「ヘイ、Siri, オーケー Google」でアシスタントを起動できる――ただしプライバシーには十分注意

AppleはライバルがSiriのショートカットをこんなふうに利用するとは予想していなかったに違いない。しかしiPhoneに「ヘイSiri, オーケーGoogle」と呼びかけることでGoogleアシスタントを起動できる。

ただし設定には多少手間がかかる。まずiOS版のGoogleアシスタントをアップデートして最新版にする。次に Google Assistant起動のためのSiriショートカットを作成する。

名前のとおりSiriショートカットを利用すればカスタム・フレーズを録音して音声で特定のアプリないし機能を起動することができる。またSiriのショートカットでプレイリストを再生させたり、誰かにメッセージを送ったりすることも可能だ。もしいくつかの動作を連続して実行させたい場合はAppleが提供するショートカットを使う。

Googleアシスタントの起動はデフォールトでOK Googleに設定されているが、ユーザーは自分の好みで「ねーGoogle」などに変えることができる。フレーズを設定してSiriに呼びかけるとGoogleアシスタントが立ち上がる。

最初のトライでiPhoneまたはiPadのiOSにアプリを開く許可を与える必要があるかもしれない。Googleアシスタントが起動されると自動的にコマンドの聞き取りモードで待機する。アプリが立ち上がってから聞き取り可能になるまでわずかに時間がかかるので、その後で呼びかける。

ここまで手間をかけるユーザーがどのくらいいるかはともかく、「ヘイSiri、オーケーGoogle」でGoogleアシスタントが起動するのはやはり面白い。

ちなみにGoogle Assistantはプライバシーの点からは最悪アプリの一つだ。このアプリは例の 「ウエブとアプリのアクティビティ」を有効にするよう求めてくる。この機能はあらゆるプライベートな情報を収集することで悪名高い。有効になっている場合、Googleは検索履歴、Chromeのブラウズ履歴、位置、クレジットカードの履歴その他ありとあらゆる履歴を集めることができる。.

もし有効にしていない場合、目立つ青いバナーがアプリの下に表示され、「ウェブとアプリのアクティビティを有効にするとアシスタントでさらに多くの機能をアンロックできる」と勧めてくる。心理的トリックでユーザーに特定の行動を取らせることを企むダーク・パターンUIの例だ

クリックするとキュートなアニメが表示されるが気を取られてはいけない。内容が肝心だ。表示されるボタンはMoreしかない。Moreボタンをクリックするといつの間にか「オンにする」に変わっている。たいていのユーザーは左の「今はしない」ボタンに気づかないだろう。

これは古典的なトリックだ。相手が常にイェスと答えるような質問をいくつか続ける。相手はいつの間にかイェスと答えるのに慣れてしまい、最後の質問にもイェスと答えてしまう。これが「スタート」だの「さらに詳しく」だのと表示されたボタンの意味だ。なんども「さらに詳しく」ボタンをクリックしていると最後のボタンの内容に納得していなくてもついクリックしてしまうことになる。もし「無効にする」ボタンを選択すると、「本当によいですか」とうるさく尋ねてくる。

無名のゲーム・アプリからAmazon、Googleまでユーザーを誘導するデザインをひんぱんに使っているので、ことプライバシーに関してユーザーは自分が何をしているのか十分に意識する必要がある。

〔日本版〕日本版iOSでも上記手順で設定できる。手持ちのiPadの場合、電源が接続されている場合は「ヘイSiri」と呼びかけるだけで起動される。接続されていない場合はホームボタンを押して「へいSiri」と呼びかける。Siriが起動した後、「オーケーGoogle」と呼びかけるとGoogleアシスタントが起動する。利用法はGoogle Home/Miniと同様だが、常に身近に置かれるモバイル・デバイスの場合は上記記事のようにプライバシーに注意する必要がある。

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滑川海彦@Facebook Google+

Apple、watchOS 5.1.1を公開。一部Apple Watchの文鎮化問題を修正

AppleはwatchOS 5.1.1を公開した。前バージョンのwatchOS 5.1から一週間もたたないなか、一部のApple Watchが文鎮化するという報告を受けてのことだ。

このアップデートには、ほかにウォーキートーキー機能やアクティビティのリワードが一部表示されない問題などのバグ修正も含まれている。

watchOS 5.1は10月29日にiOS 12.1と共に公開されたが、ソフトウェアアップデートをインストールした後Apple Watchが 立ち上がらないという苦情を受けすぐに配信が停止された。Appleは、この欠陥アップデートが「少数」のユーザーに影響を与えた(詳細は語らず)ことを認め、「問題のあるユーザーはAppleCareに連絡をとってほしい。インストールが成功した人は何もしなくてよい」と発表した。

watchOS 5.1.1はwatchOS 5.1の全機能に加えて、グループFaceTimeオーディオ、新しい絵文字、新しい文字盤などいくつか新機能も追加された。

ほかに、セキュリティーアップデートも施され、アタッカーがカーネル特権を得られる重大な脆弱性が修正された。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、最新iPadからホームボタンを消す

昨日(米国時間10/30)Appleは、ホームボタンの棺に最後の釘を打ち込み、かつて遍在したそのしくみを最新モデルのiPadから消し去った。

火曜日ニューヨークで行われたAppleイベントで披露されたiPad Proにはホームボタンがなかった。より大きく、魅力的なディスプレイのために場所を空けるそのデザイン方針は、iPhoneのホームボタン廃止と同じ道をたどっている。Appleは新しいiPad ProからLightningポートもなくし、USB-Cへと移行した。

新型iPad Proには画面サイズが2種類あり、Face IDでロック解除できるようになった。どの方向でも使えるように設計変更されたので、ロック解除の「方向が違う」ということは起きない。

デバイスをロック解除したら、ユーザーはオンスクリーン・ジェスチャーを使って必要な機能を実行するためのアクションを起こせる。たとえば、右上隅から下にスワイプするとコントロールセンターが、下から上にスワイプするとドックが出てくる。つまり、iPhone Xで使われているのと同じ種類のジェスチャーだ。

Appleは2017年からホームボタンの段階的廃止を始め、最初は最上位機種のiPhone Xだった。Appleは低価格のiPhoneには物理的ホームボタンを残した。しかし、いずれその時がくることは誰もが知っていた。
ハンマーは2018年に打ち下ろされた。Appleは新しいiPhone XS、iPhone XS MaxそしてiPhone XRからホームボタンを一掃した。

Apple Fall Event 2018

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

明日iOS 12.1がやってくる。グループFaceTimeとカメラの改善

どうやらAppleは、明日ブルックリンで行われるビッグイベントだけにニュースを残しているわけではなさそうだ。同社は最新バージョンのiOSを明日公開するとついさきほど発表した。iPadのお披露目にちょうど間に合うタイミングだ。

最大の目玉は、待望のグループFaceTimeで、AppleはWWDC以来たびたび話題にしていた。ビデオチャットアプリはこのアップデートによって最大32名が同時に参加できるようになる。

システムは話者を自動的に検出し、リストのトップに優先して並べる。それ以外の人が下がるのは他のチャットサービスと同じで、タップすればそのユーザーが前面に来る。グループFaceTimeは暗号化されていて、メッセージ(SMS/MMS)アプリから開始する。

最近報じたように、新バージョンのオペレーティングシステムではiPhone Xsの自撮りのソフトフォーカス化問題が修正される。Samsungなどのメーカーが提供するフィルターの効果に似ていたため「ビューティーゲート」とも呼ばれたが、Appleは意図した機能でないと明言した。

問題は手ブレ写真を起こすバグに起因していることを会社は発表した。その修正とともに、12.1では、ポートレートモードの被写界深度をリアルタイムで調節してバックグラウンドのボケを調整できるようになる。iPhone XsおよびXRにはデュアルSIM機能も追加される。

そしてもちろん、新しい絵文字が山ほど——全部で70種類——やってくる。赤毛、白髪、縮れ毛、禿頭なども加わる。新しい動物やスポーツ画像、食べ物関連もたくさんある。

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出足の早いiOS 12、すでに最高の採用率を達成…パフォーマンス重視が成功か

市場分析サービスのMixpanelは今、iOS 12のインストールベースを調べている。それによると、iOSの最新バージョンはかなり人気が高くて、すべてのiOSデバイスのほぼ47.6%にすでにインストールされている。45.6%がまだiOS 11、そしてiOSユーザーの6.9%がもっと古いバージョンを使っている。

採用率は、とくにアプリのデベロッパーにとって重要だ。AppleはiOSのメジャーリリースと共に、新しいフレームワークをリリースしている。しかしデベロッパーは、その後もしばらくiOSの旧バージョンをサポートしてからでないと、新しいフレームワークへの全面移行、そして旧バージョンのサポート停止には踏み切れない。

でもおもしろいのは、iOS 10のサポートを停止しても、デベロッパーはそれほど多くの顧客を失っていない。たぶん、iOSをニューバージョンにアップデートしないようなユーザーは、アプリのアップデートにも関心がないのだろう。古いアプリを、そのまま使っているのだ。

iOS 11は、これほど急速に採用率が上がらなかった。昨年Appleは11月6日に、iOS 11が10を上回った、と発表した。もちろんMixpanelとAppleの数字を単純に横並びで比較するのは間違っているが、今年のトレンドの違いは誰もが実感しているだろう。

iOS 12はパフォーマンスにフォーカスしている。今回のメジャーリリースは、iPhone 6のような古い機種にも対応している。iOS 11が動く機種ならiOS 12も動く、アップデートできる。要するに今持ってるiPhoneを速くしたければ、iOS 12にアップデートすべきだ。

多くの人は、それを知らないかもしれない。なぜなら、これまでは、iOSのニューバージョンで古い機種が相当遅くなっていたからだ。でも採用率が示すように、Appleの新しい意図を早くから理解したユーザーも少なくない。

[関連記事: iOS 12であなたのスマホが前より速くなる(未訳)]

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Opera TouchブラウザーがiPhoneに来た; ホームボタンのない大画面の片手操作に最適

ブラウザーの専門企業であるOperaが、その得意技で戻ってきた。その美しいデザインのブラウザーで、GoogleやAppleなどのありふれたブラウザーからシェアを奪う気だ。今週同社はその‘Opera Touch’ブラウザーをiOSに持ち込み、iPhoneのオーナーたちに標準装備のSafariブラウザーに代わるものを提供しようとしている。

このアプリは最初4月にAndroidに登場し、モバイルの上、とくにホームボタンのない大型画面のためにすでに確立されていたパラダイムの多くを踏襲していた。それらは今日の市場では、高級機の標準になりつつある。

iPhone用のOpera Touch(ここでダウンロードできる)は、片手操作用に最適化されているから、iPhone Xや最新のiPhone XS, iPhone XS Max, (今後の)iPhone XRのオーナーはとくに関心を持てるだろう。ユーザーインタフェイスはAndroidアプリと変らず便利で、タブの開閉や検索への切り替え、画面下のメニューバーからの前進後退などができる。ブックマークのもっと全体的な管理ができるといいのだが。

Opera独自の‘Flow’機能も実装されていて、これによりリンクや画像やメモなどを、“安全かつプライベートな”接続でスマートフォンからコンピューター上のOperaに渡せる。

前と同じくOperaブラウザーは広告ブロック内蔵で、暗号通貨採掘の阻止機能もある。あなたのCPUが誰かによって暗号通貨の採掘に使われてしまうのを、防ぐのだ。

全体としてこのブラウザーは、Appleの最新のホームボタンのないデバイスを持っていて、最初からあるSafariブラウザーに代わるものを探していた人なら、試す価値がある。Safariに代わるものと言えばGoogle Chromeもあるが、こいつは最近10周年でデザインを変えた。そのほかに、Mozilla, UC Web, Dolphin, Braveなどのブラウザーもある。

[関連記事: Operaが新しいモバイルブラウザーをローンチ(未訳)]

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Appleは、iPhone XRで3D Touchが失敗であることを認めた

3D Touchを覚えているだろうか? iOSのパワーユーザーでなければ、おそらく知らないだろう。あるいは、知らないほうがいいかもしれない。Appleが2015年に次世代のマルチタッチとして発表したこのテクノロジーが、そうではなかったとわかってからしばらく時間がたった。ほとんどのiPhoneユーザーにとって、それは実際やりたいことを邪魔する厄介者である。

Appleが3D Touchで実現したものは、マルチタッチ世界のショートカットキーだった。またの名をマニア専用の秘密兵器

プロのギークたちはその隠された深みを知ることを無限に楽しみ、高度に精緻化された彼らのワークフローから貴重なマイクロ秒を削った。しかし、それ以外の全員は無視した。

いや、少なくとも無視〈しようと〉した——何か重要なことをしようとしてうっかり3D Touchを起動し、自分のiPhoneが何をしようとしているのかわからず混乱、困惑するまでは。

IT界の長老たちは、Blackberry(覚えてますか?!)が10年前に似たようなことを試みて失敗したことを思い出すかもしれない——可愛くない(かつ、可愛がられなかった)クリッカブルスクリーン付きの、一代限りの変わり者、BlackBerry Storm開封の儀はこちら。

Stormには、BlackBerryの象徴である(クリック可能な)物理的キーボードはなかったが、タッチスクリーン上のQWERTYキーはやはりクリック可能だった。要するに、狂気の沙汰だ。

もちろんAppleの場合、そこまでのつまずきではない。しかし、3D Touchの公開から3年が過ぎ、Appleは自らの失敗を告白した——最新のiPhoneラインアップで、トリオの最安値機種iPhone XRから、この圧力感知テクノロジーを全面的に削除したのだ。

3D Touchをなくすことで、XRの製造コストを削り、おそらくわずかに厚さを減らすことができただろう。しかし、これはAppleが多大な技術的努力を注いだものを、ほとんどのユーザーが使わず、使いたくないことを認識した証と見るべきだろう——本誌のBrian Heaterが言うように、iPhone XRが「一般人のためのiPhone」であることを踏まえれば。

しかし、XRは安物の端末ではない。XRにはAppleの次世代バイオメトリック技術、Face IDなどが採用され、トップの切り欠きの裏には高度なセンサー機器が密集している。

これは、Appleが手を抜いているのではないことを示している。むしろ、iPhoneユーザーが求め、必要としているものに機能を絞ろうとしている。つまり、ほとんどのiPhoneユーザーは3D Touchを必要としていない、というのがクパチーノの明白な計算結果だ。

一方で同社幹部は、今週のイベントでFace IDを絶賛し、このテクノロジーがユーザーの間で絶大の人気であると語った。しかし、同時にiPhoneラインの末端で3D Touchが消えたことは、一言の説明もなく葬り去られた。

2つのテクノロジーを比べてみれば理由は明白だ。

Face IDの人気は驚くに当たらない。見つめることでロック解除するより簡単な方法は思いつかない。

厄介な3D Touchはちょっと違う——タップより強くプレスする必要があり、それは押し込むという感じだ。押し方が足りないとタップとみなされて思っていたのと違うことが起きる。しかし、強く押しすぎるとタッチスクリーンは働いてくれることもあれば無駄におわることもある。

そもそも、機能の有効性自体が疑問だ——たとえば、コンテンツのプレビューは恐ろしく遅いので、単にタップしてメールを見るほうがよい。

3D Touchを巡る困惑とイライラは、ユーザーインターフェース界の「三匹のくま」物語のようだ。うまくいくまで続けられる驚異の忍耐力がない限り、フラストレーションは保証されている。パワーユーザー以外に誰が喜ぶだろうか?

「みんなの」iPhone XRのために、Appleは3D Touchを触覚フィードバック(Haptic Touch)へと代えた——おそらくこれは、iPhone機種間の隙間をスムーズに埋めるためだろう。つまり、デベロッパーが3D Touchを活用して、ユーザーが実際に使いたいアプリ内ショートカットを作っていた、というレアなケースのために。

もし、本誌が予想しているように、iPhone XRが大量に出荷されることになれば、3D TouchのないiOSユーザーがたちまち数百数千万人になる。すなわちAppleは、一時はマルチタッチの未来とまで呼んだテクノロジーを、パワーユーザーのためのアドオン機能へと格下げしようとしている。

プロユーザーはiPhoneへの最大の出費をいとわない人々でもある——つまりiPhone XSまたはXS Mac(3D Touchが搭載ささている、少なくとも今のところ)を喜んで買うだろう。

というわけで、3D Touchは一部の超プレミアムiPhoneを最高峰へとシフトする役にはたっているかもしれないが、パラダイムをシフトすることはありそうにない。

その意味では、マルチタッチを余裕のあるスクリーン領域と組み合わせれば十分だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

このCSSベースのWeb攻撃は、iPhoneをクラッシュ&リスタートさせる

一人のセキュリティー研究者が、あらゆるiPhoneをクラッシュしてリスタートさせる方法を発見した——必要なのはわずかなコードだけだ。

Sabri Haddoucheがツイートしたわずか15行のコードからなる概念実証ウェブページは、そこを訪れたiPhoneまたはiPadをクラッシュして再起動させる。macOSの利用者も、このリンクを開くとSafariがフリーズする。

このコードは、iOSのWebレンダリングエンジンであるWebKitの脆弱性を利用したもので、Apple はこのWebKitをあらゆるアプリやブラウザーで使うことを義務付けている、とHaddoucheはTechCrunchに言った。同氏によると、CSSのbackdrop-filterプロパティーに<div>のようなタグを大量にネスティングすることで、端末のリソースを食い尽くしてカーネルパニックを引き起こすことが可能で、システムはダメージを防ぐために自らシャットダウンして再起動する。

「iOSでHTMLをレンダリングするものは何であれ影響を受ける」と彼は言う。つまり、誰かがFacebookやTwitterにリンクを送ったり、訪れたページにこのコードが入っていたり、誰かがリンクをメールで送ってくれば、被害に遭う可能性があると彼は警告する。

TechCrunchは、最新のiOS 11.4.1でこのコードを試し、iPhoneがクラッシュして再起動することを確認した。セキュリティー会社、MalwarebytesのMacおよびモバイル担当ディレクター、Thomas Reedは、最新のiOS 12ベータでも同じ現象が起きることを確認した。

運がよければ、クラッシュせずにホーム画面がリスタート(リフレッシュ)されるだけのこともある。

興味のある人は、実際にクラッシュを起こすコードを実行することなく、ここでしくみを理解できる。

幸いなことに、このアタックは厄介ではあるものの、悪意あるコードを実行するために利用することはできない。つまり、このアタックを利用してマルウェアが動いたりデータが盗まれることはない。しかし、このアタックを防ぐ簡単な方法は存在しない。罠の仕掛けられたリンクをクリックしたり、そのコードをレンダリングするHTMLメールを開いただけで、あなたのデバイスは即座にクラッシュするかもしれない。

Haddoucheは金曜日(米国時間9/14)にAppleと接触し、現在同社が調査中であると言われた。本誌は広報担当者にコメントを求めたが、すぐに回答はなかった。

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iOS 12のベータ7はバグとクラッシュの報告で中断、再開時期は未定

ベータのソフトウェアには、リスクがつきものだ。そのため企業は通常、それをユーザーのメインのデバイスにインストールすることを勧めない。でも、あえて危険を好むタイプの人びとにとっては、iOS 12の最新ベータが厄介な問題を提示する。

このモバイルオペレーティングシステムの次期バージョンの、7度目のベータに関しては、バグによるパフォーマンスの劣化やフリーズ、クラッシュなどの報告が広まっている。そこで一部の評論家などは、このベータをインストールせずにスキップすることを勧めている。

それは、かなり快調と思われたこの前のビルドに比べると著しい変化だ。問題の報告があまりに多いので、Appleはネットワークからのアップデートを引っ込めたようだ。それはこのベータが始まってからまだ24時間も経っていない時点でだ。すでにこのiOSはベータも終わりに近いと言われていたし、一般公開は(おそらく新しいハードウェアと共に)来月と予想されていただけに、今回の事態は意外だ。

今、ベータ7の再開時期について、Appleに問い合わせている。

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Google、Android Pieにデジタルウェルネス機能を追加へ。Appleを追う

Googleは、見捨てられた最新OSアップデート、Pie(本日公開)にデジタルウェルネス機能を追加したいと思っている。しかし、Appleはすでに最新アップデートのiOS 12に合わせてウェルネス機能の準備を進めている。

デジタルウェルネスとは、ユーザーがデジタル機器に費やした時間を追跡し、必要に応じて遮断するしくみだ。Googleは5月のI/Oカンファレンスで、新しいウェルネス機能がAndroid に導入されることを発表した。デジタルウェルネスのためのダッシュボードに加え、デバイス利用時間の追跡やアプリの使用制限時間を設定するアプリタイマー、ポップアップ通知を停止するDo Not Disturb機能、就寝時には常夜灯を付けてDo Not DisturbモードにするWind Downなどがある。
Appleもデジタルウェルネスに力を入れている。この分野の新機能は、今年の夏にWWDCカンファレンスで発表され、iOS 12アップデートには改善された “Do Not Disturb” 機能が追加された。iOS 12のベータ6は本日公開

>いくつか研究が、スマートフォンの利用中断や、中毒の抑止の重要性を示唆している。Googleはこの新機能でそれを実現しようとしている。しかし、この新しいデジタルウェルネス機能は 今日公開の 最新Pie アップデートにはまだついてこない。

一方Appleも独自の方法でiPhoneユーザーの利用時間を制限するしくみを提供している。Android同様の機能のほか、端末利用の週間レポートも見ることができる。Downtimeと呼ばれる機能を使うと、ユーザーが画面を見ない時間を設定できる(単に端末を置いただけだと通知を見て手に取りたくなってしまう)ほか、アプリの利用時間の制限や、不適切なコンテンツの表示をブロックすることができる。

今のところこの部門ではAppleがリードしているが、最終的にはあらゆるGoogleフォンで利用できるようになるだろう。Androidの新しいデジタルウェルネス機能を詳しく知りたい人は、今すぐ利用できるが、Google Pixelを持っていて、かつベータバージョンに登録している場合だけだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Mozllaがモバイル上のFirefoxをより便利に使うためのアプリLockboxとNotesをTest Pilotでローンチ

MozillaのFirefoxブラウザーのためのテストプログラムTest Pilot for Firefoxは長年、ブラウザーの新しい機能の実験的なアイデアを試行する方法だった。今回、そのテストプログラムがモバイルアプリにも拡張され、それによりiOS用のパスワードマネージャーFirefox Lockboxと、Android用のノート取りアプリNotes by Firefoxがローンチされた。

どちらのアプリもFirefoxの名前が付いているけど、でもそれらはFirefoxブラウザーのエクステンションではなく、Firefoxユーザーの利便性を向上するための単独のアプリだ。データのシンク(同期化)等は、デスクトップやモバイル上のFirefoxのデータに対して行われる。

LockboxはFirefoxにセーブしたパスワードにアクセスでき、それらに対応するアプリ(Twitter、Instagram、等々)を使えるようになる。このアプリをアンロックするには、Face IDやユーザーの指紋を使う。

Firefoxのユーザーでない人にはLockboxの利用価値はないかもしれないが、ユーザーにとってはFirefoxのネイティブのパスワードマネージャーとなり、サードパーティのマネージャーアプリを使わずにすむ。iOS上ではブラウザーの大きなマーケットシェアのないMozillaだが、それでもiOSのユーザーをできるだけ、自分のエコシステムに取り込んでおきたいからね。

Notes by Firefoxは、その名のとおりの仕事をする。それはAndroid用のノート取りアプリであり、ノートは暗号化されて保存され、自分のスマートフォンやブラウザーとシンクする。実はブラウザープラグインとしてのNotesが2017年にTest Pilotの実験でローンチしている。それはHTMLのマークダウンなども書ける本格的なノートだったが、今回のNotes by Firefoxはベーシックな機能のみだ。MicrosoftのOnenoteのようなものを、期待してはいけない。

・関連記事: Firefoxの実験プロジェクトに二つのタブを横並びに表示できる機能が登場、テーマエディターも

画像クレジット: Firefox

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

これがiPhoneアプリの歴代トップだ――App AnnieがApp Store10周年記念レポート

7月11日にiOS App Storeは10周年を迎える。そこで今日(米国時間7/2)、iOSアプリモニター、分析サービスのApp AnnieはiOSアプリ史上で各ジャンルの上トップとなるアプリを発表した。このレポートでは2010年(この年にApp Annieが記録を取り始めた)以降のダンロード数、売上額双方のトップを調べている。同時にApp Storeでの主要な達成や出来事も報告している。

そのためApp Annueの特集はApp Storeの歴史を振り返るのにかっこうのレポートとなっている。App Storeは2010年以降、1700億ダウンロードと1300億ドルの売上を記録している。Appleが不正なアプリの大掃除をした後にもかかわらず、現在のApp Storeには220万種類のアプリが登録されているという。

App Annieはこのレポートでアプリをゲームとそれ以外のジャンルに分けている。 これは2017年の秋にAppleがApp Storeのデザインを大きくアップデートしたときの分類と同じだ。App Annieはこのジャンルをさらにダウンロード数と売上数に分けて調査している。

ゲーム

ダウンロード数でも売上でもClash of Clans〔クラッシュ・オブ・クラン〕、 Candy Crush Saga〔キャンディークラッシュ〕、Honour of Kings〔王者栄耀〕などの名作がランクインしているのは予想どおりだが、Temple RunやAngry Birds〔アングリーバード〕など記憶に残るゲームの一部は売上歴代トップ10に入っていない。売上で歴代1位はClash of Clans、2位は Candy Crushだ(こちらはダウンロード数で歴代1位)。

App Annieはクライアントに配慮する必要があり、ダウンロードや売上の実数をすべて明らかにしていないものの、Candy Crushは、2010年7月から2018年5月までの間に2億8000万回ダウンロードされているという。

売上歴代1位のゲームはClash of Clansで、同時期に全世界で40億ドル以上の売上を記録している。

App Annieはまたトップ・ゲーム・パブリッシャーのリストも作っている。これにはEA(Electronic Arts)、Tencent、Gameloft、Rovio、Glu、Disney、Zynga、King、Supercell
、Activision Blizzard、Bandai Namco、Storm8、Ubisoftなどが含まれている。

ゲーム以外のアプリ

この分野ではFacebookとGoogleのアプリがダウンロード回数で他を圧倒している。

Facebookが歴代1位、Messengerが2位、Instagramが4位、WhatsAppが5位だった。3位はGoogleのYouTube、6位はGoogleマップ、7位がSnapchat、以下、Skype、WeChat 、QQの順となっている

1位Facebookのダウンロード数は2010年7月から2018年5月までの期間で全世界で7億回だった。

しかし売上チャートとなると様相は大きく変わる。ソーシャル・ツールに代わってサブスクリプションやストリーミング・アプリが上位を占めた。Netflixが首位で売上は10億ドル弱、これにSpotify、Pandora、Tencent Video、Tinder、LINE、iQIYI、HBO NOW、Kwai、QQが続いている。

 

このレポートではApp Store自体のランキングとは別に、App Annieが選んだ毎年のトップアプリやApp Storeで起きた重要な出来事を記録している。

たとえば2015年から2017年の間でiOSアプリの売上は倍増し、Google Playでのアプリ売上の伸びを大きく上回った。 とくに100万ドル以上の売上を記録したアプリの数は5年間で3倍近くに増えた。これらのデータはApp Annieが10週年を期に新しく調査を行った結果に基づいている。

ただしデータのとり方について若干の説明が必要な場合が出ている。たとえばアメリカがiOSの単一マーケットとして売上が世界最大だというグラフが採用されているが、ベースとなった期間は2010年7月から2017年12月だ。

しかし現在では中国がアプリのマーケットとして世界最大であり、App Annie自身も2022年までこの地位は揺るがないと推定している。 中国まだ「累計で世界一のマーケット」ではないが、これはスタートが遅れたためだ。アメリカでのアプリ・ダウンロードが累計401億回であるのに対して、中国は早くも399億回とほとんど肩を並べている。また売上累計でも中国は277億ドルとアメリカの360億ドルに急速に追いついている。

レポート全文はApp AnnieのサイトからPDFでダウンロードできる。

画像:TechCrunch

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

これはAppleの次期iPhone用USB-C高速充電器かもしれない

今現在、新しいiPhoneについてくるケーブルは、新しいMacBook Proにドングルなしではつながらない。#donglelifeは現実だ。しかし、もしこのリークが本当なら、その誤りはまもなく正される。

このたび明るみに出た写真は、Apple 18 W USB-C充電器のプロトタイプで、次期iPhoneに同梱されると思われる。もし本当なら、オーナーはiPhoneの高速充電機能を何も買い足すことなく利用できることになる。しかも、iPhoneとMacBook Proを買ってきたままでつなぐこともできる。

この噂は昨年にもあったが、それを裏付ける写真はなかった。

もし本当なら、このアダプターはiPhoneの電源アダプターにとって初めての大変更となる。Appleは長年5Wの充電器をiPhoneに同梱してきた。これは十分役目を果たしているが最高速で充電するために必要な電力は供給できない。仮にこの写真が公式Apple製品ではなかったとしても、Appleが似たようなものを準備している可能性はある。以前のリークでも同じような写真があった。

Appleは高速充電機能をiPhone 8/8 PlusおよびiPhone Xに搭載したが、その能力を利用するために必要な充電器はついてこない。ユーザーはサードパーティー製充電器にするAppleの30W充電器を50ドルで買う必要がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

GoogleのTranslateアプリがインターネット版と同じく機械学習の使用へ(全59言語)

GoogleのTranslateアプリは、iOSでもAndroidでも、現状ではインターネットにアクセスした方がオフラインで使うより結果が断然よろしい。その理由は、オフラインの翻訳は機械翻訳の古いテクニックであるフレーズ(語句)ベースの翻訳であるのに対し、オンラインでは最新の機械学習によるシステムを利用しているからだ。しかしそれが今日(米国時間6/12)から変わり、TranslateアプリではオフラインのNeural Machine Translation(NMT)が59の言語をサポートする。

今日はまだ、少数のユーザーがそのアップデートを体験できるだけだが、数週間以内に全ユーザーに展開される予定だ。

サポートされる言語はとても多くて、自分の好きなのだけ挙げてもしょうがないから、ここではそのすべてをご紹介しよう:

Afrikaans, Albanian, Arabic, Belarusian, Bengali, Bulgarian, Catalan, Chinese, Croatian, Czech, Danish, Dutch, English, Esperanto, Estonian, Filipino, Finnish, French, Galician, Georgian, German, Greek, Gujarati, Haitian, Creole, Hebrew, Hindi, Hungarian, Icelandic, Indonesian, Irish, Italian, Japanese, Kannada, Korean, Latvian, Lithuanian, Macedonian, Malay, Maltese, Marathi, Norwegian, Persian, Polish, Portuguese, Romanian, Russian, Slovak, Slovenian, Spanish, Swahili, Swedish, Tamil, Telugu, Thai, Turkish, Ukrainian, Urdu, Vietnamese and Welsh(アフリカーンス語、アルバニア語、アラビア語、ベラルーシ語、ベンガル語、ブルガリア語、カタルーニャ語、中国語。クロアチア語、チェコ語、デンマーク語、オランダ語、英語、エスペラント語、エストニア語、フィリピン語、フィンランド語、フランス語、ガリシア語、ジョージア語、ドイツ語、ギリシャ語、グジャラート語、ハイチ語、クレオール語、ヘブライ語、ヒンズー語、ハンガリア語、アイスランド語、インドネシア語、アイルランド語 、イタリア語、日本語、カンナダ語、韓国語(朝鮮語)、ラトビア語、リトアニア語、マケドニア語、マレー語、マルタ語、マラーティー語、ノルウェー語、ペルシャ語、ポーランド語、ポルトガル語、ルーマニア語、ロシア語、スロバキア語、スロベニア語、スペイン語、スワヒリ語、スウェーデン語、タミール語、テルグ語、タイ語、トルコ語、ウクライナ語、ウルドゥー語、ベトナム語、ウェールズ語)。

これまでは、ハードウェアの能力の限界などにより、スマートフォンの上でディープラーニングのモデルを動かすことはできなかった。しかし最近のハードウェアとソフトウェアの進歩により、その問題は克服され、またGoogleやMicrosoftなどはモデルを小さく圧縮して使う方法を見つけた。Googleの場合、それは一言語につき30から40メガバイトになる。

なおMicrosoftも今年の初めに、同社のTranslatorアプリに同種の機能を発表した。ただし当面それは、対象言語が1ダースぐらいだ。

画像クレジット: TechCrunch

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Apple WWDC:iOS 12はパフォーマンスが向上がテーマ――旧iPhoneも速くなる

サンノゼで今日(米国時間6/4)スタートしたWWDC 2018イベントで、Craig Federighi上級副社長は「今年リリースされるiOS 12でAppleはパフォーマンスの向上に全力を上げている」と述べた。しかもこのパフォーマンス改善は最新のデバイスだけにとどまらず、2013年以降に発売されたすべてのiOSデバイスに及ぶという。

「現在、iOS 12についてわれわれはあらゆる部分におけるパフォーマンスの向上に向けて努力を倍加している。これによりユーザーが持つ既存のデバイスの能力が一層高くなり反応も速くなる。しかもこの能力向上は顧客が所有するあらゆるデバイスに及ぶ。iOS 12はiOS 11を利用できるすべてのデバイスをサポートする」とFederighiはキーノートで述べた。

旧モデルのiOSデバイスでバッテリー保護のために処理速度を制限していた問題に関連して、Federighiは「Appleは旧モデルのパフォーマンス改善にも努力を集中している」と述べた。iOS 12はこうした旧モデルのパフォーマンスも最大限アップさせるようにするという。FederighiはiPhone 6を例として能力の向上についていくつか数値を挙げた。ただしこの点はまだ開発が初期段階にあるということだ(私はiPhone 6ユーザーなのでここはとりわけ注意深く聞いた)。

iOS 12では旧モデルでも「アプリの立ち上がりが40%速くなり、キーボードの反応も50%向上する。スライド操作で写真を撮影するのは70%速くなる」という。

iPhoneユーザーにもっとも歓迎される改良点は多くの現行モデルのパフォーマンスの最適化だろうという。「パフォーマンスが必要なときにiOS 12はiPhoneに真価を発揮させる」とFederighiは述べた。

「われわれはWiOS 12に大きな負荷をかけてテストしている。こうした状態で共有スプレッドシートは2倍も速く表示され、アプリの立ち上がり速度も2倍になった。これは非常に画期的な改良だ」とFederighiは強調した。

またAppleはiOS 12をチップ開発チームと共同してバッテリー寿命を考慮しながらハードウェアレベルでも最適化しようとしている。つまりユーザーがフルスロットルで長時間iPhoneを動かすとバッテリー寿命に悪影響がある。iOS
12ではパフォーマンスとバッテリー寿命のバランスを考えた最適解が提供される。

「これまではパフォーマンスの向上が必要とされるとき、それに応じてCPUのクロックをアップさせることで対応しようとしてきた。しかしiOS 12では、われわれはもっとスマートな方法を取った。スクロールやりアプリの立ち上げなどでユーザーが処理能力を必要としていることを検知するとプロセッサは即座に最高レベルにパフォーマンスをアップさせるる。しかしそれが終わると即座に通常モードに戻り、バッテリー寿命を延ばす」という。

iOS 12は今年後半にリリースされる予定だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple WWDC開幕:iOSアプリがmacOSで使えるようになる

今日(米国時間6/4)サンノゼのマケナリー・コンベンションセンターでスタートしたWWDC 2018でAppleのソフトウェア・エンジニア担当上級副社長、Craig FederighiはiPhoneアプリをMacに導入する準備をしていることを明らかにした。ただしアプリの統合は一夜にして実現されるわけではないという。Federighiによればこれは数年がかりのプロジェクトとなる。またMacで使えるようになる最初のiOSアプリはApple製となる。

「すでに数百万のiOSアプリが公開されている。 その一部はMacでも素晴らしいアプリになる」とFederighiは述べた。

ただし、AppleはiPhoneとMacのOSを統合しようとしているのではないという点には留意する必要がある。Federighiはキーノートの冒頭で、「両者は今後とも別々のプロダクトだ」と強調した。プロジェクトの最初の段階はネーティブiOSアプリのフレームワークをmacOSに移植することだ。現在アプリの動作のフレームワークとしてmacOSはAppKitを、iOSはUIKitを使っている。そのため異なるOSにアプリをポーティングするには多大の努力が必要だ。Federighiによればアプリ統合の最初のステップはiOSのフレームワークをmacOSに導入し、iOSアプリがデスクトップ環境で正しく作動するようにする。つまりトラックパッド、ウィンドウ・リサイズといった機能がサポートされる。

macOSで動く最初iOSアプリが登場するのは今年後半になる。これには株価、ニュース、ホーム、ボイスメメモなどのアプリが含まれる予定だ。基本的な機能はオリジナルのモバイル・アプリのとおりだが上で述べたようにデスクトップ環境に適合するようアップデートされるはずだ。この部分でフレームワークの移植が重要な意味を持つことになる。

サードパーティーのデベロッパーがこの機能にアクセスできるようになるのは2019年になる見込みだ。まだ詳細についての情報を得ていないが、iOSアプリとmacOSアプリがこのように統合されることになれば向こう何年にもわたってアプリのエコシステムは大きく再活性化されることになるはずだ。

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Apple、iOS 11.4をリリース――iCoudでメッセージをサポート、AirPlay 2をローンチ

今日(米国時間5/29)の午後、AppleはiOSの最新バージョン、11.4を正式にリリースした。 iPhoneおよびiPadをiOS 11.4に更新できる。新しいOSには多数のアップデートが含まれるが、特に注目されるのはiCoudでメッセージがサポートされたこと、 AirPlay 2のローンチと2台のHomePodスピーカーを連携させステレオ再生することが可能になった点だろう。

iCloudでメッセージを同期する機能については1年前のWWDC 2017カンファレンスで予告されていた。AppleはiPhone、iPad、Apple Watch、MacなどすべてのAppleデバイスですべての会話をつねに最新の状態に保つことを目指すとしている。今回の新機能はすべてのメッセージがiCoundに保存され、アクセスできることを意味する。iCoundを設定すれば新しいAppleデバイスからも過去の会話にアクセスすることが可能jだ。またひとつのデバイスでメッセージを削除すると他のすべてのデバイスでも削除される。

iCloudがメッセージをサポートしたことは、すべてのデバイスからすべての過去のメッセージにアクセスできるようになっただけでなく、空き容量の少ないデバイスを使っているユーザーに特に有用だ。

メッセージを多用し、かつすべての会話をデバイスに保存している場合、ファイルのサイズは巨大になりがちだ。メッセージに写真やビデオを添付して共有している場合、何ギガバイトものスペースを占めることがある。新しくリリースされたMessages in iCloud機能を利用すれば、サイズの大きい添付ファイルも含めて、すべてがiCloudに保管され、ローカルデバイスの記憶スペースを大幅に節約できる。その分、アプリや音楽に加えてビデオ、ポッドキャスト、電子書籍などダウンロードできる。

メッセージはセキュリティーの確保のため、エンド・ツー・エンドでは暗号化されている。暗号化キーは個別デバイスのユニーク情報とデバイスの所有者だけが知っているパスコードから生成される。正当な所有者以外はメッセージにアクセスしたりデータを読んだりできない。

iCloudでのメッセージのサポートは昨年夏にiOS 11のベータ版で一時サポートされたが、iOS 11が一般公開される前に外された。その後iOS 11.3のベータ版に再び現れたもの、このときも一般向けバージョンでは公開されなかった。

メッセージのiCloudサポートは今日のiOS 11.4でとうとう正式な機能として実現した。

またiOS 11.4ではAirPlay 2のローンチとHomePodでのステレオ再生のサポートなどメディアとエンターテイメント機能の強化も目立つ。

AirPlay 2では複数の異なるデバイスに異なる音楽やポッドキャストを配信できるようになった。どの部屋にいてもすべての部屋のAirplay対応スピーカーを鳴らすことができる。つまりどの部屋にいてもiOSデバイス、HomePod、 Apple TVで音楽やSiriの答えを聞くことができる。 たとえば、「ヘイSiri、キッチンでジャズを再生して」 と命じておいて別の部屋では別の音楽を再生するといったことが可能だ。

また個別または一斉に再生を開始したりストップしたり、音量を調整したりできるようになった(「ヘイ、Siri、全部のボリュームをアップして」など)

Bang & Olufsen、Bluesound、Bose、Bowers & Wilkins、Denon、Libratone、Marantz、Marshall、Naim、Pioneer、Sonosなど多数のオーディオ・メーカーがAirPlay 2のサポートを発表している。

またHomePodをペアで使用してステレオ再生させることできるようになった。それぞれのHomePodが右チャンネル、左チャンネルを受け持つことになる。HomePodは最適なステレオ再生を実現するため、部屋における位置を含めて他のデバイスの存在を検知し、自動的にバランス調整を行う。

AppleではSonosやBosemなどハイエンドのオーディオ・システムに対抗するためにスピーカーの音質の改良に力を入れてきた。HomePodのステレオ再生サポートもこの線に沿ったものだろう。アシスタントとしてSiriよりAmazon Alexaを好むユーザーはSonos Oneを利用するためHomePodの販売にネガティブな影響を与えていた。

HomePodは現在アメリカ、イギリス、オーストラリア市場向けに販売されているが、6月18日にはカナダ、フランス、ドイツが加わる。

iOS 11.4にはHomePodのカレンダーのサポートも来た。いつものとおり、セキュリティーのアップデート、バグフィックス、パフォーマンスの改良も含まれている。ただしカレンダーのサポートはカナダ、フランス、ドイツでは今年の後半になるもようだ。

iOSのアップデートは設定アプリから一般を開きソフトウェアアップデートから実行する。HomePodのアップデートは自動で行われるが、iOSを最新の状態にアップデートした上で、Homeホームアプリからアップデートすることも可能だ。

〔日本版〕日本版デバイスでもiOS 11.4は公開ずみ。設定アプリからアップデートできる。HomePodの日本発売に関して日本のAppleサイトには公式情報は見当たらない。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoogleのAdvanced Protection ProgramでAppleのiOSアプリが利用可能に

昨年10月、Googleは高度なセキュリティー保護サービス、Advanced Protection Programを提供開始した。Gmail、Google Calendar、Google Drive等のサービスに保存したデータを最高水準で保護することを保証するしくみだ。このプログラムを利用するユーザーは、2段階認証のためにセキュリティーキーを利用しなければならないことに加え、Googleデータをアクセスするためには、Google自身のウェブまたはモバイルアプリを使う必要があった。


このたびGoogleはこの最後の制約を少々緩和して、Appleのメール、カレンダー、及び連絡先のiOSネイティブアプリからも利用できるようにした。Advanced Protection Programを利用しているユーザーは、これらのアプリにもアクセスを許可できるようになった。

「われわれのゴールは、オンライン攻撃を受けるリスクのあるユーザーが誰でもAdvanced Protection Programに参加できるようにすること」とGoogleでこのサービスのプロダクトマネージャーを務めるDario Saliceが言う。「本日われわれは、iOSユーザーのプログラム参加を容易にした。今後も世界中のユーザーにとって使いやすいプログラムになるよう努力を続ける」

プログラムの目的は従来通り、高度な攻撃の被害者になりやすいジャーナリスト、活動家、政治家、ビジネスリーダー等の人々を守ることにある。Appleの純正アプリに対応することで、同サービスがいっそう多くの人たちにとって魅力的になるだろう。要するに、なぜか誰もがGoogle製モバイルアプリを気に入っているわけではない、ということだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

今年の新iPhoneは6.5インチX登場へ――Apple、画面に触れずに操作できる機能も開発中

BloombergがiPhoneの最新の情報を掲載している。これによればAppleはiPhone向けに新しいジェスチャー操作の仕組みを開発しており、従来のタッチ・ジェスチャーに加えて将来はiOSデバイスの画面に指を近づけるだけである種の操作ができるようになる。また今年発表される新しいiPhoneについても予想している。

スティーブ・ジョブズが最初にiPhoneを紹介したとき、タッチ・ジェスチャーという新しいインターフェイスの紹介に多大の時間を使った。 一切圧力を加えなくとも指を画面に触れるだけでデバイスが反応するというのは当時としてはまったく新しい経験だった。スワイプで新しい画面を出すこともできるし、写真の上で複数の指を使えばズームやピンチなどの操作ができる。

iPhone 6SでAppleは3D Touchというデバイスがタッチの圧力を検知する新しい方式を導入した。画面に少し強く触れると写真やメールのプレビューを表示させたり、ショートカット・メニューを開くことができるようになった。iPhoneは何段階の圧力を判別できるので、アイコンを軽く押してプレビューを表示させ、強く押して文書を開かせるなどの操作が可能だ。

Bloombergによれば、次世代のiPhoneは画面に指を近づけただけでに認識されるタッチレス・ジェスチャー機能を搭載するようになる。新機能がいつ導入されるのかは不明だ。作動ソフトにはまだ調整すべき要素が多いらしく、今年発表されるiPhoneにはまだ搭載されないようだ。

Appleは本体がカーブしたiPhoneも実験中だという。ただしこれはSamsung Galaxy S9のスタイルとは異なり、天地がバナナ型に湾曲しているという。

Bloombergはまた今年のiPhoneのラインナップに関して、KGI SecuritiesのAppleアナリスト、郭明池(Ming-Chi Kuo)のレポート(われわれの記事)を紹介している。この情報で間違いないようだ。Appleは3種のプロダクトを準備しており、まずiPhone Xがアップデートされる。新しいiPhoneは現行iPhone Xによく似ているが、LCD画面の採用によりXほど高価ではない。さらにアップデート版iPhone Xの大型タイプが用意される。

この大型Xは6.5インチのOLEDディスプレイを採用するというが、初代iPhoneの画面がわずか3.5インチだったこと考えると驚くべき大きさだ。しかし人々がスマートフォン上で過ごす時間がますます長くなっていることを考えると、こうした大型デバイスにも十分なマーケットがあるのだろう。

画像:Tomohiro Ohsumi/Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

MacOSがついに外付けGPUをサポート

macOSは最新のアップデートで外付けのグラフィクスカードが使えるようになる。Appleはこのことを昨年6月のWWDCで発表したが、ついにそれが実現した。MacのユーザーはThunderbolt 3で接続した外付けグラフィクスカードにより、グラフィクスの処理能力を上げることができる。

これまではAppleからeGPU開発キットを買うか、非公式な方法で外付けグラフィクスカードを使うしかなかったが、後者は問題が起きてもAppleは面倒見てくれない。ふつうの使い方ならパワーアップの必要はないが、VRやゲームなどでは有効だろう。ただしmacOSと互換性のある外付けGPUはそう多くないから、慎重に選ぼう。

この機能はHigh Sierra 10.13.4 Combo Updateから有効になり、このアップデートではMessageにBusiness Chatが加わり、iTunesが新しくなり、SafariではCommand+9でいちばん右のタブへ行けるようになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa