農業IoTのファームノートが産革、JA全農などから5億円調達

酪農・畜産農家向けに牛個体管理センサーの開発などを行うファームノートは3月27日、産業革新機構全国農業協同組合連合会農林中央金庫住友商事を引受先とする第三者割当増資を実施し、総額5億円を調達したと発表した

ファームノートはIoTのちからで農業改革を目指すスタートアップだ。同社は現在、リアルタイムに牛の活動情報を収集できる首輪型ウェアラブルデバイスの「Farmnote Color」、そして取得したデータを管理するクラウド牛群管理システムの「Farmnote」を提供している。

画像:ファームノートWebページより

「Farmnote Color」は牛の首に取り付けるIoTセンサー。これにより、牛の発育状況の変化や病気の兆候などを早期に発見することができる。また、事前に登録したスマートフォンなどのデバイスをFarmnote Colorに近づけることで個体の情報をすぐに調べることも可能だ。同社は取得した情報を人工知能を用いて解析。牛の最適な管理の方法をユーザーに提案している。

そして、Farmnote Colorなどが取得したデータを管理するのが「Farmnote」だ。このシステムでは、スマートフォンやタブレット端末から入力された生産データ、および個体センサーから取得した情報をクラウドに集約。グラフやレポートなどを通して牛の発育状況をリアルタイムに管理することができる。

Farmnoteは大きなアイコンで作業が選べるユーザーインターフェースを採用している。ITリテラシーの低い高齢の農業従事者でも同システムを簡単に使うことができるように工夫した結果だ。同社の売上成長率は過去3年で約30倍と急速な成長を遂げており、これまでに1600の農家がFarmnoteを導入し、約16万頭の牛が同システムにより管理されているという。

これまでもソラコムのSIMカードを利用したシステムを提供してきたファームノートが、比較的新しい通信規格のLoRaWANの導入を進めていることは以前TechCrunch Japanでも紹介した。従来のシステムでは牛舎ごとにゲートウェイを設置する必要があったが、LoRaWANを利用することでゲートウェイなしでも約2キロメートルの農場をカバーすることが可能となっている。

今回調達した資金を利用して、ファームノートは昨年設立した「Farmnote Lab」での研究開発を進める予定としている。さらに、農業生産データの自動収集プラットフォームの「Farmnote Connect」を酪農・畜産以外の農業分野へも拡大していくようだ。

ファームノートは2013年11月設立。同社は2015年8月に約2億円、その翌年の2016年には約3億円の資金調達を実施している。今回の資金調達を含めた累計調達金額は11億円となる。

Alibabaが車向けARダッシュボードメーカーのWayRayに投資

昨年その最初の自動車を発表して以来、Alibaba(阿里巴巴)は自動車業界へ深く入り込みつつある。この中国のインターネットならびに電子商取引の巨獣が、スマートカーテクノロジーの開発企業であるWayRayの1800万ドルに及ぶシリーズBラウンドで、トップ投資家となったことを、WayRayが発表した。

2012年に設立されたWayRayは、ホログラフィックナビゲーションシステムを製造している。その資金調達に関する発表によると、WayRayは前回調達した1000万ドルを既に、運転者が見る道路の視野上に指示や様々な情報を表示するARダッシュボードであるNavionの技術開発のために費やした。同社は消費者が手にすることのできるNavionを、2017年中に出荷する計画だ。

事前に用意されていた発表文書の中で、Alibabaグループのシニア投資ディレクターであるEthan XIeは「拡張現実のような先端技術の開発には巨大な可能性があり、様々な分野への応用、例えば自動車分野におけるWayRayのARナビゲーションのような応用があると信じています。拡張現実の可能性がその分野をエキサイティングで有望な分野にするのです」と述べている。

Alibabaは昨年の夏に、SAIC(上汽集団:中国の4大国有自動車製造会社の1つ)と共同開発したスマートカーRX5のプレオーダーを開始し、自動車業界へのデビューを果たした。RX5はAlibabaのYun OS(雲OS)を使っているが、同社はこの車をIoTエコシステムの一部にすることを狙っている。このエコシステムには同社の他のハードウェアや、Alipayなどのインターネットサービスが含まれている。

しかし、Alibabaのスマートカーには既にいくつかのライバルが現れている。例えばまた別の中国の巨大テクノロジー会社であるLeEchoが「初めての車両移動式エコシステム」として電気自動車のLeSeeを売り込んでいるし、またBaidu(百度)は、また別の中国4大国有自動車製造会社の1つであるBAIC(北汽集団)と共同でスマートカー技術と自動運転車を開発している。

WayRayはまた、AlibabaグループとSAICによるジョイントベンチャーであるBanmaテクノロジーズと提携を行うと発表している。Banmaによって2018年にローンチされるARナビゲーション並びに車内エンターテイメントシステムを開発するためだ。WayRayはこれは「世界初の、車向け量産ホログラフィックARヘッドアップディスプレイだ」と主張している。

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(翻訳:Sako)

全自動衣類折りたたみ機「laundroid」の体験型カフェがオープン(製品デモ動画あり)

全自動衣類折りたたみ機「laundroid(ランドロイド)」を開発する日本のセブンドリーマーズは3月16日、同プロダクトを展示したカフェレストラン「laundroid cafe(ランドロイド・カフェ)」を3月18日よりオープンすると発表した。

ランドロイド・カフェでは、昼にはコーヒーやかき氷、夜には「焼かない焼き肉屋『29ON(ニクオン)』」のディナーを楽しむことができる。営業時間は午前11時から午後11時までで、年中無休(年末年始を除く)で営業予定。カフェの運営は飲食系スタートアップのfavyが手がける(favyは同日、サイバーエージェント・ベンチャーズなどから総額3.3億円を調達したことも併せて発表している)。

カフェには「ランドロイド・ルーム」と呼ばれる体験スペースが併設されており、プロジェクトマッピングを利用して「ランドロイドのある生活」を疑似体験できるようになっている。ランドロイド・ルームの利用には別途予約が必要だが、実際のランドロイドを触って衣類をたたむ様子を体験することができる。

本日開催されたメディア向けオープンイベントに登場したセブンドリーマーズ代表取締役の阪根信一氏は、「ショールームを作って販売するというのが通常の流れだと思うが、ランドロイドを体験しながら食事をするという空間をつくりたかった」とランドロイド・カフェ誕生の背景を語る。

セブンドリーマーズ代表取締役の阪根信一氏

また、ランドロイドカフェの運営を手がけるfavy代表取締役の高梨巧氏は「このレストランでは、日本のスタートアップが開発した機械を使って料理工程を削減している」と語り、テクノロジーと飲食の融合をアピールした。ちなみに、このカフェには店員の呼び出し用にエスキュービズムが提供するIoTデバイス「noodoe(ヌードー)」が採用されている。だから、デバイス好き、スタートアップ・プロダクト好きのTechCrunch Japan読者も楽しめることだろう。

IoT店員呼び出しデバイスの「noodoe」

阪根氏によるランドロイドの製品デモ

今回のオープンイベントで、これまで注目されていたランドロイドの販売価格が明らかとなった。阪根氏によれば、価格は185万円〜(税別)で、5月30日から一般販売が開始されるようだ。

また、セブンドリーマーズは同時に「laundroid購入宣言キャンペーン」を行うことを発表。これは、SNS上で購入意思を表明した後、実際にランドロイド購入すると各種特典がもらえるキャンペーンだ。実施期間は2017年3月16日〜4月30日となっている。

セブンドリーマーズは2011年の創業。同社は2015年6月に15億円をシリーズAで調達している。続いて2016年11月には60億円の資金調達を行っており、同社の累計調達金額は75億円だ。今後の展望について阪根氏は、「今後は他社製品とランドロイドとのコラボも予定しているので、楽しみにして頂きたい」と語り、オープンイベントを締めくくった。

外出先からLINE BOTで戸締まりチェック ― 1000円台で導入できるホームセキュリティ

Amazon Echoが米国を席巻し、日本でもLINEがスマートスピーカー「WAVE」を発表するなど、スマートホームをはじめとするIoT分野の盛り上がりを感じるニュースが増えてきた。

電気をつけっぱなしにしたまま、映画を観ているうちにいつの間にか寝てしまう癖がある僕からすると、Philips Hueなんかは非常に気になるプロダクトの1つだ。でも、スターターセットのAmazon販売価格は1万6800円(記事執筆時点)。安いと言えば安いけど、「便利な電球」と考えると正直すこし躊躇してしまう値段ではある。

ただ、その一方で1000円台で導入可能なIoTプロダクトもある。日本のStroboが2016年12月から正式販売を開始した「leafee mag」もその1つ。このプロダクトはBluetoothでスマートフォンと連携できるスマート窓センサーだ。あらかじめ窓やドアなどに取り付けておけば、スマートフォンでドアの開閉状態を確認することができる。leafee magは本体と専用マグネットがセットで販売されていて、それぞれの端末が10mm以上離れることで「開いている」と認識される仕組みだ。

leafee magの導入に必要なのは本体とスマホだけで、本体サイズも42mm×42mmと小さく、両面テープで様々な場所に簡単に設置することができる。下の写真のように、エアコンに取り付ければ「つけっぱなし防止」にもなる。ちなみに、この用途はプロダクトのテスト中にユーザーが考案したのだそう。

希望小売価格は1980円。leafee magはスタートアップのプロダクトが並ぶAmazonの特設ストア「Amazon Launchpad」にもラインナップされており、Amazonでの販売価格は2138円となっている(記事執筆時点)。導入の容易さ、そして値段の安さが特徴のプロダクトだ。

LINE BOTで外出先でもセンサーの状態を確認

ただ、leafee magはBluetoothでスマホと連携するだけというシンプルな構造上、外出先から戸締まりの状況を確認することができなかった。そこでStroboは3月14日、外出先からでもセンサーデータを監視できるサービス「leafee Premium」をリリースすると発表した。

leafee Premiumでは、自宅などleafee magを取り付ける場所に「leafee Hub」と呼ばれるゲートウェイ端末を設置。端末を介してインターネットに接続することで、外出先からの戸締まりチェックを可能にしている。

これまでは遠隔での監視ができなかったため、leafee magは「自分の不注意を防止する」プロダクトでしかなかった。しかし、今後はドアの開け閉めをリアルタイムで監視することができるため、侵入者の検知なども可能になる。より防犯、ホームセキュリティの要素が強くなったかたちだ。

利用料金とゲートウェイ端末の価格は未定だが、利用料金は月額980〜2000円のレンジ内で利用人数やゲートウェイの数に応じた複数のプランを用意する予定。ゲートウェイ端末については、Strobo代表取締役の業天亮人氏は「1万円を切るくらい」の価格になる予定だとコメントしている。

leafee Premiumの最大の特徴はそのインターフェイスだ。PremiumはMesseging APIを利用したLINEのチャットボットに対応している。あらかじめLINE上でボットを友人に登録しておけば、センサーがドアの開閉を感知するとリアルタイムでLINEに通知が届くようになっている。

ボットに「とじまり」と話しかければ設置されたすべてのセンサーの開閉状況を確認でき、「あいてる?」と話しかければ、その時に開いているセンサーを知らせてくれる。LINEのグループに加入してさえいれば、家族のメンバー全員がセンサーの状態を確認することも可能だ。

インターフェイスとしてLINE BOTを採用した理由について業天氏は、「現状のIoTプロダクトが抱える問題はエントリーポイントが高いことです。プロダクトの価格がまだ高すぎるというのも原因の1つですが、一方でインターフェイスの問題もあります。ユーザーにとって、それぞれのプロダクトごとに違うアプリを使い分けることは難しい。leafee PremiumではLINE BOTをインターフェイスとして利用することで、LINEを使っている人であれば誰でも操作できるようにしたかった」と語る。

ところで、企業がチャットボットを採用するべきかどうかという話題になると決まって、人間とボットとのコミュニケーションがどうのという文脈で話されることが多い。しかし業天氏は、それとは違った視点で、スタートアップがサービスのインターフェイスとしてチャットボットを採用するメリットを教えてくれた。「体力のない小さなスタートアップにとって、あらゆるデバイスに対応するインターフェイスを自前で構築するのは困難です。しかし、LINEを初めとするプラットフォームを利用すればそれも可能になります」。

業天氏によれば、現在ホームセキュリティサービスは国内で150万世帯に普及しており、その数は毎年数十万世帯のペースで成長しているという。この分野の代表格はALSOKやセコムなどのビックプレイヤーが提供するホームサービスだ。しかし、現状多くのホームセキュリティサービスには初期費用で数十万円、月額でも数千円がかかるなど、導入へのハードルは高い。業天氏は「そのようなハイエンドのサービスと、防犯ベルなどのローエンド製品との中間を埋めるプロダクトになればと思います。また、防犯設備が整ってないことで若い女性から敬遠されがちだった賃貸物件のオーナーたちにも、後付けできるホームセキュリティプロダクトとしてアピールしていきたい」と話す。

2015年2月に創業したStroboは、創業当時にEast Venturesからシードマネーを調達している。その後も同社は資金調達を数回行っており、金額は非公開だが、累計調達金額は約1億円程度だと見られる。それらの資金をもとに、同社はこれまでにもスマートベッドの「mikazuki(ミカヅキ)」などのIoTプロダクトを開発してきた。既存プロダクトはメーカーと共同で開発を進めてきたものだったが、「単独で開発から販売まで行う方がスピード感があり、『IoTを一般家庭に普及させる』という私たちのミッションを早く達成できる」(業天氏)という理由から、独自開発へと方針をシフトしたという。その第1弾がleafee magだった。

そして同社は2016年8月、サイバーエージェントが運営するクラウドファンディングプラットフォームのMakuakeでプロジェクトを開始。目標金額30万円のところ、318人から合計約86万円を調達した(その際にはTechCrunch Japanでも取り上げている)。

leafee Premium(およびゲートウェイのleafee Hub)は今年4月から先行公開版をリリースし、年内には正式版の販売を開始する予定だ。

Confluentが$50Mを調達してApache Kafkaの商用化にますます邁進…巨大テク企業の不可欠の構築ベースへ

オープンソースのストリーミングデータベースプロジェクトApache Kafkaの商用サービスを提供しているConfluentが今日(米国時間3/7)、5000万ドルの資金調達を発表した。

そのラウンドはSequoiaがリードし、BenchmarkとIndex Venturesが参加した。SequoiaのMatt Millerが、これを機にConfluentの取締役会に加わる。これで同社の資金調達総額は8000万ドルになる。

Kafkaは一種のメッセージングシステムだが、LinkedInがこれを最初にオリジナルで作ったときは、大量のデータをアプリケーション間、システム間、オンプレミスとクラウドの間などでスムーズに移動することが目的だった。一度にものすごく大量のメッセージを扱えることが、要件とされた。

ConfluentのCEO Jay Krepsによると、LinkedInのチームは、企業内のすべてのデータを、それらがどこにあろうと扱えて、またデータへのアクセスや応答がどこからでもできることを目標とした。“毎日1兆件のメッセージをリアルタイムで処理できるそのシステムをわれわれはオープンソースにして、シリコンバレー全域に普及させた。今の巨大テクノロジー企業の中には、Kafkaを軸として構築されているところが少なくない”、という。

内部システムの中核としてKafkaを使っている企業の例として、Netflix, Uber, Cisco, Goldman Sachsなどが挙げられる。リード投資家SequoiaのMatt Millerは、事前にこれらユーザー企業に聞き取りをして、Confluentの今後の市場が巨大であることを確信した。“Confluentは次の10年でもっともインパクトの大きい企業になりうる、とわれわれは見ている”、と彼は語る。

Confluentには無料のコミュニティエディションもあるが、企業ユーザーの多くは補助的ツールの揃った有料エディションを使いたがる。それらのツールは、複雑な企業内におけるデータフローを管理しモニタするツール、Kafkaのクラスタ上におけるデータフローの最適化と均衡化のために全社的なデータフローを追跡するツールなどだ。さらにConfluentは、いくつかのサポートプランを用意している。

Millerによると、社内の多様なシステムをKafkaを使わずに接続することはできるが、それは効率が悪くて費用も大きい。“多くの企業が、場当たり的な統合化や、時間のかかるバッチ処理でお茶を濁してきた。Kafkaを使えば、もっと安上がりに大量の情報を共有できるし、古いシステムから乳離れしてマイクロサービスへの移行もできる”、と彼は説明する。

大量のデータを扱えてしかもさまざまなシステムと迅速にコミュニケートできるKafkaは、IoTにもすごく向いている。数年後にはIoTが生成するデータが膨大な量になり、しかも企業は、それらのデータを迅速有効に利用するための方法を必要とするのだ。

今度の5000万ドルの使いみちとしてKrepsは、急速に成長している市場への対応能力の完備を挙げる。“この動きの激しい分野で先頭を走っているのだから、今後も先頭を維持しなければならない。順位が下がることは許されない。これからも、このカテゴリーの定義といえばこれ!、と言えるような技術を作り出し、それを世界中の市場に持ち込む必要がある”、と彼は語る。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

QualcommのLTE統合Snapdragon 210がGoogleのIoT OS、Android Thingsをサポートへ

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12月にAndroid Thingsを立ち上げたときGoogleは、そのAndroidベースのIoTオペレーティングシステムのための、ハードウェアパートナーをいくつか発表した。それらは、Intel Edison, NXP Pico, Raspberry Pi 3などだ。当然仲間に加わりたいQualcommは、Googleの発表に対し独自の、率直だけれどちょいと曖昧な応答をリリースした: 題して、“QualcommはAndroid Things OSに関しGoogleと協力して、迅速でスケーラブルでセキュリティにフォーカスしたIoT開発を推進して参りたい”。

と、いうわけでした。

さて、Mobile World Congressが間近に迫った今日このごろ、同社は、やや具体的な意図を明らかにして、そのSnapdragon 210チップが生まれたばかりのIoT OSをサポートし、このプロセッサーに統合されているLTEのサポートにより、ビデオカメラや決済システム、電子看板などのデバイスを動かす力になりたい、と発表した。

このサンディエゴのコンポーネントメーカーは、IoTの消費者的側面をとくに意識しているようで、Google Cast Audioのサポートや家庭用の器具類、スマートアシスタントなどに210チップを持ち込もうとしている。関連して言語処理や画像分析、データ処理などの機能もクラウドではなく、ハードウェア上でサポートする意向だ。

これらのサポートが具体化する今年後半にはこれが、LTE内蔵のプロセッサーが新しいIoT OSをサポートする最初の例になる、とQualcommは考えている。なお、来週のMobile World Congressでは、早くもこれらの技術のデモを行う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ペットの健康管理や給餌ができるスマートごはんサーバ「ハチタマ」、提供元が4000万円の調達

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ペットヘルスケアサービス「hachi tamaハチタマ)」を手がけるペットボードヘルスケアは2月14日、森永製菓、かんしん未来ファンド(運営は第一勧業信用組合)、アクトコール、ゼロワンブースターを引受先とした第三者割当増資、日本政策金融公庫から資本性ローン(挑戦支援資本強化特例制度)による合計4000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回調達した資金によって経営基盤を強化し、ハチタマの展開を推進。また調達先の事業会社が持つ経営リソースをハチタマと組み合わせ、シナジーの創出も狙っていくとしている。

ペットの医療費低減を目的にしたサービス

ペットボードヘルスケアは2015年の創業。代表の堀氏は2社をイグジットさせた経験を持っており、2012年にぺっとぼーどを創業し、ペット事業に参画した。当初は白金と小田原にペットケアサロン「CARE&SPA」を展開することから始まり、その後、テレビ電話によるペットの健康相談サービス「PetBoard.vet」を立ち上げた。

そして、ぺっとぼーどとは別軸でペットのヘルスケアサービスを展開するためにペットボードヘルスケアを創業。現在、ハチタマの開発を行っている。

ここでハチタマの説明をしておこう。ハチタマとはウェブカメラと自動給餌器機能を持つIoTデバイス&スマートフォンアプリ、認定オーガニックフードの定期購買、オンライン相談という3要素で成り立っているペットヘルスケアサービス。

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メインの活用法はIoTデバイスとスマートフォンアプリを連携させ、いつでもどこでもペットの見守りと給餌をすることだ。時間と量をタイマー設定することで、スマートフォンアプリからボタン1つでご飯があげられる。自動給餌は1日4回まで。またウェブカメラを使えば、常にペットの状態をチェックすることができる。

ペットボードヘルスケアはペットの健康維持に役立つ、オーガニックペットフード(オーストラリアオーガニック認定)の定期購入も可能で、定期購入者はアプリを通じて自動発注ができるほか、獣医師やペットの専門家によるオンライン相談(月1回、15分まで無料)が行えるという。

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ハチタマは、2016年10月にTSUTAYAなどを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営するクラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING(グリーンファンディング)」でプロジェクトをスタートさせ、12月にサクセスしたばかり。製品の発送時期は2017年4月を予定している。

このAmazonダッシュボタンはトランプに腹を立てるたびに人権団体に5ドル寄付する

Amazonのダッシュボタンは消費者のビヘイビアをとことんまで利用する、狂気か天才の発明だと思うが、あるプログラマーが、それの、人間がいとも簡単に金を払ってしまう機能の、もっと良い使い方を発想した: ACLUに寄付をするのだ。そのヒントになった彼のある友人はあるとき、怒り狂って、トランプが人間性に悖(もと)るひどいことを言うたびに、それに対する怒りのはけ口が欲しいから、ダッシュボタンで簡単に寄付ができるようにしてほしい、と言った。そこでプログラマーのNathan Pryorは、ボタンの改造に取り組んだ

Pryorが注文したのは、IoT的にカスタマイズできるバージョンのダッシュボタンだ。それが届くのを待つ間彼は、ボタンを押すたびにACLUに5ドルの寄付が行くコードを書いた。寄付をするAPIは既存のAPIの中にないから、そのコードも自分で書き、そして到着したダッシュボタンに実装した。そして最終的に、ねらいどおりに動くようになった。ボタンのグラフィクスのデザインも自分で考えて、洗剤のTide用などと同じく、公式のダッシュボタンに見えるようにした。

そしてこれからは、トランプがツイートするたびに、そのボタンを叩けばやや怒りが和らぎ、しかもちょっとした善行ができる。彼はコードを公開しているから、誰もが同じことをできる。あなたが怒りを我慢できない人で、多少技術力があり、そしてトランプの言うことがいつも頭にきている人ならね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

牛の個体管理や橋梁センサーにも―、ソラコムが低消費電力IoTに新技術を採用

3G/LTEの通信サービスのクラウド化を推し進めてきた通信系スタートアップのソラコムが今日、新たにLoRaWAN(ローラワン)対応のゲートウェイとモジュール製品の販売を開始すると発表した。これまで実装が難しかったシーンでのIoT利用が広がりそうだ。

  1. lora_gateway

    ゲートウェイ
  2. lora_device

    LoRaデバイス

「ローラワン」といっても聞き慣れない人が大半だろう。それもそのはずで、まだまだ新しい通信規格だからだ。LoRaWANはLPWAN(Low Power WAN:省電力WAN)と呼ばれるジャンルの無線規格の1つだ。広域通信としてはすでにケータイ網があって、ソラコムもSIMカードと対応プラットフォームのSORACOM Airを提供しているわけだが、ここに新たに消費電力が小さいLoRaWANが加わる形だ。

通信規格は到達範囲によって、PAN(Personal:近接)、LAN(Local:近距離)、WAN(Wide area:広域)などと区分される。無線でいえば、それぞれBluetooth、WiFi、LTEが代表的だ。Bluetoothの省電力版であるBLEが「低消費電力のPAN」としてIoT領域で活用されているのはご存じのとおり。スマホなどを母艦としてガジェットやセンサーをBLE(Bluetooth Low Energy)でぶら下げて、上流のインターネットへ中継するというやり方だ。これに対してLoRaWANは「低消費電力のWAN」(LPWAN)という、いま注目の領域の無線通信技術の1つだ。

LoRaWANは近接通信のBluetoothはもとより、WiFiなどと比べても伝送距離が圧倒的に長く、障害物がなければ最大10キロメートル程度まで到達するという。LoRaWANはゲートウェイとなる端末に多数のノードがぶら下がる形となるが、1つゲートウェイを置けば半径数キロという面を一気にカバーできるわけだ。

半径数キロといっても、すでにセルラーネットワークなら日本全国ほとんどカバーしてるじゃないかと思う読者もいるだろう。IoT領域で考えたときのセルラーネットワークとLoRaWANを使う違いは、ノードあたりの単価が安くなることや、バッテリー交換の頻度を低く抑えられる点が挙げられる。たとえば、1日に1度だけ少量のセンサーデータをアップロードする程度の話であれば、3G通信はオーバースペックだ。LoRaWANは低速・低消費電力というのが特徴で、乾電池でも数年は稼働するという。

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もう1つのLoRaWANのメリットは、各事業者や個人がネットワークを「自営」できる点。LoRaWANが使用する920MHz帯は「ISMバンド」と呼ばれる免許不要の周波数帯域で、誰でも電波を飛ばすことができる。3G無線が到達しない場所に自分でゲートウェイを設置することで、例えば山の中の橋梁や、ビルの地下にセンサーを設置するといったことがやりやすくなる。

ソラコムではこれまで、LoRaWANの実証実験導入のためのPoCキットを提供してきたが、今日からゲートウェイを月額3万9800円(端末料金は6万9800円)、Arduinoベースのノードモジュールを1台7980円で提供する。この月額3万9800円にはLoRaゲートウェイのセルラー通信利用料、「SORACOM」プラットフォーム利用料(Soracom Beam/Funnle/Harvest)が含まれているという。つまり、LoRaWANゲートウェイとモジュールを必要数導入すれば、センサーから吸い上げたデータをクラウド上で扱えるというわけだ。以下が、ソラコムが公開したユースケース別の月額通信費の目安だ。

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ゲートウェイを「共有」すれば月額料金は4分の1に

LPWANには他にもたくさん規格がある。ソラコム共同創業者の玉川憲CEOがTechCrunch Japanに語ったところによれば、LoRaWAN以外にも「NB-IoTやSIGFOXにも注目しています」という。「それぞれ一長一短がありますが、LoRaWANは協業してやっていけるところが良い」という。

LoRaWANはゲートウェイ機器を各所に設置していく形になるが、このとき「自営ゲートウェイ」の所有者は、他の開発者にもゲートウェイを共有することができる。いわば相乗りだ。特に試しに使ってみたいという開発者や事業者にとって、すでに導入しているゲートウェイを利用させてもらえるメリットは大きいだろう。そこでソラコムでは今回、自営ネットワークを他者と共有する「共有サービスモデル」を開始する。

soracom_lorwan_private_sharedゲートウェイは出荷状態ではプライベート利用のみ可能な「所有モデル」だが、これを他の人と共有して、設置場所を知らせ合う「SORACOM Space」に参加することができる。ゲートウェイを共有し、設置場所を登録することで、ゲートウェイの初期費用は6万9800円が2万4800円に下がり、3万9800円月額利用料も9800円にまで下がる。共有モデルでは月額利用料が4分の1ほどにまで下がる計算だ。

今でこそ「シェアリングエコノミー」という言葉が流行しているが、インターネットはもともと通信ネットワークも中継サーバーもシェアする形で繋がってきた歴史がある。異なるネットワークを結んだ「インター」なネットワークとして発展したのが「インターネット」。同様にLoRaWANも多くの参加者が自営ネットワークをシェアすることで、特定地域をまるっとカバーしてしまうネットワークが出現する可能性もある。「The Things Network」というLoRaWANプロジェクトは、まさにそうしたアプローチで市街地をカバーしようという試みだ。ソラコムの玉川CEOも以下のようにコメントしている。

「LoRaを使うのは位置情報やセンサー情報を送るだけというようなサービスが多く、ゲートウェイ(の帯域)が一杯になることはまずありません。デメリットがほとんどないので、アーリーアダプターやコミュニティーの方は、かなり高い確率で共有モデルを選択していただけると思っています。これは、どちらかというとインターネットを作っている気分です」

農業スタートアップのファームノートは、これまでにもソラコムのSIMカードを使ったシステムを提供してきたが、すでにLoRaWANの導入を始めているという。帯広の酪農家が管理する牛の1頭1頭にセンサーを付けて疾病や発情を管理する、という実証実験だ。これまでBluetoothを使っていたときには牛舎ごとにゲートウェイが必要だったものが、LoRaWANでは集約できて約2キロメートルの農場をカバーできたという。

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Alphabet傘下のスマートホームブランドNest、欧州4カ国へ販路を拡大

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AmazonAppleといった企業がスマートホーム用のアプリ、ハブ、デバイスの準備を進める中、Googleも同分野での取り組みの”温度”を上げている。Googleが数年前に32億ドルで買収したスマートホーム企業のNestは、現在ミュンヘンで行われているDLDで、新たに4ヶ国(ドイツ、オーストリア、イタリア、スペイン)で同社のサーモスタット、セキュリティカメラ、火災警報器の販売を開始すると発表した。

それぞれの税込小売価格は、Nest Learning Thermostat(サーモスタット)が249ユーロ、Nest Protect(煙・一酸化炭素を感知する火災警報器)が119ユーロ、Nest Cam Indoor(屋内用セキュリティカメラ)とNest Cam Outdoor(屋外用セキュリティカメラ)が199ユーロとなっている。本日からプレオーダーがはじまり、出荷時期は2月中旬になると同社は話す。

Nestは長らく販売地域の拡大を狙っていた。同社のスマートサーモスタットやセキュリティカメラ、火災報知器は既に約190ヶ国で使われているものの、これまで同社は7ヶ国でしか正式に販売・サポートを行っていなかったのだ(さらにこの7ヶ国への進出にも時間がかかっており、直近の進出先であるヨーロッパの数か国での販売開始は2014年9月のことだった)。

Nestでヨーロッパ担当ジェネラルマネージャーを務めるLionel Pailletは、販売地域拡大の遅れの原因は、Googleによる買収に関連した論争や疑惑のせいではなく、意図的なものだと説明する。

(この話には少し背景がある。AmazonのEchoに対抗して、GoogleはGoogle Homeというスマートホームハブの開発を自社で進めていたため、Googleの傘下に入ったNestの将来に関する議論が巻き起こっていたのだ。最近の話で言えば、ドイツの活動家がNestを標的として、Googleのプライバシーポリシーを非難する内容のなりすましサイトを公開していた。その後、Googleが法的措置をちらつかせたことで、同サイトは取り下げられた)

「事業のスケールに関する計画を立てるのに時間がかかったため、結果的にローンチのタイミングも遅くなってしまいました」とPailletはインタビューの中で語った。「全ての製品を一斉にさまざまな地域でローンチし、あとは運任せというやり方の企業とは違い、私たちは細かな戦略を練っていました。例えばイギリスとオランダへの進出も数年がかりでしたが、結果的に製品は飛ぶように売れ、世界中の何百万という世帯で使われており、前年比で50%の成長を記録しています。スマートホームはまだ新しいコンセプトのため、私たちは新しい市場へ進出する前にしっかりと基礎を作っておきたかったんです」

一方で今後の進出先に関するロードマップの詳細は不明で、アジアでの正式ローンチがいつになるかもわかっていない。

Nestの共同ファウンダーで製品部門のトップを務めるMatt Rogersは、スマートホームが一般に普及し一元化するまでには、まだ「3〜5年」かかるだろうと話していた。

今回発表された4ヶ国での販売開始までに、Nestがクリアしなければならなった課題のひとつが、プロダクトのローカライズだ。例えばドイツであれば、音声機能がきちんとドイツ語に対応しているかはもちろん、ハード面でも国の基準に則っているか確認が必要だった。Rogersによれば、同社は火災報知器に使われるネジをテストし、ドイツの家の天井によく使われる材質に合うように調整しなければならなかった。というのも、ドイツではこのような製品を壁に取り付けることが禁じられているのだ。

もともとNestで働いていたスタッフの一部は、昨年Googleに移って同社のIoTプラットフォームの開発にあたっているほか、共同ファウンダーのTony FadellもNestを去ってしまった。しかしPailletは、Nestを今後もビジネスとして成長させ続けていくと話す。さらに彼は、過去2年間で2万6000人ものディベロッパーがNestのAPIを利用しており、Nestを消滅させる計画もないと語った。「市況はNestブランドにとって良い状態にあると思います」と彼は話す。

ここでひとつ重要な点は、GoogleはNestのプロダクトを(Google HomeであれAmazonのEchoであれ)どんなホームハブにも接続できる機器として開発してきたということだ。この点に関しPailletは「消費者に選択肢を与えるのが狙いです」と話す。さらにRogersは、Nestが接続しているハブの中で最も人気があるのはAmazonのEchoだと付け加えた。現在のところEchoが圧倒的人気を誇っていることを考えると、これは当然の結果だといえる。

また、前回販売地域を拡大したときと同じように、今回もそれぞれの国におけるパートナー企業が発表された。ドイツとオーストリアでは、Nest Protect、Nest Cam Indoor、Nest Cam Outdoorの3製品がAmazon、Media Markt、Conrad経由で販売され、Nest Learning Thermostatも別途今年中の販売開始を予定している。

イタリアでは、Amazon、Media World、ePriceにて、Nest Learning Thermostat、Nest Cam Indoor、Nest Cam Outdoorのプレオーダーが開始される。

スペインでは、Amazon、Media Markt、El Corte Inglésにて、Nest Learning Thermostat、Nest Cam Indoor、Nest Cam Outdoorのプレオーダーが本日から開始される。

ほかにも取り付けサービスを提供するパートナー企業として、Baxi(スペイン)、Engie ItalyとWind Tre(イタリア)、Generali Group傘下のCosmosDirekt(ドイツ)の名前が挙げられた。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

Knockiはどんな壁もスイッチに変えてしまうデバイス

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2人のソフトウェア開発者、子供、そして電気のスイッチをミックスすると、Knockiができあがる。壁やテーブルの下につけることができる、小さくて賢いデバイスだ。表面をタップすることでイベントを開始することができる ― 電気をつける、スピーカーをミュートするなどのイベントだ。しかも、このデバイスは驚くほど小さいので目立たない。ファウンダーはOhad NexerとJake Boshernitzanで、2人ともテキサス州ヒューストン出身だ。

「親戚同士の集まりでKnockiのアイデアが浮かびました。電気を消そうとしていた子供がいて、その子はスイッチに手を伸ばすために箱を何個も重ねていましたが、それでも手が届きませんでした」とBoshernitzanは話す。「私たちは”壁全体がボタンだったらどうだろう?”と自問してみました。その瞬間にアイデアがひらめいたのです」。

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Knockiが目指すのは、生活をシンプルにすることだ。Boshernitzanによれば、自由に身動きが取れない人や、言葉になまりがあってボイスコントロールが上手く使えない人にとってKnockiはもってこいのデバイスだという。「ものをコントロールする技術は、なぜどれも複雑に感じてしまうものばかりなのでしょうか?」と彼は言う。

Knockiはほとんどのスマートフォンによる操作に対応している。イベントを開始するタップの設定も自由自在だ ― ダブル・タップでイベント開始など。例えば、ケータイが見当たらないときに、Knockiを4回タップすることで自分のケータイに電話をするように設定することもできる。

彼らはいま事前予約を受付中で、プロダクトの出荷は2017年の第2四半期になる予定だ。Indiegogoでの価格は79ドルで、これまでに2万件の事前予約を獲得している。

Knockiは、CES内で開催中のHardware Battlefieldに「参加者が選ぶ特別出場枠」として出場している。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Chip ProはIoTガジェット製作を容易にする16ドルのコンピューター

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さてあなたが音声認識対応で、AIも内蔵、バズワードてんこ盛りの次世代ガジェットを作成したいとしよう。最初にする必要があるのは、プラットフォームの選定だ。Arduinoだとパワー不足だ。Raspberry Piはプロトタイプのためには素晴らしいが、Piから実プロダクトへ辿り着くためには多くのステップが必要だ。Next ThingChip ProはIoTクリエイターのために、そうしたギャップをスマート開発キットを使って埋める手伝いをしてくれる。

操作の心臓と脳は大量生産のためのより大きな回路基板に容易に機械で配置可能であるチップのプロです。

この動作に心臓と脳を与えるのがChip Proだ、これは大量生産のためにより大きな回路基板に機械配置が可能なものである。

開発キットは、アプリケーションを構築するために必要なコアチップと、チップのすべての機能を発揮させることのできるやや大きな開発ボードを巧みに組み合わせたものだ。ここでのアイデアは、開発ボード(USBホストポート、電源コントローラ、バッテリとメイン電源ソケット、オーディオジャック、1対のマイク、サーボコントローラー、LEDなどが搭載されている)を利用して、製品のプロトタイプとビルドを素早く行うというものだ。動作するプロダクトができたら、チップをデバッグボードから外して、独自のプロダクト作りをそこから始めることができる。

Chip Proで開発されたプロジェクト例の1つは、インターネット対応のレコードプレーヤーTrntblだ、現在プレオーダーを425ドルで受付中である。それは普通のレコードプレーヤーだが、開発チームが1つIoTマジックを付け加えた:あなたのDJテクニックをそのままSpotifyを通して世界に配信することができるのだ。有用かって?さあね。驚くかって?もちろん。

「この1年のコミュニティよるプロジェクトの創造結果を見れば、ガジェットルネッサンスが今起きていることがわかります」こう語るのはNext Thing社のCEOで共同創業者のDave Rauchwerkだ。彼が言及したコミュニティとは、同社の以前の製品である9ドルのチップを使って既に開発を行っている6万人の人びとを指している。 「私たちの製品で人々が構築しているもの全てを目にすることにとても興奮しています。ヒットガジェットを発明している人たちもいます、例えば、スマートホーム機器、ロボット、AI搭載オーディオ、子供のおもちゃや、そして車載インフォテインメントシステムなどです」。

devのボードに置かれたとき、迅速にプロトタイピングは、はるかに容易になります。

チップを開発ボードに置けば、ラピッドプロトタイピングは遥かに容易になる

Chip Proが見せる本当の魔法は、それが予測可能な安定性を持っていることだ。同社は、メイカーにとっての大きなサプライチェーンの課題を肩代わりし、組み立ててテストをする前のChip Proを構成する100個以上の部品の調達を行う。同社の価格設定も極めてシンプルなものである:1ユニットあたり16ドル。注文が1個でも100万個でも関係ない;コストは16ドルなのだ。過去にエレクトロニクスの大量生産を行った者として、これだけは言わせて欲しい:自分のときにこれがあって欲しかった。これは大量生産を本当に楽にしてくれたことだろう。

同社は2013年にOTTOという名のハッキング可能なGIFカメラのKickstarterから始まった。その過程でチームは興味深いいくつかの課題に出会い、彼らに、メイカーたちにはシンプルで低コストなプラットフォームの需要があることを気付かせた。このプロダクトも、Kickstarterで暖かい歓迎を受け、約40,000人の支援者たちから200万ドル以上を調達した。

現行世代のChip Proが、次世代のガジェットの発明者に対して与える影響を見るのが本当に待ちきれない。

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(翻訳:Sako)

インソールを作っているDigitsoleから本格的なネット接続型スニーカー、靴底の各部にかかる圧力をチェックする

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Digitsoleといえば、誰もが知っているのがあの、インターネットに接続される加温式のインソールだ。今年のCESで同社は、靴用のインナーの専門家として、とても意欲的な製品を披露した。今回の製品はインナーではなくて、靴そのものだ。

名前は“The Active Cushioning Run Profiler”となっていて、とてもAir Jordanと張り合うつもりの製品ではなさそうだ。実物はまだ見てないが、最高にセクシーなスニーカー、というわけでもない。

でもそんなことは、この製品にとってどうでもよいことだ。靴本体を発売するのも、今回が初めてではなく、過去のCESでは、自動靴紐結びタイプの、異様にかさばったスニーカーを出品したこともある。本気で売る気を見せているのは、今回が初めてだと思うが、発売予定は“年内”、という漠然とした発表だ。

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機能はとても多くて、靴底各部のクッション性を調節できるから、ユーザーはそれらを自分がいちばん走りやすいように設定できるし、衝撃による傷害も防げる。やりすぎ、という気もするが、同社は、これは三年がかりの開発努力の成果だ、と言っている:

NeoTechのマイクロセルポリマーを採用して、中底の場所によって硬度を変えられる。そのために必要なエネルギーは、ごくわずかだ。

‘場所によって’というのは、足の裏を5つのゾーンに分割してそれぞれに圧力センサーを置き、それらに加わる力を検出する。CESの会場で現物デモをやるはずだから、そこでは、具体的にもっとよく分かるだろう。

走ったスピード、距離、歩数、消費カロリーなど、フィットネスの標準的なメニューもある。また疲労を自動的に検出するから、練習のしすぎを防止できる。

さらにもっと凝っているのは(上記だけでも十分に凝っているが)、アプリに音声によるコーチ機能があることだ。フィットネス用のヘッドフォーンにもそんな機能があるが、とにかくスマートフォンをわざわざ取り出さなくても、エクササイズのヒントとか、いろんな情報を音声で教えてもらえる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

5G通信で変容する世界に備えよ

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【編集部注】著者のTom Goodwin氏はZenith Mediaの技術革新担当上級副社長である。

私たちは、新しい、よりシンプルな世界の入り口にいるのかもしれない。

現代の「複雑さのピーク」から、その新しい時代は社会の変化の1歩を踏み出すのだ。それは発展途上世界に競争力を与えながら、成長のためのプラットフォームを構築する。

先月Huaweiが開催したモバイルブロードバンドイベントに参加して、私は5Gの未来がどのようなものかを垣間見た。超高速、常時接続、生活はよりシンプルになる。自動化されたインテリジェンスとセンサーを備えた環境に囲まれた、データとコラボレーションに基づく世界は、ビジネスを創造し、教育し、生活をより効率的にするためのキャンバスになる。

技術の進化は、多くの場合、真の基準ではなく想像できる基準に基づいている。

私たちはしばしば、技術が可能にする行動や事業、そして技術が変える期待よりも、技術そのものに焦点を当てている。あまりにもしばしば、新しい考え方や技術が真のパラダイムの飛躍を生み出す前に、私たちは1つのソリューションに押し込まれてしまっている。それが例えば、音楽の真の「ゲームチェンジャー」である購読ベースのストリーミングが出現する以前に、レコード、カセット、CD、MP3が登場し、その当時は妥当な手段に見えた理由なのだ。

インターネットはダイヤルアップの時代には十分過ぎるように思えた。私たちは可能ではなかったものではなく、可能だったものに驚いていた。期待されていなかったので、画像や動画がすぐに読み込まれなくても焦れることもなかった。ブロードバンドインターネットがそれを変えた。私たちがオンラインに行くのではなく、私たちオンラインだったのだ。

次の変化が訪れようとしている。それが5Gだ。

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3Gは私たちが、あらゆるもの、あらゆる場所に、迅速にアクセスできることを意味していた。自撮り、音声放送、マイクロブロギングはすべて、迅速かつ一定なデータ転送によって可能になった。2005年の時点で、世界中の特に好きでもない人がランチに何を食べたかを知らずにどのように眠りについていたかは想像が難しい。Uber、WhatsApp、Instagram、およびSeamlessなどのビジネスを可能にしたのは、この、特にGPS対応携帯電話からの、データ転送環境だった。

4Gはウェブの基本単位をビデオにした。それがSnapchat Stories、Periscope、Facebook Liveをもたらした。動画を作る力が皆の手に宿った。

クラウドファンディングや公開無料のビデオプラットフォームが、皆にグローバルなチャンスを与えた。これにより、360度のビデオと基本的なバーチャルリアリティがもたらされ、触感と没入感を感じるコンテンツへの進出がもたらされた。

4Gのより深い影響は、それが忍耐力と放置感覚を葬ったということだ。デートはTinderによる淡々としたスワイプの行為になった;ホテルの予約はHotel Tonightで希望を入れるだけでになった;そして親指で押すだけで、衣服を購入したり銀行口座にアクセスしたりできる。4Gは、シームレスで、即時で、そして摩擦のない取引を私たちに与えた。彼らは、個人的かつ豊かな感触を持つインターフェイスとインタラクションを通じて提供される。

しかし、人類はその帯域幅と同じ速度では進んでいない。まもなく、私たちは携帯電話に4Kのコンテンツを期待し、それを大きなテレビ画面に「スワイプ」(横滑りさせて映し出すこと)できることを期待するようになるだろう。この環境では、セットトップボックス、テレビチャンネル、またはデジタルビデオレコーダーはどのようなものになるのだろうか?

同様に、膨大なデータ処理システムは、インターネットが日常生活の基幹となることを意味する。濃密な個人情報はAIと組み合わせることで予測的なものとなる。IM、Google Now、Siri、Alexaを介してアクセスされるアプリのネットワークが私たちが必要とするものを予測し、私たちの欲しいものを知らせる。それはかつて私たちがそう呼んでいた「サーフ」する場所ではなく、広大で、包含的で、支援的なレイヤーなのだ。

5G記号

これに対応するために、端末メーカーは、他のサービスとパートナーシップを構築できるように、プラットフォームとデータをオープンする必要がある。私たちの携帯電話は、私たちが想像する以上に重要になってきているが、彼らはすぐに私たちの生活の中心をさらに占めるようになる。財布からセキュリティパス、ビザ、パスポートまで、私たちの携帯電話は、2000年代に約束されていたホームサーバーのような、デジタルライフサイクルの中心になる。

すべてのビジネスが、このことについて考える必要がある。Mコマース(モバイルコマース)は孤立したユースケースではなく、消費する際の主要な手段である。それは思考の転換を必要とする。私たちはメディアがどのように人びとの生活に関連しているのかに対する、私たち自身の理解をリセットしなければならない。私たちの周りにあるスクリーンは、意味を生み出すためのプラットフォームになる。5Gになれば、コネクテッドカーや真の仮想世界のような、今姿を現し始めている技術が誰にとっても当たり前のものになるだろう。

私たちは私たちに開かれている沢山の新しいチャンネルによって生み出された驚くべき機会を、どのように活用すべきかを検討する必要がある。これまで私たちはメディアチャネルを特定のデバイスに結びつけていた。しかし、これは全てがデジタル接続されクラウドに保存されている世界では意味を失い始めている。また、このことはブランドが、私たちの生活に変容をもたらす、もたらすはずである、ということも意味している。

それぞれの消費者のために、ブランドは異なる意味を届ける。ブランドは消費者に最も深く共鳴する意味を特定するために、消費者の願望と思考に深く入り込む必要がある。これらの洞察に基づくつながりは、より深い関与、信頼、そして欲求をもたらし、消費者との関係を強化するのに役立つだろう。

5Gの立ち上げ時には、デバイスを介して消費者とつながる方法や、交流方法を見つけることが、ブランド、起業家、イノベーターの主要な目的になる。 5G接続とIoTが本当に実現することは、サービス、パートナーシップ、およびビジネスを構築するためのプラットフォームを構築することである。

この旅は私たちを、モバイルがすべての世界から、新しいプラットフォームの相互接続されたウェブを介して意味のある関係を作り上げることが大切な世界へと連れていくことだろう。

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(翻訳:Sako)

「Alexa、犯人は誰だ?」あるAmazon Echoが刑事事件の証拠を握っているかもしれない

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インターネットに接続されたデバイスが、刑事事件の捜査を助け始めるかもしれない。The Informationで最初に報告されたように 、アーカンソー州ベントンビルの警察は、殺人の容疑者の起訴に役立てるために、Echoからのデータ引き渡しを求める令状をAmazonに対し発行した。

本件の容疑者であるJames Andrew Batesは、2015年11月当局によって被害者Victor CollinsがBatesの家のバスタブの中で首を絞められ溺死しているのが発見されたあと、第1級殺人で起訴された。

Batesが警察に対して語ったことによれば、彼はCollinsと更に2人の友人Owen McDonaldとSean Henryを自宅に招きフットボールを観戦した後、深夜1時頃もう寝ると告げて、そのときまだ居残ってバスタブの中で飲酒していた被害者とMcDonaldを残して寝室へ行った。

Batesの宣誓供述書によると、数時間後に彼が目が覚めたときに、Collinsが顔を水に伏せているのを発見した。しかし、McDonaldは深夜12時半頃にはBatesとCollinsを残して立ち去ったと話しており、これはMcDonaldの妻によっても証言されている。

電話の記録によると、Batesは一晩中とある女性にSMSを送り続けており、また同時に何度も彼の父親や友人たち(McDonaldを含む)そしてFlying Fishというレストランに電話を掛けている。いずれの通話も実際には通じておらず、Batesは警察に対して、それらは偶然発信されてしまったもの(accidental butt dials)だと語った。

Batesは自宅にNestサーモスタットやHoneywell警報システムを含むいくつかのインターネット接続機器を設置しているが、事件の主な目撃者はThe Informationが伝える通り彼のAmazon Echoかもしれない。警察の記録によれば一晩中EchoのアシスタントであるAlexaを使ってワイヤレスで音楽を流すことに使われていたのだ。

しかし、警察がどのくらいのデータをデバイスから抽出できるか、あるいはそのデータがこのケースでどのくらい役に立つかは不明だ。Alexaは常に7つの内蔵マイクシステムを聴いているが、天気を尋ねたり音楽を選ばせたりするコマンドを送るために、まず「ウェイクワード」(目覚めの言葉)が話されるのを待っている。デバイスはまた聞き取った音声をクラウドへストリーミングしている、ウェイクワードを聞く直前の短い音声も含めて。

裁判所の記録によれば、Amazonはこれまでのところ情報を引き渡すことを拒否しており、「Amazonは法の拡大解釈や、当然のことながら不適切な要求には反対します」と述べ、「有効で拘束力のある法的要求が適切に提供されない限り」顧客情報を公開しないと言っている。

ともあれ、警察はBatesの家からEchoを持ち去ったが、その夜に何が起こったかについてのより良い手がかりを与える可能性のあるデバイスは、家庭のスマートウォーターデバイスかもしれない。The Informationによれば、裁判所の記録として、Batesの自宅では、問題の夜に午前1時から午前3時までに140ガロン(約530リットル)の水が流されている。

しかし、この事案におけるポイントは、これらのIoTデバイスを私たちに対して、どれほど合法的に利用するすることができるのかというところである。これはその種のもので初めてのケースであり、将来的にはこれらのタイプの照会が増えることは確実である。

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(翻訳:Sako)

野菜の栽培に最適な土壌を整えるー、農業IoT「ゼロアグリ」が4億円を調達

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美味しい野菜を多く収穫しようと思うなら、気温や湿度、土壌環境を知り尽くし、毎日作物に最適な水と肥料が行き渡るように調整しなければならない。水や肥料は多すぎても、少なすぎても品質の良い野菜は実らず、最適なバランスを習得するには何十年もの経験が必要だ。農家の負担を減らすため、ルートレック・ネットワークスはIoTとアルゴリズムで最適な水分と肥料を自動で計算し、農場への供給を可能にするシステム「ゼロアグリ」を開発している。本日ルートレック・ネットワークスはグロービス・キャピタル・パートナーズ、エッジキャピタル、テックアクセルベンチャーズ、オイシックスより総額4億円の資金調達を実施したことを発表した。

「ゼロアグリ」は養液土耕栽培で用いることができる、かん水と施肥の自動化システムだ。養液土耕栽培とは、ビニールハウス内で地表か地面の中に点滴チューブを設置し、そこから必要な水と肥料を作物に与えて育てる方法を指す。

これまで農家は与える水と肥料の量を経験と勘に頼って決めていたとルートレック・ネットワークスの代表取締役、佐々木伸一氏は話す。「農家ではその日の温度や湿度、作物の育ち具合などを確かめ、与えるべき水や肥料の量を調整していました。彼らの体自体がセンサーになっているのです」。水やりの作業だけでも数時間かかるが、与える水の量を決めるために作物の状態を見て回ったり、外の気温や湿度を確かめる手間も多くかかっているという。

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ゼロアグリは、農地に設置する日射センサー、土壌センサー、温湿度センサー、そして農地に水と肥料を与える液肥タンクと連携している。ゼロアグリはセンサーのデータを元に自動で液肥タンクを制御するため、かん水と施肥作業を大幅に削減することができるという。タブレット端末でデータを確認し、そこから手動で水と肥料の量を調整することも可能だ。

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農業分野では就農人口が減少し、就農者の高齢化が進んでいると佐々木氏は話す。就農人口の平均年齢は67歳で、この人たちが引退してしまうと、彼らの持つ農業の経験や知見も失われてしまう。ゼロアグリは、農家が培っていた経験や勘を栽培アルゴリズムに反映することで、技術継承が途絶えることを防ぎたい考えだ。また、農業の経験が浅い人でもすぐに収益が上げられるよう栽培をサポートすることにもなると佐々木氏は話す。

佐々木氏は2005年にルートレック・ネットワークスを創業し、機器間の通信技術(M2M)を用いた燃料電池運用管理や車両運用管理システムなどを開発していた。農業が直面する様々な課題に対し、こうしたテクノロジーを活用できないかと考え、2010年から農業分野に参入した。

農業は特にICTの利活用に対して保守的と佐々木氏は言う。その一因について佐々木氏は「農業を営む人は経営者だからです。生産した作物が収入に直結します。堅いビジネスをしようと思うと、新しいものを取り入れづらくなります」と説明する。

当初手がけたサービスは農場に関するデータを可視化するものだったが、それだけでは農家には受け入れられなかったと佐々木氏は話す。取得したデータを示すだけでなく、それを活かして次のアクションに結びつけられるサービスでなければならないと感じたという。そのためには農学の知識が必要と考え、2011年から明治大学と栽培アルゴリズムの共同開発を始めた。ルートレック・ネットワークスは現在、明治大学黒川農場の実験ハウスでゼロアグリの開発を行っているという。

ゼロアグリの価格は基本システム120万円で運用費が年間12万円だ。これは農家が1年半から2年ほどで回収できる価格だそうだ。ゼロアグリはトマトやピーマン、キュウリ、ナスなどの果菜類を中心に21品目に対応している。

現在では50件以上の農家がゼロアグリを導入しているという。かん水作業の削減、使用する肥料や農薬の量の削減に加え、収穫量の増加、作物の品質の向上につながった実績が増えていると佐々木氏は話す。

今回調達した資金は「ゼロアグリ」のアルゴリズムのさらなる研究開発、そして営業力の強化に充てる計画だ。また、日本と気候が似ているアジア地域でも展開も進めていくと佐々木氏は話している。

Google、新IoTプラットフォーム、Android Thingsをデベロッパー向けにプレビュー公開

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今日(米国時間12/13)、Googleは新しい総合的IoT〔モノのインターネット〕のプラットフォーム、 Android Things発表した。デベロッパーはこのプラットフォームとAndroid APIその他の Googleのサービスを利用することで各種のスマートデバイスを開発できる。Android Thingsはデベロッパー・プレビューとして現在利用可能だ。

要するにAndroid版のIoTで、Googleが以前に発表したBrillo(これもAndroidベースだがデベロッパーからはまったく支持されなかった)を中心にして、Android Studio、Android SDK、Google Playのサービス、Googleクラウドなどが統合されている。Googleの IoTコミュニケーション・プラットフォームであるWeaveのサポートもロードマップに入っており、近くデベロッパー・プレビューが公開されるはずだ。Weaveは(Brilloと共に)AppleのHomeKitに対するGoogleの回答だ。

Googleの広報担当者が私に話したところによると、Android ThingsはBrilloの進歩形であり、GoogleがBrilloの開発で学んだことが生かされているという。GoogleはBrilloのユーザーすべてを把握しており、新しいAndroid Thingsへの移行を手助けするという。

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Googleは多数のハードウェア・メーカーと提携しており、 Intel Edison、NXP Pico、Raspberry Pi 3などをベースにしたデバイスがサポートされる。これらのデバイスに対するOSのアップデートとセキュリティー・パッチの配布に必要なインフラも近く整備するというのは興味ある点だ。

これに加えてGoogleは多数のスマートデバイス・メーカーが Weaveを支持していることを明らかにした。Belkin WeMo、LiFX、Honeywell、Wink、TP-Link、First AlertがGoogleのIoTプロトコルを採用し、デバイスがGoogle Assistantなどのサービスを利用することができるようになる。またWeaveプラットフォームはアップデートを受け、SDKはト照明器具、スイッチ、プラグ、サーモスタットなどのスマート化のサポートを含むようになった。これ以外にも多数のデバイスのサポートが近々追加されるという。Weaveには管理コンソールの追加やGoogle Assistantへのアクセスの改善なども行われるされる予定だ。

Googleの IoTプラットフォームはこれまで異なった考え方やプロトコルのごたまぜ状態でデベロッパーにとって好ましい環境とは言えなかった(2011年のAndroid@Homeを覚えているだろうか?)。Googleはやっと統一的、総合的なアプローチに戻ってきたようだ。Nest WeaveというNestがNestのために開発したサービスもWeaveプラットフォームの中に位置づけられた。GoogleのIoTから重複が多い複雑なサービス体系が追放され、しっかりしたプラットフォームが登場したの―すくなくとも当面―朗報だ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

お酒の在庫管理を助けるIoTデバイスのNectarが455万ドルを調達

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全国のバーは、誤ったお酒の管理の仕方のせいで何十億ドルもの損失を出している。それに加えて、お酒を注ぎ過ぎたり、お酒をこぼしたり、お酒が盗まれるなんてこともある。

IoTデバイスのNectarは、Palo Altoにある歯医者のオフィスに拠点を構えるスタートアップだ(よりによって、なぜそんな場所なのかと思ってしまうが)。同社は現地時間8日、シードラウンドで455万ドルを調達したと発表した。本ラウンドに参加した投資家は、Joe Lonsdale(8vVC + Palantir)、Lior Susan(Eclipse Ventures)、そしてModelo Group(酒造場)の創業家メンバーなどだ。同社は今回調達した資金を利用して、ホスピタリティー業界や消費財業界向けのIoTデバイスの開発を完了する予定だ。

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どんなプロダクトなんだ!?!?!?

私はNectarの本社を訪れ、共同創業者のAayush PhumbhraとPrabhanjan “PJ” Gurumoanの2人に取材をすることにした。この取材は、同社のプロダクトに対するちょっとしたデューデリジェンスの意味も込められている。同プロダクトの詳細はまだ公表されておらず、この記事でもまだ詳しいことはお伝えすることはできない。ただ、彼らが解決しようとしている社会的な課題はしっかりと定義されており、彼らのアプローチは科学的で、かつ「痛み」の少ない低侵襲なアプローチである ― この2つの単語が同じ文の中にあることは稀だ。

お酒の入ったボトルがもつ価値は、その仕入れ価格とイコールではない。そのボトルは将来の売上を生み出すものなのだ。ラフロイグ(お酒の一種)が750ミリリットル入ったボトルを40ドルで購入し、顧客に提供するときに注ぐお酒の量が1杯あたり44ミリリットルだった場合、そのボトルには17杯分のお酒が入っていることになる。コストの5倍の値段でお酒を提供する場合、40ドルで買ったボトルは将来200ドルの収益と、160ドルの利益を生み出す可能性をもっている。大規模のバーになると、そういったボトルを何百本もストックしている店もある。だから、少しの「お酒の注ぎすぎ」でも、それを合計すると何千ドルもの損失につながってしまうのだ。

現存するソリューションでは、バーのオーナーにかかる負担は大きく、彼らは毎日のルーティン以外の作業を追加でこなさなければならない。そのようなシステムの中には、高価な重量計を利用して在庫のトラッキングを行うものもあれば、スマートフォンのカメラを利用するものもある。だが結局のところ、そのようなシステムはすべて、オーナーに負担を強いる「侵襲性の高い」ソリューションなのだ。

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在庫を管理するための、マンパワーを利用した古びたシステム

何百万ドルもの費用と従業員のマンパワーを利用して、バーのオーナーたちが自分たちで課題を解決しようとしていることは言うまでもない。右のチャートにあるように、様々な従業員がお酒の在庫管理に関わっている。ある人は発注すべきお酒の種類を一覧化し、またある人はマーケットのトレンドを把握するために何日もの時間を費やしている。それに加えて、他の従業員の仕事に漏れがないかチェックするためだけに存在する役割もある。

Nectarが開発中のプロダクトは、Amazon Dashと似た役割をもつデバイスだ。発注プロセスにある様々な障害を取り除き、在庫情報をリアルタイムに把握できる効率的な方法を提供することが、このデバイスの目的だ。NectarとDashの違いは、デバイスがトラッキングする情報の量だ。洗濯用洗剤「Tide」を注文できるDashを利用するとき、「洗剤が減ってきているから注文しなければ」と考えるのは人間だ。一方でNectarでは、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせることで在庫状況のトラッキングをし、その情報を元にしてシームレスにお酒を発注できるシステムを開発しようとしている。

創業者のPhumbhraとGurumohanの2人は、これまでにもスタートアップを立ち上げた経験をもつ連続起業家だ。Phumbhraは過去に、教科書レンタルサービスのCheggを共同創業してIPOを経験し、Gurumohanはエンゲージメント・プラットフォームのGenwiを立ち上げている。2人ともお酒はあまり飲まないということだが、お酒を注ぐという作業から解放されるために、それ専用のロボットを製作したのだとか。

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Nectarの共同創業者の2人

Nectarによれば、バーやレストランのために在庫管理の手助けをすることが彼らの短期的な目標ということだが、長期的な目標は業界全体の需要予測をすることだという。そのためには、従来のプロセスをオンラインに移行することによって得られるデータが重要な役割を持つ。他の商品とは違って、アルコール飲料であるコニャックをFacebookのNews Feedから注文することは(まだ)できない。Nectarがデータを利用してお酒の需要予測をすることができれば、酒造業者にとって非常に魅力的な情報を提供できることになる。同社のプロダクトの詳細は、まもなく公開される予定だ。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Bluetooth 5はスピード、到達圏域、容量が大幅アップしてIoTに照準

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Bluetooth Special Interest Group(SIG)が今週、Bluetooth 5に青信号を点灯した。Bluetoothのこの新しい仕様は、先代に比べて抜本的な性能アップが行われている、とこの団体は述べている。

この、今や至るところにあるワイヤレス技術の最新バージョンは、スピードが2倍、到達域が4倍、ブロードキャストされるメッセージの容量が8倍、と言われている。これだけの性能アップの狙いは、将来性の大きいコネクテッドホーム(諸機器がインターネットに接続された家)において、自分が標準技術になることだ。また、他のワイヤレス技術との干渉を最小化する改良も行われた。

オーディオは、今回あまり重視されていない。スマートフォンは今後もますます、ワイヤレスヘッドフォンが主流になるから、これはちょっと意外だ。ジャックがないことが、iPhone 7だけの特異現象ではなくなるだろう。

逆にニューバージョンが重視しているのが、物のインターネットだ。公式リリースの声明文には、“Bluetoothは今後も引き続き技術の進歩にしっかり対応し、とくにIoTの無限の可能性を推し進めていく”、とある。

同団体によると、今週採択されたということは、Bluetooth 5の最初の実装機が出まわるのが2〜6か月後になる、という。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ボタン1つで洗剤やキッチンペーパーを注文、Amazon Dash Buttonが日本上陸

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かさばるトイレットペーパーなどの消耗品、あるいは重たい水や洗剤が切れる度にスーパーや薬局まで行って買い足すのは家事の負担だ。だが、これからはボタン1つでいつでも日用品を注文できるようになる。品物を買い忘れる心配もない。Amazonは、ボタンで商品を注文できるIoT端末「Amazon Dash Button」を今日から日本でも販売を開始する。

Dash Buttonは物理的なボタンが付いた日用品を注文するためだけのIoT端末だ。Dash Buttonを使用するには、まずWiFiに接続し、iOSかAndroidのスマホアプリからボタンで発注したい商品を設定するだけでいい。あとは好きなところにボタンを設置して、シャンプーや洗剤が切れたらボタンを押すと品物が届く。

Dash Buttonは1回ボタンを押すと、その商品が届くまで重複して注文できない設定になっている。ボタンを誤って押してしまい、大量に商品が届くというような心配はなさそうだ(この設定は変更可能)。もちろん注文はアプリで内容を確認したり、キャンセルしたりすることもできる。

このサービスを利用するにはAmazonのプライム会員に登録している必要がある。ボタンの価格は各500円だが、ボタンを使った商品の初回購入時に500円の割引が適用されるので、本体価格は実質無料だ。今日からDash Buttonで注文できる商品はシャンプー、洗濯用洗剤、清涼飲料水など約40種類が揃っている。

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ちなみに、アメリカではAmazonはDash Buttonを2015年3月にローンチし、現在では100種以上の商品の取り扱いがある。1010dataのEcom Insights Panelが今年4月に発表したデータによると、最も売上がある個別ボタンはP&Gの洗濯用洗剤、P&Gのキッチンペーパー、Kimberly Clarkのトイレットペーパーだ。よく使うが、ブランドを変えることが少ない消耗品とDash Buttonとの相性が良いようだ。

AmazonはDash Buttonと共に、家電と連動し、自動で日用品を再注文するサービス「Amazon Dash Replenishment」サービスも本日ローンチした。Dash Replenishmentは、例えばプリンターであれば、トナーが減ったのを検知すると、自動でトナーを再注文するサービスだ。日本ではアイリスオーヤマ、エレコム、シャープ、船井電機、三菱レイヨン・クリンスイがDash Replenishmentと連携したサービスを開始する。