MicrosoftがハイパフォーマンスコンピューティングインテグレーターのCycle Computingを買収

Microsoftは、創業12年のコネチカットの企業Cycle Computing買収したことを発表した。Cycle Computingは、企業が高性能コンピューティングジョブ、大規模なデータワークロード、その他のクラウド内「大規模コンピューティング」ジョブを統合することを支援する会社だ。買収金額は明らかにされていない。

MicrosoftはCycle Computingの専門知識を用いて、こうしたハイエンドのジョブ向けのAzureサービスを改善しようとしているが。Cycle ComputingのフラッグシップサービスであるCycleCloudは、幅広い範囲のクラウドとオンプレミスプラットフォームをサポートして来た。Microsoftによれば、Cycle Computingの技術は、同社のLinuxベースの高性能コンピューティングワークロードのサポートを改善するのに役立つだろうと述べている。

Cycle Computingの現在の顧客には、Novartis、Pacific Life、MetLifeなどを含む主要な製造、保険、バイオテクノロジー、そしてメディア企業が含まれている。Cycle Computingは自力で資金調達を行なったために、真の意味で資金調達ラウンドを行なったことはない。同社によれば、そのサービスは今年は約10億コア時間を提供し、12ヶ月毎に2.7倍の成長を遂げているという。

MicrosoftのAzure担当の副社長、Jason Zanderは本日の発表の中で「私たちは既に、人工知能、IoT、そしてディープラーニングの分野で、Azureの爆発的な成長を経験しています」と書いている。「顧客は、ワークロードをより迅速かつ効率的に処理する方法を模索し続けていますので、大規模な拡張性のあるアプリケーションに関する深い専門知識を持つCycle Computingは、マイクロソフトのチームに参加してもらうのに相応しい会社なのです」。

Cycle Computingの共同創業者兼最高経営責任者(CEO)のJason Stoweは、Microsoftが引き続き競合するプラットフォームに対するサポートを開発するかどうかは不明だが、彼の会社は既存の顧客を引き続きサポートすると述べている。われわれはこの点を明確化するためにマイクロソフトに連絡をとり、情報が得られ次第この記事を更新する予定だ。

アップデート: 以下に示すものがMicrosoftからの回答だ、どうやらMicrosoftは既存の顧客のサポートは続けるものの、AWS並びにGCPに関する新しい開発は行わないということのようだ:「私たちはAWSやGoogle Cloudを利用している顧客のサポートは継続します。この先リリースされるMicrosoftのバージョンはAzureに焦点を当てたものになります。もし顧客がAzureへの移行を選択した場合には、シームレスな移行体験を提供することを約束します。

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(翻訳:Sako)

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Amazon MacieはAWSのユーザー企業のクラウド上のデータ保護を機械学習で強化する

AmazonのクラウドコンピューティングサービスAWSが、今日(米国時間8/14)行われた今年のNY Summitの場で、Amazon Macieという新しいサービスを立ち上げた。Macieは、機械学習を利用してクラウド上の機密データをより強力に保護する。当面は、Macieを使って、AmazonのS3ストレージサービスにある個人を特定できる情報や知財を保護でき、年内にはAWSのそのほかのデータストアもサポートされる(たぶん11月のre:Inventカンファレンスで発表されるだろう)。

このサービスは完全に管理され、機械学習を使ってデータのアクセスをモニタし、異状を検出する。疑わしいアクションがあればユーザーに警告し、ユーザーがデータリークやその原因を(ヒトによる犯行以外のものも含め)見つけられるようにする。そのためにこのサービスは、S3に入ってくる新しいデータを継続的にモニタする。そして、通常のアクセスパターンを学習して理解し、またストレージバケット内のデータの正規の形を理解している機械学習を利用する。

このサービスはまた(アメリカの場合)、ヒトのフルネームや、住所、クレジットカード番号、IPアドレス、免許証番号、社会保障番号、誕生日などを自動的に検出するが、指定によりさらに、メールアドレスやSECのフォーム、データログ、データベースのバックアップ、ソースコードなども自動的に検出できる。

これらの高リスクデータはすべてダッシュボード上で高輝度表示され、またそれらにユーザーやそのほかのアプリケーションがどのようにアクセスしているかも示される。

AWSのサービスはどれも料金が複雑だが、このMacieサービスでは各月のイベントの数とデータ量が料金計算のベースになる。最初は、ユーザーのデータの特性や分類を機械学習におぼえさせるため、最初の月の料金は高くなる。

今Macieを利用できるのは、AWSのU.S. East(Northern Virginia)とU.S. West (Oregon)リージョンだけだが、今後徐々に拡張されるだろう。

このほかAmazonは今日、さまざまなデータベースやストレージサービスにロードするデータを準備するサービスGlue発表した。それはすでに、すべての顧客が利用できる。

さらに同社は今日のイベントを機に、ワークロードの一部をクラウドへ移したい企業のためのマイグレーションハブをローンチし、、またElastic File Systemのアップデートにより暗号化された状態での保存がサポートされ、それと並んでキー管理のためのAWS ConfigAWS CloudHSMもアップデートされた。

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コネクテッドカーにおけるビッグデータ技術開発のためToyota、Intel、EricssonなどがR&Dコンソーシアムを立ち上げ

テクノロジー業界の著名な企業数社がToyotaとチームを組んで、自動運転車と未来の高度な自動車技術をサポートするビッグデータシステムを開発することになった。

このたび日本の自動車大手と手を握るのは、Denso, Ericsson, Intel, そしてNTT Docomoだ。グループは今日(米国時間8/11)、Automotive Edge Computing Consortium(自動車用エッジコンピューティングのコンソーシアム)という共同事業体の立ち上げを発表した。発表によると、年内にそのほかの“適切なグローバルのテクノロジーリーダー”〔複数形〕を仲間に加えていく予定だ。

各社の共通の問題意識は、未来のコネクテッドカー(インターネットに接続された自動車)におけるデータの使い方だ。地図のリアルタイム構築や、運転の補助機能などのサービスを理論から実装へと孵(かえ)すためには、それが欠かせない課題だ。そしてさらにそのためには、大量のデータを安全確実に処理できなければならない。

グループの声明文はこう述べている: “2025年には各月の車両とクラウド間データ量が10エクサバイトに達すると予想される。それは現在の量のほぼ10000倍である。このような予想増加量はネットワークとコンピューティングインフラストラクチャの新しいアーキテクチャを要請し、それらが分散リソースとトポロジーを認識できるストレージ容量をサポートできなければならない”。

10エクサバイトは、100億ギガバイトである。なにしろ、膨大な量のデータだ。

控えめに言ってもToyotaはこのところ、コネクテッドカーの分野で相当多忙だった。先週はマツダとの株式持ち合いにより、AIと自動運転技術を前進させていくことになり、今年の顕著な進展としてはほかに、コネクテッドカーに関するNTTとの提携、ブロックチェーンの研究開発着手、AIスタートアップ育成のための1億ドルのファンド創設、などがある。

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コンテナ化という大きな趨勢にとってはスタンダードがきわめて重要、AWSは自らその意思を示す

AWSが今日(米国時間8/9)、コンテナの標準化団体Cloud Native Computing Foundation(CNCF)の正会員になったとき、同社の重要なマイルストーンが刻まれた。GoogleやIBM, Microsoft, Red Hatなど、この分野の有力企業の仲間入りをすることによって、コンテナの管理に関してはスタンダードを無視できないことを、認めたのだ。

なにしろ、これまでもっぱら我が道を行くだったAWSである。しかもAWSは今や、その強力な巨体で広大なマーケットシェアを支配しているから、さまざまな面で自分流を貫いても平気だ。しかし、コンテナは違った。今コンテナを支配しているのは、かつてGoogleで生まれたオープンソースのコンテナ管理ツールKubernetesだ。

聡明なAWSは、Kubernetesが業界標準になりつつあることと、作るか買うかオープンソースで行くかの三択に関しては、戦いがすでに終わっていること、とっくに結論が出ていることを悟った。

コンテナ管理におけるGoogleの優勢を認めたからには、次の論理的ステップはCNCFに加わり、業界全体が使っている同じコンテナの規格に従うことだ。人生には戦うよりも自分を変えた方が得策なこともあり、これがまさに、その典型的な例だ。

そしてAWSがCNCFに加わったことによって、業界全体としてのコンテナ化に向かう路程が明確になった。今それは、とくに大企業において大きなブームになっている技術だが、それには十分な理由がある。アプリケーションをいくつもの離散的な塊に分割して構築していくので、メンテナンスとアップデートがきわめて容易である。そしてDevOpsのモデルにおいて、デベロッパーのタスクとオペレーションのタスクを明確に分離できる。

いくつかのスタンダードが、コンテナを開発し管理するための共通基盤を提供している。その上で各人が、独自のツールを作ることもできる。GoogleのKubernetesも、最初はそのひとつだったし、Red HatのOpenShiftやMicrosoftのAzure Container Serviceなども、そんな独自ツールの例だ。

しかしスタンダードがあると、誰が何を作っても、その構造や動作の共通性をあてにできるし、したがってその利用も楽だ。どのベンダーもサービスのベースはほぼ同じであり、違いは上位的な機能や構造にのみ現れる。

業界の大半がスタンダードに合意すると、その技術は離陸していく。World Wide Webは、その偉大なる例だ。それは、Webサイトを作るスタンダードな方法だから、完全な共通技術へと離陸できた。ビルディングブロックに関して多くの企業が合意したら、そのあとはすべてがうまく行く。

スタンダードの欠如が、技術の足を引っ張った例も少なくない。全員が共通のビルディングブロック(構築部材)を持つことは、きわめて有意義なのだ。しかしときには、だんとつのマーケットリーダーが合意に参加しないこともある。今日のAWSは、そんなリーダーにとってもスタンダードが重要であるという認識を、示したのだ。

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AWSがKubernetesのホームCloud Native Computing Foundationに参加

噂では、AmazonのクラウドコンピューティングプラットホームAWSが近く、Kubernetesベースの独自のコンテナ管理サービスをローンチする、とされていた。その噂は、今日(米国時間8/9)AWSが、KubernetesプロジェクトのオープンソースのホームであるCloud Native Computing Foundation(CNCF)に、最上位メンバーのプラチナ会員として参加したことにより、かなり具体性を帯びてきた。AWSの参加によって、MicrosoftやGoogle、IBMなどを含むメジャーなパブリッククラウドプロバイダーの全員が、この、Linux Foundationを上位団体とする現代的なクラウド管理技術の推進団体に加わったことになる。

最近の調査によると、Amazon(==AWS)はすでに、Kubernetesを用いたデプロイの大半をホストしているので、Amazonが、ある意味ではKubernetesプロジェクトの本拠地であるCNCFに加わっても、それほど意外ではない。しかも重要なのは、AWSはほかにも大量のオープンソースプロジェクトを利用しているし、また自分のプロジェクトをGitHubで頻繁に公開していることだ。また同社は2013年以来、Linux Foundationのメンバーであり、そこのCore Infrastructure Initiativeの創設メンバーだ。同社が主なコンペティターたちと違うのは、Cloud Foundry Foundationに参加していないことだ〔関連記事〕。

CNCFに関しては、Amazonは同グループのコンテナランタイムcontainerdを提供している。CNCFは今日の声明で、こう言っている: “AWSはクラウドネイティブのコミュニティで積極的な役割を果たし、containerdなどでKubernetesなどのクラウドネイティブ技術に寄与貢献している”。AWSのクラウドアーキテクチャ戦略担当VP Adrian Cockcroftが、CNCFの理事会に加わる。

Cockcroftの発表声明は、Kubernetes関連のAmazonの短期的プランを述べていないが、すでに同プラットホームへの広範な支援を提供し、この急速に拡大している分野において、競合するGoogleやMicrosoftの利益にもなっているわけだから、今後はAWS上でKubernetesをよりダイレクトにサポートしていくことは、ほぼ確実だろう。これまでAWS上でKubernetesを使うためには、サードパーティ製のツールを使う必要があった。

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あらゆるIoTデバイスのためのクラウドプラットホームを提供するWiaが€750Kのシード資金を獲得

アイルランド出身のWiaは、そのクラウドサービスにより、センサーを装備したハードウェアデバイスを、完全なIoTデバイスとして運用できるようにしてくれる。同社はこのほど、Suir Valley Venturesがリードするシードラウンドにより、75万ユーロを調達した。このラウンドには、Enterprise Irelandも参加した。

2015年に創業したWiaは、ダム(dumb)デバイスをスマートデバイスに変えてIoTとして動かすために必要なクラウドインフラストラクチャの設営と、その日常のお世話のあれこれをすべて、デベロッパーに代わって引き受ける。同社の主張によると、どんなタイプのセンサー・デバイスでも、わずか数分で“安全でスマートで便利なアプリケーション”に換えて、大量の時間とコーディングを節約する。

WiaのファウンダーでCEOのConall Lavertyはこう説明する: “デベロッパーはハードウェアを作る。それは温度計かもしれないし、自転車用の計器かもしれない。自動運転車でもいいね。これらのデバイスの共通点は何だろう? センサーのデータを捉えて、これらのデバイスをスマートで便利な装置に換えることさ”。

“そのためには、プラットホームが必要だ。これまでのやり方では、たくさんのデベロッパーを部屋に閉じ込めて何十万行ものコードを書かせ、数か月後には何かが動き出す、と希望することだった。それは、門のところに誰かが来たら玄関の警告灯を点けて不審者の来訪を知らせる、たったそれだけのデバイスかもしれない”。

たったそれだけのデバイスでも、通信のインフラからデベロッパーが自作していると、たいへんな作業になる。彼は、そう言いたい。そこで、WiaのようなIoTのプラットホームを利用しなさい、と。すでにRelayrEvrythngのような競合他社も現れている。

“面倒なことは全部われわれが引き受ける。わが社のエンタープライズクラスのプラットホームを利用すれば、通信にインターネットを利用するスマートデバイスをわずか数分で立ち上げられる。門から玄関までの通信インフラを自作するのはたいへんだが、うちを利用すれば通信インフラは完璧な状態ですでにある。どんなデバイスでも、容易に管理し、データを捕捉し、コントロールし、既存システムへの統合もできる。それをするために、コードは1行も書かなくてよい”、とLavertyは激しく売り込む。

決済を超簡易化したサービス、Stripeをご存知の方には、こんな言い方が良いかもしれない: Wiaは、“物のインターネットのStripe”になりたいのだ。

Lavertyによると、Wiaはささいな消費者製品から、世界中に何百万ものデバイスをデプロイするエンタープライズに至るまで、あらゆる種類およびサイズのIoTデベロッパーに対応できる。“うちは水平なプラットホームだから、業種業態を特定しない。ロジスティクスや農業にも、十分対応できる”。

デベロッパーがWiaをちょっと試してみるのは、無料だ。Wiaのクラウドサービス上でIoTの本格展開をしていく企業顧客は、料金が月額59ユーロからだ。料金は、デバイス数をベースとする従量制になる。数か月後にはこのプラットホームのオンプレミスバージョンもリリースする予定で、そちらは年額のライセンス料になる。

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BMWがクラウドに賭ける理由

自動運転が主流を占めるようになる10年後には、私たちは車や運転と、これまでとは全く違う関係を結ぶことになるだろう。

大手の自動車会社は皆、これをよく認識している。しかしこの変化に対しての対応は深さや緊急度は各社まちまちだ。今月初めBMWは、シカゴのテクノロジーオフィスで、イノベーションデイズを開催した。同社によるコネクティビティサービスの現状を紹介し、将来のビジョンを提示するものだ。

他のメーカーたちとは違って、BMWは車内の体験を完全にコントロールしたいと考えており、それを外部の大手テクノロジー会社に委託はしないということを決定した。同社はAppleのCarPlayへのサポートを提供しているが、Android Autoをサポートする予定はいまのところない(CarPlayのサポート自身も、それほど熱心に行っているわけでもなさそうだ)。その代わりにBMWは、プレミアムブランドとしての自身の仕事を、カスタマーエクスペリエンスをコントロールして、運転体験の全てにぴったりと反映していくことだと位置付けた。

BMWのDigital Products and Servicesの責任者であるDieter Mayは、「当社のプロダクトや車を、お客様のデジタルライフスタイルと統合するという目的に向けて、最新かつ最高のテクノロジーとツールを使用しています」と、イベントに先立つプレスディナーの席で語った。「私たちの車が、お客様のデジタルライフスタイルに、うまく溶け込む必要があると考えているのです」。

BMWは現在シカゴ事務所に150人の人員を抱えており、上海、東京、マウンテンビューにある他のテクノロジーオフィスと協力しあっている。シカゴチームのコアメンバーはNokia出身者たちだ。BMWがシカゴのNokiaソフトウェアチームを買収したからだ。現在はこのコアチームがモバイル、クラウド、インターネットサービスで既に多くの経験を積んでいることをうまく活用している。

「私たちがここでやっていることは、自動車産業にとっては新しいことです」とMayは語った。「私たちは新しい仕事のやりかたを確立しました。もちろん課題もあります、インターネット業界や家電製品のの動きが激しいのに対して、車の開発サイクルは長いものだからです。なので、私たちはその橋渡しを行なう必要がありますが、これは私たちの目標の一部です。また、自動車業界で使用されているソフトウェアライフサイクルとツールは、デジタル業界やインターネット産業で使用されているツールとは異なります。しかし、それこそが私たちが、クラウド技術やクラウドの専門知識を、この会社に持ち込んだ理由なのです」。

伝統的にゆっくりと進む、自動車産業におけるソフトウェアライフサイクルは、現代的なソフトウェア開発サイクルの採用に踏み切る組織が少なかったことを意味している。よって、アジャイルのような開発手法は、スタートアップや、今どきの企業でさえも、難なく採用されているのにもかかわらず、BMWのような会社にとっては、Jenkinsを自動化サーバーに使いJIRAでバグトラッキングを行なう、といったことだけでも本当に大きな変化なのだ。車のメーカーの人びとと会話している中で、「スクラムチーム」という言葉に出会うことはそれほど多くない。しかしそれは現在の車メーカーにとっての新しい課題だ。

BMWは単純にCarPlayのような既存のプラットフォームも採用しているが、それは同社の戦略ではない。その代わりに、BMWはMicrosoftなどと提携して、そのプロダクトを車に持ち込もうとしている。現段階では、車のインフォテイメントシステムは、たとえばOutlookを用いて予定や電子メールを表示することができる(BMW所有たちによくフィットするユースケースだ)。Skype for Businessのサポートは間もなく開始される。しかし、これらのサービスを利用するときに、Microsoftのロゴは表示されない。ここでの計画は更に深く考えられていて、他のパートナーたちとも同様な形で行われる可能性が高いが、サードパーティーサービスではなく、あくまでもBMWのサービスと直接やりとりしているように感じさせようとしている。

またそれは、BMWがどのように音声アシスタントを統合すべきかを検討しているということを意味する。”Alexa”とか”Hey Google” と言わなければならないというのは、プレミアムブランドの立場には相応しくない、と言うこともできるだろう。BMWやその他の企業たちが、どのようにこれを処理するのかは興味深い。なぜならドライバーたちは、自分の好きなパーソナルアシスタントを自分の車の中で使えるようになりたいと思う筈だからだ。

コネクテッドカーを手に入れると、ドライバーがインフォテインメントシステムとどのようにやりとりをしているかに関する、大量の分析結果を得ることができるようになる。伝統的に、自動車メーカーは、インフォテイメントシステムを構築し、ユーザテストを行い、調整し、レビューが戻って来るのを待っている。それから、1〜2年後に、次のバージョンがより良くなることが期待されるというわけだ(しかし、ドライバーは車の寿命が尽きるまで、古いシステムに付き合わされる)。

今では、車から戻ってくるデータを使って、BMWは常にフィードバックを得ている。そして、ソフトウェアチームはそれに対して迅速な対応を行うことができる。何故なら更新されたソフトウェアはクラウドにプッシュすることが可能で、もし必要なら、車にも配信することもできるからだ。実際に、あるBMWのエンジニアは私たちに、同社が今年、既に260件のアップデートを出していると語った。

BMWのエンジニアたちとの雑談の中では、沢山のMVP(minimal viable products:最小限の機能だけを実現したプロダクト)の話が出された。それらはもちろん、非常に高いプレミアム性を誇るものとは言えない。そしてMayは、それらは顧客がある程度慣れなければならないものかもしれない、ということを認めた。しかし、今やBMWのような企業は、新しい車載技術を開発する際に、迅速なソフトウェア開発とフィードバックサイクルの条件下で考えることができる。

このすべてを行い、そのさまざまなプラットフォーム上で100万人のユーザーにサービスを提供するために、明らかにBMWはクラウドのパートナーを必要としていた。そこでMicrosoftのAzure Cloudを戦略全体の技術基盤として利用することを決定したのだ。明らかにBMWはMicrosoftのロードマップを見た上で、その先にあるものを好んだのだ。しかし、現在BMWの主要な成長市場の1つが中国であり、Azureが中国内に2つのリージョンを持つほど重要な存在であることは注目に値する。

現在、BMWはAzureの3つのデータセンター(米国、ヨーロッパ、中国にそれぞれ1つ)からグローバルな運用を行っている。そこでコアサービスとサードパーティーベンダーのサービスも統合されている。そうしたサービスには、例えば、天気情報のためのWeather.comや、ドライバーの携帯にリマインダーを送信するためのTwilioなどがある。それに加えてBMWは、Azureのレポート機能とMicrosoftのPower BIチャートツールを、大いに活用している。

さらに、BMWは依然独自のレガシーデータセンターも運用しているが、それは主に顧客口座を取り扱うためだ。これらのシステムはずっとうまく機能しており、BMWのエンジニアの1人が私に語ったように、それをAzureに持っていく理由は全くない。BMWが所有するこのインフラストラクチャーは、車へのリモートサービス指令も処理している。私の理解する限り、BMWのワークロードの中にはAWSでも動作しているものがある筈だ、しかしそれらが正確にはどういうものなのか、あるいはAWSは縮退運転や、開発とテスト用に利用しているだけなのかは不明だ。

間違いなく、彼らの作り上げたこれらの仕組みと機能は素晴らしいものだが、彼らはこれを来るべき完全自動運転車の時代に向けての準備として行っているのだ。その時代が到来した瞬間に、ドライバーたちは運転に使っていた時間を、なにか生産的なあるいは娯楽を楽しむための時間に使うようになる。これは突如出現する巨大な市場なのだ。

もし、そのときに自動車メーカーとして、顧客との関係を維持できていない場合には、他の誰かがそれを行なうだけのことだ。しかし、自動車の所有形態も大きく変わる可能性がある未来は、BMWのような企業にとって、沢山のお金を稼ぐことができるチャンスとなる。そして、(今ほどではないにせよ)車とブランドはまだまだ重要ではあり続けるものの、差別化の鍵を握るのは主役はやはりソフトウェアサービスだ。この分野の賢いプレイヤーたちは、こうした状況がBMWのような企業をカービルダーに加えてソフトウェア企業にしていくことを知っているのだ。

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(翻訳:Sako)

Microsoftの新しいAzure Container Instancesは、コンテナの利用を素早く簡単に行えるようにする

コンテナについてのニュースが流れない日はほとんどない。このことは、このテクノロジーがいかに素早く開発者たちの間に普及し、かつそれらをサポートするプラットフォームやスタートアップが増えているのかを物語っている。そして今度はMicrosoftの番だ。Azureクラウドコンピューティングプラットフォーム用の新しいコンテナサービス、Azure Container Instances(ACI)を開始する。

本日(米国時間7月26日)同社はまた、”Cloud Native Computing Foundation”(クラウドネイティブコンピューティング財団)にプラチナ会員として参加することも発表した(年会費は37万ドルだ)。

これまで私たちは、主要なクラウドベンダーによるコンテナ中心のサービスについて見てきたが、ACIは既存のサービスであるAzureのContainer Service 、AWSのEC2 Container Service、そしてGoogle Container Engineなどとは一線を画するものだ。

現在プレビュー版が公開されているACIは、単純さを売り物にしている。利用者が指定したメモリとCPUコアを用いて数秒のうちにシングルコンテナが起動し、課金は秒単位で行われる。Microsoftが強調するように、これらのコンテナはAzure上のファーストクラスオブジェクトであり、同プラットフォーム上で期待されるものと同じレベルの、ロールベースのアクセスコントロール、課金タグ、その他の機能がすべて備えられている。Microsoftによれば、これらのコンテナは「実証済みの仮想化テクノロジー」を利用して他の顧客から隔離されている。

一方、ユーザーにとっては、VM管理の苦労はなくなり、コンテナのオーケストレーション(協調動作)に関する学習は不要になる。とはいえ、もしオーケストレーションを行いたい場合は、Microsoftの新しいオープンソースプロダクトのKubernetesコネクタの助けを借りて、行うことが可能だ。これにより、Kubernetesクラスタが、コンテナをACIに直接展開できるようになり、開発者は必要に応じてVMとACIを混在させることができるようになる。

現在、ACIはLinuxコンテナだけをサポートしているが、程なくWindowsコンテナも同様にサポートする。コンテナをデプロイするには、いくつかの基本パラメータと共にコマンドを1つだけ使用する、そしてDocker Hubのようなパブリックコンテナや、Azureのプライベートリポジトリなどからコンテナを取得することができる。

そのスピードを考えると、ACIの主なユースケースはは、おそらくバースト的な作業負荷とスケーリングに対応するためのものとなるだろう。コンテナの主な利点の1つは、それらをサービス間で簡単に移動できることだ。よって、ACIから従来のVMベースのコンテナインフラストラクチャに移行することも問題なく行える。

「このことは、Kubernetesのデプロイに俊敏性を提供し、他の他のクラウドプロバイダーとは異なり基盤となるVMなしで数秒のうちにサービスを開始することが可能になり、秒単位で課金とスケールが行われるようになります」と、MicrosoftのAzure Compute製品の責任者であるCorey Sandersが、本日の声明の中で述べている。

Sandersがまた本日発表した通り、Microsoftは”Cloud Native Computing Foundation” (CNCF)にプラチナメンバーとして参加することを決めた。この財団では、Kubernetesプロジェクトだけでなく、コンテナベースのアプリケーションを構築、監視、管理するのに役立つ、増え続けるオープンソースのツールが管理されている。その他のCNCFプラチナメンバーには、Cisco、CoreOS、Dell Technologies、Docker、Google、Huawei、IBM、Intel、Joyent、RedHatなどが名前を連ねている。CNCFは、Linux Foundation(Linux財団)の共同プロジェクトである。Microsoftは昨年Linux Foundationに参加している。

「Kubernetesのようなクラウドネイティブテクノロジーは、開発者の生産性を向上させ、より高頻度のデプロイと、コンピューティングリソースのより効率的な活用を可能にします」と、CNCFのエグゼクティブディレクターであるDan Kohnは私に語った。「Microsoftのような企業による積極的な取り組みが意味するのは、クラウドネイティブなやり方が、新しく未開拓のアプリケーションをデプロイするための手段として、そして既存のモノリシックなアプリケーションをクラウドネイティブな未来へと移行する際の標準なプラットフォームとして、一般的になりつつあるということです」。

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(翻訳:Sako)

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マルチクラウドコンテナサービスContainerShipがついにKubernetesを積極導入

Disrupt NY 2015でデビューしたContainerShipは、コンテナに収めたアプリケーションの、さまざまなクラウドプラットホーム上へのデプロイメントを支援する。はじめ同社は主に、ユーザーのコンテナを扱うためにDockerと同社独自のコンテナ管理ツールを使用していたが、しかし今日(米国時間7/25)からは、Googleで生まれたコンテナオーケストレーションツールKubernetesをサポートすると発表し、完全な管理を伴う同社のKubernetesプロダクトを立ち上げた。

ContainerShipの協同ファウンダーでCEOのPhil Doughertyは、次のように語る: “最近の5年間でKubernetesの採用が爆発的に増えて、うちとしてもスケジューラーとしてKubernetesを統合せざるをえなくなった。顧客はうちのスケジューラーに満足していたが、KubernetesプロジェクトやCloud Native Computing Foundationなどの団体の最近の動向を見ると、マーケティングの見地からKubernetesを無視できなくなった”。

ContainerShipの初期のフォーカスは、複数のクラウドプロバイダ間の移行を容易にすることにあり、今でもその名残はある。Doughertyが強調するのは、ContainerShipの仕事はユーザーがKubernetesのクラスターをローンチして、同社のロードバランシングやファイヤウォール、ユーザー管理などの機能を使っていく過程を、支援することにある。それらのタスクを容易化するサービスの一環としてContainerShipでは、今のデプロイメントのスナップショットを取り、それを他のデータセンターやクラウドプラットホームに容易に移行できる。ユーザーは同社のマーケットプレースで、新しいサービスを自分たちのクラスターに迅速にインストールできる。

同社自身のコンテナオーケストレーションサービスは今後もサポートを続けるが、Kubernetesの勢いは強力なので、長期的にはKubernetes一本に絞ることもありえる、とDoughertyは語る。

今回の‘Kubernetes化’の一環として、現在社員数10数名のContainerShipはKubernetesを採り入れている他の企業、たとえばCoreOS, Deis, Red Hat(とそのOpenShiftプラットホーム)などと組んで仕事をしていくことになる。Doughertyの考えでは、同社のマルチクラウド技術が彼らのサービスに良く切れる刃を与えるはずだ。

コンテナサポーターの業界は最近ますます混み合ってきたから、ContainerShipも単純に完全な管理が付随するサービスを提供していくだけでなく、料金体系にも工夫をこらそうとしている。これまでは簡単明瞭に、ユーザー一人あたり月額8ドル(あるいは1時間あたり0.011ドル)という料金だったが、これからは評価のための試用をしたいデベロッパーのための無料プランを設ける。その無料プランには、ロードバランシングやファイヤウォール、スナップショット、ロールベースのアクセスコントロールなどが含まれない。またサポートは、従来のオンデマンドサービスに加えて、月額制を導入する。

ContainerShipの完全な管理を伴うKubernetesプロダクトは、料金が年額50000ドルからで、24/7のサポートがつく。コンテナ化するサービスが三つ以下で、サポートは24/5でよいユーザーは、年額25000ドルになる。

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MicrosoftはクラウドサービスでBaiduの‘自動運転車のAndroid’、Apolloプラットホームに参画

すでにご存知のようにMicrosoftのAzure CloudはBaiduの自動運転プラットホーム連盟Apolloのメンバーだったが、しかしMicrosoftは今回、その業界横断的なパートナーシップで同社が提供するものについて、詳細を明らかにした。基本的にMicrosoftがやることは、Azureによるクラウドインフラストラクチャを、中国以外の市場でApolloを採用しようとしている顧客に提供することだ。ちなみにBaiduはApolloを‘自動運転産業のAndroid’、と呼んでいる。

Apolloはかつての月面着陸プロジェクトの名前をBaiduが意図的に借りた命名だが、それは、そのときと同じぐらいの規模の、業界横断的で多面的な協力体制が、自動運転技術の市場化のためには必要、という認識からだ。そのためにこのプラットホームは、クラウドサービスとオープンなソフトウェア、参照ビークル、センサー、そして計算機ハードウェアを提供する。この連盟にはすでに、TomTom(地図技術)、Bosh、Continental, Nvidia, そしてGrab(Uberのコンペティター)など、テクノロジー業界のトッププレーヤーたちが参加している。Microsoftもその一員だ。

Microsoftはこれまでも、最近成長著しい自動運転および自動車技術のためのクラウドサービスでパートナーシップに積極的だった。今では同社は、さまざまなプロジェクトで、BMW, Ford, Renault-Nissan, Toyota, Volvoなどと協働している。これにBaiduとApolloが加われば、さらに多数のOEMパートナーを獲得できる可能性がある。

Apolloはデベロッパーや自動車メーカーに対する段階的なリリースを考えており、まず今月内には、一定の限られた場所での自動運転技術へのアクセスを提供する。そして計画では、2020年までに都市とハイウェイの両方に完全に対応するプラットホームをデプロイする。現状でよちよち歩きのプロジェクトにしてはきわめて野心的なターゲットだが、でも世界の大手自動車メーカーの多くが、自動運転車の商用化ローンチに関して、やはりこれぐらいの過激なスケジュールをイメージしているのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Open Container Initiativeがコンテナの仕様の標準規格v.1.0をリリース

ついにやっと今日(米国時間7/19)、Open Container Initiative(OCI)が、そのコンテナランタイムとソフトウェアコンテナのイメージの仕様の標準規格、バージョン1.0のローンチにこぎつけた。この、今年で2歳になるオープンソースのファウンデーションは、Dockerをはじめコンテナエコシステムのリーダーたちが、まさにこれらの共通仕様を確立し維持管理するために作った組織だ。すなわちそれらは今後、コンテナのフォーマットとランタイムの業界標準になる。

Dockerは、これらの仕様の基盤となるものの多くをOCIに提供した。たとえば同社は、同社のコンテナランタイムのコードベースをOCIに寄贈した。さらにその後、同社の技術コミュニティがコンテナのイメージのフォーマットをOCIのプロジェクトに加えた。OCIの現メンバーは40社あまり、クラウドでプレイする大手テク企業のほとんどが参加している(AWS, Cisco, Facebook, Google, Huawei, IBM, Intel, Microsoft, Oracle, Red Hat, VMwareなどなど)。またRancherやWerckerのような、コンテナ技術を専業とする企業も、少なからず加盟している。

OCIの事務局長を務めるChris Aniszczykによると、たしかに、この組織における仕事の進め方やリリースの形式が決まるまで、かなりの時間がかかった。“同じコラボレーションでも、オープンソースのプロジェクトと違ってスタンダードの作成には困難な側面がある。オープンソースのプロジェクトでも、多くの企業がさまざまなやり方ですでに業務に使用しているものは、意見の違いが大きくなりがちだが、共通スタンダードについても同じことが言える”、と彼は語る。しかし、Linux Foundationの傘下となった今では、ガバナンスの構造も適正かつ安定してきた、と彼は感じている。この取材の席にいたDockerのStephen Walliは、こんだけたくさんのメンバーがいること自体、組織とプロジェクトの成功を物語っている、と付言した。

Aniszczykによると、仕様の策定作業でとくに大きく貢献したのがRedHat, Docker, CoreOS, そしてHuaweiだった。またFujitsu, Microsoft, Google, Oracle, Cisco, Tencentなども積極的に動いてくれた。

バージョンが0.xでなく1.0でリリースされたことは、そのスペックは一般的な採用が可能で、今後、採用者がコードを大きく書き換えなければならないような変更はない、ということを意味している。

今後の計画としてAniszczykは、次に取り組みたいのは検定(仕様への合致の証明)だが、そのほかに、すでに温めている企画として、現状のLinuxだけでなくそのほかのプラットホームのサポートと、レジストリのアクセスやコンテナの配布のためのAPIの標準化作業がある、と語った。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

GoogleのTransfer Applianceはフェデックス経由で大量データをGoogle Cloudへ移管するサービス

本日(米国時間7月18日)Googleは、企業のデータセンターからフェデックス経由で大量のデータをクラウドに移行するための、新しいハードウェアアプライアンスとサービスであるTransfer Applianceのローンチを発表した。Googleは既に、ストレージアレイ、ハードディスク、磁気テープ、USBフラッシュドライブなどの物理メディアを、サードパーティのパートナーを通じてGoogleのデータセンターに持ち込むサービスをユーザーに提供しているが、Transfer Applianceはそれに比べてもかなり洗練されたものだ。同社はまた、このサービスのために、100TBまたは480TBの(もしデータが簡単に圧縮できるならそれ以上の容量も可能)あらゆるデータをクラウドに発送するために使用できる、独自のハードウェア機器も開発した。

もしこのサービスに聞き覚えがあると思ったとしたら、おそらくAmazonが提供する類似の機能、AWS Snowballのについて聞いたことがあるからだろう。Snowballには50TBと80TBのバージョンがある。もしそれ以上(100PBまで)の容量が必要な場合には、Amazonは顧客のデーターセンターへトラックで受け取りに出向くサービスも提供している。AWS Snowmobileサービスだ。

ここでのコンセプトは極めて素直なものだ。まずGoogleがアプライアンス(機器)を顧客のデータセンターに送る。顧客はそれをラックの1つに設置してローカルネットワークに接続する。その後Googleのツールを用いてアプライアンスをデータで満たしてGoogleに送り返す。

Googleのクラウドストレージプロダクトの、グループプロダクトマネージャであるDave Nettletonによれば、顧客の物理的メディアを受け取ってデータをクラウドに移行するGoogleの既存のサービスは、一部の顧客には役立っているものの、多くの企業はペタバイト単位のデータを移行するための容易な手段を探している。また、本日の発表は、Google Cloudのデータ移行ポートフォリオを拡大して、既存の企業にアピールするための広範な動きの一環であるとも指摘した。しかし、もっと重要なのは、今回のサービスによって、Googleの戦略はどのような顧客(および潜在的な顧客)のニーズにも対応可能になったということだ。

「GCP(Google Cloud Platform)は、クラウドネイティブ企業とは大変うまくやってきています」と、Nettletonは私に、Snapをその例として挙げながら説明した。「これに対して、従来から存在する企業たちにとっては、今回のサービスは、私たちが提供を始めることを期待していた機能なのです」。

1PBのデータ転送時間。

1PBのデータ転送時間

100TBモデルを使用するための基本コストは300ドルで、それに配送料を加えたものになる。Googleによれば合計で500ドルほどになるという。480TBユニットの場合、基本コストは1800ドルで、配送料として約900ドルが必要になる。ユーザーは、追加費用を支払うことなく、小さな方(100TB)アプライアンス機器をデータセンター内に10日間設置することができる。大きな方(480TB)は、25日間は延滞料なしでデータセンターに設置することができる。

以前Microsoftで、AzureとSQL Serverの仕事をしていたNettletonは、Google Applianceトラックサービスをすぐに立ち上げる予定もあるのか​​どうかについては触れなかったが、多くの既存企業がクラウドへ移行しようとしていることは、すべてのパプリッククラウドが理解していると述べた。その過程で、多くの企業が膨大なデータを、オンプレミスデータセンターからクラウドへ移管しようとしている。よってそうしたGoogle Cloudトラックの情報に関して目を離さないことをお勧めする。なぜなら一部の企業にとっては、それがデータをクラウドに移管する唯一の経済的な方法かもしれないからだ。

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(翻訳:Sako)

アメリカの国境警備局はクラウドに保存されているデータを出入国時捜索の対象にできない

デートのお相手の情報をクラウドに保存することは、それを安全に隠すためのいちばん良い方法とは必ずしも言えないけど、でも情報のローカルな保存(自機上の保存)を避けることは、自分の個人情報を明かしたくない人がアメリカの国境を越えるときに役に立つ。

NBCテレビの報道によると、オレゴン州選出上院議員Ron Wydenに宛てた書簡で税関・国境警備局(U.S. Customs and Border Protection, CBP)は、国境における、裁判所の令状がなくてもできる捜索は、ローカルに保存されているデータのみに限定されると思われる、と述べている。CBPのその書簡は、Wydenなどの議員が2017年2月20日に提出した、国境における電子機器の捜索に関するポリシーの詳細を求める、質問状への回答だ。

CBPの長官代理Kevin McAleenanはこう書いている:

“CBPの権限で行う国境捜索は、合衆国に入る、または合衆国から出るすべての品目を対象とし、国際的旅行者によって運ばれる電子機器上に物理的に存在する情報も含まれる。したがってCBPが行う国境捜索は、遠隔のサーバーの上にのみ存在する情報を対象としない。その明確化を提供する機会を感謝する。

その書簡によると、この区別は“それらのサーバーが海外にあっても国内にあっても”適用される。大きな違いではないようにも思えるが、プライバシーを重視する者にとっては嬉しい詳細情報であり、また、そのポリシーと行いを明白にするよりも、批判をはぐらかすことの多いお役所にしては、珍しい情報開示だ。

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Boxがアプリ開発者向けに、コンテンツサービスをパッケージ化したBox Elementsを提供

Boxは、数行のコードだけでBoxの機能を使えるようにデザインされた、Box Elementsという新しい開発者ツールの提供を始めた。これは事前にパッケージされたアプリケーション要素群だ。

最終的にはUI、アプリ、そしてサービスの3種類の要素が提供されるが、今日(米国時間7月13日)が提供が始められたのはUI要素だ。この中に含まれるものの例としては、開発者がドラッグアンドドロップ機能をアプリケーションに組み込むためのContent Uploader、任意のアプリケーションの中にBoxファイルナビゲーション機能を組みこむContent Explorer、対話ビデオを含み120種類のファイルをアプリ内で表示することができるようにするContent Preview、そしてアプリケーション内でファイルの選択機能を実現するためのContent Pickerなどが挙げられる。

これらはいずれも、あっと驚くような機能ではないが、どれも最初から構築するにはかなりの開発時間を要するものだ。ここでBoxが提供しているものは、コンテンツの専門知識をほとんどあるいは全く必要とせずにすばやく実装できるための要素だ。

開発者が支払い機能を追加するためにStripeを利用することを思い浮かべてほしい。Boxは同様のレベルの簡便さでコンテンツサービスを提供しようとしているのだ。こう語るのはBoxのプラットフォーム担当役員兼チーム戦略担当役員のJeetu Patelだ。

「私たちはずっと、コンテンツは支払いと似ていると考えてきました。電子商取引サイトを構築する際に、支払いスタックを最初から構築するのは非生産的です。同じようにコンテンツスタックを最初から構築するのは非論理的なのです」と彼は語った。

Patelによれば、多様な経験を提供し実際の問題を解決したいと考えている(しかし個別のアプリケーション要素の専門家になりたいわけではない)プログラマーたちに、ElementsはBoxプラットフォーム上でアプリケーションを構築する最速の方法を提供するとのことだ。「私たちが目にしてきた課題は、クラウドコンテンツを管理する会社になりたい会社はほとんど存在せず、その代わりに内部あるいは外部の利用者のために、素晴らしい没入感のある体験を構築して提供する、という圧力に多くの会社が晒されているということでした」。

これらのElementsはバックエンドでBoxを必要とすることを理解しておくことは重要だが、それらはアプリケーションとは切り離された形で、Boxの異なる部分を提供する。これは、Aaron LevieCEOが長年にわたり明確に述べてきたビジョンだ。Levieは2014年のSXSWにおけるJesse Hempelによるインタビューで、この先の5年のうちに、利用者はあるアプリケーションがBoxを内部で利用しているとは気が付かずに利用しているということがあり得るだろう、と述べていた(ビデオの24:45からを参照)。今日発表されたツールは、その時点でLevieが考えていたタイムテーブルよりも早く、そのビジョンを達成するための大きな一歩だ。

価格については、今年初めに導入されたいくつかのオプションに基づいている。これは、開発者たちにコストの確実性とどのように課金されるかの選択肢を提供するために作成されたものだ。しかし間違いなく、Boxをツールとして直接使用させるだけでなく、アプリケーション間で使用される一連のコンテンツサービスとして使用させることによっても、収益を上げることが狙われている。

Patelによれば、同社はBox Elementsをさらに使いやすくすることを目標に、開発者たちから様々な要望を取り込むことを狙って、オープンソース化する計画を立てている。

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(翻訳:Sako)

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Google Cloudの機械学習スタートアップコンペ、優勝3チームが決定

3月のCloud Nextカンファレンスで主催者のGoogleが、機械学習を利用するスタートアップのコンペを行うと発表した。共催者としてData CollectiveEmergence Capitalが名を連ねた。それから4か月経った今日(米国時間7/13)、350あまりの応募者の中から選ばれた10社が、Googleがサンフランシスコに設けたLaunchpad Spaceのステージで、決勝のプレゼンを競った。

決勝の賞は3つあり、Data CollectiveのDCVC賞とEmergence CapitalのEmergence賞、そしてGoogleのCloud Platformを使うスタートアップに授与されるBuilt with Google賞だ。なお、決勝出場者全員に、GCPのクレジット20万ドルが提供される。VC二社は彼らが選んだ優勝スタートアップにシード資金を提供することになっており、審査過程に最初から参加した。

このイベントは、マシンインテリジェンスのスタートアップと仲良くしておきたい、と願うGCPのマーケティングないしパブリシティの一環でもある。GoogleのクラウドはAmazonやMicrosoftに比べるとまだユーザーが少ないので、大量のデータを生成してそれらをどこかに保存しなければならないタイプのスタートアップたちと“お友だち”になることは、重要なマーケティング戦略のひとつだ。コンペに参加したファウンダーたちは、KubernetesとTensorFlowがGCPのセールスポイントだ、と指摘する。それを20万ドルぶん使えるクレジットも、悪くないよね。

それでは優勝チームを以下にご紹介しよう:

DCVC賞 – BrainSpec

BrainSpecのCEO Alex Zimmerman

50万ドルの投資

BrainSpecは医師がMRIのデータから脳の代謝産物を測定するためのプラットホームだ。代謝産物は細胞プロセスの化学的な結果で、脳の損傷やアルツハイマー病などの脳疾患を理解するための鍵、と言われている。

医師は従来、MRスペクトロスコピーと呼ばれる複雑なプロセスで組織の化学的分析を行い、脳神経疾患の指標を検出していた。BrainSpecは、Webのインタフェイスとクラウドベースの統計分析により、このテクニックを単純化する。

DCVCのパートナーMatt Ockoは同社への投資の理由として、BrainSpecが対象とする問題の市場のサイズが大きいことを挙げる。このスタートアップは、特定分野の強力な専門知識や技能をプロダクトに活かし、製品化と公的認可に向けての明確な道程を有している。

Emergence Capital賞 – LiftIgniter

LiftIgniterの協同ファウンダーAdam Spector

50万ドルの投資

TC Disrupt Battlefieldにも出場したLiftIgniterは、企業がユーザーに配布するコンテンツを個人化する。AmazonやSpotifyなどの大手は独自の高度なリコメンデーションシステムでユーザーの関心を喚起しているが、そのほかの多くの企業は、そこまで行っていない。

YouTubeの、機械学習によるリコメンデーションシステムを作ったことのある同社のチームは、そんなサービスをAPIで提供する。同社によると、その個人化リコメンはA/Bテストで負けたことがなく、180万のARRと22%の前月比成長率を達成している。

このチームはBuilt with Google賞で二位になったので、GCPのクレジットを50万ドル獲得している。

Built with Google賞 – PicnicHealth

PicnicHealthのCEO Noga Leviner

100万ドルのGCPクレジット

PicnicHealthは、同社の集中管理型デジタル医療記録システムに機械学習を適用して、製薬企業や研究集団向けに分析データを提供する。

データの取り出しはそれにより自動化されるが、その匿名記録に人間ナースのチームが注釈をつけていく。この種の分析データは、とくに製薬企業が重視するので、同社は有料ユーザーの中心層と考えている。

患者はこのプラットホームの消費者ユーザーとして、自分のデータをコントロールでき、また自分のケアプロバイダーを入力する。それから先は、記録の収集、分析、リリースをPicnicが自動的に行う。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

SoundCloudが深刻な危機に――ユーザー生成音楽のストリーミング事業に残された時間は50日

ユーザーが生成した音楽をストリーミング配信するサービスの大手、SoundCloudは深刻な状況を迎えている。昨日(米国時間7/11)、同社では全社員集会を開き、先週突然に40%の社員のレイオフを行った理由を説明した。

残留組はなぜ事前に経営悪化に関して何も知らせがなかったのか、またこのコスト削減がSoundCloudの経営を長期にわたって保証するものなのか知りたがっていた。

しかしベルリン本社からビデオキャストが放映される際、世界中のSoundCloudの会議室には警備員が溢れており、社員は望んでいた答えが得られそうな状況ではないと悟ったようだ。SoundCloud社員の一部はTechCrunchに対し、共同ファウンダーのAlex LjungとEric Wahlforssは「レイオフはコストを減らすことで第4四半期まで時間を稼ぐためだった」と告白したと述べた。しかし第4四半期までわずか50日しかない。

Ljungはレイオフの発表に当って、「長期的計画を練り直し厳しい決定をすることになった」という声明を発表していた。しかし手持ち資金が尽きるのがそれほど差し迫っていることにはまったく触れていない。

TechCrunchが取材した別のSoundCloud社員は、別のオフィスで全社員ミーティングのビデオを見たが、「(その際の雰囲気は)ひどいものだった。優秀な人間はみな辞めると思う。Eric
[Wahlforss]はSoundCloudのファミリーがどうとか言ったが、そこで部屋中に失笑が起きた。たった今173人も首にしておいて何がファミリーだ?」と述べた。

SoundCloudの共同ファウンダー、CTOのEric Wahlforss

SoundCloudは音楽ストリーミング・サービスの中でも独特の位置を占めてきた。楽曲はセミプロ・ミュージシャンであるユーザーが製作してアップロードしたものだ。この中には非公式のカバー曲、長時間のDJパフォーマンスなどSpotifyやAppleなどメインストリームの音楽サービスでは配信されないような楽曲が多数含まれていた。こうした楽曲はSoundCloundの人気を支える一方で著作権問題に付きまとわれる原因となっていた。

【略】

クラウド上の楽曲はどうなる?

創立後10年間に2億ドルの資金を集めながらSoundCloudは「音楽のYouTube」となることに失敗した。SoundCloudの経営はもやは多少の経費削減くらいではどうにもならないところに来ているようだ。SoundCloudが生き延びるためには維持可能なビジネスモデルを構築することができる買い手を探すしかないだろう。たしかにYouTubeはストリーミング・ビデオの世界で巨大な存在となったが、初期の段階でGoogleの傘下に入らなかったらそれが達成できたかは疑わしい。SoundCloudには大きな力のある援助者が必要だ。【略】

ホームメイド・リミックスやガレージ・バンドの楽曲の世界最大のコレクションは危機に瀕している。もしSoundCloudがこのまま運営を停止するならそれでなくても綱渡りを強いられているインディー・ミュージシャンたちにとって深刻な打撃となるだろう。

それだけにSoundCloudの社員がTechCrunchに語った一言が重く感じられる―「戦略がゼロだった」 。

〔日本版〕SoundCloudはTechCrunchでもSony Musicとの契約が成立したという記事やビジネスモデルを解説した投稿を掲載していた。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

GoogleがPhotosとDriveのデスクトップアプリケーションを一本化してBackup and Syncをローンチ

Googleが先月予告していた“Backup and Sync”ツールが、今日(米国時間7/12)ローンチされた。その名のとおりユーザーのコンピューター上のファイルをバックアップしシンクするツールで、これによりMacやPC上ではGoogle PhotosのデスクトップアプリケーションやGoogle Driveのクライアントアプリケーションが要らなくなる。

要するにこれまで二つあったアプリケーションが一本化されるだけであり、コンピューター上のファイルをGoogleのクラウドへアップロードするのに、写真はコレ、そのほかのファイルはアレ、というアプリケーションの使い分けが不要になる。

新しいツールはインタフェイスもシンプルで、Googleのアカウントにサインインして、今後Google Driveに継続的にバックアップしてもらいたいフォルダを指定するだけだ。その際、Google Driveに対するこれまでの設定はそのまま生きる。そのことは、先月も説明された

デスクトップコンピューターからファイルをバックアップできるだけでなく、カメラなどのUSBデバイスやSDカードから写真のバックアップもできる。バックアップしたファイルは、コンピューター、スマホ、タブレットなどどんなデバイスからでも、Google Driveにアクセスすれば見たりダウンロードしたりできる。ファイルが写真やビデオなら、Google Photosでアクセスできる。

PhotosDriveも今ではアップデートされたソフトウェアに対応しており、一般消費者はそれをどちらからでも無料でダウンロードできる。

Googleによると、G Suiteを使っている企業ユーザーは、現時点ではこの新しいソフトウェアユーティリティをダウンロードすべきではない。

同社の計画では、企業向けにはG Suite内のツールとしてDrive File Streamというものが、ビジネス、エンタープライズ、教育、非営利のどのドメインでも今年後半に展開される。その前にこのツールを試したい人は、ここに申し込むとよい。

Backup and Syncのソフトウェアでは、いろいろな設定ができる。たとえばGoogleのクラウドにアップロードされる写真やビデオは、元のクォリティーを保持するか、それとも単なる高品質を選ぶか、など。プロの写真家などは、オリジナル・クォリティーを選ぶだろう。

そのほか、ファイルの削除を指定した場合のオプションや、ダウンロードやアップロードの速度なども指定できる。

さらに、このアプリケーションからGoogle Driveの会員契約のアップグレードができる。これを機会に自分のデスクトップをまるごとクラウドに保存したい、なんて人は、より大きな容量へ契約を更新したくなるだろう。

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サービスメッシュ型コンピューティングの普及に賭けるBuoyantがシリーズAで$10.5Mを調達

Buoyantは、TwitterのインフラストラクチャエンジニアだったWilliam MorganとOliver Gouldが作った企業だが、同社は今日(米国時間7/11)、シリーズAで1050万ドルを調達したことを発表した。このラウンドをリードしたのはBenchmark Capital、これに、女性を中心とするTwitterの新旧役員グループ#Angelsと、これまでの投資家A Capital Ventures, Data Collective, Fuel Capital, SV Angel, そしてWebb Investment Networkが参加した。BenchmarkのPeter FentonがBuoyantの取締役会に加わるが、彼は数か月前にTwitterの取締役会を降りたばかりだ。

Buoyantは誰もが知ってる名前ではないが、オープンソースのLinkerdプロジェクトを作った企業だ。今年の初めにCloud Native Computing Foundationの一員となったこのプロジェクトは、いわゆる“サービスメッシュ”(service mesh)と呼ばれる、新しいインフラストラクチャツールの中で、たぶんもっとも人気のあるシステムだ。サービスメッシュ(サービスの網)とは、今日のアプリケーションを構成するさまざまなサービスを互いに通信/コミュニケーションさせるための、インフラストラクチャ層だ。たとえば、Kubernetesなどのコンテナオーケストレータの上で動く複雑なアプリケーションは、たぶん何百ものさまざまなサービスで構成されているだろう。これらのサービスは、静的とはとても言えないネットワークの上で、互いに通信できなければならない。LinkerdやIstioのようなサービスメッシュは、ロードバランシングとダイナミックルーティングを組み合わせて、それらのサービス間の通信を確保する。なお、Istioは、最近発表されたGoogle/Lyft/IBMのコラボレーションだが、今ではLinkerdと共用できる。

現在のLinkerdのユーザーには、Ticketmaster, Apprenda, NextVR, Houghton Mifflin Harcourt, Monzo(イギリスの銀行スタートアップ)などがいる。

“ソフトウェア産業の全体がクラウドコンピューティングへ移行すると、アプリケーションの作られ方や運用のされ方が大きく変わる”、 BenchmarkのFentonは今日の発表声明でこう述べている。“Buoyantによるサービスメッシュの導入は、マイクロサービスのコンポーネントやクラウドネイティブなソフトウェアと同じぐらい基本的な成分になる可能性がある。ネットワークプログラミングにとって、TCP/IPがそうであったように。そしてLinkerdが昨年思い切ってオープンソースを採用したことによって、そのニーズが企業にとって喫緊のものであることが明白になってきた”。

BuoyantのCEO William Morganによると、サービスの収益化についてはまだ何も決めていない。今度の資金は、エンジニアと製品開発部門の増員に充てられる。今社員は13名だが、エンタープライズユーザーにはすでに有料サポートを提供している。Linkerdを中心とするエコシステムを築くことが先決で、収益化云々に関心を向けるのは時期尚早である。“ある時点で方向を変えてお金を稼がなければならないけど、短期的にはオープンソースの採用が関心の中心になる”、と彼は語る。

企業のアプリケーションの開発が“クラウドネイティブ”型へ移行していくに伴い、Linkerdのようなプロダクトへのニーズもたちまち明らかになってくると思われるが、現時点ではまだ時期が早く、とくに大企業は歩みが遅い。しかしMorganによれば、アーリーアダプタたちの多くは大企業よりむしろスタートアップたちである。“彼らは今すでにクラウドネイティブのスタックへ移行しつつあるし、それには正当な理由がある”、とMorganは語る。“彼らは自分たちのアプリケーションをこのクラウドモデルで運用したいと願っている。それなら、ハードウェアのコントロールがほとんど不要だからだ”。

DockerとKubernetesがこのパズルの一片を解いたが、往々にして一つのソリューションが新しい問題をもたらすのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

デザインの履歴管理システムAbstractがローンチ

営業チームにはSalesforceがある。そしてエンジニアたちにはGitHubがある。しかしデザイナーにはこれまで大した選択肢がなかった。本日(米国時間7月11日)公開されたAbstractは、デザインプロセス上の強い不満を解消する、デザイナーたちのための、ワークフロープラットホームかつ記録システムだ。同社は、まずSketchのユーザーを誘い込むことに狙いを定め、Cowboy Venturesからの資金調達を受け、ビジュアルファイルタイプの全範囲に対応することも目指している。

大手企業のデザインワークフローは、しばしばサイエンスと言うよりもアートだ。承認や、バージョン管理、そしてチーム間のコミュニケーションといった主要なプロセスが、長い電子メールのやりとりを伴って、多くのファイルと関連したGoogle Drive上で行われることが決して珍しくない。すべてのものをデザインするための中央リポジトリがなければ、これらの場当たり的なプロセスは、規模が膨らむに連れて急速に手に負えなくなっていく。

AbstractとはデザインのためのGitHubだ(皮肉なことに、GitHubによってデザインに使用されている)。それは、人気の高いデザインアプリSketchのファイルに対応するために1から作成された。チームは、より大きなコンテキストとデザイン変更の洞察を、時間の経過とともに提供することで、Subversionのような歴史的なバージョン管理システムを打ち負かすことを目指している。

Abstractチーム

Figmaのようなデザインコラボレーションアプリとは対照的に、Abstractは同じドキュメントに対して同時に作業することはない。その代わりに、情報を失うことなくファイルをチーム間で共有できるように、編集経緯を提供することが目標だ。

AbstractのCEOであるJosh Brewerは、最終的にはPowerPointやKeynoteのような多機能ではないビジュアルコミュニケーションツールだけではなく、Adobe Illustratorにも対応する計画だと語った。

インタビューでBrewerは「Sketchの人たちとは本当に密接な関係を築いています」と語った。「私たちが示した仕事の成果に、彼らはとても感激してくれました」。

本日から、誰でも3つのオプションの中から1つを選んで、Abstractにサインアップすることができる。個人向けには無償で提供されるが、フリーランサーやより大きなビジネスチームなどのプロユーザー向けには有料のオプションがある。

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(翻訳:Sako)

Microsoft大変身の勝利と悲劇、Nadellaの思い切った大鉈の経過を検証

長年MicrosoftのCOOだったKevin Turnerが去ったことは、Satya Nadellaがトップになってからの同社の、重要な転機になった。TurnerがいなくなってからはNadellaが全権を握り、最近のレイオフや新しい戦略、人事などはすべてそのことを反映している。それらは同社が、Windows/Office一点集中型の企業から、AzureとOffice 365という新しい二本の脚(あし)で立つ企業に移行したことを、表している。

しかもそれは、意外ではない。Nadellaは最初からクラウド指向の姿勢を鮮明にしていたし、そのことはCEO就任からわずか52日後の記者発表“モバイルファースト/クラウドファースト”にも表れていた。Microsoftの変身は今も続いているが、すでにBallmer色は過去のものとなり、Nadellaによる同社の技術と企業文化の大改革が試みられている。

NadellaはCEO就任以降、技術や経済の大きな変化の中で、Microsoftという船の舵取りに追われていた。今年の5月に行われたデベロッパーカンファレンスBuildでは、2014年のバイルファースト/クラウドファーストに加えて人工知能と機械学習に焦点を当て、同社を確実に未来へ向かう道程へ乗せようとした。

またNadellaは、2014年の就任以降40社あまりを買収し、新たな技術の取得にも努めてきた。ちなみに、買収企業はクラウド関連が多い。これまでで最大の買収は260億ドルを投じたLinkedInだ。いちばん最近の買収は先月末のCloudynで、Azureなどのクラウドプラットホームのユーザーの、クラウドの利用状況を分析教示する企業だ。

果敢な新役員人事

Turnerの退任後Nadellaはまず最初に、クラウド中心で行くという彼のビジョンを共有する二人の人物を、全世界の営業を統轄する部署に置いた。Judson Althoffが全世界の商用ビジネスの長となり、Jean Phillipe Courtoisがグローバルな営業を率いることになった。

先週明らかになったように、Microsoftは近く数千人をレイオフするが、その多くは営業の余剰人員だ。このレイオフは、AlthoffとCourtoisが早くも導入した新たな戦略の結果かと思われる。先週のThe Wall Street Journalの記事によると、同社は単純にWindows中心の世界に別れを告げるだけでなく、業種業界企業別に縦割りだった営業の組織形態を廃止し、大企業と中小企業をもっと幅広い視野で捉える組織に変えていくのだ。レイオフは、その変革がもたらした結果の一部だ。

またこれらのレイオフを背景として、Microsoftは、1993年以来同社に在籍し、2013年からはCIOを務めた古顔の役員Jim Duboisの退社を発表した。彼がCIOに任命されたのは、NadellaがCEOになるよりも前だ。いわば、同社の古い時代の顔である。

そしてそれを機に役職名がCIO(Chief Information Officer)から、より現代的なCDO(Chief Digital Officer)に変わり、その初代にKurt DelBeneが昇格して、Duboisの仕事の多くを引き継いだ。

これらの異動はすべて、最近のMicrosoftの変化の一側面だ。変化により、前の時代を支えた役員たちは去らねばならない。そして思考の波動がNadellaと合う人びとが、それらの役に就く。

レイオフと並行しての動きとは

今日(米国時間7/10)Microsoftは、新しいプロダクトを二つ発表したが、その今日は、WSJが先週報じた、大企業と中小企業を共に対象とする営業のグローバルな大変革が着手される日だ。プロダクトのひとつ、Azure Stackは、クラウド技術としてAzureを利用するプライベートクラウドプラットホームだ。パブリッククラウドに向かないと企業が判断した業務を、これにより自社のデータセンターにインストールしたAzureコンポーネントで動かすことができる。

もうひとつは、中小企業を対象とするOffice 365関連プロダクトだ。それには、メールマーケティング、リスティング、請求書発行、などのサービスが含まれる。

ご覧のように二つのプロダクトは、大企業と中小企業を共に視野に収めている。レイオフなんて、要するにダウンサイジングじゃないか、という声もあろうかと思われるが、でもそれを、このようにほかの動きと並置してみると、これらが単なる偶然の時期的一致とは思えなくなるのだ。むしろ、ひとつの重要な戦略変換の、さまざまな側面と見えてくる。

CEO就任から3年あまりになるNadellaのMicrosoftにおける影は、薄いどころか近年ますます濃い。先週の突風のような急激な変化が、まだまだ今後もある、と考えるべきだろう。巨大企業がその全域にわたって変身を成し遂げようとすると、あちこちで変化の嵐が吹き荒れるのだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))