AppleのiPhone 7 Proにデュアル・カメラ搭載、イヤホン・ジャックは消えるとの情報

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「噂の渦巻くく国」へようこそ。われわれは日々煙をかき分けてその裏に本当に火があるものかどうか確かめようと努力している。今回のテーマは新しいiPhone 7 Proだ。 AppleがiPhone 7、iPhone 7 Plusと同時に開発中とされるiPhone Proには背面にデュアル・カメラが装備され、下部にApple独自のSmart Connectorが搭載されるという。

Nowhere Elseに掲載された3モデルを並べた写真を観察すると、iPhone 7 PlusはiPhone 7にそっくりな拡大版のように見える。しかしiPhone 7 ProはiPhone 7 Plusよりも強化されたモデルのようだ。

iPhone 7 Proの外観だとする写真がリークしたのはこれが初めてではない。先月もNowhere Elseは中国の修理ショップが次世代iPhoneの部品して公開した3種類の部品の写真掲載し、新製品には新しい機能が追加されるようだと示唆した。

Appleのアナリストして実績のあるKGI SecuritiesのMing-Chi KuoはiPhone 7 Plusはデュアルカメラを備えるだろうと早くから予想していた。今回発表された写真からすると、 iPhone 7にデュアルカメラが装備されないのはMing-Chi Kuoの予想どおりだが、デュアルカメラを搭載するのはiPhone 7 PlusではなくiPhone 7 Proだということになる。

ではなぜAppleは背面カメラを2台にするのだろうか? ひとつは背景ボケの実現だ。 LinXは2台以上のカメラをシームレスに連携させるハードとソフトを統合したシステムを開発している。このデュアルカメラ・システムにはさまざまな画質改善能力があるとされるが、その一つが焦点距離を再構成することによる背景のボケだ。絞りを開くと背景をきれいにボケさせることができるのが一眼レフが現在も好まれている理由の一つだ。

またデュアルカメラ・システムは低光量時の画質改善にも役立つ。解像度やHDR効果を高めるのにも有効だ。デュアルカメラ・システムは、Lytroカメラで撮影した場合のように、前景、後景のどちらをボケさせるか撮影後に決定することも可能にする。

iPhone 7 Proとされる写真を観察すると、背面下部にiPad Proに搭載されているような磁気吸着式のSmart Connectorがあることに気づく。これによってキーボードなど各種アクセサリーを接続することが可能になる。iPhone 7 Proの場合、Appleは拡張バッテリーを装備したケースの接続にこのコネクターを利用するかもしれない。

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これと別に、 これこれこれこれと都合4つもiPhone 7だとする写真がリークされている。中にはよくできたフォトショップ加工もあるかもしれないが、どうやらiPhone 7の外観はこういうものになるらしい。

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リーク写真によると、iPhone 7の外観は四隅のエッジが丸められたデザインのようだ。背面は現行どおりアルミのようだが、3つの大きな違いがある。

アンテナの線はややデザインが変わり、全体がスマートに見える。また筐体がアルミの一体成型であるという印象が強くなった。

カメラの突起はずっと大型になった。これはおそらくカメラがアップグレードされたことを意味するのだろう。大型レンズは低光量時に威力を発揮するはずだ。

残念ながら、ヘッドフォンジャックはなくなったようだ。ヘッドフォンジャックを利用していたユーザーはアダプタが必要になる。MacRumorsによると、Appleはダミー企業を通じてAirPodsというワイレス・イヤホンの商標を得ているという。偶然というにはできすぎのようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

英Revolutがモバイル外国為替サービスで1000万ドルを調達中

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イギリスのスタートアップRevolutが、世界中全ての通貨での買い物や送金を簡単にしようとしている。Revolutは、TransferwiseNumber26とも異なり、その中間にポジショニングされている。そして同社は、Balderton CapitalをリードインベスターとするシリーズAラウンドで1000万ドル(775万ポンド)を調達中だ。

参加投資家には、Ribbit Capital、Index Ventures、Point Nine Capital、SeedcampそしてVenrexが名を連ねる。しかし、Revolutは新たな試みも行っており、サービス利用者が本日(米国時間7月11日)のラウンドに参加できることになっているのだ。

775万ポンドのうち、100万ポンドがCrowdcube上で行われる投資型クラウドファンディングラウンドで調達される予定だ。こういったプロセスの利点は、私たちもRevolutに関するさまざまな指標についてもっと知ることができるということだ。

例えば、Revolutには20万人のユーザーが登録しており、現在一日あたりのユーザー数の伸びは1500人を記録している。また、これまでに5億ドルにおよぶ規模の決済を行っており、今では一日あたりの決済額が400万ドルに達する。

素晴らしいことに、クラウドファンディングに参加する投資家は、更新された指標を直接Revolutのアプリから確認することができる。

Revolutのアカウント作成後、ユーザーは、USD、EUR、GBPの3通貨が利用可能な電子財布のようなものを受け取る。そして、クレジットカードや銀行送金を利用し、3つのうちどの通貨の残高でもチャージすることができる。

残高チャージ後、ユーザーは口座の中のお金を使ったり送金したりできるのだ。他のRevolutユーザーへの送金はもちろん、これまでのような電信送金サービスも無料で利用可能だ。

Revolutは為替レートをインターバンクレートに出来るだけ近づけようとしており、実際に利用するレートも公開している。23通貨でこの機能が利用可能で、TransferWiseと張り合えるようなサービス内容だ。

それだけではなく、ユーザーは古き良きプラスチックカードもオーダーすることができ、カードを使えば90種類もの通貨での支払が可能。なお、Revolut口座からの引き落とし時にもインターバンクレートが使われる。また、Revolutは支払やMasterCardsブランドのカード発行にあたりPaysafeと提携している。Revolut上の口座は本格的な銀行口座ではないものの、海外出張や海外旅行を多くする人にとっては面白いツールだ。

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(翻訳:Atsushi Yukutake/ Twitter

これはiPhone 7なのか?

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iPhoneはどんなものになるのだろうか? 誰も確実には知らないが、様々なリーク情報がいつものように出始めている ― iPhone 7は驚くほどiPhone 6sに似たものになりそうだ。今日、Nowhere Elseが報じたリークによると、その本体はiPhone 6sからごくわずかしか変更されていない。では、何が新しいかを見てみよう。

この写真によると、iPhone 7はエッジのとれた小石のようなデザインで今と変わらない。裏面はやはりアルミニウム製だ。そして、これを持っている人の指がAppleロゴの向こうに透けて見えていることから、輝くAppleプレートがなくなっていることがわかる。しかし、大きな違いが2つある。

かつてiPhoneの裏側を走っていた醜いアンテナ線を覚えているだろうか。線がない方が間違いなく美しい。

第2に、カメラが違う。iPhone 6sの小さな出っぱりの代わりに、この写真では大きなレンズが突き出している。これはiPhone 7でカメラが大きく変わることを意味しているのだろうか? おそらく。大口径レンズは低光度での性能が上がることを意味する。

しかし噂によるとAppleは、最も重要なカメラの革新をiPhone 7 Plusのためにとっておくらしい。大きい方のモデルにはデュアルレンズ・カメラシステムが塔載されるはずだ。

デュアルカメラシステムをiPhone 7 Plusに譲ることは、iPhone 6sと6s Plusで同じカメラモジュールを使う現在のAppleの戦略から離れることを意味している。あるいは、サプライチェーンの制約から、新しいモジュールを一部のモデルでしか使えない可能性もある。

デュアルレンズカメラは、iPhoneユーザーに低光量でよい写真を撮れるチャンスを与える ― HDRの性能や色忠実度も改善される可能性がある。あるいは、2種類のアングルで光学ズームを使えるようになるかもしれない。

そして、写真には写っていないが、このiPhone 7ボディーにはヘッドホンジャックがついていない、とNowhere Elseは書いている。Appleがなぜヘッドホンジャックを廃止するかは未だ明らかではない。ワイヤレスヘッドホンを〈まし〉にする方法を見つけたのかもしれない。Appleは新機能のために余分な場所が必要になったのかもしれない。

Nowhere Elseは、ここ数年iPhoneのリークに関して信頼が高い。しかし、いつものように、噂は眉に唾をつけて聞く必要がある。AppleはiPhone 7を9月のプレス会見で披露すると予想されている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Apple、iOS 10ベータ版を一般向けに公開

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ついに公開された。iOS 10の最初のベータ版がこちらからダウンロードできる。読者も読者の友達も、要するに誰でもダウンロードできる。さらに良いニュースは年額99ドルを支払ってデベロッパー・アカウントを取得する必要がないことだ。しかしあくまでベータ版なのをお忘れなく。

Appleではこの秋にiOS 10を正式に公開する予定だが、それまで待ちきれないというユーザーにはぴったりだ。これまで公開されていたバージョンはアプリを開発するのに必要なAPIをデベロッパーに周知させるのが目的だった。公開ベータの目的は利用にあたってのバグの発見が目的だ。デベロッパー向けベータ版に関しては、数日前にバージョン2が公開されている。一般向けベータ版はデベロッパー向けバージョン2とおそらく同じものだろう。

しかし日常メインに使っているiPhoneやiPadにこのベータ版をインストールするのは止めた方が賢明だ。作動しない機能もあるだろうし、デバイスをクラッシュさせるようなバグも残っているはずだ。要するにベータなのだ。メインのデバイス以外に手頃なiOSデバイスを持っているとしてもまずデータのバックアップをしておくことをお勧めする。iCloudなら最新の状態に同期されていることを確認するように。設定アプリを開いて同期させるかiOSデバイスをコンピューターに接続し、iTunesでマニュアル・バックアップする(できれば両方やっておく)。

次にファイルのダウンロードとなる。Apple Developer Programにサインインし、手持ちのiOSデバイスを登録する。最初にコンフィグレーション・プロファイルをインストールする。次にiOSをアップデートする。9月の正式公開時にはアップデートはすべて自動的に行われるはずだ。

iOS 10にはSiriの大規模なアップデートとサードパーティーとの提携が含まれる。iOS 10の正式公開に間に合わせるべくサードパーティーは現在Siri利用アプリの開発に取り組んでいるところなので、最終的な結果を予測するのは難しい。しかしこのアップデートはiPhoneの使いかたを大きく変える可能性がある。

またAppleはロックスクリーンのデザインと機能を一から作り直した。通知はリッチメディア化され、小さなライブ・ウィジェットが表示される。写真アプリは大幅に改良された。顔認識、ディープラーニングによるコンテンツのカテゴリー分類、スマート写真アルバムなどの機能が付加された。Apple Maps、Apple Music、HomeKit、電話アプリもアップデートされた。AppleはまたMessagesアプリを大幅に改良して多数の新機能を導入した。絵文字、効果が利用できるようになり、Slack風のフィードバックもできるようになった。リンクのプレビューがリッチメディア化され、サードパーティーのエクステンションも利用できる。

iOS 10ベータをダウンロードしてみる予定ならTechCrunchのiOS 10紹介記事に目を通すことをお勧めする。ここにはiOS 10についてユーザーが知っておくべき情報が掲載されている。新機能を詳しく説明して友達を驚かせるのにも役立かもしれない。

〔日本版〕AppleサイトではiOS 10の日本語版ベータが公開されている。個々の機能の日本語紹介記事はこちらを参照

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

iOS 10ベータ2がデベロッパー向けに公開

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Appleは、iOS 10のデベロッパー向けベータ2を公開した。このアップデートはデベロッパーアカウントを持つiOSデベロッパーのみが利用できる ― 少なくとも今は。AppleはiOS 10を、同社の年次デベロッパーカンファレンスで発表した。

Appleは、デベロッパーウェブサイトの更新後、macOS Sierraのベータ第2版もリリースするはずだ。こちらもデベロッパー専用だ。しかし、もしSierraについてもっと知りたければ、本誌のプレビューをご覧あれ。

過去数年と同じく、AppleはiOS 10とmacOSの最初のベータをWWDCキーノートの直後に公開した。これはWWDCの最中にデベロッパーが新しいAPIをいじり始められるためだ。AppleはmacOS SierraおよびiPhoneとiPadのiOS 10の最終バージョンを、9月に公開する予定だ。

今日は最初のデベロッパー向けアップデートであり、夏にはさらに多くのバージョンが出るだろう。しかし、登録Appleデベロッパー以外の人はどうなのか?

幸運なことに、Appleはパブリックベータを一般公開し、アーリーアダプターたちが新機能に触れ、バグを見つけられるようにする予定だ。最初のバブリックベータは7月に公開予定。Appleは、ベータ2に今後数日間重要なバグがみつからなければ、それを最初のバプリックベータ版として公開するかもしれない。

iOS 10には、Siriの大幅なアップデートとサードパーティー統合がある。サードパーティーからiOS 10アプリがまだ出ていないため、ベータ期間中に結果を見るのは難しいだろうが、iPhoneの使い方に大きな影響を与える可能性が秘められている。

Appleはロック中の画面も全面改訂し、通知で小さなライブウィジェットを表示できるようになる。同じウィジェットはホーム画面の3Dタッチショートカットでも利用できる。

写真アプリも大幅に改訂され、顔認識、ディープラーニング・カテゴライゼーション、インテリジェント・フォトアルバム等が追加される。Appleマップ、Apple Music、HomeKitおよび電話アプリも改訂される。Appleは、iOS 10に臓器提供も組み込む。

そしてAppleは、メッセージアプリも一新し、数多くの新機能を盛り込む ― 絵文字、メッセージ効果、Slack風のメッセージに対するフィードバック、リッチリンクプレビュー、サードパーティー拡張等。このメッセージのアップデートだけでも、iOS 10は全iPhoneユーザーにとって必須といえる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

複数の素材を最高40μの解像度でプリントするプロ用3DプリンターPam、9000ドルで予約販売中

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Pollenの新しい3Dプリンターは、市場への参入がやや遅すぎたかもしれないが、その不利に負けないだけの価値はありそうだ。そのプロ向けの機種Pamは、40μまでの高い解像度を誇り、しかも4種類の素材をミックスしてさまざまな性質のオブジェクトを作れる。いわばラグジュアリー仕様の3Dプリンターだ。

たとえばPamでは、レンズ付きのサングラスをプリントできる。複雑なプロトタイプを作ったり、ファッションショー用の小物、半透明のランプ、なども作れる。剛体、軟体、撓(たわ)むものなど、物性もさまざまだ。

プリントされたものを、いろいろ見たが、たしかにこれまでの平均的な3Dプリンターよりずっと良い。使用できる素材は、熱可塑性樹脂、シリコン、各種複合素材、充填用の素材など、さまざまだ。このほか天然繊維やカーボン、金属粒なども使える。最大温度は350°Cだ。

PamをWi-FiまたはEthernetに接続して、Webブラウザーからコントロールする。プリントを行うソフトウェアはプリンター本体にあるから、コンピューターと接続する必要はない。オブジェクトをリモートでプリントすることもできる。

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発売予定は2017年4月だが、でも同社はすでに数社の企業と、複数台納入の契約を結んでいるようだ。それらの企業は、製品の実際の製造ラインで3Dプリンターを使う気らしい。

Kickstarterで資金を集めるようなレベルの3Dプリンターではなく、本格的な企業利用を想定した機種、と言えるだろう。

今、9000ドル(8000ユーロ)で予約を受け付けている(送料と付加価値税は別途)。でも発売開始後のお値段は、これらの倍になる予定だ。プロ用の3Dプリンターだから、こんなもんだろう。ニッチの高級機として、けっこう売れそうな気がする。

CrunchBaseの同社ページ

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

macOS上のSafariがFlashにとどめを刺す…インストールされていてもデフォルトで無効

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Adobe Flashは死ぬ必要がある。そしてどうやら2016年は、Flashの最後の年のようだ。macOS Sierra以降Appleは、ユーザーがたまたまインストールしていた場合でも、Flashプラグインをデフォルトでは無効にする。それには多くのアドバンテージがある。

まず、Flashには数えきれないほど多くの悪用の履歴がある。つい昨日(きのう)も、誰かがまた悪用を見つけ、Adobeは大慌てでそれに対応した。

第二に、Flashは電池を殺す。どうやらそのプラグインは、今日のコンピューター向けに最適化されていないのではないか。Flashを動かすたびに、電池寿命が失われる。

第三に、Flashはもう誰も要らない。多くのWebサイトがビデオをHTML5や現代的な技術で再生する。YouTubeは? HTML5だ。Soundcloudは? HTML5だ。本誌TechCrunchのビデオは? HTML5だ。

目立つ例外もある。たとえば、FacebookのライブストリームとPeriscopeのビデオはまだFlashを必要とする。でも、彼らがFlashを捨てるのは時間の問題だろうな。

そして最後に、今ではみんながFlashを嫌いだ。SafariはmacOS SierraでFlashを無効にする。どうしてもFlash(やQuicktime, Silverlightなど陳腐化しているプラグイン)が必要なWebサイトをあなたが開いたら、Safariは、このプラグインを本当に動かしてよいのか、確認する。ChromeもQ4 2016に同じことをする。Microsoft Edgeは、重要でないFlashコンテンツをポーズする。Adobe自身も、たぶんFlashを捨てたがっている。

もう、定めの日が壁に貼りだされている。人より一歩進んでいるあなたは、とっくにFlashをアンインストールしただろう。ChromeにFlashがあるのは、悪用対策を素早く展開するためだ。メインのブラウザーとしてSafariやOperaを使い、Flashが必要なときだけChromeを使う手もある。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple WatchがSOSボタンに進化する

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今回のWWDCで、Apple WatchがSOSボタンに進化した。watchOS 3では、Apple Watchの側面にあるボタンを長押しすることにより、救急サービスを呼ぶことができる。

そのボタンを長押しすると、カウントダウンが始まる。そのまま押し続けることによって、救急サービスを呼び出し、オペレーターと会話することが可能だ。Apple Watchはユーザーが居住する国を把握していて、正しい番号に電話をかけることができる。

その電話が済んだあと、Apple Watchは救急サービスに宛ててユーザーの位置情報を自動的に送信する。

Apple Watchは健康状態を表示するブレスレットにも進化した。SOSコールのあと、Watchは自動的にユーザーの健康状態を表示する。この時に表示されるのは、ユーザーが事前にスマートフォンの健康アプリに入力した情報だ。HealthKitが有効化されているアプリも、健康状態のデータを提供することができる。この機能は、ユーザーが意識を失ったときや、なんらかの理由で到着した救急救命士に健康状態を伝えられない時などにとても役に立つ。

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これは、新たにwatchOS 3に追加された機能の一つにすぎない。今回発表されたApple Watchのアップデートは包括的なものとなり、あなたのWatchをより便利に、そしてより快適にするものだ。

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(翻訳: 木村 拓哉 /Website /Twitter /Facebook

Macのオートアンロックは、次期MacBook ProにTouch IDが塔載される前兆

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Appleは次期バージョンのオペレーティングシステム、macOS 12をつい先ほどWWDCで披露した。そこで同社は、Macをアンロックする全く新しい方法を発表した。長くて面倒なパスワードを一日に何度もタイプする代わりに、Macは自動的にアンロックされる ― Apple Watchを着けていれば。

Appleは、iPhoneでも使えるようになると言ったが、方法には言及しなかった。その答はTouch IDだ。Apple Watchは今でもiPhoneのTouch IDでアンロックできる。一度アンロックされると、Apple Watchが手首にある限りアンロック状態が続く。しかし、腕から外すとApple Watchがそれを検知し,再びアンロックしなければならない。

今日Appleは、オートアンロックのしくみをあえて語らなかったように思える。なぜなら、iPhoneをMacの近くに持ってきたのが他人でないことを確認する唯一の手段はTouch IDだからだ。iPhoneがアンロックされていれば、Macをオートアンロックできる。

これは、MacにTouch IDセンサーが付く可能性を示唆していて興味深い。噂によると、Appleは新しいMacBook Proを近々発表するという。WWDCはソフトウェア中心の場だが、MacBook Proの発表は差し迫っているはずだ。

このMacBook Proはスリムなボディーになると言われている。そのためには、新しいUSB-C標準を全面的に採用することになる。現在Retina MacBook Proの厚さは、USBポートやThunderboltポート、HDMIポート ― この3つは大体同じ厚さ ― とほぼ同じだ。USB-Cポートはこの全ポートを置き換えることができる。

スリムなデザインと最新型Intelプロセッサーに加えて、MacBook ProにはTouch IDセンサーが装備されるかもしれない。パスワードを何度もタイプしなくてよいのは嬉しい。しかし、さらに別の可能性への道も開かれる。例えば、MacでApple Payをネット購入に使える。

最後の新機能はさらに驚きだろう。Appleは小さなOLEDタッチスクリーンをキードードの上部に付加するかもしれない。新しい金属射出成形で小さくなったヒンジのおかげだ。Appleはノートパソコンにタッチスクリーンを載せたことはないが、この小さなタッチスクリーンはショートカット用で、アプリによって変わるものと思われる。

今日この新しいノートを見られそうにないのは残念だが、今日のソフトウェアの発表は、MacBook Proユーザーにとって期待できる兆候だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

WWDC 2016でApple、iOS 10を発表―過去最大のアップデート

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今朝(米国時間6/13)開幕したWWDC 2016カンファレンスで、AppleはiOS 10を発表した。その名の通り、iPhoneとiPadのエコシステムにとって10回目となるメジャー・リリースには大小とりまぜて多数の新機能が投入されている。Appleは来月、公開ベータ版をリリースする。

Appleのソフトウェア・エンジニアリング担当上級副社長、クレイグ・フェデリギ(Craig Federighi)はキーノートで「過去最大のiOSのアップデート」だ述べた。以下、新機能の概要を報告する。

iOS 10でAppleは“Raise to Wake”という新しいロックスクリーンを導入した。いちいちデバイスに触る必要なしにロックスクリーンを表示させることができるようになった。デバイスの方がスマートに目を覚ましてくれる。この機能の実装は、正当な所有者以外がロックスクリーンの通知を読んでしまわないよう、iPhone 6の3D Touchが即座に作動するように進歩するのを待つ必要があった。

これで3D Touchを備えたデバイスでもロックスクリーンで通知のプレビューができる。たとえば通知を強く押すとウィジェットが小窓を開きチャットができるようになる。Uberなどのサードパーティーはこの機能を有効に活用できるだろう。Uberからの通知を強く押すと配車された車が今どこを走っているのかが分かる。

ロックスクリーンを表示させた状態で右にスワイプするとカメラが起動し、左にスワイプするとロックスクリーンを離れずにウィジェットが一覧できる。画面上部から下へスワイプすると通知/コントロールセンターが現れるのは今まで通りだ。

通知センターのデザインも一新された。外見はApple Watchの通知センターによく似ている。新しいコントロールセンターは2ページになり、右スワイプで次のコントロールセンターのページが表示される。ここには音楽プレイヤーだけがある。

ホームスクリーンでの3D Touchのショートカット・メニューの表示も大きく実用性が高められた。3D Touchのポップアップにアプリのライブ情報が表示される。同時にTodayタブのウィジェットを強く押すとアプリのミニ版を開くことができる。

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Siriの改良もiOS 10のトップニュースの一つだ。フェデリギはSiriでWeChatをデモした。ユーザーはSiriにWeChatでメッセージを送るよう命じることができる。SiriはWeChatアプリをミニ窓で開き、指示された相手にメッセージを送信する。これ以外にも、UberやLyftで車を呼ぶ、RuntasticやRunkeeperでエクササイズの記録を取る、Number26やVenmで借りていたお金を友人に返す、SkypeやViberで通話するなどユースケースはいろいろ考えられる。

SiriはMessagesでもテキストで回答できるようになった。現在位置や連絡相手の情報を受取るには便利だ。キーボードも多言語サポートが強化された。

iOS 10はiPhone上でのディープ・ラーニングを利用して顔認識を強化した。ユーザーはこの機能を利用して人物をキーとして、家族や友達の写っている写真でアルバムを作ることができる。iOSは写真に写っている対象を、川や山などと認識できるようになった。「山」というキーワードで検索すると、山の写真がすべて表示される。

iOS 10のアップグレードで写真の使い勝手はGoogleフォトにかなり近づいた。ただしAppleは従来どおり、すべての写真をローカルで処理する。つまりAppleがユーザー情報を収集することはない。iOSに新しく追加されたMemories機能は、 家族や友達と過ごした休暇の写真からミニ動画を作ってくれるだけでなく、写りのよいカバー写真も選んでくれる。ユーザーは複数のMemoriesを簡単に切り替えることができる。iOS 10はビデオにサウンドトラックを付加してくれる。ユーザーはビデオを編集して短くしたり雰囲気を変えたりできる。macOSの写真も同様のアップデートを受けた。

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iOSのマップも大がかりなアップデートの対象となった。マップはユーザーの状況に基づいて積極的な提案をしてくる。たとえば、仕事に行くときは今日の日程を尋ねてくる。Appleはターン・バイ・ターンのナビのデザインも一新して使いやすいものにした。またAppleマップはサードパーティーのデベロッパーに開放された。たとえば、FoursquareはAppleマップのエクステンションを作ることができる。Uberもパップから車を呼べるようにできるだろう。

一新されたといえばApple Musicもゼロから作り直された。独立のConnectタブはなくなった(Connect機能は利用できる)。現在再生中の楽曲を示す画面は新しくなった(Rdioにそっくりになった)。おかげでごたごたした感じが消えてすっきりした。Musicアプリを開くとライブラリー・タブが最初に表示される。下にスクロールするとApple Musicに追加されたアカウントを見ることができる。

「再生中」のスクリーンを下にスクロールすると歌詞が表示される。For You画面のトップにはDiscovery Mixが追加された。これはSpotifyのDiscover Weekly〔今週のおすすめ〕に生き写しだ。これにPlaylistとConnect.が続く。この画面はいろいろな要素を盛り込み過ぎてまだかなりごたごたしている。RadioタブはBeats 1、オンデマンドでストリーミングできる番組がフィーチャーされる。

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スマートホームを実現するHomeKitも大きくアップグレードされた。iOSに接続されたすべてのデバイスを新しいHomeアプリから操作できる。またHomeKit対応デバイスをコントロールセンターに追加することもできる。つまりコントロールセンターからスマート照明の明るさを変えられるわけだ。自宅のデバイスをリモートで操作する場合、Apple TVがセキュリティーを確保されたアクセスポイントとなる。HomeアプリはiPadからも利用できるのでiPadをスマートホームのコントロール・スクリーンとして利用できる。

ここで電話アプリをチェックしてみよう。iOS 10はボイスメールのメッセージをテキストに文字起こししてくれる。電話アプリのエクステンションではネーティブの電話アプリのUIのままVoIPアプリを利用することができる。着信音も通常と変わりない。このエクステンションはスパム着信にフラグを立てて知らせてくれる。

メッセージ関係も大きく変わった。特にプレビュー機能が充実した。たとえばYouTubeの共有URLが送られてきた場合、 メッセージ・アプリ内から動画のプレビューができる。カメラを起動すると、iOSはライブ・カメラとPhoto Pickerを用意してすぐに写真を保存できるようにする。絵文字はこれまで3倍の大きさになった。メッセージ・アプリは絵文字の候補も提案する。ユーザーは単語をタップして絵文字と入れ替えることができる。絵文字キーボードを立ち上げると、アプリはテキスト中で絵文字に置き換えることができる単語をハイライト表示する。誰もが絵文字の達人になれる!

Appleはチャットのテキストのバブル〔吹き出し〕をユーザーがその場でサイズを変えるなどができるdynamic bubble機能を追加した。ユーザーは手書き風、ポップ風、ミニ吹き出しなどさまざまな公開を選べる。Slackの絵文字と同様、フィードバックを付けるとこともできるし、フルスクリーン効果を加えることもできる。花火のフルスクリーン効果を選ぶとスクリーンをフルに使って花火が打ち上げられる。

改良はメッセージ・アプリ内にとどまらず、サードパーティーのデベロッパーもAppleのMessagesアプリにエクステンションを作れるようになった。これはFacebookのMessengerアプリに似たやり方だ。Messengerはスタンプや写真を追加できるし、料理の出前を注文などができるようにこなる。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

AppleのWWDC 基調講演の内容予想

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サンフランシスコで現地時間13日10時(日本時間14日午前2時)にApple毎年恒例の開発者会議が始まる。例年通り、昔ながらの基調講演では、同社が秘密にしてきたことも、それほど秘密でもないことも取り混ぜて発表される。以下に私が予想する内容をまとめた。

カンファレンスの大部分は、iOSとOS Xのアップデートに関するものになるだろう。通常、Appleは特に重要な機能をWWDCで紹介する。その後、開発者たちはベータ版にアクセスできるようになり、9月には最終版が出荷されるのである。

まずiOS 10を取り上げてみよう。噂によれば、Appleはデフォルトアプリ用の新しいダークモードと内蔵アプリを非表示にする方法を発表するらしい。また、HomeKit対応アプリのすべてを制御する新しいホームアプリ(HealthKit対応アプリ用のHealthアプリのようなもの)も十分に考えられる。

iPhoneの暗号システムに関するFBIとの攻防を受けて、Appleは同様のケースの再発を回避したいと考えている。そのために、 AppleはiOSのセキュリティを高めて、iPhoneのアンロックに関して自社がFBIに協力する能力自体を持てなくする可能性もある。

他にありえそうな変更の1つが、もう何年も手つかずになっている電話アプリの改善だ。連絡先が「取り込み中」ではなく、電話をできる状態か確認する方法が発表されるかもしれない。あるいは、ボイスメールをほかのiOS機器やOS X機器と同期する方法を模索しているかもしれない。

通信機能といえば、最近噂になったのが、AppleがiMessageをAndroidで利用できるようにするという話題だ。もしそうなれば、iMessageのグループを作成したいのに1人か2人のAndroidユーザーが混じっている家族にとって朗報だ。AppleがFacebookのメッセージアプリやMessenger、Whatsappに対抗しようとするなら、とっくに着手しておくべきだったとさえ言える。ついでに、この場を借りてAppleに要望を伝えさせていただくと、メッセージアプリでリンクや、ツイートや、YouTube URLのプレビューができるようにしてもらいたい。

さて、手の届きやすい部分の話題が一通り終わったので、大きな変更の話をしよう。まずは、新しいSiriだ。

家にAmazon Alexaがある人や、Google Nowを触っている人なら、Appleがこの分野で後れを取っていることを知っているだろう。Appleは、スマートフォンにパーソナルアシスタントを初めて導入した企業だが、それ以来さしたる変更もない。

まず、iOS 10になればSiriはこれまでよりも音声識別能力が向上し、素早く応答し、文脈を最大限に利用できるようになるはずだ。Appleは、次世代のSiriのために前途ある技術企業VocalIQを買収した。Siriは、ユーザーが5分前に見ていたものを記憶して、それによって回答の精度を上げることができるようになっているはずだ。

次に、サードパーティの開発者は、ついにSDKを使用したSiriの統合が可能になるだろう。音声を使ってCitymapperで行き方を尋ねたり、Venmoで友達にお金を返してコンサートチケットを購入したりできたら、と想像してみてほしい。

ほかの大きな変更として、AppleはApple Musicの大規模リニューアル取り組んでいるとされている。Appleは、昨年のWWDCでApple Musicを発表した。有料会員数は数百万人に上るが、インターフェイスは相当わかりにくい。

何をするにもやたらとタップさせられるため、Connectを使う人はいない。楽曲をお気に入りにするか、ライブラリに追加するかも迷いどころだ。他にもいくらでも不満点は出てくる。Appleが、今後さらに数千万人のApple Musicユーザーを引き寄せたいと願うなら、再設計は避けて通れない道だ。

少しギアを変えてOS X 10.12ことmacOS 12の話をしよう。そう、これは誤植ではない。iOS 10のリリースと、OS Xの新しいバージョンの話が紛らわしくなってきたため、AppleはXの文字を取り、命名規則を統一しようとしている。

それ以外の情報は、あまりわかっていない。Appleは、Siriバージョン2をmacOSに追加しようとしているはずだ。たとえば、メニューバーなどに常駐させられるかもしれない。また、ウェブショッピングでもApple Payが利用できるようになるかもしれない。

Appleが、ついに大規模なiTunesアップデートに取り組もうとしているという噂もある。iTunesが古くなってきて、バグだらけになっているので新しいiTunesが今秋発表される予定で、WWDCでお披露目されるというのである。

最後に、AppleはiPhoneのTouchIDを使ってMacをアンロックできるようにするという。なぜ今なのか。Appleは、MacBook ProにTouchIDセンサーを搭載しようとしているのかもしれない……。

MacBook Proといえば、Appleは興味深い取り組みを進めている。新しいノート型Macには、最新のIntelプロセッサが内蔵されるが、それだけではない。Appleは、この機会にMacBook Proをより薄く軽量にする可能性がある。従来のUSB、HDMI、MagSafeといったポートは厚みがありすぎるので、代わりにUSB-Cポートが採用されると思われる。また、Appleはキーボードの上部にカスタマイズ可能なショートカットバーとして、小さなタッチスクリーンの追加を目論んでいる。

ただし、このMacBook ProがWWDCでの発表に間に合うとは期待しない方がいいだろう。同様に、Mac ProとMac Miniも早急なアップデートが待たれるが、今年のWWDCはソフトウェアの話題に終始しそうである。

したがって、Retinaの解像度と統合グラフィックカードを備えた新作外付けディスプレイを待っている人は、次回以降のお楽しみとなりそうだ。

少しだけtvOS 10とwatchOS 3にも触れておこう。Apple Watch 2はまだ発表されないだろうが、Appleはインターフェイスを洗練し、より強力なネイティブアプリを搭載した新しいバージョンのwatchOSを発表するかもしれない。watchOS 2で、Apple Watchはアプリプラットフォームになるはずだったが、率直に言ってwatchOSにはまだまだ手を入れる必要がある。友達画面を呼び出すのに、いまだにサイドボタンを使用しているという人も多いだろう。

tvOS 10については、論理的に考えてApple TVにも新しいバージョンのSiriが追加されるだろうという点を除けば特に情報がない。しかし、Appleのことだ。いくつかサプライズを用意している可能性はある。AppleはすでにWWDCに先駆けてApp Storeについての大量の変更を明らかにしているが、これは基調講演の内容が盛りだくさんであることを意味している。どうやら今日の基調講演は面白いものになりそうだ。TechCrunchでは、現地からの速報をお届け予定だ。

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(翻訳:Nakabayashi)

DOZ、半自動的にフリーランスのマーケターから見積もりを取り契約するサービスQuoterをローンチ

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DOZ の登場からしばらく経つが、同社は、マーケティングキャンペーンの見積もりを取ってローンチする自動化ツールを製品の機能に追加しようとしている。従来のマーケティング代理店に比べ、DOZの雇用プロセスはかなりの時間短縮となる。

社名を聞いてピンと来ない方に説明すると、DOZはマーケティングに長けたフリーランスワーカーのマーケットプレイスだ。コピーライティング、見込み客の囲い込み、SEO対策、ソーシャルメディア対応などを誰かに任せたい場合に、DOZのマーケターならそのすべてを提供可能だ。DOZのアプローチは、マーケティング代理店を機能に分解し、マーケットプレイスで提供するものだ。

しかし、本日に至るまで、DOZに参加してもプロセス自体は従来と変わり映えがなかった。概要を送信し、しばらく待つと見積もりが送られてきて、やり取りをすることになる。時には、発注者にマーケティングの経験がなく、マーケティングキャンペーンが適当なものであるかすら確信が持てないこともある。

Quoterを利用すると、プロジェクトの送信から見積もりを取って決定するまでが非常に短時間で行える。Quoterにはチャットインターフェイスがあり、マーケティングキャンペーンについて発注者にさまざまな質問を投げかける。自動化された応答と人間による対応により、Quoterはコストの目安を算出可能だ。

その後は、承諾することもキャンセルすることも自由であり、オファーを断る場合は一銭もかからない。承諾があると、DOZはマーケターとのオートマッチングを実行する。

現在、7000人のフリーランスマーケターがDOZのプラットフォームを利用しており、全体では5万件のマーケティングタスクを完了している。Quoterは、DOZのコア製品に大きく影響するものではないが、登録障壁は低くなるだろう。

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    詳細 – Quoter by DOZ

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    DOZで実行中のキャンペーン

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(翻訳:Nakabayashi)

PlayStation 4 ‘Neo’は噂ではなく本当、でもE3には出さないそうだ

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Financial TimesのインタビューでSony Interactive Entertainmentの社長でグローバルCEOのAndrew Houseが、PlayStation 4 ‘Neo’は確かに発売するけど来週ロサンゼルスで行われるE3カンファレンスにはお目見えしない、と確認した。E3では‘Neo’の発表を行わない、と。

より強力なPlayStation 4、コードネーム‘Neo’の噂は、3月のKotakuが皮切りだった。今のPlayStation 4よりも強力にするのは、よりパワーを要するゲームのためで、とりわけPlayStation VRのヘッドセット用だ。

仮想現実は強力なコンピューターを必要とする。なめらかな体験を得るためにはゲームのフレームレートは毎秒60フレーム以上はほしい。それにVRのヘッドセットは顔にとても近いから、高い解像度もほしい。そこで、PS4でもPlayStation VRをとりあえず使えるけれども、別途ハイパワーのコンピューターを持ってない人は、PS4 ‘Neo’で仮想現実を楽しむべきだ。

Houseは基本的にこれらすべての噂を確認し、’Neo’は4Kテレビを持ってる人にもよろしい、と言った。つまり、初の4K対応ゲーム機(コンソール)、というわけだ。

次に、がっかりする点だが、まず、噂ではPS4のこの新型機の発売はホリデイシーズンの前、となっていた。それならE3がそれを披露する良いチャンスだが、しかしHouseはE3の直前にFT誌のインタビューを行い、E3に行ったけど月曜日の記者発表では何もなかった、という幻滅感をを事前に和らげる作戦に出たのだ。

第二に、PS4 ’Neo’は今のPS4の350ドルよりも高い。店には両製品を置き、新型機が現行機をリプレースしないことを訴求する。

そこで最後の問題だが、今持っているPlayStation 4の今後の運命はどうなるのか? そのユーザーは、置いてきぼりを食らうのか? Houseは、今後のゲームもすべて前のPlayStation 4に対応する、と約束したかったようだ。でもそれらのゲームも、PS4 ‘Neo’の上ではもっとビューティフルになるのだろう。

Microsoftも、Xbox Oneのアップデートをやるようだ。同社は来週のE3で、スリムで安いXbox Oneを発表するかもしれない。そして来年は、より強力なXbox Oneをリリースするという噂だ。それはPS4 ‘Neo’よりも強力、とか。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Mediumがフィードをリアルタイム化するSuperfeedrを買収、世界のメディア(medium)へいよいよ本気

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原則として誰でも何でも書けるソーシャルブログサービスMediumが今日(米国時間6/2)買収した小さなスタートアップSuperfeedrは、RSSやAtom、JSONなどのフィードを高速化するAPIだ。Mediumのような企業にとってSuperfeedrは、大量のフィードを生成してそれらを、PubSubHubbub互換のサービスへリアルタイムでプッシュする。

SuperfeedrのWebサイトによると、同社はこれまでIFTTTやAbout.me、Etsy、Player FMなどの仕事をしてきた。しかし、買収によってこれらの顧客へのサービスを停止することはない。Superfeedrのサーバーは今後も動き続ける。

RSSフィードは死んだ、と思っている人も少なくない。しかしRSSのリーダーを、ニュースを取らまえるために使っている人は、ぼくみたいなニュースジャンキーだけかもしれないが、RSSやAtomのフィードは今でも健在だ。むしろ、多くのAPIやサービスが、これらのフィードに依存している。

たとえば、FlipboardやWebクローラー、ポッドキャストのプレーヤー、Apple News、などなど…、これらのサービスはすべて、フィードに依存してコンテンツのパブリッシャーから定型データを集めている。Superfeedrは、大量のフィードを作っているコンテンツサービスと、大量のフィードをポルする必要のあるサービスの、両方を助ける。

そして言うまでもなく、Mediumもかなり大きなコンテンツパブリッシャーだ。Superfeedrのチームはこれから、Mediumがビューティフルなフィードをあっという間に作って、それらをすべての適切な場所へ確実にプッシュできるように、がんばらなくてはならない。MediumのRSSフィードをもらうためには、同サイトでそう設定すればよい。

今日の買収によってMediumは、インターネット全体とコミュニケーションするためのプラットホームを本気で作っていく、という意思を表明したことになる。Mediumは最終的にも、壁で囲まれた刑務所の庭(walled garden)〔完全有料サービス〕にはならないだろう。Mediumは、ユーザーが確実にコンテンツをコントロールできることが、そのキモだ。

Superfeedrはこれまで、BetaworksとMark Cubanから資金を調達している(金額不明)。Mediumの買収の条件も、公表されていない。今年最大の買収ではないだろうけど、興味深い動きだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、6月13日午前10時のプレスイベントの招待状を発送

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つい先ほどAppleは、Bill Graham Civic Auditoriumで行われる次期プレスイベントの招待状を発送した。これまでと同じく、イベントは6月13日の午前10時(PT)、WWDCの初日に行われる。例によって彼らが何を発表するのかはわからない。しかし、いくつか可能性の高いものはある。

まず、AppleはiOS 10を発表するに違いない。おそらくOS X 10.12も。WWDCはデベロッパーカンファレンスなので、満場のデベロッパーの前で最新ソフトウェアのイノベーションを披露するのは理にかなっている。

iOS 10の目玉機能のひとつは大きく改善されたSiriかもしれない。このバージョン2のSiriは、コンテキストや補足質問を理解できるものと思われる。SDKも提供されるので、Amazon Echoのような複雑なアクションを起こさせることも可能になる。

しかしAppleは、この機会をその他の発表のためにも利用してきた。今回噂されているのは新MacBook Proだ。新しいノートパソコンには、TouchIDセンサーとキーボードの上にOLEDミニ画面が付き、新しいIntel Skylakeプロセッサーを塔載すると言われている。

Appleの外部ディスプレイはもう何年も更新されていない。WWDCで新しいレティナディスプレイを発表する意味は十分にある。デベロッパーは巨大なディスプレイが大好きだから。だったらMac Proも改訂されていい。

AppleがApp Storeを刷新し、発見しやすくデベロッパーにもっと多くのオプションを与えるという噂もある。改善の余地があるApple Musicについても何か話をするかもしれない。

一つ、確実なことがある。Appleが新しいiPhoneを見せる可能性はない。通常彼らは新しいiPhoneを9月の個別イベントで発表する。本誌は現地にチームを送り込んでイベントのライブログをお送りし、最新ニュースをカバーする。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Facebook、Twitter、YouTube、Microsoftの4社が、EU全体でのヘイトスピーチ排除に合意

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Facebook、Twitter、GoogleのYouTube、Microsoft、および欧州委員会(EC)は、新たな行動規範公表し、当該ソーシャルメディアプラットフォーム上では、同委員会ガイドラインに沿ってヘイトスピーチを24時間以内に削除することを定めた。EUは、最近ブリュッセルとパリで起きたテロ攻撃を受け、この行動規範への取り組みを急いでいた。

ISISは、ここ数年ソーシャルメディアを利用した兵士の採用に成功している。それに加え、ヨーロッパの経済不況によって極右党が勢いを増し、ネット上のユダヤ人差別や外国人嫌悪を助長している。

IT企業は、おそらくヘイトスピーチの責任を負いたくはなく、強くヘイトスピーチに反対する立場を取っている。多くのソーシャルネットワークが表現の自由を謳い、これまでコンテンツやアカウンとの削除を拒んできたことを踏まえると、驚きではある。

しかしそれは、ゆっくりだが着実に変化していた。すでにTwitterは2015年中頃以来、12万5000のISIS関連アカウントを停止している。 Facebookは、2015年9月に、ドイツ政府と反ヘイトスピーチで合意している。GoogleとTwitterも2015年12月に、Facebookとドイツ政府に仲間入りした。そしてこのたびIT企業4社は、ヨーロッパ全体を通じて反ヘイトスピーチを正式に誓約する。

「最近のテロ攻撃は、違法なオンラインヘイトスピーチへの早急な対応の必要性を喚起した」と、EUの司法、消費者および性平等担当委員、Vĕra Jourováは、欧州委員会のプレスリリースに書いた。「残念ながら、ソーシャルメディアはテロリストグループが若者たちを過激化させ、人種差別者が暴力と憎悪をまきしらす道具として使われている。この協定は、インターネットがヨーロッパの価値と法を尊重し、自由で民主的表現の場であり続けるための重要な一歩である」

IT企業は、表現の自由と嫌悪なコンテンツの適切なバランスを見つけなくてはならないだろう。行動規約に基づき、各社は問題ある記事を検閲する専門チームを持つことになる(毎日ひどい記事を見なくてはならない社員たちは気の毒)。

テクノロジー企業はさらにユーザーを教育して、憎悪に満ちたコンテンツの投稿が禁止されていることを伝える必要がある。各会は協力して最善の行動を共有する。彼らは意意あるコンテンツを検閲すると共に、悪意ある表現に対抗する反論スピーチも広めていく。

この問題が表面化し、欧州委員会がこれほど早くに行動規範を定めるに到ったことは喜ばしい。IT各社が欧州諸国と個別にやりとりする代わりに、EU全体の規則に合意することができる。

同時に、IT企業がこの種の繊細な問題に協力して取り組んでいることも心強い。これは良い出発点であり、将来新たなソーシャルプラットフォームが出来たときには、この行動規範に同調することを願っている。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Energysquareのパッドはスマートフォンを置くだけで充電できる―Kickstarterでキャンペーン中

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Energysquareは長方形の薄い充電パッドだ。これがあればもうモバイル・デバイスの充電器を探してうろうろしないですむ。 Energysquareのパッドは既存のワイヤレス充電デバイスのような誘導充電方式を採用していない。その代わりEnergysquareではパッドの表面を導電性素材とし、モバイル・デバイスの背面に充電用の金属突起を持つステッカーを貼る方式としている。

この製品は現在、Kickstarterキャンペーンを実施中だ。

私はパリで開発チームに会い、製品のプロトタイプを試してみた。メインとなるのはマウスパッド大のデバイスで、導電性の金属が貼られた25区画に分割されている。金属の表面にスマートフォンを置くというのは気が進まないが、これで充電できるならそうも言っていられない。

ユーザーはスマートフォンの裏側に専用のステッカーを貼る必要がある。ステッカーの表面には小さな金属の突起があり、USBまたはLightningコネクターが付属する。ステッカーから伸びるコネクターをデバイスの充電ソケットに挿せば準備完了だ。

自分のスマートフォンにステッカーを貼るのもあまり好きではないが、充電器から充電器へと毎日忙しくプラグの抜き差しを繰り返すのも飽き飽きしていた。Energysquareのアイディアというのは、この充電パッドを自宅の寝室のサイドテーブルと職場のデスクに置いておけば、もう充電器を探す必要がなくなるというものだ。ユーザーがパッドの上にスマートフォンを置くだけで充電がスタートする。

誘導充電方式に比べるとEnergysquareの接触充電方式はフルスピードで充電ができる。またパッドに載せられるかぎり多数のデバイスを同時に充電できる。要するにステッカー上の2つの金属突起がパッドの別の区画に接触するようにデバイスが置けさえすればよい。

もうひとつ良い点はこのステッカーが安いことだ。1枚が10ドルなので複数のデバイスに使うことも、取り換えることも簡単だ。Energysquareの充電パッドはKickstarterで65ドル(59ユーロ)で入手できる。

開発チームはこの充電パッドを公共の場所、駅や空港、レストランやバーなどに普及させたいとしている。これはなかなか野心的な計画だが、もちろんそういった場所で簡単に充電ができるなら便利であることは言うまでもない。

〔日本版〕キャンペーンのページによれば、最初の出荷は今年11月を予定している。3万ドルの目標額に対し、すでに4万8000ドル以上がプレッジされているのでプロジェクトはスタートするはず。59ドルのプレッジで充電パッドとステッカー5枚が入手できる。ビデオによればテープ状のステッカーの端が充電プラグになっており、他のプラグを挿す必要があれば簡単に外せるようだ。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

イラン政府、メッセージングアプリのデータをイランのサーバーへ移動することを強要

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イラン人ユーザーを持つメッセージングアプリは、1年以内にそのデータをイランのサーバーに移す必要がある、とReutersが伝えた。プライバシーの問題が起きることは必至だ。

イラン政府は、メッセージングアプリ上の、プライベートおよび準プライベートな会話を追跡できるようにしたがっている。イランでは多くのソーシャルネットワークが既にブロックされているが、政府はさらに管理を強めたいようだ。

メッセージングアプリの中でもWhatsAppとTelgramがイランでは非常に人気が高く、政府はそこで交わされる会話を監視することができない。ユーザーはTelegramでグループを作って何百という人たちとやりとりできる。

例によって、悪魔は細部に宿っている。サーバーをイランに移すだけでは足りないかもしれない。WhatsAppは最近エンドツーエンド暗号化の展開を完了した。この暗号化によって、WhatsAppは通信される会話を読むことすらできない。暗号化された会話を読めるのは、そこに関わるWhatsAppユーザーだけだ。

AppleのiMessageも、暗号化されたメッセージング手順の一例だ。Appleはメッセージを政府に渡すことができない。

同様に、Telegramはエンドツーエンド暗号化を有効にして、「秘密の会話」を開始できる。イランのTelegramユーザーがこの機能に気付いていれば、イラン政府はその会話を読むことができない。標準では、Telegramの会話はTelegramのサーバー上で暗号化されていない。

インターネットに制約のある他の国々と同じく、FacebookやTwitterのアカウントを作る術はある。VPN(Virtual Private Network)をインストールすれば、イランのISPはあなたがブラウズしているところを見られなくなる。そして今、イラン政府はメッセージングアプリと新たなイタチごっこを始めたがっている。

今日のニュースは、暗号化が表現の自由の基盤を成していることを改めて証明した。FBIが裏口を要求するたびに、世界中の、ただ政府を自由に批判できるようになりたい無数の人々も危険に曝される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

フランスの財務検察官は、Googleフランスを1年前から秘密裏に捜査していた

DUBLIN, IRELAND - APRIL 19:  (FRANCE OUT) A general view the Google European headquarters, on April 19, 2016 in Dublin, Ireland.  (Photo by Vincent Isore/IP3/Getty Images)

Googleは完全に不意をつかれた。先週、100名近いフランス国税庁(Direction générale des Finances)職員が、Googleのパリ事務所に立ち入り、税法違反を捜査した。フランスの財務検察官、Éliane HouletteはEurope 1に、彼女のチームが一年近く前から秘密裏にこの強制捜査の準備を進めていたことを語った。Googleは、18億ドル(16億ユーロ)の罰金を課される可能性がある。

Houletteのチームは、この捜査に関して少々偏執狂気味だ。Googleの規模と広がりを踏まえ、チームは極めて注意深く行動し、Googleはパリ事務所への立ち入り捜査を全く予期していなかった。押収する前に会社がファイルの隠蔽を行うことは避けなくてはならない。

このため国税庁内部でもHouletteがこの捜査に本腰を入れていることを知る人は殆どいなかった。彼女のチームはGoogleに言及する際「チューリップ」というコードネームを用いていた。

「われわれはこの会社の特質を踏まえ、完全な秘密裏に捜査に取り組んだ」とHouletteがEurope 1に語った。「秘密を守るために、われわれはGoogleに別の名前(チューリップ)を付け、Googleの名前は決して口にしなかった。そしてこの一年間近く、捜査はオフラインで行ってきた。コンピューターを1台使ったが、ワードプロセッサーとしてのみだった。

最終結果は数テラバイトのデータだ。このデータすべてを処理するには、何ヶ月、いや何年もかかるだろう、とHouletteは言っている。

多くの人々が、果たしてフランスは英国のような税取引きを行うのだろうかと質問している。フランスのミシェル・サピン財務大臣はロイターに、取引は一切しないと伝えた。Houletteはさらに、フランスの法制度にそのようなしくみはなく、フランス政府がGoogleと取引きを行う術はないと話した。

残る可能性はひとつ ― 裁判だ。この裁判は何年にもわたるかもしれず、厄介な状況になりそうだ。フランスでビジネスを行うことに関して、この国のイメージを悪くしかねない。Houletteはそれも承知しているので、この財務検察官が取引きや裁判に代わる方法を見つけられるかどうか注目したい。

Googleの税体系に対するフランスの捜査は、2011年に始まった。Googleによると、同社はフランスでさほど事業を展開していない。事務所のマーケティングチームは持っているが、営業チームはない。このためGoogle Franceの売上は殆どがアイルランドのGoogleヨーロッパ本社へ送られ、フランスには多くの税金を払っていない。

Googleは、Google Ireland Limitedの資金の殆どをGoogle Netherlands Holdings BVに送金し、ここからGoogle Ireland Holdingsに資金が送られる。

その名前とは裏腹に、Google Ireland Holdingsのコストセンターはバミューダにあり、Google Bermuda Unlimitedと呼ばれている。そしてこれが、銀行口座をバミューダに置きながらフランスで儲けるしくみだ。バミューダには法人税がそもそも存在しない。

多くのヨーロッパ企業が多かれ少かれ同じ手順で税率を下げている ― そしてこれは合法である。しかしフランスGoogleの主な問題は、国税庁がGoogleはフランスでマーケティング以上のことをしていると考えていることだ。アイルランドの契約先にフランスの会社がある場合、それはフランスの課税対象になる。よって捜査は始まった。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Bitcoin価格、4日間で21%のアップ―過去21ヶ月の高値を付ける

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今日(米国時間5/30)、ビットコインが再びポジティブな話題として戻ってきた。すでにすたれたという噂は明らかに早計だったようだ。ビットコインはBitfinexで現在547.40ドルで取引されている。このマーケットは米ドルとビットコインの交換を行う場所としてBitcoinityに次いで2位を占めている。この価格はこの4日間で21.4%の大幅な上げだ。

この価格は過去21ヶ月での高値でもある。意外なことに、今回の急騰以前の2ヶ月、ビットコイン価格は比較的安定していた。

今回の値上がりの原因を探るのは困難だ。ただ最近、HuobiOKCoinという中国で最大クラスの取引所の登録者が急増し、ビットコインの買い注文が大量に入っている。

最近、中国ではビットコイン価格がマクロ経済の状況に連動する傾向が強まっている。ビットコインへの殺到は、中国が依然デフレを恐れていることを示唆する。

多くの中国人はビットコインを有力な財産の保全手段と考えている。同様に、中国政府当局はピア・ツー・ピアの資金貸付サービスへの取り締まりを強化し、資金の出し手をビットコインコインへの投資に誘導しようとしている。

中国以外でもビットコインの先行きについて明るい情報が入っている。2015年末に、ビットコイン企業の多くがBitcoin_ClassicなどによりBitcoin Coreをフォークさせることで取引量を拡大することに積極的な姿勢を見せるようになった。これはオリジナルのBitcoin Coreプロジェクトにとって大きな挑戦となるかもしれない。

この数ヶ月のうちに、、ビットコインとそのブロックチェーンをさらに堅牢かつ将来性の高いものにするためBitcoin Coreは何度もアップデートされるはずだ。私はlightning networksに大きな期待をかけている。このネットワークはビットコインによる送金を秒の単位に高速化する。このことはビットコインを現行の送金手段を代替する存在に押し上げるものだ。

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画像: Antana/Flickr UNDER A CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN MODIFIED)

〔日本版〕Bitcoin Core(以前のBitcoin-QT)は過去の取引を完全に記録したブロックチェーンで、65GB以上のサイズがあるとされる。最初のダウンロードには長時間かかり、十分な帯域幅を必要とする。なおテクノロジーの名称としては大文字のBitcoin、通貨単位としては小文字のbitcoinが用いられる慣行があるが統一性のある規則ではない。英文では見出単語、文頭の単語は表現スタイルとして自動的に大文字になることがある。Wall Street Journal、OED等は「常に小文字を使う」よう提唱しているという。この記事本文の訳文ではBitcoin Coreのような固有名詞を除いて暫定的に「ビットコイン」とカタカナ表記している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+