出し音をオフにするとか、家に帰ったら自動的にサイレントモードにするなど、いろいろできるようになる。

その他の新機能として、Pixel 2用の「自動字幕起こし」、Pixelのダークテーマの切り替えスケジュールの設定、緊急連絡や医療情報のアクセスの簡便化、長押しでアプリのヘルプをすばやく表示できる機能の改良、直射日光の下でも画面の文字を読みやすくする明るさの自動調節(Adaptive Brightness)の更新がある。

Googleは、これらの新機能の提供を米国時間3月2日から開始すると話している。今すぐすべてが手に入るわけではないが、早々に出揃うはずだ。

画像クレジット:JOHANNES EISELE/AFP / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

自動運転のWaymoが初の外部資金調達で約2430億円を確保

以前はGoogleの自動運転車プロジェクトで、現在はAlphabet傘下となっているWaymo(ウェイモ)は3月2日にSilver Lake、Canada Pension Plan Investment Board(カナダ年金制度投資委員会)、Mubadala Investment Companyがリードするラウンドで22億5000万ドル(約2430億円)を調達したと発表した。

Waymoにとって初の外部資金調達となる。その他の出資者はMagna、Andreessen Horowitz、AutoNationそして親会社のAlphabetだ。

「我々はOEMやサプライヤーパートナー、提携企業、そして世界で最も経験のあるドライバーを構築して展開しようとしているコミュニティとコラボしながら、ミッションに対して常にチームスポーツのように取り組んでいる」とWaymoのCEO、John Krafcik(ジョン・クラフシック)氏は3月2日に投稿したブログの中で述べた。「今日、我々は投資家と重要な戦略的パートナーを加えることでそのチームを拡大する。こうしたパートナーは過渡期にあるプロダクトをつくるのに成功しているテック企業をサポートしたり、投資したりといった何十年にもわたる経験を我々にもたらす。今回注入される資本とビジネスの知見により、世界中でWaymo Driver展開をサポートするために、Alphabetとともに我々は従業員やテクノロジー、オペレーションにさらに投資する」

今回のラウンドは、Waymoが営利企業になろうと努めてきたさまざまな活動に続く動きだ。活動の多くはフロリダのような新ロケーションでのマッピングと、自動運転車両テクノロジーのテストだ。その一方で、カリフォルニア州マウンテンビューや、フェニックスエリアで展開する車両の拡大も続けてきた。

Waymoは長らくテストと、フェニックス郊外での自動運転車両を使ったWaymo Oneと呼ばれるオンデマンド配車サービスの立ち上げに注力してきた。

しかし他方面での拡大も行ってきた。配達や輸送、カスタムライダーセンサー販売開始計画など、自動運転車両技術を応用したロボティクスやセキュリティ、農業テクノロジーなど自動運転車両以外の企業向けの新たな事業の模索だ。

2020年1月、Waymoはテキサスとニューメキシコの一部でマッピングと、自動運転長距離トラックのテストを行うことを発表した。

Waymoはまた買収や提携を通じても事業を拡大させてきた。2019年12月に同社は、オクスフォード大学コンピューターサイエンス部門からのスピンオフであるLatent Logicという英国企業を買収した。同社は、Waymoのシミュレーション研究を強化しうるイミテーションラーニングと呼ばれる機械学習のフォームを使っている。この買収でWaymoは同社初の欧州エンジニアリングハブをオクスフォードに設置する。

2019年春にWaymoは、4月に廃業したロボティックスタートアップのAnkiからエンジニア13人を採用した。このロボティクス専門家の中にはAnkiの共同創業者で前CEOのBoris Sofman(ボリス・ソフマン)氏も含まれる。ソフマン氏は自動運転トラック輸送部門のエンジニアリングを率いている。

Waymoはまた、フランスや日本で商業自動運転車両を乗客輸送と荷物配達でどのように活用できるかを調べる独占的パートナーシップRenault(ルノー)、そして日産と結んだ。

画像クレジット: Waymo

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(翻訳:Mizoguchi

Googleは新型コロナの影響で同社最大のカンファレンスCloud Nextをオンラインで開催

米国時間3月2日にGoogleは、COVID-19新型コロナウイルスの影響を考慮し、同社主催の年次カンファレンスであるCloud Nextのオフラインでの開催を中止すると発表した。クラウドに特化した同イベントは3万人前後の参加者が見込まれる同社最大のカンファレンスだ。

最近のイベント中止の流れからみて、この発表は大きな驚きではない。数日前には、FacebookがF8デベロッパーカンファレンスを中止している。

Cloud Nextは4月6日から8日にカリフォルニア州サンフランシスコで開催される予定だった。しかし、Googleは通常行われていたオフラインイベントの代わりに、オンラインイベントを「Google Cloud Next ’20: Digtal Connect」と題して開催する。したがって、基調講演や分科会などは予定どおり行われ、さまざまなエキスパートとつながる機会も残されている。

「イノベーションはGoogleのDNAであり、この強みを活かして2020年もみなさんが没頭し想像をかきたてられるイベントを、移動のリスクなしに実施する」と3月2日の発表内でGoogleは語った。

バーチャルイベントの参加は無料で、カンファレンスのチケットは自動的に払い戻されるとGoogleからの参加者へのメールにある。カンファレンスの予約システム経由で申し込んだホテル予約も自動的にキャンセルされる。

こうなるとGoogleのもうひとつの大イベントである I/Oが気になる。こちらは5月12日から14日にカリフォルニア州マウンテンビューで行われる予定だ。同様に、ライバルともいえるMicrosoftのBuildカンファレンスも5月19日からシアトルで行われる。いずれも両社にとって重要な年間ニュースイベントだが、現状を鑑みると中止になっても驚く人はいないだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google Cloudの最新データセンターがソルトレークシティーにオープン

Google Cloudは米国時間2月27日 、ソルトレークシティーに新たなデータセンターを開設したと発表した。このソルトレークシティのデータセンターは、低レイテンシの処理能力を地域全体に提供することを目標としており、ロサンゼルスとオレゴン州ダレスに続いて、米西部で3番目のデータセンターとなる。

「我々は最も安全かつ、パフォーマンスと拡張性に優れたパブリッククラウドの構築に取り組んでおり、クラウドサービスを最も必要としている顧客に近い場所でサービスを提供するための重要なインフラストラクチャへの投資を継続している」と、Google Cloud EnterpriseのWestern States and Southern California担当ディレクターであるJennifer Chason(ジェニファー・チェソン)氏は声明で述べた。

クラウドベンダーは一般的に、潜在的な顧客により近い地域に拠点を開設しようとする。これは昨年のAWS re:Inventで、AWSがLAのローカルゾーンを発表したときに取ったアプローチと似ている。コンピューティングリソースを必要としている企業の近くにデータセンターを開設することでレイテンシを削減したり、あるいは一連の地域リソースにワークロードを分散させたりすることを目的としている。

Google(グーグル)はまた、すでに顧客であるPayPalと複数年の契約を締結し、同社の決済システムの一部を西部地域に移転することも発表した。注目すべきは、ソルトレークシティーにはデータセンターが近くにあることで恩恵を受けられる、活気あるスタートアップシーンも存在することだ。

Google Cloudの親会社ことAlphabetは最近、クラウド部門の四半期決算を初めて発表し、ランレートが100億ドル(約1兆1000億円)以上であると表明した。ライバルのMicrosoft(マイクロソフト)やAmazon(アマゾン)に追いつくまでにはまだ長い道のりがあるが、この方法でリーチを拡大すれば、市場シェアの拡大に役立つだろう。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

Spotifyの「2019年まとめ」提供、Google Dataflow史上最大のジョブの舞台裏

2019年12月前半に、Spotifyはその年にユーザーが最も多くストリーミング再生した曲を集めた「Wrapped(まとめ)」プレイリストをパーソナライズして提供した。これ自体は以前から提供されているもので特に新しいものではないが、2019年は過去10年間を振り返るプレイリストも提供された。これはかなり大規模のジョブだ。増え続ける無料ユーザーと有料サブスクリプション利用者に向けてどのようにこのプレイリストを生成したのか、Spotifyは舞台裏の一部を明かした。

画像:Frazer Harrison/Getty Images for Spotify / Getty Images

SpotifyがGoogle Cloud Platformの大口利用者であることは、秘密ではない。2016年にSpotifyはGoogle Cloudへの移行を発表し、2018年にはその後の3年間でGoogle Cloudのインフラストラクチャに4億5000万ドル(約500億円)以上を支出する見込みであることを明らかにしている。

同じく2018年、この年のWrappedでSpotifyはGoogle Cloud Platform上で史上最大のGoogle Cloud Dataflowでジョブを実行した。Dataflowは数年前にGoogleが実験を開始したサービスだ。Spotifyのエンジニアリング担当バイスプレジデント、Tyson Singer(タイソン・シンガー)氏は筆者に対し次のように語った。「2015年に我々はビッグデータを処理するApache BeamとGoogle Cloud DataflowのためのScala API『Scio』を開発し、オープンソース化した。我々はDataprocではなくDataflowを選択した。スケールする際に運用のオーバーヘッドが少なくて済むことと、Dataflowが予測されるストリーミング処理のニーズに合っていたことがその理由だ。現在はDataflow用に設計され最適化された優れたオープンソースのツールセットがあり、社内のほとんどのチームで使用しているほか、Spotify以外でも使われている」

Wrapped 2019には、1年間のまとめと10年間のまとめがあった。Spotifyが実行したジョブは2018年の5倍の規模だったが、かかった費用は4分の3で済んだ。このことについてシンガー氏は、チームがプラットフォームを熟知したからだと考えている。「このようなグローバルのスケールでは、複雑になるのが当たり前だ。Google Cloudのエンジニアリングチームや専門家と緊密に協力し、前年までの経験から学んだ結果、我々が実行したDataflowのジョブはこれまでに書かれた中で最も洗練されたもののひとつとなった」

専門知識があっても、データ分析を最適化しユーザーの興味を引くストーリーを伝えるために、データセット全体のイテレーションを回すことはできない。シンガー氏は「これを処理するジョブは大規模で複雑だ。Google Cloud Dataflowに負担をかけすぎないために、複雑さと処理を切り離す必要があった。つまり我々はアイデアから、データ分析、ユーザーごとに固有のストーリーを生み出すに至るまで、もっとクリエイティブになる必要があった。そして時間内にコストを下げてスケールする必要もあった。十分に注意を払わないと、リソースを無駄にし下流のチームの速度を落としてしまう危険があった」と語る。

この作業負荷を処理するために、Spotifyは社内のチームをデータ処理、クライアント向けの設計、バックエンドシステムの3つのグループに分け、さらにデータ処理のジョブを細かく分けた。これはチームにとってきわめて異例のアプローチだった。「2019年、SpotifyはDataflowの『Shuffle』という機能を使った大規模なジョブを実行した。大量のデータがあり、誰が何をしたのかを理解するためにそのデータを整理する必要があったためだ。これはとてもパワフルだが、データ量が多いとコストがかさむ」。

2020年、SpotifyのエンジニアはGoogle CloudのBigtableを中間ストレージレイヤーとして使うことによりShuffleの使用を最小限にとどめた。シンガー氏は「常にデータの再グループ化が必要というよりは、多くのデータをパラレルに処理し格納するために、BigtableをDataflowのジョブ間を修復するツールとして使用した。Dataflowのジョブを小さいコンポーネントに分割し、コアの機能を再利用することで、ジョブのスピードを上げレジリエンスを高めることができた」と説明する。

シンガー氏は、少なくともコスト削減の一部はBigtableを使うこのテクニックによるものと考えている一方で、課題をデータ収集、アグリゲーション、データ変換のジョブに分解してからさらに複数のジョブに分割したことも指摘する。「こうすることで、より多くのデータをパラレルに処理するだけでなく、再実行するジョブを選択してコストを抑えた」

シンガー氏のチームのエンジニアたちが開発したテクニックの多くは、現在、Spotify全体で使われている。同氏は「Wrappedを機能させることで、我々はユーザーを理解するためのツールを作り、ユーザーのために優れた製品を作ることができる。Scio、Dataflow、ビッグデータ処理に関する我々の専門技術と専門知識は、Spotifyの製品ポートフォリオを強化するために広く使われている」と述べた。

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(翻訳:Kaori Koyama)

Google Cloudがソウルリージョンをオープン、韓国ゲーム企業などのアクセスが低遅延に

Google Cloudは米国時間2月19日、韓国初となるソウルリージョンをオープンさせ、サービスを開始したと発表した。昨年4月に初めて発表されたこのリージョンには3つのアベイラビリティゾーンがあり、Compute EngineからBigQuery、Bigtable、Cloud Spannerにいたるまで、Google Cloudの標準サービスのほぼすべてをサポートする。

これによりGoogle Cloudは16か国、21のリージョンと64のゾーンでサービスを提供することになる。ソウル地域は、Asia-Northeast3という覚えやすい名前で、日本を含む同地域の他のリージョンや香港、台湾を補完するものになる。ここで重要なのは、韓国企業にGoogleのクラウドサービスへの低遅延アクセスが提供されることだ。

「韓国最大のゲーム企業として、我々はゲーム開発、インフラ管理、そしてビジネスインテリジェンスを業務に取り入れるためにGoogle Cloudと提携している」と、NetmarbleのCTOであるChang-Whan Sul(チャンファン・スル)氏は語る。「ソウルにあるGoogle Cloudのリージョンはこの地域へのコミットメントを強化し、このイニシアチブが我々のビジネスにもたらす機会を歓迎する」。

Google Cloudはまた、年内にラスベガスのソルトレークシティとインドネシアのジャカルタで、より多くのゾーンやリージョンを開設する計画だ。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter