クレジットカード決済のSquareがスペインのP2P決済アプリVerseを買収

Square(スクエア)は、ヨーロッパで使えるスペインのピア・ツー・ピアの決済アプリVerse(ヴァース)を買収した(Squareリリース)。条件は非公開だ。Crunchbaseによると、VerseはSpark Capital、eVentures、Greycroft Partnersなどから3760万ドル(約40億円)を調達している。

SquareはCash Appで多くのユーザーを引きつけている。P2P決済アプリのCash Appではユーザーはスマホでお金の送受信が簡単にできる。ただしCash Appは、米国と英国でのみの提供だ。

Verseの買収は、ヨーロッパでSquareの存在感を高めるのにうってつけのようだ。VerseのチームはSquare内のCash App部門に加わる。

Cash AppとVerseの間には多くの類似点がある。Verseの主要機能は、モバイルアプリでお金を送受信できるようにすることだ。ユーザーは一切手数料を払う必要がなく、送受信はわずか数秒で完了する。

Verseのユーザーは電話番号でサインアップできる。つまりアドレスブックに電話番号がある人に送金が可能だ。もしあなたのVerseアカウントに十分な残高がない場合は、アプリはあなたのデビットカードに直接課金できる。そしてVerseアカウントからお金を引き出したい場合は、銀行口座に送金することができる。

また、Splitwiseのようなアプリからのグループ費用を追跡したり、貯蓄口座を開いたり、チケット発行機能を使ってイベントを準備したりできる。

直近では、Verseアカウントから直接お金を使えるVisaデビットカードをスペインで立ち上げた。為替手数料を払う必要はなく、毎月2回まで無料でATM引き出しができる。VerseはVisaの為替レートに準拠している。

Verseはしばらくユーザー数を公開していないが、App Annieによると、現在スペインのApp Store全カテゴリーでのダウンロード数ランキングで247位となっている。P2P決済は小さな企業が多数参入している。例えばフランスのスタートアップLydia(リディア)は、フランスにユーザー300万人を抱える。

「現時点で、我々の優先事項はVerseが引き続き欧州で成功するようにすることだ。Verseは今後も独立して事業を続け、さしあたって既存のプロダクトや顧客オペレーションに何ら変更はない」とSquareは発表文で述べている。

発表文の中で最も重要な表現は「at this point(現時点で)」だ。Squareは壊れていないものには手を加えたくない。しかしVerseが徐々に欧州におけるCash Appになったとしても驚きではない。

画像クレジット:Square

[原文へ]

(翻訳:Mizoguchi

Twitterのジャック・ドーシーCEOが1000億円超の新型コロナ救済基金を設立

Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は米国時間4月7日、一連のツイートで自身が所有するSquare(スクウェア)株10億ドル(約1090億円)を使って新型コロナウイルス救済に特化した基金を設立することを発表した。TwitterとSquare両社のCEOである同氏は、新ファンドをStart Small(スタート・スモール、小さく始めろ)と名付け、支払額と受取人の記録を公開スプレッドシートに掲載している。

ドーシー氏は発表の中で、Start Smallは将来、新型コロナに打ち勝った後は目標を転換し、少女の健康と教育とuniversal basic income(ユニバーサル・ベーシックインカム)に向けるつもりだと語った。

Start Small最初の寄付として、10万ドル(約1090万円)がAmerica’s Food Fundに贈られる。Leonardo DiCaprio(レオナルド・デカプリオ)氏とLaurene Powell Jobs(ローレン・バウエル・ジョブズ)氏が率いる新型コロナ・パンデミックで困難な生活を送っている人たちに食料を提供する取組みだ。

America’s Food FundのGoFundMeページによると、同ファンドの高額寄付者には他に100万ドル(約1億900万円)のOprah Winfrey(オプラ・ウィンフリー)氏、500万ドル(約5億4000万円)のAppleらがいる。

1社ならず2社の上場企業を率いる米国のテック起業家が米国時間4月7日の午後に発信したツイートからわかったことは、とりあえず上記の通りだ。

Start Smallの資金にTwitterではなくSquare株を使った理由については「私はSquare株をずっとたくさん持っている。そして少し時間をかけて売る必要がある」とドーシー氏は後にツイートで説明している。

ドーシー氏の新たなプロジェクトについて、知るべきことがまだたくさんある。どう運営していくのか、(寄付の他に)投資もするのか、基金に興味のある人がどうやって申し込むのかなどだ。TechCrunchはSquareに詳細を質問しているので、情報が入り次第本稿を更新する予定だ。

画像クレジット:Drew Angerer / Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

無料のフォトストック事業運営のUnsplashが課金や広告に頼らない収益化手法を考案

100万枚の写真をストックし、すべて無料で提供しているUnsplashは、同社の収入になり、かつフォトグラファーの収入増加にもつながるプロセスを開始する。

画像:Boxed Water is Better / Unsplash

と言っても、写真の使用に課金するわけではないのでご心配なく。同社のMikael Cho(ミカエル・チョウ)CEOは、写真への課金は「創造性の足を引っぱる」リスクがあると述べている。

ウェブサイトのすべてのページにバナー広告を設置しようというわけでもない。そう、デジタル広告ビジネスなのだが、Unsplashは独自のアプローチをとっている。企業と提携してブランドの写真を作り、それを検索結果に表示させようとしているのだ。

例えば、決済サービス企業のSquareが、Square Registerの写真をアップロードする。するとUnsplashの利用者が「cash register」などの語で検索したときに、その写真が表示される。

Unsplashと提携するブランドは、検索結果の目立つ位置に表示され、そのブランドのチャンネルも表示される。しかし実際の効果はUnsplashのウェブサイトにはとどまらないとチョウ氏は言う。

同氏は筆者に対し「これは、1カ所だけで効果を発揮するものではない。広告のプラットフォームが増えウォールドガーデンとなって閉じていくが、(Unsplashの)目的は広めることだ。人々は写真をプレゼンに使い、ブログにも使うようになる」と述べた。

Squareの例で説明すると、誰かが「レジの未来」に関する記事を書く際に、トップのイメージの候補としてSquare Registerがいきなり出てくる。

SquareのブランドマーケティングマネージャーのLeann Livingston(リアン・リビングストン)氏は発表の中で「Squareは特徴的な『白い小さなカードリーダー』で知られているが、当社のハードウェアはあらゆる規模の企業の経営者を支援する製品のエコシステムへと進化している。Squareのハードウェアの写真がレストラン、サロン、小売店などにわたって使われたため、オーガニックの画像を通じてブランドを広めることができた」と述べている。

チョウ氏は、これまでのキャンペーンのおよそ半数で、ブランドはUnsplashのフォトグラファーに仕事を発注していることも説明した。例えばBoxed Water Is Betterは、楽しい場面での製品写真を発注した。

Boxed Water Is BetterのRob Koenen(ロブ・ケーネン)CEOは発表の中で「当社に合うフォトグラファーの方々に発注することで、持続可能性の新たな基準を提唱し、地球環境に有害なペットボトルが写っていない画像を世界中のクリエイターが利用できるようにする」と述べている。

ブランドと提携したUnsplashは、現在のところ招待制だ。同社は、Kantar Millward Brownの調査結果についても言及している。それによれば、Unsplashのブランドイメージはテレビやデジタル広告のベンチマークを最大で5倍上回り、「マススケール」に達する可能性があるという。

[原文へ]

(翻訳:Kaori Koyama)

Squareの新端末「Square Terminal」は、時代遅れのクレジットカード端末を置き換える

本日(米国時間10/18)Squareは新しいハードウェア、Square Terminalを発表した。

同社のハードウェア責任者、Jesse Doroguskerの説明によると、Square Terminaは同社の製品ラインアップのギャップを埋めるものだという——一般のカードリーダーと異なり、これはオールインワンのハードウェア(スマートフォンやタブレットが不要)だが、Square Registerよりは求めやすい価格になっている。

Doroguskerはこれを、あちこちの店で見かける「時代遅れの」クレジットカード端末(たとえば近所の雑貨屋のカウンターにのっかっているあるグレイのブロック)を置き換えるために作ったと話した。彼によると、その手の端末は店主にとって厄介な契約が付随してるうえに、消費者にとってもすばらしい体験とはいえない。

それに対してこの新しいTerminalは、Squareらしい体験を提供する。たとえば、Wi-Fi対応で1日持続するバッテリーで動くので、店の中を持ち歩いたり客に手渡しすることができる。

「この製品が実に面白いと気づいたのは、Squareの支払いシステムを内蔵しているだけでなく、ユーザーに新しい使い方の道を開いたことだ」とDoroguskerは言う。

たとえば、ベータテスターの中には、テーブルで支払い処理ができるようになったレストランや、客が椅子に座ったまま支払えるサロン、患者が処置室の中のプライバシーの守られた状態で支払いができる整形外科などがあると彼は言った。

Doroguskerは、一部の国々ではすでにワイヤレスカード端末を顧客のテーブルで使っていることを認めつつ、Square Terminalには購入商品それぞれの価格を見ることができるなどの付加機能があると話した。さらに、スマートフォンなどの端末を通じてApple PayとGoogle Payの支払いを受け付けることもできるほか、ICチップ付きカードを2秒で処理できる機能も内蔵している。

Square Terminalの価格は399ドル。Squareを初めて使う店は今すぐ注文すれば、300ドルの手数料クレジットがもらえる。クレジットの有無に関わらず、Squareの処理手数料はシンプルに誰でも同じ、取引1回当たり2.6%プラス10セントだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SquareがICチップ付カードを2秒で処理できるようになった

もしこれまでに、ICチップ付カードで支払いをしたことがあるなら、おそらく居心地の悪い時間を過ごしたことがあるだろう。あなたのカードが挿入されてから長い時間が経過し、後ろに並ぶ人たちが(文字通りあるいは比喩的に)足を踏み鳴らしながら、カードが処理するのを待っているあの時間のことだ。

そこでSquareは、しばらく前からこの問題に取り組んでいた。例えば、昨年の秋には、CEOであるJack Dorseyは、同社が処理時間を3秒以下に短縮することができたと語っている。

本日(米国時間8月15日)同社はその時間を更に短縮したことを発表した。Squareの非接触型チップリーダーならびにレジスターは、今やチップ付カードを2秒で処理することができる。これを達成するために、Squareは支払いパートナーと密接に協力していると言われている。そしてカードイシュアからの返信を待つこと無く、カードを読み取ったらすぐに取り除けるように、プロセスの合理化も行っている。

対照的に、ウォールストリートジャーナルが数年前に50回以上のトランザクションでチップ付カードの計測をしたときには、その平均処理時間は13秒だった。こう聞くと余計な秒数はそれほど大きなもののような気はしないが、しかし急いでいたり、人びとが後ろに並んでいるときには、この違いが苦痛をもたらすものとなる。

さらに、これはビジネスのための本当の差別化を生み出すことができるように思える。この発表の中で、ビール会社Local Brewing Co.の、共同創業者兼醸造責任者であるRegan Longは、ジャイアンツのサンフランシスコAT&Tパークの近くにある彼の醸造所では「ビールのお会計を済まそうとするお客さんが一気に押し寄せる」ことが常であると語っていた。

「Squareのチップ付カードリーダーのアップデートによって、お客さん1人をさばく時間を半分にすることができました。このことで早く最初の1杯を飲もうとするお客さんたちに、ハッピーな時間を過ごして貰いやすくなりました」と彼は付け加えた。

より速いチップ付カード処理に加えて、Squareはまた別の速度関係の発表を行った。最新のアップデートによって、Squareの無料POSアプリは、もし選択すれば、サインの収集をスキップすることができるようになる。

[原文へ]
(翻訳:sako)

SquareがそのReaderへのアクセスをデベロッパーに一般公開、独自の店頭決済ソリューションを作れる

あなたが毎日通うコーヒーショップのレジでおなじみのSquareが、そのReaderハードウェアをデベロッパーに公開する。デベロッパーはSquareのReader SDKを使って、独自の決済やPOS体験を構築できる。セルフサービスのキオスクや、ウェイターが使うモバイルアプリなど、いろんな決済ポイントを実装できるだろう。

Squareでデベロッパープラットホームを指揮しているCarl Perryが、こう説明している: “私たちは今市場にあるものの中では最良のPOS(販売時点)ソフトウェアを作ったと自負しているが、しかし業界によっては独特のニーズもあり、私たちの既存のプロダクトでは対応できない独自の店頭決済体験を実装したいと願っている企業も少なくない。そこで今回私たちは、そのプラットホームをオープンにし、今回初めてデベロッパーに、Squareのハードウェアへのダイレクトアクセスを提供しようとしている”。

ここでSquareが言いたいのはたぶん、すでにSquareがよく使われているリテールやレストランなどの業界と、ほとんど使われていないニッチの業界の両方に、既存のSquareのソフトウェアでは間に合わない業態がある、ということだろう。そこでSDKを広く公開すれば、iOSやAndroidのデベロッパーがそれらの業態…交通運送業、ヘルスケアなど…に合ったSquareの決済ソリューションを作ってくれるだろう、というわけだ。またSDKの公開によってデベロッパーは、自分のソフトウェアに決済システムを容易に組み込めるようになる。たとえばCRMソフトを作っている人や、もっと複雑なERPシステムを手がけているデベロッパーが、即時決済という実装部品を得ることになる。

すでにこのSDKを使用した企業の中には、Shake Shackがいる。同社はニューヨークなど数都市で展開している“Shack of the Future”で、このSDKを使用するセルフサービスのキオスクをテストしている。またInfinite Peripheralsは、デジタルのタクシーメーターを作り、それはすでにワシントンDCで使われている。ほかに、Instagramのアカウントを持つジュースチェーンJoe and the Juiceや、使い捨て医療用品自販機のQuiqMedsなども、このSDKでPOSを実装している。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

SquareがWebサイト作成サービスWeeblyを買収、オフライン小売顧客のオンライン化をサポート

Squareが、Webサイト作成サービスWeeblyを現金+株式3億6500万ドルで買収する合意に達した、と発表した

Squareは決済ソフトウェアと関連ハードウェア(レジなど)で有名だが、最近は買収により他分野にも事業を拡大している。たとえば食材宅配のCaviarや、企業向けのケータリングサービスZestyなどだ。

Weeblyは、使いやすいWebサイト構築ツールだ。ぼくみたいに個人が使うだけでなく、同社は最近、中小企業やeコマース企業の顧客開拓にも力を入れている

強力な競合他社のひとつであるSquarespaceは昨年末に、17億ドルの評価額で2億ドルを調達している

Squareによると、Weeblyの買収によって、オンラインとオフラインでビジネスを構築しようとしている起業家に、総合的なソリューションを提供できるようになる。またWeeblyの有料会員62万5000人/社の40%が海外なので、Squareのグローバル展開の足場にもなる。

SquareのCEO Jack Dorseyは、買収を発表するプレスリリースで、“SquareとWeeblyは、起業家の力になり彼らの支えになっていくことへの情熱を共有している。Squareはその旅路をインパーソン(in-person,実物人間)なソリューションから始めたが、Weeblyはオンラインから始めた。それ以降両社はともに、この二つのチャネルを橋渡しするサービスを構築してきたが、これからはさらに遠くまで、しかも早い歩みで、進んでいけるだろう”、と述べている。

Weeblyは2007年に、今もCEOのDavid Rusenko(上図)とChris Fanini、そしてDan Veltrが作った。Crunchbaseによると同社はこれまで、Sequoia Capital, Tencent Holdings, Baseline Ventures, Floodgate, Felicis, Ron Conway, Y Combinatorなどから3570万ドルを調達している。

Squareによると、買収価額にはWeeblyのファウンダーと社員のための、4年間の権利が確定する株式も含まれる。

アップデート:電話会議による記者発表でSquareの役員たちは、同社の企業買収は今後もより積極的に続くのか、と尋ねられた。CFOのSarah Friarはそれに対し、それは今後の出会いの質による、と答えた。今回のWeeblyの場合は、両社の協働関係が長年続いており、彼女によると、“Davidたちの起業家観がとても良い。企業文化という点でも、両社は似合いの仲である”、という。

Friarは、Weeblyの買収をSquareが今後さらに大々的に買収をしていく意思の現れと取るべきでない、と釘を差した。同社は今後も、“何かを自分で作ったり、パートナーを作ったりがメインになる”、と。

Weeblyのチームは、その多くがSquareに加わる。Rusenkoによると、買収を発表する全社集会を終えたばかりだ、という。

Rusenkoは曰く、“今は、とても高揚している。本当の共有と相互尊敬がこれにはある”。そしてチームには、“今後も末永くこのミッションを続けられることが、とても嬉しい”、と告げたそうだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ワシントンDC、全タクシーにSquare導入へ

ワシントンDCは、同市のタクシーがUberLyftなどの配車サービスと対等に戦うための一歩を進めた。2017年8月31日以降市内の全タクシーは、誰もが知っているあの大嫌いなメーターをやめ、新しいデジタルメーターに切り替えなくてはならない。そして支払いには Squareが使える。

この夏の終わりまでに、どのタクシードライバーもコーヒーショップや移動販売車と同じように客のカードをスワイプできるようになる。スマートフォンやタブレットにプラグインされたSquareリーダーを使う。ワシントンDCのDepartment of For-Hire Vehicles (DFHV)[運送車両局]は、ドライバーが利用できるメーターアプリをいくつか承認した。配車アプリと同じく、新しいメーターアプリは路上で乗せた乗客の料金体系を動的に変更できる。

乗客は、料金見積り、GPSによる経路案内、電子レシートなどUberやLyftと同じサービスを受けられる。ただしクレジットカードはアプリに登録されていない。降車する際にカードを通す(スワイプ)かスマホをタッチしてSquareで支払う。アプリを使ってドライバーにチップを渡すこともできるのはほかでSquareを使う場合と同じだ。

ワシントンDCはデジタルメーターに全面移行する最初の都市になるので、こうした利便性の向上が、配車アプリの台頭に歯止めをかけるかどうか注目したい。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Square Retailは、小売店オーナーの要求に応える先進ソリューションを狙う

square-retailpos-01

本日(米国時間8日)Squareは、小売業の顧客に対する新しいアプローチを開始した。新しいSquare Retailアプリは、在庫管理、CRM、従業員用ツールなどを完全に含む包括的バックエンドツールを補完的に提供する。

新製品は、単なるSquare Readerと基本的なSquareモバイルアプリ以上のものを必要とする商店や店主たちに、1段上の小売ソリューションを実際に提供できるようにデザインされている。SquareのPOS責任者であるMatthew O’Connorは、このソリューションが顧客の必要に応じてスケールを実現できるものであると説明してくれた。1店舗だけの運営から、複数の店舗を持つ商店の多くの在庫を追跡するなど、あらゆる顧客をサポートすることが可能だ。

「私たちは主に、私たちが『オーナー主導型』と呼んでいるビジネスをターゲットにしています、よって彼らのビジネスをどう展開するかに関する意思決定者は、通常は1人だけ存在しています。数百の拠点へとスケールすることもできますし、数十万点のSKUやアイテムに対応することも可能です」。

Squareの新製品が、現時点で主たるターゲットとしている小売業者のタイプは、「最終製品」を扱う顧客たちだ。すなわちワインやゲーム同様に、パッケージされた製品やシャツや服のようにバーコードを付けられたものを扱う顧客たちだ。そうした業態は、O’ConnorとSquareがデモを見せてくれた在庫管理システムにベストマッチする。それはスマートでスッキリとしたデザインを備え、簡潔で直感的なインターフェイスを誇っている。

平方retailpos-02

新しいSquare Retailアプリは検索に重点を置いている。例えば顧客プロフィールや、在庫の中の任意のアイテムを、トップにある統一された検索バーを用いて、素早く簡単に見つけることができる。アプリは、チェックアウト時に、ショッピングカートの商品を素早く処理するバーコードスキャニング機能も提供し、さらにこうした全ての機能が新しい拡張可能なバックエンドにプラグインされている。このバックエンドもインターフェイス同様にシンプルで、クリーン、そして容易に使えるものだ。

Squareの新しいダッシュボードツールを使えば、店のオーナーと小売スタッフは、新しい顧客情報を保守・参照できる。これにより、販売記録が追跡され、買い物客のプロファイルが構築される。またどのスタッフが買い物客の対応を行ったのかに関するメモも含めることができる。システムはまた、買い物客を購買習慣に基づいて自動的にグルーピングする機能を提供する。これは特にあなたが小さな店を運営していて、熱心な顧客たちを抱えており、しかしCRM自身にはあまり焦点を当てていないような場合には便利な機能だ。

在庫管理も同様に巧妙だ。もし複数の拠点を持っている場合でも、それらにまたがるリアルタイム管理が可能だ。このシステムはまた、ある場所から別の場所へユニットを転送することを要求することが可能だ。そして、注文書の入力と追跡を行い、受け取った荷物を自動的に新しいアイテムとして在庫に追加する機能もサポートしている。

平方retailpos-03

最後に紹介する従業員管理ツールは、個人あるいはグループ単位でのアクセスレベルの設定を可能にする。このことで複数の店舗に跨った運営をスムースに行うことができる。

Squareはシステム全体を、大部分の人が触りながら、最小限の努力で使い方を自ら学べるようにデザインしたと言っている。これは個人業者に自身の携帯電話を使って集金させるという、元々のビジネスモデルでも採用されたアプローチと同じものだ。ここでのアイデアは、軽量でありながら完全な機能を、最低限の費用で提供するというものである。Square for Retailの全パッケージにアクセスするための費用は、レジ1台あたり月に60ドルになる。

小売業オーナーたちが、競合相手のSopifyやRevelを差し置いて、Square Retailを選ぶ理由は何かと尋ねると、O’Connorはこう答えた「統合的な支払い方法を提供していますし、Capital(米国の大手クレジットカードイシュア)へもアクセスできます。クレジット会社からの支払い拒否に対する補償もありますし、私たちが提供する分析データもあります」。「顧客からの声として、とても大切だと思っているのは、顧客はワンストップを本当に求めているのです。自分たちのビジネスを助けてくれるように思える、ただ1つの場所に行きたいのです。複数のベンダーや複数の担当者を相手にしなければならないことは、普通厄介な事だと思われています。ですので、最終的にはSquareが全てを提供できると思っています。実際全てが連携して動き、バックエンドに統合されているのです」。

Squareはそのエコシステムの効果に期待している。言い換えれば、対象とする顧客のグループに対する魅力的な先進性に期待しているということだ。そうした顧客はしばしば大きな責任を自らの肩に負っている人びとだ。そうした人びとが外部のベンダーに依存する必要がある場合、一般的には1つのベンダー、1つのコンタクトを相手にしたがるのは理に叶っている。Squareによる小売業に対するアプローチの再考は、よりターゲットを絞り徹底的に考え抜かれた計画のように見える。そしてそれはこの領域に対する良い予兆を感じさせるものだ。

[ 原文へ ]
(翻訳:Sako)

Google、スマートフォンをポケットに入れたまま支払いができるPOSシステムの実験開始

2016-03-03-android-pay

今日(米国時間3/2)、Googleは今までより簡単に店舗で支払いができるパイロット・プログラムを開始した。ユーザーはポケットのスマートフォンをいちいち取り出す必要がないという。

このプログラムはHands Freeと呼ばれる。アプリはAndroid版とiOS版がある。基本的には支払い能力があるスマートフォンとPOSレジをスマートフォンの各種センサー〔Bluetooth、Wifiなど〕を用いて接続するというものだ。POSレジは顧客がスマートフォンを持っていることを最初から認識しており、顧客は支払いを行うときにHands Freeを用いる。実験はサンフランシスコ南部の店舗で今日から開始された。

Googleの上級プロダクト・マネージャーのPali Bhatは「これまで店舗での支払いには面倒な点が多かった」と述べた。

hands free 3

ユーザーが店に入ると専用POSレジはモニター・エリア内に新たなスマートフォンが存在することを認識する。システムはあらかじめHands Freeに関連づけられたクレジットカードからの支払いの準備をする。ユーザーは店のキャッシャーにI’ll pay with Googleと言い、同時に姓名の頭文字を告げる。キャッシャーがそれを打ち込むだけで支払いは完了だ。なおキャッシャーが支払いを行うのが本人かどうかどうか確認する手段も提供される〔専用POSレジにはカメラが装備されており、顧客の写真がGoogleプロフィールと一致するか判定する〕。【略】

どこかで聞いたことがあるシステムだと感じた読者もいるだろう。スマートフォンをポケットから出さずに支払いを行うシステムのパイオニアはSquareだった。Squareの場合はスマートフォンを携帯した顧客が入店したことを認識するためにジオフェンシング・テクノロジーが用いられていたが、Bhatは「Googleの実験はこの点では異なる」と述べた。しかし基本的な原理は同じだ。目的は支払い手続きをできる限り簡便にすることにある。ただしGoogleはSquareのシステムの真似をしているわけではない。Googleは非常に真剣だが、これを普及させるとなると、いかにGoogleであっても相当の難事業だろう。

一方ではAndroidとApple Payが非常によく似ていることを考えると、Appleが Googleの方式に追随するかも関心がもたれる。Squareのシステムは必ずしも成功とはいなかったが、Googleの例を見ると、実装に問題がなければ、こうしたシステムにも一定のニーズがあるらしい。

ただし普及には2つの困難な側面がある。一つはまず店舗を説得して対応POSレジを設置させねばならない。次に支払いに利用するユーザーを増やさねばならない。GoogleにはPOSレジのメーカーがAndroidスマートフォンとの接続に利用できるAPIがある〔ので前者は比較的容易だが〕、ユーザーのスケールアップは困難な事業となるだろう。【略】

Googleでは今回のプログラムは「あくまで実験だ」としている。サンフランシスコ南部地区限定なのはそのためだ。Googleの目的はこうしたシステムに対するユーザーのフィードバック収集にあるという。実験には同地区のマクドナルドとパパ・ジョンズ・ピザのチェーン店が参加している。

〔日本版〕この実験はAndroid Payとは独立のもので、Hands Freeに別個にクレジットカード情報を入力し、支払いの関連付けを行う必要がある。ユーザーはAndroid版とiOS版アプリが利用できる。専用サイトのFAQに作動方法などについての詳しい解説がある。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Squareの上場初値は11.20ドルで2億4300万ドルを調達―9ドルを無事24%上回る

square-nyse

Squareは今朝(米国時間11/19)、NYSE(ニューヨーク証券取引所)に上場し無事に初日の取引を行った。ティッカー・シンボルにはSQが選ばれ、1株11.20ドルの初値から、さらに株価は上昇した。

昨夜幹事証券会社のゴールドマン・サックスが発表した売出値はわずか9ドルだった。今日の上場でSquareは2億4300万ドルを市場から調達し、時価総額は29億ドル前後となった。

昨夜の値付けに関して否定的な声があちこちから出たものの、今日の取引状況はSquareにとっていちおう良好なサインとなったようだ。ただし昨年、同社は60億ドルの会社評価額で資金調達をしている。アナリストは上場時の株価を11ドルから13ドルと見積っていたが、これによる時価総額は最大40億ドルにしかならない。昨日の9ドルの値付けはさらにSquareの面目を失墜させるものとなっていた。

Squareとそのカリスマ的ファウンダーのジャック・ドーシーはモバイル支払いビジネスの地図を一変させるものとして大いに期待されてきた。クレジットカードを読みとるため、スマートフォンのイヤホンジャックに差し込む独特のデバイスは現在いたるところで目にする。なおドーシーはTwitterの共同ファウンダーでもあり、現在、常勤CEOとして、Twitterの経営にもSquare同じくらいの時間を割いているという。

しかしながら、Squareのビジネスはユーザーである一般消費者から利益を上げるまでになっていない。また各種の支払いを容易にするPOSシステムの競争も激しさを増す一方だ。

Squareの上場は市場が株式公開に対して懐疑的になっている中で行われた。たとえばFirst Dataは最近の上場で苦戦を強いられている。またはるか以前に上場を行ったPayPalのような会社も株取引は不調だ。

Square自身、まだ利益を計上するまでになっていない。上場申請書によれば、損失はむしろ拡大している。今年第3四半期は3億3200万ドルの売上に対して540.0万ドルの純損失を出している。

東部時間午前11時1分にはSquare株は13.60ドルを付け、上場売出価格を 51%上回った。この価格上昇がなくとも、CEOのジャック・ドーシーはかなり満足だったに違いない。取引開始の鐘を鳴らしたのはドーシーの母、マーシアだった。マーシアはSquareを最初に利用して支払を受け取ったLilybelleのオーナー、Cheri
Mimsを伴った。また2013年からSquareがスタートさせた若い女性プログラマーのためのCollege Code Camppの参加者、Terri Bunrs、Jackie Luoも姿を見せていた。

〔日本版:Yahoo Finance(アメリカYahoo)によれば、現在のSqurareの株価は13.07ドルとなっている(時間外)〕

画像: Nikita Starichenko/Shutterstock

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

SquareのIPO価格は9ドルに決定

square-nyse

Squareの今月始めのいささか控え目なIPO価格は、いっそう控え目になった。

Squareは今日(米国時間11/18)同社のIPO株価を9ドルに決定し、評価額を26.6億ドルとした。最後に同社が資金調達した時の評価額は60億ドルで、今月始めには1株当たり11から13ドル、評価額41.9億ドルという数字を提示していた。

Squareは明日(11/19)上場する。言うまでもなく、これは同社にとって劇的な転換点だ。わずか1年と少し前、Squareは評価額60億ドルで1.5億ドルを調達した。投資家らは同社のIPO前にこの価値を半分以下に切り裂いた。会社の財務状態全般の弱さが理由と思われる。

Squareは、イヤホンジャックに差し込む簡単なカードリーダーとしてスタートを切り、中小ビジネス向けの販売管理・支払いサービスとして、先進的消費者ブランドとなるべく差別化を試みてきた。しかし、他の販売管理サービスからの増大する脅威に直面し、同社の消費者向けビジネスは事実上崩壊した。

そしてもちろん、Starbucksとの破滅的契約は同社の業績を妨げている。ほんの一例だが、Starbucksとの契約はSquareに2015年9月までの9ヵ月間に1.185億ドルの出費をもたらし、一方で売上はわずか9520万ドルだった。

10月末の最新のSEC提出資料でSquareは損失の拡大と売上成長の鈍化を報告しており、第3四半期のStarbucks取引費用は4100万ドルに上った。同社によると同四半期の純売上は3.32億ドルで、前年同期は純売上2.27億ドル、純損失3770万ドルだった。資料にはVinod Khoslaが取締役を辞任したことも書かれている。

Squareは、間違いなく資金を調達する必要がある ― IPOに必要な他の様々な物事も。同社は8期連続で純損失を計上している。Starbucksとの取引による未だに収まらない痛みは同社の業績に悪影響を与え続けている。前四半期にStarbucks取引が要した出費は約4100万ドルだった。

「彼らにはまだ証明すべきことが数多くあると思っている。彼らの前に課題が迫っていることは間違いない」とShopkeepのCEO Norm Merritは言った。「まだ彼らは確立された収益モデルを持っていない。ビジネスに関するかなり劇的な未解決問題がいくつもある。会社の利益率は想像されているよりずっと低い」

更新された申請書は、同社が最後に収支の詳細を報告したわずか数週間後に提出されたが、その意味は重大だ。これはSquareがついに上場を果たした後に直面する課題の兆候だ。Squareの株価 ― 以前の評価よりも低い ― は後期段階スタートアップで数多く起きている評価引き下げの一例だ。Fidelityも最近Snapchat投資の評価損を計上しており、BlackRockもDropbox投資の評価を引き下げた

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、ピアツーピア支払いに参入か

venmo-2

本稿の執筆はKatie Roof

Appleがモバイル支払いサービスを立ち上げるべく銀行と協議していると、Wall Street Jounalの記事が伝えた。そのサービスは、PayPalのピアツーピアモバイル支払いサービス、Venmoと競合するようだ。

早ければ2016年に開始されるというそのプラットフォームは、銀行口座をApple端末と結びつける。ユーザーは、当座預金口座から他人の口座へ直ちに送金できる。

記事によると、J.P. Morgan、Capital One、U.S. Bancorp、およびWells FargoがAppleと協議しsた。交渉がどの段階にあるかは不明だが、「開始は差し迫っていない」という。

新サービスは、iPhoneとApple Watchedで提供されているモバイル支払いサービス、Apple Payと協調する可能性が高い。昨年スタートしたApple Payは、Visa、MasterCard、American Expressを始めとする主要クレジットカード会社と提携している。

Venmoの広報担当者はTechCrunchに、「PayPalは噂や臆測についてコメントしないが、友達や家族に現金を送る手続の煩わしさに、人々の注意を向けさせる動きは何であれ歓迎する。われわれはPayPalとVenmoを含め複数のサービスでそれを簡単にしてきた。当社のサービスは複数のデバイスやオペレーティングシステム、およびオンラインのいずれでも利用できる」と話した。

モバイル支払い分野の競争は激化しており、SquareはIPOを間近に控えている。Squareには、Square Cashというピアツーピアサービスがあり、Venmoと類似の機能を持つ。Googleとfacebookも、最近この分野の参入した。

PayPal株はこのニュースを受け2%値を下げた。

Appleはコメントを拒んだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Square、上場申請書を更新―Q3の売上は3億3220万ドルに鈍化、損失は5390万ドルに拡大

2015-10-15-square-nyse

今日(米国時間10/26)、Squareはアメリカ証券取引委員会に提出していたS-1上場申請書を第3四半期のデータに更新した。これによると、同社の売上の伸びは鈍化し、純損失の比率は拡大している。.

Squareによれば、第3四半期には純損失約5400万ドルが計上されているが、これは主としてStarbucksとの取引におけるコスト4100万ドルが計上されたことよるとしている。また、第3四半期では支払処理手数料の売上が2億8100万ドル、全売上が3億3200万ドルだった。第2四半期では、全売上は2億2700万ドル、純損失は3770万ドルだった。

これらの数字は支払処理手数料の伸びが鈍化していることを意味している。近日上場を計画している企業として、投資家に送る最良のサインとはいえないだろう。ただし企業のサイズが拡大するにつれて売上の伸び率は一般に低下していく。しかし上場をめぐる株式市場は現在やや不安定な状態にある。決済サービスのFirst Dataの株式上場初日に急落した件は、市場に大きな影響を与えたようだ。

Screen Shot 2015-10-26 at 10.35.22 AM

当初、Squareの最初の上場申請書では、財務状況はそこまで悪いようには見えなかった。2015年上半期の売上は5億6060万ドル、 純損失は7760万ドルに過ぎなかった。また前年同期には売上3億7190万ドルに対して純損失は7940万ドルとやや膨らんでいた。

同社の営業費用は近年売上を追い越して大きく伸びている。2013年の第4四半期以降、運営コストが急増したことがSquareの非 GAAP損失がここまで高くなった主要な原因だ。事実、暦年の第3四半期の純損失は第2四半期の2倍近くになっている。もちろんSquareのビジネスは季節的要因に大きく左右される。しかし高コストだが高成長が期待できるとしていた企業の見かけ上の損失拡大は、浮き足立っている投資家の心理をさらに消極的にするおそれがある。

調整ずみEBITDAベース―上場の際に投資家が気にする指標―では、Squareはやはり問題を抱えており、前四半期には85万9000ドルの黒字だったのに対して今期は1580万ドルの赤字を計上した。この数字は昨年同期よりやはり悪く、EBITDAは1300万ドルの損失を計上しなければならなかった。

Squareの営業コストは今後も増大していく見込みだ。同社の発表によると、第3四半期の営業コストは1億4850万ドルだったという。前年同期には 9710万ドルだった。.

いくつかの理由から、Squareは最近もっとも注目される上場となっている。その一つはCEOのジャック・ドーシーだ。ドーシーはSquareとTwitter双方の共同創業者であり、両者を現に指揮している。ドーシーは数週間前に所有するTwitter株式の3分の1をTwitter社員に返還した。その際、ドーシーはSquare株についても20%以上を持っていることが明らかとなった。 つまりSquareの上場が成功すれば、ドーシーはこちらでも巨額の資産を得ることになるわけだ。

一方で、Forbesが気づいたところによると、ベテランのベンチャーキャピタリスト、 Vinod KhoslaがSquareの取締役を辞任していた。以下はSquareによる声明だ。

Khosla氏は以前から上場の直前にわが社の取締役を辞任したい考えを明らかにしていた。これは同氏が日頃から述べていた上場企業の取締役は務めないという方針に沿うものだ。Khosla氏のSquare社取締役会からの辞任は上場申請書が公式に有効となると同時に発効する。同氏は引き続きわが社において取締役会に対するアドバイザーの地位を占める。

現在TechcCrunchでは新しい上場申請書を精査しており、新しい情報が得られ次第この記事をアップデートする予定だ。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Jack DorseyはSquareの24.4%を所有している

dorsey-hero

【本稿のライターは Katie Roof】
新たに公開されたSquareのIPO申請書類によって、共同ファウンダー・CEOのJack Dorseyが同社の筆頭株主であり全株式の24.4%を所有していることがわかった。

Squareが最後に資金調達した際の評価額60億ドルに基づけば、Dorseyの持ち分は14.6億ドル以上の価値になる。上場企業としてのSquareの価値は、数週間のうちに予想株価が発表されればさらに明らかになるだろう。

共同ファウンダー・取締役、Jim McKelveyの持ち株はDorseyよりかなり少ない9.4%で最新評価では5.64億ドル。Dorseyよりはるかに少ないとはいえ、Box CEO Aaron Levieの持ち分が5.7%と、有力ファウンダーの一人としては少ないのと比べればかなり大きい。

Squareは数多くのシリコンバレー投資家からも、約6億ドルを調達している。Khosla Venturesはベンチャーキャピタル会社としては最大の17.3%、約10億ドル相当を保有する。Vinod KnoslaはSquareの取締役でもある。

JPMC Strategic Investmentsは5.5%を持つ有力株主だ。Sequoia CapitalとRizvi Traverseはそれぞれ5.4%の株式を所有している。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

SquareのIPO申請書には、Jack DorseyのTwitter CEO兼務がリスク要因として挙げられている

459305148

Squareは今日初の株式上場を申請した — そして、型通りのリスク要因記述の中に埋もれていたのは、大物だった:CEO Jack DorseyのTwitterとの関係だ。

経営幹部への依存に関する記載を全文引用する:

「当社の将来の成功は、経営幹部およびその他主要従業員の継続的貢献に強く依存している。もし経営陣あるいは主要従業員が一人でも抜ければ、雇用および教育のための追加費用が発生し、当社のビジネスおよび成長を著しく損う恐れがある。当社の共同ファウンダー・プレジデント兼最高経営責任者、Jack DorseyはTwitterの最高経営責任者を兼務している。このことによって彼がSquareに対して時間、注意、および努力を集中する能力に時として悪影響を及ぼす可能性がある。

これは両社にとって非常に重要な論点だ。TwitterのCEO選出プロセス全体を通じて、Dorseyは最有力候補と目されていた ― しかしSquareとの関係は、彼のTwitterを率いていく能力を阻害しかねないとも指摘された。
もちろん、DorseyはTwitterの共同ファウンダーでもある。

最終的にTwitterはDorseyを選び、彼は両方の会社を経営し続けることとなった。このことが彼のSquareを経営する能力を妨げるかどうかは、現時点で不明だが、会社はその可能性をIPO申請書で明確に認めている。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

カード支払サービス、Squareが上場申請―上半期の業績好調、ドーシーのTwitter CEO兼任に懸念

2015-10-15-square-nyse

以前からの予想どおり、カード支払サービスのSquareが上場を申請した。2015年上半期の詳細な財務内容を含む S-1上場申請書の提出と同時にSquareのすべての財務取引は一時停止されている。

S-1申請書によれば、2015年上半期のSquareの売上は5億6060万ドル、損益は7760万ドルの損失となっている。昨年上半期の数字では、売上は3億7190万ドル、損失は7940万ドルだったので、今年は財務状態が大きく改善されている。

要約すれば、Squareはこの種のサービスとして順調に成長しており、損失もわずかだか減少させることに成功している。

これは基本的に良い兆候といえるだろう。同社はNYSE(ニューヨーク株式取引所)に上場を予定している。今年上半期の粗利益は1億6460万ドルで、売上と比較すると、同社の事業の健全さと同時に支払サービス事業のコストが膨大なものであることを示している。

特筆すべき点は、同社の損失が今年第1四半期の4790万ドルから、第2四半期の2960万ドルへ急減していることだ。ただしSquareは過去に膨大な損失を抱えており、現状の成長が継続されても近い将来トータルで黒字に転じるのは難しそうだ。

Squareは今回特にStarbucksコーヒーチェーンとの取引内容を詳しく開示している。Squareによると、今年上半期のStarbucksからの収入は6290万ドルで、昨年同期の5660万ドルから大きく増加したという。

2015年上半期終了時点で同社の現金及び現金等価物は1億9790万ドルだという。つまり今後の成長に必要とされる資金は十分に手当されていることになる。しかしSquareが今後大型買収などで多額の資金を必要とすることなった場合、新規上場による資金調達は大いに歓迎すべきものとなろう。

同社の粗支払額、つまりSquareが支払うべきカード処理額の総額は、今年上半期に159億ドルに達した。これは昨年同期の104億ドル(通年で238億ドル)から大きく伸びている。Squareは2012年の粗支払額は65億ドル、2013年は148ドルだったとしている。

g937622g00w88

現在の資金供給率が続く間に安定した黒字化を達成できるか否かなど、S-1にはSquareの将来性に関するリスクを警告するボイラープレートが大量に含まれている。しかしいちばん興味がある要素はSquareの共同ファウンダー、CEOのジャック・ドーシー(Jack Dorsey)に関するものだろう。これによれば、ドーシーが現在SquareとTwitterの常勤CEOを兼任しており、両者に時間を配分しなければならないことに対する懸念が示されている。「(この兼任は)最終的に、ドーシーがすべての能力、時間、注意力、努力等をSquareに集中することを妨げる可能性がある」とS-1申請書は警告している。

S-1に記載されたもう一つのリスク要因は、顧客データの漏洩の可能性だ。これはある意味で当然予想されるところで、最近もTargetやHome
Depotが攻撃を受け、大規模なユーザー情報の漏出に見舞われている。これらは近年で最大の顧客データ事故となった。当然ながらSquareはこうした事態を防ぐためにあらゆる努力を払わねばならない。

Squareの大株主に関しては、Khosla Venturesが17.3%、ドーシーが24.4%を所有しているという(下に詳細)。

Screen Shot 2015-10-14 at 1.28.58 PM

共同ファウンダー、CEOのジャック・ドーシーはSquare株の24.4%を所有し、 Khosla Venturesがこれに次ぐ7.3%を持っている。大口株主は以下、もう一人の共同ファウンダー、James McKelveyが 9.4%、JPMC Strategic Investmentsが 5.5%、Sequoia CapitalとRizvi Traverseがそれぞれ5.4%などとなっている。

Squareは現在2億2500万ドル相当の融資枠を持ち、そこから3000万ドルの借り入れを行っている。これらの融資枠、営業によるキャッシュの流入、予定されている新規上場などにより、今後の資金調達は万全だろう。

S-1申請書を一見したかぎり、数字自体はTechCrunchが予想していたより良かった。ただし、Squareがこれから参入しようとしている公開株式市場は現在微妙な時期を迎えている。あの巨大Alibabaやユーザーに人気の高いBoxの情報を含め、最近上場した各社は株価の維持に苦闘している。市場には広く不透明感が漂っており、株価の動向は不安定だ。Squareが踏み込もうとしているのは決して平穏無事な世界ではない。

われわれはSqure上場に関する取材を続けており、新情報をつかんだ場合はすにフォロー記事を発表する予定だ。.

画像: Nikita Starichenko/Shutterstock

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

ジャック・ドーシーいわく「Squareはゴールデンゲートブリッジ」、国内の加盟は10万店舗以上に

Square CEOのJack Dorsey氏

Square CEOのJack Dorsey氏

専用カードリーダーとスマートフォンを使ってカード決済を実現する「Square」。このサービスについて、Square共同創業者でCEOのJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は「創業の地であるサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジのような、『橋』のようなもの」だと説明する。

Squareは9月28日、東京・虎ノ門にて日本初の開催となるプライベートカンファレンス「TOWN SQUARE TOKYO 2015」を開催。橋とは、その冒頭に登壇したDorsey氏の言葉だ。

Squareは2009年、米サンフランシスコで設立された。2010年には米国でサービスを開始。日本では三井住友フィナンシャルグループの三井住友カードと提携し、2013年5月にサービスを開始した。専用のリーダーを使ったカード決済のほか、レジやレシート、アナリティクス、請求書などの機能を一元的に提供している。料率は3.25%。国内では楽天の「楽天スマートペイ」、PayPalの「PayPal Here」、コイニーの「Coiney」などの競合サービスがある。

冒頭の「橋」の話に戻ろう。Dorsey氏はサービスを提供して間もない頃から、Squareについてゴールデンゲートブリッジを例にして語っている(こちらは2011年のTechCrunchの記事だ)。それは、優美なデザインを持っており、100%いつもそこに立っている(=信頼できる)プロダクトであるということ。その橋を行き来することで、様々な人がビジネスを実現する——Squareはそういう存在なのだという。

加盟店は国内10万店舗に

Squareが日本でサービスを開始して2年。国内の加盟店は現在10万店以上。個人事業主からミドル・スモールマーケットを中心に加盟店を拡大。業種でいえばアパレルなどの小売店を中心に、飲食やサービス、さらにはイベントやライブ会場など移動を前提とした店舗での利用も拡大している。

当初の利用は都心部が中心だったが、現在では地方にも加盟店は拡大。北は北海道の寿司屋から、南は沖縄のカフェまで各所で利用されているという。競合各社が加盟店舗数やアクティブな利用率を出していないので、比較することが難しいところはあるが、少なくともSquareは国内で成長しているということのようだ。

Squareの加盟店はミドル・スモールマーケットが中心

Squareの加盟店はミドル・スモールマーケットが中心

また大企業への導入も進んでいる。Square最高事業責任者のフランソワーズ・ブロッカー氏は、ローソンやタワーレコード、横浜DeNAベイスターズなどもSquareを利用していると説明。ユニクロを展開するファーストリテイリングでも、代表取締役会長の柳井正氏の提案で2013年10月より試験的に導入。当初は特設コーナーなどで利用していたが、徐々にその利用範囲を広げているそうだ。「感謝祭(セール)などではレジの台数を増やすが、これがSquareだとスピーディーかつ省スペースで実現できる。店舗によっては 臨時のレジだけでなく、常設レジとして導入している」(ファーストリテイリング 業務情報システム部部長の岡田章二氏)

 

競合のローンチ、焦ることはなかった

Squareに出資し、国内でサービスを共同展開するのは三井住友カードだ。取締役会長の島田秀男氏が語ったところによると、同社は2011年にSquareにコンタクトを開始した。「テクノロジーがビジネスを変える時代を強く感じて、社内の若手をシリコンバレーに向かわせた。これをきっかけに日本でビジネスを展開できないかと話し合いを重ねてきた」(島田氏)。 Squareの企業理念は「Make Commerce Easy(商業活動をシンプルに)」。これがユーザー視点を重視する自社の考えともマッチしたと語る。

国内でSquareの競合を見てみると、2012年10月にCoiney、2012年12月に楽天スマートペイが先行してサービスを開始している。だが島田氏は「(Squareの)サービス開始より少し前に他社が類似サービスをローンチすることになったが、焦ることはなかった 。一番早く提供するよりも、お客様に満足頂けるのが一番だと考えた。そして入念な準備期間を経てサービスを提供するに至った 」と語る。

またSquare日本法人のカントリーマネージャーである水野博商氏は、Squareが米国の企業であることから、参入当時に「黒船が決済市場を食いに来た」と言われたことを振り返った上で、初期コストやスペースの問題でこれまでカード決済を導入していなかった企業や店舗がSquareを導入しているため、「市場を食うのではなく、広げている」とした。

Squareの利用動向。円の大きさが決済額の大きさを示す

Squareの利用動向。円の大きさが決済額の大きさを示す

10月にはICカード対応端末を発売。国内で新サービスも

そんなSquareだが、すでに発表されている通り、10月1日よりこれまでの磁気型のクレジットカードに加えて、EMV(ICカードの国際標準規格)に対応した「Squareリーダー」を販売する。メーカー希望小売価格は4980円となっているが、10月31日までに決済受付を開始した事業者に対して4980円分の決済手数料を還元する。大手量販店やAmazon.co.jpなどで購入可能だ。

また機能面でも、現在米国で提供中のギフトカード(加盟店が独自デザインで発行可能)を年内にも国内で提供するほか、特定の属性の顧客に対してプロモーションを行うような顧客管理機能についても2016年をめどに提供していくとしている。

TwitterとSquareの提携で、新たな政治献金の方法が生まれた

bernie-sanders

政治家候補への献金は、ドナルド・トランプの頭髪に関するジョークを140文字で発信するたけでよくなった。

Twitterは火曜日(米国時間9/15)、支払いサービスのSquareと提携してユーザーが政治家候補にツイートで寄付できるようにすると発表した 。候補者はSquare Cashを通じてアカウントを登録すれば、$Cashtagをツイートして支持者から寄付を募れるようになる。Twitter Square

新機能は火曜日の午前にスタートしたばかりだが、Twitterは公開前に全主要大統領候補者に会っている。これまでに9人の大統領候補と民主党全国委員会が参加した。バーニー・サンダースヒラリー・クリントンスコット・ウォーカージョン・ケーシックリック・サントラムボビー・ジンダルランド・ポールマイク・ハカビー、およびマルコ・ルビオの各氏がすでに寄付を求めるツイートを発信している。

有名どころでは、ジェブ・ブッシュとドナルド・トランプがサービス利用者のリストにない。彼らのキャンペーン陣営にコメントを求めたところ、すぐには回答がなかった。

2016年の大統領選挙は未だに一年以上先だが、キャンペーンは既に最高潮に達し候補者たちは党のトップ技術者の獲得を争っている。オバマ大統領が2008年と2012年にインターネットを使った草の根キャンペーン推進に成功して以来、多くの政治家はターゲットされたデジタル広告とオンライン寄付がホワイトハウス獲得の鍵だと信じている。

TwitterとSquareの提携は、オンラインキャンペーンの転換点と言える。もし今、マルコ・ルビオがディベートで優位な瞬間にあれば、彼の陣営は寄付を募るツイートを発信できる。メーリングリストよりずっと早く、キャンペーンのターゲット対象になっていない人々と有機的につながる可能性も高い。

この提携によって、キャンペーン陣営は初めてモバイル支払いの威力を真に役立てられ。Appleには、モバイルアプリが政治献金を求めてはいけないという厳格なルールがある。しかし、Twitter/Square提携によって、ユーザーはSquare Cashにリダイレクトされる。Square Cashは、出来の悪いキャンペーンサイトと異なりあらゆるモバイル端末で動作し、いかなるApple Storeルールや選挙資金法にも触れることはない。

Squareは各取引毎に1.9%の手数料を取り、これは企業がSquare Cashを使う場合の通常レートだ。Twitterが水曜日の共和党全国大会に先立ってサービスを公開したのは、ディベート等のライブイベントの最中には、政治に関するツイートが最も多く発信されるからだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

年内上場を目指すSquareがアメリカのウーマンパワーの象徴、元ブ大学長Ruth Simmonsを取締役に迎える

img_4907

RJS photo

Squareが今日、強力な役員を一人迎えた。ブラウン大学(Brown University)の前学長Ruth Simmonsだ。ブラウン大学に11年務める前の彼女は、Smith College(スミス大学)の学長として、アメリカの女子大としては初めて、工学部を開設した。

SquareのCEO Jack Dorseyは、プレスリリースでこう述べている:

Ruthは何世代もの若者たちに、自分の夢を追求する気力を与え、彼らの前に立ちふさがる障壁を破壊し、彼らのコミュニティの精神的な支柱となった。彼女は同じ情熱をSquareにもたらし、顧客を代表してその意思をわれわれに伝えるはずである。彼女を弊社の取締役会に迎えたことを、誇りに思う。

Squareが年内に上場するという噂が賑やかだし、最新の噂は、すでに申請書をSECに出したと言っている。今回の新役員人事は、上場を目指す企業にふさわしい強力な一手だろう。

同じプレスリリースで、Simmonsは述べている:

最良の企業はその強さを、企業理念と顧客から得ていることを、私は経験的に知っています。Squareはつねに顧客第一主義であり、繁栄するためのツールを作り提供して、彼らを一層力強くしています。チームがその重要な目標に向かってさらに前進できるよう、お手伝いしたいと願っています。

下のビデオではSimmonsが、変わりゆく社会における人間の力について語っている:

Simmonsは現在、Texas InstrumentsとChryslerとMondelezの取締役でもある。彼女は、Dorsey、Roelof Botha、Earvin “Magic” Johnson、Vinod Khosla、Jim McKelvey、Mary Meeker、Larry Summers、そしてDavid Viniarらと共に、Squareの取締役会に加わることになる。

本誌TechCrunchの同僚たちは、2013年にSusan Desmond-HellmanがFacebookの取締役会に加わったことに、とてもよく似ている、と言っている。彼女はFacebookに、新しいユニークな視野を、同社がそれをもっとも必要としているときに、もたらした。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa