HBO MaxとDiscovery+が合併、1つのサービスに統合される

先週、Discovery(ディスカバリー)の株主がWarnerMedia(ワーナーメディア)との合併を承認し、米国最大のメディア企業の1つが誕生するというニュースがあったが、この合併が両社の消費者向けストリーミングサービスであるHBO MaxDiscovery+にどのような影響を与えるのかがわかる、ヒントがある。米国時間3月14日朝、DiscoveryのCFOであるGunnar Wiedenfels(グンナー・ウィーデンフェルス)氏は、両社が2つのストリーミングサービスを1つのサービスに統合する計画であることを明らかにしたのだ。しかし、この変更には時間がかかるため、早急に何らかの暫定的なソリューションを提供する予定だ。

具体的にどのようなソリューションになるかは、あまり明確ではない。

ウィーデンフェルス氏は、月曜日に開催されたドイツ銀行の第30回メディア・インターネット・テレコム会議でのプレゼンで「そのため、すぐにでも、バンドルアプローチを準備し、シングルサインオン、コンテンツを他の製品に取り込むなど、早い段階で何らかの利益を得られるよう取り組んでいます」と述べた。

「しかし、主な目的は技術的なプラットフォームを調和させ、非常に強力な消費者直結型の製品とプラットフォームを構築することであり、これにはしばらく時間がかかるだろう」と述べた。また、現在大きなコスト要因となっている、サービスのマーケティングを最適化することで、両社はより直接的な利益を得ることができるようになると同氏は述べている。

430億ドル(約5兆円)規模のこの合併は、米国EUの承認を得て第2四半期に完了する予定だが、新しいWarner Bros. Discovery(ワーナー・ブラザース・ディスカバリー)は、HBO/HBO Max、CNN、Warner Bros. (TV and film studios)、DC Films、TBS、TNT、TruTV、Cartoon Network/Adult Swim、Turner Sportsなどと、従来のケーブルテレビ加入者が知っている DiscoveryのHGTV、Discovery Channel、Discovery+、Food Network、TLC、ID、Travel Channel、Animal Planet、Science Channel、OWNなどを統合した、強力なメディア帝国となることが予想される。この取引が完了すると、新メディア会社はDiscoveryのCEOであるDavid Zaslav(デヴィッド・ザスラブ)氏によって運営され、ウィーデンフェルス氏は引き続きCFOとして統合会社で務めることになる。

今朝のイベントで、ウィーデンフェルス氏は、2つのストリーミングサービスを組み合わせることで、それぞれのサービスが単独で行うよりも、男性と女性の両方の層によりよく届くようになることを示唆した。

画像クレジット:Discovery

「HBO Maxはよりプレミアムで男性向けな位置づけにあり、Discoveryは女性向けです。HBO Maxの出来事中心のコンテンツに対して、Discoveryのコンテンツは日常的に楽しんでいただけるものです。これらを合わせると、老若男女を対象とした四象限で最も完成度の高い製品ができることは間違いないと思っています」と述べている。

また、ウィーデンフェルス氏は、長期的な戦略として、サービスをバンドルするのではなく、組み合わせるという決断に至った同社の考え方について、さらに詳しく説明した。Disney(ディズニー)がこれまでバンドルで成功してきたことを認めながらも、同社は「20万時間のコンテンツポートフォリオ」を含む「完璧な火力」を、価値あるタイトルと迅速に投入する新しいタイトルと、1つのソリューションにまとめることが競争力を高めるための最善の方法だと考えるようになったという。

この2つのサービスは、2021年末までにHBO Maxが全世界で7380万人Discovery+が2200万人に達するなど、すでに単独でも確かな加入者数を誇っている。

HBO MaxとDiscovery+がすでにそのモデルで成功を収めているように、最終的に登場する統合サービスも、広告サポートと広告なしの層を提供する可能性が高いとCFOは指摘している。

「これは、我々にとって非常に効果的です。Disneyも同じ結論に達したと聞いてうれしく思いました」とウィーデンフェルス氏は語った。「プレミアム価格を支払ってもいいという層があります。もう1つは、もっと安い価格がいい、広告なんて気にしないという人たちです」このようなユーザーは、驚くことに数分の広告を本当に迷惑なものだとは思っていないという。

「そのため、私たちが市場に出てくる時は、そのような構造になる可能性が非常に高い」と述べた。

同社によると、このサービスを市場に投入するタイミングは、数週間ではなく数カ月かかるというが、数年ではなく数カ月で実現したいとのことだ。

今後のサービスの価格はまだ不明だが、HBO Maxは広告付きで月額9.99ドル(約1170円)、広告なしで月額14.99ドル(約1760円)、Discovery+は広告付きで月額4.99ドル(約580円)、広告なしで月額6.99ドル(約820円)となっている。

この合併に先立ち、ストリーミングの世界では、エコシステムの競争力向上が既存企業に影響を与えているようで、少しずつ整理がされてきている。例えば、Netflixはここ数年来、加入者数の伸びが低下している。同社は現在、加入者を増やし、維持する方法として、モバイルゲームの追加を通じてサービスの付加価値を高めようとしている。一方、Disneyは、Hulu/Disney+/ESPN+のバンドルサービスをより魅力的なものにし、一部の高価なアドオンをコアバンドルの一部とすることで加入を促進している。また、Paramount+は、この夏からShowtimeを直販サービスに加え、サービスを統合することを決定した。

画像クレジット:Presley Ann/Getty Images for WarnerMedia

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(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)

米国で17年ぶりにCD売上げが増加し前年比21%増を記録、アナログレコード売上げも61%増で1986年以来の売上高に

米国で17年ぶりにCD売上げが増加し前年比21%増を記録、アナログレコード売上げも61%増で1986年以来の売上高に到達

Rick Madonik via Getty Images

近年の音楽市場はすっかりストリーミングが主流になり、もしかするともう何年もCDを購入していないという人が多数を占めているのかもしれない状況ですが、全米レコード協会(RIAA)のまとめによると、2021年のCDの売上げが5億8400万ドル(約690億円)になり、前年に比べ21%も増加したことがわかりました。米国でCD売上げが増加するのは2004年以降で初めて、17年ぶりとのことです。

元気が良いのはCDだけではなく、アナログレコード売上げはなんと2021年に61%増の10億ドル(約1182億円)を記録、こちらも1986年以来の売上高に達し、物理媒体全体での音楽の売上げは16億6000万ドル(約1961億円)にのぼっています。

音楽市場全体としては、やはり時代の変遷を反映して音楽ストリーミングが最も強く、ラジオ形式のストリーミングを含めた総売上高は23.8%増の124億ドル(約1兆4652億円)と桁違い。録音音楽市場全体の83%を稼ぎ出しています。

では音楽市場のなかでいったい何の売上げが減少したのかといえば、それはダウンロード販売です。デジタルダウンロードでの音楽の売上げは前年比12%減で5億8700万ドル(約694億円)になりました。このあたりは、Apple MusicやAmazon Music Unlimitedといったストリーミング勢がハイレゾ音質での配信を始め、ダウンロード販売の利点のひとつだったハイレゾ音源の商品価値が相対的に低下したことが影響している可能性も考えられます。

なお、単純に額を比べるだけならCDの売上げは5億8400万ドルであり、ダウンロードとの差は300万ドルほどとなっています。

CDやレコードといった物理媒体の売上げ増加は、アーティストサイドには良い傾向です。音楽ストリーミングは再生回数あたりの単価が低く、これまでにも幾度か問題となっていますが、CDなど物理メディアなら特典やジャケットなど付加価値を付ければより高価格で販売でき、その分実入りも良くなります。またファンは物理媒体を購入して手にすることで所有欲が満たされ、作品に愛着を感じる可能性も高まるため、ストリーミングよりはアーティストが固定ファンを獲得するのに役立ちそうです。

(Source:RIAA(PDF)Engadget日本版より転載)

フォードが欧州での新たなEV生産・販売計画を発表

2035年までに欧州でカーボンニュートラルの達成を目指すFord(フォード)は、欧州における電気自動車の販売計画を加速させている。

同自動車メーカーはドイツ時間3月14日、今後2年間で3台の新型電気乗用車と4台の新型電気商用車を欧州で発売すると発表した。また、2035年のカーボンニュートラル達成に向け、2026年までに欧州における電気自動車の年間販売台数を60万台以上に引き上げる計画も明らかにした。

これらのマイルストーンは、米国ディアボーンに本拠を置く自動車メーカーが最近発表した一連のEV戦略で最も新しいものだ。フォードは3月初め、2026年までに年間200万台のEVを生産するという世界的な目標に向け、従来の2025年までに300億ドル(約3兆5000億円)を電動化に投資するという計画を、2026年までに500億ドル(約5兆9000億円)へと引き上げると発表した。

その際、同社は現在「Ford Model e(フォード・モデルe)」と呼ばれているEV部門を「Ford Blue(フォード・ブルー)」と名付けられた内燃機関事業から分離すると発表している。

欧州向けの新世代電動モデルは、ドイツのケルンとルーマニアのクラヨーヴァにあるフォードの工場で生産される予定だ。

フォードは3月14日、韓国のバッテリーメーカーであるSK On Co.,Ltd(SKオン)およびトルコのコングロマリットであるKoc Holding(コチ・ホールディング)と、トルコに欧州最大級の商用車用バッテリー生産拠点を建設する非拘束的合意に達したことも発表した。

2023年、フォードはケルンで中型のオール電動クロスオーバーの生産を始める予定だ。2024年には、同工場の生産ラインに2車種目のEVモデルを追加する他、欧州で最も売れているフォードの乗用車「Ford Puma(フォード・プーマ)」の電動バージョンをクラヨーヴァで生産開始する。

欧州のベストセラー商用車ブランドである「Transit(トランジット)」ファミリーには、新たに4種類の電気自動車が加わる。新型「Transit Custom(トランジット・カスタム)」1トンバンと「Tourneo Custom(トゥルネオ・カスタム)」MPVは2023年に、よりコンパクトな次世代の「Transit Courier(トランジット・クーリエ)」バンと「Tourneo Courier(トゥルネオ・クーリエ)」MPVは2024年に導入される予定だ。

画像クレジット:Ford

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(文:Jaclyn Trop、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

テックの多様性を高めるNPO「All Raise」に新CEOが誕生

ベンチャーキャピタルの取引や意思決定に多様性を高めることに注力する非営利団体All Raise(オールレイズ)は、Mandela Schumacher-Hodge Dixon(マンデラ・シューマッハ=ホッジ・ディクソン)氏を新しい最高責任者に任命した。この人事は、Pam Kostka(パム・コストカ)氏がスタートアップの世界に戻るために非営利団体の舵取りを辞めてから5カ月後のことだ。

ディクソン氏は10年以上にわたって、スタートアップの世界でリプリゼンテーションを高めるための活動を続けてきた。All Raiseに参加する前、ディクソン氏は、取り上げられることの少ない創業者のためのオンライントレーニングセンターであるFounder Gym(ファウンダージム)で、6大陸で18のコホートを運営していた。数週間前、ディクソン氏は、Founder Gymの現在のコースが最後の卒業生になることを発表した。Googleとの大きなパートナーシップを獲得したこのプログラムは、閉鎖されることになった。

「私はどこにも行きません」とディクソン氏は今週、TechCrunchのインタビューに答えた。「より公平なエコシステムを作ろうという、これまでやってきたことをまだ続けています。私はこの世界に入る前、シリコンバレーに知り合いがいない6年生の教師でした。私は、橋渡しをすることがすべてであり、そうしてきたのです」。

ディクソン氏は、Founder Gymが閉鎖した理由をTechCrunchに具体的に説明しなかったが、閉鎖はリーダーシップ委員会の全員一致の決定であったと述べている。All Raiseの機会が訪れたとき、彼女は、店を閉じる過程にいたということだ。

この2つの仕事の繋がりは明白だ。ディクソン氏は、歴史的に見過ごされてきた起業家たちが会社を設立する際に、特に資本をより利用できるよう、何年もかけてグローバル企業を立ち上げたのだ。現在、彼女は、ベンチャーキャピタル業界により明確な焦点が当たっているが、同じことを行うより大きな組織で仕事をしている。

現在、2万人以上のコミュニティメンバーを誇るAll Raiseは、女性ベンチャーキャピタリストの幹部によって2017年に設立された。オリジナルの設立チームは、投資家のStacy Bishop(ステイシー・ビショップ)氏、Theresia Gouw(テレシア・グー)氏、Dayna Grayson(デイナ・グレイソン)氏、Kirsten Green(キルスティン・グリーン)氏、Nairi Hourdajian(ナイリ・ホルダジャン)氏、Maha Ibrahim(マハ・イブラヒム)氏、Rebecca Kaden(レベッカ・カデン)氏、Aileen Lee(アイリーン・リー)氏、Jess Lee(ジェス・リー)氏、Jenny Lefcourt(ジェニー・レフクール)氏、Ann Miura-Ko(アン・ミウラ・コ)氏、Sarah Nahm(サラ・ナーム)氏、Stephanie Palmeri(ステファニー・パルメリ)氏、Heidi Patel(ハイディ・パテル)氏、Megan Quinn(ミーガン・クイン)氏、Renata Quintini(レナータ・クインティーニ)氏、Elisa Schreiber(エリサ・シュレイバー)氏、Kristina Shen(クリスティーナ・シェン)氏、Sarah Tavel(サラ・テヴェル)氏から構成されている。

設立以来、1100万ドル(約13億円)の資金を調達し、ベイエリア、ニューヨーク、ボストン、ロサンゼルス、シカゴに地域支部を開設し、まもなくDCとマイアミにハブを立ち上げる予定だ。

All Raiseは、テック分野のリプリゼンテーションを高めるために特別に生まれた非営利団体だが、ディクソン氏は、組織のミッションに新たなレベルの包括性をもたらしたいと考えている。ディクソン氏は、シリコンバレーでベンチャーキャピタルを調達し、ベンチャーキャピタル会社で働いた最初の黒人女性の1人であるという。また、パンデミック時に2人の子どもを出産し、リーダーとしての自分にまた新たな「広がり」が加わったという。

「私も、無意識であれ意識的であれ、ただ1人であることや少数の存在であるという排除のバイアスにさらされた経験をしています」と、ディクソン氏は語る。「私はそれを理解したいと強く意識してきたのでわかるのです。All Raiseでは、このことを私のリーダーシップに反映させ、私たちがサポートするのは、より多様なアイデンティティを受け入れる空間であることを確認することができます」。

ディクソン氏の活躍の場は確かに存在する。All Raiseは、2030年までに女性創業者へのシード資金提供額を11%から23%に増加させ、2028年までに米国企業の意思決定者の女性比率を2倍にするという目標を、女性全体を見ることによって設定してきた。しかし、データが示すように、黒人やラテン系の女性は、白人女性に比べてベンチャーキャピタルからの資金提供が偏って少なく、ノンバイナリーの創業者も、資金調達の際に高いハードルに直面する可能性がある。これらの断絶は、個別に追跡しなければ、見えなくなってしまう可能性がある。

同社は現在のミッションの中で、マイノリティに対してどのような影響を与えたいかという、ディクソン氏が変えていくだろう盲点について明確な目標をまだ持っていない。新CEOは、具体的にどのようなことに注力するかは明らかにしなかったが、All Raiseのリーダーシップチームに多様性を反映させることが優先事項であると述べた。まだ就任して1週間なので、どのような役割を担い、どのような人材を採用すればいいのか、まだ考えている最中だという。

「私たちは、本社をはじめとする本拠地を、多様で、包括的で、公平なものにすることに注意を払っています」と、ディクソン氏はいう。「私は、より包括的で、歴史的に十分に取り上げられていない女性やノンバイナリーのリーダーを受け入れ、幅広い女性やノンバイナリーのリーダーのための帰属意識とコミュニティの安全な空間を作ることが最も重要であると思います」。彼女は、2022年第2四半期にAll Raiseコミュニティ内の多様性指標を発表する予定だ。

ディクソン氏は、代表の定義を増やし、より多くの目標を明示することに加え、非営利団体が提供するバーチャルブートキャンプから、起業家とオープンボードシートの機会を結びつけるプログラムまでの計画を運用することも優先課題としている。これは、ディクソン氏がFounder Gymで築いてきたものに直接つながるものだ。「私たちが定義し、私たち自身に責任を持たせる強力な成功基準を持つこと」は、どんな製品を作るかという明確なロードマップを持つことと並んで重要であると、彼女は語った。

彼女の目には、このNPOの次の章は、タイムリーにより代表的な場所に到達することだと映っている。

「私にとって、時間が最も重要で、動かなければならないんですが、同時に、私たちはこの分野のリーダーですから、慎重に行動しなければいけません」と彼女はいう。「私たちはオピニオンリーダーとして見られたいし、オピニオンリーダーとして見られる権利を獲得し続けたいのです」。

画像クレジット:All Raise

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Yuta Kaminishi)

インドのPaytm、同社決済銀行が中国企業とデータ共有しているという報道は「完全な虚偽」と発表

インドのPaytm(ペイティーエム)は、同社の運営する決済銀行「Payments Bank(ペイメンツ・バンク)」のデータが中国企業に流出したと主張する報道は「完全な虚偽であり、センセーショナルに煽り立てているだけ」と述べた。このインドの大手フィンテック企業は、現地時間3月14日に同社の株が14.7%も急落して1株8.6ドル(約1020円)になった後、投資家の懸念を静めるために説明を急いでいる。

Bloomberg(ブルームバーグ)は米国時間3月14日午後、Paytm Payments Bankの株式を間接的に所有する中国ベースの企業とデータ共有を許可していることがインドの規則に違反しているため、Paytmのデジタルバンクは新規顧客の追加を禁じられたと報じた。

この報道に対し、Paytmの広報担当者は、Paytm Payments Bankは「国産銀行であり、データの局在に関するRBI(インド準備銀行)の指示に完全に準拠している」と述べている。

この広報担当者は「当行のデータはすべて国内に存在します。我々はデジタル・インディア政策の真の信奉者であり、国内の金融包摂を推進することに引き続き尽力していきます」と続けた。

Paytmの創業者で最高経営責任者のVijay Shekhar Sharma(ビジャイ・シェカル・シャルマ)氏はさらに、国営放送でこの報道を断固として否定し、Paytm Payments Bankに対する中央銀行の通知には「いかなるデータアクセスやサーバー、いかなるデータアクセス手段、またインド国外にサーバーがあるということにも、言及している点はまったくない」と、述べた。

インドの中央銀行であるインド準備銀行は、現地時間3月11日、ある種の「重要な監督上の懸念」を理由に、Paytm Payments Bankに新規顧客の受け入れを禁じたが、その概要は明らかにしていない。

「同行はIT監査法人を任命し、ITシステムの包括的なシステム監査を実施するようにも指示されている。新規顧客の受け入れは、IT監査法人の報告書を確認した後、RBIが認める特定の許可に従うことが条件となる」とRBIは付け加えた

3億人以上のユーザーを抱え、複数の事業を展開するPaytmは、RBIの措置が「Paytmの事業全体に重大な影響を与える」とは考えていないと述べている。

Paytmの株価は、月曜日に14.7%も暴落した後、わずかに回復した。記事公開時のPaytmの時価総額は57億2000万ドル(約6766億円)と、2019年後半の資金調達時の160億ドル(約1兆8925億円)から減少している。かつてインドで最も価値が高かったスタートアップは2021年、同国最大のIPOで25億ドル(約2960億円)を調達した

Paytmを最も鋭く批判してきたアナリストたちのいる証券会社Macquarie Capital(マッコーリー・キャピタル)は、今回の事態がPaytmに大きなビジネス上の影響を与える可能性は低いものの、同社が5月に資格を得る小規模金融銀行への「格上げ」の可能性は低くなるだろうと述べている。

画像クレジット:Nasir Kachroo / NurPhoto / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

グーグル、Google Playで一定条件を満たすゲームデベロッパーにツールを提供する新プログラムを発表

Google(グーグル)は、米国時間3月15日朝開催された「Google for Games Developer Summit」において、Playストアに関するさまざまな発表を行った。まず、Googleは、Google Play上で大手のデベロッパーやスタジオに追加ツールを提供する「Google Play Partner Program for Games」を新たに立ち上げた。このプログラムは「年間500万ドル(約5億9200万円)以上のゲーム消費者支出」を持つデベロッパーを対象としている。

このプログラムの特典には、Google Playによるビジネスサポートの強化や、優先公開キューによるリリースの迅速化などが挙げられる。また、事前登録キャンペーンのための事前登録テスト、アクセスコード、ストア掲載実験などの発売前ツールも含まれている。さらに、Play Integrity APIの利用が自動的に承認されるなど、セキュリティ保護も強化されている。また、早期アクセスプログラムへの招待なども含まれる。同社は、どのGoogle Playゲームデベロッパーが新プログラムにアクセスできるようになるのか、具体的な情報を提供していない。

また、Googleは、Playストアの「Play as you download」機能を、近々すべてのAndroid 12ユーザーに提供することを発表した。「Play as you download」は、ユーザーが大容量のゲームをダウンロードする際に、少量のダウンロードを行ったあと、残りのゲームアセットをバックグラウンドで取得する間に、すばやくゲームプレイを開始できるようにするものだ。Google Playは、クラウドソースによるファーストプレイ体験のファイルシステムアクセスパターンを分析し、最適化すべきアセットを自動的に特定することで、この機能を実現している。この機能は、2021年、ベータプログラムの一部として初めて公開された。Googleは、提供開始日に関する追加情報を提供しなかった。

また同社は、1月から一部の市場で「Google Play Games for PC」ベータ版の展開を開始したことを明らかにした。Googleによると、このスタンドアロンのWindows PCアプリケーションでは、Google Playゲームの「高品質なカタログ」をプレイすることができるという。同社は、タブレット、フォルダブル、Chromebookでのゲームプレイが増加傾向にあり、特にChromebookではAndroidアプリの利用が前年比50%増となっており、それは主にゲームが牽引していることを共有した。

画像クレジット:Google

Googleは他にも、Android Game Development Extensionをアップデートし、GoogleのAndroid OS向け統合開発ソフトウェアであるAndroid StudioとMicrosoft(マイクロソフト)の統合開発プラットフォームであるVisual Studioとの間でデバッグができるようにした。さらに、デベロッパーが端末がどの程度メモリ不足に陥っているかを把握・判断するための「Memory Advice API」を新たに追加した。また、Googleは、開発者がより良いフレームレートとバッテリー寿命を達成できるように、Android GPU Inspector Frame Profilerを本格的にローンチした。

さらに同社は、デベロッパーがゲームの収益性を評価し、収益拡大の機会を見出すための直観的な方法を提供する「Strategic guidance in Console」を最近開始したことも明らかにした。ちなみにGoogle Consoleは、Google PlayやAndroidのデベロッパーがアプリのパフォーマンスを公開し、監視するために使用するプラットフォームだ。

GoogleのPlay/Androidのゲーム担当プロダクトディレクターであるGreg Hartrell(グレッグ・ハートレル)氏は声明でこう述べている。「Google for Games Developer Summitでは、Google全体のチームが、高品質のエクスペリエンスの作成と収益化を支援する次世代のサービス、ツール、機能、ニーズに合わせたより多くのプログラム、ベストプラクティスにつながる教育リソースの構築を続けていることをご紹介しました。私たちは、高品質のゲームを開発し、そのすばらしい体験を増え続けるオーディエンスやデバイスに提供するプロセスを容易にすることで、ゲーム開発のライフサイクル全体を通じてみなさまを支援したいと考えています」。

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(文:Aisha Malik、翻訳:Den Nakano)

メタ、南アフリカで独占禁止法違反の疑いで起訴される

Meta(メタ)は、南アフリカの競争規制機関である競争委員会(Competition Commission)が、政府のスタートアップであるGovChatと#LetsTalkが同社のWhatsApp Business APIを使用することを阻止する意図が競争的でないと判断したため、起訴の危機に直面している。

2021年3月から同社に対する不公正行為の申し立てを調査してきた同委員会は、支配的地位の濫用や制限的慣行に関する苦情を裁定する競争審判所(Competition Tribunal)にMeta(旧Facebook)の起訴を付託した。

その付託の中で、規制当局はMetaに「最大ペナルティ」である米国企業の現地での売上高の10%の罰金を払わせるよう勧告している。

同委員会は、Metaが「2020年7月か同時期」に、GovChatと#LetsTalkが同社のWhatsApp Business APIを使用できないようにすると脅したと主張している。さらに、Metaはスタートアップによるデータ使用について不当な制限を課し、Metaの製品と競合する可能性のある新製品やサービスを革新して開発する能力を制限したと付け加えている。

「……WhatsApp Business APIへのアクセスを規定する規約は、GovChatがもたらす潜在的な競争や、Facebookが新しいサービスや製品の開発を可能にするために取得した膨大なデータなどの面でFacebookを保護し、競争から遮断するために設計されています」と規制当局は声明で述べている。

GovChatは、WhatsApp Business APIを使用してリアルタイムのコミュニケーションを促進する市民エンゲージメントプラットフォームとして、南アフリカ政府によって2018年に立ち上げられた。現在、政府のデータによると、870万人のアクティブユーザーを抱え、5億8200万件以上のメッセージを処理している。

GovChatは、道路の穴などの市民問題に関する警告や苦情の発信源となっているほか、新型コロナのパンデミック時の救難支援など、社会保障の申請処理に政府によって利用されてきた。GovChatのプラットフォームを通じて、これまで1330万件以上の申請が提出されている。

今回の送検は、南アフリカを含むアフリカ5カ国の競争監督機関が、アフリカのデジタルプラットフォームの出現と拡大を制限する障害に対する共同行動を促進することなどを議題とする覚書に署名した数日後に行われた。この合意の他の締約国は、エジプト、ケニア、モーリシャス、ナイジェリアである。

MetaはTechCrunchに送った声明の中で「WhatsApp(ワッツアップ)が市場から企業を排除しようとしたり、反競争的行為を行ったことを示す証拠はない」と述べ、一方でGovChatは「当社のオンボーディングプロセスを経ずにWhatsApp APIに組織を登録することにより設定条件に違反した民間企業です。これは、当社サービスの利用を希望するすべての組織に要求されるもので、当社のサービスを誰が利用しているかを把握し、組織が当社のプライバシー保護方針に同意していることを意味します。WhatsAppは、独自のWhatsApp Business APIと世界中のユーザーの利益を守るために、あらゆる合理的な手段を講じる権利を擁護します」と述べている。

また、南アフリカのWhatsApp広報担当者は次のように述べた。「WhatsAppは、信頼できる情報源から重要な情報を人々に提供するのに役立っており、南アフリカ国民と政府をつなぐ役割を担っていることを認識しています。だからこそ、国際的に認められた規制基準を遵守してGovChatと協力し、このサービスを提供したいのです」。

「ですが、GovChatは、国民とその情報を保護するために作られた我々のポリシーに従うことを繰り返し拒否し、国民よりも自らの商業的利益を優先させることを好んでいます。我々は、WhatsAppを悪用から守り、ユーザーを保護し続けます」と広報担当者は述べている。

世界的に見ても、Metaは反競争的な行為の可能性があるとして、さまざまな監視の対象となっている。つい先週、欧州委員会は、MetaとGoogle(グーグル)の間のオンラインディスプレイ広告サービスに関する協定(コードネーム「Jedi Blue」)がEUの競争規則に違反しているかどうかを評価するため、正式な反トラスト調査を開始した。

2018年9月のJedi Blue契約は、MetaのAudience NetworkがGoogleのオンライン広告枠入札プログラム「Open Bidding」に参加できるようにしたもので、この動きは他のアドテクサービスプロバイダーを排除して「オンラインディスプレイ広告の市場における競争を歪め、パブリッシャー、ひいては消費者に不利益を与える可能性がある」と欧州委員会は指摘している。

一方、米連邦取引委員会は、ソーシャルメディア大手のMetaが、約10年前にInstagram(インスタグラム)とWhatsAppを買収するなど、反競争的行為によってSNSの独占を違法に維持しているとして、メタを違法独占で提訴している。

本記事はMetaからのコメントを含め更新された。

画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch

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(文:Annie Njanja、翻訳:Den Nakano)

NASAの超高額な月ロケットが18日に発射場へ移動

最初に発表されてから12年、NASAの巨大な「Space Launch System(スペース・ローンチ・システム)」がついに公に姿を現すことになる。この超重量級ロケットと「Orion(オリオン)」宇宙船は、米国時間3月17日に、フロリダ州ケネディ宇宙センターの発射場へ向けて搬入が開始される予定だ。遅延と費用高騰に悩まされてきた打ち上げシステムにとって、待望の進展だ。

11時間かかると予想される木曜日のロールアウト(移動作業)後、NASAはソフトウェアシステムの検証やブースターの整備など、打ち上げ準備のための多くのテストを実施することになっている。その後、NASAは推進剤を充填した「ウェット・ドレス・リハーサル」と呼ばれる一連の打ち上げ前試験を行う予定だ。Artemis(アルテミス)計画の打ち上げディレクターを務めるCharlie Blackwell-Thompson(チャーリー・ブラックウェル-トンプソン)氏は、米国時間3月14の記者会見で、予定通りにロールアウトが進めば、ウェット・ドレスは4月3日に実施される可能性があると語った。

ここまで長い年月がかかった。米国議会は2010年に、NASAの最初の宇宙輸送システムだったSpace Shuttle(スペースシャトル)に代わるものとして、SLSの開発を同局に指示した。NASAのアルテミス計画の一環として、SLSは人類を再び月に送り込み、さらに将来的には太陽系探査に向かうことも見据えた乗り物として構想されている。

しかし、それ以来、このプロジェクトは度重なる挫折と技術的な問題に直面してきた。1年前、NASAの監察官室は、SLS計画に関連するコストと契約にまつわる厳しい報告書を発表し「コスト上昇と遅延」によってプロジェクトの全体予算が当初の範囲をはるかに超えていることを明らかにした。この混乱で最大の勝者となったのは、間違いなく航空宇宙産業の主要企業だ。特にSLSの開発を指揮するBoeing(ボーイング)や、Northrop Grumman(ノースロップ・グラマン)、Aerojet(アエロジェット)は、監察官室によれば、2019年にSLSの全契約に費やされた総資金の71%を、これらの企業の契約が占めているという。

このようなことがすべて積み重なり、非常にコストのかかるプロジェクトになってしまった。3月初め、NASAの監査役は、最初の4回のアルテミスミッションの運用経費がそれぞれ41億ドル(約4850億円)になると報告した。4回の合計ではなく、1回ずつそれだけかかるのだ。

SLS1基の建設費はその約半分の22億ドル(約2600億円)。NASAの探査システム開発担当副長官であるTom Whitmeyer(トム・ウィットマイヤー)は、この金額について、プロジェクトは「国家的投資」であると記者団に語り、暗黙のうちに見解を示したようだ。

「私の観点から言えば、それは強力な国家的投資で、我々の経済への国際的関与である」と、同氏は語った。

SLSのコストが高いのは、第1段、第2段とも再利用できないため、それぞれのミッションに専用のロケットが必要になることも一因だ。SLSとは対照的に、SpaceX(スペースX)のElon Musk(イーロン・マスク)CEOは2022年2月、同社の超重量級完全再利用型ロケットである「Starship(スターシップ)」の打ち上げコストは、今後数年以内に1回あたり1000万ドル(約11億8000万円)以下になると推定している。SpaceXは2021年29億ドル(約3400億円)の契約を獲得した後、アルテミス計画の一環としてNASAのためにこのロケットの月着陸船バージョンを開発している。

画像クレジット:NASA

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

64ビットRISC-V版のキーボード一体型PC「DevTerm Kit R-01」をClockwork Techが発売、組み立て式で価格約3万円

64ビットRISC-V版のキーボード一体型PC「DevTerm Kit R-01」をClockwork Techが発売、組み立て式で価格約3万円

Clockwork Techは3月16日、64ビットRISC-V(リスク・ファイブ)チップ版のキーボード一体型PC「DevTerm Kit R-01」の発売を開始した。組み立てキットの体裁で販売しており、直販価格は239ドル(約2万8261円)。LinuxベースのOSおよびオープンソースソフトウェア関連の知識を必要とすることから実験的なモデルと位置付けており、初心者は他モデルを購入するよう呼びかけている。またサプライチェーンの状況から、納期は約60営業日を想定しているとのこと。64ビットRISC-V版のキーボード一体型PC「DevTerm Kit R-01」をClockwork Techが発売、組み立て式で価格約3万円

RISC-Vは、RISCベースおよびオープン標準の命令セットアーキテクチャ(ISA。instruction set architecture)。ISAには、x86アーキテクチャ、Armアーキテクチャなどがある。2010年にカリフォルニア大学バークレイ校においてプロジェクトが開始。オープンソース・ライセンス(BSDライセンス)として公開されており、使用料がかからない(ロイヤリティーフリー)。現在非営利団体のRISC-V Foundationが管理している。

DevTerm Kit R-01は、RV64IMAFDCVU(シングルコア、クロック周波数1GHz)、1GBのDDR3メモリーを搭載するR-01コアモジュールを採用。マザーボードにあたるClockworkPi v3.14メインボードにセットできる。

また6.8インチのIPS液晶ディスプレーを搭載するほか、別売のリチウムイオン二次電池「18650電池」をセットすることで、バッテリー駆動も可能。58mm感熱式(200dpi)サーマルプリンター付きの独自コアモジュール同梱。64ビットRISC-V版のキーボード一体型PC「DevTerm Kit R-01」をClockwork Techが発売、組み立て式で価格約3万円64ビットRISC-V版のキーボード一体型PC「DevTerm Kit R-01」をClockwork Techが発売、組み立て式で価格約3万円64ビットRISC-V版のキーボード一体型PC「DevTerm Kit R-01」をClockwork Techが発売、組み立て式で価格約3万円64ビットRISC-V版のキーボード一体型PC「DevTerm Kit R-01」をClockwork Techが発売、組み立て式で価格約3万円

「DevTerm Kit R-01」同梱物

  • ClockworkPi v3.14メインボード
  • R-01コアモジュール(RISC-V 64bit Single-core RV64IMAFDCVU @ 1.0GHz、GPUなし、1GB DDR3メモリー)
  • Ext. モジュール(拡張モジュール)
  • 6.8インチIPSスクリーン(1280×480ピクセル) モジュール
  • clockwork QWERTYキーボード(67キー+ゲーム用キー、トラックボール)
  • バッテリーモジュール(「18650電池」は別売)
  • デュアル スピーカー
  • 58mm 200dpi サーマルプリンター(DevTerm Kit A06 series)
  • シェルおよびブラケットシステム(筐体など)
  • clockworkOS搭載32GB TFカード(microSDカード)

Google Cloudが大幅値上げ、2022年10月1日から実施

クラウドインフラのレンタル料金は、通常時間が経つにつれて安くなるが、米国時間3月15日、Google Cloud(グーグル・クラウド)がその流れに逆らって、多くのコアサービスで大幅な値上げを発表した。この値上げは、Googleが「より柔軟な価格モデルとオプション」を提供したいとの名目で発表したもので、2022年10月1日から実施される予定だ。もちろんほとんどの開発者は喜んでいない

悪いニュースばかりでもない。Googleの米国、欧州、アジア地域のアーカイブストレージの一部が値下げされ、より低価格のPersistent Diskアーカイブスナップショットオプションも登場する。また「Always Free Internet」(オールウェイズ・フリー・インターネット)の容量を1GB/月から100GB/月に引き上げる。

しかし、マルチリージョンのNearline(ニアライン)ストレージなど、ストレージの中核機能の多くは50%値上げとなる。Google CloudのColdline Storage Class A(コールドライン・ストレージ・クラスA)の利用料金は、1万オペレーションあたり0.10ドル(約12円)から0.20ドル(約24円)へと倍増となる予定だ。また、複数のリージョンに配置されたCloud Storageバケットから同じ大陸のリージョンにあるサービスのデータを読み出すことはこれまで無料だったが、今後は同じ大陸にあるGoogle Cloudのロケーション間で行われる他のデータ移動と同じように課金対象となる。

ロードバランシングもまた、0.008ドル(約0.94円)から0.012ドル(約1.42円)の「データ送信処理料金」をGoogleが適用することによる値上げが行われる(地域によって料金は異なる)。Googleは、これで他の主要なクラウドプロバイダーと価格を揃えることができるという。

同社のFAQにはこう書かれている「Google Cloud は、ビジネスを変革するための革新的なソリューションを、顧客志向の一貫した方法で提供しています。従量制の料金体系により、お客様はご利用になるサービスに合わせたコストでご利用いただけるようになります。また、お客様は主要なクラウドプロバイダーとのサービスをより簡単に比較することができるようになります」。

他の大手クラウドプロバイダーのマーケティングチームは、この発表に大喜びだろうが、大量のデータを動かすのは大変なことだ。データの重力が話題になるのには理由がある。これは、顧客の流出を恐れることなく価格を引き上げることができる分野の1つだからだ。

発表の文言はきれいに飾られているが、Googleはこれらの変更がもたらす影響を明確に認識している。FAQに書かれた、顧客は「アプリケーションを新しいビジネスモデルに合わせ、価格変化の影響の一部を和らげるために、現在の利用方法を適応させる必要があります」と書かれていることがそれを物語っている。

Google(特にGoogle Cloud)は、顧客がサービスに依存しているにもかかわらず、ほとんど無作為にサービスを停止するという世間の認識にすでに苦しめられている。その認識に、無作為に値上げを行うという認識も新たに加わった。同社が設定した野心的な成長目標を達成するために、セールスチームは残業を余儀なくされそうだ。

画像クレジット:Sean Gallup/Getty Images / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:sako)

南紀白浜空港でHoloLens 2利用のスマートメンテナンスや複数ロボットの協調制御による来訪者案内などローカル5G活用実証

南紀白浜エアポート日本電気(NEC)、THKオリエンタルコンサルタンツは3月14日、和歌山県南紀白浜空港においてローカル5Gなどのテクノロジーを活用し様々な課題解決を図る実証実験を実施すると発表した。

また、日本マイクロソフト凸版印刷が協力し、MR(複合現実。Mixed Reality)やロボットによる新技術・新サービスを試行する。今回の実証実験により、地方の業務環境創出と来訪者増大を目指す。実証期間は2023年3月31日まで。

実験は3種類あり、南紀白浜空港の空港ターミナル内と航空機の駐機場所(エプロン)、滑走路周りの場周道路を対象に行われる。これらの場所において、4.8~4.9GHzを利用する固定型と可搬型のローカル5G基地局を活用し、高速大容量・低遅延なローカル5Gネットワークを構築する。

HoloLens 2を利用したスマートメンテナンス

Microsoft HoloLens 2、NECの点群データ活用侵入検知技術、ローカル5Gの大容量通信を組み合わせて制限表面を樹木などが超えていないか分析・検知し、点検者のHoloLens 2に表示を行い点検時の見落としを防ぐ。制限表面とは、航空機の安全な航行を目的として飛行場の周辺空間に設定される面のこと。また路面劣化などの点検時は、HoloLens 2上で現実空間に過去の点検記録を重ね合わせて表示し、目視よりも作業時間を短縮し確認の効率化を目指す。熟練労働者の技術力継承の一助とし、生産性が高い業務環境創出を実現する。

制限表面を超えた樹木を検知した際のHoloLens 2の映像

制限表面を超えた樹木を検知した際のHoloLens 2の映像

複数ロボット協調制御による来訪者案内・デジタルサイネージ広告

THKのサイネージロボットとNECの複数ロボット協調制御技術を活用し、空港内を2台のロボットが協調連携しながら分担して来訪者を目的地まで案内する。案内後は移動型デジタルサイネージによる宣伝広告に切り替わる。加えて、ローカル5Gネットワークを利用しロボット搭載カメラから映像を取得することで、オペレーターが遠隔地からロボットを操作し案内することも可能。これにより、案内スタッフのテレワークの実現と、省人化・無人化されたサービスや業務の柔軟かつスピーディーな開発・社会実装に大きな役割を果たすとのこと。

1台目のロボットから2台目のロボットに案内を引き継ぐ様子

1台目のロボットから2台目のロボットに案内を引き継ぐ様子

MR空間でペイントしたオリジナル飛行機の着陸見学

南紀白浜空港では、バックヤードツアーとして、滑走路の間近からの航空機の離発着見学など普段は立ち入ることのできない空港の裏側を巡る体験ツアーを実施している。このツアーのコンテンツ拡充を見据え、ローカル5Gの低遅延・リアルタイム伝送という特徴とMR技術とを活用し、新たな観光体験を提供する新サービスの実証を行う。

6社は、将来的にHoloLens 2などMRデバイスにおける現実空間とデジタル空間の位置を調整する方法の高度化や、複数ロボットの協調制御機能を空港・他業種のソリューションに応用するなど、今後もローカル5Gを活用し南紀白浜空港の魅力を向上させ、生産性が高く働きがいのある業務環境の創出、来訪者の増加という課題解決を目指す。

インターステラテクノロジズと日本旅行、宇宙開発の現場を活かした観光と教育事業でパートナーシップ協定を締結

インターステラテクノロジズと日本旅行が宇宙開発の現場を活かした観光と教育事業でパートナーシップ協定を締結

北海道広尾郡大樹町を拠点にロケット打ち上げ事業を展開するインターステラテクノロジズは3月14日、ロケットの開発と製造という「圧倒的現場感のあるコンテンツ」を軸とした観光と教育の新事業創出を目指し、日本旅行と新たなパートナーシップを締結したと発表した。

インターステラテクノロジズは、観測ロケット「MOMO」、2023年度の初号機打上げを目指す超小型人工衛星打ち上げロケット「ZERO」の開発、製造、打ち上げを行う宇宙スタートアップ。技術開発から打ち上げまでを1社で行うことを特徴とし、国内で初めて、民間企業単独開発でロケットを高度100キロの宇宙空間に飛ばした実績を持つ。また、「みんなのロケット」という価値観を重視し、オープンなロケット開発を志向している。一方、日本旅行は、宇宙開発に関連する観光事業や宇宙を通じた学びができる学校向け探求体験プログラム「ミライ塾」など、宇宙利用のための専門部署を構え、「旅行会社という概念にとらわれない試み」で新たな価値の提供を目指している。

インターステラテクノロジズと日本旅行が宇宙開発の現場を活かした観光と教育事業でパートナーシップ協定を締結

この2社は、2018年にもロケットの打ち上げに関連した旅行商品の提供やイベント開催などを共同で行っているが、今回は宇宙開発を間近で見られるコンテンツや、ロケット工場や射場を活かした観光、教育、地方創生関連事業を共創し、さらなる事業展開を図るためのパートナーシップを結んだ。

観光では、インターステラテクノロジズのロケット開発や製造の現場を中心に、航空宇宙、星空、地域資源を使った観光コンテンツを企画開発し、販売する。開発したコンテンツは、ツアー主催会社など旅行会社に販売し、事業化することを目指す。

教育では、ロケットの開発と製造の現場を体感するほか、牛の糞尿由来のメタンガスから製造した液体バイオメタンをロケット燃料に使うことで、宇宙開発と地球環境問題と地域課題解決とを考える取り組みを教育コンテンツ化して、日本旅行の「ミライ塾」に提供する。

地方創生では、打ち上げ見学場や観光施設で、国内外の観光客やビジネス関係者の受け入れ体制を整える。

インターステラテクノロジズと日本旅行が宇宙開発の現場を活かした観光と教育事業でパートナーシップ協定を締結

「宇宙のまちづくり」を推進する大樹町を起点に、両社は、大人のロマンを満たす観光コンテンツと、子どもが関心を持ち挑戦できる教育コンテンツの開発を進めるとしている。

IT中心にグローバル人材の獲得支援を行うフォースバレーが約3億円調達、SaaS事業を強化

日本企業が世界中の優秀な人材を獲得する支援を行うフォースバレー・コンシェルジュは3月14日、第三者割当増資による総額3億円の資金調達を行ったと発表した。引受先は、ベネッセホールディングス、日本管理センター、Orchestra Investment、ザ・スタンド、アリストテレスパートナーズ、佐々木食品工業、琉球インタラクティブ、古庄秀樹氏、そのほか事業会社多数と個人投資家多数。調達した資金は、同社が運営する「Connect Job WORKERS」と「Connect Study ABROAD」のソフトウェアへの開発投資、マーケティング投資、運営体制の強化へあてる。

これまでフォースバレーは、世界と企業をつなぐ国境を越えたグローバル採用支援事業「Connect Job」を運営してきた。そこで培った豊富なネットワークを基に2021年にリリースされたのが、特定技能外国人と日本企業を結びつけるConnect Job WORKE、外国人留学生と日本の教育機関を結び付けるConnect Study ABROADというふたつの紹介プラットフォームとなる。

さらに同社では、コロナ禍により外国人の受け入れが厳しくなっている中で事業のSaaS化を進めると同時に、オンラインの日本語教育や人材のリモート採用、越境のクラウドソーシングなど、コロナ禍の再拡大を見据えこれら新規事業モデルをリリースする準備をしてきたという。今後は、外国人の採用支援のみならず、留学から進学・就職・転職に加え来日に向けたビザの獲得から生活の開始まで共通DXプラットフォーム上でサポートし、拡大する外国人経済圏向け事業のさらなるスケールを目指すという。

2007年11月設立のフォースバレー・コンシェルジュは、Connect Jobのブランドのもと、世界中の人材と企業をつなぐグローバル採用支援事業を営む企業。同社データベースには186の国と地域、累計約40万人の人材が登録されており、日本の大手グローバル企業、IT企業を中心に地方や中小企業まで約400社と取引実績を持つという。また、経済産業省・沖縄県・富山県・静岡県・長野県など、省庁・地方自治体からの事業を受託している。

研究成果の迅速な公開とオープンサイエンス推進に向け、本格的プレプリント(査読前論文)サーバーJxivが3月24日公開

研究成果の迅速な公開とオープンサイエンス推進に向け、日本初のプレプリント(査読前論文)サーバーJxivが3月24日運用開始

科学技術振興機構(JST)は3月11日、査読前の研究論文(プレプリント)を公開するためのプレプリントサーバー「Jxiv」(ジェイカイブ。https://jxiv.jst.go.jp/)の運用を、2022年3月24日から開始すると発表した。arXiv(アーカイブ)をはじめ、プレプリントの公開が世界的な流れになっていることから、JSTは、研究成果の迅速な公開とオープンサイエンスの推進を目指してJxivを構築した。

研究論文を発表するには、学術誌に投稿し、査読や修正を経て掲載され、一般に公開されるという流れになる。しかし、査読や修正には長くて数年の時間がかかることもある。そのため研究成果をいち早く公開して研究コミュニティーに貢献しようと、プレプリントを公開する研究者がいる。それがこのコロナ禍で研究成果の早急な共有が求められるようになり、プレプリントの公開が急増したという。一方、日本にはプレプリントを公開できる本格的なサーバーがなかったため、世界に比べてその公開数は少なかった。

Jxivには、自然科学、人文学、社会科学、学術融合領域などすべての研究分野のプレプリントを、国内外から投稿できる。論文は日本語でも英語でも構わない。ただし投稿には、研究者のための識別コード「ORCD」と、JSTが運営する研究者用情報データベース「researchmap」のIDを所有していることが条件となる。

投稿されたプレプリントは、スクリーニングを経て、論文や研究データの国際的な識別子「DOI」(Digital Object Identifier)と、再利用のためのライセンス条件が付与され、オープンコンテンツとして公開される。学術誌から出版されるまでの間に改版することも可能。学術誌で査読付き論文として出版・公開された後もJxivでの公開は継続される。プレプリントの投稿、公開、閲覧はすべて無料(閲覧の際には、専門家の査読を経ていない点に注意)。

学術誌から出版される前に研究成果を公開できるようにすることで、「研究者自身の研究が加速するだけでなく、研究コミュニティー全体の活性化も期待できます」とJSTは話している。

NICT、カメラ1台で動作や表情も再現可能な自分のデジタルツイン・3Dアバターを構築する技術「REXR」開発

NICT、カメラ1台で動作や表情も再現可能な自分のデジタルツイン・3Dアバターを構築する技術「REXR」開発

細やかな表情の変化を様々な方向から再現した3Dアバター

情報通信研究機構(NICT)は3月14日、たった1台のカメラの画像から自分のデジタルツインとなる3Dアバターをモデリングし、細かい表情や動作も三次元的にリアルに表現できる技術「REXR」(レクサー。Realistic and Expressive 3D avatar)を開発したと発表した。メタバースなどでのコミュニケーションで、アバター同士の深い相互理解が実現する可能性がある。同研究は、NICT ユニバーサルコミュニケーション研究所 先進的リアリティ技術総合研究室のMichal Joachimczak氏、劉珠允氏、安藤広志氏によるもの。

メタバースやMR(複合現実)で自分の分身となる3Dアバターは、現状ではあらかじめ用意されたCGキャラクターを使用することが多く、微妙な表情や動作の表現は難しい。自分自身のリアルな3Dモデルを作ろうとすれば、何台ものカメラやセンサーを使って体中をキャプチャーするといった大がかりなシステムが必要となる。NICTは、複数のAIモジュールを組み合わせることで、それをたった1台のカメラで可能にした。

まずは、カメラの前で1回転した画像からリアルな全身モデルを構築する。モデルができれば、後はカメラの前で動くことで、その表情や姿勢が推定されてモデルに反映される。時間ごとに変化する動作や表情が、3Dアバターに三次元的に再現され、どの方向からでも見られるようになる。

コミュニケーションの最中にわずかに顔に生じる表情の変化「微表情」(micro-expressions)や動作を忠実に再現できるため、アバターを通しての「深い信頼関係の構築やシビアなビジネス交渉」もリモートで可能になるとNICTは話す。今後は3Dアバターの三次元形状の正確さや動きの滑らかさといった精度の向上と、リアルタイム対応を可能にする技術開発を進めてゆくとのことだ。この技術の活用、実証実験、普及の際の倫理的、法的、社会的課題については、超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム(URCF)のXR遠隔コミュニケーションWGなどと連携して取り組むとしている。

「Internet of Trees」で乾燥地帯で育つ作物の灌漑の必要性を劇的に低減させるSupPlant

アグリテックのスタートアップSupPlantは植物のためのBabel fishのようであり、一連のセンサーのデータから植物の給水状態とその過不足を知る。

作物は通常、潅水の過剰よりも水不足の被害のほうが大きいため、農家は必要以上の水やりを行い、貴重な水資源を浪費してしまいがちだ。しかし植物の状態を注意深く観測し、それに天候や土壌のデータを合わせると、潅水の必要量を精密に知ることができる。同社はこのほど、同社自身の成長のための施肥および潅水として2700万ドル(約32億円)を調達した。

農業革命が起きた1万2000年前に農家は、天候による作物の生育の違いに気づき、天候の変化を大まかに予報できるようになった。しかしそれらのパターンの多くは、気候変動によって破壊された。

SupPlantのCEOで創業者であり、農家の3世代目でもあるOri Ben Ner(オリ・ベン・ネル)氏は次のように語る。「天候の季節性に基づく決定は、完全に無効になりました。それが、私たちの出発点です。季節に関わりなく、植物をセンシングすれば、何を必要としているかわかります」。彼によると、現在91歳で玉ねぎやスイカ、とうもろこしを育てている彼の祖父は、自分がやってることを農業だとは思ってないだろうという。

同社には、ソフトウェアだけのプロダクトと、ハードウェアとソフトウェアを合わせたプロダクトがある。ハードウェアの方は1エーカーほどの範囲の作物を観測し、そのデータを畑全体の作物のニーズを把握する。そのために、センサーが深層土壌と表面土壌、樹幹部、葉、そして果実の5つの部分をセンシングする。センサーのデータをアルゴリズムが処理し、それは天候のパターンや天気予報、土壌の情報およびその他の独自のデータに基づいて、次の10〜14日間における潅水方式をアドバイスする。

「私たちが農家に推奨する潅水の量や方式は、作物の樹幹部に現れるパターンや、後に果実に現れるパターンに基づいています。システムはそれらのパターンと、植物や果実の成長が最大になるような水量や潅水方式を理解しています。そして成長の後期には、糖度を最大化する方法に切り替えます。たとえばワイン用のぶどうなら、特定の時期に植物にストレスを与えたい。するとその後の3週間で植物は糖分を蓄積します。ぶどうの糖分が多ければ、良いワインができます。最終結果として、収穫量が劇的に増加するのです。私たちのメインとなる目標は収穫量の増加ですが、その副産物として大量の水を節約することもできます」とベン・ネル氏はいう。

今回の2700万ドルのラウンドはRed Dot Capitalがリードし、フィランソロピー(社会的事業)の戦略的投資家であるMenomadin FoundationSmart Agro FundMaor Investmentsなどが参加した。これでSupPlantsの総調達額は約4600万ドル(約54億円)となる。現在の社員数は70名程度だが、年内に100名ほどにしたいという。

同社は、センサーハードウェアを利用するプロダクトに加えて、最近ではAPIをプロダクトとしてローンチした。このセンサーのないプロダクトを、昨シーズンにケニアの50万のメイズ農家が利用した。それらの小規模な農家たちはSupPlantの技術によって潅水とその正しいやり方を意識するようになっている。新しい技術は、主にアフリカとインドの4億5000万の小規模農家の役に立つだろう。同社は2022には、そのうち100万以上を同社プラットフォームのユーザーにしたいと考えている。

SupPlantのアプリを利用すると悪天候の年でも農家は作物がなるべくよく育つやり方を工夫できるようになる(画像クレジット:SupPlant)

ベン・ネル氏の説明によると「創業2年間で私たちは数千台のセンサーを設置し、数百万件の潅水作業を支援し、33種の作物に対応しました。すべての地域を合わせると200あまりの品種とありとあらゆる気候条件に対応しています。私たちのプロダクトの基本的な価値は、地球上の潅水に関する最ももっともユニークなデータベースを持っているということです。センサー・ハードウェアがそのデータの収集を可能におり、今後も収集していきます」。

もちろん、ハードウェアはソフトウェアだけのものと比べるとより正確なソリューションになるが、同社のようにデータの量が増えてくると、データに対する処理によって今後の作物の成長具合を予測できるようになる。

「私たちが営業を行っている主な市場は、オーストラリアとメキシコ、南アフリカそしてアルゼンチンとなります。アラブ首長国連邦でも最近、概念実証事業を終えたばかりで、今後はこの国のデーツのすべてに弊社の潅水技術が適用されます。作付け総数は210万本です。これにより、同国における水の消費の70%が節約されるでしょう。1本のデーツの木の水消費の節約量は、世界で最も乾燥した土地である同国において10人の年間水消費量に等しいものです」。

画像クレジット:SupPlant

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:Hiroshi Iwatani)

前澤友作氏が家庭用ロボット事業に参入、前澤ファンドが家族型ロボ「LOVOT」のGROOVE X株式の過半数を取得

前澤友作氏が家庭用ロボット事業に参入、前澤ファンドが家族型ロボ「LOVOT」のGROOVE X株式の過半数を取得し国内外展開加速

ロボットスタートアップGROOVE Xは3月15日、前澤友作氏率いる前澤ファンドが2022年3月15日時点においてGROOVE X株式の過半数を取得したと発表した。2022年4月5日時点に前澤ファンドがGROOVE X株式の全株式を取得する予定。

GROOVE Xが手がける家族型ロボット「LOVOT」を通じ、前澤氏が家庭用ロボット事業に参入する。また、同社代表取締役社長の林要氏は職務を継続し、前澤氏とともに日本発の世界に誇れる新産業として「LOVOT」事業を推進する。

前澤氏は、「掃除したり仕事したりするロボットではないけれど、こんな時代だからこそ、人をほっこり幸せな気持ちにさせてくれる存在に、大きな可能性を感じています」とコメント。また林氏は、「さらなる飛躍のために、ファッションやアートに造詣の深い前澤さんを株主にお迎えできたことは、大変嬉しく思います。前澤さんの豊富なご経験、人脈、資金力の元で、引き続き日本発の新産業である『LOVOT』を世界に発信し、テクノロジーの平和利用を促進してまいります」と述べている。

安価に大量生産が可能な6G通信の電波制御のための新規材料「三次元バルクメタマテリアル」を開発

安価に大量生産が可能な6G通信の電波制御のための新規テラヘルツ光学材料「三次元バルクメタマテリアル」を開発

東北大学は3月10日、6G通信を見据えたテラヘルツ光学材料「三次元バルクメタマテリアル」を開発し、液状樹脂に混合して任意の形に加工できる粉末状での提供を可能にしたと発表した。テラヘルツ領域での「光学特性をオーダーメイドで設計できる革新的な新素材」の基盤技術になるという。

2030年代の実用化を目指す6G通信では、ミリ波と赤外線の中間の、波長が非常に短いテラヘルツ波が使われることになっている。しかし現状では、テラヘルツの電波を自在に制御できるレンズ、プリズム、フィルターといった光学素子の材料が限られているため、加工が容易で、幅広い屈折率特性を有する新規素材が求められている。そこで注目されているのが、制御対象の電磁波の波長よりも小さな単位構造で構成される人工光学物質「メタマテリアル」だ。これは、「これまでの電磁波操作技術の限界を打ち破る革新的な人工構造体」として期待されている。東北大学大学院工学研究科の金森義明教授、岡谷泰佑助教らによる研究グループは、このメタマテリアルを含み、成形が自由で任意の屈折率特性を持たせられる「三次元バルクメタマテリアル」を安価に大量に提供できる製造技術の開発について、世界で初めて成功した。

これまでも、メタマテリアル単位構造を形成した立体的なメタマテリアルはあったが、厚みや構造の向きに制約があった。それに対して同研究グループが開発したものは、製造上の厚みの制約がなく、方向性の制限もない、どんな形にしても「三次元的に等方分散した真の三次元バルクメタマテリアル」とのこと。

研究グループが開発したメタマテリアルは、テラヘルツ波の波長よりも小さい数十から数百μm(マイクロメートル)ほどのメタマテリアルを含む樹脂製粉末だ。これを液状樹脂に入れて攪拌し、型に入れて固めることで、任意の形で、設計に応じた屈折率特性を持つ「三次元バルクメタマテリアル」ができあがる。実際に、直径12mm、厚さ1.6mmの三次元バルクメタマテリアルの製作を成功させている。これは、代表的なメタマテリアル単位構造であるスプリットリング共振器を内包した1辺100μmの立方体の粉末から作られている。マテリアルはランダムに分散配置されていて、周波数0.7THz付近で、屈折率を0.135変化させることができたという。

(a)三次元バルクメタマテリアル、(b)内包されているスプリットリング共振器

これまでメタマテリアルは平面的に形成されたものが多く、自由に加工できなかった。また、メタマテリアルを部材として入手することが困難で、メタマテリアル光学素子を作る際には、高度な微細加工技術が必要だった。それらが社会実装を妨げていたのだが、個体の粉末材料として提供される研究グループのメタマテリアルは、「自由に加工してテラヘルツ光学素子を実現できる点が画期的」と研究グループは話す。またこの技術は、医療、バイオ、農業、食品、環境、セキュリティーなど幅広い分野での応用が期待できるという。

【レビュー】iPhone 13/13 Proの新色グリーンを実機でチェック!iOS 15.4のマスクありFace IDも試した

iPhone 13/13 Proの新色グリーンを実機でチェック!iOS 15.4のマスクありFace IDも試した

第3世代iPhone SEの予約受付が開始されましたが、忘れてはいけないのがiPhone 13シリーズの新色。iPhone 13、13 miniには「グリーン」が、iPhone 13 Pro、13 Pro Maxには「アルパイングリーン」が追加されます。

グリーンと言えば、iPhone 11 Proで採用された「ミッドナイトグリーン」を思い出す人も多いのではないでしょうか。同色は、ロボットアニメファンから「むせる」など評され、話題になりました。

そんなグリーンですが、iPhone 12シリーズでは残念ながらテイストが大幅に変更され、ミッドナイトグリーンは廃止に。iPhone 12、12 miniには「グリーン」がありましたが、どちらかと言うと薄緑といった色合いで、ミッドナイトグリーンのような渋さはありませんでした。そんな中、満を持して登場したのが上記のグリーンとアルパイングリーンです。早速iPhone 13 miniのグリーンから、その実機を見ていきましょう。

iPhone 13 miniのグリーン

iPhone 13 miniのグリーン……と言っても、正面からだと違いはわかりづらい

iPhone 13 miniのグリーン……と言っても、正面からだと違いはわかりづらい

背面の写真は以下のとおり。同じグリーンという名称ですが、iPhone 12 miniのそれとは異なり、かなり深い緑色であることがわかります。光の当たり方によっては、黒にも見えるほど。強めの光を当てると少し鮮やかになりますが、蛍光灯下での実際の見た目としては、以下写真のフラッシュなしの方に近い色味です。

フラッシュありで撮影した背面。光沢感はこんなイメージ

フラッシュありで撮影した背面。光沢感はこんなイメージ

フラッシュなしで撮影。蛍光灯下での色味は、こちらが近い

フラッシュなしで撮影。蛍光灯下での色味は、こちらが近い

側面は以下に。iPhone 13 miniにはアルミフレームが採用されています。光沢感があるため、背面よりも少し緑が鮮やかめ。光を反射すると、緑の色合いが強調されてキレイ。カジュアルな印象の強い背面に対して、やや高級感が強くなっています。アルミフレームもグリーンで統一されている

アルミフレームもグリーンで統一されているアルミフレームもグリーンで統一されている

アルミフレームもグリーンで統一されている

アルミフレームもグリーンで統一されている

iPhone 13 Proのアルパイングリーン

次に、iPhone 13 Proに行ってみましょう。iPhone 13 Proの背面にはすりガラスのようなガラスが採用されており、アルパイングリーンでもそのデザインは踏襲されています。サラッとした質感で、光を美しく反射し、色合いがやや薄く鮮やかになるのが特徴です。蛍光灯下では深みが出ますが、iPhone 13 miniより繊細な処理で高級感は満点です。

iPhone 13 Pro、13 Pro Maxはアルパイングリーンという名称

iPhone 13 Pro、13 Pro Maxはアルパイングリーンという名称

深い緑で、iPhone 11 Pro、11 Pro Maxのミッドナイトグリーンよりほんの少しだけ緑の色合いが強い印象。こちらはフラッシュあり

深い緑で、iPhone 11 Pro、11 Pro Maxのミッドナイトグリーンよりほんの少しだけ緑の色合いが強い印象。こちらはフラッシュあり

フラッシュなしで撮影した背面

フラッシュなしで撮影した背面

続いてフレームは以下に。ProモデルのiPhoneはステンレススチールを採用するため、光沢感がかなり強め。色は背面同様、深めのグリーンで統一されています。

フレームもグリーンで統一されている。ステンレススチールのため、光沢感はかなり強め。光の当たり方で色合いが大きく変わるフレームもグリーンで統一されている。ステンレススチールのため、光沢感はかなり強め。光の当たり方で色合いが大きく変わるフレームもグリーンで統一されている。ステンレススチールのため、光沢感はかなり強め。光の当たり方で色合いが大きく変わる

フレームもグリーンで統一されている。ステンレススチールのため、光沢感はかなり強め。光の当たり方で色合いが大きく変わる

フレームもグリーンで統一されている。ステンレススチールのため、光沢感はかなり強め。光の当たり方で色合いが大きく変わる

ちなみに、筆者私物の「シエラブルー」との比較は以下のとおり。iPhone 13 Pro、13 Pro Maxは素材の光沢感を生かすためか、「グラファイト」以外は薄めのカラーリングになっていましたが、重めのカラーが好みの人にはいい選択肢になるのでは、と思いました。

シエラブルーとの比較。濃いめの色が好みの人にはオススメ

シエラブルーとの比較。濃いめの色が好みの人にはオススメ

iOS 15.4のマスクありFace IDも試してみた

試用したiPhone 13 mini、13 Proには最新の「iOS 15.4」がインストールされていたため、話題のマスクありFace IDも試してみました。

Face ID設定時にマスクあり用の顔登録を促されるため、そのまま登録。眼鏡をかけている場合は、眼鏡をつけたまま登録した後、眼鏡を外して顔を登録することが求められます。

iOS 15.4も試してみた。マスク着用時のFace ID用に、顔を改めて登録する仕組み

iOS 15.4も試してみた。マスク着用時のFace ID用に、顔を改めて登録する仕組み

眼鏡を着用したまま設定を進めたところ、眼鏡なしの顔の登録も求められた

眼鏡を着用したまま設定を進めたところ、眼鏡なしの顔の登録も求められた

結果として、顔登録をしたところ、マスクをつけたままでもスムーズにロックを解除することができました。

うれしいのは、Apple Watchでのロック解除とは異なり、Apple PayマスクありFace IDが有効なところ。これで、支払いのときにパスコードを入力したり、感染リスクを冒してマスクを少しズラしたりする必要がなくなります。iOS 15.4は来週配信予定ですが、登場が今から楽しみです。

マスクのままロック解除ができ、使用感が大幅に上がった印象

マスクのままロック解除ができ、使用感が大幅に上がった印象

ロック解除だけでなく、Apple PayなどのFace IDにも有効になる

ロック解除だけでなく、Apple PayなどのFace IDにも有効になる

(石野純也。Engadget日本版より転載)

【3月15日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位はロシアがアップルとグーグルを脅迫との報道

【3月15日】掲載記事アクセスランキング・トップ5―1位はロシアがアップルとグーグルを脅迫との報道

掲載記事のうち、3月15日午前7時現在集計で最もアクセスのあった記事5本を紹介。

第1位:ロシア、アップルとグーグルに対し「野党支援アプリの削除か刑務所送り」と脅迫との報道―2021年秋から抑圧の下地作り


ウクライナ侵攻が続くなか、ロシア当局のハイテク大手に対する規制も強まり、プロパガンダを抑制しようとしたFacebookやTwitterも国内でブロックされました。そうした圧力は侵攻以前からあり、アップルやGoogleにプーチン政権にとって不都合なアプリを消すよう脅迫していたことが報じられています。

第2位:ロシアがInstagramのブロックを発表


ロシア政府はInstagramへのアクセスを制限すると発表した。同国がウクライナ侵攻以来、海外の主流テックプラットフォームを標的とした最新の国家規制となる。

第3位:「アニメとコミックとゲーム」好きのためのバーチャルソーシャルアプリ「MEW」が米国でコミックファンを魅了


バーチャルな世界とメタバースを作ると称するスタートアップが氾濫している。でもそれらの一部は、リアルの世界を模倣する、アバターを使ったソーシャルプラットホームにすぎない。それら以外は、ソーシャルな部分が少々あるゲームにすぎない、とGao氏は主張する。

第4位:今夏、いよいよアウディのセダンとSUVにHolorideのVR技術が搭載


Holorideは米国時間3月12日、オースティンで開催されたテック・音楽・映画のカンファレンス「SXSW」で、同社のヘッドセットを使ったバーチャルリアリティエンターテインメントシステムが、最新のMIB 3ソフトウェアを搭載したAudiの一部モデルで6月にデビューすると発表した。

第5位:ツイッター、被害者の妊婦を「とてもリアルなメイクをした役者」と主張するロシア大使館のツイートを削除


隣国ウクライナへのおそろしい侵攻が拡大するのにともない、ロシア大使館に関する一連のTwitterアカウントは誤情報をばらまいているが、長くは続かないだろう。

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Bryce Durbin/TechCrunch
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