今週のAppleイベントを予想する

Appleはこの秋第二の大型イベントを、10月16日木曜日にクパチーノの同社Town Hall Theaterで行う。イベントでは様々な新製品が発表されることが予想される。

iPad

新しいiPadは、主としてiPad Airの新機種になると見られており、噂やリーク画像によると、すでに十分薄い現行機が、さらに薄い7 mmになるらしい。これはiPhone 6とiPhone 6 Plusのちょうど中間の厚さだ。

他には、指紋認証でログインできるTouch IDがiPadにも導入される。Touch IDが最初に登場したのは昨年のiPhone 5sで、現在は5s、6、6 Plusの3機種で利用されている。iPadにTouch IDが加わることによって、セキュリティーが向上するだけでなく、Appleが推進するApple Payに利用できるようになる。

また、iPadの製品ラインにゴールドカラーが加わるとの情報もある。

iPad miniの改訂についてはあまり情報が入って来ないが、Touch IDが追加されたケースのリーク写真があることから、AppleがここでもApple Payを使える機種を増やそうとしている可能性は十分ある。iPad Airと共にプロセッサーがA8にアップグレードされるかもしれない。薄くなることも考えられるが、私が考えるに、iPhone 6 PlusがiPad miniの売上を食い始めている今、焦点はiPad Airだろう。

12.9インチのiPadという噂もあるが、殆どの情報源は来年まで出ないという意見で一致している。

Macハードウェア

新しいMacがこのイベントに向けて準備されていることは間違いない。Appleはいくつかの新しいMacを開発中と言われ、12インチのRetina MacBookという声もあるが、最もありそうなのが新しいiMacだ。

Appleのオールイン機はそろそろアップデートの時期に来ており、今年はスペックやプロセッサーの改訂だけではなさそうだ。iMacは長い間、AppleがデスクトップにRetinaディスプレーを持ち込む場所だと言われてきたが、ついに今年はそれを見られそうだ。Retinaについてはまだ疑問も残るが、いずれにせよiMacの新モデルが出てくることは間違いないだろう。本体のデザイン変更もあり得るが、テーパーのついた細いエッジのデザインは今も十分にモダンだ。

新しい12インチのRetina MacBookは来年になりそうだと多くの情報筋が言っている。AppleはしばらくアップデートされていないMac miniの新機種を発表するかもしれない。このラインアップはAppleがあまり力を入れていないカテゴリーであり、今後の成り行きが注目される。

OS X Yosemite

Appleは、間違いなくこのイベントでYosemiteの一般公開バージョンを発表する。プレビュー版は6月のWWDCで発表され、まずデベロッパーに、続いて特別プレビューベータが一部ユーザーに提供された。Yosemiteは、iPhone 6/6 Plusと共に9月に公開されたiOS 8と協働する機能を数多く含んでいるため、そろそろ公開されないとおかしい。

Yosemiteへのアップデートは無料であることを、既にAppleが発表しており、Mac App Store経由で入手できる。OS X Marvericksが動作するMac全機種で動作するので、古い機種のユーザーには郎報だ。Yosemiteが公開される正確な日時はまだ不明だが、ユーザーはハードウェアをアップデートに備えておくとよいだろう。

その他

Appleはこの機会を利用してApple Watchの最新情報を提供するかもしれない。発売予定は来年たが、9月のiPhoneイベントおよびパリのファンションウィークで披露された。デベロッパーがどうかかわれるのか、あるいは発売時期の詳細を聞けるかもしれない。

他に考えられるのが、Apple TVのハードウェアだ ― Appleはこのメディアストリーム機を長い間改訂しておらず、ソフトウェアだけがアップデートを続けているが、Siriの音声コマンドを使用できるマイク内蔵バージョンが出るという噂もある。ホリデーシーズン前にApple TVが発売され、HomeKit等のiOS 8機能と統合されればその意味は大きい。

イベントまであと数日に迫っており、本誌は現地からライブで状況を伝える予定なので、木曜日の西海岸時刻10 amにはチェックをお忘れなく。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Apple、特許資料でApple PayのNFC機構を詳しく説明

Appleは、新しいApple Payモバイル支払いシステムに関連した特許を申請し(via AppleInsider)、その資料の中でユーザー端末と支払い端末との間で近距離通信が働くしくみを詳しく説明している。iPhone 6イベントでは語られなかった技術的詳細が含まれており、一見に値する。

例えば、トークン化された通信のしくみに関して、買い物客はワンタイム利用の特殊なデジタルトークンのみを送信し、POSシステムが共有鍵でそれを解読する。クレジットカード情報は、ユーザーのデバイスの安全領域から外へ出ることがない。これはApple Watchでも同様だ。

要する、iPhoneと店の端末は秘密のパスフレーズを使ってやり取りし、通信に成功したらその情報が支払い提供者(銀行等)に送られ認証処理される。使用したカード番号は、客とカード会社にしかわからない。店の端末は、ワンタイム利用の自動的に生成されるパスフレーズしか知らない。

Appleは、万が一NFC通信がハックされ外部にデータが漏れた時でも、盗まれたデータが全く無価値になるようにした。これは、何であれ支払いに関するデータを無線で送ることに対する恐怖を和らげるものだ。その恐怖はNFCの普及の遅さを説明する要素の一つでもある。

特許には、ユーザー端末は通常NFCを能動的に使用していないが、受動的検知機構を使って支払い端末を検出し、NFC受信機をアイドルからアクティブへと状態変化させることも書かれている。これによって取引が開始され、iPhoneの指紋スキャナーまたは、Apple Watchの確認入力によって承認される。

Appleの特許は、その時点で携帯ネットワークに接続されていない端末(iPhoneから離れているApple Watch等)であっても、ユーザーの支払い情報がセキュリティー領域に保存されてさえいれば、Apple Payを利用できる方法が説明されている。これは、端末内の安全領域が、少なくとも互換支払い端末のある店では、物理的クレジットカードと同じように機能することを意味している。これは、発売が噂される新しいiPadにとって理想的な仕組みだ。Touch IDとApple Payが使えるようになっても、特にWiFi専用モデルの場合は、常にネット接続されているとは限らないからだ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


「流出」を気にせず気軽に写真を共有できるXim、Microsoftより登場

誰かにスマートフォンの写真を見せてもらうとき、不適切なものが見えてしまわないかという確認にやけに時間がかかってしまうということを経験した人も多いだろう。あるいは気軽に見せてもらったものの、意図しなかったものが見えてしまい気まずくなってしまったりしたことがある人もいるかもしれない。Microsoftのリサーチ部門が、こうした面倒をなくそうとするアプリケーションをリリースした。名前をXimという。

アプリケーションはWindows Phone版、iOS版、そしてAndroid版があり、いずれも無料となっている(訳注:現在のところ、日本では未公開のようです)。見せてもらう側にはアプリケーションも必要なく、また何らかのサービスにログインする必要もない。アプリケーションは公開する側にのみ必要で、アドレス帳から公開相手を選んだり、あるいはメールアドレスないし電話番号などを入力して相手を追加するようになっている。そして公開開始をすれば完了だ。閲覧者側に送られるのはリンク情報で、XimをインストールしていればXim上で閲覧できるし、インストールしていない場合はブラウザで閲覧することになる。

どの写真を公開するのかについては、当然ながら公開者側が完全にコントロールすることができる。すぐ近くの人と同じ写真を見ながら会話を楽しむような場合にも利用できるし、あるいは遠く離れた人と写真を共有するのにも利用できる。閲覧者側もXimをインストールしているのなら、自分から写真を加えたりすることもできる。さらに閲覧者側のアプリケーションと画面をシンクロナイズして、同時に写真を見ていくような使い方もできる。なお、写真には短い説明などを加えることもできるようになっている。

スマートフォンで写真を撮ることが一般的となっている現在、自分の撮った写真を人に見せたくなることも多くなった。しかしいろいろな写真が入っているもので、なかなか気軽に見せるということができにくいこともあるだろう。そうした問題に対処するためのアプリケーションであるわけだ。余分な機能を削って軽量化していて、また共有した写真は一定時間の後には見えなくもなる。写真を共有するのに容量を気にする必要もなく、あるいは知らないうちに流出してしまうようなリスクも軽減されている。

Microsoftによるこの無料ツールは、日常で具体的に困っていることを解決してくれる。今後もこのジャンルでの活躍を期待したい。

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(翻訳:Maeda, H


Googleのストリートビュー・ラクダ、リワ砂漠を行く

Googleは、その地球を覆いつつあるストリートビュー画像を砂の上へと拡大した。改造したトレッカーカメラを本物のラクダのこぶに載せ、お伽話から抜け出てたようなアラブ首長国連合の汚れなき不思議の国、リワ砂漠で写真を取り込む。

トレッカーパックは、Googleが車の入れない道でストリートビューを撮影する時に使う ― ただし通常はヒトコブラクダではなく人間が着用する。これまでにGoogleは、グランドキャニオンカナダ北極地区他、様々な目的地のマップをトレッカーを使って撮影してきた。2013年のI/Oデベロッパーカンファレンスで、われわれはこのトレッカーキットを実際に背負ってみたが、ラクダにかかる負荷は問題なさそうだ。

これはストリートビューの拡張プログラム全般に言えることだが、このプロジェクトは、自分ではまず行くことが不可能な場所の驚くべき画像と見渡す限りの景色をいくつも紹介している。ハイテク撮影機器と時代を経た輸送手段の組み合わせが偉業に花を添える。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


HTC Desire Eye、前後に同機能のカメラを塔載、ソフトも自撮りに対応

HTCのDesire Eyeは同機能の13メガピクセルカメラを前面と後面の両方に備えた新しいスマートフォンだ。iPhone同様の2色LEDフラッシュも両面に装備されている。IPX67規格の防水仕様(Samsung Galaxy S5と同じ)で短時間の水没に耐えられる。

2つのレンズを使ったDuo Camera機能は外されたが、これは良い選択だろう。正直なところあれは最近のHTC端末の大きな弱点だった。本体のツートンカラーは、少なくとも遠目にはかなり魅力的だ。

HTCはこの機種をファッションショーでデビューさせるという不幸な選択をしてしまった。長くて見ているのがつらい出し物だった。モデルはそれぞれスマホを1台持っていたが、それ以外に関連性は見出せなかった。

新機種は、HTCの新しいEyeカメラソフトウェアと共に出荷される。

新しいカメラソフトウェアは「オートセルフィー」機能を備え、一定時間カメラを静止させるとシャッターを切ったり、「Say Cheese」や「Action」といった音声コマンドで写真を撮ったりビデオをスタートさせることができる。

新しいダブルカメラ機能を使って前後で同時に撮影した画像を、左右に並べて1枚にすることができる。さらに、前面カメラで撮った写真から顔だけを切り抜き、背面カメラの画像に重ね合わせることもできる。

カメラソフトウェアは、今日発表した新機種だけでなく、既存のHTC端末でも利用できる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


HTCが「自撮りスマホ」発表へ(アクションカメラも?)

HTCは今日(米国時間10/8)の東海岸午後4時(日本時間10/9 5 am)からイベントを開催する。 “Double Exposure” というイベント名からは誰もがカメラ関係の内容を想像する。噂製造器が必死に探った結果、HTC One M8をベースにした自撮りに特化したスマートフォンと、低価格のDesireシリーズ製品が出てくる可能性が高いようだ。

いわゆる One M8 EyeおよびDesire Eyeと呼ばれるデバイスは、今日どちらかまたは両方が発表されると思われ、最大13メガピクセルの非常に強力な前面カメラおよび同程度の背面カメラを備えるだろう。HTCはここ数年、スマートフォンカメラにメガピクセルの大型センサーを使うことを避け、ピクセル数の多い “UltraPixel”テクノロジーを採用してきた。新しいEyeカメラシリーズは、この技術の新しい世代の先駆けとなるのか、それとも高解像度センサーに戻るのだろうか。

HTCは、GoProスタイルのアクションカメラもこのイベントで発表すると言われており、それが “Double Exposure” の “Double” を意味するのかもしれない。このガジェットは散々リークされてきており、潜望鏡に少し似ている。あるジャーナリストがTwitterに、HTCのプロモーシヨンビデオのスチル画像を載せている。私は、なぜHTCが、Flip Videoカメラ精神を受け継いだようなこのデバイスで、GoProより良い仕事ができると考えたのか、非常に興味を持っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Apple、10月16日iPad/Macイベントの招待状を発送

Appleは多くの人々が期待していた10月のイベントを正式に発表した。そこでは新しいiPadやMac、さらにはデスクトップOSの最新アップデート、OS X Yosemiteの公開バージョンがデビューすると思われる。日付は10月16日、本誌は現地からあらゆるニュースを入り次第レポートする。

イベントは、クパチーノにあるApple本社内のTown Hallシアターで行われる。これは、昨年iPhone 5sと5cが発表された場所と同じで、先月iPhone 6と6 PlusがデビューしたFlint Centerよりはるかに狭い。Appleは前回Town Hallで行ったイベントをストリーム中継しておらず、今回も全体的に非公開の出来事になるかもしれない。

このイベントに登場する新しいデバイスやソフトウェアも、iPhone 6、6 PlusやApple Watchの発表ほどの強裂なインパクトには欠ける可能性が高いが、それでも山ほどの新製品が出てきそうだ。例えば現行モデルよりさらに薄いiPad Air。iPadで他にありそうなのがスペックの向上で、ストレージの選択肢はiPhone 6に倣うだろうし、Apple PayのためのTouch IDも入るかもしれない。

Macに関しては、Apple初のデスクトップ用Retinaディスプレーが新しいiMacに塔載されるかもしれない。これらと共に発表されるはずのYosemiteは、直ちに一般公開されるか、イベント後間もない時期の公開がアナウンスされることは確実だ。

何が出てくるにせよ、すばらしいショウになるに違いないので、本誌のレポートに注目されたい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Appleがフレキシブル(可撓性)ディスプレイの”曲げ入力”で特許を取得

USPTO(合衆国特許商標庁)が今日(米国時間10/7)公表した情報によると、Appleは、フレキシブルなディスプレイが曲げられたり形を変えられたりしたとき、それをデバイスが入力として拾う方法で特許を取得した。この特許は、フレキシブルなディスプレイが曲げられることからデバイスが入力を受け取り、それをキューとしてMMSのメッセージを送出する過程を詳述している。

そのほかのトリガについても詳説しており、それらの中には、ディスプレイが曲げられると画面のサイズや比率が変わるので、それに合わせて画像出力を自動調整する方法などもある。また、二台のフレキシブルディスプレイをペアにしてチューブなどの容器に収め、そこにGPSトリガにより位置対応の広告を表示する、といった話もある。

特許文書の中には“デジタル定期刊行物”とか“広告デバイス”という言葉が何度も出てくるので、デジタルの雑誌や定期刊行物が念頭にあるのではないか、と思われる。このパテントは元々HJ Laboratoriesのものだったが、Appleは同社が解散する前にこの知財を取得したのだろう。同文書によると、今二人の発明者は、Apple以外の企業に在籍している。

Appleがこの特許を取得したのは、自社でやってきたフレキシブルディスプレイに関する研究開発努力をより強化するためか、または将来の他社による開発に対抗するためのヘッジだ。いずれにしても、フレキシブルディスプレイは、Appleがそれを商品化するときにはかなり高度な使われ方をする、と考えてよいのだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Gmail、iPhone 6/6 Plusに対応

私のiPhone 6と6 Plusの初レビューでは、サードパーティーアプリの互換性にあまり時間を割けなかった。その理由は、A) iOSが低解像度アプリの拡大表示をどうこなしているかに注目していた、B) 主としてファーストパーティーのソフトウェアに時間を費していた。しかし、新しいデバイスでGmailのネイティブアプリを使う時間が長くなるにつれ、耐えられなくなってきた。今日(米国時間10/6)Googleは、iPhone 6および6 Plusの解像度に完全対応したアップデートを公開して、その問題を解決した。

要するに、最新iPhoneを持っている人がこのアップテートをインストールすることは、初めてメガネをかけた人が、以前はちゃんと見えていなかったことを忘れてしまうようなものだ。受信箱のメールはプレビュー画面に大部分が表示されるようになり、メールを開いた時に見える本文テキストは、甘やかされているかのように感じる。

ゆっくり、しかし確実に、主要な人気サードパーティーアプリは、iPhone 6改革を進めている。Facebook、次は君の番だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


HP、分社化―パソコン、プリンター事業をエンタープライズ事業から切り離す

HPは 2社に分社化することを決定した。 エンタープライズ向けのハードウェアとサービス部門はHewlett-Packard Enterpriseとなり、CEOはMeg Whitmanが務める。HP Incはパソコンとプリンター、それに3Dプリンターなどコンシューマ向け事業のブランドとなる。CEOはDion Weislerで、Whitmanは会長として取締役会にとどまる。

今回の決定について詳細に説明するプレスリリースによると、この分社化は5年間にわたって実施されてきた抜本的な再編成の一環であり、低迷している収益性の改善が目的だという。またこれにより、日々の業務レベルにおける赤字を減らし、組織をスリム化してより身軽に市場の変化に対応できるようになるとしている。分社化の手続きは2015会計年度中に完了の予定。

分社化によって、それぞれの会社は柔軟に提携先を選べるようになり、市場における影響力を拡大するチャンスが生まれるとしている。つまりエンタープライズ事業とコンシューマ向けハードウェア事業がひとつの屋根の下にあったため、両分野ともに競合しない相手しか提携先として選ぶことができず、選択の余地を狭めていたということのようだ。

今回の決定により、EMCのようなプレイヤーの関心を引くなどエンタープライズ事業に関するM&Aのチャンスが広がった可能性もある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


車の修理工整備士など用にOBDデータを可視化するDashがAPIを一般公開…多様な車載ソフトウェアの時代の幕開けか

DashはOBD IIのデータを見るための、デザインの良いアプリのひとつで、とくに車の修理や整備をする人たちにとって便利だった。そして今度はこのアプリがChassis APIと呼ばれるAPIを公開したことによって、一般のデベロッパが、車の燃費データや急ブレーキの履歴、速度オーバーをした時間などの情報にアクセスできるようになり、運転者にアラートを提供するなど、多様なアプリケーションが作られる可能性が生まれた。

今の各種超小型デバイスは計算機としての能力も高いから、誰もがOBD-IIのデータにアクセスできるようになったことによって、新しい豊かな市場が生まれるだろう。Disrupt SF 2014に登場したVinliは、そのための独自のハードウェアとプラットホームを提供し、すでにアプリの豊富な作例もあるから、参考になる。Dashそのものは単なるアプリだったが、そのAPIの公開は、デベロッパを奪い合ってVinliと競合することになる。でもこちらは、Amazonなどで売っている一般市販のハードウェア(わずか数ドルから数百ドルまで)を使えるぶん、有利かもしれない。

DashはNavdyとも競合する。Navdyは昨日(米国時間10/2)650万ドルのシードラウンドを発表したばかりのヘッドアップディスプレイのハードウェアプラットホームだ。もちろんそこへ、OBDをぶちこむこともできる。しかしChassis APIのプラットホームにはローンチ前から数百人のデベロッパがユーザ登録し、またDashはFordやGMの車載アシスタントサービスを統合している。その点、カーアプリのプラットホームとしてのアドバンテージがある。

今のところOBDポートを使うどのプラットホームにも、リードオンリーで車に対してライト(write, 情報入力・制御)ができない、ユーザへの保証がない、などの制約がある。しかし、走っている車の情報を集めて分析して、しかも車に対してフィードバックを与える技術には、大きな機会があるはずだ。AppleもGoogleも車載アプリの開発プラットホームを提供しようとしているが、Dashなどの小粒勢力にも独自のツールと発想と魅力があり、これからはとても高度な車両上ソフトウェアの時代が訪れるのだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Google、YouTubeをワシントンに送り込む(それとも逆?)

Googleは、国会議員や候補者等国を動かす人々全般が、YouTubeを使って自らのメッセージを広め、有権者や市民に向かって話すことを望んでいる。つい先ほど同社は、Youtube for Governmentをスタートさせた。議員の中で最も世間離れしている人でも、簡単に参加できるように作られている。

近代技術の状況を「全く理解」していない政治家や政界の大物でさえ、YouTubeチャンネルを作り、デザインを変更し、他のYouTubeソースからコンテンツを収集し、ライブストリームを主催して、自分たちのコミュニティーとやり取りできるようになる。さらにGoogleは、興味を持った人々にYouTube Analyticsを勧めて、視聴者のトレンドを分析し、それに応じられるようにする。

大きな視点から見ると、これは政治家たちが、テレビやラジオよりも鍵を握る若者層に届きやすい、非伝統的メディアにもっと目を向けるべきだというメッセージである。実際、人々にオンラインで接することは新たな標準であり、オバマ政権がYouTubeでライブストリームイベントを行ったことからも、オンラインメディアを主要なメディアとして促える考えが、トップにまで行ったことを示している。

Googleの強力の支持によって、YouTubeはインターネット時代の新しいアゴラになれるのだろうか? それはまだわからないが、もしマクドナルドアプリを使って近くのマクドナルドを見つけられるのなら、世界最大のビデオプラットフォームを使って、公開演説を行えることは間違いない。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


Google、アプリを介さずモノのインターネットと会話できる標準規格Physical Webを開発中

Googleのユーザー体験デザイナーのScott Jensonは一度Goolgeを離れた後、昨年11月にChromeチームに戻ってきた。そのJensenがオンデマンド・インタラクションを提供するThe Physical Webという開発中のプロジェクトを紹介している。

その目的はアプリの仲介なしに各種のスマート・デバイスを使ってモノのインターネットと会話できるようにすることだ。ユーザーがスマートフォンを持ってバス停に近づくと、特別のソフトウェアを開かずに、次のバスがいつ来るか知ることができるようになる。

このプロジェクトはスマートデバイスの将来を大きく変えようという大胆な賭けだ。アナリストの予測によれば、インターネットに接続されるデバイスの数は向こう数年で爆発的に増大するという。Ciscoは2020年までに500億個のインターネット接続デバイスが活動するようになると予測している。Intelは来年中に150億個が接続されると考えている。Jensonが指揮するGoogleのプロジェクトはこのインターネット接続デバイスを日常簡単に使えるようにするための試みだ。

「いちいち専用のアプリを立ち上げたり、インストールしたりする必要なしに、スマートフォンやスマートウォッチを持っているだけで、レンタカー、自動販売機、おもちゃ、ポスター、バス停などに近づくだけで会話ができるようになる。すべてワンタップだけでつながる」とJensonはPhysical Webのページで説明する。

しかしPhysical WebはGoogleのOSやデバイスだけの利用を考えておらず、ウェブ規格同様、誰もが自由に使えるオープンな標準を目指している。オープン化はモノのインターネットの実用性を大きく拡大するはずだ。しかしこの種のテクノロジーではAppleはiBeaconとそれに関連するiOS 8のコンテキスト的推薦機能で独自のテクノロジーを構築する方向に進み始めている。

Jensonはプロジェクト・ページでPhysical Webの実用的な応用について、パーキング・メーターや自販機に対してアプリなしで支払いができるなどの例を上げている。またこれを拡大して、現実店舗での販売をモノのインターネットで自動化したり、ZipCarなど共有型レンタル自動車が駐車場の看板と会話できるようにして希望の場所で車の貸出、返却、支払いが自動的に行われるといった応用も提案している。当面Chromeがこのプロジェクトのユーザー・インターフェイスを担うことになるが、Jensenのチームはサイロ型の独自規格とネーティブ・アプリの並立を排除し新しい「スマートデバイスのウェブ標準」を目指すという。

実際に公的な標準化が進むのは(実現するとしても)何年か先のことだろうが、中央集権的なハブやSmartThingsのような専用アプリを必要としないモノのインターネットの標準化というアイディアは魅力的だ。

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ドローンの商用化は予想より急ピッチ―AirewareはドローンOSとバックエンド・クラウドを構築中

ジェフ・ベゾスが去年、クリスマス商戦を控えて60 minutesのインタビューでAmazonは商品配送のためにドローンを利用することを研究していると発表したとき、大方の反応は「PRのための派手なパフォーマンスだろう」といったものだった。しかしドローンの商用利用は一般に考えられているよりもはるかに急ピッチで進んでいるというのが事実だ。荷物の配達を含めてドローンがビジネスで利用されるようになる日はかなり近い。

向こう10年程度で、ドローンが日常生活でありきたりの存在になることは間違いない。現在では、ドローンといえばまず軍事利用が思い浮かぶが、今後は人手で作業することが困難、危険、コストが合わないなどの場面に広く導入されるはずだ。すぐに考えつく応用分野は捜索、救難、石油やガスなど天然資源の探査、農業、ライフラインの保守、そしてもちろん商品配送などだ。

しかしドローンが広く使われるようになるためには単に機体が進歩するだけでは不十分だとAirwareのCEO、Jonathan Downeyは強く主張する。Downeyは先週マサチューセッツ州ケンブリッジのMIT(マサチューセッツ工科大学)で開催されたEmTechカンファレンスで講演し、ドローン向けOSを開発していることを紹介した。Downeyの会社はさまざまな商用ドローン・システムのプラットフォームとなるべきソフトウェアを作るろうとしている。

Downeyのビジョンによれば、ドローンのプラットフォームには3つのレベルが想定されるという。つまり、オペレーティング・システム、バックエンドとなるクラウド処理サービス、そして各種のハードウェアだ。

Downeyは「われわれは中立のサードパーティーとしてドローン向けOSを提供したい。そのため、自らドローンの開発を行うことはしない。われわれのOSの上に各種のドローンが開発されることになる。その点、Microsoftが Windows OSを提供するだけで自社ブランドのパソコンを販売しなかったことに似ている」と述べた。

MicrosoftのWindowsに似て、DoneyのOSの上にサードパーティーのデベロッパーはさまざまな目的に応じたドローン管理アプリケーションを開発することができる。

ドローン向けに関連するビッグデータ処理を行うクラウド・サービスについては、先月のTechCrunch DisruptでBoxのCEO Aaron Levieがその必要性を論じていた。Levieはドローンが収集する膨大な情報を意味のある有用な情報に加工するビッグデータ処理の分野にBoxが進出する計画があると述べた。

BoxのサービスがDowneyが開発しているクラウドサービスとバッティングするものなのかは不明だが、Downeyは自身のOSとBoxのようなクラウドサービスがオープンAPIを通じて協調動作するのはあり得ることだと述べた。Boxはすでに商用ドローン・サービスのSkycatchとデータ収集処理で提携している。

またDowneyは規制当局やASTM(米国材料試験協会)の標準化委員会と協力して商用ドローンの利用に関するルールづくりにも取り組んでいる。またNASAのドローンによる交通管制システム構想uにも協力している。

Airwareは去る7月にシリーズBのラウンドで2500万ドル万ドルを調達したのを始め、総額4000万ドルの資金を得ている。

今後ドローンが社会的な認知を得るまでには安全性、プライバシーなどさまざまな面でハードルが予想される。

ベゾスがテレビ番組で吹聴した商品の配送に関してはドイツのDHLがドローンを利用する実験を始めたことが報じられている。これは他の手段ではアクセスが困難な離島に医薬品を届けるもので、ドローンの利用として理解が得られやすそうだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


今月のアップデートでiPadにゴールド版追加、12.9インチの大型iPadの発表は来年早々か

Bloombergによると、Appleは次世代の9.7インチiPad Airのカラーバリエーションにゴールドを加え、さらに来年早々に12.9インチの大型iPad Airが発表され、これにもゴールドが加えられるという。

Bloombergは去る8月に大型iPadが開発中だというリーク情報を記事にしていた。しかし今回、現行の9.7インチ版iPadに関するリーク情報がカラーバリエーションだけだったというのは、近く行われるはずのiPadのアップデートではさほど大きな新機能の導入はないことを示唆する。

これまでにわれわれがつかんだ情報でも、Appleの今年の新しいiPadはマイナーアップデートにとどまるという感触だ。プロセッサーがiPhone 6/6 Plusdで採用されたA8に代わることがおそらく、もっとも大きな変更だろう。これまでもAppleはタブレットのプロセサーをスマートフォンから差別化してきたので、あるいはA8+が投入されえるかもしれない。

Appleはプロセッサーのアップグレードとゴールド版の追加で向こう1年iPadシリーズの売れ行きを維持するには十分と考えているのかもしれない。ここ数年のタブレットの販売動向をみると、消費者のタブレット購入サイクルはスマートフォンよりもコンピュータに近い。ユーザーはタブレットを購入すると数年使い続ける。これに対してスマートフォンの場合は、毎年新製品に買い換える率が高い。iPhoneの場合、この傾向は来年まで続きそうだ。

また今月はマイナー・バージョンアップに止め、来年早々に大型iPadを投入し、秋に現行iPadのメジャー・バージョンアップというように通年で順次新製品を発表する方が大きな売上を期待できるのだろう。Appleが大型iPadを製品ラインの中でどう位置づけるかも興味深い。タブレットよりむしろMacビジネスに近い位置づけとするのだろうか?

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AppleのOS X Yosemiteが公開間近に。イベントはいつ?

AppleのOS X Yosemiteは近々公開予定だが、デベロッパープレビューが、4th ベータプレビューアップデートと共にGolden Master(GM)ステータスに到達したことから、もう長い間待つ必要はなさそうだ。昨年、AppleはMarvericksのGMを、Mac App Storeで一般公開する約3週間前にリリースしているので、Yosemiteは多くの人たちが予想している10月中旬から下旬にかけての公開に向かって、計画通り走っているようだ。

AppleはYosemiteをスペシャルイベントで公開すると予想され、そこでは新しいiPadも披露されるだろうと噂されている。イベントは10月の1、2週目のどこか、あるいは同月最終週に行われるだろうと、常に正確なJim Dalrympleは予想しており、以前少なくとも一つの情報源が報じた10月21日には起こらないと言っている。GMのリリース時期から見て、10月14日あるいは28日が、最もありそうな日程だ。

GMビルドは一般に、Appleが消費者向けに公開する最終リリースと同じ(あるいは非常に近い)内容だ。昨年は、10月22日のスペシャルイベントでMavericksの最終版がリリースされるわずか2日前に、改訂版GMが配布された。イベントではiPad Air、およひiPad miniのRetinaディスプレイモデルが発表され。両機の後続モデルは、Appleが今年も計画している10月の製品リフレッシュの一環として登場する可能性が高い。

新しいMacも発売される可能性はあるが、それが何であるかは未だ霧の中だ。一部の報道は、Retina iMacが2012年のMacBook Pro以来初のMacハードウェア用Retinaディスプレイとして登場する、と予想している。さらに、12インチのRetina MacBook Airの噂も絶えないが、発売が今年か来年になるかは意見が入り混じっている状態だ。

もうひとつの興味は、Appleが開発中で来年早くに発売されるとBloombergが言っている、12.9インチiPadだ。Appleが「2015早期」にApple Watchを発売する計画であることを踏まえると、公式発売日の発表と合わせて、上記いずれかの製品発表を行うイベントが行われる可能性がある。

いずれにせよ、一般公開前のYosemiteプレビューは今回が最後になるだろうから、コンピュータと心の準備をお忘れなく。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


eBay、PayPalの分社化を決定―「物言う株主」カール・アイカーンの持論通りに

eBayとPayPalは道を分つことになった。PayPalはeBayの傘下から抜けだして、独自の上場企業となる。eBay, Inc.とその取締役会による戦略的見直しの結果としてこの決定が行われた。これにより両社のビジネスが一層速く成長するようになることが期待されている。

このPayPalのスピンオフは、監督官庁の承認が得られば、2015年の第2四半期に完了する見込みだ。両社とも分離後は新しい CEOが任命される。 eBayではマーケットプレイス担当プレジデントのDevin Wenig、PayPalではプレジデントのDan SchulmanがそれぞれCEOとなる予定だ。

eBayの分社は「もの言う投資家」のカール・アイカーンを始め、多くの株主が期待し、あるいは要求していたものだ。eBayがPayPalを買収したのはeコマースの支払手段の効率化を期待してのことだったが、PayPalがモバイル支払の分野に進出して成功を収め、Braintreeを買収してOne Touchシステムを手に入れるなどしてからは、PayPalの将来戦略はeコマースを離れ、むしろ個人向けの総合支払いサービスに向かうようになった。

eBayはモバイル経由で年間200億ドルの売上を得ており、今日の同社の発表によれば、PayPalの急成長によって大きく支えられてきたという。一方、PayPalはeBayから分離することによって、AlibabaのようなeBayの強力なライバルとも提携できるようになり、成長の加速が期待されるという。

〔日本版〕Wall Street Journalの記事はTechCrunch記事とはややニュアンスが異なる。これによれば、Carl IcaanはeBayにとってPayPalが「お荷物」であり、分社化することによってeBayの会社価値が増大すると主張していたという。eBayのCEO、John Donahoeはこれまで何年にもわたってIcahnの主張に反対してきた。それがここに来て180度の方向転換となったのは、AppleがApple Payで、AlibabaがAlipayでオンライン支払いサービスに参入し、この分野の競争が急速に激化する兆候を見せたため、Icahnの方針に同意せざるを得なくなったということのようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Apple、パリコレでApple Watchイベントを開催。ファッション界に進出

Appleはパリ・ファッションウィーク(パリコレクション)に参加し、フランスの高級ブティック、ColletteでApple Watchスペシャルイベントを開催している。Appleは、9月のプレスイベント以降初めてこの新デバイスを一般公開した。まだ、完全動作品を手に取ることはできないが、期待されたガジェットの展示は、それでも多くの群衆を集めている。

Apple CEO、Tim Cookは、今日(米国時間9/30)午前このスペシャルイベントについてツイートし、Apple Watchの各モデルが並ぶガラスケースに群がる人々を撮った上の写真を披露した。複数の記事が、スポートツコレクション、ベーシックコレクション、および18金ケースのハイエンドコレクションからなる、Apple Watch全モデルが展示されていることを報じている。

何人かのファッションジャーナリストもイベントに参加し、ウォッチを試すことができたが、9月に記者たちが触った時と同じく、デモモードに固定されていたと伝えている。Appleは未だにApple Watchの発売時期を、2015年早期としか言っていないが、一部報道によると、当初は2014年末までに発売するつもりだったと言う。

Appleは、Apple Watchをファッションアイテムとして位置付けようとしていることを隠そうとしない ― ファッション中心地でこの種のイベントを開き、『ヴォーグ』編集長のアナ・ウィンターらのスペシャルゲストを招待することによって、来年この商品が発売された暁には、こうしたインフルエンサーたちをも巻き込もうとしている。

ウェアラブルをファッション・アクセサリーとして売り込むことは、この分野の成長を試みるデバイスメーカーの戦略として以前から見られたが、Appleほどの予算やハリウッドへの影響、あるいは、マーク・ニューソンを持つ会社は他にいない。ファッション界の支持を得ることは、腕時計を着ける習慣がなく、これまでのスマートウォッチ製品に魅力を感じなかった消費者にとってさえも、Apple Watchのために財布のひもを緩める理由が一つ増えることを意味している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


GoProの129ドルの新しいエントリーモデルHeroはアクションカメラのキングだ

GoProはHeroアクション・カメラの新シリーズを発表した。ハイエンドのHero 4では初めてタッチスクリーン・ディスプレイを背面に備えたシルバーモデル、4Kビデオが撮影できるブラックモデルが登場した。

しかしいちばん興味をひかれたのはHeroと名付けられたエントリーモデルだ。Heroはアクションカメラというカテゴリーを次のレベルに引き上げる製品だと思う。

HeroはこれまでのGoProのホワイトモデルに相当する。しかし今回の新しいHeroは本体の防水ハウジングや低光量時に自動的に最適化されるモードなど、ライバルが到底及ばない機能を詰め込みながら129ドルときわめてアグレッシブな価格設定になっている。

ホワイトモデルから60ドル値下げするために新しいHeroはWi-Fi接続などいくつかの機能を削っている。つまりこのモデルはスマートフォンからコントロールすることはできず、コンピュータとの接続にはUSBケーブルを使う必要がある。しかしこれは実際に使用する上ではそれほど決定的な不便ではない。特に初めてGoProを使うユーザーにはほとんど気にならないだろう。またセミプロの私もWi-Fi接続はそれほど利用していない。そもそも泥、雪、水中といった厳しい条件ではスマートフォンを携帯することができない。

GoProの価格戦略はこの分野への新たな参入者、たとえば、Cubeアクションカメラを99ドルで売りだしたPolaroidなどにとって手強いハードルになるだろう。CubeにはWi-Fiがないだけでなく、そのままでは防水機能も、GoProのProTuneソフトウェアもない。この分野の初心者向けには低価格のPolaroid Cubeの方が向いているという評判だったが、Heroの登場で価格差は100ドルから30ドルへと大幅に縮小した。こうなれば長年にわたる実績があり、さまざまなマウントを始めとする豊富なアクセサリを揃えたGoPro Heroの方がはるかに有利になるだろう。

129ドルなら、多くの人々が新しいアウトドアの動画記録を始めることになるだろう。また Heroを3台揃えて異なるアングルから同時に撮影すればHero 4ブラックモデル1台で撮影するよりはるかに変化に富んだ作品ができそうだ。公開先がiMaxシアターではなくてYouTubeならますますそうだ。

トップエンドのHero4、特に4Kビデオが撮影できるブラックモデルはネイチャーやエクストリーム・スポーツなどを対象とするプロ、セミプロの映像作家の創作意欲をかきたてているが、Heroはアクションカメラ市場の裾野を大きく広げる画期的な製品だ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


Apple、来月Retina iMacを発表か? 高DPI時代の幕明けだ

Appleはこの秋、OS X Yosemiteと共に、ついにRetina iMacを発売する可能性がある、と9to5Macの最新記事が伝えている。最終テストに近い段階だと言われるこの新機種が登場すれば、それは「判別可能なピクセル時代」の終りを予感させるものだ。

Retina iMacは、はるか昔の2012年6月に初のRetina MacBook Proが発表されて以来、開発中であるとの噂によって、想像は膨らむばかりだった。AppleにおけるRetinaデスクトップ機の開発は、iMacに必要な画面サイズの高解像度モニタの製造コストのために遅れていたに違いない。一番小さいiMacでさえ21.7インチのディスプレイを装備しており、15インチのRetina MacBook Proよりはるかに広い面積を占めている。

2年と少しの時間によって、Appleはディスプレイ製造メーカーのコスト効率を高め、超HDテレビやパソコンモニターによって高解像度ディスプレイが普及してきた。そして、近く公開されるOS X Yosemiteのベータ版には、現行iMacの画面サイズに合わせたRetina解像度への参照コードが見られるという。

これらの新iMacは、現行モデルの薄い筐体をそのまま使い、非Retina版と共に販売されるだろうと報じられている。これはRetinaノートを発売した時のやり方だ。Retinaディスプレイは、4Kビデオの編集に多大な恩恵を与えるだろう。Final Cut ProおよびiMovieのアップデート版は高解像度ビデオをサポートするだろうとも記事は書いている。

Appleのデスクトップ製品ラインにとって、最後の大きな変更は薄型筐体で、機能面における大きな改善は久しぶりだ。この新しいエネルギーの注入により、ホリデーショッパーの購売意欲を刺激することができるかもしれない。

実際のところ、Appleデスクトップ機は現在の解像度でも殆どのニーズを満たしている。多くの人々の座席位置からでは、ピクセルが識別できる等の「低解像度感」もない。しかしRetinaへの飛躍によって、デスクトップで印刷物レベルの鮮明さを体験できるようになるだろう。ただ、未来が高DPIにあることは間違いないとしても、来月見るであろうこのカテゴリーのMacは、おそらくハイエンド消費者とプロフェッショナルをターゲットにしたものになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook