TikTokは第2四半期に規約違反で動画8100万本を削除、アップロード総数の1%に相当

TikTok(ティクトック)は、2021年4月1日から6月30日の間にプラットフォームから削除されたコンテンツに関する透明性のアップデートを発表した。同プラットフォームによると、同期間中にコミュニティガイドラインや利用規約に違反したとして削除された動画は8151万8334本で、投稿された動画全体の1%にも満たない。これはまた、同四半期中に81億本以上の動画がTikTokに投稿されたことを意味し、1日平均約9000万本の動画が投稿されたことになる。

TikTokは7月に、未成年者の安全、成人のヌードや性的行為、暴力的で生々しいコンテンツ、違法行為などに関するポリシーに違反するコンテンツを自動的に削除する技術を導入した。同プラットフォームは、特にこれらのコンテンツに対して自動化を活用している。というのも、同技術の精度が最も高い分野だからだ。また、報告されたコンテンツを精査する安全チームに人間のコンテンツモデレーターを配置している。

自動化された技術が発表されたとき、TikTokは削除の誤判定率(実際にはルールに違反していないコンテンツを削除してしまうこと)は5%だと発表した。この数字は、今日発表された透明性レポートにも反映されていて、削除された8100万本の動画のうち、約460万本が復活した。削除された動画の41.3%を占めるコンテンツ削除理由で最も多かったのは、軽微な安全ガイドライン違反だった。TikTokによると、削除されたコンテンツの94.1%はユーザーが報告する前に特定・削除されているという。

それでも、誤って削除されたコンテンツの5%の中には、失敗したコンテンツモデレーションのトラブル事例がある。例えば、人気の黒人クリエイターZiggi Tyler(ジギー・タイラー)氏は、自分のアカウントのプロフィールに「Black Lives Matter」や「I am a black man」などのフレーズが含まれていると、アプリが「不適切」と判定すると指摘した。一方で「白人至上主義を支持する」などの表現はすぐには検閲されなかった。

YouTube(ユーチューブ)やFacebook(フェイスブック)といったプラットフォームがワクチンの誤情報を含むコンテンツを禁止する動きを見せる中、TikTokのような他の名の知れたソーシャルメディア企業は、同様の問題にどのように取り組むか態度をはっきりさせなければならない。TikTokのコミュニティガイドラインでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)やワクチン、さらに広範な反ワクチン誤情報について、虚偽または誤解を招くようなコンテンツを禁止している

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第2四半期にTikTokは新型コロナウイルスに関する誤情報を理由に2万7518本の動画を削除した。TikTokによると、これらの動画の83%はユーザーから報告される前に削除され、87.6%は投稿から24時間以内に削除された。そして69.7%は閲覧回数がゼロだったという。一方、WHO(世界保健機関)やCDC(米疾病管理予防センター)の情報をもとに開発されたTikTokのCOVID-19情報ハブは、全世界で9億2100万回以上閲覧された。

数字に関して言えば、TikTokの月間アクティブユーザー数は9月に10億人を突破し、TikTokが成長し続けていることは間違いない。今回の透明性報告書の数字も、そうした成長を反映している。2020年上半期にTikTokは1億400万本の動画を削除したが、これは投稿された全コンテンツの1%に相当した。この1%の削除率は、本日発表されたデータと一致しているが、本日の報告書にある削除された動画8100万本というのは、2四半期分ではなく1四半期分だ。

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

Tinderも導入したバーチャルコワーキングのSoWorkが17億円を調達

SoWork(ソーワーク)の共同創業者でCEOのVishal Punwani(ビシャール・プンワニ)氏は、偶然思いついた予感をもとにビジネスを構築している。

バーチャルコワーキングのスタートアップであるSoWorkは、プンワニ氏とその共同創業者が機械学習のEdTech企業を立ち上げると決めた後に始まった。その創業中のちょうど17年前、皮肉にも「World of Warcraft」をプレイしているときに出会った同氏のチームは、より良いコミュニケーションの方法を必要としていた。何かを作ることとゲームをすることが好きだった彼らは、バーチャルな世界にヒントを得て社内コミュニケーション製品を作り上げた。

彼らのチームの内部コミュニケーションツールは、外部向けのEdTechツールよりも急速に成長し始めた。このスタートアップは、最終的にSophya(ソフィア)という社名に変更し、転換した。同社は、すべての雇用主がいずれ、バーチャルな仕事体験に投資しなければならないというプレッシャーを感じるだろうという予感から始まった。従業員はそうした環境で、文化を修復したり、気候変動と戦うわけだ。

その予感は、このアーリーステージのスタートアップに投資すべきだと投資家を確信させるのに十分だった。SoWorkは現地時間10月12日、シードラウンドで1500万ドル(約17億円)を調達したと発表した。ラウンドは、英国を拠点とし、日常的にアーリーステージのスタートアップに小切手を切っているTalis Capitalがリードした。資金は採用や研究開発に使用する。SoWorkは、100社が参加するプライベートベータ版に1社の大きな顧客を迎えた。Tinder(ティンダー)だ。

Tinderは、バーチャルスペースを導入し、新旧の分散した社員に、コラボレーションルームからハッカソンなどの全社的なバーチャルイベントに至る同社のワークカルチャーを見せようとしている。オフィスのリニューアル計画が遅れたことが、同社がバーチャルスペースに興味を持つきっかけだったのかもしれないが、同社はこのテクノロジーが今後の鍵になると考えているようだ。

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「従業員の働き方の未来を考える上で、Tinderのカルチャーを物理的な空間とバーチャルな空間のハイブリッドに拡張する、より永続的な方法を見つけることが非常に重要でした」とTinderのカルチャー&DE&I担当副社長であるNicole Senior(ニコル・シニア)氏は声明で述べた。

どんなバーチャルオフィスであっても、永続性は部屋の中の象のようなものだ。SoWorkは、TeamflowWithGatherといったバーチャルオフィスプラットフォームの列に加わる。バーチャルオフィスビジネスの最大の課題の1つは、雇用主、特に成長段階にある雇用主が、対面式のオフィスで十分なのに、成長中のチームをメタバースに移すことが現実的かということだ。また、Slack(スラック)が、すでに定着している同社のサービスにさらなる投資を行い、より自然な感じやハドルミーティングなどを持ち込もうとしているように、バーチャルオフィスサービスのスタートアップは、顧客が、特にゲームとともに育ったような人たちではない場合、オンラインの世界で生活や仕事をしたいと思っているのか検証する必要がある。

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「問題を認識していないのであれば構いません。しかしいずれ、SoWorkにせよ他のプラットフォームにせよ、そこに拠点を置く企業が増え、プラットフォームでのメリットが積み重なっていくでしょう。そのうち、ある日突然、雇用主にとって他では得られないメリットが現れるのです」とプンワニ氏は話す。「Twitter(ツイッター)のようなものです。最初は、『Twitterは欠かせない』という企業はありませんでした。しかし、Twitterがランダムなノイズを生む場所になると、企業は『関わりを持っておきたいから、Twitterを利用したい』というようになりました」。

Sophyaには、近接ベースのオーディオ(近くにいる人の声だけが聞こえる)や高品質のビデオ、アバターの自己表現、カスタマイズ可能なオフィス、自分の周りにいる人の視覚化など、体験を深めるための機能が数多く搭載されている。また、従業員がオフィスを飛び出してSoWorkのエコシステムに参加し、他社の従業員とネットワークを築いたり、コミュニティイベントに参加したりする方法も開発した。プンワニ氏によると、チームは週に25〜40時間、非同期のキャッチアップやリアルタイムのミーティングのために、バーチャルオフィスで仕事をしている。

画像クレジット:SoWork

それでも、このスタートアップの最大の差別化ポイントは、気候変動に対するチームの考え方かもしれない。市場に出回る多くのバーチャルオフィスとは異なり、SoWorkは、雇用主にオフィスではなくバーチャルで会社を成長させる方法を提供することで、気候変動に対処するという使命を声高に主張している。同社は、オフィスではなくSoWorkに入居した企業が、どれだけ二酸化炭素の排出量や通勤時間を削減できたかを試算して発表する予定だ。また、同社のカナダ法人では、化石燃料から100%脱却した銀行を選び、米国法人でも同じようにしようとしていると、同社の共同創業者は述べた。

「気候問題は、私たちが最も力を入れている問題です。だからこそ、私たちのキャッチフレーズは、『職場を地球からクラウドへ』です」とプンワニ氏は話す。「気候変動への影響を想像してみてください。二酸化炭素排出量、通勤、小規模な出張、そして無意味なビルや駐車場の建設が減るのです」。

また、競合他社と比較しても、チームの多様性は際立っている。プンワニ氏の他に、Emma Giles(エマ・ジャイルス氏)とMark Liu(マーク・リュー)氏という2人の共同創業者がおり、SoWorkのオペレーション、マーケティング、グロース、プロダクト、リサーチなど主要6チームのうち、5チームを女性が率いる。

SoWorkは、11月の第1週にプライベートベータ版を一般公開する。すでに1000社以上、人数にして30万人以上がウェイティングリストに登録している。

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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Nariko Mizoguchi

Airbyteが統合プラットフォームのホスティング版を発表

Airbyteは、資金状態の良いオープンソースのデータ統合化プラットフォームで、企業のデータチームが自分のELT(Extract, Load and Transform)パイプラインのセットアップを容易にできるようにしてきた。しかし、それまではあくまでもセルフホスティングの自己管理型サービスで、付随する面倒くさい作業もすべてユーザーが行わなければならない。

米国時間10月12日、同社は、Airbyte Cloudの公式ローンチを発表し、Airbyteのホステッドサービスがオープンソースバージョンのすべての機能を持ち、さらにホスティングと管理があり、そしてサポートの各種オプションと、チームに代わってアクセス管理もするようなエンタープライズ機能もあるというサービス体系の提供を開始した。現状で未実装なのはシングルサインオンだが、提供は「もうじき」という。

現状では、6000社ほどの企業が何らかのかたちでAirbyteを使っている。2021年1月にはわずか250社だった。2021年の1年で同社はシードとシリーズAの両方をこなし、合わせて3100万ドル(約35億円)超の資金を獲得した。シードとシリーズAがわずか2カ月間であることから、この分野は投資家にとっても熱いことがわかる。

画像クレジット: Airbyte

お金の話といえば、Airbyteは料金体系を今度のクラウドバージョンとそれまでのオンプレミスバージョンで同一にしようとしている。一般的にこの種のサービスは、処理量が課金のベースとなるが、同社は一連のジョブにかかる計算時間に応じて課金する。

これなら、ワークロードをめぐってよく起きるトラブルが少なくなるだろう。Airbyteのチームによると、従来、エンタープライズはFivetranのような複数のシステムを使って、共通のAPIソースと、データエンジニアリングのチームが彼らの1回限りのユースケースのために作ったスクリプトに接続していた。そしてその上にデータベースのレプリケーションのためのシステムがある、という構成だ。

料金体系について、AirbyteのCOOで共同創業者のJohn Lafleur(ジョン・ラフルール)氏によると「データの統合という問題はありふれた日常的な処理、つまりコモディティにしてしまって解決したい。そうするための唯一の方法は、インフラストラクチャのベンダーがやてるような料金体系にすることです。たとえばSnowflakeのように、クレジットを買い、計算時間に基づいてそのクレジットを消費する。すると、データベースのレプリケーションのスループットはとても高いからそれが可能になりますい。だから、計算時間をベースにしてきたんだ」。

さらにAirbyteのCEOで共同創業者のMichel Tricot(ミシェル・トリコット)氏は、それにより企業は、実質的に彼らのデータサービス料金のすべてを同じ1つの計算時間として捉えるようになるという。

現在、Airbyteは、Instagramのような消費者向け製品から、GoogleのLookerのようなBIシステム、そしてほぼすべての主要なデータベースシステムに至るまで、約130のサービスとのコネクターを備えている。また、チームが指摘するように、多くの顧客がAirbyteのオープンソースコードを利用して独自のカスタムコネクタを構築している。さらに、自社の顧客のためにコネクタを構築するベンダーも登場しており、チームは、何らかのかたちでレベニューシェアを行うことで、コミュニティが長期間にわたってコネクタを維持するインセンティブを与える方法を検討している。

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画像クレジット:koto_feja/Getty Image

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Hiroshi Iwatani)

Google CloudがBigQuery Omniの一般提供を開始

Google(グーグル)は2020年夏にAnthosベースのマルチクラウドデータ分析ソリューションであるBigQuery Omniを初めて公開した。米国時間10月12日、毎年恒例のCloud Nextイベントで同社はBigQuery Omniの一般提供を開始したと発表した。Omniの特徴は、標準的なBigQueryのインターフェイスを使ってMicrosoft(マイクロソフト)のAzureやAWSなど他のクラウドにあるデータのクエリを実行できることだ。クラウド間でデータを移動する必要はない。

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Googleのデータベース、アナリティクス、Looker担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのGerrit Kazmaier(ゲリット・カッツマイヤー)氏は筆者に対し次のように語った。「データサイロは良くないと誰もがわかっていますが、あちこちのクラウドにデータサイロを作っているのが今の現実です。データサイロの新しい世代となり、世界の企業の多くがマルチクラウドの現実に生きていることを我々は認識しています。我々はマルチクラウドを横断するクロスクラウド分析の可能性をBigQuery Omniで提供しています。クロスクラウド分析は究極にシンプルな方法です。データの移動や、管理上の反復や冗長性を考える必要がなくなるからです。1つにまとめられたインターフェイスと1つの処理フレームワークとして、基本的にはBigQueryを採用して他のクラウドの多くの部分で利用できるようにした、エンジニアリングのすばらしい成果です」。

画像クレジット:Google

Google Cloudの顧客の多くがすでにこの機能を利用している。カッツマイヤー氏は、Johnson & Johnson(ジョンソン・エンド・ジョンソン)がこの機能を使ってGoogle CloudにあるデータをAWSのS3にあるデータと組み合わせたり、Electronic Arts(エレクトロニック・アーツ)がゲーム内購入の広告データを組み合わせたりしている事例を挙げた。

データサイロに関しては、Googleは現在はプレビューであるDataplexも2021年中に一般公開になると発表した。Dataplexは企業が複数のデータレイクやデータウェアハウスにまたがるデータの管理、監視、運用をするためのツールだ。

米国時間10月12日にGoogle Cloudが発表した多くの内容と同様に、BigQuery OmniとDataplexもほとんどの企業がマルチクラウド環境で運営されていることを認めた上でのもので、つまり有益なデータが複数のシステムに分かれているのがデフォルトである。複数のシステムにわたるデータの管理は面倒でエラーが発生しやすいが、最も重要なのはデータを1つのシステムにまとめるのが難しい(そしてたいていお金がかかる)ということだ。Googleは同社のサービスをさまざまなクラウドに広げてGCPから管理するアプローチをとっている。これはAnthosでKubernetesのクラスタを管理するアプローチであり、GCPの中心的なサービスの一部を同社のクラウド以外でも実行できるようにしたということになる。

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Kaori Koyama)

万里の長城を歩くことができるグーグルの最新バーチャルツアー

Google(グーグル)のアート&カルチャーチームは本日、万里の長城をバーチャルで歩くことができる新しいオンライン体験を開始した。「Walk the Great Wall of China(ウォークザグレートウォールオブチャイナ)」は、万里の長城の中でも最も保存状態の良い場所の1つを360度のバーチャルツアーで見ることができ、万里の長城全体を撮影した370枚の画像と、万里の長城の建築的な詳細に迫る35のストーリーが含まれている。

「世界最大の人工建造物である万里の長城は、世界で最も象徴的で人気のある遺産の1つです。毎年1000万人以上の人々が訪れますが、誰もが万里の長城を直接見ることができるわけではありません」とGoogleアート&カルチャーチームのプログラムマネージャーのPierre Caessa(ピエール・カエッサ)氏はブログで述べている。「本日、Googleアート&カルチャーは、万里の長城の専門家であるDong Yaohui(ドン・ヤオホイ)氏と古北水鎮のキュレーターの協力を得て、万里の長城をバーチャルに訪れることができる新しいテーマページを発表しました」。

この体験により、ユーザーは万里の長城の歴史を知り、通常ではアクセスが困難な部分を体験することができる。また、万里の長城がどのように未来の世代のために保存されているかについて、ユーザーの理解を深めることも目的としている。

このバーチャル体験では、万里の長城の全景に加え、望楼や壁の各部分を360度見渡すことができる。また、万里の長城がいつ、どのようにして作られたのかを知ることもできる。

万里の長城の歴史をさらに深く知りたい人は、壁に沿って壁の詳細やレンガを解読することができる。例えば、レンガに刻まれた隠されたサインやスタンプ、神秘的な模様などをより詳しく見ることができる。

Googleは過去数年間に数多くの360度バーチャルツアーを発表し、その技術を活用し続けている。2016年には、ユーザーが米国の国立公園を探索できるバーチャル体験を展開した。それ以来、同社は同様のバーチャルツアーを展開しているが、バーチャルリアリティをさまざまな方法で利用することも検討している。例えば、Googleは2017年にバーチャルリアリティのアートギャラリーを立ち上げ、また、2018年には学生が独自のVRツアーを作成できる「Tour Creator(ツアークリエーター)」ツールをリリースした。

この新しい体験は、ウェブサイト「Walk the Great Wall of China」にアクセスするか、AndroidまたはiOS用のGoogle アート&カルチャーアプリをダウンロードすることで経験することができる。

画像クレジット:Google

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

Instagramがサービス停止時にアプリ内でそれを通知する機能をテスト中

Instagram(インスタグラム)はプラットフォームの停止や技術的な問題が発生したときにユーザーに通知する機能をテストする。通知はユーザーのアクティビティのフィードに表示される。同社は、停止するたびにユーザーに通知を送るわけではないが、ユーザーが「混乱し答えを求めている」と判断される場合に、通知によって状況を明らかにすることができるかどうかを判断するとしている。

今回の発表の少し前である日本時間10月5日にFacebookとその傘下のサービスが長時間の停止に見舞われ、日本時間10月9日にも短時間停止した。Instagramは、この2回の停止は設定の変更に起因するが関係はないと説明している。

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Instagramはブログの投稿で「コミュニティとの対話や広範囲にわたる調査を通じて、Instagramで一時的な問題が発生した際にどの程度の混乱が生じるかを把握しました。エンゲージメントや配信に影響を及ぼす際には、利用者がその問題は自分だけに起きていて自分の投稿のせいだと考える場合があることもわかりました。このように不明確な状況はいらだたしいことであるため、我々が状況を直接伝えて簡単に理解していただけるようにしたいと考えました」と述べた。

自分側の問題でアプリが動作しないのではないかとユーザーが心配しなくて済むようになるので、この新機能がアプリに追加されることは歓迎だ。Instagramはこの新しいテストを米国で今後数カ月間実施する。同社は、この機能の有効性を確認するために少人数から始めてその後対象ユーザー数を増やしていくとしている。

画像クレジット:Instagram

Instagramは「アカウントのステータス」という新機能も発表した。これは自分のアカウントが無効になる危険性があるかどうかを簡単に確かめる機能だ。同社によれば、この新しいツールは「自分のアカウントがどういう状態かを確かめるためのワンストップショップ」になるという。Instagramが誤って自分の投稿を削除したと考えるユーザーは、このツールですぐに「レビューをリクエスト」を選択してアピールすることができる。

Instagramはこのツールにさらに情報を追加し、自分のコンテンツがアプリのさまざまな部分でどのように配信され、おすすめされているかをユーザーが把握できるようにする計画だ。同社は、この2つの新機能について今後さらに情報を共有していくとしている。

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(文:Aisha Malik、翻訳:Kaori Koyama)

グーグルのビジネスインテリジェンスサービスLookerがライバルTableauと連携

2019年にGoogle(グーグル)はビジネスインテリジェンスサービスのLooker(ルッカー)を26億ドル(約2950億ドル)で買収した。Salesforce(セールスフォース)はTableau(タブロー)を157億ドル(約1兆7800億円)で買収した。米国時間10月12日、新たな統合によってライバルである2つのプロダクトの距離が縮まった。具体的には、TableauユーザーはまもなくLookerのセマンティックレイヤーにアクセスできるようになり、GoogleのLookerユーザーはまもなくLookerプラットフォーム上でTableauの視覚化レイヤーを利用できるようになる。

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一見するとありそうもない連携のようだが、ある意味、この連携により両方のサービスがそれぞれの強みを活かせるようになる。Tableauの高度な視覚化機能はこれまでずっとユーザーをひきつけてきたが、Lookerとは違ってデスクトップで生まれたプロダクトであり、同社のあらゆる努力にもかかわらずデスクトップとクラウドの分断がいまだに見られる。一方のLookerはクラウド生まれだがSQLを書けるようなテクニカルなユーザー向けのプロダクトで、ビジネスユーザーがデータを分析できるようにすることを目指すTableauとは異なる。こうしたことが、買収の時点では多くの意味でTableauやLookerがそれぞれの買収元と良い組み合わせだった理由でもある。

Googleのデータベース、アナリティクス、Looker担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのGerrit Kazmaier(ゲリット・カッツマイヤー)氏は「シンプルさを求めてデータに取り組む人はすべてGoogleのパートナーであると考えています。我々はDatabricks(データブリックス)とも連携しています。我々が最終的に妥当な問題全般を解決すれば、誰にとっても利益があります。そしてGoogleのすばらしいパートナーであるTableauのような企業もデータをもっとシンプルに扱うことに取り組んでいるなら、それはコラボレーションの本当に優れた基盤です」と述べた。

同氏はLookerのセマンティックモデルによってテーブルの柔軟性が大幅に増し、Tableauによってユーザーは視覚化とストーリーテリングに関してデータを民主化するツールをたくさん手にすることができると説明した。そう考えると2社がすでに多くの顧客を共有していることは、おそらく驚きではないだろう。「お客様がLookerMLに対してTableauを使えたらどれほど便利だろうと我々は考えました。つまり何度もコピーしたりするような複雑なことは必要なくなります。一方Looker側については、TableauをLookerに接続できればLookerのお客様にとってどれほど便利でしょうか。ほんとうに、大いに役に立つと我々は考えたのです」(同氏)。

カッツマイヤー氏は、最終的に重要なのはカスタマーエクスペリエンスであり、サービスが顧客にとってどのように価値を生み出すかであると語る。「自社だけが成功しようとし始めた企業は例外なく困難に直面すると私は思います」。

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Kaori Koyama)

Twitterが「スペース」を強化するためのオーディオクリエイタープログラムSparkを開始

Twitterは、2021年発表したClubhouse(クラブハウス)に似たオーディオルームの「スペース」への投資を強化している。

同社は米国時間10月12日、スペースのための新しいクリエイタープログラムの開始を発表した。このSpark(スパーク)プログラムは、3カ月間のアクセラレータープログラムであり「Twitter上ですばらしいスペースを発見し、金銭的、技術的、マーケティング的なサポートを行う」ことを目的としている。Twitterは、このプログラムに、既存のスペース内のオーディオ番組や未検証の実験を受け入れるとしており、オーディオに興味のあるクリエイターたちに応募を呼びかけている。

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スペースを発表して以来、Twitterはこのオーディオ機能が、早々に消え去ってしまう単なるテスト機能ではないことを示唆していた。同社は2021年9月、チケット制のスペースの提供をはじめ、ホストが自分のホストするオーディオチャットへのアクセス権を販売することで、オーディオルームを収益化できるようにした。今週は、ホストがスペースを開始する際に、DMを使ってリスナーを招待する方法が追加された。また、専用のスペースタブをより多くのiOSユーザーに展開し、さらに英語以外の言語やAndroidにも拡大する計画だ。

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Sparkプログラムに合格したクリエイターは、3カ月間週に2回オーディオルームを運営することが要求される。Twitterは月に2500ドル(約28万4000円)の報酬を用意する。スペースのパフォーマンスに左右されない定額制となっており、番組を盛り上げるための広告クレジットが毎月付与される。このプログラムにサインオンした人は、ツイートやディスカバリー機能でTwitterのアカウントから宣伝してもらえるというメリットが得られる。

TwitterはSparkプログラムの発表の中で「私たちは、説得力があり、魅力的で、人々を惹きつけてやまないオーディオコンテンツを作るには、大変な努力が必要だということを理解しています」と書き「そして何よりも、私たちは人びとのアイデアとライブソーシャルオーディオの可能性を信じていて、あなたのようなオーディオコンテンツクリエーターの飛躍を支援する機会を見つけたのです」と続けている。

週に2回Twitterの後援でオーディオプロジェクトを作成することに興味のあるTwitterユーザーは、10月22日までこのプログラムに応募できる。合格者には、11月上旬に通知が行われる。

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画像クレジット:Bryce Durbin/TechCrunch

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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:sako)

リピート率59%アップ!電子カルテ軸の鍼灸プラットフォームで受療者、鍼灸院、見込み客それぞれの課題を解決

日本マイクロソフトが10月11日から14日にかけて開催中の「Microsoft Japan Digital Days 2021」では、生産性や想像力を高め、組織の競争力に貢献するソリューションや、その導入事例について学べるプログラムが提供されている。

Day 1の10月12日13時35分に行われたセッション「世界の人々の健康をサポートする鍼灸メーカーがSaaS事業を提供するに至るまで(真のDXとは何かについて)」をレポートする。

登壇したのは、鍼灸鍼をはじめ医療機器の開発・製造・販売を行ってきたセイリン ICTプロジェクトリーダー 菊地正博氏とAzureを使ったeコマース開発を得意とするシグマコンサルティング プロジェクトリーダー 木下浩之氏だ。

鍼灸業界の発展を阻む課題をプラットフォームで解決

「鍼灸業界の発展を支えるプラットフォーム」というサブタイトルで進められた当セッション。2020年9月に「鍼灸つながるカルテ」「はりのマイカルテ」をリリースした背景がセイリン菊地氏の口から語られた。

鍼灸治療を受ける人(受療率)は年間560万人で、国内人口の約5.6%。受療したことがあるもののリピートにつながらない人は約2000万人いる。

「肩こり 鍼」などで検索するような鍼灸に興味のある見込み客は約670万人、健康やボディケアに関心のある層は2400万人いるものの、実際に鍼灸治療を受けるに至っていなかった。

鍼灸業界の発展には、受療したもののリピーターになっていない人や見込み客をいかに呼び込むかが課題だが、それには、立ちはだかる負のスパイラルを断ち切る必要があるという。

負のスパイラルには、受療者、鍼灸院、見込み客、他業界の抱くイメージや体験などがある。

受療者側には「施術の効果を感じられない」「本音を言いづらい」「保険適用外で治療費が高い」というもの、鍼灸院側は「来てくれなくなった理由がわからない」「それゆえ施術や接客レベルを上げようがない」「サービス改善のモチベーションが上がらない」というもの、見込み客にとっては未経験ゆえ「怖い」「効果が不明」「マッチする鍼灸院を探せない」という負の感情が、医療施設や介護施設など他業界からは「鍼灸による成果のエビデンスがない」「信頼できる鍼灸師が少ない」「連携するメリットが見いだせない」ため紹介・連携できないという課題があった。

そこで、セイリンではそれらの課題を解決する最適解が電子カルテを軸とした鍼灸プラットフォームであると考えた。

単なる電子カルテであれば、すでにさまざまな医療機関で採用されているが、これは、施術側が治療を記録するためだけのものではない。治療内容とともに、日常生活で気をつけるべき点などのフィードバックを患者に提供し、鍼灸師は受療者からの満足度に関するフィードバックや相談を受けられるようになっている。これにより患者の満足度は上がり、鍼灸師もサービスや技術向上のモチベーションを上げられる。

さらに、患者の症状と施術内容を鍼灸データベースに蓄積することで、これから施術しようとしている鍼灸師には最適な施術のレコメンドを、医療施設や介護施設には鍼灸治療を使うことのメリットなどを含むエビデンスを提供可能になる。

患者から受け取った満足度評価や感じられた効果も蓄積され、その情報は4月1日にリリースした鍼灸院検索サイト「健康にはり with はりのマイカルテ」でいずれ検索可能になり、新規ユーザーが自分にマッチする鍼灸院を探すのに役立てられる。

つまり「鍼灸つながるプラットフォーム」のシステムを導入することで、これまで鍼灸業界の発展を阻害してきた負のスパイラルを断ち切れるというわけだ。

とはいえ、タッチポイントであるアプリの使い勝手が悪ければ鍼灸師も受療者も手間と感じてしまう。

鍼灸師が使う電子カルテ「鍼灸つながるカルテ」はPC、タブレット、スマートフォンのマルチデバイス対応なうえ、入力しやすさを確保しているという。

また、治療前後の変化、治療内容など、通常、自分のものであるのにアクセスできないカルテの内容を鍼灸院から患者へ患者側電子カルテ「はりのマイカルテ」を通じて共有することで、受療者が施術の効果を実感でき、通院のモチベーションを上げられるような仕組みを作っている。

さらに、通常であれば鍼灸院に到着後に記入する問診票の内容をアプリを通じて事前に伝える仕組みもあるため、現状を落ち着いて入力できるうえ、到着後の待ち時間が減るというメリットがある。鍼灸師にとっては、患者が来院する前に情報を得られるので、前もって施術準備を行える。

患者に記載してもらった情報も含めた電子カルテの情報は、ビッグデータという形で鍼灸データベースに蓄積するが、それは教科書にも記載されていない内容だ。師匠たちから受け継いできた「暗黙知」が、システムに入れるすべての鍼灸師に共有され「形式知」となることが、業界全体のメリットになる。

また、蓄積された情報はエビデンスとしても機能するため、鍼灸治療を選んでもらえるよう介護施設や医療施設に交渉できるようになるため、また見込み客の認知度が上がるため、新規受療者の増加も見込める。

リピート率アップについては、鍼灸院「ニイハオ鍼灸院」の導入事例が紹介された。「はりのマイカルテ」導入前後3カ月で比較したところ、アプリ利用患者50人の来院平均回数が2.09回から3.32回へ59%アップ。未利用患者43人の平均来院回数が1.66回から1.71回であったことを考えると、カルテ共有の効果が高かったことがうかがえる。

菊地氏は、4月にリリースした受療者向け鍼灸院検索サイト「健康にはり」内の情報を定期的にアップデートしていくことで「針灸初心者でも安心して治療を受けてもらえるようにしたい」という。

最後に「鍼灸つながるプラットフォームにより、鍼灸治療に関する知を次世代に伝えること、針灸業界の発展を支え、受療率5%を15%にアップさせることを行っていきたい」と今後の抱負を語った。

針灸業界の発展を支えるプラットフォームをさらに下から支える

シグマコンサルティングの木下氏は、同社がAzureを使ったeコマースの知見をどのように鍼灸つながるプラットフォームに活かしたかということについて解説した。

これまで、針灸業界には同様のサービスがなかったため、ニーズを聞き取りながらゼロベースで実装。Azureがあったからこそ、1年半という短期間で行えたことを強調した。

とはいえ、カルテ情報の取り扱いには高度な機密性が要求される。

ここで、シグマコンサルティングの知見が活きてくる。eコマースでは、クレジットカード情報など財産に関係する情報のやり取りが必要になる。シグマコンサルティングには、PCIDSS(Payment Card Industry Data Security Standard。クレジットカード業界のセキュリティ基準)といったセキュリティ事項に対応した実績あり。今回のプラットフォームのシステム構成にも、Azure AD B2Cの認証の仕組みを導入することで堅牢なシステムをすばやく構築した。

データベースにはSQLを利用することで拡張性を担保しつつ、SaaSビジネスで重要なランニング費用低減を図ったという。

これまで器具販売を中心に営業してきたセイリンがSaaSビジネスを成功させるための事業支援も行ってきた。その中にはセイリンだけでなく、導入する鍼灸院へのサポートも含まれる。

セイリンには、営業活動の目標値として「鍼灸院が同システムを導入することによって成功体験を得る」というものを設定した。そのうえで、営業活動を可視化し、営業プロセスを見直ししやすくして商談内容に一定の品質が保たれるようにした。

鍼灸院へは、プラットフォームを利用することで成功体験を得られるようカスタマーサクセスチームを立ち上げて対応した。カルテの電子化、受療者とのコミュニケーション促進、予約業務の効率化など、いくつかのポイントを押さえて支援。サクセスが明確化されたことで、KGI・KPIも明確になり、次なるカスタマーサクセスを実現するためにプロジェクトを改善する必要があり、その点でも支援したという。

「これらの支援により、組織は自走型へと変化する。シグマコンサルティングは、開発からビジネスの成功までをサポートしていける」と、木下氏は締めくくった。

非同期コミュニケーションに特化したSlack対抗アプリ「Twist」をDoistが全面改訂

Todoist(トゥードゥーイスト)とTwist(ツイスト)を販売するDoist(ドゥイスト)は、社内コミュニケーションツールのTwistを改訂した。筆者が初めてTwistを取り上げた時、それは気を散らされないSlack(スラック)のようだった。そして米国時間10月12日の改訂で、同社はそのアイデアをさらに強化した。その結果、組織内の会話のための、集中を高めチームの軌道を正しく保つ頑固なツールになった。

DoistがTwistに取り組み始めたのは新型コロナのパンデミックよりずっと前のことだが、今はTwistがこれまでになく重要に感じられる。この数年、多くの人々が初めてリモートワークを始めた。Microsoft 365のサブスクリプションがある会社はMicrosoft Teamsを使い始め、他の会社は「多くの」時間をZoom会議で過ごしている。

Doistの創業者であるAmir Salihefendic(アミール・サリへフェンディック)氏は、今あるツールではうまくいかないと思った。彼は非同期コミュニケーションを何年も前から推奨してきた。SlackやMicrosoft Teamsは、通知やチャットメッセージで頻繁に割り込んでくる。ついていくのは大変で、他のメンバーと違う時間帯で働いている場合は特にそうだ。同じチャンネルで同じ時間に2つの会話をすることもできない。

TwistのSlackに対する最大の差別化要因は今もそこにある。Twistではあらゆる会話がスレッドだ。会話を始めたい人は、#design、#ios、#support などのチャンネルをクリックして、タイトルと何か本文を書いてスレッドを開始する。新しいスレッドを投稿したあとは、他のユーザーがコメントしたり絵文字で反応することができて、人をタグ付けすることもできる。

画像クレジット:Twist

すぐにフィードバックを返したり、特定の相手に質問したり、プライベートな会話をしたい時は、ダイレクトメッセージを送ることもできる。ただし、これはテキストメッセージを送るのと同じなので、重要な仕事の会話をするためではない。

インターフェースは全面的に刷新された。見た目がすっきりして、現在、見ていることに集中しやすい。3つのカラムのレイアウトで左にチャンネル、何中にスレッドのリスト、右に今開いているスレッドを見せる代わりに、Doistは2カラムのレイアウトを採用して現在のスレッドに集中させる。

スレッドを開くと、ほぼ画面いっぱいに広がるので会話をフォローしやすくなる。他のスレッドのリストは見えないので、別スレッドのコメントに邪魔されることがない。

画像クレジット:Twist

Inboxビューはデザイン変更され、Twistを見なかったために見逃したものを見つけやすくなった。このビューから、自分がフォローしているスレッドの新しいコンテンツを見ることができる。それらのスレッドは読んだり、コメントを付けたりできる。1つのスレッドでやり取りが終わったと思ったら、完了マークをつけることができる。TwistはそのスレッドをInboxから「Done」ビューへと移動する。

本日、リリースされた他の新機能には、スレッドからスレッドへ移動するための新しいショートカットキーやよくなった検索機能がある。アプリの使用料金は年間契約を結んだ場合1人1カ月当たり5ドル(約570円)。無料で試してみることもできるが、コメントとメッセージは1カ月分しか見ることができない。

画像クレジット:Twist

画像クレジット:Jason Leung / Unsplash

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(文:Romain Dillet、翻訳:Nob Takahashi / facebook

架空TikTokスターのネットワークを構築するFourFrontがシード資金調達

あらゆる人気ソーシャルメディアプラットフォームが新しい世代のユーザーに新しいタイプのストーリーテリングを提供してきた。ショートフォーム動画プラットフォームのユーザーベースは急速に10億人を超え、ソーシャルメディアのスターの生み出し方を一変させたため、TikTokの影響はおそらく最も迅速なものだった。

FourFrontは、TikTokで新しいタイプのストーリーテリングを定義しようとしているメディアスタートアップだ。TikTok固有の感覚で脚本された短編連続ストーリーを演じる演者のネットワークを普及させることを目指している。架空のストーリーをVlog形式で配信することは、明らかにソーシャルメディアにとって新しい展開ではないが、FourFrontはTikTokの「For You Page(FYP)」の発見力を利用して、新しいオーディエンスを着実に増やしていきたいと考えている。

同社はこのほど、Bam VenturesやSlow Ventures、BDMI、Alumni Ventures GroupそしてHustleFundから150万ドル(約1億7000万円)のシード資金を調達した。

TikTokには数十人のキャラクターが登場しており、数十万人のフォロワーがいるものもある。しかし、すべてのキャラクターがヒットしているわけではなく、FourFrontのライターとソーシャルメディアストラテジストのチームは、9人のキャラクターを決め、これらのキャラクターは、演者たちが有機的に交差する「宇宙」を作り上げることを目指している。キャラクターの筋書きはFourFrontのチームが考えるが、動画の撮影は演者たちに任されている。

脚本化されたコンテンツはメロドラマ風であることが多いが、プラットフォーム上の人気動画のフォーマットに従っている・例えば、FourFrontの人気キャラクターである「Sydney」の動画では、「watch us confront my sister’s cheating fiancecé LIVE(私たちが姉妹の浮気相手と対決するところを見てください)」というが、この動画は6月に公開されて以来、約50万人のフォロワーを獲得している。Sydneyは、姉妹の浮気相手を捕まえるだけでなく、ルームメイトが賃貸契約を早期に破棄したことによるストレスや、出会い系アプリのカスタマーサポートで学んだことなどを語る。

FourFrontの共同創業者Ilan Benjamin(イラン・ベンジャミン)氏によると、キャラクターのネットワークが本物の人間と誤解されないようにしており、彼らのプロフィールでストーリーのフィクション性を強調し、それぞれの動画には#fictional(フィクション)のタグがつけてある。「オーディエンスを混乱させたり騙したりはしたくない、楽しんで欲しいだけだ」とベンジャミン氏はいう。

FourFrontのキャラクター「Tia」(画像クレジット:TikTok)

TikTokのコンテンツづくりでは、FYPの不規則性と付き合わなければならない。視聴者の多くはストーリーの途中でSydneyのようなキャラクターを認識するが、新しい視聴者はキャラクターとわかるまで時間がかかる。しかし既存の視聴者に長時間忍耐を強いるのもよくない。そのバランスが難しい。

ベンジャミン氏によると「状況設定は繰り返しが多くなるでしょう。常にバランスが勝負です。どの動画も、それ自身で自立していなければならないし、どの動画も何度見ても新鮮でなければなりません」。

現在、同社はキャラクターのスターたちとオーディエンスのネットワークづくりに力を入れており、AIによる会話機能のあるチャットボットなどを使って、対話能力を高めようとしている。また投票機能で、ストーリーの方向性を決めることもトライしたいという。

画像クレジット:TikTok

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(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)

グーグルがEpic Gamesの裁判で反訴状を提出、損害賠償を要求

Apple(アップル)対Epic Games(エピック・ゲームズ)の裁判控訴される中、Google(グーグル)は米国時間10月11日、同社に対するEpic Gamesの反トラスト訴訟への答弁と反訴を提出した。テック巨人のAndroidメーカーは、反トラスト行動に関するEpicの訴えを否定し、逆にEpic GamesがGoogle Play(グーグル・プレイ)デベロッパー販売 / 配布規約(DDA)に反して、Google Playを通じてアプリをダウンロードしたFortnite(フォートナイト)プレイヤーが自社の決済処理システムを使用することを許していることについて補償される権利があると訴えた。

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Epic Gamesがアップルとの独禁法違反訴訟で先週の判決を不服として控訴
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この状況は、App Store(アップ・ストア)で起きた状況と似ている。Epic Gamesはアプリを改訂してApp Storeのポリシーを回避し、Appleとの法的契約に違反して自社の決済システムをする支払いを促した。Appleの裁判における法廷の判決は、EpicがAppleに対して600万ドル(約6億8000万円)を支払うことを命じた。

Epic GamesはGoogle Playでもほぼ同じことをしたと反訴状は主張している。2020年、EpicはFortniteのビルドをGoogle Playに申請したが、そのアプリはGoogle Play Billingではなく自社の直接決済システムを使用していた。申請はGoogleのポリシーに違反しているとして直ちに却下された。Epicは2020年4月に適合するバージョンを申請したが、現在Googleはそれを「訴訟を引き起こすために企まれた不当な行為」と呼んでいる。

新バージョンはEpicの決済システムを隠蔽する改訂が施されたもので、AppleとGoogle両方のアプリ・ストアに送られた。このアプリでは、Epicがサーバー側の設定変更を適用することで、Googleに知られることなく自社の決済システムに切り替える「hotfix(ホットフィックス)」が可能になっている。

そのスイッチは2020年8月13日に切り替えられた。その結果FortniteユーザーはGoogle Play BillingとEpic独自の直接決済システムのどちらかを選べるようになった。これはゲームがアプリストアに拒否されるきっかけを作り、Epicが計画した訴訟を進める道を開くことを目的とした行動だった。Googleによると、同社はEpic Gamesに対しホットフィックスが適用されたその日に、それがDDA、Googleの「Malicious Behavior Policy(悪意ある行為ポリシー)」、およびGoogle Play Billingポリシーに違反していることを通知し、FortniteをGoogle Playから削除した。しかしGoogleはEpicのアカウントを無効化せず、ゲームメーカーが適正バージョンを再申請できるようにした。

しかし、Google PlayからこのゲームをダウンロードしたAndroidユーザーは、アプリが削除された後もEpicの独自決済システムを使うことができるため、Epicは契約で義務づけられたGoogleへの手数料支払を回避することが可能である、と反訴状は述べている。Googleは、この収入損失の補償を、その他の損害、弁護士費用、利息、およびその他法廷が必要と認めた賠償に加えて法廷に要求している。

「Epicは世界最大級のビデオゲームデベロッパー2社に支えられている数十億ドル(数千億円)規模企業であり、Google Playが提供する安全・確実なプラットフォームから膨大な利益を上げています。そのプラットフォームに支払う手数料は他の主要プラットフォームプロバイダーと同等あるいはそれ以下です」と反訴状に書かれている。「同社はこうした膨大な利益に満足せず、従う意図のない法的契約をGoogleと結ぶことでGoogleを欺き、今日まで続く法的および広報上の衝突を引き起こすという真の意図を隠蔽しています」。

Epic Gamesは新たな反訴に対してコメントを出していない。

しかし、Epicの主張は、専用アプリ内決済システムの排他的使用というAppleとGoogleの要求が、デベロッパーを不利にする独占的行為であるというものだ。Appleの事例では、デベロッパーが自社アプリ内でその他の決済システムへのリンクを提示したり、顧客と会話したりすることをAppleは阻止すべきではないという主張に法廷は同意した。Appleが独占行為を行っているとは宣言していない。

関連記事:アップルのApp Store外での決済方法への誘導ブロックが禁止に、Epic Gamesとの裁判で

しかしGoogleの状況はやや異なる。それはAndroidがアプリのサイドローディングをすでに認めており、これはAndroidユーザーにGoogle Play以外でも接触する方法が存在することを意味しているため、反トラストの主張はより困難だ。

Googleは、州の司法長官、デベロッパー、および消費者の訴訟に対する回答も提出した。

Epicに対する被告の答弁、防御、および反訴をTechCrunchが編集した文書をScribdで公開したものを以下に引用する。

画像クレジット:Epic Games

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook

BtoB特化の事業用駐車場マッチングプラットフォーム「at PROT」を運営するランディットが7000万円のシード調達

BtoB特化の事業用駐車場マッチングプラットフォーム「at PROT」を運営するランディットが7000万円のシード調達

BtoB特化の事業用駐車場マッチングプラットフォーム「at PORT」(アットポート)などを手がけるランディットは10月13日、シードラウンドにて約7000万円の資金調達を実施したと発表した。引受先は、インキュベイトファンド、mint、個人投資家。調達した資金は、主にプロダクト開発と組織体制の強化にあてる。

at PORTは、BtoB領域における駐車場を「貸したい」側と「借りたい」側をマッチングさせるプラットフォーム。デバイス1台で、借り手は検索・見積もり・予約・契約・決済・管理まで、貸し手は営業代行・顧客管理・契約管理・物件管理までが一括で可能になる。これまでアナログで行なわれていたこうした工程をデジタル化し取引を効率化することで、需要側・供給側のコスト削減、駐車場の稼働率向上に寄与するとしている。なお現在、at PORTアプリを開発中とのこと。

今後の展望としては、at PORTの開発、またat PORTの浸透を推進することで取引の非効率を解消し、顧客(借主・貸主双方)のコスト削減と駐車場の稼働率向上による売上向上に貢献するという。物件の借りる際の手間や物件を管理する際の工程に関して、自社開発ではコストのかかるソフトウェアを安価で提供し、業務の効率化に資するとしている。

また「マッチングプラットフォーム」と「業務効率化ツール」を土台に介在するデータとネットワークを活かし、「駐車場」の不動産価値を向上させる「不動産テック事業」や、車のIoTの進化・自動運転化を見据えた「モビリティインフラ事業」を進めているという。

BtoB特化の事業用駐車場マッチングプラットフォーム「at PROT」を運営するランディットが7000万円のシード調達

2021年5月設立のランディットは、「世の中を最適化し、豊かにする」をミッションに、建設業界・物流業界・モビリティ業界をデジタルによる仕組み作りによって支えるサービスを提供している。「事業用駐車スペースの確保にかかる手間」という課題は円滑な事業運営に影響を及ぼすことから、その解決ソリューション第1弾として、at PORTの提供を2021年6月より開始した。

グーグルがGmailに自動化サービス「AppSheet」導入、JiraがChatとSpacesをサポート

Google(グーグル)は米国時間10月12日、同社の自動化サービス「AppSheet」の新機能を発表した。Googleのノーコードプラットフォームを利用する開発者は、Gmailと直接やり取りするカスタムアプリケーションや自動化機能を作成できるようになる。開発者は、動的メールを利用して、ユーザーがGmailの受信トレイの中で起動・実行できるアプリケーションを開発することができるようになる。2019年にGoogleが動的メールを発表して以来、それが可能なことはわかっていたが、多くの開発者がこの機能を実際に利用しているとは言えない状況だ。

AppSheetの開発者は、例えば、ユーザーがメール上ですぐに更新できる承認ワークフローや資産管理システムを開発できるようになる。

AppSheetの創業者で、同社をGoogleに売却したCEOのPraveen Seshadri(プラビーン・セシャドリ)氏は、AppSheetのミッション全体の中で今回のステップは小さいながらも重要だと述べた。同社のミッションは、多くのユーザーが自分のアイデアを実用的なソフトウェアに変換したり、開発者(同氏は「クリエイター」と呼ぶ)がユーザーにリーチしたりすることを可能にすることだ。

「今、私たちが取り組んでいるのは、言ってみれば『どうすればクリエイターと呼ばれる人々、つまり、物事をより良く動かす方法や自動化する方法などのアイデアを持つ人々に、それらを開発してもらうか』ということです。従来はアプリを作っていましたが、最近では『アプリをいかにエンドユーザーの体験に深く統合するか』ということを目指しています。これは、開発者がワークスペースプラットフォームを使って行ってきたことであり、今はそれを非開発者にまで広げようとしているのです」とセシャドリ氏は語る。

画像クレジット:Google

一般的に、ビジネス上の問題に最も近いのはビジネスユーザーであり、セシャドリ氏が指摘するように、彼らは通常、自動化ソリューションに何を求めているかを知っている。同氏は、ビジネスユーザーは自分でコードを書けないかもしれないが、AppSheetが宣言的アプローチに重きを置いているため、ユーザーは「その成果を達成するための非常に退屈なステップ」ではなく、成果に集中できると主張する。しかし同氏は、ほとんどのビジネスで、ノーコードのユーザーと従来のエンジニアが一緒に働いているとも指摘する。ノーコードアプリケーションの基盤となるデータベースを誰かが構築し、維持しなければならないからだ。

チームが現在注目しているのは、AppSheetプラットフォームの機能拡張に加え、それがエンドユーザーにどのように利用されるかということだ。

「従来は、アプリケーションを開発する場合、アプリケーションにアクセスして、そこで何かをしなければなりませんでした」とセシャドリ氏はいう。「私が経費精算レポートを作成しなければならないとします。そのために、経費精算レポートのアプリケーションを開きます。それは、ウェブページか何かでしょう。そして、それを実行します。さて、次に採用活動に関して何かをしなければならないとします。それを扱うアプリケーションにアクセスするでしょう。ありがちなのは、あらゆる場面で、ユーザーの文脈を変えてしまうということです。私たちが今取り組んでいるのは、クリエイターが作ったAppSheetアプリケーションをGmailに取り込むことです。そうすれば、ユーザーはその時の文脈から離れずに済みます。仕事の方からユーザーにやって来たり、アプリケーションの方がユーザーにやって来たりするわけです」。

セシャドリ氏は、Google Workspaceの中ではGmailが明確な出発点だというが、全体的な目標は、ユーザーの側に寄っていき、可能な限りユーザーが現在の仕事の文脈から離れないようにすることだ。

画像クレジット:Google

上記と関連して、次のことも注目に値する。Googleは、Atlassian(アトラシアン)と新たに統合し、その結果、JiraがGoogle ChatとSpaces(旧称「Rooms」)に組み込まれる。ユーザーはChatやSpaceからJiraの新しいチケットを作成したり、チケットのプレビューを見たり、アクティブな課題を追跡したりすることができる。Slack(スラック)やMicrosoft Teams(マイクロソフトチームズ)のユーザーはすでに利用している機能であり、Googleは単にツールボックスの足りない部分をを埋めたにすぎない。

「現代の仕事では、人々はこれまで以上に文脈やツールをすばやく切り替える必要があります」とAtlassianのチーフプロダクトオフィサーであるJoff Redfern(ジョフ・レドファン)氏は話す。「私たちは、ユーザーが日々頼りにしているツール間のオープンなエコシステムと緊密な統合が、彼らの成功に不可欠であると考えています。2017年以降、Gmailと統合した当社のTrelloは700万人以上にインストールされました。本日、AtlassianとGoogleの連携に基づき、JiraとGoogle ChatおよびSpacesが統合され、職場での協業をさらに推進できることをうれしく思います」。

画像クレジット:Sean Gallup/Getty Images / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Nariko Mizoguchi

南アフリカの通信大手TelkomがNetflixの配信を停止

南アフリカの通信事業者Telkom SA SOC Ltdは、2021年10月以降、電話とインターネットのセットトップボックスからNetflix Inc.を廃止したとBloombergが報じている。

記事によると、Telkomのコンテンツ担当役員Wanda Mkhize(ワンダ・ムキゼ)氏が声明で、両社のパートナーシップは回復されないと述べ、それ以上の詳細は語られていない。

現在、両社に問い合わせ中なので、情報が得られ次第この記事を更新する。

Netflixは近年、アフリカ全土で成長を探り、有料会員と売上の増加を狙ってきた。Telkomとの関係が終わった今、同社が既存の会員や消費者向けに別のルートを作るのかはまだ明らかでない。

2021年9月、同社はケニヤのAndroidスマートフォン向けに無料プランを発表して新会員の獲得に乗り出した。このプランでは「同社のテレビ番組および映画の約4分の1」にアクセスできるという。

関連記事:Netflixがケニアで無料プランを開始、東アフリカでの成長を加速へ

全アフリカでの会員獲得と維持を目指すNetflixは今では、この大陸の多様な市場で作られた南アフリカの「Queen Sono(クイーン・ソノ)」、ケニヤの「Sincerely Daisy」、ナイジェリアの「2 weeks in Lagos」といったコンテンツを前面に打ち出している。

GSMAモバイル経済報告によると、モバイルインターネットに接続したサハラ以南の人口は2021年に全人口の約28%、3億300万人に達し、それをビデオストリーミングサービスも顧客として狙っている。モバイルインターネットに接続した人たちは2025年に人口の約40%に達すると予想され、Netflixのようなインターネット企業により大きな市場を提供する。

大陸全土にわたる安価で高速なインターネットはNetflixやAmazonなどのビデオストリーミングサービスに、この大陸に巨大な足場を築く機会を与えている。

Netflixには、同国にもう1つのパートナー、MultiChoice Group Limitedがいる。同社は大陸最大のペイTVプロバイダーで、南アフリカではペイTVサービスの一環としてNetflixやAmazonを提供している。MultiChoiceが両社と契約を交わしたのは、2020年半ばだ。それはあくまでもMultiChoiceのペイTVの会員確保努力であり、そのために2015年には低料金のストリーミングサービスShowmaxを導入した。

関連記事
韓国裁判所がNetflixに不利な判決、ISPによるストリーミングサービスへの帯域幅使用料徴収の道をひらく
韓国のISPであるSK BroadbandがNetflixに帯域使用料を反訴

画像クレジット:Sam Wasson/Getty Images

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(文:Annie Njanja、翻訳:Hiroshi Iwatani)

グーグルがハイブリッドクラウドに全力、エッジ・オンプレミスのマネージドソリューション新ポートフォリオを発表

米国時間10月12日、Google(グーグル)は、同社の年次カスタマーカンファレンス「Google Cloud Next」において、ハイブリッドクラウドサービスの幅広いポートフォリオを発表した。これらのサービスでは、Googleのデータセンターネットワークのエッジ、パートナー施設、または顧客のプライベートデータセンターでコンピューティングを提供し、すべてを同社のクラウドネイティブ管理コンソールであるAnthosで管理する。

今回の発表の背景には、パブリッククラウドには必ずしも適さない特殊なワークロードを持つ顧客を取り込むという戦略があると、GoogleのIaaS担当GM兼VPのSachin Gupta(サチン・グプタ)氏は述べている。このようなニーズは、潜在的な顧客から絶えず聞かれていたという。

そのためには、合理的な代替案を提供することが必要だ。「パブリッククラウドへの移行を妨げるさまざまな要因があることがわかりました」とグプタ氏はいう。例えば、低遅延の要求があったり、処理しなければならないデータが大量にあったりして、そのデータをパブリッククラウドに移したり戻したりすることが効率的でない場合がある。また、セキュリティ、プライバシー、データの残留、その他のコンプライアンス要件がある場合もある。

このような背景から、Googleは純粋なパブリッククラウドではないさまざまな状況で機能する一連のソリューションを設計した。ソリューションは、Googleの世界各地のデータセンター、通信事業者やEquinixのようなコロケーション施設のパートナーデータセンター、あるいは企業のデータセンター内の管理対象サーバーの一部として、エッジに設置することができる。

後者については、Dell(デル)やHPEなどのパートナー企業が提供するサーバーであり、Amazon(アマゾン)が提供するOutpostsのようにGoogleが製造・管理するサーバーではないことに注意が必要だ。また、これらのマシンはGoogleのクラウドに直接接続されるわけではないが、Googleがすべてのソフトウェアを管理し、IT部門がクラウドとオンプレミスのリソースを一元的に管理する方法を提供するというところも興味深い点だ。これについては後述する。

ホスティングソリューションの目的は、コンテナとKubernetes、または仮想マシンを使用した、一貫性のある最新のコンピューティングアプローチだ。Googleは安全なダウンロードサイトを通じてアップデートを提供しており、顧客は自分でチェックすることも、サードパーティベンダーにすべてを任せることもできる。

このアプローチを支えているのは、数年前に発表した制御ソフトウェアであるAnthosだ。Anthosを使用することで、顧客は、オンプレミス、データセンター、パブリッククラウドなど、それがMicrosoft(マイクロソフト)やAmazonのような競合他社のクラウドでも、ソフトウェアがある場所でコントロールし、管理することができる。

Google Cloudハイブリッド・ポートフォリオ・アーキテクチャ図(画像クレジット:Google Cloud)

このようなアプローチは、Googleがハイブリッドの市場機会を利用して、クラウドの中で独自のシェアを開拓しようとしていることを示している。この分野はMicrosoftやIBMも開拓しようとしているが、Anthosを使ってすべてをつなぎ合わせながら、このような包括的なプラットフォームアプローチをとることで、とりわけ特定のワークロードをクラウドに移行できないような固有の要件を持つ企業において、Googleが支持される可能性がある。

Googleは、8月に発表された最新の四半期報告書において、クラウドインフラストラクチャ市場のシェアが初めて10%に達し、54%という活発な成長率を示した。市場シェアが33%のAmazonや20%のMicrosoftにはまだ遠く及ばないものの、少しずつ勢いを増してきていることがうかがえる。

関連記事:クラウドインフラ市場は2021年第2四半期も成長を続け、売上高は約4.6兆円に到達

画像クレジット:Sean Gallup / Getty Images

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(文:Ron Miller、翻訳:Aya Nakazato)

Google Cloudがクラウド使用による二酸化炭素排出量を表示する機能を提供へ

Google Cloudは米国時間10月12日、ユーザーにカスタムの二酸化炭素排出量レポートを提供する新しい(そして無料の)機能を発表した。このレポートでは、クラウドの利用によって発生する二酸化炭素の排出量を詳しく説明する。

Google Cloudは以前から、2030年までに二酸化炭素をまったく排出しないエネルギーで稼働させたいと述べてきた。すでにエネルギー使用を再生可能エネルギーの購入とマッチングさせている。しかし、Google Cloudに限らず、今日では実質的にほぼすべての企業が、二酸化炭素排出量の目標を達成する方法を検討している。クラウドコンピューティングの役割を定量化することは非常に困難だが、ここでは企業が社内外でクラウドを利用する際の環境への影響を簡単に報告できるようにすることを目指している。

画像クレジット:Google

「顧客は、このデータを報告だけでなく、内部監査や二酸化炭素削減の取り組みに活用することができます。HSBC、L’Oreal、Atosなどの顧客と協力して構築した二酸化炭素排出量レポートは、顧客が気候変動に関する目標を達成できるよう、新たなレベルの透明性を提供します」と、CTOオフィスでGoogle Cloudの持続可能性のためのデータおよびテクノロジー戦略をリードするJenn Bennett(ジェン・ベネット)氏は話す。「顧客は、プロジェクトごと、製品ごと、地域ごとのクラウドの二酸化炭素排出量を長期的に監視することができ、ITチームやデベロッパーに二酸化炭素排出量の削減に役立つ指標を提供することができます。デジタルインフラの排出量は、実際には環境フットプリントの一部に過ぎませんが、各社が掲げる二酸化炭素削減目標に対する進捗状況を測定するためには、二酸化炭素排出量の計算が必要です」と語る。

画像クレジット:Google

ベネット氏が指摘したように、企業が正確な報告を行うことができれば、自然な流れとして、気候変動への影響を軽減するための提案を行うことが次のステップになる。具体的には、Google Cloudの「Unattended Project Recommender」に二酸化炭素推定値を追加したり「Active Assist Recommender」に持続可能性への影響のカテゴリーを追加したりすることになる。

画像クレジット:Westend61 / Getty Images

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(文:Frederic Lardinois、翻訳:Nariko Mizoguchi

ツイッターでフォロワーをブロックせずに削除可能に

Twitter(ツイッター)は2021年9月に行ったテストを経て、フォロワーをブロックせずに削除できる機能を全ウェブユーザーに提供し始めている。この安全機能は、誰かをブロックすることによる影響を避けたい場合に役立つ。ブロックされたユーザーが、ブロック後にあなたのプロフィールに移動した場合、Twitterはブロックされたことを伝える。しかしフォロワーを削除することで、完全にブロックしなくても、誰が自分のツイートを見ているか、ユーザーは安心できる。

関連記事:ツイッターが「ブロックせずにフォロワー解除」する機能をテスト中

確かに、ブロックされたユーザーは、あなたをフォローしていないことに気づくかもしれないが、それは知ったことではない。もしかしたら、誤ってフォロー解除ボタンを押してしまったのかもしれない。手厳しいブロックにはない、説得力のある否認がそこにはある。

Twitterユーザーは長年、フォロワーをすばやくブロックしたり、ブロックを解除したりすることで、フォロワーリストから削除する「ソフトブロック」を行ってきた。しかしいま、Twitterはこれを独自の機能にしようとしている。

Twitterが9月に投稿したテストに関するツイートでは、フォロワーリストを手動でスクロールして、削除したい相手を見つけてからでないとフォロワーリストから削除できないことが画像で示されていた。しかし今回導入した機能では、フォロワーのプロフィールにいき、3つの点のアイコンをクリックし「このフォロワーを削除」を選択することでフォロワーを削除できるようにもなっている。これにより、特に人気のあるユーザーにとっては、より使いやすい機能となっている。

フォロワーの削除とは関係はないが、Twitterはユーザーがタイムライン上でスワイプして、2つの異なるフィード(Twitterのアルゴリズムで分類されたフィードと、時系列で表示されたフィード)を切り替えられる機能のテストを発表した。

Twitterではすでにこの2つのフィードをユーザーが切り替えられるようになっているが、コンテンツのアルゴリズムが注目されている中でのテストとなる。Facebookの内部告発者であるFrances Haugen(フランシス・ハウゲン)氏は先に、上院で証言した際に、コンテンツを時系列に並べることで、反響を呼びやすいコンテンツを促進するアルゴリズムを採用しているFacebookでは有害性や誤報、暴力的なコンテンツの拡散を抑えることができると考えている、と述べた。Twitterの共同創業者兼CEOであるJack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏は以前、ユーザーが複数のアルゴリズムを選択してコンテンツを整理できることを支持する考えを明らかにした。

最近のTwitterは、驚くほど多く新機能をテストし、実装している。Twitterがテストするものすべてが必ずしもずっと使われるわけではないが、かつては同社の関心がどこにあるのかを示す良い指標だった。しかし同社はつい最近、これまでよりもはるかに多くの実験を含む戦略を説明した。これは、Fleetsという同社のストーリー機能でみられたように、うまくいかないプロジェクトや機能を停止する準備ができていることを意味する。

同社のコンシューマープロダクト部門の責任者Kayvon Beykpour(ケイヴォン・ベイポー)氏は2021年9月、大規模な新機能の追加を発表した際に「使えないものに縛られてはいません」と述べた。「たまには物事を縮小しないと、十分に大きな賭けをしていないことになると考えています」。

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画像クレジット:Twitter at CES 2020

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(文:Amanda Silberling、翻訳:Nariko Mizoguchi

フリーランス営業職・営業代行会社と企業をマッチングする営業代行プラットフォーム「カクトク」が資金調達

フリーランス営業職・営業代行会社と企業をマッチングする営業代行プラットフォーム「カクトク」が資金調達

カクトクは10月12日、J-KISS型新株予約権の発行による資金調達を発表した。引受先はVOYAGE VENTURES、セゾン・ベンチャーズのほか、既存投資家の朝日メディアラボベンチャーズ、コロプラネクストの運営するファンド。累計調達金額は4億円となった。

同社は、フリーランス営業職・営業代行会社と企業をオンライン上でマッチングする営業代行プラットフォーム「カクトク」を展開。1万人を越えるフリーランス・副業の営業人材と、600社以上の営業代行会社が登録しているという。企業側は、最短7日で新規開拓からクロージング、さらに営業戦略まですべての営業プロセスをアウトソースできるとしている。

今回調達した資金は、より適切なマッチングを提供するための機能改善や新機能開発、認知拡大のためのマーケーティングに活用する。

2016年に設立されたカクトクは、「誰もがプロフェッショナルとして活躍できる世界をつくる」をミッションに、営業力に課題を抱える企業と、営業フリーランス・副業の営業人材や営業代行会社とのマッチングをサポートすることで、営業戦術と働き方の新時代を作り出すサービスを提供するとしている。

カクトクのほかに、フリーランスや副業で営業を行なう際に役立つ情報を掲載する「kokoroe」、営業責任者向けの営業特化型メディア「SALES BRAIN」といったウェブメディアも運営している。

メディカルノートによる医師向けの医療専門検索サービス「Medical Note Expert」の試験運用を開始

メディカルノートは10月11日、医師向けの医療検索サービス「Medical Note Expert」の試験運用を開始したと発表した。また利用登録者の募集も開始している。同サービスは、医師が必要とする医療情報を集約し検索しやすくすることで、デジタル時代に即した情報収集環境を構築したものという。試験運用版では一部コンテンツのみの掲載としているものの、今後コンテンツを拡充予定としている。

Medical Note Expertは、臨床や研究で必要となる多様な情報を、信頼できる医療情報に特化して素早くアクセスすることが可能な検索サービス。医学論文や診療ガイドライン、各医療学会が発信する最新情報、製薬会社の医薬品情報といった医療情報を集約しデジタル化している。さらに、一般向けの医療・ヘルスケアプラットフォーム「Medical Note」で培った医療学会との連携を元に、質の高いオリジナル記事も提供している。

専門的で最新の医療情報を必要とする医師にとって、現在は情報がインターネットに散在している状況にある。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や、医療用医薬品の情報提供活動の規制強化もあり、医師が自ら情報を取得する機会も増加している。このため、医師の間ではインターネットを活用した情報収集の効率性が課題となっているという。

そうした医師による日常的な情報収集を支えるため、メディカルノートは「Medical Note Expert」開発プロジェクトを8月に立ち上げ、医療関連団体や製薬会社などの企業に協力を呼びかけ、試験運用がスタートすることとなった。

今後は、同サービスを利用する医師の意見を積極的に取り入れ、利便性を高めていくとしている。特に試験運用段階では利用実態の分析やアンケートを行い、医師の情報検索ニーズを明らかにすることを目的としている。収集したデータを元に、データソースの増強やユーザーインターフェース、検索性を向上させるとしている。

メディカルノートは、「すべての人が『医療』に迷わない社会へ」というミッションを掲げ2014年に設立。デジタルヘルスケアプラットフォーム「Medical Note」やオンライン医療相談サービス「Medical Note医療相談」を運営するほか、医療機関向けDX支援SaaS「Hospital Manager」を提供している。