もちろんMicrosoftがChromebookの自己バージョンをそろそろ出さないわけがない

Windows Centralが入手した内部文書が、Windows 10 Cloudのハードウェアの性能を特記している(下図)。噂されていたこの、派生製品的なオペレーティングシステムは、予想では来月ニューヨークで行われる大きな教育関連イベントで披露される。たぶん、そのときのプレゼンでも、このOSをGoogleのChromebookと対比するだろう。

Microsoftのこの種の製品への進出は当然の動きで、同社は、Googleのクラウド製品に完全に支配されているK-12の教育分野に足場を築くべく、苦戦しているからだ。

2000年代にネットブックの短期的なブームがあったときは、長年望まれていた教師と児童生徒の一対一の関係を築くとして、Microsoftにも追い風が吹いたと思われたが、しかしすぐに、タブレットに主役を奪われた。しかしながらさらに最近では、Chromebookがこの種の話題を完全に支配し、学校や校区の購買の決定権を握るIT担当者たちは、コントロールが容易で値段の安いハードウェア〔Chromebook〕に飛びついた。

Microsoftの最近の教育関連の動きには、Surfaceがからんでいる。高値を厭わない私立校などでは依然としてiPadが強いようだが、今度のイベントでMicrosoftは、Surface PhoneやSurface Proを新たに発表して、Surfaceラインの多様化を目指すという噂もある。しかし本誌が情報筋から得た話は、やや違う。

むしろMicrosoftが匂わせているのは、教育用の低価格製品への回帰だ。1月に同社は、Intune for Education日本語〕を立ち上げた。これは、学校をねらった189ドルのWindows 10機をクラウドから管理できる、というサービスだ。5月2日に行われるイベントではほぼ確実に、ハードウェアの性能と管理体系の両方について、Chromebookとのガチンコ対決が行われるだろう。

最近のMicrosoftは教育方面で運に恵まれていないが、でもWord, Excelなどの人気はまだ衰えていないから、同社の再参入を望む声も教育界にはあるはずだ。Googleはクラウド上のプロダクト集合G Suiteで大きく躍進しているが、プロフェッショナルたちのあいだではOfficeのイメージがまだ強い。Windowsというほとんど遍在的なエコシステムがそこに加わるとなれば、この市場の将来も簡単には予言できない。

ただしもちろん、Microsoftが教育の世界に食い込むためには、単純にChromebookのWindowsバージョンを出すこと以上の、もっと大きくて多様な努力が必要だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoft、IoT Centralをスタート―企業向けフル機能のクラウドIoTサービス

今日(米国時間4/20)、MicrosoftはIoT Centralをオープンした。これは企業向けにInternet of Things〔モノのインターネット〕を実現するクラウド・ベースの新しいサービスだ。企業はIoTに関する専門的知識を持った人材やハードウェアを社内に準備することなしに、IoTを組み込んだシステムを構築、運用することができる。基本的にIoT-as-a-Serviceといってよいだろう。

これに伴いMicrosoftは企業IoTにAzure Stream Analyticsを導入し、IoTデバイスからのデータ取得の効率を高めるとしている。このアナリティクスには時系列データを扱うことに最適化されたまったく新しい機能が組み込まれている。

今回発表されたもっとも重要なサービスはIoT CentralとAzure Time Series Insightsの一連のツールだ。MicrosoftのIoT事業のディレクター、 Sam Georgeは私のインタビューに答えて、「この新サービスの趣旨は多数の新しい機能を提供することによって既存のAzure IoT Suiteを大幅に強化することだ」と述べた。多くの企業にとって IoTの組み込みは同業ライバルとの差別化を図る上で有力な手法だ。しかしそのためには大量の専門的能力を必要とする。Georgeによれば「IoTは有力な差別化の手段だが、同時に、多くのビジネス分野でIoTを実現するために特別な能力を必要とすることも判明した」とGeorgeは言う。

企業がIoTソリューションを実現することを助けるのがIoT Centralの役割だ。「このサービスを利用するカスタマー企業はクラウドに関する特別な知識、スキルは一切必要ない。IoT CentralはMicrosoftが100%責任を持って運営する。IoTを導入、運用するために必要なITインフラはそっくりMicrosoftが提供する。企業は目的とするビジネスから得られたデータを解析するだけよい」という。また多数のビジネス分野向けに事前に構築された標準パッケージも用意されている。

ただしユーザー企業はデータのストレージ、解析エンジンをMicrosoftに依存せざるを得ない。これは企業側の柔軟性を失わせるという副作用をもたらすかもしれない。

時系列データを解析するAzure Time Series Insightsは現在プレビュー版で提供される。このサービスは簡単にいえばMicrosoftが提供する新しいデータベースだ。Microsoftはこのテクノロジーをずっと以前からAzureへアクセス・ログを記録するのに用いていた(つまりこのシステムは毎日数十億のイベントを処理してきた)。さまざまな例外はあるものの、IoTデータは基本的に時系列で得られる場合が多い。Time Series Insightsは分析、視覚化、対話性等がすべて時系列データの処理に最適化されており、何らかの異常を発見する能力も優れているという。既存のソフトウェアに接続するためのAPIもデベロッパーに対して提供される。

Microsoftが発表したもう一つのサービス、Azure Stream Analyticsはさまざまなエッジデバイス〔データのエントリーポイントとなる機器〕上で作動する。つまりこれらのデバイスはそれ自身でリアルタイム・アナリティクスを実行可能で、得られたデータをすべてAzureサーバーに送信する必要がない。クラウド・ソリューションは何百万ものデバイスのデータを解析する必要があるが、個々のデバイスが得るデータのすべてが重要であるというわけではない。またRaspberry Piのような小さなコンピューターでもAzure Stream Analyticsをローカルで実行する能力を十分に備えている。そのためインターネットインターネット接続が不安定な状況でもエッジデバイスから信頼性のあるデータ取得が可能となる。

Georgeによれば、MicrosoftはIoTは今後さらに成熟したテクノロジーとなり、ますます多くの有用な情報がエッジデバイスとの間でやり取りされるようになると考えている。Stream
Analyticsはこの方向に向けてのMicrosoftの第一歩だという。

もちろんMicrosoftはIoTクラウド分野での唯一のプレイヤーではない。 しかし企業がIoTを導入する際、GoogleやAWSのようなライバルと比較してMicrosoftの方がはるかに助けになるとGeorgeは考えている。「現在さまざななビジネス分野を横断してこれら3つの超巨大クラウドが存在する。しかしその中でオンプレミスのITに対する緊密なサポートも含めてIoTに特化したサービスを提供しようとしているのはAzureクラウドだけだ。これはライバルと比較して重要な差別化要因だと思う」とGeorgeは述べた。

画像: NicoElNino/Getty Images

〔日本版〕下のビデオはMicrosoftによるIoT Central紹介

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Microsoft、Shadow Brokersがリークした脆弱性はすでに対応済みと発表

Microsoftの研究員たちはイースターの週末を控えた金曜の夜遅くまで、 Shadow Brokersが昨日公開したWindows脆弱性の対応に追われた。夜間にTechCrunch宛てに送られてきたメッセージで、同社はWindows 7以降のシステムで問題は解決済だと言った。

「調査の結果Shadow Brokersが公表した脆弱性は、当社製品でこれまでに提供されてきたアップデートですでに解決していることが確認された」と同社は書いている。「最新状態のソフトウェアを利用している顧客はすでに保護されている」。

さらにMicrosoftは本件に関するブログ記事を掲載し、問題の脆弱性を検証した結果、9件は過去に発行されたパッチによってすでに修正されていることがわかった、と報告した。当然ながらマイクロソフト セキュリティ レスポンス センターはユーザーに対して、確実に保護されるためにシステムを常に最新状態に保つよう勧めている。

上記のパッチで対応されていない3つの脆弱性について、Windows 7以降のマシンや近年のExchangeのバージョンの動作するマシンでは再現できなかった、とMicrosoftは言っている。もちろん古いバージョンのオペレーティングシステムにしがみついているユーザーは、サポートが打ち切られているため潜在的脆弱性に曝されている。

これに対してもMicrosoftの答えは、確実に保護されるためにはアップグレードを、だ。

今回の出来事ははShadow Brokersにとって先週2度目の暴露だったが、1度目は数か月間続いていた重要な脆弱性を含んでいた。それは国家安全保障局(NSA)が銀行間メッセージングサービスのSWIFTにおける金銭の流れを監視するために行ったことに起因すると信じられている。NSAはツールがリークしたことを各企業にすぐ警告しなかったことを厳しく非難されているが、リークとの関連の可能性については依然として口をつぐんでいる。

実際Microsoftは、リークされた脆弱性の可能性についてNSAが昨日の騒動以前には公表していなかったことを別の声明で指摘している。「現時点でShadow Brokersが公開した資料に関して、報道関係者以外には個人、組織を含め誰からも接触されていない」と広報担当者は言った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

確定:Microsoftは6/12〔日本時間〕のE3でXbox Scorpioを発表する

さきほどMicrosoftからメディア関係者向けに招待状が届いた。同社によれば「最初の4Kゲーム機」となるXboxの次世代機、コード名ScorpioがいよいよE3で発表される。われわれは以前から今年のE3プレス・イベントがScorpioのデビューの舞台となるだろうと予想していたが、木曜日のブログ記事でMicrosoftもこれを確認した。

E3プレス・イベントは太平洋時間6月11日PM2:00〔日本時間6/12AM6:00〕に開催される。Scorpioの詳細はここで全世界に公開される。すでに報じたとおり次世代Xbox、Project Scorpioのデベロッパー版のスペックと機能についてわれわれはかなり詳しい情報をつかんでいる。

ゲーマーにとってビッグニュースは、たとえば、GPUがXbox Oneとくらべて4.5倍、PlayStation 4 Proとくらべても1.4倍に強化されたことだろう。また4K Blu-rayを備え、ACコンバーターが同梱される。

ただし製品版が最終的にどうなるかはE3まで待たねばならない。出荷時期と価格も明らかされることを期待している。Gamasutraのおかげで、現在の段階でもデベロッパー版のハードウェアについてはデザインや外観を含めていろいろなことが分かっている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Microsoft、Azureクラウドへの移行を助けるツールを各種発表

MicrosoftはAzureの最初期からエンタープライズ向けのハイブリッド・クラウドに力を入れてきた。これは企業がクラウド・サービスを利用しながら並行して自社のデータセンターでもソフトウェアを動かす環境を指す。Microsoftがマーケティングを行っている企業の80%は現在でもクラウド移行にあたってハイブリッド・アプローチを希望しているという。そこで今日(米国時間4/12)、Microsoftは企業がクラウドに移行することを助ける各種のツールを発表した。

こうしたツールの中でももっとも重要なのは、Cloud Migration Assessment〔クラウド移行アセスメント〕だ。Microsoftは企業の既存のITインフラをスキャンし、各種サービスをAzureへ移行するコスト(およびクラウド化によって削減できるコスト)を見積もりしてくれる。

Azureのハイブリッド・サービスを利用するユーザーはまたWindows Serverのライセンス料金の割引を受けることができる。Azure Hybrid Use Benefit ではWindows Serverが最大40%割引となるのでユーザーとしてミッションの一部をAzureクラウドに移行することが非常に魅力的となる。

またAzure Site Recoveryツールもアップデートを受けた。このサービスはエンタープライズの事故復旧を助けるものだが、同時に既存のバーチャル・マシンをAzureに移行するツールとしても利用できる。利用者にはMarquette UniversityやUnited Airlines (UAがアプリケーションを自社サーバーから無理やりAzure移そうしているのかどうかは不明だが)のような大きな組織が含まれる。今日のアップデートでAzure Hybrid Use Benefitがスタートしたが、同時に発表されたバーチャル・マシンをAzureに移行することを助ける各種の機能が利用可能になるのは数週間後の予定。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Surface Pro 5はインテルのKaby Lakeプロセッサを採用

Surface BookとSurface Proを含むMicrosoftのハードウェアラインナップは刷新の時期を迎えているが、そのアップグレードで何がやってくるかに関する情報は少ない。さて、WindowsウォッチャーのPaul ThurrottがSurface Pro 5についての幾つか情報をもたらした。どうやらこのフラッグシップWindowsタブレットハイブリッド機器に対する穏当なアップグレードのように聞こえる。

Surface Pro 5は現在Surface Pro 4とSurface Bookに使われている、長くて薄い磁気式電源コネクターを採用するようだ。また今度のデバイスは、インテルのKaby Lakeプロセッサを採用する。同社がその新世代のハードウェアに、最新で最高のチップを採用することは真に理に適っている。

Surface Pro 5は電源コネクタにSurface Connectorをそのまま採用するという話を聞いた。そしてKaby Lake、特にドラマチックなことはない。

価格や、USB-Cの有無、そしてサイズやハードウェアデザインなどの基本的な情報を含む他の詳細はまだ明らかではない、とはいえThurrottはPro 5への変更は、既存の世代から「ドラマチックに」変わるものでないと報告している。

これはユーザーの利便性を考えると悪くない選択かもしれない、Microsoftはタブレットに対する最新のJD Power満足度調査で最高得点を獲得した。AppleのiPadを初めて上回り、タブレットの満足度の全体的な向上という点でリードしている。

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(翻訳:Sako)

Xbox One Scorpioは6TFOPSの強力ゲームマシン―Microsoftがベールを少し上げる

Microsoftは6月のE3カンファレンスを待たず次世代Xbox、Project Scorpioの内容を公開した。Digital FoundryEuroamer.etで怪物マシンのスペックを見ることができる。 予想どおり、Scorpioはゲーム専用機の中では格段に優れたハードウェア性能だ。

このマシンのGPUは毎秒6兆回の浮動小数点数演算を実行できる―つまり6TFLOPSだ。この性能はXbox Oneに比べて4.5倍、ソニーのPlayStation 4 Proの1.4倍だ。

この性能は相当のものだが、Nvidia GeForce GTX 1070とほぼ同等で、1080, 1080 Tiなどには及ばない。Scorpioではネイティブで4K、60コマのビデオがサポートされるが、このレベルはパソコン・ゲーマーには耳新しくはないだろう。

ゲーム専用機でこの性能を確保するために、MicrosoftはAMDの協力を得て、40のRadeon演算素子を1つのチップに搭載し、TSMCに製造させている。クロックは1172MHzで冷却システムはかなり重労働となるだろう。

ScorpioのCPUは8コア、 2.3GHzだ。RAMは12GBで、うち4GBはOS専用に割り当てられる。こうしたハードウェアの性能を活かすために、メモリの速度326GB/sに速められている。さらにMicrosoftはDirect3D 12 APIを用いたAPIコールをGPUでネイティブに処理させている。

ゲーム世界全体を見れば革命的とまではいえないが、Xbox Oneからは大幅なアップデートだ。Project Scorpioは非常に高価な最強のゲーム・パソコンほど強力ではない。 しかし居間にゲーム専用機を一台置いておきたいユーザーにとっては朗報だろう。

Digital Foundryの記事にも新マシンのサイズは掲載されていなかったが、多くの面でXbox One Sに似たものになるようだ。接続性もほぼ同様(Kinectポートはない)で、ACアダプターと4K Blu-rayを備える。オーディオチップは現行と同じだが空間オーディオ対応などいくつか新機能が追加されている。音像の定位に優れた空間オーディオは拡張現実ヘッドセットなどに有効だろう。

Project Scorpioに関する情報は豊富だ。Microsoftはによれば、次世代ゲーム専用機の開発は2016年6月からスタートしたという。ScorpioはXbox One Sの後継機ではなく、Xbox One Sも引き続き販売される。

すべてのXbox OneゲームはXbox One SとScorpioの双方で動作する。ただしScorpioの方が性能が上で描写が美しいし、フレームレートも速い。読み込み時間も短縮される。ソニーもすでにに強力なゲーム専用機、PlayStation 4 Proを昨年発表している。次世代ゲーム専用機に関してはソニーとMicrosoftが先行したようだ。

Microsoftは6月11日のロサンゼルスで開催される予定のE3 2017プレス・イベントでさらに詳しい発表を行う予定だ。Gears of
War 5, Halo 6、Forza 7などがScorpioではるかにリアルな描写でデモされるだろう。6月のイベントでは価格について知りたいところだ。

〔日本版〕 上のビデオはDigital Foundryのもの。サイトで記事を開くにはDigital Foundryの登録が必要なようだ。同じくトップにリンクがあるEurogamer.netの記事、Inside the next Xbox: Project Scorpio tech revealedは非常に詳しい。またScorpio、Xbox One、PS4 Proのスペックを比較した表が掲載されている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

MicrosoftがWindows 10 Creators Updateのプライバシー設定を変更…ユーザーデータの収集を拒否するオプションがない

Microsoftが先週発表したように、Windows 10 Creators Updateは4月11日にユーザーに向けて展開が始まる。このアップデートの一環として同社は、Windows 10のプライバシー設定と、ユーザーから集めた情報をユーザーに報告するやり方をすこし変えた。なお、Microsoftによるユーザーデータの収集は、それを完全にオプトアウトする(断る)オプションがない(後述)。

MicrosoftのWindows & Devicesグループでプライバシーを担当しているMaris Rogersによると、全体的なテーマは、同社の顧客への献身を強調し、顧客が自分のプライバシーをコントロールして、自分のデバイスを安全に保てるようにすることだ。

そこで今回のアップデートでは、Microsoftがユーザーに、同社がどんな情報を集めてどのように利用しているかをめぐる、従来よりも良い透明性を提供する。それには、個々のプライバシー設定に関する説明の改良や、プライバシー声明のアップデートが含まれる。

しかしさらに重要なのは、Microsoftがデータ共有オプションを3種類から2種類(“basic”と“full”)に減らしたことだ。Rogersの説明によると、basicはMicrosoftに送られるデータの量が50%少ない。診断用のデータとしては、前ほど多くのデータは必要ない、と同社が学んだからだ。

でもご覧のように、“none”(なし)のオプションがない。Rogersは、どのユーザーにも最小限のセキュリティは必要、と主張するが、しかし多くのユーザーは、Microsoftに定期的に利用状況のデータを送らなくても、安全なシステムは可能なはずだ、と反論するだろう。これは、Windows 10の立ち上げ以来の問題であり、Microsoftにそれをすぐに撤回する気はないようだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

マイクロソフト、Slack対抗の “Teams” をOffice 365ユーザーに開放

Microsoftは、昨年限定プレビュー版を公開したSlackのライバルとなるコラボレーション&コミュニケーション・プラットフォームのTeamsを、Office 365の月間アクティブユーザー8500万人に向けて公開した。Office 365はMicrosoftのクラウドサービス群で、ウェブアプリおよびWindows、iOS、Androidのネイティブアプリとして提供されている。

今回の公開に合わせてMicrosoftはAsana、Zendesk、Hootsuiteを始めとするサードパーティーサービス150種との統合、およびチャット(人間あるいはロボット相手)、セキュリティサービス、カスタマイズオプションなどの新機能を発表した。

(TeamsがOffice 365エコシステム以外にも拡大されるのかどうかについて言及はない。「それについては検討したが、現時点ではわれわれの巨大ユーザー基盤に集中している」とMicrosoft TeamsのUX責任者、Mira Laneは言った)

公開範囲の拡大は、これまでのテストでそれなりの成功を収めてきた結果だ。Microsoftによると、Teamsプレビュー版には約5万社が登録してサービスを試用した。

プレビューのユーザーのうち、使い続けている会社がどれだけいるかについて、Microsoftは「多くの会社が」としか言っていない(同社は、Accenture、Alaska Airlines、Conoco Phillips、Deloitte、Expedia、J.B. Hunt、J.Walter Thompson、Hendrick Motorsports、Trek Bicycle、Three UKの名前を挙げた)

華々しく成長を続けるSlackをはじめ、FacebookのWorkplace、AtlassianのHipchatなどのライバルがひしめくこの分野で、Teamsの出遅れを指摘する向きもある。

Microsoftにとって有利なのはスムーズな導入だ。対象のユーザーはすでにExcel、Word、PowerPoint、OneNote、SharePoint、Power BI などのMicrosoftアプリを使っているので親しみやすく利便性も高い。しかも無料で試すことができる。

昨年11月にMicrosoftがこのサービスを披露した時にも指摘したが、Teamsは初めから非常に多くの機能をユーザーに提供している。WordかExcelを使ったことのある人なら、これを非常にMicrosoftらしいアプローチだと感じるだろう。

基本的インターフェースは、既存のコラボレーションツールから想像できる通りで、左カラムにディスカッショングループが並び、右に会話が表示されている。

Microsoftはこの中に実に様々なオプションを追加している。ダイレクトチャット、音声およびビデオ通話、スプレッドシートその他の文書の呼び出し、アナリティクスの実行などに加え、”evergreen”(常時表示)コンテンツのための場所も用意されている。

さらに、Microsoftはチャットボットのフレームワークを作っており、当初これはTeamsを使いやすくするためのものだと言っていたが、いずれはSlackやMessengerなどのチャットサービスと同じく、サードパーティーの様々なサービスを統合していくことになるだろう。

「オープンで透明であることが前提の近代的ワーキングスタイルへの移行は、ワンサイズでは足りない、という当社の基本的哲学の一環だ」とLaneはインタビューで語った。「ビジネスや協業のやり方は組織ごとに違う。例えば、CEOが全社に向かって話すときはYammer、もっと密なコラボレーションではMicrosoft Teamsという風に複数のツールを使う会社もある。流動的であるのは悪くないことだと考えている」

Microsoftはあまりに多くのオプションを提供しすぎているという懸念があると同時に、ユーザーを乗り換えさせるためにこれで十分なのかという疑問もある。

これはMicrosoft Teamsを他社製品と比較した場合の問題に限らない。Microsoft自身を見ても、Yammer、Skype などコミュニケーションとコラボレーションのためのツールはいくつもある。

すでにリードしているサービスもあるが(現在Slackのデイリーアクティブ・ユーザーは500万人、有料アカウントは150万件)世界にはまだ何百万という企業があることを考えれば、戦う場所も勝つチャンスもいくらでも残っている。「今はみんながあらゆるサービスを試していて、企業で使えるグレードのものを探しているところだ」とLaneは語った。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Microsoft、ドローン、自動運転車のシミュレーター・ソフトをオープンソース化

Microsoft AIRO group on January 24, 2017.(Photography by Scott Eklund/Red Box Pictures)

Microsoftはドローン、自動運転車、その他ユーザー独自のガジェットの移動をシミュレーションできる高度な仮想現実のベータ版をオープンソースで公開した。ソースコードはGitHubから入手できる。このソフトでは物体の形状ばかりでなくドローンの運用にあたって困難な問題を引き起こす可能性がある影や反射などの要素も描写できる。レンダリングはきわめてリアルだという。

Microsoftはこのソフトが「ロボティクスの民主化」を進めることを期待している。つまり個人であれ組織であれ、ドローン・テクノロジーを実験したい場合に好適ということだ。現実世界でドローンを動かすのは自他への危険を伴う上にきわめて大量の資源を必要としがちだ。

ドローンその他の自動運転デバイスを仮想空間でテストするメリットは次のような点だろう。衝突を回避しなければならない壁などの固い物体と物体の影を見分けるのは自動運転システムにとって難しい課題になる。現実世界でドローンを動かすのは上で述べたようには非常に高価な上に、通り抜けが不可能な障害と影のように「そう見える」だけの形状を判別させるテストを現実世界で実行した場合、失敗はクラッシュを意味することになる。これはますます高価であり、また危険だ。しかし仮想世界の中では大量に失敗を繰り返すことができる。失うものは少々の時間と電気料金だけだ。

失敗を高速で繰り返すことはAIの訓練のために必須でもある。ただしAIの訓練に本当に役立つためには仮想世界はきわめてリアルに再現できなければならない。Microsoftによればこのシミュレーターは最新の高度なグラフィックス・テクノロジーを用いており、影、きらめき、陽光、霧、路上の水たまりの表面の反射など外界のディテールを精密に再現できるという。

MicrosoftのAshish Kapooはブログで「このシミュレーション・ソフトは自動運転車と飛行するドローンの双方の実験に用いることができるだけでなく、現実の世界を安全に移動する必要のあるロボットのテストに広く利用できる」と述べている。

画像: Scott Eklund/Red Box Pictures

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AmazonのRekognition APIがあなたの年齢を当てる、いや…、当たらない?!?!

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自分は(たぶん)自分の歳を知っている。友だちに、自分の歳を当てさせることもできる。それになんと、Microsoftも、あなたの歳を当てられる。でもいちばん重要なのは、毎日買い物をするAmazonに、自分の歳を知ってもらうことじゃないかな。

これまでのところ、Amazonが自分の歳を何歳だと思っているか、知るためには、リコメンデーションの品目を見るしかなかった。昨日(きのう)なんかぼくは、一日の大半が、大量の短編SFを調べることでつぶれた。Amazonが、ぼくがそれを必要としている、と固く信じているからだ。そう、Amazonは、ぼくがテクノロジーの好きなミレニアル世代であることを、見事に当てているのだ。

でもこれからは、こんな、過去の事象に頼るテクニックは要らなくなる。AmazonのRekognition APIを作っている連中が今日(米国時間2/10)公開した便利な機能は、そこへ自分の写真をアップロードすると、年齢を当ててくれる。今日はたまたま、友だちの誕生日なので、Amazonのそのツールと、MicrosoftのHow-Old.netと、人間によるクラウドソーシングに、当て比べをやらせてみた。

まずAmazonだ — このWebアプリケーションは、友だちの年齢を26歳から43歳のあいだ、と推定した(上図)。彼の本当の年齢は26歳よりもずっと若いから、嬉しい結果ではない。性別と幸福状態には“appears”(〜〜と見える、思われる)という留保が付いているが、正しい確率は99.9%になってる。ぼくも、自分が43歳と思われないためには、つねに作り笑いでスマイルしているべきだろう。

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Amazonは大失態だったが、それでもMicrosoftよりはましだ。MicrosoftのHow-Old.netツールは、友だちの年齢を30歳と言った。参ったね。

三者の中では、人間がベストだった。ランダムに選んだ人たちに聞いてみた結果では、答の平均値が“22歳の半ば”だった。本当は、今日22歳になったばかりだから、6か月の誤差がある。

参照データを得るために、今度は自分の、顔に光がよく当たった写真でテストしてみた。やはり、誤差は大きい〔John Mannes, 1995/11/14生; 昨年まで本誌インターン〕。Microsoftは、ぼくの年齢を27歳と言ったが、ぼくの本当の年齢は友だち〔22歳〕よりも若いんだけどね!。

ご自分の写真を、ここここで試してみよう。その結果、その後のあなたの生活に起きるであろうさまざまな危機も、ご遠慮無く共有してくださってけっこうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Microsoft HoloLensを使ったARゲームはこんな感じ―Valve Portalのデモビデオ

2017-02-07-holens-valve

ValveのPortalはパソコンゲームで非常に人気があるシリーズだ。一人称シューティングものばかりで少々うんざりしていたゲーマーはPortalが持ち込んだ一人称パズルを新鮮に感じたようだ。このパズルは拡張現実でプレイすると飛躍的に面白くなりそうだ。テーブル、天井、壁、床といった身の回りの現実の対象物を使ってあの独特のパズルがシームレスにプレイできる。

ともかく上のデモビデオを見るとそういう感じだ。クリエーターはKenny Wで、これまでにも優れたARゲームを開発している。以前発表したポケモンをフィーチャーした拡張現実ゲームは特に印象的だった。

ホロレンズを使って音声コマンドでポケモンにバトルさせよう!

Kennyの最新のプロジェクトはPortal独特のパズルをVR化することに成功している。Portalゲーム内のオブジェクトばかりでなく、キッチンのテーブルだの廊下の壁、天井といった現実の対象から不思議なサイロが飛び出している。

上のビデオから受ける印象とはやや違って、HoloLensは拡張現実デバイスなので仮想現実ビューワーのように視野を完全に遮ることはない。しかし消費者向け拡張現実のデモとしては非常によくできている。Microsoftに拍手だ。

Microsoftに頼みたいのは、HoloLensを使ったユーザー向けアプリを早く出してもらいたいということだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


【以上】

海外サーバーに保管されたEメールデータをFBIに引き渡し ― Googleのケースに判決下る

gavel

米国連邦裁判所はGoogleに国外のサーバーに保存されたEメールをFBIに引き渡すように求めた。米国国内の詐欺事件を捜査するためのFBIの令状に応じるためだ。

Microsoftが国外のサーバーに保有する顧客データに関する判決が昨年下ったが ―先日、この判決は第2巡回裁判所によって支持されている―、今回の判決はそれと相対するものである。だからこそ、今回の判決は注目に値する。Microsoftのケースでは、アイルランドのサーバーに保管されている顧客データを米国政府に引き渡す必要はないとの判決が下っている。連邦裁判所は「治外法権に対する推定を軽視するもの」として政府からの要請を退けたのだ。

しかし今回のGoogleのケースでは、アメリカ合衆国下級判事のThomas Rueter氏は、国外のサーバーからEメールのデータを移行する行為は法律上の差し押さえ行為には当たらないとする判決を先週金曜日に下している。Reutersが報じたところによれば、Rueter判事は今回の件によってアカウントホルダーがもつ「占有権」を「干渉することにはならない」とした上で、プライバシーの侵害は「米国内でその内容が公開されたとき」に起こるのであって、Eメールデータを移行するときに起こるのではないと主張している。

Googleの弁護団は、Microsoftのケースを今回の弁護に利用しようとしていた。その時、Microsoftが引き渡したのは国内に保存されたデータのみだったのだ。Googleが発表した声明によれば、同社はその判決に不服だとして控訴する構えだ。「今回の判決はこれまでの判例とは異なるものであり、私たちは控訴する決断を下しました。今後も、適用範囲が広すぎる令状を拒否するという私たちの姿勢は変わりません」。

GoogleとMicrosoftの両ケースで争点となっているのは、1986年に制定された「Stored Communications Act」と呼ばれる連邦法を根拠に発行された捜査令状だ。その制定年度からも想像できるように、この連邦法は長い間「ひどく時代遅れの法律」と呼ばれてきた。今回のケースも、時代遅れの法律 vs テクノロジーという構図になっている。

先日のMicrosoftのケースを担当した判事は、Stored Communications Actに関して「プライバシーを保護ししつつも、法律執行における国際礼譲と、グローバルな文脈におけるサービスプロバイダーの義務とのバランスをうまく図った、議会による改正が必要とされている」と発言している。

複数の判例を通じて、司法省は議会に対して明らかにプレッシャーをかけているように見える。保管されたデータに関して、どこまでが法律の適用範囲なのかを明確にすべきだというプレッシャーである。

また、裁判所が下した判決がケースごとに異なるという事実によって、その「線引き」を明確にすることが今後ますます必要とされるだろう。議会が法律を改正して線を引くのか、または最高裁判所が下した判決によって線を引くのか、いずれかの方法で法律の適用範囲を明確化する必要がある。

プライバシー擁護派は今後もこのデータアクセス闘争に注目するだろう。とりわけ、米国国内の捜査令状の適用範囲を拡大したとしても、それはどの国のデータ保護法にも接触せず、国際条例に違反することにはならないという事実を考えればなおさらである。その一方で、逆に言えば、国内に保管されたデータに対する捜査令状の適応範囲を明確化することによって、議会内にデータローカライゼーションを推進する動きが生まれる可能性もある。

昨年の後半、物議を醸した最高裁のある判決を議会は承認した。判事の承認さえ得れば、FBIが通常の捜査範囲を越えるような捜査を行うことも可能であるという判決だ。これにより、理論上は、判事が捜査令状を発行することよってFBIの管轄外にあるデバイスへのハッキング捜査も可能になった。海外に存在するデバイスもその対象となる。

これに対して、この判決は極度に拡大するFBIの権限を無理に押し通すためのものだと批判する声がある。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Google Cloudは新作のWindows VMで長年のMicrosoft顧客を取り込む努力へ

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Googleは今日発表したいくつかの新製品により、会社のデータセンターでWindowsを使っているITのプロフェッショナルたちをGoogle Cloud Platform(GCP)に誘いこもうとしている。

その魂胆でGoogleはまず、Microsoft SQL Server EnterpriseとWindows Server Coreを同社のCloud Platformでサポートする。同時に同社は、クラウド上で重要なオペレーションを動かしている顧客の可用性と事故復旧に関する懸念に応えて、SQL Server Alway-On Availability Groupのサポートも行う。

これによってITのプロたちは、これらのMicrosoftプロダクトが動いている構成済みの仮想マシンを、Google Cloud Platform上にローンチできるようになる。それらは、時間制で課金されるが、SQL Serverのライセンスは、彼らの既有のものをそのまま使える。

Google Cloud Developer Toolsの主席プロダクトマネージャーChris Sellsによるとこれは、Windows製品をGCP上でサポートする大きな戦略の一環だ。彼によると、最初はとにかく、これらのWindowsプロダクトを動かしているエンタープライズ顧客に、Googleが十分対応できることを見せつける。しかもそれは、昨年GoogleがSQL Server 2008と2012のサポートを開始したときに始まった、大局的な取り組みの一環でもある。今日の発表は、それの、さらなる拡張にすぎない。

おそらくもっと重要なのは、Microsoftの製品は使うけどMicrosoftに縛られたくはない、という企業に、Googleが格好の代替選択肢を提供することだ。“Microsoftにもこれらの能力はあるし彼らはWindowsとSQL Serverのオーナーでもある。しかし最近では、Microsoftに代わるものを求める企業がとても多くなっている”、とSellsは述べる。そこでGCPは、そんな人たちを自分のプラットホームへ誘惑したいのだ。

2015年の後半にGoogleは、Diane GreenをGoogle Cloudのトップとして招聘したが、大きな変革はその時点から始まった。Greeneはエンタープライズ経験のベテランであり、VMwareの協同ファウンダー/CEOでもあった。昨年の春Greeneは本誌に、“これからのエンタープライズはものすごくおもしろい”、と語った。つまりエンタープライズ指向はGoogle全体としての今および今後の方向性であり、彼女はGoogle Cloud Platformでその一翼を担いたいのだ。

Sellsによると、今回の発表もGreeneのエンタープライズビジョンの実現努力の一環だ。Google全体のエンタープライズ指向から見ればまだ小さな努力にすぎないが、伝統的なエンタープライズ市場のマーケットシェアをGoogleが少しでも削りとり、それを同社のクラウドへ連れ込もうとする、周到な取り組みの一環だ。

“彼らが自分のデータを置く場所として、GCPは最良の場所でありたい。そしてそれらのデータが、SQL Serverに載っていようが、何に載っていようが、何でもそのままサポートできることを、実感してもらいたい”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

マイクロソフト、Q2決算を発表。Officeとクラウドサービスの成長で売上アップ

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今日(米国時間1/26)Microsoftは第2四半期の決算を発表し、売上261億ドル、1株当たり利益0.83ドルだった。成長の要因はOffice製品およびクラウド部門で、いずれも同社が将来の成長に賭けている分野だ。

ウォール街の予測は売上253億ドル、1株当たり利益0.79ドルだった。これは前年同期の売上257億ドル、1株当たり利益0.78ドルとほぼ一致している。

予測をやや上回る結果だが、投資家の反応は控え目だ。

Microsoftは生産性およびビジネスプロセス部門で大きく成長を続けており、これはOffice 365が消費者、企業の両方で受け入れられていることに起因している。同部門の四半期売上は10%増の74億ドルだった。

同社はクラウド、中でもAmazon Web Serviceと競合するエンタープライズ市場に大きく賭けている。その賭けは結果を出しているようで、Azureの売上は93%上昇し、計算利用時間は前期から倍増した。これが、クラウドビジネスの年間予測売上は140億ドルに大きく貢献している。

最近Microsoftでは、事業部門毎の成果を分け、各部門の状況を詳しく説明している。主要部門の実績を以下に挙げる。

  • 生産性およびビジネスプロセス(PBP)部門(Office、消費者向けOffice、DynamicsにLinkedInが加わった)の売上は10%増の74億ドル。
  • インテリジェント・クラウド (IC)(サービスおよびエンタープライズサービス)の売上は8%増の69億ドル。
  • More Personal Computing (MPC)(Windows、デバイス、ゲーム、および検索)は売上5%減で118億ドル。

追記:Microsoftは会計第2四半期末にLinkedInを262億ドルで買収した。同四半期LinkedInの売上は2.28億で、1株当たり利益を0.01ドル下げた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

3Dの原始データを用途に合わせて最適化(軽量化)するSimplygonをMicrosoftが買収

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Microsoftが今日(米国時間1/17)、ゲームのデベロッパーや、そのほかの、3Dデータを視覚化する必要のある業種のために3Dの最適化ソリューションを開発している、Simplygon買収した発表した

大手のゲーム開発スタジオの多くがSimplygonのSDKを利用しており、同社は最近AR/VR市場にも手を伸ばした。Microsoftは同社のHololensプロジェクトでARを、Windows HolographicでVRをそれぞれやっているから、Simplygonの技術はどこよりもまず、自分のロードマップにフィットする。

Microsoftの次世代ユーザー体験/企業担当VP Kudo Tsunodaが、今日の発表声明で述べている: “Simplygonの技術とスタッフは3Dの創造における弊社の立ち位置を強化し、3Dの捕捉や創造、および共有をより容易にする。それはWindows 10 Creators UpdateとPaint 3Dおよびネット上のクリエイターコミュニティRemix3D.comによって創造性の新しい波を起したい、という私たちの願いをより強く大きくし、具体化するものである”。

Simplygonの技術は、CADのファイルや3Dスキャンなど3Dの原始データを、具体的な用途や出力ターゲットに合わせて最適化する。ゲームの場合、ターゲットはUnreal EngineやUnityなどだ。最適化というのは、同社が複雑なマスターモデルに対して、独自のアルゴリズムで、同じ3Dオブジェクトを表示するために必要な三角形の数を減らし、それらを描画するグラフィクスカードの仕事を軽くしてやること、などを意味する。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

新生Microsoftの展望―市場は引き続きサティヤ・ナデラのリーダーシップに好感

Microsoftがサティヤ・ナデラをCEOに選んだのは3年前になる。以來、Microsoftは運命の逆転を果たした。10年間にわたる不完全燃焼状態を脱し、成長株の地位を取り戻した。昨年もその勢いは続いた。

2016年にMicrosoftはクラウド・ベースのサービス提供企業への変身を続け、そのために複数の新たなプラットフォームをサポートした。LinkedInを262億ドルで買収するという大胆な賭けに出た。ハードウェアではSurfaceデバイスの拡充が続いた。こうした動きはすべてウォールストリートに歓迎された。Microsoftは Surface StudioでAppleのお株を奪った。デザイナーや各種のプロ向けデスクトップ機はこれまでAppleが独占的な強みを見せている分野だった。またHololensもVRの世界にMicrosoftが確固たる足場を築く努力として注目された。

株式市場は 2016年のMicrosoftをコアとなるサービスの運営に加えて、未来の分野にも大規模な投資をて行い巨大テクノロジー企業への道を歩んでいると見たようだ。

実際投資家のこうした考えは数字に反映されている。力強いリーダーの下で力強い成長がMicrosoftに2017年に向けての勢いをつけた。Azureクラウド・サービスは堅調だ。クラウド化の進行はAmazon AWSもテコ入れし、ウォールストリートも珍しく興奮した。Office生産性ツールはWindows以外のプラットフォームのサポートに本腰を入れるにつれてさらに快調だ。

ナデラのMicrosoftがいかに徹底的に変身したかは昨年11月にLinux Foundationに参加したことでもわかる。市場もMicrosoftがこれまでのしがららみを大胆に振り捨て、伝統と決別するつもりであることを認めた。 新戦略の採用には当然大きなリスクも伴うが、これまで企業の根幹を支える生産性ツールとして利益を産んできた会社に新しい成長の可能性を与える。

ナデラはMicrosoftの変身が必至になった時期にCEOに就任した。 モバイル・ビジネスは失敗し、全社的なりソースの再配分が避けられなくなっていた。変革は始まっていたが、ごく初期段階だった。改革は株価に対して上向きのようだった。しかし他社(Googleでさえ)と同様、賭けが結果を出すまでには時間がかかる。この間、Microsoftの売上の伸びはさほど目立つレベルではなかった。

大きな賭けには大きなリスクが伴う。2016年11月にMicrosoftは急成長中のビジネス・チャットのスタートアップ、Slackに対抗してTeamsというコラボレーション・ツールをリリースした。2016年初めにMicrosoftはSlackを80億ドル前後で買収することを検討していた。しかし結局資源を社内のSkypeとTeamsに振り向けることにした。Microsoftがエンタープライズ・コラボレーション分野に取り組むのはこれが初めてではない。2012年にはTwitterのエンタープライズ版、Yammerを12億ドルで買収している。だがMicrosoftはこの分野への参入で目立った成果を挙げていない。Slackが現在得ているような賞賛や清新なイメージを得ることに失敗している(なるほどSlackの成長はやや減速しているし、好印象はシリコンバレー所在企業だという点も影響しているだろう)。

MicrosoftはGoogleの失敗を教訓としているかもしれない。GoogleはNestやGoogle Fiberのような互いに関係が薄い垂直統合的分野に莫大なリソースを投じた。その結果、GoogleのCFO Ruth Poratはこうした新たな分野への投資にあたって「今後さらに慎重でなければならないだろう」と述べるに至った。Microsoftの新分野への賭けは、これに比べると同社のコア・ビジネスとの親近性が高い。そうであっても、エンタープライズ・チャットというような過去に失敗した分野への再参入にあたって非常に慎重な判断が求められるだろう。

そのような側面はあるが、株価は結局、成長率の問題となる。ウォールストリートでは新分野への賭けにGoogleやAppleのようになるのではないかと懸念する声があったが、Microsoftの成長をそうした声を吹き飛ばした。2016年にMicrosoftの株価は12%もアップした。過去2年では34%の上昇だ。それ以前、ほぼ10年にわたって時間が止まったような停滞状態にあり、投資家を失望させてきた大企業にしては驚異的な復活といえる。

2016年にMicrosoftは伝統的なエンタープライズ向けの巨人であるだけでなく、 コンピューティングがパソコンというデバイスの外に大きく拡張する時代に適合した未来をデザインする企業に生まれ変わった。Microsoftは自社OSが独占するハードウェアの世界に閉じこもった企業ではない。あらゆる主要プラットフォーム上で作動する多数のプロ向けサービスをサポートし、文字通りインターネット世界のバックボーンのひとつになろうとしている。

これに加えて、今やこの業界のほとんどプレイヤーが実験を始めている機械学習というトレンドがある。2016年9月のMicrosoft Igniteカンファレンスでナデラは基調講演のほとんどすべてを機械学習にあてた。ナデラは既存のデータを機械学習テクノロジーに適用し、Office 365のようなサービスを大幅に効率化するMicrosoftの計画を説明した。またMicrosoftは昨年初めに独自のバーチャル・アシスタントCortanaの利用をサードパーティーのデベロッパーに開放した。

こうした動きにはMicrosoft独自の部分もあるが、20017年にはGoogle Assistant、Amazon Alexa、Apple Siriなどのアシスタントの利用が急速に拡大し、ユーザーとの対話性に変革がもたらせることが予想させることに対するMicrosoftの回答といえるだろう。今年は既存サービスに機械学習の成果をシームレスに接続することでユーザーにとっての利便性を大きく高めることが各社にとって2017年の勝敗を決するカギとなるだろう。

Microsoftにとってこの部分は逃げ道のない主戦場であり、コアとなるサービスの改善のために避けて通れない道筋だ。昨年初めにMicrosoftはAIによる入力予測に基づくキーボード・テクノロジーのスタートアップ、SwiftKeyを買収した。 Officeのような企業業務の根幹となる大型の生産性ツールの改良には巨大な資源が必要だ。ことに自然言語処理能力を備えたツールのとシームレスな統合が強く必要とされている。

他社の戦略と比較した場合、Microsoftのやり方は多様性に富んでいる。Amazonはクラウド化に賭けている。Appleは新しいハードウェアと、たとえばApple Musickのようなオンライン・サービスの拡大で成長の勢いを引き続き維持するつもりだ。株式市場は多様性を好む。ナデラのMicrosoftが株式市場に好感される理由は多様性のあるアプローチにも大きな理由があるだろう。

〔日本版〕Graphiqの対話的グラフは2番目が「一時的に表示できない」とされた。この株価グラフはTechCrunch Japanトップ・ページのタイトル脇サムネールに画像として貼っておいた。対話的に操作するには原文参照。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Amazon AWSのEC2 Container ServiceにWindows Containersのサポートが加わる

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Microsoftは3か月前のWindows Server 2016の立ち上げのときに、Windowsのサーバー上でDockerエンジンを使ってコンテナを動かすことを可能にした。これによりデベロッパーは、Windowsの実行コードをコンテナに収めてWindowsのサーバー上で動かすことができる。もちろんWindowsの実行コードをLinux上で動かすことはできないが、使用するDockerエンジンやそのコマンド体系はデベロッパーにとってすでにおなじみのものだ。そして今日(米国時間12/20)AWSは、同社のEC2 Container Service(ECS)がWindows Containerをベータでサポートする、と発表した

Amazonはそのために、ECSのコンテナエージェントのWindowsバージョンを独自に開発した。しかも、Amazonとしては異例にも、エージェントのコードはApache 2.0のライセンスによりGitHub上で提供される

MicrosoftとDockerの密接な協働により、DockerエンジンがWindows上で動くようになった(Windows 10のAnniversary Update以降を含む)。Windows Server 2016上ではDocker Engineの商用サポートも提供され、今後はエンタープライズ向けのサポートも提供される。ただしWindowsのコンテナは、Dockerの管理ツールに触れることなく、PowerShellからでも管理できる。

なお、一般的にコンテナは軽量のリソースと見なされるが、Windows ServerのDockerイメージはかなり大きくなりがちだ(Amazonによると9.66 GB)。ECS上でWindows Containersを使い始めるためにも、Linuxのコンテナと違って、かなりややこしい部分がある。

古いアプリケーションをクラウドへ移す、という最近のエンタープライズの動向に伴い、Windows上のコンテナはそれらをレガシーのハードウェアからAWSやGoogle Cloud Platform、それにMicrosoft自身のAzureプラットホームなどへ移行させるための、容易な方法と見なされるようになった(AzureはWindows Containersをかなり前からサポートしている)。Amazonは今回Windows Containersを新たにサポートすることにより、この市場のちょっとした分け前をいただきたいのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Androidでデフォルトの通話/SMSアプリとして機能する「Skype Mingo」のαテストが開始

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「Skype Mingo」と名付けられた新しいSkypeアプリが目撃された。Android端末のユーザーはこのアプリをデフォルトの通話アプリやコンタクト管理アプリとして利用できる。従来のSkypeアプリと同様に、チャット機能、ファイルと写真の共有機能、ビデオ通話機能、チャットボット機能も備えられている。

Google Playによれば、まだαテストの段階であるSkype Mingoを最初に発見したのは、ブログメディアのMSPoweruserだった。加えてMSPoweruserは、SkypeがAndroidユーザー向けにSMSリレー機能も実装するつもりだとも述べている。それを踏まえると、SMSリレー機能を全Androidユーザーに向けてリリースする前に、それをテストするための実験がSkype Mingoであるとも考えられるだろう。

しかし、MingoにはまだSMSリレー機能は実装されていない。メインのSkypeアプリとMingoが異なるのは、Mingoの場合は同アプリをAndroidのデフォルト・コミュニケーションアプリとして利用できる点だ。このアプリで電話を受け取ったり、連絡先を管理したり、SMSの送信や受信をしたりすることが可能なのだ。

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これらの機能がすべて、青と白で統一されたSkypeの見た目とそっくりなアプリ内で利用することができる。加えて、Skype MingoはフルサイズのSkypeクライアントとしても機能するため、従来のSkypeアプリで利用できる機能はすべて、Skype Mingo上でも利用可能だ。

これが意味するのは、Skype Mingoでも無数のSkypeチャットボットが利用できるということだ。チャットボットのバーチャル・アシスタントを活用すれば、様々なタスクを自動化することができる。航空券の検索(Skyscanner、Hipmunk)、チケットの検索(Stubhub)、近くのお店検索(Foursquare)、Web検索(Bing News、Bing Images)、郵送した荷物のトラッキング(UPS)などがその例だ。

Skype Mingoは「サイズは小さいが、速くてパワフルな通話/メッセージングアプリが欲しい」というユーザーに向けたアプリのようだ。MicrosoftによるSkype Mingoの宣伝文句は「小さくて速い」というもので、「Economical Calling」や「On-Demand Sync」など、データを節約できるような機能も備わっている。また、Skype Mingo内でデータの利用料などをチェックできる仕組みにもなっている。このことは、Skype Mingoがハイスピードなインターネット通信環境がそれほど整っていない新興マーケットに向けたアプリであることも示唆している。

現段階ではαテスト版のSkype Mingoは、まだ日常的に利用できるアプリではない。アプリの挙動はまだ不安定で、多くのバグや不具合が見つかるだろう。

Microdoftは、Skype Mingoに関する今後のプランについて口を閉ざしているが、同社のスポークスパーソンは以下のように述べている:

「最高のSkype体験を提供するため、イノベーションを常に生み出している私たちは、折りに触れて新しい機能のテストを行うこともあります。現段階では、これ以上コメントできることはありません」。

[原文]

(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Microsoft Surfaceの11月の売上は新記録―MacBookへの失望も一因

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Microsoftによれば、Surfaceのセールスはきわめて好調で、11月の販売台数ベースは過去最高を記録したという(この台数にはSurface Hubホワイトボードは含まれない)。

Surfaceがクリスマス商戦を前にして早くも成功を収めた大きな原因はもちろん新しいSurface Bookの売り出しやSurface Studioの発表にある。画面が自由に動くオールインワン式のStudioはここ数ヶ月で発表された中でもっともエキサイティングな消費者向けハードウェアの一つだった。予約受け付け分の出荷は先月末から始まっている。

もちろんAppleもMicrosoftと同時期にノートパソコンの(久々の)アップデートを行った。10月下旬に公開されたファンクションキーをリボン状のタッチパネルで置き換えるMacBook ProのTouch Barについては好き嫌いがはっきり分かれたようだ。フィル・シラーはアップデートの直後、Appleの「オンライン・ストアは新しいMacbook ProについてこれまでのどのProよりも多い注文を受けている」とプレス向けに述べた

そうではあっても、icrosoftはSurfaceceの成功の原因の一つがAppleファンの不満にあると知れば満悦を隠せないだろう。今日のブログ記事でMicrosoftは最高650ドルの割引という多少どぎつい買い替えプログラムのプロモーションをしている〔日本のMicrosoftの買い替えプログラムはこれとは異なるようだ〕。

なおSurface Book with Performance Baseは現在販売中のオーストリア、中国、フランス、ドイツ、香港、日本、スイス、イギリス.に加えて新たにオーストラリアとニュージーランドでも購入できるようになった。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+